JP6455647B1 - ゴム型挿入具 - Google Patents

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Abstract

射出成形の際のワックス型の変形やバリ発生を防止し、ワックス型の品質・精度を向上させるとともに、ゴム型の着脱及びワックス型の成型作業を効率化する。ゴム型3を載置して射出成型機のクランプユニット5に装着するためのゴム型挿入具20であって、クランプユニット5のクランプ方向に垂直な方向(X方向)の離間した位置に固定可能な少なくとも2つの固定壁22a,22bと、固定壁22a,22bの少なくとも1つに取り付けられ、前記垂直な方向での移動及び位置固定が可能な可動壁23を有するゴム型挿入具20が開示される。

Description

本発明は、ロストワックス精密鋳造に使用されるワックス型射出成型機のクランプユニットにゴム型を挿入乃至装着する際に使用するゴム型挿入具に関する。
主として貴金属を用いた装飾品・アクセサリー・ジュエリーなどは、小さくて複雑、更に精密な形状をしている。このような製品を大量に生産したいという要望があり、ロストワックス精密鋳造法がこの業界で発達してきた。もちろん、小さな精密工業用部品製造においても応用可能である。
ジュエリー製造業界におけるロストワックス精密鋳造法は、次のような行程に分類される。
第一行程は原型の製作行程。
第二行程は原型と同じ形状の空洞を有するゴム型の製作行程。
第三行程はゴム型に熔解したワックスを射出し、これを取り出すことを繰り返す原型と同じ形状のワックス型の大量製造行程。
第四行程は大量生産したワックス型をワックス棒周辺にワックス型の湯道端部を熔解しつつ樹状に取付、これを筒状の耐熱容器内に装着して石膏を流し込み、石膏型を作成する行程。
第五行程は電気炉又はガス炉その他を用いて、低温で石膏型の内部にあるワックスを熔解流失させ、中温で空洞内部に付着したワックスを完全に燃焼させ、更に温度を上げることで石膏型が貴金属を流し込んだときの衝撃に耐えうる強度を出した後、貴金属を流し込むに適した温度まで下げて待機する焼成行程。
第六行程は原型と同じ空洞を沢山持つ石膏型内部に貴金属を流し込む鋳造行程。
第七行程は、貴金属が固まった時点で、石膏型を急速に水冷することで、ばらばらに石膏を割り、樹状の貴金属を取り出し、余分な部分を切り取り、原型と同じ形状の貴金属を磨く仕上げ行程。
本発明は、第三行程のワックス型製造工程で主役となる装置に関する。また、第二行程で作成したワックス型を製造するためのゴム型を本装置に装着するため、その構造を理解する必要がある。よって事項において、ゴム型の構造とワックス型射出成型機に要求される機能について詳しく説明する。
ゴム型製作方法とその構造
図1に示す原型1に湯道2aと湯口2bを接着し、これを製作したいゴム型3の外径を内径に持つ枠内に、湯口が枠の側面に密着するように入れる。この時、あらかじめ枠の下をプレートで塞いでおき、下半分にシリコンゴム加硫前の材料を入れておく。原型1に接着した部品2を前記枠内に入れた後、上半分に加硫前の材料を入れ、枠の上部をプレートで塞ぎ、プレスしながら温度を上げて加硫する。または、二液性のシリコンゴムをよく攪拌・脱泡した後、前記の枠内に注入して固化させる方法もある。
シリコンゴムが固まってゴム本来の弾性を持つようになったら、ゴム型3を前記の枠から取り出し、さらに3cのような切り込みを行い、原型1とこれに接着した部品2を取り出して、ゴム型を上ゴム型3aと下ゴム型3bに分離する。このような切り込みを分離面全体に入れることにより、上ゴム型3aと下ゴム型3bを合わせたとき、正確に合わせることができ、内部の空洞形状も正確に再現できる。
このような切り込み3cはまた、ゴム型3にワックスを射出してワックス型を作成する際、真空引きと加圧したワックスをシールすることが容易になる。ワックス型をゴム型3から取り出す場合、合わせ面3cから上ゴム型3aを分離した後、下ゴム型3bを変形させながら取り出し作業をすると、複雑な形状のワックス型であっても、壊さずに容易に取り出すことができる。場合によっては、ゴム型内部を幾つかに分割したり、中子を入れることもある。
