JP6445286B2 - 位相検出器、位相調整回路、受信器及び送信器 - Google Patents

位相検出器、位相調整回路、受信器及び送信器 Download PDF

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Description

本発明は、高周波信号の位相を検出することに適した位相検出器、位相調整回路、受信器及び送信器に関する。
現在、高周波RF(ラジオ・フルクエンシー:Radio Frequency)信号を用いたレーダーシステムは、自動車のレーダーや航空機の高度を検出すること等に用いられている。高周波RF信号を用いたレーダーシステムにおいては、受信されたRF信号の位相に係る情報が非常に重要な意味を持っている。なお、本明細書では、RF信号の位相に係る情報を、「位相情報」とも記す。RFの位相情報を活用する例としては、例えば、FMCW(周波数変調連続波:Frequency Modulated Continuous Wave)変調を用いたレーダーシステムが挙げられる。
図10は、FMCW変調を用いたレーダーシステムを説明するための模式図である。図10に示したレーダーシステムは、複数のアンテナ911を備えた受信器91を備えている。図10に示したレーダーシステムは、複数のアンテナ911を一方向に配置し、送信されてきたRF信号を受信器91によって受信する。RF信号が充分な距離を隔てた位置から送信されてきた場合、隣接するアンテナ911によって受信されるRF信号の位相は、互いに位相差θを有している。なお、位相差θは、隣接するアンテナ911間の距離dと、RF信号のアンテナ911に対する入射角φによって決定される。
図11は、図10に示した受信器91の内部を説明するための機能ブロック図である。受信器91は、1つのローカル信号生成源101と、複数のミキサ回路102と、を備えている。ローカル信号生成源101によって生成されたローカル信号は、ミキサ回路102の各々に分配される。各ミキサ回路102は、分配されたローカル信号を必要に応じて増幅する。
各ミキサ回路102に供給されるローカル信号の位相が厳密に同じである場合、各ミキサ回路102が出力するIF(中間周波数:Intermediate Frequency)信号は、受信したRF信号の位相差θと同じ位相差θを有する。これは、以下の式(1)によって表される。
Figure 0006445286
なお、式(1)において、各記号は以下のパラメータを示す。
ω:受信したRF信号の角周波数
ω:ローカル信号生成源によって生成されたローカル信号の角周波数
θ:受信したRF信号の位相情報(受信したRF信号の位相と、隣接するアンテナ911に受信されたRF信号の位相との差(位相差))
式(1)では、右辺が周波数変換によってダウンコンバートされた成分のみを示し、他の周波数成分は図示しないLPF(ローパスフィルタ:Low-pass filter)等によって除去されたものとする。
各ミキサ回路102に入力されるローカル信号間に位相の誤差θerrがある場合、誤差θerrと式(1)に示したIF信号との関係は、以下の式(2)によって表される。
Figure 0006445286
式(2)によれば、ローカル信号の位相の誤差は、直接IF信号の誤差として現れることが分かる。このようなレーダーシステムでは、各ミキサ回路102へ入力されるローカル信号間の相対的な位相精度が、被検出物の検出精度に直結する。
ローカル信号の位相の誤差は、アンテナ911及び配線によって生じる誤差と共に一括して補正することができる。このような場合、作業者は、レーダーシステムを作成した後、受信器91における各アンテナ911に受信されたRF信号間の位相差θの誤差θerrを測定する。そして、作業者は、測定によって得られた誤差θerrを入射角φを計算する際に差し引くことにより、位相差θの値を補正する。
ただし、各ミキサ回路102に供給されるローカル信号は、増幅回路同士のミスマッチ等によって異なる位相温度特性や位相電源電圧特性をもつ。このため、より高い精度の位相検出を行うには複数の温度条件、複数の電源電圧条件で予め誤差θerrを測定しておかなければならず、上記位相差θの補正には測定に手間と時間がかかるという欠点があった。
予め誤差θerrを測定する必要がない位相差θの補正としては、位相調整回路を用いる方法がある。位相差θを補正する位相調整回路は、例えば、特許文献1に記載されている。位相調整回路は、クロック信号等の基準信号を入力し、出力信号を出力し、基準信号と出力信号との位相差または遅延差を位相検出器によって検出する。さらに、位相調整回路は、検出された位相差または遅延差を使って出力信号の位相を基準信号の位相と一致させている。
図12は、図11に示した受信器91に位相調整回路110を適用した例を示した図である。位相調整回路110は、基準信号とローカル信号とを入力する。このとき、各位相調整回路110からは位相が等しい出力信号が出力される。つまり、図12に示した受信器では、複数のミキサ回路102の全てに入力されるローカル信号の位相が単一の基準信号の位相と一致し、全てのミキサ回路102に入力されるローカル信号を同一の位相に補正することができる。したがって、位相調整回路110を用いる位相の補正には、複数の温度条件や電源電圧条件における位相誤差を予め測定しておく必要がない。
