JP6458068B2 - 自動運転用シート装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動走行可能な自車両に搭載される自動運転用シート装置に関する。
従来から、自車両の走行挙動に応じて姿勢又は形状を変更可能なシート装置が知られている。
特許文献1では、車載通信端末を介して受信した道路情報(例えば、勾配・曲率・道幅)に基づいて、乗員が着座するシートの姿勢を調整する制御装置が提案されている。例えば、カーナビゲーションシステムから取得したカーブ曲率と、設定・入力された閾値を比較することで、特定のカーブへの進入状況を検出する旨が概ね記載されている。
特開2005−119559号公報([0026]、[0032]、[0054]等)
しかしながら、特許文献1で提案される装置では、上記した道路情報の他、自車両の走行情報(例えば、加速度・旋回角度・走行速度)を併せて用いることを前提としている。このため、走行情報の取得時からシートの調整完了時までの時間遅延(つまり応答遅れ)が生じ、即時性が高い制御を行うことができない。
特に自車両の自動走行中、ドライバを含む乗員は、手動運転の場合と比べて、自車両の周囲に対する意識が相対的に薄くなっている場合がある。つまり、乗員は、自車両の走行挙動(間接的には、自身に作用する外力)を事前に認識し難くなり、その分だけ上記した応答遅れに伴うシートに対するフィット感の不適合を強く知覚してしまう。
本発明は上記した問題を解決するためになされたものであり、乗員が知覚するフィット感の不適合を抑制可能な自動運転用シート装置を提供することを目的とする。
第1の本発明に係る自動運転用シート装置は、自動走行可能な自車両に搭載される装置であって、乗員が着座するシートと、前記自車両の車幅方向に延びる第1軸を中心として前記シートを回動可能な第1回動アクチュエータ、および、前記自車両の高さ方向に延びる第2軸を中心として前記シートを回動可能な第2回動アクチュエータとの少なくとも一方を駆動するシート駆動部と、前記シート駆動部を制御する駆動制御部と、を備え、前記自車両が自動走行中に、前記駆動制御部は、現時点よりも先の時点又は現在位置よりも先の走行位置にて前記乗員に作用する外力を、前記自車両における目標挙動の時系列データセットに基づいて予測し、前記先の時点になった際又は前記先の走行位置に到達した際に、既に予測された前記外力に基づいて前記シート駆動部を制御する。
このように、現時点よりも先の時点又は現在位置よりも先の走行位置にて乗員に作用する外力を予測するので、応答遅れが改善された状態下でシートの姿勢又は形状を適時に変更可能(例えば、乗員が知覚できない程度に緩やかに変更可能)となり、乗員が知覚するフィット感の不適合を抑制することができる。特に、自車両の自動走行中、ドライバを含む乗員は、手動運転の場合と比べて、自車両の走行挙動(間接的には、自身に作用する外力)を事前に認識し難い傾向があるので、上記した抑制効果が顕著に現われる。
また、車幅方向に延びる第1軸を中心にシートを回動させることで乗員に作用する縦慣性力に対処できると共に、高さ方向に延びる第2軸を中心にシートを回動させることで乗員に作用する横慣性力に対処できる。
前記時系列データセットは、前記自車両における目標挙動の位置、姿勢角、速度、加速度、曲率、ヨーレート、操舵角をデータ単位とするものであってもよい。
前記駆動制御部は、前記自車両の運転モードが手動運転モードから自動運転モードに切り替わった時に、前記シート駆動部に対する制御を開始してもよい。手動走行中に乗員の姿勢を強制的に変更することで却って運転操作の妨げになることを防止できる。
前記駆動制御部は、前記乗員に作用する外力の成分が緩和されるように前記第1回動アクチュエータを制御し、前記シートの背もたれ面を複数の平面で定義した場合に、いずれかの前記平面の法線方向に前記外力の作用する向きが合うように前記第2回動アクチュエータを制御してもよい。このように制御することで、乗員に作用する縦慣性力に対処できると共に、高さ方向に延びる第2軸を中心にシートを回動させることで乗員に作用する横慣性力に対処できる。
