JP6459407B2 - シート状部材、その製造方法、基板ユニット及び電子機器 - Google Patents

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Description

本発明はシート状部材、シート状部材の製造方法、基板ユニット及び電子機器に関する。
基板上に炭素元素の線状構造体を形成し、加熱により収縮した基板上に形成された線状構造体間に線状構造体を支持する充填層を形成するシート状部材の製造方法がある。
また、基板上にカーボンナノチューブ堆積層を形成し、基板表面近傍のカーボンナノチューブの先端をカーボンナノチューブ堆積層から突出させ、カーボンナノチューブの長さ方向が基板面に垂直な方向に向くように配向させる放熱構造の製造方法がある。
特開2010−267706号公報 特開2009−253123号公報
複数の線状構造体で熱伝導するシート状部材を電子部品と放熱部材との間に介在させた構造では、シート状部材と電子部品及び放熱部材との熱伝導性を高めて放熱効率を向上させることが望まれる。
本願の開示技術は、1つの側面として、シート状部材と電子部品及び放熱部材との熱伝導性を高めて放熱効率を向上させることが目的である。
本願の開示する技術では、複数の線状構造体により形成された構造体束と、構造体束の複数の線状構造体の間に充填され接着性を備える充填材と、を有する。構造体束の平面視で、線状構造体の面密度が、構造体束の外側部分で高く内側部分で低い。
本願の開示する技術では、一つの側面として、シート状部材と電子部品及び放熱部材との熱伝導性を高めて放熱効率を向上させることができる。
図1は第一実施形態のシート状部材を備えた基板ユニットを一部破断した状態で示す斜視図である。 図2は第一実施形態のシート状部材を備えた基板ユニットを示す縦断面図である。 図3は第一実施形態のシート状部材を備えた基板ユニットを有するコンピュータを示す平面図である。 図4は第一実施形態のシート状部材を部分的に拡大して示す断面図である。 図5は第一実施形態のシート状部材を製造する途中の状態を示す断面図である。 図6は第一実施形態のシート状部材を製造する途中の状態を示す断面図である。 図7は第一実施形態のシート状部材を製造する途中の状態を示す断面図である。 図8は第一実施形態のシート状部材を製造する途中の状態を示す断面図である。 図9は第一実施形態のシート状部材を製造する途中の状態を示す断面図である。 図10は第一実施形態のシート状部材を製造する途中の状態を示す断面図である。 図11は第一実施形態のシート状部材を製造する途中の状態を示す平面図である。 図12は第一実施形態のシート状部材を部分的に拡大して示す斜視図である。
第一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2には、第一実施形態のシート状部材22を備えた基板ユニット30が示されている。第一実施形態のシート状部材22は、構造体束24と、樹脂充填材28とを有する。構造体束24は、一定の方向の配列された複数のカーボンナノチューブ26を備える。樹脂充填材28は、構造体束24を形成する複数のカーボンナノチューブ26の間に充填される。
カーボンナノチューブ26は、線状構造体の一例であり、樹脂充填材28は充填材の一例である。図面において、シート状部材22の厚み方向を矢印T1で示す。複数のカーボンナノチューブ26により形成された構造体束24は全体として平板状である。構造体束24を平面的に見る方向とは、図1及び図2における矢印T1方向である。
本実施形態のシート状部材22は、基板ユニット30に用いられる。基板ユニット30には、絶縁性を有するプリント基板32を有している。プリント基板32には、電子部品の一例であるプロセッサ34が搭載されている。さらに、プリント基板32には、ヒートスプレッダ36が搭載される。ヒートスプレッダ36は放熱部材の一例である。そして、プロセッサ34の熱をヒートスプレッダ36で放熱する。シート状部材22は、プロセッサ34とヒートスプレッダ36の間に配置され、プロセッサ34からヒートスプレッダ36に伝熱する部材である。
