JP6444701B2 - ヒ素を含む泥水の浄化方法及び浄化装置 - Google Patents

ヒ素を含む泥水の浄化方法及び浄化装置 Download PDF

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本発明は、ヒ素を含む泥水の浄化方法及び浄化装置に関する。
特に、本発明は、自然由来のヒ素、即ち自然的原因によりもともと地盤中に含まれているヒ素が、シールド掘削工事のような大規模地下開発に伴って地表部で顕在化する問題に対処するものである。これは自然由来汚染であるため、もともと化学工場等の市街地の表層汚染を対象にした土壌汚染対策法の含有量基準は十分に満足するが、溶出量基準が数倍程度超過する建設発生土が大量に発生する地盤環境問題である。
これまで、わが国では建設工事等で発生する自然由来のヒ素を含んだ発生土に対しては、下記の従来技術1又は従来技術2で対応してきた経緯がある。いずれも、工事実施エリアでは有害金属類に対する特段の対応は実施せずにプロジェクト遂行が可能であった。
<従来技術1:建設発生土として海面埋め立て等>
「海洋汚染等及び海上災害の防止に関する法律施行令第5条第1項に規定する埋立場所等に排出しようとする金属等を含む廃棄物に係る判定基準を定める省令」(昭和48年2月17日総令6号、最終改正:平成26年5月30日環境省令第19号)に定められた基準、いわゆる「水底土砂に係わる判定基準」によれば、重金属類の溶出量基準値は概ね土壌環境基準の10倍まで許容される。ヒ素に関しても、土壌溶出量基準が0.01mg/Lであるのに対し、水底土砂の判定基準では0.1mg/Lである。そのため、ほとんど全ての自然由来ヒ素汚染土の溶出濃度はクリアすることが可能であり、海面埋立てにおける受入れ先があれば、ヒ素に対しては無処理でそのまま搬出することが可能であった(首都圏においては新海面処分場や南本牧埠頭等が一例として挙げられる)。
<従来技術2:重金属溶出量基準を超過したら汚泥として処分>
施工中の濃度管理あるいは事前調査での判定に基づいて、重金属溶出量基準を超過する発生土を、建設汚泥として指定の業者に搬出し、セメント原料化あるいは処分場へ搬出する方法があった。
しかしながら、従来技術1は、比較的大規模な事業での実績もあるが、処分場所及び処分容量が逼迫し、立地自治体の公共工事が優先される等の状況である。従来技術2についても処分容量(受入れ可能量)が限られており、今後首都圏や中京圏で実施される大規模事業から発生することが予測される自然由来汚染土の発生量に対して、圧倒的に容量が不足している状況である。
また、従来技術として、吸着材を使用したヒ素の処理方法も報告されている。吸着材を使用する場合、地下水や、泥水から固形分を除去した水等が処理対象とされており、吸着材を充填したカラムにこれらの汚染水を通水させる方法が多く採用されている。例えば、特許文献1は、吸着材として、金属キレート形成能を有する官能基が繊維分子中に導入されたキレート形成性繊維に鉄がキレート結合したヒ素捕捉性繊維を使用し、当該吸着材を充填した容器にヒ素含有温泉水を通水させる方法を開示している。
特開2004−68182号公報
上記の通り、吸着材を使用した従来のヒ素処理方法では、多くの場合、固形分を含まない汚染水が処理対象とされている。従って、ヒ素を含む泥水を処理する場合には、泥水を固形分とヒ素含有水とに分離し、ヒ素含有水を吸着材で処理することになる。これにより、ヒ素含有水を浄化することはできる。しかしながら、分離された固形分にはヒ素含有水が残存しているため、固形分を複数回洗浄する必要があり、操作が煩雑となる。
本発明は従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、簡易な操作でヒ素を含む泥水を浄化する方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明者等は、ヒ素を含む泥水に吸着材を直接投入すること、及び泥水中の固体粒子の大きさと吸着材の大きさとの差を利用して泥水と吸着材とを再度分離することによって、ヒ素を含む泥水を簡易に浄化できることを見出した。
即ち、本発明は以下のものを包含する。
[1]ヒ素を含む泥水と、泥水中の固体粒子よりも大きい吸着材とを混合して、ヒ素を吸着材に吸着させる吸着工程;及び
吸着工程において得られた混合物を分級により泥水と吸着材とに分離する分離工程;
を含む、ヒ素を含む泥水の浄化方法。