図13は、公知の位相調整回路110を例示した図である。位相調整回路110は、遅延ロック・ループ回路として構成されている。位相調整回路110は、基準信号とローカル信号とを入力し、ローカル信号の位相を調整して出力信号を出力する回路である。図13に示した位相調整回路110は、フェーズシフタ111、位相検出器113及びチャージポンプ115を備えている。フェーズシフタ111は、ローカル信号を入力し、ローカル信号の位相を変化させる(シフトする)。位相が変化したローカル信号は、出力信号として位相調整回路110から出力する。位相検出器113は、基準信号の位相と出力信号の位相とを検出して両者の位相差をチャージポンプ115に出力する。チャージポンプ115は、基準信号と出力信号との位相差に応じた電圧信号を生成し、フェーズシフタ111に出力する。フェーズシフタ111は、電圧信号に応じてローカル信号の位相のシフト量を決定し、位相を変化させている。
特表平9−512966
しかしながら、上記した位相調整回路110を実現するためには、図13に示したように、位相検出器が必要である。現在、信号の位相を検出する位相検出器としては、周波数位相比較器、Ex−OR回路及びミキサ回路等が挙げられる。
図14は、図13に示した位相検出器113の構成を例示した図である。位相検出器113は、2つのDフリップフロップ131、Dフリップフロップ132、AND回路133及びミキサ回路135を有している。Dフリップフロップ131のクロック信号入力端子には基準信号が入力される。また、Dフリップフロップ132のクロック信号入力端子には図13に示した位相調整回路の出力信号が入力される。
また、Dフリップフロップ131、132のD端子には、データ信号が入力される。
位相検出器113は、基準信号と位相調整回路の出力信号とを入力し、入力された基準信号及び出力信号に基づいてラッチされたデータ信号の値をAND回路133に入力する。AND回路133はラッチされた信号が共に「1」である場合、即ち基準信号と出力信号の位相が一致している場合にDフリップフロップ131、132に対してリセット信号を出力し、Dフリップフロップ131、132をリセットする。また、基準信号の位相と出力信号の位相とが一致していない場合、基準信号と出力信号は加算器135において加算され、図12に示したチャージポンプ115に出力される。
このような位相検出器113として適用される周波数位相比較器、あるいはEx−OR回路では、出力信号の周波数が数GHzを超える高周波信号である場合、使用されているトランジスタの特性ばらつきや寄生容量の影響で位相の検出精度が低下することが知られている。
また、図12、図13に示したように、ミキサ回路を用いて周波数変換を行う場合、基準信号とローカル信号との位相差に応じた直流成分が受信器の出力信号に現れる。このとき、現実の回路においては、高周波信号特有のセルフミキシングと呼ばれる現象によって生じる直流信号が出力信号に混ざりこみ、検出精度が劣化するという問題があった。
上記したように、RF高周波信号の位相を正確に検出するためには、受信器のローカル信号の位相を高い精度で一致させることが必要であった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、高周波の信号の位相を高い精度で検出することが可能な位相検出器、このような位相検出器を用いた位相調整回路、受信器及び送信器を提供することを目的とする。
上記課題は、以下の手段によって解決することができる。即ち、本発明の位相検出器の一態様は、第1信号と、第1制御信号とを入力し、第1制御信号によって第1信号の極性の正負を切替えて第2信号として出力する第1切替器と、第2信号と、第3信号とを入力し、第2信号と第3信号とを加算して第4信号として出力する加算器と、第4信号を入力し、第4信号に対して偶数次及び奇数次の歪みが含まれる非線形の第5信号を出力する歪回路と、第5信号と、第1制御信号と同期させた第2制御信号とを入力し、第2制御信号によって第5信号の極性の正負を切替え第6信号として出力する第2切替器と、第5信号に含まれる変調信号又は第6信号に含まれる変調信号を除去する回路と、を備え、第1信号は、第3信号の角周波数のN(Nは2以上の偶数)倍の角周波数を有する。
また、本発明の一態様の位相検出器は、上記態様において、第2切替器が、第1信号の位相と第3信号の位相との差に応じた信号を第6信号として出力することができる。
また、本発明の一態様の位相検出器は、上記態様において、第1信号の周波数を、第3信号のN倍(Nは2以上の整数)の周波数とすることができる。
また、本発明の一態様の位相検出器は、上記態様において、第2切替器の後段にローパスフィルタ、平滑化回路、平均化回路、積分回路の少なくとも一つを備えることができる。
また、本発明の一態様の位相検出器は、上記態様において、第1切替器と加算器との間に分配器を設けることができる。
また、本発明の一態様の位相検出器は、上記態様において、分配器は、第1切替器から第2信号を入力し、加算器に第7信号を出力すると共に、第7信号と相対的な位相関係が保たれた第8信号を出力することができる。
また、本発明の一態様の位相検出器は、上記態様において、第1切替器の前段に分配器を設けることができる。
また、本発明の一態様の位相検出器は、上記態様において、分配器は、第1信号を入力し、第1切替器に第9信号を出力すると共に、第9信号と相対的な位相関係が保たれた第10信号を出力することができる。
また、本発明の一態様の位相検出器は、上記態様において、加算器に代えて方向性結合器を有することができる。
また、本発明の一態様の位相検出器は、上記態様において、方向性結合器が、第2信号及び第3信号を入力し、第4信号及び第4信号と相対的な位相関係が保たれた第11信号を出力することができる。
本発明の一態様の位相調整回路は、上記態様のいずれか1つに記載の位相検出器と、入力信号を入力し、入力信号の位相を第6信号に応じて変化させることにより第1信号を生成するフェーズシフタと、を備えることができる。
