JP6444719B2 - 半導体遮断器 - Google Patents

半導体遮断器 Download PDF

Info

Publication number
JP6444719B2
JP6444719B2 JP2014253237A JP2014253237A JP6444719B2 JP 6444719 B2 JP6444719 B2 JP 6444719B2 JP 2014253237 A JP2014253237 A JP 2014253237A JP 2014253237 A JP2014253237 A JP 2014253237A JP 6444719 B2 JP6444719 B2 JP 6444719B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
voltage
switch
phase
bidirectional
output
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014253237A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016115528A (ja
Inventor
真之 木村
真之 木村
浩隆 大嶽
浩隆 大嶽
達也 柳
達也 柳
雄二 吉久保
雄二 吉久保
敦彦 平井
敦彦 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rohm Co Ltd
Kyoto University
Fukushima Sic Applied Engineering Inc
Original Assignee
Rohm Co Ltd
Kyoto University
Fukushima Sic Applied Engineering Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rohm Co Ltd, Kyoto University, Fukushima Sic Applied Engineering Inc filed Critical Rohm Co Ltd
Priority to JP2014253237A priority Critical patent/JP6444719B2/ja
Publication of JP2016115528A publication Critical patent/JP2016115528A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6444719B2 publication Critical patent/JP6444719B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electronic Switches (AREA)
  • Emergency Protection Circuit Devices (AREA)
  • Driving Mechanisms And Operating Circuits Of Arc-Extinguishing High-Tension Switches (AREA)

