JP6446272B2 - 熱硬化型導電性ペースト組成物 - Google Patents

熱硬化型導電性ペースト組成物 Download PDF

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Description

本発明は、基材に対して塗布または印刷し、加熱硬化することにより、接着性および導電性を有する硬化膜を形成することができる、熱硬化型導電性ペースト組成物に関する。
従来から、フィルム、基板、電子部品等の基材上に電極または電気配線(配線)等を形成するために、導電性ペースト組成物を用いる方法が広く知られている。このような導電性ペースト組成物の一例としては、導電性粉末と熱硬化性樹脂とを含有する熱硬化型のものが知られており、この導電性ペースト組成物を基材上に所定の導体パターンで塗布または印刷し、その後、導体パターンを乾燥硬化させるために加熱が行われる。これにより、所定の導体パターンの電極または配線等として硬化膜を基材上に形成することができる。
前記のような、熱硬化型導電性ペースト組成物では、例えば、特許文献1または2に開示されているように、導電性粉末として、銀粉末が用いられ、熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂および/またはブロック化ポリイソシアネート化合物が用いられる構成が知られている。
ここで、銀は高価であるため、最近では、導電性粉末として、より安価な銅または銅合金の粉末(銅系粉末)、もしくは、このような銅系粉末の表面を銀でコートした銀コート銅系粉末を用いることが検討されている。
特開2013−114836号公報 特開2013−114837号公報
しかしながら、熱硬化型導電性ペースト組成物の導電性粉末として、前述した銅系粉末を用いると、銀粉末を用いた構成と比較して、得られる硬化膜の電気抵抗が相対的に高くなる傾向にあるとともに、その耐熱性または耐湿性も劣ってしまう。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、良好な導電性を実現できるとともに、耐熱性および耐湿性も優れたものとすることができる熱硬化型導電性ペースト組成物を提供することを目的とする。
本発明に係る熱硬化型導電性ペースト組成物は、前記の課題を解決するために、(A)導電性粉末と、(B)熱硬化性成分と、(C)硬化剤と、を含有し、前記(A)導電性粉末として、(A−1)銀コート金属粉末、および、銅またはその合金の粉末の少なくとも一方が用いられ、前記(B)熱硬化性成分が、(B−1)エポキシ樹脂および(B−2)ブロック化ポリイソシアネート化合物の少なくとも一方であり、さらに、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体である(D)ベンゾトリアゾール系化合物、および、化学構造中にリン酸エステル基を有する(E)リン酸エステル基含有分散剤を含有し、(A)導電性粉末および(B)熱硬化性成分の合計量を100質量部としたときに、前記(D)ベンゾトリアゾール系化合物の配合量が0.01質量部以上1.5質量部以下であり、前記(E)リン酸エステル基含有分散剤の配合量が0.01質量部以上0.5質量部未満である構成である。
前記構成によれば、熱硬化型導電性ペースト組成物が、添加剤として(D)ベンゾトリアゾール系化合物および(E)リン酸エステル基含有分散剤を含有している。これにより、(A)導電性粉末として、銀コート金属粉末、または銅またはその合金の粉末(銅系粉末)を用いても、得られる硬化膜の電気抵抗が高くなることを抑制し、硬化膜の耐熱性または耐湿性も良好なものとすることができる。
前記構成の熱硬化型導電性ペースト組成物においては、前記銀コート金属粉末が、銀コート銅粉末、銀コート銅合金粉末、銀コートニッケル粉末、銀コートアルミニウム粉末からなる群より選択される少なくとも1種である構成であってもよい。
また、前記構成の熱硬化型導電性ペースト組成物においては、前記(A)導電性粉末として、前記(A−1)銀コート金属粉末、および、銅またはその合金の粉末の少なくとも一方に加えて、(A−2)銀粉末が用いられるとともに、前記(A−1)銀コート金属粉末、および、銅またはその合金の粉末の少なくとも一方と前記(A−2)銀粉末との配合比が、質量比で100:0〜1:99の範囲内である構成であってもよい。
また、前記構成の熱硬化型導電性ペースト組成物においては、前記(A)導電性粉末として、さらに、(A−3)金粉末、パラジウム粉末、ニッケル粉末、アルミニウム粉末、鉛粉末、およびカーボン粉末からなる群より選択される少なくとも1種が用いられる構成であってもよい。
本発明では、以上の構成により、良好な導電性を実現できるとともに、耐熱性および耐湿性も優れたものとすることができる熱硬化型導電性ペースト組成物を提供することができる、という効果を奏する。
本発明に係る熱硬化型導電性ペースト組成物の特性(比抵抗)を評価するための導体パターンの形状を示す平面図である。
以下、本発明の好ましい実施の形態の一例を具体的に説明する。本発明に係る熱硬化型導電性ペースト組成物は、(A)導電性粉末と、(B)熱硬化性成分と、(C)硬化剤と、を含有し、(A)導電性粉末として、(A−1)銀コート金属粉末、および、銅またはその合金の粉末の少なくとも一方が用いられ、(B)熱硬化性成分が、エポキシ樹脂およびブロック化ポリイソシアネート化合物の少なくとも一方であり、さらに、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体である(D)ベンゾトリアゾール系化合物、および、化学構造中にリン酸エステル基を有する(E)リン酸エステル基含有分散剤を所定範囲内の配合量で含有する構成である。なお、以下の説明では、本発明に係る熱硬化型導電性ペースト組成物を、適宜「導電性ペースト組成物」と略記する。
