JP6472440B2 - 無線基地局、ユーザ端末および無線通信システム - Google Patents
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Description
本発明は、次世代移動通信システムにおける無線基地局、ユーザ端末および無線通信システムに関する。
UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)ネットワークにおいて、さらなる高速データレート、低遅延などを目的としてロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)が仕様化された(非特許文献1)。LTEではマルチアクセス方式として、下り回線(下りリンク)にOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)をベースとした方式を用い、上り回線(上りリンク)にSC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)をベースとした方式を用いている。
また、LTEからのさらなる広帯域化および高速化を目的として、LTEの後継システムも検討されている(たとえば、LTEアドバンストまたはLTEエンハンスメントと呼ぶこともある(以下、「LTE−A」という))。LTE−Aシステムでは、半径数キロメートル程度の広範囲のカバレッジエリアを有するマクロセル内に、半径数十メートル程度の局所的なカバレッジエリアを有するスモールセル(たとえば、ピコセル、フェムトセルなど)が形成されるHetNet(Heterogeneous Network)が検討されている(非特許文献2)。また、HetNetでは、マクロセル(マクロ基地局)とスモールセル(スモール基地局)間で同一周波数帯だけでなく、異なる周波数帯のキャリアを用いることも検討されている。
さらに、将来の無線通信システム(Rel.12以降)では、LTEシステムを、通信事業者(オペレータ)にライセンスされた周波数帯域(Licensed band)だけでなく、ライセンス不要の周波数帯域(Unlicensed band)で運用するシステム(LTE−U:LTE UnlicensedまたはLAA:Licensed-Assisted Access)も検討されている。ライセンスバンド(Licensed band)は、特定の事業者が独占的に使用することを許可された帯域であり、非ライセンスバンド(Unlicensed band)は特定事業者に限定せずに無線局を設置可能な帯域である。
非ライセンスバンドとして、たとえば、Wi−FiやBluetooth(登録商標)を使用可能な2.4GHz帯や5GHz帯、ミリ波レーダを使用可能な60GHz帯等の利用が検討されている。このような非ライセンスバンドをスモールセルで適用することも検討されている。
既存のLTEでは、ライセンスバンドでの運用が前提となっているため、各オペレータに対して異なる周波数帯域が割り当てられている。しかし、非ライセンスバンドは、ライセンスバンドと異なり特定の事業者のみの使用に限られない。また、非ライセンスバンドは、ライセンスバンドと異なり特定の無線システム(たとえばLTE、Wi−Fiなど)の使用に限られない。このため、あるオペレータのLAAで利用する周波数帯域は、他のオペレータのLAAやWi−Fiで利用する周波数帯域と重なる可能性がある。
非ライセンスバンドでは、異なるオペレータや非オペレータ間において、同期、協調または連携などがなされずに運用されることも想定される。また、異なるオペレータや非オペレータ間では、無線アクセスポイント(AP)や無線基地局(eNB)の設置も互いに協調・連携せずに行うことが想定される。この場合、非ライセンスバンドでは、ライセンスバンドとは異なる大きな相互干渉が生じるおそれがある。
そこで、非ライセンスバンドにおいて運用されるWi−Fiシステムでは、LBT(Listen Before Talk)メカニズムに基づくキャリア検知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA:Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance)が採用されている。具体的には、各送信ポイント(TP:Transmission Point)またはアクセスポイント(AP:Access Point)、そしてユーザ端末が、送信を行う前にリスニング(CCA:Clear Channel Assessment)を実行し、所定レベルを超える信号が存在しない場合にのみ送信を行う方法などが用いられている。所定レベルを超える信号が存在する場合には、ランダムに与えられる待ち時間を設け、その後再びリスニングを行う。
LAAシステムにおいてもWi−Fiシステムと同様に、リスニング結果に応じて送信を停止する方法(LBTおよびランダムバックオフ)を行うことが考えられる。たとえば、非ライセンスバンドセルにおいて、信号を送信する前にリスニングを行い、他システム(たとえば、Wi−Fi)や別のLAAの送信ポイントが通信を行っているか確認し、LBTの結果に応じて信号の送信有無を制御することが考えられる。
リスニングの結果、他システムや別のLAAの送信ポイントからの信号を検出しなければ、非ライセンスバンドにおけるユーザ端末との通信を確立する。リスニングの結果、他システムや別のLAAの送信ポイントからの信号を検出した場合には、DFS(Dynamic Frequency Selection)により別キャリアに遷移するか、送信電力制御(TPC:Transmission Power Control)を行うか、あるいは、データ伝送を待機(停止)する。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、非ライセンスバンドでLTEを運用する無線通信システム(LAA)においてLBTを適切に行うことができる無線基地局、ユーザ端末および無線通信システムを提供することを目的とする。
本発明の無線基地局は、ライセンスバンドおよび非ライセンスバンドを利用可能なユーザ端末と通信を行う無線基地局であって、LBT(Listen Before Talk)を用いて非ライセンスバンドにおける下りリンク信号の送信を制御する制御部と、複数の候補シンボルから前記LBTを実行するシンボルを等しい確率でランダムに選択する選択部と、前記LBT期間中の受信信号強度を測定した測定結果を取得する取得部と、を備え、前記制御部は、前記受信信号強度の測定結果より前記非ライセンスバンドのチャネルがアイドル状態であると判定した場合、前記LBTを実行したシンボル以降のすべての前記候補シンボルでビーコン参照信号を送信するよう制御することを特徴とする。
本発明によれば、非ライセンスバンドでLTEを運用する無線通信システム(LAA)においてLBTを適切に行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態では、LBTが設定されない周波数キャリアをライセンスバンド、LBTが設定される周波数キャリアを非ライセンスバンドとして説明するが、これに限られない。すなわち、本実施の形態は、LBTが設定される周波数キャリアであれば、ライセンスバンドまたは非ライセンスバンドにかかわらず適用できる。
本実施の形態では、LBTが設定されない周波数キャリアをライセンスバンド、LBTが設定される周波数キャリアを非ライセンスバンドとして説明するが、これに限られない。すなわち、本実施の形態は、LBTが設定される周波数キャリアであれば、ライセンスバンドまたは非ライセンスバンドにかかわらず適用できる。
非ライセンスバンドでLTEを運用する無線通信システム(LAA)のシナリオとして、キャリアアグリゲーション(CA:Carrier Aggregation)、デュアルコネクティビティ(DC:Dual Connectivity)またはスタンドアローンなどの複数のシナリオが想定される。たとえば、800MHz帯のライセンスバンドを利用するマクロセルと、5GHz帯の非ライセンスバンドを利用するスモールセルと、を設ける場合を想定する。なお、キャリアアグリゲーションやデュアルコネクティビティを適用するセル間では、少なくともカバレッジエリアの一部が重畳するように配置される。
この場合、たとえば図1に示すように、ライセンスバンドを利用するマクロセルをプライマリセル(Pcell)、非ライセンスバンドを利用するスモールセルをセカンダリセル(Scell)としてキャリアアグリゲーションまたはデュアルコネクティビティを適用するシナリオが考えられる。
図2Aは、ライセンスバンドおよび非ライセンスバンドを用いて、キャリアアグリゲーションを適用するシナリオを示している。キャリアアグリゲーションは、複数のコンポーネントキャリア(CC、キャリア、セルなどともいう)を統合して広帯域化する技術である。各CCは、たとえば、最大20MHzの帯域幅を有し、最大5つのCCを統合する場合には最大100MHzの広帯域が実現される。キャリアアグリゲーションが適用される場合、1つの無線基地局のスケジューラが複数のCCのスケジューリングを制御する。
図2Aに示す例では、ライセンスバンドを利用するマクロセルまたはスモールセルをプライマリセル、非ライセンスバンドを利用するスモールセルをセカンダリセルとしてキャリアアグリゲーションを適用している。シナリオ1Aでは、プライマリセルにはFDDバンド(キャリア)で運用されるマクロセルまたはTDDバンドで運用されるスモールセルを用いて、セカンダリセルには下りリンク(DL:DownLink)伝送専用のキャリアを用いている。シナリオ1Bでは、プライマリセルにはFDDバンドで運用されるマクロセルまたはTDDバンドで運用されるスモールセルを用いて、セカンダリセルにはTDDバンドで運用されるスモールセルを用いている。
