JP6470648B2 - 複合地中連続壁の構造および複合地中連続壁の構築方法 - Google Patents

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Description

本発明は、地中支障物の両側方に形成される第1の地中連続壁を補完するように、地中支障物を跨いで形成される複合地中連続壁の構造および複合地中連続壁の構築方法に関するものである。
従来、地下に支障物が存在する場所では、支障物を撤去したり、すかし掘り工法を用いたり、ジェットグラウト等の地盤改良工法を用いたりして、連続地中壁を構築している。すかし掘り工法では、一般に、埋設物に近接して所定深さまでガイドホール(立坑)を掘削し、ケーシングを上昇させて立坑の所定の範囲に安定液を注入して壁面を防護しつつ、ケーシングを反力として埋設物の下方の掘削が行われている(例えば、特許文献1参照)。
特許第4450404号公報
しかしながら、すかし掘り工法では、専用の掘削機を用いて煩雑な施工を行う必要があった。地中の支障物が大きい場合や、支障物が深い位置に存在する場合には、特に施工が難しかった。
本発明は、前述した問題点に鑑みてなされたもので、その目的とすることは、曲げ耐力を有する構造物の支圧で曲げ耐力のない地盤改良部を支持することにより、地中支障物を跨いで容易に形成することができる複合地中連続壁の構造および複合地中連続壁の構築方法にある。
前述した目的を達成するために第1の発明は地中支障物の両側方に形成される第1の地中連続壁を補完するように、前記地中支障物を跨いで形成される複合地中連続壁の構造であって、前記地中支障物の側方に、施工基面から所定の深さまで施工され、前記第1の地中連続壁よりも曲げ耐力が大きい第2の地中連続壁と、前記第2の地中連続壁の側面と接するように、前記所定の深さまでの範囲に施工された地盤改良部と、を具備し、前記第2の地中連続壁が前記地盤改良部の方向に張出す張出し部を有し、前記張出し部によって前記第2の地中連続壁と前記地盤改良部とが一体化され、前記張出し部の支圧で前記地盤改良部が支持され、前記第2の地中連続壁の前記地盤改良部側に、付着力を増加させるための突起が設けられることを特徴とする複合地中連続壁の構造である。
第1の発明では、前記第2の地中連続壁の背面側に前記地盤改良部をさらに施工することにより、せん断耐力を増加させてもよい
第1の発明の複合地中連続壁の構造では、第2の地中連続壁が地中支障物の側方に施工され、地盤改良部が第2の地中連続壁の側面と接するように所定の深さまでの範囲に施工され、第2の地中連続壁の張出し部によって第2の地中連続壁と地盤改良部とが一体化される。そのため、複合地中連続壁の背面側からの土圧に対して、曲げ耐力を有する構造物である張出し部の支圧で曲げ耐力のない地盤改良部を支持することができる。
の発明は、地中支障物の両側方に形成される第1の地中連続壁を補完するように、前記地中支障物を跨いで形成される複合地中連続壁の構造であって、前記地中支障物の側方に、施工基面から所定の深さまで施工された杭と、前記杭と接するように、前記所定の深さまでの範囲に施工された地盤改良部と、を具備し、前記杭と前記地盤改良部とが一体化され、前記杭の支圧で前記地盤改良部が支持されることを特徴とする複合地中連続壁の構造である。
の発明の複合地中連続壁の構造では、杭が地中支障物の側方に施工され、地盤改良部が杭と接するように所定の深さまでの範囲に施工され、杭と地盤改良部とが一体化される。そのため、複合地中連続壁の背面側からの土圧に対して、曲げ耐力を有する構造物である杭の支圧で曲げ耐力のない地盤改良部を支持することができる。
第1の発明では、例えば、前記地盤改良部が、施工基面からの高圧噴射撹拌工法、薬液注入工法、または機械撹拌工法によって施工される。
また、前記地中支障物は、例えば線状構造物である。