[(A)導電性粉末]
本発明に係る導電性ペースト組成物が含有する(A)導電性粉末は、少なくとも(A−1)銀コート金属粉末、および、銅またはその合金の粉末の少なくとも一方であればよく、さらに(A−2)銀粉末を含んでもよく、さらに、(A−3)金粉末、パラジウム粉末、ニッケル粉末、アルミニウム粉末、鉛粉末、およびカーボン粉末からなる群より選択される少なくとも1種を含んでもよい。また、これら以外の導電性粉末を含んでもよい。
(A−1)銀コート金属粉末としては、銀以外の導電性材料で形成される粉末の表面に銀がコートされたものであればよく、特に限定されない。具体的な(A−1)銀コート金属粉末としては、例えば、銀コート銅粉末、銀コート銅合金粉末、銀コートニッケル粉末、銀コートアルミニウム粉末等を挙げることができる。また、(A−1)銅またはその合金の粉末(銅系粉末)も特に限定されるものではなく、銅粉末であってもよいし、公知の銅合金の粉末であってもよい。
(A)導電性粉末の具体的な形状は特に限定されず、(A−1)銀コート金属粉末および銅系粉末、(A−2)銀粉末、(A−3)金粉末、パラジウム粉末、ニッケル粉末、アルミニウム粉末、鉛粉末、およびカーボン粉末からなる群より選択される少なくとも1種の粉末のいずれであっても、球状(粒状)であってもよいしフレーク状(薄片状または鱗片状)であってもよい。なお、フレーク状粉末とは、部分的に凹凸があり変形が見られても、全体として見た場合に、平板または厚みの薄い直方体に近い形状の粉末であればよい。球状粉末とは、部分的に凹凸があり変形が見られても、全体として見た場合に、直方体よりは立方体に近い立体形状の粉末であればよい。
導電性ペースト組成物中での(A)導電性粉末の配合量(含有量)は特に限定されないが、(A)導電性粉末および(B)熱硬化性成分の合計量を100質量部としたときに、70質量部以上99質量部以下であればよく、80質量部以上98質量部以下であることが好ましい。(A)導電性粉末の含有量が70質量部未満であれば、硬化した導電性ペースト組成物(硬化膜)中において(A)導電性粉末同士の接触密度が小さくなり、(A)導電性粉末同士の接触不良により導電性が不充分となって比抵抗の上昇につながるおそれがある。一方、(A)導電性粉末の含有量が99質量部より多くなると、(B)熱硬化性成分の量が少なくなり(A)導電性粉末を均一に分散できなくなるおそれがある。
(A)導電性粉末の具体的な物性も特に限定されず、その平均粒径、比表面積、タップ密度等については公知の範囲内であればよい。例えば、(A)導電性粉末の形状がフレーク状であれば、その平均粒径D50は例えば2〜20μmの範囲内であればよく、BET比表面積は例えば0.1〜2.0m2 /gの範囲内であればよく、タップ密度は例えば3〜10g/cm3 の範囲内であればよく、アスペクト比は例えば5〜15の範囲内であればよい。また、(A)導電性粉末の形状が球状であれば、その平均粒径D50は0.1〜10μmの範囲内であればよく、BET比表面積は0.5〜2.0m2 /gの範囲内であればよく、タップ密度は例えば1.5〜10g/cm3 であればよく、凝集度D50/DSEMが例えば2〜15の範囲内であればよい。
(A)導電性粉末の形状がフレーク状または球状のいずれであっても、その製造方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。フレーク状粉末の場合、例えば、公知の方法で製造された球状粉末を元粉として、当該元粉に公知の機械的処理を施すことによりフレーク状粉末を製造することができる。元粉の粒径や凝集度等の物性は、導電性ペースト組成物の使用目的(電極や配線等の種類、あるいはこれら電極や配線等を備える電子部品または電子装置等の種類)に応じて適宜選択することができる。また、球状粉末の場合も、その製造方法は特に限定されるものではなく、例えば、湿式還元法により製造した粉末、電解法やアトマイズ法等、公知の他の方法により製造した球状粉末等を挙げることができる。
(A)導電性粉末として、(A−1)銀コート金属粉末および銅系粉末と、(A−2)銀粉末とを併用する場合、粉末(A−1)と粉末(A−2)との配合比は、質量比で100:0〜1:99の範囲であればよい。つまり、本発明に係る導電性ペースト組成物では、(A−2)銀粉末は含まれていなくてもよく、(A−1)銀コート金属粉末および銅系粉末および(A−2)銀粉末が併用される場合であっても、導電性ペースト組成物に要求される導電性または用途等の条件に応じて、さまざまな配合比を選択することができる。
[(B)熱硬化性成分]
本発明に係る導電性ペースト組成物に用いられる(B)熱硬化性成分は、(B−1)エポキシ樹脂、および、(B−2)ブロック化ポリイソシアネート化合物の少なくとも一方である。(B)熱硬化性成分として、これら(B−1)エポキシ樹脂および(B−2)ブロック化ポリイソシアネート化合物を併用する場合には、これらは、所定の配合比で配合して用いることができる。
