JP6493641B1 - 抵抗スポット溶接方法 - Google Patents

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Abstract

本通電と後通電を行うとともに、本通電と後通電の間に0.01s以上の通電休止時間を設け、本通電の電流値に対する後通電の電流値の比であるIp/Iを、後通電の通電時間Tpおよび通電休止時間T、ならびに被溶接材とする鋼板のMn量およびP量により定義される定数Aとの関係で、定数Aに応じた所定の関係を満足するように制御する。

Description

本発明は、抵抗スポット溶接方法に関するものである。
抵抗スポット溶接は、図1に示すように、重ね合わせた2枚以上の鋼板(ここでは、下の鋼板1と上の鋼板2の2枚組)の板組み(被溶接材)3を、上下一対の電極(下の電極4と上の電極5)で挟み、加圧、通電することによって接触部を溶融させ、必要サイズのナゲット6を形成して、溶接継手を得るものである。なお、図中、tは板組み3の厚さである。
このようにして得られた溶接継手の品質は、ナゲット径の大きさや溶け込み、またはせん断引張強さ(継手のせん断方向に引張試験をしたときの強さ)や十字引張強さ(継手の剥離方向に引張試験をしたときの強さ)、疲労強度の大きさなどで評価される。なかでもせん断引張強さや十字引張強さを代表とする静的強度は、継手品質の指標として非常に重要視される。
この静的強度のうち、せん断引張強さは、母材鋼板の引張強さが増加するにつれ増加する傾向にある。しかし、十字引張強さは、母材鋼板の引張強さが増加してもほとんど増加せず、むしろ減少する傾向にある。
その原因としては、ナゲットの硬化やPおよびSの凝固偏析による、靱性の低下が考えられる。加えて、ナゲットおよび溶接熱影響部(HAZ)の硬化により塑性変形が抑制され、結果的にナゲット端部において開口応力が集中することも原因として考えられる。
このような問題を解決すべく、例えば、特許文献1および2には、ナゲットを形成する本通電の後に、再度、通電(後通電)を行って、ナゲットを軟化させる抵抗スポット溶接方法が開示されている。
また、特許文献3には、ナゲット端部でのPやSといった脆化元素の偏析を抑制すべく、スポット溶接の通電の後に、一旦ナゲットの端部を凝固させ、その後、ナゲットに所定の条件で電流を流してナゲットを加熱する溶接方法が開示されている。
特開昭58−003792号公報 特開昭58−003793号公報 再公表特許2013−161937号公報
ところで、近年、自動車部材の高強度化や薄肉化などの要望を受け、従来よりも多量のMnを含有させた鋼板を適用することが検討されている。
しかし、特許文献1〜3に開示された溶接方法では、多量のMnを含有させた鋼板を被溶接材とすると、十字引張試験時に必ずしも良好な破断形態が得られない場合があり、この点の改善が求められているのが現状である。
本発明は、上記の現状に鑑み開発されたものであって、多量のMnを含有させた鋼板を被溶接材とする場合であっても、十字引張試験時に良好な破断形態を実現する抵抗スポット溶接方法を提供することを目的とする。
さて、発明者らは、上記の目的を達成すべく、鋭意検討を重ねた。
まず、発明者らは、Mn量およびP量を種々変化させた鋼板を被溶接材として抵抗スポット溶接を行い、多量のMnを含有させた鋼板を被溶接材とする場合に、良好な破断形態が得られなくなる理由を調査した。
その結果、P量が多い鋼板だけでなく、Mn量が多い鋼板でも、十字引張試験時にナゲットで脆性的に界面破断することがわかった。このMn量の増加による界面破断の発生原因を詳しく検討したところ、その原因は、溶接後の凝固によるMn濃縮やそれに伴う脆化部の発生、さらには、Mn量の増加に伴い、脆化元素であるPの偏析による影響が助長されることの相乗効果によるものであると考えるに至った。
そこで発明者らが、このような界面破断の発生を防止すべく、さらに検討を行ったところ、本通電と後通電を行うとともに、本通電と後通電の間に一定時間以上の通電休止時間を設け、その際、本通電の電流値に対する後通電の電流値の比を、後通電の通電時間、通電休止時間ならびに被溶接材とする鋼板のMn量およびP量に応じて適正に制御することにより、多量のMnを含有させた鋼板を被溶接材とする場合であっても、ナゲット端部における脆化部の発生を抑制して、脆性的な界面破断の発生を防止できる、
との知見を得た。
