JP6481968B2 - ディーゼルエンジン - Google Patents

ディーゼルエンジン Download PDF

Info

Publication number
JP6481968B2
JP6481968B2 JP2017052233A JP2017052233A JP6481968B2 JP 6481968 B2 JP6481968 B2 JP 6481968B2 JP 2017052233 A JP2017052233 A JP 2017052233A JP 2017052233 A JP2017052233 A JP 2017052233A JP 6481968 B2 JP6481968 B2 JP 6481968B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
cavity
fuel
notch
cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2017052233A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018155160A (ja
Inventor
淳 神崎
淳 神崎
片岡 一司
一司 片岡
尚奎 金
尚奎 金
修治 詫間
修治 詫間
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mazda Motor Corp filed Critical Mazda Motor Corp
Priority to JP2017052233A priority Critical patent/JP6481968B2/ja
Publication of JP2018155160A publication Critical patent/JP2018155160A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6481968B2 publication Critical patent/JP6481968B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/10Internal combustion engine [ICE] based vehicles
    • Y02T10/12Improving ICE efficiencies

Landscapes

  • Combustion Methods Of Internal-Combustion Engines (AREA)
  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Description

本発明は、ディーゼルエンジンに係わり、特に、シリンダの一端を覆うシリンダヘッドと、シリンダヘッドに対向する冠面を備えシリンダ内を往復動するピストンと、シリンダヘッドに取り付けられた燃料噴射弁とを有するディーゼルエンジンに関する。
ディーゼルエンジン、特に、乗用車等に用いられる比較的小型のディーゼルエンジンにおいては、ピストンの冠面にリエントラント型のキャビティ、つまり、中央部が***するとともに開口部が上窄まり状に絞られたキャビティが形成することが知られている(例えば下記特許文献1参照)。
リエントラント型のキャビティをピストンに形成し特許文献1のようなディーゼルエンジンでは、例えばエンジンの中負荷域または高負荷域において燃料噴射弁が比較的多量の燃料を噴射したときに、キャビティの周縁部に到達した燃料噴霧がキャビティの壁面に沿って反転する(即ちピストンの径方向中心側に向けて方向転換する)ような流れが起き、これによって燃料噴霧と空気との混合が促進される。これにより、燃料がリッチな領域において局所燃焼による高温と酸素不足に起因して発生するNOxやスート(煤)の発生量を低減することができる。
特開2015−232288号公報
上記のような中・高負荷域での燃料噴霧と空気の混合の促進効果をより高めるには、燃料噴射弁から噴射される燃料のペネトレーション(貫徹力)を強めることが考えられる。噴霧のペネトレーションが強いと、燃料噴射弁から十分に離れた位置でも噴霧の速度が高速に保たれるので、燃焼室内でより広範囲に噴霧を行き渡らせることが可能だからである。
しかしながら、低負荷域では燃料噴射量が少ないので、燃料噴霧がキャビティの壁面に沿って反転するような流れはほとんど起きない。この場合、燃焼ガスはキャビティの周縁部近傍からあまり移動せずにキャビティの壁面に接触する。したがって、中・高負荷域での燃料噴霧と空気の混合性向上のために噴霧のペネトレーションを強くし過ぎると、低負荷域において燃焼ガスがキャビティの壁面に接触する面積が大きくなり、冷却損失が増大するので、エンジンの燃費性能が低下する。
したがって、冷却損失の低減と、燃料噴霧と空気の混合性向上とを両立するためには、燃料噴霧のペネトレーションを強めることなくキャビティ内の空気の流動性を高めることが求められる。
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、燃料噴霧のペネトレーションを強めることなくキャビティ内の空気の流動性を高めることにより、冷却損失の低減と、燃料噴霧と空気の混合性向上とを両立することが可能なディーゼルエンジンを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明によるディーゼルエンジンは、シリンダが形成されたシリンダブロックと、シリンダの一端を覆うようにシリンダブロック上に配設されるシリンダヘッドと、シリンダヘッドに対向する冠面を備えシリンダ内を往復動するピストンと、シリンダヘッドに取り付けられた燃料噴射弁とを有するディーゼルエンジンであって、このディーゼルエンジンは、その吸気行程および圧縮行程において、シリンダ内でその周方向に指向する吸気スワール流が生成されるよう構成され、ピストンの冠面には、シリンダヘッドとは反対側に凹んだ平面視円形のキャビティが形成され、このキャビティは、断面視でそのキャビティの中心側ほど燃料噴射弁に近づくように***した中央***部と、この中央***部と連続しており、断面視でピストンの径方向外側に凹となる円弧状に形成されると共に平面視で円形状に形成された周辺凹部と、この周辺凹部と連続しており、断面視でピストンの径方向内側に凸となる円弧状に形成されると共に平面視で円形状に形成され、ピストンの冠面と連続するリップ部と、