JP6458647B2 - 回転電機のコイル線接合構造、及び、回転電機のコイル線接合方法 - Google Patents

回転電機のコイル線接合構造、及び、回転電機のコイル線接合方法 Download PDF

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Description

本発明は、回転電機のステータが有する複数のコイル線のうち、同一相のコイル線をバスバーに接合する際の回転電機のコイル線接合構造と、この接合構造に用いられるコイル線接合方法に関する発明である。
回転電機のステータが有する複数のコイル線のうち、同一相のコイル線をバスバーに接合するコイル線の接合構造では、従来、円環状に連結してバスバーを形成する複数の線材片の両端部にバスバー中心に向かうレッグを設け、隣接するレッグ間にヒュージング(熱かしめ)によってコイル線の先端を接合している(例えば、特許文献1参照)。
WO 2014/057978 A1号公報
しかしながら、従来のコイル線接合構造では、円筒形状のコイル線を、先端がストレートに形成されたレッグによって挟み込んでいる。このため、バスバーとコイル線をヒュージング(熱かしめ)で接合しているものの、回転電機の使用に伴う振動等によって、レッグ間からコイル線が外れてしまうおそれがあった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、バスバーに接合したコイル線を外れにくくすることができる回転電機のコイル線接合構造、及び、回転電機のコイル線接合方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、円筒状のステータの各ティースに巻回された複数のコイル線のうち、同一相のコイル線をバスバーに電気的に接合する回転電機のコイル線接合構造において、バスバーは、バスバー本体部と、溝部と、コイル線押さえ部と、を有している。また、コイル線は、立設部と、拡大形状部と、を有している。
前記バスバー本体部は、ステータの外周に沿うように形成されている。
前記溝部は、バスバー本体部に形成されると共にステータ径方向の外側に向かって開放し、コイル線が挿入している。
前記コイル線押さえ部は、溝部の開口端部に形成され、コイル線のステータ周方向の幅寸法よりも溝部のステータ周方向の開口寸法を狭くする。
前記立設部は、ステータ軸方向に沿って延在している。
前記拡大形状部は、立設部に形成され、溝部の内面形状よりも外方に突出し、バスバー本体部のステータ軸方向の第1側面と、バスバー本体部のステータ軸方向の第2側面との少なくとも一方に接触する。
よって、本発明の回転電機のコイル線接合構造では、バスバーが、バスバー本体部に形成されたコイル線が挿入した溝部の開口端部に、コイル線のステータ周方向の幅寸法よりも溝部のステータ周方向の開口寸法を狭くするコイル線押さえ部を有している。また、コイル線は、溝部の内面形状よりも外方に突出し、バスバー本体部のステータ軸方向の第1側面又は第2側面に接触する拡大形状部を有している。
そのため、コイル線押さえ部によって、ステータ径方向に沿ったバスバーとコイル線との相対的な動き、すなわちコイル線の溝部開放方向へ向かう動きを規制することができる。一方、拡大形状部によって、ステータ軸方向に沿ったバスバーとコイル線との相対的な動きを規制することができる。さらに、コイル線が溝部に挿入されていることで、ステータ周方向に沿ったバスバーとコイル線との相対的な動きを規制することができる。
これにより、コイル線が、バスバーに対してステータの径方向、軸方向、周方向のすべての方向に動くことを防止できる。この結果、回転電機の使用に伴う振動等が生じても、バスバーに接合したコイル線を外れにくくすることができる。
実施例1のステータアッシを示す全体斜視図である。 図1のステータアッシの一部を拡大して示す斜視図である。 図1のステータアッシの分解斜視図である。 図1のステータアッシの縦断面図である。 実施例1のバスバーアッシの分解斜視図である。 実施例1のコイル線接合構造を示し、(a)は外観斜視図であり、(b)はA-A断面図である。 実施例1のコイル線接合方法におけるバスバーセット工程を示す説明図である。 実施例1のコイル線接合方法における拡大形状部形成工程を示す説明図である。 実施例1のコイル線接合方法におけるコイル線挿入工程を示す説明図である。 実施例1のコイル線接合方法における溝部閉鎖工程での治具セット状態を示す説明図である。 実施例1のコイル接合方法における溝部閉鎖工程での溝閉鎖状態を示す説明図である。 比較例のコイル線接合構造を示し、(a)は外観斜視図であり、(b)は平面図である。 実施例1の他の例のコイル線接合構造を示し、(a)は外観斜視図であり、(b)はB-B断面図である。
以下、本発明の回転電機のコイル線接合構造と、コイル線接合方法を実施するための形態を、図面に示す実施例1に基づいて説明する。
(実施例1)
まず、本発明のコイル線接合構造を適用する回転電機について説明する。
図1は実施例1のステータアッシを示す全体斜視図であり、図2は図1のステータアッシの一部を拡大して示す斜視図であり、図3は図1のステータアッシの分解斜視図であり、図4は図1のステータアッシの縦断面図である。また、図5はバスバーアッシの分解斜視図であり、図6(a),(b)は実施例1のコイル線接合構造を示す。以下、図1〜図6に基づき、本発明を適用する回転電機について説明する。
実施例1の回転電機は、図1に示すステータアッシ10と、このステータアッシ10の内側で回転可能に保持されるロータ(不図示)と、ステータアッシ10及びロータを収納するケース(不図示)等を有している。そして、この回転電機は、入力した電気エネルギーによって発生させた電磁力に基づき、ロータを回転させる機械エネルギーを生成する。ここで、ステータアッシ10は、いわゆる回転電機の固定子となる。
