JP6477147B2 - 永久磁石電動機の鎖交磁束量測定方法、永久磁石電動機の鎖交磁束量測定プログラム、および永久磁石電動機の鎖交磁束量測定装置 - Google Patents

永久磁石電動機の鎖交磁束量測定方法、永久磁石電動機の鎖交磁束量測定プログラム、および永久磁石電動機の鎖交磁束量測定装置 Download PDF

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本発明は、精度高く永久磁石電動機の鎖交磁束量を測定することができる永久磁石電動機の鎖交磁束量測定方法、永久磁石電動機の鎖交磁束量測定プログラム、および永久磁石電動機の鎖交磁束量測定装置に関する。
従来から、永久磁石同期電動機を制御する場合、d軸インダクタンス、q軸インダクタンス、巻線抵抗値、永久磁石電動機の鎖交磁束量などの電動機定数を用いて制御している。これらの電動機定数の測定精度の高さは、電動機制御の精度を左右する。このため、例えば、特許文献1には、d軸インダクタンス、q軸インダクタンスを測定する技術が記載されている。
ところで、電動機定数のうち、永久磁石電動機の鎖交磁束量は、誘起電圧を回転子の回転速度で除算することによって得られる。したがって、鎖交磁束量を精度高く測定するためには、誘起電圧と回転子の回転速度とを精度高く測定する必要がある。
特開2008−086129号公報
従来の相間誘起電圧の測定には、電動機に通電せずに、電動機の回転子を外部から回転させて、被測定電動機の端子電圧を観測する方法があるが、この方法では、回転子の回転軸を直接回転させる外力を供給するための装置が必要である。また、コンプレッサ用の電動機のように、回転子の回転軸が筐体外部に露出していない場合には、外力で回転子を回転させることができない。
なお、回転子の回転軸が筐体外部に露出していない場合、インバータで電動機を回転させたのち、フリーラン状態として回転させ、惰性での回転中に相間誘起電圧を観測すると、回転子が減速するので永久磁石電動機の鎖交磁束量を正確に測定することができない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、惰性による回転子の回転であっても、精度高く永久磁石電動機の鎖交磁束量を測定することができる永久磁石電動機の鎖交磁束量測定方法、永久磁石電動機の鎖交磁束量測定プログラム、および永久磁石電動機の鎖交磁束量測定装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる永久磁石電動機の鎖交磁束量測定方法は、永久磁石電動機内の鎖交磁束量を測定する永久磁石電動機の鎖交磁束量測定方法であって、永久磁石回転子が回転している状態から前記永久磁石電動機への電力供給の停止によって前記永久磁石回転子をフリーラン状態に移行させる電力供給停止時点における永久磁石回転子の回転速度を取得するとともに該電力供給停止時点から電動機の誘起電圧を所定サンプリング周期で測定する誘起電圧測定ステップと、測定された誘起電圧の時間変化を指数関数的減衰であるとしてその減衰量を決定する減衰量決定ステップと、前記減衰量を有した減衰指数関数をもとに前記永久磁石回転子の前記回転速度の減速に対応する時系列のサンプリング時点を補正した補正サンプリング時点を求め、さらに該補正サンプリング時点における補正誘起電圧及び補正回転角度を算出する補正ステップと、前記補正誘起電圧の振幅値を算出する補正誘起電圧振幅値算出ステップと、前記補正誘起電圧の振幅値をフリーラン状態開始時の前記回転速度値で除算した値を前記永久磁石電動機の鎖交磁束量として算出する鎖交磁束量算出ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる永久磁石電動機の鎖交磁束量測定方法は、上記の発明において、永久磁石電動機内の鎖交磁束量を測定する永久磁石電動機の鎖交磁束量測定方法であって、永久磁石回転子が回転している状態から前記永久磁石電動機への電力供給の停止によって前記永久磁石回転子をフリーラン状態に移行させる電力供給停止時点における前記永久磁石回転子の回転速度を取得するとともに該電力供給停止時点から電動機の誘起電圧を所定サンプリング周期で測定する誘起電圧測定ステップと、測定された誘起電圧の時間変化を指数関数的減衰であるとしてその減衰量を決定する指数部の減衰係数を変数とした減衰指数関数を乗算した三角関数に前記誘起電圧を乗算した相関処理によって求められた相関値が最大となるときの最適減衰係数を決定する最適減衰係数決定ステップと、前記最適減衰係数を有した最適減衰指数関数をもとに前記永久磁石回転子の回転速度の減速に対応する時系列のサンプリング時点を補正した補正サンプリング時点を求め、さらに該補正サンプリング時点における補正誘起電圧及び補正回転角度を算出する補正ステップと、前記補正回転角度を変数とする基本波三角関数に前記補正誘起電圧を乗算した相関処理によって求められた相関値をもとに基本波成分の補正誘起電圧振幅値を算出する補正誘起電圧振幅値算出ステップと、前記補正誘起電圧振幅値をフリーラン状態開始時の回転速度で除算した値を前記永久磁石電動機の鎖交磁束量として算出する鎖交磁束量算出ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明にかかる永久磁石電動機の鎖交磁束量測定方法は、上記の発明において、前記最適減衰係数決定ステップ及び前記補正誘起電圧振幅値算出ステップでは、正弦波を用いた相間値及び余弦波を用いた相間値に対する2乗和の平方根を用いることを特徴とする。