本発明に係る自動運転用シート装置によれば、乗員が知覚するフィット感の不適合を抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る車両制御装置の構成を示す全体構成図である。 図1に示す自動運転用シート装置の構成ブロック図である。 図2に示す自動運転用シート装置の第1動作(制御値の算出)を説明するフローチャートである。 自車両の走行軌道を示す図である。 図5A及び図5Bは、第1目標値の決定方法に関する説明図である。 図6A及び図6Bは、背もたれ面と合力方向の関係を模式的に示す図である。 図7A及び図7Bは、第2目標値の決定方法に関する説明図である。 図2に示す自動運転用シート装置の第2動作(シートの駆動)を説明するフローチャートである。
以下、本発明に係る自動運転用シート装置について車両制御装置との関係において好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
[車両制御装置10の構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る車両制御装置10の構成を示す全体構成図である。この車両制御装置10は、車両(図4の自車両100)に組み込まれており、かつ、自動又は手動により車両の走行制御を行う。ここで、「自動運転」は、車両の走行制御をすべて自動で行う「完全自動運転」のみならず、走行制御を部分的に自動で行う「部分自動運転」を含む概念である。
車両制御装置10は、基本的には、入力系装置群と、運転制御システム12と、出力系装置群とから構成される。入力系装置群及び出力系装置群をなす各々の装置は、運転制御システム12に通信線を介して接続されている。
入力系装置群は、外界センサ14と、通信装置16と、ナビゲーション装置18と、車両センサ20と、自動運転スイッチ22と、操作デバイス24に接続された操作検出センサ26を含んで構成される。出力系装置群は、駆動力装置28と、操舵装置30と、制動装置32と、報知装置34と、自動運転用シート装置36を含んで構成される。
<入力系装置群の構成>
外界センサ14は、車両の外界状態を示す情報(以下、外界情報)を取得し、当該外界情報を運転制御システム12に向けて出力する。外界センサ14は、具体的には、複数のカメラと、複数のレーダと、複数のLIDAR(Light Detection and Ranging;光検出と測距/Laser Imaging Detection and Ranging;レーザ画像検出と測距)を含んで構成される。
通信装置16は、路側機、他の車両、及びサーバを含む外部装置と通信可能に構成されており、例えば、交通機器に関わる情報、他の車両に関わる情報、プローブ情報又は最新の地図情報42を送受信する。この地図情報42は、記憶装置40の所定メモリ領域内に、或いはナビゲーション装置18に記憶される。
ナビゲーション装置18は、車両の現在位置を検出可能な衛星測位装置と、ユーザインタフェース(例えば、タッチパネル式のディスプレイ、スピーカ及びマイク)を含んで構成される。ナビゲーション装置18は、車両の現在位置又はユーザによる指定位置に基づいて、指定した目的地までの経路を算出し、運転制御システム12に出力する。ナビゲーション装置18により算出された経路は、記憶装置40の所定メモリ領域内に、経路情報44として記憶される。
車両センサ20は、車両の速度(車速)を検出する速度センサ、加速度を検出する加速度センサ、横Gを検出する横Gセンサ、垂直軸周りの角速度を検出するヨーレートセンサ、向き・方位を検出する方位センサ、勾配を検出する勾配センサを含み、各々のセンサからの検出信号を運転制御システム12に出力する。これらの検出信号は、記憶装置40の所定メモリ領域内に、自車情報46として記憶される。
