JP6460684B2 - 白米 - Google Patents

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Description

本発明は、フェノール性成分の含有量を高めた白米に関する。
米糠には種々の生理機能性物質が豊富に含まれており、米糠を有する玄米を食することで、血糖上昇が抑えられたり、肥満が改善されたりすることが知られている。しかし、玄米は米糠特有の臭い(糠臭)を有し、また、白米に比べて硬く食感に劣るため、白米を食べ慣れた人が玄米を継続的に摂取するのは簡単ではない。
これまでに、米糠等の胚乳以外の部位に存在する成分を胚乳へと移行させて白米の生理的な機能性を高める方法がいくつか提案されている。
例えば特許文献1には、籾米を発芽させ、発芽させた籾米をボイルし、ボイルした籾米を乾燥させ、その籾米から籾殻を除去し、籾殻を除去した玄米を精米して栄養価の高い白米を製造する方法が記載されている。
また、特許文献2には、籾米を水中に浸漬して含水率を30%以上とし、100℃の飽和蒸気に45分以上曝して、糠に多量に含まれるビタミン等の栄養素を米実部分に移行させることが記載されている。
また、特許文献3には、平均含水率が30重量%以上32重量%以下の未発芽状態の籾を、52℃以上80℃以下の処理温度に加熱し、この処理温度の範囲で所定時間にわたって保温することで、胚乳部においてγ−アミノ酪酸を富化させることが記載されている。
特開2012−50350号公報 特開2010−246444号公報 国際公開第2010/106611号パンフレット
米糠に含まれる機能性成分としては、不溶性食物繊維の他、フェルラ酸等の親水性フェノール性成分、γ−オリザノール等の親油性フェノール性成分、植物ステロール、トリテルペノイド、トコトリエノール等が知られている。なかでもフェノール性成分は、抗酸化作用をはじめ、抗肥満作用、コレステロール低減作用、抗アレルギー作用、抗ガン作用、血圧上昇抑制作用といった機能性が知られており、フェノール性成分の積極的な摂取による健康増進効果が期待されている。しかし、上記特許文献に記載の方法では、米糠中のフェノール性成分を胚乳へと十分に移行させることができず、当該白米を摂取するだけではフェノール性成分を十分に摂取することはできない。
本発明は、親水性フェノール性成分と親油性フェノール性成分の双方を豊富に含む白米、及びその製造方法の提供に関する。
本発明者らは、米糠中に存在するフェノール性成分を豊富に含む白米を製造すべく鋭意検討を重ねた。その結果、玄米に特定の処理を施すことにより、米糠中のフェノール性成分を、その親水性/親油性を問わず胚乳へと効率的に移行させることに成功した。
本発明は、これらの知見に基づきさらに検討を重ねて完成させるに至ったものである。
本発明は、親水性フェノール性成分の含有量が0.04質量%以上であり、且つ、γ−オリザノールの含有量が0.0073質量%以上である白米を提供するものである。
また、本発明は、下記工程(a)〜(c)を含む、上記本発明の白米の製造方法を提供するものである:
(a)玄米をアルコール含有溶液の存在下で100〜150℃の湿熱処理に付する工程、
(b)湿熱処理に付した玄米を乾燥させる工程、及び
(c)乾燥させた玄米を搗精する工程。
本発明の白米は、白米の風味と食感を損なわずに、フェルラ酸等の親水性フェノール性成分の含有量と、親油性フェノール性成分であるγ−オリザノールの含有量がいずれも特定量以上に高められている。
また、本発明の白米の製造方法によれば、フェルラ酸等の親水性フェノール性成分の含有量と、親油性フェノール性成分であるγ−オリザノールの含有量がいずれも特定量以上に高められた白米を効率的に製造することができる。
本発明の白米について以下に詳細に説明する。
本発明において「フェノール性成分」とは、フェノール性水酸基を有する化合物を意味する。本発明の白米中には、元々胚乳中に存在するフェノール性成分に加えて、米糠に由来するフェノール性成分が豊富に含まれる。米糠に由来するフェノール性成分の代表的なものとして、例えば、フェルラ酸(3−メトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸)、バニリン酸(4−ヒドロキシ−3−メトキシ安息香酸)、シリンガ酸(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシ安息香酸)、p−クマル酸(3−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロペノン酸)、シナピン酸(3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸)等の親水性フェノール性成分や、γ−オリザノール等の親油性フェノール性成分を挙げることができる。
