JP6447511B2 - 色分解合成プリズムおよびそれを用いた光学系 - Google Patents

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Description

本発明は、プロジェクタが備える色分解合成プリズムに関し、特に、照明用光源としてレーザー光源を用いたプロジェクタに好適な色分解合成プリズムおよびそれを用いた光学系に関する。
従来から、録画装置に内蔵したビデオ映像やパソコンに内蔵した文書や画像などのデジタル情報を投影する装置として、反射型の液晶パネルやDMD(Digital Micro-mirror Device)などの画像表示素子を用いたプロジェクタが知られている。このプロジェクタは、照明光を放射する照明用光源と、照明用光源からの照明光を画像表示素子に導く照明光学系と、画像表示素子からの投影光を投射レンズに導く投影光学系を有する。
照明用光源から出射された照明光は、照明光学系を介して導光され赤、青、緑の3色の光に分離されて各色に対応する画像表示素子に照射される。画像表示素子に照射された照明光は投影光として画像表示素子から出射され、この投影光を再度合成し投影光学系を介して投射レンズに導きスクリーンに投影する。
また、照明光の分離と投影光の合成を行うために色分解合成プリズムを用いる。すなわち、色分解合成プリズムは、照明光を導く光学系と投影光を導く光学系の両方に用いられる光学部材であって、それぞれが三角柱状のプリズムを複数個組み合わされて構成される。また、光の分離と合成を行うためのダイクロイック膜を所定の面に形成しており、このダイクロイック膜を介して所定波長の光を反射し、それ以外の波長の光を透過させることにより、照明光の分離と投影光の合成を行う。
照明用光源としては、従来、高輝度のキセノンランプや高圧水銀ランプなどが用いられている。近年では、発光効率の向上や発光量の増加と共にLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)や半導体レーザーを用いたレーザー光源が実用化されている。特に、青色レーザー光源が開発されて以来、この青色レーザー光源と緑色レーザー光源と赤色レーザー光源との三原色のレーザー光源を用いた照明用光源が開発されている。
そのために、青色と緑色と赤色との三原色のレーザー光源からなる照明用光源と色分解合成プリズムと反射型の画像表示素子を備えた画像投影装置が既に提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、大きなスクリーンに画像を投影できるように、大出力のキセノンランプからなる光源と色分解合成プリズムと反射型の画像表示素子を備えた画像投影装置が既に提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2008−111889号公報 特開2007−58166号公報
色分解合成プリズムを用いた光学系においては、所定の波長帯の光を確実に反射し、その他の光を確実に透過させることが望まれる。透過させるべき光の一部が反射されると、不要な反射光が結像性能を悪化させるだけでなく、その分が光量ロスとなり照明光の利用効率が低下して問題となる。
また、反射されるべき波長帯の光の一部が透過すると、迷光となって画像劣化の要因となったり、その分が光量ロスとなり照明光の利用効率が低下したりして問題となる。
特許文献1記載の光学系は、画像表示素子からの不要光をダイクロイック膜に入射させずに分離処理させることにより、投影画像のコントラストを向上させている。しかし、ダイクロイック膜を透過する投影光の反射率を低減することにより、不要な反射光に起因する問題を抑制し、光源が放射する光の利用効率を向上させることについては十分検討されていない。
特許文献2記載の光学系は、高出力な光源を用いても投影画像が劣化しないように、ダイクロイック膜中に高熱伝導物質を含有させている。しかし、この特許文献2も光の分離と合成を行う際に、ダイクロイック膜を透過する投影光の反射率を低減することにより、不要な反射光に起因する問題を抑制し、光源が放射する光の利用効率を向上させることについては十分検討されていない。
高出力のレーザー光を用いた場合は、透過域における不要な反射光が結像性能を悪化させて問題となるだけでなく、プリズム光学面以外へ反射して接着剤などに吸収され発熱することにより不要な損傷を発生させる懸念が生じて問題となる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、レーザー光を放射する照明用光源と色分解合成プリズムを備えたプロジェクタにおいて、プリズムを透過する光の反射を低減して不要な反射光に起因する問題を抑制でき、光の利用効率を向上できる色分解合成プリズムおよびそれを用いた光学系を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、青色、緑色、赤色のレーザー光源が発する照明光を画像表示素子に導く照明光学系と、前記画像表示素子からの投影光を投射レンズに導く投影光学系を備えるプロジェクタに装備され、照明光を分離し投影光を合成する機能を有する色分解合成プリズムであって、青色域の第1波長範囲と、緑色域の第2波長範囲と、赤色域の第3波長範囲のうち、第1あるいは第3のいずれかの波長範囲の光を反射し、残りの隣接する二つの波長範囲の光を透過し、所定の入射角度において、その透過する二つの波長範囲内の平均反射率が、二つの波長範囲に挟まれる波長域の波長平均反射率よりも低いダイクロイック膜を有することを特徴としている。