本発明は、上記の知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.2枚以上の鋼板を重ね合わせた被溶接材を接合する抵抗スポット溶接方法であって、
上記鋼板のうち、Mn量が最も高い鋼板の成分組成が、
0.050%≦C≦0.250%、
3.50%≦Mn≦12.00%、
0.001%≦Si≦2.000%、
0.001%≦P≦0.025%および
0.0001%≦S≦0.0020%
の範囲を満足し、かつ
上記抵抗スポット溶接方法では、本通電と後通電を行うとともに、該本通電と該後通電の間に0.01s以上の通電休止時間を設け、
上記本通電の電流値をI(kA)、上記後通電の電流値および通電時間をそれぞれIp(kA)およびTp(s)、上記通電休止時間をT(s)としたとき、上記本通電の電流値に対する上記後通電の電流値の比であるIp/Iが、上記TpおよびT、ならびに上記成分組成のMn量およびP量により定義される定数Aとの関係で、該定数Aに応じて下記式(1)〜(3)のいずれかを満足する、抵抗スポット溶接方法。

・A≦0.04の場合
(0.41+A)×(1+T)/(1+Tp)≦Ip/I ≦(2.04-A)×(1+T)/(1+Tp) (1)
・0.04<A≦0.09の場合
(0.402+1.2×A)×(1+T)/(1+Tp)≦Ip/I≦(2.08-2×A)×(1+T)/(1+Tp) (2)
・0.09<A≦0.155の場合
(0.393+1.3×A)×(1+T)/(1+Tp)≦Ip/I≦(2.17-3×A)×(1+T)/(1+Tp) (3)
また、上記定数Aは、上記Mn量に応じて次式(4)〜(6)のいずれかにより定義される。
・3.5%≦Mn≦4.5%の場合
A=(Mn+1.5)/200+P (4)
・4.5%<Mn≦7.5%の場合
A=(Mn-1.5)/100+P (5)
・7.5%<Mn≦12.0%の場合
A=(Mn-3.9)/60+P (6)
ここで、(4)〜(6)式中、MnおよびPはそれぞれ上記成分組成のMn量およびP量である。
本発明によれば、多量のMnを含有させた鋼板を被溶接材とする場合であっても、十分な十字引張強さを確実に確保することができ、自動車部材の高強度化や薄肉化の点でも極めて有利になる。
抵抗スポット溶接の一例を示す模式図である。 十字引張強さの評価結果を、横軸をMn量、縦軸をIp/Iとしてプロットした図である。 十字引張強さの評価結果を、横軸を定数A、縦軸をIp/Iとしてプロットした図である。
本発明を、以下の実施形態に基づき説明する。
本発明の一実施形態は、2枚以上の鋼板を重ね合わせた被溶接材を接合する抵抗スポット溶接方法であって、
上記鋼板のうち、Mn量が最も高い鋼板の成分組成が、
0.050%≦C≦0.250%、
3.50%≦Mn≦12.00%、
0.001%≦Si≦2.000%、
0.001%≦P≦0.025%および
0.0001%≦S≦0.0020%
の範囲を満足し、かつ
上記抵抗スポット溶接方法では、本通電と後通電を行うとともに、該本通電と該後通電の間に0.01s以上の通電休止時間を設け、
上記本通電の電流値をI(kA)、上記後通電の電流値および通電時間をそれぞれIp(kA)およびTp(s)、上記通電休止時間をT(s)としたとき、上記本通電の電流値に対する上記後通電の電流値の比であるIp/Iが、上記TpおよびT、ならびに上記成分組成のMn量およびP量により定義される定数Aとの関係で、該定数Aに応じて次式(1)〜(3)のいずれかを満足するものである。
・A≦0.04の場合
(0.41+A)×(1+T)/(1+Tp)≦Ip/I ≦(2.04-A)×(1+T)/(1+Tp) (1)
・0.04<A≦0.09の場合
(0.402+1.2×A)×(1+T)/(1+Tp)≦Ip/I≦(2.08-2×A)×(1+T)/(1+Tp) (2)
・0.09<A≦0.155の場合
(0.393+1.3×A)×(1+T)/(1+Tp)≦Ip/I≦(2.17-3×A)×(1+T)/(1+Tp) (3)
また、上記定数Aは、上記Mn量に応じて次式(4)〜(6)のいずれかにより定義される。
・3.5%≦Mn≦4.5%の場合
A=(Mn+1.5)/200+P (4)
・4.5%<Mn≦7.5%の場合
A=(Mn-1.5)/100+P (5)
・7.5%<Mn≦12.0%の場合
A=(Mn-3.9)/60+P (6)
ここで、(4)〜(6)式中、MnおよびPはそれぞれ上記成分組成のMn量およびP量である。
まず、上掲(1)〜(3)式を導き出すに至った実験について説明する。
[実験]
