JP6474180B1 - 硬化グラウトの地下水下地盤注入方法 - Google Patents

硬化グラウトの地下水下地盤注入方法 Download PDF

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Abstract

【課題】地下水下の地盤に充填されて希釈されてもグラウトがゲル化タイムの遅延が少なく、且つ、早期強度の発現が充分である硬化グラウトの地下水下地盤注入方法を提供する。【解決手段】硬化グラウトを、1m3あたりセメント500〜1,200kgを含んだセメントミルクのA液に、モル比2.5〜4.0のSiO2の容量で20〜35%の濃度の水ガラスのB液を、A液1m3に対して130〜500Lの比率で混合したものであり、前記硬化グラウトが地下水で3倍以内の所定の希釈倍率に希釈されることを想定して、希釈前の基本配合のゲルタイムと比べて想定した前記所定の希釈倍率に水で希釈されたゲルタイムの遅延が15秒以内で、且つ、前記所定の希釈倍率に水で希釈された3時間後の一軸圧縮強度が0.15N/mm2以上となるように配合した前記硬化グラウトを地下水下地盤に注入する。【選択図】なし

Description

本発明は、止水と地盤強化のために硬化グラウトを地下水下の地盤に注入する硬化グラウトの地下水下地盤注入方法に関するものである。詳しくは、本発明は、セメントミルクのA液に少量の高濃度水ガラス液のB液を比例注入したグラウトが地下水に希釈されてもゲル化時間の遅延が少なく、且つ、早期強度の発現を発揮することができる硬化グラウトの地下水下地盤注入方法に関するものである。
従来、地下水下の地盤の止水や地盤強化を図る方法として、地盤注入薬液(以下、グラウトという)が用いられている。しかし、このうち山岳等の破砕帯やクラック等の流動高被圧水や砂礫層中の伏流水等の止水、山岳トンネルの破砕帯や透水地盤の掘削時に発生する湧水の防止(水止め)は、非常に困難であった。そのため、有効な止水グラウトが切望されていた。
また、地震、台風、豪雨当の自然災害等で地下水下の地盤が崩壊したり、土砂流出等で水洞(水で充填された空洞)が発生したりした場合、速やかに補強、補修のための手段としてグラウトを注入充填する必要がある。
特に、併用中(使用中)の道路、鉄道等の地下水下の地盤に発生した土砂流出や水洞は、至急(通常3時間が目標とされている)現状復帰することが求められる。
また、注入工法のうち、ロット注入工法は、地盤の削孔やロットの脱着時に多量の水を使うため、地下水下でなくともグラウトは希釈される。
以上のように、地下水下の地盤の水やロット注入工法に起因する止水、湧水防止や水洞に充填するグラウトには、水に希釈されても、ゲル化時間の遅延が少なく、且つ、早期に強度発現するグラウトが求められている。
従来、このような地下水下の地盤へ注入する止水・地盤強化のためのグラウトとしては、溶液型グラウトが知られている(非特許文献1の38頁、図2,28等参照)。この溶液型グラウトは、高濃度の水ガラスとアルミン酸ソーダとからなり、水に希釈されるとかえってゲル化時間が短く、且つ、ホモゲル強度が約0.8N/mm2である特異な性質をもったグラウトとして知られており、地下水下の地盤においても止水効果を発揮していた。
しかし、この種の溶液型グラウトに含まれるアルミン酸ソーダによる人体への健康障害が知られようになり、1974年に暫定指針が制定され、アルミン酸ソーダが劇物に指定されているためグラウトとしては使用禁止されるに至った(非特許文献1の225頁〜235頁参照)。
その後、地下水に希釈されてもゲル化時間が遅延され難たく、且つ、地下水圧に耐え得る早期強度が発現するグラウトは、現在に至っても出現していないのが現状である。
地下水下の地盤にグラウトを注入すると、グラウトは必ず水に希釈される。しかし、従来では、多量の水に希釈されるグラウトであっても、設計時に考慮されることなく、目的とする用途の応じたゲル化時間や強度(28日)は、配合時の値を基準にして設定されている。
通常、一定以上の強度が必要とされる場合、セメント−水ガラス系グラウトが用いられ、本発明もこれに属する。セメント−水ガラス系グラウトでは、通常、グラウト強度を2〜5N/mm2に設定した場合、セメント量は、グラウト1m3あたり200〜400kg程度とするのが一般的である。
[地盤注入]
先ず、本発明に関する地盤注入のセメントと水ガラスを組み合わせたグラウトの先行技術について述べる。特許文献1には、水ガラスと水ガラス原液の0.01〜0.4程度のセメントを含んだグラウトを別個にポンプで送り、注入管のなるべく先端付近で合流させて直ちに固結させることを特徴とする水ガラスとセメントを用いた注入工法が開示されている(特許文献1の特許請求の範囲等参照)。