本発明において「親水性フェノール性成分」とは、水/アセトン=50/50(体積比)の溶媒(pH7.0)中に抽出されるフェノール性成分を意味し、当該溶媒中に抽出されず、上記親水性フェノール性成分よりも親油性の高いフェノール性成分を「親油性フェノール性成分」という。
本発明の白米中に存在する親水性フェノール性成分の含有量は0.04質量%以上である。白米に対してより高い生理機能を発現させる観点から、本発明の白米中に存在する親水性フェノール性成分の含有量は0.045質量%以上であることが好ましく、0.05質量%以上であることがより好ましい。また、本発明の白米中に存在する親水性フェノール性成分の含有量の上限に特に制限はないが、米糠からフェノール性成分を移行させることを考慮すると、通常は0.1質量%以下である。
白米中の親水性フェノール性成分の含有量は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
また、本発明の白米に含まれる親水性フェノール性成分の1.80〜7.00質量%、好ましくは2.00〜6.00質量%、より好ましくは2.75〜5.00質量%、さらに好ましくは3.20〜4.60質量%がフェルラ酸であることが好ましい。
親水性フェノール性成分中のフェルラ酸の含有量は、水/アセトン=50/50(体積比)の溶媒(pH7.0)を用いて、後述する実施例に記載の方法で抽出された親水性フェノール性成分の抽出液を調製し、これを減圧濃縮してアセトンを留去し、続いて水酸化ナトリウムを加えて抽出物を加水分解した後、塩酸で酸性(pH2)に調整し、これにジエチルエーテル/酢酸エチル=1:1(体積比)の溶媒を加えて振とうして有機相にフェルラ酸を抽出し、C18(ODS)系カラムを用いて高速液体クロマトグラフィーで分析することで決定することができる。
本発明の白米に含まれるγ−オリザノールとは、米糠中に豊富に存在する物質で、フェルラ酸に植物ステロールがエステル結合した物質の総称である。上記植物性ステロールは、トリテルペンアルコールであってもよいし、トリテルペンアルコール以外の植物性ステロール(例えば、α−シトステロール、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、α−シトスタノール、β−シトスタノール、スチグマスタノール、カンペスタノール、ブラシカステロール、フコステロール、イソフコステロール、スピナステロール、アベナステロール)であってもよい。
本発明の白米には、γ−オリザノールとして好ましくは、シクロアルテノ−ルフェルラ酸エステル、24−メチレンシクロアルタノールフェルラ酸エステル、シクロブラノールフェルラ酸エステル、シクロサドールフェルラ酸エステル、β−シトステロールフェルラ酸エステル、スチグマステロールフェルラ酸エステル、カンペステロールフェルラ酸エステルから選ばれる1種又は2種以上が含まれる。
本発明の白米中のγ−オリザノールの含有量は0.0073質量%以上である。白米に対してより高い生理機能を付与する観点から、本発明の白米中のγ−オリザノールの含有量は0.008質量%以上であることが好ましく、0.01質量%以上であることがより好ましい。また、本発明の白米中のγ−オリザノールの含有量の上限に特に制限はないが、米糠からγ−オリザノールを移行させることを考慮すると、通常は0.05質量%以下である。
白米中のγ−オリザノールの含有量は、後述する実施例に記載の方法で測定することができる。
本発明において、白米中に存在する親水性フェノール性成分の含有量及びγ−オリザノールの含有量は、白米の含水率(白米中の水分量)を15質量%としたときの含有量とする。すなわち、本発明の白米中に存在する親水性フェノール性成分及びγ−オリザノールの含有量は、白米の含水率を15質量%に調整して測定するか、あるいは白米の含水率が15質量%でない状態で測定する場合には、得られた測定値を白米の含水率が15質量%であった場合に換算することで決定される。白米の含水率は、白米の質量から当該白米を絶乾した後の質量を差し引くことで算出することができる。白米は、液体窒素にて凍結後、凍結乾燥(マイナス80℃、5Pa、24時間)により絶乾させることができる。
また、白米中に存在する親水性フェノール性成分の含有量及びγ−オリザノールの含有量は、白米の粒毎、あるいは同一粒内の部位によってもばらつきがあるため、含水率15%以下とした白米40g以上(2000粒以上)を量りとり、これをまとめて粉砕して均質系の組成物を調製し、この組成物を用いて白米中のフェノール性成分及びγ−オリザノールの含有量を測定するものとする。
