JP6459192B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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- SRRSNXJAASVYTI-UHFFFAOYSA-N NCOCC1OC1 Chemical compound NCOCC1OC1 SRRSNXJAASVYTI-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
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Description
同様に、本発明によれば、下記式(1a)により示される構造単位と、下記式(1b)により示される構造単位と、下記式(3)により示される構造単位と、を主鎖中に含むポリマーを含む、永久膜を形成するために用いられる感光性樹脂組成物であって、ネガ型である感光性樹脂組成物が提供される。
また、本実施形態によれば、上述のように耐アンダーカット性を向上させつつ、層間絶縁膜等の永久膜に求められる諸特性を満たすことも可能である。このような諸特性としては、たとえば耐熱性、透明性、化学薬液耐性、および低誘電率等が挙げられる。さらには、現像性、解像性、耐クラック性の向上に寄与することも可能となる。
まず、第1ポリマーについて説明する。
本実施形態に係る第1ポリマーは、前述したとおり、下記式(1a)により示される構造単位、および下記式(1b)により示される構造単位を有する共重合体により構成される。
また、本実施形態に係る第1ポリマーによれば、耐アンダーカット性に加えて、薬液耐性やリワーク特性、透明性等の、永久膜を形成するために用いられる感光性樹脂組成物に求められる特性を良好なものとすることも可能となる。
なお、本実施形態において、第1ポリマー中における式(1a)により示される構造単位のモル比は、とくに限定されないが、第1ポリマー全体に対して1以上90以下であることが好ましい。また、第1ポリマー中における式(1b)により示される構造単位のモル比は、とくに限定されないが、第1ポリマー全体に対して1以上50以下であることが好ましい。
なお、本実施形態においては、第1ポリマーとして、たとえば上記式(1a)により示される構造単位を複数含み、かつ少なくとも一部の上記式(1a)により示される構造単位においてR1、R2、R3およびR4のうちの少なくとも一つが上記式(4)により示される有機基であるものを採用することができる。
まず、上記式(10)により示される化合物と、上記式(11)により示される化合物と、を用意する。また、必要に応じて、上記式(12)により示される化合物や、上記式(13)により示される化合物、その他の化合物を一種または二種以上用意してもよい。なお、本実施形態においては、たとえば第1ポリマーを合成するためのモノマーとして、無水マレイン酸を使用しない合成方法を採用することができる。これにより、第1ポリマーを、無水マレイン酸由来の無水環を有する構造単位を含まないものとすることができる。
また、必要に応じて分子量調整剤や連鎖移動剤を使用する事ができる。連鎖移動剤としては、例えば、ドデシルメルカプタン、メルカプトエタノール、4,4−ビス(トリフルオロメチル)−4−ヒドロキシ−1−メルカプトブタン等のチオール化合物を挙げることができる。これらの連鎖移動剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
感光性樹脂組成物は、永久膜を形成するために用いられる。
上記永久膜は、感光性樹脂組成物を硬化させることにより得られる樹脂膜により構成される。本実施形態においては、たとえば感光性樹脂組成物により構成される塗膜を露光および現像により所望の形状にパターニングした後、当該塗膜を熱処理等によって硬化させることにより永久膜が形成される。
層間膜は、多層構造中に設けられる絶縁膜を指し、その種類はとくに限定されない。層間膜としては、たとえば半導体素子の多層配線構造を構成する層間絶縁膜、回路基板を構成するビルドアップ層もしくはコア層等の半導体装置用途において用いられるものが挙げられる。また、層間膜としては、たとえば表示装置における薄膜トランジスタ(TFT(Thin Film Transistor))を覆う平坦化膜、液晶配向膜、MVA(Multi Domain Vertical Alignment)型液晶表示装置のカラーフィルタ基板上に設けられる突起、もしくは有機EL素子の陰極を形成するための隔壁等の表示装置用途において用いられるものも挙げられる。
表面保護膜は、電子部品や電子装置の表面に形成され、当該表面を保護するための絶縁膜を指し、その種類はとくに限定されない。このような表面保護膜としては、たとえば半導体素子上に設けられるパッシベーション膜、バンプ保護膜もしくはバッファーコート層、またはフレキシブル基板上に設けられるカバーコートが挙げられる。また、ダム材は、基板上に光学素子等を配置するための中空部分を形成するために用いられるスペーサである。
感光剤としては、たとえばジアゾキノン化合物を有することができる。感光剤として用いられるジアゾキノン化合物は、たとえば以下に例示するものを含む。
なお、本実施形態における感光性樹脂組成物は、上記において例示したエポキシ化合物を一種または二種以上含むことが可能である。
アミノシランとしては、たとえばビス(2―ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、γ―アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルトリエトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルメチルジエトキシシラン、およびN―フェニル−γ―アミノ−プロピルトリメトキシシランが挙げられる。エポキシシランとしては、たとえばγ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、およびβ―(3、4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランが挙げられる。アクリルシランとしては、たとえばγ―(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、γ―(メタクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、およびγ―(メタクリロキシプロピル)メチルジエトキシシランが挙げられる。メルカプトシランとしては、たとえばγ―メルカプトプロピルトリメトキシシランが挙げられる。ビニルシランとしては、たとえばビニルトリス(βメトキシエトキシ)シラン、ビニルトリエトキシシラン、およびビニルトリメトキシシランが挙げられる。ウレイドシランとしては、たとえば3−ウレイドプロピルトリエトキシシランが挙げられる。スルフィドシランとしては、たとえばビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)ジスルフィド、およびビス(3−(トリエトキシシリル)プロピル)テトラスルフィドが挙げられる。