第1の発明では、第2の地中連続壁や杭や地盤改良部が一般的な工法を用いて施工される。そのため、複合地中連続壁の構造が、地中支障物を跨いで容易に形成される。
の発明は、地中支障物の両側方に形成される第1の地中連続壁を補完するように、前記地中支障物を跨いで形成される複合地中連続壁の構築方法であって、前記地中支障物の側方に、施工基面から所定の深さまで、曲げ耐力を有する第2の地中連続を施工する工程(a)と、前記第2の地中連続壁に接するように、前記所定の深さまでの範囲に地盤改良部を施工し、前記第2の地中連続壁と前記地盤改良部とを一体化する工程(b)と、を具備し、前記第2の地中連続壁が前記地盤改良部の方向に張出す張出し部を有し、前記第2の地中連続壁の前記地盤改良部側に、付着力を増加させるための突起が設けられることを特徴とする複合地中連続壁の構築方法である。
第4の発明は、地中支障物の両側方に形成される第1の地中連続壁を補完するように、前記地中支障物を跨いで形成される複合地中連続壁の構築方法であって、前記地中支障物の側方に、施工基面から所定の深さまで、曲げ耐力を有する杭を施工する工程(a)と、前記杭に接するように、前記所定の深さまでの範囲に地盤改良部を施工し、前記杭と前記地盤改良部とを一体化する工程(b)と、を具備することを特徴とする複合地中連続壁の構築方法である。
3、第4の発明では、曲げ耐力を有する第2の地中連続壁、杭からなる構造体を施工し、構造体に接するように所定の深さまでの範囲に地盤改良部を施工して、構造体と地盤改良部とを一体化する。そのため、複合地中連続壁の背面側からの土圧に対して、構造体の支圧で曲げ耐力のない地盤改良部を支持することができる。また、第3、第4の発明では、構造体や地盤改良部を一般的な工法を用いて施工することにより、地中支障物を跨いで複合地中連続壁を容易に形成可能である。
本発明によれば、曲げ耐力を有する構造物の支圧で曲げ耐力のない地盤改良部を支持することにより、地中支障物を跨いで容易に形成することができる複合地中連続壁の構造および複合地中連続壁の構築方法を提供できる。
複合地中連続壁1の概要を示す図 第2の地中連続壁を有する他の複合地中連続壁の例を示す図 第2の地中連続壁を有する他の複合地中連続壁1e付近の水平断面図 第2の地中連続壁を有する他の複合地中連続壁1f付近の水平断面図 複合地中連続壁31付近の水平断面図 複合地中連続壁51付近の水平断面図 杭を有する他の複合地中連続壁の例を示す図
以下図面に基づいて、本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。図1は、複合地中連続壁1の概要を示す図である。図1(a)は、複合地中連続壁1付近の水平断面図を、図1(b)は、複合地中連続壁1付近の垂直断面図を示す。図1(a)は、図1(b)に示す矢印B−Bによる断面図であり、図1(b)は、図1(a)に示す矢印A−Aによる断面図である。
図1に示すように、地盤2内には、地中支障物11が存在する。地中支障物11は、例えば、ボックスカルバートやトンネル等の線状構造物である。地中支障物11の両側方には、第1の地中連続壁3が形成される。第1の地中連続壁3は、地中支障物11の下面29より下方の所定の深さ27まで形成される。
複合地中連続壁1は、地中支障物11の両側方に形成された第1の地中連続壁3同士を繋いで補完するように、地中支障物11を跨いで形成される。複合地中連続壁1は、第2の地中連続壁5、地盤改良部7等からなる。
第2の地中連続壁5は、地中支障物11の両側方に形成される。第2の地中連続壁5は、通常用いられる施工方法により、施工基面21から地中連続壁3と同等の深さ27まで形成される。地中連続壁5は、地中連続壁3と連続する。地中連続壁5は、地中連続壁3よりも、背面側17からの土圧に対する曲げ耐力が大きいものとする。地中連続壁5は、背面側17からの土圧に対して強軸方向の曲げで抵抗できる幅、長さ、配筋の断面を有する部材とする。
