JP6483021B2 - 溶解クラフトパルプの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、前加水分解工程(水熱処理工程)を備える溶解クラフトパルプの製造技術に関する。特に本発明によれば、溶解クラフトパルプの製造において、前加水分解排液を分析することによって溶解クラフトパルプの製造プロセスを適切に制御することができる。
また、本発明は、前加水分解排液の吸光度やブリックス値を分析することによって、前加水分解工程の重要な因子であるPファクターを推定し、溶解クラフトパルプの品質を管理する技術に関する。
レーヨンの製造などに用いられる溶解パルプは、一般に88〜98%という高いα−セルロース含有率を有する。α−セルロースは、パルプを17.5%の水酸化ナトリウムで処理したときに溶解しない部分であり、セルロースが主成分である(TAPPIスタンダードT203om-83)。溶解パルプを製造するには、α−セルロースの含有率を高くする必要があり、そのためには、原料である木材に含まれるかなりの量のヘミセルロースを除去しなければならず、それによりかなりの製造コストがかかる。ヘミセルロースの除去技術としては、例えば、クラフト蒸解前の前加水分解処理(予備加水分解処理)や漂白プロセスにおける冷苛性アルカリ抽出処理などが知られている。また、ペントサンなどのヘミセルロースが溶解パルプに残存していると、レーヨンなどの製造における濾過、紡糸などが困難になったり、レーヨンなどの繊維特性において問題が生じる場合がある。
特許文献1には、リグノセルロース材料を前加水分解して、続いて140〜160℃でアルカリ中和処理を行い、中和された前加水分解されたリグノセルロース材料をクラフト蒸解して、溶解クラフトパルプをバッチ様式で製造する方法が開示されている。
特表平09−507697号公報(特許第2984798号公報)
クラフト蒸解による溶解パルプ(溶解クラフトパルプ)の製造において、クラフト蒸解前に前加水分解処理(水熱処理)を木材チップに施し、木材チップに含まれるヘミセルロースなどを除去する技術が知られている。前加水分解処理(水熱処理)は、後工程であるクラフト蒸解に影響するため、前加水分解処理を適切に管理し制御することが、溶解クラフトパルプの製造において重要である。
前加水分解工程(水熱処理工程)に影響を与える因子として、処理温度と処理時間(滞留時間)が知られており、反応系に与えられた熱の総量を表す指標としてPファクター(Pf)が知られている。
しかしながら、連続操業において水熱処理工程における滞留時間を正確に測定するのは困難であり、それ故に、実操業における正確なPファクターを算出することは、実際には難しい場合がある。また、滞留時間の把握が困難なために滞留時間を適切に調整できなければ、得られる溶解パルプの品質が悪化することになり、溶解パルプの製造上、大きなロスを生じる。
また、前加水分解処理後の木材チップを実際に分析して、糖分析などによって前加水分解の効果を判定することも可能である。しかし、糖分析等の分析は、煩雑で時間を要するため、実際の溶解クラフトパルプの製造現場において製造プロセスを制御するために糖分析を実施することは難しい。
このように、従来、溶解クラフトパルプの製造における前加水分解処理について、前加水分解の状態を短時間で簡便に評価する方法は存在していなかった。このような状況に鑑み、本発明の課題は、溶解クラフトパルプの製造における前加水分解処理を適切に管理し、溶解クラフトパルプの製造プロセスを適切に制御する技術を開発することである。
上記課題について鋭意検討した結果、本発明者らは、前加水分解排液の波長280nm付近における吸光度によって前加水分解の状態を適切に把握できることを見いだし、本発明を完成させるに至った。すなわち、前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度が、前加水分解処理のPファクターと高い相関があり、また、得られるパルプのカッパー価やヘミセルロース量とも関係があることを見出した。そして、前加水分解工程を備える溶解クラフトパルプの製造において、前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度を指標にして溶解クラフトパルプの製造プロセスを簡便かつ適切に制御することが可能になる。
これに限定されるものではないが、本発明は、下記の態様を包含する。
(1) (a)木材チップを水熱処理して木材チップに含まれるヘミセルロースを加水分解する工程、(b)前加水分解処理後の木材チップと前加水分解排液とを分離し、回収する工程、(c)回収した前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度を測定する工程、(d)回収した木材チップをクラフト蒸解して溶解クラフトパルプを得る工程、を含む、溶解クラフトパルプを製造する方法。
(2) 回収した前加水分解排液のブリックス値を測定する工程をさらに含む、(1)に記載の方法。
(3) 前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度から、工程(a)における下記式1:
Pf=∫ln−1(40.48−15106/T)dt (式1)
[式中、Tは前加水分解排液の絶対温度を表す]
で示されるPファクター(Pf)を推定する工程をさらに含む、(1)または(2)に記載の方法。
(4) 前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度から、工程(c)で得られる溶解クラフトパルプのカッパー価および/またはヘミセルロース含量を推定する工程をさらに含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5) 前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度を指標として、工程(a)における前加水分解排液の温度および/または滞留時間を制御する、(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6) 前加水分解排液のブリックス値を指標として、工程(a)における前加水分解排液の温度および/または滞留時間を制御する、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7) (前記吸光度)/(前記ブリックス値)の比を指標として、工程(a)における前加水分解排液の温度および/または滞留時間を制御する、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8) 木材チップを水熱処理するための前加水分解釜と、前加水分解釜より排出される前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度を測定するための吸光度測定機と、を備えた、溶解パルプを製造するための装置。