感光性樹脂組成物がポジ型である場合、感光性樹脂組成物は、たとえば第1ポリマーと、感光剤と、を含む。また、ポジ型である感光性樹脂組成物は、たとえば第1ポリマーおよび感光剤とともに、酸発生剤を含むこともできる。これにより、感光性樹脂組成物の硬化性をより効果的に向上させることができる。なお、ポジ型の感光性樹脂組成物は、上記において例示した、第1ポリマー、感光剤および酸発生剤以外の各成分をさらに含むことが可能である。
感光性樹脂組成物は、たとえば現像後の残膜率が80%以上であることが好ましい。また、感光性樹脂組成物は、たとえばポストベーク後の残膜率が70%以上であることが好ましい。これにより、所望の形状を有するパターンを非常に精度良く実現することができる。現像後の残膜率とポストベーク後の残膜率の上限値は、とくに限定されないが、たとえば99%とすることができる。
残膜率の測定は、たとえば次のようにして行うことができる。まず、感光性樹脂組成物をガラス基板上に回転塗布し、100℃、120秒間ホットプレートで加熱し、これにより得られる樹脂膜を薄膜Aとする。次いで、露光装置を用いて5μmのラインとスペースの幅が1:1となるように、最適露光量で露光する。感光性樹脂組成物がネガ型である場合には、露光後の薄膜Aを100〜150℃、120秒間ホットプレートにてベークする。次いで、薄膜Aを、現像液を用いて23℃、90秒間現像して、薄膜Bを得る。次いで、薄膜Bに対し300mJ/cm2でg+h+i線によって全面露光した後、オーブン中で230℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行い、これを薄膜Cとする。そして、測定された薄膜Aと薄膜Bと薄膜Cの膜厚から、以下の式より残膜率を算出する。
現像後残膜率(%)=〔薄膜Bの膜厚(μm)/薄膜Aの膜厚(μm)〕×100
ベーク後残膜率(%)=〔薄膜Cの膜厚(μm)/薄膜Aの膜厚(μm)〕×100
感光性樹脂組成物を用いて形成される樹脂膜の比誘電率は、たとえば5.0以下であることが好ましい。なお、比誘電率の下限値は、とくに限定されないが、たとえば1とすることができる。
ポジ型感光性樹脂組成物において、比誘電率の測定は、たとえば次のようにして行うことができる。まず、上記感光性樹脂組成物をアルミニウム基板上に回転塗布し、100℃、120秒間ホットプレートにてベークして樹脂膜を得る。次いで、300mJ/cm2でg+h+i線によって全面露光した後、オーブン中で230℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行い、厚さ3μmの膜とする。その後、この膜上に金電極を形成し、室温(25℃)、10kHzにおける条件でLCRメータを用いて比誘電率を計測する。
ネガ型感光性樹脂組成物において、比誘電率の測定は、たとえば次のようにして行うことができる。まず、上記感光性樹脂組成物をアルミニウム基板上に回転塗布し、100℃、120秒間ホットプレートにてベークして、樹脂膜を得る。次いで、上記樹脂膜を、300mJ/cm2でg+h+i線によって全面露光する。次いで、露光後の上記樹脂膜を100〜150℃、120秒間ホットプレートにてベークする。次いで、オーブン中で230℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行い、厚さ3μmの膜とする。その後、この膜上に金電極を形成し、室温(25℃)、10kHzにおける条件でLCRメータを用いて比誘電率を計測する。
感光性樹脂組成物を用いて形成される樹脂膜の、光の波長400nmにおける透過率は、たとえば80%以上であることが好ましい。なお、透過率の上限値は、とくに限定されないが、たとえば99.9%とすることができる。
ポジ型感光性樹脂組成物において、透過率の測定は、たとえば次のようにして行うことができる。まず、感光性樹脂組成物をガラス基板上に回転塗布し、100℃、120秒間ホットプレートにてベークして樹脂膜を得る。次いで、上記樹脂膜を現像液に90秒間浸した後、純水でリンスする。次いで、上記樹脂膜に対して、300mJ/cm2でg+h+i線によって全面露光した後、オーブン中で230℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行う。そして、この樹脂膜について光の波長400nmにおける透過率を、紫外−可視光分光光度計を用いて測定し、膜厚3μmに換算した数値を透過率とする。
ネガ型感光性樹脂組成物において、透過率の測定は、たとえば次のようにして行うことができる。まず、感光性樹脂組成物をガラス基板上に回転塗布し、100℃、120秒間ホットプレートにてベークして樹脂膜を得る。次いで、上記樹脂膜に対して、300mJ/cm2でg+h+i線によって全面露光する。次いで、露光後の上記樹脂膜を100〜150℃、120秒間ホットプレートにてベークする。次いで、上記樹脂膜を現像液に90秒間浸した後、純水でリンスする。次いで、オーブン中で230℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行う。そして、この樹脂膜について光の波長400nmにおける透過率を、紫外−可視光分光光度計を用いて測定し、膜厚3μmに換算した数値を透過率とする。
感光性樹脂組成物の膨潤率は、たとえば20%以下であることが好ましい。また、感光性樹脂組成物のリカバー率は、たとえば95%以上105%以下であることが好ましい。これにより、優れた薬液耐性を有する感光性樹脂組成物が実現される。なお、膨潤率の下限値は、とくに限定されないが、たとえば0%とすることができる。
ポジ型感光性樹脂組成物において、膨潤率およびリカバー率の測定は、たとえば次のように行うことができる。まず、感光性樹脂組成物をガラス基板上に回転塗布し、ホットプレートを用いて100℃、120秒の条件でプリベークすることにより樹脂膜を得る。次いで、上記樹脂膜を現像液に90秒浸した後、純水でリンスする。次いで、上記樹脂膜に対し、g+h+i線を積算光量が300mJ/cm2となるように全面露光する。次いで、上記樹脂膜に対し、オーブン中、230℃、60分間の条件下で熱硬化処理を行う。次いで、これにより得られる硬化膜の膜厚(第1膜厚)を計測する。次いで、上記硬化膜を、70℃のTOK106(東京応化工業(株)製)中に15分間浸漬した後、純水で30秒間リンスする。このとき、上記硬化膜のリンス後における膜厚を第2膜厚として、次の式から膨潤率を算出する。
膨潤率:[(第2膜厚−第1膜厚)/(第1膜厚)]×100(%)