また、本発明にかかる永久磁石電動機の鎖交磁束量測定プログラムは、永久磁石電動機内の鎖交磁束量を測定する永久磁石電動機の鎖交磁束量測定プログラムであって、制御部に、永久磁石回転子が回転している状態から前記永久磁石電動機への電力供給の停止によって前記永久磁石回転子をフリーラン状態に移行させる電力供給停止時点における永久磁石回転子の回転速度を取得するとともに該電力供給停止時点から電動機の誘起電圧を所定サンプリング周期で測定する誘起電圧測定ステップと、測定された誘起電圧の時間変化を指数関数的減衰であるとしてその減衰量を決定する減衰量決定ステップと、前記減衰量を有した減衰指数関数をもとに前記永久磁石回転子の前記回転速度の減速に対応する時系列のサンプリング時点を補正した補正サンプリング時点を求め、さらに該補正サンプリング時点における補正誘起電圧及び補正回転角度を算出する補正ステップと、前記補正誘起電圧の振幅値を算出する補正誘起電圧振幅値算出ステップと、前記補正誘起電圧の振幅値をフリーラン状態開始時の前記回転速度値で除算した値を前記永久磁石電動機の鎖交磁束量として算出する鎖交磁束量算出ステップと、を実行させることを特徴とする。
また、本発明にかかる永久磁石電動機の鎖交磁束量測定装置は、永久磁石電動機内の鎖交磁束量を測定する永久磁石電動機の鎖交磁束量測定装置であって、永久磁石回転子が回転している状態から前記永久磁石電動機への電力供給の停止によって前記永久磁石回転子をフリーラン状態に移行させる電力供給停止時点における永久磁石回転子の回転速度を取得するとともに該電力供給停止時点から電動機の誘起電圧を所定サンプリング周期で測定する誘起電圧測定部と、測定された誘起電圧の時間変化を指数関数的減衰であるとしてその減衰量を決定する減衰量決定部と、前記減衰量を有した減衰指数関数をもとに前記永久磁石回転子の前記回転速度の減速に対応する時系列のサンプリング時点を補正した補正サンプリング時点を求め、さらに該補正サンプリング時点における補正誘起電圧及び補正回転角度を算出する補正部と、前記補正誘起電圧の振幅値を算出する補正誘起電圧振幅値算出部と、前記補正誘起電圧の振幅値をフリーラン状態開始時の前記回転速度値で除算した値を前記永久磁石電動機の鎖交磁束量として算出する鎖交磁束量算出部と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、永久磁石回転子が回転している状態から永久磁石電動機への電力供給の停止によって前記永久磁石回転子をフリーラン状態に移行させる電力供給停止時点における永久磁石回転子の回転速度を取得するとともに該電力供給停止時点から電動機の誘起電圧を所定サンプリング周期で測定し、測定された誘起電圧の時間変化を指数関数的減衰であるとしてその減衰量を決定し、前記減衰量を有した減衰指数関数をもとに前記永久磁石回転子の前記回転速度の減速に対応する時系列のサンプリング時点を補正した補正サンプリング時点を求め、さらに該補正サンプリング時点における補正誘起電圧及び補正回転角度を算出し、前記補正誘起電圧の振幅値を算出し、前記補正誘起電圧の振幅値をフリーラン状態開始時の前記回転速度値で除算した値を前記永久磁石電動機の鎖交磁束量として算出するようにしている。これによって、回転子が惰性で回転し、摩擦や回転負荷による影響で減速していく場合であっても、精度高く永久磁石電動機の鎖交磁束量を測定することができる。
図1は、本発明の実施の形態である永久磁石電動機の鎖交磁束量測定装置を含む構成を示すブロック図である。 図2は、図1に示した電動機内における永久磁石回転子と各相コイルとの位置関係を示す模式図である。 図3は、永久磁石電動機の鎖交磁束量測定装置内の相間誘起電圧測定部が測定した相間誘起電圧の時間波形の一例を示す図である。 図4は、減衰指数関数と、正弦減衰関数及び余弦減衰関数との関係を示す図である。 図5は、減衰指数関数の減衰係数を変化させた場合における全体相関値の大きさの変化の一例を示す図である。 図6は、補正相間誘起電圧と、全体相関値の大きさと位相を有した基本波の三角関数との関係を示す図である。 図7は、永久磁石電動機の鎖交磁束量測定装置による永久磁石電動機の鎖交磁束量測定処理手順を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
(全体構成)