Description

本発明は、半導体遮断器に関する。
特許文献1には、電源装置と負荷装置との間を導通状態と遮断状態に切り替える半導体スイッチ部と、電源装置から負荷装置に流れる電流を検出する電流検出部と、電流検出部によって検出された電流が所定の電流閾値以上であると判定した場合に、半導体スイッチ部を遮断状態にする遮断処理部とを備えた半導体遮断器が記載されている。
特許文献2には、各双方向スイッチ両端の電圧を検出し、各双方向スイッチの両端電圧に基づいて、各単方向半導体スイッチング素子をPWM開閉制御し、各双方向スイッチの両端電圧に基づいて、各双方向スイッチに対する過電圧を検出し、スイッチ過電圧保護信号を生成することが記載されている。
特許文献3には、半導体スイッチを組み合わせて構成される半導体双方向スイッチの2つを組みとして少なくとも1組設け、各半導体スイッチを構成する各半導体スイッチのゲート・コレクタ間にはツエナーダイオードとダイオードとの逆直列回路をそれぞれ接続するとともに、半導体双方向スイッチに両端の電圧を検出する電圧検出回路と、その検出値が設定値よりも大きくなった時にオン信号を発生する比較回路と、この比較回路の出力信号と半導体双方向スイッチの駆動信号とを入力とするAND回路と、このAND回路の出力信号と組をなす対向アームを駆動するゲート駆動回路とを各半導体双方向スイッチ対応に設け、オフする側の半導体双方向スイッチの両端の電圧が設定値よりも大きくなったとき、組をなす対向アームの半導体双方向スイッチをオンすることにより、半導体双方向スイッチに両方向に発生するスパイク電圧を抑制することが記載されている。
特許文献4には、U、V、W相の各相にそれぞれ3つの双方向スイッチを設けた三相/三相交流直接電力変換器の制御によって、交流電源から任意の電圧または周波数の三相変換出力することが記載されている。
特開2013−172603号公報 特許第4514496号公報 特開2001−111398号公報 特開2008−86094号公報
特許文献に示されるように、半導体双方向スイッチの両端の電圧を検出し、オフする側の半導体双方向スイッチの両端の電圧が設定値よりも大きくなったとき、半導体双方向スイッチをオンすることにより、半導体双方向スイッチに両方向に発生するスパイク電圧を抑制するような制御をすることが知られている。
本発明は、高速応答可能な半導体双方向スイッチを活用し、三相の各入力側電圧と出力側電圧とを計測し、計測電圧が取得された時に各双方向ACスイッチのON/OFF処理を相ごとに瞬時に行うように操作して突入電流をゼロにして半導体遮断器の開放、投入制御することを目的とする。
本発明は、三相交流入力側装置から出力側装置に電力を供給する電力供給線に配置された半導体スイッチを備えた半導体遮断器において、
半導体スイッチが、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3つのSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチが備えられ、各双方向ACスイッチは、最大電流100Aで、20個以上並列接続されて、入力側と出力側の電圧が一致した計測瞬間にオンとされる高速応答可能な無電圧接点とした電流−電圧特性を備え、
各双方向ACスイッチの入力側および出力側の電圧を計測する計測装置が設けられ、
開閉指令信号と各双方向ACスイッチの電圧計測状態から各双方向ACスイッチのオン・オフ処理を行う制御回路を備え、
当該制御回路が、開閉指令信号がオンの時に、3つの双方向ACスイッチの各入力側と出力側の計測された瞬間にオンまたはオフし、所定の電圧差の時に対応相の双方向ACスイッチにオンまたはオフ状態を維持し、各相の双方向ACスイッチに形成されたオンまたはオフ状態の3つの状態から、電源装置と負荷装置との間に開放状態もしくは投入状態を形成すること
を特徴とする半導体遮断器を提供する。
本発明は、三相交流入力側装置から出力側装置に電力を供給する電力供給線に配置された半導体スイッチを備えた半導体遮断器において、
半導体スイッチが、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3つのSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチが備えられ、各双方向ACスイッチは、20個以上並列接続されて、入力側と出力側の電圧が一致した瞬間にオンとされる高速応答可能な無電圧接点とした電流−電圧特性を備え、
各双方ACスイッチの入力側および出力側の電圧を計測する計測装置が設けられ、
開閉指令信号と各双方向ACスイッチの入力側および出力側の電圧計測結果とから各双方向ACスイッチのオン・オフ処理を行う制御回路を備え、
当該制御回路が、開閉指令信号がオンの時で電源装置と負荷装置との間に投入状態にある時に、3つの双方向ACスイッチの入力側と出力側の電圧が同時に、もしくは時間遅れをおいて一致した瞬間の電圧が計測された時に各相の双方向ACスイッチにオンし、各相の計測された電圧差から、各双方向ACスイッチに流れている電流値を計算し、該電流値と規定値との比較によって該電流値が規定値を越える時にすべての双方向ACスイッチをオン状態からオフ状態にして、投入状態から開放状態を形成すること
を特徴とする半導体遮断器を提供する。
本発明は、三相交流入力側装置から出力側装置に電力を供給する電力供給線に配置された半導体スイッチを備えた半導体遮断器において、
半導体スイッチが、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3つのSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチが備えられ、各双方向ACスイッチは、最大電流100Aで、20個以上並列接続されて、入力側と出力側の電圧が一致した瞬間にオンとされる高速応答可能な無電圧接点とした電流−電圧特性を備え、各双方向ACスイッチの出力側は短絡され、
各相の双方ACスイッチの三相交流入力側および直流出力側の電圧を各計測する計測装置が設けられ、
開閉指令信号と電圧差計測結果から各双方向ACスイッチのオン・オッフ処理を行う制御回路を備え、
当該制御回路が、開閉指令信号がオンの時で投入状態にある時に、各相の双方向ACスイッチの入力側の電圧を計測し、最も高い電圧となっている相を選定し、直流出力側電圧を計測し、最も高い相電圧が直流出力電圧に一致した瞬間にオンし、最も高い相電圧>直流出力電圧の条件が成り立つ状態で、対応する相の双方向ACスイッチをオン状態継続し、直流出力側電圧を生成し、他の2相の双方向ACスイッチをオフ状態にして、正出力半波整流を行うこと
を特徴とする半導体遮断器を提供する。
本発明は、三相交流入力側装置から出力側装置に電力を供給する電力供給線に配置された半導体スイッチを備えた半導体遮断器において、
半導体スイッチが、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3つのSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチが備えられ、各双方向ACスイッチは、最大電流100Aで、20個以上並列接続されて、入力側と出力側の電圧が一致した瞬間にオンとされる高速応答可能な無電圧接点とした電流−電圧特性を備え、各双方向ACスイッチの出力側は短絡され、
各相の双方ACスイッチの三相交流入力側および直流出力側の電圧を各計測する計測装置が設けられ、
開閉指令信号と電圧差計測結果から各双方向ACスイッチのオン・オフ処理を行う制御回路を備え、
当該制御回路が、開閉指令信号がオンの時で投入状態にある時に、各相の双方向ACスイッチの入力側の電圧を計測し、最も低い電圧となっている相を選定し、直流出力側電圧を計測し、最も低い相電圧が直流出力電圧に一致した瞬間にオンし、最も低い相電圧<直流出力電圧の条件が成り立つ状態で、対応する相の双方向ACスイッチをオン継続し、他の2相の双方向ACスイッチをオフ状態にして、負出力半波整流を行うこと
を特徴とする半導体遮断器を提供する。
半発明は、上述された正出力半波整流と負出力半波整流とを組み合わせることで全波整流を行うことを特徴とする半導体遮断器を提供する。
本発明は、三相交流入力側装置から出力側装置に電力を供給する電力供給線に配置された半導体スイッチを備えた半導体遮断器において、
半導体スイッチが、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3つのSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチが備えられ、各双方向ACスイッチは、最大電流100Aで、20個以上並列接続されて、入力側と出力側の電圧が一致した瞬間にオンとされる高速応答可能な無電圧接点とした電流−電圧特性を備え、各双方向ACスイッチの出力側は短絡され、
各相の双方ACスイッチの三相交流入力側および直流出力側の電圧を各計測する計測装置が設けられ、
開閉指令信号と電圧差計測結果から各双方向ACスイッチのオン・オフ処理を行う制御回路を備え、
出力電圧設定値を制御回路に設定する出力電圧設定回路を備え、
当該制御回路が、開閉指令信号がオンの時で投入状態にある時に、各相の双方向ACスイッチの入力側の電圧を計測し、最も高い電圧となっている相を選定し、直流出力側電圧を計測し、最も高い相電圧>直流出力電圧の条件が成り立ち、直流出力電圧が出力設定電圧に一致する瞬間にオンし、直流出力電圧<出力設定電圧の状態で、オン継続し、オン直流出力側電圧を生成し、直流出力電圧>出力設定電圧の状態の時に、オフし、他の2相の双方向ACスイッチについても同一条件でオン・オフすることで、正出力半波整流を行うこと
を特徴とする半導体遮断器を提供する。
本発明は、三相交流入力側装置から出力側装置に電力を供給する電力供給線に配置された半導体スイッチを備えた半導体遮断器において、
半導体スイッチは、最大電流100Aで、20個以上並列接続されて、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3つのSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチが備えられ、各双方向ACスイッチは、入力側と出力側の電圧が一致した瞬間にオンとされる高速応答可能な無電圧接点とした電流−電圧特性を備え、
各双方向ACスイッチの出力側は短絡され、
各相の双方ACスイッチの三相交流入力側および直流出力側の電圧を各計測する計測装置が設けられ、
開閉指令信号と電圧差計測結果から各双方向ACスイッチのオン・オフ処理を行う制御回路を備え、
出力電圧設定値を制御回路に設定する出力電圧設定回路を備え、
当該制御回路が、開閉指令信号がオンの時で投入状態にある時に、各相の双方向ACスイッチの入力側の電圧を計測し、最も低い電圧となっている相を選定し、直流出力側電圧を計測し、最も低い相電圧<直流出力電圧の条件が成り立ち、直流出力電圧が出力設定電圧に一致した瞬間にオンし、直流出力電圧<出力設定電圧の状態で、オン継続して、オン直流出力側電圧を生成し、直流出力電圧>出力設定電圧の状態の時に、オフし、他の2相の双方向ACスイッチについても同一条件でオン・オフすること、負出力半波整流を行うこと
を特徴とする半導体遮断器を提供する。
本発明は、上述された正出力半波整流と負出力半波整流とを組み合わせることで全波整流を行うことを特徴とする半導体遮断器を提供する。
制御回路が、開閉指令信号オンの時に、3つの双方向ACスイッチの各入力側と出力側の計測された瞬間にオンまたはオフし、所定の電圧差の時に対応相の双方向ACスイッチにオンまたはオフ状態を維持する。高速応答可能な半導体双方向スイッチを活用し、三相の各入力側電圧と出力側電圧とを計測し、計測電圧が取得された時に各双方向ACスイッチのオン・オフ処理を相ごとに瞬時に行うように操作して突入電流をゼロにして半導体遮断器の開放、投入制御することが出来る。
第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチの模式的回路構成図。 第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチに適用可能なSiC−MOSFETの回路表現図。 第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチに適用可能なSiC−MOSFETとSi−MOSFETの順方向および逆方向電流一電圧特性の説明図。 第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチに適用可能なSiC−MOSFETの順方向および逆方向のドレイン電流一ドレイン電圧特性例。 第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチに適用可能なSiC−MOSFETのドレイン電流、ボディダイオードの順方向電流一電圧特性例。 第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチの電流一電圧特性例。 第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチの電流一電圧特性上における定格電流動作範囲の説明図。 第2の実施の形態に係る双方向ACスイッチの模式的回路構成図。 第3の実施の形態に係る双方向ACスイッチの模式的回路構成図。 第3の実施の形態に係る双方向ACスイッチにおいて、双方向ACスイッチの単位セル202ijの模式的回路構成図。 実施の形態に係る双方向ACスイッチに適用可能な半導体デバイスの例であって、SiC−DIMOSFETの模式的断面構造図。 実施の形態に係る双方向ACスイッチに適用可能な半導体デバイスの例であって、SiC−TMOSFETの模式的断面構造図。 本発明の実施例1の形態を示す図。 本発明の実施例2−1の形態を示す図。 半波整流で得られる直流電圧値と同等の値となることを示す図。 本発明の実施例2−2の形態を示す図。 半波整流で得られる直流電圧値と同等の値となることを示す図。 直流出力端子間の電圧値が全波整流と同等の値になることを示す図。 半導体全波整流器の構成を示す図。 本発明の実施例3−1の形態を示す図。
