JP6482158B2 - クラッチ装置 - Google Patents

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Description

本発明はクラッチ装置に関し、特に簡易な構造で信頼性を向上できるクラッチ装置に関するものである。
従来より、第1軸と第2軸との間の回転の伝達または遮断を行うクラッチ装置が知られている。例えば特許文献1には、インナスプラインが形成されたクラッチ部材(スリーブ)が第1軸(回転軸)と一体的に回転し、クラッチ部材の軸方向の変位によって、第2軸(変速ギヤ)に形成されたアウタスプラインにインナスプラインが嵌合するクラッチ装置が開示されている。特許文献1に開示される技術では、アウタスプライン及びインナスプラインは、噛合領域において逆テーパ形状に歯筋が形成されている。噛合した逆テーパ形状の歯筋がクラッチ部材(スリーブ)の軸方向への変位を規制するので、ギヤ抜けの発生を抑制できる。
特開2001−280366号公報
しかしながら特許文献1に開示される技術では、アウタスプライン及びインナスプラインの歯筋が逆テーパ形状に形成されるので、構造が複雑で、歯筋を加工するための製造コストが嵩むという問題がある。また、振動等の外力によって、アウタスプライン及びインナスプラインの噛合が外れてクラッチ部材(スリーブ)が軸方向へ変位することがあり、信頼性に欠けるという問題がある。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものであり、簡易な構造で信頼性を向上できるクラッチ装置を提供することを目的としている。
課題を解決するための手段および発明の効果
この目的を達成するために請求項1記載のクラッチ装置によれば、ケースに収容されると共に第1軸と第2軸との間の回転の伝達または遮断が行われる。クラッチ部材により、軸方向の第1位置において第1軸および第2軸が一体的に回転可能に接続される一方、第1位置に対して軸方向へ離間した第2位置において第1軸と第2軸とが切り離される。クラッチ部材は支持部材を連結し、第1軸または第2軸と同軸に配置される回転部材は、モータにより回転される。回転部材は軸受によりケースに回転可能に支持され、回転部材にカムが形成される。カムの輪郭に接触する接触子が、支持部材に支持される。接触子とカムとが干渉してクラッチ部材が軸方向に移動されることで付勢部材に付勢力が蓄積されるので、付勢部材の付勢力によってクラッチ部材が軸方向の第1位置または第2位置に固定される。よって、簡易な構成で、クラッチ部材を所定の位置に固定する信頼性を向上できる。
接触子から径方向へ突出した係合部ケースに係合して支持部材の回転が規制されるので、カムの輪郭に応じて支持部材の軸方向の位置が変化することを防止できる。その結果、支持部材に支持されたクラッチ部材が軸方向へ移動することを防止できるので、クラッチ部材による第1軸と第2軸との間の回転の伝達または遮断の信頼性を向上できる
請求項2記載のクラッチ装置によれば、カム及び付勢部材は、支持部材または接触子に付与する付勢力によってクラッチ部材が第1位置へ固定されるように設定される。よって、請求項1の効果に加え、付勢部材によって第1位置に固定されるクラッチ部材により、第1軸および第2軸が一体的に回転可能に接続される状態が安定に維持される信頼性を向上できる効果がある。
請求項3記載のクラッチ装置によれば、軸方向へ延びる溝部がケースに形成され、係合部は溝部に沿って軸方向へ移動可能に係合するので、クラッチ装置の径方向寸法が必要以上に拡大することを抑制できる。
本発明の第1実施の形態におけるクラッチ装置が搭載される車両のスケルトン図である。 クラッチ装置の軸方向断面図である。 図2の一部を拡大したクラッチ装置の部分拡大図である。 カムの展開図である。 第2実施の形態におけるクラッチ装置が搭載される車両のスケルトン図である。 クラッチ装置の軸方向断面図である。 第3実施の形態におけるクラッチ装置の軸方向断面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態について添付図面を参照して説明する。まず図1を参照して本発明の第1実施の形態におけるクラッチ装置が搭載される車両について説明する。図1は第1実施の形態におけるクラッチ装置10が搭載される車両1(自動車)のスケルトン図である。
