JP6463342B2 - 粘性気泡液の製造装置およびそれを用いた粘性気泡液の製造方法 - Google Patents

粘性気泡液の製造装置およびそれを用いた粘性気泡液の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、気泡を長時間に亘って保持できる粘性気泡液およびその製造方法、その製造装置、その保管方法に関する。
近年、超音波エコー検査技術等の種々の分野で、気泡の利用に関する研究が進められている。
例えば、非特許文献1には、気泡が超音波の良い反射源であり、超音波造影剤として適していることが示されている。
非特許文献1には、その理由として、以下の点が挙げられている。(1)超音波は音響インピーダンスに差がある境界で反射する。(2)反射と透過の度合いは音響インピーダンスの差で決定される。(3)生体組織や生体内に多く存在する水分とは音響インピーダンスが異なる材料は気体である。(4)超音波反射量は、気泡の直径の6乗に比例する。
なお、上記(4)の記載から、生体内の内腔を検査するには、大きな気泡を含有する材料が好適であることが判る。
また、特許文献1には、消化器の超音波検査において、超音波エコー強度を高めるために、経口超音波造影剤に、超音波反射体として微小気泡を含有させることが開示されている。
上記経口超音波造影剤は、水やひまし油等の超音波透過性が高い液体と、消化器内の造影剤の粘性を調節するための、アルギン酸塩等からなる組成物とを含んでいる。
アルギン酸塩は、酸性環境下または多原子価イオン酸性環境下の消化器内で上記液体の粘性を高めることができるという性質を有している。このため、上記液体に上記組成物を追加することで、経口注入時には粘性が低く飲み易い一方で、消化器内では、消化器内に滞留する程度の粘性に高めることができる経口超音波造影剤を得ることができる。
特許文献1によれば、上記経口超音波造影剤を、適当な容器に収容し、手または所定の器械等で撹拌・振とうするか、または、ホモジナイザ等の均質化ポンプを用いて微小気泡を形成させることにより、上記経口超音波造影剤に微小気泡を含有させる。
また、特許文献1には、微小気泡を形成させる際に、上記液体中に界面活性剤を含有させることで、微小気泡の形成を促すとともに、微小気泡の周囲に被膜を形成して微小気泡を保護することができることが開示されている。
なお、超音波エコー検査技術は、医療用超音波診断における人体内の異常検知以外にも、例えば非破壊検査における配管内の異常検知等、肉眼で見えない部分を非侵襲で可視化する技術として、医学分野や工業分野等で広く利用されている。
日本国公開特許公報「特開平10−306042号公報(1998年11月17日公開)」
土屋好司,「早期医療診断に向けた超音波造影微細気泡の開発」,第12回微細気泡の応用技術講演会予稿集,2013年6月28日,p16〜p31 平井聖児、香村誠,「高濃度マイクロバブル発生装置とその応用」,素形材,2008年3月,p44〜47
しかしながら、造影剤等のように気泡を含む気泡液中に気泡が存在している時間は、特許文献1に示されているように、通常1分間以下と非常に短い。
なお、特許文献1は、実際には、経口注入後の消化器内で、経口超音波造影剤の粘性を高めて、該経口超音波造影剤を消化器内に滞留させて超音波画像診断を実行するものである。
しかしながら、特許文献1に記載されているように、実験的に酸性環境下または多原子価イオン酸性環境下として、気泡を含有する経口超音波造影剤の粘性を上げても、それほど気泡の寿命を延長することはできない。特許文献1には、経口超音波造影剤に、気泡を含有する0.5%アルギン酸ナトリウム水溶液を用いた場合、微小気泡の寿命を約5分間〜約10分間に延長することができたと記載されている。
しかしながら、この程度の気泡の寿命の延長では、超音波造影剤に気泡を含有させたとしても、超音波検査の準備を行っている段階で気泡が消失してしまう。
また、製造した経口超音波造影剤を使用しない場合、保管する必要があるが、経口超音波造影剤中の気泡を安定的に長時間含有させる方法が無い。このため、超音波検査時に、その都度、経口超音波造影剤を製造する必要があるため、検査の作業が煩雑になる。
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、気泡を長時間に亘って保持できる粘性気泡液およびその製造方法、その製造装置、その保管方法を提供することにある。
本願発明者らは、気泡を長時間に亘って保持できる粘性気泡液を提供すべく、鋭意検討を行った。
この結果、本願発明者らは、界面活性剤とゲル化剤とを含む温水に気泡を混入させることで形成された泡沫を、増粘剤を含む水溶液中に分散させることにより、気泡の寿命を長じさせることができることを見出した。
また、本願発明者らは、界面活性剤とゲル化剤とを含む被膜に気体が内包されてなる泡沫が、増粘剤を含む水溶液中に分散されてなる粘性気泡液は、気泡の寿命が長く、気泡を長時間に亘って保持することができることを見出して本発明を完成させるに至った。
また、本願発明者らは、上記粘性気泡液を加圧下で保管することで、上記粘性気泡液を、該粘性気泡液中の気泡を長時間安定的に含有させて保管することができることを見出した。
すなわち、本発明の一態様にかかる粘性気泡液は、界面活性剤とゲル化剤とを含む被膜に気体が内包されてなる泡沫が、増粘剤を含む水溶液からなる粘性液中に気泡として分散されている。
また、本発明の一態様にかかる粘性気泡液の製造方法は、界面活性剤とゲル化剤とを含む温水に気体を導入することで形成された泡沫を、増粘剤を含む水溶液からなる粘性液中に気泡として分散させる。
また、本発明の一態様にかかる粘性気泡液の製造装置は、上記粘性気泡液の製造方法に用いられる粘性気泡液の製造装置であって、界面活性剤とゲル化剤とを含む温水を入れる第1の容器と、増粘剤を含む水溶液からなる粘性液を入れる第2の容器と、上記第1の容器内の温水に気体を導入する気体導入器と、上記第1の容器と上記第2の容器とを連結し、上記第1の容器内の温水に気体を導入することで上記温水の液面上に形成される泡沫を上記第2の容器に移動させる泡沫移動部と、を備えている。
また、本発明の一態様にかかる粘性気泡液の保管方法は、上記粘性気泡液を加圧下で保管する。
本発明の一態様によれば、気泡を長時間に亘って保持できる粘性気泡液およびその製造方法、その製造装置、その保管方法を提供することができる。
本発明の実施形態1にかかる粘性気泡液製造装置の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の実施形態2にかかる粘性気泡液製造装置の一例を模式的に示す断面図である。 (a)〜(c)は、本発明の実施の一形態にかかる粘性気泡液の製造方法を工程順に示す断面図である。 本発明の実施例で得られた粘性気泡液中の気泡の物性の測定に用いた装置を示す断面図である。 (a)は、本発明の実施例における製造直後の粘性気泡液の光学顕微鏡写真を示す図であり、(b)は、製造後、5℃で冷蔵保存したときの製造から3日間経過後の上記粘性気泡液の光学顕微鏡写真において、気泡の縁に気泡直径を測定するための円を重ね合わせて示す図である。 本発明の実施例における製造直後の粘性気泡液の体積分布を示すグラフである。 本発明の実施例における製造から3日間経過後の粘性気泡液の体積分布を示すグラフである。 本発明の実施例における製造から7日間経過後の粘性気泡液の体積分布を示すグラフである。 本発明の実施例における製造から35日間経過後の粘性気泡液の体積分布を示すグラフである。 本発明の実施例における粘性気泡液のボイド率の推移を示すグラフである。 本発明の実施例における製造から3日間経過後の粘性気泡液の気泡径分布を示すグラフである。 粘度が異なる各液体中における、直径1mmの通常の気泡の上昇速度と移動時間とを示すグラフである。 本発明の実施例で得られた粘性気泡液を造影剤として用いた造影画像を示す図である。 本発明の実施形態3で加圧保管容器に内圧を加えた場合と加えない場合とにおける、粘性気泡液のボイド率の推移を示すグラフである。 本発明の実施形態3で加圧保管容器の内圧を変化させた場合における、製造から7日間経過後の粘性気泡液のボイド率の減少率を示すグラフである。 本発明の実施形態4で界面活性剤とゲル化剤とを含む水溶液の温度を変化させることにより得られた各粘性気泡液のボイド率を示すグラフである。 本発明の実施形態5にかかる、気泡として水素ガスを含有する粘性気泡液における、粘性気泡液のボイド率の推移を示すグラフである。
以下、本発明の実施の一形態(以下、単に「形態」と記す)について、詳細に説明する。
(粘性気泡液および粘性気泡液の製造方法)