基板ユニット30は、図3に示すように、コンピュータ40の筐体42の内部に組み付けられる。コンピュータ40は、電子機器の一例である。筐体42内には、たとえばファン44が搭載される。ファン44は、風をヒートスプレッダ36に送ってヒートスプレッダ36を冷却する。基板ユニット30は、さらに、各種の電子部品46が実装される。また、筐体42内には、補助記憶装置や、接続ポート等の各種の搭載部品48が配置される。
複数のカーボンナノチューブ26は、一定の方向に沿って配置される。図1及び図2に示す例では、カーボンナノチューブ26は互いに平行であり、それぞれのカーボンナノチューブ26の長手方向はシート状部材22の厚み方向(矢印T1方向)と一致している。ただし、一部のカーボンナノチューブ26が、矢印T1方向に対して傾いている構造でもよい。
図4に示すように、それぞれのカーボンナノチューブ26の一端部26Aは、1つの平面PL−1内に位置している。樹脂充填材28における厚み方向の一端部28Aも、平面PL−1内に位置している。それぞれのカーボンナノチューブ26の一端部26Aは、シート状部材22において露出している。また、樹脂充填材28の一端部28Aもシート状部材22において露出している。
同様に、それぞれのカーボンナノチューブ26の他端部26Bは、1つの平面PL−2内に位置している。樹脂充填材28における厚み方向の他端部28Bも、平面PL−2内に位置している。それぞれのカーボンナノチューブ26の他端部26Bは、シート状部材22において露出している。また、樹脂充填材28の他端部28Bも、シート状部材22において露出している。
なお、カーボンナノチューブ26の一端部26A及び他端部26Bは、樹脂充填材28の表面に沿って曲がっていてもよい。
図2に示すように、構造体束24を全体として平面視(矢印T1と同じ方向)に見たときのカーボンナノチューブ26の面密度(単位面積当たりの本数)は、内側部分24Uと比較して、外側部分24Sのほうが大きい。たとえば、内側部分24Uにおけるカーボンナノチューブ26の面密度は、シート状部材22の熱伝導性を高く確保する観点から、1×1010本/cm以上である。そして、外側部分におけるカーボンナノチューブ26の面密度は、これよりも高い。
カーボンナノチューブ26は、単層カーボンナノチューブ及び多層カーボンナノチューブのいずれでもよい。
カーボンナノチューブ26の長さL2は、図2及び図4から分かるように、シート状部材22の厚みT2と概ね一致する。本実施形態のシート状部材22は、一例として、図1及び図2に示すように、プロセッサ34とヒートスプレッダ36の間に介在される。この場合には、カーボンナノチューブ26の一端部26Aがプロセッサ34に、他端部26Bがヒートスプレッダ36に接触する。カーボンナノチューブ26の長さL2は、たとえば、5μm〜500μm程度である。
樹脂充填材28は、本実施形態では熱可塑性樹脂によって形成されている。この熱可塑性樹脂は、たとえば、室温では固体であり、加熱すると液体へと相変化し、冷却すると接着性を発現しつつ固体に戻る樹脂であれば、特に限定されない。本実施形態に用いる熱可塑性樹脂として、ヘンケルジャパン株式会社製の「Micromelt6880」を挙げることができる。この「Micromelt6880」は、軟化点が165〜175℃であるが、実際には、温度上昇に伴って140℃程度における粘度低下が大きい。
次に、本実施形態のシート状部材22の製造方法を説明する。
まず、表面に酸化膜(薄膜)が形成された支持基板50(図5参照)を用意する。たとえば、シリコン基板上に膜厚300nm程度のシリコン酸化膜が形成された構造の部材を用いることができる。
次に、支持基板50上に、たとえばスパッタ法により、触媒金属膜52を形成する。触媒金属膜52としては、鉄、コバルト、ニッケル、アルミニウム等を用いた単層膜あるいは複数材料の多層膜とされ、厚みはたとえば数nm程度である。
次に、この支持基板50上に、たとえば熱CVD(Chemical Vapor Deposition:化学蒸着)法により、触媒金属膜52を触媒として、カーボンナノチューブ26を成長する。
カーボンナノチューブ26の成長条件は、例えば、原料ガスとしてアセチレン・アルゴンの混合ガス(分圧比1:9)を用い、成膜室内の総ガス圧を1kPa、ホットフィラメント温度を1000℃、成長時間を25分とする。