を備えるリエントラント型のキャビティであり、ピストンの冠面には、さらに、ピストンの径方向外側を流れる吸気スワール流が流入してキャビティの径方向内側に進む空気流動が発生するように、キャビティのリップ部からピストンの径方向外側に凹んだ複数の切欠き部が形成され、燃料噴射弁には、キャビティ内に燃料を噴射する複数の噴孔が形成され、この燃料噴射弁の複数の噴孔は、キャビティ内に平面視で複数の指向方向に放射状に燃料を噴霧するよう形成され、複数の指向方向は、複数の切欠き部の間に向く方向であり、燃料噴射弁の複数の噴孔は、噴射された燃料噴霧が、複数の切欠き部の間において、キャビティのリップ部と周辺凹部との接続部付近に到達するよう指向され、ディーゼルエンジンは、その圧縮行程において、リップ部と周辺凹部との接続部付近に到達した燃料噴霧が、キャビティの周辺凹部の円弧状の形状、および、ピストンの冠面の切欠き部により発生したキャビティの径方向内側に進む空気流動との合流によって、キャビティの周辺凹部に沿って径方向内側に反転するよう構成され、切欠き部は、平面視において、ピストンの周方向に延びる底面と、ピストンの周方向における底面の両端からそれぞれピストンの径方向内側に延びる2つの側面とにより形成され、切欠き部の底面及び側面とピストンの冠面とを接続する角部、及び、切欠き部の2つの側面とこれらの2つの側面のピストン径方向内側の周縁部においてキャビティのリップ部とを接続する角部のそれぞれの丸み径は1mm以下であることを特徴とする。
このように構成された本発明においては、ピストンの冠面には、ピストンの冠面と連続するキャビティのリップ部からピストンの径方向外側に凹んだ切欠き部が形成されているので、ピストン冠面の上方においてキャビティよりもピストンの径方向外側を流れるスワール流が切欠き部からキャビティ内へ流入し、キャビティの壁面に沿ってピストンの径方向内側へ進む空気流動が発生する。このように、スワール流によるシリンダの中心軸線まわりに流れる横渦に加えて、ピストンの径方向の速度成分を持つ空気流動を発生させることにより、燃料噴霧のペネトレーションを強めることなくキャビティ内における空気の流動性を高めることができ、冷却損失の低減と、燃料噴霧と空気の混合性向上とを両立することができる。
また、切欠き部の底面及び側面とピストンの冠面とを接続する角部、及び、切欠き部の2つの側面とこれらの2つの側面のピストン径方向内側の周縁部におけるキャビティのリップ部とを接続する角部のそれぞれの丸み径は1mm以下であるので、角部の丸み径が1mmより大きい場合と比較して、ピストン冠面の上方から切込み部に流入したスワール流をより確実にキャビティの中央方向へ方向付けることができ、これにより、ピストン冠面の上方から切欠き部を通ってキャビティの中央方向へ進む空気の流量を増大させ、燃料噴霧のペネトレーションを強めることなくキャビティ内における空気の流動性を確実に高めることができる。
また、本発明においては、複数の切欠き部は、複数の噴孔の各指向方向の間に形成されている。 このように構成された本発明においては、キャビティ内に平面視で放射状に噴霧され、キャビティの壁面に沿ってピストンの径方向内側に反転する燃料の流れと、スワール流が切欠き部からキャビティ内に流入することにより発生したピストンの径方向の速度成分を持つ空気流動とを合流させ、キャビティ内における燃料と空気との混合を促進することができ、これにより、燃料噴霧のペネトレーションを強めることなく燃料噴霧と空気の混合性を一層向上することができる。
また、本発明において、好ましくは、切欠き部は、ピストンの冠面に複数形成されている。このように構成された本発明においては、キャビティ内のより広い範囲においてピストンの径方向の速度成分を持つ空気流動を発生させることができ、これにより、キャビティ内における空気の流動性を一層高めることができる。
また、本発明において、好ましくは、燃料噴射弁の噴孔は、キャビティ内に平面視で複数の指向方向に放射状に燃料を噴霧するよう複数形成されている。このように構成された本発明においては、キャビティ内に平面視で放射状に噴霧された燃料の流動を、ピストンの径方向の速度成分を持つ空気流動により促進することができ、燃料噴霧のペネトレーションを強めることなく燃料噴霧と空気の混合性を一層向上することができる。
本発明のディーゼルエンジンによれば、燃料噴霧のペネトレーションを強めることなくキャビティ内の空気の流動性を高めることにより、冷却損失の低減と、燃料噴霧と空気の混合性向上とを両立することができる。
本発明の実施形態によるディーゼルエンジンの構成を示す概略図である。 本発明の実施形態によるディーゼルエンジンにおける吸気ポート及び排気ポートの配置を概略的に示す平面図である。 本発明の実施形態による燃料噴射弁の先端部の部分断面図である。 本発明の実施形態によるディーゼルエンジンの運転状態に応じて異なるように設定された燃料の噴射形態の一例を示す図である。 本発明の実施形態によるピストンの斜視図である。 本発明の実施形態によるピストンの平面図である。 図5中のVII−VIIに沿って見た、本発明の実施形態によるピストン及びシリンダヘッドなどの部分断面図である。 図6中のVIII−VIIIに沿って見た、本発明の実施形態によるピストン及びシリンダヘッドなどの部分断面図である。 本発明の実施形態による燃焼室内の空気流動を概念的に示す斜視図である。 本発明の実施形態による燃焼室内の燃料噴霧と空気の流動を概念的に示す斜視図である。 本発明の実施形態によるピストンの切欠き部の隅部の丸み径Rとキャビティ内の空気流動のピストン径方向における最大速度との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態によるピストンの切欠き部の角部の丸み径rとキャビティ内の空気流動のピストン径方向における最大速度との関係を示すグラフである。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態によるディーゼルエンジンを説明する。
まず、図1乃至図4を参照して、本発明の実施形態によるディーゼルエンジンの構成を説明する。
図1は、本発明の実施形態によるディーゼルエンジンの構成を示す概略図であり、図2は、本発明の実施形態によるディーゼルエンジンにおける吸気ポート及び排気ポートの配置を概略的に示す平面図であり、図3は、本発明の実施形態による燃料噴射弁の先端部の部分断面図であり、図4は、本発明の実施形態によるディーゼルエンジンの運転状態に応じて異なるように設定された燃料の噴射形態の一例を示す図である。
