JP6487181B2 - 検査支援装置、検査支援方法、検査支援プログラム、および、検査支援システム - Google Patents
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Description
算出部は、取得した構造物の打音における最大音圧値と、最大音圧値と所定時間とに基づいて算出した第一の値と、最大音圧値を取得した時間から所定時間を経過するまでの期間に取得した音圧値それぞれに基づいて算出した第二の値と、を求め、第二の値と第一の値との比率に、最大音圧値を乗算して、評価値を算出する。
図1は、検査支援装置の一実施例を示す図である。
検査支援装置1は、集音部2、調整部3、拡声部4、処理部5、表示部6を備えている。
処理部5は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、マルチコアCPU、プログラマブルなデバイス(FPGA(Field Programmable Gate Array)やPLD(Programmable Logic Device)など)を用いた回路が考えられる。また、処理部5は内部または外部に備えられた記憶部から、検査支援装置1の各部の制御と打音検査を支援するプログラムを読み出して実行する。
図2は、検査支援装置の処理部の一実施例を示す図である。
続いて、算出部202は、最大音圧値P0と所定時間Xとに基づいて第一の値Sを算出する。第一の値Sは、例えば、最大音圧値P0と所定時間Xとを乗算した値(面積)である。なお、最大音圧値P0と、図5から図8に示されている時間t0から時間t2で示される時間を所定時間Xと、を乗算した値(面積)を、第一の値Sとしてもよい。
続いて、算出部202は、第一の値Sと第二の値Siと最大音圧値P0とを用いて、評価値を算出する。例えば、第二の値Siと第一の値Sとの比率(Si/S)に、最大音圧値P0を乗算して、評価値を算出する。
閾値Thは、健全であるか変状であるかを求めるための所定の値で、実験およびシミュレーションなどにより求め、記憶部に記憶しておく。例えば、複数構造物に対して実験およびシミュレーションをして評価値を求め、求めた評価値それぞれに基づいて標準偏差を求める。そして、1σ(ワンシグマ)あるいは2σ(ツーシグマ)などを求めて、閾値Thとする。
提示処理部204は、拡声部4や表示部6に音声や表示をさせるための提示情報(表示情報および音声情報など)を生成する。利用者に変状があることを、表示部6を介して表示により知らせる場合には、表示に関する提示情報(表示信号)を用いて、表示部6に出力する。なお、図1には示されていないが、利用者に変状があることを、拡声部4を介して音声により知らせる場合には、音声に関する提示情報(音声信号)を用いて、拡声部4に出力する。
コンクリートなどの構造物の検査対象箇所の浮き、空洞などの変状の有無を判定する際に用いられる器具には、例えば、ハンマー、回転式連続打音器具などがある。回転式連続打音器具とは、多角の軸球体が構造物の表面を連続的に回転して打撃し、その打撃音(打音)の状態によって変状の有無を判断する器具である。
また、コンクリートの場合において、上記説明した所定時間Xは、健全な音圧波形の減衰時間は例えば5msから15msで、周波数帯域は例えば5kHzから8kHzであるのに対して、変状がある場合の音圧波形の減衰時間は例えば10msから20msで、周波数帯域は例えば1kHzから5kHzである。
図5から図8は、評価値の算出を説明するための図である。
(A)評価値を式1で求める場合について説明する。
H1 :評価値
S :第一の値
Si :第二の値
P0 :最大音圧値
P10:期間を経過する直前の音圧波形の最大値
算出部202は、最大音圧値P0と所定時間Xとを乗算(P0×X)して第一の値S(図5から図8の破線A1内の面積に相当)を算出する。最大音圧値P0は、図4のP01、P02、図5から図8のP0である。所定時間Xは、実験またはシミュレーションにより決める。なお、第一の値Sは、最大音圧値P0と、図5から図8に示されている時間t0から時間t2で示される時間を所定時間Xと、を乗算した値(面積)としてもよい。
(a)図5の例では、音圧波形A2の斜線内の面積を、積算あるいは積分を用いて算出し、第二の値Siとする。
(b)図6の例では、音圧波形A2の斜線内および点掛内の面積を、積算あるいは積分を用いて算出し、第二の値Siとする。ただし、図6のように全波整流処理を行ったのちに面積(斜線内および点掛内の面積)を求めなくてもよく、他の方法で求めてもよい。
(c)図7の例では、音圧波形A2の周期ごとの音圧値の最大値(図7の黒丸)それぞれを結ぶ線A3と、期間(図4のtm、図7のt1からt2の期間)と、により表される領域の面積(図7の点掛内の面積に相当)を、積算あるいは積分を用いて算出し、第二の値Siとする。
(d)図8の例では、音圧波形A2を全波整流処理した波形の周期ごとの音圧値の最大値(図8の黒丸)それぞれを結ぶ線A4と、期間(図4のtm、図8のt1からt2の期間)と、により表される領域の面積(図8の点掛内の面積に相当)を、積算あるいは積分を用いて算出し、第二の値Siとする。
