JP6494822B1 - 内燃機関の制御装置、及び内燃機関の制御方法 - Google Patents

内燃機関の制御装置、及び内燃機関の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】PCVバルブの異常を検出することができる内燃機関の制御装置、及び内燃機関の制御方法を提供する。【解決手段】内燃機関の運転中における吸気マニホールドの内部の酸素濃度の値と、酸素濃度判定値と、の比較に基づいて、ブローバイガス通路に設けられたPCVバルブの異常の有無を判定するようにした。【選択図】図2

Description

この発明は、ブローバイガス還元装置を備えた内燃機関の制御装置、及びその内燃機関の制御方法に関するものである。
内燃機関のシリンダ内で高圧になった排気ガスや未燃焼ガスは、ピストンとシリンダの隙間等から内燃機関のクランクケース内に漏れ出ることがある。このクランクケース内に漏れ出たガスはブローバイガスと称されるが、ブローバイガスは、そのまま大気に放出されると大気汚染の原因となる。そこで、ブローバイガスを内燃機関の吸気系に還元して内燃機関の燃焼室で再燃焼させるようにしたブローバイガス還元装置が内燃機関に設けられる場合がある。
ブローバイガス還元装置は、ブローバイガスを内燃機関の吸気系に流通させるために、内燃機関のクランクケースの内部と、吸気系のスロットルバルブの下流側とをゴムホース等で接続して構成したブローバイガス通路を備え、ブローバイガス通路には、逆止弁としてのPCV(Positive Crankcase Ventilation)バルブが装着されている。
機械的な構成のPCVバルブの場合、開口した一端と開口した他端との間に配置された弁体と、この弁体を閉じる方向に常時付勢するスプリングとが設けられている。このように構成されたPCVバルブは、前述の一端がクランクケースの内部に臨み他端が吸気系に臨むように、ブローバイガス通路に直列に装着される。
ブローバイガス通路に装着されたPCVバルブは、クランクケース内の圧力が、吸気系におけるスロットルバルブの下流側の圧力とスプリングのスプリング圧力との合計圧力を超えれば弁体が開き、クランクケース内のブローバイガスをブローバイガス通路を介して吸気系に流通させる。これとは逆に、クランクケース内の圧力が、吸気系におけるスロットルバルブの下流側の圧力とスプリングのスプリング圧力との合計圧力以下のときは弁体が閉じ、ブローバイガス通路を遮断してブローバイガスの前述の流通を停止させる。
PCVバルブの開度は、クランクケース内の圧力と、吸気系におけるスロットルバルブの下流側の圧力とスプリングの押圧力との合計圧力と、の圧力差に応じて決定され、ブローバイガスの前述の流通量はPCVバルブの開度に依存する。
しかしながら、前述のように構成された機械的な構成のPCVバルブの場合、機械的な構成部品であるスプリングの押圧力は製造上のばらつきが大きく、内燃機関の運転条件が同一であっても、個々のPCVバルブによりブローバイガスの流通量に差が生じることがある。
また、廉価で機械的な構成のみのPCVバルブを用いた場合、PCVバルブの開度等のPCVバルブの作動状況をモニタする出力を有していないため、PCVバルブに故障等の異常が発生してもその異常を検出することが困難である。
これに対して、例えば特許文献1に開示された従来のブローバイガス還元装置によれば、ブローバイガスの流通量の調整を可能としたPCVバルブを用い、内燃機関の運転状態に応じてブローバイガスの流通量を調整するように構成されており、PCVバルブによる流量調整状態と、内燃機関の吸気量の状態等に基づいて、PCVバルブの異常検出を行なうようにしている。
また、例えば特許文献2に開示された内燃機関のブローバイガス通路異常検出装置では、内燃機関のアイドル運転時の空気制御量に基づいて、ブローバイガス通路の漏れ若しくは抜け等の異常を検出するようにしている。
特開2017−145782号公報 特開平10−184335号公報
前述の特許文献1に開示された従来のブローバイガス還元装置を備えた内燃機関の制御装置の場合、ブローバイガスの流通量を任意に調整することができるPCVバルブを用いることが必要であり、さらにはそのPCVバルブを駆動制御するための制御手段も必要となるため、コストアップを招くという課題があった。また、前述の特許文献2に開示されたブローバイガス通路異常検出装置を備えた内燃機関の制御装置の場合、システム構成としては廉価であるものの、PCVバルブの弁体が閉位置で固着する閉故障に基づく異常は検出できないという課題があった。
この発明は、従来のブローバイガス還元装置を備えた内燃機関の制御装置に於ける、前述のような課題を解決するためになされたものであり、機械的構成のPCVバルブを用いていても、確実にその異常を検出することができる内燃機関の制御装置、及び内燃機関の制御方法を提供することを目的とする。
この発明による内燃機関の制御装置は、
内燃機関のクランクケースの内部のブローバイガスを、前記内燃機関の吸気系におけるスロットルバルブの下流側に流通させるブローバイガス通路と、
前記ブローバイガス通路に設けられ、前記クランクケースの内部の圧力に依存して開閉動作を行うPCVバルブと、
を有し、
前記PCVバルブの開閉動作に基づいて、前記ブローバイガスの流通を制御するようにした内燃機関の制御装置であって、
前記ブローバイガス通路に前記PCVバルブと直列に配置され、前記ブローバイガス通路を開閉し得る弁装置と、
前記吸気系における前記ブローバイガス通路との接続部の下流側の気体の酸素濃度を検出する運転状態検出部を備え、
