JP6483991B2 - 研磨材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、中空球体を含有する研磨材料からなる研磨パッド、研磨パッド用シート及び研磨材料の製造方法に関する。
光学材料、半導体ウエハ、半導体デバイス、ハードディス用基板、液晶ガラス基板等の研磨工程において研磨パッドが利用される。研磨パッドは、研磨材料からなる研磨層、不織布等からなるベース層及び両面テープ等からなる接着層をこの順で積層したものであり、接着層によって研磨装置に装着される。
研磨材料は、研磨対象物の種類や研磨工程の順序に応じて硬質ポリウレタンや軟質ポリウレタン等の合成樹脂や樹脂含浸不織布等が選択される。グローバル平坦性が要求される研磨工程用の研磨材料においては、近年、微小な中空球体が混合された硬質ポリウレタンが多く利用されている。
例えば、特許文献1には、空隙スペースを有する高分子微小エレメントを高分子マトリックスに含浸させた研磨パッドが記載されている。この研磨パッドは、研磨工程において高分子マトリックスが磨耗すると、新たな高分子微小エレメントが研磨面に現れ、研磨面の硬度が維持されるとされている。
特表平08−500622号公報
中空球体を含有する研磨材料においては、中空球体を選択することにより、研磨特性を良好なものとすることができる。ここで、中空球体は熱可塑性樹脂からなる外殻に気体が封入された構造を有するものが一般的である。
このため、研磨材料の製造工程において中空球体が加熱されると、外殻を構成する熱可塑性樹脂が軟化し、中空球体の膨張、破裂あるいは内部の気体の透過拡散が生じるおそれがある。この場合、中空球体による効果が失われ、所望の研磨特性を得ることができない。例えば、中空球体を含有するポリマーの重合反応によって生じた熱がポリマー内部に蓄積されると、それによって中空球体が加熱され、中空球体の外殻を構成する熱可塑性樹脂が軟化するおそれがある。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、研磨特性に優れた研磨パッド、研磨パッド用シート及び研磨材料の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る研磨パッドは、複数の中空球体と、ポリマーと、を含む研磨層を具備する。
上記複数の中空球体は、熱可塑性樹脂からなる外殻を有する。
上記ポリマーは、上記複数の中空球体を含有し、プレポリマーと硬化剤の重合反応によって生成され、上記重合反応による内部蓄熱の最高温度が上記熱可塑性樹脂の軟化温度に50℃を加えた温度以下である。
この構成によれば、重合反応による内部蓄熱が中空球体の外殻を構成する熱可塑性樹脂の軟化温度に50℃を加えた温度以下であるため、熱可塑性樹脂の軟化が防止され、加熱によって中空球体内部の気体の圧力上昇が生じても、中空球体の形状が維持される。これにより、良好な研磨特性を有する研磨パッドを得ることが可能となる。
上記重合反応による内部蓄熱の最高温度は、上記熱可塑性樹脂の軟化温度以下であってもよい。
この構成によれば、内部蓄熱による熱可塑性樹脂の軟化を防止し、中空球体の形状を維持することが可能である。
上記ポリマーは、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとジオール系硬化剤との重合反応によって生成されたウレタン樹脂で構成されていてもよい。
イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとジオール系硬化剤の重合反応によって、ウレタン樹脂が生成する。ここで、この重合反応の反応速度は比較的遅く、反応が完了するまでの時間が長いため、中空球体の外殻を構成する熱可塑性樹脂が重合反応の反応熱に曝される時間が長く、熱可塑性樹脂の軟化が生じやすい。上記構成によれば、重合反応による内部蓄熱の最高温度が抑制されているため、ジオール系硬化剤を用いる場合であっても、中空球体の形状を維持することが可能である。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る研磨パッド用シートは、複数の中空球体と、ポリマーと、を含む研磨層を具備する。
上記複数の中空球体は、熱可塑性樹脂からなる外殻を有する。