本発明者等は、本発明に好ましく採用可能なSiC双方向ACスイッチについて特許出願をした(特願2014−225000)。本発明の説明に先立って、このSiC双方向ACスイッチについて説明する。
本実施の形態の一態様によれば、第1ゲート、第1ソースおよび第1ドレインを有する第1SiC−MOSFETと、前記第1ゲートおよび前記第1ソースとそれぞれ短絡された第2ゲートおよび第2ソースを有し、かつ第2ドレインを有する第2SiC−MOSFETと、互いに短絡された前記第1ゲートおよび第2ゲートに印加されるゲート電圧を制御するゲート駆動回路と、を備えたセルが、m直列×n並列に接続された双方向ACスイッチであって、前記双方向ACスイッチのスイッチ出力端子間の通電時の定格電流が、前記第1ソース側に正電圧が印加された場合に前記第1SiC−MOSFETのチャネル部と前記第1SiC−MOSEFTのボディダイオード部に流れる電流を比較して、前記チャネル部側を流れる電流の方が大きくなる電流範囲内に設定された双方向ACスイッチが提供される。このSiC双方向ACスイッチは、最大電流100Aで、20個以上並列接続されて、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3つのSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチが備えられ、各双方向ACスイッチは、入力側と出力側の電圧が一致した瞬間にONとされる高速応答可能な無電圧接点とした電流−電圧特性を備える。
図面を参照して、実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
また、以下に示す実施の形態は、このSiC双方向ACスイッチ発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、このSiC双方向ACスイッチ発明の実施の形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。
なお、以下の説明において、無電圧接点とは接点接触抵抗値が電流値によらず一定の値を有する接点であり、また少なくとも0V近辺での電流一電圧特性に線形性があり、電圧の正負切り替え時の電圧、電流波形歪みがない特性をいう。
[比較例]
Siを材料とした比較例に係る双方向ACスイッチの個々のセルにおいて、逆並列ダイオードはMOS電界効果トランジスタ(FET:Field Effect Transistor)のソース側に正電圧が印加された場合に、MOSFET部でなく、動作電流に対するオン抵抗がより低いダイオード部に電流を流すことを目的として接続されている。
双方向ACスイッチの個々のセルにおいて、MOSFETのゲートをオン状態にしてスイッチ出力端子間に交流電圧を印加すると、逆並列ダイオードが順方向バイアスされる側について、逆並列ダイオードのバリアハイト(barrier height)に相当する電圧以下の電圧領域ではほぼMOSFETのみを電流が流れ、それ以上の電圧領域ではMOSFETと逆並列ダイオードの両方を電流が流れる。
ここで、Si製のMOSFETは耐圧を確保するための構造によって一般にオン抵抗が高く、かつSi製の逆並列ダイオード(もしくはボディダイオード)のpn接合拡散電位がナローバンドギャップ半導体であるSiでは1V以下程度のためオン抵抗が低く抑えられることから、基本的に前記2つの動作モードはSi製双方向ACスイッチの定格電流範囲内に必ず存在する。
したがって、Si製双方向ACスイッチはゼロ電圧付近において電流一電圧特性の線形性が崩れており、接点スイッチ特性以外の特性や制約を持っているという点で厳密には無電圧接点(ドライ接点)とは言えない。また、低抵抗を目的として逆並列ダイオードを接続させている分、素子点数が多くなりシステム全体の大型化、高コスト化を招く。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチ100の模式的回路構成は、図1に示すように表される。
第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチ100は、図1に示すように、第1ゲートG1ij(i=1、2、…、m、j=1、2、…、nであり、m、nは1以上の整数)、第1ソースS1ijおよび第1ドレインD1ijを有する第1SiC−MOSFET Q1ijと、第1ゲートG1ijおよび第1ソースS1ijとそれぞれ短絡された第2ゲートG2ijおよび第2ソースS2ijを有し、かつ第2ドレインD2ijを有する第2SiC−MOSFET Q2ijと、互いに短絡された第1ゲートG1ij・第2ゲートG2ijにゲート電圧を印加するゲート駆動回路13ijと、を備えたセル110ijが、m直列×n並列に接続されている。
ここで、第1SiC−MOSFET Q1ijおよび第2SiC−MOSFET Q2ijのそれぞれのドレインD1ij・D2ijが接続されたスイッチ出力端子間の通電時の定格電流が、第1SiC−MOSFET Q1ijのソースS1ij側に正電圧が印加された場合に第1SiC−MOSFET Q1ijのチャネル部を流れるMOS電流IMOSと第1SiC−MOSEFT Q1ijのボディダイオード(BD1ij)部に流れるBD電流IBDを比較して、チャネル部側を流れるMOS電流IMOSの方が大きくなる電流範囲内に設定される。ここで、定格電流については、図7を参照して、後述する。
第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチ100を構成するセル110ijにおいて、ゲート駆動回路13ijは、図1に示すように、入力端子18A・18B間に印加する電圧を操作することで、オン・オフ制御可能な発光ダイオード(LED)8ijを備える。第1SiC−MOSFET Q1ijおよび第2SiC−MOSFET Q2ijの互いに短絡されたゲートG1ij・G2ijには、発光ダイオード(LED)8ijからの光を受光可能な受光素子と、受光素子に接続された充放電回路を少なくとも備えた光電変換回路などが接続されていても良いが、図示は省略する。すなわち、実施の形態に係る双方向ACスイッチ100を構成するセル110ijにおいては、発光ダイオード(LED)8ijを動作させ続け、これの動作を停止すれば、セル110ijの動作も停止するような構成を備えるため、図1においては、セル110ijのゲート制御部は、単にG1ij・G2ij間を短絡して示している。
第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチ100を構成するセル110ijにおいては、SiC−MOSFET Q1ijの第1ソースS1ijとSiC−MOSFET Q2ijの第2ソースS2ijとが互いに接続されるように、1200V80mΩのSiC−MOSFET Q1ijとQ2ijを接続し、LED8ijからの光信号を受光する受光素子と充放電回路でゲート制御を行う接点定格AC(700×m)V/(5×n)Aの双方向ACスイッチが構成可能である。
第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチを構成するセル110ijに適用可能なSiC−MOSFETの回路表現は、図2に示すように表される。図2の回路表現は、Si−MOSFETにおいても同様である。
第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチを構成するセル110ijに適用可能なSiC−MOSFETとSi-MOSFETの順方向および逆方向電流−電圧特性の説明図は、図3に示すように表される。
ここで、Si-MOSFETでは、オン状態においても順方向のMOS電流IMOS(Si−MOS)は、図3の破線に示すように、一般にオン抵抗が高い。かつSi製の逆並列ダイオード(もしくはボディダイオード)のpn接合拡散電位がナローバンドギャップ半導体であるSiでは1V以下程度のため、逆方向特性は、例えば、約0.6Vまでは、逆方向のMOS電流IMOS(Si−MOS)特性に従い、さらに約0.6V以上の逆方向電圧が印加されると、ボディダイオードBDの順方向電流が重畳されて、図3の破線に示すように、IBD(Si−MOS)の特性が得られる。
一方、SiC−MOSFETは、Si−MOSFETに比べて、オン状態(例えばゲート電圧Vgs=18V)において順方向のMOS電流IMOS(SiC−MOS)は、図3の実線に示すように、オン抵抗が低い。かつSiC製のボディダイオードBDのpn接合拡散電位がワイドギャップ半導体であるSiCでは約3V以下程度のため、ボディダイオードBDの電気特性は、例えば、図3の(2)の曲線(SiC−MOS)のIBDに示されるように、約0.6Vまでは、ほぼ非導通である。このため、逆方向特性は、例えば、約0.6Vまでは、逆方向のMOS電流IMOS(SiC−MOS)特性に従い、さらに約0.6V以上の逆方向電圧が印加されると、印加電圧が大きくなるほどボディダイオードBDの順方向電流が大きく重畳されて、図3の(1)の実線に示すように、IMOS+IBD(SiC−MOS)の特性が得られる。
第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチ100を構成するセル110ijに適用可能なSiC−MOSFETの順方向および逆方向のドレイン電流−ドレイン電圧特性例は、図4に示すように表される。図4において、破線RAは、1個のSiC−MOSFETの空冷時の定格動作範囲の一例を示す。
図4において、ゲート電圧Vgs=0Vにおいて順方向のMOS電流IMOSはほぼ導通せず、逆方向電流は、ボディダイオードBDに導通する電流IBDが示されている。一方、ゲート電圧Vgs=18Vにおいては、SiC−MOSFETはオン(導通)状態となり、順方向および逆方向のMOS電流IMOSは破線RAの範囲内においてともに直線性の良好な電流一電圧特性が得られている。
第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチを構成するセル110ijに適用可能なSiC−MOSFETにおいて、ゲート電圧Vgs=18Vのオン状態におけるMOSFETのチャネル部を導通するMOS電流IMOSの順方向電流−電圧特性例、およびボディダイオ一ドBDを導通するBD電流IBDの順方向−電圧特性例は、図5に示すように表される。また、破線は、ボディダイオードBDに流れる電流割合IBD/(IBD+IMOS)(%)を表している。
SiC−MOSFETのドレイン電流−ドレイン電圧特性(150度:定格ジャンクション温度)では、±5A以下の領域ではボディダイオードBDはほぼ動作せず、SiC−MOSFETのチャネル部の電気特性を反映した関係になっている。すなわち、図5に示すように、5A時のSiC−MOSFETのドレイン−ソース間オン電圧は0.68Vであるため、ソース側に正電圧が印加された場合のチャネル部とボディダイオードに流れる電流Dの比IBD/(IBD+IMOS)(%)は0.002%以下となり、ほぼ完全にMOSFET部にのみ電流が流れる。この傾向は25℃時では電流比は0.001%以下になり、同様の効果が得られる。
SiCはワイドバンドギャップ半導体であるが故に、pn接合を形成した場合の拡散電位はSiと比較して非常に大きい。このため、SiCを材料に使えば、ゲートオン状態においてMOSFETのソース側に正電圧が印加された場合にボディダイオードに流れる電流を抑制し、MOSFET部のみに選択的に電流を流すことができる。すなわち、SiCのpn接合拡散電位は3V程度と大きくボディダイオードが導通しにくいため、SiC−MOSFETのみで双方向スイッチ回路を作り、動作電流をボディダイオードを動かさずMOSFETのみに制限することで線形性の優れた双方向ACスイッチを作製することができる。
図1に示される回路構成により、SiC−MOSFET Q1ij・Q2ijを、それぞれのソースS1ijとS2ijとが互いに接続するようにして構成された双方向ACスイッチ100によりセル110ijが形成される。ここでSiC−MOSFET Q1ij・Q2ijはボディダイオードBD1ij・BD2ijを内蔵しているが、そのpn接合の拡散電位はワイドバンドギャップ半導体であるSiCから形成されているため3V程度と高く、一方で絶縁破壊電界が高いためドリフト層の膜厚を薄く、キャリア濃度を高く設定でき、SiC−MOSFET Q1ij・Q2ijのドレイン−ソース間オン抵抗を低く設定することができる。例えば、SiC−MOSFET Q1ij・Q2ijは、耐圧1200V、入力容量2080pFで、ドレインーソース間オン抵抗は、約80mΩを実現可能である。