前記運転状態検出部が検出した前記内燃機関の運転中における前記酸素濃度の値と、前記内燃機関の運転中において前記弁装置を開動作若しくは閉動作させたときに生じる前記酸素濃度の変化量と、に基づいて、前記PCVバルブの異常の有無を判定するように構成されている、
ことを特徴とする。
この発明の内燃機関の制御方法は、
内燃機関のクランクケースの内部のブローバイガスを、ブローバイガス通路により前記内燃機関の吸気系におけるスロットルバルブの下流側に流通させ、前記ブローバイガスの流通を、前記ブローバイガス通路に設けられたPCVバルブにより制御するようにした内燃機関の制御方法であって、
前記内燃機関の運転中における前記吸気系の前記ブローバイガス通路との接続部の下流側の気体の酸素濃度の値と、前記内燃機関の運転中に前記ブローバイガス通路に前記PCVバルブと直列に設けられた弁装置を動作若しくは閉動作させることにより生じる、前記吸気系の酸素濃度の変化量と、に基づいて、前記PCVバルブの異常の有無を判定する、
ことを特徴とする。
この発明に係る内燃機関の制御装置によれば、内燃機関のクランクケースの内部のブローバイガスを、前記内燃機関の吸気系におけるスロットルバルブの下流側に流通させるブローバイガス通路と、前記ブローバイガス通路に設けられ、前記クランクケースの内部の圧力に依存して開閉動作を行うPCVバルブと、を有し、前記PCVバルブの開閉動作に基づいて、前記ブローバイガスの流通を制御するようにした内燃機関の制御装置であって、
前記吸気系における前記スロットルバルブの下流側の気体の酸素濃度を検出する運転状態検出部を備え、前記運転状態検出部が検出した前記内燃機関の運転中における前記酸素濃度の値に基づいて、前記PCVバルブの異常の有無を判定するように構成されているので、機械的構成のPCVバルブであっても、その異常を確実に検出することができる。
また、この発明に係る内燃機関の制御装置によれば、内燃機関のクランクケースの内部のブローバイガスを、前記内燃機関の吸気系におけるスロットルバルブの下流側に流通させるブローバイガス通路と、前記ブローバイガス通路に設けられ、前記クランクケースの内部の圧力に依存して開閉動作を行うPCVバルブと、を有し、前記PCVバルブの開閉動作に基づいて、前記ブローバイガスの流通を制御するようにした内燃機関の制御装置であって、前記ブローバイガス通路に前記PCVバルブと直列に配置され、前記ブローバイガス通路を開閉し得る弁装置と、前記吸気系における前記スロットルバルブの下流側の気体の酸素濃度を検出する運転状態検出部を備え、前記運転状態検出部が検出した前記内燃機関の運転中における前記酸素濃度の値と、前記内燃機関の運転中において前記弁装置を開動作若しくは閉動作させたときに生じる前記酸素濃度の変化量と、に基づいて、前記PCVバルブの異常の有無を判定するように構成されているので、機械的構成のPCVバルブであってもその異常をより確実に検出することができる。
さらに、この発明に係る内燃機関の制御方法によれば、内燃機関のクランクケースの内部のブローバイガスを、ブローバイガス通路により前記内燃機関の吸気系におけるスロットルバルブの下流側に流通させ、前記ブローバイガスの流通を、前記ブローバイガス通路に設けられたPCVバルブにより制御するようにした内燃機関の制御方法であって、前記内燃機関の運転中における前記吸気系の酸素濃度の値に基づいて、前記PCVバルブの異常の有無を判定するようにしているので、機械的構成のPCVバルブであってもその異常を確実に検出することができる。
また、この発明に係る内燃機関の制御方法によれば、内燃機関のクランクケースの内部のブローバイガスを、ブローバイガス通路により前記内燃機関の吸気系におけるスロットルバルブの下流側に流通させ、前記ブローバイガスの流通を、前記ブローバイガス通路に設けられたPCVバルブにより制御するようにした内燃機関の制御方法であって、前記内燃機関の運転中における前記吸気系の酸素濃度の値と、前記内燃機関の運転中に前記ブローバイガス通路に前記PCVバルブと直列に設けられた弁装置を回動作若しくは閉動作させることにより生じる、前記吸気系の酸素濃度の変化量と、に基づいて、前記PCVバルブの異常の有無を判定するようにしているので、機械的構成のPCVバルブであってもその異常をより確実に検出することができる。
この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置の概略構成図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置のブロック図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置のハードウェア構成図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置、及び内燃機関の制御方法を説明するための、吸気マニホールド内の気体の酸素濃度を示す説明図である。 この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置、及び内燃機関の制御方法を説明するためのフローチャートである。
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置及び制御方法について、図に基づいて詳細に説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置の概略構成図、図2は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置のブロック図、図3は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置のハードウェア構成図である。図1、図2、及び図3に於いて、内燃機関1、及び内燃機関1を制御する制御装置50は、車両に搭載されている。内燃機関1は、車両の駆動輪を駆動する駆動力源となる。