前記ステータアッシ10は、図1に示すように、ステータ11と、バスバーアッシ20と、を備えている。
前記ステータ11は、図3に示すように、円環状に形成したステータ本体部11a、及び、ステータ本体部11aから径方向中心に向かう方向に突出して形成した複数のティース11bからなるステータコア11cと、ステータコア11cの各ティース11bにボビン12を介して巻回された複数のコイル線13と、を有し、両端が開放した円筒形状を呈している。そして、コイル線13に電力を印加することで、このステータ11に磁界が発生する。
前記ステータコア11cは、磁性体からなり、ステータ本体部11a及び複数のティース11bを一体化した輪郭形状に沿って打ち抜いた鋼板を、多数積層することで形成されている。
前記ボビン12は、絶縁性を備え、ステータコア11cのティース11bを被覆している。このボビン12は、図3に示すように、ここではステータ11の軸方向(Z方向、以下「ステータ軸方向」という)に2分割された第1ボビン部材12aと第2ボビン部材12bからなり、ティース11bをステータ軸方向に沿った両側から挟み込む。
前記第1ボビン部材12a及び前記第2ボビン部材12bは、ほぼ対面同一に形成されている。そして、第1ボビン部材12aの開放接合縁12cと、第2ボビン部材12bの開放接合縁12dを、当接させつつ接合することによって一体化し、一つのボビン12を構成する。なお、一つのボビン12によって一つのティース11bを被覆する。
そして、第1ボビン部材12aの内面12eと、第2ボビン部材12bの内面12fによってティース11bを覆う。また、第1ボビン部材12aの外面12gと、第2ボビン部材12bの外面12hに、コイル線13を巻き付ける。さらに、図4に示すように、第1ボビン部材12aは、ステータ11の径方向(X方向、以下「ステータ径方向」という)の外側に突出し、ステータ11のコイルエンドを覆うツバ部12jを有し、このツバ部12j上にバスバーアッシ20が固定される。なお、このツバ部12jには、後述するコイル線13の一端部13b及び他端部13cを挿通するための挿通路12kが形成され、コイル線13の一端部13b及び他端部13cを、ステータ径方向の外側に引き出し可能となっている。
前記コイル線13は、長尺な断面円形の銅線(いわゆる丸線)の外周面を絶縁体で被覆して形成した導電線であり、図2及び図3に示すように、ティース11bに巻回されたコイル部13aと、コイル部13aから延在された一端部13bと、コイル部13aから延在された他端部13cと、を有している。
そして、コイル線13の一端部13b及び他端部13cは、いずれもボビン12に形成した挿通路12kを介してステータ径方向の外側に引き出されており、それぞれバスバーアッシ20に接合されるバスバー接合部14を有している。
前記バスバー接合部14は、図6に示すように、立設部14aと、挿入部14bと、第1拡径部14c(第1拡大形状部)と、第2拡径部14d(第2拡大形状部)と、を備えている。
前記立設部14aは、ステータ径方向に沿ってステータ11の外側に引き出した一端部13b(又は他端部13c)を屈曲し、ステータ軸方向に沿って延在することで形成される。
前記挿入部14bは、立設部14aの一部であり、後述するバスバー本体部31に形成された溝部34に挿入される部分である。
前記第1拡径部14cは、立設部14aのうち、挿入部14bとコイル線13の先端部との間に形成され、横断面がほぼ楕円形状になっている。この第1拡径部14cは、ステータ11の周方向(Y方向、以下「ステータ周方向」という)の幅寸法である長径寸法R1が、溝部34のステータ周方向の最大幅寸法W1(内径寸法)よりも大きい値に設定されている。すなわち、第1拡径部14cは、溝部34の内面形状よりも外方に突出しており、ここでは、コイル線13の軸中心を挟んだ一対の外縁部位14cA,14cBが、ステータ周方向に沿って溝部34の内面形状よりも外方に突出している。さらに、この第1拡径部14cは、バスバー本体部31の上面31a(ステータ軸方向の第1側面)に接触している。
前記第2拡径部14dは、立設部14aのうち、挿入部14bとコイル部13a(図3参照)との間に形成され、横断面がほぼ楕円形状になっている。この第2拡径部14dは、ステータ周方向の幅寸法である長径寸法R2が、溝部34のステータ周方向の最大幅寸法W1(内径寸法)よりも大きい値に設定されている。すなわち、第2拡径部14dは、溝部34の内面形状よりも外方に突出しており、ここでは、コイル線13の軸中心を挟んだ一対の外縁部位14dA,14dBが、ステータ周方向に沿って溝部34の内面形状よりも外方に突出している。さらに、この第2拡径部14dは、バスバー本体部31の下面31b(ステータ軸方向の第2側面)に接触している。
なお、「ステータ周方向」は、コイル線13のバスバー接合部14に形成した挿入部14bを、溝部34へ挿入する方向に直交する方向である。
また、「溝部34の内面形状」とは、コイル線13が入り込む溝部34の内面をステータ軸方向に沿って見たときの形状である。また、「内面形状よりも外方に突出」とは、溝部34よりも、ステータ径方向に対して平行な方向に出ていることであり、ステータ軸方向から見たとき、第1,第2拡径部14c,14dの外縁部は、少なくとも一部が溝部34から出ている。
前記バスバーアッシ20は、図5に示すように、U相バスバー21と、V相バスバー22と、W相バスバー23と、N相バスバー24と、各バスバー21〜24の間に介装された絶縁紙25と、を備えている。このバスバーアッシ20は、図2に示すように、コイル線13よりもステータ径方向の外側であって、ステータ11のコイルエンドに配置されている。そして、不図示の三相交流電源から供給される電力を受電して、コイル線13に分配して供給する。