特許文献1記載の注入工法は、水ガラスに少量のセメント(1m3あたり60〜70kg)を添加するもので、ゲル化時間(以下、ゲルタイムという)10〜20分であり、主に土粒子間隙に浸透させることを目的とするものであった。しかし、実施に実用化されることはなかった。
実用化されたものとしては、例えば、非特許文献2に、A液として、3号水ガラス200〜250Lに水を加えた計500Lに、B液として、セメント200〜250kgに水を加えた計500Lを、混合させた水ガラス系懸濁グラウトが開示されている(非特許文献1の13、26、40頁等参照)。
非特許文献2に記載の水ガラス系懸濁グラウトは、一般的にLWと称するゲルタイムが約1分前後、ホモゲル強度が3N/mm2(材齢28日)程度のグラウトであり、主に、砂礫層などの大間隙の浸透や粘性土層への割裂(脈状)注入として、止水や地盤強化を目的として使用されるものであった。
また、砂質土にグラウトを注入する場合、シルト、粘土分が10%以上含まれると溶液型グラウトであっても、土粒子間に浸透できず割裂状に注入すること(地盤の地層を割裂させながら注入すること)になる。
この水ガラス系懸濁グラウトは、地盤注入工法として用いられ、水ガラスをA液とし、セメントは水ガラスをゲル化させるための硬化剤(B液)としており、要は水ガラスが主剤であるという特許文献1と同様の技術思想から実用化されたグラウトである。
しかし、LWは、A液とB液を等量に注入することを原則としており、ゲルタイムを短く瞬結性にすることができず、さらに、ゲル後の立ち上がり強度(早期強度の発現)が非常に弱いという難点があった。このため、ゲル化後の立ち上がり強度が非常に弱く、ゲル化後においても注入ポンプ(注入圧に関係なく一定量吐出)で遠方まで圧入されて、限定範囲にとどめるがことができなかった。
その後、瞬結工法が開発され、LWに石灰等のゲル化促進剤を加えた瞬結性グラウトができたがゲル化後の立ち上がり強度はあまり向上されずLWと大差がなかった。その理由は、ゲル化直後の立ち上がり強度は、全て水ガラスのゲル化強度に支配され、セメントが硬化開始するには、長時間(約5〜8時間程度)を要するからである(非特許文献1のP179〜181)。
なお、瞬結性グラウトは、二重管ロットによる瞬結工法として開発されたもので、流動被圧水の止水や地下水下の透水地盤からの湧水防止(水止め)での止水グラウトとして使用することはできなかった。
以上のように、従来技術では、ゲル化後の立ち上がり強度を高めることができなかったため、限定範囲に注入することができないという大きな難点があった。このため、現状では、LWは、殆ど使用されていない。
[空洞充填注入]
次に、本発明に関する空洞充填注入の先行技術について述べる。昭和54年に出願された特許文献2には、空洞充填(裏込め)注入工法として全く新しい発想による揺変性(チキソトロピー)ゲルを用いた可塑状グラウトが開示されている(特許文献2の特許請求の範囲等参照)。なお、ここでいう可塑状グラウトとは、静止状態では自立する程の強度を有しているが、加圧すれば(注入圧力を加えれば)容易に流動化する程度の固結強さ(マヨネーズ状)であるグラウトを指している。
特許文献2に記載の可塑状グラウトは、前述のLWと異なり、セメントを主剤(A液)として、多量のセメントをゲル化させる硬化剤として水ガラス(B液)を高濃度で少量加える、いわゆる比例注入方法で行うことを原則としている。
また、特許文献3には、セメント懸濁液であるA液と水ガラス水溶液であるB液とからなり、B液1L中の水ガラス濃度がSiO2基準で20重量%以上であること、B液中のSiO2の量が、A、B混合液の容積の100ccに対して約3.5〜9gとなるような割合AB両液を混合してなることを特徴とするグラウト材が開示されている(特許文献3の特許請求の範囲の請求項1等参照)。この特許文献3に記載のグラウト材は、A液に対して高濃度のB液を少量加えることにより、ゲルタイムの短縮を図ったものである。
そして、特許文献4には、セメント懸濁液であるA液と水ガラス水溶液であるB液とからなり、B液1L中の水ガラス濃度がSiO2の量で約160〜320gの範囲であること、B液の容積とA液中の水の容積の100ccに対して、B液から由来するSiO2の量が約0.6〜3.5gとなるような割合AB両液を混合してなるグラウト材を注入することを特徴とするグラウト注入工法が開示されている(特許文献4の特許請求の範囲等参照)。この特許文献4に記載のグラウト注入工法は、早期強度の発現が得られるというメリットがあり、前述のA液とB液を等量ずつ混合して注入するLWよりも優れた性質を備えている。
