JP6447989B2 - 機械刺激応答素子 - Google Patents

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Description

本発明は、機械刺激応答素子に関し、さらに詳しくは、省エネルギーに寄与するエナジーハーベスト技術に関するものであって、衝撃等の機械的な刺激によって電力(電圧、電流)を発生する新しい機械刺激応答素子に関する。
エナジーハーベストとは、光、振動、熱等のエネルギーを採取(ハーベスト)し、電力を得る技術であり、特に身の回りにあるわずかなエネルギーを電力に変換し、活用することを目的とした技術である。近年、こうしたエナジーハーベストを実現するための材料(エネルギーハーベスト材料ともいう。)が多方面で研究され、大きく期待されている。なお、このエナジーハーベストは、エネルギーハーベスト、エネルギーハーベスティング、エナジーハーベスティング、環境発電ともいうことがある。
ところで、本発明者は、誘電性高分子材料を用いたアクチュエータについて報告している。例えば特許文献1では、誘電性高分子を用いた低電場で駆動可能な高分子柔軟アクチュエータを提供している。この技術は、誘電性高分子、可塑剤と、ホスホニウム系カチオンおよびアンモニウム系カチオンから選ばれるイオン液体からなるゲル1を含んでいる。また、特許文献2では、エネルギー損失が小さく、新しい用途に応用できる電気光学効果を示すゲル状ポリマーデバイス及びその製造方法を提供している。この技術は、電気光学効果を示す高誘電性ゲル状高分子材料と、そのゲル状高分子材料にバイアス電圧を印加する電極とを有し、そのゲル状高分子材料の比誘電率が0.01Hzで所定の値以上であるように構成している。こうした誘電性高分子材料を用いたアクチュエータは、小型軽量かつ柔軟な人工筋肉や電圧駆動装置等への応用が多方面で期待されている。
特開2009−273204号公報 特開2013−190547号公報
本発明の目的は、新しいエナジーハーベスト技術を提供するものであって、衝撃等の機械的な刺激によって電力(電圧、電流)を発生する新しい機械刺激応答素子を提供する。
上記課題を解決するための本発明に係る機械刺激応答素子は、機械刺激によって電圧を発生する素子であって、機械刺激応答層と、該機械刺激応答層を挟む少なくとも一対の電極とを有し、前記機械刺激応答層は、ポリマーと該ポリマーを可塑化する化合物とを有し、前記ポリマー又は前記化合物が、衝撃によって電荷が生じることを特徴とする。
本発明に係る機械刺激応答素子において、(ア)前記電荷が、正電荷又は負電荷である、(イ)前記ポリマー又は前記化合物が、極性を有する、(ウ)前記化合物が、可塑剤又は溶媒である、(エ)前記電荷が、前記機械刺激応答層のうち機械刺激された側の電極で発生する、(オ)前記電荷が、前記機械刺激応答層のうち機械刺激されない側の電極で発生しない、(カ)前記ポリマーと前記化合物が、帯電列で差がある、(キ)前記ポリマーと前記化合物が、移動度に差がある、のいずれか1又は2以上の特徴を有する。
本発明に係る機械刺激応答素子によれば、新しいエナジーハーベスト技術を提供することができる。特に、衝撃等の機械的な刺激によって電力(電圧、電流)を発生する新しい機械刺激応答素子を提供することができる。
本発明に係る機械刺激応答素子の一例を示す模式断面図である 本発明に係る機械刺激応答素子のメカニズムの説明図である。左系列はポリマーが電荷を発生する例であり、右系列はポリマーを可塑化させる化合物が電荷を発生する例である。 化合物量を増していく過程で電圧が変化して正負反転する例を示す模式的なグラフである。 化合物量を増していく過程で電圧が変化するが正負反転しない例を示す模式的なグラフである。 実施例1で得た機械刺激応答素子の実験結果を示すグラフである。 実施例1で得られた結果をまとめたグラフである。 実施例1で得た機械刺激応答素子において、可塑剤量を増していく過程で電圧が変化して正負反転する例を示す模式的なグラフである。
以下、本発明に係る機械刺激応答素子について説明するが、本発明は下記の説明及び図面に記載された内容のみに限定されない。
[機械刺激応答素子]