このため、SiC−MOSFET Q1ij・Q2ijのソースS1ij・S2ij側に正電圧が印加されたとき、チャネル側電流経路のオン抵抗値をボディダイオードBD1ij・BD2ij側電流経路のオン抵抗より低く設定できる範囲がSi−MOSFETと比較して飛躍的に拡張でき、チャネル側に優先的に電流を流しやすくなる。Si−MOSFETにおいても大量に並列数を増やせばチャネル部のみに流せる電流範囲を増大させることはできるが、その場合MOSFET素子数とその数に応じた制御回路が必要になるため、双方向ACスイッチ全体のシステムが大きくなり現実的でない。
ここで、双方向ACスイッチの定格電流をチャネル側電流経路の電流が主になる範囲に制限すれば双方向ACスイッチの電流一電圧特性はSiC−MOSFETのチャネル部を通る電流の電流−電圧特性によって決まり、途中で主の電流経路が変化しないため電流−電圧特性の急峻な変曲点が現れなくなる。また、SiC−MOSFETはオン抵抗が低く、SiC−MOSFETのみに電流が流れる場合でも電圧降下がほとんどない。スイッチ出力部の接点接触抵抗はSiC−MOSFETのオン抵抗のみとなり、接触抵抗以外による電圧降下がほぼ発生しない無電圧接点の双方向ACスイッチを構成することができる。
第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチ100においては、SiC−MOSFETの線形領域特性のみを使用しているため、歪率の少なく線形性に優れた無電圧接点の双方向ACスイッチを構成することができる。また、逆並列接続されるボディダイオードとは別のダイオードがなく、部品点数が削減されるため、小型でかつ安価に製作でき、信頼性も向上する。
第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチ100においては、図5に示すように、定格電流が、第1SiC−MOSFETのソース側に正電圧が印加された場合に第1SiC−MOSFET Q1のボディダイオードBD1側に流れる電流が全体の1%以下になる電流範囲内に設定されていても良い。
すなわち、ボディダイオードBD側に流れる電流IBDをチャネル側に流れる電流IMOSと合わせた全体の電流値の1%以下になるように設定すれば、実質的にチャネル部のみに電流が流せるようになるため、電流一電圧特性の歪率が少なく線形性に優れた双方向ACスイッチを構成することができる。
また、第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチ100においては、図5に示すように、定格電流が流れた場合に、SiC−MOSFETのゲートをオンさせた状態におけるドレインーソース間に掛かる電圧の絶対値が1.0V以下になるように設定されていても良い。
すなわち、双方向ACスイッチの定格電流範囲内でSiC−MOSFETのゲートオン時のドレインーソース間オン電圧を1.0V以下にすることによって、実質的にほぼ完全にチャネル部のみに電流が流せるようになるため、電流−電圧特性の歪率が少なく線形性に優れた双方向ACスイッチを構成することができる。
SiC−MOSFETのボディダイオードはそのチップ面積や集積量に関わらず順方向電圧が1.0V以下であればほぼ動作しないため、実質的にチャネル部のみに電流が流せるようになる。さらに、1.0V以下の微小電圧領域においてはMOSFETのチャネル部を通る電流経路の電流−電圧特性のうち、線形領域部分のみを使えるため、飽和領域特性の影響による出力電流波形の歪みも抑制され、電流−電圧特性の線形性の非常に優れた双方向ACスイッチを構成することができる。
第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチを構成する単位セルの電流−電圧特性例であって、1200V80mΩのSiC−MOSFETの2並列接続回路から構成される双方向ACスイッチの電流−電圧特性は、図6に示すように表される。破線RAは、SiC−MOSFETの2並列接続回路から構成される双方向ACスイッチを構成する単位セルの定格動作範囲を示す。
第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチを構成する単位セルの電流−電圧特性上における定格電流動作範囲の説明図は、図7に示すように表される。
定格電流とは、第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチを構成する単位セルに適用されるSiC−MOSFETおよびこれらのSiC−MOSFETを2個直列接続した双方向ACスイッチにおいて、いずれも同様に定義可能である。すなわち、定格電流は、発熱量、熱抵抗、および冷却方法に依存し、一定の冷却条件において、定格接合温度TjMAX以下になる最大の電流値で定義される。
図7に示される第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチを構成する単位セルの線形範囲の電流一電圧特性上、電流値Iが定格電流で表される。+Iと−I間の電流範囲ΔIで、第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチを構成する単位セルは、線形の電流−電圧特性を示す。例えば、一定の空冷条件において、定格接合温度TjMAX=150℃において、定格電流I=5Aが得られている。
第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチによれば、構成するそれぞれのMOSFETがボディダイオードとは別の逆並列ダイオードを有しない無電圧接点双方向ACスイッチを実現することができる。
第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチによれば、所望の電流仕様範囲においてボディダイオードが動作しないようなSiC−MOSFETを適用可能であるため、電流−電圧特性の線形性が良好に保たれた無電圧接点双方向ACスイッチを実現することができる。
また、セルの直並列数は1以上の任意の値を取ってよく、この双方向ACスイッチを使ってシーケンスを組む場合には、無電圧接点であるために設計の複雑化を抑えることができる。例えば、設計の簡易化、設計期間の短縮、スイッチ部の電圧降下に基づく動作不良の回避が実現可能となる。なお一例として、図1におけるセルの直並列数の設定について説明する。各セルの直列接続数をiとし、印加される電圧の最大値をVMAXとした場合、最大印加電圧VMAXをセルの直列接続数iで除した各セルに加わる最大電圧が各セルの許容最大電圧を超えないように、セルの直列接続数iを設定する。また上記説明のように、ボディダイオードBD側に流れる電流IBDをチャネル側に流れる電流IMOSと合わせた全体の電流値の1%以下になるように設定するためには、各セルの定格電流I=5Aが得られた場合に、負荷24を流れる最大電流IMAXを定格電流Iで除すことにより並列接続数jが設定される。例えばSiC−MOSFETのオン抵抗が40mΩであればドレイン−ソース間の電流値を5A以下に抑えることにより、ドレイン−ソース間の電圧が1Vを超えないようにすることができる。今負荷24を流れる最大電流IMAXを100Aとすると、最大電流IMAX=100Aを5Aで除した値20が、セルの並列の接続数となる。このようにすることで直線性に優れた双方向ACスイッチを得ることができる。並列接続数jが20以上において好ましく採用される。
また、双方向ACスイッチのスイッチ出力端子の外側に直列に接続された電磁式スイッチ等による断路器をさらに備えていてもよい。半導体を使った双方向ACスイッチでは出力端子間の物理的接続は切れておらず、リーク電流を完全にゼロにすることは困難である。半導体を使った双方向ACスイッチの出力端子に直列に断路器が接続され、双方向ACスイッチが電流導通を遮断した後に断路器により電圧をオフにする順序を経ることで、高い安全性を確保するとともに、双方向ACスイッチオフ時の電力消費が抑制できる。双方向ACスイッチは電流遮断を1μ秒以内の短時間で完了できるため、電磁式スイッチ特有の放電現象による遮断時間の遅れとそれに伴う巨大事故電流発生の可能性を完全に排除する。このことは、系統に接続される配線や電子機器の電流許容設計の簡略化を実現する。
第1の実施の形態に係る双方向ACスイッチによれば、電圧−電流特性の線形性に優れ、小型で安価、長寿命、高耐圧、大電流容量で高速応答可能な無電圧接点の双方向ACスイッチを提供することができる。
[第2の実施の形態]
第2の実施の形態に係る双方向ACスイッチ102の模式的回路構成は、図8に示すように、双方向ACスイッチ102の各セル111ijの第1ドレインD1ijおよび第2ドレインD2ij間に接続されたサージキラー回路26ijを備える。
サージキラー回路26は、互いにカソードを向かい合わせに接続した第1アバランシェブレークダウンダイオード(ABD:Avalanche breakdown diode)ABD1ijおよび第2アバランシェブレークダウンダイオードABD2ijを備えていても良い。
第2の実施の形態に係る双方向ACスイッチ102は、図8に示すように、各段の出力端子間にABD1ij・ABD2ijを向かい合わせにしたサージキラー回路26を接続している。この構成により、例えば、接点定格負荷AC(700×m)V/(5×n)Aの双方向ACスイッチ102を提供することができる。また、i段目に接続されたサージキラー回路26により、同じi段目のSiC−MOSFET Q1ij・Q2ijのドレイン−ソース間に掛かる電圧を制限することができる。
SiC−MOSFETは材料であるSiCが高絶縁破壊電界であることを利用してドリフト層の膜厚を薄く、キャリア濃度を高く設定できる反面、ゲート絶縁膜に強い電界強度が掛かってしまう危険がある。これに対し、アバランシェ降伏電圧でなくゲート絶縁膜への電界集中緩和を目的としたドリフト層条件設定を行うため、デバイスのドレイン−ソース間定格電圧とアバランシェ降伏電圧が大きく乖離している特徴を持っていることが多い。
ここで仮にSiC−MOSFETにSiCショットキーバリアダイオード(SiC−SBD:Silicon Carbide Schottky Barrier Diode)を逆並列接続させていた場合は、SiC−SBDのアバランシェ降伏によって電圧が制限されるが、SiC−MOSFETのみで双方向ACスイッチを構成した場合は、意図せぬ巨大電圧が印加された場合に、アバランシェ降伏せずに印加電圧がデバイスのドレインーソース間定格電圧を継続的に超過する危険がある。
ここで、双方向ACスイッチの各段の出力端子間に向かい合わせに接続したABDを配置することで、双方向ACスイッチの各セルに掛かる電圧をABDのアバランシェ降伏電圧によって規定することができる。
また、SiC−MOSFETの中間点と向かい合わせにしたABDの中間点とを接続しないため、ABDの順方向特性による双方向ACスイッチの電流−電圧特性への影響をなくすことができるため、ABDの順方向特性をデバイス選定基準から外すことができ、設計の自由度が向上する。
第2の実施の形態に係る双方向ACスイッチによれば、双方向ACスイッチの各セルに掛かる電圧をABDのアバランシェ降伏電圧によって規定することができ、電圧−電流特性の線形性に優れ、小型で安価、長寿命、高耐圧、大電流容量、高速応答可能で、大電圧や分圧バランスの不均一に起因するSiC−MOSFETの破壊の危険が軽減した無電圧接点の双方向ACスイッチを提供することができる。
また、サージキラー回路は双方向スイッチの各段毎に1つ以上接続されていても良く、各セル毎に接続されていても良い。さらに、ABDの耐圧を確保する目的でABDの直列数を増加させても良い。
また、セルの直並列数は1以上の任意の値を取っても良く、この双方向ACスイッチを使ってシーケンスを組む場合には、無電圧接点であるために設計の複雑化を抑えることができる。例えば、設計の簡易化、設計期間の短縮、スイッチ部の電圧降下に基づく動作不良の回避を実現可能である。
[第3の実施の形態]
第3の実施の形態に係る双方向ACスイッチ104の模式的回路構成は、図9に示すように表され、双方向ACスイッチ104を構成するセル202ijの模式的回路構成は、図10に示すように表される。
第3の実施の形態に係る双方向ACスイッチ104は、図9・図10に示すように、ソース同士が互いに接続された2つのMOSFET Q1ij・Q2ijと、MOSFET Q1ijのドレインD1ijとMOSFET Q2ijのドレインD2ij間に2つのABD1ij・ABD2ijを向かい合わせにしたサージキラー回路26を備える構成を単位セル202ijとし、この単位セル202ijをm直列×n並列に接続した構成を備える。
また、ゲート駆動回路15は、入力端子18A・18Bに接続されたE/O変換器22と、直流電圧(DC+24V)が供給された絶縁型DC/DC変換器16と、E/O変換器22に接続された光ファイバー17と、光ファイバー17を介してE/O変換器22と接続され、かつ絶縁型DC/DC変換器16と接続されたO/E変換器14と、O/E変換器14に接続されたFETドライバ12i1とを備える。E/O変換器22とO/E変換器14の間には絶縁型DC/DC変換器16と同等以上の耐圧が確保されている。
第3の実施の形態に係る双方向ACスイッチ104によれば、例えば、接点定格負荷AC(700×m)V/(5×n)Aの双方向ACスイッチを提供することができる。
第3の実施の形態によれば、光ファイバーによる十分な絶縁距離の確保によって、制御側のノイズ耐性を強化し、ゲート電圧低下による電流の低下や、ゲート過電圧によるゲート破壊、スイッチング特性の悪化を抑制した双方向ACスイッチを構成することができる。
また、第3の実施の形態によれば、サージキラー回路による印加電圧の保証をすることで故障しにくく、電圧一電流特性の線形性に優れ、小型で安価、長寿命、高耐圧、大電流容量、高速応答可能で、大電圧や分圧バランスの不均一に起因するSiC−MOSFETの破壊の危険が軽減した無電圧接点の双方向ACスイッチを提供することができる。
