JP6471625B2 - 超電導通電素子 - Google Patents

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Description

本発明は、酸化物超電導バルク体を利用した超電導通電素子に関する。
酸化物超電導バルク体を始めとする超電導体は、電気抵抗がゼロの状態で電流を流すことができるので、電流リードや限流器、永久電流スイッチ等の通電素子に用いられる。酸化物超電導バルク体は脆性材料であるセラミックスの1種であり、酸化物超電導バルク体には超電導線材と異なり、それ自体には金属被覆や金属基板のような支持体がない。そこで、酸化物超電導バルク体を用いた通電素子は、特許文献1に開示されているように、主に酸化物超電導バルク体と、半田等で酸化物超電導バルク体の両端に電気的に接続された電極端子と、樹脂等で酸化物超電導バルク体に接着された支持体とから構成される。
特に、単結晶状のREBaCu7−x中にREBaCuOが分散された酸化物超電導バルク体(ここで、REは希土類元素から選ばれる1種又は2種以上の元素で、酸素欠損量(x)は0.2以下)は、電気抵抗ゼロで流すことのできる単位面積当たりの電流(臨界電流密度)が大きいため、同じ定格電流容量に対して酸化物超電導バルク体の断面積を小さくすることができる。一方で、断面積が小さいことは通電素子を組み立てる際や組み立てた後に酸化物超電導バルク体が破損しやすくなることを意味する。
そのため、単結晶状のREBaCu7−x中にREBaCuOが分散された酸化物超電導バルク体を通電素子に利用する際には、酸化物超電導バルク体を1本ずつ支持体で強固に補強される。例えば、非特許文献1には、支持体であるFRPカバーを樹脂接着とボルト締結で二重に固定することで素子全体を補強した、強靭な素子構造を実現することが記載されている。
特開2008−177245号公報
低温工学、低温工学・超電導学会、第45巻、第1号(2010)、22頁
しかし、酸化物超電導バルク体1本毎に支持体を用いて樹脂接着とボルト締結で二重に固定することで強靭な素子構造を実現できるが、複数の超電導通電素子を使用する場合、超電導通電素子の占有する体積がかさばるという問題がある。
そこで、本発明では、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、複数の酸化物超電導バルク体を用いたコンパクトで強靭な素子構造を有する超電導通電素子を提供することを目的とすることにある。
本発明の超電導バルク体を利用した超電導通電素子は、以下のとおりである。
(1)
単結晶状のREBaCu7−x中にREBaCuOが分散された酸化物超電導バルク体を用いた超電導通電素子であって、
板状、棒状又はI型形状の酸化物超電導バルク体と、
前記酸化物超電導バルク体の両端に電気的に接続されると共に、外部と電気的に接続される外部接続部を有する電極端子と、
少なくとも前記酸化物超電導バルク体と前記電極端子との接続部を覆うように配置され、且つ、当該酸化物超電導バルク体及び当該接続部に接着され、当該酸化物超電導バルク体及び当該接続部を補強する支持体と、
から構成される超電導通電素子ユニットを有し、
複数の前記超電導通電素子ユニットが、前記支持体同士が接触して隣り合うように並列配置されると共に、
前記支持体と前記電極端子とを並列配置方向に貫通するように配置された締結部材によって固定されていることを特徴とする、超電導通電素子。
但し、REは希土類元素から選ばれる1種又は2種以上の元素で、酸素欠損量(x)は0.2以下である。
(2)
前記電極端子の外部接続部は、並列配置方向に隣り合う前記超電導通電素子ユニット同士において、互いにずれて配置されていることを特徴とする、上記(1)に記載の超電導通電素子。
(3)
前記電極端子の外部接続部は、通電方向に対して非対称な構造を有し、かつ並列配置方向に隣り合う前記超電導通電素子ユニット同士において、前記並列配置方向の面に対して、互いに逆向きに配置されていることを特徴とする、上記(1)に記載の超電導通電素子。
(4)
