JP6490535B2 - 照射線量計算誤差推定装置および照射線量計算誤差推定方法 - Google Patents

照射線量計算誤差推定装置および照射線量計算誤差推定方法 Download PDF

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Description

本発明の実施形態は、医療用放射線照射のための照射線量計算誤差推定装置および照射線量計算誤差推定方法に関する。
放射線は医療分野でこれまで診断に広く活用されてきた。X線によるレントゲン写真、X線CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)、PET(Positron Emission Tomography:陽電子放出断層撮影)が現在広く利用されている。
医学において、放射線を診断のみではなく積極的に利用して治療効果を得ようするものに、放射線治療装置、放射線治療機器、放射線治療システムと呼ばれるものがある。ガンマナイフ、サイバーナイフ、重粒子線がん治療装置、BNCT(Boron Neutron Capture Therapy:ホウ素中性子捕捉療法)と呼ばれるものがその例であり、人体に発生した好ましくない腫瘍(悪性の細胞の塊)等を放射線のエネルギーによって破壊することを目的としている。
放射線は細胞を破壊する能力があるので、破壊するべきではない正常細胞や正常組織に対しても好ましくない影響を与える可能性がある。従って、放射線治療器に要求される性能は、医師が患者を診断・判断して、破壊すべき細胞や組織を特定しそれらのみを正確に破壊すること(患者にとっては治療)であり、目的としない他の生体部分へは、影響を最小限に抑えることが要求される。
放射線を照射したくない場所には照射しないことが原則であり、そのためには放射線治療装置から放出する放射線を、治療計画に従って、放射線の方向およびエネルギーを意図した数値で正確に制御して照射する必要がある。即ち、放射線治療装置では、放出される放射線の位置精度、エネルギー精度が極めて重要になる。
現代の放射線治療器による治療の流れは以下のようなものである。
(1)まず放射線診断器によって生体(患者)の患部あるいは患部を含めた人体の正確な画像を得る。(2)その画像によって治療すべき対象物(患部)の3次元的位置を把握し特定する。(3)医師あるいは医療従事者が、患者の合意の下、治療計画を策定する。(4)医師あるいは医療従事者が、特定のコンピュータとコンピュータ・プログラムによる計算機シミュレーションに基づいて、治療計画を実現させる放射線治療器の使用方法(運用方法)を決める。(場合によっては計算機シミュレーションの結果として放射線治療器の動作を制御するソフトウェア(コンピュータプログラム)への入力が得られる)。
このソフトウェアは患者の治療時、即ち患者の患部に放射線を照射する場面において放射線治療器が自動的に動作することを制御するもので、通常、治療時には放射線治療器は人間によって直接制御されない。理由としては放射線治療器の治療成績を高めるために、機器の極めて微細な位置精度の制御や放射線の照射時間(タイミング)の制御を必要とし、人間の対応能力を越えているからである。
したがって、計算機シミュレーションの技術や精度が治療の品質を大きく左右することになる。
特開2008−217139号公報 特開2011−106970号公報 特開2011−258052号公報 特開2013−65213号公報 特開2013−20386号公報
Journal of NUCLEAR SCIENCE and TECHNOLOGY Vol.44, No.12, Pages 1509-1517 (2007) : Theoretical Study on New Bias Factor Methods to Effectively Use Critical Experiments for Improvement of Prediction Accuracy of Neutronic Characteristics Journal of NUCLEAR SCIENCE and TECHNOLOGY Vol.51, No.5, Pages 608-625 (2014) : Development of a "best representativity" method for experimental data analysis and an application to the critical experiments at the Toshiba NCA facility
一方、人体には、複雑な幾何形状と物質構成を持つ部分がある。現代の計算機シミュレーション技術をもってしても、計算機上に構築する人体の数値データモデル(計算モデル)は、放射線診断器によって得られた画像そのものを厳密な形で取り込むことは計算規模の面からほぼ不可能である。加えて放射線診断器では、人体の正確な画像データは得られても、その画像データが示す各組織の正確な物質組成は分からない。例えば画像データで骨が示されていてもその骨の正確な組成や質量(あるいは密度)は人体から取り出して測定しなければ精度の高い値は得られない。
現代の計算技術として大きく分けて2つの種類がある。一つは、決定論的手法(Deterministic Method)である。もう一つは、確率論的方法(Probalistic Method)である。
放射線(光子や荷電粒子)の空間移動を記述する基本方程式はボルツマンの輸送方程式やMaxwellの方程式である。この方程式をディジタル・コンピュータで解く場合、2つの方法がある。すなわち、空間やエネルギーを離散化して解く方法(決定論)と、空間やエネルギーを連続変数で扱って確率論的に解く方法(確率論、モンテカルロ法)がある。一般にモンテカルロ計算では計算対象の体系の幾何形状の記述は非常に自由度が高く、ほぼ人体の幾何形状をそのまま計算機上に取り込んでモデル化して計算を実施することが技術的には可能である。
但し、計算機シミュレーションでは、当然ながら、正しい計算値(計算解)を得るには正しい入力値による必要があり、如何に人体の幾何形状が詳細なものであっても、人体を構成する物質組成が正しくなければ正確な数値解は得られない。
一方、非破壊検査的な手法で人体の組織の物質組成を測定して高い精度で数値化する方法は現時点では存在せず、従って、現在どんなに正確で高級な計算機シミュレーションが可能であっても、その計算機シミュレーションの入力が原理的に不十分なものであるという技術課題が存在する。
すなわちモンテカルロ法と放射線診断で得られた画像を基に、正確な幾何形状をとりこんでモンテカルロ法によって計算機シミュレーションを実施しても、人体の組成の記述の不十分さから得られる計算値は、未だ十分には満足できる品質には達していないと言える。
一方、放射線治療器の運用上、年間に治療できる件数は多い方が好ましい。放射線治療器を運用する運用側の経済的側面からもそうであるし、また1名の患者の治療に極めて長い時間がかかれば次の患者は、長い時間、待たされねばならず、好ましいこととは言えない。そのことは1名の患者に対して費やすべき治療計画の策定時間はある制限があり、従って治療計画、放射線治療器の制御パラメータの決定のために実施するコンピュータ・シミュレーションもある時間的制約の下で実施されることを意味する。
計算機シミュレーションに時間をかければ、放出すべき放射線の位置精度等が良くなるので治療精度は向上する。しかしながら現代の最高の技術水準に則り、人体の幾何形状を詳しく計算機中に取り込むほど、また人体の組成を実際の患者の測定値ではなく仮定の数値であっても詳しく計算機上に入力し取り込むほど、計算に必要な時間は長くなる。
そこで、それぞれの放射線治療器について一人あたりの患者に与えられる標準時間から、計算機シミュレーションの規模も自ずと決まり、常に治療精度を高くすることを志向しながらも、やはりそれぞれの場面に従って治療計画の策定や放射線治療器の制御に対しての標準的な計算機シミュレーションが決められている。
現代の計算機技術の発展に従って、計算速度は常に向上している。よって今後、それぞれの放射線治療器の治療計画に係る標準的な計算機シミュレーションもますます詳細化・高度化していくことは自明である。しかしながらそれでも前述のように、個々の患者に関して、計算対象である全ての組織の正確な組成を得ることはできないことから、組織を形成するたとえば蛋白質等の構造を正確に計算機上に取り込んで計算するに至る時期は相当先の将来のことであると判断される。
現在、計算機シミュレーションでしばしば用いられる近似は、人体の組成の一部あるいは大部分を水(HO)として計算することである。この近似はそれほど悪いものではない。簡単な表現では、人体の約60%が水でできているといえる。ちなみに、体重に占める水の割合は、胎児は約90%、1〜2歳児は約75%、児童は約70%、成人で約60%、高齢者では約50%程度であり、年齢の上昇に従って、体重に占める水の割合は減少する。水分の割合の減少は、加齢によって体内の脂肪分が減少し、その脂肪分に含まれている水が同時に減少することによる。