(半導体デバイスの構成例)
−SiC−DIMOSFET−
第1〜第3の実施の形態に係る双方向ACスイッチに適用可能な半導体デバイス200の例であって、SiC−DI(Double Implanted)MOSFETの模式的断面構造は、図11に示すように表される。
第1〜第3の実施の形態に係る双方向ACスイッチに適用可能なSiC−DIMOSFETは、図11に示すように、nSiC基板124と、nSiC基板124上にエピタキシャル成長されたnドリフト層126と、nドリフト層126の表面側に形成されたpボディ領域128と、pボディ領域128の表面に形成されたnソース領域130と、pボディ領域128間のnドリフト層126の表面上に配置されたゲート絶縁層132と、ゲート絶縁層132上に配置されたゲート電極138と、nソース領域130およびpボディ領域128に電気的に接続されたソース電極134と、nSiC基板124の、nドリフト層126と反対側の表面に電気的に接続されたドレイン電極136とを備える。
図11では、半導体デバイス200は、pボディ領域128と、pボディ領域128の表面に形成されたnソース領域130が、ダブルイオン注入(DI)で形成され、ソースパッド電極SPは、nソース領域130およびpボディ領域128に接続されたソース電極134に接続される。ゲートパッド電極GP(図示省略)は、ゲート絶縁層132上に配置されたゲート電極138に接続される。また、ソースパッド電極SP・ソース電極134およびゲートパッド電極GP(図示省略)は、図11に示すように、半導体デバイス200の表面を覆うパッシベーション用の層間絶縁膜144上に配置される。
−SiC−TMOSFET−
第1〜第3の実施の形態に係る双方向ACスイッチに適用可能な半導体デバイス200の例であって、SiC−TMOSFETの模式的断面構造は、図12に示すように表される。
第1〜第3の実施の形態に係る双方向ACスイッチに適用可能なSiC−TMOSFETは、図12に示すように、nSiC基板124と、nSiC基板124上にエピタキシャル成長されたnドリフト層126Nと、nドリフト層126Nの表面側に形成されたpボディ領域128と、pボディ領域128の表面に形成されたnソース領域130と、pボディ領域128を貫通し、nドリフト層126Nまで形成されたトレンチの内にゲート絶縁層132および層間絶縁膜144U・144Bを介して形成されたトレンチゲート電極138TGと、ソース領域130およびPボディ領域128に接続されたソース電極134と、nSiC基板124の、nドリフト層126Nと反対側の表面に電気的に接続されたドレイン電極136とを備える。
図12では、半導体デバイス200は、pボディ領域128を貫通し、半導体基板126Nまで形成されたトレンチ内にゲート絶縁層132および層間絶縁膜144U・144Bを介して形成されたトレンチゲート電極138TGが形成され、ソースパッド電極SPは、ソース領域130およびPボディ領域128に接続されたソース電極134に接続される。ゲートパッド電極GP(図示省略)は、ゲート絶縁層132上に配置されたゲート電極138に接続される。また、ソースパッド電極SP・ソース電極134およびゲートパッド電極GP(図示省略)は、図12に示すように、半導体デバイス200の表面を覆うパッシベーション用の層間絶縁膜144U上に配置される。
SiC−TMOSFETはドレイン電流経路にpボディ領域128から伸張するジャンクション抵抗が存在しないため、SiC−DMOSFETと比較してさらに低オン抵抗のFETを提供することが可能であり、1素子当たりに100A以上のドレインパルス電流を許容することも可能になる。
また、第1〜第3の実施の形態に係る双方向ACスイッチに適用可能な半導体デバイス200には、SiC系MOSFETの代わりに、GaN系FETなどを適用することもできる。
SiCデバイスは、高絶縁破壊電界(例えば、約3MV/cmであり、Siの約3倍)であることから、Siに比べてドリフト層の膜厚を薄くし、かつキャリア濃度を高く設定しても耐圧が確保できる。絶縁破壊電界の違いから、SiC−MOSFETのピーク電界強度は、Si−MOSFETのピーク電界強度よりも高く設定可能である。
SiC−MOSFETにおいては、キャリア濃度と膜厚の双方のメリットによって、nドリフト層126・126Nの抵抗値を低減し、オン抵抗を低くすることができ、チップ面積を縮小化(小チップ化)可能である。さらにユニポーラデバイスであるMOSFET構造のままで、Si−IGBTに匹敵し得る耐圧とオン抵抗を実現可能であることから、高耐圧でかつ高速スイッチングできるとされ、スイッチング損失の低減が期待できる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、電圧−電流特性の線形性に優れ、小型で安価、長寿命、高耐圧、大電流容量で高速応答可能な無電圧接点の双方向ACスイッチを提供することができる。
[その他の実施の形態]
上記のように、第1〜第3の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述および図面は例示的なものであり、この発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
[実施例1]
図13は、本発明の実施例1の形態を示す図である。
図13において、半導体遮断器1(1A)は、入力側の三相交流入力部2のR1、S1、T1と出力側の三相交流出力部3のR2、S2、T2とを結ぶ電力供給線4、5、6に独立に設置した各SiC双方向ACスイッチR、SiC双方向ACスイッチSおよびSiC双方向ACスイッチTが備えられる。すなわち、この半導体遮断器1は、三相交流入力装置の電源装置から出力装置の負荷装置に電力を供給する電力供給線に配置された半導体スイッチを備えた半導体遮断器である。SiC双方向ACスイッチの典型的な事例についての詳細は後述されが、SiC双方向ACスイッチは、このm直列×n並列に接続され、ドレインとソースとの間に掛る電圧の絶対値が1.0V以下になるように設定される特徴を備える。また、このSiC双方向ACスイッチは、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3つのSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチが備えられ、各双方向ACスイッチは、最大電流100Aで、20個以上並列接続されて、入力側と出力側の電圧が一致した瞬間にオンとされる高速応答可能な無電圧接点とした電流−電圧特性を備える。
半導体遮断器1は、半導体スイッチが、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3個のSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチで構成される。
各双方向ACスイッチの入力側および出力側の電圧を計測する計測装置が設けられる。図面には、計測装置として入力側の電力供給線4、5、6に高電圧プローブR1、S1、T1が結線され、出力側の電力供給線4、5、6に高電圧プローブR2、S2、T2が結線される。
開閉指令信号8と各双方向ACスイッチの電圧計測状態から各双方向ACスイッチのオン・オフ処理を行う制御回路Aを備える。高電圧プローブR1、S1、T1および高電圧プローブR2、S2、T2で計測された電圧は、制御回路Aに入力される。
制御回路Aで形成された制御信号は、配線11、12、13を介してSiC双方向ACスイッチR、SiC双方向ACスイッチSおよびSiC双方向ACスイッチTに伝達される。
動作の説明
1.初期状態では、半導体遮断器1は、開閉指令信号8がオフのときに「開放」状態になっており、制御回路Aは、3つのSiC双方向ACスイッチR、SiC双方向ACスイッチSおよびSiC双方向ACスイッチTをすべてオフさせている。
2.この状態で、開閉指令信号8がオフからオンになったとき、制御回路Aは、各相のSiC双方向ACスイッチR、SiC双方向ACスイッチSおよびSiC双方向ACスイッチTをオンさせる。
3.したがって、三相交流の歪みがない場合は、制御回路Aは、3つのSiC双方向ACスイッチR、SiC双方向ACスイッチSおよびSiC双方向ACスイッチTをすべて同時にオンさせることになる。歪みがある場合は、制御回路Aは、数十秒から数ミリ秒程度の時間遅れをおいて、3つのSiC双方向ACスイッチR、SiC双方向ACスイッチSおよびSiC双方向ACスイッチTを順次オンさせることになる。
4.3つのSiC双方向ACスイッチR、SiC双方向ACスイッチSおよびSiC双方向ACスイッチTがすべてオンになることで半導体遮断器1は、「投入」状態となる。
5.半導体遮断器1が「投入」状態にあるときは、制御回路Aは、各相の電圧計測結果から、各双方向ACスイッチに流れている電流値を計算する。例えば、その電流値が規定値を越えたような場合、「過電流トリップ操作」を行い、各双方向ACスイッチをすべてOFFさせることで、半導体遮断器1を「開放」状態にして、周辺機器の保護を行う。
6.あるいは、三相交流の各相に流れる電流値に規定値以上の偏差が検出された場合、相関短絡あるいは漏電が発生したものとして、やはり半導体遮断器1を「開放」状態にする。
このように、当該制御回路Aが、開閉指令信号8がオンの時に、3つの双方向ACスイッチの各入力側と出力側の計測された瞬間にオンまたはオフし、所定の電圧差で、対応相の双方向ACスイッチにオンまたはオフ状態を維持し、各相の双方向ACスイッチに形成されたオンまたはオフ状態の3つの状態から、電源装置と負荷装置との間に開放状態もしくは投入状態を形成する。
また、当該制御回路Aが、開閉指令信号8がオンの時で電源装置と負荷装置との間に投入状態にある時に、3つの双方向ACスイッチの入力側と出力側の電圧が同時に、もしくは時間遅れをおいて一致した瞬間の電圧が計測された時に各相の双方向ACスイッチにオンし、各相の計測された電圧差から、各双方向ACスイッチに流れている電流値を計算し、該電流値と規定値との比較によって該電流値が規定値を越える時にすべての双方向ACスイッチをオン状態からオフ状態にして、投入状態から開放状態を形成する。
本実施例による半導体遮断器1を用いることで、入力電圧と出力側電圧が完全に一致しているときに各相の双方向ACスイッチをオフからオンにするので、「投入」した瞬間の突入電流をゼロにすることが出来る。
例えば、受電設備の遮断器として適用した場合、容量性負荷の影響で負荷側に電圧が残っているような場合でも突入電流ゼロの「投入」操作が可能になる。
例えば、発電機主遮断器として適用した場合、併入時の突入電流をゼロに出来る。
本実施例になる半導体遮断器では、瞬時(100ns程度をいう。)のオンにすることが出来るため、入力側および出力側の電圧が厳密に一致したことを計測し、一致した時に瞬間に「開放」操作を行えるので、事故電流が発生する前に負荷を系統から切り離すことが可能になる。各相電流を常に計測監視できるので、過電流保護、地絡保護などのための保護継電器機能を安価に組み込むことが出来る。本実施例のSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチは、自身がオン時に突入電流を抑制するインピーダンス特性を持っていることのため、バンプレス併入が可能になる。
[実施例2−1]
図14は、本発明の実施例2−1の形態を示す図である。
図14において、半導体遮断器1Bは、入力側の三相交流入力部2のR1、S1、T1と出力側の直流出力部3のDPとを結ぶ電力供給線4、5、6に独立に設置した各SiC双方向ACスイッチR、SiC双方向ACスイッチSおよびSiC双方向ACスイッチTが備えられる。すなわち、この半導体遮断器1は、三相交流入力装置の電源装置から出力装置の負荷装置に電力を供給する電力供給線に配置された半導体スイッチを備えた半導体遮断器である。SiC双方向ACスイッチの典型的な事例についての詳細は後述されるが、SiC双方向ACスイッチは、最大電流100Aで、20個以上並列接続されて、ドレインとソースとの間に掛かる電圧の絶対値が1.0V以下になるように設定される特徴を備える。また、このSiC双方向ACスイッチは、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3つのSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチが備えられ、各双方向ACスイッチは、入力側と出力側の電圧が一致した瞬間にオンとされる高速応答可能な無電圧接点とした電流−電圧特性を備える。
出力側の電力供給線4、5、6は、短絡され、電力供給線7とされる。
半導体遮断器1は、半導体スイッチが、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3個のSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチで構成される。
各双方向ACスイッチの入力側および出力側の電圧を計測する計測装置が設けられる。図面には、計測装置として入力側の電力供給線4、5、6に高電圧プローブR1、S1、T1が結線され、出力側の電力供給線7に高電圧プローブD2が結線される。
開閉指令信号8と各双方向ACスイッチの電圧計測状態から各双方向ACスイッチのオン・オフ処理を行う制御回路Bを備える。高電圧プローブR1、S1、T1および高電圧プローブD2で計測された電圧は、制御回路Bに入力される。
