JP6457915B2 - 光伝送装置、光集線ネットワークシステム、光伝送方法及びプログラム - Google Patents

光伝送装置、光集線ネットワークシステム、光伝送方法及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、PON(Passive Optical Network)に代表される、光TDM(Time Division Multiplexing)技術を用いた通信用のデバイス及び装置を活用した光伝送装置、光集線ネットワークシステム、光伝送方法及びプログラムに関する。
従来、光TDM技術を用いたネットワークとして、例えばPONがブロードバンドアクセス網を構成する一手段として検討又は導入されている。PONは、光ファイバ網の途中に分岐装置(光カプラ)が挿入された、1本の光ファイバが複数の加入者で共有可能な光ネットワークである。
ブロードバンドアクセス網におけるPONでは、局舎に配置されるOLT(Optical Line Terminal)と、ユーザ宅に配置されるONU(Optical Network Unit)とが光ファイバ及び光カプラを介して接続される。通常、1台のOLTに対して複数台のONUが接続され、このOLT−ONU間において、TDM又はTDMA(Time Division Multiple Access)を適用して光の領域でデータの多重分離を行いつつデータを伝送することにより、光ファイバ心線やOLT等のリソースが複数ユーザで共用可能となっている。なお、OLTは局舎側の光回線終端装置であり、ONUは、ユーザ宅側の光回線終端装置としての加入者装置である。
PONの物理トポロジとしては、ツリー構成が多く採用されているが、非特許文献1に記載のように、リング構成も検討されている。この種のリング構成のPONにおけるOLT−ONU間の1+1プロテクション(後述)の構成例を図8に示す。
図8はリングトポロジにPONを適用した場合の光集線ネットワークシステム10の構成を示すブロック図である。
図8に示す光集線ネットワークシステム10は、代表ノードとしての光伝送装置11と、ノードとしての複数の光伝送装置12,13,14とが、物理的に独立した2本の信号伝送路としての第1光ファイバ(第1光伝送路)16及び第2光ファイバ(第2光伝送路)17によってリング状に接続されている。この2本のリング状の光ファイバ16,17の伝送路によって、矢印で示す互いに異なる方向(相反方向)の右回り方向と左回り方向にデータを伝送でき、何れか一方の伝送路に障害が発生して伝送不能となった場合に、他方の伝送路で伝送が可能となっている。これが上述した1+1プロテクションの構成である。なお、光伝送装置11は代表ノード11とも称し、各光伝送装置12,13,14はノード12,13,14とも称す。
代表ノード11は、複数のIO(入出力処理)部20a〜20nと、OLT21と、光多重分離部23a,23bとを備えて構成されている。OLT21は、SW(スイッチ)部25と、OSU(Optical Subscriber Unit)26a,26bと、DWBA(Dynamic Wavelength and Bandwidth Assignment)機能部27とを備えて構成されている。
ノード12,13,14は何れも同構成であり、ノード13に代表して示すように、光多重分離部31a,31bと、ONU(Optical Network Unit)32a,32bと、SW部33と、複数のIO部34a〜34nとを備えて構成されている。
代表ノード11において、複数のIO部20a〜20nは、代表ノード11の外部の複数のホストコンピュータ(ホストともいう)41a〜41nと1対1で接続され、ホスト41a〜41nと信号送受信を行うSNI−LT(application Server-Network Interface−Line Terminal)である。ノード13においても、上記と同じ複数のIO部34a〜34nに、ノード13の外部の複数のホスト43a〜43nが、1対1で接続されている。他のノード12,14においても、同様に図示せぬIO部にホスト42a〜42n,44a〜44n(図示は1つのみ)が1対1で接続されている。
代表ノード11のIO部20a〜20nは、ホスト41a〜41nから送信されて来たクライアント信号を終端してSW部25へ送信し、また、SW部25からの信号をクライアント信号としてホスト41a〜41nへ送信する。
SW部25は、通常の電気パケットスイッチであり、L2−SW(レイヤ2スイッチ)と同等なスイッチである。このSW部25は、事前に設定されたMACアドレス(Media Access Control address)とポートとの対応テーブルに従い、MACアドレスによる宛先のホスト(例えば41a)へ、OSU26aからのパケットデータをSW部25及びIO部20aを介して転送する。
OSU26a,26bは、PDS(Passive Double Star)方式の光回線終端装置である。このOSU26a,26bは、ノード12〜14のONU32a,32bからの光バーストデータを受信してSW部25へ出力し、また、SW部25からのパケットデータを受け取り、ONU32a,32bへ光データ送信する。この構成では、OSU26a,26bとONU32a,32b間がPON区間となっている。
DWBA機能部27は、動的波長帯域割当の機能を有する。動的波長帯域割当とは、ノード12〜14のONU32a,32bに対して複数波長を総合した総帯域を効率良く分配すべく、動的な波長切替も考慮しながらトラヒック量に応じて動的に帯域を割り当てることである。
光多重分離部23a,23bは、第1及び第2光ファイバ16,17を介して伝送される光信号としてのデータに対して、多重化、分離、スルー(通過)の何れかの処理を行う。例えば、光多重分離部23aは、OSU26aからのパケットデータを多重化して第1光ファイバ16を介してノード14へ伝送し、ノード12からの光バーストデータを分離してOSU26aへ出力する処理を行う。
ノード12〜14における光多重分離部31a,31bも、上記同様に多重化、分離、スルーの何れかの処理を行う。例えば、光多重分離部31aは、ONU32aからのパケットデータを多重化して第1光ファイバ16を介してノード12へ伝送し、ノード14からの光バーストデータを分離してONU32aへ出力し、又は、ノード14からの光バーストデータをスルーしてノード12へ伝送する処理を行う。
ONU32a,32bは、PONに係るデータの送受信を行う。このONU32a,32bは、代表ノード11のOSU26a,26bからの光データを受信してSW部33へ出力し、また、SW部33からのパケットデータを受信して、OSU26a,26bへ光バースト送信する。IO部34a〜34nは、ホスト43a〜43nから送信されて来たクライアント信号を終端してSW部33へ送信し、また、SW部33からの信号をクライアント信号としてホスト43a〜43nへ送信する。
このような構成のシステム10においては、例えばノード13のIO部34aに接続されたホスト43aから送信されるクライアント信号を、代表ノード11のIO部20aに接続されたホスト41aへ伝送する場合、第1光ファイバ16を介して矢印Y1で示す右回り、又は第2光ファイバ17を介して矢印Y2で示す左回りに伝送可能となっている。つまり、2つのリング状の伝送路を利用して右回りと左回りとにデータ伝送が可能となっている。このため、何れか一方の伝送路に障害が発生して伝送不能となった場合に、他方の伝送路でデータ伝送を行うことができる。例えば、第1光ファイバ16に障害が発生して伝送不能となった場合に、第2光ファイバ17でデータ伝送を行うことができる。従って、一方の伝送路(矢印Y1)に障害が発生した場合でも、データ伝送を止めること無く、他方の伝送路(矢印Y2)でデータ伝送を行うことができる。
G. Kramer, B. Mukherjee and G. Pesavento, EthernetPON(ePON): design and analysis of an optical accessnetwork, Phot. Net. Commun.,[online],3, 2001,[平成27年9月25日検索],インターネット 〈 URL : http://www.www.glenkramer.com/papers/epon_pnc.pdf〉 "IEEE Std.802.3ah-2004",IEEE,2004年,64.3.2.2章 Optional Shared LAN Emulation,[online],2004,[平成27年9月25日検索],インターネット 〈 URL : http://www.***.co.jp/url?〉 N. Nadarajah et al., "Novel Schemes for Local Area Network Emulation in Passive Optical Networks With RF Subcarrier Multiplexed Customer Traffic,"Journal of Lightwave Technology, [online],Oct. 2005,[平成27年9月25日検索],インターネット 〈 URL : http://www.***.co.jp/url?sa=t&rct=j&q=&esrc=s&source=web&cd=1&cad〉 A. D. Hossain et al., "Ring-based local access PON architecture for supporting private networking capability," OSA Journal of Optical Networking, vol. 5, no. 1, pp. 26-39, [online],Jan. 2006, [平成27年9月25日検索],インターネット 〈 URL : http://www.eng.uwo.ca/electrical/faculty/shami_a/publications.html〉
