JP6488433B1 - 成形機洗浄用の洗浄剤および洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

初期洗浄効果が優れ、次に作製する成形品に残留物が均等に分散しやすい洗浄剤を提供することを課題とする。熱可塑性樹脂、綿状ガラス繊維、を含む、成形機洗浄用の洗浄剤により課題を解決できる。

Description

本開示は、成形機洗浄用の洗浄剤および洗浄方法に関し、特に、成形機内の残留物の除去に好適な洗浄剤および洗浄方法に関する。
熱可塑性樹脂の着色、混合、成形品の作製等には、押出成形機や射出成形機等の成形機が用いられている。成形機を用いて作業を行う場合、樹脂材料を切り替える際にシリンダー内部に残留している樹脂(残留物)を除去する必要がある。また、長時間の連続使用により樹脂がシリンダー内部に滞留して付着したヤケや炭化物などの異物(残留物)を除去する必要がある。樹脂材料を切り替える際には、この残留物を除去しておかないと、次に行われる成形時に残留物が成形品中に混入し、製品外観不良の原因となる。
成形機内から残留物を除去する方法としては、人手により成形機の分解掃除をする方法、成形機を停止せずにそのまま次に使用する成形材料を成形機に充填し、これにより残留物を徐々に置換して行く方法、洗浄剤を用いる方法等が知られている。
上記方法の中で、洗浄剤を用いる方法は、前の成形材料を除去する洗浄力と、次の成形材料への易置換性とに優れることから、近年好まれて用いられるようになってきている。
洗浄剤としては、熱可塑性樹脂に繊維等の研磨効果を有する材料を含有することが知られている。例えば、熱可塑性樹脂とガラス繊維とを含む洗浄剤(特許文献1参照)、熱可塑性樹脂とロックウールやガラス繊維を含む洗浄剤(特許文献2参照)、熱可塑性樹脂とセルロース繊維を含む洗浄剤(特許文献3参照)、が知られている。
特許第2561685号 特開2008−201975号公報 特開2009−39863号公報
洗浄剤としては、素早く成形機を洗浄できる効果を有することが望ましい。ところで、成形機の洗浄の際には、前に使用した成形材料の影響を完全に除去せずに次の成形品を作製できる場合もある。例えば、黒色に着色した成形品の作製後に灰色の成形品を作製する場合、残留物が及ぼす色彩の影響が、次の成形品の色彩に影響を与えない程度まで洗浄すれば、前に使用した成形材料の影響を完全に除去しなくとも次の成形品の作製工程に進むことができ、製造効率が向上する。
ところで、洗浄剤で前の成形材料の影響を完全に除去せずに次の成形品を作製する際には、成形機内の残留物をなるべく均等に除去すること、換言すると、次の成形品中に残留物が均等に含まれることが望ましい。
また、射出成形の場合には、成形機のみならず、射出成形用金型の残留物もなるべく均等に除去することが望ましい。例えば色替えの際に、残留物を均等に除去できずに次の成形品を作製すると、色彩が均一ではなくまだら模様になり、不良品となる恐れがある。
しかしながら、本発明者らは、洗浄性能が高いとされているガラス繊維を含む洗浄剤を用いて洗浄した場合、残留物の洗浄が不均一で、且つ、残留物の影響がなくなるまで洗浄するのに時間がかかるという問題を新たに発見した。
本開示は、上記問題点を解決するためになされたものであり、鋭意研究を行ったところ、従来の熱可塑性樹脂にガラス繊維を充填した洗浄剤と比較して、熱可塑性樹脂に綿状ガラス繊維を充填した洗浄剤を用いると、(1)洗浄開始直後の初期洗浄効果が優れていること、(2)次に作製する成形品に残留物が均等に分散しやすいこと、を新たに見出した。
すなわち、本開示の目的は、成形機や金型内の残留物の除去に好適な洗浄剤および洗浄方法を提供することである。
本開示は、以下に示す、成形機洗浄用の洗浄剤および洗浄方法に関する。
(1)成形機洗浄用の洗浄剤であって、該洗浄剤は、
熱可塑性樹脂、
綿状ガラス繊維、
を含む、洗浄剤。
(2)前記綿状ガラス繊維が、洗浄剤に対して、50〜80重量%含まれている、
上記(1)に記載の洗浄剤。
(3)前記綿状ガラス繊維が、潤滑剤及び/又はシランカップリング剤で処理されていない、
上記(1)又は(2)に記載の洗浄剤。
