JP6462607B2 - データ補完装置及びデータ補完方法 - Google Patents

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Description

本発明は、データ補完装置及びデータ補完方法に関する。
通信設備や道路等のインフラストラクチャの多くは、高度成長期に建設されており、今後、老朽化による故障の増加や、メンテナンスコストの増大が懸念されている。また、これらのインフラストラクチャの総数や総延長は、膨大であり、メンテナンスに関する技術の進展が期待されている。
例えば、通信設備は、主に定期点検等により機能の維持管理が行われている。蓄積された点検データを信頼性分析等に用いることによって、設備の信頼性の維持及び向上や、メンテナンス効率化を図ることができる。
この信頼性分析を行う場合、分析方法によっては、故障・劣化しているという情報(以下、故障データという。)とともに、故障・劣化していないという情報(以下、未故障データという。)も必要となる。例えば、ある分析方法では、点検データの故障データ及び未故障データから、各故障部分及び未故障部分の使用年数を求め、管理対象物の平均故障年(平均寿命)を算出している。
ここで、点検対象や点検方法、或いは、点検の記録方法によっては、未故障データが記録されていないことがある。例えば、故障した箇所や状態等を記録していく方法の場合、故障していない箇所については明示的に記録されない場合がある。このような、未故障データが記録されていない点検データを用いて信頼性分析(例えば、累積ハザード分析やワイブル分析)を行った場合、平均寿命等の算出に影響を与え、算出結果が真の値から乖離することもある。
したがって、各種の設備の維持・管理の精度を確保するためには、このような点検データにおける未故障データの欠損を補完することが重要である。そこで、従来、データの欠損を補完する技術として、予め用意されたダミーデータや典型的な値を欠損部分に補完する方法、隣接するデータ値或いは隣接するデータ値の平均値等を欠損部分に補完する方法、及び、ある範囲の正常データと欠損データとの差が最小になるようなデータ値を欠損部分に補完する方法が提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許第4488027号公報 特許第3654193号公報
しかしながら、従来の方法では、未故障データそのものが点検データに含まれていない場合には、データを精度よく補完することができない。例えば、インフラストラクチャ等の長大設備の点検データにおいて、一部のデータの欠損ではなく、未故障データそのものが点検データに含まれていない場合には、データを精度よく補完することができない。このため、従来の方法では、信頼性分析に必要となるデータを生成することができないという問題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、点検データに未故障データそのものが含まれていない場合であっても、未故障データ部分を補完して、信頼性分析で必要とされるデータを適切に生成することができるデータ補完装置及びデータ補完方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るデータ補完装置は、管理対象物に対して実行された点検についての点検データであって、点検年月日と劣化度と位置情報とが対応付けられた点検データに対し、前記管理対象物に応じて計測単位であるユニットを設定する設定部と、少なくとも前記劣化度を含まない前記ユニットを未故障状態であると判定する判定部と、前記劣化度を含むユニットについては、前記管理対象物の建築年月日、前記点検データの点検年月日及び該ユニットの前記劣化度を基に特性値を推定し、前記劣化度を含まない未故障状態のユニット群については、該ユニット群の両端にそれぞれ隣接する前記ユニットの管理対象物及び点検に関する所定のパラメータが同一である場合には、前記両端にそれぞれ隣接するユニットの特性値を基に該ユニット群の前記特性値を推定して補完し、該ユニット群の両端にそれぞれ隣接する前記ユニットの管理対象物及び点検に関する所定のパラメータが異なる場合には、前記点検データに記録されている各特性値に対する劣化箇所数の分布を求め、該求めた分布に対する近似曲線を基に前記特性値を推定して補完する推定部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、点検データに未故障データそのものが含まれていない場合であっても、未故障データ部分を精度よく補完して、信頼性分析で必要とされるデータを適切に生成することができる。
図1は、実施の形態1に係る分析装置の構成の一例を説明するための図である。 図2は、図1に示すユニット設定部におけるユニット設定処理を説明するための図である。 図3は、図1に示すユニット状態判定部の処理を説明するための図である。 図4は、図1に示すユニット状態判定部の他の処理を説明するための図である。 図5は、図1に示すユニット状態判定部の処理を説明するための図である。 図6は、図1に示すユニット状態判定部の処理を説明するための図である。 図7は、図1に示す特性値推定部の処理を説明するための図である。 図8は、図1に示す分析装置における分析処理の処理手順を示すフローチャートである。 図9は、図8に示す分析用データ生成処理の処理手順を示すフローチャートである。 図10は、図9に示すユニット状態判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 図11は、図9に示す特性値推定処理の処理手順を示すフローチャートである。 図12は、プログラムが実行されることにより、分析装置が実現されるコンピュータの一例を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではない。また、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付して示している。
[実施の形態1]
実施の形態1に係る分析装置について、分析装置の概略構成及び分析装置における処理の流れ及び具体例を説明する。
[分析装置の構成]
まず、図1を参照して、実施の形態1に係る分析装置の構成について説明する。図1は、実施の形態1に係る分析装置の構成の一例を説明するための図である。