本形態にかかる粘性気泡液は、界面活性剤とゲル化剤とを含む被膜に気体が内包されてなる泡沫が、増粘剤を含む水溶液からなる粘性液中に気泡として分散された気泡液である。
また、本形態にかかる粘性気泡液の製造方法は、界面活性剤とゲル化剤とを含む温水に気体を導入することで形成された泡沫を、増粘剤を含む水溶液からなる粘性液中に気泡として分散させる方法である。
上記界面活性剤としては、特に限定されるものではなく、起泡作用を有する公知の各種界面活性剤を用いることができる。例えば、上記粘性気泡液を医療用造影剤(経口造影剤)に用いる場合、上記界面活性剤としては、例えば、レシチン(例えば、大豆、なたね等から抽出される植物レシチン、卵黄から抽出される卵黄レシチン)、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ステアロイル乳酸カルシウム、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル等のように、乳化剤として、主に食品用添加物に用いられる界面活性剤が用いられる。上記界面活性剤は、一種のみを使用してもよく、二種以上を適宜混合して使用してもよい。
上記ゲル化剤としては、水に溶解または分散して、常温において該ゲル化剤を含む水をゲル化させるものであれば、特に限定されない。上記ゲル化剤としては、公知のゲル化剤を使用することができる。上記ゲル化剤としては、例えば、ゼラチン、カラギナン、ローカストビーンガム等が挙げられる。
これらゲル化剤も、一種のみを使用してもよく、二種以上を適宜混合して使用してもよい。これらゲル化剤を二種以上混合してなるゲル化剤の例としては、例えば、「ゲルアップWM」(商品名、三栄源エフエフアイ株式会社製、組成:カラギナン28重量%、ローカストビーンガム17.4%、乳酸カルシウム(安定化剤)6.6%、食品素材48%)等が挙げられる。
また、上記ゲル化剤としては、アルギン酸塩およびカルシウムを用いることができる。アルギン酸塩とカルシウムイオンとがイオン架橋するとゲル化する。そこで、アルギン酸塩と、塩化カルシルムや炭酸カルシウム等のカルシウム化合物とを併用することで、ゲル化剤として用いることができる。また、上記ゲル化剤に用いられるカルシウムとしては、カルシウムを含んだ食材であってもよい。
上記アルギン酸塩としては、例えばアルギン酸ナトリウム等を用いることができる。また、上記アルギン酸塩としては、例えば、株式会社キミカ製の「キミカアルギン」(商品名)を用いることができる。
上記増粘剤としては、水に溶解して、常温で粘稠性を生じさせるものであれば、特に限定されない。
但し、上記粘性気泡液を医療用の造影剤等、人体に使用する場合、飲用しても人体に安全な増粘剤を使用する必要がある。一方、上記粘性気泡液を配管の非破壊検査における造影剤等、工業用途に用いる場合には、配管等の使用対象物にダメージを与えないものであればよい。
上記増粘剤としては、公知の増粘剤を使用することができる。上記増粘剤としては、例えば、CMC(カルボキシメチルセルロース)、「とろみアップパーフェクト」(商品名、日清オイリオ製)等の増粘多糖類等が挙げられる。
上記気体は、特に限定されるものではなく、用途等に応じて適宜選択することができる。例えば、上記粘性気泡液を医療用造影剤として用いる場合には、上記気体としては、人体に無害な気体を使用する。このような気体としては、例えば、大気、酸素、窒素、水素、二酸化炭素等が挙げられる。
本形態によれば、界面活性剤とゲル化剤とを含む温水に気体を導入して、上記温水に気泡を混入させることで、界面活性剤とゲル化剤とを含む被膜に気体が内包されてなる泡沫が形成される。
本願発明者らが鋭意検討した結果、本形態で目的とする気泡寿命が長い粘性気泡液の製造には、上記泡沫の形成に、界面活性剤とゲル化剤との両方を必要とする。
このことから、上記粘性気泡液中の気泡を構成する上記泡沫は、通常のシャボン玉のように、気体を内包し、内側(気体側)に疎水基、外側に親水基を向けて配列したミセルを形成して界面活性剤が二重に配列した構造を有し、ゲル化剤が、この二重に配列した界面活性剤の繋ぎの役割を果たしていると考えられる。
本形態において、上記温水中の界面活性剤の濃度は、使用する界面活性剤の種類に応じて所望の泡沫が得られるように適宜設定すればよく、特に限定されるものではないが、一例として、例えば、0.1〜数重量%の範囲内である。
また、上記温水中のゲル化剤の濃度は、使用するゲル化剤の種類に応じて所望の泡沫が得られるように適宜設定すればよく、特に限定されるものではないが、一例として、例えば、0.2〜2重量%の範囲内である。
上記界面活性剤およびゲル化剤としては、何れも、例えば、食品補助剤として市販されている界面活性剤(乳化剤)およびゲル化剤を使用することができ、例えば、その説明書の記載に沿った分量の範囲内で使用することができる。
また、上記界面活性剤とゲル化剤との配合割合は、使用する界面活性剤およびゲル化剤の種類に応じて所望の泡沫が得られるように適宜設定すればよく、例えば、上述した例示の範囲内で適宜変更することが可能である。
したがって、上記界面活性剤とゲル化剤との配合割合は、特に限定されるものではないが、例えば上記界面活性剤とゲル化剤とを1:1で使用することで、後述する実施例に示すように、長寿命の気泡を得ることができる泡沫を形成することができる。
また、上記温水は、上記界面活性剤およびゲル化剤を均一に分散または溶解させることができればよい。
上記温水には、水道水、飲用水等を使用することができ、必ずしも純水やイオン交換水を使用する必要はない。言い換えれば、上記温水は、その主成分が水であればよい。
また、上記温水の温度は、上記界面活性剤およびゲル化剤を均一に分散または溶解させることができれば、特に限定されるものではない。
さらに、上記温水に界面活性剤およびゲル化剤を投入してから気体を導入するまでの時間も特に限定されるものではなく、上記温水に上記界面活性剤およびゲル化剤を均一に分散または溶解させることができればよい。
但し、殺菌の意味合いと、界面活性剤およびゲル化剤が水に溶解または分散し難い性質を有していることから、上記温水の温度は、例えば、85℃程度(特に殺菌の観点から85℃)に設定することが望ましく、上記温水に界面活性剤およびゲル化剤の投入後、例えば85℃程度で数分間程度撹拌することが望ましい。
上記気体は、温水に界面活性剤およびゲル化剤を均一に溶解または分散させた状態で、該界面活性剤およびゲル化剤を含む温水に導入される。
上記温水への気体の導入には、気体導入器として、多孔質気泡発生器や旋回流式気泡発生器等の気泡発生器を用いることができる。
具体的には、温水に界面活性剤およびゲル化剤を均一に溶解または分散させてなる液体中で気泡発生器により気泡を発生させることで、上記泡沫が形成される。
このように界面活性剤とゲル化剤とが均一に分散した液体中に気体を導入して気泡を発生させると、界面活性剤とゲル化剤とで形成される被膜の内側に気体を含んだ状態の泡沫が形成される。そして、形成された泡沫は、上記液体の液面上に集積する。
本形態にかかる粘性気泡液は、この泡沫を、増粘剤を含む水溶液からなる粘性液中に、気泡として分散させることによって得ることができる。
本形態によれば、上記泡沫を上記粘性液中に分散させることで、上記泡沫からなる気泡を、例えば観察したい空間に一定時間滞留させることが可能となる。
水溶液中のサブミリ級の気泡の寿命は、一般的に水溶液の粘度に依存する。高い粘度の水溶液中では気泡寿命が長くなるが、粘度を高くし過ぎると、粘性気泡液を導入すべき導入対象物内への導入が困難になる。
例えば上記粘性気泡液を造影剤として人体で嚥下機能を確認するために用いる場合、該粘性気泡液が、滞留および飲み下しできる粘度であるか否かが重要になる。粘性気泡液の粘度を高くし過ぎると、人体での該粘性気泡液の滞留時間は長くできるが、窒息しそうになるおそれがある。このため、上記粘性気泡液を医療用造影剤として用いる場合、医療用造影剤に適した粘度に調整する必要がある。
例えば、粘性気泡液を、医療用造影剤として口腔内の検査に使用する場合、通常、数十〜数百mPa・s程度の粘度に留めなければならない。
また、上記粘性気泡液を、例えば配管の非破壊検査用の造影剤として用いる場合、配管の内径や配管の構成状態(例えば配管が、ポンプ等に繋がっているか否か、閉塞状態にあるか否か、曲げの数や角度等)によって、適度な速度で流すための条件が異なる。
したがって、上記粘性気泡液を例えば造影剤として用いる場合を取り上げたとしても、
観察する系によってそれぞれ最適化が必要になる。