図1において、符号1は本発明の実施形態によるディーゼルエンジンを示し、ディーゼルエンジン1は、気筒2(シリンダ)が設けられたシリンダブロック4と、このシリンダブロック4上に配設されたシリンダヘッド6と、シリンダブロック4の下側に配設され、潤滑油が貯溜されたオイルパン8とを有している。気筒2内には、ピストン10が往復動可能に嵌挿されていて、シリンダヘッド6に対向するピストン10の冠面10aには、シリンダヘッド6と反対側に凹んだキャビティ12が形成されている。ピストン10は、コンロッド14を介してクランク軸16と連結されている。
シリンダヘッド6には、第1及び第2の吸気ポート18、20並びに第1及び第2の排気ポート22、24が形成されている。これら第1及び第2の吸気ポート18、20は、シリンダヘッド6のピストン10側の面(下面)と、シリンダヘッド6の一方の側面(吸気側の側面)とに開口し、第1及び第2の排気ポート22、24は、シリンダヘッド6のピストン10側の面と、シリンダヘッド6の他方の側面(排気側の側面)とに開口している。
また、シリンダヘッド6には、第1及び第2の吸気ポート18、20のピストン側開口18a、20aをそれぞれ開閉する第1及び第2の吸気弁26、28と、第1及び第2の排気ポート22、24のピストン側開口22a、24aをそれぞれ開閉する第1及び第2の排気弁30、32とが配設されている。
さらに、シリンダヘッド6には、燃料を噴射する燃料噴射弁34と、ディーゼルエンジン1の冷間時に吸入空気を暖めて燃料の着火性を高めるためのグロープラグ36とが設けられている。燃料噴射弁34は、ピストン10側の端部がキャビティ12の中心部を臨むような姿勢で取り付けられている。なお、燃料噴射弁34は、燃料供給管38を介して図外のコモンレールに連結されていて、燃料供給管38及びコモンレールを介して図外の燃料タンクから燃料が供給される。余剰燃料は、リターン管40を通じて燃料タンクへ戻される。
シリンダヘッド6の吸気側の側面には、第1及び第2の吸気ポート18、20に連通するように吸気通路42が接続されている。この吸気通路42の上流端部には、吸入空気を濾過する図外のエアクリーナが配設されており、このエアクリーナで濾過した吸入空気が吸気通路42及び吸気ポート18、20を介して気筒2内に供給される。吸気通路42における下流端近傍には、サージタンク44が配設されている。このサージタンク44よりも下流側の吸気通路42は、第1及び第2の吸気ポート18、20にそれぞれ対応して分岐する独立通路42a、42bとされ、これら各独立通路42a、42bの下流端が気筒2の吸気ポート18、20にそれぞれ接続されている。
シリンダヘッド6の排気側の側面には、気筒2内から既燃ガス(排気ガス)を排出するための排気通路46が接続されている。この排気通路46の上流側の部分は、第1及び第2の排気ポート22、24にそれぞれ対応して分岐する独立通路46a、46bとされ、これら各独立通路46a、46bの上流端が排気ポート22、24にそれぞれ接続されている。
図2に示すように、第1及び第2の吸気ポート18、20のピストン側開口18a、20a並びに第1及び第2の排気ポート22、24のピストン側開口22a、24aは、気筒2の中心軸線方向のシリンダヘッド6側(上側)から見て、時計回りに、第2の吸気ポート20のピストン側開口20a、第1の吸気ポート18のピストン側開口18a、第2の排気ポート24のピストン側開口24a、第1の排気ポート22のピストン側開口22aの順に配置されている。
気筒2内には、吸気行程において上側から見て時計回りの吸気スワール流S(気筒2の中心軸線まわりに流れる横渦)が生成される。本実施形態において、第1の吸気ポート18は、ピストン側開口18aから気筒2内に流入する吸気の流れを気筒2の周方向(第1の吸気ポート18のピストン側開口18aの近傍を流れる吸気スワール流Sの進行方向)に指向させるいわゆるタンジェンシャルポートとして形成されている。また、第2の吸気ポート20は、ピストン側開口20aから気筒2内に吸気を螺旋状に流入させるいわゆるヘリカルポートとして形成されている。これらの第1及び第2の吸気ポート18、20により、気筒2内の吸気スワール流Sが強化される。
図3に示すように、燃料噴射弁34は、コモンレールから燃料が導入される燃料流路48が内部に形成された筒状のバルブボディ50と、バルブボディ50の燃料流路48内に進退可能に配設されたニードル弁52とを有している。バルブボディ50は半球状の先端部50aを有しており、この先端部50aに対応する燃料流路48の終端は半球状の副室48aとされている。さらに、副室48aの周囲のバルブボディ50の内面には、ニードル弁52の前進時にその先端部が着座されるシート部54が形成されている。
バルブボディ50の先端部50aには複数の噴孔56が設けられている。各噴孔56は先端部50aを貫通するように設けられ、バルブボディ50の先端部50aの表面と副室48aとを連通している。なお、本実施形態では、合計10個の噴孔56が先端部50aに設けられており、各噴孔56は周方向にほぼ等間隔に並ぶように配設されている。このような噴孔56を通過することにより、燃料は平面視で放射状に噴射される。
バルブボディ50には、図外のソレノイドが設けられており、このソレノイドの吸引力によってニードル弁52が進退駆動される。ニードル弁52が前進駆動されてシート部54に着座すると、副室48aへの燃料の導入が遮断され、各噴孔56からの燃料の噴射が停止される。一方、その状態からニードル弁52が後退駆動されると(図3はこの状態を図示)、副室48aに燃料が導入されて、各噴孔56からの燃料の噴射が開始される。ニードル弁52を後退駆動する時間を制御することにより、燃料の噴射量を調節することができる。
燃料噴射弁34は、気筒2と同軸に取り付けられている。即ち、バルブボディ50の先端部50aの中心を通って上下方向に延びる直線を燃料噴射弁34の中心軸線とすると、この中心軸線が気筒2の中心軸線と一致するような姿勢で燃料噴射弁34が取り付けられている。
図4に示すように、本実施形態のディーゼルエンジン1では、例えばエンジンの負荷が極めて低い運転領域A1において、3回のプレ噴射Qp1と1回のメイン噴射Qm1とに分けて燃料噴射弁34から燃料が噴射される。メイン噴射Qm1では、圧縮上死点(圧縮行程終了時の上死点)付近で燃料噴射が開始され、その噴射量は1〜5mm3程度に設定される。プレ噴射Qp1では、メイン噴射Qm1よりも少ない量の燃料が圧縮上死点よりも前に噴射される。