本発明の一態様の位相調整回路は、第0信号を入力し、第0信号の位相を変更して第1信号として出力するフェーズシフタと、第1信号と、第1制御信号とを入力し、第1制御信号によって第1信号の極性の正負を切替えて第2信号として出力する第1切替器と、第2信号を入力し、第2信号を第1分配信号と第2分配信号とに分配して出力する第1分配器と、第1分配信号と、第3信号とを入力し、第1分配信号と第3信号とを加算して第4信号として出力する加算器と、第4信号を入力し、第4信号に対して偶数次及び奇数次の歪みが含まれる非線形の第5信号を出力する歪回路と、第5信号と、第1制御信号と同期させた第2制御信号とを入力し、第2制御信号によって第5信号の極性の正負を切替え第6信号として出力する第2切替器と、第6信号を入力し、第0信号の位相を制御する制御信号をフェーズシフタに出力する制御回路と、第5信号に含まれる変調信号又は第6信号に含まれる変調信号を除去する回路と、を備え、第1信号は、第3信号の角周波数のN(Nは2以上の偶数)倍の角周波数を有することができる。
また、本発明の一態様の位相調整回路は、上記態様において、制御回路が、チャージポンプ回路を含むことができる。
また、本発明の一態様の位相調整回路は、上記態様において、制御回路が、AD変換器、プロセッサ、及びDA変換器を含むことができる。
また、本発明の一態様の位相調整回路は、上記態様において、第3信号を、所定の基準信号とすることができる。
また、本発明の一態様の位相調整回路は、上記態様において、第0信号は、位相調整回路に入力される入力信号とすることができる。
また、本発明の一態様の位相調整回路は、上記態様において、入力信号を入力し、第3分配信号と第3信号とに分配して出力する第2分配器と、第3分配信号を入力し、第3分配信号の周波数のN倍(Nは2以上の整数)の周波数を有する信号をフェーズシフタに出力する周波数N倍器と、を備えることができる。
また、本発明の一態様の位相調整回路は、上記態様において、入力信号を入力し、フェーズシフタに入力する第0信号と第3信号とに分配して出力する第2分配器と、フェーズシフタの出力の周波数のN倍(Nは2以上の偶数)の周波数を有する信号を第1信号として出力する周波数N倍器と、を備えることができる。
また、本発明の一態様の位相調整回路は、上記態様において、フェーズシフタと第1切替器との間に設けられたバッファを有することができる。
本発明の一態様の受信器は、上記態様の位相調整回路を備える。
本発明の一態様の送信器は、上記態様の位相調整回路を備える。
上記した態様によれば、高周波の信号の位相を高い精度で検出することが可能な位相検出器、このような位相検出器を用いた位相調整回路、受信器及び送信器を提供することができる。
本発明の第1実施形態の位相検出器を説明するための図である。 本発明の第2実施形態の位相検出器を説明するための図である。 本発明の第3実施形態の位相検出器を説明するための図である。 本発明の第4実施形態の位相調整回路を説明するための図である。 本発明の第5実施形態の位相調整回路を説明するための図である。 本発明の第6実施形態の位相調整回路を説明するための図である。 本発明の第7実施形態の位相調整回路を説明するための図である。 本発明の第8実施形態の受信器を説明するための図である。 本発明の第9実施形態の送信器を説明するための図である。 公知のFMCW変調を用いたレーダーシステムを説明するための模式図である。 図10に示した受信器の内部を説明するための機能ブロック図である。 図11に示した受信器に位相調整回路を適用した例を示した図である。 公知の位相調整回路を説明するための図である。 位相検出器の構成を例示した図である。
以下、本発明の第1第1実施形態から第6実施形態を説明する。なお、第1実施形態から第6実施形態の位相検出器は、いずれも信号A及び信号Bを入力し、信号Bの位相を基準にして信号Aの位相を検出する回路である。
・第1実施形態
[構成]
図1(a)、(b)は、第1実施形態の位相検出器1を説明するための図である。図1(a)に示すように、位相検出器1は、位相検出器1に第1極性切替信号Saと第2極性切替信号Sbとを出力する極性制御回路3と、位相検出器1が出力した信号を濾波するLPF(ローパスフィルタ:Low-pass filter)5と共に使用される。
図1(b)は、図1(a)に示した位相検出器1を示す図である。位相検出器1は、第1極性切替器11と、加算器13と、歪回路15と、第2極性切替器17と、を有している。
第1極性切替器11は、信号Aと共に、第1極性切替信号Saを入力する。そして、第1極性切替信号Saによって信号Aの極性の正負を切替え、極性切替後の信号を信号Scとして加算器13に出力する。
加算器13は、信号Scと、信号Bとを入力する。信号Bの角周波数は、信号Aの角周波数の1/2の値を有している。即ち、信号Bの角周波数をωとすると、信号Aの角周波数は2ωと表される。加算器13は、信号Scと信号Bとを加算する。加算後の信号を信号Sdと記す。信号Sdは、歪回路15に出力される。
また、第1実施形態は、信号Aの角周波数が信号Bの角周波数の2倍の角周波数を持つことに限定されるものでなく、N(Nは2以上の偶数)倍の角周波数を持つものであればよい。
なお、上記において、第1実施形態は、信号A、信号Bの周波数を角周波数で示している。しかし、当然のことながら、信号Aの角周波数が信号Bの角周波数のN倍の角周波数を持つ場合、信号Aの周波数は信号Bの周波数のN倍となる。
歪回路15は、非線形の入出力特性を有する回路である。このため、歪回路15に入力された信号Sdは、信号Sdに関する一次関数では表されない信号Se、即ち信号Sdに対して非線形な信号Seに変換されて第2極性切替器17に出力される。なお、第1実施形態の歪回路15とは、例えば増幅器やバッファ、ダイオード等の回路一般を指す。