図1に示す実施の形態1に係る分析装置10は、管理対象物に対する点検データから、管理対象物の平均寿命等の信頼性分析を行うものである。管理対象物は、通信設備や道路等のインフラストラクチャ設備である。本実施の形態1では、管理対象物として、通信インフラストラクチャ設備のトンネル状設備を想定している。そして、分析装置10において、信頼性分析のために使用される点検データは、後述するように、未故障データそのものが欠損しているものである。この実施の形態1では、分析装置10が、点検データを、所定の計測単位(ユニット)に区切り、ユニットの使用年数を特性値として求め、該特性値を用いて管理対象物の平均故障年(平均寿命)を求める場合を例に説明する。
図1に示すように、分析装置10は、入力部11、記憶部12、制御部13及び出力部14を有する。
入力部11は、分析装置10の操作者からの各種操作を受け付ける入力インタフェースである。例えば、キーボードやマウス等の入力デバイスによって構成される。
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現され、分析装置10を動作させる処理プログラムや、処理プログラムの実行中に使用されるデータなどが記憶される。記憶部12は、点検データ記憶部121を有する。
点検データ記憶部121は、様々な年に建設された多数のトンネル状設備において、それぞれのトンネル状設備で複数の時期に実施された定期点検の点検データが記憶される。点検処理は、例えば、トンネル内部の長大な壁面を対象に行われたものとし、管理対象物情報に対応付けて、故障・劣化箇所ごとに、点検データ記憶部121に記憶される。管理対象物情報には、この管理対象物の識別情報や、この管理対象物の建設年月日が含まれる。
また、点検データ記憶部121には、故障・劣化箇所を特定できる位置情報、故障・劣化度(劣化ランク)及び点検年月日が対応付けられたものが点検データとして記憶される。また、この点検データは、故障・劣化していない状態、すなわち、未故障データが記録されていない(欠損している)ものとする。点検データ記憶部121には、制御部13において既に特性値推定処理が行われた点検データについては、該点検データから求められた特性値も記憶される。
制御部13は、各種の処理手順などを規定したプログラム及び所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する。例えば、制御部13は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などの電子回路である。
制御部13は、管理対象物の点検データから、該管理対象物の平均寿命等を求めるための分析用データを生成する分析用データ生成部131(データ補完装置)、及び、分析用データ生成部131から生成された分析用データを用いて、管理対象物の平均寿命等の信頼性分析を行う分析部132を有する。
分析用データ生成部131は、ユニット設定部131a、ユニット状態判定部131b及び特性値推定部131cを有する。
ユニット設定部131aは、分析対象の管理対象物の点検データに対し、管理対象物に応じてユニットを設定する。
ユニット状態判定部131bは、ユニットにおける劣化度の有無、及び、該ユニットに含まれる劣化度を基に、ユニットが故障ユニットまたは未故障ユニットであるかを判定する。
特性値推定部131cは、管理対象物の建築年月日、点検データの点検年月日及び各ユニットの劣化度を基に、各ユニットの特性値を推定する。特性値推定部131cは、各特性値に対するユニット数の分布情報を示すデータを、管理対象物の信頼性分析用のデータとして生成して、分析部132に出力する。
具体的には、特性値推定部131cは、劣化度を含むユニットについては、該ユニットの劣化度を基に特性値を推定する。そして、特性値推定部131cは、劣化度を含まない未故障状態のユニット群については、該ユニット群の両端にそれぞれ隣接するユニットの管理対象物及び点検に関する所定のパラメータが同一である場合には、この両端にそれぞれ隣接するユニットの特性値を基に該ユニット群の特性値を推定して補完し、該ユニット群の両端にそれぞれ隣接するユニットの管理対象物及び点検に関する所定のパラメータが異なる場合には、点検データに記録されている各特性値に対する劣化箇所数の分布を求め、該求めた分布に対する近似曲線を基に特性値を推定して補完する。
分析部132は、特性値推定部131cが生成したデータを用いて、管理対象物の信頼性分析を行う。例えば、分析部132は、特性値推定部131cが生成したデータを用いて、累積ハザード分析やワイブル分析によって、管理対象物の平均故障年(平均寿命、以下、MTTFという。)を算出する。なお、累積ハザード分析やワイブル分析は、既知の方法を用いれば足りる。もちろん、分析部132は、累積ハザード分析やワイブル分析等ではなく、未故障データを用いる他の分析方法でもよい。また、分析部132は、MTTF以外の値を算出してもよい。
出力部14は、例えば、液晶ディスプレイやプリンタ等であって、各種情報を出力する。また、出力部14は、外部装置との間で、各種データの入出力を司るインタフェースであってもよく、外部装置に各種情報を出力してもよい。
[ユニット設定部の処理]
以下、分析用データ生成部131の各部の処理について、説明する。まず、ユニット設定部131aの処理について説明する。
図2は、ユニット設定部131aにおけるユニット設定処理を説明するための図である。管理対象物がトンネル状設備であるとし、図2では、紙面左方向から右方向に向かった方向をトンネル状設備の長さ方向とする。そして、この方向に沿って延伸するトンネル状設備を模式的に示した図形に、該トンネル状設備の点検データに含まれる故障・劣化箇所を示す×印を重畳したものを、該トンネル状設備の点検データD1として説明する。
ユニット設定部131aは、管理対象物が長いトンネル状設備であるという設備的な特徴を基に、トンネル端から、一定の距離ごとに区切った各部分を、各ユニットに設定する。これによって、管理対象物のユニットの総数が確定する。例えば、図2に示す点検データD1が、総延長1kmのトンネル状設備に対応する場合には、トンネル端から、1mごとにデータを区切る。これによって、点検データD1の例では、ユニットの総数が1000となる。
