JP6468639B2 - 自律浮沈材料及び自律浮沈方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自律浮沈材料及び自律浮沈方法に関する。さらに詳細には、本発明は、水等の水性媒体中を自律的に浮き沈み可能な材料、及びこの材料を用いた粒状物を水等の水性媒体中で自律的に浮き沈みさせる方法に関する。
多くの種類の汚染物質が日常生活や産業活動によって、また事故等によって環境に放出されている。石油化学工場や鉱山の精錬所、原子力発電所から排出される毒性の強い有機物、金属、そして放射性セシウムなどによる水や土壌の汚染は水質汚濁や公衆衛生の問題を引き起こしている。特に、福島第一原子力発電所では原子炉建屋内への地下水流入による汚染水が増加し、大型のタンクの中で保存されている。汚染水処理の負担を軽くするための有効な手段を開発することが廃炉作業にとって喫緊の課題となっている。
汚染物質には比重が異なり、水面に浮上するもの、水底に沈むもの、水に均一に存在するものなど様々なものがある。たとえば、原油は比重が水よりも小さいため水面上に浮く。一方、ニトロベンゼンは比重が水よりも大きいため水底に沈む。Pb2+、Cd2+、Cs+といった金属イオンの多くは水溶性であり、水中で均一に存在している。このように、異なる比重をもつ様々な汚染物質を効率よく吸着させるためには吸着剤と汚染物質の十分な接触時間を確保する必要があり、汚染物質と同程度の比重を持つことが吸着剤に求められる。また、どんなに優れた吸着能力があるとしても汚染物質を吸着した後、吸着剤を回収することができなければ意味がない。実際の汚染サイトで吸着剤を適応する際には、吸着剤の比重の制御が重要であると同時に、吸着剤が容易に回収される工夫も必要となる。
これまで、回収操作の容易さを目的とした吸着剤の研究はいくつか報告されている。たとえば、カーボンナノチューブやDNAなどの吸着剤をアルギン酸ゲルに内包することによって、微細な粉末状の吸着剤の取り扱いの簡便化を目指した研究が行われている(Sone et al.,2009(非特許文献1))。また、マグネタイトを用いる吸着剤の磁性分離(Kuen and Mooney., 2012(非特許文献2))や、ドラックデリバリーシステム(I.C.Kwon et al., 1991(非特許文献3))やナノバブル(Takahashi et al., 2007(非特許文献4))を用いる浮選分離による汚染物質の回収を目指した研究例もある。しかし、どの報告も材料の回収能力や汚染物質のキャリアーとなる薬剤やガスの持続的な供給が難しい。
本発明者らは、吸着剤全体の比重を制御することで、水底または水中に存在する汚染物質との接触時間を確保し、最後に水面に浮上する吸着材料の開発を試みてきた。その試作として、多糖類ゲルのアルギン酸ゲルビーズの中に「重り」と「浮き」の両方を導入し、これらの量的関係を調節することで、水底で一定時間滞留し、その後浮上する吸着剤の開発を報告した(Mihara and Tanaka., 2013(非特許文献5))。
H. Sone, B. Fugetsu, S. Tanaka: "Selective elimination lead (II) ions by alginate/polyurethane composite foams" Journal of Hazardous Materials 162. 423-429 (2009). K. Y. Lee, D. J. Mooney:"Alginate: properties and biomedical applications" Progress in Polymer Science 37, 106-126 (2012). I.C. Kwon, Y.H. Bae, S.W. Kim:"Electrically erodible polymer gel for controlled release of drugs" Nature, 354, 291-293 (1991). M.Takahashi,K. Chiba, P. Li: "Formation of Hydroxyl Radicals by Collapsing Ozone Microbubbles under Strongly Acidic Conditions"J.Phys.Chem. B, 111-39, 11443-11446 (2007). Y. Mihara and S. Tanaka: "Development of a new type of adsorbent that can be collected easily on the surface of water after adsorption at the bottom of water" Journal of Environmental Chemistry, 23, 187-194 (2013).