第2の地中連続壁5は、地中支障物11側の側面24の前面側19に、地盤改良部7の方向に張出す張出し部9を有する。側面24は、地中支障物11の側面23から所定の距離25をおいて位置する。張出し部9は、図1に示すように地中支障物11の側面23に接するように設けてもよいし、側面23に接しなくてもよい。
地盤改良部7は、第2の地中連続壁5の側面24と接するように、深さ27までの範囲に施工される。地盤改良部7の前面側19の面は、地中連続壁3や地中連続壁5の前面側19の面と連続する。地盤改良部7の背面側17の面は、地中連続壁5の背面側17の面と連続する。地盤改良部7は、施工基面21や地中支障物11の内部からの高圧噴射撹拌工法、薬液注入工法、または機械撹拌工法によって施工される。
第2の地中連続壁5と地盤改良部7とは、張出し部9によって一体化される。第2の地中連続壁5の地盤改良部7側の側面24には、必要に応じて、付着力を増加させるための点状や線状等の図示しない突起を設けてもよい。
複合地中連続壁1を構築するには、まず、第1の地中連続壁3に連続するように、地中支障物11の側方に、施工基面21から所定の深さ27まで、曲げ耐力を有する第2の地中連続壁5を施工する。そして、地中連続壁5の側面24に接するように、所定の深さ27までの範囲に地盤改良部7を施工し、地中連続壁5と地盤改良部7とを一体化する。
複合地中連続壁1では、背面側17の地盤2からの土圧が、曲げ耐力のない地盤改良部7から曲げ耐力を有する第2の地中連続壁5の張出し部9の背面に伝達される。背面側17からの土圧は、地中連続壁5の張出し部9が受け、張出し部9の支圧で地盤改良部7が支持される。
このように、第1の実施の形態では、第2の地中連続壁5を地中支障物11の側方に施工した後、地盤改良部7を所定の深さ27までの範囲に施工して、地中連続壁5と地盤改良部7とが一体化された複合地中連続壁1を構築する。地中連続壁5、地盤改良部7は、いずれも通常の工法を用いて施工するため、地中支障物11を跨いで第1の地中連続壁3を補完する複合地中連続壁1を容易に形成することができる。複合地中連続壁1では、背面側17からの土圧を曲げ耐力を有する地中連続壁5の張出し部9が受け、張出し部9の支圧で曲げ耐力のない地盤改良部7を支持することにより、背面側17からの土圧に抵抗することができる。
なお、第2の地中連続壁を有する複合地中連続壁の構造は、第1の実施の形態で述べたものに限らない。図2は、第2の地中連続壁を有する他の複合地中連続壁の例を示す図である。図2(a)に示す複合地中連続壁1は、図1に示す複合地中連続壁1と同様の構成であるが、第1の地中連続壁3および複合地中連続壁1の前面側19の地中支障物11を除く位置に、土留め支保工13が設置される。土留め支保工13の代わりに逆巻き工法の内壁が設置される場合もある。
図2(b)に示す複合地中連続壁1bは、図1に示す複合地中連続壁1と略同様の構成であるが、地盤改良部7bの施工範囲が異なる。複合地中連続壁1bの地盤改良部7bの前面側19の面は、第2の地中連続壁5の張出し部9の背面側17の面の延長上に位置する。図2(b)に示す例では、第1の地中連続壁3および複合地中連続壁1bの前面側19の地中支障物11を除く全面に後施工の本設内壁15が設置され、第1の地中連続壁3と本設内壁15とで本体壁が構成される。