また、図2の例では、×印が示されたユニット(0003)と(0999)とは、故障・劣化データがあるユニット(故障ユニット)であると判定でき、×印が示されていないユニットは、故障・劣化箇所が示されていないため、未故障ユニットであると判定できる。したがって、故障・劣化箇所が示されたユニット数をカウントし、このユニット数が150である場合には、ユニット総数1000から故障ユニット数を減じた850ユニットが未故障ユニットとして求まる。言い換えると、点検データD1のうち、欠損していた未故障データの総数を求めることができる。
ここで、分析装置10が用いる点検データは、故障・劣化があった場合にのみ記録され、故障・劣化が認められなかった箇所については、記録されないものである。言い換えると、故障データとして記録された場所以外は、未故障であると言える。信頼性分析の多くは、故障データ及び未故障データの数が重要な情報となるものの、長大な距離や面積を持つ設備に対して、このような記録方式の場合、何らかの計測単位を新たに設定しなければ未故障データの数を得ることができない。本実施の形態1では、ユニット設定部131aが、上記のように、一定の計測単位(ユニット)を設定することによって、欠損していた未故障データの総数を求めることができる。
なお、本実施の形態1では、長大なトンネル状設備を例としたため、ユニットを1m幅として説明したが、もちろん、このユニットの大きさは、分析の目的、対象設備の状態、及び、点検の際の取り扱いやすさ等を考慮して設定すれば足りる。
例えば、トンネル壁面であれば、ある間隔で配置されている金物等を基準としてユニットの大きさを設定してもよい。また、長さではなく、面積や重量などをユニットとしてもよい。例えば、面積とした場合、何らかの矩形グリッドでトンネル内部壁面を区切って、各グリッドをユニットとしてもよい。さらに、グリッド等の大きさを、劣化の大きさ、例えば、亀裂の平均長さを参考にして設定することもできる。
[ユニット状態判定部の処理]
次に、ユニット状態判定部131bの処理について説明する。このユニット状態判定部131bは、劣化度の有無(故障・劣化データの有無)、及び、劣化度の値などを基に、各ユニットが、故障ユニット、状態A(第1の未故障状態)の未故障ユニット、状態B(第2の未故障状態)の未故障ユニット、または、状態C(第3の未故障状態)の未故障ユニットであるかを判定する。
まず、図3を参照して、ユニット状態判定部131bが、故障ユニット、状態Aの未故障ユニットを判定する場合について説明する。図3は、ユニット状態判定部131bの処理を説明するための図であり、図2の点検データD1の一部データであるデータD2を示している。
たとえば、劣化状態の判定が、ある基準によって、複数の劣化ランク(劣化度)に分けられている場合を例に説明する。具体的には、劣化状態に応じて、1〜5の劣化ランクに分けられるとする。数字が大きくなるにしたがって劣化度が大きくなり、最も劣化の小さいものが1、最も劣化の大きいものが5である。ただし、劣化ランク1でも、何らかの劣化がある状態を示しており、劣化がないという状態ではない。
また、各計測単位の最大の劣化を基に分析したい場合には、一つのユニットに含まれている故障・劣化データのうち、最も劣化ランクの大きい値を、代表値として選択する。そして、この場合には、劣化ランク5のみを故障ユニットとみなし、劣化ランク1〜4は未故障ユニットとみなされる。そして、故障・劣化データが欠損しているユニットは、未故障ユニットとみなされる。
例えば、図3の例では、ユニット(0001),(0002),(0004)では、故障・劣化データが欠損している。このため、ユニット状態判定部131bは、ユニット(0001),(0002),(0004)を、未故障ユニットと判定する。
ユニット(0005)に劣化ランク5の劣化が含まれている。ユニット状態判定部131bは、このユニット(0005)には、劣化ランク5の劣化が含まれているため(矢印Y10参照)、故障ユニットであると判定する(矢印Y11参照)。言い換えると、劣化度を含むユニットのうち所定の劣化度が含まれているユニット(0005)を故障ユニットと判定する。
そして、ユニット(0003)に劣化ランク1,3,4の3か所の劣化が含まれている。ユニット状態判定部131bは、このユニット(0003)には、劣化ランク5の劣化がないため(矢印Y12参照)、未故障ユニットであると判定する(矢印Y13参照)。ここで、ユニット状態判定部131bは、劣化ランクの値が含まれるユニットであるため、このユニット(0003)の状態は、劣化ランクの値がある未故障状態(状態A)と判定する。言い換えると、劣化度を含むユニットのうち所定の劣化度が劣化度の中に含まれていないユニットを状態Aの未故障ユニットと判定する。
したがって、図3の例では、ユニット状態判定部131bは、ユニット(0005)を故障ユニットと判定し、ユニット(0001)〜(0004)を未故障ユニットと判定するとともに、このうちの、ユニット(0003)を状態Aの未故障ユニットと判定する。
なお、分析目的や管理対象の設備の性状等に応じて、ユニットごとに故障状態の判定基準となる劣化ランクを変えてもよい。また、上記の方法以外にも、分析の目的や管理対象の設備の性状等に応じて、故障状態、未故障状態の判断方法は、複数考えられる。例えば、平均的な劣化度合いを基に分析したい場合には、一つのユニットに含まれる故障・劣化データの平均値を選択することも考えられる。また、他の統計量(最小値、中央値、最頻値、重みづけ平均値等)も、選択肢となる。そして、故障・劣化データが数値ではない場合には、劣化度合い、或いは、劣化度合いの順列に応じて数値変換すれば、上述の平均値等の算出を行うことができ、ユニットの状態の判断も可能になる。
もちろん、故障・劣化データを含むユニットを全て故障ユニットと判定してもよい。この場合には、図4に示すように、ユニット状態判定部131bは、個数によらず、故障・劣化箇所を含むユニット(0003),(0005)を、故障ユニットと判定する。もちろん、ユニット状態判定部131bは、故障・劣化箇所を一つも含まないユニット(0001),(0002),(0004)を、未故障ユニットと判定する。
次に、図5を参照して、ユニット状態判定部131bが状態Bの未故障ユニットを判定する場合について説明する。図5は、ユニット状態判定部131bの処理を説明するための図であり、図2の点検データD1の一部データであるデータD3を示している。
例えば、連続するユニット群(0004)〜(0121)を例に説明する。このユニット群(0004)〜(0121)は、故障・劣化データが欠損しているため、未故障ユニットである(図5の(1)参照)。ユニット状態判定部131bは、このような故障・劣化データが欠損している未故障ユニット群については、該ユニット群の両端にそれぞれ隣接するユニットの故障・劣化データを基に該ユニット群の状態を判定する。