まず、内燃機関1の構成について説明する。内燃機関1は、空気と燃料の混合気を燃焼させるシリンダ25を有している。内燃機関1は、シリンダ25に空気を供給する吸気路23と、シリンダ25で燃焼した排気ガスを排出する排気路17とを備えている。内燃機関1は、吸気路23を開閉するスロットルバルブ6を備えている。スロットルバルブ6は、制御装置50により制御される電気モータにより開閉駆動される電子制御式スロットルバルブにより構成されている。スロットルバルブ6には、スロットルバルブ6の開度に応じた電気信号を出力するスロットル開度センサ7が設けられている。
吸気路23の最上流部には、吸気路23に吸入された空気を浄化するエアクリーナ24が設けられている。スロットルバルブ6の上流側の吸気路23には、大気から吸気路23に吸入される空気である吸入空気の流量に応じた電気信号を出力するエアフローセンサ3と、吸入空気の温度である吸入空気温度Taに応じた電気信号を出力する吸入空気温度センサ4と、吸入空気の湿度である吸入空気湿度Haに応じた電気信号を出力する吸入空気湿度センサ5と、が設けられている。
スロットルバルブ6の上流側の吸気路23内の圧力は、大気圧と等しいとみなすことができる。吸気路23の外部(例えば、制御装置50の内部)には、吸入空気(この実施の形態1では、大気)の圧力である吸入空気圧Paに応じた電気信号を出力する吸入空気圧センサ2が設けられている。
なお、吸入空気温度センサ4及び吸入空気湿度センサ5は、エアフローセンサ3と一体化されてもよいし、別体化されてもよい。或いは、吸入空気温度センサ4及び吸入空気湿度センサ5は、吸入空気圧センサ2と同様に、吸気路23の外部に設けられてもよい。いずれにしても、吸入空気圧センサ2、吸入空気温度センサ4、及び、吸入空気湿度センサ5は、吸気路23に吸入される吸入空気が存在する場所であって、吸入空気の圧力が実質的に同じになる場所に設けられる。
スロットルバルブ6の下流側の吸気路23には、吸気マニホールド12が設けられている。吸気マニホールド12の上流側とスロットルバルブ6の下流側の間の吸気路23には、吸気脈動を抑制するサージタンク11が設けられている。内燃機関1は、排気路17からサージタンク11に排気ガスを還流するEGR(Exhaust Gas Recirculation:排気再循環)通路21と、EGR通路21を開閉するEGRバルブ22と、を備えている。前述の吸気路23とサージタンク11と吸気マニホールド12は、内燃機関1の吸気系を構成している。
なお、この実施の形態1では、EGR通路21は排気路17とサージタンク11との間に設けられているが、排気路17と吸気マニホールド12との間に設けられていてもよい。
EGRバルブ22は、制御装置50により制御される電動モータ等の電動アクチュエータにより開閉駆動される電子制御式EGRバルブにより構成されている。サージタンク11に還流された排気ガス(以下、還流排気ガスと称す)と、サージタンク11に吸入された吸入空気は、サージタンク11内で混合され、均一化される。
吸気マニホールド12に接続されているサージタンク11には、吸気マニホールド12内の気体の圧力であるマニホールド圧Pbに応じた電気信号を出力するマニホールド圧センサ8と、吸気マニホールド12内の気体の温度であるマニホールド温度Tbに応じた電気信号を出力するマニホールド温度センサ9と、吸気マニホールド12内の気体の酸素濃度であるマニホールド内酸素濃度Rox_inに応じた電気信号を出力するマニホールド内酸素濃度センサ10と、が設けられている。
なお、サージタンク11内の気体の圧力と温度と酸素濃度は、吸気マニホールド12内の気体の圧力と温度と酸素濃度と同一であり、この実施の形態1では、マニホールド圧センサ8とマニホールド温度センサ9とマニホールド内酸素濃度センサ10は、全てサージタンク11に設置されているが、それらのうちの少なくとも何れかは吸気マニホールド12に設置されてもよい。また、マニホールド温度センサ9及びマニホールド内酸素濃度センサ10は、マニホールド圧センサ8と一体化されていてもよいし、別体化されていてもよい。
マニホールド温度センサ9及びマニホールド内酸素濃度センサ10は、吸気マニホールド12とEGR通路との接続部よりも下流側に設けられており、吸入空気と還流排気ガスとが十分に混合した気体の温度と酸素濃度を検出可能なように構成されている。
吸気マニホールド12の下流側の部分には、燃料を噴射するインジェクタ13が設けられている。なお、インジェクタ13は、シリンダ25内に直接燃料を噴射するように設けられてもよい。
シリンダ25の頂部には、空気と燃料の混合気に点火する点火プラグ161と、点火プラグ161に点火エネルギーを供給する点火コイル16と、が設けられている。また、シリンダ25の頂部には、吸気路23からシリンダ25内に吸入される吸入空気量を調節する吸気バルブのバルブ開閉タイミングを可変にする吸気可変バルブタイミング機構14と、シリンダ内から排気路17に排出される排気ガス量を調節する排気バルブのバルブ開閉タイミングを可変にする排気可変バルブタイミング機構15と、が設けられている。吸気可変バルブタイミング機構14と排気可変バルブタイミング機構15は、電動アクチュエータを有している。