MnおよびP量を種々変化させた鋼板を用いた2枚重ねの鋼板の板組みを用いて、本通電と後通電とからなる抵抗スポット溶接を行い、種々の溶接継手を作製した。この際、本通電の電流値に対する後通電の電流値の比であるIp/Iを種々変化させた。なお、本通電と後通電との間にはいずれも0.1sの通電休止時間を設けるとともに、本通電および後通電における通電時間はそれぞれ0.4sおよび0.2sとした。また、加圧力は一定(3.5kN)とした。
ついで、得られた各継手について、JIS Z 3137(1999)に準拠して、十字引張試験を実施し、以下の基準で評価した。
◎:破断形態がプラグ破断であり、さらにプラグ径が形成ナゲット径の110%以上である場合
○:破断形態がプラグ破断であり、さらにプラグ径が形成ナゲット径の100%以上110%未満である場合
×:上記◎および○以外の場合(破断形態が部分プラグ破断または界面破断の場合)
評価結果を、横軸をMn量、縦軸をIp/Iとして図2に示す。
図2により、Mn量に応じて、Ip/Iの適正範囲が変化していることがわかる。そこで、発明者らは、この評価結果を基に、さらに検討を重ねたところ、
ナゲットの脆化効果に及ぼすMn量およびP量の影響を考えたとき、
・Mn量が3.50%≦Mn≦4.50%の範囲では、Mnの影響がPの影響に比べて相対的に小さい、
・Mn量が4.50%<Mn≦7.50%の範囲では、Mnの影響がPの影響に比べて相対的に大きい、
・Mn量が7.50%<Mn≦12.00%の範囲では、Mnの影響がPの影響に比べて特に大きい、
と言えることから、上記の範囲ごとに、Mnの影響およびPの影響が反映されたパラメータを設定し、このパラメータを基にIp/Iを制御すれば、多量のMnを含有させた鋼板を被溶接材とする場合であっても、十分な十字引張強さを確実に確保することが可能になるのではないかと考えるに至った。
この着想を基に、発明者らがさらに検討を重ねたところ、
・Mnの影響およびPの影響を反映したパラメータとしては、Mn量に応じて上掲(4)〜(6)式のいずれかにより定義される定数Aを用いることが最適であり、
・また、図3に示すように、この定数Aに応じてIp/Iを上掲(1)〜(3)式のいずれかを満足するように制御すれば、多量のMnを含有させた鋼板を被溶接材とする場合であっても、十分な十字引張強さを確保できるとの知見を得て、本発明を完成するに至ったのである。
ここで、図3は、上記の評価結果を、横軸を定数A、縦軸をIp/Iとしてプロットしたものである。
なお、定数Aは、上述したとおり、被溶接材を構成する鋼板のうちMn量が最も高い鋼板(以下、単に鋼板ともいう)のMn量に応じて、上掲(4)〜(6)式のうちのいずれかから導出されるものである。この鋼板のMn量に応じて定数Aの導出方法を変える必要がある理由は、以下のように考えられる。
すなわち、定数Aは、上掲(4)〜(6)式に示したように、鋼板のMn量およびP量によって規定され、技術的には、ナゲットの靱性低下に及ぼすMn量およびP量の影響を表すものである。先に述べたとおり、Mn量が増加するにつれ、Pの影響はより助長される傾向にあるため、Mn量の増加に合わせて、Mn量の影響が相対的に強く表れるように定数Aを設定する必要がある。そのため、鋼板のMn量に応じて定数Aの導出方法を変えることが必要となる。
なお、被溶接材を構成する鋼板のうちMn量が最も高い鋼板を基準として、定数Aを設定するのは、ナゲットの組成が最も高いMn量の鋼板の影響を受けるためである。
また、A≦0.04の場合、Pによるナゲットの靱性低下の影響は限定的であり、後通電の電流値、ひいては本通電の電流値に対する上記後通電の電流値の比であるIp/Iを、定数Aとの関係でそれほど大きくしなくとも、ナゲットの靱性低下を抑制することが可能である。一方、後通電の電流値が大きくなり過ぎると、散り発生の原因となる。このような観点から、A≦0.04の場合には、上掲(1)式を満足させるものとする。
ここで、上掲(1)式の好適な下限は(0.45+A)×(1+T)/(1+Tp)、より好適な下限は(0.49+A)×(1+T)/(1+Tp)である。また、上掲(1)式の好適な上限は(1.94-A)×(1+T)/(1+Tp)、より好適な上限は(1.84-A)×(1+T)/(1+Tp)である。