具体的には、まず、ユニット状態判定部131bは、このユニット群(0004)〜(0121)に対し、該ユニット群(0004)〜(0121)の両端にそれぞれ隣接する故障・劣化データが示されているユニットを求める。矢印A1に示す方向が、想定する点検実施方向である場合には、ユニット群(0004)〜(0121)に対し、故障・劣化データが示されている左端に隣接するユニットとして、ユニット(0003)が求まり、故障・劣化データが示されている右端に隣接するユニットとして、ユニット(0122)が求まる。次いで、ユニット状態判定部131bは、このユニット(0003),(0122)の建設年月日と点検年月日とがいずれも同一であるか否かを判断する。
ここで、トンネル状設備は、端から順に点検を行うことが一般的であると考えられることから、ある範囲のユニット群では、最新の点検年月日がいずれも同じである可能性が高い。このため、連続する未故障ユニット群の両端にそれぞれ隣接する故障・劣化データが示されているユニットにおいて、建設年月日と点検年月日が同一であれば、この両端にそれぞれ隣接する故障ユニットに挟まれた未故障ユニット群も、この両端にそれぞれ隣接するユニットにおける建設年月日と点検年月日と同等であると考えられる。すなわち、この両端にそれぞれ隣接する故障ユニットに挟まれた未故障ユニット群も、このユニット群の両端にそれぞれ隣接するユニットと同等の劣化状態であるとみなすことができる。
したがって、ユニット状態判定部131bは、ユニット群(0004)〜(0121)の両端にそれぞれ隣接するユニット(0003),(0122)が、同じ建設年月日、かつ、同じ点検年月日の故障データを代表値とするユニットであると判断した場合(図5の(2)参照)、ユニット群(0004)〜(0121)を、この両端にそれぞれ隣接するユニット(0003),(0122)と同等の劣化状態であるとみなすことができる(図5の(3)参照)状態Bの未故障ユニットと判定する(図5の(4)参照)。
つまり、ユニット状態判定部131bは、劣化度を含まない未故障状態のユニット群のうち、該ユニット群の両端にそれぞれ隣接するユニットの管理対象物及び点検に関する所定のパラメータ、すなわち、建設年月日と点検年月日とが同一であるユニット群を状態Bの未故障ユニットと判定する。
続いて、図6を参照して、ユニット状態判定部131bが状態Cの未故障ユニットを判定する場合について説明する。図6は、ユニット状態判定部131bの処理を説明するための図であり、図2の点検データD1の一部データであるデータD4を示している。
例えば、連続するユニット群(0204)〜(0321)を例に説明する。このユニット群(0204)〜(0321)は、故障・劣化データが欠損しているため、未故障ユニットである(図6の(1)参照)。
このような故障・劣化データが欠損している未故障ユニット群については、ユニット状態判定部131bは、図5を用いて説明した処理と同様に、このユニット群(0204)〜(0321)に対し、このユニット群の両端にそれぞれ隣接する故障・劣化データが示されているユニットを求める。この場合には、ユニット群(0204)〜(0321)に対する両端にそれぞれ隣接するユニットとして、ユニット(0203),(0322)が求まる。次いで、ユニット状態判定部131bは、このユニット(0203),(0322)の建設年月日と点検年月日とがいずれも同一であるか否かを判断する。
ユニット状態判定部131bは、ユニット群(0204)〜(0321)の両端にそれぞれ隣接するユニット(0203),(0322)が、建設年月日と点検年月日のどちらか、或いは、双方が異なる故障データを代表値とするユニットであると判断した場合(図5の(2)参照)、ユニット群(0204)〜(0321)を、このユニット群の両端にそれぞれ隣接するユニット(0203),(0322)と同等の劣化状態であるとみなすことができないため、状態Cの未故障ユニットと判定する(図5の(3)参照)。
そして、特性値推定部131cは、ユニット状態判定部131bが判定した各ユニットの状態に対応させて、信頼性分析のために要する特性値を推定する。
[特性値推定部の処理]
次に、特性値推定部131cの処理について説明する。ここでは、特性値推定部131cが推定する特性値として、使用年数を推定する場合を例に説明する。使用年数は、それぞれのユニットにおいて採用された故障・劣化箇所の使用時間であり、分析部132においてMTTFを算出するために用いられる。
まず、故障ユニットの使用年数を求める場合について説明する。このユニットは、既に故障状態であるため、特性値推定部131cは、該ユニットを含む管理対象物の建設年月日と、ユニット内で故障と判定された故障・劣化箇所の点検年月日のデータから使用年数を求める。具体的には、特性値推定部131cは、故障ユニットについて、点検データに記録されている建設年月日と、点検年月日との間の時間的長さを、使用年数として求める。なお、複数の故障・劣化状態の平均値、最大値等で劣化ランクの代表値を求める場合は、故障ユニットについての使用年数も同様に平均値、最大値等とすればよい。
次に、状態Aの未故障ユニットの使用年数を推定する場合について説明する。この未故障ユニットは、劣化ランクが示されていて、そのうち、故障と判断されない劣化ランクを含むものである。したがって、特性値推定部131cは、管理対象物の劣化進行状態を示す関数等を用いて、該ユニットを含む管理対象物の建設年月日と点検年月日と該ユニットの劣化ランクとを基に、故障と判断されるまでの使用年数を推定する。なお、この場合も、複数の故障・劣化状態の平均値、最大値等で劣化ランクの代表値を求めるときには、状態Aの未故障ユニットについての使用年数も同様に平均値、最大値等とすればよい。
そして、状態Bの未故障ユニット群の使用年数を推定する場合について説明する。この状態Bの未故障ユニット群は、建設年月日と点検年月日とがいずれも同一である、該未故障ユニット群の両端にそれぞれ隣接するユニットと同等とみなすことができる。このため、特性値推定部131cは、状態Bの未故障ユニット群については、状態Bの未故障ユニット群の両端にそれぞれ隣接するユニットの使用年数を採用する。例えば、図5に示す状態Bの未故障ユニット群(0004)〜(0121)については、特性値推定部131cは、これらの未故障ユニット群(0004)〜(0121)の両端にそれぞれ隣接するユニット(0003),(0122)の使用年数を、未故障ユニット(0004)〜(0121)の使用年数として採用する。