(B−1)エポキシ樹脂の具体的な種類や構造は特に限定されないが、いずれも1分子中に2個以上のオキシラン環(エポキシ基)を有する多価エポキシ樹脂を挙げることができる。例えば、エピクロルヒドリンと、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等のノボラック、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、レゾルシン等の多価フェノール、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の多価アルコールと、を反応させて得られるグリシジルエテールタイプ;エチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、アニリン等のポリアミノ化合物と、を反応させて得られるグリシジルアミンタイプ;アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸等の多価カルボキシル化合物と、を反応させて得られるグリシジルエステルタイプ、オレフィンの酸化等から合成される脂環式タイプ等を挙げることができる。これらエポキシ樹脂は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよい。
また、(B−2)ブロック化ポリイソシアネート化合物としては、導電性ペースト組成物の分野で公知の化合物を好適に用いることができる。
具体的には、例えば、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、トリジンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフタリンジイソシアネート等の芳香族イソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート;等を挙げることができる。これらポリイソシアネート化合物は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。これらのポリイソシアネート化合物は、イソシアヌレート型、アダクト型、またはビウレット型のいずれであってもよい。
また、本実施の形態では、公知のポリイソシアネートと公知のポリオールとを公知の方法により反応させて合成した末端イソシアネート基含有化合物も、本発明におけるポリイソシアネート化合物として好適に用いることができる。この場合に用いられるポリオールについては特に限定されず、一般的なポリエーテルポリオール類、ポリエステルポリオール類、ポリカーボネートポリオール類、ポリアルキレンポリオール類等を好適に用いることができる。
本発明における(B−2)ブロック化ポリイソシアネート化合物は、前述したポリイソシアネート化合物をブロック化したものであるが、ポリイソシアネート化合物のブロック化剤についても特に限定されず、イミダゾール類、フェノール類、オキシム類等を好適に用いることができる。
導電性ペースト組成物中での(B)熱硬化性成分の配合量(含有量)は特に限定されないが、(A)導電性粉末および(B)熱硬化性成分の合計量を100質量部としたときに、1質量部以上30質量部以下であればよく、2質量部以上20質量部以下であることが好ましい。(B)熱硬化性成分の含有量が1質量部未満であれば、(B)熱硬化性成分の量が少なくなり(A)導電性粉末を均一に分散できなくなるおそれがある。一方、(B)熱硬化性成分の含有量が30質量部より多くなると、硬化した導電性ペースト組成物(硬化膜)中において(A)導電性粉末同士の接触密度が小さくなり、(A)導電性粉末同士の接触不良により導電性が不充分となって比抵抗の上昇につながるおそれがある。
本発明に係る導電性ペースト組成物では、(B)熱硬化性成分として、(B−1)エポキシ樹脂および(B−2)ブロック化ポリイソシアネート化合物を併用する場合、これらの混合比(配合比)は特に限定されないが、質量比で10:90〜90:10の範囲内で配合されてもよく、20:80〜80:20の範囲内で配合されてもよい。
(B−1)エポキシ樹脂と(B−2)ブロック化ポリイソシアネート化合物との合計を100質量部とした場合に、(B−1)エポキシ樹脂が30質量部未満であれば、すなわち(B−2)ブロック化ポリイソシアネート化合物が70質量部を超えれば、導電性ペースト組成物の組成等にもよるが、得られる硬化物(電極や配線等)の強度および接着性が低下する場合がある。一方、(B−1)エポキシ樹脂が90質量部を超えれば、すなわち(B−2)ブロック化ポリイソシアネート化合物が10質量部未満であれば、導電性ペースト組成物の組成等にもよるが、(B−2)ブロック化ポリイソシアネート化合物の硬化収縮による(A)導電性粉末同士の接触を促進させる効果が小さくなり、導電性が低下する場合がある。
また、本発明に係る導電性ペースト組成物は、(B)熱硬化性成分として、(B−1)エポキシ樹脂、および/または、(B−2)ブロック化ポリイソシアネート化合物以外の樹脂または化合物を含んでもよい。例えば、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂等のバインダーとして使用可能な樹脂が挙げられるが特に限定されない。
[(C)硬化剤]
本発明に係る導電性ペースト組成物に用いられる(C)硬化剤は、(B)熱硬化性成分を硬化させることができる化合物であれば特に限定されない。本実施の形態では、(B)熱硬化性成分として、前述した(B−1)エポキシ樹脂または(B−2)ブロック化ポリイソシアネート化合物を用いているので、(C)硬化剤としては、(B−1)エポキシ樹脂または(B−2)ブロック化ポリイソシアネート(もしくはその両方)を硬化させるものであれば、その種類等は特に限定されず、導電性ペースト組成物の分野で公知の各種化合物を挙げることができる。