図1に示すように車両1は、前輪5の車軸4に配設されたクラッチ装置10によって、前輪5が駆動される二輪駆動状態と、前輪5及び後輪8が駆動される四輪駆動状態とが切り換えられる自動車である。四輪駆動状態では、パワーユニット2の駆動力が差動装置3を介して前輪5の車軸4に伝達され、クラッチ装置及びドライブシャフト6を介して車軸4の回転が後輪8の車軸7へ伝達される。二輪駆動状態では、駆動される前輪5の車軸4からドライブシャフト6への回転の伝達が、クラッチ装置10によって遮断される。
次に図2を参照してクラッチ装置10の概略の構成について説明する。図2はクラッチ装置10の軸方向断面図である。なお、図2は、車軸4からドライブシャフト6への動力伝達に関する部分が図示され、車軸4及びドライブシャフト6の一部の図示が省略される。
クラッチ装置10は、前輪5の車軸4と一体的に回転する第1軸11と、べベルギヤ9を介してドライブシャフト6に回転を伝達する第2軸12との間の回転の伝達または遮断を行う装置である。クラッチ装置10は、第1軸11及び第2軸12の一部の径方向外側に配置されたケース13に収容される。第1軸11は、車軸4の外周に嵌着される円筒状の部材であり、第2軸12は、第1軸11の径方向外側に第1軸11と同軸状に配設される円筒状の部材である。ケース13に固定された第1軸受14及びベアリング15により、第1軸11及び第2軸12は、それぞれケース13に対して回転可能かつ互いに相対回転可能に支持される。第1軸11は外周にスプライン11aが形成され、第2軸12は内周にスプライン12aが形成されている。
モータ20は、第1軸11及び第2軸12と平行に駆動軸21が配置されケース13に固定される。モータ20は、ステッピングモータ又は位置検出センサによって制御される直流モータが使用される。モータ20の駆動軸21と平行に配置されるギヤ軸23の両端が、ケース13に回転可能に支持される。ギヤ軸23は、ギヤ軸23と一体的に回転する第1減速ギヤ24及び第2減速ギヤ25が固定され、第1減速ギヤ24は、駆動軸21と一体的に回転するギヤ22と噛合する。
次に図3を参照してクラッチ装置10について詳細に説明する。図3は図2の一部を拡大したクラッチ装置10の部分拡大図である。なお、矢印X1−X2は車軸4及びクラッチ装置10の軸方向を示す。クラッチ装置10は、モータ20により回転部材30を回転させ、回転部材30に連係する支持部材40の軸方向(矢印X1−X2方向)の位置を変化させることで、支持部材40に連結されたクラッチ部材50の軸方向の位置を変化させる。クラッチ部材50と、第1軸11及び第2軸12にそれぞれ形成されたスプライン11a,12aとの係合状態を切り換えることで、回転の伝達または遮断が切り換えられる。
回転部材30は、第1軸11の径方向外側かつケース13の内側に配設される円筒状の部材であり、第1軸11、第2軸12及びクラッチ部材50と軸線Oを同じくする同軸状に配置される。回転部材30は、第1軸11、支持部材40及びクラッチ部材50の外周を軸方向に投影した仮想の投影面の径方向外側に配置される。回転部材30は、ケース13に固定された第2軸受16が内周に固定されることで、ケース13に対して回転可能に支持される。
回転部材30は、第2減速ギヤ25と噛合する歯31が外形に形成されている。これによりモータ20が駆動軸21を回転駆動すると、ギヤ22、第1減速ギヤ24、第2減速ギヤ25及び歯31を介して、回転部材30が回転駆動される。ギヤ22、第1減速ギヤ24、第2減速ギヤ25及び歯31は、モータ20の駆動軸21の回転を減速して必要な駆動力を得るための歯車列を構成する。回転部材30は、軸方向の端面にカム32が形成されている。
支持部材40は、クラッチ部材50に支持されると共に、回転部材30に形成されたカム32の輪郭に応じて軸方向に移動される円筒状の部材であり、カム32に接触する接触子41(図4参照)が支持される。本実施の形態では、接触子41は、外周面がカム32に接触するローラ42と、ローラ42を支持部材40に回転可能に支持する支軸43とを備えている。ローラ42と支軸43との間に複数のコロ(図示せず)が配置されるので、ローラ42と支軸43との摩擦を軽減できる。支軸43は、支軸43の軸方向へ沿って軸方向の端面に係合部44が突設されている。係合部44は、ケース13の内周面に形成されると共に軸方向へ延びる溝部13aと係合する部位である。係合部44が溝部13aに係合されることで、ケース13に対して第1軸11及び第2軸12の軸線O回りに支持部材40が回転することが防止される。
クラッチ部材50は、第1軸11の径方向外側かつ第2軸12の径方向内側に配設される円筒状の部材である。クラッチ部材50は、支持部材40に固定された第3軸受17(摺動部)が外周に固定されることで、支持部材40に対して回転可能に連結される一方、支持部材40に対して軸方向へ移動不能に固定される。即ち、クラッチ部材50は支持部材40と一体的に軸方向へ移動される。