次いで、上記硬化膜をオーブン中で、230℃、15分間加熱し、加熱後の膜厚(第3膜厚)を計測する。そして、下記式からリカバー率を算出する。
リカバー率:[(第3膜厚)/(第1膜厚)]×100(%)
ネガ型感光性樹脂組成物において、膨潤率およびリカバー率の測定は、たとえば次のように行うことができる。まず、感光性樹脂組成物をガラス基板上に回転塗布し、ホットプレートを用いて100℃、120秒の条件でプリベークすることにより樹脂膜を得る。次いで、上記樹脂膜に対し、g+h+i線を積算光量が300mJ/cm2となるように全面露光する。次いで、露光後の上記樹脂膜を100〜150℃、120秒間ホットプレートにてさらにベークする。次いで、上記樹脂膜を現像液に90秒浸した後、純水でリンスする。次いで、上記樹脂膜に対し、オーブン中、230℃、60分間の条件下で熱硬化処理を行う。次いで、これにより得られる硬化膜の膜厚(第1膜厚)を計測する。次いで、上記硬化膜を、70℃のTOK106(東京応化工業(株)製)中に15分間浸漬した後、純水で30秒間リンスする。このとき、上記硬化膜のリンス後における膜厚を第2膜厚として、次の式から膨潤率を算出する。
膨潤率:[(第2膜厚−第1膜厚)/(第1膜厚)]×100(%)
次いで、上記硬化膜をオーブン中で、230℃、15分間加熱し、加熱後の膜厚(第3膜厚)を計測する。そして、下記式からリカバー率を算出する。
リカバー率:[(第3膜厚)/(第1膜厚)]×100(%)
感光性樹脂組成物の感度は、たとえば200mJ/cm2以上600mJ/cm2以下とすることが好ましい。これにより、優れたリソグラフィ性能を有する感光性樹脂組成物を実現することができる。
ポジ型の感光性樹脂組成物について、感度の測定は、たとえば次のように行うことができる。まず、感光性樹脂組成物をガラス基板上に回転塗布し、100℃、120秒間ホットプレートにてベークして、約3.5μm厚の薄膜を得る。この薄膜に対し、露光装置を用いて5μmのホールパターンのマスクを使用して露光する。次いで、現像液を用いて23℃、90秒間現像することで形成されるレジストパターンをSEM観察し、5μm角のホールパターンが得られるときの露光量を感度とする。
また、ネガ型感光性樹脂組成物において、感度の測定は、たとえば次のように行うことができる。まず、得られた感光性樹脂組成物をガラス基板に回転塗布し、100℃、120秒間ホットプレートにてベークして、約3.5μm厚の薄膜Aを得る。この薄膜Aに対し、露光装置を用いて20mJ/cm2ずつ露光量を変動させて露光を行う。露光装置としては、たとえばキヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)を用いることができる。次いで、露光後の薄膜Aを100〜150℃、120秒間ホットプレートにてベークする。次いで、現像液を用いて23℃、90秒間現像し、純水リンスを施して、薄膜Bを得る。そして、薄膜B/薄膜A×100=95%となる露光量を感度(mJ/cm2)とする。
次に、本実施形態に係る電子装置100について説明する。
電子装置100は、たとえば上述の感光性樹脂組成物により形成される永久膜である絶縁膜20を備える。本実施形態に係る電子装置100は、感光性樹脂組成物により形成される絶縁膜を備えるものであればとくに限定されないが、たとえば絶縁膜20を平坦化膜やマイクロレンズとして有する表示装置や、絶縁膜20を層間絶縁膜として用いた多層配線構造を備える半導体装置等が挙げられる。
図1においては、電子装置100が液晶表示装置であり、絶縁膜20が平坦化膜として用いられる場合が例示されている。図1に示す電子装置100は、たとえば基板10と、基板10上に設けられたトランジスタ30と、トランジスタ30を覆うように基板10上に設けられた絶縁膜20と、絶縁膜20上に設けられた配線40と、を備えている。
絶縁膜20上および開口22内には、ドレイン電極33と接続する配線40が形成されている。配線40は、液晶とともに画素を構成する画素電極として機能する。
また、絶縁膜20上には、配線40を覆うように配向膜90が設けられている。
基板10と当該対向基板12との間には、液晶層14を構成する液晶が充填される。
まず、基板10上にトランジスタ30を形成する。次いで、基板10のうちトランジスタ30が設けられた一面上に、印刷法あるいはスピンコート法により上記感光性樹脂組成物を塗布し、トランジスタ30を覆う絶縁膜20を形成する。次いで、絶縁膜20に対して紫外線等を露光し、現像して、絶縁膜20をパターニングする。これにより、絶縁膜20の一部に開口22を形成する。次いで、絶縁膜20を加熱硬化させる。これにより、基板10上に、平坦化膜である絶縁膜20が形成されることとなる。
次いで、絶縁膜20の開口22内に、ドレイン電極33に接続された配線40を形成する。その後、絶縁膜20上に対向基板12を配置し、対向基板12と絶縁膜20との間に液晶を充填し、液晶層14を形成する。
これにより、図1に示す電子装置100が形成されることとなる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. 下記式(1a)により示される構造単位、および下記式(1b)により示される構造単位を含むポリマー。
(式(1a)中、nは0、1または2である。R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜10の有機基であり、これらのうちの少なくとも一つがカルボキシル基、エポキシ環、またはオキセタン環を含む有機基である。式(1b)中、mは0、1または2である。R 5 、R 6 、R 7 およびR 8 はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜10の有機基であり、これらのうちの少なくとも一つがアルコキシシリル基である)
2. 1.に記載のポリマーにおいて、
前記アルコキシシリル基は、以下の式(2)により示されるポリマー。
(式(2)中、R 10 、R 11 およびR 12 はそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキル基である)
3. 1.または2.に記載のポリマーにおいて、
下記式(3)により示される構造単位をさらに含むポリマー。
(式(3)中、R 9 は、水素または炭素数1〜12の有機基である)
4. 1.〜3.いずれか一つに記載のポリマーにおいて、
前記式(1a)により示される構造単位の少なくとも一部は、R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 のうちの少なくとも一つが下記式(4)により示される有機基であるポリマー。
(式(4)中、Y 1 は、炭素数4〜10の二価の有機基である)
5. 永久膜を形成するために用いられる感光性樹脂組成物であって、
1.〜4.いずれか一つに記載のポリマーを含む感光性樹脂組成物。