図2(c)に示す複合地中連続壁1cは、第2の地中連続壁5c、地盤改良部7c等からなる。第2の地中連続壁5cは、地中支障物11の両側方に形成される。地中連続壁5cは、地中連続壁3と連続する。地盤改良部7cは、第2の地中連続壁5cの側面24cと接するように施工される。地中連続壁5cは、地盤改良部7cの方向に張出す張出し部9cを有する。地盤改良部7cは、地中連続壁5cの背面側17にもさらに施工される。地中連続壁5cと地盤改良部7cとは、張出し部9cによって一体化される。図2(c)に示す例では、第1の地中連続壁3および複合地中連続壁1cの前面側19の地中支障物11を除く全面に本設内壁15が設置され、第1の地中連続壁3と本設内壁15とで本体壁が構成される。なお、図2(c)に示す複合地中連続壁1cの地中連続壁5cは地中連続壁3よりも厚い部材であるが、地中連続壁5cは、鉄筋量の増大や鉄骨の挿入によって耐力を地中連続壁3よりも大きくすることにより、地中連続壁3と同じ厚さとしてもよい。
図2(d)に示す例では、第1の地中連続壁3dが、地中支障物11の側面23の位置まで形成される。複合地中連続壁1dは、第2の地中連続壁5d、地盤改良部7d等からなる。第2の地中連続壁5dは、前面側19の面が地中連続壁3dの背面側17に位置するように、地中支障物11の両側方に形成される。地盤改良部7dは、第2の地中連続壁5dの側面24dと接するように施工される。地中連続壁5dは、地中支障物11側の側面24dの前面側19に、地盤改良部7dの方向に張出す張出し部9dを有する。側面24dは、地中支障物11の側面23から所定の距離25dをおいて位置する。地中連続壁5dと地盤改良部7dとは、張出し部9dによって一体化される。図2(d)に示す例では、第1の地中連続壁3dおよび地盤改良部7dの前面側19の地中支障物11を除く全面に本設内壁15が設置され、第1の地中連続壁3dと本設内壁15とで本体壁が構成される。
図3は、第2の地中連続壁を有する他の複合地中連続壁1e付近の水平断面図である。図3に示す複合地中連続壁1eは、第2の地中連続壁5e、地盤改良部7e等からなる。第2の地中連続壁5eは、地中支障物11の両側方に形成される。地盤改良部7eは、地中連続壁5eの側面24eと接するように設けられる。第2の地中連続壁5eは、地中支障物11側の側面24eに、地盤改良部7eの方向に張出す複数の張出し部9eを有する。図3に示す張出し部9eは、断面形状が円の一部分であるが、断面形状はこれに限らない。また、張出し部9eは、線状に設けてもよいし点状に設けてもよい。側面24eは、地中支障物11の側面23から所定の距離25eをおいて位置する。地中連続壁5eと地盤改良部7eとは、張出し部9eによって一体化される。
図4は、第2の地中連続壁を有する他の複合地中連続壁1f付近の水平断面図である。図4に示す複合地中連続壁1fは、図1に示す複合地中連続壁1とほぼ同様の構成であるが、地盤改良部7fが、第2の地中連続壁5の背面側17にもさらに施工される。
図2から図4に示す各複合地中連続壁においても、背面側17の地盤2からの土圧を曲げ耐力を有する第2の地中連続壁の張出し部が受け、張出し部の支圧で曲げ耐力のない地盤改良部を支持することにより、背面側17からの土圧に抵抗することができる。図2(c)や図4に示すように、第2の地中連続壁の背面側に地盤改良部をさらに施工すれば、せん断耐力を増加させることができる。
次に、第2の実施の形態について説明する。図5は、複合地中連続壁31付近の水平断面図である。図5に示すように、地盤32内には、地中支障物41が存在する。地中支障物41は、例えば、ボックスカルバートやトンネル等の線状構造物である。地中支障物41の両側方には、第1の地中連続壁33が形成される。第1の地中連続壁33は、地中支障物41の下面より深い所定の深さまで形成される。
複合地中連続壁31は、地中支障物41の両側方に形成された第1の地中連続壁33同士を繋いで補完するように、地中支障物41を跨いで形成される。複合地中連続壁31は、土留め壁35、地盤改良部37等からなる。
土留め壁35は、地中支障物41の両側方に形成される。土留め壁35は、ソイルセメント固化連続壁であり、通常用いられる施工方法により、施工基面から地中連続壁33と同等の深さまで形成される。