(4)成形機の洗浄方法であって、該洗浄方法は、
成形機を加熱する加熱工程、および、
加熱した成形機に、上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の洗浄剤を投入し、成形機内を洗浄する洗浄工程、
を少なくとも含む、洗浄方法。
(5)前記洗浄剤が、上記(3)に記載されている洗浄剤である、
上記(4)に記載の洗浄方法。
本開示の成形機洗浄用の洗浄剤は、従来の洗浄剤と比較して、初期洗浄効果が優れ、また、次に作製する成形品に残留物が均等に分散され易い。
図1は図面代用写真で、図1Aは綿状ガラス繊維の写真、図1Bはガラス繊維を巻き上げたガラス繊維ロービングの写真、図1Cはガラス繊維ロービングを所定の長さで切断したチョップドストランドの写真である。 図2は、図面代用写真である。図2Aは、左から順に、実施例1の洗浄剤を投入後、1、5、10、15枚目に作製したプレートの写真である。図2Bは、左から順に、実施例2の洗浄剤を投入後、1、5、10、15枚目に作製したプレートの写真である。図2Cは、左から順に、比較例1の洗浄剤を投入後、1、5、10、15枚目に作製したプレートの写真である。 図3は、図面代用写真で、図3Aは実施例1、図3Bは実施例2の洗浄剤のSEM写真である。
以下に、本明細書で開示する成形機洗浄用の洗浄剤および洗浄方法について詳しく説明する。
本明細書で開示する洗浄剤の実施形態は、綿状ガラス繊維及び熱可塑性樹脂を含んでいる。
図1Aは、本明細書における「綿状ガラス繊維」の写真である。「綿状ガラス繊維」とは、溶融したガラス組成物を回転しているスピナーから遠心力で吹き出すことで製造した、繊維径が約0.1〜10μmの空気を多く含む綿状のガラス繊維を意味する。
一方、図1Bはガラス繊維を巻き上げたガラス繊維ロービングの写真で、図1Cはガラス繊維ロービングを50〜200本集めて所定の長さに切断したチョップドストランドの写真ある。ガラス繊維は溶融したガラスを牽引して繊維状にすることで製造され、繊維径は凡そ9〜18μmである。「綿状ガラス繊維」と「ガラス繊維ロービング(チョップドストランド)」は、同じ材料から製造することは可能であるが、図1A乃至Cの写真から明らかなように、製造方法の違いにより物としての形状が異なり、使用方法も異なる。
なお、チョップドストランドは、ガラス繊維ロービングを短く切断したものであることから、「ガラス短繊維」と呼ばれることがある。しかしながら、上記のとおり、「綿状ガラス繊維」とは全く異なるものである。
洗浄剤に用いる「綿状ガラス繊維」のガラス組成は、「綿状ガラス繊維」を補強材として用いないことから、特に制限はない。公知のEガラス、Cガラス、Aガラス、Sガラス、Dガラス、NEガラス、Tガラス、Hガラス、Qガラス、石英ガラス等の成分が挙げられる。
綿状ガラス繊維の平均繊維径は、溶融したガラス組成物の粘度およびスピナーの回転スピード、ガスジェットエネルギーなどで調整できる。綿状ガラス繊維の平均繊維径は、一般的に、0.1μm以上、10μm以下とすることが好ましい。10μmより太くすると、柔軟性が少なくなり好ましくない。7μm以下がより好ましく、5μm以下が更に好ましい。一方、0.1μm未満であると製造コストが増加するとともに、研磨効果が得られ難くなる。したがって、0.5μm以上がより好ましく、目的に応じて、1μm以上、2μm以上、3μm以上等、適宜調整すればよい。なお、綿状ガラス繊維は、上記の方法で製造することもできるが、市販品を用いてもよい。
熱可塑性樹脂としては、綿状ガラス繊維を練り込むことができれば特に制限はない。例えば、汎用プラスチック、エンジニアリング・プラスチック、スーパーエンジニアリングプラスチック等、従来から使用されている熱可塑性樹脂が挙げられる。具体的には、汎用プラスチックとしては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS樹脂)、スチレンアクリロニトリルコポリマー(AS樹脂)、アクリル樹脂(PMMA)等が挙げられる。