第2極性切替器17は、信号Seと共に極性切替信号Sbを入力する。そして、第2極性切替信号Sbによって信号Seの極性の正負を切替え、極性切替後の信号を信号SfとしてLPF5に出力する。LPF5は、信号Sfを平滑化し、直流(DC)以外の周波数成分を除去してDC信号として出力する。このとき、DC信号は、信号Aと信号Bとの位相差に応じた直流信号となる。
なお、図1(a)に示した例では、LPF5を位相検出器1の後段に配置しているが、第1実施形態はこのような構成に限定されるものではない。例えば、第1実施形態は、LPF5を図1(b)に示した位相検出器1の第2極性切替器17の前段に設ける構成であってもよい。また、信号Sfを平滑化する構成はLPFに限定されるものではなく、デジタル演算によって信号を平滑化し、直流以外の周波数成分を除去する平滑化回路、平均化回路、及び積分器等を用いてもよい。
さらに、第1実施形態は、図1(b)に示した位相検出器1が図1(a)に示したLPF5をも含むものであってもよい。
[原理]
次に、第1実施形態の位相検出器1が被検出信号の位相情報を正確に検出することができる原理を説明する。この説明では、先ず、第1極性切替信号Sa、第2極性切替信号Sbが入力されない場合(第1極性切替器、第2極性切替器がない場合)の位相検出器1の動作について説明する。
ここでは、信号A、信号Bが以下のように表されるものとする。
Figure 0006445286
信号Aのθは、信号Aと信号Bの位相の差に相当する。また、信号Aの「A」は信号Aの最大振幅であり、信号Bの「B」は信号Bの最大振幅である。ωは信号A、信号Bの角周波数であり、tは時間を示している。この場合、歪回路15に入力される信号Sdの値Pは、以下の式(3)によって表される。
Figure 0006445286
なお、ここでいう歪回路とは、高調波成分が生じる回路を指す。第1実施形態の歪回路15の入出力特性を3次の非線形性を持った式で表すと、以下の式(4)のように表される。
Figure 0006445286
歪回路15の出力について周波数成分を持った項を図1に例示したLPF5、あるいは平均化処理等で取り除き、DC成分のみを残した場合、DC信号は、以下の式(5)によって表される。式(5)によれば、DC信号は、信号Aと信号Bの位相差θに依存することが明らかである。また、式(5)中のa及び後述するa、aは、歪回路15の設計によって決まる定数である。
Figure 0006445286
なお、上記式(4)、(5)では、歪回路15の入出力特性として3次の歪を例示したが、上記の関係は、入出力特性が3次より高次な奇数次の歪回路においても同様である。
ところで、歪回路15の入出力特性の非線形性が3次または奇数次だけではなく、式(6)のような2次の非線形性を持っている場合がある。
Figure 0006445286
歪回路15の入出力特性が2次の非線形性を持っている場合、歪回路15から出力される信号SeがLPF5を通ったDC成分は、以下の式(7)のように表される。
Figure 0006445286
式(7)によれば、2次歪によって位相情報を持ったDC成分以外のDC成分が生じることが分かる。位相情報を持ったDC成分以外のDC成分は、式(7)の右辺の第2項と第3項によって表される。なお、ここでは2次の歪を例示したが、より高次の偶数次の歪の場合も同様である。式(7)中のaの値は、差動回路の利用等によってaの値に比べて充分小さくなる。また、式(7)中のAの値を大きくすることにより、式(7)の第3項の値を第1項に比べて充分小さくすることができる。
ただし、式(7)中の第2項は、Aを含んでいて、第1項よりもAの値の寄与が大きい。このため、Aの値を大きくすることは、第2項をも大きくすることになる。現実の回路では、第1項の成分を検出するためにAの値を大きくすると、第2項に示す不要DC成分によって検出するべき位相情報に誤差が生じることになる。
上記の点を解消するため、第1実施形態では、図1に示した第1極性切替器11、第2極性切替器17を位相検出器1に設けている。信号Aの極性を第1極性切替信号Saによって切替えた信号は、以下の式(8)によって表される。
Figure 0006445286
信号Aが式(8)のように反転すると、加算器13において信号Bと加算されて出力される信号Sdの値Pは、以下の式(9)のようになる。
Figure 0006445286
式(9)に示した信号Sdの値Pを式(6)の入出力特性をもつ歪回路15に入力すると、その出力f(P)は、以下の式(10)によって表される。
Figure 0006445286
式(10)に示したf(P)は、式(7)に示したf(P)の第1項のみのDC信号の極性が反転する。このDC信号を第2極性切替器17に入力し、第1極性切替信号Saと同期させた第2極性切替信号Sbの制御によって極性を反転させると、その出力g(P)は、式(11)のように表される。
Figure 0006445286
式(11)と、第1極性切替器11、第2極性切替器17を設けない位相検出器から出力される式(7)に示した信号f(P)とを比較すると、式(11)の第1項の極性は式(7)の第1項の極性と等しく、式(11)の第2項、第3項の極性は式(7)の第2項、第3項の極性を反転したものになっている。この点を利用し、第1実施形態は、第1極性切替信号Sa及び第2極性切替信号Saの極性を適当な周期Tで切り替える。このようにすることにより、第1実施形態の位相検出器は、以下の式(12)によって表される、信号Aと信号Bの相対位相差θに応じたDC信号と、式(13)によって表される時間周期Tで正負が切り替わる変調信号とに分けられる。
Figure 0006445286
式13中のh(t)は周期的矩形関数であり、以下の式(14)によって表される。
Figure 0006445286