6. 5.に記載の感光性樹脂組成物であって、
ポジ型である感光性樹脂組成物。
7. 5.に記載の感光性樹脂組成物であって、
ネガ型である感光性樹脂組成物。
(合成例1)
撹拌機及び冷却管を備えた反応容器内に、トリエトキシシリルノルボルネン(3.84g、15mmol)、マレイミド(2.43g、25mmol)、N−シクロヘキシルマレイミド(4.48g、25mmol)、ノルボルネンカルボン酸(3.25g、25mmol)、メチルグリシジルエーテルノルボルネン(0.9g、5mmol)、ジブチルフマル酸(1.14g、5mmol)を計量した。さらに、V−601(0.92g、4.0mmol)を溶解させたプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.1gを反応容器に加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、窒素雰囲気下にて70℃に保持し、5時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、MEK30gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のヘキサン中に注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しヘキサンにてさらに洗浄した後、30℃、16時間真空乾燥させた。ポリマーの収得量は13.2g、収率は82%であった。また、ポリマーは、重量平均分子量Mwが11,430であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が2.34であった。
得られたポリマーは、下記式(14)により示される構造を有していた。
東ソー(株)社製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8320GPC
カラム:東ソー(株)社製TSK−GEL Supermultipore HZ−M
検出器:液体クロマトグラム用RI検出器
測定温度:40℃
溶媒:THF
試料濃度:2.0mg/ミリリットル
なお、重量平均分子量(Mw)、および数平均分子量(Mn)の測定条件は、後述する合成例2〜4において同様である。
撹拌機及び冷却管を備えた反応容器内に、トリエトキシシリルノルボルネン(3.20g、12.5mmol)、マレイミド(2.43g、25mmol)、N−シクロヘキシルマレイミド(4.48g、25mmol)、ノルボルネンカルボン酸(3.58g、27.5mmol)、エポキシオクチルノルボルネン(1.10g、5mmol)、ジブチルフマル酸(1.14g、5mmol)を計量した。さらに、V−601(0.92g、4.0mmol)を溶解させたプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート8.9gを反応容器に加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、窒素雰囲気下にて70℃に保持し、5時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、MEK30gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のヘキサン中に注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しヘキサンにてさらに洗浄した後、30℃、16時間真空乾燥させた。ポリマーの収得量は13.2g、収率は83%であった。また、ポリマーは、重量平均分子量Mwが12,100であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が2.40であった。
得られたポリマーは、下記式(15)により示される構造を有していた。
撹拌機及び冷却管を備えた反応容器内に、トリエトキシシリルノルボルネン(3.84g、15mmol)、マレイミド(2.67g、27.5mmol)、N−シクロヘキシルマレイミド(4.03g、22.5mmol)、ノルボルネンカルボン酸(0.65g、5mmol)、メチルグリシジルエーテルノルボルネン(4.50g、25mmol)、ジブチルフマル酸(1.14g、5mmol)を計量した。さらに、V−601(0.92g、4.0mmol)を溶解させたプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート9.1gを反応容器に加え、撹拌・溶解させた。次いで、窒素バブリングにより系内の溶存酸素を除去したのち、窒素雰囲気下にて70℃に保持し、5時間反応させた。次いで、反応混合物を室温まで冷却し、MEK30gを添加し希釈した。希釈後の溶液を大量のヘキサン中に注ぎ、ポリマーを析出させた。次いで、ポリマーを濾取しヘキサンにてさらに洗浄した後、30℃、16時間真空乾燥させた。ポリマーの収得量は13.2g、収率は82%であった。また、ポリマーは、重量平均分子量Mwが9,450であり、分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)が2.38であった。
得られたポリマーは、上記式(14)により示される構造を有していた。
メチルグリシジルエーテルノルボルネン(0.66g、3mmol)、ヘキサフルオロメチルアルコールノルボルネン(7.40g、27mmol)、トルエン(18g)を、攪拌装置を備えた反応容器に仕込み、乾燥窒素ガスで内部を置換した。内容物を加熱し内温が60℃に到達したところで(η6−トルエン)Ni(C6F5)2(0.29g、0.60mmol)を10gのトルエンに溶解させた溶液を添加した。次いで、60℃で5時間反応させた後、室温まで冷却した。反応後の溶液にTHFを30g添加し、更に酢酸(6g)及び30%過酸化水素水(8.0g)を添加し、室温で5時間撹拌した。その後、イオン交換水による水洗作業を3回実施した。有機層をエバポレーターで濃縮した後、300gのヘキサンで再沈殿し、白色固体を得た。得られた固体を30℃の真空乾燥機で一晩乾燥し、6.0gの白色粉末が得られた。得られたポリマーの分子量はGPCによりMw=23,500、Mn=13,700であった。
得られたポリマーは、下記式(26)により示される構造を有していた。
(実施例1)