エンジニアリング・プラスチックとしては、ナイロンに代表されるポリアミド(PA)、ポリアセタール(POM)、ポリカーボネート(PC)、変性ポリフェニレンエーテル(m−PPE、変性PPE、PPO)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、環状ポリオレフィン(COP)等が挙げられる。スーパーエンジニアリングプラスチックとしては、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリテトラフロロエチレン(PTFE)、ポリスルホン(PSF)、ポリエーテルサルフォン(PES)、非晶ポリアリレート(PAR)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、熱可塑性ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)等が挙げられる。これら樹脂は、1種或いは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、熱可塑性樹脂の溶融温度は樹脂の種類により異なる。したがって、実施形態に係る洗浄剤を用いて洗浄を行う際には、溶融温度が同程度の熱可塑性樹脂を用いることが好ましい。
綿状ガラス繊維は無機材料であり、一方、熱可塑性樹脂は有機材料である。そのため、シランカップリング剤で表面処理してから、熱可塑性樹脂にしてもよい。シランカップリング剤としては、従来から用いられているものであれば特に限定されず、フィラメントを構成する熱可塑性樹脂との反応性、熱安定性等を考慮しながら決めればよい。例えば、アミノシラン系、エポキシシラン系、アリルシラン系、ビニルシラン系等のシランカップリング剤が挙げられる。これらのシランカップリング剤は、東レ・ダウコーニング社製のZシリーズ、信越化学工業社製のKBMシリーズ、KBEシリーズ、JNC社製等の市販品を用いればよい。
また、綿状ガラス繊維を、潤滑剤で表面処理してもよい。潤滑剤としては、シリコンオイル、カリックスアレーンが挙げられる。
グラスウールは、上記シランカップリング剤又は潤滑剤で処理されてもよいし、シランカップリング剤及び潤滑剤で処理されてもよい。綿状ガラス繊維をシランカップリング剤及び/又は潤滑剤で処理する場合は、好適な範囲となるように適宜設定すればよい。
ところで、実施形態に係る洗浄剤に含まれる綿状ガラス繊維は、補強材として機能するのではなく、研磨剤として機能する。したがって、熱可塑性樹脂との接着性を上げる必要性はないことから、綿状ガラス繊維を上記のシランカップリング剤及び/又は潤滑剤で処理せずに、熱可塑性樹脂にそのまま練り込んでもよい。また、後述する実施例に示すとおり、シランカップリング剤及び/又は潤滑剤で処理した綿状ガラス繊維を用いた場合と比較して、シランカップリング剤及び/又は潤滑剤で処理しない綿状ガラス繊維を用いた場合、初期洗浄効果が優れ、また、成形品中に残留物が均等に分散されやすくなるという効果を示す。更に、断熱材に用いられている綿状ガラス繊維や、冷蔵庫の断熱材として用いられている綿状ガラス真空断熱材等は、シランカップリング剤及び/又は潤滑剤で表面処理がされていない。したがって、断熱材や真空断熱材に使用した生産端材や使用済み綿状ガラス繊維をそのまま用いることができるので、廃材の再利用が可能となる。
洗浄剤の全重量に対する綿状ガラス繊維の含有割合は、50〜80重量%が好ましく、60〜70重量%がより好ましい。50重量%より少ないと洗浄効果が得られにくくなる。一方、80重量%より多いと、実施形態に係る洗浄剤で洗浄後に綿状ガラス繊維を含まない、或いは、綿状ガラス繊維の含有量が少ない成形品を作製する場合、綿状ガラス繊維の残留物の影響がなくなるまで綿状ガラス繊維を含まない樹脂で洗浄する必要があり、次の成形品作製工程に切り替えるのに時間がかかる。
なお、洗浄剤は熱可塑性樹脂と綿状ガラス繊維で製造することができるが、必要に応じて、SiO2等の無機微粒子、有機系発泡剤、添加剤(脂肪酸系滑剤)を添加してもよい。
実施形態に係る洗浄剤は、熱可塑性樹脂及び綿状ガラス繊維を、単軸又は多軸の押出機、ニ−ダ−、ミキシングロ−ル、バンバリ−ミキサ−等の公知の溶融混練機を用いて、200〜400℃の温度で溶融混練することで製造することができる。製造装置については特に限定されないが、二軸押出機を用いて溶融混練することが簡便で好ましい。洗浄剤の形状は、洗浄対象である成形機に投入できれば特に制限はなく、線状、ペレット状等が挙げられる。