ところで、上述したシステム10において柔軟な通信形態を提供するためには、異なるノード12〜14のONU間通信が重要となる。しかし、PONでは、基本的にはOLT21−ONU32a,32b間の通信のみをサポートしており、任意のノード12〜14のONU間で直接通信を行うことは不可能である。
ONU間通信を実現する手段として、非特許文献2には、あるノードのONUからのデータをOLTで折り返し、別のノードのONUに伝送するOLT折返方式の検討が記載されている。これは、「Shared LAN Emulation」という呼称で、米国電気電子学会IEEEのEPON(Ethernet Passive Optical Network)(Ethernet:登録商標)にオプショナルで定義されている。
OLT折返方式を用いた場合に1+1プロテクションを設定するに当たっては、例えば図9(a)に示すように、ノード12において伝送データをコピー(複写)し、これを、矢印Y3で示す右回り、矢印Y4で示すノード13を通過する左回りに伝送路を伝送し、これらのデータを代表ノード11のOLTにて折り返して別のノード14へ伝送する。又は、図9(b)に示すように、ノード12において伝送データをコピーし、これを、矢印Y5,Y6で示す右回りへ伝送し、矢印Y5で示すデータは、代表ノード11のOLTにて右回りに折り返して別のノード15へ伝送する。一方、矢印Y6で示すデータは、代表ノード11のOLTにて左回りに折り返してノード13を通過して左回りに別のノード14へ伝送する。
しかし、図9(a)では、矢印Y4で示すOLTでの折り返し後のデータが、矢印Y3で示すOLTでの折り返し後のデータと同一伝送路を同方向に通ってノード14へ伝送される。このため、その同一伝送路の光ファイバに障害100が発生して伝送不能となった場合、コピーした両系のデータが伝送不能となるので、通常1+1プロテクションで実現可能な他方の伝送路でデータ伝送を継続することが出来なくなる問題が生じる。
また、図9(b)では、矢印Y5,Y6で示すOLTでの折り返し前の両系のデータが、同一伝送路を同方向に通ってOLTへ伝送される。このため、同一伝送路の光ファイバに障害101が発生して伝送不能となった場合、ノード12でコピーした両系のデータが伝送不能となる問題が生じる。
この他、非特許文献3に記載のように、ONU間通信を、OLT折り返し無しで実現する方式も提案されている。しかし、OLTの送受信機能が全てのONUに必要となったり、ONUのノード間にデータ反射を行わせるための特殊なデバイスが必要となったりするのでコスト高となる問題がある。
更に、OLT折り返し無しの構成として、非特許文献4に記載のように、リング上の各ノードのONUでデータをリレーして伝送する構成が提案されている。しかし、その構成では、ノード間の特殊なデバイスを最小限に抑制したとしても、ONUがデータを1ノードづつ電気的に受信して送信するので、ノードが数珠つなぎになり、伝送遅延が増加するという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、特別なデバイスの追加や電気処理に起因する遅延を増加させることなく、1+1プロテクション相当の高信頼なONU間通信を行うことができる光伝送装置、光集線ネットワークシステム、光伝送方法及びプログラムを提供することを課題とする。
上記課題を解決するための手段として、請求項1に係る発明は、外部装置との間で送受信される信号を終端し、制御主体となる光回線終端装置としてのOLT(Optical Line Terminal)と、前記制御主体に対して客体となる光回線終端装置としての複数のONU(Optical Network Unit)とが、少なくとも2本の光伝送路でリング状に接続され、当該2本の光伝送路を同一データが経由する際に、一方の前記ONUから前記OLTで折り返して他方の前記ONUへ伝送されるネットワークに用いられる前記OLTを有する光伝送装置であって、前記OLTを介した前記ONU間の経路に、独立した論理的な3つのパスを設定する制御を行うパス設定制御手段を備え、前記パス設定制御手段は、前記3つのパスを設定制御する際に、データが前記ONUから前記2本の光伝送路を相反方向に介して前記OLTへ向かうONUとOLT間の少なくとも2経路と、前記OLTで折り返したデータが前記2本の光伝送路を相反方向に介して前記ONUへ向かうOLTとONU間の少なくとも2経路とを組合せた少なくとも4経路の内の異なる3経路に、前記3つのパスを設定する制御を行うことを特徴とする光伝送装置である。
請求項6に係る発明は、外部装置との間で送受信される信号を終端し、制御主体となる光回線終端装置としてのOLTを有する第1光伝送装置と、前記制御主体に対して客体となる光回線終端装置としてのONUを有する複数の第2光伝送装置と、前記第1光伝送装置及び前記第2光伝送装置をリング状に接続し、当該リング状の経路に相反方向にデータを伝送する2本の光伝送路とを有し、データが一方の前記ONUから前記OLTで折り返して他方の前記ONUへ伝送される光集線ネットワークシステムであって、前記第1光伝送装置に、前記OLTを介した前記ONU間の経路に、独立した論理的な3つのパスを設定する制御を行うパス設定制御手段を備え、前記パス設定制御手段は、前記3つのパスを設定制御する際に、データが前記ONUから前記2本の光伝送路を相反方向に介して前記OLTへ向かうONUとOLT間の少なくとも2経路と、前記OLTで折り返したデータが前記2本の光伝送路を相反方向に介して前記ONUへ向かうOLTとONU間の少なくとも2経路とを組合せた少なくとも4経路の内の異なる3経路に、前記3つのパスを設定する制御を行うことを特徴とする光集線ネットワークシステムである。
請求項7に係る発明は、外部装置との間で送受信される信号を終端し、制御主体となる光回線終端装置としてのOLTと、前記制御主体に対して客体となる光回線終端装置としての複数のONUとが、少なくとも2本の光伝送路でリング状に接続され、当該2本の光伝送路を同一データが経由する際に、一方の前記ONUから前記OLTで折り返して他方の前記ONUへ伝送されるネットワークに用いられる前記OLTを有する光伝送装置であって、前記光伝送装置は、前記OLTを介した前記ONU間の経路に、独立した論理的な3つのパスを設定する制御を行うステップと、前記設定する制御を行う際に、データが前記ONUから前記2本の光伝送路を相反方向に介して前記OLTへ向かうONUとOLT間の少なくとも2経路と、前記OLTで折り返したデータが前記2本の光伝送路を相反方向に介して前記ONUへ向かうOLTとONU間の少なくとも2経路とを組合せた少なくとも4経路の内の異なる3経路に、前記3つのパスを設定する制御を行うステップと、を実行することを特徴とする光伝送方法である。
請求項8に係る発明は、外部装置との間で送受信される信号を終端し、制御主体となる光回線終端装置としてのOLTと、前記制御主体に対して客体となる光回線終端装置としての複数のONUとが、少なくとも2本の光伝送路でリング状に接続され、当該2本の光伝送路を同一データが経由する際に、一方の前記ONUから前記OLTで折り返して他方の前記ONUへ伝送されるネットワークに用いられる前記OLTを有する光伝送装置としてのコンピュータを、前記OLTを介した前記ONU間の経路に、独立した論理的な3つのパスを設定する制御を行う手段前記設定の制御を行う際に、データが前記ONUから前記2本の光伝送路を相反方向に介して前記OLTへ向かうONUとOLT間の少なくとも2経路と、前記OLTで折り返したデータが前記2本の光伝送路を相反方向に介して前記ONUへ向かうOLTとONU間の少なくとも2経路とを組合せた少なくとも4経路の内の異なる3経路に、前記3つのパスを設定する制御を行う手段、として機能させるためのプログラムである。
