JP6473042B2 - 電磁石装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばプラズマ処理装置のプラズマ密度の分布を制御するために用いられる電磁石装置に関する。
従来、プラズマエッチング装置等のプラズマ処理装置において、チャンバ内に発生するプラズマ密度の分布を、電磁石装置が発生させる磁界によって制御することが知られている。具体的には、例えばプラズマエッチング装置において、エッチングガスが導入されたチャンバ内部に互いに直交する方向の電場及び磁場を加えることにより、ローレンツ力が発生する。このローレンツ力により電子がドリフト運動を行いつつ、磁力線に捕捉される。これにより、電子とエッチングガスの分子や原子との衝突頻度が増加し、高密度のプラズマが発生する。これは、いわゆるマグネトロン放電ともいわれる。
このようなプラズマ処理装置に用いられる電磁石装置として、鉄心からなる棒状のヨークの外周にコイルを巻回して形成した電磁石(例えば、特許文献1参照)や、板状のヨークに設けられた環状の溝にコイルを配置して形成された電磁石が知られている。
特開2013−149722号公報
板状のヨークに設けられた環状の溝にコイルを配置して形成される電磁石装置においては、例えば熱硬化性樹脂等によりコイルが溝に固定される。熱硬化性樹脂は、熱硬化反応及び硬化時の高温から常温へ戻す際の熱収縮により、収縮する。この熱硬化性樹脂の収縮は、ヨークを変形させることになる。ヨークが変形すると、プラズマ処理装置のチャンバ内に形成される磁場が処理対象物である基板の平面に対して均一でなくなり、その結果、基板に対する処理が均一に行われなくなるという問題点がある。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、ヨークの変形が抑制された電磁石装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の第1形態に係る電磁石装置は、プラズマ処理装置に用いられる電磁石装置であって、前面に環状の溝を有するヨークと、前記溝に配置される環状のコイルと、前記コイルを内包するように設けられ、前記コイルを前記ヨークに対して固定しかつ伝熱するための樹脂と、を有し、前記ヨークの前記溝の外周面と、前記コイルの径方向外側に設けられた前記樹脂との間に隙間が設けられる。
上記目的を達成するため、本発明の第2形態に係る電磁石装置は、第1形態の電磁石装置において、前記コイルは、前記溝の内部に収納される。
上記目的を達成するため、本発明の第3形態に係る電磁石装置は、第1形態又は第2形態の電磁石装置において、前記コイルは、前記コイルの幅方向中央部が前記溝の幅方向中央より径方向内側に位置するように、前記溝に配置される。
上記目的を達成するため、本発明の第4形態に係る電磁石装置は、第1形態ないし第3形態のいずれかの電磁石装置において、前記コイルは、前記コイルの深さ方向中央部が前記溝の深さ方向中央より底部側に位置するように、前記溝に配置される。
上記目的を達成するため、本発明の第5形態に係る電磁石装置は、第1形態ないし第4形態のいずれかの電磁石装置において、前記樹脂は、耐熱性および熱伝導性の良好な樹脂である。
上記目的を達成するため、本発明の第6形態に係る電磁石装置は、第1形態ないし第5形態のいずれかの電磁石装置において、前記溝の内周面の少なくとも一部は、前記溝の深さが深くなるに従って前記溝の幅が広くなるように形成されたテーパ面を有する。
上記目的を達成するため、本発明の第7形態に係る電磁石装置は、第1形態ないし第6形態のいずれかの電磁石装置において、前記コイルに通電するための配線を有し、
前記ヨークは、前記溝内部と背面側とを貫通する貫通孔を有し、前記配線は、前記貫通孔を通過するように設けられる。
上記目的を達成するため、本発明の第8形態に係る電磁石装置は、第1形態ないし第7形態のいずれかの電磁石装置において、前記ヨークの背面側に配置される冷却プレートを有する。
上記目的を達成するため、本発明の第9形態に係る電磁石装置は、第8形態の電磁石装置において、前記ヨークの背面と前記冷却プレートとの間に配置される伝熱シートを有する。