さらに、特許文献5には、実施例としてグラウト1m3あたりセメントが200〜400kg含有し、S/W×100÷√Cが0.19〜0.46であるグラウト材が開示されている。ここで、Sは、水ガラス中のSiO2の重量、Wは、水ガラス中のSiO2とNa2Oを除く残容量、Cは、セメントの重量(特許文献5の特許請求の範囲の請求項1、表4等参照)。特許文献5に記載のグラウト材は、特許文献4のグラウト注入工法に使用するグラウト材よりもさらに早期強度の発現が得られるものである。
しかし、特許文献5に記載の発明の目的とするところは、早期強度の発現がグラウト1m3あたりセメント200〜400kgの範囲でA液のセメント対するB液の水ガラス(3号水ガラスを半割したものでSiO2濃度20容量%)の最適量を求めたもので、1時間後の一軸圧縮強度が実施例1〜21で0.021〜2.18N/mm2と極端に異なっている。このことは、実用的な早期強度を求めたグラウトではないことを示している。
以上述べた地盤注入及び空洞充填注入は、地下水下の地盤にグラウトを注入して希釈されるという技術思想は全くなく、配合時の数値を示したに過ぎない。
特公昭36−24122号公報 特開平08−239255号公報 特公平02−4634号公報 特公平02−43790号公報 特開2000−290651号公報
柴崎光弘・下田一雄著、「最新・薬液注入工法の設計と施工」、山海堂、昭和60年9月20日、P38〜39,P179〜181,P225〜235 三木五三郎・下田一雄著、「可塑状グラウト注入工法」、日刊建設工業新聞社、2001年7月20日、P12,13,26,29,40
そこで、本発明は、前記問題点を解決するために案出されたものであり、その目的とするところは、地下水下の地盤の止水、特に流動高被圧水や伏流水等の止水、透水地盤からの湧水防止(水止め)注入、又は水洞へ充填されて希釈されたグラウトがゲル化タイムの遅延が少なく、且つ、早期強度の発現が充分である硬化グラウトの地下水下地盤注入方法を提供することにある。
第1発明に係る硬化グラウトの地下水下地盤注入方法は、硬化グラウトを地下水下地盤に注入する硬化グラウトの地下水下地盤注入方法であって、前記硬化グラウトは、1m3あたりセメント500〜1,200kgを含んだセメントミルクのA液に、モル比2.5〜4.0のSiO2の容量で20〜35%の濃度の水ガラスのB液を、A液1m3に対して130〜500Lの比率で混合したものであり、前記硬化グラウトが地下水で3倍以内の所定の希釈倍率に希釈されることを想定して、希釈前の基本配合のゲルタイムと比べて想定した前記所定の希釈倍率に水で希釈されたゲルタイムの遅延が15秒以内で、且つ、前記所定の希釈倍率に水で希釈された3時間後の一軸圧縮強度が0.15N/mm2以上となるように配合した前記硬化グラウトを地下水下地盤に注入することを特徴とする。
本発明によれば、地下水下の地盤に注入された硬化グラウトが地下水に希釈された場合であっても、ゲル化タイムの遅延が少なく、且つ、早期強度の発現が充分となる。このため、地下水下の地盤の止水、特に流動高被圧水や伏流水等の止水、透水地盤からの湧水防止(水止め)注入、又は水洞へ充填された場合であっても、止水や水止めの効果を発揮することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る硬化グラウトの地下水下地盤注入方法について説明する。先ず、本発明の実施の形態に係る硬化グラウトの地下水下地盤注入方法に用いる硬化グラウトについて説明する。
[硬化グラウト]
地下水下の地盤にグラウトを注入すると、必ず希釈されるという現象が起こる。特に、山岳の高低差に起因する伏流水等の流動高被圧水、掘削時に発生した山岳の破砕帯や透水地盤からの湧水、又は地下水下の地盤に発生した水洞等に注入されたグラウトは、多くの地下水に希釈される。
そこで、本発明は、従来の設計から求めた配合値ではなく、注入されたグラウトが地下水に3倍以内(容量の希釈倍率)に希釈されることを想定して、硬化グラウトを基本配合と比べてゲル化タイム(以下、単にゲルタイムという)の遅延が15秒以内で、且つ、希釈されたグラウトの3時間後の一軸圧縮強度が0.15N/mm2以上なるように配合することを特徴としている
つまり、本発明の硬化グラウトは、(1)第1に注入されたグラウトが地下水に希釈されてもゲル化タイムの遅延が15秒以内であること、(2)第2に希釈されたグラウトが早期強度を発現することの2つの要件を満たすこととしている。ここで、早期強度とは、3時間後の一軸圧縮強度のことを指している。
