JP6489687B2 - 水素化ブロック共重合体並びにこれを用いたポリプロピレン樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents
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Description
〔1〕
分子中に、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(C)と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B1)と、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(S)と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B2)とをこの順に有する水素化ブロック共重合体であって、
上記水素化ブロック共重合体中、上記重合体ブロック(C)の含有量が5〜20質量%であり、上記重合体ブロック(B1)の含有量が70〜90質量%であり、上記重合体ブロック(S)の含有量が1〜10質量%であり、上記重合体ブロック(B2)の含有量が1〜10質量%であり、
上記重合体ブロック(C)の水素化前のビニル結合量が5〜20mol%であり、上記重合体ブロック(B1)の水素化前のビニル結合量が60〜100mol%であり、上記重合体ブロック(B2)の水素化前のビニル結合量が40〜100mol%であり、
水素化率が80mol%以上である、水素化ブロック共重合体。
〔2〕
上記水素化ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)が10万〜30万である、項目1に記載の水素化ブロック共重合体。
〔3〕
ビニル化剤、有機リチウム化合物、及びアルカリ金属アルコキシドの存在下、上記ビニル化剤と有機リチウム化合物のモル比(ビニル化剤/有機リチウム化合物)が0.2〜3であり、かつ上記アルカリ金属アルコキシドと有機リチウム化合物のモル比(アルカリ金属アルコキシド/有機リチウム化合物)が0.01〜0.3の条件下で共重合された、項目1又は2に記載の水素化ブロック共重合体。
〔4〕
項目1〜3のいずれか一項に記載の水素化ブロック共重合体1〜99質量%と、ポリプロピレン樹脂1〜99質量%とを含む、ポリプロピレン樹脂組成物。
〔5〕
上記ポリプロピレン樹脂がランダムポリプロピレン樹脂である、項目4に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
〔6〕
項目4又は5に記載のポリプロピレン樹脂組成物を含む、成形体。
〔7〕
項目4又は5に記載のポリプロピレン樹脂組成物を含む、チューブ。
〔8〕
項目4又は5に記載のポリプロピレン樹脂組成物を含む、シート。
本実施形態の水素化ブロック共重合体は、分子中に、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(C)と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B1)と、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(S)と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B2)とをこの順に有する水素化ブロック共重合体であって、上記水素化ブロック共重合体中、上記重合体ブロック(C)の含有量が5〜20質量%であり、上記重合体ブロック(B1)の含有量が70〜90質量%であり、上記重合体ブロック(S)の含有量が1〜10質量%であり、上記重合体ブロック(B2)の含有量が1〜10質量%であり、上記重合体ブロック(C)の水素化前のビニル結合量が5〜20mol%であり、上記重合体ブロック(B1)の水素化前のビニル結合量が60〜100mol%であり、上記重合体ブロック(B2)の水素化前のビニル結合量が40〜100mol%であり、水素化率が80mol%以上である。
(C−B1−S)n−B2
(C−B1−S−B2)n
(C−B1−S−B2)m−X
水素化ブロック共重合体は、一般的には、有機溶媒中で、有機アルカリ金属化合物を重合開始剤として重合を行い、その後水素化反応を行うことにより製造することができる。重合の態様としては、バッチ重合であっても連続重合であっても、或いはそれらの組み合わせであってもよい。分子量分布が狭く、高い強度を有するブロック共重合体を得る観点からは、バッチ重合方法が好ましい。
ビニル化剤/有機リチウム化合物が0.2〜3.0
アルカリ金属アルコキシド/有機リチウム化合物が0.01〜0.3