本発明に係る機械刺激応答素子10は、図1に示すように、機械刺激によって電圧を発生する素子であり、機械刺激応答層1と、その機械刺激応答層1を挟む少なくとも一対の電極2,2とを有する。そして、その機械刺激応答層1は、ポリマーとそのポリマーを可塑化する化合物とを有し、そのポリマー又は化合物が、衝撃によって電荷が生じることに特徴がある。
この機械刺激応答素子10は、新しいエナジーハーベスト技術として利用することができる。特に、衝撃等の機械的な刺激によって電力(電圧、電流)を発生する新しい機械刺激応答素子である。この機械刺激応答素子10は、従来の汎用高分子に容易に応用することができる技術であり、大きな可能性を持つことが期待される。この技術は、エネルギーハーベストに応用する際、ポリマーと化合物の種類や配合量を変えて特性をコントロールすることができるので、所望の素子設計を可能になるという格別の利点も備えている。
以下、機械刺激応答素子10の構成要素について説明する。
(電極)
電極1は、図1及び図2に示すように、機械刺激応答層1を挟むように少なくとも一対設けられている。電極2,2を設ける形態は、機械刺激応答層1を挟むように全面に設けられていてもよいし、一部を挟むように設けられていてもよい。また、少なくとも一対設けられていれば、二対でも三対でもよい。また、片面は全面で、他面は複数設けられていてもよい。面に複数設ける場合は、平面視で重ならないように設けられる。なお、平面視で重なる場合は、電気的に一体化されるので、もはや別々の電極ではなくなる。
電極2の種類は、必要とされる電気伝導性のある材料であればよく、例えば、アルミニウム、銅、チタン等の金属材料又はその合金等を用いることができる。また、インジウム錫オキサイド、カーボン材料等の導電性無機材料、導電性有機材料等であっても、必要な電気伝導性を有するものであれば、公知の電極材料から選択して用いてもよい。電極2の形状も特に限定されず、シート状、フィルム状、メッシュ状、網状、櫛状等、機械刺激応答層1の形状に応じた任意の形状であればよい。電極2の厚さも特に限定されず、抵抗や電気伝導性等を加味して任意の厚さに設定すればよい。電極2の形成方法としては、予め準備した電極を機械刺激応答層1に導電ペースト等で貼り合わせることが好ましいが、低温蒸着等の成膜手段で設けてもよいし、他の公知の方法で設けておよい。
こうした電極2は、制御装置に接続され、必要に応じて信号処理され、その受信信号をトリガーとして次の処理を行わせることができる。また、必要に応じてバッテリーに接続され、電力として蓄電してもよい。
(機械刺激応答層)
機械刺激応答層1は、ゲル状の高分子材料(ポリマー)で主に構成されている。「主に」としたのは、ポリマーを軟らかくする化合物(可視性化合物)を含んでいるためである。この機械刺激応答層1は、図1に示すように、電極2,2で挟まれている。この機械刺激応答層1は、図1及び図2に示すように、一方の電極2(図1及び図2の例では符号2a)に衝撃(負荷)が加わることによって電位差が生じ、電圧が発生する。
電位差発生メカニズムは、以下のように考えられる。
先ず、図2(1)に示すように、機械刺激応答層1はポリマーがゲル状に分散している。このゲル状のポリマーは、衝撃(負荷ともいう。)3が加わるまでは帯電していない。
次に、図2(2a)のポリマーリッチの例では、一方の電極2aに衝撃3が加わると、その電極2a近傍のゲル状ポリマーに歪みが発生し、ポリマー鎖と化合物との間の分子間摩擦によりポリマーが帯電する。こうして機械刺激応答層1のうち、電極2a近くのポリマーが例えば負電荷に帯電した状態になる。このとき、電荷の中和を図るために、図2(3a)に示すように、電極2aが正に帯電する。正に帯電した電極2aと、もう一方の側でなにも帯電しない他の電極2bとの間には起電力が生じ、電極間で電位差が生じて電圧が発生する。こうした原理によって、衝撃3によって電圧が発生する。
一方、図2(2b)の化合物リッチの例では、一方の電極2aに衝撃3が加わると、その電極2a近傍のゲル状ポリマーに歪みが発生し、ポリマー鎖と化合物との間の分子間摩擦により化合物が帯電する。こうして機械刺激応答層1のうち、電極2a近くの化合物が例えば正電荷に帯電した状態になる。このとき、電荷の中和を図るために、図2(3b)に示すように、電極2aが負に帯電する。負に帯電した電極2bと、もう一方の側でなにも帯電しない他の電極2bとの間には起電力が生じ、電極間で電位差が生じて電圧が発生する。こうした原理によって、衝撃3によって電圧が発生する。
このように、電荷は、機械刺激応答層1のうち機械刺激された側の電極2aで発生し、機械刺激されない側の電極2bで発生しない。こうしたことから、電極間に電位差が生じて電圧が発生する。なお、上記の例では、「ポリマーリッチ」、「化合物リッチ」と言っているが、これは量が多いと言うことではなく、ポリマーと化合物のどちらが衝撃3によって電荷が生じるという観点でのリッチ(豊富)又はプア(乏しい)である。
図3(A)は、後述の実施例2で説明する図7と同様の特性を示す機械刺激応答素子10の例であり、ポリマーが衝撃によって負に帯電するものを用い、化合物が衝撃によって正に帯電するものを用いた例である。一方、図3(B)は、ポリマーが衝撃によって正に帯電するものを用い、化合物が衝撃によって負に帯電するものを用いた例である。また、図4(A)は、ポリマーが衝撃によって負に帯電するものを用い、化合物が衝撃によって正にも負にも帯電しないものを用いた例である。一方、図4(B)は、ポリマーが衝撃によって正に帯電するものを用い、化合物が衝撃によって衝撃によって正にも負にも帯電しないものを用いた例である。このように、ポリマーと化合物の種類を変更することによって、機械刺激応答素子10に、図3及び図4に示すような任意の特性を持たせることができる
こうした原理で作動する機械刺激応答素子10は、衝撃3を受けた電極2近傍の機械刺激応答層1で発生する電荷は、正電荷であっても負電荷であってもよく、そのときのポリマーと化合物の種類に応じたいずれかになる。
また、ポリマー及び化合物のいずれか又は両方が極性を有することが好ましい。それらが極性を有する場合、衝撃3によって分極し、電荷が容易に発生する。
また、大きな電位差を生じさせるためには、ポリマーと化合物とが、帯電列で差があることが好ましい。帯電列とは、2つの材料が擦り合わされた場合、静電気が起きてそれぞれ正又は負に帯電するときの正負の並びであり、摩擦帯電列ともいう。この帯電列は一般に公表されているが、列の離れた場所に位置するものを擦ると強い静電気が起きる。機械刺激応答層1を構成するポリマーと化合物も、帯電列が離れているもの同士であれば、より大きい静電電荷を生じるので、衝撃3を受けた側の電極近傍で大きな電荷が生じ、大きな電圧が発生する。
また、ポリマーと化合物が、移動度に差があることが好ましい。移動度に差がある場合、一方の移動度が相対的に大きくなり、一方の電極2aに衝撃3が加わると、その電極2a近傍のポリマー又は化合物のいずれかが大きく移動し、両者間に大きな摩擦が生じ易くなる。その結果、より大きい静電電荷を生じるので、衝撃3を受けた側の電極近傍で大きな電荷が生じ、大きな電圧が発生する。
こうしたメカニズムで作動する機械刺激応答素子10は、ゲル状の機械刺激応答層1からのエネルギー取り出しが可能である。ポリマーと化合物の選択の自由度も高く、身近な材料を活用でき、特段の留意点がなく極めて容易にコントロールすることができる。また、使用にあたっても、通常のフィルムと同様の扱いが可能であり、利便性にも優れる。また、圧電材料等は広く利用されているものの、限定された素材が使われているにすぎず、必ずしも応用範囲が大きくない。しかし、本発明で提案する機械刺激応答素子は、誘電性ゲルの電歪アクチュエータ開発の過程で見出された新規な素子であり、極めてユニークな特性を示している点で、応用範囲も広く、素子設計の自由度も大きい。
(ポリマー)
ポリマーは、後述する化合物で可塑化されやすいものであればよい。そうしたポリマーの一例としては、ポリマーを主に含むものであり、イオン性材料や導電性材料を含まず、且つそれ自体がイオン伝導性や電気導電性を示さない材料であることが好ましい。こうしたポリマーは、衝撃3によって電荷が発生し易い。
このポリマーは、ポリマーに後述の可塑化剤や溶媒等のゲル化剤を配合してゲル状にする前では、一般的な絶縁性の高分子化合物である。こうしたポリマーは、誘電率が小さく、通常、比誘電率として2〜9程度の範囲である。しかし、ポリマーをゲル化した材料は、イオン性材料や導電性材料を含まないので、それらイオン性材料や導電性材料に基づいて流れる電流による発熱等のエネルギー損失が極めて小さい。