上記ポリマーは、上記複数の中空球体を含有し、プレポリマーと硬化剤の重合反応によって生成され、上記重合反応による内部蓄熱の最高温度が上記熱可塑性樹脂の軟化温度に50℃を加えた温度以下である。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る研磨材料の製造方法は、熱可塑性樹脂からなる外殻を有する複数の中空球体を含有するプレポリマーをミキサーへ供給する。
上記プレポリマーと重合反応してポリマーを生成するための硬化剤をミキサーへ供給する。
上記ミキサーによって上記プレポリマーと上記硬化剤とを混合する。
上記プレポリマーと上記硬化剤との混合物を所定形状に注型し、上記重合反応による内部蓄熱の最高温度が上記熱可塑性樹脂の軟化温度に50℃を加えた温度以下となるように維持する。
上記プレポリマーと上記硬化剤との混合物を注型する工程では、上記重合反応による内部蓄熱の最高温度が上記熱可塑性樹脂の軟化温度以下となるように維持してもよい。
以上のように、本技術によれば、研磨特性に優れた研磨パッド、研磨パッド用シート及び研磨材料の製造方法を提供することが可能である。
本発明の実施形態に係る研磨パッドの斜視図である。 同研磨パッドの模式的断面図である。 同研磨パッドの研磨層を構成する研磨材料に含有される中空球体の模式的断面図である。 同研磨パッドの研磨層を構成する研磨材料の製造設備を示す模式図である。 同研磨パッドの研磨層を構成する研磨材料に含有される中空球体に作用する圧力を示す模式図である。 同研磨パッドの研磨層を構成する研磨材料に含有される中空球体に作用する圧力の時間変化を示すグラフである。 同研磨パッドの研磨層を構成する研磨材料に含有される中空球体に作用する圧力の時間変化を示すグラフである。 本発明の実施例及び比較例に係る研磨材料の材料及び製造条件を示す表である。 本発明の実施例及び比較例に係る研磨材料の内部温度の時間変化を示すグラフである。 本発明の実施例1に係る研磨材料の断面のSEM(走査型電子顕微鏡)像である。 本発明の実施例2に係る研磨材料の断面のSEM像である。 本発明の比較例1に係る研磨材料の断面のSEM像である。 本発明の比較例2に係る研磨材料の断面のSEM像である。
本発明の実施形態に係る研磨パッドについて説明する。
[研磨パッドの構成]
図1は、本実施形態に係る研磨パッド100を示す斜視図である。同図に示すように、研磨パッド100は、研磨層101、ベース層102及び接着層103がこの順で積層されて構成されている。
研磨層101は、研磨対象物に当接し、研磨を行う層である。研磨層101は後述する研磨材料からなる。以下、研磨層101の主面を研磨面101aとする。研磨面101aには、格子状の溝101bが形成されている。この溝101bは研磨において生じるスラリーの流れをよくするためのものであり、格子状に限られない。また、研磨面101aには溝101bに代えて多数の穴が設けられていてもよい。さらに、研磨面101aは平坦面であってもよい。研磨層101の厚さは特に限定されず、例えば0.5mm以上3.0mm以下程度とすることができる。
ベース層102は、研磨層101の研磨対象物への当接を均一化させる層である。ベース層102は、不織布や合成樹脂等の可撓性を有する材料からなるものとすることができる。ベース層102の厚さは特に限定されないが、例えば0.1mm以上5mm以下程度とすることができる。
接着層103は、研磨パッド100を研磨装置に装着するための層である。接着層103は、ベース層102に貼付された両面テープあるいはベース層102に塗布された接着材等からなるものとすることができる。接着層103の厚さは特に限定されない。
研磨パッド100は以上のような構成を有する。研磨パッド100の大きさ(径)は研磨機のサイズ等に応じて決定することができ、例えば直径数10cm〜1m程度とすることができる。
[研磨材料について]
研磨層101を構成する研磨材料について説明する。図2は、研磨パッド100の模式的断面図である。同図に示すように、研磨層101は、ポリマー110に中空球体111が含有された研磨材料から構成されている。なお、図2においては溝101bの記載は省略する。