図1は、本発明の実施の形態である永久磁石電動機の鎖交磁束量測定装置10(以下、鎖交磁束量測定装置10という)を含む構成を示すブロック図である。図1において、鎖交磁束量測定装置10は、電動機制御装置1によって駆動制御される永久磁石電動機MO(以下、電動機MOという)内の鎖交磁束量を測定する。
(永久磁石電動機)
図2に示すように、永久磁石電動機MOは、U相、V相、W相の各相の巻線がそれぞれ巻回されたU相コイル31、V相コイル32、W相コイル33を有し、各相コイル31〜33の巻線に交流電圧が印加されることによって永久磁石回転子(以下、回転子という)30が回転する永久磁石同期電動機である。好ましくは、永久磁石埋め込み型電動機である。駆動部3は、電気角で120°ずつ位相がずれた交流電圧を各相コイル31〜33に供給して回転子30を駆動する。
(電動機制御装置)
図1に示すように、電動機制御装置1は、非干渉化制御部6を含む電圧指令生成部2、駆動部3、電流検出部4、及び位相/角速度検出部5を有する。電流検出部4は、少なくとも2相の電流の振幅を検出する。例えば、電流検出部4は、U相の電流iuの振幅を検出する電流センサ41と、V相の電流ivの振幅を検出する電流センサ42とを有する。
位相/角速度検出部5は、電流iuと電流ivとからW相の電流iwを算出し、この電流iwと、検出された電流iu及び電流ivとから得られる固定座標系(UVW座標系)の電流ベクトル(iu,iv,iw)を回転座標系(dq座標系)の電流ベクトル(Id,Iq)に変換する。そして、位相/角速度検出部5は、電流Id、電流Iq、回転子30の電気角θe(rad)、機械角角速度ωm(rad/s)を電圧指令生成部2に出力する。なお、電気角θeは駆動部3に出力され、電気角角速度ωeは鎖交磁束量測定装置10に出力される。なお、機械角角速度ωmは電気角角速度ωeを電動機MOの極対数Pnで除算することによって得られ、この際に得られた電気角角速度ωeが鎖交磁束量測定装置10に出力される。位相/角速度検出部5は、鎖交磁束量測定装置10に電気角角速度ωeでなく機械角角速度ωmを出力するようにしてもよい。この場合、鎖交磁束量測定装置10は、入力された機械角角速度ωmに極対数Pnを乗算することによって電気角角速度ωeを得ることができる。なお、極対数Pnは、定数として予め図示しない記憶部に保持される。ちなみに、本実施の形態では永久磁石電動機MOの制御を、いわゆるベクトル制御で行うが、本発明はこれに限られない。すなわち、以下でも説明するように、回転子30を所定回転数で回転させた状態からフリーラン状態に移行することができれば、どのような制御を用いても良い。
電圧指令生成部2は、上位の図示しない外部コントローラから、d軸電流指令値Ido*、及び機械角角速度指令ωm*を受け、入力された電流Id、電流Iq、電気角θe、機械角角速度ωm、及び機械角角速度指令ωm*に応じて、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*を生成し、駆動部3に出力する。なお、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*は、位相/角速度検出部5にも出力され、位相/角速度検出部5は、d軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*、及び、電流Id及び電流Iqをもとに、回転子30の実際の位置と算出した位置とのずれである軸誤差Δθを求め、この軸誤差Δθをもとに、上述した電気角角速度ωeを算出する。位相/角速度検出部5は、電気角角速度ωeを極対数Pnで除算した機械角角速度ωmを出力し、電気角角速度ωeを積分した電気角θeを出力する。
非干渉化制御部6は、d軸電圧指令値Vd*とq軸電圧指令値Vq*との干渉化を防ぐため、電気角角速度ωe、電流Id、電流Iqをもとに、d軸電圧指令値Vd*とq軸電圧指令値Vq*との各補正値を出力する。この非干渉化制御部6は、予め求められた電動機MOの電動機定数である、d軸インダクタンス、q軸インダクタンス、巻線抵抗値、電動機MOの鎖交磁束量などを用いて電動機MOの駆動電圧を補正する。上述した鎖交磁束量測定装置10は、電動機MOの鎖交磁束量を予め測定するための装置である。なお、鎖交磁束量の測定時には、非干渉化測定部6に適当な磁束値で代用して、電動機MOを駆動する。また、鎖交磁束測定装置10は、電動機MOの鎖交磁束量を測定するときのみに電動機制御装置1に接続されることが好ましい。
駆動部3は、電圧指令生成部2から入力されたd軸電圧指令値Vd*及びq軸電圧指令値Vq*、及び、位相/角速度検出部5から入力された電気角θeをもとに、3相のU相電圧指令値Vu*、V相電圧指令値Vv*、W相電圧指令値Vw*を生成する。駆動部3は、生成されたU相電圧指令値Vu*、V相電圧指令値Vv*、W相電圧指令値Vw*をもとに、外部から入力された外部直流電圧Vdcを3相の交流電圧であるU相電圧、V相電圧、W相電圧に変換し、電動機MOの各相コイル31〜33に供給する。