図2Bは、ライセンスバンドおよび非ライセンスバンドを用いて、デュアルコネクティビティを適用するシナリオを示している。デュアルコネクティビティは、複数のCCを統合して広帯域化する点はキャリアアグリゲーションと同様であるが、キャリアアグリゲーションでは、セル(またはCC)間がIdeal backhaulで接続され、遅延時間の非常に小さい協調制御が可能であることを前提しているのに対し、デュアルコネクティビティでは、セル間が遅延時間の無視できないNon−ideal backhaulで接続されるケースを想定している。したがって、デュアルコネクティビティでは、セル間が別々の基地局で運用され、ユーザ端末は異なる基地局で運用される異なる周波数のセル(またはCC)を統合し、広帯域化を実現する方法といえる。以上より、デュアルコネクティビティが適用される場合、複数のスケジューラが独立して設けられ、当該複数のスケジューラがそれぞれの管轄する1つ以上のセル(CC)のスケジューリングを制御する。なお、デュアルコネクティビティにおいて、独立して設けられるスケジューラごとにキャリアアグリゲーションを適用してもよい。
図2Bに示す例では、ライセンスバンドを利用するマクロセルをプライマリセル、非ライセンスバンドを利用するスモールセルをセカンダリセルとしてデュアルコネクティビティを適用している。シナリオ2Aでは、プライマリセルにはFDDバンドまたはTDDバンドで運用されるマクロセルを用いて、セカンダリセルにはDL伝送専用のキャリアを用いている。シナリオ2Bでは、プライマリセルにはFDDバンドまたはTDDバンドで運用されるマクロセルを用いて、セカンダリセルにはTDDバンドで運用されるスモールセルを用いている。
図2Cに示す例では、非ライセンスバンドを用いてLTEを運用するセルが単体で動作するスタンドアローンを適用している。シナリオ3では、非ライセンスバンドはTDDバンドで運用されている。
図2A、図2Bに示すキャリアアグリゲーションおよびデュアルコネクティビティの運用形態では、たとえば、ライセンスバンドCCをプライマリセル(PCell)、非ライセンスバンドCCをセカンダリセル(SCell)として利用することができる。ここで、キャリアアグリゲーションにおけるプライマリセルとは、RRC接続やハンドオーバを管理するセルであり、端末からのデータやフィードバック信号を受信するために上りリンク(UL:UpLink)におけるL1/L2制御信号(PUCCH)伝送も必要となるセルである。キャリアアグリゲーションを行う場合、プライマリセルは上下リンクともに常に設定される。セカンダリセルとは、キャリアアグリゲーションを適用する際にプライマリセルに加えて設定する他のセルである。セカンダリセルは下りリンクだけ設定することもできるし、上下リンクを同時に設定することもできる。一方、デュアルコネクティビティでは、プライマリセルに加え、少なくとも1つのセカンダリセルにおいて、端末からのデータやフィードバック信号を受信するために上りリンク(UL)におけるL1/L2制御信号(PUCCH)伝送が必要となる。これは、独立して設けられるスケジューラそれぞれに対してL1/L2制御信号(PUCCH)伝送が必要なためである。
本発明者らは、Wi−FiシステムでLAAを利用することや複数オペレータ間でLAAを利用することも考慮して、非ライセンスバンドでLTEを運用する無線通信システム(LAA)においてLBTを行うための統一されたメカニズムを規定することを見出した。このメカニズムによれば、複数のLAA間の公平さが保証され、かつ、LAAのパフォーマンスを向上することができる。
本実施の形態では、第1および第2の態様として、非ライセンスバンドを下りリンクデータのオフロードにのみ使用する場合のLBTメカニズムについて説明し、第3および第4の態様として、非ライセンスバンドを下りリンクデータと上りリンクデータのオフロードに使用する場合のLBTメカニズムについて説明する。
(第1の態様)
第1の態様では、図2に示すシナリオ1Aや2Aのように、LAAを下りリンク伝送専用のキャリアとしてキャリアアグリゲーションまたはデュアルコネクティビティに適用するシナリオを検討する。この場合、ライセンスバンド(LTE)は制御とデータ伝送用に使用され、非ライセンスバンド(LAA)は、下りリンクデータのオフロードにのみ使用される。すなわち、LAAでは上りリンクデータの伝送は行われない。
第1の態様では、図2に示すシナリオ1Aや2Aのように、LAAを下りリンク伝送専用のキャリアとしてキャリアアグリゲーションまたはデュアルコネクティビティに適用するシナリオを検討する。この場合、ライセンスバンド(LTE)は制御とデータ伝送用に使用され、非ライセンスバンド(LAA)は、下りリンクデータのオフロードにのみ使用される。すなわち、LAAでは上りリンクデータの伝送は行われない。
第1の態様において、LBTは、基地局でのみ行われる。したがって、ユーザ端末は、LBTを行わない。Wi−Fi等におけるLBTとは異なり、LAAにおけるLBTのメカニズムは、従来のフレーム構造に基づいて設計されるものとする。図3は、従来のLTEにおけるFDD下りリンク無線フレーム構成を示している。無線フレームは10[ms]周期であり、1つのサブフレーム長は1[ms]である。1サブフレームは、2つのスロットに分割することができ、1スロット長は0.5[ms]である。また、1サブフレームは14OFDMシンボルで構成されている。
図4は、LBTフレーム構成を示す図である。固定LBTフレーム長は10[ms]であり、少なくとも1つのLBT用のスペシャルサブフレームが含まれる。なお、このLBT用のスペシャルサブフレームは、既存のTDDのUL−DL構成におけるスペシャルサブフレームとは異なり、新たに定義されたものである。
図4に示すように、LBTフレーム構成におけるLBT用のスペシャルサブフレームには、DLとULの切り替えポイントとなる0.5[ms]のガード期間(Guard Period)が含まれ、残りの0.5[ms]がLBT期間となる。LBT期間においては、基地局は、チャネルがビジー状態かアイドル状態かどうか検出および決定するためのリスニングを行う。
LBT期間中の受信信号強度が所定のしきい値よりも高い場合、チャネルはビジー状態(LBTbusy)とみなされる。この場合、基地局は、DLデータを送信せずに、再びLBTを実行するために次のLBT用のスペシャルサブフレームまで待機する。
LBT期間中の受信信号強度が所定のしきい値よりも低い場合、チャネルはアイドル状態(LBTidle)とみなされる。この場合、基地局は、再びLBTを実行する次のLBT用のスペシャルサブフレームまで、DLデータを送信することができる。
図4に示すように、固定LBTフレームは、9DLサブフレームと1スペシャルサブフレームとを含んで構成される。すなわち、10[ms]の固定LBTフレームにおいて、下りリンク伝送が可能な最大チャネル占有時間は9[ms]である。
固定LBTフレーム長は、10[ms]以外の時間長であってもよい。たとえば、固定LBTフレーム長が5[ms]である場合には、下りリンク伝送が可能な最大チャネル占有時間は4[ms]となる。すなわち、この場合、LBTフレームは従来の無線フレーム周期の半分であり、4DLサブフレームと1スペシャルサブフレームとを含んで構成される。
固定LBTフレームが5[ms]のように比較的短い場合には、より公平さを担保できる。固定LBTフレームが10[ms]のように比較的長い場合には、連続した送信時間を確保できるため、より良いパフォーマンスと少ないセンシングオーバヘッドを実現できる。
複数LAAシステム間の公平性を保証するために、LBT期間は準静的に変更する必要がある。図5に示す例では、オペレータAおよびBがLAAを行っている。図5Aに示す最初の固定LBTフレームでは、オペレータAのLBT期間は先頭のサブフレームに設けられている。一方、オペレータBのLBT期間は3サブフレーム目に設けられている。この場合、オペレータAのLBT検出結果はLBTidleとなり、2サブフレーム目からDLデータを送信できる。オペレータBのLBT検出結果は、オペレータAがDLデータを送信しているためLBTbusyとなり、DLデータを送信することはできない。
図5Aに示す次の固定LBTフレームでも、オペレータAのLBT期間は先頭のサブフレームに設けられ、オペレータBのLBT期間は3サブフレーム目に設けられている。したがって、この周期でもオペレータBはDLデータを送信することはできない。
このように複数のオペレータ間でLBT期間が変更されないと公平性に欠ける。したがって、オペレータはLBT期間を準静的に変更する必要がある。
図5Bに示す例では、図5Aに示す例から、オペレータAのLBT期間が変更されている。図5Bに示す固定LBTフレームでは、オペレータAのLBT期間は5サブフレーム目に設けられている。一方、オペレータBのLBT期間は3サブフレーム目に設けられている。この場合、オペレータBのLBT検出結果はLBTidleとなり、4サブフレーム目からDLデータを送信できる。
各オペレータ(PLMN)は、LBTサブフレームの位置を変えるために、特定の期間経過後に、固有の範囲からランダムな値を選択する。LBT周期とオフセットはランダム関数で変更してもよいし、オペレータ識別子やセル識別子などを引数とする関数で定まるパターンに基づいて変更してもよい。また、LBT周期とオフセットの変更は、オペレータまたは基地局ごとに任意のタイミングで行ってもよいし、あらかじめ定められたタイミングでのみ行ってもよい。
また、フレームタイミング、すなわち各LBTフレームのLBTサブフレームの位置を変える周期と比較して十分長い間、絶対時間に対するフレームタイミングを固定としておいてもよい。たとえば、10[ms]のLBTフレームであれば、十分長い期間の間、10[ms]ごとにLBTフレームの先頭サブフレームが設けられる。LBTの結果や送信有無に関わらず、先頭サブフレームのタイミングは10[ms]ごとに設けられるものとする。このようにすることで、当該非ライセンスバンドとキャリアアグリゲーションを行うライセンスバンドとのサブフレーム送信タイミングを合わせる(同期させる)ことができるため、キャリアアグリゲーションによる広帯域化を効率的に行うことができる。