合成例1により合成されたポリマー10.0g、4,4'−(1−{4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル}エチリデン)ビスフェノールと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製:PA−28)を2.2g、ε-カプロラクトン変性3,4'−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを3.0g(株式会社ダイセル製セロキサイド2081)、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(サンアプロ製CPI−110B)を0.2g、密着性を改善するためにKBM−403(信越シリコーン社製)を1.0g、回転塗布の際にレジスト膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)を0.05g、をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル:ベンジルアルコール=50:42.5:7.5の混合溶媒に固形分20%となるよう溶解した。これを、0.2μmのPTFEフィルターで濾過して、ポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
合成例2により合成されたポリマー10.0g、4,4'−(1−{4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル}エチリデン)ビスフェノールと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製:PA−28)を2.0g、ε-カプロラクトン変性3,4'−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを2.0g(株式会社ダイセル製セロキサイド2081)、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(サンアプロ製CPI−110B)を0.5g、密着性を改善するためにKBM−403(信越シリコーン社製)を0.5g、回転塗布の際にレジスト膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)を0.05g、をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル=50:50の混合溶媒に固形分20%となるよう溶解した。これを、0.2μmのPTFEフィルターで濾過して、ポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
合成例3により合成されたポリマー10.0g、4,4'−(1−{4−[1−(4−ヒドロキシフェニル)−1−メチルエチル]フェニル}エチリデン)ビスフェノールと1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロライドとのエステル化物(ダイトーケミックス(株)製:PA−28)を2.2g、ε-カプロラクトン変性3,4'−エポキシシクロヘキシルメチル3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートを3.0g(株式会社ダイセル製セロキサイド2081)、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(サンアプロ製CPI−110B)を0.2g、密着性を改善するためにKBM−403(信越シリコーン社製)を1.0g、回転塗布の際にレジスト膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)を0.05g、をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル=50:50の混合溶媒に固形分20%となるよう溶解した。これを、0.2μmのPTFEフィルターで濾過して、ポジ型感光性樹脂組成物を調製した。
セロキサイド2081をダイセル(株)製LX−01に変更した以外は、実施例3と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を調製した。なお、各成分の配合量は表1に示すとおりである。
セロキサイド2081をダイセル(株)製EHPE−3150に変更した以外は、実施例3と同様にしてポジ型感光性樹脂組成物を調製した。なお、各成分の配合量は表1に示すとおりである。
ポリマーとして合成例4で合成されたものを用いた以外、実施例1と同様にポジ型感光性樹脂組成物を調整した。なお、各成分の配合量は表1に示すとおりである。
実施例1〜5および比較例1について、次のようにして耐アンダーカット性を評価した。まず、得られた感光性樹脂組成物を縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板に回転塗布し、100℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約3.5μm厚の薄膜を得た。この薄膜にキヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)にて5μmのホールパターンのマスクを使用し露光した。次いで、現像液を用いて23℃、90秒間現像することでパターン付きの薄膜を得た。なお、実施例1、2においては上記現像液として0.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を、実施例3〜5および比較例1においては上記現像液として2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を、それぞれ使用して現像処理を行った。この薄膜にPLA−501Fにて300mJ/cm2全面露光した後、オーブン中で230℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行った。上記薄膜に形成されたホールパターンの断面をSEM観察し、ホールパターンの下端にアンダーカットが観察されなかったものを○、アンダーカットが観察されたものを×として、耐アンダーカット性の評価を行った。
実施例1〜5および比較例1について、次のようにして耐クラック性を評価した。まず、得られた感光性樹脂組成物を縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板に回転塗布し、100℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約3.5μm厚の薄膜を得た。この薄膜にキヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)にて5μmのホールパターンのマスクを使用し露光した。次いで、現像液を用いて23℃、90秒間現像することでレジストパターンを形成した。なお、実施例1、2においては上記現像液として0.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を、実施例3〜5および比較例1においては上記現像液として2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を、それぞれ使用して現像処理を行った。次いで、形成されたレジストパターンの表面をSEM観察し、薄膜にクラックが入っているものを×、クラックがないものを○として、耐クラック性の評価を行った。