原型は様々な大きさがあるため、ゴム型もそれに合わせて大きさと厚みは様々に変化する。また、ゴム型の耐久性や、ワックス型をゴム型内部から取り出すときの難易度に合わせて、ゴムの硬度も変えることが多い。
ワックス型射出成型機とクランプユニットに要求される諸機能
図2、図3にワックス型射出成型機とクランプユニットの概念図を示す。
ワックス型射出成型機6は射出ノズル7を有し、基本的に射出ノズル7からゴム型空洞4内を真空引きする機能と熔解したワックスを加圧して射出する機能を持つ。更に良質なワックス型を歩留まりよく大量に生産するために要求される機能として、溶解ワックスの温度制御と射出ノズルの温度制御、射出圧力の制御、真空引き時間の制御、射出時間の制御などがある。
クランプユニット5は基本的に、ゴム型3を上下に挟み込みクランプ(クランプ力5c、クランプ反力5d)したまま、射出ノズル7に、その湯口2bbを押しつけて(ノズル押しつけ力5e)シールするためのものであり、クランプ機構部5aと高さ調整機構部5bに大きく区分できる。
原型1の体積や形状は様々であり、従って原型から製作したゴム型を、上から見た時、縦横の長さと横から見た厚みもまた様々なものになる。そこで、これに対応して、熔解したワックスを適切にゴム型空洞4内へ射出し、必要なワックス型を製作するためには、図2の基本的な機能に追加して更に必要な機能が発生する。
ゴム型3は必ずしも厚さが一定とは限らず、またクランププレート8とゴム型受け台13は完全なる平行ではないため、クランプ力発生器9aとクランププレート8とは球面軸受け10aを有するフローティング機構10で結合するのが一般的である。
ゴム型3をクランプし適切にシールする上で、ゴム型合わせ面3cに均一な面圧を加える必要がある。そのためゴム型の上下面3a,3bに平均して力を加えてクランプすることが望ましい。ゴム型3,3dは大きさ厚み共にいろいろあるため、クランプ力点をある範囲12内を移動させる必要がある。
このため、クランプ力発生移動機構9において、クランプ力発生器9aが射出ノズル7の射出方向に平行に移動する際、フローティング機構10の球面軸受け10aもまた連動して動く必要がある。この時、クランププレート8も一緒に移動すると、クランププレート8が射出ノズル7と干渉したり、またはゴム型3,3d上面の全面をクランプできなくなる。クランププレートガイド11a,11bはクランプ力発生器9aと球面軸受け10aが移動しても、一緒に移動させないためであり、クランププレート8が上昇と下降の領域全部においてこの機能が働く必要がある。
ゴム型3,3dの厚みが変わると射出ノズル7と湯口が高さ方向で一致しなくなるため、ゴム型3,3dに合わせてゴム型受け台13の高さをある範囲3eで任意に変更するための高さ調整機構部5bが必要である。
射出ノズル7の方向へゴム型3を移動すると同時に、湯口2bbを射出ノズル7に押し当てて、ゴム型内部の空洞の真空引きと内部へワックスを射出する際の圧力をシールために、ゴム型3,3dをノズル方向へ移動させ、更に押しつけ力5eを発生させる機構が必要である。
この時、ゴム型空洞4の形状やワックスの性質に合わせて、射出ノズル7からのワックス射出圧力を任意に変更するため、クランプ力5cと押しつけ力5eもまた、射出圧力に負けないように任意に変更する必要がある。しかし、必要以上のクランプ力5c、押しつけ力5eを加えると、ゴム型3が変形するため原型に近い(原型に忠実な)ワックス型を取ることができなくなる。
国際公開第2017/029699号パンフレット 特開2002−254137号公報
従来の技術と欠点
