JP6488335B2 - サンドイッチ部品の製造並びにサンドイッチ部品のための方法及び装置 - Google Patents

Description

本発明は、サンドイッチ部材を製造する方法と、サンドイッチ部材を製造するための装置と、サンドイッチ部材に関する。

サンドイッチ部材は、典型的には、少なくとも３層、具体的には、２つのカバーレイヤー又は層の間に挟まれた中央のコア層から構成される、面的な部材である。例えば自動車の構造品の産業において、車体部材、具体的には軽量型自動車の製造に用いられる。通常は、面的なサンドイッチ部材は、その形状が圧縮成形に適合できるように製造される。

例えば、ＤＥ１０ ２０１０ ００５４ ５６ Ａ１によって、多数のウェブ及び少なくとも１つのカバーレイヤーを伴うハニカムコアを備えるサンドイッチ部材が開示されている。ここでは、ハニカムコアはセルロース系の素材、具体的には紙で構成されており、カバーレイヤーは、熱可塑性合成物質の母材を伴う、繊維強化された半完成部品から成形され、ハニカムコアのウェブは、サンドイッチ部材の接合が実現するように、カバーレイヤーとの接点において少なくとも部分的に、カバーレイヤーの熱可塑性合成物質の母材に受容されている。

ＤＥ１０ ２０１２ ００６ ６０９ Ａ１によって、繊維強化された熱可塑性のある２つのカバーレイヤーと、その間に挟まれたハニカムコア層を有するサンドイッチ部材が開示されている。ここでは、カバーレイヤーは、熱可塑性材料によってハニカムコア層に結合されており、サンドイッチ部材の少なくとも片面は、カバーレイヤー上に配置された装飾層を有し、サンドイッチ部材は更に、カバーレイヤーと装飾層との間に配置された少なくとも１つの発泡層を備え、発泡層はカバーレイヤー及び装飾層に結合されている。本解決手段を用いて、使用される支持コアの結果として生じる装飾層の表面傷を防止することを意図した積層状サンドイッチ部材を実現することが求められる。

本発明の目的は、サンドイッチ部材の目に見える表面の面倒なリワークなしにクラスＡサーフェスを持つサンドイッチ部材を生産する方法と、これに対応するサンドイッチ部材生産のための装置を特定することである。本発明の更なる目的は、生産が容易でクラスＡサーフェスを有するサンドイッチ部材を特定することである。

上記の目的を達成するのは、サンドイッチ部材生産方法であって、
以下のステップを含む方法である。
多数のウェブを有するハニカムコアが、少なくとも１つの繊維性素材の層によって両面で覆われ又は包み込まれ、上記の層がカバー層を形成する。
ハニカムコア及び繊維性の層からなるパックが、母材によって含浸されるか、湿らされるか、スプレーされる。
パックは圧縮成形ツールの中に配置され、要求される部材のジオメトリに従って、部材を形成するように圧縮されて硬化される。
続いて、少なくとも部材の目に見える面が、反応射出成形（ＲＩＭ）工程、具体的には真空反応射出成形（Ｖ−ＲＩＭ）工程におけるＲＩＭレイヤーとして、その面に適用される、クラスＡサーフェスを有する。

本発明によれば、「クラスＡサーフェス」とは、ハニカムコアのオモテ側の端部に起因する部材の表面の不均一性、具体的には起伏が、後にその種の不均一性を除去しなくても部材の塗装が可能な程度に取り除かれている、即ち表面が十分に高い曲率の連続性を示し、即ち十分にスムーズで、例えば車体の目に見える表面に使用できるということを意味するものとして理解されるべきである。したがって、任意の表面活性化及びその後の塗装工程は別にして、説明された起伏の除去のための、従来の意味でのリワークは一切不要である。

本発明の目的は、上記の型の方法を実施するために構成された装置によっても達成される。この目的のため、装置はＲＩＭツールを備える。ここではＲＩＭツールは好ましくは加熱可能であり、例えばサンドイッチ部材の異なる区域が異なる強度で加熱可能というように、具体的には区域的に加熱可能である。