さらに、状態Cの未故障ユニット群の使用年数を推定する場合について説明する。この状態Cの未故障ユニット群は、この未故障ユニット群の両端にそれぞれ隣接するユニットの建設年月日と点検年月日とのいずれかが少なくとも異なるため、この状態Cの未故障ユニット群の両端にそれぞれ隣接するユニットと同等とみなすことができない。したがって、この状態Cの未故障ユニット群は、点検データに記録されている故障・劣化箇所の数の、特性値に対する分布から、状態Cの未故障ユニット群の使用年数を求める(図6の(4)参照)。
そこで、この状態Cの未故障ユニット群の使用年数を求めるための処理について詳細に説明する。特性値推定部131cは、状態Cの未故障ユニット群について、点検データに記録されている故障・劣化箇所の数の、特性値に対する分布を求め、該求めた分布に対する近似曲線を基に状態Cの未故障ユニットの使用年数を推定する。言い換えると、特性値推定部131cは、もともと記録されている点検データの使用年数に対する故障・劣化箇所数の特性値に対応する分布形状に一致するように、該ユニット群以外のユニットについての特性値に対するユニット数の分布データを用いて、故障状態及び状態Cの未故障ユニットの使用年数を決めていく。
具体的に、図7を参照して、説明する。図7は、図1に示す特性値推定部131cの処理を説明するための図である。図7の(a)は、点検データに記録されている故障・劣化箇所の数の、特性値に対する分布を示す図である。図7の(b)は、上述した全ての状態の使用年数に対する割合の分布を示す図である。まず、特性値推定部131cは、点検データに記録されている各故障・劣化箇所の使用年数を求め、故障・劣化箇所の使用年数に対する故障・劣化箇所の数の分布(図7の(a)の棒グラフ)を求める(図7の(1)参照)。
続いて、特性値推定部131cは、故障・劣化箇所の使用年数に対する故障・劣化箇所の数の分布を示す棒グラフに対し、形状的に一致する近似曲線L1を求める(図7(a)の(2)参照)。
ここで、点検データに記録されている点検年月日(使用年数)ごとの故障個所の数の分布形状と、同じく点検年月日ごとの点検された使用年数に対するユニット数の分布形状は、ほぼ一致すると考えられる。これは、各点検年月日において点検が行われた距離(すなわち、ユニット数)と、その日に記録される故障・劣化データ数は、正の比例関係にあると考えられるからである。
このため、特性値推定部131cは、特性値生成対象の点検データについても、使用年数に対するユニット数の分布形状は、図7の(a)に示す分布形状とほぼ一致すると推定する。
そこで、図7の(b)において示す全ての状態の使用年数に対する割合の分布を求めるために、近似曲線と同形状のL1´を求め、該近似曲線L1´と一致する全ユニットの使用年数に対する分布形状(図7の(b)の棒グラフ)を求める(図7の(3)参照)。
そして、本実施の形態1では、故障ユニット及び状態A,Bの未故障ユニットの使用年数については、上述したように使用年数が決定或いは推定できるため、故障ユニット及び状態A,Bの未故障ユニットの使用年数に対するユニット数の分布データを求めることができる。このため、特性値推定部131cは、決定或いは推定した故障ユニット及び状態A,Bの未故障ユニットの各使用年数を基に、故障ユニット及び状態A,Bの未故障ユニットの各使用年数に対するユニット数の割合の分布(図7の(b)の棒グラフ白抜き部分)を求める(図7の(4)参照)。
例えば、特性値推定部131cは、ユニットの各使用年数区分におけるユニット数を変数として、ユニット全体数に対する割合を算出する。そして、特性値推定部131cは、算出した割合を、対応する近似曲線(確率分布)L1´の各使用年数区分における割合に最も近づくよう、最少二乗法や最尤法等を行うことによって、点検データの全ユニットの使用年数に対するユニット数の割合の分布を近似曲線L1´に一致させる。
続いて、特性値推定部131cは、故障ユニット及び状態A,Bの未故障ユニットの各使用年数に対するユニット数の割合の分布(図7の(b)の棒グラフ白抜き部分)と、近似曲線L1´に最も一致する特性値に対するユニット数の割合の分布((図7の(b)の棒グラフ)とを比較することによって、近似曲線L1´に最も近づく状態Cの未故障ユニット群全体についての、特性値に対するユニット数の割合の分布(図7の(b)の棒グラフハッチング部分)を求める(図7の(5)参照)。
言い換えると、特性値推定部131cは、使用年数が判別できた故障ユニット及び状態A,Bの未故障ユニットについての使用年数に対するユニット数の分布データを用いて、使用年数が判別できた故障ユニット及び状態A,Bの未故障ユニット及び状態Cの未故障ユニットの全てを含めた全ユニットの使用年数に対する分布形状が、近似曲線L1´とできる限り一致するような状態Cの未故障ユニット群の使用年数の分布データを求める。
このように求めた使用年数は、状態Cの未故障ユニット群全体に対する使用年数である。例えば、状態Cの未故障ユニット群が100ユニットあり、これら100ユニットのうち、上記の処理を行った結果、使用年数が30年のものが55ユニット、使用年数が38年のものが45ユニットと算出されたとする。この結果は、あくまでも、状態Cの100の未故障ユニット群の全体に対する結果であり、どの位置のユニットにどの使用年数が当てはまるかを示すものではない。ただし、このような使用年数とユニットとのそれぞれの組み合わせ情報がなくとも、分析対象である一つのトンネル状設備における故障ユニットと未故障ユニットとの使用年数とその数が決定されれば、累積ハザード分析等による信頼性分析を行うことができる。
このように、特性値推定部131cは、劣化度が示されていないユニットについても特性値を推定し、各特性値に対するユニット数の分布情報を示すデータを、管理対象物の信頼性分析用のデータとして生成して、分析部132に出力する。
なお、状態Cの未故障ユニットの使用年数を求めるときに、各使用年数の数の、全使用年数に対する割合を用いて、同様の処理を行ってもよい。