(鎖交磁束量測定装置の構成)
図1に示すように、鎖交磁束量測定装置10には、電動機制御装置1から、電気角角速度ωe、電力供給の停止信号SGが入力され、電圧検出部20から、電圧検出センサ21によって検出されたU相電圧Vu、及び電圧検出センサ22によって検出されたV相電圧Vvが入力される。
鎖交磁束量測定装置10は、制御部CT、入出力部16、及び記憶部17を有する。また、制御部CTは、誘起電圧測定部11、減衰量決定部12、補正部13、補正誘起電圧振幅値算出部14、及び鎖交磁束量算出部15を有する。
なお、U相コイル31、V相コイル32、W相コイル33の各相間(電動機端子間)の相間誘起電圧は、電動機MOの鎖交磁束量(各相のコイルと鎖交する磁束量)の時間変化であり、電動機MOの鎖交磁束量と回転子30の角速度との積である。したがって、式(1)に示すように、電動機MOの鎖交磁束量Ψeは、誘起電圧の振幅値Euvを電気角角速度ωeで除算した値として求めることができる。ここで、鎖交磁束量Ψeは、電気角角速度における鎖交磁束量である。
Ψe=Euv/ωe …(1)
ただし、電動機制御装置1による制御は、回転座標系(dq座標系)を用いた制御を行い、この回転座標系では、鎖交磁束量Ψeの実効値(Ψe/2^(1/2))である鎖交磁束実効量Ψreが用いられる。この鎖交磁束実効量Ψreは、相間波高値電圧Euvを相間電圧実効値Eruvとすることによって得られる。すなわち、鎖交磁束実効量Ψreは、式(2)によって得られる。
Ψre=Eruv/ωe …(2)
まず、誘起電圧測定部11は、電動機MO内の回転子30が一定回転数Nで回転している状態から電動機MOへの電力供給を停止して回転子30をフリーラン状態に移行させる電力供給停止信号SGの受信時点の電気角角速度ωeを取得するとともに、電力供給停止信号SGの受信時点から電動機端子(コイル31〜33)間の相間誘起電圧、例えばU相コイル31とV相コイル32との間の相間誘起電圧Vuvを所定サンプリング周期Tsで測定する。
フリーラン状態は、駆動部3から電流を電動機MO側に供給せずに電動機制御装置1側をハイインピーダンス状態にし、惰性で回転子30を回転させる状態である。したがって、回転子30は、フリーラン状態では、摩擦や負荷による影響で減速する。
また、相間誘起電圧Vuvは、電圧検出センサ21が検出したU相電圧Vuから電圧検出センサ22が検出したV相電圧Vvを減算することによって得られる。なお、相間誘起電圧Vuvに替えて、相間誘起電圧Vvw、Vwuであってもよい。
相間誘起電圧Vuvのサンプリングは、鎖交磁束量測定装置10に対してサンプリング数mと、測定したい周期数Cとを指示することによってサンプリング周期Tsを可変できる。このサンプリング周期Tsは、次式(3)によって得られる。
Ts=(Pn×C)/N×(1/m) …(3)
なお、実際の測定では、回転子30がフリーラン状態で回転子30が減速するため、指示した周期数Cより少ない周期のデータとなる。
図3は、誘起電圧測定部11が測定した相間誘起電圧Vuvの時間波形を示す図である。図3の●で示すプロットは、サンプリング時点での相間誘起電圧Vuvであり、実線は、各プロットを直線補間した値である。サンプリング数は、全部でm個である。t(n)は、n番目のサンプリング時点を示している。図3に示すように、相間誘起電圧Vuvは、フリーラン状態になった時点t(0)から摩擦と負荷とによって減速し、波高値も減少している。
減衰量決定部12は、測定された相間誘起電圧Vuvの時間変化を指数関数的減衰であるとして、その減衰量を決める減衰係数αを変数とした減衰指数関数η(n)を乗算した三角関数に、相間誘起電圧Vuv(n)を乗算した相関処理によって求められた相関値が最大となるときの最適減衰係数αmaxを決定する。
まず、減衰量決定部12は、減衰指数関数η(n)を、時間に対する正規化減衰関数とし、指数関数の減衰量を決める変数として指数部の減衰係数αを用いて次式(4)として定義する。
η(n)=exp{−α×t(n)} …(4)
なお、上述したように、nは、0〜m−1である。
また、各サンプリング時点nにおける電気角角速度ωe(n)は、フリーラン状態開始時t(0)における電気角角速度ωe(0)に対して、減衰指数関数η(n)に対応して次式(5)に示すように減衰するものとして電気角角速度ωeη(n)を定義する。
ωeη(n)=η(n)×ωe(0) …(5)
電気角角速度ωeη(n)にサンプリング間隔時間(t(n)−t(n−1))を乗算してサンプリング間隔時間(t(n)−t(n−1))における電気角差Δθ(n)は、次式(6)のようになる。また、各サンプリング時点t(n)における永久磁石回転子30の回転角度θ(n)は、次式(7)で表せる。ここで、回転角度θ(n)は電気角である。
Δθ(n)={t(n)−t(n−1)}×ωeη(n) …(6)
θ(n)=θ(n−1)+Δθ(n) …(7)