目的はまた、多数のウェブを有するハニカムコアを含むサンドイッチ部材によっても達成される。そのハニカムコアは少なくとも１つの繊維性素材の層によって両面で覆われ又は包み込まれ、その層はカバー層を形成している。ここでは繊維性素材の層は母材によって含浸されるか、湿らされるか、スプレーされ、部材は圧縮成形されており、そして、少なくとも部材の目に見える面は、反応射出成形工程において、その面に適用される、塗装可能なクラスＡサーフェスを有する。

本発明による、繊維複合材のサンドイッチ部材を生産する方法の発明は、好ましくは、多数のウェブを有するハニカムコアが、両面、具体的には天面と底面で、繊維性素材、例えば繊維性の半完成部品の少なくとも１つの層によって、カバーレイヤー又はカバー層として、覆われ又は包み込まれることを含む。ここで、繊維性素材は既に母材を含み得る。

続いて、ハニカムコア及びカバー層から成るパック（「複合材パッケージ」）が、好ましくはＣＭＳスプレー塗装工程の中で、母材、好ましくはポリウレタン（ＰＵＲ）によって、含浸され、湿らされ、及び／又はスプレーされる。

母材又は母材の材料として、好ましくは熱可塑性の、又は特に好ましくは熱硬化性のプラスチックが用いられる。

続いて、母材が適用されるパックは、圧縮成形ツール、好ましくは加熱された圧縮成形ツール内に配置され、要求される部材のジオメトリに従って、圧縮され硬化される。

続いて、部材が圧縮成形ツール内に残されている間に「輪郭切り出し」即ち、ツールの周囲を回った、又はツールのジオメトリの周囲を回った、粗い形への型抜きがオプションで行われ得る。

続いて、必要に応じ、圧縮成形ツール内部又は圧縮成型ツール外部で、部材が冷却又は熱的に安定化されること、好ましくは、更なるツールの内部、具体的には加工物冷却装置の内部で冷却又は熱的に安定化されることがオプションで可能である。ここで、「熱的に安定化される」とは、部材が安定した状態を獲得するために、以前の移行温度以下の温度を帯びることを意味すると理解されるべきである。ここで、加工物冷却装置内での冷却によって、具体的にはただ１つの部材を連続生産に関して、最短の生産時間の実現が可能になる。

オプションで、部材の歪みを補正するため、及び／又は素材の架橋結合レベルの増大のための部材の焼き戻し、即ち温度過程は、更なるツール又は更なる装置の内部で実行される。例えば、冷却のために、部材を単に枠の上に置く、また一面を表面に置くだけでも良い。しかし、部材の周囲全部を取り囲み、内部の温度が制御可能な、閉鎖された冷却装置もまた利用され得る。

（更なる）部材の冷却も、オプションで実行される。

好ましくは、この後に、要求される部材の輪郭に従った、外形輪郭のトリミング又は横の領域／端部の型抜き、そしてオプションで、例えば部材の外形輪郭の回転切削、並びにインサート及び他の同様な窪みのための回転切削及び穿孔といった、バリ取り加工工程が後続する。

塗装可能なクラスＡサーフェス（表面被覆又はＲＩＭレイヤー）は、目に見える面及び／又は外縁に、好ましくは更なるツールのＶ−ＲＩＭ（真空ＲＩＭ）プロセスにおいて適用される。この方法でなければ従来良く見られたような、障害になる起伏が、この方法によれば部材の表面に一切残らないということが達成される。

この位置において（更なる）焼き戻しがオプションで実施され得る。

オプションで、このように塗装の準備ができる状態を生み出す表面の調整は、最終仕上げ工程における表面の活性化によって実行し得る。

オプションで、続いてインサートが部材に挿入され得る。

部材は、続いて塗装され得る。

ハニカムコア、又はカバーレイヤーで両面を覆われ又は包み込まれたハニカムコアは、母材の材料で容易にスプレーし又は湿らすことができるようにするため、回転し向きを変えられるようにフレームクランプによって保持される。

ハニカムコアは、例えば後ほどヒンジ取付をする部位において強化するためなど、必要な箇所に関して強化された設計であり得る。それは例えば歩行者保護のために異なる圧縮硬度を実現するため、及び所望の水準の安定度を実現するためである。