また、確率分布は、連続値をとることから、状態Cの未故障ユニットの使用年数として導かれた数値が、使用年数が確定している他の状態のユニットの使用年数の数値と一致しない場合が考えられる。この場合には、状態Cの未故障ユニットの使用年数として導かれた数値を、使用年数が確定しているユニットの使用年数のうちから最も近い使用年数に置き換えてもよい。なお、確率分布ではなく、使用年数の数の、全使用年数に対する割合を用いて状態Cの未故障ユニットの使用年数を推定した場合には、置き換え処理は特に必要ない。
また、上記の処理では、故障ユニット、及び、状態A,B,Cの未故障ユニットの使用年数を求め、該求めた使用年数をユニットに対応付けた例を説明したが、他の特性値を求める場合にも適用することができる。
また、計測単位が長さによるユニットではなく、グリッド等の他の単位とした場合には、ユニットをグリッドに置き換えることで同様に分析が可能となる。
[分析装置の処理の流れ]
次に、分析装置10の処理の流れについて説明する。図8は、図1に示す分析装置における分析処理の処理手順を示すフローチャートである。
図8に示すように、分析用データ生成部131が、分析対象となる管理対象物の点検データから、該管理対象物の平均寿命等を求めるための分析用データを生成する分析用データ生成処理を行う(ステップS1)。そして、分析部132は、分析用データ生成部131から生成された分析用データを用いて、管理対象物の平均寿命等の信頼性分析処理を行う(ステップS2)。
[分析用データ生成処理の流れ]
次に、図8に示す分析用データ生成処理の流れについて説明する。図9は、図8に示す分析用データ生成処理の処理手順を示すフローチャートである。
図9に示すように、分析用データ生成部131は、まず、分析対象の管理対象物の点検データを取得する点検データ取得処理を行う(ステップS11)。ここで、分析用データ生成部131が取得した点検データは、故障データとして劣化度が示されたものであり、未故障データが欠損しているものである。
続いて、ユニット設定部131aは、ステップS11において取得した点検データに対し、管理対象物に応じたユニットを設定するユニット設定処理を行う(ステップS12)。続いて、ユニット状態判定部131bは、ユニットにおける劣化度の有無、及び、該ユニットに含まれる劣化度を基に、ユニットが故障ユニットまたは未故障ユニットであるかを判定するユニット状態判定処理を行う(ステップS13)。この処理において、ユニット状態判定部131bは、各ユニットを、故障ユニット或いは状態A〜Cの未故障ユニットのいずれかであると判定する。
そして、特性値推定部131cは、少なくとも点検データに示された劣化度を基に各ユニットの特性値を推定する特性値推定処理を行う(ステップS14)。そして、特性値推定部131cは、ステップS14における推定結果を基に、各特性値に対するユニット数の分布情報を示すデータを、管理対象物の信頼性分析用のデータとして生成して、分析部132に出力する出力処理を行う(ステップS15)。
[ユニット状態判定処理の流れ]
次に、図9に示すユニット状態判定処理の流れについて説明する。図10は、図9に示すユニット状態判定処理の処理手順を示すフローチャートである。
図10に示すように、ユニット状態判定部131bは、まず、判定対象のユニットに対して、故障・劣化データがあるか否かを判断する(ステップS21)。
ユニット状態判定部131bは、このユニットに、故障・劣化データがあると判断した場合には(ステップS21:Yes)、この故障・劣化データに含まれる劣化ランクに、故障扱いとなる劣化ランクがあるか否かを判断する(ステップS22)。
ユニット状態判定部131bは、このユニットの故障・劣化データに故障扱いとなる劣化ランクがあると判断した場合(ステップS22:Yes)、このユニットを故障ユニットと判定する(ステップS23)。
一方、ユニット状態判定部131bは、このユニットの故障・劣化データに故障扱いとなる劣化ランクがないと判断した場合(ステップS22:No)、このユニットを状態Aの未故障ユニットと判定する(ステップS24)。
これに対し、ユニット状態判定部131bは、このユニットに、故障・劣化データがないと判断した場合(ステップS21:No)には、以下の処理を行う。なお、故障・劣化データがないユニットが連続する場合には、この連続する故障・劣化データがないユニット群に対して以下の処理を行う。まず、ユニット状態判定部131bは、故障・劣化データがある他のユニットのうち、このユニット群に対して、最も位置が近い前のユニット及び後のユニット、すなわち、故障・劣化データがないユニット群の両端にそれぞれ隣接するユニットの建設年月日及び点検年月日を取得する(ステップS25)。続いて、ユニット状態判定部131bは、取得した両端にそれぞれ隣接するユニットの建設年月日及び点検年月日はいずれも同一であるか否かを判断する(ステップS26)。
ユニット状態判定部131bは、ユニット群の両端にそれぞれ隣接するユニットの建設年月日及び点検年月日はいずれも同一であると判断した場合(ステップS26:Yes)、このユニットを状態Bの未故障ユニットと判定する(ステップS27)。
一方、ユニット状態判定部131bは、ユニット群の両端にそれぞれ隣接するユニットの建設年月日及び点検年月日の少なくともいずれか一つが異なると判断した場合(ステップS26:No)、このユニットを状態Cの未故障ユニットと判定する(ステップS28)。
そして、ユニット状態判定部131bは、次の判定対象のユニットがあるか否かを判断する(ステップS29)。ユニット状態判定部131bは、次の判定対象のユニットがあると判断した場合には(ステップS29:Yes)、ステップS21に戻り、該ユニットに対して状態判定を行う。ユニット状態判定部131bは、次の判定対象のユニットがないと判断した場合には(ステップS29:No)、点検データの各ユニットに、判定した状態を識別する情報を対応付けて、特性値推定部131cに出力し、ユニット状態判定処理を終了する。
[特性値推定処理の流れ]
次に、図9に示す特性値推定処理の流れについて説明する。図11は、図9に示す特性値推定処理の処理手順を示すフローチャートである。図11では、特性値として使用年数を求める場合について示す。
まず、特性値推定部131cは、特性値推定対象のユニットが故障ユニットであるか否かを判断する(ステップS31)。特性値推定部131cは、このユニットが故障ユニットであると判断した場合(ステップS31:Yes)、この故障ユニットについて、点検データに記録されている建設年月日と点検年月日との間の時間的長さを、使用年数とする(ステップS32)。