非特許文献5に記載の吸着剤は、「重り」としてCaCO3を用い、その粉末をアルギン酸ゲルビーズに内包し、CaCO3が水に溶解することによってゲルビーズの水底での滞留時間、水面への浮上時間、比重の時間変化を制御する方法を試みた。この研究は、吸着能を有するアルギン酸ゲルビーズを水底に移行させ(ビーズ内に導入したCaCO3により比重を高める)、吸着後、ビーズ内に内包された二酸化炭素の気泡の浮力によって水面に浮上させることにより、水底(湖底や海底等)に沈積した汚染物質を除去し、汚染物質の水面上での回収を容易にすることを可能にした。
上記吸着剤は、オンサイトでの環境浄化への応用を期待した全く斬新な技術であるが、応用できる条件として、炭酸カルシウムが溶解できる弱酸性の条件に限られるという弱点があった。また、上記吸着剤は、水底から一度浮上すると再度沈降することはなく、水中の物質を浮き沈みを繰り返しながら継続的に吸着することもできなかった。
そこで本発明は、弱酸性の条件を必要とせず、広範囲の水又は水溶液、水性媒体において利用でき、かつ、一度の浮上のみでなく、繰り返し浮き沈みできる自律浮沈材料の提供、及びこの材料を用いた粒状物を水等の水性媒体中で自律的に浮き沈みさせる方法を提供することを解決すべき課題(目的)とする。さらに、本発明は、前記材料及び方法を用いた、水等の水性媒体中の物質を継続的に吸着できる材料及び吸着方法を提供することも解決すべき課題(目的)とする。
本発明者らは、上述した課題を解決するために、発酵プロセスをゲルビーズ内に導入し、発酵で発生するCO2を浮上原理とする新しい吸着体の開発ができるとの着想に至った。実際に発酵システムを導入したゲルビーズを作製し浮上実験を行ったところ、一旦沈降したゲルビーズは発酵で発生した炭酸ガスが浮きとなってゲルビーズは水面に浮上した。しかも、浮上したゲルビーズが再び沈降し、それを繰り返すという、今までに報告されていない特異な現象(鉛直回遊と呼ぶこととする)が観察され、本発明を完成するに至った。
本発明は以下の通りである。
[1]
マトリックス形成材料のマトリックス中に、生体活動により気体及び/又は水性媒体不溶性液体を生成する微生物及び/又は微小生物並びに前記微生物及び/又は微小生物が資化して気体及び/又は水性媒体不溶性液体を生成する物質を含有する、水性媒体中での自律浮沈に用いる組成物。
[2]
マトリックス形成材料は、(1)低分子(物理)ゲル、(2)高分子鎖(ハイドロ)ゲル、又は(3)合成高分子化合物である[1]に記載の組成物。
[3]
前記微生物及び/又は微小生物は、生体活動により気体として、二酸化炭素ガス、酸素ガス、水素ガス、窒素ガス、及び/又はメタンガスを生成する[1]又は[2]に記載の組成物。
[4]
前記微生物及び/又は微小生物は、生体活動は、生体活動により水性媒体不溶性液体として炭化水素化合物を生成する[1]〜[3]のいずれか1項に記載の組成物。
[5]
前記微生物及び/又は微小生物が、酵母菌、腸内菌、乳酸菌、好気性芽胞菌、嫌気性菌、カビ、藻類、及びプランクトンから成る群から選ばれる少なくとも1種の微生物及び/又は微小生物である[4]に記載の材料。
[6]
前記微生物が酵母菌であり、前記微生物が資化して気体を生成する物質が糖である[1]〜[5]のいずれか1項に記載の材料。
[7]
前記マトリックス形成材料のマトリックス中に水をさらに含有する[1]〜[6]のいずれか1項に記載の材料。
[8]
前記マトリックス形成材料のマトリックス中に重り物質をさらに含有する、但し、重り物質は、重り物質を除く材料の比重より大きい比重を有する、[1]〜[7]のいずれか1項に記載の材料。
[9]
1質量部のマトリックス形成材料に、0.01〜10質量部の微生物、0.1〜1000質量部の前記微生物が資化して気体を生成する物質、1〜10000質量部の水を含有する、[1]〜[8]のいずれか1項に記載の材料。
[10]
吸着剤、飼料、医薬剤、イオン交換体、発光体、磁性体、生物、細胞、及び/又はセンサをさらに含有する[1]〜[9]のいずれか1項に記載の材料。
[11]
[1]〜[10]のいずれか1項に記載の材料からなる成形物。
[12]
前記成形物が粒状物、球状物、球状物、円盤状物、シート状物、柱状物、筒状物、又は繊維状物である[11]に記載の成形物。
[13]
[11]又は[12]に記載の成形物を水性媒体に添加して、水性媒体中で自律的に浮き沈みさせる方法、但し、前記成形物の比重は、前記水性媒体より大きい、前記方法。
[14]
前記成形物の比重は、前記水性媒体の1.05倍〜1.8倍の範囲である[13]に記載の方法。
[15]
前記成形物は、水性媒体への添加前は、冷蔵又は冷凍保存される、[13]〜[14]のいずれか1項に記載の方法。