このため、上記水溶液の粘度は、特に限定されるものではないが、例えば常温で1×10〜1×10mPa・sの範囲内(例えば、ソース類、ヨーグルト、マヨネーズ等と同等の粘度)となるように設定される。
なお、上記水溶液における増粘剤の濃度は、上記水溶液の粘度が所望の粘度となるように適宜設定され、特に限定されない。
また、上記水溶液に上記泡沫を混合させるための時間や温度等の混合条件も特に限定されるものではなく、上記泡沫が上記水溶液に均一に分散することができるように、適宜設定すればよい。
なお、上記泡沫は、上記水溶液に常温常圧で混合してもよく、上記泡沫を上記水溶液に均一に分散させるために、必要であれば、上記水溶液を加温して撹拌・混合し易い粘度に調整して混合しても構わない。
また、上記水溶液は、必要に応じて、例えば、食品補助剤等として用いられる公知の添加剤等を含んでいても構わない。
(粘性気泡液の製造装置)
〔実施形態1〕
次に、本実施形態にかかる粘性気泡液の製造装置の一例として、多孔質式微細気泡発生器を用いた粘性気泡液の製造装置について、図1を参照して以下に説明する。
図1は、本実施形態にかかる粘性気泡液製造装置1の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示す粘性気泡液製造装置1は、泡沫形成部10と、泡沫移動部20と、泡沫混合部30とを備えている。
図1に示す粘性気泡液製造装置1における泡沫形成部10は、加熱・撹拌装置11(第1の容器)と、コンプレッサー12と、多孔質式微細気泡発生器13(気体導入器)と、撹拌子14と、圧力計15と、リリーフバルブ16とを備えている。
加熱・撹拌装置11は、加熱機能および電磁スターラー等の撹拌機能を備えた密閉可能容器で構成されている。加熱・撹拌装置11は、電磁スターラー等により加熱・撹拌装置11内に配される撹拌子14を回転させることによって、加熱・撹拌装置11内に供給される材料の撹拌を行う。
加熱・撹拌装置11は、加熱・撹拌装置本体である容器部11aと、容器部11aを密閉可能に設けられた蓋部11bとを備えている。
加熱・撹拌装置11の内部には、微細気泡発生器として、加熱・撹拌装置11の外部に配されたコンプレッサー12に接続された多孔質式微細気泡発生器13が配されている。多孔質式微細気泡発生器13は、内部に、図示しない多孔質材を備え、該多孔質材を通して容器部11a内の液体内に気体を導入することで、容器部11a内の液体内に、微細気泡を発生させて混入させる。
このため、多孔質式微細気泡発生器13は、容器部11a内に供給される液体の液面よりも下方に位置するように設けられている。
なお、多孔質材の材質や孔径は、所望の大きさの気泡を発生させることができるように適宜選択すればよく、特に限定されるものではない。
さらに、加熱・撹拌装置11の蓋部11bには、加熱・撹拌装置11内の圧力を測定する圧力計15と、加熱・撹拌装置11内の圧力が設定圧力(閾値)以上の圧力になったときに余剰の気体を排出するリリーフバルブ16とが取り付けられている。
加熱・撹拌装置11内部の圧力は、コンプレッサー12、圧力計15、およびリリーフバルブ16からなる圧力制御機構によって制御されている。
また、泡沫混合部30は、加熱装置31(第2の容器)と、撹拌機32とを備えている。
加熱装置31は、加熱機能を備えた密閉可能容器で構成されている。加熱装置31は、加熱装置本体である容器部31aと、容器部31aを密閉可能に設けられた蓋部31bとを備えている。
なお、図1に示す例では、加熱装置31は、蓋部31bに取り付けられた撹拌機32によって、加熱装置31内の液体43を攪拌する場合を例に挙げて示している。
但し、本実施形態にかかる粘性気泡液製造装置1は、これに限定されるものではなく、泡沫形成部10と同様に、加熱装置31に代えて、加熱機能および撹拌機能を備えた加熱・撹拌装置を使用してもよい。この場合、泡沫形成部10と同様に、撹拌子を用いることで、加熱・撹拌装置内の液体43を攪拌することができる。
泡沫移動部20は、泡沫形成部10と泡沫混合部30とを連結する連結管21と、連結管21を覆う保温材22とを備えている。
泡沫形成部10で形成された、導入気体を内側に含んだ泡沫41は、加熱・撹拌装置11内の液体42の液面上に集積する。泡沫移動部20は、この液体42の液面上の泡沫41を、保温材22等で冷却を防いだ連結管21を通じて泡沫形成部10から泡沫混合部30に移動させる。
このため、泡沫形成部10における連結管21の開口部21aは、加熱・撹拌装置11内の液体42の液面よりも高い位置に設けられている。
また、連結管21は、泡沫41を泡沫形成部10から泡沫混合部30にスムーズに移動させるために、泡沫形成部10から泡沫混合部30に向かって下降するように傾斜して設けられている。
このため、泡沫混合部30における連結管21の開口部21bは、加熱装置31内の液体43の液面よりも高く、かつ、泡沫形成部10における連結管21の開口部21aよりも低い位置に形成されている。
(粘性気泡液製造装置を用いた粘性気泡液の製造方法)
次に、図1に示す粘性気泡液製造装置1を用いて粘性気泡液(粘性気泡水)を製造する方法の一例について説明する。
まず、泡沫形成部10における加熱・撹拌装置11に水を仕込み、85℃に昇温した後、得られた温水に、界面活性剤とゲル化剤とを投入する。次いで、撹拌子14により、界面活性剤とゲル化剤とが上記温水に均一に分散もしくは溶解するまで撹拌する。
一方、泡沫混合部30における加熱装置31に水を仕込み、増粘多糖類を添加して、撹拌して溶解させる。このとき、必要であれば、増粘多糖類を水に溶解させるために、加熱装置31内の水を加熱してもよい。上記粘性気泡液を例えば経口造影剤に使用する場合、加熱装置31中の液体43(粘性水溶液)の粘度は、最終的に、常温で、数十〜数百mPa・sとなるように調整することが望ましい。
次いで、気体をコンプレッサー12から多孔質式微細気泡発生器13に通す。これにより、上述したように界面活性剤とゲル化剤とを温水に分散または溶解させて得られた加熱・撹拌装置11内の液体42中に、多孔質式微細気泡発生器13から気体を導入して微細気泡を発生させる。
なお、多孔質式微細気泡発生器13における多孔質材の材質等によってこのときの最適な圧力は変化するが、樹脂の多孔質材を用いる場合、0.2MPa程度の圧力が必要となる。
なお、一例として、多孔質式微細気泡発生器13に、「Foamest(フォーメスト)」(登録商標、株式会社ナック製のマイクロナノバブル発生装置)を用いた場合、多孔質材には、モノラトンフィルムと称される高分子フィルムが使用される。上記モノラトンフィルムは、厚さ50〜200μmのフィルムに、幅4〜10μmの多孔質部が、20〜30μmの間隔で加工されており、上記多孔質部に、直径5〜20nmの孔(ボイド)が設けられている。上記モノラトンフィルムに0.03〜0.3MPaの圧縮気体を加えると、気体が、多孔質部のボイドを通過してマイクロナノバブルが発生する。
但し、上記多孔質式微細気泡発生器13としては、これに限定されるものではない。例えば、上記多孔質材に、シラス多孔質ガラスを利用した多孔質式微細気泡発生器13を用いることもできる。シラス多孔質ガラスを用いた多孔質材としては、例えば、SPGテクノ株式会社製のシラス多孔質ガラス膜(SPG膜、孔径バリエーション0.05〜50μm)等が挙げられる。
このように界面活性剤とゲル化剤とが液体42中に均一に分散または溶解した状態で気泡を発生させると、界面活性剤とゲル化剤とで形成される被膜の内側に気体を含んだ状態の泡沫41が形成され、図1に示すように液体42の液面上に集積する。
この泡沫41を、保温材等で冷却を防いだ泡沫移動部20を経由して、泡沫混合部30における加熱装置31に移す。
これにより、予め増粘多糖類にて粘度を調整した、加熱装置31内の液体43中に、上記泡沫41を分散させる。これにより、気泡濃度が高く、気泡消滅速度の遅い粘性気泡液を生成することができる。
〔実施形態2〕
次に、本実施形態にかかる粘性気泡液の製造装置の一例として、旋回流式微細気泡発生器(剪断流式微細気泡発生器)を用いた粘性気泡液の製造装置について、図2を参照して以下に説明する。なお、以下では、説明の便宜上、図1における構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図2は、本実施形態にかかる粘性気泡液製造装置1の他の一例を模式的に示す断面図である。
図2に示す粘性気泡液製造装置1は、図1に示す粘性気泡液製造装置1同様、泡沫形成部10と、泡沫移動部20と、泡沫混合部30とを備えている。
但し、図2に示す粘性気泡液製造装置1における泡沫形成部10は、加熱装置51(第1の容器)と、水流ポンプ52と、旋回流式微細気泡発生器53(気体導入器)と、圧力計15と、リリーフバルブ16とを備えている。