上記の請求項1,6,7,8の構成によれば、次のような作用効果を得ることができる。ONUとOLT間と、OLTとONU間とは、各々が、リング状の2本の光伝送路で相反方向に伝送可能に接続されているので、少なくとも4経路が存在する。この4経路の内の異なる3経路に、独立した3つのパスを設定し、この設定された3つのパスに同一のデータを伝送させる。これによって、データ伝送の始点と終点のOLTで折り返すONU間において、一方の光伝送路に伝送不能状態に障害が発生しても、他方の光伝送路でデータを伝送することができる。従って、特別なデバイスの追加やノード毎の電気的な処理に起因する遅延を増加させることなく、1+1プロテクション相当の高信頼なONU間通信を行うことができる。
請求項2に係る発明は、前記パス設定制御手段は、前記ONUとOLT間及び前記OLTとONU間において、前記2本の光伝送路で相反方向にデータ伝送が行なわれる各経路から遅延の少ない経路順に前記3つのパスを設定する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置である。
この構成によれば、遅延が少ない経路順に3つのパスを設定してデータ伝送を行うので、遅延の少ない高速な伝送を行うことができる。
請求項3に係る発明は、前記パス設定制御手段は、前記OLTを介した前記ONU間の通信を行う際に、各ONUに対して複数波長を総合した総帯域を所定帯域に分配可能なように、動的に波長を切替えて帯域を割り当てる制御を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の光伝送装置である。
この構成によれば、OLTの折り返しによるONU間通信において、動的な帯域割当を行うことで、波長と帯域を動的に柔軟に割り当てることができるので、効率的な通信を実現することができる。
請求項4に係る発明は、外部装置との間で送受信される信号を終端し、制御主体となる光回線終端装置としてのOLTと、前記制御主体に対して客体となる光回線終端装置としての複数のONUとが、少なくとも2本の光伝送路でリング状に接続され、当該2本の光伝送路を同一データが経由する際に、一方の前記ONUから前記OLTで折り返して他方の前記ONUへ伝送されるネットワークに用いられる前記OLTを有する光伝送装置であって、前記OLTは、前記OLTを介した前記ONU間の経路において、前記ONUから前記2本の光伝送路を介して前記OLTに向かう上り経路に2つのパスを設定し、当該2つのパスの内の一方を、前記OLTで折り返す折返点で2分岐し、この2分岐したパスに前記2つのパスの内の他方を加えた3つのパスを、前記OLTの折返点から前記2本の光伝送路を介して前記ONUに向かう下り経路に設定するように制御を行うパス設定制御手段と、前記上り経路の2つのパスを経由してきた2つのデータの内の一方のデータを複写して2つのデータとするコピー部と、前記複写された2つのデータを前記折返点で2分岐されたパスへ伝送するマルチプレクサ部とを備えることを特徴とする光伝送装置である。
この構成によれば、データ伝送の始点と終点のOLTで折り返すONU間の2本の光伝送路を相反方向に介した上り及び下り経路において、一方の光伝送路に伝送不能状態に障害が発生しても、他方の光伝送路でデータを伝送することができる。更に、上り経路の設定パスが2つで済むので、帯域消費を小さくすることができる。
請求項5に係る発明は、記OLTに、当該OLTで折り返されるデータの負荷と、当該OLTから前記ONUへ向かって伝送されるデータの負荷とを合計した負荷量を監視するモニタ部を備え、前記パス設定制御手段は、記上り経路への2つのパス設定及び前記下り経路への3つのパス設定である第1パス設定が成されている際に、前記モニタ部で監視される負荷量が予め定められた第1負荷量以上となった場合、前記OLTを介した前記ONU間の経路に、独立した論理的な3つのパスを設定する第2パス設定に切り替え、前記第2パス設定が成されている際に、前記モニタ部で監視される負荷量が予め定められた第2負荷量以下となった場合に、前記第1パス設定に切り替える制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の光伝送装置である。
この構成によれば、次のような作用効果を得ることができる。第1パス設定では、OLT内において、通信の負荷量が増大すると、通常のOLTからONUへの下り通信データに加えて、OLT内での分岐及び折返し処理のための通信データとの輻輳が生じる可能性がある。そこで、第1パス設定中に、OLT内の通信の負荷量をモニタ部で監視し、この監視負荷量が予め定められた第1負荷量以上となった場合に、第2パス設定に切替制御を行う。この第2パス設定では、第1パス設定のように、OLT内での分岐及び折返し処理が無いので、上記の輻輳を無くすことができる。また、第2パス設定中に、第2負荷量以下となった場合に、第1パス設定に切り替えるので、帯域消費を小さくすることもできる。
本発明によれば、特別なデバイスの追加や電気処理に起因する遅延を増加させることなく、1+1プロテクション相当の高信頼なONU間通信を行うことができる光伝送装置、光集線ネットワークシステム、光伝送方法及びプログラムを提供することができる。
本発明の第1実施形態に係る光集線ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。 第1実施形態のノードの構成及びコピーされたデータの流れを示すブロック図である。 第1実施形態のノードの構成及び複数のデータの選択様態を示すブロック図である。 第1実施形態のノードのONUの一構成例を示すブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る光集線ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。 第2実施形態の代表ノードの構成及びコピーされたデータの流れを示すブロック図である。 第2実施形態のノードの構成及びコピーされたデータの流れを示すブロック図である。 リングトポロジにPONを適用した場合の光集線ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。 従来の光集線ネットワークシステムにおいて、(a)OLTでの折り返し後の光ファイバに障害が発生した様子を示し、(b)OLTでの折り返し前の光ファイバに障害が発生した様子を示すブロック図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
<第1実施形態の構成>
図1は、本発明の第1実施形態に係る光集線ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。但し、図1に示す光集線ネットワークシステム(システム)10Aにおいて、図8に示した従来のシステム10に対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図1に示す第1実施形態のシステム10Aは、従来のシステム10と同様に、代表ノード11A及び複数のノード12A,13A,14Aが、物理的に独立した2本の信号伝送路としての第1光ファイバ16及び第2光ファイバ17によってリング状に接続されている。このリング状の各光ファイバ16,17によって、矢印で示す右回り方向と左回り方向のように互いに異なる方向にデータを伝送可能となっている。従って、各光ファイバ16,17に矢印で示す右回り方向及び左回り方向は、その逆方向であってもよい。但し、各光ファイバ16,17は同一回り方向にデータ伝送を行うことも可能である。
第1実施形態の特徴は、2本の光ファイバ16,17でリング状に接続された代表ノード11A及び複数のノード12A〜14Aの内、始点ノード(例えば12A)と終点ノード(例えば14A)のONU間に、OLT21Aで折り返す3つのパスを次のように設定した点にある。即ち、矢印Y11で示す現用OLT折返パス(現用パス)と、矢印Y12で示す予備OLT折返パス(予備パス)と、矢印Y13で示す冗長用OLT折返パス(冗長用パス)との合計3つのパスを設定し、始点から各パスY11〜Y13を通って終点までデータを伝送してONU間通信を実現した点にある。これによって、以降詳細に説明するように、特別なデバイスの追加やノード毎の電気的な処理に起因する遅延を増加させることなく、従来と略同様な設備量で、1+1プロテクション相当の高信頼なONU間通信を行うことを可能とした。なお、OLT21Aは制御主体であり、ONUは制御主体に対する客体である。
但し、OLT21Aでの折り返しは、例えば、現用パスY11であれば、OLT21AのOSU26AaからSW部25へ入ってここで折り返され、再度OSU26Aaへ入るように行なわれる。このような折り返しパスにおいて、各ノード12A〜14AのONUからOLT21Aへ伝送されるデータの伝送方向を上り方向、この逆に、OLT21AからONUへ伝送されるデータの伝送方向を下り方向と定める。
