<本発明の基礎となった知見>
まず、本発明の基礎となった、本発明者の知見について説明する。
人に対して所定の行動を促す通知は、様々な分野および場面で行われている。例えば、HEMS(Home Energy Management System)では、節電行動を促進すべく、各家庭において電力使用量や電気料金を可視化する事が行われている。また、テレビ番組やネット情報サービスでは、猛暑日に、熱中症を防止すべく、エアコンの使用を呼び掛ける事が行われている。
目的とする行動が実際に行われる可能性は、通知の内容や通知の態様等によって異なってくる。したがって、より効果的な通知を行うためには、実際に行われた多数の通知について、それぞれの結果を確認あるいは推定し、各通知の有効性を分析する必要がある。ところが、分析対象が多くなると、より高精度な分析結果が得られる一方で、通知と結果との紐付けの作業に手間が掛かる。
そこで、本発明に係る情報処理装置は、ユーザに対して所定の行動を促す所定の通知が行われた旨およびその通知時刻を示す通知情報を取得し、ユーザの各時刻における電力使用状況を示す電力情報を取得し、通知情報および電力情報に基づいて、所定の通知が行われてから所定の時間内に、所定の行動に相当する行動がなされたか否かを判定し、所定の時間内に所定の行動に相当する行動がなされたと判定された場合に所定の通知と所定の行動に相当する行動との関連の度合いを判定するように、構成されている。
このような構成により、本発明に係る情報処理装置は、通知の有効性を判断するための情報の関連付けの精度を向上させる事ができる。
<本発明の実施の形態>
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<情報処理システムの構成>
まず、本実施の形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの構成について説明する。
図1は、本実施の形態における情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図1において、情報処理システム100は、需要家が保有するHEMSコントローラ120と、アグリゲータが保有するデータ収集部130および分析・統計処理部140と、サービス事業者が保有するデータ活用部150と、を有する。
ここで、需要家とは、サービス事業者からサービスを享受すると共に、自宅の各種データを、HEMSコントローラ120を介してアグリゲータに提供する契約をアグリゲータと結んでいるエンドユーザ(以下「ユーザ」という)である。上記サービスとは、例えば、エネルギーマネージメントサービス、見守りサービス、家電機器の最適制御サービス等である。
アグリゲータとは、複数の需要家から、上記サービスに関連する各種情報を収集し、各家庭の電力需要予測や生活パターン解析等の分析処理を行い、分析結果を、外部API(Application Programming Interface)を介してサービス事業者に提供(販売)する主体(事業者)である。
サービス事業者とは、アグリゲータから取得した分析結果に基づいて、ユーザに上記サービスを提供する主体である。
なお、アグリゲータとサービス事業者とは、分離していてもよいし、一体であってもよい。
HEMSコントローラ120は、ユーザが使用する電気機器の電力使用状況を示す電力データや、ユーザに対する所定の通知等に関連した各種機器の動作状況を示す機器データを取得し、需要家データとしてデータ収集部130へ送信する。
電力データは、例えば、ユーザの住居の電力使用量の変動に関するデータであり、主幹電力データ、分電盤の分岐毎の電力データ、および、家電機器毎の電力使用量データ、のうち少なくとも1つを含む。HEMSコントローラ120は、電力量計(スマートメータともいう)、分電盤、その他家電機器の電力使用量を取得できる機器からこれらの電力データを取得する。またHEMSコントローラ120はこれらの機器と一体であってもよい。
また、機器データは、例えば、エアコンのオンオフや温度設定等、機器の状態や設定に関する情報(機器情報)を示すデータである。
データ収集部130は、一人または複数のユーザの需要家データを収集する。具体的には、データ収集部130は、各ユーザのHEMSコントローラ120から送信された需要家データを受信し、蓄積する。なお、データ収集部130は、ユーザに対してどのような通知がいつ行われたかに関するデータを、サービス事業者側から収集してもよいし、通知を受信した需要家(エンドユーザ)の端末から収集してもよい。
分析・統計処理部140は、収集された需要家データ群に対して、所定の分析・統計処理を行う。そして、分析・統計処理部140は、処理結果を、1つまたは複数のサービス事業者のデータ活用部150へ送信する。
なお、データ収集部130および分析・統計処理部140は、本発明の一実施の形態に係る情報処理装置200を構成する。情報処理装置200の詳細については、後述する。
データ活用部150は、収集された需要家データを活用したサービスを、ユーザに提供する。すなわち、データ活用部150は、分析・統計処理部140の処理結果に基づいて、サービスの提供を行う。かかるサービスは、ユーザに対して各種の通知を行う通知サービスを含む。
より効果的な通知サービスを提供するためには、上述の通り、実際に行われた多数の通知について、それぞれの結果を確認あるいは推定し、各通知の有効性を分析する必要がある。そこで、データ収集部130および分析・統計処理部140を含む情報処理装置200は、上述の分析・統計処理として、需要家データ群に含まれる多数の情報の中から、通知の有効性を判断する上で関連付けるべき情報を特定し、特定された複数の情報を関連付ける処理を行う。
<収集される情報>
次に、情報処理システム100で収集される情報の概要について説明する。