内燃機関1のクランク軸には、その回転角に応じた電気信号を出力するクランク角センサ20が設けられている。排気路17には、排気ガス中の空気と燃料との比率である空燃比AF(Air/Fuel)に応じた電気信号を出力する空燃比センサ18が設けられている。また、排気路17には、排気ガスを浄化する触媒19が設けられている。触媒19には、理論空燃比AF0近傍で浄化性能が高くなる三元触媒が用いられている。
クランクケース26は、オイルパンと一体化されており、内部に空間を有する。内燃機関1のクランク軸100は、クランクケース26の内部の空間に配置されている。前述の吸気可変バルブタイミング機構14と排気可変バルブタイミング機構15は、ヘッドカバー27にて覆われている。ヘッドカバー27の内部の空間と前述のクランクケース26の内部の空間は、気体通路110により連通されており、ヘッドカバー27の内部の空間とクランクケース26の内部の空間と気体通路110の内部の空間とがブローバイガスを蓄積するブローバイガス蓄積部となる。
ヘッドカバー27は、新気導入通路28によりスロットルバルブ6の上流に位置する吸気路23に接続されている。クランクケース26とサージタンク11は、PCVバルブ30を介してブローバイガス通路29により接続されている。PCVバルブ30とクランクケース26の間にはブローバイガス通路29の開閉を行うBV(Butterfly Valve)31が接続されている。BV31は、制御装置50により制御されてブローバイガス通路29の開閉を行う。
次に、制御装置50について説明する。制御装置50は、内燃機関1を制御対象とする制御装置である。図2に示すように、制御装置50は、運転状態検出部51、酸素濃度判定部52、酸素濃度変化量判定部53、PCVバルブ閉故障判定部54を備えている。制御装置50における前述の運転状態検出部51、酸素濃度判定部52、酸素濃度変化量判定部53、PCVバルブ閉故障判定部54は、制御装置50に備えられた処理回路により実現される。
具体的には、制御装置50は、図3に示すように、処理回路として、CPU(Central Processing Unit)等により構成されたコンピュータである演算処理装置90、演算処理装置90からデータの読み出しが可能に構成されたROM(Read Only Memory)としての記憶装置911、演算処理装置90からデータの読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(Random Access Memory)としての記憶装置912、演算処理装置90に外部の信号を入力する入力回路92、演算処理装置90から外部に信号を出力する出力回路93、及び演算処理装置90が外部装置とデータ通信を行うための通信回路94を備えている。
入力回路92には、吸入空気圧センサ2、エアフローセンサ3、吸入空気温度センサ4、吸入空気湿度センサ5、電気モータにより動作するスロットルバルブ6、スロットル開度センサ7、マニホールド圧センサ8、マニホールド温度センサ9、マニホールド内酸素濃度センサ10、空燃比センサ18、クランク角センサ20、及びスイッチ(図示せず)が接続されている。入力回路92は、これらセンサやスイッチの出力信号を演算処理装置90に入力するA/D変換器(図示せず)等を備えている。
出力回路93には、電気負荷が接続され、これら電気負荷に演算処理装置90から制御信号を出力する駆動回路等を備えている。出力回路93に接続された前述の電気負荷としては、スロットルバルブ6、インジェクタ13、吸気可変バルブタイミング機構14、排気可変バルブタイミング機構15、点火コイル16、EGRバルブ22、BV31等がある。通信回路94には、エアコンディショナ制御装置80、変速装置の制御装置81等の車載用の電子機器が通信線を介して接続されている。通信回路94は、CAN(Controller Area Network)等の通信プロトコルに基づいて、エアコンディショナ制御装置80、変速装置の制御装置81等の車載用の電子機器と有線通信を行う。
制御装置50が備える前述の運転状態検出部51、酸素濃度判定部52、酸素濃度変化量判定部53、及びPCVバルブ閉故障判定部54の各機能は、演算処理装置90が、ROMとしての記憶装置911に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行し、記憶装置911、RAMとしての記憶装置912、入力回路92、出力回路93、及び通信回路94等の制御装置50における他のハードウェアと協働することにより実現される。なお、
運転状態検出部51、酸素濃度判定部52、酸素濃度変化量判定部53、及びPCVバルブ閉故障判定部54等が用いる特性データ、判定値等の設定データは、ソフトウェア(プログラム)の一部として、ROMとしての記憶装置911に記憶されている。
この実施の形態1では、入力回路92には、吸入空気圧センサ2、エアフローセンサ3、吸入空気温度センサ4、吸入空気湿度センサ5、スロットル開度センサ7、マニホールド圧センサ8、マニホールド温度センサ9、マニホールド内酸素濃度センサ10、空燃比センサ18、クランク角センサ20、及び図示していないがドライバのアクセル踏みこみ量を検出するアクセルポジションセンサ等が接続されている。前述のように、出力回路93には、スロットルバルブ6、インジェクタ13、吸気可変バルブタイミング機構14、排気可変バルブタイミング機構15、点火コイル16、EGRバルブ22、及びBV31等が接続されている。
なお、制御装置50には、前述の各種センサ、及び電気負荷の他に、図示していない各種のセンサ、スイッチ、及びアクチュエータ等が接続されている。