本発明によれば、ヨークの変形が抑制された、高精度に空間磁場分布を制御可能な電磁石装置を提供することができる。また、本発明によりコンパクトで省エネルギーな(コイル発熱が少ない)電磁石装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る電磁石装置が用いられるプラズマ処理装置の概略側断面図である。 本発明の実施形態に係る電磁石装置の上面図である。 本発明の実施形態に係る電磁石装置の側断面図である。 本発明の実施形態に係る電磁石装置の部分拡大断面図である。 本発明の実施形態に係る電磁石装置の斜視図である。 本発明の実施形態に係る電磁石装置の部分拡大断面図である。 冷却プレートの断面の一例を示す図である。 冷却プレートの断面の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る電磁石装置が用いられるプラズマ処理装置の概略側断面図である。図1に示すように、プラズマ処理装置10は、チャンバ13と、基板Wを載置するための基板ステージ14と、チャンバ13の上面に配置された電磁石装置20と、電磁石装置20を制御するためのコントローラ11とを備えている。
基板ステージ14はチャンバ13内に配置され、その上面に基板Wが載置される。チャンバ13内は図示しない真空ポンプにより排気される。チャンバ13内には、図示しない
ガス導入手段が設けられ、ガス導入手段により例えばエッチングガス等がチャンバ13内に導入される。
電磁石装置20は、隔壁(チャンバ13の天板)を介してチャンバ13内に磁場を形成するように構成される。電磁石装置20が形成する磁場は、電磁石装置20の周方向に均一な略同心円状の磁場となる。
コントローラ11は、電磁石装置20と電気的に接続される。コントローラ11は、電磁石装置20に任意のコイル電流を印加することができるように構成される。
プラズマ処理装置10は、例えば、基板ステージ14とチャンバ13の天板との間に形成された鉛直方向の電場に対して直交する方向に、電磁石装置20によって水平方向の磁場が形成される。これにより、プラズマ密度分布がコントロールされ、基板が処理される。
次に、図1に示した本発明の実施形態に係る電磁石装置20について詳細に説明する。図2は電磁石装置20の上面図であり、図3は図2に示した3−3断面における電磁石装置20の側断面図であり、図4は図3に示した電磁石装置20の破線枠で囲った部分の拡大断面図であり、図5は電磁石装置20の斜視図である。なお、以下の説明において電磁石装置20の「前面」とはプラズマ処理装置10の基板W(処理対象物)に向けられる面をいい、電磁石装置20の「背面」とは前面と逆側の面をいう。
図2及び図3に示すように、電磁石装置20は、略円盤状のヨーク21と、環状のコイル23a,23b,23c,23dと、ヨーク21の背面側に配置される冷却プレート40と、ヨーク21の背面と冷却プレート40との間に配置される伝熱シート45と、を有する。
ヨーク21は、例えば表面にNiめっきがされた純鉄から形成される。純鉄は加工性のよいものが望ましい。ヨーク21の中心には、例えばプラズマ処理ガス等の配管を通すための貫通孔30がヨーク21の厚さ方向に形成される。ヨーク21は、略円盤状のバックヨーク21aと、バックヨーク21aの前面に設けられる5つのヨーク側面部21bとを有する。5つのヨーク側面部21bは、それぞれ径の異なる環状に形成される。言い換えれば、ヨーク21は、同心円状に4つの環状の溝22a,22b,22c,22dをその前面に有する。溝22a,22b,22c,22dは、溝22aが最も径が小さく、溝22b、溝22c、溝22dの順に径が大きくなるように形成される。
コイル23a,23b,23c,23dは、それぞれ径が異なるように形成される。即ち、コイル23a,23b,23c,23dは、コイル23aが最も径が小さく、コイル23b、コイル23c、コイル23dの順に径が大きくなるように形成される。コイル23a,23b,23c,23dは、それぞれ溝22a,22b,22c,22dの内部に配置される。なお、ここで「内部に配置される」とは、コイル23a,23b,23c,23dが、溝22a,22b,22c,22dからはみ出ることなく、完全に溝22a,22b,22c,22d内に配置されることを意味する。コイル23a,23b,23c,23dに通電することによって発生する磁場の磁力線は、ヨーク21のバックヨーク21a及びヨーク側面部21bを通過するので、コイル23a,23b,23c,23dが溝22a,22b,22c,22d内部に配置されることにより、磁力線がヨーク21を通過しやすくなる。このため、コイル23a,23b,23c,23dが溝22a,22b,22c,22dからはみ出るように配置される場合に比べて、磁場分布のばらつきを抑えることができる。
溝22a,22b,22c,22dには、それぞれエポキシ樹脂24a,24b,24c,24dが設けられる。エポキシ樹脂24a,24b,24c,24dは、コイル23a,23b,23c,23dを内包するように設けられ、コイル23a,23b,23c,23dをヨーク21に対して固定し且つ伝熱する。ここで、本発明は、エポキシ樹脂24a,24b,24c,24dに限らず、例えば、シリコーン系樹脂又はウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂を採用することができる。耐熱性、熱膨張率、および熱伝導性の良好なエポキシ樹脂を用いることが好ましい。