具体的には、例えば、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸等の酸無水物類;イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール類;ジメチルオクチルアミン、ジメチルデシルアミン、ジメチルラウリルアミン、ジメチルミリスチルアミン、ジメチルパルミチルアミン、ジメチルステアリルアミン、ジメチルベヘニルアミン、ジラウリルモノエチルアミン、メチルジデシルアミン、メチルジオレイルアミン、トリアリルアミン、トリイソプロパノールアミン、トリエチルアミン、3−(ジブチルアミノ)プロピルアミン、トリ−n−オクチルアミン、2,4,6−トリスジメチルアミノメチルフェノール、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、ジアザビシクロウンデセン等の第三級アミン類;三フッ化ホウ素エチルエーテル、三フッ化ホウ素フェノール、三フッ化ホウ素ピペリジン、酢酸三フッ化ホウ素、三フッ化ホウ素モノエチルアミン、三フッ化ホウ素トリエタノールアミン、三フッ化ホウ素モノエタノールアミン等のフッ化ホウ素を含むルイス酸あるいはその塩;味の素ファインテクノ株式会社から市販されているアミキュアシリーズPN−23またはMY−24等、富士化成工業株式会社から市販されているフジキュアシリーズFXR−1020またはFXR−1030等のアミンアダクト類;ジシアンジアミド;等が挙げられる。これら化合物は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(C)硬化剤の配合量(添加量)は特に限定されないが、本実施の形態では、(A)導電性粉末および(B)熱硬化性成分の合計量を100質量部としたときに、1質量部以上30質量部以下の範囲内であればよく、2質量部以上15質量部以下であることが好ましく、3質量部以上10質量部以下であることがより好ましい。(C)硬化剤の配合量が1質量部未満であれば、(B)熱硬化性成分の硬化が不十分となるおそれがあり、また、硬化物(電極または配線等)に良好な導電性が得られないおそれがある。一方、30質量部を超えれば、ペースト粘度が過剰に高くなるおそれがあり、また、配当量に見合った(B)熱硬化性成分の硬化作用が得られない。
[(D)ベンゾトリアゾール系化合物]
本発明に係る導電性ペースト組成物に用いられる(D)ベンゾトリアゾール系化合物は、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体であればよく、その種類は特に限定されない。本発明において、(D)ベンゾトリアゾール系化合物として用いることができるベンゾトリアゾール誘導体としては、具体的には、例えば、トリルトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]ベンゾトリアゾール、1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール、2−2'−[[(メチル−1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)メチル]イミノ]ビスエタノール、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール等が挙げられるが特に限定されない。これら化合物は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。また、これら化合物(ベンゾトリアゾール誘導体)はベンゾトリアゾールと併用することもできる。
(D)ベンゾトリアゾール系化合物の配合量(含有量)は、(A)導電性粉末および(B)熱硬化性成分の合計量を100質量部としたときに、0.01質量部以上1.5質量部以下であればよく、0.01質量部以上1質量部以下であることが好ましい。(D)ベンゾトリアゾール系化合物の含有量が0.01質量部未満であると、導電性ペースト組成物の具体的な組成にもよるが、硬化した導電性ペースト組成物(硬化膜)において、好適な導電性、耐熱性および耐湿性を実現できない場合がある。また、(D)ベンゾトリアゾール系化合物の含有量が1.5質量部を超えると、良好な耐熱性および耐湿性を実現することは可能であるものの、導電性ペースト組成物の具体的な組成にもよるが、導電性が低下する場合がある。
[(E)リン酸エステル基含有分散剤]
本発明に係る導電性ペースト組成物に用いられる(E)リン酸エステル基含有分散剤は、化学構造中にリン酸エステル基を有する分散剤であればよく、その種類は特に限定されない。
本発明において、(E)リン酸エステル基含有分散剤として用いることができる分散剤としては、具体的には、例えば、オクチルリン酸エステル、デシルリン酸エステル、ラウリルリン酸エステル、イソトリデシルリン酸エステル、ミリスチルリン酸エステル、パルミチルリン酸エステル、ステアリルリン酸エステル、オレイルリン酸エステル、イソステアリルリン酸エステル、ベヘニルリン酸エステル、ヘキシルリン酸エステル等の高級脂肪酸リン酸エステル;ラウリルリン酸エステルアンモニウム塩、パルミチルリン酸エステルモノエタノールアミン塩等の前記高級脂肪酸リン酸エステルのアミン塩またはアンモニウム塩;ラウリル3EO付加物リン酸エステル、イソトリデシル10EO付加物リン酸エステル等の前記高級脂肪酸リン酸エステルのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等)付加物;BYK−W903(製品名:BYK-Chemie GmbH製)、BYK−W9010(製品名:BYK-Chemie GmbH製)、DISPERBYK−102(製品名:BYK-Chemie GmbH製)、DISPERBYK−111(製品名:BYK-Chemie GmbH製)、DISPERBYK−2025(製品名:BYK-Chemie GmbH製)、ANTI−TERRA−250(製品名:BYK-Chemie GmbH製)等のリン酸エステル基を含む市販の分散剤;等を挙げることができる。