上記の構成によると、レーザー光源は所定の波長範囲の光を放射するので、青色域の第1波長範囲と緑色域の第2波長範囲と赤色域の第3波長範囲は、それぞれ特有の波長範囲を有することになる。それ故、所定のダイクロイック膜を透過する隣接する二つの波長範囲の光は、それぞれ特有の波長範囲の光が主であり、二つの波長範囲に挟まれる波長域の光はほとんどないことは明らかである。従って、この範囲全ての波長範囲の反射率を一様に低く抑える必要がなく、それぞれ特有の波長範囲に相当する範囲部分の反射率を低くすることにより、不要な反射光の生成を抑制できる。従って、レーザー光を放射する照明用光源と色分解合成プリズムを備えた光学系において、プリズムを透過する光の反射を低減して不要な反射光に起因する問題を抑制でき、光の利用効率を向上できる色分解合成プリズムを得ることができる。
また本発明は上記構成の色分解合成プリズムにおいて、照明光の中心入射角度と投影光の中心入射角度における前記透過する波長範囲内の波長平均反射率が、ともに0.5%以下であることを特徴としている。この構成によると、ダイクロイック膜を透過する際に、透過光の反射率が0.5%以下であるので、レーザー光源が放射する高出力の光であっても、不要な反射光に起因する問題を抑制できて、光の利用効率を向上できる。
また本発明は上記構成の色分解合成プリズムにおいて、青色域の第1波長範囲が440〜470nm、緑色域の第2波長範囲が520〜550nm、赤色域の第3波長範囲が630〜660nmであることを特徴としている。この構成によると、所定の波長範囲で発光する半導体レーザーやLEDなどに加えて、半導体レーザーの出力を非線形結晶を用いて波長変換して得られる各種のレーザー光源を適用できる。
また本発明は、上記構成の色分解合成プリズムを用いた光学系であることを特徴としている。この構成によると、透過する二つの波長範囲内の平均反射率が、二つの波長範囲に挟まれる波長域の波長平均反射率よりも低いダイクロイック膜を有する色分解合成プリズムを用いているので、プリズムを透過する光の反射を低減して不要な反射光に起因する問題を抑制でき、光の利用効率を向上できる光学系を得ることができる。
本発明によれば、レーザー光を放射する照明用光源と色分解合成プリズムを備えたプロジェクタにおいて、プリズムを透過する光の反射を低減して不要な反射光に起因する問題を抑制でき、光の利用効率を向上できる色分解合成プリズムおよびそれを用いた光学系を得ることができる。
本発明に係る色分解合成プリズムを用いた光学系の概要を示す概略説明図である。 図1の光学系が備える色分解合成プリズムの垂直断面図である。 青色光を反射するダイクロイック膜の比較例の構成を示す説明図である。 青色光を反射するダイクロイック膜の実施例1の構成を示す説明図である。 青色光を反射するダイクロイック膜の実施例2の構成を示す説明図である。 赤色光を反射するダイクロイック膜の比較例の構成を示す説明図である。 赤色光を反射するダイクロイック膜の実施例1の構成を示す説明図である。 赤色光を反射するダイクロイック膜の実施例2の構成を示す説明図である。 青色光を反射する比較例のダイクロイック膜の反射率を示す図である。 青色光を反射する比較例のダイクロイック膜の反射率を示す図である。 青色光を反射する実施例1のダイクロイック膜の反射率を示す図である。 青色光を反射する実施例1のダイクロイック膜の反射率を示す図である。 青色光を反射する実施例2のダイクロイック膜の反射率を示す図である。 青色光を反射する実施例2のダイクロイック膜の反射率を示す図である。 赤色光を反射する比較例のダイクロイック膜の反射率を示す図である。 赤色光を反射する比較例のダイクロイック膜の反射率を示す図である。 赤色光を反射する実施例1のダイクロイック膜の反射率を示す図である。 赤色光を反射する実施例1のダイクロイック膜の反射率を示す図である。 赤色光を反射する実施例2のダイクロイック膜の反射率を示す図である。 赤色光を反射する実施例2のダイクロイック膜の反射率を示す図である。
以下に本発明の実施形態を図面を参照して説明するが、本発明はこれにより何ら制限されるものではない。また、同一構成部材については同一の符号を用い、重複する説明は適宜省略する。
本発明に係る色分解合成プリズムおよびこの色分解合成プリズムを用いる光学系は、例えばプロジェクタの光学系であり、プロジェクタに好適に適用される色分解合成プリズムである。また、照明用光源としてレーザー光を用いたプロジェクタに好適に適用されるものである。例えば、図1に示すように、レーザー光を放射する照明用光源1からの照明光Iを導く照明光学系ILと、投影光学系用プリズムPRと、色分解合成プリズムDPと、画像表示素子13と、画像表示素子13からの投影光Pを投射スクリーンに導く投影光学系PLを備える。