一方、運転領域A1よりも負荷が高く加速時に多用される中負荷の運転領域A2では、2回のプレ噴射Qp2と、1回のメイン噴射Qm2と、さらに1回のアフター噴射Qa2とに分けて燃料噴射弁34から燃料が噴射される。メイン噴射Qm2では、圧縮上死点付近で燃料噴射が開始され、その噴射量は10〜30mm3程度に設定される。プレ噴射Qp2では、メイン噴射Qm2よりも少ない量の燃料が圧縮上死点よりも前に噴射される。アフター噴射Qa2では、メイン噴射Qm2よりも少ない量の燃料が、メイン噴射Qm2が終了した後(膨張行程の途中)で噴射される。
なお、図示されていないA1、A2以外の運転領域での燃料噴射の形態(噴射回数、噴射タイミング、噴射量)としては種々のパターンが採用され得るが、総じていえば、メイン噴射(圧縮上死点付近で開始される燃料噴射)の噴射量は負荷が高くなるほど増大される傾向にある。このため、例えば運転領域A2よりもさらに高負荷側では、メイン噴射の噴射量が運転領域A2の場合(10〜30mm3)よりもさらに増やされることになる。
以上のような各運転領域での燃料噴射の形態は、図外のPCM(Powertrain Control Module)の制御によって実現される。即ち、PCMは、エアフローセンサ、エンジン回転速度センサ、アクセル開度センサ等(何れも不図示)の各種センサから入力された信号によりエンジンの運転状態を逐次判断し、運転状態ごとに予め設定された目標の噴射形態に適合するように燃料噴射弁34を制御する。
次に、図5乃至図8を参照して、本発明の実施形態によるピストン10の形状を説明する。
図5は、本発明の実施形態によるピストン10の斜視図であり、図6は、図5に示したピストン10の平面図であり、図7は、図5中のVII−VIIに沿って見たピストン10及びシリンダヘッド6などの部分断面図であり、図8は、図5中のVIII−VIIIに沿って見たピストン10及びシリンダヘッド6などの部分断面図である。
なお、図7及び図8では、上死点まで上昇したときのピストン10を示すとともに、図6及び図7では、燃料噴射弁34の噴孔56から噴射された燃料の噴霧を符号Fとして示している。これらの図から理解されるように、キャビティ12は、少なくともピストン10が上死点にあるときに燃料噴射弁34から噴射された燃料(噴霧F)を受け入れ可能な形状および大きさに形成されている。
図5乃至図7に示すように、キャビティ12は、いわゆるリエントラント型のキャビティとされている。即ち、キャビティ12を形成する壁面は、ほぼ山型の中央***部58と、中央***部58よりもピストン10の径方向外側に形成された平面視円形の周辺凹部60と、周辺凹部60とピストン10の冠面10aとの間(即ちキャビティ12の周縁)に形成された平面視円形のリップ部62とを有している。
中央***部58は、キャビティ12の中心側ほど燃料噴射弁34に近づくように***しており、その***の頂部が燃料噴射弁34の先端部50aの直下方に位置するように形成されている。周辺凹部60は、中央***部58と連続し、断面視でピストン10の径方向外側に凹入する円弧状をなすように形成されている。リップ部62は、周辺凹部60と連続し、図7に示すように断面視でピストン10の径方向内側に凸となる円弧状をなすように形成されている。燃料噴射弁34の各噴孔56は、リップ部62と周辺凹部60との接続部付近を指向している。
図5、図6及び図8に示すように、リップ部62には、キャビティ12の周縁からピストン10の径方向外側に凹んだ複数の切欠き部64が形成されている。各切欠き部64は、燃料噴射弁34の噴孔56の各指向方向の間に配置される。上述したように、本実施形態では、合計10個の噴孔56が周方向にほぼ等間隔に並ぶように配設されており、燃料は平面視で放射状に噴射される。したがって図6に示すように、本実施形態では、合計10個の切欠き部64が、燃料噴射弁34の噴孔56の各指向方向の間に周方向にほぼ等間隔に並ぶように配置されている。
図6に示すように、切欠き部64は、平面視でピストン10の径方向内側に突出するリップ部62の先端からピストン10の径方向外側に凹んだほぼU字形に形成されている。即ち、切欠き部64を形成する壁面は、平面視でピストン10の周方向に沿って延びる底面64aと、底面64aの両端からピストン10の径方向内側に延びる2つの側面64bと、底面64aと側面64bとを接続する隅部64cを有している。隅部64cは、半径Rの丸みを持つように形成される。平面視においてピストン10の中心と切欠き部64の底面64aの両端とを結ぶ直線が成す中心角α(切欠き部64の幅に相当する)は、本実施形態では例えば14°である。
また、底面64a及び側面64bとピストン10の冠面10aとを接続する角部64d、及び、側面64bとキャビティ12の壁面とを接続する角部64dは、半径rの丸みを持つように形成される。
切欠き部64の隅部64cの丸み径R及び角部64dの丸み径rの設定については後述する。
また、図8に示すように、切欠き部64の底面64aは、断面視でキャビティ12の底面64aからピストン10の冠面10aに向かってピストン10の径方向外側に傾斜している。切欠き部64の底面64aとピストン10の軸線方向とが成す角(すり鉢角)θは、本実施形態では例えば30°である。切欠き部64の底面64aの周辺凹部60側の端部は、周辺凹部60の周縁と連続している。
次に、図9及び図10を参照して、本発明の実施形態によるディーゼルエンジン1の作用を説明する。図9は、本発明の実施形態による燃焼室内の空気流動を概念的に示す斜視図であり、図10は、本発明の実施形態による燃焼室内の燃料噴霧と空気の流動を概念的に示す斜視図である。
上述したように、気筒2内には、吸気行程において上側から見て時計回りの吸気スワール流Sが生成され、第1及び第2の吸気ポート18、20により、気筒2内の吸気スワール流Sが強化される。
続く圧縮行程において、ピストン冠面10aの上方においてキャビティ12よりもピストン10の径方向外側を流れる吸気スワール流S(気筒2の中心軸線まわりに流れる横渦)は、図9に示すように、切欠き部64からキャビティ12の周辺凹部60へ落ち込み、中央***部58に沿ってピストン10の径方向内側へ進む。これにより、キャビティ12内には、吸気スワール流Sによる気筒2の中心軸線まわりに流れる横渦に加えて、ピストン10の径方向の速度成分を持つ空気流動Vが発生する。本実施形態によれば、周辺凹部60に沿って流れる空気流動Vのピストン10の径方向の速度成分は、切欠き部64を有しない場合の約3倍に達する。