図2の概念図のように、ゴム型3をクランプするとゴム型はクランプ方向につぶれると同時にクランプ方向に垂直な面内方向で四方に広がる。この時、ゴム型内部の空洞4は変形するため、ワックスをゴム型内部に射出したとき、ゴム型空洞4のデザイン(形状・サイズ)によって大きな問題が発生する。また、ゴム型空洞4内に射出するワックスの圧力(射出圧力)が高くなると、やはりゴム型内部の空洞4が変形するために、ゴム型空洞4のデザインによっては大きな問題を発生する。大きな問題とは、例えば、内部にバリが発生し、製作したワックス型が修正不能になることや、著しく修正時間がかかるなどである。
この問題は現在、宝飾品製造のワックス型取り工程において、最大の課題であり、全世界に共通する悩みである。そのため、ワックスの種類と温度、射出圧力、クランプ圧力、真空引き時間、射出時間、ゴム型のノズルへの押しつけ力、射出後ワックスが固まるまでの保持時間など、細かくバラメータを管理して、かろうじて良品としてのワックス型を製造しているのが現状である。デザインによっては厳密に管理しないと、たちまち不良品が発生する。すなわち、許容されるパラメータの範囲が非常に狭いということである。厳密に管理しても、良品が生産できないこともある。
個々のゴム型に対応するパラメータは異なるため、このデータをICタグに書き込み、これをゴム型に埋込む。そのゴム型をワックス型射出成型機6に装着する直前にこのデータを機械に読み取らせて、ゴム型空洞内へワックスを射出させる方法(例えば、特許文献2)がある。他に、それらの全てのパラメータを機械に記憶させておき、ゴム型に対応するデータをその都度呼び出して射出する方法もある。
しかし、それでもデザイン競争の激しい中で、優良なワックス型を大量に生産するのはなかなか難しく、関係者は日夜頭を悩ましている。すなわち、製作可能なゴム型空洞デザインが現在採用されているが、もしこの問題を大きく改善するための技術開発があれば、従来のデザインのワックス型生産が容易になるだけでなく、宝飾等のデザインの限界突破にも繋がり、業界の発展に大いに寄与するはずである。
(1)問題が発生しやすいデザインの特徴
ゴム型3において、クランプ方向に対して水平に切り込み3cを入れたものは、射出圧力に対応するクランプ力でゴム型をクランプすれば、射出圧力を増大していっても、空洞形状は変形するが、バリ発生などの大きな問題はほとんど発生しない。
一般的にデザインの要素が太いと低い圧力でも充分にワックスがゴム型空洞の隅々に充満するが、繊細な細いパターンほど射出圧力を高くしないと、ゴム型空洞の隅々までワックスが到達する前に固まってしまう。
図4(a)に問題が発生しやすいデザインの原型1の例を示す。図4(a)は、指輪をイメージした原型1であり、指輪には複数の貫通穴14があいている。この原型1に対するゴム型3は、指輪の本体に対応する部分は空洞4となり、貫通穴14に対応する部分はゴムが充填されたゴム充填部15になる。従って、このゴム充填部15に切り込みを入れて切断しておかなくては、ワックス型を製作したときに、ゴム型からワックス型を取り出せない。よって、図4(a)の指輪であれば、図4(b)に示すように、ゴム型3の分離のため、切り込み3cに対して直角方向の切り込み16をゴム充填部15に入れておく必要がある。なお、図4(b)では簡略化のためにゴム充填部15が1つの場合を示したが、図4(a)のように複数の貫通穴14を有する場合は、すべてのゴム充填部15に切り込み16を入れる必要がある。また、貫通穴でなくても、デザインが複雑になれば、ワックス型をゴム型から取り出すために、様々な角度の切り込みを入れることが必要になる場合もある。
上記のような切り込みは、ゴム型3が何の力も受けていない状態では密着している。しかしながら、ゴム型3がクランプ力と射出圧力を受けて変形したとき、密着していたはずのこの切り込みが分離して隙間が発生する。ワックスを射出したとき、その隙間にワックスが入り込んでバリが発生する。ワックス型をゴム型から取りだしたとき、貫通しているはずの穴が塞がってしまっている場合もある。また、複雑なデザインのワックス型を取り出すために設けた様々な切り込みにおいても同様にバリが発生し、本来のデザインを損ね、更に余分なバリが付いた状態でワックス型を取り出すことになる。