上記(1)は、特に、流動高被圧水では、ゲルタイムが遅延される程、希釈が大きくなり、注入地点からグラウトが流され、注入範囲が移動してしまう。また、地盤内から湧水が発生している箇所では、特に、希釈が大となる。さらに、地盤内に発生した水洞に硬化グラウトを注入する場合は、水中にグラウトを注入することとなり、水に接したグラウトは、瞬時に多量の水に希釈されることとなる。このように、地下水でグラウトが希釈され易い地盤に注入する場合でも、後述のように、希釈倍率が3倍以内であれば、ゲルタイムの遅延が15秒以内を確保する。
また、上記(2)は、地下水等で希釈されてゲル化したグラウトは、流動高被圧下では、早期強度の発現がないと水圧に耐えられず、流出してしまう。そこで、本発明では、できるだけ早期に所望の強度発現を達成して、流動高被圧下の水圧にも耐えられ、注入したグラウトが流出しないことを確保する。
従来の硬化グラウトの地下水下地盤注入方法は、等量注入(A液とB液が同量)を原則としており、そして、A液が主剤の水ガラス(一定量)とし、B液のセメントは、水ガラスをゲル化させるための硬化材(強度から求めたセメント量)として長年使用されてきた(非特許文献2 P12〜13)。代表的なLWの配合は、段落[0014]に示しているようにゲルタイムは1分前後、早期強度はほとんど得られない(後述の表1、比較例3及び表2比較例9,10参照)ことから地下水下地盤からの湧水等を止水することはできなかった。
これは、従来の硬化グラウトが、等量注入に起因して上記(1)及び(2)を同時に満たすことができなかったからである。これに対して本発明は、多量のA液(セメントが主剤)に少量の高濃度水ガラスのB液(ゲル化並びにセメントの早期強度の発現)を比例注入することにより、初めて上記(1)及び(2)を同時に満足させることができ、ゲルタイムの短縮と早期強度の発現を可能にしたことが両者の根本的な違いである。
つまり、本発明は、予め希釈されることを想定して上記2つの要件を同時に達成することに着目して配合し、希釈倍率が3倍以内であれば注入可能とし、止水及び地盤強化を達成できる硬化グラウトの地下水下地盤注入方法を見出したものである。
[地下水下地盤注入方法]
次に、本発明の実施の形態に係る硬化グラウトの地下水下地盤注入方法について説明する。ロッド注入工法で硬化グラウトを注入する場合を例示して説明する。
ロッド注入工法は、ボーリングマシンに装着した単管又は二重管ロッド(長さ3m又は1.5m)をボーリングロッドとして使用して地盤を削孔するとともに、そのまま硬化グラウトを注入する注入管としても使用する工法である。このロッド注入工法は、削孔時及びロッドの脱着時に多量の水を使用する。
即ち、配合槽からサクションホース、注入ポンプ、注入ホース、注入管(ロッド)を通して水(上水)を送り、地盤に削孔した後、ロッドを注入管として用い、グラウト(A液及びB液)に切り替えて、水をグラウトで押し出しながら地盤に注入する。この時、グラウトは、水に接しながら地盤内で希釈され、地下水と同様に希釈されたグラウトは、ゲルタイムは遅延するとともに、早期強度の発現は著しく低下する。
さらに、注入深度が深くロッドを連結して掘削・注入する場合は、1ロッドの長さ分掘削するとその都度(1ステップ毎)引き上げて、グラウトを水に切り替えてロッドを脱着(ロッド1本を取り出す又は連結する)した後、再びグラウトで水を押し出して注入することになる。このため、ロッドの脱着毎にグラウトが水で希釈されてしまう。
具体的には、例えば、サクションホース(内径25mm)長さ2m、注入ポンプ内、注入ホース(A液、B液共、1/2インチ、断面積126.6mm2)長さ40m、ロッド(内径38mm、断面積650mm2)長さ15mとすると、これらの中に溜まった水は、29Lに達する。
一方、グラウトの注入は、1ステップあたり50L程度であり、地盤に注入する水は、グラウト容量の58%にも達し、削孔時の水と合わせると多量の水を注入していることとなる。このことから、ロッド注入工法では地下水下の地盤に注入する場合でなくても、グラウトは、先行した水に希釈されることから、本発明の技術的範囲に包含される。
なお、本発明に使用する注入方法は、特に限定されるものではないが、本実施の形態に係る硬化グラウトの地下水下地盤注入方法では、前述のロッド注入工法で地下水下の地盤に前述の硬化グラウトが注入される。勿論、本発明に係る硬化グラウトの地下水下地盤注入方法では、ジェットグラウト工法やアンカー工法など、他の工法を用いて地下水下の地盤に注入される場合も適用される。ロッド注入工法を初め、ジェットグラウト工法やアンカー工法も、多量の水を使用するため、本発明を好適に適用することができる。
前述の硬化グラウトを地下水下の地盤に注入した場合に、グラウトが地下水に希釈される度合いは、流動水の有無、流動水の水圧や速度、湧水量の大小、水洞の大きさ等に影響される。