[16]
前記成形物は、吸着剤及び/又はイオン交換体を含む材料からなり、水性媒体中での自律浮沈の間に、水性媒体中の被吸着物質を吸着及び/又はイオン交換する、[13]〜[15]のいずれか1項に記載の方法。
[17]
前記成形物は、水性媒体中での自律浮沈終了後又は自律浮沈の間に、水性媒体から分離回収して、被吸着物質を吸着した吸着剤及び/又はイオン交換体を回収する、[16]に記載の方法。
[18]
前記成形物は、飼料及び/又は医薬剤を含む材料からなり、水性媒体中での自律浮沈の間に、水性媒体中の魚類に捕食されて、魚類に飼料及び/又は医薬剤を供給する、[13]〜[15]のいずれか1項に記載の方法。
このゲルビーズの鉛直回遊挙動は、吸着材料の能動的な鉛直移動の繰り返しによって、水中の底部または水中に存在する物質を効率よく吸着し、最後は浮上して水面上で回収ができる新たな吸着材料の開発につながる。例えば、撹拌の困難な池や大型のタンク内に汚染物質がある場合、鉛直回遊機能を有する吸着剤を投入すると、吸着材料が水底と水面を行き来しながら汚染物質を吸着し、最後は水面に浮上すれば、比較的容易に汚染物質を吸着した後の吸着材料を回収することができる。
鉛直回遊機能を有する吸着剤による水中の汚染物質の吸着処理の模式説明図。 実施例2における1個のアルギン酸ゲルビーズの浮沈の時間経過(グルコース濃度依存性)を示す。上からグルコース濃度5wt%、10wt%、30wt%。 実施例2における1個のアルギン酸ゲルビーズと浮沈回数の時間経過(温度(水温)依存性)(投入後12時間までの浮沈回数)を示す。グルコース濃度;10wt%、水温、上から15℃、20℃、25℃及び30℃。 発酵システムを導入したアルギン酸ゲルビーズの鉛直回遊性の観察(25℃)結果。横軸は時間。 実施例4における、プルシアンブルー内包アルギン酸ゲルビーズの鉛直回遊による溶液中のセシウムイオンの除去実験結果を示す。(◆鉛直回遊(本発明)、■浮遊(Floating)、▲底沈降(Bottom)) 図5に除去実験結果を示した浮遊(Floating)(上)、底沈降(Bottom)(下)の写真を示す。
<組成物>
本発明は、水性媒体中での自律浮沈に用いる組成物に関し、この組成物は、マトリックス形成材料のマトリックス中に、生体活動により気体及び/又は水性媒体不溶性液体(以下、気体等と総称することがある)を生成する微生物及び/又は微小生物(以下、微生物等と総称することがある)、並びに前記微生物等が資化して気体等を生成する物質(以下、資化物質と呼ぶ)を含有する。
マトリックス形成材料は、マトリックス形成材料のマトリックス中に、前記微生物等及び前記資化物質を含有することができる材料であれば良く、より具体的には、微生物等及び資化物質を一定時間マトリックス中に保持できることができ、かつ微生物等が生成する気体等をマトリックス外に移動させることができる材料であればよい。
さらに後述するように、マトリックス材料は、さらに水を含有することができることら、マトリックス材料は、水と共に存在する微生物等及び資化物質を一定時間マトリックス中に保持できることができ、かつ水を介して微生物等が生成する気体等をマトリックス外に移動させることができる材料であればよい。
このような観点から、マトリックス形成材料は、マトリックスを形成し、比較的親水性の材料であることが好ましく、例えば、(1)低分子(物理)ゲル、(2)高分子鎖(ハイドロ)ゲル、又は(3)合成高分子化合物であることができ、これらの混合物であることもできる。但し、マトリックス形成材料は、これらの材料に限定される意図ではない。
(1)低分子(物理)ゲルの例としては、脂肪酸:天然油脂系脂肪酸、12-ヒドロキシステアリン酸、イオン液体/ポリジメチルシロキサン(IL/PDMS):シリコーンゲル、β-ラクトグロブリンゲル、ヒアルロン酸、キトサン、カルボキシメチルセルロース、ポリ乳酸、ポリエチレングリコール、シリカゲルから成る群から選ばれる少なくとも1種のゲルを挙げることができる。
(2)高分子鎖(ハイドロ)ゲルの例としては、アルギン酸、ポリメタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド:ポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)、ポリビニルメチルエーテル、ポリロタキサン、ヒドロキシエチルメタクリレート、ゼラチンから成る群から選ばれる少なくとも1種のゲルを挙げることができる。
(3)合成高分子化合物は、例えば、高吸水性樹脂又はイオン交換樹脂であり、
高吸水性樹脂を構成するモノマー(原料)は、N,N-ジメチルアクリルアミド、N-ビニルピロリドン、イオン交換樹脂を構成するモノマー(原料)は、スチレン、ジビニルベンゼンを挙げることができる。