射出圧力が低くても優良なゴム型が取れる場合(この場合はクランプ力も小さくて済むのであるが)は、許容される射出圧力の範囲は狭くても、問題は少ない。但し、ゴム型が暖まってきたり、ワックスの温度が変化して粘度が変わったりすると問題が発生し易くなる。
最も難しいのは、前記した理論から推察できるように、繊細かつ細い要素を持つデザインでかつ貫通穴が多数あるゴム型である。何故なら、ワックスの粘度はかなり高いため、デザインの細い要素内をワックスが流れる際、時間が掛かる。時間が掛かるとワックスが固まってしまう。従って、デザインの隅々まで短い時間内で完全にワックスを充満させるためには、射出圧力をかなり高くしなくてはならない。
射出圧力を高くすると、クランプ圧力も高くしなければならなくなる。そうするとゴム型が変形し、バリが発生する。これは、理論的な矛盾であるから、従来の技術では解決できない問題である。
(2)本発明の目的
本発明の目的は、上記(1)の諸問題を解決し、複雑で繊細なデザインであっても、品質の良いワックス型を容易に生産可能にする事にある。その結果、デザインは更に進化する事が可能になり、この業界の発展に寄与することになる。
(1)で述べたように、ワックス型にバリが発生する原因は、クランプ力と射出圧力によるゴム型の変形にある。従って、ゴム型の変形を極力少なくする工夫をすれば良い事が分かる。
特許文献1は、この問題を解決する一つの手段として考案されたものである。具体的には、ゴム型を載置する載置台、クランププレート、及び、前記載置台に対する前記クランププレートの上下方向の位置を変化させるためのクランプ力発生器を有し、前記載置台と前記クランププレートの間でゴム型をクランプするワックス型射出成型用のクランプ装置(クランプユニット)であって、前記載置台に対する前記クランププレートの上下方向の位置を固定するロック機構を更に有することを特徴とするクランプ装置である。好ましい実施形態では、前記ロック機構は、前記クランププレートを駆動するためのクランプシャフトを固定することで前記クランププレートの上下方向の位置を固定する。特許文献1の発明では、ゴム型をクランプした後でクランプシャフトを固定することで、射出圧力による反力によってクランプが押し戻されるのを防止する。その結果、クランプ力を最小限に抑えることが可能であり、ゴム型の変形を少なくできる。
しかし、これだけでは射出圧力によって発生するクランプ方向に直角な面内方向への膨らみを完全に防止することはできない。このため、本発明が考案された。
本願には、下記発明が開示される。
<構成1>
ゴム型を載置して射出成型機のクランプユニットに装着するためのゴム型挿入具であって、
前記クランプユニットのクランプ方向に垂直な方向の離間した位置に固定可能な少なくとも2つの固定壁と、
前記固定壁の少なくとも1つに取り付けられ、前記垂直な方向での移動及び位置固定が可能な可動壁と
を有することを特徴とするゴム型挿入具。
<構成2>
前記可動壁を移動及び位置固定するための偏心カムを更に有することを特徴とする構成1のゴム型挿入具。
本発明の要点は、構成1,2の発明により、(1)で述べた諸問題を解決し、また、ゴム型の脱着も容易にできるようにすることにある。
図3において、ゴム型3をクランプユニット5(ゴム型受け台13)に装着する際、図5(a)に示すようなゴム型挿入具20Aを使用する場合がある。ゴム型挿入具20Aは、アクリル板等でできた基台21を有し、基台21の左右方向中央の前方側にゴム型3を載せた状態でクランプユニット5に装着する。図5(b)のゴム型挿入具20Bのように、ゴム型3の載置場所の左右や後方側に、位置決め用の固定壁22a〜22cを設ける場合もある。
ただし、ゴム型挿入具20A、20Bは、(1)の諸問題を解決するものではなく、ゴム型3の湯口2bbと射出ノズル7の位置を一致させる位置決めをし易くし、ゴム型3をクランプユニット5のゴム型受け台13に挿入し易くすることが目的である。ゴム型受け台13とクランププレート8の間は狭いため、手が入り難く、ゴム型3の位置も確認し難いのであるが、ゴム型挿入具20A、20Bを使うと、これらの作業が容易になるのである。