自動運転スイッチ22は、例えば、インストルメントパネルに設けられた押しボタンスイッチである。自動運転スイッチ22は、ドライバを含むユーザのマニュアル操作により、複数の運転モードを切り替え可能に構成される。
操作デバイス24は、アクセルペダル、ステアリングホイール、ブレーキペダル、シフトレバー、及び方向指示レバーを含んで構成される。操作デバイス24には、ドライバによる操作の有無や操作量、操作位置を検出する操作検出センサ26が取り付けられている。
操作検出センサ26は、検出結果としてアクセル踏込量(アクセル開度)、ステアリング操作量(操舵量)、ブレーキ踏込量、シフト位置、右左折方向等を走行制御部56に出力する。
<出力系装置群の構成>
駆動力装置28は、駆動力ECU(電子制御装置;Electronic Control Unit)と、エンジン・駆動モータを含む駆動源から構成される。駆動力装置28は、走行制御部56から入力される走行制御値に従って車両の走行駆動力(トルク)を生成し、トランスミッションを介して間接的に、或いは直接的に車輪に伝達する。
操舵装置30は、EPS(電動パワーステアリングシステム)ECUと、EPS装置とから構成される。操舵装置30は、走行制御部56から入力される走行制御値に従って車輪(操舵輪)の向きを変更する。
制動装置32は、例えば、油圧式ブレーキを併用する電動サーボブレーキであって、ブレーキECUと、ブレーキアクチュエータとから構成される。制動装置32は、走行制御部56から入力される走行制御値に従って車輪を制動する。
報知装置34は、報知ECUと、表示装置と、音響装置とから構成される。報知装置34は、運転制御システム12から出力される報知指令に応じて、自動運転又は手動運転に関わる報知動作を行う。
<運転モード>
車両制御装置10は、自動運転スイッチ22の操作に応じて、「自動運転モード」と「手動運転モード」(非自動運転モード)が切り替わるように構成されている。この自動運転モードは、ドライバが、操作デバイス24(具体的には、アクセルペダル、ステアリングホイール及びブレーキペダル)の操作を行わない状態で、逐次作成される行動計画に従って、駆動力装置28、操舵装置30、及び制動装置32の一部又は全部を制御する運転モードである。
一方、ドライバが、自動運転モードの実行中に操作デバイス24を用いた所定の操作を行うと、自動運転モードが自動的に解除されると共に、運転自動化のレベル(或いは度合い)が相対的に低い運転モード(手動運転モードを含む)に切り替わる。
<運転制御システム12の構成>
運転制御システム12は、1つ又は複数のECUにより構成され、上記した記憶装置40の他、各種機能実現部を備える。この実施形態では、機能実現部は、1つ又は複数のCPU(Central Processing Unit)が、非一過性の記憶装置40に記憶されているプログラムを実行することにより機能が実現されるソフトウエア機能部である。これに代わって、機能実現部は、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の集積回路からなるハードウエア機能部であってもよい。
運転制御システム12は、記憶装置40の他、外界認識部50と、行動計画作成部52と、軌道生成部54と、走行制御部56を含んで構成される。
外界認識部50は、入力系装置群により入力された各種情報(例えば、外界センサ14からの外界情報)を用いて、車両の両側にあるレーンマーク(白線)を認識し、停止線・信号機の位置情報、又は走行可能領域を含む「静的」な外界認識情報を生成する。また、外界認識部50は、入力された各種情報を用いて、駐停車車両等の障害物、人・他車両等の交通参加者、又は信号機の灯色を含む「動的」な外界認識情報を生成する。
行動計画作成部52は、外界認識部50による認識結果に基づいて走行区間毎の行動計画(イベントの時系列)を作成し、必要に応じて行動計画を更新する。イベントの種類として、例えば、減速、加速、分岐、合流、レーンキープ、レーン変更、追い越しが挙げられる。ここで、「減速」「加速」は、車両を減速又は加速させるイベントである。「分岐」「合流」は、分岐地点又は合流地点にて車両を円滑に走行させるイベントである。「レーン変更」は、車両の走行レーンを変更させるイベントである。「追い越し」は、車両に前走車両を追い越させるイベントである。