本発明において「白米」とは、ニュー・エム・ジー染色法(NMG染色法)により米を染色し、色差計を用いてL表色系により測色した際に、bがマイナス6以上となる搗精度の米である。米糠の量がより少なく風味と食感の良好な白米とするために、上記bがマイナス5以上となる搗精度とすることが好ましく、マイナス3.5以上となる搗精度とすることがさらに好ましい。NMG染色法に用いる試薬は、関東化学社から、商品名:ニューMG溶液(メタノール性)として販売されている。
上記NMG染色法の詳細は下記のとおりである。
ニューMG溶液とメタノールとを、ニューMG溶液/メタノール=1/3(体積比)で混合しNMG溶液を作成する。含水率15質量%以下とした白米試料5gを水5mLで2回軽く洗浄し、水をよくきりNMG溶液5mLを加え、2分間振とうして染色したのち、NMG溶液をすて水5mLで2回、メタノールで1回洗浄し、ろ紙上で乾燥させることでNMG染色を行う。粒毎および粒内での染色具合にばらつきがあるため、染色を行った試料5gすべてを測定用容器につめ、色差計SE2000(日本電色)により測定する。
また、本発明の白米は、風味と食感の観点から、搗精前の玄米に対して質量換算で95%以下、好ましくは93%以下、より好ましくは92%以下、さらに好ましくは91%以下の歩留まりになるように搗精されたものであることが好ましい。また、フェノール性成分の含有量及びγ−オリザノールの含有量をより高める観点から、本発明の白米は、搗精前の玄米に対して質量換算で80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上、さらに好ましくは89%以上の歩留まりになるように搗精されたものであることが好ましい。
本発明の白米の形態に特に制限はなく、あらゆる形態の白米が含まれる。すなわち、本発明の白米は絶乾状態であってもよいし、水分を含んでいてもよい。また、炊飯してアルファ化した状態であってもよいし、餅状であってもよい。流通形態を考慮すると、本発明の白米は、含水率14〜16質量%のアルファ化していない白米であることが好ましい。
また、本発明の白米の種に特に制限はない。例えば、ジャポニカ種であってもよいし、インディカ種であってもよいし、ジャポニカ種とインディカ種とをかけあわせたものであってもよい。また、あらゆる品種の米を本発明の白米に加工することができる。
本発明の白米は、玄米の米糠中に存在するフェノール性成分を胚乳へと移行させて得られたものであることが好ましい。すなわち、玄米を処理して、その米糠中に存在するフェノール性成分を胚乳へと移行させた後、該玄米を搗精して得られたものであることが好ましい。玄米において、米糠中のフェノール性成分を胚乳へと効率的に移行させるために、本発明の白米は下記工程(a)〜(c)を経て製造されることが好ましい。
(a)玄米をアルコール含有溶液の存在下で100〜150℃の湿熱処理に付する工程、
(b)湿熱処理に付した玄米を乾燥させる工程、及び
(c)乾燥させた玄米を搗精する工程。
上記工程(a)に用いるアルコール含有溶液は、米糠から胚乳へのフェノール性成分の移行をより効率的に行うために、アルコール濃度を5質量%以上とすることが好ましく、10質量%以上とすることがより好ましく、20質量%以上とすることがさらに好ましく、30質量%以上とすることがさらに好ましく、40質量%以上とすることがさらに好ましい。また、アルコール含有溶液のアルコール濃度は100質量%とすることも好ましいが、米糠から胚乳へのフェノール性成分の移行をより効率的に行うために、アルコール含有溶液のアルコール濃度を95質量%以下とすることが好ましく、90質量%以下とすることがより好ましく、85質量%以下とすることがさらに好ましく、80質量%以下とすることがさらに好ましい。
アルコール含有溶液中のアルコールの含有量が100質量%よりも少ない場合、残部は少なくとも水を含み、さらに、酸、塩基、ケトン、アルデヒド、アルカン、及びシクロアルカンから選ばれる1種又は2種以上を含んでいてもよい。アルコール含有溶液からアルコールを除いた残部は水であることが好ましい。
アルコール含有溶液中のアルコールに特に制限はなく、一価のアルコールであっても二価以上の多価アルコールであってもよい。静菌性の観点から、アルコール含有溶液中のアルコールは、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、及びブタノールから選ばれる1種又は2種以上であることが好ましく、安全性の観点からエタノールであることがより好ましい。
上記工程(a)において用いる出発原料の玄米は、含水率が18質量%以下であることが好ましく、16質量%以下であることがより好ましく、10質量%以下であることがさらに好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましく、2質量%以下であることがさらに好ましい。また、絶乾した玄米を用いることも好ましい。玄米は、液体窒素にて凍結後、凍結乾燥(マイナス80℃、5Pa、24時間)により絶乾させることができる。