そして次式(8)、(9)に示すように、式(7)の回転角度θ(n)を用いて、減衰指数関数η(n)が乗算された三角関数の正弦成分である正弦減衰関数Sη(n)と余弦成分である余弦減衰関数Cη(n)とを生成する。
Sη(n)=η(n)×sin{θ(n)} [0≦θ(n)≦2kπ]
Sη(n)=0 [θ(n)>2kπ] …(8)
Cη(n)=η(n)×cos{θ(n)} [0≦θ(n)≦2kπ]
Cη(n)=0 [θ(n)>2kπ] …(9)
ただし、kは、電気角周期数であり、サンプリング数mを超えない周期数である。なお、図4は、減衰指数関数η(n)と、生成された正弦減衰関数Sη(n)及び余弦減衰関数Cη(n)との関係を示す図である。
さらに、式(10)、(11)に示すように、計測された相関誘起電圧Vuv(n)と正弦減衰関数Sη(n)との相関処理、及び相関誘起電圧Vuvと余弦減衰関数Cη(n)との相関処理を行って、それぞれの相関値Esin,Ecosを求める。
Figure 0006477147
Figure 0006477147
ここで、一般に関数と関数とを乗算した相関処理の値は、2つの関数の類似度を示す。例えば、2つの関数の乗算値が大きければ、2つの関数は似ており、2つの関数の乗算値が小さければ、2つの関数は、あまり似ていないことになる。特に、2つの関数の乗算値が0の場合は、直交関係であり、無関係であると言える。
そして、相間誘起電圧Vuv(n)と正弦減衰関数Sη(n)との相関値Esinと、相間誘起電圧Vuv(n)と余弦減衰関数Cη(n)との相関値Ecosとを用いた次式(12)、(13)によって、全体相関値Euvの大きさ|Euv|と位相φとがそれぞれ求められる。全体相関値Euvの大きさ|Euv|(振幅)及び位相φは、相間する三角関数の振幅|Euv|と位相φを意味する。全体相関値Euvの大きさ|Euv|は、相関値Esinと相関値Ecosとの2乗和の平方根の値である。
Figure 0006477147
Figure 0006477147
なお、式(10)、(11)における(1/kπ)は、フーリエ係数と同様に、相関値の一致度を調整するための係数である。式(10)、(11)の2式から得られる全体相関値Eruvの大きさ|Eruv|は、式(12)に示すように、相関値Esinと相関値Ecosとの2乗和の平方根の実効値(|Euv|/2^(1/2))として求められる。また、全体相関値Eruvの位相φは、式(13)に示すように、相関値Esinを相関値Ecosで除算した値のarctanとして求められる。
ところで、上述した減衰指数関数η(n)の減衰係数αは、変数である。そこで、変数の値を変化させて上述した全体相関値Eruvの大きさ|Eruv|の値の変化を求めると、図5に示すように変化し、全体相関値Eruvの大きさ|Eruv|が最大となる減衰係数αの最適値(最適減衰係数)αmaxを有する。図5では、最適減衰係数αmaxは、減衰係数αが2〜3の間に存在する。例えば、最適減衰係数αmaxは、2.5である。なお、減衰係数αが最大値近傍では、減衰係数αの値の変化が少ないので、ノイズによる誤検出を避けるため、減衰係数αを移動平均した値としている。減衰係数αが最適減衰係数αmaxのときの減衰指数関数η(n)は、相関誘起電圧Vuvの時間変化に最も相関するものであると言える。このようにして、減衰量決定部12は、最適減衰係数αmaxを決定する。
次に、補正部13は、最適減衰係数αmaxを有した最適減衰指数関数ηα(n)を用いて、計測した相関誘起電圧Vuvを、フリーラン状態後の回転子30の減速がないものとした相関誘起電圧Vuvに戻すための逆変換を行うため、回転子30の電気角角速度ωeの減速に対応する時系列のサンプリング時点t(n)を、回転子30が減速しない状態に補正した補正サンプリング時点t´(n)を求め、さらに補正サンプリング時点t´(n)における補正相間誘起電圧Vuv´(n)及び補正回転角度θ´(n)を算出する。
補正サンプリング時点t´(n)は、次式(14)で表すことができる。
t´(n)=t´(n−1)+{t(n)−t(n−1)}×ηα(n)
…(14)
また、補正相間誘起電圧Vuv´(n)は、次式(15)で表すことができる。
Vuv´(n)=Vuv(n)/ηα(n) …(15)
さらに、補正サンプリング時点間隔時間(t´(n)−t´(n−1))における補正電気角差Δθ´(n)は、次式(16)で表すことができる。
Δθ´(n)=ωe×{(t´(n)−t´(n−1))} …(16)
また、補正サンプリング時刻t´(n)での補正回転角度θ´(n)は、次式(17)で表すことができる。
θ´(n)=ωe(0)×t´(n) …(17)
次に、補正誘起電圧振幅値算出部14は、補正回転角度θ´(n)を変数とする基本波三角関数に補正相間誘起電圧Vuv´(n)を乗算した相関処理によって求められた相関値をもとに補正相間誘起電圧実効値E´ruvを算出する。