加熱装置51は、加熱機能を備えた密閉可能容器で構成されている。加熱装置51は、加熱装置本体である容器部51aと、容器部51aを密閉可能に設けられた蓋部51bとを備えている。
加熱装置51には、水流ポンプ52と旋回流式微細気泡発生器53とが取り付けられている。
加熱装置51は、加熱装置51内の液体42を、水流ポンプ52で循環させて撹拌する。
旋回流式微細気泡発生器53は、吸気口53aおよび吸液口53bを備え、吸気口53aから旋回流式微細気泡発生器53内に自吸的に取り込んだ気体と、水流ポンプ52で循環させることにより吸液口53bから取り込んだ液体42とを混合して、気液混合液を生成する。旋回流式微細気泡発生器53は、円筒形の筒内に気液混合物がらせん状に導入されることで気液に働く遠心力によって、気体を微細化している。微細化された気液混合液は、排出口53cから、加熱装置51内の液体42中に排出される。
加熱装置51の蓋部51bには、加熱装置51内の圧力を測定する圧力計15と、加熱装置51内の圧力が設定圧力(閾値)以上の圧力になったときに余剰の気体を排出するリリーフバルブ16とが取り付けられている。
加熱装置51内部の圧力は、水流ポンプ52、圧力計15、およびリリーフバルブ16からなる圧力制御機構によって制御されている。
なお、図2に示す粘性気泡液製造装置1における泡沫混合部30の構成は、図1に示す粘性気泡液製造装置1における泡沫移動部20の構成と同じである。また、図2に示す粘性気泡液製造装置1における泡沫移動部20の構成は、図1に示す粘性気泡液製造装置1における泡沫移動部20の構成と同じである。
したがって、泡沫混合部30および泡沫移動部20については、図1の説明において、加熱・撹拌装置11を加熱装置51と読み替えるものとし、ここではその説明を省略する。
(粘性気泡液製造装置を用いた粘性気泡液の製造方法)
次に、図2に示す粘性気泡液製造装置1を用いて粘性気泡液を製造する方法の一例について説明する。
まず、泡沫形成部10における加熱装置51に水を仕込み、85℃に昇温した後、得られた温水に、界面活性剤とゲル化剤とを投入する。次いで、加熱装置51内の液体42を水流ポンプ52により循環させて撹拌することにより、界面活性剤とゲル化剤とを上記温水に均一に分散もしくは溶解させる。
次いで、旋回流式微細気泡発生器53に自吸的に導入された気体と、循環させている液体42とにより気液混合液を生成し、これを旋回流式微細気泡発生器53内にらせん状に導入することで気体を微細化して排出口53cから加熱装置51内の液体42中に排出する。
このように界面活性剤とゲル化剤とが液体42中に均一に分散した状態で気泡を発生させると、界面活性剤とゲル化剤とで形成される被膜の内側に気体を含んだ状態の泡沫41が形成され、図2に示すように液体42の液面上に集積する。
なお、本例でも、その一方で、泡沫混合部30における加熱装置31に水を仕込み、増粘多糖類を添加して、撹拌して溶解させる。このとき、必要であれば、増粘多糖類を水に溶解させるために、加熱装置31内の水を加熱してもよい。上記粘性気泡液を例えば経口造影剤に使用する場合、加熱装置31中の液体43(粘性水溶液)の粘度は、最終的に、常温で、数十〜数百mPa・sとなるように調整することが望ましい。
次いで、液体42の液面上に集積した泡沫41を、保温材等で冷却を防いだ泡沫移動部20を経由して、泡沫混合部30における加熱装置31に移す。
これにより、本例でも、予め増粘多糖類にて粘度を調整した、加熱装置31内の液体43中に、上記泡沫41を分散させる。これにより、気泡濃度が高く、気泡消滅速度の遅い粘性気泡液を生成することができる。
(変形例)
次に、アルギン酸塩を用いて粘性気泡液を製造する方法の一例について説明する。
ゲル化剤として、アルギン酸塩と、アルギン酸塩をゲル化させるためのカルシウムとして例えば塩化カルシウムあるいは炭酸カルシウムを用いる場合、液体42は、以下のようにして調製する。
まず、泡沫形成部10における加熱・撹拌装置11または加熱装置51に水を仕込み、85℃に昇温した後、得られた温水に、界面活性剤とアルギン酸塩とを投入して十分に撹拌する。
その後、上記加熱・撹拌装置11または加熱装置51に、塩化カルシウムあるいは炭酸カルシウムを添加し、再度十分撹拌した上で、多孔質式微細気泡発生器13あるいは旋回流式微細気泡発生器53により微細気泡を発生させる。これにより、本例でも、界面活性剤とゲル化剤とで形成される被膜の内側に気体を含んだ状態の泡沫41が形成され、加熱・撹拌装置11または加熱装置51内の液体42の液面上に集積する。
その後、本例でも、上記泡沫41を、予め増粘多糖類にて粘度を調整した、加熱装置31内の液体43中に分散させる。これにより、気泡濃度が高く、気泡消滅速度の遅い粘性気泡液を生成することができる。
〔実施例〕
以下、実施例および比較例により、実施形態1、2にかかる粘性気泡液およびその製造方法についてさらに詳細に説明する。しかしながら、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
以下では、簡易的に小規模で粘性気泡液を製造(生成)し、得られた粘性気泡液の性能について評価を行った結果を示す。
図3の(a)〜(c)は、粘性気泡液の製造方法を工程順に示す断面図である。
まず、図3の(a)に示すように、電磁加熱器61上に、水として、500ccの水道水を入れた電磁調理用鍋62を配置し、温度計63で温度を測定しながら、電磁調理用鍋62内の水を85℃まで昇温した。
次いで、上記電磁調理用鍋62内の水(温水)を撹拌器64で撹拌しながら、上記電磁調理用鍋62内に、界面活性剤として、上記水に対し、0.5重量%のレシチンを、少しずつ投入した。
次いで、上記電磁調理用鍋62内の混合液を撹拌器64で撹拌しながら、上記電磁調理用鍋62内に、ゲル化剤として、上記水に対し、0.5重量%の「ゲルアップWM」を少しずつ投入することにより、上記界面活性剤およびゲル化剤を含む液体(液体42)として、水溶液81を得た。
次いで、図3の(b)に示すように、得られた水溶液81を、適当な大きさのビーカー65(例えば1Lビーカー)に移し、該ビーカー65内に撹拌子66を入れ、スターラー67で撹拌しながら自然冷却した。
その後、ビーカー65内の水溶液81の温度が65℃を下回ったとき、コンプレッサー68に接続した気泡発生装置69で気泡を発生させた。なお、気泡発生装置69には、株式会社ナック社製の多孔質方式のマイクロナノバブル発生装置である、コラム型の「Foamest(フォーメスト)」(登録商標)を用いた。
この結果、ビーカー65内の水溶液81の液面上に、複数の泡沫41が集積してなる泡沫部が形成された。
次いで、ビーカー65内の水溶液81の液面上に集積した泡沫41を、全て、図3の(c)に示すように別のビーカー71に回収した。
一方、さらに別のビーカー72に、液体43(粘性液)として、増粘多糖類である「とろみアップパーフェクト」を、水(水道水)に1重量%の濃度で溶解させた「とろみアップパーフェクト」水溶液からなる、とろみ液82を調製した。なお、とろみ液82の粘度は0.8Pa・sであった。
次いで、図3の(c)に示すように、上記とろみ液82に、ビーカー71に回収した泡沫41を全量加えて混合した。これにより、とろみ液82に、泡沫41が気泡として分散された、本実施例にかかる粘性気泡液を得た。
このようにして得られた、泡沫41からなる、粘性気泡液中の気泡径・体積・気泡径分布・ボイド率・消失率を測定した。
図4は、得られた粘性気泡液中の気泡の物性の測定に用いた装置を示す断面図である。
粘性気泡液中の気泡の物性を測定するには、まず、回転台91に、サンプル93として粘性気泡液を入れたシャーレ92を載せ、サンプル93にレーザー光を照射する。そして、サンプル93中の気泡の投影像を、光学顕微鏡に取り付けられたカメラ95で撮像して画像解析を行うことで、粘性気泡液中の気泡の物性を測定する。
なお、サンプル93の厚さが厚くなると光透過度が低くなるため、本実施例では、サンプル93の厚さを減らすために、レーザー94とカメラ95とを垂直方向に配置して測定を行った。
以下に、上記各物性の測定方法について説明する。
(気泡径)
カメラ95で撮像した画像を、ペイントアプリケーションで表示させ、例えば図5の(b)に示すように各気泡の縁に円を重ね合わせた。そして、この重ね合わせた円の直径を、気泡径として測定した。
(気泡の体積)
カメラ95で撮像した1枚の画像で、該画像の二次元のサイズ(縦横サイズ)と焦点距離とから撮像部分の体積を計算することで、上記画像中の全ての気泡の体積をそれぞれ算出した。