また、「レーンキープ」は、走行レーンを逸脱しないように車両を走行させるイベントであり、走行態様との組み合わせによって細分化される。走行態様として、具体的には、定速走行、追従走行、減速走行、カーブ走行、或いは障害物回避走行が含まれる。
軌道生成部54は、記憶装置40から読み出した地図情報42、経路情報44及び自車情報46を用いて、行動計画作成部52により作成された行動計画に従う走行軌道(目標挙動の時系列)を生成する。この走行軌道は、具体的には、位置、姿勢角(ヨー角/ピッチ角)、速度、加速度、曲率、ヨーレート、操舵角をデータ単位とする時系列データセットである。
走行制御部56は、軌道生成部54により生成された走行軌道(目標挙動の時系列)に従って、車両を走行制御するための各々の走行制御値を決定する。そして、走行制御部56は、得られた各々の走行制御値を、駆動力装置28、操舵装置30、及び制動装置32に出力する。
[自動運転用シート装置36の構成]
図2は、図1に示す自動運転用シート装置36の構成ブロック図である。自動運転用シート装置36は、シート60と、シート60の姿勢又は形状を変更させるシート駆動部62と、シート駆動部62を制御する駆動制御部64とから構成される。なお、この自動運転用シート装置36は、運転手席の他、助手席、これ以外の座席にも適用することができる。
シート60は、自車両100(図4)の車室内に設けられており、乗員としてのドライバD(図5A及び図5B)が着座するための装置である。ドライバDは、座面60a及び背もたれ面60bに接触した状態にてシート60に着座する。シート60は、車幅方向に延びる軸(以下、第1軸X1という)及び高さ方向に延びる軸(以下、第2軸X2という)を中心に独立して回動可能に構成される。なお、シート60は、着座するドライバDの位置又は姿勢を変更するための可動部を備えてもよい。
シート駆動部62は、シート60の姿勢又は形状を変更可能に構成された駆動機構である。シート駆動部62は、第1軸X1を中心としてシート60を回動可能な第1回動アクチュエータ66と、第2軸X2を中心としてシート60を回動可能な第2回動アクチュエータ68を含んで構成される。なお、シート駆動部62は、第2軸X2に沿って上下方向に駆動可能なアクチュエータをさらに備えてもよい。
以下、第1軸X1、第2軸X2に関する角度位置を、それぞれ「縦回動角θa」及び「横回動角θb」で表現する。縦回動角θaに関して、シート60の前側を「正方向」、後側を「負方向」とそれぞれ定義する。横回動角θbに関して、反時計回りの向きを「正方向」、時計回りの向きを「負方向」とそれぞれ定義する。
駆動制御部64は、運転制御システム12により生成された走行軌道110(図4)に基づいてシート駆動部62の駆動制御を行う。この駆動制御部64は、外力予測部70、目標値算出部72、制御値算出部74及びタイミング制御部76として機能する。
[自動運転用シート装置36の動作]
<1.制御値の算出>
本実施形態における車両制御装置10及び自動運転用シート装置36は、以上のように構成される。続いて、自動運転用シート装置36の第1動作について、図3のフローチャート及び図4〜図7Bを参照しながら説明する。この「第1動作」とは、車両制御装置10を搭載した自車両100が自動走行中に、シート60の駆動に供される制御値を算出する動作を意味する。
図3のステップS1において、駆動制御部64は、運転制御システム12の軌道生成部54により直近に生成された走行軌道110を取得する。
図4に示すように、自車両100は、蛇行形状を有するレーン102を走行しようとする。このレーン102は、破線状のレーンマーク104と、連続線状のレーンマーク106により区画されている。走行軌道110は、レーン102の中心線108とは位置が異なっており、走行挙動の滑らかさが保証された軌道に相当する。