照明用光源1は、例えば、第1波長範囲の青色光を発光する青色レーザー光源2aと、第2波長範囲の緑色光を発光する緑色レーザー光源2bと、第3波長範囲の赤色光を発光する赤色レーザー光源2cと、の3原色の半導体レーザーから成るレーザー光源2を有する。また、複数の光源からのレーザー光は、光合成手段2Dを介して一本の照明光Iに合成される。光合成手段2Dは従来公知の装置を用いることができ、例えば、各色光を反射するダイクロイックミラーを組み合わせて用いるとよい。
照明用光源1が放射する照明光Iは照明光学系ILを介して投影光学系用プリズムPRに入射し、第1の面PR1aを介して色分解合成プリズムDPに向けて全反射し、色分解合成プリズムDPから画像表示素子13に入射する。また、画像表示素子13により変調された光は投影光として色分解合成プリズムDPに向けて出射し、色分解合成プリズムDPと投影光学系用プリズムPRを透過して投影光学系PLを介して図示しないスクリーンに投射される。
ここで、照明光学系ILは、例えば、ロッドインテグレータ3と集光レンズ4とリレーレンズ5とを有する。照明用光源1からのレーザー光はロッドインテグレータ3に入射し、内部で内面反射を繰り返して均一な光量分布となって出射して、集光レンズ4とリレーレンズ5を経由して、投影光学系用プリズム(全反射プリズム)PRの入射側に配置されたエントランスレンズ6を介して投影光学系用プリズムPRに入射する。
投影光学系用プリズムPRは、それぞれ略三角柱状の第1プリズムPR1と第2プリズムPR2とから成っており、照明光Iが全反射する第1の面PR1aを有する。この第1の面PR1aを投影光Pは透過する。また、第1の面PR1aとエアギャップを介して対向する第2の面PR2aを有し、第1の面PR1aから出射する投影光Pはこの第2の面PR2aを透過する。
すなわち、投影光学系用プリズムPRは、照明光Iが全反射し投影光Pが透過する第1の面PR1aと、エアギャップを介して投影光Pが入射して透過する第2の面PR2aを有する。第1の面PR1aは照明光Iを全反射し投影光Pは透過するが、これは、照明光Iの第1の面PR1aに対する入射角θ1は全反射角度以上に設定し、投影光Pの第1の面PR1aに対する入射角θ3は全反射角度よりも小さな角度に設定することにより実現できる。
また、第1の面PR1aおよび第2の面PR2aは投影光Pが透過する面であるので、この面に反射防止膜を具備しておれば、投影光Pが透過する際に、この面における反射率を低減して、不要な反射光の生成を防止できる。
上記したように、この投影光学系用プリズムPRによって画像表示素子13に対する入力光と出力光との分離が行われる。第1プリズムPR1は、照明光学系ILからの照明光Iを第1の面PR1aで全反射させ、色分解合成プリズムDPに入射させる。
色分解合成プリズムDPでは照明光Iが赤、緑、青の各色に分解されるとともに、画像表示素子13で変調された各色光が合成される。
次に図2を用いて色分解合成プリズムDPの一例について説明する。色分解合成プリズムDPは、略三角柱状の第1プリズムDP1及び第2プリズムDP2、略四角柱状の第3プリズムDP3、略三角柱状のクリアプリズムDP4が組み合わされている。第1プリズムDP1の、第2プリズムDP2と対向する面がダイクロイック面として機能し、この面に赤色光を反射するダイクロイック膜Rが形成されている。なお、第1プリズムDP1と第2プリズムDP2との間にはエアギャップが設けられている。そしてまた、第2プリズムDP2の、第3プリズムDP3と対向する面がダイクロイック面として機能し、この面に青色光を反射するダイクロイック膜Bが設けられている。
第2プリズムDP1と第3プリズムDP3との間にもエアギャップが設けられている。なお、ダイクロイック膜Rとダイクロイック膜Bの形成位置は逆であっても構わない。また本実施形態では、色分解合成プリズムDPにクリアプリズムDP4を用いているが、クリアプリズムDP4は特に用いなくても構わない。
クリアプリズムDP4の上面である入出射面DPaより入射した照明光Iは、ダイクロイック膜Rで赤色光が反射し、他の青色光及び緑色光は透過する。ダイクロイック膜Rで反射した赤色光は、第1プリズムDP1の側面DP1bで全反射して、第1プリズムDP1の入出射面DP1aより出射して赤用の画像表示素子11を照明する。なお、画像表示素子としてDMDの他、反射型の液晶表示装置を用いても構わない。
一方、ダイクロイック膜Rを透過した青色光と緑色光のうち、青色光は第2プリズムDP2のダイクロイック膜Bで反射し、緑色光は透過する。ダイクロイック膜Bで反射した青色光は、第2プリズムDP2の側面DP2bで全反射され、第2プリズムDP2の入出射面DP2aより出射して青用の画像表示素子(DMD)12を照明する。ダイクロイック膜Bを透過した緑色光は、第3プリズムDP3の入出射面DP3aより出射して緑用の画像表示素子(DMD)13を照明する。