代表ノード11Aは、複数のIO部20a〜20nと、OLT21Aと、光多重分離部23a,23bとを備えて構成されている。OLT21Aは、SW部25と、複数のOSU26Aa,26Abと、DWBA機能部27Aとを備えて構成されている。各OSU26Aa,26Abは何れも同構成であり、OSU26Aaに代表して示すように、OAM(Operations, Administration, Maintenance)機能部51及びバッファ部52を備える。DWBA機能部27Aは、IF(インターフェイス)53を介してSW部25に接続されると共に、各OSU26Aa,26Abにも接続されている。更に、DWBA機能部27は、IF54を介して代表ノード11Aの外部のOpS(オペレーションシステム)56に接続されている。
代表ノード11Aにおいて、複数のIO部20a〜20nは、背景技術で説明したように、外部装置としての複数のホストコンピュータ(ホスト)41a〜41nと1対1で接続されて、ホスト43a〜43nと信号送受信を行うSNI−LTである。これらのIO部20a〜20nは、ホスト41a〜41nから送信されて来たクライアント信号を終端してSW部25へ送信し、また、SW部25からの光バーストデータをクライアント信号に変換してホスト41a〜41nへ送信する。
ノード12A〜14Aの各IO部34Aa〜34An(図2)にも、外部の複数のホスト42a〜42n,43a〜43n,44a〜44nが1対1で接続されている。
代表ノード11のSW部25は、前述したように、事前に設定されたMACアドレスとポートとの対応テーブルに従い、MACアドレスによる宛先のホスト(例えば41a)へ、OSU26AaからのパケットデータをIO部20aを介して転送する。
OSU26Aa,26Abは、ノード12A〜14AのONUからの光バーストデータを受信してSW部25へ出力し、また、SW部25からのパケットデータを受け取り、ONUへ光データ送信する。この構成では、OSU26Aa,26AbとONU間がPON区間となっている。
DWBA機能部27Aは、背景技術で説明した動的波長帯域割当の機能を有すると共に、現用パスY11、予備パスY12及び冗長用パスY13の3つのパスをデータ伝送の始点と終点の間に設定するパス設定制御を行う。このパス設定制御は、システム10Aを運用する外部のOpS56をDWBA機能部27Aと連携させ、OpS56が行なってもよい。OpS56では、人が任意にパス設定制御を行うことも可能である。また、3つのパスは矢印Y11〜Y13で示してあるが、ノード14Aから12Aへ向かう逆向きにもデータ伝送可能である。なお、DWBA機能部27A又はOpS56は、請求項記載のパス設定制御手段を構成する。
パス設定制御では、2本の光ファイバ16,17を介して接続されるOLT21AとONU間の4通りの経路(後述)に、現用、予備及び冗長用の3つのパスY11〜Y13を後述のように設定する。4通りの経路とは、例えばノード12AのONUとOLT21間を2本の光ファイバ16,17を相反方向に介して伝送する上りの2経路と、OLT21Aとノード14AのONUを2本の光ファイバ16,17を相反方向に介して伝送する下りの2経路の組合せによるものである。
DWBA機能部27Aは、パス設定制御によって、始点(ノード12A)のONUから第1光ファイバ16を介してOLT21Aへ向かう上り方向の経路に、独立した2つのパスY11,Y13を設定し、この設定経路と逆方向にデータ伝送を行う第2光ファイバ17を介する上り経路に、残りの1つのパスY12を設定する。更に、OLT21Aで折り返して第1光ファイバ16を介して終点(ノード14A)のONUへ向かう下り経路に、前記上りのペアと異なる2つのパスY11,Y12を設定し、この設定経路と逆方向の第2光ファイバ17を介する経路に、残りの1つのパスY13を設定する。
言い換えれば、DWBA機能部27Aは、3つのパスY11〜Y13の設定制御を行う際に、データが始点のONUから2本の光ファイバ16,17を相反方向に介してOLT21Aへ向かうONU−OLT間と、OLT21Aで折り返したデータが2本の光ファイバ16,17を相反方向に介して終点のONUへ向かうOLT−ONU間とにおいて、3つのパスY11〜Y13の内の2つのパスY11,Y13が一方の光ファイバ16側に設定され、残りの1つのパスY12が他方の光ファイバ17に設定されるように制御を行う。
このように3つのパスY11〜Y13を設定することによって、上り下りの各々の経路において、一方の光ファイバ16に伝送不能状態に障害が発生しても、他方の光ファイバ17でデータ伝送が可能となっている。
次に、このような3つのパスY11〜Y13にデータを伝送するノード12A〜14Aの構成について説明する。ノード12A〜14Aは何れも同構成であり、図2及び図3にノード12A,14Aを代表して示す。図2に示すノード12Aは、複数の光多重分離部31a,31bと、複数のONU32Aa,32Abと、ポート1a,1b,1c,1dを有するSW部33と、複数のIO部34Aa〜34Anとを備えて構成されている。各ONU32Aa,32Abは、ONU32Aaに代表して示すように、OAM機能部61及びバッファ部62を備える。ポート1a〜1dは、ONU32Aa,32AbとIO部34Aa〜34Anとを接続する。
各IO部34Aa〜34Anは、IO部34Aaに代表して示すように、クライアント信号終端変換部(終端変換部)65と、コピー部66と、セレクト部67と、TRX(トランシーバ)2bとを備えて構成されている。TRX2bは、ホスト42aのTRX2aとネットワーク接続されており、TRX2aと信号の送受信を行う。
終端変換部65は、ホスト42aからTRX2a,2bを介して送信されて来たクライアント信号を終端し、これをクライアントデータD1としてコピー部66へ出力する。また、終端変換部65は、図3に示すようにONU32a,32bからSW部33を介してセレクト部67に入力され、セレクト部67で選択されたクライアントデータD1sをクライアント信号に変換してTRX2bへ出力する。なお、光バーストデータは、単にデータとも称す。
図2に戻って、コピー部66は、終端変換部65から入力されたデータD1を、符号D11,D12,D13で示す3つのデータにコピーし、このコピーされた3つのデータD11〜D13をSW部33へ出力する。この際、コピー部66は、3つのデータD11〜D13に所定のパスY11〜Y13を通ることを指示するラベル付与等を行って、SW部33へ出力する。SW部33は、3つのデータD11〜D13をONU32Aa,32Abを介して上述した3つのパスY11〜Y13へ伝送する。
ここで、より詳細なコピー処理例について説明する。まず、ホスト42a又は終端変換部65が、データD1にOLT21Aでの折り返し通信用の後述のラベルを付与し、コピー部66がそのラベルをもとにコピー及び伝送経路を判断する。この際、コピー部66は、折り返し通信用のラベルが付与されたデータD1に対して、コピーと、後述するラベル書き換え又はカプセリングとを行い、この処理後のデータD11〜D13に同一のシーケンスナンバを付与してSW部25へ出力する。
上述したラベルは、VLAN(Virtual Local Area Network)タグ、MPLS(Multi Protocol Label Switching)ラベル等である。また、ラベル書き換えとは、例えばホスト42a又は終端変換部65でデータD1に付与されたラベルAを、コピー後のデータD11,D12,D13に付与するためのラベルA11,A12,A13に書き換えることである。カプセリングとは、データD1のラベルAを、ラベルBに入れてラベルBAとし、このラベルBAをコピー後のデータD11に付与することである。同様に、ラベルAを、ラベルCに入れてラベルCAとし、このラベルCAをコピー後のデータD12に付与し、ラベルAを、ラベルDに入れてラベルDAとし、このラベルDAをコピー後のデータD13に付与することである。
次に、セレクト部67は、図3に示すように、3つのパスY11〜Y13を介して伝送されてきた3つのデータD11〜D13から1つを選択し、この選択された1つのデータD1sを終端変換部65へ入力する。終端変換部65は、その入力データD1sをクライアント信号に変換してTRX2bへ出力する。この出力されたクライアント信号は、TRX2b,2a間で送受信され、ホスト44aで処理される。但し、図2及び図3では、ノード12Aからノード14Aにデータが伝送される様態を矢印D11〜D13で示して説明したが、この逆方向にパスを設定すれば逆方向にもデータ伝送が可能である。
セレクト部67は、上述した選択を行う場合、コピー部66でコピーされたデータか否かを判定し、コピーされたデータD11〜D13である場合、データの後述する先着優先処理や後着待合せ処理等によって、1つのデータ(例えばD11)のみを選択して終端変換部65へ入力する。
先着優先処理とは、セレクト部67が保持するシーケンスナンバnと同一のシーケンスナンバnが付与されたデータD11〜D13の内、最も早く到着したデータ(例えばD11)を終端変換部65へ入力し、後着の同一シーケンスナンバnのデータD12,D13は破棄する。この後、セレクト部67は、保持するシーケンスナンバをn+1に更新する。