本図の例では、自車両100における走行位置の時間的変化を10個のプロット{P(n)}(n=0〜9)で表記している。現在の走行位置がP(0)である自車両100は、将来の走行位置P(1)〜P(9)を順次通過しながら走行しようとする。
プロット{P(n)}が等時間間隔(Δt)で定義されている場合、現時点t=0における走行位置がP(0)であり、将来の時点t=nΔt(1≦n≦9)における走行位置はそれぞれP(n)である。或いは、プロット{P(n)}が等距離間隔で定義されている場合、隣接する2つのプロットP(n)、P(n+1)間の走行距離はnの値によらず一定である。
ステップS2において、駆動制御部64(外力予測部70)は、現時点より先の時点(以下、予測時点)を指定する。例えば、シート60の駆動に関わるターンアラウンドタイムが1.5プロット分(1.5×Δt)である場合、n≧2を満たす将来の時点t=2Δt、3Δt、‥のいずれかを指定する。
ステップS3において、外力予測部70は、ステップS1で取得された走行軌道110に基づいて、ステップS2にて指定された予測時点における外力を予測する。具体的には、外力予測部70は、走行軌道110のプロット{P(n)}が示す目標挙動の各値から、ドライバDに作用する縦慣性力Fa及び横慣性力Fbの合力Fcを予測する。
ここで、縦慣性力Faとは、自車両100の加減速動作に伴って、シート60の前後方向に作用する縦方向の慣性力である。また、横慣性力Fbは、自車両100の旋回動作に伴って、左右方向(車幅方向)に作用する横方向の慣性力である。
ステップS4において、目標値算出部72は、ステップS3で予測された合力Fcを用いて、シート60の回動角に関する目標値を算出する。以下、縦回動角θaの目標値を「第1目標値θta」と、横回動角θbの目標値を「第2目標値θtb」とそれぞれ称する場合がある。
図5A及び図5Bは、第1目標値θtaの決定方法に関する説明図である。図6A及び図6Bは、背もたれ面60bと合力方向124の関係を模式的に示す図である。図7A及び図7Bは、第2目標値θtbの決定方法に関する説明図である。
図5Aは、θa=0においてドライバDに作用する縦方向の外力を模式的に示している。ドライバDの頭部120には、縦慣性力Fa(=M×α)及び重力Fg(=M×g)がそれぞれ作用する。なお、Mは頭部120の重量であり、αは自車両100の加速度又は減速度(以下、加減速度という)であり、gは重力加速度(単位:m/s)である。
図5Bは、θa<0においてドライバDに作用する縦方向の外力を模式的に示している。自車両100の加速動作中(α>0)に、縦慣性力Faを相殺する方向(θa<0)にシート60を傾けることで、頭部120に作用する縦慣性力Faを緩和することができる。
例えば、「ドライバDの正面方向122において、外力を完全に相殺することで重心を移動させない」という設計思想を採用する場合、第1目標値θtaは、次の(1)式に従って決定される。
θta=tan−1(−α/g) ‥‥(1)
一方、自車両100の減速動作中(α<0)である場合、縦慣性力Faを相殺する方向(つまり、θa>0)にシート60を傾けることで、頭部120が正面方向122の前方に向けて乗り出すことを抑制できる。
図6A及び図6Bに示す合力方向124は、縦慣性力Fa及び横慣性力Fbのベクトル和である合力Fcの向きに相当する。ここで、縦慣性力Fa及び横慣性力Fbは、次の(2)式、(3)式で算出される。
Fa=M{α・cos(θa)−g・sin(θa)} ‥(2)
Fb=MρV・V ‥(3)
なお、ρは曲率(つまり、曲率半径の逆数)であり、Vは車速である。また、縦回動角θaが(1)式に示すθtaに等しい場合、(2)式の右辺は0、つまり、Fa=0となる。
例えば、「合力方向124を背もたれ面60bの真正面から受ける」という設計思想に基づいて、第2目標値θtbを決定する場合を考える。以下、モデルの簡略化のため、シート60の背もたれ面60bは、1つの第1平面126と、第1平面126の両端にそれぞれ接続された2つの第2平面128、128からなる平面の集合体であると想定する。なお、第1平面126と第2平面128のなす角はφとする。