(9) 前加水分解釜で水熱処理された木材チップをクラフト蒸解するための蒸解釜をさらに備えた、(8)に記載の装置。
(10) 前加水分解釜より排出される前加水分解排液のブリックス値を測定するための測定機をさらに備えた、(8)または(9)に記載の装置。
(11) 測定した前記吸光度と前記ブリックス値から(吸光度)/(ブリックス値)の比を算出するための計算機をさらに備えた、(8)〜(10)のいずれかに記載の装置。
本発明によれば、前加水分解工程を備える溶解クラフトパルプの製造において、前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度を指標にして溶解クラフトパルプの製造プロセスを簡便かつ適切に制御することができる。特に本発明によれば、連続操業などにおいて前加水分解処理(水熱処理)のPファクター、得られるパルプの特性などを推定できるので、溶解クラフトパルプの製造プロセスをオンラインで管理することが可能となる。
前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度が、前加水分解処理の適切な指標となる理由は、以下のように考えられる。すなわち、水熱処理で発生する前加水分解排液には、チップから溶出したヘミセルロース由来の糖類を主成分とする有機物が含まれており、これらの有機物が波長260〜300nmの領域に極大吸収のピークを有するため、前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度によって前加水分解処理の程度を評価できると考えられる。
また、本発明によれば、前加水分解工程を備える溶解クラフトパルプの製造において、前加水分解排液のブリックス値を指標にして溶解クラフトパルプの製造プロセスを簡便かつ適切に制御することができる。特に本発明によれば、連続操業などにおいて前加水分解処理(水熱処理)のPファクター、得られるパルプの特性などを推定できるので、溶解クラフトパルプの製造プロセスをオンラインで管理することが可能となる。前加水分解排液のブリックス値が、前加水分解処理の適切な指標となる理由は、以下のように考えられる。すなわち、水熱処理で発生する前加水分解排液には、チップから溶出したヘミセルロース由来の糖類を主成分とする有機物が含まれており、これらの有機物量とブリックス値の相関が高いため、前加水分解排液のブリックス値によって前加水分解処理の程度を評価できると考えられる。
図1は、前加水分解排液の280nmにおける吸光度と前加水分解処理のPf値との関係を示すグラフである(実験例1)。 図2は、前加水分解処理のPf値と溶解クラフトパルプのヘミセルロース含量の関係を示すグラフである(実験例1)。 図3は、前加水分解排液の280nmにおける吸光度と溶解クラフトパルプのヘミセルロース含量の関係を示すグラフである(実験例1)。 図4は、前加水分解処理のPf値と溶解クラフトパルプのカッパー価の関係を示すグラフである(実験例1)。 図5は、前加水分解排液の280nmにおける吸光度と溶解クラフトパルプのカッパー価の関係を示すグラフである(実験例1)。 図6は、前加水分解排液の280nmにおける吸光度と前加水分解処理のPf値との関係を示すグラフである(実験例2)。 図7は、前加水分解排液の280nmにおける吸光度と溶解クラフトパルプのヘミセルロース含量の関係を示すグラフである(実験例2)。 図8は、前加水分解排液の280nmにおける吸光度と溶解クラフトパルプのカッパー価との関係を示すグラフである(実験例2)。 図9は、溶解パルプの連続製造する方法を実施するための装置を示す図である(実験例3)。 図10は、前加水分解排液の280nmにおける吸光度と溶解クラフトパルプのヘミセルロース含量の関係を示すグラフである(実験例3)。 図11は、前加水分解排液のブリックス値と前加水分解処理固形分との関係を示すグラフである(実験例4)。 図12は、前加水分解排液のブリックス値と前加水分解処理のPf値との関係を示すグラフである(実験例4)。 図13は、前加水分解処理のPf値と溶解クラフトパルプのヘミセルロース含量の関係を示すグラフである(実験例4)。 図14は、前加水分解排液のブリックス値と溶解クラフトパルプのヘミセルロース含量の関係を示すグラフである(実験例4)。 図15は、前加水分解処理のPf値と溶解クラフトパルプのカッパー価の関係を示すグラフである(実験例4)。 図16は、前加水分解排液のブリックス値と溶解クラフトパルプのカッパー価の関係を示すグラフである(実験例4)。 図17は、前加水分解排液のブリックス値と前加水分解処理のPf値との関係を示すグラフである(実験例5)。 図18は、前加水分解排液のブリックス値と溶解クラフトパルプのヘミセルロース含量の関係を示すグラフである(実験例5)。 図19は、前加水分解排液のブリックス値と溶解クラフトパルプのカッパー価との関係を示すグラフである(実験例5)。 図20は、前加水分解排液の280nmにおける吸光度と溶解クラフトパルプのヘミセルロース含量の関係を示すグラフである(実験例6)。 図21は、前加水分解排液のブリックス値と溶解クラフトパルプのヘミセルロース含量の関係を示すグラフである(実験例6)。 図22は、前加水分解排液の280nmにおける吸光度とブリックス値の比(吸光度/ブリックス)と溶解クラフトパルプのヘミセルロース含量の関係を示すグラフである(実験例6)。