母材の構成は不連続であり得、又は部材の必要条件によっては、部分的に異なるものであり得る。具体的には、部材の必要条件に従って、部材の表面に広がる異なる区域によって部材の様々な性質が実現されるように、具体的には、短繊維素材（グラスファイバー、カーボン繊維、織物繊維など）が追加で区域によって適用可能である。

サンドイッチ部材の母材の構成によって、ハニカムコアとカバー層とに接着的結合が生じるという効果もあり得る。

パック、又はカバーレイヤー上に位置する母材がまだ湿っている間に、好ましくは圧縮成形も実施される。

塗装可能なクラスＡサーフェスの適用は、好ましくは、閉鎖された及び／若しくは加熱された及び／若しくは区域的に加熱されたツールの中での、２０バール未満の圧力での並びに／又は、注入する部位とは反対に位置する部位に対する真空の補助を伴う、母材充填材（好ましくはＰＵＲ）の注入によって実施される。区域的に加熱されたツールによって、カバーレイヤーに適用される母材が様々な厚みを持てること、及び部材の表面上に、必ずしも常に同数又は同様のハニカムコアを重ねて層にする必要がないこと、の両方が可能になる。本発明によれば、部材をそれぞれの機能要件、例えば最適な歩行者保護又は頭部衝撃保護に個別に適用させるため、例えば部材の中央部では２〜３のハニカムコアを重ねて層にし、周縁部では１又は２のハニカムコアを重ねて層にするということが可能である。したがって、厚さ又は様々な構成によって、クラスＡサーフェスの適用のための部材の必要熱量は様々であり得、こうして区域的に加熱されたツールが必要であり得る。

好ましくは母材はサンドイッチ部材とＲＩＭツールとの間の空隙に、少なくとも１つの点状の及び／又は少なくとも１つの面状の注入ノズルによって押し込まれる。フローフロント又は母材の流動は、特に好ましくは、反対側の１以上の点又は部位に面的に真空を適用することによって吸引される。こうして、切れ目のない連続した空隙充填材の大領域への伸展が可能になる。

母材の凝固の早発に帰着する、従来の非常に薄い、具体的には０．０１ｍｍ未満のＲＩＭレイヤーの適用と対照的に、本発明による解決方法では、追加で真空を使用することが好ましく、それによって大幅に厚みの増した、約０．２〜２ｍｍのＲＩＭレイヤー、即ち母材レイヤーが生産され、こうして母材が早過ぎる段階で凝固することなく均一のレイヤーが形成されることが確保される。

少なくとも１つの点状の及び／又は少なくとも１つの面状の注入ノズル、即ち湯口（ｓｐｒｕｅ）は、部材の周囲の天面と底面とで流動が均一に通過するために、好ましくは、第１には２つのツールの間又はツールの半分同士の間、及び第２にはサンドイッチ部材の周縁部に位置する。

注入過程の間にツールから空気を取り出すため、及び注入圧力を可能な限り低く保つため、通気及び／又は真空の手段が、望ましくは追加でツール内に提供される。

好ましくは、ＲＩＭレイヤーが目に見えない面、好ましくは部材の下側に広がることを防ぎ、２つの真空部位を互いに分離する封止具が、部材の目に見えない面に配置される。

ＲＩＭレイヤーの端部の形状は、封止具の形状によって決定される。封止具の形状によって、好ましくは、例えばＲＩＭレイヤーのオモテ面とカバーレイヤーとの間の連続的な移行の実現が可能である。

クラスＡサーフェスの素材、即ちＲＩＭレイヤーは、好ましくは部材のトリミングされた周縁、好ましくは部材の横領域及び／若しくは周縁領域、並びに／又はハニカムコアのオモテ面を封止する。２つのカバーレイヤーが、結合している、即ちサンドイッチ部材の横の両端においてＲＩＭレイヤーによって遮断されていることが好ましい。

繊維複合材のサンドイッチ部材は、Ｖ−ＲＩＭ表面の適用の間、真空クランプシステムによって、具体的には受容器の下部によって、保持されることができる。

Ｖ−ＲＩＭ表面の適用の後には、部材の表面は、塗料が付着するために、例えば研磨やプラズマ工程によって又は化学的に、再粗面化又は最終仕上げ過程で活性化されなくてはならないほど、過度にスムーズであり得る。