気体等を生成する微生物等の生体活動は、微生物等の代謝、分解または光合成等、特に制限はなく、二酸化炭素ガス(炭酸ガス)、酸素ガス、水素ガス、窒素ガス、メタンガス等の気体及び/又は水性媒体不溶性液体(例えば、炭化水素化合物)を発生するものであれば特に制限はない。生体活動により気体を生成する微生物及び/又は微小生物は、例えば、酵母菌、腸内菌、乳酸菌、好気性芽胞菌、嫌気性菌、カビ、藻類、プランクトンから成る群から選ばれる少なくとも1種の微生物を挙げることができる。酵母菌、腸内菌、乳酸菌は、発酵により、主に気体として炭酸ガスを生成する。一部の好気性芽胞菌及び嫌気性菌は、発酵により、主に気体として炭酸ガス、水素ガスを生成する。(麹)カビは、糖化によりデンプン(資化物質または重りとなり得る)を分解して炭酸ガスを生成する。藻類は、光合成により酸素ガスを生成する。藻類の一種であるラン藻は、水素ガスを生成するもある。オーランチオキトリウム(Aurantiochytrium)属に属する藻類は、水性媒体不溶性液体として炭化水素(スクアレン=テルぺノイド系の油脂)を生成する。HD-1株(Oleomonas sagaranensis)も、嫌気条件下では、水性媒体不溶性液体として石油を生成する。プランクトンは、呼吸により炭酸ガスを生成する。
生体活動により気体等を生成する微生物等は、以下に示すサッカロミケス属に属する微生物であることができる。
Saccharomyces bayanus
Saccharomyces boulardii
Saccharomyces bulderi
Saccharomyces cariocanus
Saccharomyces cariocus
Saccharomyces cerevisiae
Saccharomyces chevalieri
Saccharomyces dairenensis
Saccharomyces ellipsoideus
Saccharomyces florentinus
Saccharomyces kluyveri
Saccharomyces martiniae
Saccharomyces monacensis
Saccharomyces norbensis
Saccharomyces paradoxus
Saccharomyces pastorianus
Saccharomyces spencerorum
Saccharomyces turicensis
Saccharomyces unisporus
Saccharomyces uvarum
Saccharomyces zonatus
比較的入手が容易であり、炭酸ガスの生成能力が高いものもある、パン発酵やアルコール発酵で用いられている酵母菌(Saccharomyces cerevisiae)を微生物等として用いるが好ましい。
乳酸菌は、常温(15℃から30℃)において、乳酸発酵により主に二酸化炭素(ガス)を産生し、乳酸、酢酸などを生成する。マトリックス内に一定量の乳酸菌が蓄積すると、生成物の蓄積が見られる。
(麹)カビは、比較的冷温化(5℃以上)でも容易に増殖する。マトリックス内での増殖によって、デンプン(資化物質)を糖化して炭酸ガスを生成する。このため、マトリックスは比重の減少または体積膨張によって浮上することができる。
藻類は、常温(15℃から30℃)において光合成または呼吸によってマトリックス内で(炭酸ガス、酸素ガス、または水素ガス)または炭化水素を蓄積することができる。
プランクトン(微小生物の例)は、光合成または摂食によってマトリックス内に炭酸ガスを生成する。このため、マトリックスは水底に沈んだり、水中を浮遊したりする。その挙動は温度、水深、静水圧、光、酸素、塩分などの様々な要因によって変化しやすいが、池、汽水や海洋のような広大な面積と水深のある水圏で、活用できる。
微生物等が資化して気体を生成する物質(資化物質)は、微生物等の種類に応じて適宜選択できる。前記微生物が酵母菌である場合には、資化物質はグルコースなどの糖である。あるいは、グルコースなどの糖類の原料となる澱粉と澱粉を分解して糖類を精製する酵素を資化物質として併用することもできる。乳酸菌に対する資化物質は、例えば、グルコース、でんぷん、外界からマトリックス内に取り込まれた有機物を含む。(麹)カビに対する資化物質は、デンプン、セルロースなど固体の有機物、または外界から取り込まれた有機物を含む。カビ(の種菌)は、固体の有機物に担持されていることが望ましい。藻類に対する資化物質は、光合成のために必要な環境の下で有機酸、アルコール類、ビタミン、栄養塩を外界から獲得する。プランクトンに対する資化物質は、植物プランクトンや栄養塩を水底または水中といった外界から獲得する。