制御装置50は、基本的な制御として、入力された各種センサの出力信号等に基づいて、燃料噴射量、点火時期等を算出し、インジェクタ13及び点火コイル16等を駆動制御する。制御装置50は、アクセルポジションセンサの出力信号等に基づいて、運転者が要求している内燃機関1の出力トルクを算出し、当該要求出力トルクを実現する吸入空気量となるように、スロットルバルブ6等を制御する。この際、後述する、制御用の還流排気ガス流量Qesに基づいて算出される内燃機関1の出力トルクが考慮されてもよい。具体的には、制御装置50は、目標スロットル開度を算出し、スロットル開度センサ7の出力信号に基づき検出したスロットル開度が、目標スロットル開度に近づくように、スロットルバルブ6の電気モータを駆動制御する。
<運転状態検出部51の構成・作用>
次に、運転状態検出部51の構成・作用について説明する。運転状態検出部51は、内燃機関1及び車両の運転状態を検出するように構成され、各種のセンサの出力信号等に基づいて各種の運転状態を検出する。より具体的には、運転状態検出部51は、マニホールド圧Pb、マニホールド温度Tb、及びマニホールド内酸素濃度Rox_inを検出し、また、マニホールド圧センサ8の出力信号に基づいてマニホールド圧Pbを検出する。さらに、運転状態検出部51は、マニホールド温度センサ9の出力信号に基づいてマニホールド温度Tbを検出し、また、マニホールド内酸素濃度センサ10の出力信号に基づいて、マニホールド内酸素濃度Rox_inを検出する。
さらに、運転状態検出部51は、吸入空気圧Pa、吸入空気温度Ta、吸入空気湿度Haを検出する。この実施の形態1では、運転状態検出部51は、吸入空気圧センサ2の出力信号に基づいて吸入空気圧Paを検出する。運転状態検出部51は、吸入空気温度センサ4の出力信号に基づいて吸入空気温度Taを検出する。また、運転状態検出部51は、吸入空気湿度センサ5の出力信号に基づいて吸入空気湿度Haを検出する。吸入空気湿度は相対湿度にて検出されるセンサが一般的であるため、この実施の形態1における吸入空気湿度センサ5も相対湿度により吸入空気湿度検出とするように構成されている。
また、運転状態検出部51は、スロットル開度センサ7の出力信号に基づいてスロットル開度を検出し、空燃比センサ18の出力信号に基づいて排気ガスの空燃比AFを検出し、クランク角センサ20の出力信号に基づいて内燃機関1の回転速度Neを検出し、アクセルポジションセンサの出力信号に基づいてアクセル開度を検出する。
さらに、運転状態検出部51は、エアフローセンサ3の出力信号に基づいて吸入空気流量Qaを検出する。すなわち、運転状態検出部51は、下記の式(1)に示すように、吸入空気流量Qa[g/s]に基づいて、1行程間(例えば、内燃機関1のピストンの上死点前のクランク軸100の角度BTDC5degCA間をピストンが1往復する期間)に、吸気系の吸気マニホールド12に吸入される吸入空気量QA[g/stroke]を算出する。そして、運転状態検出部51は、吸入空気量QAに対して吸気マニホールド12及びサージタンク11での遅れを模擬した1次遅れフィルタ処理を行って、内燃機関の前述の1行程間にシリンダ25に吸入されるシリンダ吸入空気量QAc[g/stroke]を算出する。即ち、運転状態検出部51は、例えば、吸入空気流量Qaに1行程周期ΔTを乗算して、吸入空気量QAを算出する。
Figure 0006494822
ここで、KCCAは、予め設定されたフィルタゲイン、(n)は、今回の演算周期の値、(n−1)は、前回の演算周期の値であることを表す。
また、運転状態検出部51は、シリンダ吸入空気量QAcを、標準大気状態の空気密度ρ0とシリンダ容積Vcとを乗算した値で除算して、吸入空気の充填効率Ecを、下記の式(2)に基づいて算出する。充填効率Ecは、シリンダ容積Vcを満たす標準大気状態の空気質量(ρ0×Vc)に対するシリンダ吸入空気量QAcの比率である。なお、標準大気状態は、1気圧、25[℃]である。
Figure 0006494822
<酸素濃度判定部52の構成・作用>
次に、酸素濃度判定部52の構成・作用について詳細に説明する。酸素濃度判定部52は、マニホールド内酸素濃度判定値算出部70と、マニホールド内酸素濃度判定部71と、から構成されている。マニホールド内酸素濃度判定値算出部70には、内燃機関1の運転状態を示す情報として、クランク角センサ20の出力信号に基づいて検出された内燃機関1の回転速度Neと、吸入空気圧センサ2の出力信号に基づいて検出された吸入空気圧Paと、マニホールド圧センサ8の出力信号に基づいて検出されたマニホールド圧Pbと、吸入空気温度センサ4の出力信号に基づいて検出された吸入空気温度Taと、吸入空気湿度センサ5の出力信号に基づいて検出された吸入空気湿度Haとが、運転状態検出部51から入力される。マニホールド内酸素濃度判定値算出部70は、入力されたこれらの運転状態を示す情報に基づいてマニホールド内酸素濃度判定値X1を算出し、その算出したマニホールド内酸素濃度判定値X1をマニホールド内酸素濃度判定部71に入力する。
マニホールド内酸素濃度判定部71は、マニホールド内酸素濃度判定値算出部70から入力されたマニホールド内酸素濃度判定値X1と、運転状態検出部51から入力されたマニホールド内酸素濃度Rox_inとに基づいて、PCVバルブ30が閉故障しているかどうかを判定し、その判定結果を閉側故障判定結果D1として判定結果論理演算部74に入力する。