上記工程(a)の湿熱処理とは、蒸気を用いて加熱する処理であり、耐圧性の密封容器内で行うことが好ましい。湿熱処理装置としては、市販の短時間調理殺菌装置等を用いることができる。
上記工程(a)は、玄米をアルコール含有溶液中に浸漬させて100〜150℃の湿熱処理に付する工程であることが好ましい。より好ましくは、玄米をアルコール含有溶液中に浸漬させて一定時間置いてから100〜150℃の湿熱処理に付することが好ましい。浸漬時間に特に制限はないが、より多くのフェノール性成分を胚乳へと移行させる観点から、2時間以上浸漬させることが好ましく、4時間以上浸漬させることが好ましく、6時間以上浸漬させることがさらに好ましく、8時間以上浸漬させることがさらに好ましい。また、菌の増殖による腐敗や臭いの発生を抑制する観点から、上記浸漬時間は24時間以下とすることが好ましく、20時間以下とすることがより好ましく、16時間以下とすることがさらに好ましい。なお、上記「浸漬」とは、工程(a)に用いるすべての玄米がアルコール含有溶液中に浸っていることをいう。また、処理後の搗精時の作業性の観点から、玄米100質量部に対してアルコール含有溶液を20〜100質量部用いることが好ましく、30〜70質量部用いることがより好ましく、30〜60質量部用いることがさらに好ましい。
上記の玄米をアルコール含有溶液中に浸漬させる際の温度は、溶液の凍結防止および浸透性の観点からマイナス5℃以上とすることが好ましく、0℃以上とすることが好ましい。また、静菌性の観点から、上記温度は15℃以下とすることが好ましく、6℃以下とすることがより好ましい。
上記工程(a)における湿熱処理は、玄米をアルコール含有溶液に浸漬させた状態で湿熱処理装置に入れて実施することが好ましい。すなわち、本発明における湿熱処理は、玄米とアルコールを湿熱処理装置に入れて、水を入れずに100〜150℃に加熱することを含む意味に用いる。湿熱処理の温度は、より多くのフェノール性成分を胚乳へと移行させる観点から102℃以上とすることが好ましく、104℃以上とすることがより好ましい。また、風味・食感の観点から、湿熱処理の温度は145℃以下とすることが好ましく、140℃以下とすることがより好ましく、135℃以下とすることがさらに好ましく、130℃以下とすることがさらに好ましい。湿熱処理の圧力は飽和蒸気圧とすることが好ましい。
上記工程(a)における湿熱処理の時間は、より多くのフェノール性成分を胚乳へと移行させる観点から、5分以上とすることが好ましく、10分以上とすることがより好ましい。また、風味・食感の観点から、60分以下とすることが好ましく、40分以下とすることがより好ましい。
上記工程(b)の乾燥処理は、玄米中の含水率を低下させるための処理である。玄米を乾燥させることで、その後の搗精を効率的に行うことができる。上記工程(b)の乾燥処理により、玄米中の含水率を16質量%以下、より好ましくは5〜15質量%とすることが好ましい。乾燥処理は、温度を0〜40℃、好ましくは15〜35℃とし、湿度を30〜70%RH、より好ましくは40〜60%RHとして行い、上記含水率となるまで乾燥させることが好ましい。
上記工程(c)の搗精は、精米機を用いて通常の方法で行うことができる。本発明の白米とするために、上記のNMG染色法により搗精後の米を染色し、色差計を用いてL表色系により測色した際に、bがマイナス6以上、好ましくはナイナス5以上、さらに好ましくはマイナス3.5以上となる搗精度となるように搗精する。
さらに、上記工程(c)の搗精は、白米の風味と食感の観点から、搗精前の玄米に対して質量換算で95%以下、好ましくは93%以下、より好ましくは92%以下、さらに好ましくは91%以下の歩留まりになるように行うことが好ましい。また、上記工程(c)の搗精は、白米中のフェノール性成分の含有量及びγ−オリザノールの含有量をより高める観点から、搗精前の玄米に対して質量換算で80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上、さらに好ましくは89%以上の歩留まりになるように行うことが好ましい。
上述した実施形態に関し、本発明は以下の白米ないし白米の製造方法を開示する。
<1>
親水性フェノール性成分の含有量が0.04質量%以上であり、且つ、γ−オリザノールの含有量が0.0073質量%以上である、白米。
<2>
前記白米中、前記親水性フェノール性成分の含有量が、好ましくは0.045質量%以上、より好ましくは0.05質量以上である、前記<1>に記載の白米。
<3>
前記白米中、前記親水性フェノール性成分の含有量が、好ましくは0.1質量%以下である、前記<1>又は<2>に記載の白米。
<4>
前記白米中、前記親水性フェノール性成分の含有量が、好ましくは0.04〜0.1質量%、より好ましくは0.045〜0.1質量%、さらに好ましくは0.05〜0.1質量%である、前記<1>に記載の白米。