クラッチ部材50は、内周および外周にそれぞれスプライン51,52が形成されている。クラッチ部材50の軸方向の可動範囲において、第1軸11に形成されたスプライン11aと、クラッチ部材50の内周に形成されたスプライン51とは常に係合する。一方、クラッチ部材50の外周に形成されたスプライン52は、クラッチ部材50の軸方向の位置によって、第2軸12に形成されたスプライン12aと係合したりしなかったりするように位置が設定されている。その結果、クラッチ部材50は、スプライン51によって第1軸11に連れて回転し、第2軸12に形成されたスプライン12aにスプライン52が係合する軸方向(矢印X1側)の第1位置と、スプライン12aにスプライン52が係合しない軸方向(矢印X2側)の第2位置との間をスプライン11aに沿って移動する。
クラッチ部材50は、軸方向の一端側に第3軸受17が固定され、それと反対の軸方向の他端側に付勢部材60(コイルスプリング)が配設される。付勢部材60は、第1軸11の径方向外側かつ第2軸12の径方向内側に配設され、クラッチ部材50の軸方向の他端側(矢印X2方向)の端面と第1軸11の外周の所定箇所との間に圧縮した状態で配置される。これにより、付勢部材60はクラッチ部材50を軸方向の一端側(矢印X1方向)へ押圧する。クラッチ部材50及び支持部材40は、付勢部材60の付勢力により軸方向の一方側(矢印X1方向)へ付勢され、接触子41(ローラ42)がカム32に押し付けられる。
ここで、図4を参照してカム32(端面カム)について説明する。図4はカム32の展開図(回転部材30の外周面の360°を平面に展開して示した図)である。モータ20(図3参照)による駆動軸21の回転に伴って、回転部材30は矢印R方向へ回転する。カム31は、低位(軸方向の一端側、矢印X1側)に位置する平坦な第1作動面33と、第1作動面33の終端から軸方向の他端側(矢印X2側)へ向かって上昇傾斜する勾配を有する切換面34と、高位(軸方向の他端側、矢印X2側)に位置する平坦な第2作動面35とを1周期とする経路を有している。カム32は、2周期分の経路が、回転部材30の1回転に対応して回転部材30の軸方向の端面に形成されており、第2作動面35の終端と第1作動面33の始端とは、第1作動面33及び第2作動面35に対する垂直な面で接続されている。
接触子41は、付勢部材60(図3参照)により軸方向の一方側(矢印X1側)へ付勢されているので、回転部材30の回転に伴い第1作動面33、切換面34及び第2作動面35に押し付けられる。従って、回転部材30の第1作動面33に接触子41が接触するときには、支持部材40(図3参照)及びクラッチ部材50は軸方向の一方側(矢印X1側)の第1位置に位置する。このときは第2軸12に形成されたスプライン12aにクラッチ部材50のスプライン52が係合するので、第1軸11の回転はクラッチ部材50を介して第2軸12に伝達される。第2軸12の回転はべベルギヤ9を介してドライブシャフト6に伝達されるので、車両1(図1参照)は四輪駆動状態となる。
また、回転部材30の切換面34に接触子41が接触するときには、回転部材30の回転に伴い、支持部材40及びクラッチ部材50は次第に軸方向の他方側(矢印X2側)へ移動される。接触子41とカム32とが干渉してクラッチ部材50が軸方向の第2位置へ向かって移動されることで、付勢部材60が圧縮されて付勢部材60に付勢力が蓄積される。
回転部材30の第2作動面35に接触子41が接触するときには、支持部材40及びクラッチ部材50は軸方向の他方側(矢印X2側)の第2位置に位置する。このときは第2軸12に形成されたスプライン12aとクラッチ部材50のスプライン52との係合が解除されるので、第2軸12への回転の伝達が遮断される。その結果、車両1は第1軸11だけが回転駆動される二輪駆動状態となる。
カム32の第2作動面35の終端と第1作動面33の始端とは、第1作動面33及び第2作動面35に対する垂直な面で接続されているので、回転部材30の回転に伴ってクラッチ部材50の第2位置から第1位置への瞬時切り換えが可能となる。そのため、第2軸12に形成されたスプライン12aとクラッチ部材50のスプライン52とが互いに噛合位置にきたとき、付勢部材60に蓄積された付勢力によりスプライン52はスプライン12aと噛合し、接触子41は第1作動面33に接触する。よって、クラッチ装置10は二輪駆動状態から四輪駆動状態へ瞬時に切り換えることができる。