このように、計算機上に正確に人体の幾何形状モデルを構築しても、人体の組成を全て水(HO)で近似するとすれば、計算機シミュレーションで計算誤差が生じることは明らかである。
計算機によるコンピュータ・シミュレーションの規模は、ケースバイケースで選択されるが、幾何形状、物質構成などは何らかの近似を行うことになる。この様な近似に基づいて計算企画された治療計画、放射線治療器の制御は、やはり厳密な計算による解とは異なるはずであるが、これまで述べたように、その近似は医師や医療従事者、放射線治療器の専門家によって選択・決定される。
放射線治療器から放出される放射線について、到達する位置や与えるエネルギーが治療計画で定めた位置や値と異なることは、治療すべき患部への計画していた治療効果が損なわれるのみならず、放射線を照射すべきではない正常組織に放射線で損傷を引き起こす(副作用)可能性が生ずるので決して好ましいことではない。
以上に述べたように
(1)放射線治療器の治療全体に計算機シミュレーションが利用されている。
(2)治療精度の向上には、より高度のコンピュータ・シミュレーションを実施することが望ましいが、放射線治療器の運用や患者の待ち時間等の面から、現代の最高の技術水準の計算機シミュレーションを実施することは困難であり、それぞれの放射線治療器の標準的な計算機シミュレーションが設定され運用されている。
(3)人体の幾何形状は極めて正確に計算機上にモデル化できるが、人体の組成を正確に数値化できない。人体を多くの部分で水(HO)として近似して計算することがある。
現代の最高の技術水準で、患者本人の幾何形状を詳細に計算機上にモデル化して、加えて組織の物質組成に関しても最も詳しい入力を行えば、きわめて正確なシミュレーションが実現できると期待される。
しかしながら、放射線治療器から放出される放射線の治療対象の患部への位置精度や与えるエネルギーの精度と比較しても、標準的な計画手法で決定された放射線治療器の制御パラメータによる治療精度(放射線の到達位置、与えるエネルギー等)は、未だ完全とは言えず、幾ばくかの誤差あるいは精度の劣化が見られる。
治療計画の策定時に例えば患者の身体を水(HO)として計算して得られる、放射線治療器の制御パラメータに従って患者に放射線を照射した場合、本来、目的とする患部における放射線の到達位置や、放射線の与えるエネルギーなどに大きな差ではなくてもいくらかの差(誤差)が生じるのは当然である。
治療の前に実施された模擬実験ケースからの測定情報に従って、目的とする治療に関して計算機シミュレーションで生じる誤差を評価できれば、その誤差を修正することで更に放射線の治療精度を上げることができる。例えば放射線の到達距離に誤差が生じれば放射線治療器の放射線の放出位置をずらすとか、あるいは放射線の放出エネルギーを少し変化させるとか、改善する方法が存在するからである。
そこで、本発明の実施形態は、放射線治療器の計算機シミュレーションを補完して治療精度を向上させる照射線量計算誤差推定装置、照射線量計算誤差推定方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本実施形態は、医療用放射線の照射のために治療対象である目的体系の構成および前記目的体系と前記医療用放射線との相互作用の特性をコンピュータ上に表現したモデルを用いてシミュレーションした照射線量計算の結果で得られる物理量に含まれる誤差を、対象を模擬した互いに異なる模擬実験i(i=1,・・・,n)の結果を用いて推定する照射線量計算誤差推定装置において、前記シミュレーションのパラメータの入力を外部から受け入れる入力装置と、前記模擬実験についての前記モデルを用いたシミュレーションで得られた物理量の計算値の当該模擬実験で測定された当該物理量の測定値に対する前記モデルへの入力値に関する相対誤差Epを演算する計算値・測定値相対誤差演算部と、前記計算値・測定値相対誤差演算部が算出した前記相対誤差Epを記憶する計算値・測定値相対誤差記憶部と、前記シミュレーションに用いる前記モデルへの前記パラメータの入力値の不確かさの割合の関係を示す入力パラメータ共分散誤差行列Wを演算する入力パラメータ共分散誤差行列評価部と、前記入力パラメータ共分散誤差行列評価部が算出した前記入力パラメータ共分散誤差行列Wを記憶する入力パラメータ共分散誤差行列記憶部と、前記対象について前記モデルを用いたシミュレーションの結果のそのモデルへの入力値の単位変化に対する前記物理量の変化量を示す目的体系感度係数ベクトルSを演算する目的体系感度係数ベクトル演算部と、前記目的体系感度係数ベクトル演算部が算出した前記目的体系感度係数ベクトルSを記憶する目的体系感度係数ベクトル記憶部と、前記模擬実験の体系について前記モデルを用いてシミュレーションした結果のそのモデルへの入力値の単位変化に対する前記物理量の変化量を表す模擬実験体系感度係数ベクトルSを演算する模擬実験体系感度係数ベクトル演算部と、前記模擬実験体系感度係数ベクトル演算部が算出した前記模擬実験体系感度係数ベクトルSを記憶する模擬実験体系感度係数ベクトル記憶部と、前記模擬実験体系感度係数ベクトルSを線形結合した線形結合ベクトルSの線形結合定数αを、前記模擬実験体系感度係数ベクトルSおよび前記目的体系感度係数ベクトルSとに基づき算出する線形結合定数演算部と、前記計算値・測定値相対誤差記憶部に記憶された前記相対誤差E、前記入力パラメータ共分散誤差行列記憶部に記憶された前記入力パラメータ共分散誤差行列W、前記目的体系感度係数ベクトル記憶部に記憶された前記目的体系感度係数ベクトルSおよび前記模擬実験体系感度係数ベクトル記憶部に記憶された前記模擬実験体系感度係数ベクトルSを用いて、前記モデルを用いたシミュレーションの結果得られる前記対象の物理量に含まれる入力パラメータ起因物理量不確かさを算出する目的体系物理量不確かさ演算部と、を有し、前記入力パラメータ共分散誤差行列評価部は、前記パラメータの数と前記模擬実験の数とが一致している場合に、前記入力パラメータ共分散誤差行列Wを対角行列とし、その成分を次の式により算出することを特徴とする照射線量計算誤差推定装置。
Figure 0006490535
ij は、i番目の模擬実験のj番目のパラメータに関する感度係数の要素、q は、測定値と計算値の相対差の2乗、nは模擬実験の数、パラメータの数を表す。
また、本実施形態は、医療用放射線の照射のために治療対象である目的体系の構成および前記目的体系と前記医療用放射線との相互作用の特性をコンピュータ上に表現したモデルを用いてシミュレーションした照射線量計算の結果で得られる物理量に含まれる誤差を、対象を模擬し、前記物理量を支配するパラメータの個数より少ない回数実施された互いに異なる模擬実験の結果を用いて推定する照射線量計算誤差推定装置において、前記シミュレーションのパラメータの入力を外部から受け入れる入力装置と、前記模擬実験についての前記モデルを用いたシミュレーションで得られた物理量の計算値の当該模擬実験で測定された当該物理量の測定値に対する前記モデルへの入力値に関する相対誤差Eを演算する計算値・測定値相対誤差演算部と、前記計算値・測定値相対誤差演算部が算出した前記相対誤差Eを記憶する計算値・測定値相対誤差記憶部と、前記対象について前記モデルを用いたシミュレーションの結果のそのモデルへの入力値の単位変化に対する前記物理量の変化量を示す目的体系感度係数ベクトルSを演算する目的体系感度係数ベクトル演算部と、前記目的体系感度係数ベクトル演算部が算出した前記目的体系感度係数ベクトルSを記憶する目的体系感度係数ベクトル記憶部と、第i番目(iは1からnのそれぞれ)の模擬実験の体系について前記モデルを用いてシミュレーションした結果のそのモデルへの入力値の単位変化に対する前記物理量の変化量を表す模擬実験体系感度係数ベクトルSを演算する模擬実験体系感度係数ベクトル演算部と、前記模擬実験体系感度係数ベクトル演算部が算出した前記模擬実験体系感度係数ベクトルSを記憶する模擬実験体系感度係数ベクトル記憶部と、前記模擬実験体系感度係数ベクトルSを用いて、同一模擬実験に対するi番目の模擬実験の感度係数ベクトル2次形式S WSを次の式(1)により算出された値として求める感度係数ベクトル2次形式第1種類演算部と、
Figure 0006490535
前記感度係数ベクトル2次形式第1種類演算部で算出された感度係数ベクトル2次形式S WSを記憶する感度係数ベクトル2次形式第1種類記憶部と、第i番目の模擬実験と第j番目の模擬実験に対する感度係数ベクトル2次形式S WSを次の式(2)により算出する感度係数ベクトル2次形式第2種類演算部と、
Figure 0006490535
前記感度係数ベクトル2次形式第2種類演算部で算出された第i番目の模擬実験と第j番目の模擬実験に対する感度係数ベクトル2次形式S WSを記憶する感度係数ベクトル2次形式第2種類記憶部と、目的とする患者の体系についての目的体系感度係数ベクトルSの感度係数ベクトル2次形式S WSを、次の式(3)の最大の値を与える模擬実験についての前記相対誤差Eの二乗q を用いて、次の式(4)により、感度係数ベクトル2次形式S WSを算出する感度係数ベクトル2次形式第3種類演算部と、