本発明においては、最小限の資化物質は、マトリックスないに含有させ、それ以外に水性媒体(外界)に存在する物質を資化物質として利用する事もできる。
マトリックス形成材料のマトリックス中には、水をさらに含有する。水は微生物等の生体活動に用いられ、かつ微生物等が生成する気体を溶解してマトリックス形成材料の表面に移行させる役割も果たす。さらに、水は資化物質を保持しつつ、外界の物質(資化物質も含む)をマトリックス中への輸送を媒介する機能を果たすこともできる。
マトリックス形成材料のマトリックス中には、重り物質をさらに含有することもできる。但し、重り物質は、重り物質を除く材料の比重より大きい比重を有する。重り物質の比重は、重り物質を除く材料の比重より大きければ特に制限はなく、マトリックス形成材料の種類、マトリックス形成材料に添加できる重り物質の量等を考慮して適宜選択できる。重り物質は、具体的には、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、グルコース、デンプン、グリセロール、麦芽糖等であることができる。
マトリックス形成材料に含有される微生物等、資化物質及び水の量は、各材料の種類や、本発明のマトリックス形成材料を用いて形成する成形物の用途、使用条件などを考慮して適宜決定できる。例示的には、1質量部のマトリックス形成材料に、例えば、0.001〜10質量部の微生物等、0.01〜1000質量部の資化物質、1〜10000質量部の水を含有することができる。但し、この範囲に限定される意図ではない。
本発明のマトリックス形成材料には、本発明のマトリックス形成材料を用いて形成する成形物の用途に応じて、種々の物質を単独又は組みあわせて含有させることができる。本発明のマトリックス形成材料に含有させることができる物質の例としては、例えば、吸着剤、飼料、医薬剤、イオン交換体、発光体、磁性体、生物、細胞、計測用素子(センサ)等を挙げることができる。但し、これらの物質に限定される意図ではない。
<成形物>
本発明は、上記本発明のマトリックス形成材料からなる成形物に関する。成形物の形状、寸法等は、成形物の用途に応じて適宜決定できる。本発明の成形物は、例えば、粒状物、球状物、円盤状物、シート状物、柱状物、円筒状物、繊維状物(横断面は、円形、多角形、中空体など)等であることができる。但し、これらの形状に限定される意図ではない。
<自律的浮沈方法>
本発明は、上記本発明のマトリックス形成材料からなる成形物を水性媒体に添加して、水性媒体中で自律的に浮き沈みさせる方法に関する。但し、水性媒体中で自律的に浮き沈みさせるためには、前記成形物の比重は、前記水性媒体より大きい。成形物の比重は、例えば、水性媒体の1.05倍〜1.8倍の範囲であり、下限は好ましくは1.06倍、より好ましくは1.08倍、さらに好ましくは1.1倍である。上限は好ましくは1.5倍、より好ましくは1.3倍、より好ましくは1.2倍である。但し、この数値範囲に制限されない。マトリックス形成材料に含まれる微生物等の種類や量、自律浮沈の周期などを考慮して適宜決定できる。
水性媒体の種類は特に制限はない。水、溶質を含有する水溶液、分散質を含む分散液、溶質と分散質を含む分散水溶液などであることができ、溶質及び分散質の種類にも特に制限はない。
前記成形物は、水性媒体への添加前は、冷蔵、冷凍又は凍結乾燥で保存される。冷蔵、冷凍又は凍結乾燥によって保存されることで、微生物の代謝を抑制し、気体の生成能喪失を抑制しつつ、長期の保管と、持ち運びやすさを備えることができる。
本発明の自律的浮沈方法の一例としては、成形物は、吸着剤及び/又はイオン交換体を含む材料からなり、水性媒体中での自律浮沈の間に、水性媒体中の被吸着物質を吸着及び/又はイオン交換する方法を挙げることができる。
前記成形物は、水性媒体中での自律浮沈終了後又は自律浮沈の間に、水性媒体から分離回収して、被吸着物質を吸着した吸着剤及び/又はイオン交換体を回収することができる。
実施例では上記機能を有する吸着材料として、アルギン酸ゲルビーズに、イーストとグルコースからなる発酵システムを導入し、発酵で発生する二酸化炭素の気泡を浮きとして、浮上と沈降を繰り返す鉛直回遊性を有する吸着材料を示した。このアルギン酸ゲルビーズの自律的な浮き沈みを模式的に図1に示す。このような浮き沈みを自律的に行う吸着材料は、撹拌が困難な水環境や大型のタンクなどの汚染物質を効率よく吸着回収でき、吸着剤自らの能動的な鉛直回遊性を有することでエネルギーをほとんど必要としない。また、吸着剤が充てんされたカラムにポンプを用いて汚染水を送る必要もないため、パイプからの水漏れの心配もない。最終的に水面に浮上するので、水面上で比較的容易に回収できるという特徴を有する。