制御回路Bで形成された制御信号は、配線11、12、13を介してSiC双方向ACスイッチR、SiC双方向ACスイッチSおよびSiC双方向ACスイッチTに伝達される。
動作の説明
1.初期状態では、半導体遮断器1Bは、開閉指令信号8がオフのときに「開放」状態になっており、制御回路Aは、3つのSiC双方向ACスイッチR、SiC双方向ACスイッチSおよびSiC双方向ACスイッチTをすべてオフさせている。
2.開閉指令信号8により「投入」状態になった時、制御回路Bは、まず各相の双方向ACスイッチ入力側の計測された電圧を入力し、最も高い電圧となっている相を選びだす。
3.次に、計測された「直流出力側電圧」を入力し、「最も高い相電圧」が「直流出力側電圧」に一致する瞬間にオンし、「最も高い相電圧」>「直流出力側電圧」の条件が成り立つ相の双方向ACスイッチをオン継続させる。
4.2.3.の操作を100ns程度のサンプリング周期で実施すると、出力電圧のDPの電圧値は、図15に示すように半波整流で得られる直流電圧値と同等の値となる。
このように、当該制御回路Bが、開閉指令信号8がオンの時に、3つの双方向ACスイッチの各入力側と出力側の計測された所定の電圧差で、対応相の双方向ACスイッチにオンまたはオフ状態を維持し、各相の双方向ACスイッチに形成されたオンまたはオフ状態の3つの状態から、電源装置と負荷装置との間に開放状態もしくは投入状態を形成する。
また、当該制御回路Bが、開閉指令信号がオンの時で投入状態にある時に、各相の双方向ACスイッチの入力側の電圧を計測し、最も高い電圧となっている相を選定し、直流出力側電圧を計測し、最も高い相電圧が直流出力電圧に一致する瞬間オンし、最も高い相電圧>直流出力電圧の条件が成り立つ状態で、対応する相の双方向ACスイッチをオン継続し、直流出力側電圧を生成し、他の2相の双方向ACスイッチをオフ状態にして、正出力半波整流を行う。
[実施例2−2]
図16は、本発明の実施例2−2の形態を示す図である。
図16において、半導体遮断器1Cは、入力側の三相交流入力部2のR1、S1、T1と出力側の直流出力部3のDNとを結ぶ電力供給線4、5、6に独立に設置した各SiC双方向ACスイッチR、SiC双方向ACスイッチSおよびSiC双方向ACスイッチTが備えられる。すなわち、この半導体遮断器1は、三相交流入力装置の電源装置から出力装置の負荷装置に電力を供給する電力供給線に配置された半導体スイッチを備えて半導体遮断器である。SiC双方向ACスイッチの典型的な事例についての詳細は後述されが、SiC双方向ACスイッチは、最大電流100Aで、20個以上並列接続されて、ドレインとソースとの間に掛る電圧の絶対値が1.0V以下になるように設定される特徴を備える。また、このSiC双方向ACスイッチは、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3つのSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチが備えられ、各双方向ACスイッチは、入力側と出力側の電圧が一致した瞬間にオンとされる高速応答可能な無電圧接点とした電流−電圧特性を備える。
出力側の電力供給線4、5、6は、短絡され、電力供給線7とされる。
半導体遮断器1は、半導体スイッチが、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3個のSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチで構成される。
各双方向ACスイッチの入力側および出力側の電圧を計測する計測装置が設けられる。図面には、計測装置として入力側の電力供給線4、5、6に高電圧分圧器R1、S1、T1が結線され、出力側の電力供給線7に高電圧分圧器D2が結線される。
開閉指令信号8と各双方向ACスイッチの電圧計測状態から各双方向ACスイッチのオン・オフ処理を行う制御回路Cを備える。高電圧分圧器R1、S1、T1および高電圧分圧器D2で計測された電圧は、制御回路Cに入力される。
制御回路Cで形成された制御信号は、配線11、12、13を介してSiC双方向ACスイッチR、SiC双方向ACスイッチSおよびSiC双方向ACスイッチTに伝達される。
動作の説明
1.初期状態では、半導体遮断器1は、開閉指令信号8がOFFのとき「開放」状態になっており、制御回路Aは、3つのSiC双方向ACスイッチR、SiC双方向ACスイッチSおよびSiC双方向ACスイッチTをすべてオフさせている。
2.開閉指令信号8により「投入」状態になった時、制御回路Cは、まず各相の双方向ACスイッチ入力側の計測された電圧を入力し、最も低い電圧となっている相を選びだす。
3.次に、計測された「直流出力側電圧」を入力し、「最も低い相電圧」が「直流出力側電圧」に一致する瞬間にONし、「最も低い相電圧」<「直流出力側電圧」の条件が成り立つ状態で、オン継続させる。
4.2.3.の操作を100ns程度のサンプリング周期で実施すると、出力電圧のDNの電圧値は、図17に示すように半波整流で得られる直流電圧値と同等の値となる。
このように、当該制御回路Cが、開閉指令信号8がオンの時に、3つの双方向ACスイッチの各入力側と出力側の計測された電圧差に基づいて対応相の双方向ACスイッチにオンまたはオフ状態を形成し、各相の双方向ACスイッチに形成されたオンまたはオフ状態の3つの状態から、電源装置と負荷装置との間に開放状態もしくは投入状態を形成する。
また、当該制御回路Cが、開閉指令信号8がオンの時で投入状態にある時に、各相の双方向ACスイッチの入力側の電圧を計測し、最も低い電圧となっている相を選定し、直流出力側電圧を計測し、最も低い相電圧が直流出力電圧に一致した瞬間にオンし、最も低い相電圧<直流出力電圧の条件が成り立つ状態で、対応する相の双方向ACスイッチをオン状態継続し、直流出力側電圧を生成し、他の2相の双方向ACスイッチをオフ状態にして、負出力半波整流を行う。
[実施例2−3]
正出力半波整流と負出力半波整流とを組み合わせることで全波整流を行うことを特徴とする半導体遮断器BCが提供され、図18に示すように直流出力端子間の電圧値は、全波整流と同等の値になる。
図19は、半導体全波整流器の構成を示す図である。
図19において、半導体半波整流器21は、図14の構成を示し、半導体半波整流器22は、図16の構成を示す。
制御回路Bが、開閉指令信号オンの時で投入状態にある時に、各相の双方向ACスイッチの入力側の電圧を計測し、最も高い電圧となっている相を選定し、直流出力側電圧を計測し、最も高い相電圧>直流出力電圧の条件が成り立つ状態の時に、対応する相の双方向ACスイッチをオンし、直流出力側電圧を生成し、他の2相の双方向ACスイッチをオフ状態にして、正出力半波整流を行う。
当該制御回路Cが、また開閉指令信号オンの時で投入状態にある時に、各相の双方向ACスイッチの入力側の電圧を計測し、最も低い電圧となっている相を選定し、直流出力側電圧を計測し、最も低い相電圧が直流出力電圧に一致する瞬間にオンし、最も低い相電圧<直流出力電圧の条件が成り立つ状態で、対応する相の双方向ACスイッチをオン継続し、直流出力側電圧を生成し、他の2相の双方向ACスイッチをオフ状態にして、負出力半波整流を行う。これを正出力半波整流に転換する。
[実施例3−1]
図20は、本発明の実施例3−1の形態を示す図である。
図20において、半導体遮断器1Bは、入力側の三相交流入力部2のR1、S1、T1と出力側の直流出力部3のDPとを結ぶ電力供給線4、5、6に独立に設置した各SiC双方向ACスイッチR、SiC双方向ACスイッチSおよびSiC双方向ACスイッチTが備えられる。すなわち、この半導体遮断器1は、三相交流入力装置の電源装置から出力装置の負荷装置に電力を供給する電力供給線に配置された半導体スイッチを備えた半導体遮断器である。SiC双方向ACスイッチの典型的な事例についての詳細は後述されるが、SiC双方向ACスイッチは、最大電流100Aで、20個以上並列接続されて、ドレインとソースとの間に掛かる電圧の絶対値が1.0V以下になるように設定される特徴を備える。また、このSiC双方向ACスイッチは、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3つのSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチが備えられ、各双方向ACスイッチは、入力側と出力側の電圧が一致した瞬間にオンとされる高速応答可能な無電圧接点とした電流−電圧特性を備える。
出力側の電力供給線4、5、6は、短絡され、電力供給線7とされる。
半導体遮断器1は、半導体スイッチが、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3個のSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチで構成される。
各双方向ACスイッチの入力側および出力側の電圧を計測する計測装置が設けられる。図面には、計測装置として入力側の電力供給線4、5、6に高電圧プローブR1、S1、T1が結線され、出力側の電力供給線7に高電圧プローブD2が結線される。
開閉指令信号8と各双方向ACスイッチの電圧計測状態から各双方向ACスイッチのオン・オフ処理を行う制御回路Eを備える。高電圧プローブR1、S1、T1および高電圧プローブD2で計測された電圧は、制御回路Eに入力される。
制御回路Eで形成された制御信号は、配線11、12、13を介してSiC双方向ACスイッチR、SiC双方向ACスイッチSおよびSiC双方向ACスイッチTに伝達される。
構成は、図14に示す構成とほぼ同等であるが、「出力電圧設定回路31」が追加され、出力電圧設定値が制御回路Eに設定される。
動作の説明
1.初期状態では、半導体遮断器1Eは、開閉指令信号8がオフのとき「開放」状態になっており、制御回路Eは、3つのSiC双方向ACスイッチR、SiC双方向ACスイッチSおよびSiC双方向ACスイッチTをすべてオフさせている。
2.開閉指令信号8により「投入」状態になった時、制御回路Bは、まず各相の双方向ACスイッチ入力側の計測された電圧を入力し、最も高い電圧となっている相を選びだす。
3.次に、計測された「直流出力側電圧」を入力し、「最も高い相電圧」>「直流出力側電圧」の条件が成り立つ相の双方向ACスイッチを選定し、「直流出力側電圧」が「出力電圧設定回路31」からの電圧設定値より高くなっているかを判定する。このとき、「直流出力側電圧」が「出力電圧設定回路31」からの電圧設定値より高い場合には、双方向ACスイッチのオン操作は行わない。逆に、「直流出力側電圧」が「出力電圧設定回路31」からの電圧設定値より低い場合には、選定した最も高い電圧となっている相の双方向ACスイッチをオンさせる。
4.2.および3.の操作を100ns程度のサンプリング周期で実施すると、出力電圧のDPの電圧値は、「出力電圧設定値」の電圧設定値の相当する直流電圧値とほぼ同等の値に維持できる。例えば、三相AC200Vラインに実施例3−1の半導体遮断器を挿入し、「出力電圧設定回路」からの電圧設定値をDC250Vに設定した場合、DP電圧値はDC250V前後に維持できる。実施例2−1では、DP電圧値は、DC283V程度に維持されることになる。
このように、当該制御回路Eが、開閉指令信号8がONの時に、3つの双方向ACスイッチの各入力側と出力側の計測された電圧差に基づいて対応相の双方向ACスイッチにオンまたはオフ状態を形成し、各相の双方向ACスイッチに形成されたオンまたはオフ状態の3つの状態から、電源装置と負荷装置との間に開放状態もしくは投入状態を形成する。
また、当該制御回路Eが、開閉指令信号8がオンの時で投入状態にある時に、各相の双方向ACスイッチの入力側の電圧を計測し、最も高い電圧となっている相を選定し、直流出力側電圧を計測し、最も高い相電圧>直流出力電圧の条件が成り立ち、直流出力電圧が出力設定電圧に一致する瞬間にオンし、直流出力電圧<出力設定電圧の状態で、対応する相の双方向ACスイッチをオン継続し、オン直流出力側電圧を生成し、直流出力電圧>出力設定電圧の状態の時に、オフし、他の2相の双方向ACスイッチについても同一条件でオン・オフすることで、正出力半波整流を行う。
[実施例3−2]
実施例3−1と同様にして、実施例2−2を参照して、当該制御回路が、開閉指令信号がオンの時で投入状態にある時に、各相の双方向ACスイッチの入力側の電圧を計測し、最も高い電圧となっている相を選定し、直流出力側電圧を計測し、最も低い相電圧<直流出力電圧の条件が成り立ち、直流出力電圧が出力設定電圧に一致する瞬間にオンし、直流出力電圧<出力設定電圧の状態で、対応する相の双方向ACスイッチをオン継続し、オン直流出力側電圧を生成し、直流出力電圧>出力設定電圧の状態の時に、オフし、他の2相の双方向ACスイッチについても同一条件でオン・オフすることで、負出力半波整流を行うようにすることができる。
[実施例3−3]
図19は、2つの半波整流器に実施例3−1および3−2を適用して半導体全波整流器の構成としている。正出力半波整流と負出力半波整流とを組み合わせることで全波整流を行うことを特徴とする半導体遮断器BCが提供され、直流出力端子間の電圧値は、出力設定電圧値と同等の値になる。
1、1A、1B,1C、1D、1E…半導体遮断器、2…三相交流出力部、3…出力部、4、5、6、7…電力供給線、8…開閉指令信号、A、B、C、D、E…制御回路、R、S、T…SiC双方向ACスイッチ、R1、R2、S1、S2、T1、T2…高電圧プローブ、電圧計測装置。