同一オペレータによるLAAの性能を向上させるためには、フレームタイミング(すなわち、各送信フレームの先頭タイミング)はオペレータ内で同期していることが好ましい。図6に示す例では、同一オペレータAにおける基地局eNB1およびeNB2がLAAを行っている。この場合、図6に示すように、LBT期間を設けるサブフレーム位置は同期していることが好ましい。このようにすることで、LBTによって同一オペレータの基地局間が、互いを検出し、送信機会を失う可能性を低減することができる。
この場合、同一オペレータの基地局は、互いを検出せずに送信を行うことになる。しかし、同一オペレータであれば、LBT後にセル間干渉キャンセル(ICIC:Inter-Cell Interference Coordination)を使うことができ、干渉による品質劣化を低減または回避することできる。また、同一オペレータであれば、干渉となり得るセルの情報を置局やセルプランニングの段階でネットワーク・オペレータが把握できることから、ユーザ端末に干渉となり得るセルの情報を通知し、ユーザ端末側で干渉キャンセルを行ってもよい。このようなユーザ端末による干渉キャンセルは、NAICS(Network Assisted Interference Cancellation System)とも呼ばれる。しかし、オペレータ内においても、常に十分なセルプランニングが可能であるとは限らない。セルプランニングが悪い状態ならば、同一オペレータの基地局間であっても、非同期である場合を想定してもよい。
フレームの送信タイミングが基地局間で同期している場合、LBTサブフレームの周期やタイミングの変更は、基地局間のバックホールシグナリングで通知することができる。これにより、オペレータ内のLBTタイミングを同期させることができる。基地局は、LBTサブフレームの有無およびタイミングをユーザ端末に通知してもよい。これにより、ユーザ端末は、LBTサブフレームではDLデータ伝送がないことを知ることができるため、余計な復号処理を減らして消費電力を低減することができる。
フレームの送信タイミングが基地局間で同期していない場合、LBTサブフレームの周期やタイミングの変更のみを、基地局間のバックホールシグナリングで通知しても、オペレータ内のLBTタイミングを同期させることはできない。この場合、基地局では、さらに互いにフレームの送信タイミングを同期させる必要がある。これを実現する方法としては、基地局ごとにGPS受信機を搭載し、時刻に対して共通の送信タイミングを設定する方法、時刻同期専用のバックホール回線(IEEE1588)により各基地局を接続して同期を行う方法、特定の基地局が送信する信号を他の基地局で受信し、その送信タイミングを検出して同期を行う方法、ユーザ端末が複数基地局の送信タイミング差を検出し、基地局に報告することで同期を行う方法、などが考えられる。
第1の態様におけるLBTメカニズムを適用することにより、LAAにおけるLBTサブフレームのタイミングをオペレータ等の間で変えることができ、複数のオペレータ等の間で公平さを保証することができる。また、同一オペレータ内ではLBTサブフレームのタイミングを同期させ、干渉制御を適用することにより、送信機会の過剰な逸失を回避し、LAAのパフォーマンスを向上することができる。さらに、第1の態様におけるLBTメカニズムは、単純な方法であるという利点がある。
一方、第1の態様におけるLBTメカニズムによれば、2つのLAAオペレータが同一サブフレームにLBT期間を設けた場合に互いの送信を検出することができなくなり、LBTが効果を失うことがある(図7参照)。たとえば固定LBTフレームが10サブフレームで構成される場合(すなわちLBTフレームが10[ms]長の場合)、10%の可能性で衝突が生じる。
第1の態様におけるLBTフレーム構成の変形例について説明する。
<変形例1>
LBT用のスペシャルサブフレームにおけるGP/LBT期間は、それぞれ0.5[ms]に制限されることはなく、必要条件に応じて調整してもよい。たとえば、送信と受信を高速にスイッチできる基地局であれば、GP区間を短く設定し、LBT区間を長くすることで、LBTによる検出精度を改善することができ、LAAやWi−Fi等に干渉を与える可能性を低減することができる。また、LBT区間長をランダムまたは一定の周期で変えるようにすれば、図7のようにLAAオペレータ間でLBT用のスペシャルサブフレームが一致してしまった場合でも、互いのLBT区間長が異なるため、検出することができるようになり、LBTによる干渉制御の効果を改善することができる。
LBT用のスペシャルサブフレームにおけるGP/LBT期間は、それぞれ0.5[ms]に制限されることはなく、必要条件に応じて調整してもよい。たとえば、送信と受信を高速にスイッチできる基地局であれば、GP区間を短く設定し、LBT区間を長くすることで、LBTによる検出精度を改善することができ、LAAやWi−Fi等に干渉を与える可能性を低減することができる。また、LBT区間長をランダムまたは一定の周期で変えるようにすれば、図7のようにLAAオペレータ間でLBT用のスペシャルサブフレームが一致してしまった場合でも、互いのLBT区間長が異なるため、検出することができるようになり、LBTによる干渉制御の効果を改善することができる。
<変形例2>
LBTサブフレームは、図3に示すようにすべてDLサブフレームで構成される構成に限定されることなく、他の構成でも適用することができる。たとえば、図8Aに示すように、ABS(Almost Blank Subframe)パターンが構成される場合には、ABSをLBTサブフレームとして構成することができる。図8Aに示す例では、ABSにガード期間とLBT期間が構成されている。ABSサブフレームでは、ユーザ端末はセルの品質測定(measurement)を行わない。したがって、ABSサブフレームをLBTサブフレームとして用いる場合、ユーザ端末のセル品質測定に与える影響を低減することができる。また、ABSサブフレームでセルの品質測定を行わないようにするため、メジャメントサブフレームを制限するシグナリングが既に存在する。ユーザ端末に対し、この既存のシグナリングでLBTサブフレームを暗に通知することができるため、新たなシグナリングを規定せずにLBTサブフレームを設定できるという効果も得られる。
LBTサブフレームは、図3に示すようにすべてDLサブフレームで構成される構成に限定されることなく、他の構成でも適用することができる。たとえば、図8Aに示すように、ABS(Almost Blank Subframe)パターンが構成される場合には、ABSをLBTサブフレームとして構成することができる。図8Aに示す例では、ABSにガード期間とLBT期間が構成されている。ABSサブフレームでは、ユーザ端末はセルの品質測定(measurement)を行わない。したがって、ABSサブフレームをLBTサブフレームとして用いる場合、ユーザ端末のセル品質測定に与える影響を低減することができる。また、ABSサブフレームでセルの品質測定を行わないようにするため、メジャメントサブフレームを制限するシグナリングが既に存在する。ユーザ端末に対し、この既存のシグナリングでLBTサブフレームを暗に通知することができるため、新たなシグナリングを規定せずにLBTサブフレームを設定できるという効果も得られる。
また、TDD構成が下りリンク伝送のみのLAAをサポートするために用いられ、ULサブフレームが上りリンク伝送に用いられない場合には、TDD構成のスペシャルサブフレームまたはULサブフレームをLBTに用いることができる。図8Bに示す例は、TDDのUL−DL構成#5が適用されており、TDD構成のスペシャルサブフレームには、DLパイロットタイムスロット(DwPTS:Downlink Pilot Time Slot)、ガード期間およびLBT期間が構成されている。ULサブフレームには、LBT期間が構成されるか、あるいはLBT期間が構成されなくてもよい。ただし、このULサブフレームにおいてULデータが送信されることはない。
TDD構成のスペシャルサブフレームにおけるGP区間およびUpPTS区間、そしてULサブフレーム区間は、ユーザ端末が送信を指示されない限り、無送信となる区間である。前述のように第1の態様では、非ライセンスバンドにおけるユーザ端末からの送信は行わないものとしている。したがって、無送信となるこれらの区間をLBTに用いることで、更なるオーバーヘッドなしにLBTを行うことができる。また、ユーザ端末は既存のTDD構成にしたがって通信を行えばよいため、特別な追加の仕組みを導入することなく、LBTを実現することができる。さらに、これらの区間ではユーザ端末は受信動作も行わないため、LBTを行うことによるユーザ端末の受信動作に対する影響をゼロとすることもできる。
<ユーザ端末動作>
基地局からユーザ端末へ、LBT無線フレームパターンを示す明示的なRRCシグナリングがない場合には、ユーザ端末は動作を続ける。しかし、DRX構成は、より良いユーザ端末の電力節約のため、そしてユーザ端末の受信時間について共通理解のため、LBTフレームパターンを考慮して構成/最適化することが好ましい。
基地局からユーザ端末へ、LBT無線フレームパターンを示す明示的なRRCシグナリングがない場合には、ユーザ端末は動作を続ける。しかし、DRX構成は、より良いユーザ端末の電力節約のため、そしてユーザ端末の受信時間について共通理解のため、LBTフレームパターンを考慮して構成/最適化することが好ましい。
(第2の態様)
第2の態様では、LBTの衝突可能性を減らすために、第1の態様で示したLBTメカニズムを拡張したチャネル予約について検討する。
第2の態様では、LBTの衝突可能性を減らすために、第1の態様で示したLBTメカニズムを拡張したチャネル予約について検討する。
第2の態様におけるLBTの粒度(すなわち最小時間長単位)は、1スペシャルサブフレームにおける1 OFDMシンボルである。たとえば、1[ms]のLBT用のスペシャルサブフレームのうち、0.5[ms]をガード期間に用いて、残りの0.5[ms]をLBTとチャネル予約に用いるものとする。この場合、図9に示すように、この残りの0.5[ms]には、LBTを実行する候補となる7シンボルが含まれる。この7候補シンボルのうち1シンボルをLBTのために選択し、さらにLBTidleの際には、ビーコン参照信号(BRS:Beacon Reference Signal)をチャネル予約として用いることができる。各基地局は、等しい確率で7候補シンボルからLBTを実行するシンボルをランダムに選択する。