洗浄剤中のシランカップリング剤及び/又は潤滑剤で処理していない綿状ガラス繊維の割合が多くなるほど、熱可塑性樹脂に練り込みにくくなる。その場合は、洗浄剤に用いる熱可塑性樹脂の溶融温度に近い温度となるように綿状ガラス繊維を加熱して、溶融した熱可塑性樹脂に投入すればよい。また、必要に応じて、綿状ガラス繊維を、平均繊維長が0.2mm〜2mmの長さに解砕処理してから、溶融した熱可塑性樹脂に投入してもよい。
なお、本発明者は、熱可塑性樹脂にグラスウールを充填した複合形成材料の特許出願を行っている(特許第5220934号公報参照)。しかしながら、特許第5220934号公報に記載された複合形成材料は、熱可塑性樹脂に充填するグラスウールの繊維長を長くし且つグラスウールの充填量を多くするための発明で、射出成形に用いられる。一方、実施形態に係る洗浄剤は、成形機等の洗浄という特殊な用途に用いられるものであり、用途が異なる新規の発明である。
実施形態に係る洗浄方法は、実施形態に係る洗浄剤を用いることで、成形機のシリンダー部分、更に、成形機に接続した金型も効率的に洗浄することができる。成形機としては、射出成形機、押出成形機、ブロー成形機等の公知の成形機が挙げられる。また、金型も成形機に接続できるものであれば特に制限はない。
洗浄方法は、先ず、成形機のシリンダー部分を加熱する加熱工程を実施し、次に、洗浄剤を投入し、成形機内のシリンダー部分、必要に応じて接続している金型を洗浄する洗浄工程、を少なくとも含む。洗浄工程は、必要に応じて、複数回実施してもよい。
以下に実施例を掲げ、実施形態を具体的に説明するが、この実施例は具体的な態様の参考のために提供されるもので、本願で開示する発明の範囲を限定、あるいは制限することを表すものではない。
[洗浄剤の作製]
<実施例1>
熱可塑性樹脂としてAS樹脂(アクリロニトリルとスチレンの共重合体、日本A&L社製K−1163)を使用した。綿状ガラス繊維は遠心法により製造され、平均繊維径は約3.6μmであった。
この後、綿状ガラス繊維をカッタミルで平均繊維長850μmに解砕処理した。押出成形機には、池貝製PCM−37(2軸混錬押出機)、ホットフィーダ(池貝社製綿状ガラス繊維投入機)を用い、溶融したAS樹脂に、洗浄剤中の綿状ガラス繊維の比率が50重量%となるように添加し混練した。混練条件は、スクリュー回転数125rpm、シリンダー温度200〜240℃、ホットフィーダのスクリュー温度100℃、真空圧420hPa、モータ負荷15Aで行った。混練後は、混錬物を線状に押し出して切断することで、ペレット状の洗浄剤を作製した。
<実施例2>
実施例1の綿状ガラス繊維に代え、シランカップリング剤で処理した綿状ガラス繊維を用いた以外は、実施例1と同様の手順でペレットを作製した。シランカップリング剤で処理した綿状ガラス繊維は、遠心法で製造の際に、スピナーから吹き出した綿状ガラス繊維に、バインダノズルよりシランカップリング剤を含む溶液を噴霧することにより製造した。シランカップリング剤はアミノシランカップリング剤S330(JNC社製)を用いた。綿状ガラス繊維に対する重量百分率は、シランカップリング剤が0.24重量%であった。
<比較例1>
実施例1の綿状ガラス繊維に代え、ガラス繊維(セントラルグラスファイバー株式会社製/ECS03−630)を用いた以外は、実施例1と同様の手順で、洗浄剤を作製した。
[洗浄効果の確認]
洗浄効果の確認は、金型を用いてプレート成形を行い、連続成形で樹脂の色替え・樹脂の切り替わりを確認することで、洗浄剤の評価を行った。
<実施例3>
まず、ABS樹脂に、カーボンマスターバッチ(越谷化成工業(株)社製ROYYAL BLACK 9002P)をドライブブレンドすることで、黒色に着色した成形品を作製できる樹脂材料を準備した。
次に、射出成形機(住友重工業社製SE18S)にプレート成形用の金型を接続し、作製した樹脂材料を投入し、プレート成形を行った。次に、成形機内の樹脂材料(着色樹脂)を押し出した後、実施例1で作製した洗浄剤を射出成形機に投入した。次いで、洗浄剤で射出成形機内を洗浄しながら洗浄剤を金型に流すことで連続してプレートを作製した。図2Aは、左から順に、実施例1の洗浄剤を投入後、1、5、10、15枚目に作製したプレートの写真である。