Claims (8)

  1. 三相交流入力側装置から出力側装置に電力を供給する電力供給線に配置された半導体スイッチを備えた半導体遮断器において、
    半導体スイッチが、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3つのSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチが備えられ、各双方向ACスイッチは、最大電流100Aで、20個以上並列接続されて、入力側と出力側の電圧が一致した計測瞬間にオンとされる高速応答可能な無電圧接点とした電流−電圧特性を備え、
    各双方向ACスイッチの入力側および出力側の電圧を計測する計測装置が設けられ、
    開閉指令信号と各双方向ACスイッチの電圧計測状態から各双方向ACスイッチのオン・オフ処理を行う制御回路を備え、
    当該制御回路が、開閉指令信号オンの時に、3つの双方向ACスイッチの各入力側と出力側の計測された瞬間にオンまたはオフし、所定の電圧差の時に対応相の双方向ACスイッチにオンまたはオフ状態を維持し、各相の双方向ACスイッチに形成されたオンまたはオフ状態の3つの状態から、三相交流入力側装置と出力側装置との間に開放状態もしくは投入状態を形成すること
    を特徴とする半導体遮断器。
  2. 三相交流入力側装置から出力側装置に電力を供給する電力供給線に配置された半導体スイッチを備えた半導体遮断器において、
    半導体スイッチが、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3つのSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチが備えられ、各双方向ACスイッチは、最大電流100Aで、20個以上並列接続されて、入力側と出力側の電圧が一致した瞬間にオンとされる高速応答可能な無電圧接点とした電流−電圧特性を備え、
    各双方向ACスイッチの入力側および出力側の電圧を計測する計測装置が設けられ、
    開閉指令信号と各双方向ACスイッチの入力側および出力側の電圧計測結果とから各双方向ACスイッチのオン・オフ処理を行う制御回路を備え、
    当該制御回路が、開閉指令信号オンの時で三相交流入力側装置と出力側装置との間に投入状態にある時に、3つの双方向ACスイッチの入力側と出力側の電圧が同時に、もしくは時間遅れをおいて一致した瞬間の電圧が計測された時に各相の双方向ACスイッチにオンし、各相の計測された電圧差から、各双方向ACスイッチに流れている電流値を計算し、該電流値と規定値との比較によって該電流値が規定値を越える時にすべての双方向ACスイッチをオン状態からオフ状態にして、投入状態から開放状態を形成すること
    を特徴とする半導体遮断器。
  3. 三相交流入力側装置から出力側装置に電力を供給する電力供給線に配置された半導体スイッチを備えた半導体遮断器において、
    半導体スイッチが、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3つのSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチが備えられ、各双方向ACスイッチは、20個以上並列接続されて、入力側と出力側の電圧が一致した瞬間にオンとされる高速応答可能な無電圧接点とした電流−電圧特性を備え、各双方向ACスイッチの出力側は短絡され、
    各相の双方向ACスイッチの三相交流入力側および直流出力側の電圧を各計測する計測装置が設けられ、
    開閉指令信号と電圧差計測結果から各双方向ACスイッチのオン・オフ処理を行う制御回路を備え、
    当該制御回路が、開閉指令信号オンの時で投入状態にある時に、各相の双方向ACスイッチの入力側の電圧を計測し、最も高い電圧となっている相を選定し、直流出力側電圧を計測し、最も高い相電圧が直流出力電圧に一致した瞬間にオンし、最も高い相電圧>直流出力電圧の条件が成り立つ状態で、対応する相の双方向ACスイッチをオン状態継続し、直流出力側電圧を生成し、他の2相の双方向ACスイッチをオフ状態にして、正出力半波整流を行うこと
    を特徴とする半導体遮断器。
  4. 三相交流入力側装置から出力側装置に電力を供給する電力供給線に配置された半導体スイッチを備えた半導体遮断器において、
    半導体スイッチが、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3つのSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチが備えられ、各双方向ACスイッチは、最大電流100Aで、20個以上並列接続されて、入力側と出力側の電圧が一致した瞬間にオンとされる高速応答可能な無電圧接点とした電流−電圧特性を備え、各双方向ACスイッチの出力側は短絡され、
    各相の双方向ACスイッチの三相交流入力側および直流出力側の電圧を各計測する計測装置が設けられ、
    開閉指令信号と電圧差計測結果から各双方向ACスイッチのオン・オフ処理を行う制御回路を備え、
    当該制御回路が、開閉指令信号オンの時で投入状態にある時に、各相の双方向ACスイッチの入力側の電圧を計測し、最も低い電圧となっている相を選定し、直流出力側電圧を計測し、最も低い相電圧が直流出力電圧に一致した瞬間にオンし、最も低い相電圧<直流出力電圧の条件が成り立つ状態で、対応する相の双方向ACスイッチをオン継続し、他の2相の双方向ACスイッチをオフ状態にして、負出力半波整流を行うこと
    を特徴とする半導体遮断器。
  5. 請求項3に記載された半導体遮断器から出力される正出力半波整流が前記出力側装置の+側に入力され、請求項4に記載された半導体遮断器から出力される負出力半波整流が前記出力側装置の−側に入力され、前記三相交流入力側装置の対応する相の半波毎に前記正出力半波整流と前記負出力半波整流とが切り替わることで全波整流を行うことを特徴とする半導体遮断器。
  6. 三相交流入力側装置から出力側装置に電力を供給する電力供給線に配置された半導体スイッチを備えた半導体遮断器において、
    半導体スイッチが、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3つのSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチが備えられ、各双方向ACスイッチは、最大電流100Aで、20個以上並列接続されて、入力側と出力側の電圧が一致した瞬間にオンとされる高速応答可能な無電圧接点とした電流−電圧特性を備え、各双方向ACスイッチの出力側は短絡され、
    各相の双方向ACスイッチの三相交流入力側および直流出力側の電圧を各計測する計測装置が設けられ、
    開閉指令信号と電圧差計測結果から各双方向ACスイッチのオン・オフ処理を行う制御回路を備え、
    出力電圧設定値を制御回路に設定する出力電圧設定回路を備え、
    当該制御回路が、開閉指令信号オンの時で投入状態にある時に、各相の双方向ACスイッチの入力側の電圧を計測し、最も高い電圧となっている相を選定し、直流出力側電圧を計測し、最も高い相電圧>直流出力電圧の条件が成り立ち、直流出力電圧が出力設定電圧に一致する瞬間にオンし、直流出力電圧<出力設定電圧の状態で、オン継続し、オン直流出力側電圧を生成し、直流出力電圧>出力設定電圧の状態の時に、オフし、他の2相の双方向ACスイッチについても同一条件でオン・オフすることで、正出力半波整流を行うこと
    を特徴とする半導体遮断器。
  7. 三相交流入力側装置から出力側装置に電力を供給する電力供給線に配置された半導体スイッチを備えた半導体遮断器において、 半導体スイッチが、各相の電力を供給する各電力供給線に設けられた三相交流の各相に対して独立に設置した3つのSiC−MOSFETによる双方向ACスイッチが備えられ、各双方向ACスイッチは、最大電流100Aで、20個以上並列接続されて、入力側と出力側の電圧が一致した瞬間にオンとされる高速応答可能な無電圧接点とした電流−電圧特性を備え、
    各双方向ACスイッチの出力側は短絡され、
    各相の双方向ACスイッチの三相交流入力側および直流出力側の電圧を各計測する計測装置が設けられ、
    開閉指令信号と電圧差計測結果から各双方向ACスイッチのオン・オフ処理を行う制御回路を備え、
    出力電圧設定値を制御回路に設定する出力電圧設定回路を備え、
    当該制御回路が、開閉指令信号オンの時で投入状態にある時に、各相の双方向ACスイッチの入力側の電圧を計測し、最も低い電圧となっている相を選定し、直流出力側電圧を計測し、最も低い相電圧<直流出力電圧の条件が成り立ち、直流出力電圧が出力設定電圧に一致した瞬間にオンし、直流出力電圧<出力設定電圧の状態で、オン継続して、オン直流出力側電圧を生成し、直流出力電圧>出力設定電圧の状態の時に、オフし、他の2相の双方向ACスイッチについても同一条件でオン・オフすること、負出力半波整流を行うこと
    を特徴とする半導体遮断器。
  8. 請求項6に記載された半導体遮断器から出力される正出力半波整流が前記出力側装置の+側に入力され、請求項7に記載された半導体遮断器から出力される負出力半波整流が前記出力側装置の−側に入力され、前記三相交流入力側装置の対応する相の半波毎に前記正出力半波整流と前記負出力半波整流とが切り替わることで全波整流を行うことを特徴とする半導体遮断器。
JP2014253237A 2014-12-15 2014-12-15 半導体遮断器 Active JP6444719B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014253237A JP6444719B2 (ja) 2014-12-15 2014-12-15 半導体遮断器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014253237A JP6444719B2 (ja) 2014-12-15 2014-12-15 半導体遮断器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016115528A JP2016115528A (ja) 2016-06-23
JP6444719B2 true JP6444719B2 (ja) 2018-12-26

Family

ID=56142054

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014253237A Active JP6444719B2 (ja) 2014-12-15 2014-12-15 半導体遮断器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6444719B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7060388B2 (ja) * 2018-02-05 2022-04-26 矢崎総業株式会社 パワー半導体デバイス、及びそのパワー半導体デバイスを備える車両用電源供給システム

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS52115351A (en) * 1976-03-24 1977-09-27 Toshiba Corp Semiconductor breaker
JP3122247B2 (ja) * 1992-08-31 2001-01-09 東京電力株式会社 交流しゃ断器
JP3355066B2 (ja) * 1995-06-28 2002-12-09 三菱電機株式会社 両方向直流遮断器
JP2007135081A (ja) * 2005-11-11 2007-05-31 Matsushita Electric Works Ltd 半導体リレー装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016115528A (ja) 2016-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8742628B2 (en) Solid state circuit breaker
US9755630B2 (en) Solid-state circuit breakers and related circuits
Sabri et al. New generation 6.5 kV SiC power MOSFET
Pala et al. 10 kV and 15 kV silicon carbide power MOSFETs for next-generation energy conversion and transmission systems
CN106464242B (zh) 共源共栅切换电路
CN106104993B (zh) 电力用半导体元件的驱动电路
US8406024B2 (en) Power convertion circuit using high-speed characteristics of switching devices
Urciuoli et al. Demonstration of a 600-V, 60-A, bidirectional silicon carbide solid-state circuit breaker
EP2819142B1 (en) Solid state circuit-breaker switch devices
US8729739B2 (en) Bi-directional circuit breaker
US11295919B2 (en) Circuit-breaker with reduced breakdown voltage requirement
US20110215746A1 (en) Semiconductor device
CN109962699A (zh) 用于控制mosfet开关模块的方法和装置
US9543751B2 (en) Self-powered DC solid state circuit breakers
Shen et al. First experimental demonstration of solid state circuit breaker (SSCB) using 650V GaN-based monolithic bidirectional switch
US8130023B2 (en) System and method for providing symmetric, efficient bi-directional power flow and power conditioning
EP3799307B1 (en) System for providing bi-directional power flow and power conditioning for low to high-voltage applications
US11043943B2 (en) Switching of paralleled reverse conducting IGBT and wide bandgap switch
US8958193B2 (en) System and method for providing optically triggered circuit breaker
JP6444719B2 (ja) 半導体遮断器
US10325984B2 (en) Monolithically integrated semiconductor switch, in particular a power circuit breaker
JP6884186B2 (ja) 双方向スイッチ
CN105720095A (zh) 半导体器件
Mihaila et al. Experimental investigation of SiC 6.5 kV JBS diodes safe operating area
WO2013052054A1 (en) System and method for providing bi-directional power flow and power conditioning

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20170821

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20170823

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20170822

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180813

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181113

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181128

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6444719

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250