圧縮行程が進み圧縮上死点付近で燃料噴射弁34により燃料噴射が行われると、噴孔56から噴射された燃料はリップ部62と周辺凹部60との接続部付近に到達する。
図4における運転領域A1のような低負荷域では、燃料噴射弁34からの燃料の噴射量が少ないので、燃料の噴霧Fはリップ部62と周辺凹部60との接続部付近に到達した時点でかなり減速している。したがって、噴霧Fがキャビティ12の壁面に沿って径方向内側に反転するような流れは、噴霧F自体の運動量によってはほとんど生じない。
しかしながら、吸気スワール流Sが切欠き部64からキャビティ12の周辺凹部60へ落ち込むことにより、キャビティ12内には、ピストン10の径方向の速度成分を持つ空気流動Vが存在している。したがって、図10に示すように、リップ部62と周辺凹部60との接続部付近に到達した噴霧Fは空気流動Vと合流し、キャビティ12の壁面に沿って径方向内側に反転しながら空気と混合する。これにより、燃料の噴射量が少ない低負荷域においても燃料噴霧Fと空気との混合性を向上することができ、冷却損失を低減することができる。
また、図4における運転領域A2のような中負荷域、あるいはさらに高負荷側の領域では、燃料噴射弁34からの燃料の噴射量が多いので、噴霧Fは、キャビティ12の壁面に沿って径方向内側に反転し、キャビティ12の壁面に沿ってピストン10の中心側に向けて流れるとともに、その過程で空気と反応し、燃焼する。このとき、低負荷域における冷却損失低減のために燃料噴霧Fのペネトレーションを弱めていると、キャビティ12の中心側に向かう噴霧Fの流れが弱くなる。
しかしながら、吸気スワール流Sが切欠き部64からキャビティ12の周辺凹部60へ落ち込むことにより、キャビティ12内には、ピストン10の径方向の速度成分を持つ空気流動Vが存在している。したがって、図10に示すように、リップ部62と周辺凹部60との接続部付近に到達した噴霧Fは、キャビティ12の壁面に沿って径方向内側に反転しながら空気流動Vと合流し、空気と混合する。これにより、中・高負荷域において燃料噴霧Fのペネトレーションを強めることなく燃料噴霧Fと空気との混合性を向上することができ、NOxやスート(煤)の発生量を低減することができる。
次に、図11及び図12を参照して、切欠き部64の隅部64cの丸み径R及び角部64dの丸み径rの設定について具体的に説明する。図11は本発明の実施形態による切欠き部64の隅部64cのRとキャビティ12内の空気流動Vのピストン10の径方向における最大速度との関係を示すグラフである。また、図12は、切欠き部64の隅部64cのRを5mmとした場合における、本発明の実施形態による切欠き部64の角部64dのRとキャビティ12内の空気流動Vのピストン10の径方向における最大速度との関係を示すグラフである。これらの図11及び図12に示したグラフは、圧縮行程上死点付近における気筒2内の空気流動を数値解析することにより得られたものである。
図11に示すように、切欠き部64の隅部64cの丸み径Rが大きくなるほど、キャビティ12内における空気流動Vのピストン10の径方向の最大速度は低下する。これは、隅部64cのRが大きいほど、(1)側面64bのうちピストン10の径方向と平行な部分(即ち吸気スワール流Sの流れ方向に垂直な部分)の面積が小さくなるので、吸気スワール流Sがピストン冠面10aの上方から切欠き部64を通ってキャビティ12の周辺凹部60へ落ち込むときに、側面64bに衝突してキャビティ12の中央方向へ向きを変える吸気スワール流Sの流量が減少すること、(2)吸気スワール流Sがピストン冠面10aの上方からキャビティ12の周辺凹部60へ落ち込むときに通過する切欠き部64の流路断面積が小さくなるので、ピストン冠面10aの上方から切欠き部64を通ってキャビティ12の周辺凹部60へ落ち込む吸気スワール流Sの流量が減少すること、(3)底面64aのうち法線が気筒2の中心軸線を向く部分の面積が小さくなるので、ピストン10の上昇に伴って底面64aによりキャビティ12の中央方向へ押し出される空気の流量が減少すること、等に起因すると考えられる。
したがって、ピストン10の径方向の速度成分を持つ空気流動を発生させることにより、燃料噴霧Fのペネトレーションを強めることなくキャビティ12内における空気の流動性を高め、燃料噴霧Fと空気の混合性を向上させるという観点からは、隅部64cのRは可能な限り小さい方が好ましい。
しかしながら、隅部64cのRを小さくすると、それよりもさらに小さい径の工具により隅部64cの切削加工を行わなければならず、生産性が低下してしまう。また、隅部64cのRを小さくするほど、隅部64cへの応力集中によりクラックが発生し易くなる。したがって、生産性の向上や信頼性の確保の観点からは、隅部64cのRは大きい方が好ましい。
ここで、燃料噴霧Fと空気の混合性を十分向上させるためには、キャビティ12内における空気流動Vのピストン10の径方向の最大速度が5m/s程度に達している必要がある。したがって、図11に示した隅部64cのRとキャビティ12内の空気流動Vのピストン10の径方向における最大速度との関係によれば、隅部64cのRを、生産性及び信頼性の確保に必要な大きさとしつつ最大でも5mm以下とすることにより、要求される生産性及び信頼性を確保しつつ、燃料噴霧Fと空気の混合性を十分に向上させることができる。
また、切欠き部64の隅部64cの丸み径Rが切欠き部64の幅(対向する側面64b間の距離)の1/2を超えると、切欠き部64の底面64a又は側面64bと隅部64cとの間に不連続な箇所が生じる。この不連続な箇所においては、隅部64cのRを小さくした場合と同様に、生産性の低下や応力集中による破損等の問題が起こり得る。したがって、隅部64cのRは、切欠き部64の幅の1/2以下とすることが好ましい。
また、図12に示すように、切欠き部64の角部64dの丸み径rが大きくなるほど、キャビティ12内における空気流動Vのピストン10の径方向の最大速度は低下する。これは、角部64dのrが大きいほど、(1)側面64bのうちピストン10の径方向と平行な部分(即ち吸気スワール流Sの流れ方向に垂直な部分)の面積が小さくなるので、吸気スワール流Sがピストン冠面10aの上方から切欠き部64を通ってキャビティ12の周辺凹部60へ落ち込むときに、側面64bに衝突してキャビティ12の中央方向へ向きを変える吸気スワール流Sの流量が減少すること、(2)ピストン冠面10aの上方から切欠き部64に流入した空気が、角部64dの丸みに沿って切欠き部64からピストン10の周方向に流出し易くなるので、側面64bに沿ってキャビティ12の中央方向へ向かう空気の流量が減少すること、等に起因すると考えられる。