これにより、一例として、層数が3層〜6層(平均4層程度)、直径が4nm〜8nm(平均6nm)、長さが100μm(成長レート:4μm/min)の多層カーボンナノチューブを成長することができる。すなわち、支持基板50上に、支持基板50の法線方向に配向(垂直配向)した複数のカーボンナノチューブ26が成形される。
なお、カーボンナノチューブは、ホットフィラメントCVD法やリモートプラズマCVD法などの他の成膜方法により形成してもよい。また、成長するカーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブでもよい。また、原料ガスの炭素原料としては、アセチレンのほか、メタン、エチレン等の炭化水素類や、エタノール、メタノール等のアルコール類などを用いてもよい。
次に、支持基板50上に成長したカーボンナノチューブ26上に、図5に示すように、シート状に加工された熱可塑性樹脂(樹脂シート54)を載せる。樹脂シート54の厚みT3は、カーボンナノチューブ26の長さL2と同程度、もしくは、わずかに薄い程度とすれば、過分の樹脂の使用を抑制できると共に、樹脂充填材28からカーボンナノチューブ26の両端部が露出した構造を実現しやすい。
樹脂シート54(樹脂充填材28)を形成する熱可塑性樹脂としては、その溶融温度が、プロセッサ34の耐熱温度(この温度以下であればプロセッサ34が熱的な破壊を受けず冷却後に作動する温度)よりも低い材料である。これは、プロセッサ34とヒートスプレッダ36の間にカーボンナノチューブ26を含んだ樹脂シート(構造体束24)を挟んでアセンブリしたときに、プロセッサ34が熱的に破壊することを防止するためである。このため、後述するようにホットプレート62からの熱が作用したときに、熱によるカーボンナノチューブ26の変形や物性変化を抑制し、樹脂シート54を溶融させることが可能である。特に、本実施形態では、構造体束24を側方から押して圧縮するが、圧縮時においても、熱によるカーボンナノチューブ26の変形を抑制できる。
次に、図6に示すように、樹脂シート54の上(カーボンナノチューブ26の反対側)に圧縮板56を載せ、支持基板50と樹脂シート54とを厚み方向に圧縮する。図6には、圧縮のための具体的構造の一例を挙げている。この例では、平行に配置された2枚の金属板58A、58Bを有する。一方の金属板58Bには、ネジ60が貫通しており、ネジ60の先端が、他方の金属板58Aにねじ込まれる構造である。したがって、ネジ60を締めこむことで、金属板58A、58Bを接近させることができる。
なお、圧縮板56としては、後述するホットプレート62からの熱で変質や形状変化を生じない板状の部材であればよい。たとえば、圧縮板56としてガラス板を用いることができる。ガラスのように透明な部材を用いれば、圧縮の進行状況を確認することができるという利点もある。
金属板58A、58Bとしても、たとえばネジ60からの締付力で不用意に変形しない部材であればよい。金属板58Aとしては、ホットプレート62からの熱を支持基板50に効率的に伝えることができればよい。たとえば、金属板58A、58Bとしてアルミニウム板を用いることができる。
そして、金属板58A、58Bの間に、カーボンナノチューブ26が成長した支持基板50と樹脂シート54と圧縮板56とを配置する。この状態で、ネジ60を締めこむことで、金属板58A、58Bを接近させる。これにより、支持基板50と樹脂シート54とを厚み方向に圧縮できる。
次に、図7に示すように、下側の金属板58Aをホットプレート62上に載せる。ホットプレート62の温度は、樹脂シート54の熱可塑性樹脂の溶融温度より低い温度、たとえば125℃に設定されている。
ホットプレート62を昇温することで、樹脂シート54を段階的に加熱する。まず、図7から図8へと順に示すように、たとえばホットプレート62の温度が160℃程度の段階で、樹脂シート54の熱可塑性樹脂が溶融しカーボンナノチューブ26の間に含浸されていく。
そして、たとえばホットプレート62の温度が175℃程度になった段階では、図9に示すように、熱可塑性樹脂が入り込んだ部分において、カーボンナノチューブ26の間に存在していた空気の一部分が上方に抜けようとする。しかし、一部の空気ARは、熱可塑性樹脂から抜けきらず、構造体束24の内部に残留する。