すなわち、補正誘起電圧振幅値算出部14は、まず、次式(18)、(19)に示すように、補正回転角度θ´(n)を用いて、補正サンプリング時点t´(n)での三角関数の基本波正弦成分である補正正弦波関数S(n)と基本波余弦成分である補正余弦波関数C(n)とを生成する。
S(n)=sin{θ´(n)} [0≦θ´(n)≦2kπ]
S(n)=0 [θ´(n)>2kπ] …(18)
C(n)=cos{θ´(n)} [0≦θ´(n)≦2kπ]
C(n)=0 [θ´(n)>2kπ] …(19)
ただし、kは、電気角周期数であり、サンプリング数mを超えない周期数である。
さらに、式(20)、(21)に示すように、補正相関誘起電圧V´uvと補正正弦波関数S(n)との相関処理、及び補正相関誘起電圧V´uvと補正余弦波関数C(n)との相関処理を行って、それぞれの相関値E´sin,E´cosを求める。
Figure 0006477147
Figure 0006477147
そして、補正相関誘起電圧V´uvと補正正弦波関数S(n)との相関値E´sinと、補正相関誘起電圧V´uvと補正余弦波関数Cη(n)との相関値E´cosとを用いた次式(22)、(23)によって、全体相関値E´uvの大きさ|E´uv|と位相φ´とがそれぞれ求められる。
Figure 0006477147
Figure 0006477147
この場合における全体相関値E´ruvの大きさ|E´ruv|は、式(22)に示すように、相関値E´sinと相関値E´cosとの2乗和の平方根の実効値(|E´uv|/2^(1/2))として求められる。また、全体相関値E´ruvの位相φ´は、式(13)に示すように、相関値E´sinを相関値E´cosで除算した値のarctanとして求められる。図6は、補正相間誘起電圧V´uvと、式(22)の大きさ|E´ruv|(実効値)と式(23)の位相を有した基本波の三角関数fとの関係を示す図である。式(20)、(21)に示した相関処理によって、図6に示すように、補正相間誘起電圧V´uvから基本波成分の補正相間誘起電圧V´uv1が抽出されたことになる。すなわち、全体相関値E´ruvの大きさ|E´ruv|は、補正相間誘起電圧V´uv1の実効値であって、補正相間誘起電圧V´uvから基本波成分を抽出した値に相当する。
鎖交磁束量算出部15は、補正誘起電圧振幅値算出部14によって算出された補正相間誘起電圧実効値E´ruvをフリーラン状態開始時の電気角角速度ωe(0)で除算した値を電動機MOの鎖交磁束量として算出する。すなわち、式(1)の相関誘起電圧Eruvを補正相間誘起電圧実効値E´ruvとし、電気角角速度ωeを電気角角速度ωe(0)として、鎖交磁束実効量Ψreを求める。電動機制御装置1による制御は、相間誘起電圧の基本波成分の値と実効値とを用いて制御する場合が多く、上述した鎖交磁束実効量Ψreは、そのまま制御量として用いることができるので好適である。
入出力部16は、タッチパネルなどによって実現される入出力インターフェースである。記憶部17は、メモリやハードディスクによって実現される。鎖交磁束量算出部15で求められた鎖交磁束実効量Ψreは、記憶部17に記憶される。また、鎖交磁束量算出部15で求められた鎖交磁束実効量Ψreは、入出力部16から出力される。入出力部16から出力され、あるいは記憶部17に記憶された鎖交磁束実効量Ψreは、その後、電動機制御装置1内に設定される。
(鎖交磁束量測定処理)
ここで、図7に示したフローチャートを参照して、鎖交磁束量測定装置10による鎖交磁束量測定処理手順について説明する。まず、誘起電圧測定部11は、電動機MO内の回転子30が一定回転数Nで回転している状態から電動機MOへの供給電力の停止によって回転子30をフリーラン状態に移行させる電力供給停止信号SGの受信時点の電気角角速度ωeを取得するとともに、電力供給停止信号SGの受信時点からU相コイル31とV相コイル32との間の相間誘起電圧Vuvを所定サンプリング周期Tsで測定する(ステップS101)。
その後、減衰量決定部12は、測定された相間誘起電圧Vuvの時間変化を指数関数的減衰であるとして減衰係数αを変数とした減衰指数関数η(n)を乗算した三角関数に相間誘起電圧Vuv(n)を乗算した相関処理によって求められた相関値が最大となるときの最適減衰係数αmaxを決定する(ステップS102)。
補正部13は、最適減衰係数αmaxを有した最適減衰指数関数ηα(n)を用いて、計測した相関誘起電圧Vuvを、フリーラン状態後の回転子30の減速がないものとした相関誘起電圧Vuvに戻すための逆変換を行うため、回転子30の電気角角速度ωeの減速に対応する時系列のサンプリング時点t(n)を、回転子30が減速しない状態に補正した補正サンプリング時点t´(n)を求め、さらに補正サンプリング時点t´(n)における補正相間誘起電圧Vuv´(n)及び補正回転角度θ´(n)を算出する(ステップS103)。
