JP6451288B2 - モデル材インク、インクセットおよび3d造形物を製造する方法 - Google Patents

モデル材インク、インクセットおよび3d造形物を製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は、モデル材インク、インクセットおよび3D造形物を製造する方法に関する。
近年、光硬化性の3D造形用インクを用いて3D造形物を製造する方法として、液体状の3D造形用インクの液面に活性光線を照射してなる硬化層を硬化・積層させる方法(以下、単に「SLA法」ともいう。)や、インクジェットヘッドのノズルから基材上に3D造形用インクを着弾させ、着弾した3D造形用インクに活性光線を照射してなる硬化層を積層させる方法(以下、単に「インクジェット法」ともいう。)が広く知られている。3D造形物は、製造が比較的容易であるため、最終製品を製造する前の試作品として用いることができる。
特に近年では、最終製品が要望どおりに機能するか否かを試作品の段階で検証するため、最終製品と同様の物性を有する3D造形物を製造することが求められている。しかし、従来の製法で製造した3D造形物は、降伏応力、伸びまたは耐衝撃性が弱いことが多く、上記試作品として求められる性能を満たさないことがある。そのため、これらの特性をいずれも高めることができるような、3D造形物を製造するための材料および3D造形物の製造方法が求められている。
特許文献1および特許文献2には、SLA法による3D造形物の製造において、カチオン重合性のモノマーとブロックコポリマーからなる有機固体粒子とを含有する3D造形用インクによって、弾性率、伸びおよび耐衝撃性がいずれも高い3D造形物を製造でき、特にモノマーと有機固体粒子とが相分離した構成とすることで、3D造形物の耐衝撃性を高めることができると記載されている。
特開2014−111774号公報 国際公開第2004/113056号
しかし、本発明者らの検討によると、SLA法では、液面に照射した活性光線が拡散するため3D造形用インクの全体に活性光線を均一に照射することが難しい。そのため、特許文献1および特許文献2に記載の3D造形物の製造方法では、モノマーが不均一に重合しながら有機固体粒子を取り込むことになる。このような方法では、有機固体粒子の粒径および分布が不均一になりやすいため、製造された3D造形物の耐衝撃性および破断伸びを十分に高めることができなかった。
これに対し、インクジェット法は、着弾させた3Dインクのみに光を照射させるため、光の拡散の影響が少なく、かつ、液滴単位で相分離構造を形成させることができる。これにより3D造形物の有機固体粒子の粒径および分布を均一にさせやすいため、インクジェット法は耐衝撃性および破断伸びが十分に高められた3D造形物を製造できると考えられる。
ここで、SLA法で用いられる3D造形用インクは、活性光線を照射している間の液面の揺らぎを抑えるため、粘度が高くなるように調製されている。そのため、特許文献1および特許文献2に記載の方法で用いられているようなインクは流動性が低く、これらのインクをインクジェットヘッドから吐出させると、ノズルの詰まりが発生するおそれがある。また、本発明者らの検討によると、3D造形用インクの粘度が高いと、有機固体粒子同士が凝集しにくいため、ポリマーの粒径が十分に大きくならず、耐衝撃性および破断伸びが高くなりにくい。
インクの粘度は、有機固体粒子の重量平均分子量を小さくすることで下げることができるが、分子量の小さい有機固体粒子を有する3D造形用インクを硬化させても、十分な耐衝撃性が得られないおそれがある。これに対し、3D造形用インクが含有する多官能のモノマーの比率を多くして化学架橋を多く形成することで、3D造形物の耐衝撃性を高めることが考えられるが、化学架橋が多く形成されると、3D造形物の柔軟性が失われ、伸びが小さくなるという問題がある。
上記の課題に鑑み、本発明は、粘度が低い3D造形用インクであって、降伏応力、伸びおよび耐衝撃性がいずれも高い3D造形物を製造することができるインク、およびそのようなインクを用いた3D造形物の製造方法を提供することを、その目的とする。
本発の第一は、以下のインク組成物に関する。
[1]光重合性モノマー、ポリマーおよび光重合開始剤を含有するインクジェット方式による3D造形用の光硬化性のモデル材インクであって、
前記ポリマーの分子量は5000以上30000以下であり、
前記光重合性モノマーと前記ポリマーとの間の溶解度パラメータの差は0.5(cal/cm1/2以上2.0(cal/cm1/2以下であり、
前記モデル材インクにおける、前記光重合性モノマーに対する前記ポリマーの質量比は、85/15以上60/40以下であることを特徴とする、モデル材インク。
[2]前記光重合性モノマーと前記ポリマーとの間のガラス転移温度の差は80℃以上であることを特徴とする、[1]に記載のモデル材インク。
[3]前記ポリマーのガラス転移温度は0℃以下であることを特徴とする、[1]または[2]に記載のモデル材インク。
[4]前記ポリマーは、ポリマー1モルあたり1モル当量以上の、光重合性の官能基を有することを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載のモデル材インク。
[5]前記ポリマーは、炭素数が4以上7以下の、二重結合を含む直鎖炭化水素からなる構成部分を含むことを特徴とする、[1]〜[4]のいずれかに記載のモデル材インク。
[6]前記ポリマーは、カーボネート基、エステル基およびエーテル基からなる群から選択される1または複数の官能基を有する構成部分を含むことを特徴とする、[1]〜[5]のいずれかに記載のモデル材インク。
[7]前記ポリマーはポリウレタンであることを特徴とする、[1]〜[6]のいずれかに記載のモデル材インク。
本発の第二は、以下のインクセットに関する。
[8][1]〜[7]のいずれか1項に記載のモデル材インクと、硬化性のサポート剤インクとを含む、インクジェット法による3D造形用のインクセット。
本発の第三は、以下の3D造形物の製造方法に関する。
[9]光硬化性のモデル材インクを硬化させてなるモデル材層が積層されてなる3D造形物を製造する方法であって、
インクジェットヘッドのノズルから前記モデル材インクを吐出してモデル材インクの部分を含むインク層を形成する工程、および
前記形成されたインク層に含まれるモデル材インクの部分に活性光線を照射してモデル材層を作製する工程を含み、
前記モデル材インクは[1]〜[7]のいずれかに記載のモデル材インクであることを特徴とする、3D造形物を製造する方法。
[10]インクジェットヘッドのノズルから硬化性のサポート材インクを吐出して、前記サポート材インクの部分を含む前記インク層を形成する工程と、
前記活性光線の照射の後に、前記サポート材インクが硬化してなるサポート材層を除去する工程とをさらに含む、
[9]に記載の3D造形物を製造する方法。
本発明によれば、粘度が低い3D造形用インクであって、降伏応力、伸びおよび耐衝撃性がいずれも高い3D造形物を製造することができるインク、およびそのようなインクを用いた3D造形物の製造方法が提供される。
図1はインクジェット法による3D造形システムの1態様を示す模式図である。 図2はインクジェット法による3D造形方法の製造フローの一例を示すフロー図である。 図3は上記製造フローのステップS103における3D造形システムの模式的な側面図である。 図4Aは上記製造フローのステップS110における3D造形システムの模式的な側面図であり、図4Bはその上面図である。 図5Aは上記製造フローのステップS114における3D造形システムの模式的な側面図であり、図5Bはその上面図である。 図6Aは上記製造フローの繰り返されたステップS110における3D造形システムの模式的な側面図であり、図6Bはその上面図である。 図7Aは上記製造フローのさらに繰り返されたステップS110における3D造形システムの模式的な側面図であり、図7Bはその上面図である。 図8は上記製造フローにおいて得られる3D造形物前駆体の斜視図である。 図9Aは実施例において3D造形物前駆体の第1層を製造した様子を示す側面図であり、図9Bは実施例において3D造形物前駆体の第2層を製造した様子を示す側面図であり、図9Cは実施例において3D造形物前駆体の第3層を製造した様子を示す側面図であり、図9Dは実施例において3D造形物前駆体を製造した様子を示す側面図である。 図10Aは実施例において製造した第2の3D造形物を表す平面図であり、図10Bは実施例において製造した第2の3D造形物を表す斜視図である。
以下に、例示的な実施形態を挙げて本発明を説明する。
本発明のモデル材インク(以下、単に「モデル材インク」ともいう。)は、光重合性モノマー、ポリマーおよび光重合開始剤を含有する、インクジェット方式による3D造形用の光硬化性のモデル材インクである。
1.光重合性モノマー
光重合性モノマーは、光を照射されて重合する光重合性基を有するモノマーである。光重合性モノマーは、活性光線を照射されることで重合および架橋して線状高分子となり、後述するポリマーとともに3D造形物を構成する。光重合性モノマーは、1種のモノマーでもよいし、複数の種類のモノマーを組み合わせてもよい。
光重合性基には、エチレン性二重結合を有するラジカル重合性の官能基、およびカチオン重合性の官能基が含まれる。ラジカル重合性の官能基の例には、エチレン基、プロペニル基、ブテニル基、ビニルフェニル基、(メタ)アクリロイル基、アリルエーテル基、ビニルエーテル基、マレイル基、マレイミド基、(メタ)アクリルアミド基、アセチルビニル基およびビニルアミド基が含まれる。カチオン重合性の官能基の例には、エポキシ基、オキセタン基、フリル基およびビニルエーテル基が含まれる。なお、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイル」および「メタクリロイル」の双方又はいずれかを意味し、「(メタ)アクリル」は「アクリル」および「メタクリル」の双方又はいずれかを意味し、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート」および「メタクリレート」の双方又はいずれかを意味する。
照射された光に対する反応性をより高める観点からは、ラジカル重合性の光重合性基は(メタ)アクリロイル基、アリルエーテル基、ビニルエーテル基またはマレイミド基であることが好ましく、(メタ)アクリロイル基またはビニルエーテル基であることがさらに好ましく、(メタ)アクリロイル基であることがさらに好ましい。また、同様に反応性をより高める観点からは、カチオン重合性の光重合性基はビニルエーテル基、エポキシ基またはオキセタン基であることが好ましく、ビニルエーテル基またはオキセタン基であることがさらに好ましい。これらのうち、反応性をさらに高める観点からは、光重合性基は(メタ)アクリロイル基であることが最も好ましい。
前記(メタ)アクリロイル基を有するモノマーの例には、単官能のアクリレート、2官能のアクリレートおよび3官能以上のアクリレートが含まれる。
単官能のアクリレートの例には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、イソミリスチル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、n-ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチルフタル酸、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチル−フタル酸、t-ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2-エチルヘキシル−ジグリコール(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、2-(2-エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレートおよび2-エチルヘキシルカルビトール(メタ)アクリレートが含まれる。
2官能のアクリレートの例には、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAのPO付加物ジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートおよびポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートが含まれる。
3官能以上のアクリレートの例には、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレートおよびペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレートが含まれる。
前記(メタ)アクリロイル基を有するモノマーは、変性物であってもよい。変性物の例には、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートおよびエチレンオキサイド変性ペンタエリスリトールテトラアクリレートを含むエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートを含むカプロラクトン変性(メタ)アクリレート、ならびにカプロラクタム変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートを含むカプロラクタム変性(メタ)アクリレートが含まれる。
前記アリルエーテル基を有するモノマーの例には、単官能のアリルエーテル化合物、2官能のアリルエーテル化合物および3官能以上のアリルエーテル化合物が含まれる。
単官能のアリルエーテル化合物の例には、フェニルアリルエーテル、o-,m-,p-クレゾールモノアリルエーテル、ビフェニル-2-オールモノアリルエーテル、ビフェニル-4-オールモノアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテルおよびシクロヘキサンメタノールモノアリルエーテルが含まれる。
2官能のアリルエーテル化合物の例には、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、グリセロール α,α’−ジアリルエーテル、ジアリルフタレートおよびジアリルイソフタレートが含まれる。
3官能以上のアリルエーテル化合物の例には、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ジアリルフタレートポリマーおよびジアリルイソフタレートポリマーが含まれる。
前記ビニルエーテル基を有するモノマーの例には、単官能のビニルエーテル化合物、2官能のビニルエーテル化合物および3官能以上のビニルエーテル化合物が含まれる。
単官能のビニルエーテル化合物の例には、ブチルビニルエーテル、ブチルプロペニルエーテル、ブチルブテニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、エチルエトキシビニルエーテル、アセチルエトキシエトキシビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテルおよびアダマンチルビニルエーテルが含まれる。
2官能のビニルエーテル化合物の例には、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールビニルエーテル、ブチレンジビニルエーテル、ジブチレングリコールジビニルエーテル、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ノルボルニルジメタノールジビニルエーテル、イソバイニルジビニルエーテル、ジビニルレゾルシンおよびジビニルハイドロキノンが含まれる。
3官能以上のビニルエーテル化合物の例には、グリセリントリビニルエーテル、グリセリンエチレンオキシド付加物トリビニルエーテル(エチレンオキシドの付加モル数6)、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリビニルエーテルエチレンオキシド付加物トリビニルエーテル(エチレンオキシドの付加モル数3)、ペンタエリスリトールトリビニルエーテルおよびジトリメチロールプロパンヘキサビニルエーテルならびにそれらのオキシエチレン付加物が含まれる。
前記マレイミド基を有するモノマーの例には、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドおよびn−ヘキシルマレイミドが含まれる。
前記エポキシ基を有するモノマーの例には、単官能のエポキシ化合物、2官能のエポキシ化合物および3官能以上のエポキシ化合物が含まれる。
単官能のエポキシ化合物の例には、アリルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェノール(ポリエチレンオキシ)5−グリシジルエーテル、ブチルフェニルグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸グリシジルエステル、ラウリルグリシジルエーテル、1,2−エポキシシクロヘキサン、1,4−エポキシシクロヘキサン、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサンおよびノルボルネンオキシドが含まれる。
2官能のエポキシ化合物の例には、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルおよび1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテルが含まれる。
3官能以上のエポキシ化合物の例には、ポリグリセロールトリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテルおよびペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルが含まれる。
前記オキセタン基を有するモノマーの例には、2−(3−オキセタニル)−1−ブタノール、3−(2−(2−エチルヘキシルオキシエチル))−3−エチルオキセタンおよび3−(2−フェノキシエチル)−3−エチルオキセタンが含まれる。
1−2.ポリマー
ポリマーは、形成される3D造形物の降伏応力、伸びおよび耐衝撃性を高めることができる。ポリマーの重量平均分子量を5000以上とすると、光重合性モノマーとポリマーとが十分に相分離されるため、3D造形物の耐衝撃性がより高くなる。一方で、ポリマーの重量平均分子量を30000以下にすると、モデル材インクの粘度が高まりすぎないため、インクジェットヘッドのノズルからのインクの出射性を十分なものにすることができる。ポリマーは、1種のみでもよいし、2種以上を組みあわせて用いてもよい。3D造形物の高い耐衝撃性とインクの低い粘度を両立させる観点からは、ポリマーの重量平均分子量は5000以上20000以下であることが好ましく、7000以上15000以下であることがより好ましい。ポリマーは、同一の構成部分の繰り返しからなるホモポリマーでもよいし、2以上の異なる構成部分を含むコポリマーでもよい。
ポリマーによる耐衝撃性を高め、かつ伸び性を高める観点からは、ポリマーのTgは0℃以下であることが好ましい。Tgが0℃以下であるポリマーの例には、ウレタンポリマー、ブタジエンゴムおよびイソプレンゴムならびに水素添加したブタジエンゴムおよびイソプレンゴムが含まれる。
ポリマーの溶解度パラメータ(以下、単に「SP値」ともいう。)と光重合性モノマーのSP値との差は、絶対値で0.3(cal/cm1/2以上2.0(cal/cm1/2以下である。なお、モデル材インクが2種以上のポリマーを組み合わせて含有する場合は、上記ポリマーのSP値はポリマー全体のSP値であり、モデル材インクが2種以上の光重合性モノマーを組み合わせて含有する場合は、上記光重合性モノマーのSP値は光重合性モノマー全体のSP値である。本発明者らが新たに得た知見によると、上記SP値の差が0.3(cal/cm1/2以上であると、ポリマーと光重合性モノマーとが相溶せずに相分離構造が形成され、3D造形物の耐衝撃性が高くなる。また、SP値の差が2.0(cal/cm1/2以下であると、ポリマーと光重合性モノマーとが分離しすぎることなく、光重合性モノマー中にポリマーの微細な粒子が点在する海島構造が形成されるため、3D造形物の耐衝撃性が高くなる。上記観点からは、上記SP値の差は0.5(cal/cm1/2以上1.5(cal/cm1/2以下であることが好ましく、0.6(cal/cm1/2以上1.0(cal/cm1/2以下であることがより好ましい。
光重合性モノマーおよびポリマーのSP値は、市販のパーソナルコンピュータにインストールしたScigress Version 2.6、富士通社にそれぞれの化合物の構造を代入し、Bicerano法によって推定される値を採用する。ポリマーが2種以上の組み合わせである場合のポリマー全体のSP値は、それぞれのポリマーの体積分率φおよびSP値δを式1に代入して求められる、ポリマーを共重合させた共重合体のSP値を採用する。光重合性モノマーが2種以上の組み合わせである場合の光重合性モノマー全体のSP値は、それぞれの光重合性モノマーの体積分率φおよびSP値δを式1に代入して求められる、光重合性モノマーを共重合させた共重合体のSP値を採用する。
Figure 0006451288
モデル材インク中のポリマーの含有量は、前記相分離が生じる範囲であればよく、たとえば、モデル材インク中の前記光重合性モノマーと前記ポリマーとの間のインク中の含有量比は、85/15以上60/40以下とすることができる。なお、前記含有量比は、(光重合性モノマー)/(ポリマー)の数値を表す。
3D造形物の弾性値をARES-G2、ティー・エイ・インスツルメント社製を用いて測定し、貯蔵弾性率と損失弾性率との比を表すtanΔのグラフに2つのシャープなピーク(変曲点)が見られる場合、製造された3D造形物中に光重合性モノマーとポリマーとの相分離が生じていると判断することができる。
光重合性モノマーとポリマーとの間のガラス転移温度(以下、単に「Tg」ともいう。)の差が80℃以上であると、3D造形物の耐衝撃性をより高めることができる。これは、以下の理由によるものと考えられる。つまり、光重合性モノマーとポリマーとの間のTg差が大きいと、Tgが低い成分(特にはポリマー)は衝撃を吸収しやすいが、Tgが高い成分(特には光重合性モノマー)は衝撃を吸収しにくいため、両者の間で衝撃に対する挙動が大きく異なる。そのため、特にポリマーと光重合性モノマーとの界面付近で、両者の間の異なる挙動により光重合性モノマー側に多くのクレーズが発生しやすく、このクレーズが衝撃を吸収するため、3D造形物の耐衝撃性が高まる。
なお、モデル材インクが2種以上のポリマーを組み合わせて含有する場合は、上記ポリマーのTgはポリマー全体を重合させた重合体のTgであり、モデル材インクが2種以上の光重合性モノマーを組み合わせて含有する場合は、上記光重合性モノマーのTgは光重合性モノマー全体を重合させた重合体のTgである。前記ポリマー全体を重合させた重合体のTgおよび光重合性モノマー全体を重合させた重合体のTgは、これらの重合体の弾性値をARES-G2、ティー・エイ・インスツルメント社製およびDiamond DSC、PerkinElmer社製を含む測定器を用いて測定して得られるtanΔのグラフ中の、ピーク(変曲点)の温度として求められる。
1−2−1.光重合性基を有するポリマー
ポリマーが、ポリマー1モルあたり1モル当量以上の光重合性基を有すると、3D造形物の耐衝撃性をより高めることができる。これは、以下の理由によると考えられる。つまり、このようなポリマーを含有するモデル材インクに活性構成を照射すると、ポリマーと光重合性モノマーとの間にも共有結合が形成される。そのため、線状高分子の間にポリマーの粒子が入り込むことによる微細な相分離構造が形成されやすくなり、かつ、前記共有結合によりポリマーの粒子の界面強度が上がるためポリマーの粒子が分解しにくくなる。このようにして、微細な相分離構造が形成されるため、3D造形物の耐衝撃性がより高まる。ポリマーが有しうる光重合性基の例には、上記例示した光重合性基が含まれる。ポリマーが架橋剤としてふるまうことにより、ポリマーと光重合性モノマーと相溶することを防ぐ観点からは、ポリマーは、ポリマー1モルあたり1モル当量以上10モル当量以下の光重合性基を有することが好ましく、1モル当量以上4モル当量以下の光重合性基を有することが好ましい。光重合性基を有するポリマーは、1種のみでもよいし、2種以上を組みあわせて用いてもよい。
光重合性基は、上記共有結合を形成しやすくする観点からは、ポリマーの末端に付与されていることが好ましい。たとえば、モノマーの重合によってポリマーを調製する際に、ポリマーと反応する部位および光重合性基を有する化合物を反応停止剤として用いることで、ポリマーの末端に光重合性基を付与することができる。
ポリマーが有する光重合性基のモル当量は、3D造形物中のポリマーが有する光重合性基の量を、ポリマーの重量平均分子量で除算することで、求めることができる。光重合性基の量は、たとえば核磁気共鳴法(NMR)、フーリエ変換型赤外分光法(FT−IR)、質量分析法(MS)を含む通常の分析法を利用して推定することができる。ポリマーの重量平均分子量は、溶媒をo−ジクロロベンゼンとしたカラムを用いてゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を行い、得られた値をポリスチレンによる検量線に代入することによって測定することができる。
また、すでに製造された3D造形物中のポリマーが有する光重合性基の量およびポリマーの重量平均分子量は、3D造形物のサンプルをNMR、FT-IRおよびMSを含む通常の分析法により分析して特定することができる。
1−2−2.光重合性モノマーと相溶な構成部分および非相溶な構成部分を有するポリマー
ポリマーが分子内に光重合性モノマーと相溶な部分および非相溶な部分を有していると、3D造形物の耐衝撃性をより高めることができ、かつモデル材インクの粘度もよりインクジェット吐出に適した範囲に低下させることができる。これは、以下の理由によると考えられる。つまり、このようなポリマーを含有するモデル材インクに活性光線を照射すると、光重合性モノマーと非相溶な部分によって相分離構造が生じる一方で、光重合性モノマーと相溶な部分によってポリマーが線状高分子間に取り込まれやすくなるため、相分離構造がより微細になりやすい。相分離構造がより微細になると、応力も微分割されて拡散するため、3D造形物の特定の箇所のみに応力が集中しにくくなり、応力の集中による3D造形物の局所破壊も生じにくくなる。また、ポリマーが分子内に光重合性モノマーと相溶な部分を有することで、ポリマーと光重合性モノマーとが適度に相溶し、モデル材インクの粘度もより下げることができる。上記ポリマーは、1種のみでもよいし、2種以上を組みあわせて用いてもよい。
前記光重合性モノマーと相溶な部分の例には、ウレタン結合、カーボネート基、エステル基およびエーテル基が含まれる。これらのうち、これらの部分が自己凝集することによってポリマー同士を集合させ、光重合性モノマーとポリマーとを相分離しやすくする観点からは、カーボネート基、エステル基およびエーテル基が好ましい。
光重合性モノマーと非相溶な部分の例には、炭素数4以上7以下の炭化水素基が含まれる。前記炭化水素基は、直鎖でも分岐していてもよく、二重構造を含んでいてもよい。ポリマーのTgを低くして光重合性モノマーのTgとの差を大きくし、クレーズを発生しやすくすることで耐衝撃性をより高める観点からは、ポリマーは、炭素数4以上7以下の、二重結合を含んでもよい直鎖炭化水素からなる炭化水素基を有することが好ましい。また、微細な相分離構造が形成されやすくすることで耐衝撃性をより高める観点からは、前記ポリマーは複数のウレタン結合を有するポリウレタンであることが好ましく、前記光重合性モノマーと非相溶な構成部分、特には炭素数4以上7以下の、二重結合を含む直鎖炭化水素からなる炭化水素基を有するポリウレタンであることがさらに好ましい。
1−3.光重合開始剤
光重合開始剤は、前記光重合性モノマーがラジカル重合性の官能基を有する化合物であるときは、光ラジカル開始剤であり、前記光重合性モノマーがカチオン重合性の官能基を有する化合物であるときは、光酸発生剤である。光重合開始剤は、1種のみでもよいし、2種以上を組みあわせもよいし、光ラジカル開始剤と光酸発生剤の両方を組み合わせであってもよい。
光ラジカル開始剤には、開裂型ラジカル開始剤および水素引き抜き型ラジカル開始剤が含まれる。モデル材インクは、これらのうち、少なくとも開裂型の光重合開始剤を含むことが好ましい。つまり、モデル材インクは、開裂型と水素引き抜き型の両方の光重合開始剤を含有していてもよく、開裂型の光重合開始剤のみを含有していてもよい。
モデル材インクが、開裂型と水素引き抜き型の両方を含有している場合は、開裂型の質量が水素引き抜き型の質量よりも多いことが好ましい。光重合開始剤に含まれる水素引き抜き型開始剤の割合は、30質量%以下であることが好ましく、20質量%以上30質量%以下であることがより好ましい。
モデル材インクが光重合開始剤として開裂型と水素引き抜き型の両方の種類の光ラジカル開始剤を含有していると、モデル材インクの硬化速度が上昇する。この理由は定かではないが、開裂型ラジカル開始剤と水素引き抜き型ラジカル開始剤の光重合開始剤が並存すると、水素引き抜き型ラジカル開始剤の重合開始剤が増感剤のような役割を果たすために重合速度が向上するものと考えられる。
一方で、モデル材インクが水素引き抜き型の光ラジカル開始剤を実質的に含有していない場合には、3D造形物の伸びまたは降伏応力が高くなりやすい。この理由は定かではないが、以下のように考えることができる。光重合性モノマーの重合により得られる線状高分子間で、水素引き抜き型の光ラジカル開始剤によってグラフト重合が発生すると、不規則な架橋が生じることがある。3D造形物中に不規則な架橋があると、硬化物を伸長させた際に組成物中の特定の部位に応力が集中するため、3D造形物は十分に伸びずに降伏する。しかし、モデル材インクが水素引き抜き型の光ラジカル開始剤を実質的に含有していないと、上記グラフト重合が発生しにくいので、伸びまたは降伏応力が高くなりやすい。
そのため、3D造形物の作製スピードを早めることが求められる場合には、モデル材インクに、開裂型ラジカル開始剤および水素引き抜き型ラジカル開始剤の両方を含有させることが好ましい。一方、3D造形物の耐久性を重視する場合には、水素引き抜き型ラジカル開始剤を実質的に含有させないことが好ましい。
開裂型ラジカル開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノンを含むアセトフェノン系ラジカル開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルを含むベンゾイン類ラジカル開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシドを含むアシルホスフィンオキシド系ラジカル開始剤、ベンジルならびにメチルフェニルグリオキシエステルが含まれる。
水素引き抜き型ラジカル開始剤の例には、ベンゾフェノンおよびN,N−ジエチルベンゾフェノンを含むベンゾフェノン類、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントンおよびイソプロポキシクロロチオキサントンを含むチオキサントン類、エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノンおよびクロロアントラキノンを含むアントラキノン類、ならびに9−フェニルアクリジンおよび1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタンを含むアクリジン類が含まれる。
光酸発生剤の例には、公知のスルホニウム塩、アンモニウム塩、ジアリールヨードニウム塩およびトリアリールスルホニウム塩等が含まれる。具体的には、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩、ヨードニウム(4−メチルフェニル)(4−(2−メチルプロピル)フェニル)ヘキサフルオロホスフェート、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−メチル−2−ブテニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート等が含まれる。市販の光酸発生剤の例には、バイエル社のUVI−6990、ダイセル・オルネクス社のUvacure1591(「Uvacure1591」はオルネクス社の登録商標)、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社のCGI−552およびIr250、旭電化工業社のSP−150、SP−152、SP−170、SP−172およびCP−77、ならびにサンアプロ社のCPI−100P、CPI−101A、CPI−200KおよびCPI−210S等を用いることができる。
光重合開始剤の含有量は、活性光線や活性光線硬化性化合物の種類などにもよるが、モデル材インクの全質量に対して0.01質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
1−4.その他の成分
モデル材インクは、本発明の効果が得られる範囲において、増感剤、光重合開始剤助剤、重合禁止剤および剥離促進剤を含むその他の成分をさらに含んでいてもよい。これらの成分は、1種のみでもよいし、2種以上を組みあわせて用いてもよい。
増感剤の例には、400nm以上の波長の光により増感機能を発現するものが含まれ、具体的には、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセンおよび9,10−ビス(2−エチルヘキシルオキシ)アントラセンを含むアントラセン誘導体が含まれる。市販の増感剤の例には、川崎化成工業社のDBAおよびDEAが含まれる。
光重合開始剤助剤は、第3級アミン化合物であってよく、芳香族第3級アミン化合物であることが好ましい。芳香族第3級アミン化合物の例には、N,N-ジメチルアニリン、N,N-ジエチルアニリン、N,N-ジメチル-p-トルイジン、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸エチルエステル、N,N-ジメチルアミノ-p-安息香酸イソアミルエチルエステル、N,N-ジヒドロキシエチルアニリン、トリエチルアミンおよびN,N-ジメチルヘキシルアミンが含まれる。
重合禁止剤の例には、(アルキル)フェノール、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、p-メトキシフェノール、t-ブチルカテコール、t-ブチルハイドロキノン、ピロガロール、1,1-ピクリルヒドラジル、フェノチアジン、p-ベンゾキノン、ニトロソベンゼン、2,5-ジ-t-ブチル-p-ベンゾキノン、ジチオベンゾイルジスルフィド、ピクリン酸、クペロン、アルミニウムN-ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリ-p-ニトロフェニルメチル、N-(3-オキシアニリノ-1,3-ジメチルブチリデン)アニリンオキシド、ジブチルクレゾール、シクロヘキサノンオキシムクレゾール、グアヤコール、o-イソプロピルフェノール、ブチラルドキシム、メチルエチルケトキシムおよびシクロヘキサノンオキシムが含まれる。
剥離促進剤は、後述のサポート材インクが硬化してなるサポート材層によって製造中のモデル材層を下から支持しながら3D造形物を製造する場合に、モデル材層と前記サポート材層との剥離をより容易にする。剥離促進剤の例には、シリコン界面活性剤、フッ素界面活性剤およびセバシン酸ステアリルを含む高級脂肪酸エステルが含まれる。剥離をより容易にする観点からは、剥離促進剤はシリコン界面活性剤であることが好ましい。剥離促進剤の含有量は、インクの全質量に対して0.01質量%以上3.0質量%以下であることが好ましい。剥離促進剤の含有量を0.01質量%以上とすることで、基材と3D造形物との剥離性をより高めることができる。剥離促進剤の含有量を3.0質量%以下とすることで、硬化前のモデル材インクの液滴が合一することによる、3D造形物の形状のゆがみを発生しにくくすることができる。
2.インクセット
モデル材インクは、インクジェット方式による3D造形用のサポート材インク(以下、単に「サポート材インク」ともいう。)とあわせてインクセットとしてもよい。インクセットは、モデル材インクとサポート材インクとを同時に梱包等して販売し、かつ一の3D造形物を形成するために使用できる形態であればよい。たとえば、モデル材インクとサポート材インクとを複数のインクカートリッジにそれぞれ独立に収容してもよいし、または複数のインク収容部を一体的に構成して、それぞれのインク収容部にモデル材インクおよびサポート材インクを収容したインクカートリッジとしてもよい。
サポート材インクは、除去を容易にする観点から、温度に依存して硬化してその硬化物が熱溶融性するもの、または光硬化性でその硬化物が水溶性もしくは水膨潤性であるものが好ましい。
温度に依存して硬化してその硬化物が熱溶融性するサポート材の例には、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、エステルワックス、アミドワックスおよびPEG20000を含むワックス類が含まれる。光硬化性でその硬化物が水溶性もしくは水膨潤性であるサポート材の例には、光重合性官能基を有する水溶性化合物、開裂型ラジカル開始剤および水を主成分とする光硬化樹脂組成物が含まれる。サポート材は、さらに水溶性高分子を含んでいてもよい。
サポート材インクに含まれうる水溶性モノマーの例には、ポリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクロロイルモルホリンおよびヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含む水溶性(メタ)アクリレート、ならびに(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミドおよびN-ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミドを含む水溶性の(メタ)アクリルアミドが含まれる。サポート材に含まれる開裂型ラジカル開始剤の例には、上記例示した化合物が含まれる。サポート材に含まれうる水溶性高分子の例には、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールおよびポリビニルアルコールが含まれる。
3.3D造形物の製造方法
本発明に係る3D造形物の製造方法は、上述のモデル材インクを用いるほかは、インクジェットヘッドのノズルから前記モデル材インクを吐出してモデル材インクの部分を含むインク層を作製する工程、および形成されたインク層に含まれるモデル材インクの部分に活性光線を照射する工程を含む、モデル材インクが硬化してなるモデル材を構成要素とする3D造形物の公知の製造方法と同様に行い得る。なお、インク層とは、吐出されたモデル材インクおよび任意に吐出された後述のサポート材インクによって形成される層をいう。インク層のうち、モデル材インクの部分に活性光線を照射することで、製造しようとする3D造形物を薄片状に微分割した各層であるモデル材層が作製される。モデル材層を積層することで、3D造形物が作製される。
3−1.モデル材インクを吐出してモデル材インクの部分を含むインク層を形成する工程
モデル材インクは、製造しようとする3D造形物の各層においてモデル材が占める位置のデータに基づいて所定の位置に吐出されることで、インク層に含まれる前記モデル材インクの部分を形成する。モデル材インクは、基材上、すでに光を照射されて形成されたモデル材層上、または任意に形成されるサポート材層上に吐出される。それぞれのインク層に含まれるモデル材インクの部分は、後の工程で活性光線を照射されることで硬化し、モデル材層を形成する。
ノズルからの射出性をより高める観点からは、モデル材インク1滴あたりの液滴量は、1pl以上70pl以下であることが好ましい。より高解像度の3D造形物を得る観点からは、モデル材インク1滴あたりの液滴量は2pl以上50pl以下であることがより好ましい。
3−2.形成されたインク層に含まれるモデル材インクの部分に活性光線を照射してモデル材層を作製する工程
吐出されたモデル材インクは、光源から活性光線を照射して硬化させることができる。モデル材インクの硬化に用いることができる活性光線の例には、紫外線および電子線が含まれる。
紫外線を照射するための光源の例には、低圧水銀ランプおよび殺菌灯を含む蛍光管、冷陰極管、紫外レーザー、100Pa以上1MPa以下の範囲に含まれる動作圧力を有する水銀ランプ、メタルハライドランプおよび発光ダイオード(LED)等が含まれる。3D造形物をより速く硬化させる観点から、光源は、照度100mW/cm以上の紫外線を照射することができる、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプおよびLED等が好ましく、これらのうち、消費電力をより少なくする観点から、LEDが好ましい。LEDの具体的には、395nm水冷LED、Phoseon Technology社製が含まれる。
電子線を発生させる方法の例には、スキャニング方式、カーテンビーム方式およびブロードビーム方式が含まれる。これらのうり、より効率よく電子線を発生させる観点から、カーテンビーム方式が好ましい。電子線を照射することができる光源の例には、キュアトロンEBC−200−20−30、日新ハイボルテージ社製およびMin−EB、AIT社製が含まれる。
活性光線が電子線である場合、十分な硬化を行う観点から、電子線照射の加速電圧は30kV以上250kV以下とすることが好ましく、30kV以上100kV以下とすることがより好ましい。加速電圧が100kV以上250kV以下の範囲である場合、十分な硬化を行う観点から、電子線照射量は30kGy以上100kGy以下であることが好ましく、30kGy以上60kGy以下であることがより好ましい。上下の層間の接着性を高める観点からは、照射されるモデル材インクが完全には硬化せずに半硬化状態となり、その後に吐出されたモデル材インクに活性構成を照射する際に、前記半硬化状態のモデル材インクが完全に硬化するような強度に設定してもよい。
隣り合うモデル材インクの液滴をより合一しにくくする観点からは、活性光線は、モデル材インクの液滴が記録媒体上に付着した後10秒以内に照射されることが好ましい。前記観点からは、活性光線は、モデル材インクの液滴が着弾した後0.001秒〜5秒の間に照射されることが好ましく、0.01秒〜2秒の間に照射されることがより好ましい。
次の層を形成しやすくする観点から、光を照射して硬化したモデル材インクは、膜厚調整用ローラ等で表面を平坦にされてもよい。
3−3.サポート材インクを吐出して、サポート材インクの部分を含む前記インク層を形成する工程
本発明の製造方法は、硬化性のサポート材インクを吐出して、サポート材インクの部分を含む前記インク層を形成する工程を任意に含んでいてもよい。サポート材インクは、製造しようとする3D造形物の各層における、その後に形成されるモデル材を支持するためにサポート材を配置することが望ましい位置のデータに基づいて、所定の位置に吐出されることで、インク層に任意に含まれるサポート材インクの部分を形成する。サポート材インクは、その後、硬化して、サポート材層を形成する。サポート材層が積層されてなるサポート材は、製造中の3D造形物の空間部分を埋めて、製造中のモデル材層を重力方向下部から支える。これにより、サポート材は、モデル材層がまだ十分な強度を有していない部分から製造中の3D造形物が重力によって崩壊することを、防止することができる。
サポート材層は、モデル材層と独立して製造してもよい。しかし、作業時間を短縮する観点からは、同一のインク層におけるモデル材層およびサポート材層を同時に形成することが好ましい。具体的には、モデル材インクとサポート材インクとを同時にまたは連続して吐出して同一のインク層を形成する。その後、モデル材インクの部分に活性光線を照射することで、モデル材層およびサポート材層を形成する。次のインク層は、前記形成されたモデル材層またはサポート材層の上にモデル材インクまたはサポート材インクを吐出して形成していく。
このとき、インクジェットヘッドにサポート材インク用のノズルとモデル材インク用のノズルとを設けて、同一のインクジェットヘッドから吐出される構成にしてもよいし、モデル材インクとサポート材インクとを別のインクジェットヘッドから吐出してもよい。作業時間を短縮する観点からは、それぞれのインクを収容する収容部から別のインクジェットヘッドに流路を連通して、別のインクジェットヘッドのノズルからモデル材インクとサポート材インクとを独立して吐出することが好ましい。
3−4.サポート材層を除去する工程
本発明の製造方法が上記サポート材インクを吐出する工程を有するとき、すべてのモデル材層およびサポート材層を形成した後に、サポート材が除去される。なお、本発明では、すべてのモデル材層およびサポート材層が形成された状態の3D造形物を、3D造形物前駆体ともいう。
サポート材として、温度に依存して硬化してその硬化物が熱溶融性するものを用いた場合は、たとえば60℃以上130℃以下の環境に1分以上5分以下3D造形物前駆体を保持することで、サポート材を除去することができる。サポート材として、光硬化性でその硬化物が水溶性または水膨潤性であるものを用いた場合は、たとえば、3D造形物前駆体のTgよりも−30℃以上+30℃以下の水に10分以上60分以下3D造形物前駆体を浸漬させるか、または相対湿度50%以上90%以下、温度40℃以上70℃以下の環境に10分以上60分以下3D造形物前駆体を静置することで、サポート材を除去することができる。
4.3D造形システムを用いた具体的な製造例
4−1.3D造形システムの例
図1には、インクジェット法による3D造形システムの例の概要が示される。図1に示される3D造形システムは、インクジェット部1、演算制御部2、記憶装置3、入力装置4、出力装置5および表示装置6を有する。
インクジェット部1は、上下(図面Z方向)に駆動する駆動部(図示省略)を備えたステージ11と、左右(図面XY方向)に移動可能にレール(図示省略)上に配置された、モデル材インクまたはサポート材インクを吐出するインクジェット装置12と、を備える。
インクジェット装置12は、モデル材インク用インクジェットヘッド13、サポート材インク用インクジェットヘッド14、膜厚調整用ローラ15、および光源16を備える。モデル材インク用インクジェットヘッド13およびサポート材インク用インクジェットヘッド14は、それぞれ吐出用のノズルを有する。モデル材インク用インクジェットヘッド13は、配管13aを介してポンプ13bおよびモデル材インクタンク13cに連通する。モデル材インクタンク13cには、モデル材インクを入れることができる。サポート材インク用インクジェットヘッド14は、配管14aを介してポンプ14bおよびサポート材インクタンク14cに連通する。サポート材インクタンク14cには、サポート材インクを入れることができる。モデル材インクタンク13cおよびサポート材インクタンク14cは、複数備えられ、それぞれにインクセット番号が付されていてもよい。
演算制御部2は、演算部21、インク選択部22、ステージ制御部23、インクジェット制御部24、ローラ制御部25および光源制御部26を備える。
演算部21は、記憶装置3に記録されているCADデータから、3D造形物製造用のSTLデータ、およびSTLデータから形成された仮想3D造形物を薄片状に微分割した各層におけるモデル材およびサポート材の配置を算出する。インク選択部22は、製造しようとする3D造形物にあわせて適切なモデル材インクおよびサポート材インクを選択する。また、インク選択部22は、選択されたモデル材インクが入れられたモデル材インクタンク13cを配管13aに連通させ、かつ、選択されたサポート材インクが入れられたサポート材インクタンク14cを配管14aに連通させるための情報を、インクジェット部1に送る。ステージ制御部23は、ステージ11を駆動するための情報をインクジェット部1に送る。インクジェット制御部24は、モデル材インクおよびサポート材インクがそれぞれ各層におけるモデル材およびサポート材の位置に着弾するように、モデル材インク用インクジェットヘッド13およびサポート材インク用インクジェットヘッド14を駆動するための情報を、インクジェット部1に送る。ローラ制御部25は、膜厚調整用ローラ15を駆動するための情報をインクジェット部1に送る。光源制御部26は、光源16を駆動するための情報をインクジェット部1に送る。演算制御部2は、CPU等の通常のコンピュータシステムで用いられる演算装置で構成することができる。
記憶装置3には、3D造形物を製造するために必要な情報、例えば前記モデル材インクタンク13cおよびサポート材インクタンク14cのロット番号と、CADデータ番号、STLデータ番号およびインクセット番号等とが関連付けて記録される。記憶装置3の例には、ROM、RAMおよび磁気ディスクを含む記憶装置が含まれる。
入力装置4は、STLデータを修正するための指示を入力するための装置である。入力装置4の例には、キーボードおよびマウスを含むポインティングデバイスが含まれる。
出力装置5は、表示装置6に表示された情報を出力するための装置である。出力装置5の例には、プリンタが含まれる。
表示装置6は、STLデータおよびSTLデータから形成される下層3D造形物を表示するための装置である。表示装置6の例には、液晶ディスプレイおよびモニタを含む画像表示装置が含まれる。
4−2.3D造形物の製造フローの例
図1に示す3D造形システムを用いる3D造形物の製造方法について、図2のフロー図を参照しながらより詳細に説明する。
(イ)ステップS101において、演算制御部2は、記録装置3から選択されたCADデータを演算部21に入力する。ステップS102において、演算部21は、CADデータを3D造形用データであるSTLデータに変換する。なお、STLデータから形成される仮想3D造形物を出力装置5上に表示して所望の形状が形成されるか否かを確認し、所望の形状が形成されない場合は、入力装置4から、STLデータに修正を加えてもよい。
(ロ)ステップS103において、演算部21は、図3Aおよび図3Bに示すように、仮想3D造形物を図3のZ方向において複数の薄片状の層D1〜DXに微分割し、各層におけるモデル材の配置データ、およびいわゆるオーバーハング部分、例えば「K」の字の第二画目部分を構成するモデル材を下方から支持するためのサポート材の配置データを作成する。演算部21は、モデル材の配置データとサポート材の配置データを同じ層ごとに組み合わせて、本発明における「第1の平面データD1、第2の平面データD2、…第Xの平面データDX」を得る。
(ハ)ステップS105において、インク選択部22は、仮想3D造形物のデータや複数の平面データに基づいて、最適なモデル材インクおよびサポート材インクを選択し、これらのインクを配管13aおよび配管14aにそれぞれ連通させるための情報をインクジェット部1に送る。
(ニ)ステップS108において、ステージ制御部23は、第1の平面データD1に基づいた第1のモデル材層およびサポート材層を形成できるようにステージ11を駆動するための情報を、インクジェット部1に送る。インクジェット部1は、受信した情報にしたがってステージ11をZ方向に動かし、ステージ11とそれぞれのインクジェットヘッドとの相対的な位置を合わせる。
(ホ)ステップS110において、インクジェット制御部24は、第1におけるモデル材およびサポート材の配置に基づいてそれぞれのインクジェットヘッドの位置を制御するための情報をインクジェット部1に送る。インクジェット部1は、図4Aおよび図4Bに示すように、受信した情報にしたがって、それぞれのインクジェットヘッドの位置を制御して、ステージ上にモデル材インク(Ma)およびサポート材インク(S)の少なくともいずれか一方をそれぞれのインクジェットヘッドのノズルから吐出する。
(ヘ)ステップS112において、光源制御部26は、光源16を駆動するための情報をインクジェット部1に送る。インクジェット部1は、受信した情報にしたがって光源16を駆動し、ノズルから吐出され着弾したモデル材インクに活性光線を照射してモデル材インクを硬化させ、モデル材層を得る。なお、モデル材層の厚みを均一にする観点から、活性光線の照射後に、ローラ制御部25はインクジェット装置1に膜厚調整用ローラ15を駆動するための情報を送り、情報を受信したインクジェット装置1は膜厚調整用ローラ15を駆動して厚い部分を研磨することで、第1の硬化層の厚さを均一にしてもよい。硬化および任意の研磨後の各硬化層の厚さは、1μm以上25μm以下であることが好ましい。
(ト)ステップS114において、演算制御部2は、形成すべきモデル材層がさらにあるかを判定する。形成すべきモデル材層がさらにある場合は、ステップS108に戻り、図5Aおよび図5Bに示すように、ひとつのモデル材層の厚さ分だけ、ステージ11の位置を下方(Z方向)に移動させ、ステップS110、S112により第nの硬化層を第n−1の硬化層上に形成する。その後、図6A、図6B、図7Aおよび図7Bに示すように、最終のモデル材層(第Xのモデル材層)が積層されるまで、ステップS108、S110、S112、S114の手順を繰り返して複数の層を積層させる。ステップS114において、形成すべき層がこれ以上はない場合は、ステップS116に移行する。
(チ)ステップS116において、インクジェット装置1から図8に示すような3D造形物前駆体を取り出し、サポート材を除去する。
以上により、3D造形物を作製することができる。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
1.モデル材インクの調製
1-1.モノマー組成物
表1に記載の光硬化性モノマーを表2に記載の組成に応じた量で混合し、モノマー組成物1〜9を調製した。
表1において、「SP値」に記載の数字は、それぞれのモノマーのSP値を表す。
表2において、「モノマー」の欄に記載の数字は、それぞれのモノマー組成物が含有する表1に記載のモノマーの量(質量%)を表す。「SP値」の欄に記載の数字は、それぞれのモノマー組成物のSP値を表す。それぞれのモノマー組成物のSP値は、市販のパーソナルコンピュータにインストールしたScigress Version 2.6、富士通社にそれぞれの化合物の構造を代入し、Bicerano法によって推定されたSP値δ、およびモノマーの分子量および質量%から求められるそれぞれのモノマーの体積分率φを、上記式1に代入して得た値である。「Tg」の欄に記載の数字は、それぞれのモノマー組成物のTgを表す。Tgは、それぞれのモノマー組成物を重合させた重合体の弾性値をARES-G2、ティー・エイ・インスツルメント社製を用いて測定して得られるtanΔのグラフ中の、ピーク(変曲点)の温度として得た値である。
Figure 0006451288
Figure 0006451288
1-2.ポリマー
1−2−1.ウレタンポリマー1の調製
重量平均分子量が約2000のポリプロピレングリコールであるETERNACOLL UH−200、宇部興産社製(「ETERNACOLL」は同社の登録商標)と、ノルボルネンメタンイソシアネートとをモル比で1:1となるように混合し、トルエンおよび錫触媒をさらに加えた混合液を70℃に加熱した。4時間後に反応停止剤としてポリカーボネートジオールに対するモル比が4:1となる量のヒドロキシエチルアクリレートを加え2時間静置し、重量平均分子量が8500であり官能基当量が2であるウレタンポリマー1−1を得た。
反応停止剤をエタノールにした以外はウレタンポリマー1−1と同様にして、重量平均分子量が8500であり官能基当量が0であるウレタンポリマー1−2を得た。
ウレタンポリマー1−1とウレタンポリマー1−2とをモル比が1:1となる量で混合して、重量平均分子量が8500であり官能基当量が1であるウレタンポリマー1を得た。
1−2−2.ウレタンポリマー2〜5の調製
ウレタンポリマー1−1およびウレタンポリマー11を調製する際の反応時間を、得られるポリマーの重量平均分子量が表3に記載の各数値になるように調整した以外はウレタンポリマー1と同様にして、ウレタンポリマー2〜5を得た。
1−2−3.ウレタンポリマー6の調製
ウレタンポリマー1−1およびウレタンポリマー11を調製する際に用いたポリプロピレングリコールを重量平均分子量が約3000であるETERNACOLL UH−300、宇部興産社製にし、得られるポリマーの分子量が16000になるように反応時間を調整した以外はウレタンポリマー1と同様にして、重量平均分子量が16000であり官能基当量が1であるウレタンポリマー6を得た。
1−2−4.ウレタンポリマー7の調製
ウレタンポリマー1−1およびウレタンポリマー11を調製する際に用いたポリプロピレングリコールを重量平均分子量が約1000であるプラクセル CD210、ダイセル化学工業社製(「プラクセル」は同社の登録商標)にし、得られるポリマーの分子量が8000になるように反応時間を調整した以外はウレタンポリマー1と同様にして、重量平均分子量が8000であり官能基当量が1であるウレタンポリマー7を得た。
1−2−5.ウレタンポリマー8の調製
ポリプロピレングリコールを重量平均分子量が約2000であるOD−X−102、DIC社製にした以外はウレタンポリマー11と同様にして、重量平均分子量が19000であり官能基当量が2でありエステル基を有する構成部分を含むウレタンポリマー8を得た。
1−2−6.ウレタンポリマー9の調製
ポリプロピレングリコールを重量平均分子量が約2000であるOD−X−102、DIC社製にした以外はウレタンポリマー11と同様にして、重量平均分子量が11000であり官能基当量が1でありエーテル基を有する構成部分を含むウレタンポリマー9を得た。
1−2−7.ウレタンポリマー11の調製
反応時間を、得られるポリマーの重量平均分子量が10000になるように調整した以外はウレタンポリマー1−2と同様にして、ウレタンポリマー11を得た。
1−2−8.その他のポリマー
その他のポリマーとして、以下の製品を用いた。
ウレタンポリマー10:UN−7600、根上工業社製
ブタジエンゴム:BAC−45、大阪有機化学社製(ブタジエンゴムジアクリレート)
イソプレンゴム:UC−102、クラレ社製(イソプレンゴムメタクリレート)
メタクリル酸メチルゴム:AA−6、東亜合成社製(ポリメタクリル酸メチル)
表3に、それぞれのポリマーを示す。表3において、「分子量」の欄に記載の数値はそれぞれのポリマーの重量平均分子量であり、「官能基当量」の欄に記載の数値はそれぞれのポリマーの当量官能基当量であり、「SP値」の欄に記載の値はそれぞれのポリマーのSP値であり、「C4〜C7」の欄の記載はそれぞれのポリマーにおける炭素数4〜7の二重結合を有する直鎖炭化水素構造からなる構成部分の有無であり、「官能基構成部分」の欄に記載の官能基はそれぞれのポリマーがエーテル基、エステル基またはカーボネート基を有する場合の、その官能基であり、「Tg」の欄に記載の数値は、それぞれのポリマーのTgである。SP値は、SP値は、市販のパーソナルコンピュータにインストールしたScigress Version 2.6にそれぞれの化合物の構造を代入し、Bicerano法によって推定された値である。
Figure 0006451288
1-3.モデル材インク
表2に記載のモノマー組成物、表3に記載のポリマーおよび開始剤であるDAROCUR TPO(BASF社製、「DAROCUR」は同社の登録商標、以下単に「TPO」ともいう。)を、表4〜表8に記載の組成に応じた量で、80℃に加温しながら攪拌しながら溶解させ、3Dインクを調製した。
表4〜表8において、「SP値差」の欄に記載の数値は、モノマー組成物のSP値からポリマーのSP値を減算して得た値であり、「Tg差」の欄に記載の数値は、ポリマーのTgからモノマー組成物のTgを減算して得た値である。
Figure 0006451288
Figure 0006451288
Figure 0006451288
Figure 0006451288
Figure 0006451288
2.サポート材インク
以下の成分を以下の量で混合および溶解させてサポート材インクを作製した。
オクタデカノール 60質量部
ヘキサデカノール 40質量部
3.IJ−UV法による3D造形物の製造
3−1.第1の3D造形物1〜57の製造
モデル材インク1を第1ヘッド(ピエゾヘッド512L、コニカミノルタIJ社製)に、サポート材インクを同様の型式の第2ヘッドに充填した。ステージを水平方向に走査しながら、第1ヘッドからモデル材インク1を、第2ヘッドからサポート材インク200をそれぞれ出射し着弾させ、UV光を照射して硬化させて、図9Aに示すように、モデル材層100およびサポート材層200を含む第1層を形成した。次いで垂直方向にヘッドと光源を上昇させ、形成した層上にモデル材インク1およびサポート材インクを着弾させて同様に硬化させ、図9Bに示すように第2層を積層した。第2層の形成を繰り返し、所定の厚みになった後、モデル材インク1およびサポート材インクを、形成した層上の第1層および第2層とは異なる位置に着弾させて同様に硬化させ、図9Cに示すように第3層を積層した。必要に応じてモデル材インク1およびサポート材インクを出射する位置を変更しながら第3層を積層する工程を繰り返し、図9Dに示すようなモデル材110およびサポート材210を有する3D造形物前駆体1を製造した。
インク出射時のヘッド温度は、「75℃以下であってインクの粘度が10mPa・sとなる温度」、あるいは75℃でもインクの粘度が10mPa・s超となる場合は「75℃」に設定した。インク出射時の1滴の液滴量は42pl、周波数は8kHzとした。UV光源は395nmのLEDを用い、各層が照度100mW/cmで1秒間光照射される条件に設定した。
上記3D造形物前駆体1を60℃のオーブンに5分間入れてサポート材210を除去して、第1の3D造形物1を得た。
モデル材インク1をモデル材インク2〜57に変更した以外は同様にして、第1の3D造形物2〜57を得た。
3−2.第2の3D造形物1〜57の製造
第1の3D造形物1〜57と同様にして、図10に示す形状を有する第2の3D造形物1〜57を製造した。
4.評価
4−1.相分離性
第1の3D造形物1〜57のそれぞれについて、500μm以上の粗大な相分離が見られるか否かを目視で確認した。粗大な相分離が見られない第1の3D造形物について、弾性値をARES-G2、ティー・エイ・インスツルメント社製を用いて測定し、tanΔのグラフにピーク(変曲点)が見られるか否かを調べた。2つのピークが見られた場合、ポリマーとモノマーおよび光重合開始剤とが相分離していて、3D造形物が2つのTgを有すると判断した。
○ :2つのシャープなピークが見られる
△ :2つのシャープではないピークが見られる
× :1つのピークしか見られない。
××:500μm以上の粗大な相分離が見られる
4−2.出射性
モデル材インク1〜57のそれぞれについて、3℃/分の昇温速度でインクを−20℃から100℃まで昇温させ、アントンパール社製のレオメータMCR102用いて、70℃でのインク粘度を測定した。インク粘度が20mPa・s以下であるとき、吐出ヘッドからの出射性がよく、3D造形物を製造できると判断した。
○:インク粘度が20mPa・s未満である
△:インク粘度が20mPa・s以上25mPa・s未満である
×:インク粘度が25mPa・s以上である
4−3.降伏応力
第1の3D造形物1〜57について、テンシロン万能試験機 RTF−2430型、エー・アンド・デイ社製を用いて、引張速度:20mm/min、チャック間距離:5cmで引張試験を行い、破断時の応力を測定した。
◎:破断時の応力が40MPa以上である
○:破断時の応力が30MPa以上40MPa未満である
△:破断時の応力が20MPa以上10MPa未満である
×:破断時の応力が10MPa未満である
4−4.破断伸び
第1の3D造形物1〜57について、テンシロン万能試験機 RTF−2430型、エー・アンド・デイ社製を用いて、引張速度:20mm/min、チャック間距離:5cmで引張試験を行い、破断時の伸びを測定した。
◎:破断時の伸びが15%以上である
○:破断時の伸びが10%以上15%未満である
△:破断時の伸びが5%以上10%未満である
×:伸びが5%未満で脆性破壊した
4−5.耐衝撃性
第2の3D造形物1〜57について、アイゾット衝撃試験機、安田精機製作所製にてハンマー5.5J、アイゾット試験モードで、JIS K7110に基づいて、破壊に要したエネルギー(kJ/m)を測定した。
◎:10kJ/m2以上で破壊された
○:5kJ/m2以上10kJ/m2未満で破壊された
△:2kJ/m2以上5kJ/m2未満で破壊された
×:2kJ/m2以下で破壊された
4−6.結果
結果を表9〜表13に示す。
Figure 0006451288
Figure 0006451288
Figure 0006451288
Figure 0006451288
Figure 0006451288
本発明のモデル材インクの組成によれば、モノマー組成物とポリマーとが相分離し、降伏応力、破断伸び、耐衝撃性がいずれも高い3D造形物を製造することができた(モデル材インク2〜7、10、11、14、15、18、19、23〜33、35、36、41〜43、44〜57)。
一方で、モノマー組成物に対するポリマーの含有量が15質量%未満の場合は、製造された3D造形物の伸びおよび耐衝撃性が低くなり(モデル材インク1と2〜7との比較、およびモデル材インク8と9〜11との比較による。)、モノマー組成物に対するポリマーの含有量が40質量%より多い場合は、モデル材インクの粘度が高くなって吐出ヘッドから射出しにくくなり、かつ、製造された3D造形物に相分離が生じなかったため降伏応力が低くなった(モデル材インク8と2〜7との比較、およびモデル材インク12と9〜11との比較による。)。
ポリマーの分子量が5000未満の場合は、製造された3D造形物に相分離が生じなく、伸びおよび耐衝撃性が低くなった(モデル材インク13と14〜15との比較、およびモデル材インク17と18〜19との比較による。)。ポリマーの分子量が30000より大きい場合は、モデル材インクの粘度が高くなって吐出ヘッドから射出しにくくなり、かつ、製造された3D造形物に相分離が生じなかったため降伏応力および耐衝撃性が低くなった(モデル材インク16と14〜15との比較、およびモデル材インク20と18〜19との比較による。)。
モノマー組成物の溶解度パラメータとポリマーの溶解度パラメータとの差が0.5(cal/cm1/2未満の場合は、製造された3D造形物に相分離が生じなかったため、降伏応力、破断伸びおよび耐衝撃性がいずれも低くなった(モデル材インク26と34との比較、およびモデル材インク37〜40と41〜43との比較による。)。モノマー組成物の溶解度パラメータとポリマーの溶解度パラメータとの差が2.0(cal/cm1/2より大きい場合は、製造された3D造形物に相分離が生じなかったため、破断伸びおよび耐衝撃性がいずれも低くなった(モデル材インク21、22と29、30との比較による。)。
モノマー組成物とポリマーとの間のTgの差が80℃以上であると、製造した3D造形物の耐衝撃性がより高くなった(モデル材インク44〜56と57との比較による。)。これは、モノマー組成物とポリマーとの間のTg差が大きいため、3D造形物に衝撃が付与された際に多くのクレーズが発生し、これらのクレーズが衝撃を吸収したためと考えられる。
ポリマーのTgが0℃以下であると、製造した3D造形物が破断するまでの伸びがより長くなり、かつ、耐衝撃性がより高くなった(モデル材インク44〜56と57との比較による。)。
ポリマーが光重合性の官能基を有すると、製造した3D造形物の耐衝撃性がより高くなった(モデル材インク44〜54と55〜57との比較による。)。これは、ポリマーが有する光重合性の官能基がモノマー組成物に含有されるモノマーと反応することにより、モノマー組成物にポリマーが取り込まれやすくなり、ポリマーの粒径が小さくなったことによると考えられる。
ポリマーが、炭素数が4以上7以下の、二重結合を含む直鎖炭化水素からなる構成部分を有すると、製造した3D造形物の耐衝撃性がより高くなった(モデル材インク44、45と48〜57との比較による。)。
ポリマーが、カーボネート基、エステル基またはエーテル基を有する構成部分を有すると、製造した3D造形物の降伏応力がより高くなった(モデル材インク44〜48、50、51、53〜55と49、52との比較による。)。
ポリマーがポリウレタンであると、製造した3D造形物の耐衝撃性がより高くなった(モデル材インク44〜56と57との比較による。)。これは、ポリウレタンはモノマー組成物と相溶な構成部分および非相溶な構成部分を有するため、より細かい相分離構造が形成され、ポリマーの粒径が小さくなったことによると考えられる。
5.SLA法による3D造形物の製造および評価
リプロピレングリコール4000、和光純薬社製を添加して常温での粘度が300CPになるように調整したモデル材インク3をパーフェクトリー3、エンビションテック社製に投入して、第2の3D造形物と同じ形状のネジ打ち部品を作成した。このネジ打ち部品の貫通孔に、トルクを0.58N、0.88N、1.2Nと変えて、座付なべタッピンねじBタイトM3×8mmを電動トルクドライバ−で挿入し、部品の破損状況を評価した。結果を表14に示す。
○ ネジ打ち部品が破損せず、ネジが空回りしない
× ネジ打ち部品が破損するか、またはネジが空回りする
Figure 0006451288
第2の3D造形物1は、トルクが1.20Nまで部品が破損しなかった。これは、インクジェット吐出では液滴単位で形成された微細な海島構造に光を均一に照射されるため、製造された3D造形物にも微細で均一な相分離が生じたためと考えられる。
一方で、上記ねじ打ち部品は、強度が弱く、0.88Nで部品が破損した。これは、SLA法では液面の揺らぎを抑えるためインクの粘度をある程度高くする必要があり、この粘度で光照射して硬化させるとポリマーの凝集が進まず島部がうまく形成されないか粒径が小さくなってしまい、衝撃性や破断伸びが低くなっていると考えられる。また、SLA法では、光の拡散の影響で中心部と界面の光強度に差が生じ、島の形成が不均一になったことも強度低下の原因として考えられる。
本発明に係る3D造形物の製造方法によれば、靱性が高い3D造形物を製造することができるため、ネジ打ち部品やスナップ部品等の、作用時に負荷がかかる製品の試作品の製造に好ましく用いることができる。
1 インクジェット部
2 演算制御部
3 記憶装置
4 入力装置
5 出力装置
6 表示装置
11 ステージ
12 インクジェット装置
13 モデル材インク用インクジェットヘッド
13a 配管
13b ポンプ
13c モデル材インクタンク
14 サポート材インク用インクジェットヘッド
14a 配管
14b ポンプ
14c サポート材インクタンク
15 膜厚調整用ローラ
16 光源
21 演算部
22 インク選択部
23 ステージ制御部
24 インクジェット制御部
25 ローラ制御部
26 光源制御部
Ma モデル材インク
S サポート材インク
100 モデル材層
110 モデル材
200 サポート材層
210 サポート材

Claims (10)

  1. 光重合性モノマー、ポリマーおよび光重合開始剤を含有するインクジェット方式による3D造形用の光硬化性のモデル材インクであって、
    前記ポリマーの分子量は5000以上30000以下であり、
    前記光重合性モノマーと前記ポリマーとの間の溶解度パラメータの差は0.5(cal/cm1/2以上2.0(cal/cm1/2以下であり、
    前記モデル材インクにおける、前記光重合性モノマーに対する前記ポリマーの質量比は、85/15以上60/40以下であることを特徴とする、モデル材インク。
  2. 前記光重合性モノマーと前記ポリマーとの間のガラス転移温度の差は80℃以上であることを特徴とする、請求項1に記載のモデル材インク。
  3. 前記ポリマーのガラス転移温度は0℃以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載のモデル材インク。
  4. 前記ポリマーは、ポリマー1モルあたり1モル当量以上の、光重合性の官能基を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のモデル材インク。
  5. 前記ポリマーは、炭素数が4以上7以下の、二重結合を含む直鎖炭化水素からなる構成部分を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のモデル材インク。
  6. 前記ポリマーは、カーボネート基、エステル基およびエーテル基からなる群から選択される1または複数の官能基を有する構成部分を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のモデル材インク。
  7. 前記ポリマーはポリウレタンであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のモデル材インク。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のモデル材インクと、硬化性のサポート剤インクとを含む、インクジェット法による3D造形用のインクセット。
  9. 光硬化性のモデル材インクを硬化させてなるモデル材層が積層されてなる3D造形物を製造する方法であって、
    インクジェットヘッドのノズルから前記モデル材インクを吐出してモデル材インクの部分を含むインク層を形成する工程、および
    前記形成されたインク層に含まれるモデル材インクの部分に活性光線を照射してモデル材層を作製する工程を含み、
    前記モデル材インクは請求項1〜7のいずれか1項に記載のモデル材インクであることを特徴とする、3D造形物を製造する方法。
  10. インクジェットヘッドのノズルから硬化性のサポート材インクを吐出して、前記サポート材インクの部分を含む前記インク層を形成する工程と、
    前記活性光線の照射の後に、前記サポート材インクが硬化してなるサポート材層を除去する工程とをさらに含む、
    請求項9に記載の3D造形物を製造する方法。
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