さらに、ホットプレート62を、熱可塑性樹脂の粘度が低下する温度(たとえば180℃あるいはそれ以上)に昇温する。そして、図10及び図11に示すように、構造体束24の側方から、押圧板64により構造体束24(樹脂シート54)を押して圧縮する。これにより、カーボンナノチューブ26の面密度が高くなる。特に、カーボンナノチューブ26の面密度は、図11における外側部分24S1(押された箇所の近傍)において、内側部分24Uよりも高くなる。
図11に示す例では、まず、一点鎖線で示すように、対向する2方向(矢印P1方向及びP2方向)で挟み込むように構造体束24を押す。これにより、容易に、カーボンナノチューブ26の面密度が高い部分を形成できる。
さらに、図11において二点鎖線で示すように、前述の2方向と直交する2方向(矢印P3方向及びP4方向)で挟み込むように構造体束24を押して圧縮する。これにより、カーボンナノチューブ26の面密度は、図11における外側部分24S2(押された箇所の近傍)において、内側部分24Uよりも高くなる。
このように、構造体束24を、対向方向に圧縮した後、この対向方向と異なる対向方向でさらに圧縮することで、カーボンナノチューブ26の面密度が高い範囲を広く形成できる。
また、樹脂シート54は、内側部分24Uにおいても圧縮力を受ける。したがって、外側部分24Sだけでなく、内側部分24Uにおいても、熱可塑性樹脂(樹脂シート54)内に存在していた空気が、樹脂シート54の外部へと移動する。そして、樹脂シート54の熱可塑性樹脂において、圧縮前は支持基板50や圧縮板56に達していなかった部分であっても、樹脂シート54の圧縮後は、熱可塑性樹脂が支持基板50や圧縮板56に達する。
構造体束24を圧縮するとき、構造体束24の厚み方向の両端は、それぞれ支持基板50および圧縮板56で保持される。したがって、樹脂シート54の熱可塑性樹脂が、構造体束24の厚み方向へ突出することが抑制される。これにより、シート状部材22としても、樹脂充填材28(熱可塑性樹脂)が部分的に厚み方向に突出せず、平面PL−1、PL−2を平坦にできる。
次に、樹脂シート54を圧縮された状態で冷却する。このとき、押圧板64による押圧は解除してもよいし、押圧状態を維持していてもよい。冷却は、たとえば樹脂シート54が含浸された構造体束24を室温の環境に放置することにより行う。冷却により、樹脂シート54が固化し、樹脂充填材28が形成される。支持基板50上には、シート状部材22が形成される。
そして、樹脂シート54を冷却した後に、支持基板50からシート状部材22を剥離する。図12には、シート状部材22の外観形状が一部を破断した状態で拡大して示されている。この図12から、シート状部材22の表面には、スジ状の複数の窪み28Kが生じていることが分かる。これらの窪み28Kは、樹脂シート54が溶融した状態で空気AR(図9参照)が存在していた部分に、溶融状態の熱可塑性樹脂が入り込むことで、入れ替わりに空気が抜け出た箇所であると考えられる。
なお、窪み28Kはこのように空気ARが抜け出た跡であるため、深さは浅い。たとえば、プロセッサ34やヒートスプレッダ36に対する樹脂充填材28の接着性には影響を与えない程度である。
また、図4からは、樹脂充填材28の内部の空気の量が少なくなっており(好ましくは空気が存在しておらず)、且つ樹脂充填材28の表面の一部が、平面PL−1、PL−2まで達していることが分かる。
シート状部材22の厚み方向の一端面22A側では、複数のカーボンナノチューブ26のそれぞれの一端部26Aが1つの平面PL−1内に位置している。そして、シート状部材22の厚み方向の一端面22A側では、樹脂充填材28が平面PL−1内に位置すると共に露出している。すなわち、樹脂充填材28の一端部28Aは充填材の露出部の一例であると言える。
同様に、シート状部材22の厚み方向の他端面22B側では、複数のカーボンナノチューブ26のそれぞれの他端部26Bが1つの平面PL−1内に位置している。そして、シート状部材22の厚み方向の他端面22B側では、樹脂充填材28が平面PL−2内に位置すると共に、露出している。すなわち、樹脂充填材28の他端部28Bは充填材の露出部の一例であると言える。