後着待合せ処理とは、セレクト部67が保持するシーケンスナンバnと同一のシーケンスナンバnが付与されたデータD11〜D13が全て到着するか、又は、最も早いデータ(例えばD11)が到着してから所定時間経過後に、現時点での到着データ中でラベルが最も若番のデータ(例えばD11)を終端変換部65へ入力する。この後、セレクト部67は、保持するシーケンスナンバをn+1に更新する。終端変換部65は、その入力されたデータD11のラベルを元のラベルに書き換える。若しくはデカプセリングし、元のデータD11を得た後、このデータD11(D1s)がホスト44aへ送信される。
ところで、図1に示すDWBA機能部27Aは、上述した3つのパスY11〜Y13を設定する際に、4通りの経路のデータ伝送の負荷が大きい経路は避け、負荷が小さい経路に設定を行うようにしてもよい。その負荷は、トラフィック量又は遅延情報であり、トラフィック量は、DWBA機能部27Aが検出する。この検出トラフィック量は、OpS56で運用者が確認可能となっている。また、トラフィック量が大きいと、遅延も増加するので、このトラフィック量と遅延との関係に従った遅延情報を負荷情報として用いてもよい。
その遅延情報については、図2及び図3に示すONU32Aa,32Ab並びに、図1に示す代表ノード11AのOSU26Aa,26Abに備えられたOAM機能部51によって、後述のように測定可能となっている。但し、ONU32Aa,32Abは、OSU26Aa,26Abと同様に、バッファ部52も備える。
OAM機能部51は、ネットワークの運用・管理・保守を行うための機能であり、イーサネット(登録商標)の場合は、Ethernet OAM情報(OAMフレーム)を経路に流すことにより取得したネットワークの性能情報から遅延を検出し、この検出された遅延をDWBA機能部27Aへ伝える。但し、その性能情報は、ITU−T(国際電気通信連合電気通信標準化部門)により国際勧告「Y.1731」として標準化されている。OAM機能部51は、その標準化された中のパフォーマンスメジャメント等の性能情報をそのまま用いて、各経路の遅延時間を定期的に測定している。この遅延時間は、例えば1秒、2秒、3秒のように実測でき、DWBA機能部27Aは、その実測値の中で遅延時間が少ない順番に経路を選択する。
又は、DWBA機能部27Aは、ネットワーク内に上記のように配備されたバッファ部52のバッファ情報(キュー情報)を把握し、バッファ長(キュー長)が短い経路、言い換えればバッファ量が少なく、低負荷な経路を選択してもよい。このように、DWBA機能部27Aは、バッファ部52のバッファ情報を把握することにより、前述の非特許文献2等で規定されている上り方向のバッファ情報に加えて、新たに下り方向のバッファ情報を併用することにより、上りと下り経路に跨った柔軟なパス設定が可能となっている。既存のPONでは、ONUからの上りのバッファ量のみをDWBA機能部が管理するようになっていた。
PONにおいては、ONU32Aa,32Abは、上り方向のデータをバッファリング(保持)するバッファ部52に溜まった情報量(データ量)をOLT21Aへ送信可能となっている。また、OSU26Aa,26Abのバッファ部52は、下り方向のデータをバッファリングする。なお、バッファ部52がバッファ量をOLT21AのDWBA機能部27Aへ送信するものとする。
このため、OLT21A内のDWBA機能部27Aは、経路毎の各バッファ部52にどれ位の情報量が溜まっているかを検出し、言い換えれば、経路毎のバッファ量に応じた遅延量を検出して、低負荷な経路を選択できる。
ここで、その低負荷な経路の選択に必要なキュー情報(バッファ情報)を、DWBA機能部27Aへ送信するONU32Aa(32Ab)の一構成例を図4に示し、その説明を行う。
図4に示すように、ONU32Aaは、OAM機能部51及びバッファ部52(図2又は図3参照)としてのキュー部52a,52bと、ポート1e,1b,1cを介してSW部33に接続されたクライアントPHY部(符号化/復号化、等を行うレイヤ1の処理機能部)71と、クラシファイア部72と、キュー読出部73,74と、キューモニタ部75と、パケットモニタ部76と、通知信号作成部77a,77bと、モニタ信号作成指示設定部78と、データMUX(マルチプレクサ)部79と、PONPHYデータ分離部(分離部)80と、送信指示情報キュー部81と、送信部82と、受信部83とを備えて構成されている。データMUX部79は、MUX部79とも称す。
本構成の特徴要素は、クラシファイア部72、パケットモニタ部76及びMUX部79である。クラシファイア部72は、図2に示すホスト42aから受信したデータD11又はD13がOLT折返対象の信号か否かを識別により判定し、OLT折返対象の信号、OLT折返対象でない信号毎にキュー部52aの所定格納部に格納する。この格納されるデータは、キューモニタ部75でその格納量等が監視されると共に、キュー読出部73で読み出され、MUX部79へ入力される。
MUX部79は、その入力される通常のデータと、後述の通知信号作成部77a,77bで作成された通知信号である上りキュー情報、下りキュー情報、遅延情報、並びに、後述のOAM機能部51からのOAM関連情報を多重化する。この多重化されたデータ信号は、分離部80を介して送信部82から光多重分離部31a又は31bを介してOLT21A(図1)へ送信される上りデータとなる。
一方、OLT21Aで折り返されたデータは、光多重分離部31a又は31bを介して受信部83で受信され、分離部80へ入力される。分離部80は、入力データからOAMフレームを分離してOAM機能部51へ出力する。OAM機能部51は、そのOAMフレームからOLT21Aとの間の伝送路の遅延を検出し、この検出された遅延情報をMUX部79へ出力して、最終的にDWBA機能部27A(図1)へ伝える。また、分離部80は、当該分離部80に入力される送受信制御信号を送信指示情報キュー部81へ出力する。送信指示情報キュー部81は、その送受信制御信号に応じてキュー読出部73での読み出し、並びに、送信部82でのデータ送信を指示する。
また、分離部80で分離された下りデータは、キュー部52bに格納された後、キュー読出部74で読み出されてクライアントPHY部71からSW部33を介して、最終的にホスト(例えば図3の44a)へ出力される。この際、キュー部52bに格納された下りデータは、パケットモニタ部76で監視される。そのモニタ部76は、キュー部52bに格納された下りデータのキュー状態を監視し、下りの平均キュー長(バッファ長)、最大キュー長(最大バッファ長)、パケット処理遅延情報、キュー溢れ量等を、モニタ信号作成指示設定部78の指示に応じて取得し、これを通知信号作成部77bへ入力する。
通知信号作成部77bは、そのパケットモニタ部76からの入力情報及びモニタ信号作成指示設定部78の指示情報に応じて通知信号を作成してMUX部79へ入力する。通知信号作成部77aは、上述したキューモニタ部75からの入力情報及びモニタ信号作成指示設定部78からの指示情報に応じて通知信号を作成してMUX部79へ入力する。
この他、図1に示すDWBA機能部27Aは、ONU間通信においても動的な帯域の割り当て制御を、次のように行うことができる。即ち、一般的なOLT−ONU間の通信においては、PON−DBA(動的帯域割当)により、効率的な通信を行うために、動的に各ONUに帯域が割り当てられる。言い換えれば、OLT21Aを介したONU間の通信を行う際に、各ONUに対して複数波長を総合した総帯域を所定帯域に分配可能なように、動的に波長を切替えて帯域を割り当てることである。
この動的な帯域割り当ては、本実施形態のようにOLT21Aで折返すパスのトラヒックを含めてDWBA(動的波長帯域割当)又はDBAを行っても実現可能である。そこで、DWBA機能部27Aが、OLT21Aの折り返しによるONU間通信において、DWBA又はDBAにより動的な帯域割当を行うことで、波長と帯域を動的に柔軟に割り当てることが可能となっている。
また、OLT21Aにおいては、DWBA機能部27AがIF53を介してSW部25と接続されている。この接続により、DWBA機能部27Aは、SW部25と制御信号を遣り取りして連携を取り、ONU間の各パスY11〜Y13のデータ伝送を制御する。この制御では、OLT−ONU間通信だけではなく、ONU間通信にも、通信量を一定の水準に抑えるシェーピングの制御や、データ伝送をあるパスに集中させる制御等が可能となる。
<第1実施形態の効果>
以上説明した第1実施形態の特徴及びその効果を、図1を主に参照して説明する。
(1)代表ノード11Aが、OLT21Aを介したONU間の経路に、独立した論理的な3つのパスY11〜Y13を設定する制御を行うDWBA機能部27Aを備える。DWBA機能部27Aは、3つのパスY11〜Y13を設定制御する際に、データがONUから2本の光ファイバ16,17を相反方向に介してOLT21Aへ向かうONUとOLT21A間の少なくとも2経路と、及びOLT21Aで折り返したデータが2本の光ファイバ16,17を相反方向に介してONUへ向かうOLT21AとONU間の少なくとも2経路とを組合せた少なくとも4経路の内の異なる3経路に、3つのパスY11〜Y13を設定する制御を行うようにした。