地盤改良部37は、土留め壁35の地中支障物41側の面44と接するように、地中連続壁33や土留め壁35と同等の深さまでの範囲に施工される。地盤改良部37の前面側45の面は、地中連続壁33の背面側43の面の延長上に位置する。地盤改良部37は、施工基面や地中支障物41の内部からの高圧噴射撹拌工法、薬液注入工法、または機械撹拌工法によって施工される。
土留め壁35の地盤改良部37との接触面、すなわち土留め壁35の地中支障物41側の面44には、凹凸39が形成され、凹凸39によって土留め壁35と地盤改良部37とが一体化される。面44の凹凸39は、心材の周囲にソイルセメントを円柱体形状に固化させてソイルセメント固化連続壁である土留め壁35を施工する際に、円柱体が重なることにより形成される。
複合地中連続壁31を構築するには、まず、第1の地中連続壁33の背面側43において、地中支障物41の側方に、施工基面から所定の深さまで、曲げ耐力を有する土留め壁35を施工する。そして、土留め壁35に接するように、所定の深さまでの範囲に地盤改良部37を施工し、土留め壁35と地盤改良部37とを一体化する。
複合地中連続壁31では、背面側43の地盤32からの土圧が、地盤改良部37から面44の凹凸39によって土留め壁35に伝達される。背面側43からの土圧は、土留め壁35が受け、土留め壁35の支圧で地盤改良部37が支持される。
なお、複合地中連続壁31では、第1の地中連続壁33および複合地中連続壁31の前面側45に後施工の本設内壁15が設置され、第1の地中連続壁33と本設内壁15とで本体壁が構成される。
このように、第2の実施の形態では、土留め壁35を地中支障物41の側方に施工した後、地盤改良部37を所定の深さまでの範囲に施工して、土留め壁35と地盤改良部37とが一体化された複合地中連続壁31を構築する。土留め壁35、地盤改良部37は、いずれも通常の工法を用いて施工するため、地中支障物41を跨いで第1の地中連続壁33を補完する複合地中連続壁31を容易に形成することができる。複合地中連続壁31では、背面側43からの土圧を曲げ耐力を有する土留め壁35の凹凸39が受け、土留め壁35の支圧で曲げ耐力のない地盤改良部37を支持することにより、背面側43からの土圧に抵抗することができる。
次に、第3の実施の形態について説明する。図6は、複合地中連続壁51付近の水平断面図である。図6に示すように、地盤32内には、第2の実施の形態と同様に地中支障物41が存在し、地中支障物41の両側方には、第1の地中連続壁33が形成される。
複合地中連続壁51は、地中支障物41の両側方に形成された第1の地中連続壁33同士を繋いで補完するように、地中支障物41を跨いで形成される。複合地中連続壁51は、鋼管杭49、地盤改良部47等からなる。
鋼管杭49は、地中支障物41の両側方に形成される。鋼管杭49は、平面視で地中連続壁33と略直交する線上に複数本ずつ並べて形成される。鋼管杭49は、通常用いられる施工方法により、施工基面から地中連続壁33と同等の深さまで形成される。
地盤改良部47は、鋼管杭49の地中支障物41側の面46と接するように、地中連続壁33や鋼管杭49と同等の深さまでの範囲に施工される。地盤改良部47の前面側45の面は、地中連続壁33の背面側43の面の延長上に位置する。地盤改良部47は、施工基面や地中支障物41の内部からの高圧噴射撹拌工法、薬液注入工法、または機械撹拌工法によって施工される。
複合地中連続壁51を構築するには、まず、第1の地中連続壁33の背面側43において、地中支障物41の側方に、施工基面から所定の深さまで、曲げ耐力を有する鋼管杭49を施工する。そして、鋼管杭49に接するように、所定の深さまでの範囲に地盤改良部47を施工し、鋼管杭49と地盤改良部47とを一体化する。