(気泡径分布)
カメラ95で撮像した1枚の画像で、該画像の二次元のサイズ(縦横サイズ)と焦点距離とから撮像部分の体積を計算するとともに、画像1枚中の気泡の数を、気泡径毎に全て数え、それぞれ1ml当たりに換算した。これにより、粘性気泡液1ml当たりにおける気泡径毎の気泡の数を求めた。
(気泡のボイド率)
上記の方法で算出した、撮像部分における粘性気泡液全体の体積と、全ての気泡の体積の和とから、上記粘性気泡液の単位体積において上記気泡の体積が占める割合(気泡の体積含有率)を、気泡のボイド率として算出した。
(気泡の消失率)
製造したサンプルを密閉して冷暗所で保管し、製造直後、製造から3日間、製造から7日間、製造から35日間の経過時間をおいて、ボイド率を測定した。この経過日数とボイド率とをグラフに表し、以下の計算式で近似線を引き、1日当たりの消失率を求めた。
すなわち、粘性気泡液のボイド率をB、消失率をλとすると、次式(1)の関係が成立する。
−dB/dt=λB ・・・(1)
そこで、式(1)を解くと、次式(2)のようになる。なお、式(2)中、Bは、製造直後の初期値を表す。
B=B×exp(−λt) ・・・(2)
ここで、実測値のプロットから近似直線で(2)式を求めると、B=0.3756、λ=0.049となる。なお、このとき、tは、日単位とした。
(測定結果)
図5の(a)は、製造直後の上記粘性気泡液の光学顕微鏡写真を示す図であり、図5の(b)は、製造後、5℃で冷蔵保存したときの製造から3日間経過後の上記粘性気泡液の光学顕微鏡写真において、気泡の縁に気泡直径を測定するための円を重ね合わせて示す図である。
また、製造直後、製造から3日間経過後、製造から7日間経過後、製造から35日間経過後における上記粘性気泡液の気泡の体積分布を、順に、図6〜図9に示す。また、このときのボイド率の推移を図10に示すとともに、経過日数とボイド率の推移とを表1に示す。なお、何れも、製造後の上記粘性気泡液の保管は、5℃の冷蔵保存とした。
また、図11に、製造から3日間経過後の上記粘性気泡液の気泡径分布を示す。
本実施例によれば、図6〜図9および図11に示すように、直径2mm以下、例えば最大直径1.6mmの気泡を、安定して得ることができた。
また、本実施例によれば、図10から判るように、10%以上のボイド率が必要と仮定した場合、25日〜30日程度の寿命があるため、取り扱い容易な粘性気泡液を得ることができることが判る。
ここで、比較のために、通常の方法で得られた、直径1mmの通常の気泡(つまり、水等の液体中に空気を吹き込むことで発生させた直径1mmの気泡)の上記液体中での上昇速度と移動時間とを、図12および表2に示す。
なお、気泡の上昇速度および移動時間は、次式(3)から計算して求めた。
(気泡の上昇速度)
気泡上昇速度は、該気泡上昇速度をV∞、気泡半径をr、重力加速度をg、液体粘度をμ、液体密度をρf、気泡内気体密度をρbとすると、浮力、重力、ストークス抵抗のバランスより、次式
V∞=(ρf−ρb)/6πμr×(4/3πr)×g ・・・(3)
で与えられる(非特許文献2参照)。
(気泡の移動時間)
上記上昇速度から、気泡が粘性液中を10cm移動する時間を計算で求めた。
図12および表2に示すように、直径1mmの通常の気泡は、本実施例で用いたとろみ液82のように0.8Pa・s程度の粘度の液体であれば、1分もかからずに該液体を抜けてしまう。なお、図12および表2に示すように、たとえ液体の粘度を10Pa・sまで大きくしたとしても、10cm気泡が移動するのに要する時間は約30分であり、せいぜい数十分ほどで気泡が抜けてしまうことが判る。
このように、特許文献1並びに図12および表2に示す結果からすれば、従来の造影剤は、瞬時と言っても過言ではない速さで気泡が消失する。
これに対し、本実施例で得られた粘性気泡液は、図10および表1に示すように、製造直後のボイド率が10%以上であるのみならず、1日当たりの気泡の消失率が10%以下(図10に示す例では4.9%/日)と、非常にゆっくりとした消失速度を有している。なお、図10に示す例では、10%以上のボイド率を25日〜30日間維持できていると考えられるとともに、実際、製造から35日経過後に残存している気泡のボイド率は7.1%であり、5%以上ものボイド率を維持し続けていることが判る。
このため、上記粘性気泡液は、超音波検査に非常に好適であり、該粘性気泡液を造影剤として用いることで、従来よりも取り扱い性に格段に優れた造影剤を提供することができる。また、上記粘性気泡液を造影剤として用いることで、従来では不可能であった、気泡を含有する造影剤を予め大量に準備することが可能になるため、例えば集団健康診断等において、検査効率を大幅に改善することができる。また、上記粘性気泡液を造影剤として用いることで、1回の超音波検査にかける時間を従来よりも長くとることもできる。さらには、従来の造影剤では造影時まで気泡を維持することができなかった長さを有する検査対象物の検査が可能になる等、検査対象物の拡大を図ることもできる。
なお、上記粘性気泡液のボイド率(つまり、上記粘性気泡液において上記気泡が占める体積の割合)は、用途に応じて、使用時に必要なボイド率を確保することができるように適宜設定すればよく、特に限定されるものではない。
図13に、本実施例で得られた粘性気泡液を造影剤として用いた造影画像(超音波エコー画像)を示す。
なお、図13は、水の中にチューブを通し、該チューブ内に粘性気泡水を通して、外部から超音波検査を行ったときの造影画像である。
図13では、1mm以下の気泡を分散させた粘性気泡水を用いており、該気泡が区別して観察されることから、超音波解像力は、少なくとも1mm程度であることが判る。
以上のように、上記形態および実施例によれば、気泡を長時間に亘って保持できる粘性気泡液およびその製造方法並びに粘性気泡液の製造装置を提供することができる。
上述したように、上記形態および実施例にかかる粘性気泡液は、超音波検査における造影剤として好適に用いることができる。
例えば、医療分野では、嚥下機能を検査するための造影剤、口腔内の異常を検査するための造影剤、消化器系の内腔部の異常を検査するための造影剤等として利用可能である。
また、工業分野では、各種配管内等の、外部から目視できない部分の非破壊検査等における造影剤として好適に利用することができる。
また、上記形態および実施例にかかる粘性気泡液は、気泡を多く含有することができることから、含有する気泡内気体の種類および気泡を分散させる粘性液の種類を適宜選択・変更することで、種々の機能性粘性液として用いることが可能である。このような機能性粘性液としては、例えば、水素粘性水、二酸化炭素粘性水等の、気泡を含有する機能性粘性水が挙げられる。
また、上記形態および実施例にかかる粘性気泡液の製造方法および製造装置は、気泡を含有させることで食品の食感を変化させることができることから、食材の食感を変化させるための方法並びに装置として用いることも可能である。
〔実施形態3〕
本実施形態では、上記粘性気泡液の保管(保存)方法について、図3の(a)〜(c)、図14、図15を参照して以下に説明する。なお、以下では、説明の便宜上、実施形態1、2における構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
前記実施形態1、2に記載の方法で製造した粘性気泡液は、従来とは異なり、液中に気泡を長時間、安定的に保存できる。しかしながら、上記粘性気泡液を常圧(大気圧)で保存した場合、10%/日以下の速度でボイド率が低下する。
そこで、本実施形態では、上記ボイド率の低下を改善するため、上記粘性気泡液を加圧下で保管(すなわち加圧保管)する。このために、本実施形態では、上記粘性気泡液を保管する保管容器を内部加圧する。
本実施形態によれば、このように上記保存容器内を加圧してその内圧を高めることで、保管中の粘性気泡液のボイド率の低下を抑制し、気泡を長時間安定して含有させることができる。このため、本実施形態によれば、上記粘性気泡液の製造頻度を削減し、検査作業の煩雑さを無くすことができる。
なお、上記保管容器の材質および形状は、特に特定されず、容器内部の加圧に耐えられる保管容器(以下、「加圧保管容器」と称する)であればよい。上記加圧保管容器には、市販の容器を使用することができる。
上記加圧保管容器の内圧は、大気圧よりも高ければ、特に限定されない。本実施形態では、例えば、加圧保管容器を加圧しないときの、常圧(大気圧)での加圧装置のゲージ圧を0MPaとすると、加圧保管容器の内圧が、ゲージ圧で例えば0.1MPa以上(つまり、大気圧+0.1MPa以上)となるように加圧して粘性気泡液を保管した。