これによって、次のような効果を得ることができる。即ち、ONUとOLT21A間と、OLT21AとONU間とは、各々が、リング状の2本の光ファイバ16,17で相反方向に伝送可能に接続されているので、少なくとも4経路が存在する。この4経路の内の異なる3経路に、独立した3つのパスY11〜Y13を設定し、この設定された3つのパスY11〜Y13に同一のデータを伝送させる。これによって、データ伝送の始点と終点のOLT21Aで折り返すONU間において、一方の光ファイバ16に伝送不能状態に障害が発生しても、他方の光ファイバ17でデータを伝送することができる。従って、特別なデバイスの追加や遅延を増加させることなく、1+1プロテクション相当の高信頼なONU間通信を行うことができる。
(2)パス設定制御手段(後述)が、ONUとOLT21A間及びOLT21AとONU間において、2本の光ファイバ16,17で相反方向にデータ伝送が行なわれる各経路から遅延の少ない経路順に3つのパスを設定する制御を行うようにした。
これによって、遅延の少ない経路順に3つのパスを設定してデータ伝送を行うので、遅延の少ない高速な伝送を行うことができる。
この各経路から遅延の少ない経路順に3つのパスを設定する制御を行う例として、次の(2−1)〜(2−3)の3つの例が挙げられる。
(2−1)パス設定制御手段としてのDWBA機能部27Aが、ONUとOLT21A間及びOLT21AとONU間において、2本の光ファイバ16,17で相反方向にデータ伝送が行なわれる各経路のトラフィック量を検出し、この検出されたトラフィック量が少ない経路順に3つのパスを設定する制御を行う。
これによって、トラフィック量が少ない経路順に3つのパスを設定してデータ伝送を行うので、遅延の少ない高速な伝送を行うことができる。
(2−2)ONU及びOLT21Aに、伝送路の性能を測定するためのOAMフレーム(OAM情報)を複数の経路に流して当該複数の経路の遅延情報を得るパス設定制御手段としてのOAM機能部51を備える。OAM機能部51は、ONUとOLT21A間及びOLT21AとONU間において、2本の光ファイバ16,17で相反方向にデータ伝送が行なわれる各経路にOAMフレームを流して各経路の遅延情報を取得して遅延が少ない経路順に3つのパスY11〜Y13を設定する制御を行う。
これによって、遅延が少ない経路順に3つのパスを設定してデータ伝送を行うので、高速な伝送を行うことができる。
(2−3)ONU及びOLT21Aに、ONUとOLT21A間及びOLT21AとONU間において、2本の光ファイバ16,17で相反方向にデータ伝送が行なわれる各経路に伝送されるデータを保持するバッファ部52を備える。パス設定制御手段としてのDWBA機能部27Aは、バッファ部52に保持されたデータ量を取得し、この取得されたデータ量が少ないバッファ部52が介在する経路順に3つのパスを設定する制御を行う。
これによって、各経路に伝送されるデータを保持し、この保持データ量が少ないバッファ部52が介在する経路順に3つのパスを設定してデータ伝送を行うので、高速な伝送を行うことができる。
(3)DWBA機能部27Aは、OLT21Aを介したONU間の通信を行う際に、各ONUに対して複数波長を総合した総帯域を所定帯域に分配可能なように、動的に波長を切替えて帯域を割り当てる制御を行うようにした。
これによって、OLT21Aの折り返しによるONU間通信において、動的な帯域割当を行うことで、波長と帯域を動的に柔軟に割り当てることができるので、効率的な通信を実現することができる。
次に、光伝送方法について説明する。この方法では、外部装置(ホスト)との間で送受信される信号を終端し、制御主体となる光回線終端装置としてのOLT21Aを有する代表ノード11Aと、制御主体に対して客体となる光回線終端装置としてのONUを有する複数のノード11A〜14Aとが、少なくとも2本の光ファイバ16,17でリング状に接続され、当該2本の光ファイバ16,17を同一データが経由する際に、一方のONUからOLT21Aで折り返して他方のONUへ伝送されるネットワークに、代表ノード11A又はノード12A〜14Aとして用いられる光伝送装置11Aを有する。
光伝送装置11Aは、OLT21Aを介したONU間の経路に、独立した論理的な3つのパスを設定する制御を行うステップと、その設定する制御を行う際に、データがONUから2本の光ファイバ16,17を相反方向に介してOLT21Aへ向かうONUとOLT21A間の少なくとも2経路と、及びOLT21Aで折り返したデータが2本の光ファイバ16,17を相反方向に介してONUへ向かうOLT21AとONU間の少なくとも2経路とを組合せた少なくとも4経路の内の異なる3経路に、3つのパスY11〜Y13を設定する制御を行うステップとを実行するようにした。
この方法によれば、データ伝送の始点と終点のOLT21Aで折り返すONU間において、一方の光ファイバ16に伝送不能状態に障害が発生しても、他方の光ファイバ17でデータを伝送することができる。従って、特別なデバイスの追加や遅延を増加させることなく、1+1プロテクション相当の高信頼なONU間通信を行うことができる。
また、本実施形態のコンピュータを実行するプログラムについて説明する。コンピュータは、外部装置(ホスト)との間で送受信される信号を終端し、制御主体となる光回線終端装置としてのOLT21Aを有する代表ノード11Aと、制御主体に対して客体となる光回線終端装置としてのONUを有する複数のノード11A〜14Aとが、少なくとも2本の光ファイバ16,17でリング状に接続され、当該2本の光ファイバ16,17を同一データが経由する際に、一方のONUからOLT21Aで折り返して他方のONUへ伝送されるネットワークに、代表ノード11A又はノード12A〜14Aとして用いられる光伝送装置であるとする。
このプログラムは、上記コンピュータを、OLT21Aを介したONU間の経路に、独立した論理的な3つのパスを設定する制御を行い、当該設定の制御を行う際に、データがONUから2本の光ファイバ16,17を相反方向に介してOLT21Aへ向かうONUとOLT21A間の少なくとも2経路と、及びOLT21Aで折り返したデータが2本の光ファイバ16,17を相反方向に介してONUへ向かうOLT21AとONU間の少なくとも2経路とを組合せた少なくとも4経路の内の異なる3経路に、3つのパスY11〜Y13を設定する制御を行う手段として機能させる。
このプログラムによれば、ONUとOLT21A間と、OLT21AとONU間とは、各々が、リング状の2本の光ファイバ16,17で相反方向に伝送可能に接続されているので、少なくとも4経路が存在する。この4経路の内の異なる3経路に、独立した3つのパスY11〜Y13を設定し、この設定された3つのパスY11〜Y13に同一のデータを伝送させる。これによって、データ伝送の始点と終点のOLT21Aで折り返すONU間において、一方の光ファイバ16に伝送不能状態に障害が発生しても、他方の光ファイバ17でデータを伝送することができる。
<第2実施形態の構成>
図5は、本発明の第2実施形態に係る光集線ネットワークシステムの構成を示すブロック図である。但し、図5に示す光集線ネットワークシステム10Bにおいて、図5に示した第1実施形態のシステム10Aに対応する部分には同一符号を付し、その説明を省略する。
図5に示す第2実施形態のシステム10Bが、第1実施形態のシステム10Aと異なる点は、2本の光ファイバ16,17でリング状に接続された代表ノード11B及び複数のノード12B〜14Bの内、始点ノード(例えば12B)と終点ノード(例えば14B)のONU間において、ONUとOLT21B間の上り経路に2つのパスY11,Y12、OLT21Bでのパスの折返点(IO部20Ba)とONU間の下り経路に3つのパスY11,Y12,Y13Bを設定するようにした点にある。但し、折返点のIO部20Baは、図5では、OLT21Bの外部に記載しているが、OLT21Bに連携して含まれており、OLT21B内にあってもよい。
この上り2つのパスY11,Y12と、下り3つのパスY11,Y12,Y13Bの設定は、DWBA機能部27Bが後述するパス設定制御により行なう。即ち、DWBA機能部27は、始点ノード12BとOLT21B間の上り経路に現用パスY11と予備パスY12の2つのパスを設定する。更に、現用パスY11をOLT21Bの折返点において2分岐し、この2分岐した一方を冗長用パスY13Bとし、これを、現用パスY11及び予備パスY12に加えた3つのパスを、OLT21Bの折返点から終点ノード14BのONU間の下り経路に設定する。
このパス設定制御は、第1実施形態と同様に、OpS56にて人が任意にパス設定制御を行うことも可能である。なお、DWBA機能部27B又はOpS56は、請求項記載のパス設定制御手段を構成する。