<5>
前記親水性フェノール性成分の好ましくは1.80〜7.00質量%、より好ましくは2.00〜6.00質量%、さらに好ましくは2.75〜5.00質量%、さらに好ましくは3.20〜4.60質量%がフェルラ酸である、前記<1>〜<4>のいずれか1つに記載の白米。
<6>
前記γ−オリザノールを構成する植物ステロールが、好ましくは、トリテルペンアルコール、α−シトステロール、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール、α−シトスタノール、β−シトスタノール、スチグマスタノール、カンペスタノール、ブラシカステロール、フコステロール、イソフコステロール、スピナステロール、及びアベナステロールから選ばれる1種又は2種以上である、前記<1>〜<5>のいずれか1つに記載の白米。
<7>
前記γ−オリザノールが、好ましくは、シクロアルテノ−ルフェルラ酸エステル、24−メチレンシクロアルタノールフェルラ酸エステル、シクロブラノールフェルラ酸エステル、シクロサドールフェルラ酸エステル、β−シトステロールフェルラ酸エステル、スチグマステロールフェルラ酸エステル、カンペステロールフェルラ酸エステルから選ばれる1種又は2種以上である、前記<1>〜<6>のいずれか1つに記載の白米。
<8>
前記白米中、前記γ−オリザノールの含有量が、好ましくは0.008質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上である、前記<1>〜<7>のいずれか1つに記載の白米。
<9>
前記白米中、前記γ−オリザノールの含有量が、好ましくは0.05質量%以下である、前記<1>〜<8>のいずれか1つに記載の白米。
<10>
前記白米中、前記γ−オリザノールの含有量が、好ましくは0.0073〜0.05質量%、より好ましくは0.008〜0.05質量%、さらに好ましくは0.01〜0.05質量%である、前記<1>〜<9>のいずれか1つに記載の白米。
<11>
前記白米が、その搗精前の玄米に対して、質量換算で、好ましくは95%以下、より好ましくは93%以下、さらに好ましくは92%以下、さらに好ましくは91%以下の歩留まりで搗精されている、前記<1>〜<10>のいずれか1つに記載の白米。
<12>
前記白米が、その搗精前の玄米に対して、質量換算で、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、より好ましくは88%以上、さらに好ましくは89%以上の歩留まりで搗精されている、前記<1>〜<11>のいずれか1つに記載の白米。
<13>
前記白米が、その搗精前の玄米に対して、質量換算で、好ましくは80〜95%、より好ましくは85〜93%、さらに好ましくは88〜92%、さらに好ましくは89〜91%の歩留まりで搗精されている、前記<1>〜<10>のいずれか1つに記載の白米。
<14>
前記白米が、好ましくは含水率14〜16質量%のアルファ化していない白米である、前記<1>〜<13>のいずれか1つに記載の白米。
<15>
前記白米が、好ましくは、ジャポニカ種、インディカ種、又はジャポニカ種とインディカ種とをかけあわせたものである、前記<1>〜<14>のいずれか1つに記載の白米。
<16>
前記白米が、その搗精前の玄米の米糠中に存在するフェノール性成分を胚乳へと移行させて得られたものである、前記<1>〜<15>のいずれか1つに記載の白米。
<17>
下記工程(a)〜(c)を含む、前記<1>〜<16>のいずれか1つに記載の白米の製造方法:
(a)玄米をアルコール含有溶液の存在下で100〜150℃の湿熱処理に付する工程、
(b)湿熱処理に付した玄米を乾燥させる工程、及び
(c)乾燥させた玄米を搗精する工程。
<18>
前記工程(a)に用いる前記アルコール含有溶液のアルコール濃度が、好ましくは5質量%以上、より好ましくは10質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上、さらに好ましくは30質量%以上、さらに好ましくは40質量%以上である、前記<17>に記載の製造方法。
<19>
前記工程(a)に用いる前記アルコール含有溶液のアルコール濃度が、好ましくは100質量%である、前記<17>に記載の製造方法。
<20>
前記工程(a)に用いる前記アルコール含有溶液のアルコール濃度が、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下、さらに好ましくは80質量%以下である、前記<17>又は<18>に記載の製造方法。
<21>