本実施形態のポリプロピレン樹脂組成物は、本発明の水素化ブロック共重合体1〜99質量%と、ポリプロピレン樹脂1〜99質量%とを含む。
本実施形態のポリプロピレン組成物は、例えば、水素化ブロック共重合体、ポリプロピレン、及び必要に応じて加えられる他の成分を、その各成分の組成比に応じてドライブレンドする方法、通常の高分子物質の混合に供される装置によって調整する方法等によって製造することができる。
本実施形態の成形体は、本実施形態のポリプロピレン樹脂組成物を含む。成形体としては、チューブ、シート、フィルム、バック、医療用成形体、例えば医療用チューブ、医療用フィルム、医療用輸液バック、並びに包装材、例えば食品包装材、及び衣料包装材等を挙げることができる。
1)水素化ブロック共重合体の全芳香族ビニル化合物単位の含有量(以下、「スチレン含有量」とも表記する。)
水素添加後の重合体を用いて、プロトン核磁気共鳴(H1−NMR)法により測定した。測定機器はJNM−LA400(JEOL製)、溶媒に重水素化クロロホルムを用い、サンプル濃度は50mg/mL、観測周波数は400MHz、化学シフト基準にテトラメチルシランを用い、パルスディレイ2.904秒、スキャン回数64回、パルス幅45°、及び測定温度26℃で行った。スチレン含有量は、スペクトルの6.2〜7.5ppmにおける総スチレン芳香族シグナルの積算値を用いて算出した。
水素添加前のブロック共重合体の重合過程のステップ毎にサンプリングしたポリマーを、プロトン核磁気共鳴(H1−NMR)法により測定した。測定条件及び測定データの処理方法は上記1)と同様とした。ビニル結合量は、1,4−結合及び1,2−結合に帰属されるシグナルの積分値から各結合様式の1Hあたりの積分値を算出した後、1,4−結合と1,2−結合(ブタジエンの場合であって、イソプレンの場合ならば3,4−結合になる)との比率から算出した。
水素添加後の重合体を用いて、プロトン核磁気共鳴(H1−NMR)により測定した。なお、測定条件及び測定データの処理方法は上記1)と同様とした。水素添加率は、4.5〜5.5ppmの残存二重結合に由来するシグナル及び水素添加された共役ジエンに由来するシグナルの積分値を算出し、その比率を算出した。
水素化ブロック共重合体の数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量(Mw)は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定(島津製作所製、LC−10)、カラム:TSKgelGMHXL(4.6mmID×30cm、2本)、溶媒:テトラヒドロフラン(THF)により、市販の標準ポリスチレンによるポリスチレン換算分子量として求めた。また、水素化ブロック共重合体の分子量分布は、得られた数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比として求めた。
各プロピレン系樹脂を用いて、カーボン核磁気共鳴(C13−NMR)法により測定した。測定機器はJEOL−ECS400(JEOL製)、溶媒に重水素化オルソジクロロベンゼンを用い、サンプル濃度は10w/v%、観測周波数は400MHz、化学シフト基準に重水素化オルソジクロロベンゼンを用い、スキャン回数10,000回、及び測定温度130℃で行った。プロピレン、エチレンに帰属されるシグナルの積分値から各結合様式の13Cあたりの積分値を算出した後、プロピレン、エチレンとの比率から算出した。
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)測定(東ソー製、HLC−8121GPC/HT)、カラム:TSKgelGMHHR-H(20)HT(7.8mmID×30cm、2本)、溶媒:オルトジクロロベンゼンにより、145℃にて測定し、得られた数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比として求めた。
水素化ブロック共重合体とプロピレン系樹脂のMFRは、ISO 1133に準拠して、230℃、2.16Kg荷重で測定した。
水素添加前のブロック共重合体を、四酸化オスミウム触媒としてターシャリーブチルハイドロパーオキサイドにより酸化分解する方法(酸化分解法:I.M.KOLTHOFF,etal.,J.Polym.Sci.1,429(1946)に記載の方法)を適用し、重合体ブロック(S)成分(但し平均重合度が約30未満の芳香族ビニル化合物単位成分は除かれている。)を分離し、当該重合体ブロック(S)の重量を測定し、下記の式により求めた。
重合体ブロック(S)のブロック率(質量%)=(水素化ブロック共重合体中の重合体ブロック(S)の質量/水素化ブロック共重合体中の全芳香族ビニル化合物単位の質量)×100
なお、水素化ブロック共重合体中の全芳香族ビニル化合物単位の質量は、紫外線分光光度計(日立UV200)を用いて、262nmの吸収強度より算出した。