前記酸化物超電導バルク体が板状であり、当該酸化物超電導バルク体の厚み方向に、複数の前記超電導通電素子ユニットが並列配置されていることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の超電導通電素子。
以上説明したように本発明によれば、複数の酸化物超電導バルク体を用いたコンパクトで強靭な素子構造を有する超電導通電素子を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る超電導通電素子の一例を示す概略側面図である。 同実施形態に係る超電導通電素子の一例を示す概略断面図である。 従来の超電導通電素子を示す概略側面図である。 従来の超電導通電素子を示す概略断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る超電導バルク磁石の別の態様を示す概念図である。 同実施形態に係る超電導バルク磁石のさらに別の態様を示す概念図である。 同実施形態に係る超電導バルク磁石のさらに別の態様を示す概念図である。 同実施形態に係る超電導バルク磁石のさらに別の態様を示す概念図である。 同実施形態に係る超電導バルク磁石のさらに別の態様を示す概念図である。 超電導通電素子の概略構造断面図である。 超電導通電素子に用いる酸化物超電導バルク体の形状例を示す斜視図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.概略構成>
酸化物超電導バルク体を利用した超電導通電素子200は、図7に示すように、酸化物超電導バルク体211、213と、電極端子231〜234と、支持体221、223とから構成される。酸化物超電導バルク体211、213は、例えば図8に示すような板状(210a)、棒状(210b)又はI型形状(210c)に構成されている。電極端子231〜234は、超電導通電素子200を外部と接続するためのものであり、酸化物超電導バルク体211、213の両端に電気的に接続される。外部2a〜2dとの接続を容易にするために、電極端子231〜234にはボルト締結用の穴を設けるのが好ましい。なお、図7において、領域Pは電極端子231〜234の外部2a〜2dとの外部接続部を示している。
本実施形態に用いる電極端子231〜234の材質としては、電極端子自体のジュール発熱を小さくできることから、例えば銅、銀、アルミニウム等の電気良導体を用いるのが好ましい。また、電極端子231〜234の表面に錫、銀等のメッキ処理を施してもよい。酸化物超電導バルク体211、213と電極端子231〜234との間は、半田や銀ペースト等を用いることで電気的に接続することができる。酸化物超電導バルク体211、213と電極端子231〜234との接続部でもジュール発熱が生じるため、その接触抵抗は低い方が好ましい。特に酸化物用の半田、例えばセラソルザ(登録商標)等を用いると酸化物超電導バルク体211、213と電極端子231〜234との間の接触抵抗を小さくできるので好ましい。更に、酸化物超電導バルク体211、213の表面、少なくとも電極端子231〜234と接続する部分に銀を1〜10μm程度成膜することで、酸化物超電導バルク体211、213と電極端子231〜234との間の接触抵抗を一層小さくできるので好ましい。
また、酸化物超電導バルク体211、213の断面積が同じでも、電極端子231〜234との接触抵抗を小さくするため、電極端子231〜234との接触面積の大きい板状やI型形状が棒状よりも好ましい。
なお、図8の(b)では、断面形状が矩形の棒状を示しているが、本発明はかかる例に限定されず、例えば断面形状が他の多角形や円形であっても構わない。
酸化物超電導バルク体211、213と電極端子231〜234との接続は、電極端子231〜234に溝や穴を設け、その溝や穴に酸化物超電導バルク体211、213を挿入し、酸化物超電導バルク体211、213の挿入された部分全体を半田付け等により電極端子231〜234に接続することが好ましい。酸化物超電導バルク体211、213と電極端子231〜234との接続部の機械的強度については支持体221、223が受け持つ。