Figure 0006490535
Figure 0006490535
前記感度係数ベクトル2次形式第3種類演算部で算出された目的とする患者の体系についての目的体系感度係数ベクトルSの感度係数ベクトル2次形式S WSを記憶する感度係数ベクトル2次形式第3種類記憶部と、i番目の模擬実験についての模擬実験体系感度係数ベクトルSと、目的とする患者の体系についての目的体系感度係数ベクトルSの感度係数ベクトル2次形式S WSを次の式(5)により算出する感度係数ベクトル2次形式第4種類演算部と、
Figure 0006490535
前記感度係数ベクトル2次形式第4種類演算部で算出されたi番目の模擬実験についての実験体系感度係数ベクトルと、目的とする患者の体系についての目的体系感度係数ベクトルSの感度係数ベクトル2次形式S WSを記憶する感度係数ベクトル2次形式第4種類記憶部と、模擬実験体系感度係数ベクトルSを線形結合した線形結合ベクトルSの線形結合定数αを、前記模擬実験体系感度係数ベクトルSおよび前記目的体系感度係数ベクトルSとに基づき算出する線形結合定数演算部と、前記感度係数ベクトル2次形式第1種類記憶部に記憶された第i番目の模擬実験に関する感度係数ベクトル2次形式S WSと、前記感度係数ベクトル2次形式第2種類記憶部に記憶された第i番目の模擬実験と第j番目の模擬実験に対する感度係数ベクトル2次形式S WSと、前記感度係数ベクトル2次形式第3種類記憶部に記憶された目的とする患者の体系についての目的体系感度係数ベクトルSの感度係数ベクトル2次形式S WSと、前記感度係数ベクトル2次形式第4種類記憶部に記憶されたi番目の模擬実験についての模擬実験体系感度係数ベクトルSとを用いて、前記モデルを用いたシミュレーションの結果得られる前記対象の物理量に含まれる入力パラメータ起因物理量不確かさを算出する目的体系物理量不確かさ演算部と、を有することを特徴とする。
また、本実施形態は、医療用放射線の照射のために治療対象である目的体系の構成および前記目的体系と前記医療用放射線との相互作用の特性をコンピュータ上に表現したモデルを用いてシミュレーションした照射線量計算の結果で得られる物理量に含まれる誤差をその対象を模擬した模擬実験の結果を用いて推定する照射線量計算誤差推定方法において、入力装置が、模擬実験体系データおよび測定値、計算のパラメータを入力として受け入れる入力ステップと、模擬実験体系測定値記憶部が、模擬実験体系データおよび測定値を記憶する実験結果記憶ステップと、模擬実験体系物理量演算部が、前記模擬実験の体系についてシミュレーションを行い模擬実験体系における物理量を算出する模擬実験体系シミュレーションステップと、模擬実験体系演算値記憶部が、前記模擬実験体系物理量演算部が算出した模擬実験体系における物理量の計算値を記憶する模擬実験体系計算値記憶ステップと、前記模擬実験体系計算値記憶ステップの後に、計算値・測定値相対誤差演算部が、前記実験結果記憶ステップで記憶された測定値と、前記模擬実験体系計算値記憶ステップで記憶されたシミュレーション結果の計算値に基づいて両者の相対誤差Eを算出し、前記計算値・測定値相対誤差演算部が算出した前記相対誤差Eを記憶するE算出ステップと、前記計算値・測定値相対誤差記憶部が、前記相対誤差Eを記憶するE記憶ステップと、模擬実験体系感度係数ベクトル演算部が、前記模擬実験(i=1〜n)のそれぞれの体系の感度係数ベクトルである模擬実験体系感度係数ベクトルSを算出するS算出ステップと、模擬実験体系感度係数ベクトル記憶部が、前記模擬実験体系感度係数ベクトルSを記憶するS記憶ステップと、目的体系物理量演算部が、前記目的体系の物理量の計算結果R0を算出するR0算出ステップと、目的体系演算値記憶部が、前記計算結果R0を記憶するR0記憶ステップと、目的体系感度係数ベクトル演算部が、前記目的体系の入力パラメータに対する感度係数ベクトルである目的体系感度係数ベクトルSを算出するS算出ステップと、目的体系感度係数ベクトル記憶部が前記目的体系感度係数ベクトルSを記憶するS記憶ステップと、感度係数ベクトル2次形式第1種類演算部が、前記相対誤差Eに基づいて第1の感度係数ベクトル2次形式を算出する2次形式第1種類演算ステップと、感度係数ベクトル2次形式第2種類演算部が、前記相対誤差Eに基づいて第2の感度係数ベクトル2次形式を算出する2次形式第2種類演算ステップと、感度係数ベクトル2次形式第3種類演算部が、前記相対誤差E、前記模擬実験体系感度係数ベクトルSおよび前記目的体系感度係数ベクトルSに基づいて第3の感度係数ベクトル2次形式を算出する2次形式第3種類演算ステップと、感度係数ベクトル2次形式第4種類演算部が、前記相対誤差E、前記模擬実験体系感度係数ベクトルSおよび前記目的体系感度係数ベクトルSに基づいて第4の感度係数ベクトル2次形式を算出する2次形式第4種類演算ステップと、線形結合定数演算部が、模擬実験体系感度係数ベクトルSを線形結合した線形結合ベクトルSの線形結合定数αを、前記模擬実験体系感度係数ベクトルSおよび前記目的体系感度係数ベクトルSに基づき算出する線形結合定数演算ステップと、前記目的体系物理量不確かさ演算部が、前記第1の感度係数ベクトル2次形式、前記第2の感度係数ベクトル2次形式、前記第3の感度係数ベクトル2次形式、前記第4の感度係数ベクトル2次形式、および前記線形結合定数αに基づいて、入力パラメータ起因物理量不確かさの二乗(ΔZ/Z)を算出する不確かさ算出ステップと、を有することを特徴とする。
本発明の実施形態によれば、放射線治療器の計算機シミュレーションを補完して治療精度を向上させる照射線量計算誤差推定装置、照射線量計算誤差推定方法を提供することが可能となる。
第1の実施形態に係る照射線量計算誤差推定装置の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る照射線量計算誤差推定装置の演算部の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る照射線量計算誤差推定装置の記憶部の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る照射線量計算誤差推定装置の演算部における入力パラメータ共分散誤差行列評価部の構成を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る照射線量計算誤差推定装置の演算部における入力パラメータ共分散誤差行列評価部に関連する照射系の第1の構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る照射線量計算誤差推定装置の演算部における入力パラメータ共分散誤差行列評価部に関連する照射系の第2の構成例を示すブロック図である。 第1の実施形態に係る照射線量計算誤差推定方法の手順を示すフロー図である。 第1の実施形態に係る照射線量計算誤差推定方法の準備ステップの手順の詳細を示すフロー図である。 第1の実施形態に係る照射線量計算誤差推定方法の調整ステップの手順の詳細を示すフロー図である。 第2の実施形態に係る照射線量計算誤差推定装置の演算部の構成を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る照射線量計算誤差推定装置の演算部の構成を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る照射線量計算誤差推定装置の記憶部の構成を示すブロック図である。 第3の実施形態に係る照射線量計算誤差推定方法の準備ステップの手順の詳細を示すフロー図である。 第3の実施形態に係る照射線量計算誤差推定方法の調整ステップの手順の詳細を示すフロー図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る照射線量計算誤差推定装置および照射線量計算誤差推定方法について説明する。ここで、互いに同一または類似の部分には、共通の符号を付して、重複説明は省略する。
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態に係る照射線量計算誤差推定装置の構成を示すブロック図である。照射線量計算誤差推定装置10は、医療用放射線の照射のために、治療対象である目的体系の構成および目的体系と医療用放射線との相互作用の特性を計算機20上に表現したモデルを用いてシミュレーションした照射線量計算の結果で得られる物理量に含まれる誤差をその対象を模擬した模擬実験の結果を用いて推定する装置である。
照射線量計算誤差推定装置10は、演算部110、制御部130、記憶部140、入力装置160および出力装置170を有する計算機を用いた装置である。演算部110および制御部130は、計算機のCPU(中央演算処理装置)100内のそれぞれの機能部分である。演算部110、制御部130および記憶部140は、互いにバス30を介して信号授受可能に構成されている。