また、重合体ブロック(S)の分子量分布は分離された合体ブロック(S)を前記4)と同様のGPC測定によって得られた数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の比として求めた。
水素添加前のブロック共重合体の調整過程で得られたステップ毎にサンプリングしたポリマー0.1gをジクロロメタン100mLに溶解した溶液に、オゾン濃度1.5%の酸素を150mL/分で通過させて酸化分解し、得られたオゾニドを、水素化アルミニウムリチウムを混合したジエチルエーテル中に滴下して還元した。つぎに、純水を滴下して加水分解し、炭酸カリウムを添加し塩析、濾過を行うことにより重合体ブロック(S)成分を得た。この重合体ブロック(S)をGPCにより測定した。
実施例3〜5及び比較例7〜13で得られた300μmの厚みのシート状成形体を用いて、引取り方向(MD)とそれと垂直な方向(TD)について、JIS 5号ダンベルに打抜いたサンプルを用い、JIS K6251に準拠して、引張試験機(ミネベア、Tg−5kN)により引張速度200mm/minで引張弾性率(MPa)を測定した。得られた引張弾性率MD/TDの比から、次の基準で異方性を評価した。
◎:MD/TDの値が0.92〜1.08の範囲
○:MD/TDの値が0.89〜1.11の範囲(但し上記◎の範囲以外)
△:MD/TDの値が0.85〜1.15の範囲(但し上記○と◎の範囲以外)
×:MD/TDの値が0.85未満又は、1.15を超える。
実施例3〜5及び比較例7〜13で得られた300μmの厚みのシート状成形体を用いて、引取り方向(MD)について、JIS 5号ダンベルに打抜いたサンプルを用い、JIS K6251に準拠して、引張試験機(ミネベア、Tg−5kN)により引張速度200mm/minで引張弾性率(MPa)を測定し、柔軟性の指標とした。得られた引張弾性率から、次の基準で評価した。
◎:引張弾性率が29MPa未満
○:引張弾性率が29MPa以上33MPa未満
△:引張弾性率が33MPa以上39MPa未満
×:引張弾性率が39MPa以上
実施例3〜5及び比較例7〜13で得られた300μmの厚みのシート状成形体を用いて、ヘイズメーター(日本電色工業製、NDH−1001DP)を用いてヘイズ値(%)を測定し、透明性の指標とした。得られたヘイズ値から、次の基準で評価した。
◎:ヘイズ値が4%未満
○:ヘイズ値が4%以上8%未満
△:ヘイズ値が8%以上16%未満
×:ヘイズ値が16%以上
実施例3〜5及び比較例7〜13で得られた300μmの厚みのシート状成形体を用いて、レーザー顕微鏡(キーエンス社製:VK−X8500)を用いて、シートの表面粗さ(10点平均粗さ:Rz)を測定した。得られた値から、次の基準で評価した。
◎:表面粗さの値が20μm未満
○:表面粗さの値が20μm以上25μm未満
△:表面粗さの値が25μm以上35μm未満
×:表面粗さの値が35μm以上
実施例3〜5及び比較例7〜13で得られた300μmの厚みのシート状成形体を、5cm×8cm及び4cm×6cmの試験片に切り出した。得られた試験片を2枚重ね合わせた(上面:5cm×8cm、下面:4cm×5cm)後、その上面に500gの荷重(大きさ:6cm×10cm×1cm)を載せて、60秒間静止した後に、引張試験機(ミネベア、Tg−5kN)により100mm/分の速度で180°剥離させたときのタック強度(J)を測定し、低べたつき性の指標とした。得られたタック強度から、次の基準で評価した。
◎:タック強度が8N未満
○:タック強度が8N以上15N未満
△:タック強度が15N以上30N未満
×:タック強度が30N以上
実施例3〜5及び比較例7〜13で得られたチューブ状成形体を用い、引張圧縮試験機によりチューブ屈曲時の応力を測定した。具体的には、長さ30cmのチューブを対象とし、チャック間距離を10cmにセットし、クロスヘッドスピード200mm/分で折り曲げ測定を行った。応力とチャック間距離との関係から得られる応力カーブの例を図1に示す。図1の例において、応力が最大になるときのチャック間距離(図1のX)をチューブがキンクする瞬間のチャック間距離(キンク位置)とし、このキンク位置に対応するチャック間距離の値が大きいものほど、キンク性が良好であるものとして、次の基準で評価した。
◎:キンク位置が61mm以上
〇:キンク位置が57mm以上61mm未満
△:キンク位置が52mm以上57mm未満
×:キンク位置が52mm未満
実施例3〜5及び比較例7〜13で得られたチューブ状成形体を用い、1cm幅の荷重1Kgを2本のチューブに載せて、23℃で6時間加圧保持した後に圧力を開放し、30分後の厚みを測定し、残留歪の大きさを評価した。得られた残留歪から、次の基準で評価した。