次に、0.04<A≦0.09の場合、Pの偏析によるナゲットの靱性低下の影響は大きく、後通電の電流値、ひいては本通電の電流値に対する上記後通電の電流値の比であるIp/Iを、定数Aとの関係である程度大きくしないと、Pの偏析によるナゲットの靱性低下を抑制することができない。一方、0.04<A≦0.09の場合、Mn量が増加しているため、Pの偏析とともにナゲットの融点も低下する。ナゲットが後通電により再溶融すると、後通電による靱性改善効果が得られなくなるため、後通電の電流値は一定以下に制限する必要がある。このような観点から、0.04<A≦0.09の場合には、上掲(2)式を満足させるものとする。
ここで、上掲(2)式の好適な下限は(0.442+1.2×A)×(1+T)/(1+Tp)、より好適な下限は(0.482+1.2×A)×(1+T)/(1+Tp)である。また、上掲(2)式の好適な上限は(1.98-2×A)×(1+T)/(1+Tp)、より好適な上限は(1.88-2×A)×(1+T)/(1+Tp)である。
また、0.09<A≦0.155の場合、Pの偏析によるナゲットの靱性低下の影響はさらに大きくなり、後通電の電流値、ひいては本通電の電流値に対する上記後通電の電流値の比である、定数A との関係でIp/Iをより大きくする必要がある。一方、後通電による靱性改善効果を得る観点からは、後通電の電流値は一層低減する必要がある。このような観点から、0.09<A≦0.155の場合には、上掲(3)式を満足させるものとする。
ここで、上掲(3)式の好適な下限は(0.433+1.3×A)×(1+T)/(1+Tp)、より好適な下限は(0.473+1.3×A)×(1+T)/(1+Tp)である。また、上掲(3)式の好適な上限は(2.07-3×A)×(1+T)/(1+Tp)、より好適な上限は(1.97-3×A)×(1+T)/(1+Tp)である。
なお、Pの偏析を抑制する観点からは、本通電と後通電との間に0.01s(秒)以上(好適には、0.04〜0.5s)の通電休止時間を設ける必要がある。しかし、通電休止時間が長くなると、後通電開始時点でのナゲット温度が低下する。このため、この通電休止時間に応じて後通電の溶接条件を調整する必要があり、上掲(1)〜(3)式においてTおよびTpの関係を組み込む必要がある。
以上、本発明の一実施形態に係る抵抗スポット溶接方法において、上掲(4)〜(6)式のいずれかで定義される定数Aに応じて、上掲(1)〜(3)式を満足させることの技術的意義を説明したが、上記以外の溶接条件については特に制限されず、常法に従えばよい。
例えば、本通電および後通電の通電時間はそれぞれ0.2〜1.5sおよび0.04〜1.0sとすることが好適である。
また、本通電および後通電とも定電流制御で行うものとし、その電流値はそれぞれ4.0〜15.0kAの範囲で選択することが好適である。さらに、加圧力は2.0〜7.0kNとすることが好適である。なお、加圧力は本通電と後通電とで同じとしてもよく、異なる値としてもよい。
ただし、本通電時に散りが発生するなどして溶接が困難である場合、本通電よりも前に予備的な通電を行ったり、徐々に電流を増加させるアップスロープ状の通電を行ってもよい。また、本通電を、通電休止を設けながら、複数回に分けて行ったり、通電中に電流値が変化するような多段ステップからなる本通電としてもよい。これらの場合には、本通電における電流値としてナゲットを形成するために主要な役割を果たす通電の電流値を用いて後通電における電流値を規定すればよい。
また、後通電の効果をより有利に得るため、本通電の後の通電休止と後通電の組合せを複数回繰り返しても良い。ただし、繰り返し回数が多くなり過ぎると、溶接時間を増加させ、施工性を悪化させるため、繰り返し回数は、多くとも9回までとすることが望ましい。
なお、本発明の一実施形態に係る抵抗スポット溶接方法では、上下一対の電極を備え、溶接中に加圧力および溶接電流をそれぞれ任意に制御可能な溶接装置を用いることができ、加圧機構(エアシリンダやサーボモータ等)や形式(定置式、ロボットガン等)、電極形状等はとくに限定されない。
また、被溶接材とする鋼板については、Mn量が最も高い鋼板の成分組成が、0.050%≦C≦0.250%、3.50%≦Mn≦12.00%、0.001%≦Si≦2.000%、0.001%≦P≦0.025%および0.0001%≦S≦0.0020%の範囲を満足していればよい。この範囲を満足していれば、本発明の一実施形態に係る抵抗スポット溶接方法を有効に適用することができる。また、上記Mn量が、好ましくは4.50%以上、より好ましくは4.80%以上、さらに好ましくは5.00%以上となる場合に本溶接方法を適用すると、特に有利である。