これら分散剤は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(E)リン酸エステル基含有分散剤の配合量(含有量)は、(A)導電性粉末および(B)熱硬化性成分の合計量を100質量部としたときに、0.01質量部以上0.5質量部未満であればよく、0.01質量部以上0.3質量部以下であることが好ましい。(E)リン酸エステル基含有分散剤の含有量が0.01質量部未満であると、導電性ペースト組成物の具体的な組成にもよるが、硬化した導電性ペースト組成物(硬化膜)において、好適な導電性、耐熱性および耐湿性を実現できない場合がある。また、(E)リン酸エステル基含有分散剤の含有量が0.5質部以上であると、良好な導電性を実現することは可能であるものの、導電性ペースト組成物の具体的な組成にもよるが、耐熱性および耐湿性が低下する場合がある。
[導電性ペースト組成物の製造および使用]
本発明に係る導電性ペースト組成物の製造方法は特に限定されず、導電性ペースト組成物の分野で公知の方法を好適に用いることができる。代表的な一例としては、前述した各成分を所定の配合割合(質量基準)で配合し、公知の混練装置を用いてペースト化する方法が挙げられる。混練装置としては、例えば、3本ロールミル等を挙げることができる。
なお、本発明に係る導電性ペースト組成物においては、必要に応じて、前述した各成分((A)導電性粉末、(B)熱硬化性樹脂、(C)硬化剤、(D)ベンゾトリアゾール系化合物、および(E)リン酸エステル基含有分散剤)以外に、導電性ペースト組成物の分野で公知の(F)溶剤、並びに、各種添加剤を含有してもよい。当該添加剤としては特に限定されないが、具体的には、例えば、レベリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、シランカップリング剤、消泡剤、粘度調整剤等を挙げることができる。これら添加剤は本発明の作用効果を妨げない範囲において添加することができる。
(F)溶剤は、本発明に係る導電性ペースト組成物の粘度または流動性等の物性を調整するために添加される。導電性ペースト組成物の粘度は特に限定されず、後述する導体パターンの形成方法(例えばスクリーン印刷等)に応じて、好適な範囲内に調整されればよい。導電性ペースト組成物の流動性等の特性についても同様に、諸条件に応じて好適な範囲に調整されればよい。
(E)溶剤の具体的な種類は特に限定されないが、例えば、ヘキサン等の飽和炭化水素類;トルエン等の芳香族系炭化水素類;エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ブチルセロソルブアセテート等のグリコールエーテル(セロソルブ)類;ジエチレングリコールジエチルエーテル、ブチルカルビトール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)等のグリコールエーテル類;ブチルジグリコールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等のグリコールエーテル類の酢酸エステル;ジアセトンアルコール、ターピネオール、ベンジルアルコール等のアルコール類;シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン類;DBE、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレートなどのエステル類;等を挙げることができる。これら溶剤は1種類のみを用いてもよいし、2種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
(F)溶剤の含有量も特に限定されず、導電性ペースト組成物の粘度または流動性等を好適な範囲内に調整できる程度に添加することができる。なお、導電性ペースト組成物全体に対して(F)溶剤の含有量が40質量%を超えると、他の成分の種類または導電性ペースト組成物の組成にもよるが、印刷に好適な流動性を得ることができず印刷性が低下する場合がある。
また、本発明に係る導電性ペースト組成物により導体パターンを形成する方法は特に限定されず、公知の種々の形成方法を好適に用いることができる。代表的には、後述する実施例に示すように、スクリーン印刷法が挙げられ、グラビア印刷法、オフセット印刷法、インクジェット法、ディスペンサー法、ディップ法等の印刷法も適用することができる。
本発明に係る導電性ペースト組成物は、高精細な電極や配線等の形成または電子部品の接着等に広く利用することができる。具体的には、例えば、太陽電池セルの集電電極;チップ型電子部品の内部電極または外部電極;RFID(Radio Frequency IDentification)、電磁波シールド、振動子接着、メンブレンスイッチ、タッチパネル、またはエレクトロルミネセンス等に用いられる部品の電極または配線または接着;等の用途に好適に用いることができる。
本発明について、実施例、比較例および参考例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。なお、以下の実施例、比較例、および参考例における各種物性等の測定・評価は次に示すようにして行った。
(測定・評価方法)
(1)平均粒径D50の評価