図1に示すように、シート状部材22はヒートスプレッダ36の所定位置に貼り付けられる。たとえば、シート状部材22の樹脂充填材28を加熱して粘度を低下させた状態で、ヒートスプレッダ36に対しシート状部材22を加圧することで、ヒートスプレッダ36に取り付けることができる。
シート状部材22の厚み方向の他端面22B側では、樹脂充填材28の他端部28B側が露出しているので、樹脂充填材28を接着剤として作用させ、樹脂充填材28をヒートスプレッダ36に接着できる。樹脂充填材28には空気が少ない構造が実現されているので、樹脂充填材28に多くの空気が存在している構造と比較して、ヒートスプレッダ36との接着面積を広く確保でき、接着強度が大きい。
樹脂充填材28の他端部28Bは平面PL−2内に位置しているので、他端部26Bが1つの平面上にない構造(出っ張りや凹みがある)と比較して、ヒートスプレッダ36との接着面積を広く確保でき、接着強度が大きい。
ヒートスプレッダ36の表面には、微小な凹凸が存在していることがある。樹脂充填材28が、ヒートスプレッダ36の表面の凹凸に追従して変形することで、接触面積を広く確保できる。
複数のカーボンナノチューブ26のそれぞれの他端部26Bは、1つの平面PL−2内に位置している。このため、樹脂充填材28がヒートスプレッダ36に接着された状態で、カーボンナノチューブ26の他端部がヒートスプレッダ36に接触する。
さらに、シート状部材22は、ヒートスプレッダ36と反対側において、プロセッサ34に取り付けられる。たとえば、シート状部材22の樹脂充填材28を加熱して粘度を低下させた状態で、プロセッサ34に対しシート状部材22を加圧することで、プロセッサ34に取り付けることができる。
シート状部材22の厚み方向の一端面22A側では、樹脂充填材28の一端部28A側が露出しているので、樹脂充填材28を接着剤として作用させ、樹脂充填材28をプロセッサ34に接着できる。樹脂充填材28には空気が少ない構造が実現されているので、樹脂充填材28に多くの空気が存在している構造と比較して、プロセッサ34との接触面積を広く確保でき、接着強度が大きい。
樹脂充填材28の一端部28Aは平面PL−1内に位置しているので、一端部26Aが1つの平面上にない構造(出っ張りや凹みがある)と比較して、プロセッサ34との接着面積を広く確保でき、接着強度が大きい。
プロセッサ34の表面には、微小な凹凸が存在していることがある。樹脂充填材28が、プロセッサ34の表面の凹凸に追従して変形することで、接触面積を広く確保できる。
複数のカーボンナノチューブ26のそれぞれの一端部26Aは、1つの平面PL−1内に位置している。このため、樹脂充填材28がプロセッサ34に接着された状態で、カーボンナノチューブ26の一端部がプロセッサ34に接触する。
なお、一部のカーボンナノチューブ26の一端部26A側や他端部26B側を、樹脂充填材28の熱可塑性樹脂が覆っている場合も想定される。この場合でも、シート状部材22をプロセッサ34やヒートスプレッダ36に接着するときに、熱可塑性樹脂が流動する。熱可塑性樹脂の流動により、カーボンナノチューブ26の一端部26A側をプロセッサ34に、他端部26B側をヒートスプレッダ36に接触させることが可能である。
以上により、プロセッサ34とヒートスプレッダ36との間にシート状部材22が介在され、このシート状部材22により、プロセッサ34からヒートスプレッダ36へ伝熱する構造の基板ユニット30が得られる。
上記したように、本実施形態のシート状部材22では、樹脂充填材28とヒートスプレッダ36及びプロセッサ34との接着強度が大きいので、シート状部材22のプロセッサ34やヒートスプレッダ36からの剥がれを抑制できる。そして、シート状部材22、ひいては、基板ユニット30の製造の歩留まりを向上できる。
また、カーボンナノチューブ26の一端部26Aがプロセッサ34に接触し、他端部26Bがヒートスプレッダ36に接触する構造を実現できる。このため、カーボンナノチューブ26がプロセッサ34やヒートスプレッダ36に接触しない構造と比較して、プロセッサ34からヒートスプレッダ36へ熱を効率的に伝えることができる。基板ユニット30として、シート状部材22と、プロセッサ34及びヒートスプレッダ36との熱伝導性が高く、プロセッサ34からの放熱効率が高い。