支持体221、223は脆性材料のセラミックスである酸化物超電導バルク体211、213の割れを防止し補強するためのものであり、酸化物超電導バルク体211、213と、酸化物超電導バルク体211、213と電極端子231〜234との接続部の両方を覆うように固定される。支持体221、223の固定方法としては、接着樹脂251、253による樹脂接着とボルト241、243による締結とによって二重に固定するのが好ましい。これにより、強靭な構造とすることができる。接着樹脂251、253は、低温で十分な接着強度があるもの、例えば、エポキシ系樹脂等が好ましい。締結用のボルト241、243としては、非磁性で高強度のステンレス鋼製のものが好ましい。なお、図7において、領域Qは酸化物超電導バルク体211、213と電極端子231〜234との接続部を示している。
本実施形態で用いる支持体221、223としては、GFRP(ガラス繊維強化プラスチックス)やCFRP(炭素繊維強化プラスチックス)等の繊維強化材料、ステンレスやNiCr合金、Ti合金等の金属材料、アルミナや窒化珪素等のセラミックス材料等、強度や剛性が大きい材料が好ましく、それらの材料を組み合わせて用いてもよい。
支持体221、223の熱膨張率の絶対値は、酸化物超電導バルク体211、213の熱膨張率の絶対値よりも大きい方が好ましいが、大き過ぎると逆効果になる可能性がある。酸化物超電導バルク体211、213と支持体221、223との熱膨張率の差は、0.01%〜0.17%の範囲が好ましく、さらに0.04%〜0.10%の範囲がより好ましい。例えば、溶融法で製造された単結晶状のREBaCu相(123相)中にREBaCuO相(211相)が微細分散した酸化物超電導バルク体の場合、300Kから77Kまでの熱膨張率は絶対値で0.16%であるが、同じ温度間での支持体の熱膨張率としては0.17%〜0.33%の範囲が好ましく、さらに0.2%〜0.26%の範囲がより好ましい。
本実施形態の超電導通電素子は複数個の超電導通素子ユニットを一体化した構造を有するが、隣り合うユニット間で支持体を共有化して支持体の使用枚数を減らすこともできる。しかし、酸化物超電導バルク体は脆性材料のセラミックスであり、通電素子組立中に割れる可能性があるため、割れ防止の観点からは個々の超電導通電素子毎に支持体を上下から各1枚で挟み込む方が好ましい。
本実施形態で用いる超電導バルク体は、単結晶状のREBaCu7−x相(123相)中に直径20μm以下のREBaCuO相(211相)等に代表される非超電導相が分散した組織を有するものであればよく、特に、非超電導相が微細分散した組織を有するもの(以下、「QMG材料」ともいう。)が望ましい。ここで、単結晶状というのは、完璧な単結晶でなく、小傾角粒界等の実用に差し支えない欠陥を有するものも包含するという意味である。123相及び211相におけるREは、Y、La、Nd、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luからなる希土類元素及びそれらの組み合わせで、La、Nd、Sm、Eu、Gdを含む123相は1:2:3の化学量論組成から外れ、REのサイトにBaが一部置換した状態になることもある。また、非超電導相である211相においても、La、Ndは、Y、Sm、Eu、Gd、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luとは幾分異なり、金属元素の比が非化学量論的組成であったり、結晶構造が異なっていることが知られている。
QMG材料中の211相の微細分散は、臨界電流密度(J)向上の観点から極めて重要である。Pt、Rh又はCeの少なくとも一つを微量添加することで、半溶融状態(211相と液相からなる状態)での211相の粒成長を抑制し、結果的に材料中の211相を約1μm程度に微細化する。添加量は、微細化効果が現れる量及び材料コストの観点から、Ptで0.2〜2.0質量%、Rhで0.01〜0.5質量%、Ceで0.5〜2.0質量%が望ましい。添加されたPt、Rh、Ceは123相中に一部固溶する。また、固溶できなかった元素は、BaやCuとの複合酸化物を形成し、材料中に点在することになる。123相中の211相の割合は、J特性及び機械強度の観点から、5〜35体積%が望ましい。また、材料中には、50〜500μm程度のボイド(気泡)を5〜20体積%含むことが一般的であり、さらにAg添加した場合、添加量によって1〜500μm程度のAg又はAg化合物を0体積%超25体積%以下含む。