上述したように、熱硬化性樹脂は、熱硬化反応及び硬化時の高温から常温へ戻す際の熱収縮により、収縮する。この熱硬化性樹脂の収縮は、ヨーク21を変形させることがある。この変形の1つのモードは、コイル23a,23b,23c,23dの径方向外側に設けられた熱硬化性樹脂がヨーク21の溝22a,22b,22c,22dの外周面を径方向内側に引っ張ることによって生じる。このため、本実施形態に係る電磁石装置20では、図3及び図4に示すように、コイル23a,23b,23c,23dの径方向外側に設けられたエポキシ樹脂24a,24b,24c,24dと、ヨーク21の溝22a,22b,22c,22dの外周面との間に、それぞれ隙間27a,27b,27c,27dが設けられる。一方で、コイル23a,23b,23c,23dの径方向内側が、エポキシ樹脂24a,24b,24c,24dを介して、ヨーク21に対して固定される。
図4に示すように、溝22aの外周面には、例えばフッ素系剥離剤29が塗布される。この剥離剤29は、溝22aにエポキシ樹脂24aを充填する前に溝22aの外周面に塗布される。これにより、エポキシ樹脂24aを熱硬化させることによりエポキシ樹脂24aが収縮したときに、エポキシ樹脂24aが溝22aの外周面から容易に剥離される。このため、ヨーク21に加えられる応力が抑制されつつ、隙間27aが形成される。図中省略されているが、同様に溝22b,22c,22dの外周面にも剥離剤29が塗布される。
エポキシ樹脂24a,24b,24c,24dを溝22a,22b,22c,22dの外周面から剥離させることで、エポキシ樹脂24a,24b,24c,24dの収縮によって生じるヨーク21の径方向内側への応力が低減され、ヨーク21が変形することを抑制することができる。
コイル23a,23b,23c,23dは、コイル23a,23b,23c,23dの幅方向中央部が、溝22a,22b,22c,22dの幅方向中央よりも、径方向内側に位置するように配置され、且つコイル23a,23b,23c,23dの深さ方向中央部が、溝22a,22b,22c,22dの深さ方向中央よりも、底部側に位置するように配置される。
図4に示すように溝22a,22bの内周面は、溝22a,22bの深さが深くなるに従って幅が広くなるテーパ面44a,44bを有する。即ち、テーパ面44a,44bにより、溝22a,22bの底部側の幅が比較的広く形成され、溝22a,22bの入口側(底部側と逆側)の幅が比較的狭く形成される。図示のように溝22a,22bの内周面の一部がテーパ状に形成されていてもよいし、内周面の全部がテーパ状に形成されていてもよい。尚、テーパ角度は約2°以上約3°以下が望ましい。これにより、コイル23a,23b及びエポキシ樹脂24a,24bが溝22a,22bから脱落することを抑制することができる。図中省略されているが、同様に溝22c,22dの外周面も、その深さ方向に沿って幅が広くなるテーパ面を有する。
図3に示すように、ヨーク21のバックヨーク21aには、溝22a,22b,22c,22dの内部とヨーク21の背面側とを貫通する貫通孔28a,28b,28c,28
dが形成される。図2に示すように、貫通孔28a,28b,28c,28dはそれぞれ3つの孔から構成される。コイル23a,23b,23c,23dに通電するための2本の配線(図6参照)とコイル23a,23b,23c,23dの温度を検出する図示しない2本の温度センサの配線とからなる計4本の配線が、コイル23a,23b,23c,23dから貫通孔28a,28b,28c,28dの3つの孔をそれぞれ通じて、ヨーク21の背面側に配置される。
図2及び図3に示すように、冷却プレート40は、ヨーク21の背面側に配置され、例えばボルトなどの締結部材50により、ヨーク21に締結される。冷却プレート40は、厚み方向に貫通する孔43a,43b,43cを有する。孔43a,43b,43cは、冷却プレート40がヨーク21の背面に締結されたときに、貫通孔28a,28b,28cの位置に対応する位置に配置されるように形成される。したがって、コイル23a,23b,23cに通電するための配線(図6参照)及びコイル23a,23b,23cの温度を検出する図示しない温度センサの配線は、コイル23a,23b,23cから貫通孔28a,28b,28c及び孔43a,43b,43cを通じて、冷却プレート40の背面側に配置される。ヨーク21の貫通孔28dが形成される位置の背面側には冷却プレート40は配置されない。このため、コイル23dに通電するための配線(図6参照)及びコイル23dの温度を検出する図示しない温度センサの配線は、貫通孔28dのみを通じてヨーク21の背面側に配置される。