このように、付勢部材60の付勢力によって接触子41とカム32とが押し付けられると共に、接触子41が第1作動面33に位置するときにクラッチ部材50が軸方向の一方側(矢印X1方向)へ移動される。単一の付勢部材60によって、これら2つの機能が発揮されるので、クラッチ装置10の構造を簡素化できると共に部品点数を削減できる。
このクラッチ装置10によれば、円筒状の回転部材30は、第1軸11、第2軸12及びクラッチ部材50と同軸状に配置されるので、クラッチ部材50の径方向の内側に回転部材30の回転軸(軸線O)を位置させることができる。これにより、クラッチ装置10の径方向の寸法を小さくできる。特にクラッチ部材50は、回転部材30を軸方向に投影した仮想の投影面の径方向内側に配置されるので、クラッチ部材50を回転部材30の径方向外側に設ける場合と比較して、クラッチ装置10の径方向の寸法を小さくできる。よって、クラッチ装置10を小型化できる。
また、ケース13に溝部13aが形成され、接触子41に突設されると共に径方向外側へ延びる係合部44が溝部13aと係合する回転規制部を有しているので、ケース13に対して支持部材40が軸方向へ移動可能にされる一方、ケース13に対して支持部材40の回転が規制される。その結果、カム32の輪郭に応じて支持部材40の軸方向の位置が変化することを防止できる。
ここで、ケース13に対して支持部材40の回転を規制する回転規制部がない場合には、ケース13に対して支持部材40が回転してしまうので、回転部材30の回転位置に関わらず、カム32の輪郭に応じて支持部材40が軸方向へ移動してしまう。この場合には、モータ20によってクラッチ部材50の軸方向の位置を制御できないという問題がある。これに対し、クラッチ装置10は、溝部13aに係合部44が係合することによって支持部材40がケース13に対して軸線O回りに回転することを防止できる。その結果、支持部材40に連結されたクラッチ部材50が、回転部材30の回転とは無関係に軸方向へ移動することを防止できる。モータ20によってクラッチ部材50の軸方向の位置を正確に制御できるので、クラッチ部材50による第1軸11と第2軸12との間の回転の伝達または遮断の信頼性を向上できる。
また、軸方向へ延びる溝部13aがケース13に形成され、係合部44が、接触子41と一体的に形成されることで、溝部13aに沿って係合部44が軸方向へ摺動可能に係合される。その結果、ケース13の内面に形成された溝部13aを利用して回転規制部をコンパクトにできる。よって、クラッチ装置10の径方向寸法が必要以上に拡大することを抑制できる。その結果、クラッチ装置10を小型化できる。
なお、ローラ42の外周面がカム32に接触され、支軸43によりローラ42が支持部材40に回転可能に支持される接触子41は、支軸43の軸方向に沿って支軸43の軸方向端面に係合部44が突設される。接触子41を利用して係合部44が形成されるので、部品点数を削減できる。
ここで、クラッチ部材50は、支持部材40に配置される第3軸受17(摺動部)によって支持部材40に対して回転可能に支持される一方、支持部材40に対して軸方向へ移動不能に固定される。この構成により、支持部材40とクラッチ部材50とが同軸状に配置されるので、クラッチ装置10の径方向寸法を小さくできる。よって、クラッチ装置10を小型化できる。
また、モータ20と回転部材30との間に第1減速ギヤ24及び第2減速ギヤ25が介設される。回転部材30は、第2減速ギヤ25と噛合する歯31が外形に形成されているので、駆動軸21の回転を減速してカム32を駆動するための必要な駆動力を得ることができる。さらに、回転部材30の外形(歯31)を利用して減速機構(歯車列)を形成するので、カム32を駆動する駆動力を得るためのモータ20の減速機構を小型化できる。
なお、回転部材30は第2軸受16によりケース13に回転可能に支持され、回転部材30にカム32が形成される。カム32の輪郭に接触する接触子41が支持部材40に支持され、接触子41をカム32に押圧する付勢力が付勢部材60により支持部材40に付与される。その付勢部材60の付勢力によってクラッチ部材50が軸方向の第1位置(矢印X1方向)に固定されるので、簡易な構成で、クラッチ部材50を第1位置に固定する信頼性を向上できる。
また、カム32及び付勢部材60は、支持部材40に付与する付勢力によってクラッチ部材50が第1位置へ固定されるように設定される。よって、付勢部材60によって第1位置に固定されるクラッチ部材50により、第1軸11及び第2軸12が一体的に回転可能に接続される状態が安定に維持される信頼性を向上できる。