式(12)で示される成分は周期的に変化する信号である。このため、式(12)で示される成分をDC信号からLPF5や平均化処理等によって分離することができる。このため、第1実施形態は、式(12)で示される信号Aと信号Bの相対的な位相差θに応じたDC信号を分離し、式(12)で示される信号だけを得ることができる。このような第1実施形態は、被検出信号の位相情報を正確に検出することができる。
このような第1実施形態の位相検出器は、RF信号等の高周波の信号において、歪回路15の入出力特性の非線形性に2次または高次の偶数次がある場合にも、偶数次の効果による影響がなく、極めて正確に2つの信号A、信号Bの位相を比較することができる。
・第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態の位相検出器を説明する。
図2(a)、(b)は、第2実施形態の位相検出器を説明するための図である。なお、図2において、図1(a)、(b)に示した構成と同様の構成については同様の符号を付し、その説明を一部略すものとする。
図2(a)に示した第2実施形態の位相検出器21は、図1(b)に示した第1極性切替器11と加算器13との間に分配器23を設けたものである。分配器23は、第1極性切替器11から入力した信号を信号Shと信号Sgとに分配する。分配器23は、信号Shと信号Sgとの位相を、高い精度で一致させることができる。信号Shは、加算器13に入力される。信号Sgは、例えば受信器のミキサ回路等に入力されるローカル信号として用いることができる。
位相検出器21は、第1極性切替器11の後段に分配器23を設けることにより、ミキサ回路等に実際に入力される信号Sgの位相と加算器13に入力される信号Shの位相との相対的な関係を高い精度で一致させることができる。このため、第2実施形態の位相検出器21は、実質的に信号Sg(ローカル信号)と信号Bとの位相差を検出することができる。
なお、上記した相対的な位相の関係とは、2つの信号において、一方の信号の位相と、この信号の位相を基準にした他方の信号の位相との関係をいう。例えば、2つの信号における位相差は、一方の信号と他方の信号の相対的な関係を示す。本明細書においては、以降、このような「相対的な位相」を単に「位相」とも記す。あるいは、「相対的な位相の差」を単に「位相の差」とも記す。
また、第2実施形態の位相検出器は、図2(a)に示した位相検出器21に限定されるものではない。第2実施形態は、例えば、図2(b)に示した位相検出器22のように、分配器23を第1極性切替器11の前段に設けるようにしてもよい。このとき、分配器23は、信号Aを入力し、第1極性切替器11に信号Skを出力すると共に、信号Skと位相関係が保たれた信号Slを出力する。このとき、位相検出器22の信号Slも、信号Sgと同様にミキサ回路に入力されるローカル信号となる。
説明した第2実施形態の位相検出器21及び位相検出器22によれば、受信器のミキサ回路に実際に入力されるローカル信号と所望の基準信号(図2に示す信号B)との位相を比較することができるため、ローカル信号の位相と基準信号の位相とを高い精度で一致させることができる。
・第3実施形態
次に、本発明の第3実施形態の位相検出器を説明する。
図3は、第3実施形態の位相検出器31を説明するための図である。なお、図3に示した構成のうち、図1(a)、(b)、図2に示した構成については図1(a)、(b)、図2と同様の符号を付し、その説明を一部略すものとする。
第3実施形態の位相検出器31は、図1(b)に示した第1極性切替器11と歪回路15との間に、加算器13に代えて方向性結合器33を設けたものである。方向性結合器33は、第1極性切替器11から信号Scを入力すると共に、信号Bを入力して信号Sgと信号Sdとを出力する。このとき、方向性結合器33は、ミキサ回路に実際に入力される信号Sgの位相と歪回路15に出力される信号Sdの位相とを高い精度で一致させることができる。
方向性結合器33は、4ポートの回路である。4つのポートのうち、図3では、第1極性切替器11と接続されるポートにp1、信号Sgが出力されるポートにp2、信号Bが入力されるポートにp3、歪回路15に接続されるポートにp4の符号を付す。このとき、ポートp1から入力された信号Scはポートp2を通過(Through)する信号と、ポートp4と結合(Couple)して出力される信号とに分配される。ポートp2を通過する信号の強度とポートp4に結合される信号の強度との比は、方向性結合器33の設計によって任意に選択できる。
また、ポートp3とポートp1とは互いに絶縁されていて(Isolateの関係であり)、ポートp1から入力された一切の信号は、理想的にはポートp3に出力されることがない。また、ポートp3に入力された信号Bは、ポートp2とポートp4とに分配される。このような構成により、ポートp4からは、ポートp1に入力された信号とポートp3に入力された信号とが加算された信号Sdが出力される。
このような第3実施形態は、第2実施形態の分配器23と加算器13とを1つの方向性結合器33に代えることができる。したがって、第3実施形態は、第2実施形態の位相検出器21と同様の機能を有しながら、部品点数が少ない簡易な構成の位相検出器31を実現することができる。
なお、第3実施形態の位相検出器31では、ポートp2からポートp1とポートp3の信号とを加算した信号Smが出力される。ただし、第3実施形態では、ポートp3に入力された信号Bの周波数がポートp1に入力する信号Scの周波数の1/2であるため、方向性結合器33の設計によってポートp3からポートp2へ出力される信号の強度を十分小さくすることができる。
このような第3実施形態の位相検出器31によれば、先に示した第2実施形態の分配器23と加算器13の機能をさらに簡易に実現することができる。
・第4実施形態
次に、本発明の第4実施形態の位相調整回路を説明する。