ここで、ゴム型挿入具20Bは固定壁22a〜22cを有するが、クランプ方向に直角な面内でのゴム型3の変形の抑制する効果はなく、(1)の諸問題の解決にはならない。これは、ゴム型3の脱着を容易にするためには、ゴム型3と固定壁22a〜22cの間にある程度の隙間を空ける必要があるためである。クランプ方向に直角な面内でのゴム型3の変形を抑制するには、ゴム型3と固定壁22a〜22cを密着させておく必要があるが、ゴムの摩擦は大きいため、密着させると、たちまち脱着が困難になり、著しく作業性が低下してしまう。
出願人の知る限り、クランプ方向に垂直な面内でのゴム型3の変形抑制によって上記(1)の問題を解決するという発想は当業界では認識されていなかった。本発明は、出願人が新規に見出した課題を解決したものであり、従来技術に対して新規性及び進歩性を有する。
出願人は、本発明に到達する課程で、固定壁22a,22bの間隔を調整してからネジ止め等で固定できるようにした改良型のゴム型挿入具20Bを案出した。しかし、ゴム型3の変形を抑止できる程にゴム型3に密着させた状態で固定壁22a,22bを固定する作業は容易でなく、ゴム型3の脱着とクランプ及びワックスの射出成型を反復する一連の作業を効率良く行うことは困難であることが見出された。本願は、上記(1)の問題の解決手段たる改良型のゴム型挿入具20Bの問題をも解決したものであり、改良型のゴム型挿入具20Bに対しても新規性及び進歩性を有する。
ワックス型射出成型に使用する原型1及びゴム型3を示す。 ワックス型射出成型機の概念図を示す。 クランプユニット5の概念図を示す。 問題が発生しやすいデザインの原型1(a)及びそれに対応するゴム型3を示す。 従来のゴム型挿入具20を示す。 本発明の1実施形態のゴム型挿入具20を示す。(a)は平面図、(b)は(a)のA−A断面図、(c)は正面図である。偏心カム27はアンロック位置である。 偏心カム27をロック位置にしたゴム型挿入具20を示す。 他の実施形態のゴム型挿入具20を示す。(a)は平面図、(b)は(a)のA−A断面図である。
図6は、本発明の1実施形態に従うゴム型挿入具20を示す。
ゴム型挿入具20は、基台21と、固定壁22a〜22cと、可動壁23を有する。
固定壁22a,22bは、クランプ方向に垂直な面(XY面)内の1つの方向(本例では、方向X)の離間した位置に固定可能である。ゴム型3は、固定壁22a,22bの間に載置される。以下、基台21上のゴム型3を配置する場所を「載置場所」と呼ぶ。本例では、基台21の左右方向中央付近の前方側が載置場所であり、固定壁22a,22bは、その両側に対向して固定される。載置場所の後方に固定壁22cを配置してもよい。可動壁23は、固定壁22bの載置場所側(乃至固定壁22a側)に取り付けられている。
固定壁22a〜22c及び可動壁23は、ゴム型3の対応する側面に平行に配置し得る板部材とするとよい。製作の容易性や強度等から、基台21は、アルミ板等で形成し、固定壁22a〜22cは、アルミ板等で形成し、可動壁23は、ステンレス板等で形成するとよい。
固定壁22a〜22cは、クランプ方向に垂直な方向に移動可能とするのがよい。好ましくは、固定壁22a,22bの少なくとも一方は、両者が接近及び離間する方向(X方向)に移動可能とするとよい。固定壁22cは、Y方向に移動可能とするとよい。固定壁22a〜22cは、ゴム型3に接近した位置で固定可能とするのがよい。本例では、基台21の適所にX方向及びY方向に延びる長穴21aが形成されており、固定壁22a〜22cを長穴21aに沿って自由移動させ、固定ネジ22fで固定できるようになっている。
可動壁23は、クランプ方向に垂直な方向(X方向)に移動可能でかつ位置固定可能とするのがよい。特に、固定壁22aに接近及び離間する方向に、固定壁22bに対して移動可能でかつ位置固定可能とするとよい。本例の可動壁23はガイド棒24を有し、ガイド棒24を固定壁22bに形成されたガイド孔25内でスライドさせることで、可動壁23が移動する。