図9に示す例では、固定LBTフレームが10[ms]で構成されているが、この構成に限定されず、固定LBTフレームは5[ms]など、比較的短い時間で構成されていてもよい。固定LBTフレーム長が長いほど一度の送信機会で送信できるデータ量が多くなるため、LBTによるオーバーヘッドを下げてユーザ端末スループットを上げることができるが、送信機会を逸したときのアイドル時間長も長くなる。一方、固定LBTフレーム長が短いほどLBTによるオーバーヘッドが増えるが、アイドル時間長を短くして、チャネルが使用されない確率を下げることができる。
図10Aに示すように、チャネルがLBTidleとみなされた場合には、LBTシンボルの後に占有CCでBRSが送信される。これにより、次のLBT用のスペシャルサブフレームまでチャネルがDLデータ伝送のために占有されていることが示される。BRSは、全帯域幅および1つのOFDMシンボルのみを占有する。LBTシンボルの後に複数の残りOFDMシンボルがある場合には、BRSはこれらのシンボルで繰り返し送信される。BRSを繰り返し送信される構成とすることで、LBTシンボルの位置によらず共通のBRSを用いることができるようになるため、基地局のベースバンド回路構成を簡易化することができる。
なお、BRSは繰り返し送信される構成ではなく、LBTシンボル後の残りのOFDMシンボル数によりそれぞれ規定される参照信号であってもよい。この場合、LBTシンボルの位置に応じた異なるBRSを送信、検出できる必要があるため、基地局の回路構成は複雑となる。しかし、LBTシンボルが手前にあり、BRSのOFDMシンボル数が多い場合ほど、長いBRSシンボルを送信することとなるため、LBTによる検出精度を改善し、より良い干渉制御を行うことができるようになる。
図10Bに示すように、チャネルがLBTbusyとみなされた場合には、BRSは送信されない。
BRSは、セル固有の参照信号で構成される。従来の参照信号は、BRSの候補とみなすことができる。基地局に加え、ユーザ端末もBRSを検出できるようにしてもよい。ユーザ端末がLBTサブフレームにおいてBRSを検出できる場合には、ユーザ端末が接続している基地局からのBRS検出有無に基づき、その後に続くDLサブフレームでデータ送信が有り得るかどうかをユーザ端末が知ることができる。BRSが検出されない場合、その後のDLサブフレームではデータ送信が有り得ないため、ユーザ端末はDL受信動作を停止することができ、電力消費を抑えることが可能となる。BRSが検出された場合、その後のDLサブフレームではデータ送信が有り得るため、ユーザ端末は各DLサブフレームにおいて下り制御信号やデータ信号の復号および復調動作を試みる。
第1の態様と同様に、第2の態様でも、複数LAAシステム間の公平性を保証するために、LBT期間は準静的に変更する必要がある。図11に示す例は、第1の態様における図5に示す例に対応している。
第1の態様と同様に、第2の態様でも、同一オペレータによるLAAの性能を向上させるために、オペレータ内でLBT期間は同期していることが好ましい。図12Aに示す例では、オペレータAにおける基地局eNB1および基地局eNB2で、LBT用のスペシャルサブフレームおよびLBTシンボルが並んでいる。すなわち、オペレータ内でLBT期間は同期している。
図12Bに示す例では、オペレータAにおける基地局eNB1および基地局2eNBで、LBT用のスペシャルサブフレームは並んでいるが、LBTシンボルは並んでいない。この場合、基地局は、同一オペレータ内の他の基地局が送信するBRS検出結果を破棄して、他オペレータや他の無線システムに対するLBTを行う。図12Bに示す例では、基地局eNB2はLBTを実行し、同一オペレータに属する基地局eNB1からのBRSを識別する。基地局eNB2は、LBT期間内で受信した同一オペレータ内の基地局が送信したBRSを破棄して、チャネルがまだアイドル状態であるとみなすことができる。このような仕組みは、同一オペレータ内の基地局が送信するBRSの系列や符号系列を基地局間で通知しあうことにより実現することができる。
第2の態様におけるLBTメカニズムを適用することにより、チャネル予約によりセンシング期間を短くすることができる。チャネル予約は、BRSを使用することにより実現でき、チャネル予約により衝突可能性を1.4%まで下げることができる。
第2の態様におけるLBTフレーム構成の変形例について説明する。
<変形例1>
LBT用のスペシャルサブフレームにおけるガード期間は、0.5[ms]に限定されることなく、必要条件に応じて調整してもよい。たとえば、図13Aに示すように、ガード期間を短くして、LBTの候補シンボルを増やしてもよい。図13Aに示す例では、1つのLBT用のスペシャルサブフレームに11候補シンボルが含まれている。
LBT用のスペシャルサブフレームにおけるガード期間は、0.5[ms]に限定されることなく、必要条件に応じて調整してもよい。たとえば、図13Aに示すように、ガード期間を短くして、LBTの候補シンボルを増やしてもよい。図13Aに示す例では、1つのLBT用のスペシャルサブフレームに11候補シンボルが含まれている。
<変形例2>
LBTサブフレームは、すべてDLサブフレームで構成される構成に限定されることなく、たとえばABSパターンや、ULデータのないTDD構成のような、他の構成でも適用することができる。
LBTサブフレームは、すべてDLサブフレームで構成される構成に限定されることなく、たとえばABSパターンや、ULデータのないTDD構成のような、他の構成でも適用することができる。
<変形例3>
図13Bに示すように、新たに定義されたLBT用のスペシャルサブフレームの最後のシンボルでは、LBTを行わないものとしてもよい。この場合、最後のOFDMシンボルは、LBT結果がアイドル状態の場合にはBRS送信、ビジー状態の場合には無送信になる。最後のシンボルでLBTを行う場合、LBTidleであってもBRSを送信することができないため、自基地局が送信機会を得たことを、周辺基地局に通知することができない。一方で、最後のシンボル以外でLBTを行う場合、LBTidleであればBRSを送信することになるので、LBTを最後のシンボルに配置した場合と、他のシンボルに配置した場合とで、動作が異なることとなる。これに対して、LBT用のスペシャルサブフレームの最後のシンボルをBRSのために予約すれば、すべてのケースで同じ動作がされ、BRSによる干渉制御効果を得ることができる。
図13Bに示すように、新たに定義されたLBT用のスペシャルサブフレームの最後のシンボルでは、LBTを行わないものとしてもよい。この場合、最後のOFDMシンボルは、LBT結果がアイドル状態の場合にはBRS送信、ビジー状態の場合には無送信になる。最後のシンボルでLBTを行う場合、LBTidleであってもBRSを送信することができないため、自基地局が送信機会を得たことを、周辺基地局に通知することができない。一方で、最後のシンボル以外でLBTを行う場合、LBTidleであればBRSを送信することになるので、LBTを最後のシンボルに配置した場合と、他のシンボルに配置した場合とで、動作が異なることとなる。これに対して、LBT用のスペシャルサブフレームの最後のシンボルをBRSのために予約すれば、すべてのケースで同じ動作がされ、BRSによる干渉制御効果を得ることができる。
図13Bに示す例では、LBT用のスペシャルサブフレームの最後のシンボルがBRSのために予約され、残りの6シンボルがLBT候補シンボルである。3シンボル目にLBT期間を設けた場合、LBTidleであればその後ろのシンボルで繰り返しBRSを送信し、LBTbusyであればBRSを送信しない。この動作を、いずれのOFDMシンボルがLBTシンボルとして選択された場合でも行う。
(第3の態様)
第3の態様では、図2に示すシナリオ1Bや2Bのように、TDD LAAをキャリアアグリゲーションまたはデュアルコネクティビティに適用するシナリオを検討する。この場合、ライセンスバンド(LTE)は、主に制御とデータ伝送用に使用され、非ライセンスバンド(LAA)は、主に下りリンクデータおよび上りリンクデータのオフロードに使用される。
第3の態様では、図2に示すシナリオ1Bや2Bのように、TDD LAAをキャリアアグリゲーションまたはデュアルコネクティビティに適用するシナリオを検討する。この場合、ライセンスバンド(LTE)は、主に制御とデータ伝送用に使用され、非ライセンスバンド(LAA)は、主に下りリンクデータおよび上りリンクデータのオフロードに使用される。
第3の態様において、基地局は下りリンクのLBTを行う。ユーザ端末は上りリンクのLBTを行う。
図14に示すように、TDDでは、UL−DL構成(UL-DL configuration)として、ULサブフレームおよびDLサブフレーム間の送信比率が異なる7つのフレーム構成であるUL−DL構成#0から#6が規定されている。
図15は、既存のTDDのUL−DL構成#0のLTE TDD無線フレームを用いる場合のLBTについて説明する図である。既存のLTE TDD無線フレームは、10[ms]で構成される。この場合、各DLおよびUL伝送前にLBTが行われる。図15に示す例では、サブフレーム#0,5におけるDL伝送の前に、基地局によってそれぞれDL LBTが行われる。サブフレーム#2−3,7−8におけるUL伝送の前に、ユーザ端末によってそれぞれUL LBTが行われる。
各DL/UL伝送の前にLBTを行うと、センシングオーバヘッドが大きくなる。そこで、図16に示すように、無線フレーム内で、DL LBTとUL LBTをそれぞれ1回ずつ行うようにすることで、センシングオーバヘッドを減らすことができる。