記憶部140は、RAM(Random Access Memory)あるいはROM(Read Only Memory)などの半導体素子を主に用いた主記憶装置の場合、および、磁気ドラム、光ディスクなどの補助記憶装置の場合の両者を含むものとする。制御部130は、演算部110、記憶部140での処理を管理する。制御部130の入力制御部131は入力装置160での処理を、また、出力制御部132は出力装置170での処理を管理する。
図2は、第1の実施形態に係る照射線量計算誤差推定装置10の演算部110の構成を示すブロック図である。演算部110は、模擬実験体系物理量演算部111、計算値・測定値相対誤差演算部112、模擬実験体系感度係数ベクトル演算部113、目的体系感度係数ベクトル演算部114、入力パラメータ共分散誤差行列評価部300、線形結合定数演算部116、代表性因子演算部117、目的体系物理量不確かさ演算部118、目的体系物理量演算部119を有する。
図3は、第1の実施形態に係る照射線量計算誤差推定装置10の記憶部140の構成を示すブロック図である。記憶部140は、模擬実験体系測定値記憶部141、模擬実験体系演算値記憶部142、計算値・測定値相対誤差記憶部143、模擬実験体系感度係数ベクトル記憶部144、目的体系感度係数ベクトル記憶部145、入力パラメータ共分散誤差行列記憶部146、線形結合定数記憶部147、代表性因子記憶部148、目的体系演算値記憶部149を有する。
以下、図2に示す演算部110、および図3に示す記憶部140の各要素について説明する。
模擬実験体系測定値記憶部141は、実施したそれぞれの模擬実験で得られた着目する物理量Rの測定値を、入力装置160が受け入れた後に、これを記憶する。この模擬実験iで得られた物理量Rの測定値をE(i=1,2,・・・,n)とする。なお、模擬実験は、同一のものはなく、互いに少なくとも一部が異なるものとする。
模擬実験体系物理量演算部111は、評価の目的とする目的体系を模擬するために行った単数または複数の模擬実験体系について、物理現象を記述したモデル方程式を用いて対象とする物理量Rを算出する。模擬実験体系演算値記憶部142は、模擬実験体系物理量演算部111によって算出された物理量Rの解析値Cを記憶する。
計算値・測定値相対誤差演算部112は、単数または複数の模擬実験のそれぞれで得られた所定現象の物理量Rの測定値Eから測定誤差を除いた値と、模擬実験体系物理量演算部111でそれぞれの模擬実験をモデル方程式で確認計算を行い得られた物理量Rの解析値Cとの相対誤差Epi(ΔE/E=(C―E)/E)を算出する。計算値・測定値相対差記憶部143は、計算値・測定値相対誤差演算部112によって算出された相対誤差E (i=1,2,・・・,n)を記憶する。
模擬実験体系感度係数ベクトル演算部113は、模擬実験体系について物理現象を記述したモデル方程式を用いて模擬実験体系の物理量Rを算出する場合のそれぞれの入力パラメータの値の単位変化に対して計算により得られる物理量Rの値が変化する割合を示す模擬実験体系感度係数ベクトルS(i=1,2,・・・,n)を算出する。なお、模擬実験体系感度係数ベクトルSを総称して、模擬実験体系感度係数ベクトルSと呼ぶことがある。
すなわち、模擬実験体系について物理現象を記述したモデル方程式において用いるパラメータをx(j=1,2、・・・、m)とすると、xに関する物理量Rの模擬実験体系感度係数ベクトルのj番目の要素sは、次の式(1)で与えられる。
Figure 0006490535
模擬実験体系j(j=1,2、・・・、n)について模擬実験体系感度係数ベクトルSが求められる。模擬実験体系感度係数ベクトルSの要素s(j=1,2、・・・、m)は、m個でありしたがって模擬実験体系感度係数ベクトルSは、m次元ベクトルである。
模擬実験体系感度係数ベクトル記憶部144は、模擬実験体系感度係数ベクトル演算部113によって算出された模擬実験体系感度係数ベクトルS(i=1,2、・・・、n)を記憶する。
目的体系感度係数ベクトル演算部114は、目的体系について物理現象を記述したモデル方程式を用いて目的体系の物理量Rを算出する場合のそれぞれの入力パラメータの値の単位変化に対して計算により得られる物理量Rの値が変化する割合を示す目的体系感度係数ベクトルSを算出する。
すなわち、目的体系について物理現象を記述したモデル方程式において用いるパラメータをx(j=1,2、・・・、m)とすると、xに関する物理量Rの目的体系感度係数ベクトルSの成分SRJ(j=1,2、・・・、m)は、次の式(2)で与えられる。目的体系感度係数ベクトルSは、m次元ベクトルである。
Figure 0006490535
目的体系感度係数ベクトル記憶部145は、目的体系感度係数ベクトル演算部114によって算出された目的体系感度係数ベクトルSを記憶する。
入力パラメータ共分散誤差行列評価部300は、モデル方程式を解く際の各入力パラメータの誤差、すなわち入力パラメータ共分散誤差行列Wの各要素が設定された結果を評価し、設定する。設定される入力パラメータ共分散誤差行列Wは、目的体系と模擬実験体系で使用する同じ構造の入力値の不確かさを表す共分散行列であり、シミュレーションに用いるモデルへのパラメータの入力値の不確かさの割合の関係を示している。
感度係数ベクトルは、パラメータの数mを次元とするm次元ベクトルであるため、入力パラメータ共分散誤差行列Wは、m×mの行列である。入力パラメータ共分散誤差行列Wの各要素も単位の無い無次元値である。
入力パラメータ共分散誤差行列Wの対角成分は、それぞれのパラメータの相対誤差を2乗した値が収納されている。また、非対角成分(i,j)はパラメータiの相対誤差とパラメータjの相対誤差の積が収納されている。本実施形態におけるアルゴリズムで用いる入力パラメータ共分散誤差行列Wの各要素の大きさは、相互の大きさの関係が正しければよく、絶対値は問題ではない。また場合によって相関係数(Correlation Coefficient)の考え方に沿って対角線成分を1に規格化して非対角成分の値を分かりやすくする場合がある。
一般にi番目の模擬実験体系の計算値に関する不確かさは、通常2次以上の微小量を無視してサンドイッチルール(Sandwich rule)と呼ばれる次の式(3)のような感度係数ベクトルの2次形式(以下、感度係数ベクトル2次形式)で表されるものとする。本実施形態は、このサンドイッチルールが成立することを前提として構成されている。
(ΔR/R=S WS …(3)
ここで、(ΔR/R)は、入力パラメータに含まれる不確かさに起因して模擬実験体系iの着目している物理量Rの計算値に含まれる不確かさの相対値、Sは模擬実験体系iの感度係数ベクトル、Wは入力パラメータ共分散誤差行列、Tは、ベクトルの転置を示す。
図4は、第1の実施形態に係る照射線量計算誤差推定装置の演算部における入力パラメータ共分散誤差行列評価部の構成を示すブロック図である。入力パラメータ共分散誤差行列評価部300は、集積データ平均値演算部301、および入力パラメータ共分散誤差行列設定部302を有する。
図5は、入力パラメータ共分散誤差行列評価部に関連する照射系の第1の構成例を示すブロック図である。図5に示す、高速スキャニング照射方式照射装置510は、スキャニング電磁石511、およびレンジフィルタ512を有する。
図示しないサイクロトロンにより所定のエネルギーまで加速された荷電粒子のビームは、スキャニング電磁石511により水平方向の方角および鉛直方向の方角を調整される。スキャニング電磁石511により方角を調整された荷電粒子のビームは、レンジフィルタ512により飛程を微調整された後に、がん病巣600に照射される。
図6は、入力パラメータ共分散誤差行列評価部に関連する照射系の第2の構成例を示すブロック図である。図6に示す、ブロードビーム方式照射装置520は、ワブラー電磁石521、散乱体522、多葉コリメータ523、補償フィルタ524、患者コリメータ525を有する。
図示しないサイクロトロンにより所定のエネルギーまで加速された荷電粒子のビームは、ワブラー電磁石521により、照射量の平坦化のために、所定の角度範囲で所定の順序に従った角度方向に変化するように制御される。次に、散乱体522により、さらに平坦化される。
次に多葉コリメータ523により、がんの形状に対応した分布に調整され、補償フィルタ524を経て、患者コリメータ525によりがん病巣の目的部分に収束するように調整された後に、がん病巣600に照射される。
以上のように、がん病巣600に荷電粒子のビームを照射する際の、荷電粒子のビームを正確にがん病巣600の目的位置に照射する上で、照射の実際の結果と目的とする結果との誤差に影響を与える重要なパラメータが調整され、その結果が、全体の精度となって現れる。
重要なパラメータとしては、荷電粒子のビームのエネルギー、荷電粒子のビームの放射線量、荷電粒子のビームの方向、荷電粒子のビームの収束具合などがある。なお、以上のパラメータは、例として示したものであり、これに限定されるものではない。荷電粒子のビームを正確にがん病巣600の目的位置に照射する上で、その誤差に影響を与える重要なパラメータであれば考慮すべきである。