前記U相バスバー21、V相バスバー22、W相バスバー23は、複数のティース11bに巻回された複数のコイル線13のうち、同一相のコイル線13を電気的に接続するバスバーである。また、N相バスバー24は、U相バスバー21、V相バスバー22、W相バスバー23のアースに相当するバスバーであり、すべてのコイル線13が接合される。
ここで、U相バスバー21、V相バスバー22、W相バスバー23は、同一の形状を呈している。また、N相バスバー24は、U相バスバー21等とは同一形状ではないものの、基本的な形状はほぼ同一である。このため、V相バスバー22、W相バスバー23、及びN相バスバー24については、詳細な説明を省略し、U相バスバー21についてのみ詳細に説明する。
前記U相バスバー21は、導電性を有する金属材によって形成され、バスバー本体部31と、コイル線接合部32と、を有している。
前記バスバー本体部31は、図6に示すように、ステータ軸方向の寸法を抑制するため、ステータ軸方向の厚さH1よりも、ステータ径方向の幅H2の方が大きくなるように設定された鋼板である。このバスバー本体部31は、図5に示すように、ステータ11の外周に沿って環状に形成され、一端部31cと他端部31dとが対向している。なお、N相バスバー24では、このバスバー本体部31が切れ目のない円環状となっている。
そして、このバスバー本体部31の中間部には、外部からの受電用の配線を締結するためのボルト(不図示)を挿通する端子部31eが形成されている。この端子部31eは、ボルトを挿通するために、バスバー本体部31の中間部を、ステータ径方向の外側に向かってU字状に突出させつつ、ステータ軸方向とステータ径方向に沿って2回折り返すことで形成されている。なお、N相バスバー24には、端子部31eは形成されていない。
前記コイル線接合部32は、バスバー本体部31に一定の間隔をおいて複数(U相バスバー21、V相バスバー22、W相バスバー23では6ヵ所ずつ、N相バスバー24では18ヵ所)形成され、コイル線13が接合される。そして、このコイル線接合部32は、図6(a),(b)に示すように、凸形状部33と、溝部34と、一対の押さえ片35,35(コイル線押さえ部)と、を有している。なお、一対の押さえ片35,35は、コイル線13が溝部34に挿入された後に形成される。
前記凸形状部33は、バスバー本体部31の一部を、ステータ径方向の外側に向かって湾曲することで形成されており、ステータ11を囲むバスバーアッシ20の円弧状軌跡よりも外側に突出している(図5参照)。そして、この凸形状部33のうち、最も突出した頂点部33aに溝部34が形成されている。
前記溝部34は、凸形状部33の頂点部33aに形成されると共に、ステータ径方向の外側に向かって開放すると共に、ステータ軸方向にも開放した切欠部分である。この溝部34は、押さえ片35の形成前は、図6(b)において破線で示すように、コイル線13を挿入可能にするため、開口端部34aの押さえ片形成前のステータ周方向の開口寸法W2が、コイル線13の挿入部14bの直径寸法R(コイル線13のステータ周方向の幅寸法)よりも大きく設定されている。
また、この溝部34のステータ周方向の最大幅寸法W1(内径寸法)は、コイル線13の挿入部14bの直径寸法Rとほぼ同じ大きさに設定されている。これにより、溝部34に挿入されたコイル線13は、ステータ周方向にほとんどがたつくことはない。
前記押さえ片35は、コイル線13の挿入状態で溝部34の開口端部34aに形成され、コイル線13の直径寸法Rよりも開口端部34aのステータ周方向の開口寸法W3(押さえ片形成後)を狭くする。この押さえ片35は、溝部34の開口端部34aをステータ周方向に沿って互いに近接させ、開口端部34aを開口内側に引き延ばすことで形成される。そのため、溝部34の両側には、バスバー本体部31のひずみによる凹み35aが生じる。
そして、U相バスバー21、V相バスバー22、W相バスバー23、N相バスバー24は、図5に示すように、それぞれのコイル線接合部32が、ステータ軸方向に対して重ならないように、互いのコイル線接合部32の位置をステータ周方向に異ならせて重複される。
前記絶縁紙25は、絶縁性を備えたフィルム状の熱可塑性エンジニアリングプラスチック(例えば、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート樹脂)であり、隣接するバスバー(例えば、U相バスバー21とV相バスバー22)の間に介在して互いに絶縁する。この絶縁紙25は、図4に示すように、ステータ径方向の幅H3を、各バスバー21〜24のステータ径方向の幅H2よりも長く形成している。
また、この絶縁紙25は、複数の円弧状の個片を環状に並べて、円環形状を形成している。このとき、互いに隣接する個片の端部は、重なり合い、隙間が空かないようにしている。
次に、コイル線13の一端部13b又は他端部13cを、バスバーアッシ20のU相バスバー21、V相バスバー22、W相バスバー23、N相バスバー24のいずれかのコイル線接合部32に接合する際の、コイル線接合方法について説明する。
図7A〜図7Eは、実施例1の回転電機のコイル線接合方法を示す説明図であり、図7Aはバスバーセット工程を示し、図7Bは拡大形状部形成工程を示し、図7Cはコイル線挿入工程を示し、図7Dは溝部閉鎖工程での治具セット状態を示し、図7Eは溝部閉鎖工程での溝閉鎖状態を示す。以下、図7A〜図7Eに基づき、実施例1の回転電機のコイル線接合方法を説明する。
図7Aに示すバスバーセット工程では、まず、ステータコア11cの複数のティース11bのそれぞれに巻き付けたコイル線13の一端部13b及び他端部13cを、ここでは図示しないボビン12に形成された挿通路12kに挿通させ、ステータ径方向の外側に引き出す。そして、コイル線13を引き出したら、U相バスバー21、V相バスバー22、W相バスバー23、N相バスバー24、絶縁紙25を予め積層して形成されたバスバーアッシ20を、ステータ11のコイルエンドに載置する。