地下水下に注入されたグラウトは、水に接したところから順次拡大希釈されるが、最大で希釈倍率が容量において3倍までとしている。これは、硬化グラウトの基本配合では、3倍を超えて希釈される場合には、充分な止水又は地盤強化の効果が望めないことから、本発明では、希釈倍率が3倍以内であることを上限としている。
具体的にいえば、砂礫層等の透水地盤で地下水があまり流動していないところでは、水とグラウトの希釈倍率は、1.2倍〜1.5倍を想定している。それよりも希釈され易い、湧水防止(水止め)や水洞への充填では、最大で希釈倍率が3倍以内までを想定している。また、前述のロッド注入工法では、希釈倍率は、1.1倍〜1.3倍程度を想定している。
<硬化グラウトのゲル化・硬化原理>
次に、簡単に、本実施の形態に係る硬化グラウトの地下水下地盤注入方法に用いる硬化グラウトのゲル化・硬化原理ついて説明する。本実施形態に係る硬化グラウトの地下水下地盤注入方法は、セメントミルクをA液として水ガラス溶液をB液としてこれらを混合して注入する二液性の注入工法である。このような二液性のグラウトは、A液とB液を混合するとゾル化し、時間の経過とともに粘性が増大して流動性を失いゲル化する。この二液を混合した時からゲル化するまでの時間がゲルタイムである。
ゲル化したグラウトは、ゲル化後次第に強度を増し、可塑状固結領域(可塑状保持時間)を経て硬化に至る。この可塑状固結領域は、セメント系グラウト(セメントミルク)であれば、いずれのグラウトも硬化する前には、必ず通過する性状である(非特許文献2のP26、図3.1参照)。
よって、二液性のグラウトの注入可能時間は、ゲルタイムと可塑状保持時間を合せた時間となる。これにより、充分な可塑タイム(例えば、10〜20分)を有したグラウトを、特に、可塑状グラウトと称している。
しかし、本実施の形態に係る硬化グラウトの地下水下地盤注入方法に用いる硬化グラウトの配合では、早期硬度発現を重視しているため、可塑状保持時間は、10秒以内と従来の地盤注入方法に用いる硬化グラウトの配合より極端に短くなるように配合している。
<硬化グラウトの配合>
次に、本実施の形態に係る硬化グラウトの地下水下地盤注入方法に用いる硬化グラウトの配合について、さらに詳細に説明する。
本注入方法に用いる硬化グラウトの配合では、従来のように、どれくらい希釈されるかを想定しないで単に設計時の配合とするのではなく、硬化グラウトが3倍以内に希釈されることを想定し、その場合のゲルタイムの遅延防止と早期強度の発現を同時に確保することから決定している。具体的には、グラウトが水に3倍以内に希釈された状態で、希釈前配合からゲルタイムの遅延が15秒以内で、且つ、想定した希釈倍率に希釈された状態の3時間後の一軸圧縮強度が0.15N/mm2以上なるように配合している。勿論、グラウトの長期(28日後)強度が設計強度に達することも考慮している。
<水に希釈される前の配合>
水に希釈される前の硬化グラウトの配合は、A液:1m3あたりセメント500〜1,200kg、B液:A液1m3に対して130〜500Lの比率でモル比2.5〜4.0、SiO2濃度20〜35%の水ガラスを混合する。
使用するセメントは、特に限定するものではないが、普通ポルトランドセメント、高炉セメント、早強セメントなどが好ましい。また、A液には、通常のグラウト材に添加されることのある添加剤を添加してもよい。例えば、添加剤としては、スラグ、フライアッシュ、石灰、分散剤(遅延剤)、起泡剤、ベントナイト等の粘土鉱物、増量材などを用いることができる。
ここで、A液のセメント500kgを下限としたのは、この値未満だと水ガラスで調整しても3倍以内に水で希釈されたグラウトが目標の早期強度が得られないからである。また、セメント1,200kgを上限としたのは、この値を超えるとセメントミルクの流動性を損ない圧送が困難となるからである。
B液の水ガラスは、SiO2の容量で20〜35%の範囲であり、モル比(SiO2/Na2O)は、2.5〜4.0が好ましい。このB液は、A液1m3に対して130〜500Lの割合の範囲内で調整して混合する。なお、ここで30%濃度の水ガラスとは、溶液1L中にSiO2が300g含有された水ガラスを指している。
一方、B液の水ガラス(SiO2)のA液との混合比率の下限値を130Lとしたのは、この値未満だと目標とする早期強度である3時間後の一軸圧縮強度が1.5N/mm2に達しないからである。また、水ガラスの混合比率の上限値を500Lとしたのは、目標とする早期強度が得れる上、水ガラスが高価であることから一応の有限値としたものである。なお、有限値の500Lを超えても本発明のゲルタイムの遅延や早期強度が範囲内であれば使用することもできる。