◎:残留歪が5%未満
〇:残留歪が5%以上20%未満
△:残留歪が20%以上40%未満
×:残留歪が40%以上
[実施例1]
(水添触媒の調整)
水素化ブロック共重合体の水添反応に用いた水添触媒を、下記の方法で調整した。窒素置換した反応容器に、乾燥及び精製したシクロヘキサン1Lを入れ、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタニウムジクロリド100ミリモルを添加し、十分に攪拌しながらトリメチルアルミニウム200ミリモルを含むn−ヘキサン溶液を添加して、室温にて約3日間反応させた。
内容積10Lの攪拌装置及びジャケット付き槽型反応器を使用して、バッチ重合を行った。反応器内に1Lのシクロヘキサンを入れ、その後n−ブチルリチウム(以下「Bu−Li」ともいう。)を全モノマー100質量部に対して0.050質量部と、ビニル化剤としてのN,N,N´,N´−テトラメチルエチレンジアミン(以下、「TMEDA」ともいう。)をBu−Li1モルに対して0.05モル添加した。
Bu−Liを全モノマー100質量部に対して0.065質量部とし、第1ステップとして、ブタジエン13質量部とし、第2ステップとして、ブタジエン75質量部とし、第3ステップとして、スチレン7質量部とし、第4ステップとして、ブタジエン5質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の水素化ブロック共重合体(a−2)を製造した。
第1ステップ前において、Bu−Liを全モノマー100質量部に対して0.070質量部とし、TMEDAをBu−Li1モルに対して1.5モルとした。第1ステップとして、スチレン6.5質量部とし、第2ステップとして、NaOAmを添加せずに、ブタジエン82質量部を90分間かけて投入し、その後更に5分間重合した。なお、第1及び第2ステップの重合中、温度は55℃にコントロールした。第3ステップとして、スチレン6.5質量部を5分間かけて投入し、その後更に30分間重合し、第4ステップとして、ブタジエン5質量部としたこと以外は実施例1と同様にして、比較例1の水素化ブロック共重合体(a−3)を製造した。
第1ステップ前において、Bu−Liを全モノマー100質量部に対して0.085質量部とし、TMEDAをBu−Li1モルに対して1.5モルとし、NaOAmの添加はしなかった。第1ステップとして、スチレン7.5質量部とし、第2ステップとして、NaOAmを添加せずに、ブタジエン85質量部を90分間かけて投入し、その後更に5分間重合した。第1ステップ及び第2ステップの重合中、温度は55℃にコントロールし、第3ステップとして、スチレン7.5質量部を5分間かけて投入し、その後更に30分間重合し、第4ステップは行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例2の水素化水添ブロック共重合体(a−4)を製造した。
第1ステップ前において、Bu−Liを全モノマー100質量部に対して0.110質量部とし、第1ステップとして、ブタジエン13質量部とし、第2ステップとして、ブタジエン72質量部とし、第3ステップとして、スチレン15質量部とし、第4ステップを行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして、比較例3の水素化ブロック共重合体(a−5)を製造した。
第1ステップ前において、Bu−Liを全モノマー100質量部に対して0.048質量部とし、第1ステップとして、ブタジエン10質量部とし、第2ステップとして、ブタジエン70質量部とし、第3ステップとして、スチレン5質量部とし、第4ステップとして、ブタジエン15質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の水素化ブロック共重合体(a−6)を製造した。
第1ステップ前において、Bu−Liを全モノマー100質量部に対して0.050質量部とし、第1ステップとして、ブタジエン13質量部とし、第2ステップとして、ブタジエン量を75質量部とし、第3ステップとして、スチレン7質量部とし、第4ステップとして、ブタジエン5質量部としてブロック共重合体を製造し、水添反応を途中で停止したこと以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較例5の水素化ブロック共重合体(a−7)を製造した。
第1ステップ前において、Bu−Liを全モノマー100質量部に対して0.063質量部と、TMEDAをBu−Li1モルに対して0.6モルとした。第1ステップとして、ブタジエン13質量部とし、第2ステップとして、NaOAmを添加せずに、ブタジエン79質量部とし、第3ステップとして、スチレン5質量部とし、第4ステップとして、ブタジエン3質量部としたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例6の水素化ブロック共重合体(a−8)を製造した。