また、結晶成長後の超電導バルク体の酸素欠損量(x)は、0.5〜0.8程度で半導体的あるいは絶縁材料的な抵抗率の温度変化を示す。これを各RE系により350℃〜600℃で100時間程度、酸素雰囲気中においてアニールすることにより酸素が超電導バルク体中に取り込まれ、酸素欠損量(x)は0.2以下となり、良好な超電導特性を示す。このとき、超電導相中には双晶構造ができる。しかしながら、この点を含めここでは単結晶状と呼ぶことにする。
酸化物超電導バルク体を通電素子として利用するには、結晶成長後の酸化物超電導バルク体を薄板形状やI字形状、棒状等に加工し、加工後に酸化物超電導バルク体の酸素アニールを行うことになる。酸化物超電導バルク体の表面に銀を成膜する場合には、銀成膜後に酸素アニールを行った方が銀の密着性が高まり、その結果、酸化物超電導バルク体と電極端子の接触抵抗が低減するので好ましい。
<2.超電導通電素子の構成例>
以下に、本発明の実施形態について、図に沿って説明する。
[2−1.第1の実施形態]
図1A及び図1Bは、本発明の第1の実施形態における超電導通電素子100の一例を示す概念図である。図1A及び図1Bの例では、酸化物超電導バルク体110を用いた6個の超電導通電素子ユニット102が、隣り合う支持体120が接触するように並列配置されている。そして、支持体120と電極端子130との接続部を並列配置方向に貫通するように締結部材140であるボルト142が配置されてナット144によりボルト締結されると共に、支持体120と酸化物超電導バルク体110及び電極端子130とが樹脂接着されている。
酸化物超電導バルク体110は、単結晶状のREBaCu7−x相(123相)中に直径20μm以下のREBaCuO相(211相)等に代表される非超電導相が分散した組織を有するもので、高い臨界電流密度特性を示す。
個々の超電導通電素子ユニット102を形成している酸化物超電導バルク体110の両端には、銅等の電気良導体からなる電極端子130と半田等で電気的に接続されている。
さらに、6個の酸化物超電導バルク体110は、FRP(繊維強化プラスチック)等の高剛性材料からなる支持体120で一体的に補強されている。支持体120は、低温でも接着力を有する樹脂によって支持体120と酸化物超電導バルク体110及び電極端子130とが接着され、更に非磁性で高強度のボルトによる締結で二重に固定されている。これにより、超電導通電素子100として強靭な構造を実現している。
なお、図1A及び図1Bでは図示されていないが、本実施形態の超電導通電素子100は、電極端子部においてボルト締結や半田接続等によって外部と接続して用いられる。
ここで、図1A及び図1Bとの比較のため、図2A及び図2Bに従来の超電導通電素子の概念図を示す。図2A及び図2Bでは、図1A及び図1Bと同じ6個の超電導素子を配置した状態を示している。個々の超電導通電素子ユニット10aは、1個の酸化物超電導バルク体11の両端に電極端子13が電気的に接続され、樹脂接着およびボルト締結で二重に支持体12により補強されている。樹脂接着では、支持体12と酸化物超電導バルク体11及び電極端子13とが接着されている。また、酸化物超電導バルク体11、支持体12及び電極端子13は、これらを貫通するボルト等の締結部材14によって固定されている。
なお、図2A及び図2Bでは図示されていないが、個々の超電導通電素子ユニット10aは、電極端子部においてボルト締結や半田接続等によって外部と接続して用いられ、それぞれが外部と接続することによって装置内部で取付位置が固定されることになる。