これに対し、特性値推定部131cは、特性値推定対象のユニットが故障ユニットでないと判断した場合(ステップS31:No)、このユニットが未故障ユニットであると判断して、未故障ユニットの状態A〜Cのいずれであるかを判断する(ステップS33)。
特性値推定部131cは、このユニットが状態Aの未故障ユニットであると判断した場合(ステップS33:A)、この状態Aの未故障ユニットについて、点検データに記録されている建設年月日、点検年月日及び劣化度を基に使用年数を推定する(ステップS34)。
特性値推定部131cは、このユニットが状態Bの未故障ユニットであると判断した場合(ステップS33:B)、この状態Bのユニットは、建設年月日と点検年月日とがいずれも同一である、該未故障ユニット群の両端にそれぞれ隣接するユニットと同等とみなし(ステップS35)、該両端にそれぞれ隣接するユニットと同じ使用年数を採用する(ステップS36)。
特性値推定部131cは、このユニットが状態Cの未故障ユニットであると判断した場合(ステップS33:C)、該未故障ユニット群の両端にそれぞれ隣接するユニットと同じ使用年数は採用できないため、点検データに記録されている故障・劣化箇所、及び、各箇所の使用年数を点検データ記憶部121から取得する(ステップS37)。そして、特性値推定部131cは、この取得したデータから、点検データに記録されている故障・劣化箇所、及び、各箇所の使用年数に対する故障・劣化箇所数の分布を求める(ステップS38)。続いて、特性値推定部131cは、該求めた分布に対する近似曲線を求める(ステップS39)。
そして、特性値推定部131cは、故障ユニット、状態A,Bの未故障ユニットの使用年数を取得する(ステップS40)。したがって、特性値推定部131cは、他の故障ユニット、状態A,Bの未故障ユニットの全てに対して使用年数を推定した後に、状態Cの未故障ユニット群に対する使用年数の推定処理を実行する。
続いて、特性値推定部131cは、近似曲線に最も一致する使用年数に対するユニット数の分布データと、故障ユニット、状態A,Bの未故障ユニットの使用年数に対するユニット数の分布データと、を比較する近似曲線との比較処理(ステップS41)を行う。特性値推定部131cは、近似曲線に最も近づくよう、状態Cの未故障ユニット群の特性値に対する分布を求め、これによって、該状態Cの未故障ユニット群の使用年数を推定する(ステップS42)。
[実施の形態1の効果]
上記において例示した点検データには、未故障データ(未故障箇所)そのものが記録されていないため、故障データ(故障箇所)及び未故障データを含む点検データを用いて故障ユニットの使用年数(特性値)を求めたものと同じ方法で使用年数を求めることが難しい。特に、実施の形態1のように、長大な設備の場合、劣化の具合等によって点検の進捗が大きく左右され、「どの位置まで点検済みであるか」といった記録が明確ではない場合、どこまでが同じ点検年月日であるのかを判断することが困難となるためである。
そこで、本実施の形態1では、まず、分析目的や対象設備の性状等に対応させて点検データのユニットを設定することによって、補完対象である欠損した未故障データの数を精度よく定めることができる。
そして、本実施の形態1では、点検データをユニットで区切ることによって、ユニット単位で故障・劣化の度合い(劣化ランク)の決定方法を設定することができ、分析目的や対象設備の性状に応じた使用年数を得ることができる。
また、実施の形態1では、故障・劣化データが欠損している未故障状態のユニット群については、該ユニット群の両端にそれぞれ隣接するユニットの管理対象物及び点検に関する所定のパラメータが同一である場合には、両端にそれぞれ隣接するユニットの特性値を基に該ユニット群の特性値を推定して補完し、該ユニット群の両端にそれぞれ隣接するユニットの管理対象物及び点検に関する所定のパラメータが異なる場合には、点検データに記録されている各特性値に対する劣化箇所数の分布を求め、該求めた分布に対する近似曲線を基に特性値を推定して補完している。
したがって、本実施の形態1に係る分析装置10では、点検データに未故障データそのものが含まれていない場合であっても、未故障データ部分を精度よく補完して、信頼性分析で必要とされるデータを適切に生成することができる。そして、この未故障データ部分が適切に補完されたデータを用いることによって、分析部132での分析精度も高めることができ、これに伴い、社会機能の維持やインフラストラクチャのメンテナンスコスト削減に寄与することができる。
[他の実施の形態]
[システム構成等]
図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
[プログラム]
図12は、プログラムが実行されることにより、分析装置10が実現されるコンピュータの一例を示す図である。コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010、CPU1020を有する。また、コンピュータ1000は、ハードディスクドライブインタフェース1030、ディスクドライブインタフェース1040、シリアルポートインタフェース1050、ビデオアダプタ1060、ネットワークインタフェース1070を有する。これらの各部は、バス1080によって接続される。
メモリ1010は、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、分析装置10の各処理を規定するプログラムは、コンピュータ1000により実行可能なコードが記述されたプログラムモジュール1093として実装される。プログラムモジュール1093は、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。例えば、分析装置10における機能構成と同様の処理を実行するためのプログラムモジュール1093が、ハードディスクドライブ1090に記憶される。なお、ハードディスクドライブ1090は、SSD(Solid State Drive)により代替されてもよい。
また、上述した実施形態の処理で用いられる設定データは、プログラムデータ1094として、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出して実行する。