ポリマー110は、研磨材料の主たる構成材料である。ポリマー110は、プレポリマーと硬化剤の重合反応によって生成するポリマーであるものとすることができる。このようなポリマーとしては、ポリウレタンが挙げられる。ポリウレタンは、入手性及び加工性がよく、好適な研磨特性を有するため、ポリマー110の材料として好適である。
プレポリマーは、イソシアネート基末端を有する化合物(以下、イソシアネート化合物)とすることができ、例えばジフェニルメタンジイソシアートとすることができる。
この他にもイソシアネート化合物としては、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート(2,6−TDI)、2,4−トリレンジイソシアネート(2,4−TDI)、ナフタレン−1,4−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、3,3'−ジメトキシ−4,4'−ビフェニルジイソシアネート、3,3'−ジメチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、キシリレン−1,4−ジイソシアネート、4,4'−ジフェニルプロパンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソフォロンジイソシアネート、プロピレン−1,2−ジイソシアネート、ブチレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,2−ジイソシアネート、シクロヘキシレン−1,4−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4'−ジイソシアネート(水添MDI)、p−フェニレンジイソチオシアネート、キシリレン−1,4−ジイソチオシアネート及びエチリジンジイソチオシアネートが挙げられる。これらの1種又は2種以上をプレポリマーとすることができる。
硬化剤は、ポリオール系硬化剤とすることができる。ポリオール系硬化剤は2つ以上のヒドロキシル基を有する物質であり、例えば、エチレングリコール又はポリエーテルポリオールとすることができる。
この他にも、ポリオール系硬化剤として、ブチレングリコール及びヘキサンジオール等の低分子量のポリオール化合物、並びに、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ビスフェノールAとプロピレンオキサイドとの反応物等のポリエーテルポリオール化合物、エチレングリコールとアジピン酸との反応物、ブチレングリコールとアジピン酸との反応物等のポリエステルポリオール化合物、ポリカーボネートポリオール化合物及びポリカプロラクトンポリオール化合物等の高分子量のポリオール化合物が挙げられる。これらの1種又は2種以上を硬化剤とすることができる。
また、上記イソシアネート化合物に、上記ポリオール系硬化剤を反応させた化合物をプレポリマーとしてもよい。この場合、ポリオール系硬化剤は、イソシアネート基の全部ではなく一部がアルコールと反応する割合でイソシアネート化合物と混合される。
なお、ポリマー110はポリウレタンに限られず、ポリノルボルネン、トランス−ポリイソプレン、スチレン−ブタジエン等であってもよい。また、ポリマー110はポリウレタン及びこれらの樹脂のうち1種又は複数種を含むものであってもよい。
中空球体111は、中空の球体状の物体であり、ポリマー110に含有されている。図3は、中空球体111の模式的断面図である。同図に示すように、中空球体111は、熱可塑性樹脂からなる球殻状の外殻111aと、外殻111aに囲まれた内部空間111bを有する。中空球体111は、液状の低沸点炭化水素を熱可塑性樹脂の殻で包み、加熱することによって形成されたものとすることができる。
加熱によって熱可塑性樹脂が軟化すると共に低沸点炭化水素が気体に変化し、気体の圧力によって熱可塑性樹脂が膨張することにより中空球体111が形成される。低沸点炭化水素は例えばイソブタンやペンタン等が用いられ、熱可塑性樹脂は例えば塩化ビニリデンやアクリロニトリルが用いられる。
中空球体111は、市販されているものを利用することも可能である。例えばマツモトマイクロスフェアーシリーズ(松本油脂製薬株式会社製)やエクスパンセルシリーズ(AkzoNobel社製)を中空球体111として利用することができる。