図4は、位相検出器21を用いた第4実施形態の位相調整回路41を説明するための図である。なお、図4に示した構成のうち、図1(a)、(b)、図2、図3に示した構成については図1(a)、(b)、図2、図3と同様の符号を付し、その説明を一部略すものとする。
図4に示した位相調整回路41は、第2実施形態の位相検出器21と、位相検出器21の前段に設けられたフェーズシフタ42と、位相検出器21の後段に設けられたチャージポンプ44と、を有している。チャージポンプ44の出力は、フェーズシフタ42に出力されると共に、積分フィルタ45に出力されている。
位相調整回路41は、入力信号を入力し、フェーズシフタ42によって入力信号の位相を調整して信号Sjを生成する。
信号Sjは、位相検出器21に入力され、位相検出器21の分配器23から出力信号が出力される。また、分配器23からは信号Shが出力される。信号Shは、位相検出器21内で加算器13に入力され、基準信号と加算されて信号Sdとして非線形の入出力特性を有する歪回路15に出力される。歪回路15は、信号Sdを信号Seに変換して出力する。信号Seは、第2極性切替器17において第2極性切替信号Sbにより極性の正負が切替えられて信号Sfとして出力される。
信号Sfは、チャージポンプ44に出力されてDC信号になる。DC信号は、積分フィルタ45によって積分される。積分フィルタ45の出力は、位相調整コントロール信号Skとしてフェーズシフタ42に入力される。第4実施形態の位相調整回路41では、チャージポンプ44と積分フィルタ45が、図1(a)に示したLPF5の機能を果たす。また、第4実施形態は、必要に応じてLPFを追加することも可能である。このような第4実施形態は、位相検出器21が出力するDC信号が0、即ち歪回路15に入力される信号Sdの基準信号の成分とDC信号の成分の位相差が0になるようにフェーズシフタ42を介してフィードバックする。この結果、第4実施形態は、基準信号の位相と一致した位相を有する出力信号を出力する位相調整回路41を実現することができる。
このような第4実施形態の位相調整回路41によれば、基準信号と高い精度で位相が一致した出力信号を得ることができる。
・第5実施形態
図5は、第5実施形態の位相調整回路51を説明するための図である。なお、図5に示した構成のうち、図1(a)、(b)、図2、図4に示した構成については図1(a)、(b)、図2、図4と同様の符号を付し、その説明を一部略すものとする。
第5実施形態の位相調整回路51は、図4に示した位相調整回路41のチャージポンプ44及び積分フィルタ45に代えてADC(アナログ・デジタル変換器)53、プロセッサ55及びDAC(デジタル・アナログ変換器)57を設けることによって遅延ロック・ループを実現している。
位相調整回路51は、位相検出器21の位相情報を持つDC信号である信号Shが加算器13、歪回路15、第2極性切替器17を介して順次変換された後、信号SfとしてADC53に入力される。ADC53は、信号Sfをデジタル信号に変換する。デジタル信号は、プロセッサ55に入力され、必要に応じて処理されてデジタル信号Slとなった後、DAC57によってアナログ信号Smに変換される。アナログ信号Smは、位相変動量の制御信号としてフェーズシフタ42に入力される。
なお、位相調整回路51は、第1極性切替器11の前段またはADC53の後段に必要に応じてLPFを設けても良い。また、第5実施形態は、LPFに代えてプロセッサ55による平滑化処理を行うようにしてもよい。
さらに、第5実施形態はこのような構成に限定されるものではない。例えば、図5に示した位相調整回路51では第2極性切替器17をADC53の前段に設けているが、第2極性切替器17はADC53の後段にあってもよい。また、第5実施形態は、ADC53を省き、プロセッサ55において演算によりアナログ・デジタル変換を行ってもよい。また、位相調整回路51では、DAC57が出力するアナログ信号Smをフェーズシフタ42の位相制御信号としている。しかし、フェーズシフタ42をデジタル信号によって制御する構成とした場合、プロセッサ55から出力されるデジタル信号Slをフェーズシフタ42の位相制御信号としてもよい。
・第6実施形態
図6(a)、(b)は、第6実施形態の位相調整回路を説明するための図である。なお、図6(a)、(b)に示した構成のうち、図1(a)、(b)、図2、図4、図5に示した構成については図1(a)、(b)、図2、図4、図5と同様の符号を付し、その説明を一部略すものとする。
図6(a)に示した位相調整回路61は、図4に示した位相調整回路41のフェーズシフタ42の前段に、分配器63及び周波数2倍器65を設けて構成されている。位相調整回路61は、入力信号を分配器63に入力し、基準信号と信号Snとに分配する。
基準信号は、位相検出器21の加算器13に入力される。一方、信号Snは、周波数2倍器65に入力されて周波数が2倍の信号Soとなり、さらにフェーズシフタ42に入力される。信号Soは、フェーズシフタ42において周波数が調整されて信号Sjとなり、増幅器66において増幅された後に位相検出器21の第1極性切替器11に入力される。なお、第6実施形態は、図6(a)に示した位相調整回路61に限定されるものではない。例えば、図6(a)に示した周波数2倍器65は、フェーズシフタ42の前段に配置されてもよい。
図6(b)は、周波数2倍器65をフェーズシフタ42の前段に配置した位相調整回路62を示している。位相調整回路62は、フェーズシフタ42と周波数2倍器65との位置を入れ替えて構成してもよい。このような構成によれば、分配器63は、入力信号を入力し、基準信号と信号Snとに分配する。信号Snは、フェーズシフタ42に入力される。フェーズシフタ42の後段に設けられた周波数2倍器65は、フェーズシフタ42が出力した信号の周波数のN倍(Nは2以上の偶数)の周波数を有する信号を、信号Sjとして増幅器66を介して位相検出器21に出力する。