したがって、ピストン10の径方向の速度成分を持つ空気流動を発生させることにより、燃料噴霧Fのペネトレーションを強めることなくキャビティ12内における空気の流動性を高め、燃料噴霧Fと空気の混合性を向上させるという観点からは、角部64dのrは可能な限り小さい方が好ましい。
しかしながら、角部64dのrが小さいほど、燃焼ガスに曝され且つ熱が周辺に伝達しにくい角部64dの先端がヒートスポットとなり、この角部64dの先端近傍において局所燃焼が発生してNOxやスート(煤)の発生量が増加する可能性がある。また、角部64dのrを小さくするほど、角部64dへの応力集中により破損が発生し易くなる。したがって、エミッション性能の向上や信頼性の確保の観点からは、角部64dのrは大きい方が好ましい。
ここで、上述したように、燃料噴霧Fと空気の混合性を十分向上させるためには、キャビティ12内における空気流動Vのピストン10の径方向の最大速度が5m/s程度に達している必要がある。したがって、図12に示した角部64dのRとキャビティ12内の空気流動Vのピストン10の径方向における最大速度との関係によれば、角部64dのrを、エミッション性能の向上や信頼性の確保に必要な大きさとしつつ最大でも1mm以下とすることにより、要求されるエミッション性能及び信頼性を確保しつつ、燃料噴霧Fと空気の混合性を十分に向上させることができる。
次に、本発明の実施形態のさらなる変形例を説明する。
上記した実施形態では、平面視においてピストン10の中心と切欠き部64の底面64aの両端とを結ぶ直線が成す中心角αが例えば14°であり、切欠き部64の底面64aとピストン10の軸線方向とが成す角(すり鉢角)θが例えば30°であると説明したが、切欠き部64をこれとは異なる寸法により形成してもよい。
また、上記した実施形態では、10個の噴口27を備えた燃料噴射弁34を示したが、本発明は、これとは異なる複数の噴口27を備えた燃料噴射弁34を有するエンジンにも適用可能である。
次に、上述した本発明の実施形態及び本発明の実施形態の変形例によるディーゼルエンジン1の作用効果を説明する。
まず、ピストン10の冠面10aには、キャビティ12の周縁からピストン10の径方向外側に凹んだ切欠き部64が形成されているので、ピストン冠面10aの上方においてキャビティ12よりもピストン10の径方向外側を流れるスワール流Sが切欠き部64からキャビティ12内へ流入し、キャビティ12の壁面に沿ってピストン10の径方向内側へ進む空気流動が発生する。このように、スワール流Sによる気筒2の中心軸線まわりに流れる横渦に加えて、ピストン10の径方向の速度成分を持つ空気流動を発生させることにより、燃料噴霧Fのペネトレーションを強めることなくキャビティ12内における空気の流動性を高めることができ、冷却損失の低減と、燃料噴霧Fと空気の混合性向上とを両立することができる。
また、切欠き部64の底面64aと側面64bとを接続する隅部64cの丸み径Dは5mm以下であるので、隅部64cの丸み径Dが5mmより大きい場合と比較して、ピストン冠面の上方から切込み部に流入したスワール流をより確実にキャビティの中央方向へ方向付けることができ、これにより、ピストン冠面10aの上方から切欠き部64を通ってキャビティ12の中央方向へ進む空気の流量を増大させ、燃料噴霧Fのペネトレーションを強めることなくキャビティ12内における空気の流動性を確実に高めることができる。
また、切欠き部64の隅部64cの丸み径Dは切欠き部64の幅の1/2以下であるので、切欠き部64の底面64a又は側面64bと隅部64cとの間に不連続な箇所が生じないようにすることができ、これにより、不連続な箇所の存在に起因する生産性の低下や応力集中による破損等を防止しつつ、燃料噴霧Fのペネトレーションを強めることなくキャビティ12内における空気の流動性を確実に高めることができる。
また、切欠き部64の底面64a及び側面64bとピストン冠面10aとを接続する角部64d、及び、切欠き部64の側面64bとキャビティ12の壁面とを接続する角部64dのそれぞれの丸み径rは1mm以下であるので、角部64dの丸み径rが1mmより大きい場合と比較して、ピストン冠面10aの上方から切込み部64に流入したスワール流をより確実にキャビティ12の中央方向へ方向付けることができ、これにより、ピストン冠面10aの上方から切欠き部64を通ってキャビティ12の中央方向へ進む空気の流量を増大させ、燃料噴霧Fのペネトレーションを強めることなくキャビティ12内における空気の流動性を確実に高めることができる。
特に、ピストン10の冠面10aには、複数の切欠き部64が形成されているので、キャビティ12内のより広い範囲においてピストン10の径方向の速度成分を持つ空気流動を発生させることができ、これにより、キャビティ12内における空気の流動性を一層高めることができる。
また、燃料噴射弁34には、キャビティ12内に平面視で放射状に燃料を噴霧するようにキャビティ12内を指向する複数の噴孔56が形成されているので、キャビティ12内に平面視で放射状に噴霧された燃料の流動を、ピストン10の径方向の速度成分を持つ空気流動により促進することができ、燃料噴霧Fのペネトレーションを強めることなく燃料噴霧Fと空気の混合性を一層向上することができる。
特に、切欠き部64は、複数の噴孔56の各指向方向の間に配置されているので、キャビティ12内に平面視で放射状に噴霧され、キャビティ12の壁面に沿ってピストン10の径方向内側に反転する燃料の流れと、スワール流Sが切欠き部64からキャビティ12内に流入することにより発生したピストン10の径方向の速度成分を持つ空気流動とを合流させ、キャビティ12内における燃料と空気との混合を促進することができ、これにより、燃料噴霧Fのペネトレーションを強めることなく燃料噴霧Fと空気の混合性を一層向上することができる。
1 ディーゼルエンジン
2 気筒
6 シリンダヘッド
10 ピストン
10a 冠面
12 キャビティ
18 第1の吸気ポート
20 第2の吸気ポート
22 第1の排気ポート
24 第2の排気ポート
34 燃料噴射弁
56 噴孔
58 中央***部
60 周辺凹部
62 リップ部
64 切欠き部
64a 底面
64b 側面
64c 隅部
64d 角部
S スワール流