次に図5及び図6を参照して第2実施の形態について説明する。第1実施の形態では、第1軸11と、第1軸11の径方向外側に配置された第2軸12との間の動力の伝達または遮断を切り換えるクラッチ装置10について説明した。これに対し第2実施の形態では、軸方向の端面を互いに対向させた状態に配置される第1軸(車軸103)及び第2軸(車軸104)との間の動力の伝達または遮断を切り換えるクラッチ装置110について説明する。なお、第1実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図5は第2実施の形態におけるクラッチ装置110が搭載される車両101(自動車)のスケルトン図である。
図5に示すように車両101は、前輪105の車軸103,104に配設されたクラッチ装置110によって後輪109が駆動される二輪駆動状態と、前輪105及び後輪109が駆動される四輪駆動状態とが切り換えられる自動車である。四輪駆動状態では、クラッチ装置110によって前輪105の車軸103,104が連結されることで、トランスファ107及びドライブシャフト106を介して後輪109の車軸108を駆動するパワーユニット102の駆動力が、クラッチ装置110を介して前輪105の車軸103,104に伝達される。二輪駆動状態では、トランスファ107の出力を切り換えると共にクラッチ装置110によって前輪105の車軸103,104の連結が解除されることで、前輪105の車軸103,104への駆動力の伝達が遮断される。
次に図6を参照してクラッチ装置110の構成について説明する。図6はクラッチ装置110の軸方向断面図である。なお、図6は軸線Oを中心にして片側が図示された片側断面図であり、その反対側の図示が省略されている。クラッチ装置110は、前輪105(図5参照)の左側の車軸103(第1軸)と、前輪105の右側の車軸104(第2軸)との間の回転の伝達または遮断を行う装置である。第1軸103及び第2軸104は、軸方向の端面を互いに対向させた状態に配置される。第1軸103は、第1軸103の外径より外径が大きく形成された第1部材111が第1軸103と一体的に形成され、第2軸104は、第2軸104の外径より外径が大きく形成された第2部材112が第2軸104と一体的に形成される。第1部材111及び第2部材112の外周にそれぞれスプライン111a,112aが形成され、それらスプライン111a,112aは軸方向に並設されると共に、スプライン111a,112aの外径および内径は同一に設定される。
クラッチ装置110は、第1部材111及び第2部材112の一部の径方向外側に配置されたケース113に収容される。ケース113に固定される第4軸受114及び第5軸受115により、第1部材111及び第2部材112は、それぞれケース113に対して回転可能かつ互いに相対回転可能に支持される。クラッチ装置110は、モータ20により回転部材30を回転させ、回転部材30に連係する支持部材140の軸方向の位置を変化させることで、支持部材140に連結されたクラッチ部材150の軸方向の位置を変化させる装置である。クラッチ部材150と、第1部材111及び第2部材112にそれぞれ形成されたスプライン111a,112aとの係合状態を切り換えることで、回転の伝達または遮断が切り換えられる。
支持部材140は、クラッチ部材150に連結されると共に、回転部材30に形成されたカム32の輪郭に応じて軸方向に移動される円環状の部材である。支持部材140は、軸方向の一端側(矢印X1方向)に接触子41(ローラ42等)が配置され、それと反対の軸方向の他端側(矢印X2方向)の端面とケース113との間に、圧縮された状態で付勢部材160(コイルスプリング)が配設される。付勢部材160は、第1部材111の径方向外側に配設され、支持部材140の軸方向の他端側の端面を、ケース113に対して軸方向の一端側へ押圧する。支持部材140は付勢部材160の付勢力により軸方向の一方側(矢印X1方向)へ付勢され、接触子41(ローラ42)がカム32に押し付けられる。
クラッチ部材150は、第1部材111及び第2部材112の径方向外側に配設される円筒状の部材である。クラッチ部材150は、軸方向の両端部に径方向外側へ向かって突出する円環状のフランジ151,152(摺動部)が形成されており、フランジ151,152間に支持部材140の内周部が配置される。これにより、クラッチ部材150は支持部材140に回転可能に連結される一方、支持部材140に対して軸方向へ移動不能に固定される。即ち、クラッチ部材150は支持部材140と一体的に軸方向へ移動される。