図9及ぶ図10に示すように、シート状部材22の構造体束24では、製造時に押圧板64で押圧されていることで、外側部分24Sにおいて内側部分24Uよりもカーボンナノチューブ26の面密度が高い構造を実現できる。特に、外側部分24Sでは、内側部分24Uと比較して、より面密度が高い。このため、基板ユニット30では、プロセッサ34からヒートスプレッダ36へ熱を効率的に伝えることができる。
図2に示すように、シート状部材22の一端面22A側では、カーボンナノチューブ26の一端部26Aと、樹脂充填材28の一端部28Aの双方がプロセッサ34に接触する。したがって、カーボンナノチューブ26の一端部26Aと、樹脂充填材28の一端部28Aのいずれか一方がプロセッサ34に接触する構造と比較して、プロセッサ34に対する接着性とプロセッサ34からの伝熱性の双方が高い構造を実現できる。
同様に、シート状部材22の他端面22B側では、カーボンナノチューブ26の他端部26Bと、樹脂充填材28の他端部28Bの双方がヒートスプレッダ36に接触する。したがって、カーボンナノチューブ26の他端部26Bと、樹脂充填材28の他端部28Bのいずれか一方がヒートスプレッダ36に接触する構造と比較して、ヒートスプレッダ36に対する接着性とヒートスプレッダ36への伝熱性の双方が高い構造を実現できる。
図3に示すように、基板ユニット30は、コンピュータ40の筐体42内に搭載される。コンピュータ40としても、基板ユニット30のコンピュータ40から効率的に放熱できる構造を実現できる。
特に、プロセッサ34がたとえばプロセッサである場合、プロセッサの高性能化に伴い、発熱量も多くなることがある。本実施形態では、プロセッサ(プロセッサ34)を効率的に冷却できるので、プロセッサの性能を安定的に発揮させることができる。
また、プロセッサ34とヒートスプレッダ36との間に配置する伝熱のための部材としては、たとえば、放熱グリースや熱伝導性相変化物質等を用いることも考えられる。熱伝導性相変化物質は、熱により相変化する材料であり、特に受熱により固体から溶融状態への変化することで対象への接着性が高くなり、熱伝導率が上昇する材料である。熱伝導性相変化物質は、熱伝導性フェイズチェンジマテリアルと称されることもある。
しかし、放熱グリースや熱伝導性相変化物質の熱伝導率は、1W/m・K〜5W/m・Kであること多いのに対し、カーボンナノチューブの長手方向の熱伝導率は、1500W/m・K〜3000W/m・Kであることが多い。したがって、本実施形態では、プロセッサ34とヒートスプレッダ36との間に放熱グリースや熱伝導性相変化物質を介在させる構造と比較して、効率的にプロセッサ34からヒートスプレッダ36へ熱を伝えることができる。
熱伝導率が高い物質としては、たとえばインジウムを挙げることができる。そこで、インジウムをシート状に形成し、プロセッサ34とヒートスプレッダ36との間に介在させる構造も考えられる。しかし、インジウムと比較して、カーボンナノチューブは安価に製造できるので、シート状部材22の製造における低コスト化に寄与できる。
以上、本願の開示する技術の実施形態について説明したが、本願の開示する技術は、上記に限定されるものでなく、上記以外にも、その主旨を逸脱しない範囲内において種々変形して実施可能であることは勿論である。
本明細書は、以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の線状構造体により形成された構造体束と、
前記構造体束の複数の前記線状構造体の間に充填され接着性を備える充填材と、
を有し、
前記構造体束の平面視で前記線状構造体の面密度が前記構造体束の外側部分で高く内側部分で低いシート状部材。
(付記2)
前記充填材が、前記構造体束の厚み方向の両側のそれぞれにおいて露出する付記1に記載のシート状部材。
(付記3)
複数の前記線状構造体の長手方向の両端部がそれぞれ1つの平面を成す付記2に記載のシート状部材。
(付記4)
前記充填材の露出部が、前記平面内に位置する付記3に記載のシート状部材。
(付記5)
前記充填材が、前記線状構造体よりも低い温度で溶融する樹脂で形成される付記1〜付記4のいずれか1つに記載のシート状部材。