繊維複合材のサンドイッチ部材は、好ましくは、ＲＩＭ表面適用の間、好ましくは繊維複合材の基準点システムによって位置決めされる。

カバーレイヤー及びＲＩＭレイヤーの母材の材料は、好ましくは熱硬化性プラスチック（好ましくはＰＵＲ）であり、カバーレイヤーとＲＩＭレイヤーとで同じ母材の材料を使用する必要、具体的には同じＰＵＲ素材を使用する必要はない。

本発明は、図面を参照して以下の例示を用いて説明されるであろう。

本発明による、サンドイッチ部材の生産方法のステップを示す。 本発明に従ったサンドイッチ部材の生産方法中のステップを実施する装置、具体的にはＲＩＭツール（右）及びその詳細図（左）を示す。 本発明に従ったサンドイッチ部材を示す。

図１は、本発明に従ったサンドイッチ部材の生産方法中のＳ１からＳ７までのステップ（うち幾つかはオプション）を図示する。

本発明による、繊維複合材のサンドイッチ部材を生産する方法の発明は、好ましくは、多数のウェブを有するハニカムコア１が天面と底面で、繊維性素材２、例えば繊維性の半完成部品の少なくとも１つの層によって、カバーレイヤー又はカバー層として、覆われ又は包み込まれることを含む（ステップ１、Ｓ１）。

コア又はハニカムコアは、好ましくは紙製のコア若しくはボール紙製のコアであるか、又は他のセルロース系素材から成るが、ポリウレタン（ＰＵ）、ポリプロピレン（ＰＰ）などのプラスチック、又は金属、木、発泡剤から成るコアでもあり得る。

ハニカムコアは、蜂の巣状に配置された又は波状に配置されたウェブを有し得る。しかし、ウェブはまた円形、三角形、長方形、正方形、台形又は多角形のセルを形成し得る。ここではこれらの形は（ハニカムコア内部で）規則的に繰り返す形を含むことを必要としない。

続いて、ハニカムコア１及びカバー層２から成るパック（「複合材パッケージ」）が、好ましくはＣＭＳスプレー塗装工程の中で、母材３、好ましくはＰＵＲによって、含浸され、湿らされ、及び／又はスプレーされる（ステップ２、Ｓ２）。

続いて、母材３が適用されたパックは、圧縮成形ツール４、好ましくは加熱された圧縮成形ツール内に配置され、要求される部材のジオメトリに従って、圧縮されて硬化される（ステップ３、Ｓ３）。

部材がツール内に残されている間に「輪郭切り出し」即ち、ツールの周囲を回った、又はツールのジオメトリの周囲を回った、粗い形への型抜きがオプションで行われ得る。

続いて、必要に応じ、圧縮成形ツール４内部又は圧縮成型ツール外部で、部材が冷却されること、具体的には、更なるツール、例えば加工物冷却装置１０の中で冷却又は熱的に安定化されることがオプションで可能である（ステップ４、Ｓ４）。

オプションで、部材の歪みを補正するため、及び／又は素材の架橋結合レベルの増大のための部材の焼き戻し、即ち相対的長時間にわたる温度過程は、更なるツール又は更なる装置の内部で実行される。

（更なる）部材の冷却も、オプションで実行される。

好ましくは、この後に、要求される部材の輪郭に従った、外形輪郭のトリミング又は横の領域／端部の型抜き、そしてオプションで、例えば部材の外形輪郭の回転切削、並びにインサート及び他の同様な窪みのための回転切削及び穿孔といった、バリ取り加工工程が後続する（ステップ５、Ｓ５）。

塗装可能なクラスＡサーフェスの表面が、即ち表面がＲＩＭレイヤー５として、目に見える面及び／又は外縁に対して、好ましくはＶ−ＲＩＭ工程において、即ち、ＲＩＭツール９における、導入された母材３の吸引のための真空の利用を伴って、適用される（ステップ６、Ｓ６）。この方法でなければ従来良く見られたような、障害になる起伏、収縮又は細孔が、この方法によれば部材の表面に一切残らないということが達成される。