図2は、情報処理システム100で収集される情報の概要の一例を示す図である。
例えば、サービス事業者のアプリサーバ151(例えば、データ活用部150の一部)が有する通知部が、ユーザ121が使用する携帯情報端末122を介して、ユーザに対し所定の行動を促す、所定のプッシュ通知を行ったとする。このとき、アプリサーバ151は、通知の対象となったユーザのユーザID、通知が行われた時刻(以下「通知時刻」という)、および、通知の内容および形態を示す情報(メッセージ)を含む通知ログ311を生成する。なお、通知ログ311は、携帯情報端末122で生成されてもよい。
また、アプリサーバ151等が提供するアプリケーションソフトウェアが導入された携帯情報端末122において、ユーザ121が、所定のボタンを押下する等の操作を行ったとする。このとき、携帯情報端末122は、操作を行ったユーザのユーザID、操作が行われた時刻(以下「操作時刻」という)、および、操作の内容を示す情報を含む操作ログ312を生成する。そして、携帯情報端末122は、操作ログ312をアプリサーバ151に送信する。なお、ユーザの操作は、アプリケーションサーバ151によりなされた通知に対するユーザの反応の結果である場合を含む。また、操作ログ312は、アプリサーバ151で生成されてもよい。
更に、HEMSコントローラ120は、ユーザが使用する電気機器の電力使用状況を監視し、定期的に、消費電力を計測する。すなわち、HEMSコントローラ120は、ユーザの電力データを取得する取得部を有する。このとき、HEMSコントローラ120は、計測対象となっている電気系統(電気機器単体を含む)の電気機器を使用するユーザのユーザID、計測が行われた時刻(以下「計測時刻」という)、および、計測結果である電力データを含む電力使用ログ313を生成する。なお、ユーザIDは、HEMSコントローラに割り当てられた需要家を識別するIDや、分電盤を識別するIDであってもよい。
そして、HEMSコントローラ120は、電力使用ログ313を、例えば、要求に対応する応答として、情報処理装置200を含む他の装置に提供する。すなわち、HEMSコントローラ120は、ユーザの各時刻における電力使用状況を示す電力情報を提供する、提供部を有する。
例えば、携帯情報端末122に表示される所定のボタンの押下を指示する通知が行われ、その直後に、当該所定のボタンを押下する操作が行われたとする。このような場合、その操作ログから、アプリサーバ151による通知と、行われた操作とが関連していると判断する事は容易であり、かかる通知が効果を奏したと判断する事ができる。
一方、熱中症対策としてエアコンを使用する事を指示する通知が行われ、かかる通知を受けたユーザが、エアコンを使用する代わりに、より涼しい環境である近所の図書館へと外出したとする。このような場合、その通知に対応する操作ログは取得されない。また、仮に、外出した事を示す何らかの操作ログが取得されるとしても、通知とユーザの外出行動とをどのようにして関連付けるかが問題となる。
そこで、本実施の形態に係る情報処理装置200は、例えば、電力使用ログ313が示す電力使用状況からユーザの行動を推定することにより、電力使用ログ313をユーザの行動を示すユーザ行動ログ314に変換する。そして、情報処理装置200は、ログ311〜314をユーザID毎に統合(マージ)した統合ログ315を生成する。その後、情報処理装置200は、各通知が促すと推定される行動が、電力使用状況から推定される行動として存在するとき、かかる通知が効果を奏したものとして、対応する情報の関連付けを行う。
<情報処理装置の構成>
以下、情報処理装置200の詳細について説明する。まず、情報処理装置200の構成について説明する。
なお、以下の説明において、処理の対象となる通知は、単に「通知」といい、処理の対象となる電力使用状況の変化のパターンは、「電力使用状態」という。なお、電力使用状態には、消費電力の増加等、電力使用状況の所定の変化パターンが含まれる。また、通知がユーザに対して直接的あるいは間接的に促す行動は、「オファー行動」といい、電力使用状態を直接的あるいは間接的に生じさせるユーザの行動は、「トリガ(triggering)行動」という。
図3は、情報処理装置200の構成の一例を示すブロック図である。
図3において、情報処理装置200は、情報格納部(記憶部)210、通知情報取得部220、電力情報取得部230、関連判定部240、および情報出力部250を有する。
情報格納部210は、オファー行動テーブルおよびトリガ行動テーブルを格納する。オファー行動テーブルは、通知毎に、オファー行動の行動種別を示すテーブルである。トリガ行動テーブルは、電力使用状態毎に、トリガ行動の行動種別を示すテーブルである。ここで、行動種別とは、「エアコンをオンにする」「外出する」「何もせずにじっとしている」等の、行動の種別である。以下、これらのテーブルについて順に説明する。
図4は、オファー行動テーブルの内容の一例を示す図である。
図4に示すように、オファー行動テーブル410には、通知411毎に、通知の内容412と、オファー行動の行動種別413とが記述されている。
例えば、「第3のメッセージ」という通知IDが設定された通知411には、「『熱中症になりやすい環境になっています。エアコン等を使って部屋の温度を下げて下さい!』と表示」という通知の形態および内容412が対応付けられている。また、「第3のメッセージ」という通知IDが設定された通知411には、「エアコンON」および「外出」という2つの行動種別413が対応付けられている。これは、「熱中症になりやすい環境になっています。エアコン等を使って部屋の温度を下げて下さい!」と表示されるというプッシュ通知を受けたユーザは、通知に対する反応として、エアコンをオンにする行動や外出が推定される、という事を示す。
図5は、トリガ行動テーブルの内容の一例を示す図である。