図4は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置、及び内燃機関の制御方法を説明するための、吸気マニホールド内の気体の酸素濃度を示す説明図であって、外部EGRカット状態、つまり、EGRバルブ22を全閉状態としてエンジン回転速度は一定状態にして、スロットルバルブ6の開度によりエンジン負荷を変化させた時のマニホールド内酸素濃度の計測結果をグラフ化したものである。
図4に於いて、BV31は開いた状態でPCVバルブ30が作動する状態にて計測した結果と、ブローバイガス通路29が閉じられた状態、つまりは、BV31を閉じた状態で計測した結果を示している。このグラフの縦軸はインマニ内酸素濃度(マニホールド内酸素濃度)を表し、横軸は吸入空気圧Paとマニホールド圧Pbとの差圧(Pa−Pb)を表している。実線Y1は、PCVバルブ30が正常作動状態にある場合の特性、点線Y2は、ブローバイガス通路29が閉状態である場合の特性を示している。図4から明らかなように、吸入空気圧Paとマニホールド圧Pbとの差圧が大きいほどマニホールド圧Pbが低く、エンジンの負荷は低い状態である。図4に示すグラフから、EGRカットでの運転状態であっても、ブローバイガスの影響によりエンジン負荷の低下に伴いマニホールド内の酸素濃度は0.5[vol%]程度低下することがわかる。
ブローバイガスの流量は、PCVバルブ30の製造ばらつきにも影響を受けるものであり、同じ運転状態であってもPCVバルブ30の製造ばらつきにより、吸気マニホールド12に吸入されるブローバイガス量にもばらつきが生じるため、ブローバイガスによる酸素濃度への影響もばらつきを生じる。図4に示す2つの破線A1、A2の間の範囲がPCVバルブ30の製造ばらつきによる影響範囲を示したものであり、上限側の破線A1よりも高い酸素濃度であればPCVバルブ30に閉側の故障が生じていると考えることが出来る。この特性は予め計測しておき、例えば、内燃機関1の回転速度Neと、吸入空気圧Paとマニホールド圧Pbとの差圧[Pa−Pb]と、を軸としたマップとして予め設定しておくことにより、各種運転状態における故障判定値を算出することが出来る。
図4は、EGRをカットした状態での計測結果であるが、EGRを導入することにより吸気マニホールド12内の酸素濃度は大きく影響を受けるため、吸気マニホールド12内の酸素濃度によるPCVバルブ30の故障判定を行う場合には、EGRガスの影響を除外するためにEGRをカット状態にするか、燃料カットの状態にする必要がある。なお、燃料カットの状態によるPCVバルブ30の故障判定を行う場合には、燃料噴射運転中の場合に対して条件が異なるため、燃料カット運転時のマニホールド内酸素濃度特性を計測して燃料カット時の判定値として記憶させておくことにより、正確にPCVバルブの故障判定を行うことが可能になる。
一般に、空気中の酸素濃度は21[%]と言われているが、大気には湿度も含まれているため、吸気マニホールド内の酸素濃度は季節や天候等の環境条件によっても影響を受ける。標準的な温度湿度条件である20[℃]、50[%RH(RH:Reative Humidity)]であれば、大気中に含まれる水蒸気比率は1.2[%]程度であるが、高温高湿である35[℃]、80[%RH]であれば、大気中の水蒸気比率は4.4[%]程度まで増加し、大気中における酸素の割合は20.1[%]程度まで低下する。前記PCVバルブの故障判定値についても、大気湿度の状態をもとに補正することにより正確に故障判定を行うことが可能になる。
前述の通り、マニホールド内酸素濃度からPCVバルブ30の閉側故障を正確に判定するためには、EGRカットの状態、または燃料カットの状態であり、エンジン運転負荷も低い状態である必要がある。それらの全条件が成立して吸気マニホールド12内のガスの状態が安定するだけの時間が経過することにより、PCVバルブ閉側故障判定可能条件が成立するものであり、そのPCVバルブ閉側故障判定可能条件の成立状態についても運転状態検出部51により判定され、その判定結果が出力される。
マニホールド内酸素濃度判定値算出部70は、内燃機関1の運転状態に応じた判定値をマップ設定値から算出し、大気湿度に応じた補正を行った結果をマニホールド内酸素濃度判定値X1として算出する。
マニホールド内酸素濃度判定部71は、運転状態検出部51から出力されたPCVバルブ閉側故障判定可能条件が成立した状態であれば、マニホールド内酸素濃度判定値X1とマニホールド内酸素濃度Rox_inの検出値との比較を行い、マニホールド内酸素濃度Rox_inの値がマニホールド内酸素濃度判定値X1よりも高い値であれば、PCVバルブ30が酸素濃度値による閉側故障であると判定して、酸素濃度値による閉側故障判定結果D1として出力する。
<酸素濃度変化量判定部53の構成・作用>
次に、酸素濃度変化量判定部53の構成・作用について詳細に説明する。酸素濃度変化量判定部53は、マニホールド内酸素濃度変化量判定値算出部72と、マニホールド内酸素濃度変化量判定部73とから構成されている。マニホールド内酸素濃度変化量判定値算出部72は、内燃機関1の運転状態を示す情報として、クランク角センサ20の出力信号に基づいて検出された内燃機関1の回転速度Neと、吸入空気圧センサ2の出力信号に基づいて検出された吸入空気圧Paと、マニホールド圧センサ8の出力信号に基づいて検出されたマニホールド圧Pbとが、運転状態検出部51から入力される。マニホールド内酸素濃度変化量判定値算出部72は、入力されたこれらの運転状態を示す情報に基づいてマニホールド内酸素濃度変化量判定値X2を算出し、その算出したマニホールド内酸素濃度変化量判定値X2をマニホールド内酸素濃度変化量判定部73に入力する。