（更に）この位置において焼き戻しがオプションで実施され得る。

オプションで、このように塗装の準備ができる状態を生み出す表面の調整は、最終仕上げ工程における表面の活性化によって実行し得る（ステップ７、Ｓ７）。

オプションで、インサートが部材に挿入され得る（ステップ７、Ｓ７）。

真空反応射出成形（Ｖ−ＲＩＭ）工程において、液体のＰＵＲ素材が、加圧されて、そしてサンドイッチ部材の表面とＲＩＭツール９の表面との間に生じる空隙中のフローフロントの反対側への真空の適用と共に、注入される（図２参照）。ここで、ポリウレタンの被覆素材は、温度の働き（加熱ツール）によって反応し、ツールの空隙内で硬化する。これによって、ツールの表面に依存する形で、部材の品質が向上される。最終の外形機械加工工程（湯口（ｓｐｒｕｅ）及び突縁部の除去、表面の研磨）が済むと、部材は塗装に向けた準備が整う。

繊維複合材の目に見える部材（例えばエンジンフード）が、ツールから作られたばかりの、そしてＰＵＲ湿式プレス工程で製造されたクラスＡサーフェスを有するよう生産するために、望ましくは紙製のハニカムコア１は、天面及び底面において、繊維性の素材又は繊維性の半完成部品素材の少なくとも１つの層２によって包み込まれる。これらの素材は、例えば織物、スクリム、編み物、マット、メッシュ、並びにグラスファイバー及び／又はカーボン繊維及び／又は織物材料及び／又はセラミックファイバー及び／又は天然繊維及び／又は合成樹脂繊維から成る不織布からなる。例えばヒンジ部位における様々な圧縮硬度及び安定性を獲得するために、ハニカムコア１は必要となる箇所において強化された設計であり得る。続いて、ＰＵＲ−ＣＳＭスプレー塗装工程において、ポリウレタン母材３の適用が実施される。スプレー塗装によって適用されるこの工程の間、繊維性の半完成部品２は、両面を熱活性化可能なＰＵＲシステムで湿らされる。ＰＵＲシステムは、最適な厚さのレイヤーで適用され、コア１とカバー層２の間の接合を生み出す。ここで、グラスファイバー、カーボン繊維又は織物繊維といった短繊維素材の付加によって、標的を定めた母材の適用もまた、部材の全ての部位に関して可能である。続く工程のステップにおいて、部材は加熱された鋳型４内で必要とされる部材のジオメトリに従って圧縮され、硬化する。続くステップとして外形輪郭のトリミングが実行され、その後、塗装可能なクラスＡサーフェス（ＲＩＭレイヤー５）が、Ｖ−ＲＩＭ工程において部材の目に見える面及び外縁に適用され、最終仕上げ工程（表面活性化）において塗装の用意が整った状態に準備される。Ｖ−ＲＩＭ工程は、目に見える部材の部材サイズのために非常に有利であり、例えば自動車産業におけるエンジンフードの場合、レイヤーの厚さに関連して非常に有利である（サンドイッチ部材及びＲＩＭツール９の間の空隙は０．２〜２．０ｍｍである）。この場合、ＰＵＲ−ＲＩＭ母材３はサンドイッチ部材とＲＩＭツール９との間の空隙に点状の及び／又は面状の注入ノズル６によって押し込まれるだけでなく、フローフロントが１以上の点又は１つの領域で反対側に適用される真空７によって吸引され、これによって工程の点で確実な切れ目のない空隙充填が可能になる。部材のジオメトリという観点で、部材の表面積と部材の厚さとの比率の最適化が模索される。この場合、部材の全重量の最小化が、決定的に影響力のある要因である。従来の空隙充填システムには、表面積とレイヤーの厚さとの比が０．０１未満に下がると、空隙充填システムが完了する前にフローフロントの凝固が起こるという欠点があった。従来型の凝固遅延を伴うＰＵＲシステムでさえ、要求されるオープンタイムを保証しつつ、同時に、ツールから作られたばかりのクラスＡサーフェスの品質に関する要求を満たすことは不可能である。上記システムは、活性剤のせいで気候変動テストの際に気泡が形成されるという傾向がより強い。Ｖ−ＲＩＭ表面の適用の間、サンドイッチ部材そのものは、受容器の下部に、真空クランプシステム及び／又は面状に適用される真空８によって保持され、並びに繊維複合材ＲＰＳシステムによって位置決めされる。ここで、それぞれの様々な機能（例えば母材の吸引又はサンドイッチ部材の受容体上若しくはツール上での保持）を実施するために要求される様々な真空圧力が設定できるように、真空７は真空８から、例えば封止具１４によって分離されている。