Claims (1)

  1. シリンダが形成されたシリンダブロックと、前記シリンダの一端を覆うように前記シリンダブロック上に配設されるシリンダヘッドと、前記シリンダヘッドに対向する冠面を備え前記シリンダ内を往復動するピストンと、前記シリンダヘッドに取り付けられた燃料噴射弁とを有するディーゼルエンジンであって、
    このディーゼルエンジンは、その吸気行程および圧縮行程において、前記シリンダ内でその周方向に指向する吸気スワール流が生成されるよう構成され、
    前記ピストンの冠面には、前記シリンダヘッドとは反対側に凹んだ平面視円形のキャビティが形成され、このキャビティは、断面視でそのキャビティの中心側ほど前記燃料噴射弁に近づくように***した中央***部と、この中央***部と連続しており、断面視でピストンの径方向外側に凹となる円弧状に形成されると共に平面視で円形状に形成された周辺凹部と、この周辺凹部と連続しており、断面視で前記ピストンの径方向内側に凸となる円弧状に形成されると共に平面視で円形状に形成され、前記ピストンの冠面と連続するリップ部と、を備えるリエントラント型のキャビティであり、
    前記ピストンの冠面には、さらに、前記ピストンの径方向外側を流れる吸気スワール流が流入して前記キャビティの径方向内側に進む空気流動が発生するように、前記キャビティのリップ部から前記ピストンの径方向外側に凹んだ複数の切欠き部が形成され、
    前記燃料噴射弁には、前記キャビティ内に燃料を噴射する複数の噴孔が形成され、この燃料噴射弁の複数の噴孔は、前記キャビティ内に平面視で複数の指向方向に放射状に燃料を噴霧するよう形成され、前記複数の指向方向は、前記複数の切欠き部の間に向く方向であり、
    前記燃料噴射弁の複数の噴孔は、噴射された燃料噴霧が、前記複数の切欠き部の間において、前記キャビティのリップ部と周辺凹部との接続部付近に到達するよう指向され、
    前記ディーゼルエンジンは、その圧縮行程において、前記リップ部と前記周辺凹部との接続部付近に到達した燃料噴霧が、前記キャビティの周辺凹部の円弧状の形状、および、前記ピストンの冠面の切欠き部により発生した前記キャビティの径方向内側に進む空気流動との合流によって、前記キャビティの周辺凹部に沿って径方向内側に反転するよう構成され、
    前記切欠き部は、平面視において、前記ピストンの周方向に延びる底面と、前記ピストンの周方向における前記底面の両端からそれぞれ前記ピストンの径方向内側に延びる2つの側面とにより形成され、
    前記切欠き部の前記底面及び前記側面と前記ピストンの前記冠面とを接続する角部、及び、前記切欠き部の2つの側面とこれらの2つの側面のピストン径方向内側の周縁部において前記キャビティのリップ部とを接続する角部のそれぞれの丸み径は1mm以下であることを特徴とするディーゼルエンジン。
JP2017052233A 2017-03-17 2017-03-17 ディーゼルエンジン Expired - Fee Related JP6481968B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017052233A JP6481968B2 (ja) 2017-03-17 2017-03-17 ディーゼルエンジン