画像表示素子としてDMDを用いた場合には、DMD各画素のマイクロミラー(不図示)は±12°に傾斜し、照明光Iの光軸側に12°傾いた状態では、入射角θ2=24°で入射する照明光をDMDに垂直な方向(投影光Pの光軸方向)に投影光(ON光)として出射させる。他方、照明光Iの光軸側とは逆方向に12°傾いた状態では、照明光を出射角48°でOFF光として出射させる。これによって光変調が行われる。
次に、各画像表示素子(DMD)からの投影光の光路、すなわち光の合成について説明する。赤用画像表示素子11で反射した赤色の投影光は、第1プリズムDP1の入出射面DP1aに入射して、第1プリズムDP1の側面DP1bで全反射した後、さらにダイクロイック膜Rで反射する。また、青用の画像表示素子12で反射された青色の投影光は、第2プリズムDP2の入出射面DP2aに入射して、第2プリズムDP2の側面DP2bで全反射した後、ダイクロイック膜Bでさらに反射する。そして更に、第1プリズムDP1のダイクロイック膜Rを透過する。一方、緑用の画像表示素子13で反射した緑色の投影光は、第3プリズムDP3の入出射面DP3aに入射して、ダイクロイック膜B及びダイクロイック膜Rを透過する。
そして、これら赤色および青色、緑色の各投影光は、同一光軸の投影光Pに合成され、クリアプリズムDP4の入出射面DPaから出射して、投影光学系用プリズムPRに入射する。続いて、この合成された投影光Pは、投影光学系用プリズムPRの各プリズムの全反射条件を満たさないので、投影光学系用プリズムPR及びエアギャップを透過し、複数のレンズ等から成る投影光学系PLによって、図示しないスクリーンに投影される。ここで、投影光学系PLのレンズ等は、図示を省略している。
上記したように、ダイクロイック膜Bとダイクロイック膜Rは、青色域の第1波長範囲と、緑色域の第2波長範囲と、赤色域の第3波長範囲のうち、第1あるいは第3のいずれかの波長範囲の光を反射し、残りの隣接する二つの波長範囲の光を透過する。そこで本実施形態においては、所定の入射角度において、その透過する二つの波長範囲内の平均反射率が、二つの波長範囲に挟まれる波長域の波長平均反射率よりも低いダイクロイック膜B、Rとしている。
レーザー光源は所定の波長範囲の光を放射するので、青色域の第1波長範囲と緑色域の第2波長範囲と赤色域の第3波長範囲は、それぞれ特有の波長範囲を有することになる。それ故、ダイクロイック膜B、Rを透過する隣接する二つの波長範囲の光は、それぞれ特有の波長範囲の光が主であり、これらの二つの波長範囲に挟まれる波長域の光はほとんどないことは明らかである。従って、二つの波長範囲全ての光の反射率を一様に低く抑える必要がなく、それぞれ特有の波長範囲に相当する光の反射率を低くすることにより、不要な反射光の生成を抑制できる。従って、レーザー光源を用いた照明用光源1と色分解合成プリズムDPを備えた光学系において、レーザー光源が放射する高出力の光であっても、プリズムを透過する光の反射を低減して不要な反射光に起因する問題を抑制できて、光の利用効率を向上できる色分解合成プリズムDPを得ることができる。
また、照明光Iの中心入射角度と投影光Pの中心入射角度における透過する波長範囲内の波長平均反射率が、ともに0.5%以下であることが好ましい。この構成であれば、ダイクロイック膜B、Rを透過する際に、透過光の反射率を十分低く抑えることができるので、レーザー光源が放射する光の利用効率を十分向上させることができる。
ダイクロイック膜B、Rは、誘電体薄膜を複数層積層した誘電体多層膜から成る。この誘電体多層膜の形成方法は、真空蒸着法やIAD(Ion Assisted Deposition)法、IP(Ion Plating)法、スパッタリング法など従来公知の方法を用いることができる。従来から在る通常のダイクロイック膜は、透過する波長範囲内の全ての光に対する波長平均反射率を低減することを目指した誘電体多層膜から構成される。しかしながら、レーザー光源を照明用光源1として採用する場合には、所定波長帯の波長平均反射率を主に低減する構成であればよい。
例えば、照明用光源1が放射するレーザー光は、青色域の第1波長範囲が440〜470nm、緑色域の第2波長範囲が520〜550nm、赤色域の第3波長範囲が630〜660nmであることが好ましい。この構成であれば、所定の波長範囲で発光する半導体レーザーやLEDなどに加えて、半導体レーザーの出力を非線形結晶を用いて波長変換して得られる各種のレーザー光源を適用できるからである。
例えば、青色レーザー光源としては、青色半導体レーザーの445nm付近や、930nm半導体レーザーを非線形性結晶により波長変換した465nmを用い、緑色においては、緑色半導体レーザーの525nm付近や545nm付近、1064nmレーザー光を非線形性結晶により波長変換した532nmを用い、赤色においては、赤色半導体レーザーの630〜660nm付近の波長帯を用いることが多いためである。
そこで、本実施形態では、第3波長範囲630〜660nmの赤色光を反射し第1波長範囲440〜470nmと第2波長範囲520〜550nmの光を透過すると共にこの波長帯の光に対する反射率を好適に低減できるダイクロイック膜R、および、第1波長範囲440〜470nmの青色光を反射し第2波長範囲520〜550nmと第3波長範囲630〜660nmの光を透過すると共にこの波長帯の光に対する反射率を好適に低減できるダイクロイック膜Bを適用している。