本発明の自律的浮沈方法の別の一例としては、成形物は、飼料及び/又は医薬剤を含む材料からなり、水性媒体中での自律浮沈の間に、水性媒体中の魚類に捕食されて、魚類に飼料及び/又は医薬剤を供給する方法を挙げることができる。
本発明の自律的浮沈方法の別の一例としては、成形物は発光体及び/又は磁性体を含む材料からなり、水槽内で自律浮沈の間に化学反応または外界からの刺激によって発光または特定箇所に集合する照明器具または玩具を挙げることができる。
本発明の自律的浮沈方法の別の一例としては、成形物はセンサを含む材料からなり、特定の水圏で自律浮沈の間に、水性媒体の物理的もしくは化学的な変化を記録できる装置または端末を挙げることができる。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。但し、実施例は本発明の例示であって、本発明は実施例に限定される意図ではない。
実施例1
1)製造方法
1wt%アルギン酸水溶液は、アルギン酸ナトリウム粉末を1.00 g秤量し、蒸留水100 mLを加えて調製した。炭酸水素ナトリウム0.75 gとドライイースト0.30 g、グルコースを1.25 g、2.50 gまたは7.50g(5、10、30 w/w%)の範囲で秤量し、これらをねじ口試験管に移してから撹拌混合した。次いで、氷中にて、1wt%アルギン酸水溶液を、試料全体の質量が25 gになるまでねじ口試験管に加えたのち、全体がよく混ざるように撹拌した。この溶液をペリスタポンプで送液して、0.1 M硝酸カルシウム水溶液100 mL(pH5.0, 5℃)に滴下し、アルギン酸ゲルビーズを作製した。内径5.0 mmのノズルを用いると、試料25 gにつき、直径5.0±0.1mmのアルギン酸ゲルビーズが約125粒作製できた。得られたアルギン酸ゲルビーズの比重はそれぞれ1.065、1.092、1.162であった。
実施例2
実施例1で調製したアルギン酸ゲルビーズの自律浮沈について試験した。
5-10L(高さ1-2m)の筒型容器を用い、グルコースの濃度や水温の変化に伴うゲルビーズの浮沈回数の変化を測定した。
グルコース濃度を変えた場合の結果を図2に示す。グルコースの含有量によるアルギン酸ゲルビーズの自律浮沈(回遊)時間は、グルコース濃度が5(w/w%)のときに、およそ6時間であったのに対し、グルコース濃度が10(w/w%)、30(w/w%)になるにつれ、およそ12時間、48時間と延長された。
水温を15℃、20℃、25℃又は30℃とした場合の結果を図3に示す。
温度条件が20℃のとき、アルギン酸ゲルビーズ投下後12時間までの浮沈回数は9回であった。しかし、浮沈回数は水温によって大きく異なった。たとえば、水温15℃のときのゲルビーズを投下後12時間までの浮沈の繰り返し数は4回と他の水温のときよりも少なかった。この理由として、イーストは温度の低い条件でも発酵する。しかし、アルギン酸ゲルビーズの浮力に変化を与える炭酸ガスの生成量は少ないためと考えられる。一方、水温30℃では、イーストの活性が高くなり、アルギン酸ゲルビーズの浮力に変化を与える炭酸ガスの生成量も増加するが、ゲル内に蓄積される炭酸ガスも増加するために、水面上に浮いている時間が長くなった。このため、グルコース発酵に関与するイーストの活性は、水中の温度管理によって最適化され、アルギン酸ゲルビーズの浮沈回数にも影響を与える。
内包させるグルコースやイーストの量や水温を変えることで、浮上に必要なゲル内に生じる炭酸ガスの発生量や発生時間も異なってくることから、これらの因子制御することでゲルビーズの浮力を制御することができた。
実施例3
鉛直回遊性を持つゲルビーズの形態観察と発酵速度定数の解析
ゲルビーズは発酵システムを導入することによって浮沈を繰り返すのかを検討するために、アルギン酸ゲルビーズ内部での炭酸ガスの蓄積過程の様子や水面上でのゲル表面上の炭酸ガスの消失過程の様子を、顕微鏡での観察から考察した(図4)。
上記観察の結果、ゲルビーズの鉛直回遊のメカニズムは、次の様なものであると考えられる。イースト菌によるグルコースの発酵によって発生した二酸化炭素の気泡は、最初はゲルビーズの内部に留まり、浮きとして作用しゲルビーズを浮上させる。ゲルビーズの浮上に伴って、水圧が緩和され二酸化炭酸の気泡の体積は徐々に増大し、気泡の一部はゲルの表面にも出てくるが、ゲルビーズに付着したまま浮上する。ゲルビーズが水面上に浮上すると、ゲルビーズの表面に付着していた気泡がゲルから離れるため、ゲルビーズは浮力を失って沈降を始める。発酵が持続している間は、二酸化炭素の気泡が発生し、その浮力によってゲルは再び浮上した。この挙動が繰り返されることによって、ゲルビーズに鉛直回遊性が付与されるものである。1個のゲルビーズの浮沈の様子は、実施例2で示した図1及び2のようになり、沈降と浮上を十数回繰り返すことが観察できる。最後は、グルコースが全て消費されることでゲルビーズが軽くなり水面に浮上した。浮上したゲルビーズは水面上で容易に回収できた。