図5に示すように、トリガ行動テーブル420には、電力使用状態(電力使用状況の変化パターン)421毎に、1つまたは複数のトリガ行動の行動種別422が記述されている。
例えば、「エアコンの消費電力が上がった」という電力使用状態421には、「エアコンON」というトリガ行動の行動種別422が対応付けられている。これは、エアコンの消費電力が上がったという電力使用状態からは、ユーザがエアコンをオンにしたと推定される、という事を示す。また、「昼間に全体の消費電力が下がった」という電力使用状態421には、「外出」というトリガ行動の行動種別422が対応付けられている。これは、昼間に家全体の消費電力が下がったという電力使用状態からは、ユーザが外出したと推定される、という事を示す。
図3の情報格納部210は、これらのようなオファー行動テーブル410およびトリガ行動テーブル420を、一致判定情報として予め格納する。
このような一致判定情報が用意されていることにより、ある通知情報が示す、通知が促した行動(オファー行動)の行動種別と、ある電力情報が示す、ある電力使用状態を発生させた行動(トリガ行動)の行動種別と、をそれぞれ判定することが可能となる。そして、判定されたこれらの行動種別が一致するか否かに基づいて、上記通知が効果を奏したか否かを、高精度に推定することが可能となる。
すなわち、この一致判定情報は、ユーザに対して通知を行うことにより促した行動が行われたか否か、つまり、通知が有効であったか無効であったかを判定するために用いられる。
例えば、「熱中症になりやすい環境になっています。エアコン等を使って部屋の温度を下げて下さい!」という内容の通知をユーザが受けたものとする。この場合、オファー行動テーブル410から、この通知により促されるオファー行動が「エアコンON」または「外出」のいずれかであると判定される。
一方、ユーザが使用した電力のデータから、「エアコンの消費電力が上がった」という電力使用状態が生じたと推定される場合、トリガ行動テーブル420から、「エアコンON」というトリガ行動がなされたと判定される。
このように、オファー行動とトリガ行動とが一致する場合、ユーザに対して通知を行うことにより促した行動が行われたと判定することができる。
なお、このような判定を行う際には、通知がなされてから、電力使用状況に変化が生じるまでの時間が考慮される。この時間が長いと、その行動が通知に起因して行われた可能性が低くなると考えられるためである。
また、ここでは、オファー行動テーブル410に記述されたオファー行動の行動種別と、トリガ行動テーブル420に記述されたトリガ行動の行動種別とが一致するか否かを判定することとしたが、オファー行動の行動種別と電力使用状態とが対応するものであるか否かを判定することとしてもよい。
具体的には、オファー行動テーブル410、および、トリガ行動テーブル420を情報格納部210に格納する代わりに、通知411、通知の内容412、電力使用状態421が記述されたテーブルを格納しておくこととする。
ここで、通知の内容412および電力使用状態421には、それぞれ、ユーザに所定の行動を促すメッセージと、その行動により引き起こされると推定される電力使用状態の情報とが対応付けて記述される。
例えば、「熱中症になりやすい環境になっています。エアコン等を使って部屋の温度を下げて下さい!」という内容の通知をユーザが受けたものとする。この場合、上記テーブルから、この通知の内容に対応する電力使用状態が、「エアコンの消費電力が上がった」という状態、または、「家全体の消費電力が下がった」という状態であると判定される。
これにより、上記通知がユーザになされた後、エアコンの消費電力が上がるか、家全体の消費電力が下がるという事象が生じた場合、ユーザに対して通知を行うことにより促した行動が行われたと判定することができる。
なお、オファー行動テーブル410およびトリガ行動テーブル420は、行動種別が特に記述されていない1つのテーブルに統合されていてもよい。
図3の説明に戻る。通知情報取得部220は、サービス事業者のアプリサーバ151等から、通信により、通知情報を取得する。通知情報は、図2で説明した通知ログ311に対応しており、ユーザに対する通知が行われた旨、および、その通知時刻を示す情報である。そして、通知情報取得部220は、取得した通知情報を、関連判定部240へ出力する。
電力情報取得部230は、ユーザのHEMSコントローラ120等から、通信により、電力情報を取得する。電力情報は、図2で説明した電力使用ログ313に対応しており、各時刻における電力使用量を示す情報である。電力情報は、つまり、ユーザの各時刻における電力使用状況を示す情報である。
そして、電力情報取得部230は、取得した電力情報を、関連判定部240へ出力する。
なお、通知情報取得部220および電力情報取得部230は、図1のデータ収集部130に対応する。通知情報取得部220および電力情報取得部230は、リアルタイムで通知情報および電力情報を受信してもよいし、1日毎等、定期的に通知情報および電力情報をまとめて受信してもよい。また、通知情報取得部220および電力情報取得部230は、メモリ等を介して、関連判定部240への情報の受け渡しを行ってもよい。
なお、情報処理装置200は、操作ログ312(図2参照)についても収集し、収集した操作ログ312を関連判定部240へ出力する。
関連判定部240は、入力された通知情報と、入力された電力情報(あるいは、かかる電力情報から推定されるユーザがとった行動)とを関連付ける。
具体的には、関連判定部240は、各時刻における電力使用量のデータから、従来提案されている様々な推定手法のいずれかを用いて、各時刻における各電気機器(エアコン等)の消費電力を推定する。