加えて、上記成分組成には、上記以外の成分として、Ti:0.001〜0.200%、Al:0.001〜0.200%、B:0.0001〜0.0020%、N:0.0010〜0.0100%から選んだ1種または2種以上が含まれていてもよい。
なお、これら以外の成分は、Feおよび不可避的不純物である。
また、Mn量が最も高い鋼板の成分組成が上記の範囲を満足すれば、それ以外の被溶接材となる鋼板の成分組成に特に制限されず、軟鋼から超高張力鋼板までの各種強度を有する鋼板を用いることができる。なお、板組みに使用する鋼板として同じ成分組成となる鋼板を複数枚使用してもよいことは言うまでもない。
さらに、鋼板の板厚は限定されず、0.8〜2.3mmが好適である。板組みの厚さも限定されず、1.6〜6.0mmが好適である。
加えて、本発明の一実施形態に係る抵抗スポット溶接方法は、3枚以上の鋼板を重ね合わせた板組みにも適用できる。
表1に示す成分組成の鋼板を用いた、表2に示す2枚重ねまたは3枚重ねの鋼板の板組みについて、表2に示す条件で抵抗スポット溶接を行い、溶接継手を作製した。
なお、表1に示す以外の成分は、Feおよび不可避的不純物である。
また、溶接機にはインバータ直流抵抗スポット溶接機を用い、電極にはDR形先端径6mmのクロム銅電極を用いた。
得られた各溶接継手について、JIS Z 3137(1999)に準拠して、十字引張試験を実施し、以下の基準で評価した。
◎:破断形態がプラグ破断であり、さらにプラグ径が形成ナゲット径の110%以上である場合
○:破断形態がプラグ破断であり、さらにプラグ径が形成ナゲット径の100%以上110%未満である場合
×:上記◎および○以外の場合(破断形態が部分プラグ破断もしくは界面破断の場合)
評価結果を表2に併記する。
Figure 0006493641
Figure 0006493641
Figure 0006493641
発明例ではいずれも、破断形態がプラグ破断であった。また、発明例ではいずれも、十分なナゲット径が得られており、散りの発生も見られなかった。一方、比較例ではいずれも、破断形態が部分プラグ破断またはプラグ破断(界面破断)であり、良好な破断形態が得られなかった。
1,2:鋼板
3:板組み(被溶接材)
4,5:電極
6:ナゲット

Claims (1)

  1. 2枚以上の鋼板を重ね合わせた被溶接材を接合する抵抗スポット溶接方法であって、
    上記鋼板のうち、Mn量が最も高い鋼板の成分組成が、
    0.050%≦C≦0.250%、
    3.50%≦Mn≦12.00%、
    0.001%≦Si≦2.000%、
    0.001%≦P≦0.025%および
    0.0001%≦S≦0.0020%
    の範囲を満足し、かつ
    上記抵抗スポット溶接方法では、本通電と後通電を行うとともに、該本通電と該後通電の間に0.01s以上の通電休止時間を設け、
    上記本通電の電流値をI(kA)、上記後通電の電流値および通電時間をそれぞれIp(kA)およびTp(s)、上記通電休止時間をT(s)としたとき、上記本通電の電流値に対する上記後通電の電流値の比であるIp/Iが、上記TpおよびT、ならびに上記成分組成のMn量およびP量により定義される定数Aとの関係で、該定数Aに応じて下記式(1)〜(3)のいずれかを満足する、抵抗スポット溶接方法。

    ・A≦0.04の場合
    (0.41+A)×(1+T)/(1+Tp)≦Ip/I ≦(2.04-A)×(1+T)/(1+Tp) (1)
    ・0.04<A≦0.09の場合
    (0.402+1.2×A)×(1+T)/(1+Tp)≦Ip/I≦(2.08-2×A)×(1+T)/(1+Tp) (2)
    ・0.09<A≦0.155の場合
    (0.393+1.3×A)×(1+T)/(1+Tp)≦Ip/I≦(2.17-3×A)×(1+T)/(1+Tp) (3)
    また、上記定数Aは、上記Mn量に応じて次式(4)〜(6)のいずれかにより定義される。
    ・3.5%≦Mn≦4.5%の場合
    A=(Mn+1.5)/200+P (4)
    ・4.5%<Mn≦7.5%の場合
    A=(Mn-1.5)/100+P (5)
    ・7.5%<Mn≦12.0%の場合
    A=(Mn-3.9)/60+P (6)
    ここで、(4)〜(6)式中、MnおよびPはそれぞれ上記成分組成のMn量およびP量である。
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