中空球体111の大きさは特に限定されないが、直径数20μm〜200μm程度とすることができ、また径の異なる中空球体を2種類以上用いることもできる。研磨材料における中空球体111の含有割合は、研磨材料に対して、10〜60体積%が好適であり、15〜45体積%であるとより好適である。中空球体111は、研磨層101が研磨によって磨耗すると研磨面101aに露出し、研磨面101aの研磨特性に影響する。したがって、中空球体111は、均一な径を有するものが好適である。
[研磨層の製造方法について]
研磨材料からなる研磨パッド用シートを研磨層101として利用することができる。以下、研磨パッド用シートの製造方法について説明する。図4は、研磨材料の製造設備300を示す模式図である。同図に示すように、製造設備300は、A系貯槽301、B系貯槽302、ミキサー303及び型304から構成されている。A系貯槽301には、攪拌機構305が設けられている。また、各部には、温調設備が設けられている。
まず、A系貯槽301にプレポリマー及び中空球体を投入する。A系貯槽301は、加熱機構によって40℃〜80℃程度に加熱され、プレポリマーの流動性を維持し、脱泡する。攪拌機構305によってプレポリマー及び中空球体の混合物(以下、プレポリマー混合物)を攪拌し、プレポリマー中における中空球体の分布を均一化する。
また、B系貯槽302に硬化剤を投入する。B系貯槽302は、加熱機構によって40℃〜110℃程度に加熱され、硬化剤の流動性を維持し、脱泡する。
続いて、A系貯槽301からプレポリマー混合物をミキサー303に供給し、B系貯槽302から硬化剤をミキサー303に供給する。プレポリマー混合物及び硬化剤の供給は、配管に設けられたポンプによってすることができる。
続いて、ミキサー303によって、プレポリマー混合物及び硬化剤を混合する。ミキサー303には、図示しないミキシングロータが設けられており、その回転によってプレポリマー混合物及び硬化剤を混合するものとすることができる。これにより、プレポリマーと硬化剤が重合反応を生じ、ポリマーが生成する。この際、重合反応による反応熱が生じる。生成したポリマーと中空球体の混合物(以下、ポリマー混合物)は、ミキサー303から型304に注型される。
続いて、型304を加熱機構によって40℃〜70℃程度に加熱し、重合反応を促進する(一次キュア)。なお、この加熱は必ずしも実施しなくてもよく、重合反応による反応熱によって重合反応が進行するまでポリマー混合物を静置してもよい。
続いて、ポリマー混合物を型304から離型し、図示しない保温器中に収容する。保温器によってポリマー混合物を70℃程度に加熱し、重合反応を完了させる(二次キュア)。
続いて、ポリマー混合物を所定の大きさにスライスする。これにより、研磨材料からなる研磨パッド用シートが製造される。研磨パッド用シートを研磨層101としてベース層102及び接着層103を積層し、研磨パッド100が製造される。なお、必要に応じて研磨層101に溝101b等の加工を施してもよい。
[中空球体の形状維持について]
上記のように、中空球体及びプレポリマーを含有するプレポリマー混合物と硬化剤が混合されると、プレポリマーと硬化剤が重合反応を生じる。この際の反応熱によって中空球体に変形が生じるおそれがある。
図5は、中空球体111に作用する圧力を示す模式図である。なお、同図において中空球体111の周囲にはポリマーが存在しているものとする。同図に示すように、中空球体111には、内圧Pinと外圧Poutが作用する。図6は、内圧Pinと外圧Poutの時間変化を表すグラフであり、原点は重合反応の開始時刻及びその際の圧力である。
内圧Pinは、内部空間111bに含まれる気体の膨張により生じる圧力である。中空球体111の周囲での重合反応による熱によって中空球体111が加熱されると、内部空間111bに含まれる気体が膨張し、内圧Pinが生じる。内圧Pinは気体の状態方程式(PinV=nRTによって近似することができる。なお、Vは内部空間の体積、nは気体のモル数、Rは気体定数、Tは気体の絶対温度である。内圧Pinは、図6に示すようにポリマーの重合反応に伴う内部蓄熱によって次第に上昇し、重合反応が進行すると内部蓄熱の減少によって次第に減少する。