また、これらのパラメータに直接影響する要因としては、荷電粒子のビームの照射のON/OFFのタイミング、スキャニング電磁石511またはワブラー電磁石521の電流値、スキャニング電磁石511またはワブラー電磁石521のON/OFFのタイミング、各要素の設置位置、レンジフィルタ512などにより微調整される飛程などがある。各要素の設置位置とは、電磁石、フィルタ、あるいは照射の目的であるがん病巣600の位置を意味する。
これらの要因が前記のパラメータにどのように影響するかについては、それぞれ評価が可能である。たとえば、スキャニング電磁石511またはワブラー電磁石521の電流値と、荷電粒子のビームの方向との関係は、電磁気学的に計算可能である。したがって、これらの要因の誤差が分かれば、前記の重要なパラメータの誤差が求められる。
図4の集積データ平均値演算部301は、これらの要因についての誤差を集積して、平均化する。
たとえば、荷電粒子のビームの照射のON/OFFのタイミングの誤差は、ON/OFFに係る処理系、信号系およびスイッチング部分のそれぞれの誤差の総合誤差である。したがって、処理系、信号系、およびスイッチング部分のそれぞれの誤差についてフィールドデータを集積することが可能である。
また、たとえば、がん病巣600の位置の誤差については、照射時の患者の位置の誤差、事前のCT検査の精度なども含めたがん病巣600の患者の体内における位置の評価の誤差などの総合的な誤差である。たとえば、がん病巣600の患者の体内における位置の評価の誤差については、治療後の画像診断等の確認によって、経験的に誤差がどの程度あるかデータが集積され、あるいはデータの集積が可能である。
図4の、入力パラメータ共分散誤差行列設定部302は、集積データ平均値演算部301で求められた各要因の誤差の平均値に基づいて、前記の重要なパラメータの誤差を算出する。
ここで、前記の重要なパラメータ同士の関係を見てみる。重要なパラメータとして、荷電粒子のビームのエネルギー、荷電粒子のビームの放射線量、荷電粒子のビームの方向、荷電粒子のビームの収束具合を挙げた。
荷電粒子のビームのエネルギーは、シンクロトロンによる加速と、照射系における微調整の結果による。荷電粒子のビームの放射線量は、シンクロトロンにおける荷電粒子の量と照射系への取り出し部の設定による。荷電粒子のビームの方向は、電磁石の電流およびオンオフのタイミングによる。荷電粒子のビームの収束具合は、取出し系の性能による。
このように、重要なパラメータの誤差に影響する要因は、それぞれのパラメータごとに異なっている。この結果、重要なパラメータの誤差は、相互に関連せずに独立と考えても誤差評価上は問題がないと考えられる。
この結果、入力パラメータ共分散誤差行列Wの成分は、対角成分であるそれぞれのパラメータ自身の誤差の二乗のみとなる。すなわち、入力パラメータ共分散誤差行列Wは対角行列となる。なお、仮に、相互に関連する部分があったとしても、対角行列と近似することにより、演算を簡素化することができる。
入力パラメータ共分散誤差行列記憶部146は、入力パラメータ共分散誤差行列評価部300により設定された入力パラメータ共分散誤差行列Wを記憶する。
線形結合定数演算部116は、模擬実験体系感度係数ベクトルSを線形結合した線形結合ベクトルSの線形結合定数αを、感度係数ベクトル2次形式S WSが感度係数ベクトル2次形式S WSと等しくかつ目的体系感度係数ベクトルSと線形結合ベクトルSとのなす角が最小になるように求める。
まず、i番目の模擬実験体系の感度係数ベクトルSを用いて、式(4)を満足する感度係数ベクトルの線形結合(感度係数線形結合ベクトル)Sを、次のように定義し、算出する。
Figure 0006490535
ここで、αは任意の定数であり、これを線形結合定数と呼ぶ。また、α(i=1,2,…,n)で構成されるベクトルを以下で線形結合定数ベクトルαと呼ぶこととする。
次に、線形結合定数αを、次の式(5)のように、線形結合ベクトルSの2次形式の値が、目的体系感度係数ベクトルSの2次形式の値と等しくなり、目的体系感度係数ベクトルSと線形結合ベクトルSとのなす角θが最小になるように求める。
WS=S WS …(5)
ここで、Tはベクトルや行列の転置を示す記号である。この式(5)は、相対誤差の総量が同じであるという条件を表している。
目的体系感度係数ベクトルSと線形結合ベクトルSとのなす角θが最小になるように求める方法はいくつか想定される。
たとえば、(S−SW(S−S)の絶対値を最小とすることにより、目的体系感度係数ベクトルSと線形結合ベクトルSとのなす角θを最小にすることができる。(S−SW(S−S)の値が零(0)となった場合、すなわち、次の式(6)を満足する場合は、自動的に式(7)が成立する。
(S−SW(S−S)=0 …(6)
WS/{(S WS1/2(S WS1/2}=1
…(7)
この場合、式(7)は、後述する代表性因子RFが1となっていることを示している。
式(7)の左辺の分子は、入力パラメータ共分散誤差行列Wを考慮した線形結合ベクトルSと目的体系感度係数ベクトルSとの内積を示している。式(7)の左辺の分母は、入力パラメータ共分散誤差行列Wを考慮した線形結合ベクトルSと目的体系感度係数ベクトルSのベクトルの大きさになっている。
(S−SW(S−S)の絶対値を最小とする線形結合定数αは、たとえばLagrangeの未定定数法を用いて求めることができる。すなわち、以下のとおりである。
dを、d=S WS …(8)
とし、この式を束縛条件とし、Lagrangeの未定定数λを用いて、以下のLを導出する式(9)を作る。
L={(S−SW(S−S)}+λ{S WS−d}
L={2d−2(S WS)}+λ{S WS−d} …(9)
この式(9)に関して極値条件から、
Figure 0006490535
として、αの条件式(連立方程式)を作成する。この条件式から、λとα(i=1,2,…,n)を決定する。
今、rij=S WS、rRi=S WSとすれば、Lagrange未定定数λを用いて、λとα(i=1,2,…,n)とを解く方程式は次の式(11)のように書ける。
R・λ・α=r …(11)
ここで、Rはrijで構成される行列、αはαで構成される列ベクトル、rはrRiで構成される列ベクトルである。
Rは、nを実験の数としてn行n列の行列であるが、例として、Rが4行4列の行列である場合について説明する。以下、各実施形態を含めて同様である。この場合、上述の方程式は、次の式(12)となる。
Figure 0006490535
この式を解いて、λα(i=1,2,…,n)を求める。
すなわち、
Figure 0006490535
により、λα(i=1,2,…,n)を算出する。
加えて、αは、
Figure 0006490535
が成り立つように規格化される。
このようにして、λとα(i=1,2,…,n)が決定される。
なお、λとα(i=1,2,…,n)は、正負で与えられる。原理的には、2d−2・(S WS)が小さくなるほうの符号を選ぶことになる。しかし、後述する代表性因子RFがλに等しいことがわかっており、代表性因子は1に近い値であるべきなので、λを負の値とすることは目的と合致しない。そこで、λとしては常に正の値を選択すればよいことになる。
線形結合定数記憶部147は、線形結合定数演算部116で算出された線形結合定数α(i=1,2,…,n)を記憶する。
代表性因子演算部117は、次の式(15)により代表性因子RF(Reprentative Factor)を算出する。
RF=S WS/{(S WS1/2(S WS1/2
…(15)
代表性因子RFは、目的体系感度係数ベクトルSと線形結合ベクトルSとのなす角をθとしたときの、cosθを表している。式(15)の右辺の分子は、入力パラメータ共分散誤差行列Wを考慮した線形結合ベクトルSと目的体系感度係数ベクトルSとの内積を示している。式(15)の右辺の分母は、入力パラメータ共分散誤差行列Wを考慮した線形結合ベクトルSと目的体系感度係数ベクトルSのベクトルの大きさになっている。
代表性因子RFの値が1のとき、すなわちcosθ=1のときに、θ=0となり、線形結合ベクトルSと目的体系感度係数ベクトルSとが重なった状態、すなわち、数理的に完全に一致していることになる。逆に何の関係もない場合は、代表性因子は0となる。
代表性因子記憶部148は、代表性因子演算部117で算出された代表性因子RFを記憶する。
目的体系物理量不確かさ演算部118は、次の式(16)により模擬実験iにより求められる物理量と模擬実験jで求められる物理量の間の相関を表わすCORijを算出し、このCORijを用いて、次の式(17)により相対誤差E (すなわち、入力パラメータ起因物理量不確かさ)の二乗(ΔZ/Z)を算出する。
Figure 0006490535
Figure 0006490535
目的体系物理量不確かさ演算部118は、相対誤差E の二乗(ΔZ/Z)を最小とするように、線形結合定数α(i=1,2,…,n)を調整する。
目的体系物理量演算部119は、目的体系における物理量Rを算出する。目的体系演算値記憶部149は、目的体系物理量演算部119によって算出された目的体系における物理量Rを記憶する。