次に、青色光を反射するダイクロイック膜B(BLUEダイクロ)の比較例と実施例、および、赤色光を反射するダイクロイック膜R(REDダイクロ)の比較例と実施例について順に説明する。この反射膜の成膜工程は、基板ガラスとしてSchott社製BK7を用い、150℃加熱下におけるIAD法により成膜している。
〈BLUEダイクロ比較例〉
まず、青色光を反射する30層の誘電体多層膜から成る従来構成のダイクロイック膜(BLUEダイクロ)について図3A、図5A、図5Bを用いて説明する。図3Aにはダイクロイック膜の構成を示し、図5A、図5Bにダイクロイック膜の反射率を示す。
図3Aに示すように、比較例のダイクロイック膜(BLUEダイクロ)は、基板ガラスの上の第1、3、〜29の各奇数層に屈折率が2.41のTiO2を積層し、第2、4〜28の各偶数層に屈折率が1.74のAl23とLa23の混合膜を積層し、第30層として屈折率が1.47のSiO2を積層している。
基板ガラスは従来公知のSchott社製BK7であって、屈折率は1.52である。また、図3Aには、各層の膜厚d(nm)を示している。
また、このダイクロイック膜における反射率の計測は、照明光に対しては入射角39°(中心入射角度)にて行い、投影光に対しては入射角28°(中心入射角度)にて行った。その結果を図5A、図5Bに示す。図5Aは横軸に400〜750nmの波長領域を示し、縦軸に反射率0〜100%を示し、図5Bは縦軸に反射率0〜5%を示す。すなわち、図5Bは反射率の変化度合を拡大表示したものである。
図3Aのダイクロイック膜の反射率(照明光入射角39°、投影光入射角28°の光に対する)は図5Aでは、500〜750nmの範囲において略0%のように見えるが、図5Bの拡大表示によれば、500〜700nmの範囲では0〜1%の範囲を変動しており、700〜750nmの範囲では3%程度まで上昇していることが判る。
例えば、このダイクロイック膜をレーザー光に適用すると、第2波長範囲520〜550nmに対しては1%程度、第3波長範囲630〜660nmに対しては0.5〜1.0%程度の反射率を呈することが想定される。
〈REDダイクロ比較例〉
次に、赤色光を反射する27層の誘電体多層膜から成る従来構成のダイクロイック膜(REDダイクロ)について図4A、図8A、図8Bを用いて説明する。従来構成の比較例は図4Aに示すように、基板ガラスの上の第1、3、〜25の各奇数層に屈折率が1.66のAl23を積層し、第2、4〜26の各偶数層に屈折率が2.23のNb25を積層し、第27層として屈折率が1.47のSiO2を積層している。
基板ガラスは従来公知のSchott社製BK7であって、屈折率は1.52である。また、図4Aには、各層の膜厚d(nm)を示している。
また、このダイクロイック膜における反射率の計測は、照明光に対しては入射角39°にて行い、投影光に対しては入射角28°にて行った。その結果を図8A、図8Bに示す。図8Aは横軸に400〜750nmの波長領域を示し、縦軸に反射率0〜100%を示し、図8Bは縦軸に反射率0〜5%を示す。すなわち、図8Bは反射率の変化度合を拡大表示したものである。
図4Aのダイクロイック膜の反射率(照明光入射角39°、投影光入射角28°の光に対する)は図8Aでは、400〜560nmの範囲において略0%のように見えるが、図8Bの拡大表示によれば、400〜500nmの範囲では0〜0.5%の範囲を変動しており、500〜560nmの範囲では1%程度まで上昇していることが判る。
例えば、このダイクロイック膜をレーザー光に適用すると、第1波長範囲440〜470nmに対しては0.5%程度、第2波長範囲520〜550nmに対しては1%程度の反射率を呈することが想定される。
そこで、このようなレーザー光の波長範囲において反射率をさらに低減できるダイクロイック膜の作製を検討した結果、図3B、図3C、図4B、図4Cに示す誘電体多層膜を用いることで良好な反射率低減効果を得られることが判った。
〈BLUEダイクロ実施例1〉
図3B、図6A、図6Bを用いて本実施形態に係るダイクロイック膜(本発明に係るダイクロイック膜Bに相当)について説明する。図3Bにはダイクロイック膜の構成を示し、図6A、図6Bにダイクロイック膜の反射率を示す。
図3Bに示すように、本実施形態に係るダイクロイック膜(BLUEダイクロ実施例1)は、先に示した比較例と同様に、基板ガラスの上の第1、3、〜29の各奇数層に屈折率が2.41のTiO2を積層し、第2、4〜28の各偶数層に屈折率が1.74のAl23とLa23の混合膜を積層し、第30層として屈折率が1.47のSiO2を積層している。
ただし、比較例とは各層の膜厚d(nm)が異なる。基板ガラスは従来公知のSchott社製BK7であって、屈折率は1.52である。
このBLUEダイクロ実施例1のダイクロイック膜における反射率を計測した結果を図6A、図6Bに示す。図6Aは横軸に400〜750nmの波長領域を示し、縦軸に反射率0〜100%を示し、図6Bは縦軸に反射率0〜5%を示す。すなわち、図6Bは反射率の変化度合を拡大表示したものである。