詳細には、DWBA機能部27Bは、パス設定制御によって、始点(ノード12B)のONUから第1光ファイバ16を介してOLT21Bへ向かう上り方向の経路に、独立した1つの現用パスY11を設定し、この設定経路と逆方向にデータ伝送を行う第2光ファイバ17を介する上り方向の経路に、他の1つの予備パスY12を設定する。更に、OLT21Bの折返点で現用パスY11を2分岐し、この2分岐した一方を冗長用パスY13Bとして、折返点から第2光ファイバ17を経由する現用パスY11と、折返点から第1光ファイバ16を経由する予備パスY12に加えた3つのパスを、OLT21Bの折返点から終点ノード14BのONU間の下り経路に設定する。
このように、ONUとOLT21B間の第1及び第2光ファイバ16,17を相反方向に介した上り経路に2つのパスを設定し、この内1つのパスをOLT21Bの折返点で分岐して、その折返点からONU間の第1及び第2光ファイバ16,17を相反方向に介した下り経路に3つのパスを設定する。これによって、上り下りの各々の経路において、一方の光ファイバ16に伝送不能状態に障害が発生しても、他方の光ファイバ17でデータ伝送が可能となっている。
次に、このような3つのパスY11,Y12,Y13Bにデータを伝送するための代表ノード11Bの構成を、図6を参照して説明する。図6に示す代表ノード11Bは、複数の光多重分離部23a,23bと、複数のOSU26Ba〜26Bdと、ポート3a〜3hを有するSW部25と、複数のIO部20Ba〜20Bdとを備えて構成されている。この場合、OSU26Ba〜26Bd、SW部25及びIO部20Ba〜20Bdを備えてOLT21Bが構成されているとする。
各IO部20Ba〜20BAdは、IO部20Baに代表して示すように、クライアント信号終端変換部(終端変換部)91と、MUX部92と、コピー部93と、フィルタ部94と、負荷モニタ部(モニタ部)95と、TRX4bとを備えて構成されている。TRX4bは、ホスト41aのTRX4aとネットワーク接続されており、TRX4aと信号の送受信を行う。
終端変換部91は、ホスト41aからTRX4a,4bを介して送信されて来たクライアント信号を終端し、これをMUX部92へ出力する。
フィルタ部94は、例えば、図7に示すノード12Bから送信され、上り経路を経由してきたデータ(信号)D11が、コピー対象であるか否かを判定し、コピー対象のデータである場合、当該データを分離してコピー部93へ出力する。ここで、図7に示すノードB12は、図2に示したIO部34Aaと同構成であるが、コピー部66BがデータD1を2つのデータD11,D12にコピーする機能となっている。
図6に戻って、フィルタ部94は、上り経路を経由してきたデータD11がコピー対象でない場合はこのデータを終端変換部91へ出力する。終端変換部91で、そのコピー対象でないデータD11が、折返点での折返対象のデータで無く通常の上りデータと判定された場合は、終端変換部65からTRX4bを介してそのままホスト41aへ送信される。また、コピー対象でないデータD11が、折返対象のデータであると判定された場合は、MUX部92を介して下りの経路(第2光ファイバ17側)へ折り返される。
コピー部93は、コピー対象のデータD11を、2つのデータD11,D13にコピーし、このコピーされた2つのデータD11,D13をSW部25へ出力する。この際、コピー部93は、2つのデータD11,D13に所定のパスY11,Y13Bを通ることを指示するラベル付与等を行って、SW部25へ出力する。SW部25は、2つのデータD11,D13を上述した下り側の2つのパスY11,Y13Bへ伝送する。
負荷モニタ部95は、終端変換部91及びフィルタ部94からデータを取得して、IO部20Baの負荷量を監視し、この監視負荷量の情報(負荷情報)をDWBA機能部27B(図5)へ出力する。その監視負荷量は、通常のOLT21BからONU32Bbへの下り通信による負荷量と、OLT21B内でのデータの分岐及び折返し処理のための負荷量との合計である。
IO部20Baの負荷量が増大すると、通常のOLT21BからONU32Bbへの下り通信データに加えて、OLT21B内での分岐及び折返し処理のための通信データとの輻輳が生じる可能性がある。そこで、その輻輳が生じないように、負荷量が予め定められた所定以上の負荷量(危険負荷量という)に増大した場合、次の処理を行うようにした。なお、危険負荷量は請求項記載の第1負荷量である。
即ち、DWBA機能部27Bは、負荷モニタ部95で監視される負荷量が危険負荷量となった場合に、現在の第2実施形態の上り2つのパス及び下り3つのパスの設定(第1パス設定)を、第1実施形態で説明した3つのパスY11〜Y13の設定(第2パス設定)に切り替える切替制御を行う。この第2パス設定に切り替えられた場合、ノード12B〜14BのIO部34Aa(図2参照)により、第1実施形態で説明したように、データD1を3つのデータD11〜D13にコピーして、3つのパスY11〜Y13へ伝送する制御が行なわれる。このように処理を行う場合、第2実施形態のシステム10Bは、第1実施形態のシステム10Aの構成機能も併せ持った構成となっている。
また、DWBA機能部27Bは、負荷モニタ部95からの負荷情報による負荷量が予め定められた所定以下の負荷量(安全負荷量という)に下がった場合、現在の第2パス設定を、第1パス設定に切り替える切替制御を行う。安全負荷量とは、上記の輻輳が生じない負荷量である。なお、安全負荷量は請求項記載の第2負荷量である。第1パス設定に切り替えられた場合、上述したようにOLT21Bの折返点で、現用パスY11のデータD11のコピーが行なわれ、2つのデータD11,D13が現用パスY11及び冗長用パスY13Bの下り経路へ伝送される。この際、予備パスY12も折り返されて下り経路へ伝送される。
この他、第1パス設定での運用中、負荷モニタ部95からの負荷量が危険負荷量以上となった際に、OLT21Bの切替部(図示せぬ)がDWBA機能部27Bへ第2パス設定への切替信号を出力し、DWBA機能部27Bが第1パス設定から第2パス設定へ切り替える制御を行うようにしてもよい。この後、安全負荷量以下となった場合、上記切替部はDWBA機能部27Bへ第2から第1パス設定への切替信号を出力し、DWBA機能部27Bが第2パス設定から第1パス設定へ切り替える制御を行う。
また、危険負荷量以上又は安全負荷量以下となった際に、上記切替部が外部のOpS56へアラーム信号を出力し、OpS56がDWBA機能部27Bに第2パス設定又は第1パス設定への切替信号を出力し、DWBA機能部27Bがパスを切り替えるようにしてもよい。上記のOpS56へアラーム信号が出力された際に、アラームを保守者に伝えて保守者が切替操作を行うようにしてもよい。
<第2実施形態の効果>
以上説明した第2実施形態の特徴及びその効果を、図5を参照して説明する。
(1)OLT21Bは、DWBA機能部27Bと、コピー部93(図6)と、マルチプレクサ部92であるMUX部92(図6)とを備える。DWBA機能部27Bは、OLT21Bを介したONU間の経路において、ONUから2本の光ファイバ16,17を介してOLT21Bに向かう上り経路に2つのパスY11,Y12を設定する。更に、当該2つのパスY11,Y12の一方Y11を、OLT21Bで折り返す折返点で2分岐し、この2分岐したパスY11,Y13Bに2つのパスの内の他方Y12を加えた3つのパスY11,Y12,Y13Bを、OLT21Bの折返点から2本の光ファイバ16,17を介してONUに向かう下り経路に設定する制御を行う。コピー部93は、上り経路の2つのパスY11,Y12を経由してきた2つのデータD11,D12の内の一方のデータD11を複写して2つのデータD11,D13とする。MUX部92は、その複写された2つのデータD11,D13を折返点で2分岐されたパスY11,Y13Bへ伝送する。
この構成によれば、データ伝送の始点と終点のOLT21Bで折り返すONU間の2本の光ファイバ16,17を相反方向に介した上り及び下り経路において、一方の光ファイバ16に伝送不能状態に障害が発生しても、他方の光ファイバ17でデータを伝送することができる。更に、上り経路の設定パスY11,Y12が2つで済むので、帯域消費を小さくすることができる。
(2)第1実施形態の光伝送装置(代表ノード11A,ノード12A〜14A)と、第2実施形態の光伝送装置(代表ノード11B,ノード12B〜14B)とを備え、OLT21Bに、当該OLT21Bで折り返されるデータの負荷と、当該OLT21BからONUへ向かって伝送されるデータの負荷とを合計した負荷量を監視する負荷モニタ部95を備える。DWBA機能部27Bは、第1パス設定が成されている際に、負荷モニタ部95で監視される負荷量が予め定められた第1負荷量としての危険負荷量以上となった場合、第1パス設定から第2パス設定に切り替える制御を行う。また、第2パス設定が成されている際に、負荷モニタ部95で監視される負荷量が予め定められた第2負荷量としての安全負荷量以下となった場合に、第1パス設定に切り替える制御を行うようにした。