(B)評価値を式2で求める場合について説明する。
H1=Si/(X×P10) 式2
式2を用いて評価値H1を算出する場合、算出部202は、(a)から(d)のいずれか一つにより求めた第二の値Siを、期間を経過する直前の音圧波形の最大値P10(図7の白丸)と所定時間Xとを乗算した面積、あるいは、所定の面積(X×P10s)により除算し、該除算して算出した値を評価値H1とする。
(C)評価値を式3で求める場合について説明する。
H2 :評価値
Si :第二の値
P0 :最大音圧値
式3を用いて評価値H2を算出する場合、算出部202は、(a)から(d)のいずれか一つにより求めた第二の値Siを第一の値Sで除算し、除算した値に最大音圧値P0を乗算し、該乗算して算出した値を評価値H2とする。
(D)評価値を式4で求める場合について説明する。
H2=Si/X 式4
式3を用いて評価値H2を算出する場合、算出部202は、(a)から(d)のいずれか一つにより求めた第二の値Siを所定時間Xで除算して算出した値を評価値H2とする。
図9は、検査支援装置の動作の一実施例を示すフロー図である
ステップS1では、処理部5(フィルタ部201)が音圧信号を取得する。
図10は、変状を知らせる処理を説明するための図である。図10に示す図では、回転式連続打音器具を利用し、一回以上連続して変状と評価された場合を対象とし、利用者に知らせている。本例では、三回連続して変状と評価された場合を対象とし、一打目は健全、二打目から四打目までは変状、五打目は健全、六打目から九打目までは変状である。従って、二打目から四打目、六打目から九打目は変状が三回連続して続いているので、変状表示をする。なお、図10に示す変状表示の期間は50msとしているが限定されるものではなく、回転式連続打音器具などの構造を加味して決定することが望ましい。複数回連続した場合に変状表示をする理由は、初回の接触音、コンクリート表面の段差などにより異常音が発生するためである。
さらに、利用者が携帯可能な体格にすることができる。すなわち、打音の解析および構造物の変状を判定する処理を実行する場合には、上記(1)から(4)の処理や、周波数解析処理などの処理能力の高いハードウェアを必要としないため、装置の体格を小さくできる。また、体格を小さくすることにより装置を利用者が持ち運ぶことができる。
従来の打音検査装置のように、構造物の場所や検査箇所が異なると、キャリブレーション操作を利用者がしていたが、構造物の場所や検査箇所が異なったとしても、音圧信号と閾値を調整できるため、キャリブレーション操作を利用者がしなくてもよい。
記憶部902は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などのメモリやハードディスクなどが考えられる。なお、記憶部902にはパラメータ値、変数値などのデータを記録してもよいし、実行時のワークエリアとして用いてもよい。
通信インタフェース905は、LAN(Local Area Network)接続やインターネット接続を行うためのインタフェースである。また、通信インタフェース905は必要に応じ、他のコンピュータとの間のLAN接続やインターネット接続や無線接続を行うためのインタフェースとして用いてもよい。
図12に示す検査支援装置1001(1)は、集音部1002(図1の2に相当)を介して取得した打音の最大音圧値P0と所定時間Xとに基づいて算出した第一の値Sと、最大音圧値P0を取得した時間から所定時間Xを経過するまでの期間に取得した音圧値それぞれに基づいて算出した第二の値Siと、最大音圧値P0と、を用いて、評価値を算出する。例えば、第二の値Siと第一の値Sとの比率(Si/S)に、最大音圧値P0を乗算して、評価値を算出する。そして、評価値が閾値Th以上の場合、構造物に変状があると判定し、変状があることを、表示、あるいは、音声により利用者に提示する情報を生成し、提示部(表示部1004や拡声部1005)に出力する。
実施の形態によれば、検査支援システムを利用することで、利用者による打音検査の判定精度を向上させる支援ができる。また、利用者が打音を聞き分けるリアルタイムの打音検査を実施することができる。
従来の打音検査装置のように、構造物の場所や検査箇所が異なると、キャリブレーション操作を利用者がしていたが、構造物の場所や検査箇所が異なったとしても、音圧信号と閾値を調整できるため、キャリブレーション操作を利用者がしなくてもよい。
2、1002 集音部、
3 調整部、
4、1005 拡声部、
5、901 処理部、
6、1004 表示部、
201 フィルタ部、
202 算出部、
203 判定部、
204 提示処理部、
902 記憶部、
903 記録媒体読取装置、
904 入出力インタフェース、
905 通信インタフェース、
906 バス、
907 記録媒体、
908 入出力部、
1003 サスペンション、
1006 ヘルメット、
1007 ベルト、
Claims (12)
- 取得した構造物の打音における最大音圧値と、前記最大音圧値と所定時間とに基づいて算出した第一の値と、前記最大音圧値を取得した時間から前記所定時間を経過するまでの期間に取得した音圧値それぞれに基づいて算出した第二の値と、を求め、前記第二の値と前記第一の値との比率に、前記最大音圧値を乗算して、評価値を算出する算出部と、