前記工程(a)に用いる前記アルコール含有溶液のアルコール濃度が、好ましくは5〜95質量%であり、より好ましくは10〜90質量%、さらに好ましくは20〜85質量%、さらに好ましくは30〜80質量%、さらに好ましくは40〜80質量%である、前記<17>に記載の製造方法。
<22>
前記工程(a)に用いる前記アルコール含有溶液が、好ましくは水を含む、前記<17>、<18>、<20>及び<21>のいずれか1つに記載の製造方法。
<23>
前記工程(a)に用いる前記アルコール含有溶液中のアルコールが、好ましくは、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、及びブタノールから選ばれる1種又は2種以上であり、より好ましくはエタノールを含み、さらに好ましくはエタノールである、前記<17>〜<22>のいずれか1つに記載の製造方法。
<24>
前記工程(a)において、原料である前記玄米の含水率が、好ましくは18質量%以下、より好ましくは16質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下、さらに好ましくは2質量%以下であるである、前記<17>〜<23>のいずれか1つに記載の製造方法。
<25>
前記工程(a)において、原料である前記玄米が、好ましくは絶乾した玄米である、前記<17>〜<24>のいずれか1つに記載の製造方法。
<26>
前記工程(a)が、好ましくは前記玄米を前記アルコール含有溶液中に浸漬させて、より好ましくは前記玄米を前記アルコール含有溶液中に浸漬させて一定時間置いてから、前記の100〜150℃の湿熱処理に付する工程である、前記<17>〜<25>のいずれか1つに記載の製造方法。
<27>
前記一定時間が、好ましくは2時間以上、より好ましくは4時間以上、さらに好ましくは6時間以上、さらに好ましくは8時間以上である、前記<26>に記載の製造方法。
<28>
前記一定時間が、好ましくは24時間以下、より好ましくは20時間以下、さらに好ましくは16時間以下である、前記<26>又は<27>に記載の製造方法。
<29>
前記工程(a)において、原料である前記玄米100質量部に対して前記アルコール含有溶液を、好ましくは20〜100質量部、より好ましくは30〜70質量部、さらに好ましくは30〜60質量部用いる、前記<17>〜<28>のいずれか1つに記載の製造方法。
<30>
前記浸漬の温度が、好ましくはマイナス5℃以上、より好ましくは0℃以上である、前記<26>〜<29>のいずれか1つに記載の製造方法。
<31>
前記浸漬の温度が、好ましくは15℃以下、より好ましくは6℃以下である、前記<26>〜<30>のいずれか1つに記載の製造方法。
<32>
前記工程(a)における湿熱処理を、原料である前記玄米を前記アルコール含有溶液に浸漬させた状態で湿熱処理装置に入れて実施する、前記<17>〜<31>のいずれか1つに記載の製造方法。
<33>
前記工程(a)における前記湿熱処理の温度が、好ましくは102℃以上、より好ましくは104℃以上である、前記<17>〜<32>のいずれか1つに記載の製造方法。
<34>
前記工程(a)における前記湿熱処理の温度が、好ましくは145℃以下、より好ましくは140℃以下、さらに好ましくは135℃以下、さらに好ましくは130℃以下である、前記<17>〜<33>のいずれか1つに記載の製造方法。
<35>
前記工程(a)における前記湿熱処理の温度が、好ましくは102〜145℃、より好ましくは104〜140℃、さらに好ましくは104〜135℃、さらに好ましくは104〜130℃である、前記<17>〜<32>のいずれか1つに記載の製造方法。
<36>
前記工程(a)における前記湿熱処理を飽和蒸気圧で行う、前記<17>〜<35>のいずれか1つに記載の製造方法。
<37>
前記工程(a)における前記湿熱処理の時間が、好ましくは5分以上、より好ましくは10分以上である、前記<17>〜<36>のいずれか1つに記載の製造方法。
<38>
前記工程(a)における前記湿熱処理の時間が、好ましくは60分以下、より好ましくは40分以下である、前記<17>〜<37>のいずれか1つに記載の製造方法。
<39>
前記工程(a)における前記湿熱処理の時間が、好ましくは5〜60分、より好ましくは10〜40分である、前記<17>〜<36>のいずれか1つに記載の製造方法。
<40>
上記工程(b)により、前記の湿熱処理に付した玄米の含水率を、好ましくは16質量%以下、より好ましくは5〜15質量%とする、前記<17>〜<39>のいずれか1つに記載の製造方法。
<41>
前記工程(b)において、前記の湿熱処理に付した玄米を乾燥させる際の温度が、好ましくは0〜40℃、より好ましくは15〜35℃である、前記<17>〜<40>のいずれか1つに記載の製造方法。
<42>
前記工程(b)において、前記の湿熱処理に付した玄米を乾燥させる際の湿度が、好ましくは30〜70%RH、より好ましくは40〜60%RHである、前記<17>〜<41>のいずれか1つに記載の製造方法。