以上の配合とすることで、3倍以内に水で希釈されたグラウトにおいて、目標の早期強度の発現と、後述のゲルタイムの遅延防止を可能としている。
ゲルタイムは、セメント量や水ガラス濃度(量)によって左右されるが、最も影響を及ぼすのは、水ガラスのモル比である。本発明では、目的とするゲルタイムからモル比を2.5〜4.0の範囲に設定している。
即ち、セメント量、水ガラス濃度(SiO2量)が一定の場合、モル比が低い程、ゲルタイムは長く、逆に高い程、ゲルタイムが短くなることが確認されている。
前述の硬化グラウトの配合では、数秒から1分以内の範囲で、20秒以内の瞬結性では、モル比3.0〜4.0を選定、30秒以上の緩結性では、モル比2.5〜2.8を選定している。
そして、早期強度の発現は地下水に希釈されることを考慮して、3時間後の一軸圧縮強度が1.5N/mm2以上の高い強度となる配合としている。
<水に希釈された後のグラウト:希釈グラウト>
次に、地表で前述のように配合されたグラウトが、地下水に希釈されたグラウト(以下、希釈グラウトという)のゲルタイムや早期強度の発現(3時間後)に及ぼす影響について述べる。
地盤に注入されたグラウトが、地下水に希釈されると、希釈倍率によって大きく影響を受けることとなる。本発明では、この希釈グラウトのゲルタイムの遅延が15秒以内であること、及び調合後3時間後の早期強度が0.15N/mm2以上であること、両方を満たすことを条件としている。
このため、具体的には、地下水に希釈されたグラウト1m3あたり、セメント300kg以上、水ガラス(SiO2量)24kg以上が必要となる。即ち、セメント量にかかわらず、水ガラス(SiO2量)が24kg未満であると3時間後の早期強度が0.15N/mm2以上とならないことを突き止めた。
例えば、後述の実験No.27の希釈グラウトは、セメント345kgであっても水ガラス(SiO2量)21kgであれば3時間後の早期強度が0.09N/mm2であり、不適合であることが確認された。
本発明の実施の形態に係る硬化グラウトの地下水下地盤注入方法に用いる注入管は、特に限定されるものではないが、前述のロッド注入工法を採用する。ロッド注入工法は、ロッドで地盤に削孔した後、そのまま注入管として使用する。希釈前のグラウトのゲルタイムが30秒以上では、単管ロッドを用い、希釈前のグラウトのゲルタイムが20秒以下では、二重管ロッドを用いる。
以上説明した本発明の実施の形態に係る硬化グラウトの地下水下地盤注入方法によれば、地下水下の地盤に注入された硬化グラウトが地下水に希釈された場合であっても、ゲル化タイムの遅延が少なく、且つ、早期強度の発現が充分となる。このため、地下水下の地盤の止水、特に流動高被圧水や伏流水等の止水、透水地盤からの湧水防止(水止め)注入、又は水洞へ充填された場合であっても、止水や水止めの効果を発揮することができる。
[効果確認実験]
次に、実施例と比較例を挙げ、後述のゲルタイム測定、一軸圧縮強度試験等を配合時のグラウトとそれを水で希釈した希釈グラウトの各試験により硬化グラウトの物性評価を行い、本発明の効果を検証する。なお、各試験は、いずれも液温20℃で行った。先ず、各試験の試験方法について説明する。
(1.ゲルタイムの測定)
配合時のグラウトのゲルタイムの測定は、5×30cmのビニール袋内に、所定のA液を入れ、そのビニール袋上部を手で閉じた状態でB液を入れ、手を放すと同時に激しく上下に揺すって撹拌して流動性を失うまでの時間をゲルタイムとした。また、希釈グラウトは、配合時のA液とB液の混合と同時に、別に用意した希釈水を添加してゲルタイムを測定した。
(2.一軸圧縮強度試験)
一軸圧縮強度試験は、JIS R 5201(セメントの物理試験方法)に準じて行った。具体的には、ゲルタイムの測定と同様な方法でグラウトを調整し、ゲル化前に4×4×16cm三連枠に投入し、20℃の湿潤養生で1時間、3時間、28日の各養生期間(時間)後に脱型し、一軸圧縮強度を測定した。
次に、硬化グラウトの実施例を挙げて各種試験結果について説明する。実施例に係る硬化グラウトの生成に用いたセメントは、セメントAとして普通ポルトランドセメント、セメントBとして高炉セメントB種、セメントCとして超微粒子セメント(商品名:アロフィクスMC(太平洋マテリアル株式会社製))の3種類を用いた。セメントBは、セメントと高炉スラグの混合比が6:4で、セメントCは、セメントと高炉スラグ(超微粒子平均約4μm)の混合物である。なお、その他の物質の混合比率は、メーカー側が開示していない。
水ガラスには、水ガラスAとしてモル比(SiO2/Na2O)が3.5のSiO2の容量で30%濃度の水ガラス、水ガラスBとしてモル比が3.1のSiO2の容量40%の水ガラス、水ガラスCとしてモル比が2.5のSiO2の容量30%の水ガラス、水ガラスDとしてモル比が3.0のSiO2の容量40%の水ガラスの4種類の水ガラスを用いた。なお、容量30%の水ガラスとは、溶液1L中にSiO2が300g含有された水ガラスを指している。