図16に示す例では、サブフレーム#0におけるDL伝送の前に、サブフレーム#9において、基地局eNBによるDL LBTが行われる。このLBTサブフレームは、0.5[ms]がULパイロットタイムスロット(UpPTS:Uplink Pilot Time Slot)またはULデータで構成され、残りの0.5[ms]がDL LBT期間で構成される。このLBTの結果は、この無線フレーム内の残りのDLサブフレーム(たとえばサブフレーム#5)にも有効である。すなわち、当該サブフレームでLBT結果がアイドル状態であれば、残りのDLサブフレームでの送信も可能とする。一方、当該サブフレームでLBT結果がビジー状態であれば、残りのDLサブフレームでの送信も不可能とする。
図16に示す例では、サブフレーム#2におけるUL伝送の前に、サブフレーム#1において、ユーザ端末UEによるUL LBTが行われる。このLBTサブフレームは、0.5[ms]がガード期間およびDLパイロットタイムスロットまたはDLデータで構成され、残りの0.5[ms]がUL LBT期間で構成される。このLBTの結果は、この無線フレーム内の残りのULサブフレーム(たとえばサブフレーム#7)にも有効である。すなわち、当該サブフレームでLBT結果がアイドル状態であれば、残りのDLサブフレームでの送信も可能とする。一方、当該サブフレームでLBT結果がビジー状態であれば、残りのDLサブフレームでの送信も不可能とする。
このようなフレーム構成によればセンシングオーバヘッドを減らすことができるが、DL伝送とUL伝送の直前にLBTを行うことができないため、切り替え点以降のサブフレームに対するLBTの結果が不正確である。これにより、LBTによる干渉検出精度が劣化し、LAAやWi−Fiなど他の無線システムの性能劣化につながるおそれがある。
そこで、図17に示すように、TDD LBT無線フレームが連続するDL/ULサブフレームを有する構成とすることができる。換言すれば、ULとDLの送信が、それぞれ連続し、かつ、無線フレーム内でULとDLの切り替えが無線フレーム内で1度ずつしか発生しないようにすることで、LBTの回数を最小化することができる。この構成によれば、連続するDL/ULサブフレームに対して、1回のDL/UL LBTを行うことで無線フレーム内のDL/ULサブフレームに対して正確なLBT結果を反映することができる。なお、TDD LBT無線フレームにおけるDL/ULサブフレームの比率は異なっていてもよい。
このようなTDD LBT無線フレームにおいて、最初のDLサブフレーム(図17においてサブフレーム#0)の前に、基地局によるDL LBTを実行するためのLBT用のスペシャルサブフレームを設ける。前述のとおり、このLBT用のスペシャルサブフレームは、既存のTDDのUL−DL構成におけるスペシャルサブフレームとは異なり、新たに定義されたものである。同様に、最初のULサブフレーム(図17においてサブフレーム#6)の前に、ユーザ端末によるUL LBTを実行するためのLBT用のスペシャルサブフレームを設ける。DLからULへの切り替え点ではガード期間が必要とされる。
図18は、図17におけるLBT用のスペシャルサブフレーム#5,9の構成を示す図である。図18Aに示すように、あるLBTフレームにおける最初のDLサブフレーム(サブフレーム#0)の前には、基地局eNBによるDL LBTを実行するためのLBT用のスペシャルサブフレーム(サブフレーム#9)が設けられている。このLBT用のスペシャルサブフレームは、0.5[ms]がULパイロットタイムスロットまたはULデータで構成され、残りの0.5[ms]がDL LBT期間で構成される。このLBTの結果は、連続するDLサブフレーム(サブフレーム#0から#4)で有効である。
図18Bに示すように、あるLBTフレームにおける最初のULサブフレーム(サブフレーム#6)の前には、ユーザ端末UEによるUL LBTを実行するためのLBT用のスペシャルサブフレーム(サブフレーム#5)が設けられている。このLBT用のスペシャルサブフレームは、0.5[ms]がガード期間およびDLパイロットタイムスロットまたはDLデータで構成され、残りの0.5[ms]がUL LBT期間で構成される。このLBTの結果は、連続するULサブフレーム(サブフレーム#6から#8)で有効である。
なお、ユーザ端末は、無線フレームにおけるDL/ULサブフレームの位置やDL/UL LBTサブフレームの場所を、基地局から通知されるものとする。この通知はUE固有の上位レイヤシグナリングであってもよいし、セル固有の報知情報などであってもよい。ユーザ端末は、DLサブフレームでは自端末宛の信号の検出動作を行う。基地局または上位レイヤから送信要求があった場合、UL LBTサブフレームでLBTを行い、LBT結果がアイドル状態であれば、所定のULサブフレームまたはUpPTSにおいて、送信を行う。
第3の態様におけるLBTフレーム構成の変形例について説明する。
<変形例1>
新たに定義されたLBT用のスペシャルサブフレームにおいてガード期間、DL LBT期間およびUL LBT期間は固定されていなくてもよい。すなわち、DL LBT期間およびUL LBT期間は、0.5[ms]に限定されない。
新たに定義されたLBT用のスペシャルサブフレームにおいてガード期間、DL LBT期間およびUL LBT期間は固定されていなくてもよい。すなわち、DL LBT期間およびUL LBT期間は、0.5[ms]に限定されない。
<変形例2>
TDD LAAの場合、基地局はDL伝送のためにあるサブフレームでDL LBTを行い、ユーザ端末はUL伝送のために別のサブフレームでUL LBTを行う。これを、図19および図20に示すように変形してもよい。
TDD LAAの場合、基地局はDL伝送のためにあるサブフレームでDL LBTを行い、ユーザ端末はUL伝送のために別のサブフレームでUL LBTを行う。これを、図19および図20に示すように変形してもよい。
図19に示す例では、2つの異なるLBT用のスペシャルサブフレームで、それぞれDL/UL伝送のためのLBTが行われる。図19Aに示す例は、図17で示した例と同一である。すなわち、LBT用のスペシャルサブフレームであるサブフレーム#9で基地局eNBがDL LBTを行い、LBT用のスペシャルサブフレームであるサブフレーム#5でユーザ端末UEがUL LBTを行う。
図19Bに示す例では、DL/UL伝送のためのLBTをいずれも基地局eNBが行う。すなわち、LBT用のスペシャルサブフレームであるサブフレーム#9で基地局eNBがDL LBTを行い、LBT用のスペシャルサブフレームであるサブフレーム#5で基地局eNBがUL LBTを行う。このようにすることで、ユーザ端末UEにはLBT機能を実装せずに済むため、ユーザ端末UEの回路構成を簡易化することができる。基地局eNBはDL送信を行うために実装したLBTと同様の動作をUL LBTサブフレームでも適用すればよいため、基地局装置の複雑化にはつながらない。
図19Cに示す例では、DL/UL伝送のためのLBTをいずれもユーザ端末UEが行う。すなわち、LBT用のスペシャルサブフレームであるサブフレーム#9でユーザ端末UEがDL LBTを行い、LBT用のスペシャルサブフレームであるサブフレーム#5でユーザ端末UEがUL LBTを行う。ユーザ端末UEは、当該LBT結果を基地局eNBに報告してもよい。このような報告を行うために、ユーザ端末UEは、ライセンスバンドを用いて通信をすることができる。
図20に示す例では、1つのLBT用のスペシャルサブフレームのみで、DL/UL伝送のためのLBT双方が行われる。図20Aに示す例では、DL/UL LBT双方を基地局eNBおよびユーザ端末UEが行う。すなわち、LBT用のスペシャルサブフレームであるサブフレーム#5で基地局eNBおよびユーザ端末UEがDL/UL LBTを行う。
図20Bに示す例では、DL/UL LBTをいずれも基地局eNBが行う。すなわち、LBT用のスペシャルサブフレームであるサブフレーム#5で基地局eNBがDL/UL LBTを行う。このようにすることで、ユーザ端末UEにはLBT機能を実装せずに済むため、ユーザ端末UEの回路構成を簡易化することができる。基地局eNBはDL送信を行うために実装したLBTと同様の動作をUL LBTサブフレームでも適用すればよいため、基地局装置の複雑化にはつながらない。
図20Cに示す例では、DL/UL LBTをいずれもユーザ端末UEが行う。すなわち、LBT用のスペシャルサブフレームであるサブフレーム#5でユーザ端末UEがDL/UL LBTを行う。ユーザ端末UEは、当該LBT結果を基地局eNBに報告してもよい。このような報告を行うために、ユーザ端末UEは、ライセンスバンドを用いて通信をすることができる。
図19Bおよび図20Bに示すように、ユーザ端末がLBTに関与していない場合には、ユーザ端末はLBTフレームパターンを示す明示的な信号がなければ動作を続ける。
図19A、図19C、図20Aおよび図20Cに示すように、ユーザ端末がLBTに関与している場合には、DL/UL期間および送信期間を示すために、DL/UL構成情報を含むLBT無線フレームパターンがユーザ端末にシグナリングされる。ユーザ端末は、UL LBTまたはDL/UL LBTを行うために指示されたパターンに従う。
図19Aおよび図20Aに示す例では、ユーザ端末がUL LBTを行う。このUL LBTにおいて、LBTidleの検出結果が得られた場合には、ユーザ端末はULデータ伝送を開始する。LBTbusyの検出結果が得られた場合には、ユーザ端末はULデータ伝送を開始しない。なお、ユーザ端末はキャリアアグリゲーションまたはデュアルコネクティビティによって、非ライセンスバンドに加えてライセンスバンドでも通信可能な環境が想定される。このような場合、LBT結果に関わらず、ライセンスバンドでは通信を継続してもよい。このようにすることでLBT結果によって生じるユーザ端末スループットの劣化を最小化することができる。
(第4の態様)
第4の態様では、LBTの衝突可能性を減らすために、第3の態様で示したLBTメカニズムを拡張したチャネル予約について検討する。
第4の態様では、LBTの衝突可能性を減らすために、第3の態様で示したLBTメカニズムを拡張したチャネル予約について検討する。