可動壁23は、例えば、ガイド孔25内に配置したバネ26等によって、固定壁22bに密着する方向に常に引っ張られている。固定壁22bには、カム軸28の周りで回転(例えば、90度回転)可能な偏心カム27が取り付けられている。偏心カム27を図6のアンロック位置から図7のロック位置に回転させることで、可動壁23を固定壁22a側に移動(矢印29)させることができる。偏心カム27の偏心量を適切に設定すれば、別途固定手段を使用しなくても、移動後の位置でゴム型3の反力によって可動壁23が移動しないように位置固定できる。
図示の例では、凹部を有する本体31と、当該凹部との間に隙間32を空けて本体31にネジ止め固定される蓋体33で固定壁22bを構成し、偏心カム27が隙間32内の空間で回転できるようにすることで、偏心カム27の付勢力を高さ方向(Z方向)の中央付近で可動壁23に作用させる簡易かつ安価な構造を実現した。
上記ゴム型挿入具20では、固定壁22a,22bは、構成1の「少なくとも2つの固定壁」に対応し、可動壁23は、構成1の「可動壁」に対応し、ガイド棒24、ガイド孔25、バネ26、偏心カム27等は、可動壁23をクランプ方向に垂直な方向に移動させる可動壁移動機構を構成し、固定壁22b、偏心カム27等は、可動壁23を位置固定する可動壁固定機構を構成し、長穴21a等は、固定壁22a,22bをクランプ方向に垂直な方向に移動させる固定壁移動機構を構成し、固定ネジ22f等は、固定壁22a,22bを固定する第2の固定壁固定機構を構成する。
ゴム型挿入具20の使用方法を説明する。基台21の載置場所にゴム型3を載置したときのゴム型3側面に沿うように固定壁22a及び22cを配置して固定ネジ22fで固定する。偏心カム27を図7のロック位置にして基台21にゴム型3を載せ、ゴム型3を固定壁22aと可動壁23の間で密着させて、固定壁22bを固定ネジ22fで固定し、ゴム型挿入具20をワックス型射出成型機6に挿入してワックス射出を実行する。
他の使用方法も可能である。例えば、偏心カム27を図6と図7の中間位置に設定し、ゴム型3と充分に接触するように固定壁22a,22bを固定してから偏心カム27を図7のロック位置に回転させれば、可動壁23からゴム型3に十分な予圧を掛けることができ、偏心カム27を図6のアンロック位置に戻せば、前記と同様にゴム型3と可動壁23の間に隙間が発生するため容易にゴム型3を脱着できる。この場合、図6と図7の中間位置で偏心カム27が一旦停止する機構(例えば、ラチェット機構)を設けてもよい。
偏心カム27をアンロック位置にし、ゴム型3を容易に着脱できる程度の隙間を空けて固定壁22a,22bを固定してから偏心カム27をロック位置に回転することでゴム型3に予圧を掛けてもよい。適切な隙間を空けるために、ゴム型3と固定壁22a又は可動壁23の間に紙や薄板を挟んだ状態で固定壁22a,22bを固定してもよい。
上記ゴム型挿入具20を使用すれば、ゴム型3をクランプした際、クランプ方向に直角な面内方向(特に左右方向X)でのゴム型3の変形を抑制できる。よって、原型1に忠実なワックス型が作成でき、及び/又は、切り込み16の周辺等のバリ等を防止できる。ゴム型3を取り替える際には、偏心カム27を図6のアンロック位置にすれば、固定壁22a側に可動壁23が移動してゴム型3と可動壁23に隙間が発生するため、容易にゴム型3を脱着できる。
可動壁23の移動によってゴム型3をロック及びアンロックできるように構成したため、ゴム型3の脱着、ゴム型3のクランプ及びワックス射出成型を反復する一連の作業の効率が格段に向上する。バネ26及び偏心カム27を用いたため、片手でもロックとアンロックの切り替えを行い得る。
ゴム型3を後方の固定壁22cに充分に押しつけてから固定壁22aと可動壁23でゴム型3を挟むことで摩擦力が作用するため、ゴム型3をクランプしたとき、前後方向Yでのゴム型3の変形も小さくできる。
上記実施形態では、固定壁22bにのみ可動壁23を設けたが、固定壁22a〜22cのうちの任意の1つ又は2つあるいは全部の固定壁22a〜22cに可動壁23を設けてもよい。