本発明は、溶解クラフトパルプの製造技術に関する。本発明において溶解クラフトパルプ(DKP)とは、クラフト蒸解法(KP法)によって製造される溶解パルプである。溶解パルプとは、化学的に精製されたセルロース純度の高いパルプを意味し、好ましい態様においてα−セルロース含有率が90%以上である。一般に木材はセルロース、リグニン、ヘミセルロースの三大成分と少量の樹脂分、灰分などを含んでいるが、溶解パルプはセルロース純度が高く、化学繊維、セロハン、プラスチック、合成糊料、その他いろいろなセルロース系誘導体の原料として広く利用されている。
本発明の原料は木材チップである。本発明においては、針葉樹材の木材チップを含むことが好ましく、そのサイズや樹種は特に制限されず、単一種類の木材のチップでも2種以上の木材が混合されたチップでもよい。本発明においては、比較的、蒸解や漂白が難しいとされる針葉樹材の樹種であっても、高品質な溶解パルプを効率良く製造することができる。本発明において使用される針葉樹材のチップとしては、例えば、カラマツ属やマツ属の木材チップを好適に使用することができる。カラマツ属に関しては、例えば、Larix(以下、L.と略す)leptolepis(カラマツ)、L. laricina(タマラック)、L. occidentalis(セイブカラマツ)、L. decidua(ヨーロッパカラマツ)、L. gmelinii(グイマツ)などが挙げられる。また、カラマツ属以外の針葉樹としては、例えば、マツ属に関しては、Pinus radiata(ラジアータマツ)など、トガサワラ属に関しては、Pseudotuga(以下、P.と略す)menziesii(ダクラスファー)、P. japonica(トガサワラ)など、スギ属に関しては、Cryptomeria japonicaなどを挙げることができる。
本発明において広葉樹材の木材チップを原料として使用することもできる。広葉樹材の木材チップとしては、例えば、ユーカリ属木材チップを好適に使用することができる。ユーカリ属に関しては、Eucalyptus(以下、E.と略す) calophylla、E.citriodora、E.diversicolor、E.globulus、E.grandis、E.gummifera、E.marginata、E.nesophila、E.nitens、E.amygdalina、E.camaldulensis、E.delegatensis、E.gigantea、E.muelleriana、E.obliqua、E.regnans、E.sieberiana、E.viminalis、E.camaldulensis、E.marginataなどを挙げることができる。
前加水分解工程(水熱処理工程)
本発明ではクラフト蒸解を行う前の前処理として、チップに対して水熱処理を行って、木材チップ中のヘミセルロース分を水溶性の糖に分解して、除去する。前処理としての水熱処理(前加水分解)は、木材チップを高温の水で処理することによって実施される。添加する水は、熱水でも水蒸気の状態でもよい。加水分解の進行によって有機酸等が生成するので、処理液のpHは2〜5となるのが一般的である。
水熱処理は、150〜180℃の温度範囲で行うことが好ましい。温度が150℃未満であれば、ヘミセルロースの除去が不十分となり、180℃を超えると加水分解が過剰となりα−セルロース分も低下してしまう。処理時間は特に制限されないが、15〜400分が好ましく、20〜250分がより好ましく、25〜150分がさらに好ましい。処理時間が短すぎると、ヘミセルロースの除去が不十分となり、ヘミセルロースを除去したことによる脱リグニン性の向上効果も少なくなる。一方、処理時間が長すぎると、加水分解が過剰となりα−セルロース分が減少してパルプ収率の低下を招くとともに、リグニンの縮合により、後に続くクラフト蒸解工程における蒸解性の悪化を招いてしまう。
また、本発明における水熱処理は、Pファクター(Pf)を指標として、処理温度及び処理時間を設定することができる。Pファクターとは、前加水分解処理で反応系に与えられた熱の総量を表す目安であり、本発明では下記式によって表わされ、チップと水が混ざった時点から蒸解終了時点まで時間積分することで算出する。
Pf=∫ln−1(40.48−15106/T)dt
[式中、Tは前加水分解排液の絶対温度を表す]
本発明における水熱処理は、Pファクター(Pf)が350〜900となる範囲で行うことが好ましく、500〜800がさらに好ましい。Pfが350未満であれば、ヘミセルロースの除去が不十分となり、ヘミセルロースを除去したことによる脱リグニン性の向上効果も少なくなる。また、Pfが900を超えると、加水分解が過剰となりα−セルロース分が減少してパルプ収率の低下を招くとともに、リグニンの縮合により、後に続くクラフト蒸解工程における蒸解性の悪化を招いてしまう。
水熱処理工程は、木材チップと水を耐圧性容器(前加水分解釜)に入れて行うことができるが、容器の形状や大きさは特に制限されない。
水熱処理釜(前加水分解釜)に木材チップと水を供給する際の比率は1.0〜2.3L/kgとすることが好ましい。前加水分解釜に供給する木材チップと水の比率は動的液比とも呼ばれ、木材チップ1kgあたりの水の量として示される。動的液比が1.0L/kg未満であると、木材チップに対して水が少なすぎるために加水分解が不十分となり、液比が2.3L/kgを超えると前加水分解釜の頂部において気相部が十分に確保できないので好ましくない。なお、水には木材チップと共に供給する水だけではなく、木材チップに含まれる水分、ドレン水等も含まれる。
また、前加水分解釜内において木材チップと水の液比は、例えば、1.0〜5.0L/kgとすることができ、1.5〜4.5L/kgが好ましく、2.0〜4.0L/kgがさらに好ましい。液比が1.0L/kg未満であると、木材チップに対して水が少なすぎるために加水分解が不十分となり、液比が5.0L/kgを超えると容器の大きさが過大となるので好ましくない。また、必要に応じて、少量の鉱酸を添加してもよい。
水熱処理で発生する前加水分解排液にはヘミセルロースの加水分解で生成する糖類を主成分とする有機物が含まれている。この前加水分解排液を分光光度計で吸光度を測定すると波長260〜300nmの領域に極大吸収のピークを有することが判明した。後述の実験例で実証したように、波長280nm付近の吸光度とPファクターには相関関係があり、前加水分解の進行により溶出する有機物が増加すると上述の吸光度も増加する。