図7は、第1の実施形態に係る照射線量計算誤差推定方法の手順を示すフロー図である。最初のステップは、準備ステップS100である。準備ステップS100の後に、調整ステップS200となる。準備ステップS100および調整ステップS200の詳細を、以下に説明する。
図8は、第1の実施形態に係る照射線量計算誤差推定方法の準備ステップS100の手順の詳細を示すフロー図である。まず、実施する、あるいは実施した模擬実験のそれぞれについて、模擬実験体系物理量演算部111が、その体系、条件のもとでモデル方程式に基づいて解析を実施する(ステップS101)。この解析により、それぞれの模擬実験の場合の、着目する物理量Rについての解析値Cを算出する。ただし、i=1,2,・・,n(nは模擬実験数)。これらの解析値Cは、模擬実験体系演算値記憶部142により記憶される。
次に、模擬実験の結果に基づき入力される着目する物理量Rについての測定値Eを、入力装置160が受け入れる(ステップS102)。これらの測定値Eは、模擬実験体系測定値記憶部141が記憶する。
計算値・測定値相対誤差演算部112は、模擬実験体系演算値記憶部142に記憶された解析値Cと、模擬実験体系測定値記憶部141に記憶された測定値Eとに基づき、相対誤差E (ΔE/E=(C―E)/E=(C/E)−1)を算出する。また、計算値・測定値相対誤差記憶部143が、相対誤差の二乗(E を記憶する(ステップS103)。
また、目的体系感度係数ベクトル演算部114が、目的体系感度係数ベクトルSを算出する。また、模擬実験体系感度係数ベクトル演算部113が、模擬実験体系感度係数ベクトルS(i=1,2,・・,n)を算出する(ステップS104)。算出された目的体系感度係数ベクトルSは、目的体系感度係数ベクトル記憶部145に記憶される。また、算出された模擬実験体系感度係数ベクトルSは、模擬実験体系感度係数ベクトル記憶部144に記憶される。
また、入力パラメータ共分散誤差行列評価部300は、入力パラメータ共分散誤差行列Wを設定する(ステップS105)。設定された入力パラメータ共分散誤差行列Wは、入力パラメータ共分散誤差行列記憶部146に記憶される。なお、ステップS105は、ステップS101に先立って、行われることでもよい。
次に、線形結合定数演算部116は、前述の式(4)に基づいて、模擬実験体系感度係数ベクトルSの線形結合としての線形結合ベクトルSを設定する(ステップS106)。
以上が、準備ステップS100の手順の詳細である。
図9は、第1の実施形態に係る照射線量計算誤差推定方法の調整ステップS200の手順の詳細を示すフロー図である。
まず、線形結合定数演算部116が、線形結合ベクトルSの線形結合定数αを算出する(ステップS211)。具体的には、前述の式(13)を用いて、行列方程式を解き、線形結合定数ベクトルα、すなわち、α(i=1,2,…,n)を求める。なお、この段階では、α(i=1,2,…,n)の相対値および、Lagrange未定定数λが求められる。
次に、線形結合定数演算部116が、前述の式(5)を満足し、かつ目的体系感度係数ベクトルSと線形結合ベクトルSとのなす角θが最小になるように、線形結合定数α(i=1,2,…,n)を算出する(ステップS212)。線形結合定数演算部116で算出された線形行列ベクトル、およびこれに基づく線形結合ベクトルSは、線形結合定数記憶部147に記憶される。
次に、代表性因子演算部117が、線形結合定数記憶部147に記憶された線形結合ベクトルS、目的体系感度係数ベクトル記憶部145に記憶された目的体系感度係数ベクトルS、および入力パラメータ共分散誤差行列記憶部146に記憶された入力パラメータ共分散誤差行列Wに基づいて、前述の式(15)を用いて代表性因子RFを算出する(ステップS213)。この結果、目的体系感度係数ベクトルSを線形結合ベクトルSが、どの程度模擬しているかを判断することができる。算出された代表性因子RFは、代表性因子記憶部148に記憶される。
次に、目的体系物理量不確かさ演算部118は、前述の式(16)および式(17)を用いて、相対誤差の二乗(ΔZ/Z)を算出する(ステップS214)。次に、目的体系物理量不確かさ演算部118は、相対誤差の二乗(ΔZ/Z)を求める(ステップS215)。詳細には、相対誤差の二乗(ΔZ/Z)から正負の判断を行い(ΔZ/Z)あるいは−(ΔZ/Z)を求める。その後、この値を0に近付けるように単数、あるいは複数の制御パラメータを調整する。
以上のように、本実施形態によれば、放射線治療器の計算機シミュレーションにおける誤差を推定し、かつ、誤差を最小することにより、治療精度を向上させることができる。
[第2の実施形態]
図10は、第2の実施形態に係る照射線量計算誤差推定装置の演算部の構成を示すブロック図である。本実施形態は、第1の実施形態の変形である。第1の実施形態における入力パラメータ共分散誤差行列評価部300に代えて、本第2の実施形態における演算部210は、入力パラメータ共分散誤差行列評価部305を有する。以下、入力パラメータ共分散誤差行列評価部305について説明する。
いまパラメータの数をnとする。また、模擬実験の回数が同じn回である場合を考える。以下、nをたとえば4回とした場合を示す。
模擬実験体系感度係数ベクトルSを、S=(si1,si2,si3,si4)(ただし、i=1,2,3,4)として、入力パラメータ共分散誤差行列Wを、次の式(18)のように仮定する。
Figure 0006490535
また測定値と計算値の相対誤差の二乗q を、次の式(19)で定義すれば、式(20)が成立し、具体的には、式(21)が得られる。ただし、r は基準値、Δrは基準値からのずれを表す。
Figure 0006490535
Figure 0006490535
この式から、次の式(21)が得られる。
Figure 0006490535
式(21)において、右辺の行列部分の逆行列を両辺に乗じると、次の式(22)により入力パラメータ共分散誤差行列Wの各対角要素が求められる。
Figure 0006490535
入力パラメータ共分散誤差行列評価部305によって算出された入力パラメータ共分散誤差行列Wは、入力パラメータ共分散誤差行列記憶部146により記憶される。
[第3の実施形態]
図11は、第3の実施形態に係る照射線量計算誤差推定装置の演算部の構成を示すブロック図である。また、図12は、記憶部の構成を示すブロック図である。
本実施形態は、第1の実施形態の変形である。第2の実施形態は、模擬実験の回数がパラメータの数と同じ場合であるが、本第3の実施形態は、模擬実験回数がパラメータの数より小さい場合である。
第1および第2の実施形態においては、入力パラメータ共分散誤差行列Wを求め、求められた入力パラメータ共分散誤差行列Wと、それぞれの感度係数から、S WS、S WS、S WS、およびS WSを求めている。一方、本第3の実施形態においては、S WS、S WS、S WS、およびS WSに対応する値を直接求める点で異なる。
本第3の実施形態においては、演算部310は、第1の実施形態の演算部110における入力パラメータ共分散誤差行列評価部300に相当する部分を有さない。これに代えて、本第3の実施形態における演算部310は、感度係数ベクトル2次形式第1種類演算部311、感度係数ベクトル2次形式第2種類演算部312、感度係数ベクトル2次形式第3種類演算部313、および感度係数ベクトル2次形式第4種類演算部314を有する。
これに対応して、本第3の実施形態における記憶部340は、入力パラメータ共分散誤差行列記憶部146に相当する部分を有さず、感度係数ベクトル2次形式第1種類記憶部341、感度係数ベクトル2次形式第2種類記憶部342、感度係数ベクトル2次形式第3種類記憶部343、および感度係数ベクトル2次形式第4種類記憶部344を有する。
感度係数ベクトル2次形式第1種類演算部311は、同一模擬実験に対するi番目の模擬実験の感度係数ベクトル2次形式S WSを算出する。
まず、hを模擬実験回数として、模擬実験体系の測定値Eiと模擬実験体系に関する解析値Ciとの相対誤差の二乗q を次の式(23)により算出する。
Figure 0006490535
この結果、まず、S WSが、S WS=q により得られる。感度係数ベクトル2次形式第1種類記憶部341は、この結果を記憶する。
感度係数ベクトル2次形式第2種類演算部312は、i番目の模擬実験とj番目の模擬実験に対する感度係数ベクトル2次形式S WSを次の式(24)により算出する。
Figure 0006490535
感度係数ベクトル2次形式第2種類記憶部342は、この結果を記憶する。
感度係数ベクトル2次形式第3種類演算部313は、目的とする患者の体系についての感度係数ベクトルSの2次形式S WSを算出する。
まず、次の式(25)の値の絶対値が最大となる模擬実験の番号iを選ぶ。その番号をmとする。
Figure 0006490535
これにより選定されたmに基づき、S WS=q 、ここで、q =(E =((C−E)/Eから、次の式(26)により、S WSを算出する。