ただし、左右両側の固定壁22a,22bに可動壁23を設けても、片側にのみ可動壁23を設ける場合と比較して特段機能が向上する訳ではなく、あまり実益が無い。また、後方の固定壁22cに可動壁23を設ける必要性も高くはない。なぜなら、ゴム型3を後方の固定壁22cに充分に押しつけてから固定壁22aと可動壁23でゴム型3を挟むことで発生する摩擦力によって前後方向Yでのゴム型3の変形を抑制できるからであり、また、湯口2bbを射出ノズル7に押しつけた状態でワックスを射出するので、ゴム型3は固定壁22cと射出ノズル7に挟まれるように力を受けるため、ゴム型を上下にクランプしたときと、ワックスの射出圧力が掛かったときのいずれも、前後方向Yでのゴム型3の変形を抑制できるからである。
後方の固定壁22cに可動壁23を設ける場合は、図8のように、載置場所の前方の好ましくは湯口2bbの両側に固定壁22d,22eを設けるのがよい。
上記実施形態では、図6,7の偏心カム27のカム軸28はZ方向であるが、カム軸が他の方向(例えば、Y方向)であっても、可動壁23を上記実施形態と同様の方向29に移動させる偏心カムは可能である。偏心カムの代わりに、ネジその他の機構で可動壁23を移動及び固定してもよい。可動壁23がゴム型3に接近及び離間する方向に移動可能であり、かつ、クランプ時のゴム型3の反力を受けても動かないようにしっかりと固定可能であれば、上記以外の機構でもよい。
企業間の競争、また購入者の要求が常に働くことから、ジュエリー製品のデザインは常に進化したいというベクトルが働いている。本願発明によれば、原型により忠実なワックス型の製造が可能になり、及び/又は、より複雑、微細又は入り組んだ形状の原型でもそれを忠実に再現したワックス型の製造が可能になる。それ故、本発明による諸課題の解決により、あるいは、本発明と特許文献1のクランプユニットを併用することにより、大幅な限界突破が達成される可能性がある。
1・・・原型
2・・・部品
2a・・・湯道
2bb・・・湯口
3,3d・・・ゴム型
3c・・・ゴム型合わせ面
4・・・ゴム型空洞
5・・・クランプユニット
5a・・・クランプ機構部
5b・・・調整機構部
5c・・・クランプ力
5d・・・クランプ反力
6・・・ワックス型射出成型機
7・・・射出ノズル
8・・・クランププレート
9・・・クランプ力発生移動機構
9a・・・クランプ力発生器
10・・・フローティング機構
11a,11b・・・クランププレートガイド
13・・・ゴム型受け台
14・・・貫通穴
15・・・ゴム充填部
16・・・切り込み
20,20A,20B・・・ゴム型挿入具
21・・・基台
21a・・・長穴
22a〜22e・・・固定壁
22f・・・固定ネジ
23・・・可動壁
24・・・ガイド棒
25・・・ガイド孔
26・・・バネ
27・・・偏心カム
28・・・カム軸
31・・・本体
32・・・隙間
33・・・蓋体

Claims (2)

  1. 所定方向からゴム型を挟み込んでクランプする射出成型機のクランプユニットに前記ゴム型を装着するためのゴム型挿入具であって、
    前記ゴム型を載置する載置場所と、
    前記所定方向に垂直な方向における前記載置場所の両側の位置に固定可能な2つの固定壁と、
    少なくとも一方の前記固定壁に取り付けられた可動壁を有し、
    前記可動壁は、前記一方の前記固定壁から他方の前記固定壁に接近及び離間する方向への移動及び位置固定が可能であることを有することを特徴とするゴム型挿入具。
  2. 所定の軸の周りで回転可能な偏心カムを更に有し、
    前記偏心カムを回転させることで、前記可動壁を移動させることができ、かつ、前記可動壁を位置固定することが可能であることを特徴とする請求項1のゴム型挿入具。
JP2018546713A 2018-05-22 2018-05-22 ゴム型挿入具 Active JP6455647B1 (ja)

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