第4の態様におけるLBTの粒度(すなわち最小時間単位)は、1スペシャルサブフレームにおける1 OFDMシンボルである。フレーム構成として既存のTDD構成を使用し、LBTidleの場合には、第2の態様と同様にBRSをチャネル予約に使用する。BRSとしては、DLチャネルがLBTidleの場合にはDL BRSを使用し、ULチャネルがLBTidleの場合にはUL BRSを使用する。
図21は、既存のTDDのUL−DL構成#0のLTE TDD無線フレームを用いる場合のLBTについて説明する図である。既存のLTE TDD無線フレームは、10[ms]で構成される。図21に示す例では、無線フレームにおける最初のDL/UL伝送の前に、DL/UL LBTがそれぞれ行われる。また、DL/UL BRSがDL/ULチャネル予約に使用される。
図21に示す例では、サブフレーム#0におけるDL伝送の前に、サブフレーム#9において、基地局eNBによるDL LBTが行われる。このLBTサブフレームは、0.5[ms]がULパイロットタイムスロットまたはULデータで構成され、残りの0.5[ms]がDL LBTの7候補シンボルで構成される。このLBTの結果は、この無線フレーム内の残りのDLサブフレーム(たとえばサブフレーム#5)にも有効である。すなわち、当該サブフレームでLBT結果がアイドル状態であれば、残りのDLサブフレームでの送信も可能とする。一方、当該サブフレームでLBT結果がビジー状態であれば、残りのDLサブフレームでの送信も不可能とする。
図21に示す例では、サブフレーム#2におけるUL伝送の前に、サブフレーム#1において、ユーザ端末UEによるUL LBTが行われる。このLBTサブフレームは、0.5[ms]がガード期間およびDLパイロットタイムスロットまたはDLデータで構成され、残りの0.5[ms]がUL LBTの7候補シンボルで構成される。このLBTの結果は、この無線フレーム内の残りのULサブフレーム(たとえばサブフレーム#7)にも有効である。すなわち、当該サブフレームでLBT結果がアイドル状態であれば、残りのDLサブフレームでの送信も可能とする。一方、当該サブフレームでLBT結果がビジー状態であれば、残りのDLサブフレームでの送信も不可能とする。
このような無線フレーム構成によれば、各無線フレームにおいてDL/UL LBTをそれぞれ1回のみ行えばよいため、センシングオーバヘッドを減らすことができる。しかし、DL伝送とUL伝送の直前にLBTを行うことができないため、切り替え点以降のサブフレームに対するLBTの結果が不正確である。これにより、LBTによる干渉検出精度が劣化し、LAAやWi−Fiなど他の無線システムの性能劣化につながるおそれがある。
そこで、図22に示すように、無線フレームが連続するDL/ULサブフレームを有する構成とすることができる。換言すれば、ULとDLの送信が、それぞれ連続し、かつ、無線フレーム内でULとDLの切り替えが無線フレーム内で1度ずつしか発生しないようにすることで、LBTの回数を最小化することができる。この構成によれば、連続するDL/ULサブフレームに対して、1回のDL/UL LBTを行うことで無線フレーム内のDL/ULサブフレームに対して正確なLBT結果を反映することができる。なお、TDD LBT無線フレームにおけるDL/ULサブフレームの比率は異なっていてもよい。
図22Aに示すLBTフレームにおいて、最初のDLサブフレーム(図22Aにおいてサブフレーム#0)の前に、基地局eNBによるDL LBTを行うためのLBT用のスペシャルサブフレームを設ける。このLBT用のスペシャルサブフレームは、既存のTDDのUL−DL構成におけるスペシャルサブフレームとは異なり、新たに定義されたものである。
図22Aに示すように、基地局eNBによるDL LBTを行うためのLBT用のスペシャルサブフレームは、0.5[ms]がULパイロットタイムスロットまたはULデータで構成され、残りの0.5[ms]がDL LBTの7候補シンボルで構成される。基地局eNBは、等しい確率で7候補シンボルから1シンボルをランダムに選択し、選択したシンボルでDL LBTを実行する。
LBTidleの際には、図23Aに示すように、LBT以降のシンボルでDL BRSを繰り返し送信する。基地局eNBにより送信されるDL BRSは、チャネルが次のLBT用のスペシャルサブフレームまで占有されることを示している。BRSを繰り返し送信される構成とすることで、LBTシンボルの位置によらず共通のBRSを用いることができるようになるため、基地局のベースバンド回路構成を簡易化することができる。
図22Bに示すLBTフレームにおいて、最初のULサブフレーム(図22Bにおいてサブフレーム#6)の前に、ユーザ端末UEによるUL LBTを行うためのLBT用のスペシャルサブフレームを設ける。このLBT用のスペシャルサブフレームは、0.5[ms]がガード期間およびDLパイロットタイムスロットまたはDLデータで構成され、残りの0.5[ms]がUL LBTの7候補シンボルで構成される。ユーザ端末UEは、等しい確率で7候補シンボルからLBTシンボルをランダムに選択し、選択したシンボルでUL LBTを実行する。
LBTidleの際には、図23Bに示すように、LBT以降のシンボルでUL BRSを繰り返し送信する。ユーザ端末UEにより送信されるUL BRSは、チャネルが次のLBT用のスペシャルサブフレームまで占有されることを示している。
第4の態様におけるLBTメカニズムを適用することにより、衝突可能性を1.4%まで下げることができる。特に、図22に示す構成により、センシングオーバヘッドを小さくし、かつ、正確なセンシング結果を得ることができる。しかし、図22に示す構成は、既存のTDDのフレーム構成を大きく修正するものである。しかし、図22に示す構成に限らず、LBTメカニズムを適用するためには、既存のフレーム構成の修正が必要となる。
第4の態様におけるLBTフレーム構成の変形例について説明する。
<変形例1>
新たに定義されたLBT用のスペシャルサブフレームにおいてガード期間、DL LBT期間およびUL LBT期間は固定されていなくてもよい。すなわち、DL LBT期間およびUL LBT期間は、0.5[ms]に限定されない。
新たに定義されたLBT用のスペシャルサブフレームにおいてガード期間、DL LBT期間およびUL LBT期間は固定されていなくてもよい。すなわち、DL LBT期間およびUL LBT期間は、0.5[ms]に限定されない。
<変形例2>
TDD LAAにおいて、基地局はDL伝送のためにあるサブフレームでDL LBTを行い、ユーザ端末はUL伝送のために別のサブフレームでUL LBTを行うが、これを第3の形態の図19および図20に示した例と同様に、変形してもよい。
TDD LAAにおいて、基地局はDL伝送のためにあるサブフレームでDL LBTを行い、ユーザ端末はUL伝送のために別のサブフレームでUL LBTを行うが、これを第3の形態の図19および図20に示した例と同様に、変形してもよい。
<変形例3>
新たに定義されたLBT用のスペシャルサブフレームの最後のシンボルでは、LBTを行わないものとしてもよい。この場合、最後のOFDMシンボルは、LBT結果がアイドル状態の場合にはBRS送信、ビジー状態の場合には無送信になる。
新たに定義されたLBT用のスペシャルサブフレームの最後のシンボルでは、LBTを行わないものとしてもよい。この場合、最後のOFDMシンボルは、LBT結果がアイドル状態の場合にはBRS送信、ビジー状態の場合には無送信になる。
(無線通信システムの構成)
以下、本実施の形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上述の非ライセンスバンドでLTEを運用する無線通信システム(LAA)においてLBTを行う無線通信方法が適用される。
以下、本実施の形態に係る無線通信システムの構成について説明する。この無線通信システムでは、上述の非ライセンスバンドでLTEを運用する無線通信システム(LAA)においてLBTを行う無線通信方法が適用される。
図24は、本実施の形態に係る無線通信システムの一例を示す概略構成図である。図24に示す無線通信システムは、たとえば、LTEシステムあるいはSUPER 3Gが包含されるシステムである。この無線通信システムでは、LTEシステムのシステム帯域幅を1単位とする複数の基本周波数ブロック(コンポーネントキャリア)を一体としたキャリアアグリゲーションまたはデュアルコネクティビティを適用することができる。また、図24に示す無線通信システムは、非ライセンスバンド(LTE−U基地局)を有している。なお、この無線通信システムは、IMT−Advancedと呼ばれてもよいし、4G、FRA(Future Radio Access)と呼ばれてもよい。
図24に示す無線通信システム1は、マクロセルC1を形成する無線基地局11と、マクロセルC1内に配置され、マクロセルC1よりも狭いスモールセルC2を形成する無線基地局12とを備えている。また、マクロセルC1および各スモールセルC2には、ユーザ端末20が配置されている。たとえば、マクロセルC1をライセンスバンドで利用し、スモールセルC2を非ライセンスバンド(LAA)で利用する形態が考えられる。また、スモールセルC2の一部をライセンスバンドで利用し、他のスモールセルC2を非ライセンスバンドで利用する形態が考えられる。
ユーザ端末20は、無線基地局11および無線基地局12の双方に接続することができる。ユーザ端末20は、異なる周波数を用いるマクロセルC1とスモールセルC2を、キャリアアグリゲーションまたはデュアルコネクティビティにより同時に使用することが想定される。たとえば、ライセンスバンドを利用する無線基地局11からユーザ端末20に対して、非ライセンスバンドを利用する無線基地局12(たとえば、LTE−U基地局)に関するアシスト情報(DL信号構成)を送信することができる。また、ライセンスバンドと非ライセンスバンドでキャリアアグリゲーションを行う場合、1つの無線基地局(たとえば、無線基地局11)がライセンスバンドセルおよび非ライセンスバンドセルのスケジュールを制御する構成とすることも可能である。