補正誘起電圧振幅値算出部14は、補正回転角度θ´(n)を変数とする基本波三角関数に補正相間誘起電圧Vuv´(n)を乗算した相関処理によって求められた相関値をもとに補正相間誘起電圧実効値E´ruvを算出する(ステップS104)。
鎖交磁束量算出部15は、補正誘起電圧振幅値算出部14によって算出された補正相間誘起電圧実効値E´ruvをフリーラン状態開始時の電気角角速度ωe(0)で除算した値を電動機MOの鎖交磁束量として算出し(ステップS105)、本処理を終了する。
なお、上述した鎖交磁束量測定処理手順は、鎖交磁束量測定装置10に実行させるプログラムとして、記憶部17に記憶され、制御部CTによって読み出されることによって実行される。そして、このプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルデータでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)、USB媒体、フラッシュメモリ等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供される。
また、鎖交磁束量測定装置10に実行させるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。さらに、鎖交磁束量測定装置10に実行させるプログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
上述した実施の形態では、コンプレッサなどに設けられる電動機MOのように回転子30の回転軸が筐体外部に露出していない場合であっても、所定の処理手順や所定のプログラムによって、フリーラン状態の電動機MOの鎖交磁束量を自動的に測定することができる。したがって、測定者によって精度が左右されず、精度の高い測定が可能となる。特に、実際に測定される相間誘起電圧には高周波成分が含まれており、目視では、基本波成分の相間誘起電圧を精度高く測定することが困難である。
また、上述した実施の形態では、相間誘起電圧の減衰関数として1次関数ではなく、減衰指数関数を用いているので、測定結果を補正することで、精度の高い測定が可能となる。特に、指数関数は、時点が0のときの値が1であるため、関数の正規化が容易となる。
なお、上述した実施の形態で測定した鎖交磁束量の値は、外部の回転装置を用いて回転子30を回転させた場合と同程度の高い精度で得ることができた。
なお、上述した実施の形態では、相間誘起電圧を検出し、検出した相間誘起電圧から永久磁石電動機の鎖交磁束量を算出しているが、各相の誘起電圧を検出して、鎖交磁束量を算出してもよい。
また、上述した実施の形態では、誘起電圧測定部11が永久磁石電動機の鎖交磁束量測定装置10に設けられているが、本発明はこれに限られず、例えば電動機制御装置1に誘起電圧測定部11が設けられていてもよい。この場合には、例えば回転子30のフリーラン状態への移行時の電気角角速度ωeを電動機制御装置1で取得すると共に、フリーラン状態への移行時点から誘起電圧測定部11により電動機端子間の相関誘起電圧を測定して、前記電気角角速度ωeと誘起電圧とを電動機制御装置1に設けた記憶部で記憶しておくとよい。この構成の場合には、電動機制御装置1の記憶部で記憶したデータを永久磁石電動機の鎖交磁束量測定装置10と送受信すればよいため、角速度や誘起電圧をリアルタイムで送受信する必要がなくなる。また、電動機制御装置1と永久磁石電動機の鎖交磁束量測定装置10とが離れて設置されていても、データを送受信することで、鎖交磁束量の測定が可能となる。
1 電動機制御装置
2 電圧指令生成部
3 駆動部
4 電流検出部
5 位相/角速度検出部
6 非干渉化制御部
10 永久磁石電動機の鎖交磁束量測定装置
11 誘起電圧測定部
12 減衰量決定部
13 補正部
14 補正誘起電圧振幅値算出部
15 鎖交磁束量算出部
16 入出力部
17 記憶部
20 電圧検出部
21,22 電圧検出センサ
30 永久磁石回転子
31 U相コイル
32 V相コイル
33 W相コイル
41,42 電流センサ
CT 制御部
MO 永久磁石電動機
SG 電力供給停止信号
Vdc 外部直流電圧
αmax 最適減衰係数
ωm 機械角角速度
ωm* 機械角角速度指令
ωe 電気角角速度
θe 回転角度
Id,Iq,iu,iv 電流
Vd* d軸電圧指令値
Vq* q軸電圧指令値
Vu U相電圧
Vv V相電圧

Claims (5)

  1. 永久磁石電動機内の鎖交磁束量を測定する永久磁石電動機の鎖交磁束量測定方法であって、
    永久磁石回転子が回転している状態から前記永久磁石電動機への電力供給の停止によって前記永久磁石回転子をフリーラン状態に移行させる電力供給停止時点における永久磁石回転子の回転速度を取得するとともに該電力供給停止時点から電動機の誘起電圧を所定サンプリング周期で測定する誘起電圧測定ステップと、
    測定された誘起電圧の時間変化を指数関数的減衰であるとしてその減衰量を決定する減衰量決定ステップと、