クラッチ部材150は、内周にスプライン153が形成されている。クラッチ部材150の軸方向の可動範囲において、第1部材111に形成されたスプライン111aと、クラッチ部材150の内周に形成されたスプライン153とは常に係合する。一方、第2部材112に形成されたスプライン112aは、カム32により設定されるクラッチ部材150の軸方向の位置によって、係合したりしなかったりするように位置が設定される。クラッチ部材150は、第1部材111に連れて回転すると共に、第2部材112に形成されたスプライン112aにスプライン153が係合する軸方向(矢印X1側)の第1位置と、スプライン112aにスプライン153が係合しない軸方向(矢印X2側)の第2位置との間をスプライン111aに沿って移動する。第1位置においては、クラッチ部材150は第1部材111のスプライン111aと第2部材112のスプライン112aとを跨いだ状態になる。
次にクラッチ装置150の動作について説明する。接触子41(ローラ42)は、回転部材30の回転に伴い、付勢部材160により第1作動面33(図4参照)、切換面34及び第2作動面35に押し付けられる。従って、回転部材30の第1作動面33に接触子41が接触するときには、支持部材140及びクラッチ部材150は軸方向の一方側(矢印X1側)の第1位置に位置する。このときは第2部材112に形成されたスプライン112aにクラッチ部材150のスプライン153が係合するので、第1部材111(第1軸103)及び第2部材112(第2軸104)は一体に回転し、車両101は四輪駆動状態となる。
また、回転部材30の第2作動面35に接触子41が接触するときには、支持部材140及びクラッチ部材150は軸方向の他方側(矢印X2側)の第2位置に位置する。このときは第2部材112に形成されたスプライン112aとクラッチ部材150のスプライン153との係合が解除されるので、第1部材111(第1軸103)と第2部材112(第2軸104)と回転が連動されない。車両101(図5参照)はトランスファ107の出力の切り換えにより第1軸103及び第2軸104の回転駆動が解除されると、後輪109だけが回転駆動される二輪駆動状態となる。第2実施の形態におけるクラッチ装置110によれば、第1実施の形態のクラッチ装置10と同様の作用・効果を実現できる。
ここで、クラッチ部材150とスプライン112aとの係合状態を維持するために、スプライン112a,153の歯筋を逆テーパ状に形成して歯筋同士を係合させる手段がある。しかし、スプライン112a,153の歯筋を逆テーパ形状に形成するのが煩雑で、歯筋を加工するための製造コストが嵩むという問題があった。また、振動等の外力によって、スプライン112a,153の噛合が外れてクラッチ部材150が軸方向へ変位することがあり、信頼性に欠けるという問題があった。
これに対し本実施の形態によれば、接触子41をカム32に押圧する付勢力が付勢部材160により支持部材140に付与され、その付勢部材160の付勢力によってクラッチ部材150が軸方向の第1位置に固定され、スプライン112a,153の係合状態が維持される。よって、スプライン112a,153の歯筋を逆テーパ状に加工する作業を不要にでき、簡易な構成で、クラッチ部材150を第1位置に固定する信頼性を向上できる。
また、カム32及び付勢部材160は、支持部材140に付与する付勢力によってクラッチ部材150が第1位置へ固定されるように設定されるので、付勢部材160によって第1位置に固定されるクラッチ部材150により、第1軸103及び第2軸104が一体的に回転可能に接続される状態が安定に維持される信頼性を向上できる。
次に第3実施の形態について説明する。第2実施の形態では、支持部材140が付勢部材160(コイルスプリング)に押圧される場合について説明した。これに対し第3実施の形態では、クラッチ部材250が付勢部材160に押圧される場合について説明する。なお、第1実施の形態および第2実施の形態で説明した部分と同一の部分については、同一の符号を付して以下の説明を省略する。図7は第3実施の形態におけるクラッチ装置210の軸方向断面図である。なお、図7は軸線Oを中心にして片側が図示された片側断面図であり、その反対側の図示が省略されている。また、第3実施の形態におけるクラッチ装置210は、第2実施の形態で説明したクラッチ装置110に代えて車両101(図5参照)に搭載される。
支持部材240は、クラッチ部材250に連結される円環状の部材であり、軸方向の一端側へ向かって端面に突設されるアーム241の先端に接触子41(ローラ42等)が配置される。クラッチ部材250は、第1部材111及び第2部材112の径方向外側に配設される円筒状の部材であり、軸方向の両端部に径方向外側へ向かって突出する円環状のフランジ251,252(摺動部)が形成されている。フランジ251,252間に支持部材240の内周部が配置される。これにより、クラッチ部材250は支持部材240に回転可能に連結される一方、支持部材240に対して軸方向へ移動不能に固定される。