<43>
前記工程(c)における前記搗精を、前記搗精の前の玄米に対して質量換算で、好ましくは95%以下、より好ましくは93%以下、さらに好ましくは92%以下、さらに好ましくは91%以下の歩留まりになるように行う、前記<17>〜<42>のいずれか1つに記載の製造方法。
<44>
前記工程(c)における前記搗精を、前記搗精の前の玄米に対して質量換算で、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上、さらに好ましくは88%以上、さらに好ましくは89%以上の歩留まりになるように行う、前記<17>〜<43>のいずれか1つに記載の製造方法。
<45>
前記工程(c)における前記搗精を、前記搗精の前の玄米に対して質量換算で、好ましくは80〜95%、より好ましくは85〜93%、さらに好ましくは88〜92%、さらに好ましくは89〜91%の歩留まりになるように行う、前記<17>〜<43>のいずれか1つに記載の製造方法。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[調製例] 白米の製造
市販の平成24年度魚沼産コシヒカリ玄米(含水率15質量%)、及び上記玄米を液体窒素にて凍結後、凍結乾燥(−80℃、5Pa、24時間)して絶乾させたものを原料として用いた。下記表1に記載の原料(玄米)を、下記表1に記載の溶媒(エタノール、エタノール水溶液又は水)に浸漬させて5℃で一晩(15時間)置き、下記表1に記載の条件で湿熱処理を施した。湿熱処理には短時間調理殺菌装置(日阪製作所社製)を用いた。湿熱処理を施した玄米を室温に30分置き粗熱をとったのち、冷却恒温槽を用いて18℃で乾燥させ、含水率が15質量%以下の玄米を得た。
こうして得られた玄米を、小型精米器パーレスト(ケット科学研究所社製)を用いて質量が玄米に対して90%〜91%になるまで搗精することで白米を得た(実施例1〜8、比較例2〜7)。なお、上記市販の平成24年度魚沼産コシヒカリ玄米を用いて、これに対する質量が90〜91%になるまで搗精して得た白米(含水率15質量%)を比較例1とした。
得られた白米(実施例1〜8、比較例1〜7)を上述した方法でNMG染色し、色差計で測色したところ、bはいずれもマイナス5.8以上であった。
表1中、「溶媒添加量」は原料(玄米)100質量部に対する添加量(単位:質量部)を示し、「親水性フェノール性成分含有量」及び「γ−オリザノール含有量」はいずれも白米中の含有量(単位:質量%)を示す。なお、表1に記載された「親水性フェノール性成分含有量」及び「γ−オリザノール含有量」は、含水率15質量%の白米中の含有量として算出した値である。表2中、「親水性フェノール性成分中のフェルラ酸含有量」は白米中の「フェルラ酸含有量」の値を白米中の「親水性フェノール性成分含有量」の値で除した値(単位:質量%)である。
[分析方法]
親水性フェノール性成分の抽出および定量:
上記で得られた白米40g(2000粒以上)をオスターブレンダーを用いて粉砕して得た白米粉砕物0.5gに50%含水アセトン(v/v、pH7.0)7.5mLを加え、室温で15時間振とうし、遠心分離(1000g、10分)により上清を回収した。この上清0.5mLに純水3mLを加え、フェノール試薬(商品名:フォリン・シオカルト−フェノール試薬、シグマ社製)の2倍希釈液1mLを加え、室温で3分間反応させた。20%炭酸ナトリウム水溶液(w/v)1mLを加え混合した後、純水4.5mLを加え、30℃で1時間反応させた。その後、遠心分離(1000g、10分)し、得られた上清の725nmにおける吸光度を測定することで親水性フェノール性成分を定量した。検量線の作成にはフェルラ酸(LKT.laboratories社製)を用い、親水性フェノール性成分の量をフェルラ酸相当量として算出した。
γ−オリザノール量の定量:
上記で得られた白米40g(2000粒以上)をオスターブレンダ―を用いて粉砕して得た白米粉砕物およそ30gから、溶媒にクロロホルム/メタノール=3/1を用い、ソックスレー抽出器により油脂を抽出した。抽出後、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去後、ヘキサンに再溶解し、遠心分離(1000g、10分)により不純物を沈殿させて除去した。その後、溶媒を留去し、抽出油を得た。
得られた抽出油0.1gをヘキサンで10mLに定容し、この溶液をクロマトディスクを用いてフィルトレーションし、HPLCによりγ−オリザノールを定量した。HPLC分析は下記に記した条件で行なった。
−HPLC条件−
カラム:Inertsil Diol (GLサイエンス社製)
カラムサイズ:内径3.0mm×長さ100mm、粒子径:5μm
カラム温度:40℃