図2及び図5に示すように、冷却プレート40は、その内部に水を通過させる水冷管41を有し、水冷管41は冷却プレート40の外部に位置する入口41a及び出口41bを有する。
図3に示すように、ヨーク21の背面には凹部21cが形成される。凹部21cには、ヨーク21の熱を冷却プレート40に伝えるための伝熱シート45が配置される。即ち、伝熱シート45の一方の面がヨーク21に接触し他方の面が冷却プレート40に接触するように、伝熱シート45はヨーク21の背面と冷却プレート40との間に配置される。伝熱シート45は、ヨーク21の背面と冷却プレート40との間の略全体に亘って配置されている。冷却プレート40は、締結部材50によって伝熱シート45に密着するように締結される。凹部21cの深さは伝熱シート45に適当なつぶし圧を与え、これにより伝熱特性が保たれる。
コイル23a,23b,23c,23dに通電することによって生じる熱は、エポキシ樹脂24a,24b,24c,24dを介してヨーク21に伝わる。ヨーク21に伝わった熱は、バックヨーク21aから伝熱シート45により効率よく冷却プレート40に伝わる。このようにして、コイル23a,23b,23c,23dに通電することよって生じる熱が効率よく抜熱される。
また、冷却プレート40の背面側に図1に示したコントローラ11を配置した場合は、冷却プレート40は、コントローラ11が有するアンプ等の抜熱も行うことができる。
次に、図2に示したコイル23a,23b,23c,23dの配線の構成について説明する。図6は、電磁石装置20の部分拡大断面図である。コイル23aは配線52a,53aを有し、コイル23bは配線52b,53bを有する。図示省略されているが、コイル23c,23dも同様にそれぞれ配線を有する。コイル23a,23b,23c,23dは、それぞれ別の配線によりコントローラ11と通電可能に接続されているので、コントローラ11はそれぞれのコイル23a,23b,23c,23dを独立して制御することができる。このため、コントローラ11が各コイル23a,23b,23c,23dにそれぞれ任意の電流を印加することにより、電磁石装置20の前面側に任意の同心円状の
磁場を形成することができる。ひいては、図1に示したプラズマ処理装置10において、チャンバ13内に形成されるプラズマの分布を調節することができる。
次に、図2ないし図6に示した冷却プレート40の冷却構造について説明する。図7及び図8は、冷却プレート40の断面の一例を示す図である。なお、説明の便宜上、図3に示したヨーク21及び伝熱シート45が図7及び図8に簡略化されて図示されている。
図7に示すように、伝熱シート45を介してヨーク21の背面側に配置される冷却プレート40は、伝熱シート45と接触する側(前面側)に溝60を有する。溝60には、内部に水等の冷却媒体が流れる水冷パイプ61が設けられる。水冷パイプ61と溝60との隙間にはシール剤62が充填され、シール剤62によって水冷パイプ61が溝60の内部に固定される。これにより、水冷パイプ61に流れる冷却媒体は、ヨーク21、伝熱シート45、及びシール剤62を介して、コイル23a,23b,23c,23d(図3等参照)に通電することにより発生する熱を効率よく吸収することができる。図示の矢印A1は、熱の移動を示している。なお、冷却プレート40は、例えばアルミニウムから構成され、水冷パイプ61はステンレス鋼(SUS)等から構成される。
また、図8に示す冷却プレート40は、伝熱シート45と接触する側(前面側)に凹部65を有し、凹部65に溝60が形成される。溝60には、水冷パイプ61が設けられる。水冷パイプ61と溝60との隙間にはシール剤62が充填される。さらに、凹部65には、水冷パイプ61を溝60に押さえつけるように構成された押さえ板66が設けられる。押さえ板66は、押えネジ63により冷却プレート40に固定される。これにより、水冷パイプ61は、シール剤62と押さえ板66により、溝60内に固定される。コイル23a,23b,23c,23d(図3等参照)に通電することにより発生する熱は、図7に示した冷却プレート40と同様に、ヨーク21、伝熱シート45、及びシール剤62を介して、水冷パイプ61に流れる冷却媒体に効率よく吸収される。また、図8に示す冷却プレート40では、押さえ板66が、溝60内に水冷パイプ61を確実に固定することができる。