クラッチ部材250の軸方向の他端側(矢印X2側)に設けられたフランジ251は、軸方向の一端側(矢印X1側)に設けられたフランジ252と比較して、外径が大きく設定されている。そのフランジ251の端面とケース113との間に付勢部材160(コイルスプリング)が圧縮された状態で配設される。これにより付勢部材160は、クラッチ部材250をケース113に対して軸方向の一端側へ押圧する。クラッチ部材250及び支持部材240は付勢部材160の付勢力により軸方向の一方側(矢印X1方向)へ付勢され、接触子41(ローラ42)がカム32に押し付けられる。このクラッチ装置210によれば、第1実施の形態および第2実施の形態のクラッチ装置10,110と同様の作用・効果を実現できる。
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変形が可能であることは容易に推察できるものである。
上記各実施の形態では、モータ20によって回転される回転部材30にカム32を形成し、クラッチ部材50,150,250が連結される支持部材40,140,240に接触子41を設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。これとは逆に、回転部材30に接触子41を設け、支持部材40,140,240にカム32を形成することは当然可能である。モータ20によって回転部材30を回転させ、接触子41を回転させることにより、接触子41が押し付けられたカム32の輪郭に応じて支持部材40,140,240を軸方向へ移動させることができるからである。この場合も、支持部材40,140,240が移動することで付勢部材60,160に付勢力が蓄積され、その付勢力を利用してクラッチ部材50,150,250を軸方向へ移動させることができる。
上記各実施の形態では、ローラ42を支持する支軸43(接触子41)に係合部44が設けられる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。支持部材40,140,240の一部を径方向の外側へ向かって突出させ、その突出部分を溝部13aと係合する係合部44にすることは当然可能である。この場合もケース13,113に対して支持部材40,140,240の回転を規制できるからである。
10,110,210 クラッチ装置
11,103 第1軸
12,104 第2軸
13,113 ケース
13a 溝
16 第2軸受(軸受)
20 モータ
30 回転部材
32 カム
40,140,240 支持部材
41 接触子
42 ローラ
43 支軸
44 係合
50,150,250 クラッチ部材
60,160 付勢部材

Claims (3)

  1. ケースに収容されると共に第1軸と第2軸との間の回転の伝達または遮断を行うクラッチ装置において、
    軸方向の第1位置において前記第1軸および前記第2軸を一体的に回転可能に接続する一方、前記第1位置に対して軸方向へ離間した第2位置において前記第1軸と前記第2軸とを切り離すクラッチ部材と、
    そのクラッチ部材に連結される支持部材と、
    前記第1軸または前記第2軸と同軸に配置されると共に、モータにより回転される回転部材と、
    その回転部材を前記ケースに回転可能に支持する軸受と、
    前記回転部材に形成されるカムと、
    そのカムの輪郭に接触前記支持部材に支持される接触子と、
    その接触子と前記カムとが干渉して前記クラッチ部材が軸方向の前記第1位置または前記第2位置へ移動されることで付勢力が蓄積される付勢部材と、
    前記接触子から径方向に突出し、前記ケースに係合して前記支持部材の回転を規制する係合部と、を備えていることを特徴とするクラッチ装置。
  2. 前記カムおよび前記付勢部材は、前記支持部材または前記接触子に付与する付勢力によって前記クラッチ部材を前記第1位置へ固定するように設定されていることを特徴とする請求項1記載のクラッチ装置。
  3. 軸方向へ延びる溝部が前記ケースに形成され、
    前記係合部は、前記溝部に沿って軸方向へ移動可能に係合することを特徴とする請求項1又は2に記載のクラッチ装置。
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