なお、ここでは、関連判定部240が、各時刻における各電気機器の消費電力を推定することとしたが、これに限定されない。HEMSコントローラ120等が、各時刻における各電気機器の消費電力の情報を生成し、関連判定部240が、その情報を電力情報取得部230を介して受信することとしてもよい。
続いて、関連判定部240は、推定された消費電力の情報を用いて、トリガ行動テーブル420に記述された電力使用状態421に対応する電力使用状況の変化があったか否かを判定する。
該当する変化があった場合、関連判定部240は、その電力使用状態421に対応するトリガ行動の行動種別420の情報を取得する。ここで、取得されたトリガ行動の行動種別は、上記変化があった時刻(以下「行動時刻」という)の情報とともに保持される。この時刻は、上記変化を生じさせるような行動種別のトリガ行動がユーザによりなされた時刻といえる。
また、関連判定部240は、オファー行動テーブル410を参照し、通知の内容に対応するオファー行動の行動種別413を検索する。
そして、関連判定部240は、通知がなされてから所定の時間内になされたトリガ行動のトリガ行動の行動種別を取得し、取得されたトリガ行動の行動種別と、通知の内容に対応するオファー行動の行動種別とが、一致するか否かを判定する。
すなわち、検索対象となるトリガ行動の行動種別を、通知時刻から所定の時間内(あるいは、通知時刻から行動時刻までの経過時間が、1秒から10分までといった所定の範囲内)になされたトリガ行動に対応するものに限定する。これは、通知が行われてからトリガ行動がなされるまでの時間が長い場合、通知とトリガ行動との間の関連が低いと考えられるためである。
オファー行動の行動種別421とトリガ行動の行動種別422とが一致する場合、関連判定部240は、ユーザに対して通知を行うことにより促した行動が行われた(すなわち、通知が有効であった)と判定する。また、オファー行動の行動種別421とトリガ行動の行動種別422とが一致しなかった場合、関連判定部240は、ユーザに促した行動が行われなかった(すなわち、通知が無効であった)と判定する。
なお、関連判定部240は、通知と電力使用状態とが対応するものであるか否かを、直接判定することとしてもよい。
この場合、関連判定部240は、各時刻における電力使用量のデータから推定された消費電力の情報を用いて、ユーザに促した行動に応じて生じると推定される電力使用状況の変化が、通知が行われた時刻から所定の時間内に生じたか否かを判定する。
このような変化が生じた場合、関連判定部240は、ユーザに対して通知を行うことにより促した行動が行われた(すなわち、通知が有効であった)と判定し、このような変化が生じなかった場合、ユーザに促した行動が行われなかった(すなわち、通知が無効であった)と判定する。
そして、関連判定部240は、判定結果を示す判定結果情報を、情報出力部250へ出力する。判定結果情報は、例えば、有効と判定された通知毎の、通知IDとオファー行動の行動種別との組である。
情報出力部250は、入力された判定結果情報に基づき、通知情報と電力情報との組み合わせ毎に上記関連を示す、結合情報を生成し、サービス事業者のデータ活用部150(図1参照)へ通信により出力(送信)する。
結合情報は、例えば、通知の識別情報と、オファー行動の行動種別との組み合わせ毎に、通知が有効であったと判定された回数、つまり、通知の有効性の度合いを示す情報である。なお、結合情報として、サービス事業者に出力(送信)される情報は、通知の有効・無効の判定を行う前の、通知情報と電力情報との組み合わせ(紐付け)データであってもよい。
なお、情報格納部210、関連判定部240、および情報出力部250は、図1で説明した分析・統計処理部140に対応している。
このような構成を有する情報処理装置200は、通知情報とユーザの行動との関連性を判定し、関連性の高い情報を紐付ける事ができる。これにより、情報処理装置200は、行動種別を考慮しない従来技術に比べて、通知の有効性を判断するための情報の関連付けを、より高精度に行う事ができる。
<装置のハードウェア構成>
なお、情報処理装置200を含む情報処理システム100の各装置の機能は、例えば、コンピュータプログラムにより実現され得る。
図6は、各機能がコンピュータプログラムにより実現される場合における各装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図6に示すように、情報処理装置200を含む情報処理システム100の各装置は、キーボードやマウス、タッチパッド、ボタン等の入力装置101、ディスプレイやスピーカー等の出力装置102、CPU(Central Processing Unit)103、ROM(Read Only Memory)104、RAM(Random Access Memory)105、ハードディスク装置やSSD(Solid State Drive)等の記憶装置106、DVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)やUSB(Universal Serial Bus)メモリ等の記録媒体から情報を読み取る読取装置107、ネットワークを介して通信を行うネットワークカード108を備え、各部はバス109により接続される。
そして、読取装置107は、上記各装置の機能を実現するためのプログラムを記録した記録媒体からそのプログラムを読み取り、記憶装置106に記憶させる。あるいは、ネットワークカード108が、ネットワークに接続されたサーバ装置と通信を行い、サーバ装置からダウンロードした上記各装置の機能を実現するためのプログラムを記憶装置106に記憶させる。
そして、CPU103が、記憶装置106に記憶されたプログラムをRAM105にコピーし、そのプログラムに含まれる命令をRAM105から順次読み出して実行する事により、上記各装置の機能が実現される。
<情報処理装置の動作>
次に、情報処理装置200の動作について説明する。