以上で説明したように、本実施形態に係る電磁石装置20は、コイル23a,23b,23c,23dの径方向外側に設けられたエポキシ樹脂24a,24b,24c,24dと溝22a,22b,22c,22dの外周面との間に隙間27a,27b,27c,27dが設けられるので、エポキシ樹脂24a,24b,24c,24dの収縮によってヨーク21が変形することを抑制することができる。加えて、プラズマ処理時にコイル23a,23b,23c,23dに電流が加えられるとコイル23a,23b,23c,23dが発熱し、ヨーク21が熱せられる。このとき、コイル23a,23b,23c,23dとヨーク21との熱膨張係数の差によって生じる応力を、エポキシ樹脂24a,24b,24c,24dが溝22a,22b,22c,22dの外周面に接着している場合に比べて緩和することができる。
また、溝22a,22b,22c,22dの外周面に剥離剤29が塗布されているので、エポキシ樹脂24a,24b,24c,24dが熱硬化したときに、エポキシ樹脂24a,24b,24c,24dが溝22a,22b,22c,22dの外周面から容易に剥離される。このため、ヨーク21に加わる応力を低減しつつ、隙間27a,27b,27c,27dを容易に形成することができる。
なお、本実施形態に係る電磁石装置20では、剥離剤29を用いているが、これに限られない。例えばコイル23a,23b,23c,23dの径方向外側に設けられたエポキシ樹脂24a,24b,24c,24dと溝22a,22b,22c,22dの外周面との間にスペーサを配置する等して、溝22a,22b,22c,22dにエポキシ樹脂2
4a,24b,24c,24が溝22a,22b,22c,22dに接着しないようにし、隙間27a,27b,27c,27dを形成してもよい。
本実施形態に係る電磁石装置20では、コイル23a,23b,23c,23dが溝22a,22b,22c,22dの内部に収納されるので、コイル23a,23b,23c,23dが溝22a,22b,22c,22dからはみ出るように配置される場合に比べて、磁場分布のばらつきをより抑えることができる。
本実施形態に係る電磁石装置20では、コイル23a,23b,23c,23dは、コイル23a,23b,23c,23dの幅方向中央部が溝22a,22b,22c,22dの幅方向中央よりも径方向内側に位置するように配置される。これにより、コイル23a,23b,23c,23dがよりヨーク21に近い位置に配置されるので、ヨーク21との間に隙間のないコイル23a,23b,23c,23dの径方向内側からエポキシ樹脂24a,24b,24c,24dを介して、コイル23a,23b,23c,23dに通電することにより発生する熱を効率よくヨーク21に伝達することができる。
本実施形態に係る電磁石装置20では、コイル23a,23b,23c,23dは、コイル23a,23b,23c,23dの深さ方向中央部が溝22a,22b,22c,22dの深さ方向中央よりも底部側に位置するように配置される。これにより、コイル23a,23b,23c,23dがよりヨーク21に近い位置に配置されるので、コイル23a,23b,23c,23dに通電することにより発生する熱がエポキシ樹脂24a,24b,24c,24dを介して効率よくヨーク21に伝達される。
本実施形態に係る電磁石装置20では、熱硬化性樹脂として耐熱性の良好な樹脂、例えばエポキシ樹脂24a,24b,24c,24dを用いているので、コイル23a,23b,23c,23dに通電することにより発生する熱によって、エポキシ樹脂24a,24b,24c,24dの強度が低下することを抑制することができる。また、エポキシ樹脂24a,24b,24c,24dは比較的熱膨張係数が小さいので、コイル23a,23b,23c,23dに通電することにより発生する熱によるエポキシ樹脂24a,24b,24c,24dの膨張量を比較的小さくすることができ、エポキシ樹脂24a,24b,24c,24dの膨張によるコイル23a,23b,23c,23dの位置の変動を抑制することができる。さらに、熱硬化性樹脂として熱伝導率が良好な(高い)樹脂、例えばエポキシ樹脂24a,24b,24c,24dを用いているので、コイル23a,23b,23c,23dに通電することにより発生する熱を効率よくヨーク21へ伝達することができる。なお、本実施形態ではエポキシ樹脂を用いているが、これに限らず耐熱性および熱伝導性の良好な他の樹脂を用いることもできる。ここで、本実施形態で用いられる良好な耐熱性及び熱伝導性を有する熱硬化性樹脂は、約0.5w/m・k以上の熱伝導性を有することが望ましく、ガラス転移点温度が約150℃以上の耐熱性を有することが望ましい。
本実施形態に係る電磁石装置20では、溝22a,22b,22c,22dの内周面の少なくとも一部が、溝22a,22b,22c,22dの深さが深くなるに従って幅が広くなるテーパ面を有するので、万が一エポキシ樹脂24a,24b,24c,24dの径方向内側及び背面側が溝22a,22b,22c,22dから剥離したときであっても、エポキシ樹脂24a,24b,24c,24dが溝22a,22b,22c,22dのテーパ面に引っ掛かり、コイル23a,23b,23c,23dが溝22a,22b,22c,22dから脱落することを防止することができる。