なお、粘性気泡液は、加圧保管容器の内圧が高いほどボイド率の減少率が低い。このため、加圧保管容器の内圧の上限値は、特に限定されるものではない。
しかしながら、加圧保管容器の内圧を高くするためには、その内圧に耐えられる容器が必要なる。このため、本実施形態では、加圧保管容器の加圧耐性および入手の容易さ、並びに、設備投資の低減の観点から、加圧保管容器の内圧を、例えば、ゲージ圧で0.5MPa以下とした。加圧保管容器の内圧が0.5MPaである場合、粘性気泡液を大気圧で保管する場合と比較して、ボイド率の減少率を極めて小さく抑えることができる。
しかしながら、勿論、加圧耐性が高い加圧保管容器を使用した場合、加圧保管容器の内圧をさらに高く設定することができることは、言うまでもない。
(粘性気泡液の加圧保管方法)
以下に、上記粘性気泡液の加圧保管方法について、より具体的に説明する。
まず、保管する粘性気泡液を製造した。粘性気泡液は、前記〔実施例〕に記載の図3の(a)〜(c)に示す製造方法に準じて製造した。
具体的には、まず、図3の(a)に示す工程で、電磁調理用鍋62内の水を、電磁加熱器61で、約85℃に昇温した。その後、上記電磁調理用鍋62内の水(温水)を撹拌器64で撹拌しながら、界面活性剤としてのレシチン、および、ゲル化剤としての「ゲルアップWM」を、それぞれ水に対し0.3重量%の割合で添加し、10分間攪拌した。これにより、上記レシチンおよび「ゲルアップWM」を溶解させた水溶液81を調製した。
次に、図3の(b)に示すように、上記水溶液81をビーカー65に移し、温度を65℃で一定に保ちながら、加圧装置に接続した気泡発生装置69で気泡を発生させることにより、泡沫41を形成した。気泡発生装置69には、「Foamest(フォーメスト)」(登録商標)を使用した。加圧装置にはコンプレッサー68を使用し、圧力は、0.2MPaとした。ビーカー65内の水溶液81の液面上に集積した泡沫41は、全て、図3の(c)に示す別のビーカー71に回収した。
次に、別のビーカー72に入れた水を、電磁加熱器61で約85℃に保ち、増粘剤として「とろみアップパーフェクト」を、水に対し1重量%の割合で添加して10分間攪拌することにより溶解させ、図3の(c)に示すとろみ液82を製造した。
次に、図3の(c)に示すように、上記とろみ液82に上記泡沫41を混合し、攪拌して上記泡沫41を上記とろみ液82に分散させることで、粘性気泡液を製造した。
上記とろみ液82と上記泡沫41との混合比率は、300ccのとろみ液82に対し、泡沫41を500ccとした。上記混合比率の粘性気泡液を複数回製造した後、製造した各粘性気泡液を混合攪拌して均一化し、200ccずつの保管試料に分けて300ccの加圧保管容器に入れて保管した。
保管試料には、加圧保管容器を、大気によりその内圧が0.3MPaになるように加圧した加圧保管試料3個と、加圧していない常圧保管試料1個とを製造した。
また、併せて、加圧保管容器を、その内圧が、ゲージ圧で0.1MPa、0.3MPa、0.5MPaになるように加圧した加圧保管試料を各1個ずつと、加圧していない常圧保管試料1個とを製造した。
加圧保管試料の各物性は、製造直後、並びに、製造から7日間経過後および14日間経過後に、1試料ずつ加圧保管試料を開封して測定した。一方、常圧保管試料の各物性は、同じ試料を、製造直後、並びに、製造から7日間経過後後および14日間経過後後に測定した。
また、加圧保管容器の内圧を変えた試料の各物性は、表4に示すように、製造直後、並びに、製造から7日間経過後および14日経過後に測定した。なお、試料の各物性の測定項目および測定方法は、前記〔実施例〕と同じであり、前記〔実施例〕と同様にして、気泡径、気泡の体積、気泡径分布、気泡のボイド率、1日当たりの気泡の消失率を測定した。
(測定結果)
図14は、上記加圧保管容器に内圧を加えた場合と加えない場合とにおける、粘性気泡液のボイド率の推移を示すグラフである。
また、表3に、上記加圧保管容器に内圧を加えた場合と加えない場合とにおける、製造直後、並びに、製造から7日間経過後および14日経過後の粘性気泡液のボイド率を、14日間の保管期間における、1日当たりの気泡の消失率と併せて示す。
表3および図14に示すように、粘性気泡液の製造直後のボイド率は57.8%であった。また、製造から7日間経過後のボイド率は、加圧保管試料で55.5%、常圧保管試料で29.3%であった。また、製造から14日経過後のボイド率は、加圧保管試料で36%、常圧保管試料で23%であった。
また、前記〔実施例〕と同様にして、1日当たりの気泡の消失率を測定した。すなわち、粘性気泡液のボイド率をB、消失率をλとすると、前記式(1)および式(2)の関係が成立する。そこで、y軸をボイド率B(すなわち、y=B)とし、x軸を経過日数t(すなわち、x=t)として、図14に示す実測値のプロットから、近似直線で(2)式を求めると、加圧保管試料の場合、B=0.6171、λ=0.034となる。また、常圧保管試料の場合、B=0.5374、λ=0.066となる。
したがって、表3に示すように、14日間の保管期間における、常圧保管試料の1日当たりの気泡の消失率は、加圧保管試料で3.4%/日となり、常圧保管試料で6.6%/日となる。
上記の結果から、粘性気泡液を常圧で保管した場合と比較して、加圧下で保管した方が、粘性気泡液中の気泡を安定的に保存できることが判る。
また、加圧保管容器の内圧を変えた試料についても、前記〔実施例〕と同様にして、別途、気泡径、気泡の体積、気泡径分布、気泡のボイド率を測定するとともに、気泡の消失率として、加圧保管容器の内圧を変えた場合のボイド率の減少率を測定した。
図15は、上記加圧保管容器の内圧を変化させた場合における、製造から7日間経過後の粘性気泡液のボイド率の減少率を示すグラフである。
また、表4に、上記加圧保管容器の内圧を変化させた場合における、製造直後および製造から7日間経過後の粘性気泡液のボイド率の推移を、製造から7日間経過後の粘性気泡液のボイド率の減少率と併せて示す。
表4および図15に示すように加圧保管容器の内圧を変えた場合、製造から7日間経過後の加圧保管容器内の加圧保管試料のボイド率の減少率は、内圧0.1MPaで15.8%(=57.8%−42%)、0.3MPaで2.8%(=57.8%−55%)、0.5MPaで1.3%(=57.8%−56.5%)であった。また、製造から7日間経過後の常圧保管試料のボイド率の減少率は、28.5%(=57.8%−29.3%)であった。
上記の結果から、粘性気泡液は、加圧保管容器の内圧が高いほどボイド率の減少率が低く、加圧保管容器の内圧を、例えば0.5MPa以下、より好適には0.3MPa以下に加圧して保管することで、常圧で保管する場合よりもボイド率の減少を低減することができることが判る。
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、図3の(a)〜(c)および図16に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、以下では、説明の便宜上、実施形態1〜3における構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、界面活性剤とゲル化剤とを含む温水の温度と粘性気泡液のボイド率との関係について、実験例を用いて具体的に説明する。
(水溶液81の水温を変化させた場合の粘性気泡液のボイド率)
なお、以下では、簡易的な実験として、前記〔実施例〕において、界面活性剤とゲル化剤とを含む水溶液81の温度を変化させて気泡を発生させることにより粘性気泡液を製造する場合を例に挙げて説明する。しかしながら、上記温水として水溶液81に代えて液体42を用いた場合でも同様の傾向の結果が得られることは、言うまでもない。
以下に、本実施形態にかかる粘性気泡液の製造方法について説明する。なお、上述したように、本実施形態でも、粘性気泡液は、前記〔実施例〕に記載の図3の(a)〜(c)に示す製造方法に準じて製造した。
具体的には、まず、図3の(a)に示す工程で、電磁調理用鍋62内の水を、電磁加熱器61で、約85℃に昇温した。その後、上記電磁調理用鍋62内の水(温水)を撹拌器64で撹拌しながら、界面活性剤としてのレシチン、および、ゲル化剤としての「ゲルアップWM」を、それぞれ水に対し0.3重量%の割合で添加し、10分間攪拌した。これにより、上記レシチンおよび「ゲルアップWM」を溶解させた水溶液81を調製した。