図2A及び図2Bでは、個々の酸化物超電導バルク体11が個別に補強されている。すなわち複数個の超電導通電素子ユニット10aの支持体12のそれぞれが個別にボルト締結されているため、超電導通電素子ユニット10aのボルト締結部をメンテナンスすることを想定して、複数個の超電導通電素子ユニット10aをお互いに空間的に離して配置する必要がある。そのため、図2A及び図2Bに示すように超電導通電素子ユニット10aが空間的に占有する体積が大きくなって嵩張り、超電導通電素子ユニット10aの並列配置方向の厚さが厚くなる。
これに対して、本実施形態の構造を有する図1A及び図1Bでは、6個の酸化物超電導バルク体110が一体的に支持体120で補強されているので、超電導通電素子ユニット102の並列配置方向の厚さが薄くなっている。すなわち、超電導通電素子100の占有体積が小さく、コンパクトな通電素子が実現できている。
図1A及び図1Bのような構造の超電導通電素子100の場合、1個当たりの超電導通電素子ユニット102の支持体120の厚さを、図2A及び図2Bの超電導通電素子ユニット10aにおける個々の支持体12の厚さと同じとしても、支持体全体を一体的に固定することで、通電素子全体の機械的強度は大きく向上する。逆に、1個当たりの超電導通電素子ユニット102の支持体120の厚さを、図2A及び図2Bの超電導通電素子100における個々の支持体の厚さよりも薄くしても、超電導通電素子全体としての強度を保つことができる。すなわち、単に図2A及び図2Bの超電導通電素子ユニット10aのボルト締結部をなくしたと仮定して隙間なく重ねた場合よりも、図1A及び図1Bの方が薄くすることも可能である。
N個の超電導通電素子ユニット102を一体的に支持する場合には、個々の支持体120の厚さをNの3乗根分の1に薄くしても、通電素子として同程度の機械的強度を有する。従って、本実施形態により、2個以上の複数の酸化物超電導バルク体110を用いたコンパクトで強靭な素子構造を有する超電導通電素子100を提供することができる。例えば、6個の酸化物超電導バルク体110を並列した場合は、0.55倍程度まで薄くしても、機械的強度を確保できる。
[2−2.第2の実施形態]
次に、図3A〜図6に基づいて、本発明の第2の実施形態に係る超電導通電素子について説明する。
図3Aは、本実施形態に係る超電導通電素子200Aの一態様を示す概念図である。超電導通電素子200Aは、図3Aに示すように、酸化物超電導バルク体を支持する支持体221a、223aと、外部との外部接続部231a〜234aをそれぞれ有する電極端子231〜234とを備える。また、超電導通電素子200Aの支持体221a、223a及び電極端子231〜234は、ボルト等の締結部材240によって固定されている。図3A上側に示すように、酸化物超電導バルク体を用いた超電導通電素子200Aでは、製作のし易さや配置のし易さの点から通電方向に対して通電素子全体や電極端子が対称的な構造を有する。
超電導通電素子200Aは、図3A下側のように、通電方向に対して対称的な構造を有する超電導通電素子ユニット202Aを配列した形で、複数個の超電導通電素子ユニット202Aを一体化して構成されている。このとき、超電導通電素子200Aを並列配置方向から見ると、電極端子231〜234の外部との外部接続部231a〜234aとは、ほぼ重なった状態となる。これにより、超電導通電素子200Aの占有体積が小さく、コンパクトな通電素子を実現できる。
ここで、複数個の超電導通電素子ユニットを用いて形成したコンパクトな超電導通電素子では、コンパクトな故に狭い空間において複数個所にて外部と接続する必要があるが、電極端子間がお互いに干渉するために、電極端子を介した外部との接続が難しくなる。そこで、図3Bに示すように、各超電導通電素子ユニット202Bを、通電方向に対して電極端子の外部との外部接続部231b、232b及び233b、234bが非対称的な構造を有するように構成する。そして、各超電導通電素子ユニット202Bを配列したときに、電極端子の外部との外部接続部231b、232b及び233b、234bが、並列配置方向からみて少なくとも一部がずれて配置されるように超電導通電素子200Bを構成する。このように複数個の超電導通電素子ユニット202Bを一体的化することで超電導通電素子200Bを構成することにより、電極端子が外部と接続しやすくなるのでより好ましい。