複合地中連続壁51では、鋼管杭49と地盤改良部47とが一体化され、背面側43の地盤32からの土圧が、地盤改良部47から鋼管杭49に伝達される。背面側43からの土圧は、鋼管杭49が受け、鋼管杭49の支圧で地盤改良部47が支持される。
なお、複合地中連続壁51では、第1の地中連続壁33および複合地中連続壁51の前面側45に後施工の本設内壁15が設置され、第1の地中連続壁33と本設内壁15とで本体壁が構成される。
このように、第3の実施の形態では、鋼管杭49を地中支障物41の側方に施工した後、地盤改良部47を所定の深さまでの範囲に施工して、鋼管杭49と地盤改良部47とが一体化された複合地中連続壁51を構築する。鋼管杭49、地盤改良部47は、いずれも通常の工法を用いて施工するため、地中支障物41を跨いで第1の地中連続壁33を補完する複合地中連続壁51を容易に形成することができる。複合地中連続壁51では、背面側43からの土圧を曲げ耐力を有する鋼管杭49が受け、鋼管杭49の支圧で曲げ耐力のない地盤改良部47を支持することにより、背面側43からの土圧に抵抗することができる。
なお、杭を有する複合地中連続壁の構造は、第3の実施の形態で述べたものに限らない。図7は、杭を有する他の複合地中連続壁の例を示す図である。図7(a)に示す複合地中連続壁51aは、地中支障物41の両側方に形成された第1の地中連続壁33同士を繋いで補完するように、地中支障物41を跨いで形成される。複合地中連続壁51aは、場所打ち杭53a、場所打ち杭53b、地盤改良部47a等からなる。
場所打ち杭53aは、地中支障物41の両側方に、施工基面から地中連続壁33と同等の深さまで形成される。場所打ち杭53bは、地中支障物41の内部から地中連続壁33と同等の深さまで形成される。場所打ち杭53a、場所打ち杭53bは、通常用いられる施工方法により、平面視で地中連続壁33と略平行な線上に並べて形成される。
地盤改良部47aは、場所打ち杭53aの地中支障物41側の面48と接するように、地中連続壁33や場所打ち杭53aと同等の深さまでの範囲に施工される。複合地中連続壁51aでは、場所打ち杭53a、場所打ち杭53bと地盤改良部47aとが一体化される。
図7(b)に示す複合地中連続壁51bは、地中支障物41の両側方に形成された第1の地中連続壁33同士を繋いで補完するように、地中支障物41を跨いで形成される。複合地中連続壁51bは、連続杭55a、連続杭55b、地盤改良部47b等からなる。
連続杭55aは、地中支障物41の両側方に、施工基面から地中連続壁33と同等の深さまで形成される。連続杭55aは、通常用いられる施工方法により、平面視で地中連続壁33と略直交する線上に複数本ずつ並べて形成される。連続杭55bは、地中支障物41の内部から地中連続壁33と同等の深さまで形成される。連続杭55bは、通常用いられる施工方法により、平面視で地中連続壁33と略平行な線上に複数本並べて形成される。
地盤改良部47bは、地中支障物41の外側の部分50が連続杭55aと接するように、地中連続壁33や連続杭55aと同等の深さまでの範囲に施工される。複合地中連続壁51bでは、連続杭55a、連続杭55bと地盤改良部47bとが一体化される。
図7に示す複合地中連続壁51a、51bでは、背面側43からの土圧を曲げ耐力を有する場所打ち杭53a、53bや連続杭55a、55bが受け、場所打ち杭53a、53bや連続杭55a、55bの支圧で曲げ耐力のない地盤改良部47a、47bを支持することにより、背面側43からの土圧に抵抗することができる。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
1、1b、1c、1d、1e、1f、31、51、51a、51b………複合地中連続壁
2、32………地盤
3、3d、33………地中連続壁
5、5c、5d、5e………地中連続壁
7、7b、7c、7d、7e、7f、37、47、47a、47b………地盤改良部