<実施例4>
実施例1の洗浄剤に代え、実施例2の洗浄剤を用いた以外は、実施例3と同様の手順でプレートを作製した。図2Bは、左から順に、実施例2の洗浄剤を投入後、1、5、10、15枚目に作製したプレートの写真である。
<比較例2>
実施例1で作製した洗浄剤に代え、比較例1で作製した洗浄剤を用いた以外は、実施例1と同様の手順でプレートを作製した。図2Cは、比較例1の洗浄剤を投入後、1、5、10、15枚目に作製したプレートの写真である。
図2A及び図2B、並びに、図2Cの5枚目のプレート写真から明らかなように、綿状ガラス繊維を用いて作製した実施例1及び2の洗浄剤を用いた場合、ガラス繊維を用いて作製した比較例1の洗浄剤より、初期洗浄効果が高いことを確認した。
また、図2Aの10枚目の写真の黒丸で囲っている部分に示すように、実施例1の洗浄剤を用いた場合、金型の原料投入口付近とプレート部分の色彩はほぼ同じであった。また、図2Bの10枚目の写真の黒丸で囲っている部分に示すように、実施例2の洗浄剤を用いた場合、金型の原料投入口付近はやや灰色が残り、プレート部分の色彩とは少し異なっていた。一方、図2Cの10枚目の写真の黒丸で囲っている部分に示すように、比較例1の洗浄剤を用いた場合、金型の原料投入口付近は黒色が残り、プレート部分の色彩と明らかに異なっていた。以上の結果より、ガラス繊維を用いた場合と比較して、綿状ガラス繊維を用いた場合は、初期洗浄効果に優れ、残留物が成形品中により均等に分散されやすいことを確認した。なお、プレートの金型の原料投入口付近が特に黒くなった理由としては、射出成形機のスクリュー先端部の逆止防止部分に残留した着色樹脂の影響と考えられる。綿状ガラス繊維を用いた洗浄剤の方が、初期洗浄効果が高く、且つ、成形品の特定部分に残留物が集中しないことから、成形機内の構成要素の細部まで均一に洗浄できたと考えられる。
また、綿状ガラス繊維を用いた場合、シランカップリング剤で処理していない方が、プレートの残留物が均一になったことから、実施例1及び実施例2で作製した洗浄剤のSEM写真を撮影した。図3Aは実施例1、図3Bは実施例2の洗浄剤のSEM写真である。図3Aの写真から明らかなように、シランカップリング剤で処理していない綿状ガラス繊維を用いた場合、綿状ガラス繊維とAS樹脂との間に隙間が確認できた。一方、シランカップリング剤で処理した綿状ガラス繊維は、AS樹脂と密着し、露出した綿状ガラス繊維の表面には何らかの成分が付着し平滑ではなかった。以上の結果より、シランカップリング剤で処理していない綿状ガラス繊維を用いると、成形機内で洗浄中に熱可塑性樹脂との相分離を起こしやすく、また、表面に付着物がないので研磨効果をより発揮しやすくなることから、成形機内の残留物が溜まりやすい部分も均一に洗浄できたと考えられる。
実施形態に係る洗浄剤及び当該洗浄剤を用いた成形機の洗浄方法は、従来の洗浄剤と比較して、初期洗浄効果が高く、且つ、均一に成形機の洗浄ができる。したがって、成形機を用いた製品の製造に有用である。

Claims (5)

  1. 成形機洗浄用の洗浄剤であって、該洗浄剤は、
    熱可塑性樹脂、
    前記熱可塑性樹脂に練り込まれた綿状ガラス繊維、
    を含む、洗浄剤。
  2. 前記綿状ガラス繊維が、洗浄剤に対して、50〜80重量%含まれている、
    請求項1に記載の洗浄剤。
  3. 前記綿状ガラス繊維が、潤滑剤及び/又はシランカップリング剤で処理されていない、
    請求項1または2に記載の洗浄剤。
  4. 成形機の洗浄方法であって、該洗浄方法は、
    成形機を加熱する加熱工程、および、
    加熱した成形機に、請求項1〜の何れか一項に記載の洗浄剤を投入し、成形機内を洗浄する洗浄工程、
    を少なくとも含む、洗浄方法。
  5. 前記洗浄剤が、請求項3に記載されている洗浄剤である、
    請求項に記載の洗浄方法。
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