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017052233A JP6481968B2 (ja) 2017-03-17 2017-03-17 ディーゼルエンジン

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018155160A JP2018155160A (ja) 2018-10-04
JP6481968B2 true JP6481968B2 (ja) 2019-03-13

Family

ID=63717187

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017052233A Expired - Fee Related JP6481968B2 (ja) 2017-03-17 2017-03-17 ディーゼルエンジン

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6481968B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11118533B1 (en) 2020-06-02 2021-09-14 Caterpillar Inc. Piston for internal combustion engine having congruous combustion bowl and gallery surfaces and method of making the same
US11274628B2 (en) 2020-06-02 2022-03-15 Caterpillar Inc. Internal combustion engine and piston having stepped combustion bowl with non-axisymmetric profile

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2580904B (en) * 2019-01-25 2021-08-11 Jaguar Land Rover Ltd An internal combustion engine where fuel jets are directed towards pockets in the piston
GB2580905B (en) * 2019-01-25 2021-08-11 Jaguar Land Rover Ltd Piston for an internal combustion engine
JP7403405B2 (ja) * 2020-07-29 2023-12-22 ヤンマーホールディングス株式会社 ディーゼルエンジン
JP2022149420A (ja) * 2021-03-25 2022-10-06 ヤンマーホールディングス株式会社 燃焼室構造及びそれを備えるエンジン

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5412090Y2 (ja) * 1974-08-16 1979-05-29
JPH05202755A (ja) * 1992-01-27 1993-08-10 Hino Motors Ltd ディーゼルエンジン
US8459229B2 (en) * 2010-04-20 2013-06-11 Southwest Research Institute Piston bowl with spray jet targets
JP2012246859A (ja) * 2011-05-30 2012-12-13 Isuzu Motors Ltd 内燃機関及び内燃機関の燃料噴射方法
CN104981595B (zh) * 2012-12-18 2017-10-24 沃尔沃卡车集团 用于内燃发动机的气缸的活塞

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11118533B1 (en) 2020-06-02 2021-09-14 Caterpillar Inc. Piston for internal combustion engine having congruous combustion bowl and gallery surfaces and method of making the same
US11274628B2 (en) 2020-06-02 2022-03-15 Caterpillar Inc. Internal combustion engine and piston having stepped combustion bowl with non-axisymmetric profile

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018155160A (ja) 2018-10-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6481968B2 (ja) ディーゼルエンジン
JP4888330B2 (ja) 直接噴射式の内燃機関
US7165526B2 (en) Direct injection engine and controller for the same
JP6160564B2 (ja) ディーゼルエンジン
US8327822B2 (en) Diesel engine
US7225791B2 (en) Compression-ignition internal combustion engine
EP2187017B1 (en) Diesel engine, piston for diesel engine and method of manufacturing a diesel engine
EP3329107B1 (en) Opposed-piston engines with skewed combustion chamber
JP2014148947A (ja) ディーゼルエンジン
US20180230896A1 (en) Structure of combustion chamber for direct injection engine
JP5971321B2 (ja) 直噴エンジンの燃焼室構造
JP6551868B2 (ja) ディーゼルエンジン
JP6481703B2 (ja) ディーゼルエンジン
JP6786059B2 (ja) ディーゼルエンジン
KR20100098701A (ko) 직접 분사 과급 연소 엔진의 연소 챔버
JP6519633B2 (ja) エンジンの燃焼室構造
JP2017025929A (ja) ディーゼルエンジンの燃焼室構造
WO2018096592A1 (ja) ディーゼルエンジン
WO2018096591A1 (ja) ディーゼルエンジン
WO2019044647A1 (ja) エンジンの燃焼室構造
JP2008255935A (ja) 燃料直噴エンジン
JP6056841B2 (ja) 直噴エンジンの燃焼室構造
JP2017082735A (ja) エンジンのピストン
JP2005163620A (ja) 内燃機関

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180918

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181022

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181221

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6481968

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190203

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees