JP6453182B2 - リニア振動モータ及び該リニア振動モータを備える携帯電子機器 - Google Patents
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Description
しかしながら、このような態様では、衝撃付与時などにラジアル荷重を受けた場合に、マグネットと錘の連結部分や、錘とシャフトの連結部分等が分断し易くなる。特に、錘がタングステン合金などの溶接し難い金属の場合には、該錘とマグネット又はシャフトとの溶接強度を高くできないので、この問題がより顕在化することになる。また、より大きな駆動力を得るために前記マグネットを複数のマグネット片から構成する場合には、隣接するマグネット片間の接着強度を高くするのが困難であるため、この接着箇所でも分断を生じるおそれがある。
マグネット部、錘部、シャフト及びこれらを連結する連結部材を一体的に有する可動子と、前記可動子を一軸方向に沿って往復動するように収容する枠体と、前記枠体に固定され前記マグネット部を前記一軸方向に沿って駆動するコイルと、前記マグネット部に付与される駆動力に反発する弾性力を前記可動子に付与する弾性部材とを備え、前記シャフトは、前記一軸方向に沿う一方へ延設されるとともにその先端を自由端とし、前記枠体には、前記シャフトの自由端側を摺動自在に支持する軸受が固定され、前記連結部材は、前記マグネット部の一端に接続されるとともに前記シャフトに接続された連結片部と、前記連結片部から延設され前記マグネット部の側面に接続された補強片部とを一体に有することを特徴とするリニア振動モータ。
孔21Aとシャフト8の接続は、好ましくは圧入と溶接の併用とされるが、圧入のみ、又は溶接のみとすることも可能である。
また、連結片部21と錘部7の接続は、好ましくは接着と溶接の併用とされるが、接着のみ、又は溶接のみとすることも可能である。
また、連結片部21とマグネット部4の接続は、接着剤を用いた接着とされるが、接着及び溶接の併用、又は溶接のみとすることも可能である。
この補強片部22における前記一軸方向の中央寄りの部分は、他の部分よりもマグネット厚方向(図示のZ方向)に幅狭に形成され、これによってコイル3に干渉し難くしている。
この連結片29は、両補強片部22の端部に対し溶接によって接続されるが、他例としては、端部形状を工夫して嵌合接続することも可能である。
この連結片29における枠体2底面側の端部は、錘部7の同方向側の端面よりも枠体2底面側へ突出している(図2参照)。この突出部分は、可動子10が回転した場合に、後述する摺動受け部2Rに当接する当接部29Cとして機能する。
また、連結片29と錘部7の接続は、好ましくは接着と溶接の併用とされるが、接着のみ、又は溶接のみとすることも可能である。
また、連結片29とマグネット部4の接続は、接着剤を用いた接着とされるが、接着及び溶接の併用、又は溶接のみとすることも可能である。
この錘部7には、中心軸線上にシャフト8を挿通するための貫通孔7A(図3参照)が設けられ、中心軸線から離れた位置に、凸部7Bが設けられる。
また、この錘部7におけるシャフト突出方向側には、前記一軸方向に沿ってマグネット部4側へ凹むように凹部7Cが設けられ、この凹部7C内の空間にシャフト8が配置される。そして、凹部7Cは、軸受9の一部又は全部を内在しており、可動子10の比較的大きな振幅を確保する。
摺動受け部2Rは、可動子10がシャフト8回りに回転した場合に、連結片29の当接部29Cを受けて、錘部7が枠体2の内面に直接接触するのを防ぐ。錘部7は、表面を低摩擦に加工することが難しいので、仮に錘部7が枠体2の内面に接触して摺動すると、摺動負荷が大きくなると共に異音の発生も大きくなるおそれがある。しかしながら、本実施の形態では、滑らかに加工しやすい連結片29の当接部29Cを摺動受け部2R上に摺動させるようにしているため、可動子10をスムース且つ静かに振動させることができ、更にはリニア振動モータ1の長寿命化をはかることが可能になる。
このコイル3は、図示例によれば、前記一軸方向に並ぶように二つ設けられる。これら二つのコイル3の一方と他方は、電線の巻方向が互いに逆になっている。そして、各コイル3は、隣接するマグネット片4A,4B(又は4B,4C)を跨るようにしてこれら隣接するマグネット間の中央寄り配置される。
二つのコイル3は、直列に接続され、その電線の両端部を、枠体2から外部に露出した信号入力部2A1の端子に、電気的に接続している。
非駆動時(無通電状態)には、可動子10は弾性部材6の弾性力が釣り合う振動中心位置で静止している。
枠体2の信号入力部2A1を介してコイル3に、可動子10の質量と弾性部材6の弾性係数で決まる共振周波数の振動発生電流が入力されると、マグネット部4に一軸方向(図示のX方向)の駆動力(ローレンツ力)が作用し、この駆動力と弾性部材6の弾性反発力によって可動子10が一軸方向に沿って安定した往復振動をする。
この往復振動の際や、落下等により衝撃を受けた際に、可動子10を構成する複数のマグネット片4A,4B,4C、スペーサヨーク4D,4E、錘部7及びシャフト8等は、上記構成の連結部材20及び連結片29により頑強に一体化されているため、その接続箇所等が容易に離脱するようなことがなく、耐震動性及び耐衝撃性に優れている。
しかも、マグネット部4の両側にシャフト8を一体的に分割配置した構造であるため、枠側に固定されたシャフトをマグネット部に挿通するようにした従来技術等と比較し、所望の駆動力を得るのに十分なマグネット体積を確保できる。
その上、錘部7よりも寸法精度を上げ易い連結部材20の連結片部21や連結片29の孔21A(又は29A)にシャフト8を接続(固定)しているため、シャフト8を一軸方向に沿わせることが容易である。
可動子10’は、上記可動子10に対し、連結部材20及び連結片29を連結部材30及び補強片39に置換したものであり、他の構成については上記可動子10と同様である。
同様にして、第2の連結片部32にも、中心軸線に沿って他方のシャフト8を挿入し接続する孔32Aと、中心軸線から離れた位置で錘部7の凸部7Bを嵌合する凹部32Bとが設けられる。この第2の連結片部32におけるマグネット厚方向(図示のZ方向)の寸法は、組立作業時に、第2の連結片部32がコイル3内に挿通されるように、コイル3内の同方向の寸法よりも小さく設定される(図5参照)。
なお、図5中の符号31Cは、第1の連結片部31から枠体2底面側へ突出する当接部である。この当接部31Cは、上述した可動子10の連結片部21や連結片29と同様に、可動子10’が回転した場合に、摺動受け部2Rに摺接して、錘部7が枠体2に直接接触するのを防ぐとともに、可動子10’をスムース且つ静かに振動させる
連結片39は、マグネット部4の他方の側面側において、複数のマグネット片4A,4B,4C及びスペーサヨーク4D,4Eを跨り、これらの側面に接着固定されるとともに、その長手方向の両端部が、それぞれ、第1の連結片部31の端部と第2の連結片部32の端部に溶接される。
また、第1の連結片部31(又は第2の連結片部32)と錘部7の接続は、好ましくは接着、溶接、凸部7Bと凹部31B(又は32B)による嵌合を全て組み合わせて実施した態様とするが、接着と溶接のみの組み合わせ、接着と前記嵌合のみの組み合わせ、溶接と前記嵌合のみの組み合わせ、接着のみ、溶接のみ、あるいは前記嵌合のみとすることも可能である。
また、第1の連結片部31(又は第2の連結片部32)とマグネット部4の接続は、接着剤を用いた接着とされるが、接着及び溶接の併用、又は溶接のみとすることも可能である。
その上、錘部7よりも寸法精度を上げ易い連結部材30の第1の連結片部31や第2の連結片部32の孔31A(又は32A)にシャフト8を接続(固定)しているため、シャフト8を一軸方向に沿わせることが容易である。
携帯電子機器100は、薄厚な偏平箱状の筐体内にリニア振動モータ1を装着して、携帯情報端末(例えば、スマートフォンやタブレットパソコン等)を構成している。
この構成によれば、リニア振動モータ1により安定した振動が得られ薄型化や幅方向のコンパクト化が可能であり、通信機能における着信やアラーム機能などの動作開始・終了時を異音が発生し難い安定した振動を応答性よく使用者に伝えることができる。また、リニア振動モータ1の薄型化及びコンパクト化によって高い携帯性或いはデザイン性を追求した携帯電子機器100を得ることができる。更に、リニア振動モータ1は、厚さを抑えた直方体形状の枠体2内に各部を収容したコンパクト形状であるから、薄型化された携帯電子機器100の内部にスペース効率よく装備することができる。また、リニア振動モータ1は、耐衝撃強度が高く、耐久性も高いので、高寿命且つ故障し難い携帯電子機器100を得ることができる。
4:マグネット部, 6:弾性部材, 7:錘部
8:シャフト, 9:軸受, 10,10’:可動子
20,30:連結部材, 21:連結片部, 22,33:補強片部
29:連結片, 31:第1の連結片部, 32:第2の連結片部
Claims (5)
- マグネット部、錘部、シャフト及びこれらを連結する連結部材を一体的に有する可動子と、前記可動子を一軸方向に沿って往復動するように収容する枠体と、前記枠体に固定され前記マグネット部を前記一軸方向に沿って駆動するコイルと、前記マグネット部に付与される駆動力に反発する弾性力を前記可動子に付与する弾性部材とを備え、
前記シャフトは、前記一軸方向に沿う一方へ延設されるとともにその先端を自由端とし、前記枠体には、前記シャフトの自由端側を摺動自在に支持する軸受が固定され、
前記連結部材は、前記マグネット部の一端に接続されるとともに前記シャフトに接続された連結片部と、前記連結片部から延設され前記マグネット部の側面に接続された補強片部とを一体に有することを特徴とするリニア振動モータ。 - 前記マグネット部が前記一軸方向に接合された複数のマグネット片からなり、これら複数のマグネット片に跨るように前記補強片部が設けられていることを特徴とする請求項1記載のリニア振動モータ。
- 前記シャフトが前記マグネット部を間に置くようにして前記一軸方向の一方側と他方側にそれぞれ設けられ、前記連結部材の前記連結片部が前記一方側の前記シャフトに接続され、
前記マグネット部の他端に接続されるとともに前記他方側の前記シャフトに接続された連結片を備え、
前記補強片部は、前記連結片部の両端から延設されて前記マグネット部の両側面に接続されるように二つ設けられ、その両先端側を前記連結片に接続していることを特徴とする請求項1又は2記載のリニア振動モータ。 - 前記シャフトが前記マグネット部を間に置くようにして前記一軸方向の一方側と他方側にそれぞれ設けられ、
前記連結部材は、前記マグネット部の一端に接続されるとともに一方の前記シャフトに接続された第1の連結片部と、前記マグネット部の他端に接続されるとともに他方の前記シャフトに接続された第2の連結片部と、前記一軸方向に沿って前記マグネット部の一側面に接続された補強片部とから一体コの字状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のリニア振動モータ。 - 請求項1〜4いずれか1項記載のリニア振動モータを備える携帯電子機器。
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