Figure 0006490535
感度係数ベクトル2次形式第3種類記憶部343は、この結果を記憶する。
感度係数ベクトル2次形式第4種類演算部314は、i番目の模擬実験についての感度係数ベクトルと、目的とする患者の体系についての感度係数ベクトルSの2次形式S WSを算出する。具体的には、式(27)の右辺をq と置けば、S WSは次の式(27)により求められる。
Figure 0006490535
感度係数ベクトル2次形式第4種類記憶部344は、この結果を記憶する。
以上のように、第1の実施形態のステップS105を実施せずに、直接、ステップS213での代表性因子RF、ステップS214での相対誤差の二乗(ΔZ/Z)の算出に必要なS WS、S WS、S WS、およびS WSに対応する値を直接求めることができる。
図13は、本実施形態の準備ステップの手順の詳細を示すフロー図である。第1の実施形態における準備ステップS100においては、ステップS105で、目的体系に係る入力パラメータの共分散誤差行列Wを設定する。一方、本第3の実施形態における準備ステップS130においては、ステップS131として感度係数ベクトル2次形式第1種類ないし感度係数ベクトル2次形式第4種類を算出する。
図14は、調整ステップの手順の詳細を示すフロー図である。図14のステップS231は、第1の実施形態の図9で示すステップS211に対応する。図14のステップS232は、第1の実施形態の図9で示すステップS212に対応する。図14のステップS233は、第1の実施形態の図9で示すステップS213に対応する。同様に、図14のステップS234は、第1の実施形態の図9で示すステップS214に対応する。
いずれも、第1の実施形態を示す図9と、本第3の実施形態を示す図14とでは、同様の内容となっているが、それぞれに用いられている感度係数ベクトルの2次形式は、入力パラメータ共分散誤差行列Wを用いて算出するのではなく、前述のように、感度係数ベクトル2次形式第1種類演算部311ないし感度係数ベクトル2次形式第4種類演算部314で直接算出されるものである。
以上のように、本実施形態によれば、入力パラメータ共分散誤差行列Wの設定が難しく、またパラメータの数に比べて模擬実験の回数が少ない場合でも、必要な感度係数ベクトル2次形式をそれぞれ算出して、目的とする物理量についての誤差を評価することができる。
[その他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…照射線量計算誤差推定装置、20…計算機、30…バス、100…中央演算処理装置(CPU)、110…演算部、111…模擬実験体系物理量演算部、112…計算値・測定値相対誤差演算部、113…模擬実験体系感度係数ベクトル演算部、114…目的体系感度係数ベクトル演算部、116…線形結合定数演算部、117…代表性因子演算部、118…目的体系物理量不確かさ演算部、119…目的体系物理量演算部、130…制御部、131…入力制御部、132…出力制御部、140…記憶部、141…模擬実験体系測定値記憶部、142…模擬実験体系演算値記憶部、143…計算値・測定値相対誤差記憶部、144…模擬実験体系感度係数ベクトル記憶部、145…目的体系感度係数ベクトル記憶部、146…入力パラメータ共分散誤差行列記憶部、147…線形結合定数記憶部、148…代表性因子記憶部、149…目的体系演算値記憶部、160…入力装置、170…出力装置、210…演算部、300…入力パラメータ共分散誤差行列評価部、301…集積データ平均値演算部、302…入力パラメータ共分散誤差行列設定部、305…入力パラメータ共分散誤差行列評価部、310…演算部、311…感度係数ベクトル2次形式第1種類演算部、312…感度係数ベクトル2次形式第2種類演算部、313…感度係数ベクトル2次形式第3種類演算部、314…感度係数ベクトル2次形式第4種類演算部、341…感度係数ベクトル2次形式第1種類記憶部、342…感度係数ベクトル2次形式第2種類記憶部、343…感度係数ベクトル2次形式第3種類記憶部、344…感度係数ベクトル2次形式第4種類記憶部、510…高速スキャニング照射方式照射装置、511…スキャニング電磁石、512…レンジフィルタ、520…ブロードビーム方式照射装置、521…ワブラー電磁石、522…散乱体、523…多葉コリメータ、524…補償フィルタ、525…患者コリメータ、600…がん病巣

Claims (8)

  1. 医療用放射線の照射のために治療対象である目的体系の構成および前記目的体系と前記医療用放射線との相互作用の特性をコンピュータ上に表現したモデルを用いてシミュレーションした照射線量計算の結果で得られる物理量に含まれる誤差を、対象を模擬した互いに異なる模擬実験i(i=1,・・・,n)の結果を用いて推定する照射線量計算誤差推定装置において、
    前記シミュレーションのパラメータの入力を外部から受け入れる入力装置と、
    前記模擬実験についての前記モデルを用いたシミュレーションで得られた物理量の計算値の当該模擬実験で測定された当該物理量の測定値に対する前記モデルへの入力値に関する相対誤差Epを演算する計算値・測定値相対誤差演算部と、
    前記計算値・測定値相対誤差演算部が算出した前記相対誤差Epを記憶する計算値・測定値相対誤差記憶部と、
    前記シミュレーションに用いる前記モデルへの前記パラメータの入力値の不確かさの割合の関係を示す入力パラメータ共分散誤差行列Wを演算する入力パラメータ共分散誤差行列評価部と、
    前記入力パラメータ共分散誤差行列評価部が算出した前記入力パラメータ共分散誤差行列Wを記憶する入力パラメータ共分散誤差行列記憶部と、
    前記対象について前記モデルを用いたシミュレーションの結果のそのモデルへの入力値の単位変化に対する前記物理量の変化量を示す目的体系感度係数ベクトルSを演算する目的体系感度係数ベクトル演算部と、
    前記目的体系感度係数ベクトル演算部が算出した前記目的体系感度係数ベクトルSを記憶する目的体系感度係数ベクトル記憶部と、
    前記模擬実験の体系について前記モデルを用いてシミュレーションした結果のそのモデルへの入力値の単位変化に対する前記物理量の変化量を表す模擬実験体系感度係数ベクトルSを演算する模擬実験体系感度係数ベクトル演算部と、
    前記模擬実験体系感度係数ベクトル演算部が算出した前記模擬実験体系感度係数ベクトルSを記憶する模擬実験体系感度係数ベクトル記憶部と、
    前記模擬実験体系感度係数ベクトルSを線形結合した線形結合ベクトルSの線形結合定数αを、前記模擬実験体系感度係数ベクトルSおよび前記目的体系感度係数ベクトルSとに基づき算出する線形結合定数演算部と、
    前記計算値・測定値相対誤差記憶部に記憶された前記相対誤差E、前記入力パラメータ共分散誤差行列記憶部に記憶された前記入力パラメータ共分散誤差行列W、前記目的体系感度係数ベクトル記憶部に記憶された前記目的体系感度係数ベクトルSおよび前記模擬実験体系感度係数ベクトル記憶部に記憶された前記模擬実験体系感度係数ベクトルSを用いて、前記モデルを用いたシミュレーションの結果得られる前記対象の物理量に含まれる入力パラメータ起因物理量不確かさを算出する目的体系物理量不確かさ演算部と、
    を有し、
    前記入力パラメータ共分散誤差行列評価部は、前記パラメータの数と前記模擬実験の数とが一致している場合に、前記入力パラメータ共分散誤差行列Wを対角行列とし、その成分を次の式により算出することを特徴とする照射線量計算誤差推定装置。
    Figure 0006490535
    ij は、i番目の模擬実験のj番目のパラメータに関する感度係数の要素、q は、測定値と計算値の相対差の2乗、nは模擬実験の数、パラメータの数を表す。
  2. 前記入力パラメータ共分散誤差行列評価部は、前記入力パラメータ共分散誤差行列Wを対角行列として決定することを特徴とする請求項1に記載の照射線量計算誤差推定装置
  3. 前記対角行列は単位行列であることを特徴とする請求項2に記載の照射線量計算誤差推定装置。
  4. 医療用放射線の照射のために治療対象である目的体系の構成および前記目的体系と前記医療用放射線との相互作用の特性をコンピュータ上に表現したモデルを用いてシミュレーションした照射線量計算の結果で得られる物理量に含まれる誤差を、対象を模擬し、前記物理量を支配するパラメータの個数より少ない回数実施された互いに異なる模擬実験の結果を用いて推定する照射線量計算誤差推定装置において、
    前記シミュレーションのパラメータの入力を外部から受け入れる入力装置と、
    前記模擬実験についての前記モデルを用いたシミュレーションで得られた物理量の計算値の当該模擬実験で測定された当該物理量の測定値に対する前記モデルへの入力値に関する相対誤差E p を演算する計算値・測定値相対誤差演算部と、
    前記計算値・測定値相対誤差演算部が算出した前記相対誤差E p を記憶する計算値・測定値相対誤差記憶部と、