実施例4
プルシアンブルー内包アルギン酸ゲルビーズによるセシウムの吸着除去
プルシアンブルー内包アルギン酸ゲルビーズを用いた鉛直回遊のセシウムイオンの吸着効率を調べるために、水面に浮いたままのアルギン酸ゲルビーズ(比重<水)や、沈んだ状態(比重>水)のアルギン酸ゲルビーズと比べて溶液中のセシウムイオンの濃度変化を調査した。
プルシアンブルーを内包したアルギン酸ゲルビーズの作製方法:
(1)プルシアンブルー内包アルギン酸ゲルビーズ(比重>水)の作製方法(比較例):1wt%アルギン酸水溶液は、アルギン酸ナトリウム粉末を1.00 g秤量し、蒸留水100 mLを加えて調製した。グルコースを7.50g (30 w/w%)とプルシアンブルー粉末125 mgを秤量し、それらをねじ口試験管に移してから撹拌混合した。次いで、氷中にて、1wt%アルギン酸水溶液を、試料全体の質量が25 gになるまでねじ口試験管に加えたのち、全体がよく混ざるように撹拌した。この溶液をペリスタポンプで送液して、0.1 M硝酸カルシウム水溶液100 mL(pH5.0, 5℃)に滴下し、プルシアンブルーを内包したアルギン酸ゲルビーズ(比重1.383)を作製した。
(2)プルシアンブルー内包アルギン酸ゲルビーズ(比重<水)の作製方法(比較例):1wt%アルギン酸水溶液は、アルギン酸ナトリウム粉末を1.00 g秤量し、蒸留水100 mLを加えて調製した。中空ガラスビーズ(φ100μm)を0.6g、グルコースを7.50g (30 w/w%)とプルシアンブルー粉末125 mgを秤量し、それらをねじ口試験管に移してから撹拌混合した。次いで、氷中にて、1wt%アルギン酸水溶液を、試料全体の質量が25 gになるまでねじ口試験管に加えたのち、全体がよく混ざるように撹拌した。この溶液をペリスタポンプで送液して、0.1 M硝酸カルシウム水溶液100 mL(pH5.0, 5℃)に滴下し、プルシアンブルーを内包したアルギン酸ゲルビーズ(比重0.655)を作製した。
(3)プルシアンブルー内包アルギン酸ゲルビーズ(鉛直回遊機能を有する)の作製方法(本発明):
1wt%アルギン酸水溶液は、アルギン酸ナトリウム粉末を1.00 g秤量し、蒸留水100 mLを加えて調製した。炭酸水素ナトリウム0.75 gとドライイースト0.30 g、グルコース7.50g (30 w/w%)、プルシアンブルー粉末125 mgを秤量し、それぞれをねじ口試験管に移してから撹拌混合した。次いで、氷中にて、1wt%アルギン酸水溶液を、試料全体の質量が25 gになるまでねじ口試験管に加えたのち、全体がよく混ざるように撹拌した。この溶液をペリスタポンプで送液して、0.1 M硝酸カルシウム水溶液100 mL(pH5.0, 5℃)に滴下し、アルギン酸ゲルビーズ(作成時の比重1.132)を作製した。
水分散系でのセシウムイオンの除去実験:セシウムイオンの濃度が100ppmに調製された水溶液5L入った円筒状のカラムに、プルシアンブルー内包アルギン酸ゲルビーズを100粒加えた試料を用意した。経時時間おきにカラムの中層および水底か採水し、セシウムイオンの濃度変化を原子吸光光度法にて求めた。結果を図5に示す。浮遊(Floating(比重<水))の場合の写真を図6の上に、底沈降(Bottom(比重>水))の場合の写真を図6の下に示す。
本実施例において、アルギン酸ゲルビーズにセシウムに対する吸着能を有するプルシアンブルーを内包し、鉛直回遊性を有するものと、単に表面に浮いているだけのものと、単に水底に留まるものとを用い、高さが約1メートルある水槽にアルギン酸ゲルビーズを入れ、水中のセシウムイオンの除去効率を比較した(図4)。その結果、水面に浮いているだけの吸着剤、水底に留まるだけの吸着剤と比較して、鉛直回遊性を有する吸着剤では十分速くセシウムイオンを除去できることが判明した。
鉛直回遊性を有する吸着剤は、今後水圏の様々な場所で応用が可能である。特に、撹拌やカラム法を用いることが困難な場所でその威力が発揮される。例えば、池や大きなタンクに蓄えられた水中の汚染物質の除去において、本発明によって開発された吸着剤を投入すると、吸着剤が能動的に水中を鉛直回遊しながら汚染物質を吸着し、最後は水面に浮上するので、ネットなどを用いて容易に回収できる。攪拌機やポンプなども不要なことから、ほとんどエネルギーを消費することなく処理が可能となる。