なお、各バスバー21,22,23,24には、それぞれ凸形状部33が形成されており、頂点部33aには溝部34が予め形成されている。
そして、バスバーアッシ20を載置したら、図示しない治具を用いて、ステータ径方向の外側に引き出しておいたコイル線13の一端部13b(他端部13c)の引き出し基部Xを、所定角度θ(ここでは約30°程度)折り曲げて、立設部14aを形成する。このとき、立設部14aは、まだステータ軸方向に対して傾いている。
なお、図7Aでは、一本のコイル線13の一端部13bのみを示しているが、全てのコイル線13の一端部13b及び他端部13cをそれぞれ所定角度θだけ折り曲げる。また、図7Aでは、一つのバスバー本体部31の一部のみを示しているが、バスバー本体部31は、バスバーアッシ20として他のバスバー本体部31や絶縁紙25と積層している上、ステータ11のコイルエンドに載置されている。
図7Bに示す拡大形状部形成工程では、バスバーセット工程にて折り曲げられたコイル線13の一端部13b(他端部13c)に対し、コイル線押圧治具40の先端を対向させる。
ここで、コイル線押圧治具40は、図7Bに示すように、コイル線13を挟んで配置される第1押し治具40a、第1受け治具40bと、第2押し治具40c、第2受け治具40dと、を有している。ここで、第1押し治具40aと第2押し治具40cとは、バスバー本体部31のステータ軸方向の厚さH1に所定の余裕代を加えた分の隙間Sを開けて、立設部14aの軸線方向に並んで配置される。また、第1受け治具40bと第2受け治具40dとは、バスバー本体部31のステータ軸方向の厚さH1に所定の余裕代を加えた分の隙間Sを開けて、立設部14aの軸線方向に並んで配置される。
なお、後述するように、コイル線13は、第1押し治具40aと第1受け治具40bによって形成される第1拡径部14cと、第2押し治具40cと第2受け治具40dによって形成される第2拡径部14dと、の間に生じる挿入部14bが溝部34に挿入される。つまり、コイル線13のうち、第1押し治具40aと第1受け治具40bによって挿入部14bとコイル線先端部との間を押し潰し、第1拡径部14cが形成される。また、コイル線13のうち、第2押し治具40cと第2受け治具40dによって挿入部14bとコイル部13aとの間を押し潰し、第2拡径部14dが形成される。
このため、コイル線13に対する各治具40a〜40dの位置は、図示しない位置決め機構によって適切な位置に設定される。
そして、コイル線押圧治具40をセットしたら、第1,第2押し治具40a,40cをコイル線13の溝部34への挿入方向に沿って移動させ、第1,第2受け治具40b,40dをコイル線挿入方向と反対方向に沿って移動させる。すなわち、第1,第2押し治具40a,40cをステータ径方向の内側に向かって移動させ、第1,第2受け治具40b,40dをステータ径方向の外側に向かって移動させて、互いに近接させる。
そして、第1押し治具40aと第1受け治具40bの間にコイル線13を挟み込んで押し潰す(加圧成形する)と共に、第2押し治具40cと第2受け治具40dの間にコイル線13を挟み込んで押し潰す(加圧成形する)。これにより、ステータ周方向にコイル線形が拡大され、第1拡径部14cと第2拡径部14dとが形成される。(図7C参照)。
図7Cに示すコイル線挿入工程では、拡大形状部形成工程において第1,第2拡径部14c,14dが形成されたら、図示しない治具を用いて、コイル線13の一端部13b(他端部13c)の引き出し基部Xをさらに折り曲げて屈曲角度を約90°とし、立設部14aをステータ軸方向に沿わせると共に、バスバー本体部31に形成された溝部34にコイル線13を挿入する。
このとき、コイル線13のうち、第1拡径部14cと第2拡径部14dの間に残された挿入部14bを溝部34に挿入して嵌め込む。
これにより、第1拡径部14cがバスバー本体部31の上面31aに接触し、第2拡径部14dがバスバー本体部31の下面31bに接触する。
図7D及び図7Eに示す溝部閉鎖工程では、コイル線挿入工程にて溝部34にコイル線13が挿入されたバスバー本体部31に対し、まず、溝部34の両サイドにバスバー変形治具41の先端を押し当てる(図7D参照)。
ここで、バスバー変形治具41は、バスバー本体部31の上面31aに接触する一対の可動歯41c,41cを有する上側治具41aと、バスバー本体部31の下面31bに接触する一対の可動歯41d,41dを有する下側治具41bと、を備えている。すなわち、バスバー変形治具41をセットすると、バスバー本体部31は、上側治具41aと下側治具41bによって、ステータ軸方向に沿って挟み込まれることとなる。
また、上側治具41aの一対の可動歯41c,41cは、水平方向に互いに近接可能となっている。また、下側治具41bの一対の可動歯41d,41dも、水平方向に互いに近接可能となっている。
そして、バスバー変形治具41をセットしたら、上側治具41aの一対の可動歯41c,41cを、バスバー本体部31との接触位置を中心に溝部34側に回転させて近接させると共に、下側治具41bの一対の可動歯41d,41dを、バスバー本体部31との接触位置を中心に溝部34側に回転させて近接させる。これにより、コイル線13が挿入された状態の溝部34の開口端部34aのステータ周方向の両側が近接し、開口端部34aが開口内側に引き延ばされる。この結果、開口端部34aの両側に、コイル線13の直径寸法Rよりも溝部34の開口端部34aの開口寸法W3を狭くする押さえ片35が形成される。