(付記6)
構造体束を形成する複数の線状構造体の間に充填材を充填し、
前記構造体束を側方から押して圧縮するシート状部材の製造方法。
(付記7)
前記構造体束を前記圧縮するときに互いに対向する対向方向に前記構造体束を押す付記6に記載のシート状部材の製造方法。
(付記8)
前記構造体束を前記対向方向に押して圧縮した後、前記対向方向と異なる対向方向でさらに前記構造体束を押して圧縮する付記7に記載のシート状部材の製造方法。
(付記9)
前記構造体束を前記圧縮するときに、前記構造体束の厚み方向の両端において前記構造体束を保持する付記6〜付記8のいずれか1つに記載のシート状部材の製造方法。
(付記10)
プリント基板と、
前記プリント基板に搭載される電子部品と、
前記電子部品の熱を放熱する放熱部材と、
複数の線状構造体により形成された構造体束と、複数の前記線状構造体の間に充填され接着性を備える充填材と、を備え、前記構造体束を平面的に見て前記線状構造体の面密度が前記構造体束の外側部分で高く内側部分で低く、前記線状構造体の長手方向の一端側が前記電子部品に接触され他端側が前記放熱部材に接触されるシート状部材と、
を有する基板ユニット。
(付記11)
前記線状構造体及び前記充填材の双方が、前記一端側で前記電子部品に接触し前記他端側で前記放熱部材に接触する付記10に記載の基板ユニット。
(付記12)
プリント基板に搭載される電子部品と前記電子部品の熱を放熱する放熱部材との間に、複数の線状構造体により形成された構造体束と、複数の前記線状構造体の間に充填され接着性を備える充填材と、を備え、前記構造体束を平面的に見て前記線状構造体の面密度が前記構造体束の外側部分で高く内側部分で低いシート状部材が配置された基板ユニット、を有する電子機器。
22 シート状部材
24 構造体束
24S 外側部分
24U 内側部分
26 カーボンナノチューブ(線状構造体の一例)
26A 一端部
26B 他端部
28 樹脂充填材(充填材の一例)
30 基板ユニット
32 プリント基板
34 プロセッサ(電子部品の一例)
36 ヒートスプレッダ(放熱部材の一例)
40 コンピュータ(電子機器の一例)
54 樹脂シート
56 圧縮板
58A、58B 金属板
60 ネジ
62 ホットプレート
64 押圧板
PL−1、PL−2 平面

Claims (6)

  1. 複数の線状構造体により形成された構造体束と、
    前記構造体束の複数の前記線状構造体の間に充填され接着性を備える充填材と、
    を有し、
    前記構造体束の平面視で前記線状構造体の面密度が前記構造体束の外側部分で高く内側部分で低いシート状部材。
  2. 前記充填材が、前記構造体束の厚み方向の両側のそれぞれにおいて露出する請求項1に記載のシート状部材。
  3. 複数の前記線状構造体の長手方向の両端部がそれぞれ1つの平面を成す請求項2に記載のシート状部材。
  4. 構造体束を形成する複数の線状構造体に樹脂シートを重ね、複数の前記線状構造体と前記樹脂シートとを圧縮しつつ樹脂シートを溶融させることで複数の前記線状構造体の間に充填材を充填し、
    前記構造体束を側方から押して圧縮するシート状部材の製造方法。
  5. プリント基板と、
    前記プリント基板に搭載される電子部品と、
    前記電子部品の熱を放熱する放熱部材と、
    複数の線状構造体により形成された構造体束と、複数の前記線状構造体の間に充填され接着性を備える充填材と、を備え、前記構造体束を平面的に見て前記線状構造体の面密度が前記構造体束の外側部分で高く内側部分で低く、前記線状構造体の長手方向の一端側が前記電子部品に接触され他端側が前記放熱部材に接触されるシート状部材と、
    を有する基板ユニット。
  6. プリント基板に搭載される電子部品と前記電子部品の熱を放熱する放熱部材との間に、複数の線状構造体により形成された構造体束と、複数の前記線状構造体の間に充填され接着性を備える充填材と、を備え、前記構造体束を平面的に見て前記線状構造体の面密度が前記構造体束の外側部分で高く内側部分で低いシート状部材が配置された基板ユニット、を有する電子機器。
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