図7は、情報処理装置200の動作の一例を示すフローチャートである。情報処理装置200は、例えば、ユーザ毎(ユーザID毎)に、以下に説明する処理を行う。
ステップS1000において、電力情報取得部230は、ユーザの家屋に設置されたHEMSコントローラ120等から電力情報を受信したか否かを判断する。例えば、電力情報取得部230は、HEMSコントローラ120から、電力情報を定期的に受信する。
電力情報取得部230は、電力情報を受信した場合(S1000:YES)、処理をステップS2000へ進める。また、電力情報取得部230は、電力情報を受信していない場合(S1000:NO)、処理を後述のステップS3000へ進める。
ステップS2000において、情報処理装置200は、取得した電力情報を解析する電力情報解析処理を行う。
図8は、電力情報解析処理(図7のステップS2000)の一例を示すフローチャートである。
ステップS2100において、関連判定部240は、受信された電力情報を蓄積する。
ステップS2200において、関連判定部240は、蓄積された電力情報から、電力使用状態を推定する。すなわち、関連判定部240は、各時刻における電力使用量のデータから、従来提案されている様々な推定手法のいずれかを用いて、各時刻における各電気機器(エアコン等)の消費電力を推定する。
ステップS2300において、関連判定部240は、トリガ行動テーブル420(図5参照)を参照し、推定された電力使用状態に対応するトリガ行動の行動種別を判定する。すなわち、関連判定部240は、推定された消費電力に基づき、ユーザによりなされた行動に対応するトリガ行動の行動種別がどれかを判定する。例えば、「エアコンの消費電力が上がった」という電力使用状態(事象)が生じた場合、ユーザによりなされた行動のトリガ行動の行動種別が「エアコンON」であると判定する。
そして、ステップS2400において、関連判定部240は、判定された行動種別と、電力情報が示す行動時刻との組を、行動情報として蓄積し、処理を図7のステップS3000へ進める。かかる行動情報は、つまり、ユーザが行ったと推定される行動の種別と、その行動が行われた時刻と、を示す情報である。
図7のステップS3000において、通知情報取得部220は、サービス事業者のアプリサーバ151等から、通知情報を受信したか否かを判断する。例えば、通知情報取得部220は、アプリサーバ151から、通知情報を、通知が行われた直後のタイミングで、不定期的に受信する。
通知情報取得部220は、通知情報を受信した場合(S3000:YES)、処理をステップS4000へ進める。また、通知情報取得部220は、通知情報を受信していない場合(S3000:NO)、処理を後述のステップS5000へ進める。
ステップ4000において、関連判定部240は、取得した通知情報を記録する。
ステップS5000において、関連判定部240は、ユーザ操作やサーバからの遠隔操作等により、結合情報の出力を指示されたか否かを判断する。
関連判定部240は、結合情報の出力を指示されていない場合(S5000:NO)、処理をステップS1000へ戻す。また、関連判定部240は、結合情報の出力を指示された場合(S5000:YES)、処理をステップS6000へ進める。
ステップS6000において、情報処理装置200は、結合情報を生成して出力する結合情報生成処理を行う。
図9は、結合情報生成処理(図7のステップS6000)の一例を示すフローチャートである。
ステップS6100において、関連判定部240は、記録された通知情報を、1つ選択する。
ステップS6200において、関連判定部240は、受信された通知情報に基づいて、オファー行動の行動種別を判定する。すなわち、関連判定部240は、オファー行動テーブル410(図4参照)を参照し、通知情報が示す通知が促すユーザの行動(オファー行動)の行動種別を取得する。
ステップS6300において、関連判定部240は、電力情報解析処理(図8参照)が定期的に行われることにより蓄積された行動情報のうち、行動時刻が通知時刻から所定の時間内に該当する行動情報を取得する。すなわち、関連判定部240は、ユーザによりなされた行動を示す行動情報のうち、通知がなされてから所定の時間内になされた行動に対応する行動情報を取得する。
なお、所定の時間とは、人がある通知を受けてからその通知に対応する行動をとるまでに通常要すると考えられる時間であり、例えば、30分である。所定の時間は、通知の種別毎、ユーザ毎、あるいは時間帯毎に異なっていてもよい。また、所定の時間は、固定値ではなく、学習手段等により更新される値であってもよい。
ステップS6400において、関連判定部240は、取得された行動情報に、オファー行動の行動種別に一致する行動種別を示すものが存在するか否かを判断する。
関連判定部240は、行動種別が一致する行動情報が存在する場合(S6400:YES)、処理を後述のステップS6500へ進める。また、関連判定部240は、行動種別が一致する行動情報が存在しない場合(S6400:NO)、処理を後述のステップS6600へ進める。
ステップS6500において、関連判定部240は、処理対象となっている通知情報が示す通知と、行動種別が一致すると判定された行動情報に対応する、電力情報に基づいて推定されたユーザの行動とが、関連していると判定する。すなわち、関連判定部240は、通知情報と電力情報に基づいて推定されたユーザの行動の情報とを結合する事を決定する。そして、関連判定部240は、処理を後述のステップS6700へ進める。
一方、ステップS6600において、関連判定部240は、電力情報に基づいて推定されたユーザの行動には、処理対象となっている通知情報が示す通知と関連しているものは存在しない、と判定する。すなわち、関連判定部240は、通知情報を、電力情報に基づいて推定されたユーザの行動の情報のいずれとも結合しない事を決定する。