上述したように、高品質の溶解クラフトパルプを得るためにはPファクターを適正な範囲にする必要があるが、連続操業において木材チップの滞留時間を正確に測定するのは困難であり、釜内の状態によって滞留時間は変動することもある。予めPファクターと前加水分解排液の波長260〜300nmの吸光度の関係を検量線や数式に表しておけば、前加水分解排液の吸光度からPファクターを推定できる。より具体的には、温度、滞留時間を変化させ異なるPファクターで水熱処理を行い、その際に得られる前加水分解排液について波長260〜300nmの吸光度を測定し、Pファクターと吸光度の関係を検量線あるいは数式に表す。さらに、後工程のクラフト蒸解後のパルプの品質(カッパー価、ヘミセルロース含有量)との相関をデータ化しておけば、得られるクラフト蒸解後のパルプ品質の目安とすることができる。
また、前加水分解排液に含まれている有機物量の指標であるブリックス(Brix)値とPファクターにも相関関係があることが判明した。ブリックス(Brix)値とは糖度とも言われ、ブリックス計(糖度計)により測定した測定値で、溶液中の糖類、有機酸、塩類等の水溶性有機物または水溶性無機物の量の尺度となるもので、1ブリックスはショ糖濃度1質量%に相当する。後述の実験例で実証したように、ブリックス値とPファクターには相関関係があり、前加水分解の進行により溶出する有機物が増加すると上述のブリックス値も増加する。
上述したように、高品質の溶解パルプを得るためにはPファクターを適正な範囲にする必要があるが、連続操業において木材チップの滞留時間を正確に測定するのは困難であり、釜内の状態によって滞留時間は変動することもある。予めPファクターと前加水分解液のブリックス値の関係を検量線や数式に表しておけば、前加水分解液のブリックス値からPファクターを推定できる。より具体的には、温度、滞留時間を変化させ異なるPファクターで水熱処理を行い、その際に得られる前加水分解液についてブリックス値を測定し、Pファクターとブリックス値の関係を検量線あるいは数式に表す。さらに、後工程の蒸解後のパルプの品質(カッパー価、ヘミセルロース含有量)との相関をデータ化しておけば、得られる蒸解後のパルプ品質の目安とすることができる。
チップの回収工程
次いで、本発明においては、加水分解処理後の木材チップと前加水分解排液とを分離し、前加水分解排液と木材チップを回収する。好ましい態様において、前加水分解処理後の木材チップは、前加水分解排液と分離した後、チップを十分に水で洗浄して回収する。不十分な洗浄では、後続の蒸解工程において悪影響が生じる場合がある。
前加水分解排液の洗浄、除去は、一般的な固液分離装置などを用いることによって行うことができる。例えば、前加水分解に用いる容器に抽出スクリーンや濾布などの固液分離装置を設け、容器下部から洗浄水を導入してスクリーンから抽出して向流洗浄することができる。
クラフト蒸解工程
洗浄後のチップは、クラフト蒸解液と共に蒸解釜へ投入され、一般的な条件でクラフト蒸解に供する。また、MCC、EMCC、ITC、Lo−solidなどの修正クラフト法の蒸解に供しても良い。また、1ベッセル液相型、1ベッセル気相/液相型、2ベッセル液相/気相型、2ベッセル液相型などの蒸解型式なども特に限定はない。好ましくは、蒸解を終えた未晒パルプは蒸解液を抽出後、ディフュージョンウォッシャーなどの洗浄装置で洗浄する。洗浄後の未晒パルプのカッパー価は、針葉樹の場合、10〜22にすることが好ましく、12〜20としてもよい。広葉樹の場合、5〜20にすることが好ましく、6〜16としてもよい。
クラフト蒸解工程は、水熱処理した木材チップをクラフト蒸解液とともに耐圧性容器に入れて行うことができるが、容器の形状や大きさは特に制限されない。木材チップと薬液の液比は、例えば、1.0〜5.0L/kgとすることができ、1.5〜4.5L/kgが好ましく、2.0〜4.0L/kgがさらに好ましい。
蒸解液は、木材チップが針葉樹の場合、対絶乾木材チップ重量当たりの活性アルカリ添加率(AA)を16〜22質量%とすることが好ましい。活性アルカリ添加率を16質量%未満であるとリグニンやヘミルロースの除去が不十分となり、22質量%を超えると収率の低下や品質の低下が起こる。ここで活性アルカリ添加率とは、NaOHとNaSの合計の添加率をNaOの添加率として換算したもので、NaOHには0.775を、NaSには0.795を乗じることでNaOの添加率に換算できる。
また、本発明においては、絶乾チップ当たり0.01〜1.5質量%のキノン化合物を含むアルカリ性蒸解液を蒸解釜に添加してもよい。キノン化合物の添加量が0.01質量%未満であると添加量が少なすぎて蒸解後のパルプのカッパー価が低減されず、カッパー価とパルプ収率の関係が改善されない。さらに、粕の低減、粘度の低下の抑制も不十分である。また、キノン化合物の添加量が1.5質量%を超えてもさらなる蒸解後のパルプのカッパー価の低減、及びカッパー価とパルプ収率の関係の改善は認められない。
使用されるキノン化合物はいわゆる公知の蒸解助剤としてのキノン化合物、ヒドロキノン化合物又はこれらの前駆体であり、これらから選ばれた少なくとも1種の化合物を使用することができる。これらの化合物としては、例えば、アントラキノン、ジヒドロアントラキノン(例えば、1,4−ジヒドロアントラキノン)、テトラヒドロアントラキノン(例えば、1,4,4a,9a−テトラヒドロアントラキノン、1,2,3,4−テトラヒドロアントラキノン)、メチルアントラキノン(例えば、1−メチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン)、メチルジヒドロアントラキノン(例えば、2−メチル−1,4−ジヒドロアントラキノン)、メチルテトラヒドロアントラキノン(例えば、1−メチル−1,4,4a,9a−テトラヒドロアントラキノン、2−メチル−1,4,4a,9a−テトラヒドロアントラキノン)等のキノン化合物であり、アントラヒドロキノン(一般に、9,10−ジヒドロキシアントラセン)、メチルアントラヒドロキノン(例えば、2−メチルアントラヒドロキノン)、ジヒドロアントラヒドロアントラキノン(例えば、1,4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセン)又はそのアルカリ金属塩等(例えば、アントラヒドロキノンのジナトリウム塩、1,4−ジヒドロ−9,10−ジヒドロキシアントラセンのジナトリウム塩)等のヒドロキノン化合物であり、アントロン、アントラノール、メチルアントロン、メチルアントラノール等の前駆体が挙げられる。これら前駆体は蒸解条件下ではキノン化合物又はヒドロキノン化合物に変換する可能性を有している。