ポリマーとしては、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ナイロン(Nylon)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリケトン(PK)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリnブチルアクリレート(PnBA)、セルロース、羊毛等の群から選ばれるいずれか1又は2以上の高分子化合物を用いることができる。
(化合物)
化合物は、上記したポリマーをゲル化させる程度に可塑化できる可塑剤又は溶媒である。そうした可塑剤としては、公知の絶縁性の可塑剤を用いることができる。例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジブチル(フタル酸ジ−n−ブチル)等のフタル酸エステル;アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジイソノニル等のアジピン酸エステル;トリメリット酸トリオクチル等のトリメリット酸エステル;ポリエステル;リン酸トリクレシル等のリン酸エステル;アセチルクエン酸トリブチル等のクエン酸エステル;エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油等のエポキシ化植物油;セバシン酸エステル;アゼライン酸エステル;マレイン酸エステル;安息香酸エステル等を挙げることができる。
いずれの可塑剤を用いるかはポリマーの種類によって選択される。また、その可塑剤の配合割合もポリマーの種類によって設定されるが、通常、可塑剤を多く配合することが好ましい。配合割合は、ポリマー:可塑剤(質量比)=1:0.5〜1:10の範囲内とすることが好ましい。
ゲル化のために配合する溶媒として、ベンゼン、トルエン等の低誘電率(ε=2〜8)の溶媒を用いてもよいし、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)等の高誘電率(ε=20〜40)の溶媒を用いてもよい。
いずれの溶媒を用いるかはポリマーの種類によって選択される。また、その溶媒の配合割合もポリマーの種類によって設定されるが、通常、溶媒は上記した可塑剤ほどは配合しない。配合割合は、ポリマー:溶媒(質量比)=1:0.5〜1:5の範囲内とすることが好ましい。
ゲル状機械刺激応答層1は、上記ポリマーに可塑性を付与するための化合物又は溶媒を加えてゲル化したものである。ゲル化は、ポリマーにゲル化剤を付与して行うことができる。ゲル化剤は、ポリマーの種類にもよるが、例えば、可塑化剤、溶媒等を用いることができる。可塑化剤や溶媒等のゲル化剤は、所望のゲル強度となるようにその配合量が決められる。
その他の構成として、機械刺激応答素子10の電極2,2を覆うように保護膜が設けられていることが望ましい。この機械刺激応答素子10は、機械的な衝撃を電極側から与えて電圧を発生させていることから、その電極が衝撃で破壊したり亀裂が生じないように保護するための保護膜が設けられる。保護膜としては、特に限定されないが、有機系の保護膜であってもよいし、無機系の保護膜であってもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
[実施例1]
重合度が1700のポリ塩化ビニル(Ryuron paste 810:登録商標、東洋曹達工業株式会社)とアジピン酸ジブチル(DBA)とを質量比(PVC:DBA)で1:1に配合し、十分に撹拌した。各溶液を150℃で予熱したガラスセルに注いだ。ガラスセルの対向する壁面には、予めアルミニウム電極を配置しておき、注入した溶液を150℃で30分間加熱して、電極間に、縦2cm、横1cmのゲル状の可塑化PVCを作製した。こうして9種類のゲル状の機械刺激応答素子を得た。
(測定)