ユーザ端末20と無線基地局11との間は、相対的に低い周波数帯域(たとえば、2GHz)で帯域幅が狭いキャリア(既存キャリア、Legacy carrierなどと呼ばれる)を用いて通信を行うことができる。一方、ユーザ端末20と無線基地局12との間は、相対的に高い周波数帯域(たとえば、3.5GHz、5GHz等)で帯域幅が広いキャリアが用いられてもよいし、無線基地局11との間と同じキャリアが用いられてもよい。無線基地局11と無線基地局12間または無線基地局12間は、有線接続(Optical fiber、X2インタフェースなど)または無線接続した構成とすることができる。
無線基地局10(無線基地局11および12)は、それぞれ上位局装置30に接続され、上位局装置30を介してコアネットワーク40に接続される。
図24において、無線基地局11は、たとえば相対的に広いカバレッジを有するマクロ基地局で構成され、マクロセルC1を形成する。無線基地局12は、局所的なカバレッジを有するスモール基地局で構成され、スモールセルC2を形成する。なお、無線基地局11および12の数は、図24に示す数に限られない。
マクロセルC1およびスモールセルC2では、同一の周波数帯が用いられてもよいし、異なる周波数帯が用いられてもよい。また、無線基地局11および12は、基地局間インタフェース(たとえば、光ファイバ、X2インタフェース)を介して互いに接続される。
ユーザ端末20は、LTE、LTE−Aなどの各種通信方式に対応した端末であり、移動通信端末だけでなく固定通信端末を含んでいてもよい。ユーザ端末20は、無線基地局10を経由して他のユーザ端末20と通信を実行できる。
上位局装置30には、たとえば、アクセスゲートウェイ装置、無線ネットワークコントローラ(RNC)、モビリティマネジメントエンティティ(MME)等が含まれるが、これに限定されるものではない。
無線通信システム1では、下りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される下り共有チャネル(PDSCH:Physical Downlink Shared Channel)、下り制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel、EPDCCH:Enhanced Physical Downlink Control Channel)、報知チャネル(PBCH)などが用いられる。PDSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報、所定のSIB(System Information Block)が伝送される。PDCCH、EPDCCHにより、下り制御情報(DCI)が伝送される。
無線通信システム1では、上りリンクのチャネルとして、各ユーザ端末20で共有される上り共有チャネル(PUSCH:Physical Uplink Shared Channel)、上り制御チャネル(PUCCH:Physical Uplink Control Channel)などが用いられる。PUSCHにより、ユーザデータや上位レイヤ制御情報が伝送される。
図25は、本実施の形態に係る無線基地局10(無線基地局11および12)の全体構成図である。図25に示すように、無線基地局10は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ101と、アンプ部102と、送受信部103と、ベースバンド信号処理部104と、呼処理部105と、インタフェース部106とを備えている。
下りリンクにより無線基地局10からユーザ端末20に送信されるユーザデータは、上位局装置30からインターフェース部106を介してベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、PDCPレイヤの処理、ユーザデータの分割・結合、RLC(Radio Link Control)再送制御の送信処理などのRLCレイヤの送信処理、MAC(Medium Access Control)再送制御、たとえば、HARQの送信処理、スケジューリング、伝送フォーマット選択、チャネル符号化、逆高速フーリエ変換(IFFT:Inverse Fast Fourier Transform)処理、プリコーディング処理が行われて各送受信部103に転送される。また、下り制御信号に関しても、チャネル符号化や逆高速フーリエ変換等の送信処理が行われて、各送受信部103に転送される。
また、ベースバンド信号処理部104は、上位レイヤシグナリング(たとえば、RRCシグナリング、報知情報など)により、ユーザ端末20に対して、当該セルにおける通信のための制御情報(システム情報)を通知する。当該セルにおける通信のための情報には、たとえば、上りリンクまたは下りリンクにおけるシステム帯域幅等が含まれる。
また、ライセンスバンドにおいて無線基地局(たとえば、無線基地局11)からユーザ端末に対して、非ライセンスバンドの通信に関するアシスト情報(たとえば、DL TPC情報など)を送信してもよい。
各送受信部103は、ベースバンド信号処理部104からアンテナごとにプリコーディングして出力された下り信号を無線周波数帯に変換する。アンプ部102は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ101により送信する。
一方、上り信号については、各送受信アンテナ101で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部102で増幅され、各送受信部103で周波数変換されてベースバンド信号に変換され、ベースバンド信号処理部104に入力される。
ベースバンド信号処理部104では、入力された上り信号に含まれるユーザデータに対して、FFT処理、IDFT処理、誤り訂正復号、MAC再送制御の受信処理、RLCレイヤ、PDCPレイヤの受信処理がなされ、インターフェース部106を介して上位局装置30に転送される。呼処理部105は、通信チャネルの設定や解放などの呼処理や、無線基地局10の状態管理や、無線リソースの管理を行う。
インタフェース部106は、基地局間インタフェース(たとえば、光ファイバ、X2インタフェース)を介して隣接無線基地局と信号を送受信(バックホールシグナリング)する。あるいは、インタフェース部106は、所定のインタフェースを介して、上位局装置30と信号を送受信する。
図26は、本実施の形態に係る無線基地局11の機能構成図である。なお、以下の機能構成は、無線基地局11が有するベースバンド信号処理部104などによって構成される。なお、図26では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、無線基地局11は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
図26に示すように、無線基地局11は、制御部(スケジューラ)301と、DL信号生成部302と、マッピング部303と、受信処理部304と、取得部305と、を有している。
制御部(スケジューラ)301は、PDSCHで送信される下りデータ信号、PDCCHまたは拡張PDCCH(EPDCCH)で伝送される下り制御信号のスケジューリングを制御する。また、システム情報、同期信号、CRS、CSI−RSなどの下り参照信号などのスケジューリングの制御も行う。なお、ライセンスバンドと非ライセンスバンドに対して1つの制御部(スケジューラ)301でスケジューリングを行う場合、制御部301は、ライセンスバンドセルおよび非ライセンスバンドセルで送信されるDL信号の送信を制御する。
制御部301が非ライセンスバンドの送信を制御する場合、非ライセンスバンドで実施するLBTの結果に基づいて非ライセンスバンドのDL信号の送信を制御する。この場合、非ライセンスバンドセルにおいて実施されたLBT結果が制御部301に出力される。たとえば、非ライセンスバンドセルのDL送信がライセンスバンドセルと異なる送信ポイント(たとえば、RRHなど)から行われる場合には、バックホールリンクを介して制御部301にLBT結果が通知される。非ライセンスバンドセルのDL送信がライセンスバンドセルと同一の送信ポイントから行われる場合には、受信処理部304でLBTを実施してLBT結果を制御部301に通知することも可能である。
制御部301は、非ライセンスバンドにおけるLBTの結果として、受信信号強度の測定結果より非ライセンスバンドのチャネルがアイドル状態であると判定した場合、LBTを実行したシンボル以降のすべての候補シンボルでBRSを送信するよう制御する。また、制御部301は、非ライセンスバンドのチャネルがアイドル状態であると判定した場合、非ライセンスバンドを用いてDL信号を送信するように制御する。また、制御部301は、ライセンスバンドを用いて非ライセンスバンドで送信されるDL信号の測定(メジャメント)や測定結果のフィードバックをユーザ端末20に指示する。具体的には、制御部301は、非ライセンスバンドにおける測定指示や測定結果のフィードバック指示に関する情報の生成をDL信号生成部302に指示する。
DL信号生成部302は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号を生成する。DL信号としては、DLデータ信号、下り制御信号、参照信号などが挙げられる。LBT結果に基づいて非ライセンスバンドでDL信号を送信する場合、DL信号生成部302は、非ライセンスバンドにおける測定指示や測定結果のフィードバック指示に関する情報をライセンスバンドで送信する下り制御信号に含める。
マッピング部303は、制御部301からの指示に基づいて、DL信号のマッピングを制御する。マッピング部303は、選択部として機能し、複数の候補シンボルからLBTを実行するシンボルを等しい確率でランダムに選択してマッピングを制御する。
受信処理部304は、ユーザ端末20から送信されるUL信号に対して、たとえば復号や復調などの受信処理を行う。受信処理部304は、ライセンスバンドを介してユーザ端末20から送信される測定結果(メジャメントレポート)を検出した場合には、取得部305へ出力する。
取得部305は、非ライセンスバンドで測定した測定結果を取得する。また、取得部305は、測定結果(メジャメントレポート)を制御部301に出力し、制御部301は、当該測定結果に基づいてユーザ端末にDLデータを送信する非ライセンスバンドセルを制御することができる。