図3Bのダイクロイック膜の反射率(照明光入射角39°、投影光入射角28°の光に対する)は図6Aでは、520〜550nm、620〜660nmの範囲において略0%のように見えるが、図6Bの拡大表示によれば、520〜550nm、620〜660nmの範囲では0〜0.3%の範囲を変動しており、560〜620nmの範囲では3%程度まで上昇していることが判る。
例えば、このダイクロイック膜をレーザー光に適用すると、反射すべき第1波長範囲440〜470nmでは略100%反射し、透過すべき第2波長範囲520〜550nmに対しては0.3%程度、第3波長範囲630〜660nmに対しても0.3%程度の反射率を呈することが想定される。
本実施形態に係るBLUEダイクロ実施例1のダイクロイック膜は、560〜620nmの範囲では反射率は高くなっているが、この波長領域はレーザー光の波長領域には該当しないので問題とはならず、所定の第2波長範囲520〜550nm、第3波長範囲630〜660nmに対して0.5%以下の良好な反射率低減効果を発揮可能になることが明らかになった。
〈BLUEダイクロ実施例2〉
次に、図3C、図7A、図7Bを用いて本実施形態に係るダイクロイック膜(本発明に係るダイクロイック膜Bに相当)について説明する。図3Cにはダイクロイック膜の構成を示し、図7A、図7Bにダイクロイック膜の反射率を示す。
図3Cに示すように、本実施形態に係るダイクロイック膜(BLUEダイクロ実施例2)は、先に示した比較例と同様に、基板ガラスの上の第1、3、〜29の各奇数層に屈折率が2.41のTiO2を積層している。ただし、第2、4〜30の各偶数層に屈折率が1.47のSiO2を積層している点が異なる。
また、各層の膜厚d(nm)も異なる。基板ガラスは従来公知のSchott社製BK7であって、屈折率は1.52である。
このBLUEダイクロ実施例2のダイクロイック膜における反射率を計測した結果を図7A、図7Bに示す。図7Aは横軸に400〜750nmの波長領域を示し、縦軸に反射率0〜100%を示し、図7Bは縦軸に反射率0〜5%を示す。すなわち、図7Bは反射率の変化度合を拡大表示したものである。
図3Cのダイクロイック膜の反射率(照明光入射角39°、投影光入射角28°の光に対する)は図7Aでは、520〜550nm、620〜700nmの範囲において略0%のように見えるが、図7Bの拡大表示によれば、520〜550nm、620〜700nmの範囲では0〜0.3%の範囲を変動しており、550〜620nmの範囲では4%程度まで上昇していることが判る。
例えば、このダイクロイック膜をレーザー光に適用すると、第2波長範囲520〜550nmに対しては0.3%程度、第3波長範囲630〜660nmに対しても0.3%程度の反射率を呈することが想定される。
すなわち、本実施形態に係るBLUEダイクロ実施例2のダイクロイック膜は、550〜620nmの範囲では反射率は高くなっているが、この波長領域はレーザー光の波長領域には該当しないので問題とはならず、所定の第2波長範囲520〜550nm、第3波長範囲630〜660nmに対して良好な反射率低減効果を発揮可能になることが明らかになった。
また、その反射率低減効果は、照明光の中心入射角度と投影光の中心入射角度における透過する波長範囲内の波長平均反射率が、ともに0.5%以下であることが判る。この構成であれば、ダイクロイック膜を透過する際に、透過光の反射率が0.5%以下であるので、レーザー光源が放射する高出力の光であっても、不要な反射光に起因する問題を抑制できて、光の利用効率を向上できる。
〈REDダイクロ実施例1〉
次に、図4B、図9A、図9Bを用いて本実施形態に係るダイクロイック膜(本発明に係るダイクロイック膜Rに相当)について説明する。図4Bにはダイクロイック膜の構成を示し、図9A、図9Bにダイクロイック膜の反射率を示す。
図4Bに示すように、本実施形態に係るダイクロイック膜(REDダイクロ実施例1)は、先に示した比較例と同様に、基板ガラスの上の第1、3、〜25の各奇数層に屈折率が1.66のAl23を積層し、第2、4〜26の各偶数層に屈折率が2.23のNb25を積層し、第27層として屈折率が1.47のSiO2を積層している。
ただし、各層の膜厚d(nm)が異なる。基板ガラスは従来公知のSchott社製BK7であって、屈折率は1.52である。
このREDダイクロ実施例1のダイクロイック膜における反射率を計測した結果を図9A、図9Bに示す。図9Aは横軸に400〜750nmの波長領域を示し、縦軸に反射率0〜100%を示し、図9Bは縦軸に反射率0〜5%を示す。すなわち、図9Bは反射率の変化度合を拡大表示したものである。
図4Bのダイクロイック膜の反射率(照明光入射角39°、投影光入射角28°の光に対する)は図9Aでは、440〜550nmの範囲において略0%のように見えるが、図9Bの拡大表示によれば、430〜470nm、520〜550nmの範囲では0〜0.3%の範囲を変動しており、470〜520nmの範囲では1%程度まで上昇していることが判る。