得られた機械刺激応答素子をテーブル上に置き、電極をPCデータロガーに接続した。機械刺激応答素子の上方10cmの位置から鋼球(直径:11cm、重さ:5.5g)を落下させて、電圧値と電流値とを測定した。そのときの結果を図5に示した。図5中の「1st」は鋼球が最初に機械刺激応答素子に落下したときの電圧と電流であり、「2nd」はバウンドした後の2回目の落下時であり、「3rd」はバウンドした後の3回目の落下時であり、「4th」はバウンドした後の4回目の落下時である。図6は、図5で得られた電圧値と電流値とを利用したグラフであり、横軸は図5で得られた発生電圧であり、縦軸はその発生電圧のときの電流値の2乗に時間を乗じた結果(E=(電流)×時間)である。図6の結果より、機械刺激応答素子に衝撃が加わったとき、マイナス電圧が発生し、その発生電圧値はエネルギーEに正比例していた。この結果は、機械刺激を電気エネルギーに変換(発電)していることを示している。
[実施例2]
実施例2では、PVC:DBAを質量比で、1:0、1:0.5、1:0.6、1:0.7、1:0.8、1:0.9、1:1、1:2、1:3でそれぞれ配合した。それ以外は実施例1と同様にして各機械刺激応答素子を作製した。なお、PVC:DBA=1:0のものは溶媒キャスト法により作製した。
図7は、横軸が「可塑剤/PVCポリマー」の質量比であり、縦軸が電圧値であり、可塑剤量を増していく過程で電圧が変化して正負反転する例を示す模式的なグラフである。図7に示すように、可塑剤が少ないP2までは、図2(2a)(3a)に示すようにプラス電圧が発生した。このプラス電圧は、衝撃によってPVCポリマーに歪みが発生し、ポリマー鎖と可塑剤との間の分子間摩擦によりPVCポリマーが負に帯電し、電荷の中和を図るために電極が正に帯電したものと考えられる。また、可塑剤を増したP1までは、可塑剤が相対的に増してきて、可塑剤の正電荷が発生し始め、PVCポリマーの負電荷と可塑剤の正電荷とが相殺されてきて、プラスの電圧値が減少したと考えられる。
図7のP1で電圧が0になり、その0を境に正負が反転し、可塑剤が正に帯電し、電荷の中和を図るために電極が負に帯電したものと考えられる。また、可塑剤を増したP3までは、可塑剤が相対的に増してきて、可塑剤の正電荷がさらに増し、マイナス電圧がさらに増した。しかし、可塑剤をさらに増すと、ゲルの流動性が増して剤がさらに増してきて、ポリマー鎖と可塑剤との間の分子間摩擦が減少し、電圧が減少して電圧が0に近づいていくものと考えられる。
1 機械刺激応答層
2,2a,2b 電極
3 衝撃(負荷)
10 機械刺激応答素子
20 鋼球




Claims (5)

  1. 機械刺激によって電圧を発生する素子であって、
    機械刺激応答層と、該機械刺激応答層を挟む少なくとも一対の電極とを有し、
    前記機械刺激応答層は、ポリマーと該ポリマーを可塑化する化合物とを有し、前記ポリマー又は前記化合物が前記機械刺激によって正電荷又は負電荷を生じさせる極性を有し、
    前記素子において、前記機械刺激によって前記ポリマーと前記化合物とに生じる電荷の形態が、前記ポリマーが前記機械刺激によって負に帯電し、前記化合物が前記機械刺激によって正に帯電する形態、前記ポリマーが前記機械刺激によって正に帯電し、前記化合物が前記機械刺激によって負に帯電する形態、前記ポリマーが前記機械刺激によって負に帯電し、前記化合物が前記機械刺激によって正にも負にも帯電しない形態、前記ポリマーが前記機械刺激によって正に帯電し、前記化合物が前記機械刺激によって正にも負にも帯電しない形態、の4形態に分けられ
    前記電荷が、前記機械刺激応答層のうち機械刺激されない側の電極で発生しない、ことを特徴とする機械刺激応答素子。
  2. 前記化合物が、可塑剤又は溶媒である、請求項1に記載の機械刺激応答素子。
  3. 前記電荷が、前記機械刺激応答層のうち機械刺激された側の電極で発生する、請求項1又は2に記載の機械刺激応答素子。
  4. 前記ポリマーと前記化合物が、帯電列で差がある、請求項1〜のいずれか1項に記載の機械刺激応答素子。
  5. 前記ポリマーと前記化合物が、移動度に差がある、請求項1〜のいずれか1項に記載の機械刺激応答素子。
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