クラフト蒸解は、120〜220℃の温度範囲で行うことが好ましく、150〜180℃がより好ましい。温度が低すぎると脱リグニン(カッパー価の低下)が不十分である一方、温度が高すぎるとセルロースの重合度(粘度)が低下する。また、本発明における蒸解時間とは、蒸解温度が最高温度に達してから温度が下降し始めるまでの時間であるが、蒸解時間は、120分以上10時間が好ましく、60分以上240分以下が好ましい。蒸解時間が60分未満ではパルプ化が進行せず、10時間を超えるとパルプ生産効率が悪化するために好ましくない。
また、本発明におけるクラフト蒸解は、Hファクター(Hf)を指標として、処理温度及び処理時間を設定することができる。Hファクターとは、蒸解過程で反応系に与えられた熱の総量を表す目安であり、下記の式によって表わされる。Hファクターは、チップと水が混ざった時点から蒸解終了時点まで時間積分することで算出する。
Hf=∫exp(43.20−16113/T)dt
[式中、Tはある時点の絶対温度を表す]
本発明においては、蒸解後得られた未漂白パルプは、必要に応じて、種々の処理に供することができる。
一つの態様において、クラフト蒸解で得られたパルプに酸素脱リグニン処理を行うことができる。本発明に使用される酸素脱リグニンは、公知の中濃度法あるいは高濃度法がそのまま適用できる。中濃度法の場合はパルプ濃度が8〜15質量%、高濃度法の場合は20〜35質量%で行われることが好ましい。酸素脱リグニンにおけるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムを使用することができ、酸素ガスとしては、深冷分離法からの酸素、PSA(Pressure Swing Adsorption)からの酸素、VSA(Vacuum Swing Adsorption)からの酸素等が使用できる。
酸素脱リグニン処理の反応条件は、特に限定はないが、酸素圧は3〜9kg/cm、より好ましくは4〜7kg/cm、アルカリ添加率は0.5〜4質量%、温度は80〜140℃、処理時間は20〜180分、この他の条件は公知のものが適用できる。なお、本発明において、酸素脱リグニン処理は、複数回行ってもよい。
酸素脱リグニン処理が施されたパルプは、例えば、次いで洗浄工程へ送られ、洗浄後、多段漂白工程へ送られ、多段漂白処理を行うことができる。本発明の多段漂白処理は、特に限定されるものではないが、酸(A)、二酸化塩素(D)、アルカリ(E)、酸素(O)、過酸化水素(P)、オゾン(Z)、過酸等の公知の漂白剤と漂白助剤を組み合わせるのが好適である。例えば、多段漂白処理の初段は二酸化塩素漂白段(D)やオゾン漂白段(Z)を用い、二段目にはアルカリ抽出段(E)や過酸化水素段(P)、三段目以降には、二酸化塩素や過酸化水素を用いた漂白シーケンスが好適に用いられる。三段目以降の段数も特に限定されるわけではないが、エネルギー効率、生産性等を考慮すると、合計で三段あるいは四段で終了するのが好適である。また、多段漂白処理中にエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)等によるキレート剤処理段を挿入してもよい。
前加水分解排液の吸光度測定工程
本発明においては、回収した前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度を測定する。吸光度の測定は、波長が260〜300nmの領域における吸光度を測定すればよく、常法によって前加水分解排液の吸光度を測定することができる。前加水分解排液中には、糖より生成するフルフラール類等の波長が260〜300nmの領域で吸光度のピークを有する物質が含まれているので、波長が260〜300nmの吸光度を測定することにより、フルフラール類の濃度を測定でき、加水分解の進行が推測できる。
吸光度を測定する波長は、好ましくは270〜290nmであり、より好ましくは275〜285nmであり、さらに好ましくは約280nmである。
溶解クラフトパルプ(DKP)の製造においては、前加水分解処理のPファクターを適切に管理することにより、ヘミセルロースや各種フェノール類が適切に除去されているかを判断できるため、Pファクターを指標として、通常の酸素脱リグニン処理や漂白処理により高品質の溶解クラフトパルプを容易に製造できる。
上述したように、前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度は、Pファクターと高い相関関係があるため、実操業においては測定が難しいPファクターではなく、上述の吸光度を指標として前加水分解処理の程度、さらには、最終的に得られる溶解クラフトパルプの特性を推定することができる。具体的には、前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度と、得られる溶解クラフトパルプのカッパー価および/またはヘミセルロース含量などの特性との関係について、予め検量線あるいは数式に表しておけば、この相関データに基づいて、上述の吸光度から、得られる溶解クラフトパルプの品質を推定することができる。
また、本発明においては、前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度の測定値を指標として、前加水分解工程を制御することができる。すなわち、上述の吸光度を指標にして、前加水分解排液の温度および/または滞留時間を制御することによって、系全体を簡便かつ適切に制御することが可能になる。
前加水分解排液のブリックス値測定工程
本発明においては、回収した前加水分解排液のブリックス(Brix)値を測定する。ブリックス値の測定は、屈折率をブリックス計(糖度計)によって測定すればよく、常法によって前加水分解排液のブリックス値を測定することができる。