    前記減衰量を有した減衰指数関数をもとに前記永久磁石回転子の前記回転速度の減速に対応する時系列のサンプリング時点を補正した補正サンプリング時点を求め、さらに該補正サンプリング時点における補正誘起電圧及び補正回転角度を算出する補正ステップと、
    前記補正誘起電圧の振幅値を算出する補正誘起電圧振幅値算出ステップと、
    前記補正誘起電圧の振幅値をフリーラン状態開始時の前記回転速度値で除算した値を前記永久磁石電動機の鎖交磁束量として算出する鎖交磁束量算出ステップと、
    を含むことを特徴とする永久磁石電動機の鎖交磁束量測定方法。
  2. 永久磁石電動機内の鎖交磁束量を測定する永久磁石電動機の鎖交磁束量測定方法であって、
    永久磁石回転子が回転している状態から前記永久磁石電動機への電力供給の停止によって前記永久磁石回転子をフリーラン状態に移行させる電力供給停止時点における前記永久磁石回転子の回転速度を取得するとともに該電力供給停止時点から電動機の誘起電圧を所定サンプリング周期で測定する誘起電圧測定ステップと、
    測定された誘起電圧の時間変化を指数関数的減衰であるとしてその減衰量を決定する指数部の減衰係数を変数とした減衰指数関数を乗算した三角関数に前記誘起電圧を乗算した相関処理によって求められた相関値が最大となるときの最適減衰係数を決定する最適減衰係数決定ステップと、
    前記最適減衰係数を有した最適減衰指数関数をもとに前記永久磁石回転子の回転速度の減速に対応する時系列のサンプリング時点を補正した補正サンプリング時点を求め、さらに該補正サンプリング時点における補正誘起電圧及び補正回転角度を算出する補正ステップと、
    前記補正回転角度を変数とする基本波三角関数に前記補正誘起電圧を乗算した相関処理によって求められた相関値をもとに基本波成分の補正誘起電圧振幅値を算出する補正誘起電圧振幅値算出ステップと、
    前記補正誘起電圧振幅値をフリーラン状態開始時の回転速度で除算した値を前記永久磁石電動機の鎖交磁束量として算出する鎖交磁束量算出ステップと、
    を含むことを特徴とする永久磁石電動機の鎖交磁束量測定方法。
  3. 前記最適減衰係数決定ステップ及び前記補正誘起電圧振幅値算出ステップでは、正弦波を用いた相間値及び余弦波を用いた相間値に対する2乗和の平方根を用いることを特徴とする請求項2に記載の永久磁石電動機の鎖交磁束量測定方法。
  4. 永久磁石電動機内の鎖交磁束量を測定する永久磁石電動機の鎖交磁束量測定プログラムであって、
    制御部に、
    永久磁石回転子が回転している状態から前記永久磁石電動機への電力供給の停止によって前記永久磁石回転子をフリーラン状態に移行させる電力供給停止時点における永久磁石回転子の回転速度を取得するとともに該電力供給停止時点から電動機の誘起電圧を所定サンプリング周期で測定する誘起電圧測定ステップと、
    測定された誘起電圧の時間変化を指数関数的減衰であるとしてその減衰量を決定する減衰量決定ステップと、
    前記減衰量を有した減衰指数関数をもとに前記永久磁石回転子の前記回転速度の減速に対応する時系列のサンプリング時点を補正した補正サンプリング時点を求め、さらに該補正サンプリング時点における補正誘起電圧及び補正回転角度を算出する補正ステップと、
    前記補正誘起電圧の振幅値を算出する補正誘起電圧振幅値算出ステップと、
    前記補正誘起電圧の振幅値をフリーラン状態開始時の前記回転速度値で除算した値を前記永久磁石電動機の鎖交磁束量として算出する鎖交磁束量算出ステップと、
    を実行させることを特徴とする永久磁石電動機の鎖交磁束量測定プログラム。
  5. 永久磁石電動機内の鎖交磁束量を測定する永久磁石電動機の鎖交磁束量測定装置であって、
    永久磁石回転子が回転している状態から前記永久磁石電動機への電力供給の停止によって前記永久磁石回転子をフリーラン状態に移行させる電力供給停止時点における永久磁石回転子の回転速度を取得するとともに該電力供給停止時点から電動機の誘起電圧を所定サンプリング周期で測定する誘起電圧測定部と、
    測定された誘起電圧の時間変化を指数関数的減衰であるとしてその減衰量を決定する減衰量決定部と、
    前記減衰量を有した減衰指数関数をもとに前記永久磁石回転子の前記回転速度の減速に対応する時系列のサンプリング時点を補正した補正サンプリング時点を求め、さらに該補正サンプリング時点における補正誘起電圧及び補正回転角度を算出する補正部と、
    前記補正誘起電圧の振幅値を算出する補正誘起電圧振幅値算出部と、
    前記補正誘起電圧の振幅値をフリーラン状態開始時の前記回転速度値で除算した値を前記永久磁石電動機の鎖交磁束量として算出する鎖交磁束量算出部と、
    を備えたことを特徴とする永久磁石電動機の鎖交磁束量測定装置。
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