押さえ片35が形成されたら、バスバー変形治具41を退避させる。ここで、バスバー変形治具41によって押さえながら開口端部34aを引き延ばしたため、図6(a)に示すように、上側治具41aの一対の可動歯41c,41cと、下側治具41bの一対の可動歯41d,41dが当接していた部分に、バスバー本体部31のひずみによる凹み35aが生じる。
次に、実施例1の回転電機のコイル線接合構造の作用、及び、コイル線接合方法の作用について、それぞれ説明する。
[回転電機のコイル線接合構造の作用]
一般的に、回転電機では、ステータアッシ10の内側に配置されたロータ(不図示)が回転すると、このステータアッシ10及びロータを収納するケース(不図示)や、それを支持する支持部材(不図示)等が振動し、この振動がステータアッシ10に伝達されることが分かっている。そして、ステータアッシ10に振動が伝達されると、コイル線13を巻回したステータ11と、バスバーアッシ20とが相対的に移動することになる。つまり、コイル線13の一端部13bや他端部13cが、バスバー本体部31に対して、ステータ軸方向に移動したり、ステータ径方向に移動したりする。
一方、このとき、図8(a),(b)に示すように、コイル線13の先端部がストレート形状であったり、バスバー本体部31に形成した溝部34の開口端部34aの開口寸法W3がコイル線13の直径寸法Rとほぼ同程度であったりすると、たとえバスバー本体部31とコイル線13とをヒュージング等で接合していても、溝部34からコイル線13が脱落し、コイル線13とバスバー本体部31との接合が外れてしまうおそれがあった。
これに対し、実施例1のコイル線接合構造では、図6(a)に示すように、ステータ11に巻回されたコイル線13の一端部13b及び他端部13cには、それぞれが第1拡径部14c及び第2拡径部14dが形成され、バスバー本体部31に形成されてコイル線13が挿入される溝部34の開口端部34aには、押さえ片35が形成されている。
ここで、第1,第2拡径部14c,14dのステータ周方向の長径寸法R1,R2が、いずれも溝部34のステータ周方向の幅寸法W1よりも大きい。そのため、この第1,第2拡径部14c,14dは、溝部34の内面形状よりも外方に突出する。これにより、ステータ11とコイル線13との接合部分(バスバー接合部14及びコイル線接合部32)に対して、ステータ軸方向の振動成分が作用すると、第1拡径部14cがバスバー本体部31の上面31aに干渉し、第2拡径部14dがバスバー本体部31の下面31bに干渉する。すなわち、第1,第2拡径部14c,14dによって、ステータ軸方向に沿ったコイル線13とバスバー本体部31との相対的な位置ずれを規制できる。
また、溝部34の開口端部34aに押さえ片35を形成したことで、開口端部34aのステータ周方向の開口寸法W3が、コイル線13のステータ周方向幅寸法である直径寸法Rよりも狭くなっている。そのため、ステータ11とコイル線13との接合部分(バスバー接合部14及びコイル線接合部32)に対して、ステータ径方向の振動成分が作用すると、コイル線13が押さえ片35に干渉する。すなわち、押さえ片35によって、ステータ径方向に沿ったコイル線13とバスバー本体部31との相対的な位置ずれを規制できる。
このように、実施例1のコイル線接合構造では、コイル線13に第1,第2拡径部14c,14dを形成し、溝部34の開口端部34aに押さえ片35を形成することによって、コイル線13とバスバー本体部31とのステータ軸方向への相対的な位置ずれと、ステータ径方向への相対的な位置ずれと、をいずれも規制することができる。これにより、コイル線13が溝部34から飛び出すことを防止でき、バスバー本体部31に接合したコイル線13を外れにくくすることができて、適切な接合状態を維持することができる。
また、この実施例1では、図6(a)に示すように、断面形状がほぼ楕円形状の第1,第2拡径部14c,14dは、いずれも、コイル線13の溝部34への挿入方向に直交する方向であるステータ周方向の長径寸法R1,R2が、溝部34のステータ周方向の最大幅寸法W1よりも大きくなっている。すなわち、第1,第2拡径部14c,14dは、コイル線13の軸中心を挟んだ一対の外縁部位14cA,14cB,14dA,14dBが、ステータ周方向に沿って溝部34の内面形状よりも外方に突出している。
そのため、溝部34の開口端部34aに対して第1,第2拡径部14c,14dが重複してしまうことがなくなり、バスバー本体部31と第1,第2拡径部14c,14dのうち、溝部34から外方に出た部分は、全てバスバー本体部31の上面31a又は下面31bと接触することができる。これにより、コイル線13のステータ軸方向への移動を確実に規制して、溝部34からのコイル線13の抜けを、さらに安定的に防止することができる。
さらに、この実施例1では、コイル線13の一端部13b及び他端部13cに形成された拡大形状部として、溝部34に挿入される挿入部14bを挟んで形成されると共に、バスバー本体部31に上面31aに接触する第1拡径部14cと、バスバー本体部31の下面31bに接触する第2拡径部14dと、を有している。
そのため、コイル線13とバスバー本体部31との位置関係が、ステータ軸方向に沿っていずれの方向にずれたとしても、コイル線13とバスバー本体部31とが確実に干渉できる。この結果、コイル線13のステータ軸方向への移動をさらに確実に規制して、溝部34からのコイル線13の抜けを、さらに安定的に防止することができる。
[回転電機のコイル線接合方法の作用]
実施例1において、バスバーアッシ20のU相バスバー21等のバスバー本体部31が有するコイル線接合部32に対し、ステータ11のコイル線13を接合するには、まず、バスバーセット工程において、コイル線13の一端部13b及び他端部13cを、ステータ径方向の外側に引き出すと共に、バスバーアッシ20をステータ11に載置する。そして、拡大形状部形成工程において、第1,第2拡径部14c,14dを形成すると共に、コイル線13の一端部13b及び他端部13cのそれぞれをステータ軸方向に沿うように折り曲げて立設部14aを形成する(図7A,図7B参照)。