導電性粉末の平均粒径D50はレーザー回折法により評価した。導電性粉末の試料0.3gを50mlビーカーに秤量し、イソプロピルアルコール30mlを加えた後、超音波洗浄器(アズワン株式会社製USM−1)により5分間処理することで分散させ、マイクロトラック粒度分布測定装置(日機装株式会社製のマイクロトラック粒度分布測定装置9320−HRA X−100)を用いて、平均粒径D50を測定して評価した。
(2)BET比表面積の評価
フレーク状粉末または球状粉末のBET比表面積は、試料1gをモノソーブ(カウンタクローム(Quanta Chrome)社製)を用いて窒素吸着によるBET1点法で測定して評価した。なお、当該BET比表面積測定において、測定前の脱気条件は60℃にて10分間とした。
(3)タップ密度の評価
フレーク状銀粉末または球状銀粉末のタップ密度は、タップ密度測定装置(株式会社柴山科学器械製作所製のカサ比重測定装置SS−DA−2)を使用し、試料15gを計量して20mlの試験管に入れ、落差20mmで1,000回タッピングし、次の式によりタップ密度を算出して評価した。
タップ密度=試料質量(15g)/タッピング後の試料容積(cm3
(4)導体抵抗の評価
基材としてはアルミナ基板を用いた。そして、図1に示すように、このアルミナ基板の表面に、実施例または比較例の導電性ペースト組成物を用いて、両端に端子11aおよび11bを有し配線部分11cがつづら折り状となっている導体パターン11と、図示しない2mm×2mmの正方形状の導体パターン(正方形パターン)とをスクリーン印刷した。その後、アルミナ基板を180℃の熱風乾燥機中で60分間加熱し、導体パターン11(導電性ペースト組成物)を硬化させた。これにより比抵抗評価用サンプルを作製した。
各実施例または比較例の比抵抗評価用サンプルについて、硬化後の導体パターン11(硬化膜)の膜厚を表面粗さ計(株式会社東京精密製サーフコム480A)で、電気抵抗をデジタルマルチメータ(株式会社アドバンテスト製R6551)で測定し、それら膜厚と電気抵抗と配線パターンのアスペクト比に基づいて導体抵抗(μΩ・cm)を算出して評価した。
(5)耐湿性の評価
前述した(4)導体抵抗の評価と同様の手順で作製した比抵抗評価用サンプルを、温度85℃、湿度85%の条件に設定した恒温恒湿器(エスペック株式会社製、商品名:SH−262)に1000時間保管した。保管前後の比抵抗評価用サンプルについて、前述した(4)導体抵抗の評価と同様にして比抵抗を算出し、保管前の初期の抵抗値に対する保管後の抵抗値の変化率を、導体パターン11の耐湿性として評価した。
(6)耐熱性の評価
恒温恒湿器の温度を105℃の条件に設定した以外は、(4)耐湿性の評価と同様にして、導体パターン11の耐熱性を、保管前後の抵抗値の変化率で評価した。
(成分(A)、(B)および(D))
各実施例および各比較例では、(A)導電性粉末、(B)熱硬化性成分、および(D)ベンゾトリアゾール系化合物としては、それぞれ次の表1、表2、および表3に挙げたものを用いた。
Figure 0006446272
Figure 0006446272
Figure 0006446272
(実施例1)
表4に示すように、(A)導電性粉末として、表1に示す銀コート銅粉1を用い、(B)熱硬化性成分として、表2に示すエポキシ樹脂1および2を用い、(C)硬化剤として、三フッ化ホウ素モノエチルアミンを用い、(D)ベンゾトリアゾール系化合物として、表3に示す化合物1(ベンゾトリアゾール)を用い、(E)リン酸エステル基含有分散剤として、オクチルリン酸エステルを用いた。なお、(B)熱硬化性成分であるエポキシ樹脂1および2の配合比は、表4に示す通り、質量比で50:50とした。
(A)導電性粉末、(B)熱硬化性成分および(C)硬化剤を、90質量部:10質量部:0.5質量部の割合で配合するとともに、(D)ベンゾトリアゾール系化合物および(E)リン酸エステル基含有分散剤を表4に示す配合量(質量部)で配合し、3本ロールミルで混練した。その後、(F)溶剤としてブチルジグリコールアセテートを加えて粘度を100Pa・s(1rpm)に調整することにより、実施例1の導電性ペースト組成物を調製(製造)した。
得られた導電性ペースト組成物を用いて、前述した比抵抗評価用サンプルを作製し、導体パターン11の導体抵抗、並びに、耐湿性および耐熱性を評価した。その結果を表4に示す。
(実施例2)
表4に示すように、(A)導電性粉末として、表1に示す銀粉1および銀コート粉末3を用い、(B)熱硬化性成分として、表2に示すエポキシ樹脂1およびブロック化ポリイソシアネート化合物1を用い、(C)硬化剤として、2−エチル−4−メチルイミダゾールを用い、(D)ベンゾトリアゾール系化合物として、表3に示す化合物4(1−[N,N−ビス(2−エチルヘキシル)アミノメチル]メチルベンゾトリアゾール)を用い、(E)リン酸エステル基含有分散剤として、オクチルリン酸エステルを用いた。
なお、(A)導電性粉末である銀粉1および銀コート粉末3の配合比は、表4に示す通り、質量比で50:50とし、(B)熱硬化性成分であるエポキシ樹脂1およびブロック化ポリイソシアネート化合物1の配合比は、表4に示す通り、質量比で80:20とした。
成分(A)〜(E)の種類および配合量および配合比以外は、前記実施例1と同様にして実施例2の導電性ペースト組成物を調製(製造)し、この導電性ペースト組成物を用いて比抵抗評価用サンプルを作製した。得られた比抵抗評価用サンプルについて、導体パターン11の導体抵抗、並びに、耐湿性および耐熱性を評価した。その結果を表4に示す。
(実施例3〜5)