前記評価値が閾値以上である場合、前記構造物に変状があると判定する判定部と、
を備えることを特徴とする検査支援装置。 - 請求項1に記載の検査支援装置であって、
前記算出部は、
前記最大音圧値と前記所定時間とを乗算して前記第一の値を算出し、
前記音圧値により形成される音圧波形の周期ごとの前記音圧値の最大値それぞれを結ぶ線と、前記期間と、により表される領域の面積を、積算あるいは積分を用いて算出して前記第二の値とし、
前記第二の値を前記第一の値で除算した値に前記最大音圧値を乗算し、該乗算した値を、前記期間を経過する直前の前記音圧波形の最大値、あるいは、所定の音圧値で除算し、該除算して算出した値を前記評価値とする、
ことを特徴とする検査支援装置。 - 請求項1に記載の検査支援装置であって、
前記算出部は、
前記音圧値により形成される音圧波形の周期ごとの前記音圧値の最大値それぞれを結ぶ線と、前記期間と、により表される領域の面積を、積算あるいは積分を用いて算出し、
該算出した面積を、前記期間を経過する直前の前記音圧波形の最大値と前記所定時間とを乗算した面積、あるいは、所定の面積により除算し、該除算して算出した値を前記評価値とする、
ことを特徴とする検査支援装置。 - 請求項1に記載の検査支援装置であって、
前記算出部は、
前記最大音圧値と前記所定時間とを乗算して前記第一の値を算出し、
前記音圧値により形成される音圧波形の周期ごとの前記音圧値の最大値それぞれを結ぶ線と、前記期間と、により表される領域の面積を、積算あるいは積分を用いて算出して前記第二の値とし、
前記第二の値を前記第一の値で除算し、前記除算した値に前記最大音圧値を乗算し、該乗算して算出した値を前記評価値とする、
ことを特徴とする検査支援装置。 - 請求項1に記載の検査支援装置であって、
前記算出部は、
前記音圧値により形成される音圧波形の周期ごとの前記音圧値の最大値それぞれを結ぶ線と、前記期間と、により表される領域の面積を、積算あるいは積分を用いて算出し、該算出した面積を前記所定時間で除算して算出した値を評価値とする、
ことを特徴とする検査支援装置。 - 請求項1から5のいずれか一つに記載の検査支援装置であって、
前記閾値は、音圧信号のレベルを調整した場合、該調整に応じて閾値Thを変更する、
ことを特徴とする検査支援装置。 - 請求項2から5のいずれか一つに記載の検査支援装置であって、
前記算出部は、
前記音圧波形は、半波整流処理、あるいは、全波整流処理をしてから用いる、
ことを特徴とする検査支援装置。 - 請求項1から7のいずれか一つに記載の検査支援装置であって、
前記構造物に変状がある場合、前記変状があることを、表示、あるいは、音声により利用者に提示する情報を生成し、提示部に出力する提示処理部を有する、
ことを特徴とする検査支援装置。 - 構造物の打音検査を支援する検査支援方法であって、
検査支援装置は、
取得した構造物の打音における最大音圧値と、前記最大音圧値と所定時間とに基づいて算出する第一の値と、前記最大音圧値を取得した時間から前記所定時間を経過するまでの期間に、取得した音圧値それぞれに基づいて算出する第二の値と、を求め、
前記第二の値と前記第一の値との比率に、前記最大音圧値を乗算して評価値を算出し、
前記評価値が閾値以上である場合、前記構造物に変状があると判定する、
ことを特徴とする検査支援方法。 - 取得した構造物の打音における最大音圧値と、前記最大音圧値と所定時間とに基づいて算出する第一の値と、前記最大音圧値を取得した時間から前記所定時間を経過するまでの期間に、取得した音圧値それぞれに基づいて算出する第二の値と、を求め、
前記第二の値と前記第一の値との比率に、前記最大音圧値を乗算して評価値を算出し、
前記評価値が閾値以上である場合、前記構造物に変状があると判定する、
ことを特徴とする検査支援プログラム。 - 利用者が装着可能な検査支援システムであって、
構造物の打音を集音する集音部と、
前記集音部を介して取得した打音の最大音圧値と、前記最大音圧値と所定時間とに基づいて算出した第一の値と、前記最大音圧値を取得した時間から前記所定時間を経過するまでの期間に取得した音圧値それぞれに基づいて算出した第二の値と、を求め、前記第二の値と前記第一の値との比率に、前記最大音圧値を乗算して評価値を算出し、前記評価値が閾値以上である場合、前記構造物に変状があると判定し、前記変状があることを、表示、あるいは、音声により前記利用者に提示する情報を生成し、提示部に出力する検査支援装置と、
前記集音部を介して取得した打音に対して音声強調処理をして調整した打音を出力する拡声部と、
を備えることを特徴とする検査支援システム。 - 請求項11に記載の検査支援システムであって、
前記集音部と、前記拡声部と、表示あるいは音声により前記利用者に知らせる提示部と、を前記利用者が装着するヘルメットに備える、
ことを特徴とする検査支援システム。
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