マニホールド内酸素濃度変化量判定部73は、マニホールド内酸素濃度変化量判定値算出部72から入力されたマニホールド内酸素濃度変化量判定値X2と、運転状態検出部51から入力されたマニホールド内酸素濃度Rox_inの検出値とに基づいて、BV31を開閉操作した際のマニホールド内の酸素濃度変化状態からPCVバルブ30が閉故障しているかどうかを判定し、その判定結果を閉側故障判定結果D2として判定結果論理演算部74に入力する。
前述の図4に示す通り、PCVバルブ30が正常な状態であれば、ブローバイガス通路29の開閉状態により、吸気マニホールド12内の酸素濃度値が変化する。ブローバイガス通路29を開閉するBV31が設けられているので、BV31を開いているときのマニホールド内酸素濃度と、V31を閉じているときのマニホールド内酸素濃度との間の偏差、つまり、BV31の開閉操作によるマニホールド内酸素濃度の変化状態、によりPCVバルブ30の閉側故障判定が可能である。
マニホールド内酸素濃度変化量判定値算出部72は、図4の縦軸に示すようなブローバイ通路開閉によるインマニ内酸素濃度の変化量の特性を予め計測しておき、例えば、内燃機関1の回転速度Neと吸入空気圧Paとマニホールド圧Pbとの差圧(Pa−Pb)を軸としたマップとして予め設定されている。図4におけるPCVバルブ製造ばらつき範囲での破線A1で示す上限値と、ブローバイガス通路29の閉状態でのマニホールド内酸素濃度Rox_inの検出値と、の偏差が、BV31の開閉により生じるマニホールド内酸素濃度Rox_inの最低限の変化量と考えられ、その値、もしくは、PCVバルブ30の製造上のばらつきを考慮してさらに小さくした値が、マニホールド内酸素濃度変化量判定値X2として設定される。
前述のマニホールド内酸素濃度判定値算出部70での酸素濃度判定値X1と同様に、燃料カット運転中の酸素濃度変化量については別のマップとして設定しておく方が正確に故障判定を行うことが可能となる。マニホールド内酸素濃度変化量判定値算出部72ではその運転状態においてBV31を開閉動作させた際のマニホールド内酸素濃度Rox_inの最低限の変化量をマニホールド内酸素濃度変化量X2として出力する。
マニホールド内酸素濃度変化量判定部73は、酸素濃度判定部52における判定後にマニホールド内酸素濃度Rox_inの検出値を得た後、BV31を閉じてマニホールド内酸素濃度Rox_inの検出値を再度取得し、そのマニホールド内酸素濃度Rox_inの変化量を算出し、その変化量に基づいて、PCVバルブ30が酸素濃度値による閉側故障しているか否かの判定結果を出力する。
すなわち、運転状態検出部51から出力されたPCVバルブ閉側故障判定可能条件の成立した状態が継続されており、マニホールド内酸素濃度変化量判定値算出部72から出力されたマニホールド内酸素濃度変化量判定値X2と、マニホールド内酸素濃度Rox_inの検出値との比較を行い、マニホールド内酸素濃度Rox_inの変化量がマニホールド内酸素濃度変化量判定値X2よりも小さい値であれば、PCVバルブ30が酸素濃度変化量による閉側故障であると判定として、酸素濃度変化量による閉側故障判定結果D2を出力する。
<PCVバルブ閉故障判定部54の構成・作用>
次に、PCVバルブ閉故障判定部54の構成・作用について詳細に説明する。PCVバルブ閉故障判定部54は、酸素濃度判定部52の出力である酸素濃度値による閉側故障判定結果D1と、酸素濃度変化量判定部53の出力である酸素濃度変化量による閉側故障判定結果D2が入力され、PCV閉故障判定結果D3を出力する。

判定結果論理演算部74は、酸素濃度判定部52の出力である酸素濃度値による閉側故障判定結果D1と、酸素濃度変化量判定部53の出力である酸素濃度変化量による閉側故障判定結果D2との論理積をとり、閉側故障判定結果D1と閉側故障判定結果D2との双方がPCVの閉側故障と判定していた場合には、PCV閉側故障であると判定してPCV閉故障判定結果D3を出力する。
なお、BV31が設けられていないシステム構成である場合には、酸素濃度判定部52の出力結果のみにてPCV閉故障として判定する。
図5は、この発明の実施の形態1に係る内燃機関の制御装置、及び内燃機関の制御方法を説明するためのフローチャートである。図5に示すフローチャートの処理は、制御装置50における演算処理装置90が、記憶装置911、912に記憶されたソフトウェア(プログラム)を実行することにより、例えば一定の演算周期毎に繰り返し実行される。
図5において、ステップS01では、運転状態検出部51は、前述のように、内燃機関1の運転状態を検出する運転状態検出処理(運転状態検出ステップ)を実行する。運転状態検出部51は、マニホールド内酸素濃度Rox_in等を検出し、PCVバルブ閉側故障判定可能条件の成立の判定も行なう。
次に、ステップS02では、前述のマニホールド内酸素濃度判定値算出部70の処理が実行される。
次に、ステップS03では、前述のマニホールド内酸素濃度判定部71の処理が実行される。
次に、ステップS04では、前述のマニホールド内酸素濃度変化量判定値算出部72の処理が実行される。
次に、ステップS05では、前述のマニホールド内酸素濃度変化量判定部73の処理が実行される。
次に、ステップS06では、前述の判定結果論理演算部74の処理が実行される。
なお、BV31が設けられていないシステム構成であった場合には、図5に破線で示すようにステップS03の出力結果が、このステップS06に入力される。
この発明は、吸気系を開閉するスロットルバルブと、前記スロットルバルブの下流側の前記吸気系の気体の酸素濃度を検出する吸気マニホールド内酸素濃度を検出する運転状態検出部と、エンジンのクランクケースから吸気系に接続されるブローバイガス通路を流れるブローバイガスの流量を調整するPCVバルブと、を備えた内燃機関の制御装置及びその制御方法に好適に利用することができる。