次に、コイル線挿入工程において、コイル線13の挿入部14bをバスバー本体部31に形成した溝部34に挿入する(図7C参照)。最後に、溝部閉鎖工程において、溝部34の開口端部34aのステータ周方向の両側を近接させ、この開口端部34aを開口内側に引き延ばし、押さえ片35を形成する(図7D,7E参照)
ここで、第1,第2拡径部14c,14dを形成する際、コイル線押圧治具40の第1,第2押し治具40a,40cと、第1,第2受け治具40b,40dとの間にコイル線13を挟み込み、このコイル線押圧治具40を用いてコイル線13を押し潰す。
また、押さえ片35を形成する際、バスバー変形治具41の上側治具41aと下側治具41bとの間にバスバー本体部31を挟み込み、このバスバー変形治具41を用いて溝部34の開口端部34aの両側を引き延ばす。
これにより、入熱を伴うことなく第1,第2拡径部14c,14dと押さえ片35を形成することができる。このため、絶縁紙25に熱による影響を与えることがなくなり、絶縁性を適切に保持することができる。
また、コイル線押圧治具40は、多数のコイル線13の一端部13bや他端部13cのそれぞれに対応している。そのため、小型の治具によって形成することができるため、治具配置スペースが小さくなり、小スペースでのコイル線接合を可能とする。
さらに、コイル線押圧治具40及びバスバー変形治具41は、いずれもステータ径方向の外側からの動作によって第1,第2拡径部14c,14dや押さえ片35を形成することができる。そのため、バスバーアッシ20やステータ11の内側に治具を配置させる必要がなく、容易に接合することができる。
しかも、この実施例1では、コイル線13とバスバー本体部31との接合において、溝部34が形成されたバスバー本体部31の凸形状部33を、ステータ周方向から挟み込んでコイル線13をかしめることがない。そのため、バスバーアッシ20の構造を簡素化することができ、ステータアッシ10を安価に製造することができる。
そして、この実施例1の拡大形状部形成工程では、図7Bに示すように、コイル線13のうち、溝部34に挿入される挿入部14bとコイル線13の先端部の間を押し潰して、バスバー本体部31の上面31aに接触する第1拡径部14cを形成する。また、コイル線13のうち、挿入部14bとコイル部13aの間を押し潰して、バスバー本体部31の下面31bに接触する第2拡径部14dを形成する。
そのため、コイル線13とバスバー本体部31との位置関係が、ステータ軸方向に沿っていずれの方向にずれたとしても、コイル線13とバスバー本体部31とが干渉できる。この結果、コイル線13のステータ軸方向への移動をさらに確実に規制して、溝部34からのコイル線13の抜けを、さらに安定的に防止することができる。
また、この拡大形状部形成工程では、図7Bに示すように、コイル線13に第1,第2拡径部14c,14dを形成する際、コイル線押圧治具40の第1,第2押し治具40a,40cをコイル線13の溝部34への挿入方向に沿って移動させ、第1,第2受け治具40b,40dをコイル線挿入方向と反対方向に沿って移動させる。
これにより、コイル線13が溝部34への挿入方向に沿って押しつぶされ、第1、第2拡径部14c,14dは、いずれもコイル線挿入方向に対して直交する方向に広がり、長手方向がステータ周方向に沿うことになる。つまり、第1、第2拡径部14c,14dの最大外径寸法を、ステータ周方向に沿った方向に設定することができ、第1,第2拡径部14c,14dの一対の外縁部位14cA,14cB,14dA,14dBが、ステータ周方向に沿って溝部34の内面形状よりも外方に突出する。
これにより、溝部34の開口端部34aに対して第1,第2拡径部14c,14dが重複してしまうことがなくなり、バスバー本体部31と第1,第2拡径部14c,14dのうち、溝部34から出る部分は、全てバスバー本体部31の上面31a又は下面31bと接触することができる。これにより、コイル線13のステータ軸方向への移動を確実に規制して、溝部34からのコイル線13の抜けを、さらに安定的に防止することができる。
次に、効果を説明する。
実施例1の回転電機のコイル線接合構造、及び、コイル線接合方法にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
(1) 円筒状のステータ11の各ティース11bに巻回された複数のコイル線13のうち、同一相のコイル線13をバスバー(バスバーアッシ20)に電気的に接合する回転電機のコイル線接合構造において、
前記バスバー(バスバーアッシ20)は、前記ステータ11の外周に沿ったバスバー本体部31と、
前記バスバー本体部31に形成されると共にステータ径方向の外側に向かって開放し、前記コイル線13が挿入した溝部34と、
前記溝部34の開口端部34aに形成され、前記コイル線13のステータ周方向の幅寸法(直径寸法R)よりも前記溝部34のステータ周方向の開口寸法W3を狭くするコイル線押さえ部(押さえ片35)と、を有し、
前記コイル線13は、ステータ軸方向に沿って延在した立設部14aと、
前記立設部14aに形成され、前記溝部34の内面形状よりも外方に突出し、前記バスバー本体部31のステータ軸方向の第1側面(上面31a)及び前記バスバー本体部31のステータ軸方向の第2側面(下面31b)に接触する拡大形状部(第1拡径部14c,第2拡径部14d)と、を有する構成とした。
これにより、バスバー(バスバーアッシ20)に対して、コイル線13がステータ11の径方向、軸方向、周方向のすべての方向に動くことを防止でき、バスバー(バスバーアッシ20)に接合したコイル線13を外れにくくすることができる。