これによって、次のような効果を得ることができる。第1パス設定では、OLT21B内において、通信の負荷量が増大すると、通常のOLT21BからONUへの下り通信データに加えて、OLT21B内での分岐及び折返し処理のための通信データとの輻輳が生じる可能性がある。そこで、第1パス設定中に、OLT21B内の通信の負荷量を監視し、この監視負荷量が予め定められた危険負荷量以上となった場合に、第2パス設定に切替制御を行う。この第2パス設定では、第1パス設定のように、OLT21B内での分岐及び折返し処理が無いので、上記の輻輳を無くすことができる。また、第2パス設定中に、安全負荷量以下となった場合に、第1パス設定に切り替えるので、帯域消費を小さくすることもできる。
その他、具体的な構成について、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
10A,10B 光集線ネットワークシステム
11A,11B 代表ノード(第1光伝送装置)
12A〜14A,12B〜14B (第2光伝送装置)
16,17 光ファイバ(光伝送路)
21A,21B OLT
20a〜20n,20Ba〜20Bn IO部
23a,23b,31a,31b 光多重分離部
25 SW部
26Aa,26Ab,26Ba〜26Bd OSU
27A,27B DWBA機能部(パス設定制御手段)
32Aa,32Ab ONU
33 SW部
34Aa〜34An IO部
41a〜41n,42a〜42n,43a〜43n,44a〜44n ホストコンピュータ(外部装置)
51 OAM機能部
52 バッファ部
56 OpS(パス設定制御手段)
65,91 クライアント信号終端変換部
66,66B,93 コピー部
67 セレクト部
72 クラシファイア部
76 パケットモニタ部
79,92 MUX部(マルチプレクサ部)
94 フィルタ部
95 負荷モニタ部(モニタ部)

Claims (8)

  1. 外部装置との間で送受信される信号を終端し、制御主体となる光回線終端装置としてのOLT(Optical Line Terminal)と、前記制御主体に対して客体となる光回線終端装置としての複数のONU(Optical Network Unit)とが、少なくとも2本の光伝送路でリング状に接続され、当該2本の光伝送路を同一データが経由する際に、一方の前記ONUから前記OLTで折り返して他方の前記ONUへ伝送されるネットワークに用いられる前記OLTを有する光伝送装置であって、
    前記OLTを介した前記ONU間の経路に、独立した論理的な3つのパスを設定する制御を行うパス設定制御手段を備え、
    前記パス設定制御手段は、前記3つのパスを設定制御する際に、データが前記ONUから前記2本の光伝送路を相反方向に介して前記OLTへ向かうONUとOLT間の少なくとも2経路と、前記OLTで折り返したデータが前記2本の光伝送路を相反方向に介して前記ONUへ向かうOLTとONU間の少なくとも2経路とを組合せた少なくとも4経路の内の異なる3経路に、前記3つのパスを設定する制御を行う
    ことを特徴とする光伝送装置。
  2. 前記パス設定制御手段は、前記ONUとOLT間及び前記OLTとONU間において、前記2本の光伝送路で相反方向にデータ伝送が行なわれる各経路から遅延の少ない経路順に前記3つのパスを設定する制御を行う
    ことを特徴とする請求項1に記載の光伝送装置。
  3. 前記パス設定制御手段は、前記OLTを介した前記ONU間の通信を行う際に、各ONUに対して複数波長を総合した総帯域を所定帯域に分配可能なように、動的に波長を切替えて帯域を割り当てる制御を行う
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光伝送装置。
  4. 外部装置との間で送受信される信号を終端し、制御主体となる光回線終端装置としてのOLTと、前記制御主体に対して客体となる光回線終端装置としての複数のONUとが、少なくとも2本の光伝送路でリング状に接続され、当該2本の光伝送路を同一データが経由する際に、一方の前記ONUから前記OLTで折り返して他方の前記ONUへ伝送されるネットワークに用いられる前記OLTを有する光伝送装置であって、
    前記OLTは、
    前記OLTを介した前記ONU間の経路において、前記ONUから前記2本の光伝送路を介して前記OLTに向かう上り経路に2つのパスを設定し、当該2つのパスの内の一方を、前記OLTで折り返す折返点で2分岐し、この2分岐したパスに前記2つのパスの内の他方を加えた3つのパスを、前記OLTの折返点から前記2本の光伝送路を介して前記ONUに向かう下り経路に設定するように制御を行うパス設定制御手段と、
    前記上り経路の2つのパスを経由してきた2つのデータの内の一方のデータを複写して2つのデータとするコピー部と、
    前記複写された2つのデータを前記折返点で2分岐されたパスへ伝送するマルチプレクサ部とを備える
    ことを特徴とする光伝送装置。
  5. 記OLTに、当該OLTで折り返されるデータの負荷と、当該OLTから前記ONUへ向かって伝送されるデータの負荷とを合計した負荷量を監視するモニタ部を備え、
    前記パス設定制御手段は、
    記上り経路への2つのパス設定及び前記下り経路への3つのパス設定である第1パス設定が成されている際に、前記モニタ部で監視される負荷量が予め定められた第1負荷量以上となった場合、前記OLTを介した前記ONU間の経路に、独立した論理的な3つのパスを設定する第2パス設定に切り替え、前記第2パス設定が成されている際に、前記モニタ部で監視される負荷量が予め定められた第2負荷量以下となった場合に、前記第1パス設定に切り替える制御を行う
    ことを特徴とする請求項4に記載の光伝送装置。
  6. 外部装置との間で送受信される信号を終端し、制御主体となる光回線終端装置としてのOLTを有する第1光伝送装置と、前記制御主体に対して客体となる光回線終端装置としてのONUを有する複数の第2光伝送装置と、前記第1光伝送装置及び前記第2光伝送装置をリング状に接続し、当該リング状の経路に相反方向にデータを伝送する2本の光伝送路とを有し、データが一方の前記ONUから前記OLTで折り返して他方の前記ONUへ伝送される光集線ネットワークシステムであって、
    前記第1光伝送装置に、前記OLTを介した前記ONU間の経路に、独立した論理的な3つのパスを設定する制御を行うパス設定制御手段を備え、
    前記パス設定制御手段は、前記3つのパスを設定制御する際に、データが前記ONUから前記2本の光伝送路を相反方向に介して前記OLTへ向かうONUとOLT間の少なくとも2経路と、前記OLTで折り返したデータが前記2本の光伝送路を相反方向に介して前記ONUへ向かうOLTとONU間の少なくとも2経路とを組合せた少なくとも4経路の内の異なる3経路に、前記3つのパスを設定する制御を行う
    ことを特徴とする光集線ネットワークシステム。
  7. 外部装置との間で送受信される信号を終端し、制御主体となる光回線終端装置としてのOLTと、前記制御主体に対して客体となる光回線終端装置としての複数のONUとが、少なくとも2本の光伝送路でリング状に接続され、当該2本の光伝送路を同一データが経由する際に、一方の前記ONUから前記OLTで折り返して他方の前記ONUへ伝送されるネットワークに用いられる前記OLTを有する光伝送装置であって、
    記光伝送装置は、
    前記OLTを介した前記ONU間の経路に、独立した論理的な3つのパスを設定する制御を行うステップと、
    前記設定する制御を行う際に、データが前記ONUから前記2本の光伝送路を相反方向に介して前記OLTへ向かうONUとOLT間の少なくとも2経路と、前記OLTで折り返したデータが前記2本の光伝送路を相反方向に介して前記ONUへ向かうOLTとONU間の少なくとも2経路とを組合せた少なくとも4経路の内の異なる3経路に、前記3つのパスを設定する制御を行うステップと、
    を実行することを特徴とする光伝送方法。
  8. 外部装置との間で送受信される信号を終端し、制御主体となる光回線終端装置としてのOLTと、前記制御主体に対して客体となる光回線終端装置としての複数のONUとが、少なくとも2本の光伝送路でリング状に接続され、当該2本の光伝送路を同一データが経由する際に、一方の前記ONUから前記OLTで折り返して他方の前記ONUへ伝送されるネットワークに用いられる前記OLTを有する光伝送装置としてのコンピュータを、
    前記OLTを介した前記ONU間の経路に、独立した論理的な3つのパスを設定する制御を行う手段
    前記設定の制御を行う際に、データが前記ONUから前記2本の光伝送路を相反方向に介して前記OLTへ向かうONUとOLT間の少なくとも2経路と、前記OLTで折り返したデータが前記2本の光伝送路を相反方向に介して前記ONUへ向かうOLTとONU間の少なくとも2経路とを組合せた少なくとも4経路の内の異なる3経路に、前記3つのパスを設定する制御を行う手段、
    として機能させるためのプログラム。
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