・第7実施形態
図7は、第7実施形態の位相調整回路71を説明するための図である。なお、図7に示した構成のうち、図1(a)、(b)、図2、図4、図5、図6に示した構成については図1(a)、(b)、図2、図4、図5、図6と同様の符号を付し、その説明を一部略すものとする。
図7に示した位相調整回路71は、図5に示した位相調整回路51のフェーズシフタ42の前段に、分配器63及び周波数2倍器65を設けて構成されている。位相調整回路71は、入力信号を分配器63に入力し、基準信号と信号Snとに分配する。基準信号は、位相検出器21の加算器13に入力される。一方、信号Snは、周波数2倍器65に入力されて周波数が2倍の信号Soとなり、さらにフェーズシフタ42に入力される。信号Soは、フェーズシフタ42において周波数が調整されて信号Sjとなり、増幅器66において増幅された後に位相検出器21の第1極性切替器11に入力する。
以上説明した第4実施形態乃至第7実施形態の位相調整回路は、入力信号の位相を調整して基準信号の位相と一致させることができる。
・第8実施形態
次に、本発明の受信器に係る第8実施形態について説明する。
図8は、第8実施形態の受信器81を説明するための図である。受信器81は、第6実施形態の位相調整回路61を用いている。なお、第8実施形態は、位相調整回路61を用いる構成に限定されるものでなく、位相調整回路61、51及び位相調整回路71のいずれを用いたものであってもよい。
受信器81は、RF信号を受信する複数のアンテナ83と、複数に分岐された入力信号を入力し、受信したRF信号と共に増幅する複数のミキサ回路85を有している。さらに、受信器81は、第6実施形態の位相調整回路61を備えている。位相調整回路61は、入力信号を入力し、位相を調整してDC信号であるローカル信号を出力する。このとき、ローカル信号間に位相の誤差θerrがあっても、位相調整回路61が誤差θerrを除去し、分岐した各ローカル信号の位相を一致させている。
図8において、入力信号はミキサ回路85に入力されるローカル信号の半分の周波数をもつ信号である。受信器81では、入力信号は各位相調整回路61に入力され、位相調整回路61を経由して各ミキサ回路85にローカル信号として入力される。各位相調整回路61は、入力信号の位相を容易に一致させることができる。
また、図6や図7に示された位相調整回路は、周波数2倍器65や増幅器66等にミスマッチがある場合でも、位相検出器21によってローカル信号の位相を入力信号と一致させることができる。このことから、図8に示した受信器81は、ミキサ回路85の全てに入力されるローカル信号の位相を一致させることができる。このため、第8実施形態は、高い精度で位相情報を取得することができる受信器81を提供することができる。
なお、第8実施形態では、第4実施形態乃至第7実施形態の位相調整回路を受信器81に適用する例を説明した。ただし、本発明の実施形態は、このような第8実施形態に限定されるものではなく、例えば複数の送信器等、複数の高周波信号の位相を一致させたい構成全般に適用することができる。
・第9実施形態
次に、本発明の送信器に係る第9実施形態について説明する。
図9は、第9実施形態の送信器91を説明するための図である。送信器91は、第6実施形態の位相調整回路61を用いている。なお、第9実施形態は、位相調整回路61を用いる構成に限定されるものでなく、位相調整回路61、51及び位相調整回路71のいずれを用いたものであってもよい。
送信器91は、RF信号を送信する複数のアンテナ83と、複数に分岐された入力信号を入力し、内部からのベースバンド信号と共に増幅する複数のミキサ回路85を有している。さらに、送信器91は、第6実施形態の位相調整回路61を備えている。位相調整回路61は、入力信号を入力し、位相を調整してローカル信号を出力する。このとき、ローカル信号間に位相の誤差θerrがあっても、位相調整回路61が誤差θerrを除去し、分岐した各ローカル信号の位相を一致させている。
図9において、入力信号はミキサ回路85に入力されるローカル信号の半分の周波数をもつ信号である。送信器91では、入力信号は各位相調整回路61に入力され、位相調整回路61を経由して各ミキサ回路85にローカル信号として入力される。各位相調整回路61は、入力信号の位相を容易に一致させることができる。
また、図6や図7に示された位相調整回路は、周波数2倍器65や増幅器66等にミスマッチがある場合でも、位相検出器21によってローカル信号の位相を入力信号と一致させることができる。このことから、図9に示した送信器91は、ミキサ回路85の全てに入力されるローカル信号の位相を一致させることができる。このため、第9実施形態は、高い精度で位相情報を供給することができる送信器91を提供することができる。
なお、第9実施形態では、第4実施形態乃至第7実施形態の位相調整回路を送信器91に適用する例を説明した。ただし、本発明の実施形態は、このような第9実施形態に限定されるものではなく、例えば複数の高周波信号の位相を一致させたい構成全般に適用することができる。
本発明は、複数の高周波信号の位相を一致させる回路であれば、どのような構成にも適用することができる。
1、21、22、31 位相検出器
3 極性制御回路
5 LPF
11 第1極性切替器
13 加算器
15 歪回路
17 第2極性切替器
23 分配器
33 方向性結合器
41、51、61、62、71 位相調整回路
42 フェーズシフタ
44 チャージポンプ
45 積分フィルタ
53 ADC
55 プロセッサ
57 DAC
63 分配器
65 周波数2倍器
66 増幅器
81、91 受信器
85、95 ミキサ回路