次に、図3の(b)に示すように、上記水溶液81をビーカー65に移し、温度を一定に保ちながら、加圧装置に接続した気泡発生装置69で気泡を発生させることにより、泡沫41を形成した。本実施形態では、ビーカー65内の水溶液81の温度を、それぞれ、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃に保持した以外は、同様の操作を行い、各温度で気泡を発生させた。そして、得られた各ビーカー65内の水溶液81の液面上に集積した泡沫41を、それぞれ、別のビーカー71に回収した。
なお、本実施形態でも、気泡発生装置69には「Foamest(フォーメスト)」(登録商標)を使用した。また、加圧装置にはコンプレッサー68を使用し、圧力は、0.2MPaとした。
次に、別のビーカー72に入れた水を、電磁加熱器61で約85℃に保ち、増粘剤として「とろみアップパーフェクト」を、水に対し1重量%の割合で添加して10分間攪拌することにより溶解させ、図3の(c)に示すとろみ液82を製造した。
その後、図3の(c)に示すように、別々のビーカー72に入れた各とろみ液82と、各ビーカー71内に回収した、各温度で発生させた泡沫41とをそれぞれ混合し、攪拌して、各泡沫41を、各ビーカー72内のとろみ液82にそれぞれ分散させることで、各粘性気泡液を製造した。なお、各とろみ液82と各泡沫41との混合比率は、300ccのとろみ液82に対し、泡沫41を500ccとした。
そして、このようにして製造した、製造直後の各粘性気泡液の物性をそれぞれ測定した。なお、試料の各物性の測定項目および測定方法は、前記〔実施例〕と同じであり、前記〔実施例〕と同様にして、気泡径、気泡の体積、気泡径分布、気泡のボイド率を測定した。
(測定結果)
図16および表5に、上記界面活性剤とゲル化剤とを含む水溶液81の温度を変化させることにより得られた各粘性気泡液のボイド率を示す。
表5および図16に示すように、上記界面活性剤とゲル化剤とを含む水溶液81の温度を45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃と変化させた場合、得られた粘性気泡液のボイド率に変化が見られた。
すなわち、表5および図16に示すように、ボイド率は、水溶液81の保温温度を60℃として泡沫41を製造したときがピークで、その前後の50℃、55℃、65℃、70℃で泡沫41を製造した場合、ボイド率が若干低下する。また、水溶液81の保温温度が45℃および75℃の場合には、水溶液81の保温温度を60℃とした場合と比較して、ボイド率が極端に低下する傾向があった。
以上の結果から、泡沫41を製造するときに、上記界面活性剤とゲル化剤とを含む水溶液81の温度を50℃〜70℃の範囲内に維持して泡沫41を製造すれば、上記温度を45℃あるいは75℃に維持して製造した泡沫41を用いて粘性気泡液を製造する場合と比べてボイド率を各段に向上させることができることが判る。
〔実施形態5〕
本発明のさらに他の実施形態について、図3の(a)〜(c)および図17に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、以下では、説明の便宜上、実施形態1〜4における構成要素と同一の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施形態では、上記粘性気泡液が機能性食品である場合について説明する。
(機能性食品)
上記粘性気泡液を食品として使用する場合、前述したように、上記界面活性剤とゲル化剤とを含む水溶液81に導入される気体としては、人体に無害な気体が使用される。このとき、上記気体として、例えば抗酸化作用等の機能を有する気体を使用することで、上記粘性気泡液を、機能性食品として使用できる。上記機能性食品としては、例えば、気泡として水素ガスを含有する水素ガス含有食品が挙げられる。
以下、本実施形態では、上記気体として、水素ガスを用いた場合を例に挙げて説明する。なお、本実施形態でも、粘性気泡液は、前記〔実施例〕に記載の図3の(a)〜(c)に示す製造方法に準じて製造した。
具体的には、まず、図3の(a)に示す工程で、電磁調理用鍋62内の水を、電磁加熱器61で、約85℃に昇温した。その後、上記電磁調理用鍋62内の水(温水)を撹拌器64で撹拌しながら、界面活性剤としてのレシチン、および、ゲル化剤としての「ゲルアップWM」を、それぞれ水に対し0.3重量%の割合で添加し、10分間攪拌した。これにより、上記レシチンおよび「ゲルアップWM」を溶解させた水溶液81を調製した。
次に、図3の(b)に示すように、上記水溶液81をビーカー65に移し、温度を65℃で一定に保ちながら、加圧装置に接続した気泡発生装置69で水素ガス含有気泡を発生させることにより、水素ガスを含有する泡沫41を形成した。
本実施形態では、水素ガスを使用するため、ビーカー65の上部に蓋をし、排気ラインを設置して、水素検出器にて水素ガスの漏れ状態を監視しながら実験を行った。
なお、気泡発生装置69には、「Foamest(フォーメスト)」(登録商標)を使用した。また、加圧装置にはコンプレッサー68を使用し、圧力は、0.2MPaとした。ビーカー65内の水溶液81の液面上に集積した泡沫41は、全て、図3の(c)に示す別のビーカー71に回収した。
次に、別のビーカー72に入れた水を、電磁加熱器61で約85℃に保ち、増粘剤として「とろみアップパーフェクト」を、水に対し1重量%の割合で添加して10分間攪拌することにより溶解させ、図3の(c)に示すとろみ液82を製造した。
次に、図3の(c)に示すように、上記とろみ液82に上記泡沫41を混合し、攪拌して上記泡沫41を上記とろみ液82に分散させることで、気泡として水素ガスを含有する粘性気泡液を製造した。
上記とろみ液82と上記泡沫41との混合比率は、300ccのとろみ液82に対し、泡沫41を500ccとした。
そして、このようにして製造した、製造直後、並びに、製造から7日間経過後の粘性気泡液の物性を測定した。なお、試料の各物性の測定項目および測定方法は、前記〔実施例〕と同じであり、前記〔実施例〕と同様にして、気泡径、気泡の体積、気泡径分布、気泡のボイド率、1日当たりの気泡の消失率を測定した。
(測定結果)
図17および表6に、気泡として水素ガスを含有する粘性気泡液における、粘性気泡液のボイド率の推移を示す。
表6および図17に示すように、上記粘性気泡液のボイド率は、製造直後で42.5%、製造7日後で23.4%であった。
また、前記したように、粘性気泡液のボイド率をB、消失率をλとすると、前記式(1)および式(2)の関係が成立することから、y軸をボイド率B(すなわち、y=B)とし、x軸を経過日数t(すなわち、x=t)として、図17に示す実測値のプロットから、近似直線で(2)式を求めると、B=0.425、λ=0.085となる。
したがって、上記粘性気泡液の1日当たりの気泡の消失率は、8.5%/日であり、粘性気泡液は、水素ガス気泡を、高濃度で安定的に保存していた。
以上のように、界面活性剤とゲル化剤とを含む被膜に気体として水素ガスが内包されている泡沫41が、増粘剤を含む水溶液である、とろみ液82中に分散されている粘性気泡液は、界面活性剤とゲル化剤とを含む水溶液81に導入される気体を水素ガスにすることで、気泡中に水素ガスを、長時間、高濃度の状態で維持できることが判った。
したがって、上記粘性気泡液は、機能性食品として使用可能であり、例えば、上記粘性気泡液を飲用することで、高濃度水素ガスを含有した状態で上記粘性気泡液を体内に摂取できる。高濃度水素ガスの状態で体内に摂取された水素分子(H)は、肝臓ホルモン「FGF21」を誘発して、エネルギー代謝を促進することによって、肥満と糖尿病とを改善する。また、水素を体内に水素分子として取り入れることで、抗酸化作用が期待される。水素は、抗酸化作用により、老化防止・動脈硬化・糖尿病・シミ・シワ・白内障等に効能がある。
〔まとめ〕
本発明の態様1にかかる粘性気泡液は、界面活性剤とゲル化剤とを含む被膜に気体が内包されてなる泡沫41が、増粘剤を含む水溶液からなる粘性液中(液体43、とろみ液82)に気泡として分散されている。
上述したように、気泡は、例えば超音波の良い反射源であり、気泡寿命が長い気泡液の開発が望まれている。しかしながら、気泡液中に気泡が存在する時間は、通常1分間以下と極めて短く、瞬時といっても過言ではない。特許文献1でさえも、気泡の寿命を約5分間〜約10分間しか延長できていない。
しかしながら、上記態様1の粘性気泡液は、気泡の消失速度が非常にゆっくりであり、従来と比較して、格段に気泡の寿命を延長することができる。
特に、本発明の態様2にかかる粘性気泡液は、上記態様1において、上記気泡の消失速度が、10%/日以下である構成を有している。