溶解パルプ(DP)の製造においては、前加水分解処理のPファクターを適切に管理することにより、ヘミセルロースや各種フェノール類が適切に除去されているかを判断できるため、Pファクターを指標として、通常の酸素脱リグニン処理や漂白処理により高品質の溶解パルプを容易に製造できる。
上述したように、前加水分解排液のブリックス値と高い相関関係があるため、実操業においては測定が難しいPファクターではなく、上述のブリックス値を指標として前加水分解処理の程度、さらには、最終的に得られる溶解パルプの特性を推定することができる。具体的には、前加水分解排液のブリックス値と、得られる溶解パルプのカッパー価および/またはヘミセルロース含量などの特性との関係について、予め検量線あるいは数式に表しておけば、この相関データに基づいて、上述のブリックス値から、得られる溶解パルプの品質を推定することができる。
また、本発明においては、前加水分解液のブリックス値を指標として、前加水分解工程を制御することができる。すなわち、上述のブリックス値を指標にして、前加水分解液の温度および/または滞留時間を制御することによって、系全体を簡便かつ適切に制御することが可能になる。
さらに、前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度と前加水分解排液のブリックス値の比から、得られる溶解クラフトパルプのカッパー価および/またはヘミセルロース含量を推定することができる。ブリックス値は前加水分解排液中に溶解している固形分濃度と近似できるので、吸光度とブリックス値の比は固形分当たりの吸光度を意味しており、言い換えると固形分中のフルフラール類の比率とも言える。従って、固形分濃度が変動しても、吸光度あるいはブリックス値のみよりも溶解クラフトパルプのカッパー価および/またはヘミセルロース含量を、より精度が高く推定することができる。
溶解クラフトパルプの製造装置
また別の観点からは、本発明は、溶解クラフトパルプの製造装置と理解することができる。すなわち、本発明は、溶解パルプを製造するための装置であって、木材チップを水熱処理するための前加水分解釜と、前加水分解釜より排出される前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度を測定するための吸光度測定機とを備える。さらに好ましい態様において本発明の装置は、前加水分解釜で水熱処理された木材チップをクラフト蒸解するための蒸解釜をさらに備える。
次に実施例に基づき、本発明を更に詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に記載しない限り、本発明において、%などは重量基準であり、数値範囲はその端点を含むものとする。
実験例1
ラジアータパインの木材チップを、篩い分け器(ジャイロシフター)を使用して篩い分けし、サイズが9.5〜25.4mmの木材チップを得た。
温度計を備えた回転型オートクレーブを用い、この木材チップ絶乾200gに液比3.2(L/kg)となるように水を加え、168〜170℃まで昇温して前加水分解処理をバッチ式で行った。最高温度における保持時間(滞留時間)を0.05分間(3秒間)〜70分間の範囲で変化させ、Pファクターが150〜950の範囲で変化させた(サンプル2〜8)。なお、以下の表において、サンプル1は前加水分解処理を行わずにクラフト蒸解によって得られたサンプルである。
前加水分解終了後、チップと前加水分解液とを300メッシュ濾布で分離し、前加水分解済のチップと前加水分解排液を得た。この前加水分解排液について、波長280nmにおける吸光度を紫外可視分光光度計(島津製作所製UV−1800)によって測定した。前加水分解排液の吸光度は、適宜希釈して測定した。
さらに、前加水分解済チップを、チップの15倍量の60℃温水で30秒間手もみ洗浄した。
続いて、再び回転型オートクレーブを用い、150℃、85分間、クラフト蒸解薬液の浸透を行った後、蒸解温度158℃で210分間、Hファクター(Hf)=1500でクラフト蒸解を行って、溶解クラフトパルプを得た。クラフト蒸解薬液は、活性アルカリ添加率(AA)16.5%で、活性アルカリ105g/L(NaO換算値)、NaOH75.6g/L(NaO換算値)、NaS29.4g/L(NaO換算値)、硫化度28%の組成で、木材チップと蒸解薬液との液比は3.2(L/kg)とした。
クラフト蒸解で得られた未漂白クラフト溶解パルプについて、カッパー価、ヘミセルロース含有量を下記の方法に従って測定した。
・カッパー価(KN):JIS P 8221に従って、測定した。
・ヘミセルロース量:NREL/TP510−42618に従い、測定した。 図1に、前加水分解排液の波長280nmにおける吸光度とPファクターとの関係を示す。図1から明らかなように、前加水分解排液の波長280nmの吸光度とPファクターとは、非常に高い相関を示し(R=0.9761)、前加水分解排液の280nmの吸光度はPファクターと一次(線形)の関係だった。
また、図2に、Pファクターと溶解クラフトパルプのヘミセルロース含有量との関係、図3に、前加水分解排液の波長280nmにおける吸光度と溶解クラフトパルプのヘミセルロース含有量との関係を示す。図2に示すように、前加水分解処理のPファクターが増大すると溶解クラフトパルプのヘミセルロース量が低下しており、前加水分解処理の程度を強くすることによって溶解クラフトパルプのヘミセルロース量が低下することが分かる。そして、図3から明らかなように、前加水分解排液の波長280nmにおける吸光度が大きくなると溶解クラフトパルプのヘミセルロース量が低下していた。この結果から、Pファクターと同様に、前加水分解排液の波長280nmにおける吸光度を用いて溶解クラフトパルプの品質(ヘミセルロース量)を予測できることが分かる。
さらに、図4に、Pファクターと溶解クラフトパルプのカッパー価との関係、図5に、前加水分解排液の波長280nmにおける吸光度と溶解クラフトパルプのカッパー価との関係を示す。図4、5から明らかなように、前加水分解排液の波長280nmの吸光度とパルプのカッパー価との関係は、Pファクターと溶解クラフトパルプのカッパー価との関係と同様であった。
ここで、図4から分かるように、Pファクターが増大すると、ある領域まではカッパー価が効率的に低下する。この傾向は、前加水分解排液の波長280nmにおける吸光度の場合でも同様であり(図5)、前加水分解排液の波長280nmにおける吸光度を特定の範囲にすると、得られる溶解クラフトパルプのカッパー価を効率的に低下させることができる。