(2) 前記拡大形状部(第1拡径部14c,第2拡径部14d)は、前記コイル線13の軸中心を挟んだ一対の外縁部位14cA,14cB,14dA,14dBが、ステータ周方向に沿って前記溝部34の内面形状よりも外方に突出する構成とした。
これにより、(1)の効果に加え、コイル線13のステータ軸方向への移動を確実に規制して、溝部34からのコイル線13の抜けを、さらに安定的に防止することができる。
(3) 前記拡大形状部は、前記溝部34に挿入される挿入部14bを挟み、前記バスバー本体部31のステータ軸方向の第1側面(上面31a)に接触する第1拡大形状部(第1拡径部14c)と、前記バスバー本体部31のステータ軸方向の第2側面(下面31b)に接触する第2拡大形状部(第2拡径部14d)と、を有する構成とした。
これにより、(1)又は(2)の効果に加え、コイル線13とバスバー本体部31との位置関係が、ステータ軸方向に沿っていずれの方向にずれたとしても、コイル線13とバスバー本体部31とを確実に干渉させることができ、溝部34からのコイル線13の抜けを、さらに安定的に防止することができる。
(4) 円筒状のステータ11の各ティース11bに巻回された複数のコイル線13のうち、同一相のコイル線13をバスバー(バスバーアッシ20)に電気的に接合する回転電機のコイル線接合方法において、
前記コイル線13を押し潰し、前記ステータ11の外周に沿ったバスバー本体部31に形成されると共にステータ径方向の外側に向かって開放した溝部34の内面形状よりも外方に突出する拡大形状部(第1拡径部14c,第2拡径部14d)を形成する拡大形状部形成工程(図7B)と、
前記溝部34の内側に前記コイル線13を挿入するコイル線挿入工程(図7C)と、
前記コイル線13が挿入された前記溝部34の開口端部34aの両側を、ステータ周方向に沿って近接させ、前記開口端部34aのステータ周方向の開口寸法W3を、前記コイル線13のステータ周方向の幅寸法(直径寸法R)よりも狭める溝部閉鎖工程(図7D,図7E)と、
を備える構成とした。
これにより、バスバー(バスバーアッシ20)に対して、コイル線13がステータ11の径方向、軸方向、周方向のすべての方向に動くことを防止でき、バスバー(バスバーアッシ20)に接合したコイル線13を外れにくくすることができる。
(5) 前記拡大形状部形成工程(図7B)では、前記コイル線13の前記溝部34への挿入方向に沿って前記コイル線13を押し潰し、ステータ周方向にコイル線形を拡大する構成とした。
これにより、(4)の効果に加え、コイル線13を溝部34への挿入方向に直交する方向であるステータ周方向に押し広げ、拡大形状部(第1拡径部14c,第2拡径部14d)の長径寸法R1,R2をステータ周方向に設定することができる。このため、拡大形状部(第1拡径部14c,第2拡径部14d)の外縁部位14cA,14cB,14dA,14dBが、ステータ周方向に沿って溝部34の内面形状よりも外方に突出し、溝部34からのコイル線13の抜けを、さらに安定的に防止することができる。
(6) 前記拡大形状部形成工程(図7B)では、前記コイル線13のうち、前記溝部34に挿入される挿入部14bと前記コイル線先端部との間を押し潰し、前記バスバー本体部31のステータ軸方向の第1側面(上面31a)に接触する第1拡大形状部(第1拡径部14c)を形成すると共に、前記コイル線13のうち、前記挿入部14bと前記ティース11bに巻回したコイル部13aとの間を押し潰し、前記バスバー本体部31のステータ軸方向の第2側面(下面31b)に接触する第2拡大形状部(第2拡径部14d)を形成する構成とした。
これにより、(4)又は(5)の効果に加え、コイル線13とバスバー本体部31との位置関係が、ステータ軸方向に沿っていずれの方向にずれたとしても、コイル線13とバスバー本体部31とを確実に干渉させることができ、溝部34からのコイル線13の抜けを、さらに安定的に防止することができる。
以上、本発明の回転電機のコイル線接合構造と、コイル線接合方法を実施例1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施例1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施例1では、コイル線13を所定角度θ(約30°)折り曲げ、立設部14aがステータ軸方向に対して傾いた状態で第1,第2拡径部14c,14dを形成する例を示した。しかしながら、これに限らず、例えばコイル線13の引き出し基部Xの屈曲角度を約90°とし、立設部14aをステータ軸方向に沿わせると共に、溝部34に挿入した状態にしてから、第1,第2拡径部14c,14dを形成してもよい。
この場合では、溝部34に挿入される挿入部14bの位置が決まってから第1,第2拡径部14c,14dを形成することになる。そのため、第1,第2拡径部14c,14dが溝部34に干渉し、コイル線13が溝部34に挿入できないといったことがなくなる。
また、実施例1では、第1,第2拡径部14c,14dを形成してから、コイル線13を溝部34に挿入し、その後押さえ片35を形成する例を示している。つまり、この実施例1では、拡大形状部形成工程→コイル線挿入工程→溝部閉鎖工程の順で、第1,第2拡径部14c,14d及び押さえ片35を形成する例を示した。
しかしながら、例えばコイル線13を溝部34に挿入し、押さえ片35を形成してから第1,第2拡径部14c,14dを形成してもよい。すなわち、コイル線挿入工程→溝部閉鎖工程→拡大形状部形成工程の順であってもよい。さらに、上述のように、コイル線13を溝部34に挿入し、第1,第2拡径部14c,14dを形成してから押さえ片35を形成してもよい。つまり、コイル線挿入工程→拡大形状部形成工程→溝部閉鎖工程の順であってもよい。