また、本発明の態様3にかかる粘性気泡液は、上記態様1または2において、上記粘性気泡液中の気泡のボイド率が5%以上(一例として、図10に示す実験結果によれば、例えば、5%以上、最大42.8%)である構成を有している。
本発明の態様4にかかる粘性気泡液は、上記態様1〜3の何れかにおいて、上記気泡の直径が2mm以下である構成を有している。
したがって、本発明の態様1〜4にかかる粘性気泡液は、例えば超音波造影剤として好適に使用することができる。上記粘性気泡液を造影剤として用いることで、従来よりも取り扱い性に格段に優れた造影剤を提供することができる。
本発明の態様5にかかる粘性気泡液は、上記態様1〜4の何れかにおいて、当該粘性気泡液が機能性食品である構成を有している。
上記機能性食品としては、例えば、気泡として水素ガスを含有する水素ガス含有食品が挙げられる。
すなわち、本発明の態様6にかかる粘性気泡液は、上記態様1〜5の何れかにおいて、上記気体が水素ガスである構成を有している。
上記界面活性剤とゲル化剤とを含む被膜に気体として水素ガスが内包されている泡沫41が、増粘剤を含む水溶液(液体43、とろみ液82)中に分散されている粘性気泡液は、上記気体を水素ガスにすることで、上記気泡中に水素ガスを長時間、高濃度の状態で維持できる。
したがって、上記粘性気泡液は、水素ガスを確実かつ安定して含有する機能性食品として使用が可能である。水素は、抗酸化作用を有し、老化防止・動脈硬化・糖尿病・シミ・シワ・白内障等に効能がある。
また、本発明の態様7にかかる粘性気泡液の製造方法は、界面活性剤とゲル化剤とを含む温水(液体42、水溶液81)に気体を導入することで形成された泡沫41を、増粘剤を含む水溶液からなる粘性液(液体43、とろみ液82)中に気泡として分散させる方法である。
また、本発明の態様8にかかる粘性気泡液の製造方法は、上記態様7において、上記界面活性剤とゲル化剤との配合割合が1:1である方法である。
また、本発明の態様9にかかる粘性気泡液の製造方法は、上記態様7または8において、上記泡沫の形成が、上記温水の温度を50℃〜70℃の範囲内に維持した状態で上記温水に上記気体を導入することにより行われる方法である。
さらに、本発明の態様10にかかる粘性気泡液の製造装置(粘性気泡液製造装置1)は、上記態様7または8の粘性気泡液の製造方法に用いられる粘性気泡液の製造装置であって、界面活性剤とゲル化剤とを含む温水(液体43、とろみ液82)を入れる第1の容器(例えば加熱・撹拌装置11あるいは加熱装置51)と、増粘剤を含む水溶液からなる粘性液を入れる第2の容器(例えば加熱装置31)と、上記第1の容器内の温水に気体を導入する気体導入器(例えば多孔質式微細気泡発生器13あるいは旋回流式微細気泡発生器53)と、上記第1の容器と上記第2の容器とを連結し、上記第1の容器内の温水に気体を導入することで上記温水の液面上に形成される泡沫41を上記第2の容器に移動させる泡沫移動部(泡沫移動部20)と、を備えている。
また、本発明の態様11にかかる粘性気泡液の製造装置は、上記態様10において、上記第1の容器および第2の容器は密閉可能に設けられているとともに、上記第1の容器内の圧力を制御する圧力制御機構(例えばコンプレッサー12または水流ポンプ52と、圧力計15と、リリーフバルブ16とからなる圧力制御機構)を備えている。
また、本発明の態様12にかかる粘性気泡液の製造装置は、上記態様10または11において、上記気体導入器が多孔質式微細気泡発生器(多孔質式微細気泡発生器13)である構成である。
また、本発明の態様13にかかる粘性気泡液の製造装置は、上記態様10または11において、上記気体導入器が旋回流式微細気泡発生器(旋回流式微細気泡発生器53)である構成である。
また、本発明の態様14にかかる粘性気泡液の製造装置は、上記態様10〜13の何れかにおいて、上記泡沫移動部が保温材(保温材22)で保温されている構成である。
上記態様7〜9にかかる粘性気泡液の製造方法並びに上記態様10〜14の何れかにかかる粘性気泡液の製造装置によれば、上述した、気泡を長時間に亘って保持できる粘性気泡液を製造することができる。特に、上記態様9に示すように、上記温水の温度を50℃〜70℃の範囲内に維持して上記気体を導入することにより上記泡沫を形成する場合、上記温水の温度を45℃または75℃に維持して上記気体を導入することにより上記泡沫を形成する場合と比較して、ボイド率を向上させることができる。
また、本発明の態様15にかかる粘性気泡液の保管方法は、上記態様1〜6の何れかにかかる粘性気泡液を加圧下で保管する方法である。
また、本発明の態様16にかかる粘性気泡液の保管方法は、上記態様15において、上記粘性気泡液を保管する保管容器を、その内圧が、該保管容器を加圧しないときの加圧装置のゲージ圧を0MPaとすると、該加圧装置のゲージ圧で0.5MPa以下となるように加圧して上記粘性気泡液を保管する方法である。
また、本発明の態様17にかかる粘性気泡液の保管方法は、上記態様16において、上記粘性気泡液を保管する保管容器を、その内圧が、上記加圧装置のゲージ圧で0.3MPa以下となるように加圧して上記粘性気泡液を保管する方法である。
上記態様15〜17の何れかにかかる粘性気泡液の保管方法によれば、上記粘性気泡液中の気泡を長時間に亘って保持できる。したがって、上記態様によれば、気泡を長時間安定的に含有させて保管(保存)することができる粘性気泡液の保管方法の保管方法を提供することができる。
本発明の粘性気泡液は、気泡の寿命が従来と比較して格段に長く、超音波検査における造影剤や、機能性粘性水として、好適に利用することができる。また、本発明の粘性気泡液の製造方法並びに製造装置は、上記造影剤や機能性粘性水の製造方法並びに製造装置として好適に用いることができるとともに、例えば食材の食感を変化させるための方法並びに装置として用いることもできる。
1 粘性気泡液製造装置
10 泡沫形成部
11 加熱・撹拌装置(第1の容器)
11a 容器部
11b 蓋部
12 コンプレッサー(圧力制御機構)
13 多孔質式微細気泡発生器(気体導入器)
14 撹拌子
15 圧力計(圧力制御機構)
16 リリーフバルブ(圧力制御機構)
20 泡沫移動部
21 連結管
21a 開口部
21b 開口部
22 保温材
30 泡沫混合部
31 加熱装置(第2の容器)
31a 容器部
31b 蓋部
32 撹拌機
41 泡沫
42 液体
43 液体
51 加熱装置(第1の容器)
51a 容器部
51b 蓋部
52 水流ポンプ(圧力制御機構)
53 旋回流式微細気泡発生器(気体導入器)
53a 吸気口
53b 吸液口
53c 排出口
61 電磁加熱器
62 電磁調理用鍋
63 温度計
64 撹拌器
65 ビーカー
66 撹拌子
67 スターラー
68 コンプレッサー
69 気泡発生装置
71 ビーカー
72 ビーカー
81 水溶液
91 回転台
92 シャーレ
93 サンプル
94 レーザー
95 カメラ

Claims (4)

  1. 界面活性剤とゲル化剤とを含む温水に気体を導入することで形成された泡沫を、増粘剤を含む水溶液からなる粘性液中に気泡として分散させる粘性気泡液の製造方法に用いられる粘性気泡液の製造装置であって、
    界面活性剤とゲル化剤とを含む温水を入れる第1の容器と、
    増粘剤を含む水溶液からなる粘性液を入れる第2の容器と、
    上記第1の容器内の温水に気体を導入する気体導入器と、
    上記第1の容器と上記第2の容器とを連結し、上記第1の容器内の温水に気体を導入することで上記温水の液面上に形成される泡沫を上記第2の容器に移動させる泡沫移動部と、を備えていることを特徴とする粘性気泡液の製造装置。
  2. 上記第1の容器および第2の容器は密閉可能に設けられているとともに、
    上記第1の容器内の圧力を制御する圧力制御機構を備えていることを特徴とする請求項に記載の粘性気泡液の製造装置。
  3. 界面活性剤とゲル化剤とを含む温水に気体を導入することで形成された泡沫を、増粘剤を含む水溶液からなる粘性液中に気泡として分散させる粘性気泡液の製造方法であって、
    請求項1または2に記載の粘性気泡液の製造装置を使用して、上記第1の容器内の上記温水に上記気体を導入することで上記泡沫を形成するとともに、形成された上記泡沫を、上記第2の容器に移動させることで、上記粘性液中に気泡として分散させることを特徴とする粘性気泡液の製造方法。
  4. 上記泡沫の形成は、上記温水の温度を50℃〜70℃の範囲内に維持した状態で上記温水に上記気体を導入することにより行われることを特徴とする請求項に記載の粘性気泡液の製造方法。
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