なお、この発明は、前述の実施の形態1及び2による内燃機関の制御装置、及び内燃機関の制御方法に限定されるものではなく、この発明の趣旨を逸脱しない範囲において、実施の形態1の構成に一部変形を加えたり、構成を一部省略することが可能である。
1 内燃機関、2 吸入空気圧センサ、3 エアフローセンサ、4 吸入空気温度センサ、5 吸入空気湿度センサ、6 スロットルバルブ、7 スロットル開度センサ、8 マニホールド圧センサ、9 マニホールド温度センサ、10 マニホールド内酸素濃度センサ、11 サージタンク、12 吸気マニホールド、13 インジェクタ、14 吸気可変バルブタイミング機構、15 排気可変バルブタイミング機構、16 点火コイル、17 排気路、18 空燃比センサ、19 触媒、20 クランク角センサ、21 EGR通路、22 EGRバルブ、23 吸気路、24 エアクリーナ、25 シリンダ、26 クランクケース、27 ヘッドカバー、28 新気導入通路、29 ブローバイガス通路、30 PCVバルブ、31 BV、50 制御装置、51 運転状態検出部、52 酸素濃度判定部、53 酸素濃度変化量判定部、54 PCVバルブ閉故障判定部、70 マニホールド内酸素濃度判定値算出部、71 マニホールド内酸素濃度判定部、72 マニホールド内酸素濃度変化量判定値算出部、73 マニホールド内酸素濃度変化量判定部、74 判定結果論理演算部、90 演算処理装置、911、912 記憶装置、92 入力回路、93 出力回路、94 通信回路、80 エアコンディショナ制御装置、81 変速装置の制御装置、100 クランク軸、110 気体通路、161 点火プラグ

Claims (6)

  1. 内燃機関のクランクケースの内部のブローバイガスを、前記内燃機関の吸気系におけるスロットルバルブの下流側に流通させるブローバイガス通路と、
    前記ブローバイガス通路に設けられ、前記クランクケースの内部の圧力に依存して開閉動作を行うPCVバルブと、
    を有し、
    前記PCVバルブの開閉動作に基づいて、前記ブローバイガスの流通を制御するようにした内燃機関の制御装置であって、
    前記ブローバイガス通路に前記PCVバルブと直列に配置され、前記ブローバイガス通路を開閉し得る弁装置と、
    前記吸気系における前記ブローバイガス通路との接続部の下流側の気体の酸素濃度を検出する運転状態検出部を備え、
    前記運転状態検出部が検出した前記内燃機関の運転中における前記酸素濃度の値と、前記内燃機関の運転中において前記弁装置を開動作若しくは閉動作させたときに生じる前記酸素濃度の変化量と、に基づいて、前記PCVバルブの異常の有無を判定するように構成されている、
    ことを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記内燃機関の排気ガスを前記内燃機関の排気路から前記吸気系に還流させるEGR通路と、
    前記EGR通路に設けられ、前記EGR通路を開閉するEGRバルブと、
    を備え、
    前記PCVバルブの異常の有無を判定するときは、前記EGRバルブの開度を変更して前記吸気系の内部の排気ガスの量を予め低減させるように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記内燃機関の運転状態が予め設定された値よりも低い負荷状態で運転されていることを前記運転状態検出部が検出したときにのみ、前記PCVバルブの異常の有無を判定するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 前記内燃機関が燃料カットされた運転状態にあることを前記運転状態検出部が検出したとき、前記PCVバルブの異常の有無を判定するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1から3のうちの何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  5. 前記吸気系の吸入空気の温度を検出する吸入空気温度検出部と、
    前記吸入空気の湿度を検出する吸入空気湿度検出部と、
    を備え、
    前記酸素濃度の値が酸素濃度判定値と比較されることにより、前記PCVバルブの異常の有無を判定するように構成され、
    前記検出された前記吸入空気の温度と湿度とに基づいて算出された前記吸入空気における水蒸気比率に基づいて、前記酸素濃度判定値を補正するように構成されている、
    ことを特徴とする請求項1から4のうちの何れか一項に記載の内燃機関の制御装置。
  6. 内燃機関のクランクケースの内部のブローバイガスを、ブローバイガス通路により前記内燃機関の吸気系におけるスロットルバルブの下流側に流通させ、前記ブローバイガスの流通を、前記ブローバイガス通路に設けられたPCVバルブにより制御するようにした内燃機関の制御方法であって、
    前記内燃機関の運転中における前記吸気系の前記ブローバイガス通路との接続部の下流側の気体の酸素濃度の値と、前記内燃機関の運転中に前記ブローバイガス通路に前記PCVバルブと直列に設けられた弁装置を開動作若しくは閉動作させることにより生じる、前記吸気系の酸素濃度の変化量と、に基づいて、前記PCVバルブの異常の有無を判定する、
    ことを特徴とする内燃機関の制御方法。
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