本実施形態に係る電磁石装置20では、コイル23a,23b,23c,23dに通電する配線を、貫通孔28a,28b,28c,28dを介して、ヨーク21及び冷却プレ
ート40の背面側に配置させる。これにより、配線によって生じる磁場の影響を抑制することができ、電磁石装置20の前面側に周方向に均一な磁場を形成することができる。
本実施形態に係る電磁石装置20では、ヨーク21の背面側に冷却プレート40が配置されるので、コイル23a,23b,23c,23dに通電することにより発生する熱をヨーク21から抜熱することができる。さらに、本実施形態に係る電磁石装置20では、ヨーク21の背面と冷却プレート40との間に配置される伝熱シート45を有するので、ヨーク21からの抜熱をより効率よく行うことができる。
以上で説明した実施形態に係る電磁石装置20は、溝22a,22b,22c,22d及びコイル23a,23b,23c,23d等を4つずつ有するものとして説明しているが、これに限らず、溝22a,22b,22c,22d及びコイル23a,23b,23c,23d等は少なくとも1つ以上であればよい。
また、以上で説明した実施形態では、プラズマ処理装置10の例としてプラズマエッチング装置を挙げているが、これに限られず、プラズマの生成に磁力を用いる装置、例えばスパッタリング装置やプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)装置等にも電磁石装置20を適用することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上述した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。また、上述した課題の少なくとも一部を解決できる範囲、または、効果の少なくとも一部を奏する範囲において、特許請求の範囲及び明細書に記載された各構成要素の任意の組み合わせ、又は省略が可能である。
10…プラズマ処理装置
20…電磁石装置
21…ヨーク
22a,22b,22c,22d…溝
23a,23b,23c,23d…コイル
24a,24b,24c,24d…エポキシ樹脂
27a,27b,27c,27d…隙間
28a,28b,28c,28d…貫通孔
29…剥離剤
40…冷却プレート
44a,44b…テーパ面
45…伝熱シート
52a,52b…第1配線
53a,53b…第2配線

Claims (9)

  1. プラズマ処理装置に用いられる電磁石装置であって、
    前面に環状の溝を有するヨークと、
    前記溝に配置される環状のコイルと、
    前記コイルを内包するように設けられ、前記コイルを前記ヨークに対して固定しかつ伝熱するための樹脂と、を有し、
    前記ヨークの前記溝の外周面と、前記コイルの径方向外側に設けられた前記樹脂との間に隙間が設けられる、電磁石装置。
  2. 前記コイルは、前記溝の内部に収納される、請求項1に記載された電磁石装置。
  3. 前記コイルは、前記コイルの幅方向中央部が前記溝の幅方向中央より径方向内側に位置するように、前記溝に配置される、請求項1又は2に記載された電磁石装置。
  4. 前記コイルは、前記コイルの深さ方向中央部が前記溝の深さ方向中央より底部側に位置するように、前記溝に配置される、請求項1ないし3のいずれか一項に記載された電磁石装置。
  5. 前記樹脂は、耐熱性および熱伝導性の良好な樹脂である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載された電磁石装置。
  6. 前記溝の内周面の少なくとも一部は、前記溝の深さが深くなるに従って前記溝の幅が広くなるように形成されたテーパ面を有する、請求項1ないし5のいずれか一項に記載された電磁石装置。
  7. 前記コイルに通電するための配線を有し、
    前記ヨークは、前記溝内部と背面側とを貫通する貫通孔を有し、
    前記配線は、前記貫通孔を通過するように設けられる、請求項1ないし6のいずれか一項に記載された電磁石装置。
  8. 前記ヨークの背面側に配置される冷却プレートを有する、請求項1ないし7のいずれか一項に記載された電磁石装置。
  9. 前記ヨークの背面と前記冷却プレートとの間に配置される伝熱シートを有する、請求項8に記載された電磁石装置。
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