流速:0.5mL/min
検出:UV=295nm
インジェクト量:10μL
溶離液:A液 ヘキサン/酢酸=1000/1(v/v)
B液 ヘキサン/2−プロパノール=100/1(v/v)
グラジエントプログラム:
0−5 min isocratic A/B=100/0(v/v)
5−12 min gradient A/B=100/0−75/25(v/v)
12−40min isocratic A/B=75/25(v/v)
40−41min gradient A/B=75/25−100/0(v/v)
41−60min isocratic A/B=100/0(v/v)
フェルラ酸量の定量:
上記で得られた白米40g(2000粒以上)をオスターブレンダ―を用いて粉砕して得た白米粉砕物1.0gに50%含水アセトン(v/v、pH7.0)13.5mLを加え、室温で15時間振とうし、遠心分離(1000g、10分)により上清を回収した。この上清中のアセトンをエバポレーターで留去したのち、4MのNaOH溶液6.75mLを加え55℃で4時間反応させて加水分解を行った。35%塩酸(v/v)2.7mL加えてpH2.0に調整し、ジエチルエーテル:酢酸エチル=1:1を15mL加えて分液し、ジエチルエーテル:酢酸エチル層を回収した。この分液・回収操作を3回行った。得られたジエチルエーテル−酢酸エチル層の溶媒をエバポレーターで留去し、抽出物をメタノール1.5mLに溶解し、この溶液をクロマトディスクを用いてフィルトレーションし、HPLCによりフェルラ酸を定量した。HPLC分析は下記に記した条件で行なった。
−HPLC条件−
カラム:COSMOSIL 5C18−MS−II (ナカライテスク社製)
カラムサイズ:内径4.6mm×長さ150mm
カラム温度:40℃
流速:0.8mL/min
検出:UV=280nm
インジェクト量:10μL
溶離液:A液 0.025%TFA含有水(v/v)
B液 0.025%TFA含有アセトニトリル(v/v)
グラジエントプログラム:
0−5 min gradient A/B=95/5−91/9(v/v)
5−15 min isocratic A/B=91/9(v/v)
15−22min gradient A/B=91/9−89/11(v/v)
22−38min gradient A/B=89/11−82/18(v/v)
結果を下記表1及び表2に示す。
Figure 0006460684
Figure 0006460684
比較例1は未処理玄米を搗精して得た白米である。水に浸漬させて湿熱処理を施した玄米から得られた比較例2〜7の白米では、親水性フェノール性成分の含有量は、比較例1の白米に比べて大きく増加したが、親油性のフェノール性成分であるγ−オリザノールの増加率は低く、最も含有量が多い比較例7の白米でも7.1質量%に留まった。
これに対しアルコール又はアルコール水溶液に浸漬させて湿熱処理を施した玄米から得られた実施例1〜8の白米は、比較例1の市販の白米に対して、親水性フェノール性成分の含有量が大きく増加すると共に、親油性フェノール性成分であるγ−オリザノールの含有量も大幅に増加していた。また、実施例1〜3、5〜8の白米は、比較例1の市販の白米に対して、親水性フェノール性成分中のフェルラ酸含有量も増加していた。
このように、玄米をアルコール又はアルコール水溶液に浸漬させて特定温度の湿熱処理を施すことで、米糠中のフェノール性成分を、その親水性/親油性を問わずに、胚乳へと効率的移行させることができ、生理的な機能性を高めた白米が得られることがわかった。

Claims (3)

  1. 下記工程()〜(ivにより、得られる白米中の親水性フェノール性成分の含有量を0.04質量%以上へと高めながら該親水性フェノール性成分に占めるフェルラ酸の割合を2.75〜5.00質量%へと高め、かつ該白米中のγ−オリザノールの含有量を0.0073質量%以上へと高めることを含む、白米の製造方法:
    (i)玄米を、エタノール、メタノール、1−プロパノール、2−プロパノール及びブタノールから選ばれる1種又は2種以上のアルコールを20質量%以上含有するアルコール含有溶液中に、−5℃以上15℃以下の温度で2時間以上24時間以下浸漬させる工程、
    ii前記玄米を前記アルコール含有溶に浸漬させた状態100〜150℃で10分以上60分以下の湿熱処理に付する工程
    (iii前記湿熱処理に付した玄米を乾燥させる工程、及び
    iv)乾燥させた玄米を搗精して白米とする工程。
  2. 前記アルコール含有溶液がエタノールを含む、請求項に記載の白米の製造方法。
  3. 前記工程()において、原料である前記玄米の含水率が18質量%である、請求項1又は2に記載の白米の製造方法。
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