実施例1〜5および比較例1について、次のようにして感光性樹脂組成物のリワーク特性を評価した。まず、感光性樹脂組成物を、縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板に回転塗布し(回転数500〜2500rpm)、ホットプレートを用いて100℃、120秒の条件でプリベークすることにより、約3.0μm厚の樹脂膜を得た。次いで、上記樹脂膜に対し、幅5μmのマスクパターンを有するマスクを用いて、g+h+i線マスクアライナー(キヤノン(株)社製、PLA−501F(超高圧水銀ランプ))によりg+h+i線を積算光量が300mJ/cm2となるように露光した。その後、現像液を用いて現像処理、更に純水でリンスすることによりパターン付きの薄膜を得た。なお、実施例1、2においては上記現像液として0.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を、実施例3〜5および比較例1においては上記現像液として2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を、それぞれ使用して現像処理を行った。この薄膜に対してマスクを介さず、積算光量が300mJ/cm2となるようブリーチ処理を行った。次いで、上記樹脂膜を、気温23±1℃、湿度40±5%に保ったイエロールーム内(HEPAフィルター使用)で24時間放置した後、上記樹脂膜に対しマスクを介さずにg+h+i線を積算光量が300mJ/cm2となるよう再度ブリーチ処理を行った。次いで、上記樹脂膜を23±1℃の2.38%TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)溶液中に240秒間浸漬した。このとき、基板上における上記樹脂膜の残存の有無を、顕微鏡にて観察した。ここでは、上記樹脂膜の残存が観察されなかったものを○、上記樹脂膜の残存が観察されたものを×として、リワーク特性の評価を行った。
実施例1〜5および比較例1について、次のようにして薄膜パターンを形成した。まず、得られた感光性樹脂組成物を、縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板に回転塗布し(回転数300〜2500rpm)、100℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約3.5μm厚の薄膜Aを得た。この薄膜Aにキヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)にて5μmのラインとスペースの幅が1:1となるように、最適露光量で露光し、現像液を用いて23℃、90秒間現像することで、ラインとスペース幅が1:1のライン&スペースパターンつき薄膜Bを得た。なお、実施例1、2においては上記現像液として0.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を、実施例3〜5および比較例1においては上記現像液として2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を、それぞれ使用して現像処理を行った。この薄膜BをPLA−501Fにて300mJ/cm2全面露光した後、オーブン中で230℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行い、パターン付き薄膜Cを得た。
実施例1〜5および比較例1について、上述の薄膜パターンの形成により得られた薄膜Aと薄膜Bと薄膜Cの膜厚から、以下の式より残膜率を算出した。
現像後残膜率(%)=〔薄膜Bの膜厚(μm)/薄膜Aの膜厚(μm)〕×100
ポストベーク後残膜率(%)=〔薄膜Cの膜厚(μm)/薄膜Aの膜厚(μm)〕×100
実施例1〜5および比較例1について、上述の薄膜パターンの形成により得られた薄膜Bの5μmのパターンをSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察した。スペース部分に残渣が見られた場合は×、残渣が見られない場合には○として現像性を評価した。
実施例1〜5および比較例1について、PLA−501Fにてテストパターンを露光現像せず、かつ基板としてアルミニウム基板を使用する点以外は、上述の薄膜パターンの形成と同様の操作を行うことにより、パターンのない3.0μm厚の薄膜をアルミニウム基板上に得た。その後、この薄膜上に金電極を形成し、室温(25℃)、10kHzにおける条件で、Hewlett Packard社製LCRメータ(4282A)を用いて得られた静電容量から比誘電率を算出した。
実施例1〜5および比較例1について、テストパターンを露光しない以外は、上述の薄膜パターンの形成と同様の操作を行うことにより、パターンのない薄膜をガラス基板上に得た。この薄膜について光の波長400nmにおける透過率(%)を、紫外−可視光分光光度計を用いて測定し、膜厚3μmに換算した数値を透過率とした。
実施例1〜5および比較例1について、次にようにして膨潤率およびリカバー率を測定した。まず、得られた感光性樹脂組成物を、縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板に回転塗布し、ホットプレートを用いて100℃、120秒の条件でプリベークすることにより、約3.5μm厚の樹脂膜を得た。次いで、上記樹脂膜を現像液に90秒浸した後、純水でリンスした。なお、実施例1、2においては上記現像液として0.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を、実施例3〜5および比較例1においては上記現像液として2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を、それぞれ使用して現像処理を行った。次いで、上記樹脂膜に対し、g+h+i線マスクアライナー(キヤノン(株)社製、PLA−501F(超高圧水銀ランプ))を用いてg+h+i線を積算光量が300mJ/cm2となるように全面露光した。次いで、上記樹脂膜に対し、オーブン中、230℃、60分間の条件下で熱硬化処理を行った。次いで、得られた硬化膜の膜厚(第1膜厚)を計測した。次いで、上記硬化膜を、70℃のTOK106(東京応化工業(株)製)中に15分間浸漬した後、純水で30秒間リンスした。このとき、上記硬化膜のリンス後における膜厚を第2膜厚として、次の式から膨潤率を算出した。
膨潤率:[(第2膜厚−第1膜厚)/(第1膜厚)]×100(%)
次いで、上記硬化膜をオーブン中で、230℃、15分間加熱し、加熱後の膜厚(第3膜厚)を計測した。そして、下記式からリカバー率を算出した。