(A)導電性粉末、(B)熱硬化性成分、(C)硬化剤、(D)ベンゾトリアゾール系化合物、および(E)リン酸エステル基含有分散剤として、表4に示す各粉末または各化合物等を用いて、表4に示す配合比および配合量とした以外は、前記実施例1と同様にして実施例3〜5の導電性ペースト組成物を調製(製造)し、これら導電性ペースト組成物をそれぞれ用いて比抵抗評価用サンプルを作製した。得られたそれぞれの比抵抗評価用サンプルについて、導体パターン11の導体抵抗、並びに、耐湿性および耐熱性を評価した。その結果を表4に示す。
Figure 0006446272
(実施例6〜29)
(A)導電性粉末、(B)熱硬化性成分、(C)硬化剤、(D)ベンゾトリアゾール系化合物、および(E)リン酸エステル基含有分散剤として、表5〜表10に示す各粉末または各化合物等を用いて、表5〜表9に示す配合比および配合量とした以外は、前記実施例1と同様にして実施例6〜29の導電性ペースト組成物を調製(製造)し、これら導電性ペースト組成物をそれぞれ用いて比抵抗評価用サンプルを作製した。得られたそれぞれの比抵抗評価用サンプルについて、導体パターン11の導体抵抗、並びに、耐湿性および耐熱性を評価した。
実施例6〜10の結果を表5に、実施例11〜15の結果を表6に、実施例16〜20の結果を表7に、実施例21〜25の結果を表8に、実施例26〜29の結果を表9に示す。
(参考例)
(A)導電性粉末として、銀粉1および銀粉2のみを用い、銀コート粉末または銅系粉末を用いないとともに、(D)ベンゾトリアゾール系化合物を用いないで、(A)導電性粉末、(B)熱硬化性成分、(C)硬化剤、および(E)リン酸エステル基含有分散剤として、表11に示す配合比および配合量とした以外は、前記実施例1と同様にして参考例の導電性ペースト組成物を調製(製造)し、この導電性ペースト組成物を用いて比抵抗評価用サンプルを作製した。得られた比抵抗評価用サンプルについて、導体パターン11の導体抵抗、並びに、耐湿性および耐熱性を評価した。その結果を表9に示す。
Figure 0006446272
Figure 0006446272
Figure 0006446272
Figure 0006446272
Figure 0006446272
(比較例1,2)
(A)導電性粉末、(B)熱硬化性成分、(C)硬化剤、および(E)リン酸エステル基含有分散剤として、表10に示す各粉末または各化合物等を用いて、表10に示す配合比および配合量とするとともに、(D)ベンゾトリアゾール系化合物を用いなかった以外は、前記実施例1と同様にして比較例1または2の導電性ペースト組成物を調製(製造)し、これら導電性ペースト組成物をそれぞれ用いて比抵抗評価用サンプルを作製した。得られたそれぞれの比抵抗評価用サンプルについて、導体パターン11の導体抵抗、並びに、耐湿性および耐熱性を評価した。その結果を表10に示す。
(比較例3)
(A)導電性粉末、(B)熱硬化性成分、(C)硬化剤、および(D)ベンゾトリアゾール系化合物として、表11に示す各粉末または各化合物等を用いて、表10に示す配合比および配合量とするとともに、(E)リン酸エステル基含有分散剤を用いなかった以外は、前記実施例1と同様にして比較例3の導電性ペースト組成物を調製(製造)し、この導電性ペースト組成物を用いて比抵抗評価用サンプルを作製した。得られた比抵抗評価用サンプルについて、導体パターン11の導体抵抗、並びに、耐湿性および耐熱性を評価した。その結果を表10に示す。
(比較例4〜10)
(A)導電性粉末、(B)熱硬化性成分、(C)硬化剤、(D)ベンゾトリアゾール系化合物、および(E)リン酸エステル基含有分散剤として、表10または表11に示す各粉末または各化合物等を用いて、表10または表11に示す配合比および配合量とした以外は、前記実施例1と同様にして比較例4〜10の導電性ペースト組成物を調製(製造)し、これら導電性ペースト組成物をそれぞれ用いて比抵抗評価用サンプルを作製した。得られたそれぞれの比抵抗評価用サンプルについて、導体パターン11の導体抵抗、並びに、耐湿性および耐熱性を評価した。比較例4、5の結果を表10に、比較例6〜10の結果を表11に示す。
Figure 0006446272
Figure 0006446272
(実施例30〜32、比較例11、12)
(A)導電性粉末として、(A−2)銀粉末と(A−1)銅系粉末(銅粉または銅合金粉)とを併用するとともに、(B)熱硬化性成分、(C)硬化剤、(D)ベンゾトリアゾール系化合物、および(E)リン酸エステル基含有分散剤として、表12に示す各粉末または各化合物等を用いて、表12に示す配合比および配合量とした以外は、前記実施例1と同様にして実施例30〜32、比較例11,12の導電性ペースト組成物を調製(製造)し、これら導電性ペースト組成物をそれぞれ用いて比抵抗評価用サンプルを作製した。得られたそれぞれの比抵抗評価用サンプルについて、導体パターン11の導体抵抗、並びに、耐湿性および耐熱性を評価した。その結果を表12に示す。
Figure 0006446272
(実施例および比較例の対比)
実施例1〜29の結果(並びに、比較例5および参考例の結果)から明らかなように、熱硬化型導電性ペースト組成物において、(A)導電性粉末として、銀コート粉末および/または銅系粉末を用いた場合に、(D)ベンゾトリアゾール系化合物、および(E)リン酸エステル基含有分散剤を含有していれば、(A)導電性粉末として(A−2)銀粉末しか含んでいない構成(参考例の結果)と比較しても、硬化膜において遜色のない導電性を実現できるとともに、耐熱性および耐湿性も遜色のない優れたものであることが分かる。