Claims (21)

  1. 第1信号と、第1制御信号とを入力し、前記第1制御信号によって前記第1信号の極性の正負を切替えて第2信号として出力する第1切替器と、
    前記第2信号と、第3信号とを入力し、前記第2信号と前記第3信号とを加算して第4信号として出力する加算器と、
    前記第4信号を入力し、前記第4信号に対して偶数次及び奇数次の歪みが含まれる非線形の第5信号を出力する歪回路と、
    前記第5信号と、前記第1制御信号と同期させた第2制御信号とを入力し、前記第2制御信号によって前記第5信号の極性の正負を切替え第6信号として出力する第2切替器と、
    前記第5信号に含まれる変調信号又は前記第6信号に含まれる変調信号を除去する回路と、
    を備え
    前記第1信号は、前記第3信号の角周波数のN(Nは2以上の偶数)倍の角周波数を有する位相検出器。
  2. 前記第2切替器は、前記第1信号の位相と前記第3信号の位相との差に応じた信号を前記第6信号として出力する請求項1に記載の位相検出器。
  3. 前記第1信号の周波数は、前記第3信号のN倍(Nは2以上の整数)の周波数である請求項1または2に記載の位相検出器。
  4. 前記第2切替器の後段にローパスフィルタ、平滑化回路、平均化回路、積分回路の少なくとも一つを備える請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の位相検出器。
  5. 前記第1切替器と前記加算器との間に分配器を設ける請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の位相検出器。
  6. 前記分配器は、前記第1切替器から前記第2信号を入力し、前記加算器に第7信号を出力すると共に、前記第7信号と相対的な位相関係が保たれた第8信号を出力する請求項5に記載の位相検出器。
  7. 前記第1切替器の前段に分配器を設ける請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の位相検出器。
  8. 前記分配器は、前記第1信号を入力し、前記第1切替器に第9信号を出力すると共に、前記第9信号と相対的な位相関係が保たれた第10信号を出力する請求項7に記載の位相検出器。
  9. 前記加算器に代えて、方向性結合器を有する請求項1から請求項4に記載の位相検出器。
  10. 前記方向性結合器は、前記第2信号及び前記第3信号を入力し、前記第4信号及び前記第4信号と相対的な位相関係が保たれた第11信号を出力する請求項9に記載の位相検出器。
  11. 請求項5から請求項10のいずれか1項に記載の位相検出器と、
    第0信号を入力し、前記第0信号の位相を前記第6信号に応じて変化させることにより前記第1信号を生成するフェーズシフタと、を備える位相調整回路。
  12. 第0信号を入力し、前記第0信号の位相を変更して第1信号として出力するフェーズシフタと、
    前記第1信号と、第1制御信号とを入力し、前記第1制御信号によって前記第1信号の極性の正負を切替えて第2信号として出力する第1切替器と、
    前記第2信号を入力し、前記第2信号を第1分配信号と第2分配信号とに分配して出力する第1分配器と、
    前記第1分配信号と、第3信号とを入力し、前記第1分配信号と前記第3信号とを加算して第4信号として出力する加算器と、
    前記第4信号を入力し、前記第4信号に対して偶数次及び奇数次の歪みが含まれる非線形の第5信号を出力する歪回路と、
    前記第5信号と、前記第1制御信号と同期させた第2制御信号とを入力し、前記第2制御信号によって前記第5信号の極性の正負を切替え第6信号として出力する第2切替器と、
    前記第6信号を入力し、前記第0信号の位相を制御する制御信号を前記フェーズシフタに出力する制御回路と、
    前記第5信号に含まれる変調信号又は前記第6信号に含まれる変調信号を除去する回路と、
    を備え
    前記第1信号は、前記第3信号の角周波数のN(Nは2以上の偶数)倍の角周波数を有する位相調整回路。
  13. 前記制御回路は、チャージポンプ回路を含む請求項12記載の位相調整回路。
  14. 前記制御回路は、AD変換器、プロセッサ、及びDA変換器を含む請求項12に記載の位相調整回路。
  15. 前記第3信号は、所定の基準信号である請求項12から14のいずれか1項に記載の位相調整回路。
  16. 前記第0信号は、位相調整回路に入力される入力信号である請求項12から請求項14のいずれか1項に記載の位相調整回路。
  17. 入力信号を入力し、第3分配信号と前記第3信号とに分配して出力する第2分配器と、
    前記第3分配信号を入力し、前記第3分配信号の周波数のN倍(Nは2以上の偶数)の周波数を有する信号を前記第0信号として前記フェーズシフタに出力する周波数N倍器と、
    を備える請求項12から15のいずれか1項に記載の位相調整回路。
  18. 入力信号を入力し、前記フェーズシフタに入力する前記第0信号と前記第3信号とに分配して出力する第2分配器と、前記フェーズシフタの出力の周波数のN倍(Nは2以上の偶数)の周波数を有する信号を前記第1信号として出力する周波数N倍器と、
    を備える請求項12から15のいずれか1項に記載の位相調整回路。
  19. 前記フェーズシフタと前記第1切替器との間に設けられたバッファを有する請求項12から17のいずれか1項に記載の位相調整回路。
  20. 請求項11から請求項18のいずれか1項に記載の位相調整回路を備える受信器。
  21. 請求項11から請求項18のいずれか1項に記載の位相調整回路を備える送信器。
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