リカバー率:[(第3膜厚)/(第1膜厚)]×100(%)
実施例1〜5および比較例1について、次にようにして感度を測定した。まず、得られた感光性樹脂組成物を縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板に回転塗布し、100℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約3.5μm厚の薄膜Aを得た。この薄膜にキヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)にて5μmのホールパターンのマスクを使用し露光した。次いで、現像液を用いて23℃、90秒間現像することでレジストパターンを形成した。なお、実施例1、2においては上記現像液として0.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を、実施例3および比較例1においては上記現像液として2.38質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を、それぞれ使用して現像処理を行った。次いで、形成されたレジストパターンをSEM観察し、5μm角のホールパターンが得られるときの露光量(mJ/cm2)を感度とした。
合成例1により合成されたポリマー10.0g、ダイセル株式会社製セロキサイド2081を2.0g、ジフェニル[4−(フェニルチオ)フェニル]スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボラート(サンアプロ製CPI−110B)を0.5g、密着性を改善するためにKBM−403(信越シリコーン社製)を0.5g、回転塗布の際にレジスト膜上にできる放射線状のストリエーションを防止するためにF−557(DIC製)を0.05g、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル:ベンジルアルコール=42.5:50:7.5の混合溶媒に固形分20%となるよう溶解した。これを、0.2μmのPTFEフィルターで濾過して、ネガ型感光性樹脂組成物を調製した。
ポリマーとして合成例2で合成されたものを用いた以外、実施例6と同様にネガ型感光性樹脂組成物を調整した。なお、各成分の配合量は表2に示すとおりである。
実施例6、7について、次のようにして耐アンダーカット性を評価した。まず、得られた感光性樹脂組成物を縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板に回転塗布し、100℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約3.5μm厚の薄膜を得た。この薄膜にキヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)にて10μmのホールパターンのマスクを使用し露光した。次いで、上記薄膜を140℃、120秒間ホットプレートにてベークした。次いで、0.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて23℃、90秒間現像することでパターン付きの薄膜を得た。この薄膜にPLA−501Fにて300mJ/cm2全面露光した後、オーブン中で230℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行った。上記薄膜に形成されたホールパターンの断面をSEM観察し、ホールパターンの下端にアンダーカットが観察されなかったものを○、アンダーカットが観察されたものを×として、耐アンダーカット性の評価を行った。
実施例6、7について、次のようにして耐クラック性の評価を行った。まず、得られた感光性樹脂組成物を縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板に回転塗布し、100℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約3.5μm厚の薄膜を得た。この薄膜にキヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)にて10μmのホールパターンのマスクを使用し露光した。次いで、上記薄膜を140℃、120秒間ホットプレートにてベークした。次いで、0.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて23℃、90秒間の条件で現像することでレジストパターンを形成した。次いで、形成されたレジストパターンの表面をSEM観察し、薄膜にクラックが入っているものを×、クラックがないものを○とした。
実施例6、7について、次のようにして薄膜パターンを形成した。まず、得られた感光性樹脂組成物を、縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板に回転塗布し(回転数300〜2500rpm)、100℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約3.5μm厚の薄膜Aを得た。この薄膜Aにキヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)にて10μmのラインとスペースの幅が1:1となるように、最適露光量で露光し、140℃、120秒間ホットプレートにてベークした。その後、上記薄膜を、0.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて23℃、90秒間現像することで、ラインとスペース幅が1:1のライン&スペースパターンつき薄膜Bを得た。この薄膜BをPLA−501Fにて300mJ/cm2全面露光した後、オーブン中で230℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行い、約3.0μm厚のパターン付き薄膜Cを得た。
実施例6、7について、上述の薄膜パターンの形成により得られた薄膜Aと薄膜Bと薄膜Cの膜厚から、以下の式より残膜率を算出した。
現像後残膜率(%)=〔薄膜Bの膜厚(μm)/薄膜Aの膜厚(μm)〕×100
ポストベーク後残膜率(%)=〔薄膜Cの膜厚(μm)/薄膜Aの膜厚(μm)〕×100
実施例6、7について、上述の薄膜パターンの形成により得られた薄膜Bの10μmのパターンをSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察した。スペース部分に残渣が見られた場合は×、残渣が見られない場合には○として現像性を評価した。