一方、比較例1,2の結果では、(D)ベンゾトリアゾール系化合物を含有しなければ、硬化膜の耐湿性および耐熱性が劣っている。また、比較例3の結果では、(E)リン酸エステル基含有分散剤を含有していないと、同様の組成である実施例17,18,25,26に比べて導体抵抗がかなり高くなっている。それゆえ、(D)ベンゾトリアゾール系化合物および(E)リン酸エステル基含有分散剤の双方を含有していなければ、硬化膜における導電性、耐熱性および耐湿性のいずれも良好なものとすることが困難であることが分かる。
また、比較例4〜10では、いずれも、リン酸エステル基を含まない分散剤を用いているが、これら比較例の結果から明らかなように、同様の組成である実施例17,18,23,24に比べて、硬化膜における導電性、耐熱性および耐湿性のいずれも劣っていることが分かる(なお、比較例6で用いた分散剤:DISPERBYK−174(製品名)、並びに、比較例7で用いた分散剤:DISPERBYK−2000(製品名)は、いずれもBYK-Chemie GmbH製である)。
次に、実施例7の結果から、(D)ベンゾトリアゾール系化合物の含有量は、少なくとも0.01質量%あればよいことが分かる。また、実施例10の結果から、(D)ベンゾトリアゾール系化合物の含有量が1質量%でも、良好な結果が得られることが分かる。さらに、実施例17,18,23,24および比較例4〜6の結果から、(D)ベンゾトリアゾール系化合物の含有量は、1質量%を超えてもよいが、より一層良好な導電性を実現する観点から、好ましくは1.5質量%以下であればよいことが分かる。なお、比較例5は、本発明において実施例の範囲内に入るが、比較例4,6と対比する便宜上「比較例」として取り扱っている。
次に、実施例20の結果から、(E)リン酸エステル基含有分散剤の含有量は、少なくとも0.01質量%あればよいことが分かる。また、実施例2,4,7の結果から、(E)リン酸エステル基含有分散剤の含有量が0.3質量%であっても、良好な結果が得られることが分かる。さらに、実施例17,18,23,24および比較例4の結果から、(E)リン酸エステル基含有分散剤の含有量は、0.3質量%を超えてもよいが、硬化膜の耐湿性および耐熱性を良好なものとする観点では0.5質量%未満であればよいことが分かる。
次に、実施例30,31、32および比較例11,12およびの結果から明らかなように、(A)導電性粉末として、(A−1)銅系粉末(銅粉末または銅合金粉末)を用いた場合、(A−1)銅系粉末を用いない実施例等と比較して導体抵抗が高くなる。ここで、実施例30,31、32の結果および比較例11,12の結果の対比から明らかなように、(D)ベンゾトリアゾール系化合物および(E)リン酸エステル基含有分散剤の双方を含有していれば、導体抵抗は相対的に低くなるため、良好な導電性が実現できるとともに、耐湿性および耐熱性も優れたものとなることが分かる。
なお、本発明は前記実施の形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施の形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施の形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、各種電子機器や電子部品を製造する分野に好適に用いることができ、特に、太陽電池の集電電極、チップ型電子部品の内部電極または外部電極、RFID、電磁波シールド、振動子接着、メンブレンスイッチ、タッチパネルまたはエレクトロルミネセンス等に用いられる部品の電極または配線等、より高精細な電極または配線等を形成、あるいは電子部品の接着が求められる分野に広く好適に用いることができる。
11 導体パターン
11a 端子
11b 端子
11c 配線部分

Claims (3)

  1. (A)導電性粉末と、(B)熱硬化性成分と、(C)硬化剤と、を含有し、
    前記(A)導電性粉末として、(A−1)銀コート金属粉末、(A−1)銀コート金属粉末および(A−2)銀粉末もしくは、(A−1)銅またはその合金の粉末および(A−2)銀粉末いずれかが用いられ、
    前記(B)熱硬化性成分が、(B−1)エポキシ樹脂および(B−2)ブロック化ポリイソシアネート化合物の少なくとも一方であり、
    さらに、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体である(D)ベンゾトリアゾール系化合物、および、化学構造中にリン酸エステル基を有する(E)リン酸エステル基含有分散剤を含有し、
    (A)導電性粉末および(B)熱硬化性成分の合計量を100質量部としたときに、
    前記(D)ベンゾトリアゾール系化合物の配合量が0.01質量部以上1.5質量部以下であり、
    前記(E)リン酸エステル基含有分散剤の配合量が0.01質量部以上0.5質量部未満であることを特徴とする、
    熱硬化型導電性ペースト組成物。
  2. 前記銀コート金属粉末が、銀コート銅粉末、銀コート銅合金粉末、銀コートニッケル粉末、銀コートアルミニウム粉末からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする、
    請求項1に記載の熱硬化型導電性ペースト組成物。
  3. 前記(A)導電性粉末として、前記(A−2)銀粉末が用いられるときには
    前記(A−1)銀コート金属粉末、もしくは前記(A−1)銅またはその合金の粉末前記(A−2)銀粉末との配合比が、質量比で100:0〜1:99の範囲内であることを特徴とする、
    請求項1または2に記載の熱硬化型導電性ペースト組成物。
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