したがって、従来、Pファクターを用いて、前加水分解処理や得られる溶解クラフトパルプの品質を予測・制御していたが、前加水分解排液の波長280nmにおける吸光度を用いて、前加水分解処理や溶解クラフトパルプの製造工程を管理・制御できることが分かった。
実験例2
原料である木材チップを、ラジアータパインの木材チップからカラマツの木材チップに変更した以外は、実験例1と同様にして実験した。 結果を、表2および図6〜図8に示す。図6から明らかなように、原料である木材チップを変更しても、前加水分解排液の波長280nmにおける吸光度とPファクターとは非常に高い相関を示した(R=0.9713)。
実験例1と同様に、前加水分解排液の波長280nmにおける吸光度は、溶解クラフトパルプのカッパー価およびヘミセルロース量と相関することが示された(図7、8)。
また、実験例1と同様に、前加水分解排液の波長280nmにおける吸光度を指標とすると、カッパー価を効率よく低下させるには適切な範囲があることが判明した。
実験例3
図9に示す装置を用いて、実機レベルで溶解クラフトパルプを連続製造した。本実験で用いた装置は、前加水分解釜4(容量:356m)とクラフト蒸解釜6(容量:860m)を備える。
ラジアータパインの木材チップに液比1.8(L/kg)となるようにチップメータースクリュー2にて温水を加え、これを前加水分解釜4に連続的に投入して、前加水分解温度170℃にて加水分解処理を行った。この時、ストレーナー5より前加水分解排液を抽出した。抽出した前加水分解排液と希釈水の各々の送液量を、流量計を目安にしてポンプで制御し、1000倍に希釈し、希釈した液をポンプ(島津社製LC-20AD)で吸光光度検出器(島津社製SPD-10Ai)に送液し、波長280nmにおける吸光度A280を連続的に測定した。
続いて、前加水分解処理した木材チップをクラフト蒸解釜6に投入し、蒸解温度158℃にて210分間、Hファクター(Hf)=1500となるようにクラフト蒸解を行った。薬液は、活性アルカリ添加率(AA)16.5%で、活性アルカリ105g/L(NaO換算値)、NaOH75.6g/L(NaO換算値)、NaS29.4g/L(NaO換算値)、硫化度28%の組成で、木材チップと蒸解薬液との液比は3.2(L/kg)とした。
クラフト蒸解で得られた未漂白クラフト溶解パルプについて、ヘミセルロース含有量を測定した。結果を表3および図10にまとめるが、実機レベルの連続操業においても、前加水分解排液の波長280nmにおける吸光度と溶解クラフトパルプのヘミセルロース量とが相関することが示された。
実験例4
ラジアータパインの木材チップを、篩い分け器(ジャイロシフター)を使用して篩い分けし、サイズが9.5〜25.4mmの木材チップを得た。
温度計を備えた回転型オートクレーブを用い、この木材チップ絶乾200gに液比3.2(L/kg)となるように水を加え、温度168〜170℃で前加水分解処理をバッチ式で行った。前加水分解における滞留時間を0.05分間(3秒間)〜70分間の範囲で変化させ、Pファクターが150〜950の範囲で変化させた(サンプル2〜8)。なお、以下の表において、サンプル1は前加水分解処理を行わずにクラフト蒸解によって得られたサンプルである。
前加水分解終了後、チップと前加水分解液とを300メッシュ濾布で分離し、前加水分解済のチップと前加水分解排液を得た。この前加水分解排液を孔径0.45μmのフィルターで濾過後、この濾液についてブリックス値をブリックス計(PAL−1、アタゴ社製)によって測定した。また、濾液の固形分濃度についても測定した。
さらに、前加水分解済チップを、チップの15倍量の60℃温水で30秒間手もみ洗浄した。
続いて、再び回転型オートクレーブを用い、150℃、85分間、クラフト蒸解薬液の浸透を行った後、蒸解温度158℃で210分間、Hファクター(Hf)=1500でクラフト蒸解を行って、溶解クラフトパルプを得た。クラフト蒸解薬液は、活性アルカリ添加率(AA)16.5%で、活性アルカリ105g/L(NaO換算値)、NaOH75.6g/L(NaO換算値)、NaS29.4g/L(NaO換算値)、硫化度28%の組成で、木材チップと蒸解薬液との液比は3.2(L/kg)とした。
クラフト蒸解で得られた未漂白クラフト溶解パルプについて、カッパー価、ヘミセルロース含有量を下記の方法に従って測定した。
・カッパー価(KN):JIS P 8221に従って、測定した。
・ヘミセルロース量:NREL/TP510−42618に従い、測定した。
図11に、前加水分解排液のブリックス値と固形分濃度との関係を示す。図11から明らかなように、前加水分解排液のブリックス値と固形分濃度とは、非常に高い相関を示し(R=0.9487)、前加水分解排液のブリックス値は固形分濃度と一次(線形)の関係だった。
図12に、前加水分解排液のブリックス値とPファクターとの関係を示す。図12から明らかなように、前加水分解排液のブリックス値とPファクターとは相関を示し、特にPファクターが100〜700(ブリックス値が2〜6)の領域において高い相関を示した。
また、図13に、Pファクターと溶解クラフトパルプのヘミセルロース含有量との関係、図14に、前加水分解排液のブリックス値と溶解クラフトパルプのヘミセルロース含有量との関係を示す。図13に示すように、前加水分解処理のPファクターが増大すると溶解クラフトパルプのヘミセルロース量が低下しており、前加水分解処理の程度を強くすることによって溶解クラフトパルプのヘミセルロース量が低下することが分かる。そして、図14から明らかなように、前加水分解排液のブリックス値が大きくなると溶解クラフトパルプのヘミセルロース量が低下していた。この結果から、Pファクターと同様に、前加水分解排液のブリックス値を用いて溶解クラフトパルプの品質(ヘミセルロース量)を予測できることが分かる。
さらに、図15に、Pファクターと溶解クラフトパルプのカッパー価との関係、図16に、前加水分解排液のブリックス値と溶解クラフトパルプのカッパー価との関係を示す。図15、16から明らかなように、前加水分解排液のブリックス値とパルプのカッパー価との関係は、Pファクターと溶解クラフトパルプのカッパー価との関係と同様であった。