実施例6、7について、次のようにして比誘電率を測定した。まず、得られた感光性樹脂組成物を、アルミニウム基板に回転塗布し(回転数300〜2500rpm)、100℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約3.5μmの薄膜を得た。次いで、上記薄膜を、キヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)を用いて300mJ/cm2全面露光した。次いで、露光後の上記薄膜を140℃、120秒間の条件でホットプレートにてベークした。次いで、オーブン中で230℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行い、パターンのない3.0μm厚の薄膜をアルミニウム基板上に得た。その後、この薄膜上に金電極を形成し、室温(25℃)、10kHzにおける条件で、Hewlett Packard社製LCRメータ(4282A)を用いて得られた静電容量から比誘電率を算出した。
実施例6、7について、次のようにして透過率を測定した。まず、得られた感光性樹脂組成物を、縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板に回転塗布し(回転数300〜2500rpm)、100℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約3.5μmの薄膜を得た。次いで、上記薄膜を、キヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)を用いて300mJ/cm2全面露光した。次いで、露光後の上記薄膜を140℃、120秒間の条件でホットプレートにてベークした。次いで、上記薄膜を、0.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液を用いて23℃、90秒間現像した後、純水でリンスする。次いで、オーブン中で230℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行い、パターンのない薄膜をガラス基板上に得た。この薄膜について光の波長400nmにおける透過率(%)を、紫外−可視光分光光度計を用いて測定し、膜厚3μmに換算した数値を透過率とした。
実施例6、7について、次にようにして膨潤率およびリカバー率を測定した。まず、得られた感光性樹脂組成物を、縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板に回転塗布し、ホットプレートを用いて100℃、120秒の条件でプリベークすることにより、約3.5μm厚の樹脂膜を得た。次いで、上記樹脂膜を、キヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)を用いて300mJ/cm2全面露光した。次いで、露光後の上記樹脂膜を140℃、120秒の条件でベークした。次いで、上記樹脂膜を現像液(0.5wt%TMAH)に90秒浸した後、純水でリンスした。次いで、上記樹脂膜に対し、オーブン中、230℃、60分間の条件下で熱硬化処理を行った。次いで、得られた硬化膜の膜厚(第1膜厚)を計測した。次いで、上記硬化膜を、70℃のTOK106(東京応化工業(株)製)中に15分間浸漬した後、純水で30秒間リンスした。このとき、上記樹脂膜のリンス後における膜厚を第2膜厚として、次の式から膨潤率を算出した。
膨潤率:[(第2膜厚−第1膜厚)/(第1膜厚)]×100(%)
次いで、上記硬化膜をオーブン中で、230℃、15分間加熱し、加熱後の膜厚(第3膜厚)を計測した。そして、下記式からリカバー率を算出した。
リカバー率:[(第3膜厚)/(第1膜厚)]×100(%)
実施例6、7について、次にようにして感度を測定した。まず、得られた感光性樹脂組成物を縦100mm、横100mmサイズのコーニング社製1737ガラス基板に回転塗布し、100℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約3.5μm厚の薄膜Aを得た。この薄膜にキヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)にて20mJ/cm2ずつ露光量を変動させて露光した。次いで、140℃、120秒間、ホットプレートにてベークし、0.5質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で23℃、90秒間現像、純水リンスを施した後、薄膜Bを得た。そして、薄膜B/薄膜A×100=95%となる露光量を感度(mJ/cm2)とした。
12 対向基板
14 液晶層
20 絶縁膜
22 開口
30 トランジスタ
31 ゲート電極
32 ソース電極
33 ドレイン電極
34 ゲート絶縁膜
35 半導体層
40、42 配線
90、92 配向膜
100 電子装置
Claims (4)
- 下記式(1a)により示される構造単位と、下記式(1b)により示される構造単位と、下記式(3)により示される構造単位と、を主鎖中に含むポリマーを含む、永久膜を形成するために用いられる感光性樹脂組成物であって、ポジ型である感光性樹脂組成物。
(式(1a)中、nは0、1または2である。R1、R2、R3およびR4はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜10の有機基であり、これらのうちの少なくとも一つがカルボキシル基、エポキシ環、またはオキセタン環を含む有機基である。式(1b)中、mは0、1または2である。R5、R6、R7およびR8はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜10の有機基であり、これらのうちの少なくとも一つがアルコキシシリル基である。)
(式(3)中、R9は、水素または炭素数1〜12の有機基である。) - 下記式(1a)により示される構造単位と、下記式(1b)により示される構造単位と、下記式(3)により示される構造単位と、を主鎖中に含むポリマーを含む、永久膜を形成するために用いられる感光性樹脂組成物であって、ネガ型である感光性樹脂組成物。
(式(1a)中、nは0、1または2である。R 1 、R 2 、R 3 およびR 4 はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜10の有機基であり、これらのうちの少なくとも一つがカルボキシル基、エポキシ環、またはオキセタン環を含む有機基である。式(1b)中、mは0、1または2である。R 5 、R 6 、R 7 およびR 8 はそれぞれ独立して水素または炭素数1〜10の有機基であり、これらのうちの少なくとも一つがアルコキシシリル基である。)
(式(3)中、R 9 は、水素または炭素数1〜12の有機基である。)
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