耐損傷性という点で相対的に低い圧縮強度を持つサンドイッチ部材の場合、クラスＡサーフェス及びトリミングされた周縁の封止を実現するためには、閉鎖された及び／若しくは加熱／区域的に加熱されたツールの中での、２０バール未満の圧力での並びに／又は、注入する部位とは反対に位置する部位に対する真空の補助を伴う、母材充填材の注入による表面への適用を実施する必要がある（図２）。

上記表面素材、例えばポリウレタン及び／又は他の樹脂表面用の流動性表面素材は、温度制御されたツール内で、４０°Ｃから１７０°Ｃの温度範囲において硬化する。母材の材料の混合比や粘度、及びツールの温度といったパラメータの標的を定めた制御を通じて、５分未満の硬化時間を達成することが可能である。硬化工程をより均質にし、より制御された方法での加熱の導入を可能にするため、ツールは各温度区域に分割される。上記温度区域は、温度制御されていなくてはならない。即ち、相互に独立に、そして部材のジオメトリに従って、加熱及び／又は冷却されなくてはならない。更に、部材の温度安定性、具体的にはインライン及びオンラインの塗装耐性を増大させるため、硬化／冷却の後、及びＶ−ＲＩＭの適用の後、追加で焼き戻しの工程も統合され得る。この焼き戻しの工程は、加熱ツール内、炉内、又はコンベア炉内で、２１０°Ｃまでの温度で実施され得、最長で６０分継続し得る。

耐久性のある、厳しい基準に合致した表面を実現するため、表面レイヤーは０．２ｍｍ以上２．０ｍｍ以下の厚さでなくてはならない。表面の厚さをより良く設定するため、ツールは押し込み型（ｐｏｓｉｔｉｖｅ ｍｏｌｄ）技術を用いて構成され得る。

周縁部においては、表面素材は、トリミングされた（及び回転切削、レーザー切断、穿孔又は同様に組み立て製造された（ｐｒｅｆａｂｒｉｃａｔｅｄ））構造部材と、ツール表面との間の空隙を補填する。この場合、表面層の厚さは著しく大きくなり得、数ミリメートルにさえも達し得る（図２及び図３参照）。

部材はツールの中に、手動で又は自動化された方法で配置され位置決めされる。具体的には、好ましくは部材の形状に応じて又はＲＰＳシステムによって中心に置かれ、部材の反対側の表面で真空吸引及び／又は閉止及び固定用の補助具によって保持される。

ツールは、表面材料を気泡が生じない方法で部材の表面に分散するため、及び選択したレイヤーの厚さで分散するため、１以上の点状のスプルー又は１つの扇状のスプルーを有する。更に、ツール内部には、注入過程の間にツールから空気を取り出すため、及び注入圧力を可能な限り低く保つため、通気及び／又は真空の手段も提供されている。スプルー及び／又は通気手段の位置は、部材の形状並びに、ツール及び選択されたプラントのコンセプト（チルト及びピボットツール）による。

ツールと部材の間の空隙充填が終了する直前に（充填されるツール又は部材の形状によって異なるが）、確実で気泡の入らない表面及び周縁の充填を保証するために、通気及び／又は真空手段は打ち切られる。この時点は、複数のパラメータ、例えばツールや部材及び／又は母材の温度、充填工程の継続時間、（パラメータ化された）充填量、並びに充填圧力に依存する。