図4〜図6は、本実施形態に係る超電導通電素子の別の態様を示す概念図である。図4は、図3Bと同等、電極端子を通電方向に対して非対象に配置した例であり、超電導通電素子ユニットを並列配置方向から見た状態を示す。図4に示す超電導通電素子300は、電極端子331〜334を通電方向に対して斜め方向に設けることで、並列配置方向から見て電極端子331と333、電極端子332と334が、それぞれ完全に重なり合わないように構成されている。これにより、電極端子と外部との接続が行い易くなる。なお、本発明は、図3Bや図4に示す例に限定されず、電極端子が通電方向に非対称な構造であればよい。
また、電極端子の相互干渉を緩和するための他の構成として、例えば図5に示すように、通電方向に対して電極端子431〜434を上下非対称な構造としてもよい。図3Bや図4では、通電方向に対して超電導通電素子ユニットを配列した面に関して電極端子が左右非対称な構造であったが、図5では、通電方向に対して電極端子が上下非対称な構造の2個の超電導通電素子ユニット402a、402bを一体化している。このように、超電導通電素子ユニット402a、402bの電極端子431〜434の外部接続部が離隔するように並列配置し、電極端子431と433、電極端子432と434の間隔を広げることで、電極端子431〜434の相互干渉を緩和することができる。
このように、並列配置方向に隣接する電極端子の相互干渉を緩和する構造であれば、電極端子は、通電方向に対して右非対称あるいは上下非対称のどちらの構造であってもよい。また、図6に示す超電導通電素子500のように3個の超電導通電素子ユニット502を一体化する場合には、通電方向に対して電極端子(535、536)が対称な構造のユニット502cと、電極端子(531〜534)が上下非対称な構造のユニット502a、502bの組み合わせになっている。このように、電極端子531〜536の相互干渉を緩和する構造であれば、電極端子531〜536が対象構造と非対称構造とされた超電導通電素子ユニットを組み合わせた構造であってもよい。
(実施例1)
Ptを0.5質量%含み、かつDyBaCu中にDyBaCuOが微細分散した単結晶状の酸化物超電導バルク体に機械的加工を施して、幅3mm、厚さ0.8mm、長さ40mmの板状試料を製作した。この板状試料の表面に銀を約1μm成膜し、400℃で100hほど酸素気流中にて熱処理を行った後、酸化物用半田にて両端に図3Bのような形状の銅製電極端子を接続し、樹脂にてGFRP製支持体にて接着した。樹脂接着により、支持体と酸化物超電導バルク体及び電極端子とが接着された。同様のものを6個製作し、共通のボルト穴を介して6個をまとめてボルト頭厚3mmとナット厚3mmのボルトとナットを用いてボルト締結した。GFRP製支持体の肉厚は1.5mmで、厚さ3mmの銅製電極端子を含めた並列配置方向の超電導通電素子ユニット1個当たりの厚さは6mmで、6個まとめた全体の超電導通電素子における並列配置方向の厚さは42mm(ボルト締結部含む)であった。
一方、比較例として、同様の超電導通電素子を1個ずつ個別に製作し、6個配列した場合には、並列配置方向の厚さは92mmであった。これより、本実施例では超電導通電素子が占有する体積が約半分となった。
さらに、この超電導通電素子を液体窒素中で通電試験を行ったが、10回繰り返しても通電特性に変化は見られなかった。このことは、厚さが0.8mmと薄い脆性材料の酸化物超電導バルク体を用いて超電導通電素子を作製したにも関わらず、通電試験時の機械的取り扱いや冷却時の熱衝撃に対して、酸化物超電導バルク体が劣化していないことを示している。すなわち、本構造の超電導通電素子が強靭な構造を有することが分かった。
本結果から、本発明により、複数の酸化物超電導バルク体を用いたコンパクトな超電導通電素子を提供することができることが判る。
(実施例2)