9、9c、9d、9e………張出し部
11、41………地中支障物
17、43………背面側
19、45………前面側
21………施工基面
23、24、24c、24d、24e、42………側面
27………深さ
28………上面
29………下面
35………土留め壁
39………凹凸
44、46、48………面
49………鋼管杭
53a、53b………場所打ち杭
55a、55b………連続杭

Claims (7)

  1. 地中支障物の両側方に形成される第1の地中連続壁を補完するように、前記地中支障物を跨いで形成される複合地中連続壁の構造であって、
    前記地中支障物の側方に、施工基面から所定の深さまで施工され、前記第1の地中連続壁よりも曲げ耐力が大きい第2の地中連続壁と、
    前記第2の地中連続壁の側面と接するように、前記所定の深さまでの範囲に施工された地盤改良部と、
    を具備し、
    前記第2の地中連続壁が前記地盤改良部の方向に張出す張出し部を有し、前記張出し部によって前記第2の地中連続壁と前記地盤改良部とが一体化され、前記張出し部の支圧で前記地盤改良部が支持され
    前記第2の地中連続壁の前記地盤改良部側に、付着力を増加させるための突起が設けられることを特徴とする複合地中連続壁の構造。
  2. 前記第2の地中連続壁の背面側に前記地盤改良部をさらに施工することにより、せん断耐力を増加させることを特徴とする請求項1記載の複合地中連続壁の構造。
  3. 地中支障物の両側方に形成される第1の地中連続壁を補完するように、前記地中支障物を跨いで形成される複合地中連続壁の構造であって、
    前記地中支障物の側方に、施工基面から所定の深さまで施工された杭と、
    前記杭と接するように、前記所定の深さまでの範囲に施工された地盤改良部と、
    を具備し、
    前記杭と前記地盤改良部とが一体化され、前記杭の支圧で前記地盤改良部が支持されることを特徴とする複合地中連続壁の構造。
  4. 前記地盤改良部は、施工基面からの高圧噴射撹拌工法、薬液注入工法、または機械撹拌工法によって施工されることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の複合地中連続壁の構造
  5. 前記地中支障物が線状構造物であることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の複合地中連続壁の構造。
  6. 地中支障物の両側方に形成される第1の地中連続壁を補完するように、前記地中支障物を跨いで形成される複合地中連続壁の構築方法であって、
    前記地中支障物の側方に、施工基面から所定の深さまで、曲げ耐力を有する第2の地中連続を施工する工程(a)と、
    前記第2の地中連続壁に接するように、前記所定の深さまでの範囲に地盤改良部を施工し、前記第2の地中連続壁と前記地盤改良部とを一体化する工程(b)と、
    を具備し、
    前記第2の地中連続壁が前記地盤改良部の方向に張出す張出し部を有し、
    前記第2の地中連続壁の前記地盤改良部側に、付着力を増加させるための突起が設けられることを特徴とする複合地中連続壁の構築方法。
  7. 地中支障物の両側方に形成される第1の地中連続壁を補完するように、前記地中支障物を跨いで形成される複合地中連続壁の構築方法であって、
    前記地中支障物の側方に、施工基面から所定の深さまで、曲げ耐力を有する杭を施工する工程(a)と、
    前記に接するように、前記所定の深さまでの範囲に地盤改良部を施工し、前記と前記地盤改良部とを一体化する工程(b)と、
    を具備することを特徴とする複合地中連続壁の構築方法。
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