以上の要領で、所定量のA液とB液を混合して硬化グラウトを生成し、ゲルタイム測定、一軸圧縮強度試験等の各試験を行った測定結果を表1に示す。表1の配合は、A液(セメント)1m3に対してSiO2濃度が高い少量の水ガラスのB液を比例配合し、併せてグラウト(A液+B液)1m3あたりのセメント量とSiO2量を示している。
Figure 0006474180
表1より、実施例1、2、3のグラウトは、1m3あたりセメントAがいずれも923kg、B液の水ガラスSiO2が69、71、69kgとほぼ同じであるが、ゲルタイムは3、8、10秒と異なり、モル比が低い程長くなる傾向を示した。また、早期強度(3時間後の一軸圧縮強度)は、10.4、11.1、11.5N/mm2と、非常に高い値を示し、28日強度も18.0、21.7、23.2と高い値を示した。
つまり、この実験により、早期強度は、モル比(SiO2/Na2O)が異なってもほぼ同じ値を示しているが、長期強度はモル比が低い程若干高い値を示していることが確認できた。
また、実施例10と実施例11を比べると、配合が同じであるが、セメントAである実施例10は、ゲルタイムが15秒で早期強度が5.9N/mm2であるのに対して、セメントBである実施例11は、ゲルタイムが34秒で早期強度が2.6N/mm2となっている。しかし、28日強度は、実施例10が、13.0N/mm2で、実施例11が20.0N/mm2となっており、セメントAよりもセメントBの方が高い強度であることが判明した。
これは、セメントAが普通セメントであるのに対して、セメントBは、高炉セメント(スラグ40%混合しており、セメント成分は420kg相当)であるため、スラグはゲルタイムや早期強度にはほとんど寄与しないが、長期強度では優れた強度を発揮する性質を備えている。
また、比較例1の配合時のグラウトは、A液1m3あたり、セメント400kg、B液の水ガラス110L、水60L(SiO2濃度19%)と、セメント、水ガラス共に貧配合とした。実験結果は、ゲルタイムは6秒と短いが、早期強度が0.04N/mm2と著しく劣ることが判明した。
さらに、比較例2は、実施例8に比べると、A液とB液のモル比とSiO2量が同じであるが、SiO2濃度が実施例8の23%に対して、15%と少ないため、早期強度(3時間後)の発現が、0.61N/mm2と著しく劣ることが判明した。
以上のように、A液1m3あたりセメント500〜1,200kg、A液1m3に対して130〜500L(20〜35%の濃度)の範囲内で、セメントの種類や量、水ガラスのモル比、SiO2濃度及び量を調整する実験を行った。これにより、表1に示すように、ゲルタイム数秒〜1分程度まで選択でき、且つ、早期強度(3時間後の一軸圧縮強度)を1.5N/mm2以上(最大で11N/mm2)とできることが確認できた。つまり、地下水下の地盤に注入してグラウトが地下水に希釈されることを想定すると、本発明に用いるグラウトは、前述の配合により、希釈前において流動高被圧水が存在する地盤へ注入する際にも耐え得る早期強度を有し、且つ、ゲルタイム数秒〜1分程度まで選択可能とすることができる。
一方、比較例3としてしめした従来のA液とB液を等量で混合した地盤注入グラウト(前述のLW:水ガラス系懸濁グラウトともいう)は、水ガラスの量が多いにもかかわらず、ゲルタイム52秒、早期強度が0.04N/mm2と、極端に低いことも確認できた。これは、従来の地盤注入グラウト(LW)の早期強度は、水ガラスの固結強さに起因するものであり、セメントに起因するものでないことが既に判明していることからも裏付けられる。
次に、前述の表1の配合のグラウトが水に希釈された場合のゲルタイムの測定と、一軸圧縮強度試験の試験結果を表2に示す。
Figure 0006474180
表2の実験No.15〜23に示すように、実施例1、2、3のグラウトを希釈倍率2、3、3.5倍に希釈した希釈グラウトのゲルタイムは、4,6,7秒、11、16、18秒、17、20、25秒である。このように、モル比が3.5、3.0、2.5と低くなる程、ゲルタイムが長くなる傾向が見て取れる。しかし、ゲルタイムの遅延は、1、3、4秒、3、8、10秒、7,10、15秒と、いずれも15秒以内と極めて小さくなっており、水に希釈されてもわずかにしか遅延しないことが確認できた。このことは、地下水下の地盤の止水や地盤強化に極めて優れた効果を発揮することを示している。