    前記対象について前記モデルを用いたシミュレーションの結果のそのモデルへの入力値の単位変化に対する前記物理量の変化量を示す目的体系感度係数ベクトルS を演算する目的体系感度係数ベクトル演算部と、
    前記目的体系感度係数ベクトル演算部が算出した前記目的体系感度係数ベクトルS を記憶する目的体系感度係数ベクトル記憶部と、
    第i番目(iは1からnのそれぞれ)の模擬実験の体系について前記モデルを用いてシミュレーションした結果のそのモデルへの入力値の単位変化に対する前記物理量の変化量を表す模擬実験体系感度係数ベクトルS を演算する模擬実験体系感度係数ベクトル演算部と、
    前記模擬実験体系感度係数ベクトル演算部が算出した前記模擬実験体系感度係数ベクトルS を記憶する模擬実験体系感度係数ベクトル記憶部と、
    前記模擬実験体系感度係数ベクトルS を用いて、同一模擬実験に対するi番目の模擬実験の感度係数ベクトル2次形式S WS を次の式(1)により算出された値として求める感度係数ベクトル2次形式第1種類演算部と、
    Figure 0006490535
    前記感度係数ベクトル2次形式第1種類演算部で算出された感度係数ベクトル2次形式S WS を記憶する感度係数ベクトル2次形式第1種類記憶部と、
    第i番目の模擬実験と第j番目の模擬実験に対する感度係数ベクトル2次形式S WS を次の式(2)により算出する感度係数ベクトル2次形式第2種類演算部と、
    Figure 0006490535
    前記感度係数ベクトル2次形式第2種類演算部で算出された第i番目の模擬実験と第j番目の模擬実験に対する感度係数ベクトル2次形式S WS を記憶する感度係数ベクトル2次形式第2種類記憶部と、
    目的とする患者の体系についての目的体系感度係数ベクトルS の感度係数ベクトル2次形式S WS を、次の式(3)の最大の値を与える模擬実験についての前記相対誤差E の二乗q を用いて、次の式(4)により、感度係数ベクトル2次形式S WS を算出する感度係数ベクトル2次形式第3種類演算部と、
    Figure 0006490535
    Figure 0006490535
    前記感度係数ベクトル2次形式第3種類演算部で算出された目的とする患者の体系についての目的体系感度係数ベクトルS の感度係数ベクトル2次形式S WS を記憶する感度係数ベクトル2次形式第3種類記憶部と、
    i番目の模擬実験についての模擬実験体系感度係数ベクトルS と、目的とする患者の体系についての目的体系感度係数ベクトルS の感度係数ベクトル2次形式S WS を次の式(5)により算出する感度係数ベクトル2次形式第4種類演算部と、
    Figure 0006490535
    前記感度係数ベクトル2次形式第4種類演算部で算出されたi番目の模擬実験についての模擬実験体系感度係数ベクトルS と、目的とする患者の体系についての目的体系感度係数ベクトルS の感度係数ベクトル2次形式S WS を記憶する感度係数ベクトル2次形式第4種類記憶部と、
    模擬実験体系感度係数ベクトルS を線形結合した線形結合ベクトルS の線形結合定数α を、前記模擬実験体系感度係数ベクトルS および前記目的体系感度係数ベクトルS とに基づき算出する線形結合定数演算部と、
    前記感度係数ベクトル2次形式第1種類記憶部に記憶された第i番目の模擬実験に関する感度係数ベクトル2次形式S WS と、前記感度係数ベクトル2次形式第2種類記憶部に記憶された第i番目の模擬実験と第j番目の模擬実験に対する感度係数ベクトル2次形式S WS と、前記感度係数ベクトル2次形式第3種類記憶部に記憶された目的とする患者の体系についての目的体系感度係数ベクトルS の感度係数ベクトル2次形式S WS と、前記感度係数ベクトル2次形式第4種類記憶部に記憶されたi番目の模擬実験についての模擬実験体系感度係数ベクトルS とを用いて、前記モデルを用いたシミュレーションの結果得られる前記対象の物理量に含まれる入力パラメータ起因物理量不確かさを算出する目的体系物理量不確かさ演算部と、
    を有することを特徴とする照射線量計算誤差推定装置。
  5. 前記目的体系感度係数ベクトル演算部による前記目的体系感度係数ベクトルS の演算、および前記模擬実験体系感度係数ベクトル演算部による前記模擬実験体系感度係数ベクトルS の演算は、それぞれの体系において放射線の輸送をモンテカルロ計算で行うことにより算出することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の照射線量計算誤差推定装置。
  6. 前記物理量は、前記医療用放射線の到達距離、および患部に照射される放射線量であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の照射線量計算誤差推定装置。
  7. 前記パラメータは、前記医療用放射線の線種、前記医療用放射線のエネルギー、および前記医療用放射線の方向のうち少なくともいずれか一つであることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の照射線量計算誤差推定装置。
  8. 医療用放射線の照射のために治療対象である目的体系の構成および前記目的体系と前記医療用放射線との相互作用の特性をコンピュータ上に表現したモデルを用いてシミュレーションした照射線量計算の結果で得られる物理量に含まれる誤差をその対象を模擬した模擬実験の結果を用いて推定する照射線量計算誤差推定方法において、
    入力装置が、模擬実験体系データおよび測定値、計算のパラメータを入力として受け入れる入力ステップと、
    模擬実験体系測定値記憶部が、模擬実験体系データおよび測定値を記憶する実験結果記憶ステップと、
    模擬実験体系物理量演算部が、前記模擬実験の体系についてシミュレーションを行い模擬実験体系における物理量を算出する模擬実験体系シミュレーションステップと、
    模擬実験体系演算値記憶部が、前記模擬実験体系物理量演算部が算出した模擬実験体系における物理量の計算値を記憶する模擬実験体系計算値記憶ステップと、
    前記模擬実験体系計算値記憶ステップの後に、計算値・測定値相対誤差演算部が、前記実験結果記憶ステップで記憶された測定値と、前記模擬実験体系計算値記憶ステップで記憶されたシミュレーション結果の計算値に基づいて両者の相対誤差E を算出し、前記計算値・測定値相対誤差演算部が算出した前記相対誤差E を記憶するE 算出ステップと、
    計算値・測定値相対誤差記憶部が、前記相対誤差E を記憶するE 記憶ステップと、
    模擬実験体系感度係数ベクトル演算部が、前記模擬実験(i=1〜n)のそれぞれの体系の感度係数ベクトルである模擬実験体系感度係数ベクトルS を算出するS 算出ステップと、
    模擬実験体系感度係数ベクトル記憶部が、前記模擬実験体系感度係数ベクトルS を記憶するS 記憶ステップと、
    目的体系物理量演算部が、前記目的体系の物理量の計算結果R0を算出するR0算出ステップと、
    目的体系演算値記憶部が、前記計算結果R0を記憶するR0記憶ステップと、
    目的体系感度係数ベクトル演算部が、前記目的体系の入力パラメータに対する感度係数ベクトルである目的体系感度係数ベクトルS を算出するS 算出ステップと、
    目的体系感度係数ベクトル記憶部が前記目的体系感度係数ベクトルS を記憶するS 記憶ステップと、
    感度係数ベクトル2次形式第1種類演算部が、前記相対誤差E に基づいて第1の感度係数ベクトル2次形式を算出する2次形式第1種類演算ステップと、
    感度係数ベクトル2次形第2種類式演算部が、前記相対誤差E に基づいて第2の感度係数ベクトル2次形式を算出する2次形式第2種類演算ステップと、
    感度係数ベクトル2次形式第3種類演算部が、前記相対誤差E 、前記模擬実験体系感度係数ベクトルS および前記目的体系感度係数ベクトルS に基づいて第3の感度係数ベクトル2次形式を算出する2次形式第3種類演算ステップと、
    感度係数ベクトル2次形式第4種類演算部が、前記相対誤差E 、前記模擬実験体系感度係数ベクトルS および前記目的体系感度係数ベクトルS に基づいて第4の感度係数ベクトル2次形式を算出する2次形式第4種類演算ステップと、
    線形結合定数演算部が、模擬実験体系感度係数ベクトルS を線形結合した線形結合ベクトルS の線形結合定数α を、前記模擬実験体系感度係数ベクトルS および前記目的体系感度係数ベクトルS に基づき算出する線形結合定数演算ステップと、
    目的体系物理量不確かさ演算部が、前記第1の感度係数ベクトル2次形式、前記第2の感度係数ベクトル2次形式、前記第3の感度係数ベクトル2次形式、前記第4の感度係数ベクトル2次形式、および前記線形結合定数α に基づいて、入力パラメータ起因物理量不確かさの二乗(ΔZ/Z) を算出する不確かさ算出ステップと、
    を有することを特徴とする照射線量計算誤差推定方法。
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