硬化工程が終わると、ツールは開けられ、部材が取り外される。部材の大きさと形状によって、損傷のない容易な取り外しを確保するため、排出装置がツールに統合され得る。

次いで、ツールの見切り面に起因する部材上のバリは、手動で又は機械によって、切り取り又は削り取り得る。

部材は、更なる加工のステップ（塗装の準備）に向けた用意が整う。

工程全体が２８０秒のサイクル時間で行われることが好ましく、その中で、クラスＡサーフェスを実現するための表面レイヤー（ＲＩＭレイヤー５）の適用が、部材の中の後々目に見えるようになる部位及び部材の周縁部のみで実施されることが好ましい。周縁部の封止は、部材を密封して触感を改善するのに役立つ。Ｖ−ＲＩＭ工程は、サンドイッチ部材の生産と並行した工程の１ステップとして実施されることが好ましい。

Ｖ−ＲＩＭ工程で加工することができ、要求される表面の水準を保証する好適なＰＵＲ素材は、例えばＲｕｈｌ Ｐｕｒｏｍｅｒ ＧｍｂＨから入手可能である。

本発明によるサンドイッチ部材はまた、機能的統合にも利用され得、具体的にはアンテナ機能、照明機能、燃料貯蔵機能、又はエンジン室における空気供給及びガイド機能を実行し得る。更なる機能的統合は、また、例えば直接及び間接照明といった視覚的効果に関連しても実施され得、それは一方では安全機能として、また他方では、車両の輪郭及び構造を強調するためのデザインを強調する要素としても実施され得る。

図３は、本発明に従って完成され、押し潰されたサンドイッチ部材を示す断面図である。部材はハニカムコア１及び２つのカバーレイヤー２を備え、ハニカムコア１のセルは、特に大きな強度を特に第１のゾーン１２に与えることで押し潰されているか又は圧縮成形されている。そして第２のゾーン１３は、より低い程度まで圧縮され、第１のゾーン１２に向かって輪郭を形成する。更に部材は、ＲＩＭレイヤー５及び、部材のオモテ面１１上にあるＲＩＭレイヤー５という形での周縁部の封止を有する。上記図３では、ＲＩＭレイヤー５の端部の形状が封止１４によって画定することができることも、また明確に見ることができる（図２で示される）。例えば、封止１４の直角断面の場合、ＲＩＭレイヤー５の対応する移行は、サンドイッチ部材の下側の面において生成される。ここでは、ツールの成形もまた明らかに決定的に重要である。封止１４が他の形状である場合、及び／又はツールが他の形状である場合は、ＲＩＭレイヤー５が異なる輪郭やテーパー形状を有したり、及び／又はＲＩＭレイヤー５が異なる形でカバーレイヤー２に対して移行したりすることが可能である。

符号のリスト
１ ハニカムコア
２ 繊維性の層
３ 母材
４ 圧縮成形ツール
５ ＲＩＭ（反応射出成形）レイヤー
６ 点状及び／又は面状ノズル
７ 第１の真空
８ 第２の真空
９ ＲＩＭツール
１０ 加工物冷却装置
１１ オモテ面
１２ 第１のゾーン
１３ 第２のゾーン
１４ 封止

Claims (1)

1. サンドイッチ部材生産方法であって、
   複数のウェブを有するハニカムコア（１）が、少なくとも１つの繊維性素材の層（２）によって両側で覆われ又は包み込まれ、上記の層がカバー層を形成すること、
   ハニカムコア（１）及び繊維性の層（２）からなるパックが、母材（３）によって含浸されるか、湿らされるか、スプレーされること、
   前記パックが圧縮成形ツール（４）の中に配置され、要求される部材のジオメトリに従って、部材を形成するように圧縮されて硬化されること、
   続いて、少なくとも前記部材の目に見える面が、真空反応射出成形（Ｖ−ＲＩＭ）工程において、ＲＩＭレイヤー（５）として前記目に見える面に適用される、クラスＡサーフェスを有すること、
   前記サンドイッチ部材が、異なる数のハニカムコア（１）を重ねて層にした異なるゾーンを有すること、
   含浸し、湿らせ、又はスプレーするための前記母材（３）がＰＵＲ母材であること、
   前記ＲＩＭレイヤー（５）の前記適用が、閉鎖された及び区域的に加熱されたＲＩＭツール（９）によって実施されること、
   を特徴とする方法。

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