ステップS6700において、関連判定部240は、決定結果を記録する。例えば、関連判定部240は、通知情報が示す通知の識別情報と、通知情報がと結合する事が決定された電力情報に対応するトリガ行動の行動種別と、の組に対応付けられたカウント値を、1増加させる。また、関連判定部240は、通知情報が示す通知の識別情報と、対応する行動がなされなかった旨を示す情報と、の組に対応付けられたカウント値を、1増加させる。
そして、ステップS6800において、関連判定部240は、関連付けの判断処理の対象となる通知情報が更に存在しているか否かを判断する。
関連判定部240は、処理対象となる通知情報が更に存在している場合(S6800:YES)、処理をステップS6100へ戻す。また、関連判定部240は、処理対象となる通知情報が存在していない場合(S6800:NO)、処理をステップS6900へ進める。
ステップS6900において、情報出力部250は、記録された決定結果(判定結果)を示す結合情報を出力して、処理を図7へ戻す。例えば、情報出力部250は、各通知の識別情報とトリガ行動の行動種別との組のそれぞれについて、最終的なカウント値を記述した情報を、結合情報として出力する。
そして、情報処理装置200は、一連の処理を終了する。
なお、情報処理装置200は、ユーザ操作等に一連の処理の終了を指示されていない間は、再びステップS1000へ戻って処理を継続してもよい。また、情報処理装置200は、処理の対象となる通知情報が残っていたとしても、ユーザ操作等により処理の終了が指示された場合、一連の処理を終了してもよい。
このような動作により、情報処理装置200は、処理対象となる通知情報および電力情報に基づいて推定されたユーザの行動の情報の中から、通知が有効であった事を示す情報の組み合わせを、関連性の高い情報の組み合わせとして抽出し、抽出結果を出力する事ができる。
なお、ここでは、通知情報および電力情報は、外部機器から能動的に送られてくることとしたが、これに限定されない。通知情報取得部220や電力情報取得部230は、外部機器に対して、これらの情報の送信を要求し、送られてきた情報の受動的に受信してもよい。あるいは、これらの情報の取得は、メモリに蓄積しておいた上記情報を読み出すことにより行われてもよい。
また、電力情報取得部230が電力情報を定期的に取得することとしたが、通知情報を受信したときに、電力情報の取得頻度を高くすることとし、通知情報を所定時間以上受信しない場合には、電力情報の取得頻度を低くすることとしてもよい。これにより、データ通信量およびデータ蓄積量の最適化を図ることができる。
<通知および判定結果の例>
次に、通知および判定結果の一例について説明する。
図10は、ユーザに対して行われる通知の一例を示す図である。
図10に示すように、例えば、スマートフォン等の携帯情報端末の画面510に、「熱中症になりやすい環境になっています。エアコン等を使って部屋の温度を下げて下さい!」というメッセージ520が表示される。かかる通知は、図4で例示した「第3のメッセージ」という通知IDが設定された通知であり、熱中症を警告するプッシュ通知である。
図11は、図10に示す通知が第1〜第5のユーザのそれぞれに対して行われた場合の、各ユーザの行動(何も行動を起こさない場合も含む)の例を示す図である。ここでは、通知が行われた時刻から上記所定の時間内になされた行動についてのみ図示している。
図11に示すように、例えば、15時21分に、図10に示す第3のメッセージの通知が行われたとする。第1および第2のユーザは、アプリ操作の後、リビングルームのエアコンを起動した。第3のユーザは、特に何も行動しなかった。第4のユーザは、アプリ操作の後、全室の電灯をオフにした。第5のユーザは、リビングルームの電灯をオンにした。
第3のメッセージの通知が行われた事は、通知情報として取得される。かかる通知情報に対応するオファー行動の行動種別は、図4で説明した通り、例えば、「エアコンON」および「外出」である。
エアコンの起動や電灯のオンオフが行われた事は、電力データに表れ、電力情報として取得される。エアコンの起動を示す電力情報に対応するトリガ行動の行動種別は、図5で説明した通り、例えば、「エアコンON」である。また、昼間の電灯のオフ、家全体の消費電力量を下げるため、かかる状態の発生を示す電力情報に対応するトリガ行動の行動種別は、図5で説明した通り、例えば、「外出」である。
したがって、この例では、第3のメッセージの通知の効果として、第1および第2のユーザはエアコンを起動し、第4のユーザは外出したという事が推定される。したがって、情報処理装置200は、第3のメッセージの通知と、2人のユーザがそれぞれエアコンを起動したという情報、および、1人のユーザが外出したという情報とを関連付ける。かかる関連付けに基づき、結合情報が生成されて出力される。結合情報の態様は、様々である。
図12は、通知の種別毎に判定結果を集計した場合の結合情報の内容の一例を示す図である。
図12に示すように、結合情報530は、例えば、HEMSサービスの契約者数であるHEMS契約数531、通知サービスの種別(熱中症注意報サービスなど)毎の契約者数であるサービス契約数532、およびプッシュ通知の配信数533の組を記述している。そして、結合情報530は、かかる組に対応付けて、通知の内容に対応する行動が行われた数534を記述している。
例えば、熱中症アラームの「1,000」というプッシュ通知の配信数533に対して、「エアコンON」という行動が行われた数534として「750」が記述され、「外出」という行動が行われた数534として「80」が記述されている。このような情報から、ある所定の熱中症アラームの通知が行われた場合に、8割以上のユーザが、通知に対する反応として行動を起こし、そのほとんどはエアコンをオンにするというものであったと分析する事ができる。