外圧Poutは、中空球体111が膨張しようとする際に、周囲のポリマーから受ける圧力である。中空球体111が受ける粘性抵抗Fはストークスの式(F=6πηrv、ηはポリマー粘度、rは中空球体の半径、vは中空球体の体積)により、ポリマー粘度に比例する。したがって、外圧Poutは、ポリマー粘度に比例して大きくなる。外圧Poutは、図6に示すように、重合反応によるポリマーの高粘度化(硬化)に伴って次第に上昇し、硬化時間(図中T1)以降は一定となる。
内圧Pinが外圧Poutより大きいと、内部空間111bは膨張しようとし、内圧Pinが外圧Poutより小さいと、内部空間111bは縮小しようとする。しかしながら、内部空間111bは外殻111aによって囲まれているため、外殻111aが堅固であれば、中空球体111の形状が維持される。
ここで、外殻111aは熱可塑性樹脂からなるため、その温度が熱可塑性樹脂の軟化温度を超えると軟化する。このため、外殻111aの温度が軟化温度より高い状態で内圧Pinが外圧Poutより大きいと中空球体111が膨張する。図6において、外殻111aを構成する熱可塑性樹脂の軟化温度における内圧を圧力P1として示す。即ち、熱可塑性樹脂の温度が軟化温度より高く、かつ、内圧Pinが外圧Poutより大きい領域(図中斜線領域)においては、内部空間111bの膨張を外殻111aが抑制できず、中空球体111が膨張する。
この場合、中空球体111が破裂し、あるいは外殻111aが薄くなることによって内部空間111b内の気体が外殻111aを透過するおそれもある。また、外殻111aの温度が軟化温度より高い状態で内圧Pinが外圧Poutより小さいと中空球体111が収縮する。
中空球体111が破裂し、あるいは内部空間111bの気体が外殻111aを透過した場合には、研磨層101の研磨特性により大きな影響が生じる。
本実施形態においては、中空球体111の形状を維持し、中空球体111の変形による研磨特性への影響を防止する。具体的には、ポリマー混合物の内部蓄熱の最高温度を、外殻111aを構成する熱可塑性樹脂の軟化温度に50℃を加えた温度以下とする。また、より好ましくは、ポリマー混合物の内部蓄熱の最高温度を、外殻111aを構成する熱可塑性樹脂の軟化温以下とする。なお、熱可塑性樹脂の軟化温度とは、ガラス転移温度(Tg)意味する。
ポリマー混合物の内部蓄熱の最高温度を低減させることにより、中空球体111の温度が低下し、内圧Pinが低下する。図7は、ポリマー混合物の内部蓄熱の最高温度を低減させた場合の内圧Pinと外圧Poutの時間変化を表すグラフである。同図に示すように、内圧Pinは常に外圧Poutより小さくなる。また、内圧Pinは、外殻111aを構成する熱可塑性樹脂の軟化温度における内圧である圧力P1より小さく、即ち、熱可塑性樹脂は軟化温度に到達しないため、中空球体111の変形が防止される。
なお、ポリマー混合物の内部蓄熱の最高温度は、A系貯槽301の温度、B系貯槽302の温度、型304の温度、ポリマー材料(プレポリマー及び硬化剤)の体積、ポリマー材料の種類等によって制御することが可能である。
以上のように本実施形態に係る研磨パッド100においては、中空球体111の変形が防止され、優れた研磨特性を有するものとすることが可能である。
本発明の実施例及び比較例に係る研磨材料を製造し、評価した。図8は、実施例及び比較例に係る研磨材料の材料及び製造条件を示す表である。
表中において、「プレポリマーA」は、ジフェニルメタンジイソシアート(Diphenylmethane diisocyanate:MDI)を主成分とするプレポリマーであり、NCO当量は236である。「プレポリマーB」は、プレポリマーAに硬化剤Cを反応させたプレポリマーであり、NCO当量は310である。また、「硬化剤C」は、ポリエーテルポリオール及びエチレングリコールからなる硬化剤であり、「硬化剤D」は、エチレングリコールからなる硬化剤である。
「A系温度」は、A系貯槽301内のプレポリマー混合物の温度であり、「硬化剤温度」はB系貯槽302内の硬化剤の温度である。「型(一次キュア)」は型304の温度及び一次キュアの処理時間であり、「二次キュア」は保温器の温度及び二次キュアの処理温時間である。