例えば、このダイクロイック膜をレーザー光に適用すると、第1波長範囲440〜470nmに対しては0.3%程度、第2波長範囲520〜550nmに対しても0.3%程度の反射率を呈することが想定される。
すなわち、本実施形態に係るREDダイクロ実施例1のダイクロイック膜は、470〜520nmの範囲では反射率は高くなっているが、この波長領域はレーザー光の波長領域から外れているので問題とはならず、所定の第1波長範囲470〜520nm、第2波長範囲520〜550nmに対して0.5%以下の良好な反射率低減効果を発揮可能になることが明らかになった。
〈REDダイクロ実施例2〉
次に、図4C、図10A、図10Bを用いて本実施形態に係るダイクロイック膜(本発明に係るダイクロイック膜Rに相当)について説明する。図4Cにはダイクロイック膜の構成を示し、図10A、図10Bにダイクロイック膜の反射率を示す。
図4Cに示すように、本実施形態に係るダイクロイック膜(REDダイクロ実施例2)は、先に示した比較例と同様に、基板ガラスの上の第2、4〜26の各偶数層に屈折率が2.23のNb25を積層しており、最外層の第27層に屈折率が1.47のSiO2を積層している。ただし、第1、3、〜25の各奇数層に屈折率が1.47のSiO2を積層している点が異なる。
また、各層の膜厚d(nm)も異なる。基板ガラスは従来公知のSchott社製BK7であって、屈折率は1.52である。
このREDダイクロ実施例2のダイクロイック膜における反射率を計測した結果を図10A、図10Bに示す。図10Aは横軸に400〜750nmの波長領域を示し、縦軸に反射率0〜100%を示し、図10Bは縦軸に反射率0〜5%を示す。すなわち、図10Bは反射率の変化度合を拡大表示したものである。
図4Cのダイクロイック膜の反射率(照明光入射角39°、投影光入射角28°の光に対する)は図10Aでは、440〜550nmの範囲において略0%のように見えるが、図10Bの拡大表示によれば、440〜470nm、520〜550nmの範囲では0〜0.3%の範囲を変動しており、470〜520nmの範囲では4%程度まで上昇していることが判る。
例えば、このダイクロイック膜をレーザー光に適用すると、第1波長範囲440〜470nmに対しては0.3%程度、第2波長範囲520〜550nmに対しても0.3%程度の反射率を呈することが想定される。
すなわち、本実施形態に係るREDダイクロ実施例2のダイクロイック膜は、470〜520nmの範囲では反射率は高くなっているが、この波長領域はレーザー光の波長領域から外れているので問題とはならず、所定の第1波長範囲440〜470nm、第2波長範囲520〜550nmに対して0.5%以下の良好な反射率低減効果を発揮可能になることが明らかになった。
上記したように、本実施形態に係る色分解合成プリズムDPは、青色、緑色、赤色のレーザー光源が発する照明光を画像表示素子に導く照明光学系と、画像表示素子からの投影光を投射レンズに導く投影光学系を備えるプロジェクタに装備され、照明光を分離し投影光を合成する機能を有する。また、青色域の第1波長範囲と、緑色域の第2波長範囲と、赤色域の第3波長範囲のうち、第1あるいは第3のいずれかの波長範囲の光を反射し、残りの隣接する二つの波長範囲の光を透過し、所定の入射角度において、その透過する二つの波長範囲内の平均反射率が、二つの波長範囲に挟まれる波長域の波長平均反射率よりも低いダイクロイック膜を有することを特徴とする。
例えば、BLUEダイクロ実施例1は、第2波長範囲と第3波長範囲を含む520〜660nmの波長域において、第2波長範囲520〜550nmと第3波長範囲630〜660nmに対しては0.3%程度の反射率を呈しているが、560〜620nmの範囲では3%程度まで上昇しているので、第1の波長範囲の光を反射し、残りの隣接する二つの波長範囲の光を透過する面に、所定の入射角度において、その透過する二つの波長範囲内の平均反射率が、二つの波長範囲に挟まれる波長域の波長平均反射率よりも低いダイクロイック膜を有すると言える。
従って、本実施形態に係るダイクロイック膜B、Rは、第2の波長範囲と、第1或いは第3のいずれかの波長範囲との2色の波長域を透過させなければならない第1プリズムDP1において特に有効なものである。もちろん、第2プリズムDP2に対しても有効であることに変わりはない。
BLUEダイクロ比較例とBLUEダイクロ実施例1、実施例2の反射率比較結果を表1に示し、REDダイクロ比較例とREDダイクロ実施例1、実施例2の反射率比較結果を表2に示す。反射率は照明光に対する反射率(入射角39°)と投影光に対する反射率(入射角28°)をそれぞれ計測したものである。
Figure 0006447511
Figure 0006447511
表1に示すように、青色光を反射するダイクロイック膜(本発明に係るダイクロイック膜Bに相当)を比較すると、透過域520〜550nmにおける照明光の反射率(波長平均反射率)は、比較例では0.67%であるが、実施例1では0.26%であり実施例2では0.19%と反射率低減効果を発揮している。ただし、所定の波長領域を外れた550〜630nmにおいては、比較例では0.49%であるが、実施例1は1.22%で実施例2は1.67%と悪化している。