図13は、メッセージ毎に判定結果を集計した場合における結合情報の内容の一例を示す図である。
図13に示すように、結合情報540は、例えば、熱中症アラームの通知メッセージ541毎に、プッシュ通知の配信数542、および、各行動種別の行動が行われた数543を記述している。このような結合情報540からは、どのメッセージがより効果的であり、どのような行動を促す傾向があるか、といった分析を行う事ができる。
なお、ユーザの行動がアプリ操作と対応付けられる場合、同様の分析は、アプリ操作が行われた旨およびその操作時刻を示す操作情報(図2で説明した操作ログ312に対応)に基づいて行う事も可能である。
例えば、エアコンなどの電気機器のオン/オフをアプリ操作で行う場合、図4に示したオファー行動テーブル410のオファー行動の行動種別413、および、トリガ行動テーブル420のトリガ行動の行動種別422には、その電気機器をオン/オフするという行動種別が記述されることになる。
しかしながら、ユーザの日常生活における行動は、アプリ操作よりも、電気機器に対する操作を、より頻繁に伴うことが多い。したがって、このような場合、電力情報の方が、ユーザの行動をよりきめ細やかに反映することになり、通知の有効性を判断する上で利用価値が高い。すなわち、電力情報を用いる事により、通知の有効性を判断するための情報の関連付けの結果の有用性を、高める事ができる。
<本実施の形態の効果>
以上のように、本実施の形態に係る情報処理装置200は、ユーザに対して所定の行動を促す所定の通知が行われた旨およびその通知時刻を示す通知情報を取得し、ユーザの各時刻における電力使用状況を示す電力情報を取得し、通知情報および電力情報に基づいて、所定の通知が行われてから所定の時間内に、所定の行動に相当する行動がなされたか否かを判定し、所定の時間内に所定の行動に相当する行動がなされたと判定された場合に所定の通知と所定の行動に相当する行動とを関連付ける。
これにより、本実施の形態に係る情報処理装置200は、通知の有効性を判断するための情報の関連付けを、高精度に行う事ができる。また、本実施の形態に係る情報処理装置200は、行動種別に関する情報の対応関係を記述したテーブルを用いるので、上記関連付けを効率的に行う事ができる。
また、本実施の形態に係る情報処理装置200は、高精度な情報の関連付けを行う事ができるので、プッシュ通知を含むサービスによってユーザの行動がどのように変化するかを、定量評価する事を可能にする。そして、かかる定量評価に基づいて、新商品システムの企画、品質目標設定、評価書の作成等を効果的に行う事ができる。
<本実施の形態の変形例>
なお、以上説明した実施の形態では、行動種別の一致度および関連の度合いが、それぞれ2値のみ(つまり、一致するか否か、および、関連するか否か)をとる場合について説明したが、これに限定されない。
例えば、情報格納部210が格納する一致判定情報は、所定の通知が促すユーザの行動と、所定の電力使用状態を発生させるユーザの行動と、が一致する事の確からしさを、「0」、「1」、「2」等、3値以上の多値で記述する情報であってもよい。この場合、関連判定部240は、例えば、通知時刻からユーザの行動がなされるまでの経過時間がより短いほど、通知情報(通知)と電力情報(行動)との間の関連の度合いがより高いと判定する。
また、例えば、関連判定部240は、かかる関連の度合いを、「0」、「1」、「2」等、3値以上の多値のいずれかに決定することとしてもよい。この場合、関連判定部240は、例えば、通知時刻からユーザの行動がなされるまでの経過時間がより短いほど、関連の度合いがより高いと判定する。
また、通知の内容、通知が促す行動、および、電力使用状態から推定される行動は、上述の例に限定されない。例えば、通知が促す行動には、省エネルギーの促進行動が含まれていてもよい。この場合、対応する電力使用状況の変化は、例えば、消費電力の減少となる。
また、通知情報が示す所定の通知は、ビープ音の出力、警告灯の発光、振動の発生等、言語を用いずに行われる通知であってもよい。
また、電力情報は、電気機器毎の使用電力量ではなく、部屋毎の使用電力量等、系統毎の使用電力量を示すものであってもよい。更に、電力情報は、電気機器の消費電力が所定の閾値以上に増加した等のイベントが発生した事を示す情報等、電力使用状態を直接的に示す情報であってもよい。
また、通知情報および電力情報は、上述の操作情報や、エアコンの設定温度等を示す設定情報や、外気温等の外界情報等、各種付加情報を含んでいてもよい。また、情報処理装置200は、かかる付加情報に基づいて、情報の関連付けを行ってもよい。すなわち、例えば、情報処理装置200は、エアコンの消費電力が上がったことを示す電力情報と、外気温が38℃であることを示す付加情報と、を受信したときに、冷房をオンにする行動が行われたと判定する。また、情報処理装置200は、エアコンの消費電力が上がったことを示す電力情報と、外気温が5℃であることを示す付加情報と、を受信したときに、暖房をオンにする行動が行われたと判定する。
また、情報処理装置は、ユーザが使用する電気機器の機器情報(例えば、上述の機器データ)を取得する、機器情報取得部を有していてもよい。また、この場合、関連判定部は、取得された機器情報に基づいて、所定の通知が行われてから所定の時間内に、所定の行動に相当する行動がなされたか否か、を判定してもよい。例えば、関連判定部は、エアコンの消費電力が上がり、かつ、冷房の動作モードが設定されている場合に、ユーザが冷房をオンにする行動をしたと判定する。
また、通知情報は、受信の対象ではなく、所定の通知が行われる毎に送信される信号を情報処理装置200が受信したという、情報処理装置200におけるイベントの発生を示す情報であってもよい。また、電力情報についても同様である。