上記製造方法において説明したように、A系貯槽301内のプレポリマー混合物とB系貯槽302内の硬化剤をミキサー303に供給して混合し、型304に注型した後、ポリマー混合物の内部温度を測定した。ポリマー混合物の内部温度の測定には、型304の底部に設置された測温センサを用いた。当該測温センサの測温点を内部に突出させることで、注型されたポリマー混合物の内部温度を直接測定した。
なお、プレポリマー混合物に含有される中空球体は、マツモトマイクロスフェアーシリーズ(松本油脂製薬株式会社製、軟化温度100℃)とした。図9は、ポリマー混合物の内部温度(内部蓄熱)の変化を示すグラフである。
同図に示すように、実施例1及び実施例2における内部蓄熱の最高温度は、中空球体の軟化温度に50℃を加えた温度(150℃)以下である。さらに、実施例1における内部蓄熱の最高温度は、中空球体の軟化温度以下である。一方、比較例1及び比較例2における内部蓄熱の最高温度は、中空球体の軟化温度に50℃を加えた温度(150℃)より高い温度である。
図10乃至図13は、実施例及び比較例に係る研磨材料からなる研磨層の断面のSEM(走査型電子顕微鏡)像であり、図10は実施例1、図11は実施例2、図12は比較例1、図13は比較例3のSEM像である。各図の拡大倍率は200倍である。
図10(実施例1)及び図11(実施例2)では、中空球体が球形状を維持していることがわかる。一方で、図12(比較例1)及び図13(比較例2)では、膨張して破裂した中空球体や、内部空間の気体が透過したことによるポリマーの空隙が確認された。
このように、ポリマー混合物の内部蓄熱の最高温度を中空球体の軟化温度に50℃を加えた温度以下とすることにより、中空球体の外殻を構成する熱可塑性樹脂の内部蓄熱による軟化が防止され、かつ、内部蓄熱による中空球体の内圧の上昇が防止される。このため、中空球体の形状を維持し、研磨パッドの研磨特性を向上させることが可能である。
100…研磨パッド
101…研磨層
102…ベース層
103…接着層
110…ポリマー
111…中空球体

Claims (5)

  1. 熱可塑性樹脂からなる外殻を有し、加熱膨張によって外殻内に中空が形成された複数の中空球体を含有するプレポリマーをミキサーへ供給し、
    前記プレポリマーと重合反応してポリマーを生成するための硬化剤をミキサーへ供給し、
    前記ミキサーによって前記プレポリマーと前記硬化剤とを混合し、
    前記プレポリマーと前記硬化剤との混合物を所定形状に注型し、前記重合反応による内部蓄熱の最高温度が前記熱可塑性樹脂の軟化温度に50℃を加えた温度以下となるように維持する
    研磨材料の製造方法。
  2. 請求項に記載の研磨材料の製造方法であって、
    前記プレポリマーと前記硬化剤との混合物を注型する工程では、前記重合反応による内部蓄熱の最高温度が前記熱可塑性樹脂の軟化温度以下となるように維持する
    研磨材料の製造方法。
  3. 請求項1又は2に記載の研磨材料の製造方法であって、
    前記プレポリマーと前記硬化剤との混合物を注型する工程では、型を40℃以上70℃以下に加熱して注型を行う
    研磨材料の製造方法。
  4. 請求項1から3のうちいずれか一項に記載の研磨材料の製造方法であって、
    前記複数の中空球体を含有するプレポリマーをミキサーへ供給する工程の前に、前記複数の中空球体を含有するプレポリマーを40℃以上80℃以下に加熱した第1の貯槽に投入する工程をさらに含み、
    前記複数の中空球体を含有するプレポリマーをミキサーへ供給する工程では、前記第1の貯槽から前記ミキサーへ、前記複数の中空球体を含有するプレポリマーを供給する
    研磨材料の製造方法。
  5. 請求項1から4のうちいずれか一項に記載の研磨材料の製造方法であって、
    前記硬化剤はジオール系硬化剤であり、
    前記硬化剤をミキサーへ供給する工程の前に、前記硬化剤を40℃以上110℃以下に加熱した第2の貯槽に投入する工程をさらに含み、
    前記硬化剤をミキサーへ供給する工程では、前記第2の貯槽から前記ミキサーへ前記硬化剤を供給する
    研磨材料の製造方法。
JP2014203928A 2014-10-02 2014-10-02 研磨材料の製造方法 Active JP6483991B2 (ja)

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