本発明は、水性媒体中で自律的に浮き沈みできる様々な用途に有用である。

Claims (20)

  1. (1)低分子(物理)ゲル又は(2)高分子鎖(ハイドロ)ゲルであるマトリックス形成材料のマトリックス中に、生体活動により水性媒体不溶性液体として炭化水素化合物を生成する微生物及び/又は微小生物並びに前記微生物及び/又は微小生物が資化して水性媒体不溶性液体を生成する物質を含有する、水性媒体中での自律浮沈に用いる組成物。
  2. 前記マトリックス形成材料のマトリックス中に重り物質をさらに含有する、但し、重り物質は、重り物質を除く材料の比重より大きい比重を有する、請求項1に記載の組成物
  3. 吸着剤、飼料、医薬剤、イオン交換体、発光体、磁性体、生物、細胞、及び/又はセンサをさらに含有する請求項1〜2のいずれか1項に記載の組成物
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物からなる成形物。
  5. 前記成形物が粒状物、球状物、球状物、円盤状物、シート状物、柱状物、筒状物、又は繊維状物である請求項4に記載の成形物。
  6. 高分子鎖(ハイドロ)ゲル中に、生体活動により気体を生成する微生物及び/又は微小生物並びに前記微生物及び/又は微小生物が資化して気体を生成する物質を含有し、生成した気体をゲルビーズ内部に溜めること及び溜まった気体の一部をゲルビーズ表面に出すことができる、水性媒体中での自律浮沈に用いるゲルビーズ。
  7. 高分子鎖(ハイドロ)ゲルは、水及び炭酸水素ナトリウムの存在下で調製されたゲルである、請求項6に記載のゲルビーズ。
  8. 15℃で少なくとも4回自律浮沈を繰り返す、水性媒体中での繰返自律浮沈に用いる請求項6又は7に記載のゲルビーズ。
  9. 前記微生物及び/又は微小生物は、生体活動により気体として、二酸化炭素ガスを生成する請求項6〜8のいずれかに記載のゲルビーズ。
  10. 前記微生物が酵母菌であり、前記微生物が資化して気体を生成する物質が糖である請求項6〜9のいずれか1項に記載のゲルビーズ。
  11. ゲル中に重り物質をさらに含有する、但し、重り物質は、重り物質を除く材料の比重より大きい比重を有する、請求項6〜10のいずれかに記載のゲルビーズ。
  12. 1質量部のゲル形成材料に、0.01〜10質量部の微生物、0.1〜1000質量部の前記微生物が資化して気体を生成する物質、1〜10000質量部の水を含有する、請求項6〜11のいずれか1項に記載のゲルビーズ。
  13. 吸着剤、飼料、医薬剤、イオン交換体、発光体、磁性体、生物、細胞、及び/又はセンサをさらに含有する請求項6〜12のいずれか1項に記載のゲルビーズ。
  14. 請求項4又は5に記載の成形物を水性媒体に添加して、水性媒体中で自律的に浮き沈みさせる方法、但し、前記成形物の比重は、前記水性媒体より大きい、前記方法。
  15. 高分子鎖(ハイドロ)ゲル中に、生体活動により気体を生成する微生物及び/又は微小生物並びに前記微生物及び/又は微小生物が資化して気体を生成する物質を含有するゲルビーズを水性媒体中で自律浮沈させる方法であって、前記自律浮沈は、ゲルビーズ中の微生物及び/又は微小生物が気体を生成する物質を資化して生成した気体をゲルビーズ内部に溜めること及び溜まった気体の一部をゲルビーズ表面に出して表面に付着することで行う、但し、前記ゲルビーズの比重は、前記水性媒体より大きい、方法。
  16. 前記成形物又はゲルビーズの比重は、前記水性媒体の1.05倍〜1.8倍の範囲である請求項14又は15に記載の方法。
  17. 前記成形物又はゲルビーズは、水性媒体への添加前は、冷蔵又は冷凍保存される、請求項14〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記成形物又はゲルビーズは、吸着剤及び/又はイオン交換体を含み、水性媒体中での自律浮沈の間に、水性媒体中の被吸着物質を吸着及び/又はイオン交換する、請求項14〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記成形物又はゲルビーズは、水性媒体中での自律浮沈終了後又は自律浮沈の間に、水性媒体から分離回収して、被吸着物質を吸着した吸着剤及び/又はイオン交換体を回収する、請求項18に記載の方法。
  20. 前記成形物又はゲルビーズは、飼料及び/又は医薬剤を含み、水性媒体中での自律浮沈の間に、水性媒体中の魚類に捕食されて、魚類に飼料及び/又は医薬剤を供給する、請求項14〜19のいずれか1項に記載の方法。
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