図6Aの例では、横慣性力Fbの大きさが無視できる程度に微小であり、合力Fcは縦慣性力Faに等しくなっている。その結果、合力方向124は第1平面126の法線方向に一致しているので、θb=0を満たすシート60の姿勢は、好ましい目標状態の1つである。
図6Bの例では、合力方向124は、正方向を向く横慣性力Fbの作用下に、tan−1(Fb/Fa)だけ正方向に傾いている。仮に、tanφ=Fb/Faの関係を満たす場合、合力方向124は第2平面128の法線方向に一致する。よって、図6Aの場合と同様に、θb=0を満たすシート60の姿勢は、好ましい目標状態の1つである。
図6A及び図6Bから理解されるように、背もたれ面60bの形状を複数の平面で表現する場合、合力方向124をいずれかの平面の法線方向に合わせることで、上記した目標状態がそれぞれ達成され得る。そこで、目標値算出部72は、前回値からの変位量が最小になる横回動角θbを、最適な第2目標値θtbとして決定する。
図7A及び図7Bにおいて、グラフの横軸は横回動角θbを示し、グラフの縦軸は法線角を示している。この「法線角」は、自車両100の前後方向と、平面の法線方向との間のなす角を意味する。実線で示す3本の直線は、いずれも勾配(傾き)が1であり、それぞれ切片が異なっている。
直線L1は、θb=0での法線角がφであり、右側の第2平面128における角度関係を示す。直線L2は、θb=0での法線角が0であり、第1平面126における角度関係を示す。直線L3は、θb=0にて法線角が−φであり、左側の第2平面128における角度関係を示す。
図7Aに示すように、前回の合力方向124(前回値)が0であり、今回の合力方向124(今回値)がγ(ただし、0<γ<φ/2)であるとする。この場合、直線L1〜L3の位置関係を考慮すると、変位量を示す矢印長さが最短である「第1平面126」が選択される。
図7Bに示すように、前回の合力方向124(前回値)が0であり、今回の合力方向124(今回値)がγ(ただし、φ/2<γ<φ)であるとする。この場合、直線L1〜L3の位置関係を考慮すると、変位量を示す矢印長さが最短である「右側の第2平面128」が選択される。
このようにして、目標値算出部72は、合力Fcの成分又は向きを用いて、第1目標値θta及び第2目標値θtbを算出する(ステップS4)。なお、目標値の算出方法はこれに限られず、合力Fcの大きさ及び/又は向きを考慮した様々な手法を用いることができる。
ステップS5において、制御値算出部74は、ステップS4により算出された目標値に基づいて、シート60の駆動に供される制御値を算出する。以下、縦回動角θaの制御値を「第1制御値θca」と、横回動角θbの制御値を「第2制御値θcb」とそれぞれ称する場合がある。なお、この制御値は、第1制御値θca、第2制御値θcbの2種類に限られず、シート駆動部62が備えるアクチュエータの構成に応じたパラメータである。
制御値算出部74は、例えば、算出した目標値と等しい制御値(θca=θta、θcb=θtb)を設けてもよいし、過去直近に算出した少なくとも1つの制御値又は目標値との関係から、今回の制御値を算出してもよい。単位時間あたりの変位量を制限することで、シート60の急激な移動・変形に伴うドライバDの違和感を抑制できる。
変位量を制限する具体例として、制御値算出部74は、前回値との差分が上限値を超えない制御値を算出してもよいし、過去の計算値を含めた統計的手法(例えば、移動平均)を用いて制御値を算出してもよい。
このようにして、自動運転用シート装置36の第1動作(図3)が終了する。自動運転用シート装置36は、プロット{P(n)}単位の間隔(時間又は走行位置)にて第1動作を反復継続して実行し、制御値の時系列データを逐次更新する。
<2.シート60の駆動>