図27は、本実施の形態に係るユーザ端末20の全体構成図である。図27に示すように、ユーザ端末20は、MIMO伝送のための複数の送受信アンテナ201と、アンプ部202と、送受信部203と、ベースバンド信号処理部204と、アプリケーション部205と、を備えている。
下りリンクのデータについては、複数の送受信アンテナ201で受信された無線周波数信号がそれぞれアンプ部202で増幅され、送受信部203で周波数変換されてベースバンド信号に変換される。このベースバンド信号は、ベースバンド信号処理部204でFFT処理や、誤り訂正復号、再送制御の受信処理などがなされる。この下りリンクのデータのうち、下りリンクのユーザデータは、アプリケーション部205に転送される。アプリケーション部205は、物理レイヤやMACレイヤより上位のレイヤに関する処理などを行う。また、下りリンクのデータのうち、報知情報もアプリケーション部205に転送される。
一方、上りリンクのユーザデータについては、アプリケーション部205からベースバンド信号処理部204に入力される。ベースバンド信号処理部204では、再送制御(HARQ:Hybrid ARQ)の送信処理や、チャネル符号化、プリコーディング、DFT処理、IFFT処理などが行われて各送受信部203に転送される。送受信部203は、ベースバンド信号処理部204から出力されたベースバンド信号を無線周波数帯に変換する。その後、アンプ部202は、周波数変換された無線周波数信号を増幅して送受信アンテナ201により送信する。
送受信部203は、ライセンスバンドおよび非ライセンスバンドからDL信号を受信可能である。また、送受信部203は、少なくともライセンスバンドについてUL信号の送信が可能であればよい。もちろん、送受信部203は、非ライセンスバンドについてもUL信号の送信が可能な構成であってもよい。また、送受信部203は、非ライセンスバンドにおける測定指示または測定結果のフィードバック指示に関する情報を、ライセンスバンドを用いて受信する受信部として機能する。
図28は、本実施の形態に係るユーザ端末20の機能構成図である。なお、以下の機能構成は、ユーザ端末20が有するベースバンド信号処理部204などによって構成される。なお、図28では、本実施の形態における特徴部分の機能ブロックを主に示しており、ユーザ端末20は、無線通信に必要な他の機能ブロックも有しているものとする。
図28に示すように、ユーザ端末20は、制御部401と、UL信号生成部402と、マッピング部403と、受信処理部404と、取得部405と、を有している。
制御部401は、無線基地局10に対するUL信号の送信処理(測定結果報告など)を制御する。制御部401が非ライセンスバンドの送信を制御する場合、非ライセンスバンドで実施するLBTの結果に基づいて非ライセンスバンドのUL信号の送信を制御する。この場合、非ライセンスバンドセルにおいて実施されたLBT結果が制御部401に出力される。
制御部401は、非ライセンスバンドにおけるLBTの結果として、受信信号強度の測定結果より非ライセンスバンドのチャネルがアイドル状態であると判定した場合、LBTを実行したシンボル以降のすべての候補シンボルでBRSを送信するよう制御する。また、制御部401は、非ライセンスバンドのチャネルがアイドル状態であると判定した場合、非ライセンスバンドを用いてUL信号を送信するように制御する。
UL信号生成部402は、制御部401からの指示に基づいて、UL信号を生成する。LBT結果に基づいて非ライセンスバンドでUL信号を送信する場合、UL信号生成部402は、非ライセンスバンドにおける測定指示や測定結果のフィードバック指示に関する情報をライセンスバンドで送信する上り制御信号に含める。
マッピング部403は、制御部401からの指示に基づいて、UL信号のマッピングを制御する。マッピング部403は、選択部として機能し、複数の候補シンボルからLBTを実行するシンボルを等しい確率でランダムに選択してマッピングを制御する。
受信処理部404は、ライセンスバンドおよび非ライセンスバンドで送信されるDL信号に対して、たとえば復号や復調などの受信処理を行う。
取得部405は、非ライセンスバンドで測定した測定結果を取得する。また、取得部405は、測定結果(メジャメントレポート)を制御部401に出力し、制御部401は、当該測定結果に基づいてULデータを送信する非ライセンスバンドセルを制御することができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、さまざまに変更して実施可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている大きさや形状などについては、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更が可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施可能である。
本出願は、2014年5月15日出願の特願2014−101527に基づく。この内容は、すべてここに含めておく。
Claims (10)
- ライセンスバンドおよび非ライセンスバンドを利用可能なユーザ端末と通信を行う無線基地局であって、
LBT(Listen Before Talk)を用いて非ライセンスバンドにおける下りリンク信号の送信を制御する制御部と、
複数の候補シンボルから前記LBTを実行するシンボルを等しい確率でランダムに選択する選択部と、
前記LBT期間中の受信信号強度を測定した測定結果を取得する取得部と、を備え、
前記制御部は、前記受信信号強度の測定結果より前記非ライセンスバンドのチャネルがアイドル状態であると判定した場合、前記LBTを実行したシンボル以降のすべての前記候補シンボルでビーコン参照信号を送信するよう制御することを特徴とする無線基地局。 - 前記制御部は、前記受信信号強度の測定結果より前記非ライセンスバンドのチャネルがビジー状態であると判定した場合、前記ビーコン参照信号を非送信とするよう制御することを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
- 前記ビーコン参照信号は、セル固有の参照信号であることを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
- 前記選択部は、前記複数の候補シンボルにおける最終シンボルを、前記LBTを実行するシンボルとして選択しないことを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
- 前記非ライセンスバンドは、下りリンク伝送専用のキャリアであることを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
- 前記非ライセンスバンドは、時分割多重方式の無線フレームを用いて無線通信を行い、
前記制御部は、前記時分割多重方式の無線フレームにおける下りリンク伝送前に前記LBTを実行するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。 - 前記制御部は、前記LBTを実行するサブフレームおよびタイミングをユーザ端末に通知するように制御することを特徴とする請求項1に記載の無線基地局。
- ライセンスバンドおよび非ライセンスバンドを用いて無線基地局と通信可能なユーザ端末であって、
LBT(Listen Before Talk)を用いて非ライセンスバンドにおける上りリンク信号の送信を制御する制御部と、
複数の候補シンボルから前記LBTを実行するシンボルを等しい確率でランダムに選択する選択部と、
前記LBT期間中の受信信号強度を測定した測定結果を取得する取得部と、を備え、
前記制御部は、前記受信信号強度の測定結果より前記非ライセンスバンドのチャネルがアイドル状態であると判定した場合、前記LBTを実行したシンボル以降のすべての前記候補シンボルでビーコン参照信号を送信するよう制御することを特徴とするユーザ端末。 - 前記非ライセンスバンドは、時分割多重方式の無線フレームを用いて無線通信を行い、
前記制御部は、前記時分割多重方式の無線フレームにおける上りリンク伝送前に前記LBTを実行するよう制御することを特徴とする請求項8に記載のユーザ端末。 - ライセンスバンドおよび非ライセンスバンドを用いて通信を行う無線基地局とユーザ端末とを有する無線通信システムであって、
前記非ライセンスバンドは、時分割多重方式の無線フレームを用いて無線通信を行い、
前記無線基地局は、前記時分割多重方式の無線フレームにおける下りリンク伝送前にLBT(Listen Before Talk)を用いて非ライセンスバンドにおける下りリンク信号の送信を制御する制御部と、複数の候補シンボルから前記LBTを実行するシンボルを等しい確率でランダムに選択する選択部と、前記LBT期間中の受信信号強度を測定した測定結果を取得する取得部と、を備え、前記制御部は、前記受信信号強度の測定結果より前記非ライセンスバンドのチャネルがアイドル状態であると判定した場合、前記LBTを実行したシンボル以降のすべての前記候補シンボルでビーコン参照信号を送信するよう制御し、
前記ユーザ端末は、前記時分割多重方式の無線フレームにおける上りリンク伝送前にLBT(Listen Before Talk)を用いて非ライセンスバンドにおける上りリンク信号の送信を制御する制御部と、複数の候補シンボルから前記LBTを実行するシンボルを等しい確率でランダムに選択する選択部と、前記LBT期間中の受信信号強度を測定した測定結果を取得する取得部と、を備え、前記制御部は、前記受信信号強度の測定結果より前記非ライセンスバンドのチャネルがアイドル状態であると判定した場合、前記LBTを実行したシンボル以降のすべての前記候補シンボルでビーコン参照信号を送信するよう制御することを特徴とする無線通信システム。
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