なお、プログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限らず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ1100等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN、WAN等)を介して接続された他のコンピュータに記憶されてもよい。そして、プログラムモジュール1093及びプログラムデータ1094は、他のコンピュータから、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
以上、本発明者によってなされた発明を適用した実施形態について説明したが、本実施形態による本発明の開示の一部をなす記述及び図面により本発明は限定されることはない。すなわち、本実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例及び運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
10 分析装置
11 入力部
12 記憶部
13 制御部
14 出力部
121 点検データ記憶部
131 分析用データ生成部
131a ユニット設定部
131b ユニット状態判定部
131c 特性値推定部

Claims (6)

  1. 管理対象物に対して実行された点検についての点検データであって、点検年月日と劣化度と位置情報とが対応付けられた点検データに対し、前記管理対象物に応じて計測単位であるユニットを設定する設定部と、
    少なくとも前記劣化度を含まない前記ユニットを未故障状態であると判定する判定部と、
    前記劣化度を含むユニットについては、前記管理対象物の建築年月日、前記点検データの点検年月日及び該ユニットの前記劣化度を基に特性値を推定し、前記劣化度を含まない未故障状態のユニット群については、該ユニット群の両端にそれぞれ隣接する前記ユニットの管理対象物及び点検に関する所定のパラメータが同一である場合には、前記両端にそれぞれ隣接するユニットの前記特性値を基に該ユニット群の前記特性値を推定して補完し、該ユニット群の両端にそれぞれ隣接する前記ユニットの管理対象物及び点検に関する所定のパラメータが異なる場合には、前記点検データに記録されている各特性値に対する劣化箇所数の分布を求め、該求めた分布に対する近似曲線を基に前記特性値を推定して補完する推定部と、
    を有することを特徴とするデータ補完装置。
  2. 前記推定部は、前記劣化度を含まない未故障状態のユニット群のうち、該ユニット群の両端にそれぞれ隣接する前記ユニットの管理対象物及び点検に関する所定のパラメータが異なるユニット群については、該ユニット群以外のユニットについての前記特性値に対するユニット数の分布データと、前記近似曲線に最も一致する前記特性値に対するユニット数の分布データとを比較することによって、該ユニット群についての前記特性値に対するユニット数の分布データを求めることを特徴とする請求項1に記載のデータ補完装置。
  3. 前記判定部は、前記劣化度を含むユニットのうち所定の劣化度が含まれている前記ユニット群を故障状態のユニット群と判定し、前記劣化度を含むユニットのうち前記所定の劣化度が前記劣化度の中に含まれていない前記ユニット群を第1の未故障状態のユニット群と判定し、前記劣化度を含まない未故障状態のユニット群のうち、該ユニット群の両端にそれぞれ隣接する前記ユニットの管理対象物及び点検に関する所定のパラメータが同一であるユニット群を第2の未故障状態のユニットと判定し、前記劣化度を含まない未故障状態のユニット群のうち、該ユニット群の両端にそれぞれ隣接する前記ユニットの管理対象物及び点検に関する所定のパラメータが異なるユニット群を第3の未故障状態のユニットと判定し、
    前記推定部は、前記故障状態のユニット群については、前記管理対象物の建設年月日及び前記点検データの点検年月日を基に前記特性値を取得し、前記第1の未故障状態のユニット群については、前記管理対象物の建設年月日、前記点検データの点検年月日及び該ユニットの劣化度を基に前記特性値を推定し、前記第2の未故障状態のユニット群については、該ユニット群の両端にそれぞれ隣接する前記ユニットの特性値を該ユニット群の特性値と推定し、前記第3の未故障状態のユニット群については、前記故障状態と前記第1の未故障状態と前記第2の未故障状態とのユニットについての特性値に対するユニット数の分布データを用いて、前記近似曲線に最も近づく前記第3の未故障状態の全ユニットの特性値に対する分布を求めることを特徴とする請求項2に記載のデータ補完装置。
  4. 前記推定部は、各特性値に対する前記ユニット数の分布情報を示すデータを、前記管理対象物の信頼性分析用のデータとして生成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のデータ補完装置。
  5. 前記特性値は、使用年数であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のデータ補完装置。
  6. 管理対象物に対して実行された点検についての点検データを補完するデータ補完装置が実行するデータ補完方法であって、
    前記データ補完装置は、前記管理対象物に対して各期間に実行された点検データとして、点検年月日と劣化度と位置情報とが対応付けられた点検データを記憶する記憶部を有し、
    前記データ補完装置が、前記点検データに対し、前記管理対象物に応じて計測単位であるユニットを設定する工程と、
    前記データ補完装置が、少なくとも前記劣化度を含まない前記ユニットを未故障状態であると判定する工程と、
    前記データ補完装置が、前記劣化度を含むユニットについては、前記管理対象物の建築年月日、前記点検データの点検年月日及び該ユニットの前記劣化度を基に特性値を推定し、前記劣化度を含まない未故障状態のユニット群については、該ユニット群の両端にそれぞれ隣接する前記ユニットの管理対象物及び点検に関する所定のパラメータが同一である場合には、前記両端にそれぞれ隣接するユニットの特性値を基に該ユニット群の前記特性値を推定して補完し、該ユニット群の両端にそれぞれ隣接する前記ユニットの管理対象物及び点検に関する所定のパラメータが異なる場合には、前記点検データに記録されている各特性値に対する劣化箇所数の分布を求め、該求めた分布に対する近似曲線を基に前記特性値を推定して補完する工程と、
    を含んだことを特徴とするデータ補完方法。
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