CeOを1質量%およびAgを10質量%含み、かつGdBaCu中にGdBaCuOが微細分散した単結晶状の酸化物超電導バルク体に機械的加工を施して、図8の(c)のような中央部が幅4mm、厚さ4mmで、長さ58mmのI型形状試料を製作した。このI型形状試料の表面に銀を約2μm成膜し、400℃で100hほど酸素気流中にて熱処理を行った後、酸化物用半田にて両端に銅製電極端子を接続し、樹脂にてGFRP製支持体にて接着した。銅製電極端子は図3Bのように通電方向に対して非対称な構造とした。同様のものを2個製作し、非対称な電極端子が逆方向になるように重ね、共通のボルト穴を介して2個をまとめてボルト締結した。GFRP製支持体の肉厚は4mmであるが、2個の支持体が接する面の肉厚だけを2mmと薄くした。その結果、銅製電極端子を含めた並列配置方向の1個当たりの厚さは14mmで、2個まとめた全体の超電導通電素子における並列配置方向の厚さは36mm(ボルト締結部含む)であった。
一方、比較例として、GFRP製支持体のどの面の肉厚も4mmである以外は同様の超電導通電素子を1個ずつ個別に製作し、2個配列した場合には、並列配置方向の厚さは52mmであった。本実施例では超電導通電素子が占有する体積が約3割減少した。さらに、電極端子の外部との外部接続部を通電方向に対して非対称な構造とし、逆方向に配置したことで、外部との接続が容易になったことも確認できた。
さらに、この超電導通電素子について液体窒素中で通電試験を行ったが、20回繰り返しても通電特性に変化は見られなかった。このことは、脆性材料の酸化物超電導バルク体を用いて超電導通電素子を作製したにも関わらず、通電試験時の機械的取り扱いや冷却時の熱衝撃に対して、酸化物超電導バルク体が劣化していないことを示している。すなわち、本構造の超電導通電素子が強靭な構造を有することが分かった。
本結果から、本発明により、複数の酸化物超電導バルク体を用いたコンパクトな超電導通電素子を提供することができることが判る。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
100 超電導通電素子
102 超電導通電素子ユニット
110 酸化物超電導バルク体
120 支持体
130 電極端子
140 締結部材
251、253 接着樹脂

Claims (4)

  1. 単結晶状のREBaCu7−x中にREBaCuOが分散された酸化物超電導バルク体を用いた超電導通電素子であって、
    板状、棒状又はI型形状の酸化物超電導バルク体と、
    前記酸化物超電導バルク体の両端に電気的に接続されると共に、外部と電気的に接続される外部接続部を有する電極端子と、
    少なくとも前記酸化物超電導バルク体と前記電極端子との接続部を覆うように配置され、且つ、当該酸化物超電導バルク体及び当該接続部に接着され、当該酸化物超電導バルク体及び当該接続部を補強する支持体と、
    から構成される超電導通電素子ユニットを有し、
    複数の前記超電導通電素子ユニットが、前記支持体同士が接触して並列配置されると共に、
    前記支持体と前記電極端子とを並列配置方向に貫通するように配置された締結部材によって固定されていることを特徴とする、超電導通電素子。
    但し、REは希土類元素から選ばれる1種又は2種以上の元素で、酸素欠損量(x)は0.2以下である。
  2. 前記電極端子の外部接続部は、並列配置方向に隣り合う前記超電導通電素子ユニット同士において、互いにずれて配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の超電導通電素子。
  3. 前記電極端子の外部接続部は、通電方向に対して非対称な構造を有し、かつ並列配置方向に隣り合う前記超電導通電素子ユニット同士において、前記並列配置方向の面に対して、互いに逆向きに配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の超電導通電素子。
  4. 前記酸化物超電導バルク体が板状であり、当該酸化物超電導バルク体の厚み方向に、複数の前記超電導通電素子ユニットが並列配置されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の超電導通電素子。
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