(b−1):プロピレン−エチレンランダム共重合体
特開2001−11128号公報に記載された、メタロセン触媒を用いた方法により、プロピレン−エチレンランダム共重合体を得た。得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体を分析したところ、エチレン含有量は4.3質量%で、MFRは7.0g/10分、分子量分布は2.8であった。
特開昭56−143207号公報に記載された、チーグラー・ナッタ触媒を用いた方法により、プロピレン−エチレンランダム共重合体を得た。得られたプロピレン−エチレンランダム共重合体を分析したところ、エチレン含有量は1.8質量%で、MFRは13.5g/10分、分子量分布は5.6であった。
[実施例3〜5、及び比較例7〜13]
実施例1及び2、並びに比較例1〜6の水素化ブロック共重合体(a−1)〜(a−6)と、ポリプロピレン系樹脂(b−1)及び(b−2)を、下表2に示す配合割合でドライブレンドし、二軸押出機(L/D=42、30mmΦ)で、200℃、150rpm、押出量5Kg/hの条件で溶融混練して、プロピレン樹脂組成物のペレットを製造した。これらのペレットを用いて、以下に示すようにして、実施例3〜5、及び比較例7〜13のシート状成形体およびチューブ状成形体を作成し、各物性の測定を行った。得られた評価結果を表2に示す。
プロピレン系樹脂組成物ペレットを単軸シート押出機(40mmφ)、Tダイを用いて、樹脂温度190℃、スクリュー回転数30rpm、Tダイスリット厚み0.4mm、Tダイのスリット巾400mm、圧延ローラ表面温度45℃、引取り速度2.5m/minで、厚さ約300μmのシート状成形体を作成した。なお、厚みはスクリュー回転数を変えることにより調整した。
プロピレン系樹脂組成物ペレットを単軸押出機(40mmφ)、チューブダイを用いて190℃、押出速度10m/min、チューブダイの外径13mm、内径11mmで押出成型することにより外径7.5mm、内径5.5mmのチューブ状成形体を作成した。なお、外径、内径はスクリュー回転数を変えることにより調整した。
Claims (8)
- 分子中に、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(C)と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B1)と、ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック(S)と、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロック(B2)とをこの順に有する水素化ブロック共重合体であって、
前記水素化ブロック共重合体中、前記重合体ブロック(C)の含有量が5〜20質量%であり、前記重合体ブロック(B1)の含有量が70〜90質量%であり、前記重合体ブロック(S)の含有量が1〜10質量%であり、前記重合体ブロック(B2)の含有量が1〜10質量%であり、
前記重合体ブロック(C)の水素化前のビニル結合量が5〜20mol%であり、前記重合体ブロック(B1)の水素化前のビニル結合量が60〜100mol%であり、前記重合体ブロック(B2)の水素化前のビニル結合量が40〜100mol%であり、
水素化率が80mol%以上である、水素化ブロック共重合体。 - 前記水素化ブロック共重合体の重量平均分子量(Mw)が10万〜30万である、請求項1に記載の水素化ブロック共重合体。
- 請求項1又は2に記載の水素化ブロック共重合体の製造方法であって、ビニル化剤、有機リチウム化合物、及びアルカリ金属アルコキシドの存在下、前記ビニル化剤と有機リチウム化合物のモル比(ビニル化剤/有機リチウム化合物)が0.2〜3であり、かつ前記アルカリ金属アルコキシドと有機リチウム化合物のモル比(アルカリ金属アルコキシド/有機リチウム化合物)が0.01〜0.3の条件下で共重合する製造方法。
- 請求項1又は2に記載の水素化ブロック共重合体1〜99質量%と、ポリプロピレン樹脂1〜99質量%とを含む、ポリプロピレン樹脂組成物。
- 前記ポリプロピレン樹脂がランダムポリプロピレン樹脂である、請求項4に記載のポリプロピレン樹脂組成物。
- 請求項4又は5に記載のポリプロピレン樹脂組成物を含む、成形体。
- 請求項4又は5に記載のポリプロピレン樹脂組成物を含む、チューブ。
- 請求項4又は5に記載のポリプロピレン樹脂組成物を含む、シート。
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