ただし、所定の波長領域を外れた550〜630nm波長帯はレーザー光源が放射するレーザー光の所定波長領域から外れているので、問題とはならない。
同様に、透過域520〜550nmにおける投影光の反射率(波長平均反射率)は、比較例では0.66%であるが、実施例1では0.10%であり実施例2では0.14%と反射率低減効果を発揮している。また、透過域630〜660nmにおける照明光の反射率は、比較例では0.55%であるが、実施例1では0.21%であり実施例2では0.22%であり、透過域630〜660nmにおける投影光の反射率は、比較例では0.31%であるが、実施例1では0.06%であり実施例2では0.07%と反射率低減効果を発揮していることが判る。
また、表2からは、赤色光を反射するダイクロイック膜(本発明に係るダイクロイック膜Rに相当)について、透過域440〜470nmにおける照明光の反射率(波長平均反射率)は、比較例では0.41%であるが、実施例1では0.25%であり実施例2では0.31%であり、透過域520〜550nmにおける照明光の反射率は、比較例では0.67%であるが、実施例1では0.26%であり実施例2では0.27%と反射率低減効果を発揮していることが判る。
また、投影光に関しては、透過域440〜470nmにおいて、比較例では0.18%であるが、実施例1では0.08%であり実施例2では0.14%であり、透過域520〜550nmにおいては、比較例では0.24%であるが、実施例1では0.08%であり実施例2では0.12%となっている。
上記したように、本実施形態によれば、従来例に比べ各色のレーザー波長域において十分に低い反射率が得られている。従って、不要な反射光に起因する、光学部品や接着剤の損傷、および、迷光による画像劣化などの問題を抑制できる。なお、入射角度については、低角側(28°)、高角側(39°)ともに、±10°まで、該当する波長域において従来のダイクロイック膜よりも不要光の低減効果が得られることが判った。
また、それぞれの反射域においては99.8%以上の高い反射率を発揮しており、所定の波長帯の光を確実に反射し、その他の光を良好に透光させていることが判る。従って、本実施形態に係るダイクロイック膜B、Rを具備した色分解合成プリズムDPは、プリズムを透過する光の反射を低減して不要な反射光に起因する問題を抑制できて、光の利用効率を向上できる色分解合成プリズムとなる。
また、この色分解合成プリズムDPを用いた光学系であれば、透過する二つの波長範囲内の平均反射率が、二つの波長範囲に挟まれる波長域の波長平均反射率よりも低いダイクロイック膜を有する色分解合成プリズムDPを用いているので、プリズムを透過する光の反射を低減して不要な反射光に起因する問題を抑制できて、光の利用効率を向上できる光学系を得ることができる。
上記したように、本発明によれば、レーザー光を放射する照明用光源と色分解合成プリズムを備えたプロジェクタにおいて、レーザー光源が放射する高出力の光であっても、プリズムを透過する光の反射を低減して不要な反射光に起因する問題を抑制できて、光の利用効率を向上できる色分解合成プリズムおよびそれを用いた光学系を得ることができる。
そのために、本発明に係る色分解合成プリズムおよびそれを用いた光学系は、大きなスクリーンに画像を表示するために高出力のレーザー光を用いることが求められる大型のプロジェクタなどに好適に適用することができる。
1 照明用光源
2 レーザー光源
IL 照明光学系
PL 投影光学系
PR 投影光学系用プリズム
PR1 第1プリズム
PR2 第2プリズム
DP 色分解合成プリズム
DP1 第1プリズム
DP2 第2プリズム
B ダイクロイック膜(BLUEダイクロ)
R ダイクロイック膜(REDダイクロ)
I 照明光
P 投影光

Claims (3)

  1. 青色、緑色、赤色のレーザー光源が発する照明光を画像表示素子に導く照明光学系と、前記画像表示素子からの投影光を投射レンズに導く投影光学系を備えるプロジェクタに装備され、照明光を分離し投影光を合成する機能を有する色分解合成プリズムであって、
    青色域の第1波長範囲と、緑色域の第2波長範囲と、赤色域の第3波長範囲のうち、第1あるいは第3のいずれかの波長範囲の光を反射し、残りの隣接する二つの波長範囲の光を透過し、所定の入射角度において、その透過する二つの波長範囲内の平均反射率が、二つの波長範囲に挟まれる波長域の波長平均反射率よりも低いダイクロイック膜を有し、
    青色域の第1波長範囲が440〜470nm、緑色域の第2波長範囲が520〜550nm、赤色域の第3波長範囲が630〜660nmであることを特徴とする色分解合成プリズム。
  2. 照明光の中心入射角度と投影光の中心入射角度における前記透過する波長範囲内の波長平均反射率が、ともに0.5%以下であることを特徴とする請求項1に記載の色分解合成プリズム。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の色分解合成プリズムを用いたことを特徴とする光学系。
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