また、情報処理装置200は、通知に対するユーザの確認操作等、通知をユーザが認知したか否かを示す情報を更に取得し、かかる情報に基づいて、情報の関連付けを行ってもよい。例えば、情報処理装置200は、ユーザに認知されなかった通知の通知情報を処理対象から除外してもよい。また、情報処理装置200は、ユーザが認知した時刻を、通知時刻として採用してもよい。この場合、ユーザが認知した時刻を示す情報は、例えば、ユーザが通知を実際に見た(表示させた)時刻を取得可能なスマートフォンのアプリケーションソフトウェアから、受信することができる。
また、通知情報の取得先、および、電力情報の取得先は、上述の例に限定されない。すなわち、上記実施の形態では、通知情報を情報処理装置200へ送信する通知装置が、ユーザにプッシュ通知を行ったアプリサーバである場合について説明したが、かかる通知装置は、プッシュ通知を受け付けるユーザが使用する機器であってもよい。また、ユーザが使用する電気機器の電力使用状況を監視し、電力情報を情報処理装置200へ送信する監視装置は、HEMSコントローラ以外の、例えば、分電盤や家電機器であってもよいし、これらの機器とHEMSコントローラを一体に構成したものであってもよい。
また、情報処理装置200の構成の一部は、ネットワーク上のサーバ等の外部装置に配置され、他の部分と離隔していてもよい。この場合、情報処理装置200は、かかる外部装置と通信を行うための通信部を備える必要がある。
(適用されるクラウドサービスの類型)
なお、以上説明した情報処理装置は、例えば、ユーザから収集したデータに基づいて提供される、クラウドコンピューティングのサービスを構成する。すなわち、上記実施の形態において説明された技術は、例えば、以下のクラウドサービスの類型において実現され得る。しかし、上記実施の形態において説明された技術が実現される類型はこれに限られるものでない。
<サービスの類型1:自社データセンタ型>
図14は、サービスの類型1(自社データセンタ型)を示す図である。
本類型は、サービスプロバイダ12がグループ10から情報を取得し、ユーザに対してサービスを提供する類型である。本類型では、サービスプロバイダ12が、データセンタ運営会社の機能を有している。すなわち、サービスプロバイダ12が、ビッグデータの管理をするクラウドサーバ11aを保有している。したがって、データセンタ運営会社は存在しない。
なお、サービスプロバイダ12は、前述の実施の形態におけるアグリゲータとサービス事業者の機能を合わせ持ったものに相当する。
本類型では、サービスプロバイダ12は、データセンタ(クラウドサーバ11a)を運営、管理している(110c)。また、サービスプロバイダ12は、OS(110b)およびアプリケーション(110a)を管理する。サービスプロバイダ12は、サービスプロバイダ12が管理するOS(110b)およびアプリケーション(110a)を用いてサービス提供を行う(110d)。
<サービスの類型2:IaaS利用型>
図15は、サービスの類型2(IaaS利用型)を示す図である。
ここで、IaaSとは、インフラストラクチャー・アズ・ア・サービスの略であり、コンピュータシステムを構築および稼動させるための基盤そのものを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
なお、データセンタ運営会社(データセンタ)は、前述の実施の形態におけるアグリゲータに相当し、サービスプロバイダ12は、前述の実施の形態におけるサービス事業者に相当する(サービスの類型3、サービスの類型4においても同様)。
本類型では、データセンタ運営会社がデータセンタ(クラウドサーバ11a)を運営、管理している(110c)。また、サービスプロバイダ12は、OS(110b)およびアプリケーション(110a)を管理する。サービスプロバイダ12は、サービスプロバイダ12が管理するOS(110b)およびアプリケーション(110a)を用いてサービス提供を行う(110d)。
(サービスの類型3:PaaS利用型)
図16は、サービスの類型3(PaaS利用型)を示す図である。
ここで、PaaSとは、プラットフォーム・アズ・ア・サービスの略であり、ソフトウェアを構築および稼動させるための土台となるプラットフォームを、インターネット経由のサービスとして提供するクラウドサービス提供モデルである。
本類型では、データセンタ運営会社11は、OS(110b)を管理し、データセンタ(クラウドサーバ11a)を運営、管理している(110c)。また、サービスプロバイダ12は、アプリケーション(110a)を管理する。サービスプロバイダ12は、データセンタ運営会社が管理するOS(110b)およびサービスプロバイダ12が管理するアプリケーション(110a)を用いてサービス提供を行う(110d)。
(サービスの類型4:SaaS利用型)
図17は、サービスの類型4(SaaS利用型)を示す図である。
ここで、SaaSとは、ソフトウェア・アズ・ア・サービスの略である。例えばデータセンタ(クラウドサーバ)を保有しているプラットフォーム提供者が提供するアプリケーションを、データセンタ(クラウドサーバ)を保有していない会社・個人(利用者)がインターネット等のネットワーク経由で使用できる機能を有するクラウドサービス提供モデルである。
本類型では、データセンタ運営会社11は、アプリケーション(110a)を管理し、OS(110b)を管理し、データセンタ(クラウドサーバ11a)を運営、管理している(110c)。また、サービスプロバイダ12は、データセンタ運営会社11が管理するOS(110b)およびアプリケーション(110a)を用いてサービス提供を行う(110d)。
以上いずれの類型においても、サービスプロバイダ12がサービス提供行為を行ったものとする。また例えば、サービスプロバイダ若しくはデータセンタ運営会社は、OS、アプリケーション若しくはビッグデータのデータベース等を自ら開発してもよいし、また、第三者に外注させてもよい。