続いて、自動運転用シート装置36の第2動作について、図8のフローチャートを参照しながら説明する。この「第2動作」とは、車両制御装置10を搭載した自車両100の走行中に、上記した第1動作により得られた制御値に基づいてシート60を駆動する動作を意味する。
図8のステップS11において、駆動制御部64は、現時点で選択されている運転モードの属性を走行制御部56から取得する。「オン」ではない(「オフ」である)場合(ステップS11:NO)、駆動制御部64は、シート60の駆動制御を停止すると共に、シート60が定常位置、つまりθa=θb=0に戻った状態を維持する(ステップS12)。一方、「オン」であると判定された場合(ステップS11:YES)、ステップS13に進む。
ステップS13において、駆動制御部64は、未使用である制御値(具体的には、第1制御値θca及び第2制御値θcb)に変更がないか否かを判定する。制御値の変更がない場合(ステップS13:YES)はそのまま、制御値の変更がある場合(ステップS13:NO)には制御値を更新した後(ステップS14)、ステップS15に進む。
ステップS15において、駆動制御部64のタイミング制御部76は、算出済みの制御値を出力するタイミング(以下、制御タイミングという)が到来したか否かを判定する。具体的には、タイミング制御部76は、制御値に対応する予測時点から起算して、ターンアラウンドタイム分だけ遡った時点又は走行位置になったか否かを判定する。
未だ到来していないと判定された場合(ステップS15:NO)、微小な待ち時間だけ待機した後(ステップS16)、ステップS15に戻って、以下、ステップS15、S16を繰り返す。その後、制御タイミングが到来した場合(ステップS15:YES)、次のステップS17に進む。
ステップS17において、駆動制御部64は、到来した制御タイミングに対応する制御値をシート駆動部62に向けて出力する。これにより、縦回動角θaに関する第1制御値θcaは、第1回動アクチュエータ66に供給される。また、横回動角θbに関する第2制御値θcbは、第2回動アクチュエータ68に供給される。
ステップS18において、シート駆動部62は、ステップS17で供給された制御値に従ってシート60の姿勢又は形状を変更させる。これにより、シート60は、第1回動アクチュエータ66の駆動を伴って、θa=θcaの角度位置に至るまで第1軸X1を中心に回動する。また、シート60は、第2回動アクチュエータ68の駆動を伴って、θb=θcbの角度位置に至るまで第2軸X2を中心に回動する。
このようにして、自動運転用シート装置36の第2動作(図8)が終了する。自動運転用シート装置36は、第1動作とは独立的に、第2動作を反復継続して実行し、シート60の姿勢又は形状を逐次変更する。
[自動運転用シート装置36による効果]
以上のように、自動運転用シート装置36は、自動走行可能な自車両100に搭載され、[1]ドライバD(乗員)が着座するシート60と、[2]シート60の姿勢又は形状を変更可能に駆動するシート駆動部62と、[3]シート駆動部62を制御する駆動制御部64と、を備え、[4]自車両100が自動走行中に、駆動制御部64は、現時点よりも先の時点又は現在位置よりも先の走行位置にてドライバDに作用する合力Fc(外力)を予測し、先の時点になった際又は先の走行位置に到達した際に、既に予測された合力Fcに基づいてシート駆動部62を制御する。
また、車両制御装置10は、この自動運転用シート装置36の他、[5]自車両100の外界状態を認識する外界認識部50と、[6]外界認識部50による認識結果に基づいて自車両100の行動計画を作成する行動計画作成部52と、[7]行動計画作成部52により作成された行動計画に従って自車両100の走行軌道110を生成する軌道生成部54と、を備え、[8]自動運転用シート装置36の駆動制御部64は、軌道生成部54により生成された走行軌道110に基づいて合力Fcを予測する。