一方、実験No.15〜23の早期強度の発現は、表1の配合時の強度と比べて、希釈倍率が上がるにしたがって、低下する傾向を示している。また、希釈倍率が3.5倍の実験No.17、20、23の比較例4、5、6は、0.10、0.08、0.10N/mm2と、0.15N/mm2に達していない。これに対して、希釈倍率が3倍以内の実験No.15,16、18,19、21,22の実施例12〜18は、早期強度が0.15N/mm2以上となっている。このため、実施例12〜18は、流動高被圧水の水圧に充分耐えうることができ、流動高被圧水の存在する地盤の止水にも使用し得ることが確認できた。
また、実施例12〜18の希釈グラウトは、希釈された状態の1m3あたり、セメント308〜462kg、水ガラス23〜39kgであるのに対して、比較例4〜6は、希釈された状態の1m3あたり、セメント264kg、水ガラス20〜23kgと少ない。このため、前述のように、比較例4〜6は、早期強度が0.15N/mm2に達していないと考えられる。
また、実施例19と比較例8とを比べると、セメント量が308kgと345kg、水ガラスが24kgと21kgでいずれもほぼ同じ、希釈倍率も2倍で同じであるが、早期強度は、0.17N/mm2と0.09N/mm2で差がある。これは、セメントの種類の違いに起因するものと考えられ、セメントAからなる実施例19の方が、セメントBからなる比較例8より高いことが確認できた。
さらに、実施例21〜26は、表1の実施例6〜11を希釈倍率1.2〜1.5倍で希釈した希釈グラウトである。実験結果は、ゲルタイムの遅延が、3、1、3、10、8、15秒となり、全て15秒以内となっている。また、実施例21〜26の早期強度は、0.67、0.58、0.40、1.19、2.84、0.61N/mm2と、全て0.15N/mm2を上回っている。
また、3倍以内の水に希釈され、早期強度が0.15N/mm2以上の実施例12〜26の長期強度(28日)は、いずれも1.2N/mm2以上(最大7.4N/mm2)が得られており、充分な固結強度を有していることも確認された。
以上により、表1等で示した基本配合の範囲内において、グラウトが水で3倍以内に希釈されることを想定して、希釈されたグラウトが、1m3あたりセメント308〜462kg、水ガラスが24〜58kgとなるように配合する。これにより、3倍以内に希釈されることを想定した希釈グラウトが、希釈前のグラウトのゲルタイムに比べて遅延が15秒以内でゲル化し、且つ、早期強度(3時間後の一軸圧縮強度)が1.5N/mm2以上となるように配合できることが確認できた。
よって、このようにグラウトが地下水で3倍以内に希釈されることを想定して配合した硬化グラウトを地下水下の地盤や水洞などに注入することにより、ゲル化タイムの遅延が少なく、且つ、早期強度の発現が充分となる。このため、地下水下の地盤の止水、特に流動高被圧水や伏流水等の止水、透水地盤からの湧水防止(水止め)注入、又は水洞へ充填された場合であっても、止水や水止めの効果を発揮することができる。
なお、表2に示した実験により、従来の地盤注入グラウト(LW)は、比較例9、10に示すように、希釈倍率、1.3、1.5倍に希釈されると、52秒(表1参照)であったゲルタイムが72秒、98秒と大幅に遅延することが確認できた。また、早期強度も0.001N/mm2:測定不能であった。
以上、本発明の実施形態に係る硬化グラウトの地下水下地盤注入方法及びそれに用いる硬化グラウトについて詳細に説明したが、前述した実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたって具体化した一実施形態を示したものに過ぎない。よって、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。

Claims (1)

  1. 硬化グラウトを地下水下地盤に注入する硬化グラウトの地下水下地盤注入方法であって、
    前記硬化グラウトは、1m3あたりセメント500〜1,200kgを含んだセメントミルクのA液に、モル比2.5〜4.0のSiO2の容量で20〜35%の濃度の水ガラスのB液を、A液1m3に対して130〜500Lの比率で混合したものであり、
    前記硬化グラウトが地下水で3倍以内の所定の希釈倍率に希釈されることを想定して、希釈前の基本配合のゲルタイムと比べて想定した前記所定の希釈倍率に水で希釈されたゲルタイムの遅延が15秒以内で、且つ、前記所定の希釈倍率に水で希釈された3時間後の一軸圧縮強度が0.15N/mm2以上となるように配合した前記硬化グラウトを地下水下地盤に注入すること
    を特徴とする硬化グラウトの地下水下地盤注入方法。
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