このように、各工程の順序については実施例1に限定されるものではなく、「溝部閉鎖工程」の前に「コイル線挿入工程」があれば、ステータ11やバスバーアッシ20の形状や大きさ、また使用する治具の形状等に応じて適宜設定することができる。
また、実施例1では、拡大形状部として、溝部34に挿入される挿入部14bを挟み、バスバー本体部31の上面31aに接触する第1拡径部14cと、バスバー本体部31の下面31bに接触する第2拡径部14dと、を有する例を示したが、これに限らない。上記第1,第2拡径部14c,14dのうち、いずれか一方のみを有するものであってもよい。
さらに、この第1,第2拡径部14c,14dの長径方向をステータ周方向に沿った方向に設定していなくてもよい。
そして、この実施例1では、コイル線13が断面円形の丸線を用いた例を示したが、これに限らない。断面矩形の角線や平角線を用いたコイル線であってもよい。この場合では、丸線を用いた場合よりも占積率(コイル断面に占める導体断面積の割合)を向上することができ、同外寸コイルの場合には、抵抗値を低減することができる。また、コイル巻き数を増やすことも可能となる。つまり、抵抗値や巻き数が同じ同性能のコイルの場合には、コイルの小型化を図ることができる。
さらに、コイル線として角線を用いた場合、「コイル線のステータ周方向の幅寸法」とは、図9に示すように、コイル線13´のステータ周方向に沿って対向する面α、βの間隔寸法W4である。また、第1拡大形状部14xは、ステータ周方向に沿った長手寸法R3が、溝部34のステータ周方向の最大幅寸法W1よりも大きい値に設定されている。第2拡大形状部14yは、ステータ周方向に沿った長手寸法R4が、溝部34のステータ周方向の最大幅寸法W1よりも大きい値に設定されている。
10 ステータアッシ
11 ステータ
11a ステータ本体部
11b ティース
11c ステータコア
12 ボビン
13 コイル線
14 バスバー接合部
14a 立設部
14b 挿入部
14c 第1拡径部
14d 第2拡径部
20 バスバーアッシ
21 U相バスバー
22 V相バスバー
23 W相バスバー
24 N相バスバー
25 絶縁紙
31 バスバー本体部
31a 上面(ステータ軸方向の第1側面)
31b 下面(ステータ軸方向の第2側面)
32 コイル線接合部
33 凸形状部
34 溝部
34a 開口端部
35 押さえ片(コイル線押さえ部)

Claims (6)

  1. 円筒状のステータの各ティースに巻回された複数のコイル線のうち、同一相のコイル線をバスバーに電気的に接合する回転電機のコイル線接合構造において、
    前記バスバーは、前記ステータの外周に沿ったバスバー本体部と、
    前記バスバー本体部に形成されると共にステータ径方向の外側に向かって開放し、前記コイル線が挿入した溝部と、
    前記溝部の開口端部に形成され、前記コイル線のステータ周方向の幅寸法よりも前記溝部のステータ周方向の開口寸法を狭くするコイル線押さえ部と、を有し、
    前記コイル線は、ステータ軸方向に沿って延在した立設部と、
    前記立設部に形成され、前記溝部の内面形状よりも外方に突出し、前記バスバー本体部のステータ軸方向の第1側面と、前記バスバー本体部のステータ軸方向の第2側面との少なくとも一方に接触する拡大形状部と、を有する
    ことを特徴とする回転電機のコイル線接合構造。
  2. 請求項1に記載された回転電機のコイル線接合構造において、
    前記拡大形状部は、前記コイル線の軸中心を挟んだ一対の外縁部位が、ステータ周方向に沿って前記溝部の内面形状よりも外方に突出する
    ことを特徴とする回転電機のコイル線接合構造。
  3. 請求項1又は請求項2に記載された回転電機のコイル線接合構造において、
    前記拡大形状部は、前記溝部に挿入される挿入部を挟み、前記バスバー本体部のステータ軸方向の第1側面に接触する第1拡大形状部と、前記バスバー本体部のステータ軸方向の第2側面に接触する第2拡大形状部と、を有する
    ことを特徴とする回転電機のコイル線接合構造。
  4. 円筒状のステータの各ティースに巻回された複数のコイル線のうち、同一相のコイル線をバスバーに電気的に接合する回転電機のコイル線接合方法において、
    前記コイル線を押し潰し、前記ステータの外周に沿ったバスバー本体部に形成されると共にステータ径方向の外側に向かって開放した溝部の内面形状よりも外方に突出する拡大形状部を形成する拡大形状部形成工程と、
    前記溝部の内側に前記コイル線を挿入するコイル線挿入工程と、
    前記コイル線が挿入された前記溝部の開口端部の両側を、ステータ周方向に沿って近接させ、前記開口端部のステータ周方向の開口寸法を、前記コイル線のステータ周方向の幅寸法よりも狭める溝部閉鎖工程と、
    を備えることを特徴とする回転電機のコイル線接合方法。
  5. 請求項4に記載された回転電機のコイル線接合方法において、
    前記拡大形状部形成工程では、前記コイル線の前記溝部への挿入方向に沿って前記コイル線を押し潰し、ステータ周方向にコイル線形を拡大する
    ことを特徴とする回転電機のコイル線接合方法。
  6. 請求項4又は請求項5に記載された回転電機のコイル線接合方法において、
    前記拡大形状部形成工程では、前記コイル線のうち、前記溝部に挿入される挿入部とコイル線先端部との間を押し潰し、前記バスバー本体部のステータ軸方向の第1側面に接触する第1拡大形状部を形成すると共に、前記コイル線のうち、前記挿入部と前記ティースに巻回したコイル部との間を押し潰し、前記バスバー本体部のステータ軸方向の第2側面に接触する第2拡大形状部を形成する
    ことを特徴とする回転電機のコイル線接合方法。
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