ここで、図15から分かるように、Pファクターが増大すると、ある領域まではカッパー価が効率的に低下する。この傾向は、前加水分解排液のブリックス値の場合でも同様であり(図16)、前加水分解排液のブリックス値を特定の範囲にすると、得られる溶解クラフトパルプのカッパー価を効率的に低下させることができる。
したがって、従来、Pファクターを用いて、前加水分解処理や得られる溶解クラフトパルプの品質を予測・制御していたが、前加水分解排液のブリックス値を用いて、前加水分解処理や溶解クラフトパルプの製造工程を制御できることが分かった。
実験例5
原料である木材チップを、ラジアータパインの木材チップからカラマツの木材チップに変更した以外は、実験例1と同様にして実験した。
結果を、表5および図17〜図19に示す。図17から明らかなように、原料である木材チップを変更しても、前加水分解排液のブリックス値とPファクターとは相関することが示された。
実験例4と同様に、前加水分解排液のブリックス値は、溶解クラフトパルプのカッパー価およびヘミセルロース量と相関することが示された(図18、19)。
また、実験例4と同様に、ブリックス値を指標とすると、カッパー価を効率よく低下させるには適切な範囲があることが判明した。
実験例6
実験例3と同様の装置を用いて、実機レベルで溶解クラフトパルプを連続製造した。
ラジアータパインの木材チップに液比が1.8(L/kg)となるようにチップメータースクリュー2にて温水を加え、これを前加水分解釜4に連続的に投入し、前加水分解温度を変化させながら、加水分解処理を行った。
前加水分解釜のストレーナー5より前加水分解排液を抽出した。抽出した前加水分解排液と希釈水の各々の送液量を、流量計を目安にしてポンプで制御し、1000倍に希釈し、希釈した液をポンプ(島津社製LC-20AD)で吸光光度検出器(島津社製SPD-10Ai)に送液し、波長280nmにおける吸光度A280を連続的に測定した。
また、前加水分解排液のブリックス値をブリックス計(PAL−1、アタゴ社製)にて測定した。
続いて、前加水分解処理した木材チップを実験例3と同様にしてクラフト蒸解し、未漂白クラフト溶解パルプを得た。得られた未漂白クラフト溶解パルプについて、ヘミセルロース含有量を測定した。
表6および図20〜22に結果を示す。前加水分解排液の波長280nmにおける吸光度とブリックス値の比(A280/ブリックス値)は、波長280nmにおける吸光度、ブリックス値の単独の値よりも、溶解クラフトパルプのヘミセルロース量との相関が高いことが示された(図20〜22)。
1:チップビン;
2:チップメータースクリュー;
3:チップチューブ;
4:前加水分解釜;
5:ストレーナー;
6:クラフト蒸解釜;
7:前加水分解排液;

Claims (11)

  1. (a)木材チップを水熱処理して木材チップに含まれるヘミセルロースを加水分解する工程、
    (b)前加水分解処理後の木材チップと前加水分解排液とを分離し、回収する工程、
    (c)回収した前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度を測定する工程、
    (d)回収した木材チップを、150〜180℃、60〜240分間の条件でクラフト蒸解して溶解クラフトパルプを得る工程、
    (e)前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度から、下式:
    Pf=∫ln −1 (40.48−15106/T)dt
    [式中、Tは前加水分解液の絶対温度]
    で示される工程(a)におけるPファクター(Pf)を推定する工程、
    を含む、溶解クラフトパルプを製造する方法。
  2. 木材チップと水の液比が1.0〜5.0L/kg、150〜180℃、20〜250分間の条件で工程(a)が行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度から、工程(d)で得られる溶解クラフトパルプのカッパー価および/またはヘミセルロース含量を推定する工程をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度を指標として、工程(a)における前加水分解液の温度および/または滞留時間を制御する、請求項1〜のいずれかに記載の方法。
  5. 回収した前加水分解排液のブリックス値を測定する工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前加水分解排液のブリックス値を指標として、工程(a)における前加水分解液の温度および/または滞留時間を制御する、請求項に記載の方法。
  7. (前記吸光度)/(前記ブリックス値)の比を指標として、工程(a)における前加水分解液の温度および/または滞留時間を制御する、請求項5または6に記載の方法。
  8. 木材チップを水熱処理するための前加水分解釜と、
    前加水分解釜より排出される前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度を測定するための吸光度測定機と、
    水熱処理された木材チップを、150〜180℃、60〜240分間の条件でクラフト蒸解するための蒸解釜と、
    を備えた、溶解パルプを製造するための装置であって、
    前加水分解排液の波長260〜300nmにおける吸光度から、下式:
    Pf=∫ln −1 (40.48−15106/T)dt
    [式中、Tは前加水分解液の絶対温度]
    で示される前加水分解におけるPファクター(Pf)が推定される、上記装置
  9. 水熱処理された木材チップと前加水分解排液を分離するための固液分離装置をさらに備えた、請求項8に記載の装置。
  10. 前加水分解釜より排出される前加水分解排液のブリックス値を測定するための測定機をさらに備えた、請求項8または9に記載の装置。
  11. 測定した前記吸光度と前記ブリックス値から(吸光度)/(ブリックス値)の比を算出するための計算機をさらに備えた、請求項10に記載の装置。
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