このように、現時点よりも先の時点又は現在位置よりも先の走行位置にてドライバDに作用する合力Fcを予測するので、応答遅れが改善された状態下でシート60の姿勢又は形状を適時に変更可能(例えば、ドライバDが知覚できない程度に緩やかに変更可能)となり、ドライバDが知覚するフィット感の不適合を抑制することができる。特に、自車両100の自動走行中、ドライバDは、手動運転の場合と比べて、自車両100の走行挙動(間接的には合力Fc)を事前に認識し難い傾向があるので、上記した抑制効果が顕著に現われる。
また、シート60は、自車両100の車幅方向及び高さ方向に延びる2軸を中心に独立して回動可能に構成されてもよい。第1軸X1を中心にシート60を回動させることでドライバDに作用する縦慣性力Faに対処できると共に、第2軸X2を中心にシート60を回動させることでドライバDに作用する横慣性力Fbに対処できる。
また、駆動制御部64は、自車両100が手動走行中に、シート駆動部62に対する制御を停止してもよい。ドライバDの姿勢を強制的に変更することで却って運転操作の妨げになることを防止できる。
[備考]
なお、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、この発明の主旨を逸脱しない範囲で自由に変更できることは勿論である。或いは、技術的に矛盾が生じない範囲で各々の構成を任意に組み合わせてもよい。
10…車両制御装置 12…運転制御システム
14…外界センサ 16…通信装置
18…ナビゲーション装置 20…車両センサ
36…自動運転用シート装置 40…記憶装置
50…外界認識部 52…行動計画作成部
54…軌道生成部 56…走行制御部
60…シート 62…シート駆動部
64…駆動制御部 66…第1回動アクチュエータ
68…第2回動アクチュエータ 70…外力予測部
72…目標値算出部 74…制御値算出部
76…タイミング制御部 100…自車両
102…レーン 104、106…レーンマーク
110…走行軌道 122…正面方向
124…合力方向 D…ドライバ(乗員)
X1…第1軸 X2…第2軸

Claims (4)

  1. 自動走行可能な自車両に搭載される自動運転用シート装置であって、
    乗員が着座するシートと、
    前記自車両の車幅方向に延びる第1軸を中心として前記シートを回動可能な第1回動アクチュエータ、および、前記自車両の高さ方向に延びる第2軸を中心として前記シートを回動可能な第2回動アクチュエータとの少なくとも一方を駆動するシート駆動部と、
    前記シート駆動部を制御する駆動制御部と、
    を備え、前記自車両が自動走行中に、
    前記駆動制御部は、現時点よりも先の時点又は現在位置よりも先の走行位置にて前記乗員に作用する外力を、前記自車両における目標挙動の時系列データセットに基づいて予測し、前記先の時点になった際又は前記先の走行位置に到達した際に、既に予測された前記外力に基づいて前記シート駆動部を制御することを特徴とする自動運転用シート装置。
  2. 請求項1に記載の自動運転用シート装置において、
    前記時系列データセットは、前記自車両における目標挙動の位置、姿勢角、速度、加速度、曲率、ヨーレート、操舵角をデータ単位とするものであることを特徴とする自動運転用シート装置。
  3. 請求項1又は2に記載の自動運転用シート装置において、
    前記駆動制御部は、前記自車両の運転モードが手動運転モードから自動運転モードに切り替わった時に、前記シート駆動部に対する制御を開始することを特徴とする自動運転用シート装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動運転用シート装置において
    記駆動制御部は、前記乗員に作用する外力の成分が緩和されるように前記第1回動アクチュエータを制御し、前記シートの背もたれ面を複数の平面で定義した場合に、いずれかの前記平面の法線方向に前記外力の作用する向きが合うように前記第2回動アクチュエータを制御することを特徴とする自動運転用シート装置。
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