[2]吸着材が基材と基材に担持された吸着成分とを含み、基材が繊維材料を含む、[1]に記載の浄化方法。
[3]基材が繊維材料としてセルロース繊維を含む、[2]に記載の浄化方法。
[4]基材がセルロース繊維を含む不織布である、[3]に記載の浄化方法。
[5]吸着成分が鉄水酸化物、アルミニウム水酸化物、鉄酸化物、及びアルミニウム酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、[2]〜[4]のいずれかに記載の浄化方法。
[6]必要に応じて、分離工程において分離された吸着材のヒ素に対する吸着能を回復する回復工程を更に含み、
分離工程において分離された吸着材、又は回復工程においてヒ素に対する吸着能が回復した吸着材を吸着工程において再利用する、[1]〜[5]のいずれかに記載の浄化方法。
[7]ヒ素を含む泥水の浄化装置であって、
ヒ素を含む泥水と、泥水中の固体粒子よりも大きい吸着材とを混合して、ヒ素を吸着材に吸着させる混合槽;及び
混合槽において得られた混合物を分級により泥水と吸着材とに分離する分級機;
を備える、浄化装置。
[8]分級機によって分離された吸着材を混合槽に返送する第1の返送ラインを更に備える、[7]に記載の浄化装置。
[9]必要に応じて、分級機によって分離された吸着材のヒ素に対する吸着能を回復する回復装置;及び
回復装置においてヒ素に対する吸着能が回復した吸着材を混合槽に返送する第2の返送ライン;
を更に備える、[7]又は[8]に記載の浄化装置。
本発明によれば、簡易な操作でヒ素を含む泥水を浄化することができる。
汚染泥水の浄化手順の一例を示す。 第1の実施形態の浄化装置の概略を示す。 第2の実施形態の浄化装置の概略を示す。 第3の実施形態の浄化装置の概略を示す。 振とう時間とヒ素濃度との関係を示す。 吸着材の単位重量当たりのヒ素吸着量を示す。
<ヒ素を含む泥水の浄化方法>
本発明は、吸着工程及び分離工程を含む、ヒ素を含む泥水(以下「汚染泥水」ともいう)の浄化方法に関する。本発明に係る浄化方法は、ヒ素溶出工程を更に含んでいてもよい。また、本発明に係る浄化方法は、回復工程を更に含んでいてもよい。汚染泥水の浄化手順の一例を図1に示す。以下、各工程について説明する。
[1.吸着工程]
吸着工程は、汚染泥水と吸着材とを混合して、ヒ素を吸着材に吸着させる工程である。ここで、吸着材は泥水中の固体粒子よりも大きいものを使用する。本発明では、汚染泥水に吸着材を直接投入することにより、泥水から分離された固形分にヒ素含有水が残存するという問題を解決することができる。
本発明における汚染泥水としては、ヒ素を含んでいるものであれば特に限定されないが、特に、泥水式シールド掘削工事によって発生した、自然由来のヒ素を含む余剰泥水を対象とする。泥水式シールド掘削工事における掘削後の泥水は、一般的に一次分級処理によって74μm以上の土砂を除去し再度掘削に利用されるとともに余剰の泥水が発生する。従って、余剰泥水中の固体粒子の大きさは通常74μm未満である。余剰泥水は泥水式シールド掘削工事において連続的に発生するため、余剰泥水を連続的に浄化することが好ましい。
一般的な泥水式シールド工事に使用する泥水の管理値は比重1.4程度であり、掘削後に回収される74μm未満となる余剰泥水の比重は1.1〜1.4程度と考えられる。
本発明における吸着材は基材と基材に担持された吸着成分とを含むことが好ましい。
基材は、泥水中の固体粒子よりも大きいものであれば特に限定されない。また、基材の形状も特に限定されない。例えば、布状、糸状、針状、粉状等の基材を挙げることができる。
基材の大きさは、泥水中の固体粒子の大きさ、及び以下で説明する分離工程において使用する分級機の種類によって相対的に決定されるべきものである。即ち、分級機によって泥水中の固体粒子と分離できる大きさの基材が使用される。しかしながら、上記の通り、余剰泥水中の固体粒子の大きさは通常74μm未満であるため、基材の大きさは74μm以上であることが好ましい。例示として、基材の大きさの下限を、100μm、200μm等としてもよい。また、例示として、基材の大きさの上限を、10mm、100mm等としてもよい。これらの下限及び上限を適宜組み合わせて、適切な基材の大きさの範囲を設定することができる。
ここで、基材の大きさの下限とは、基材の形状における最も短い箇所における長さを意味する。また、基材の大きさの上限とは、基材の形状における最も長い箇所における長さを意味する。
基材は繊維材料を含んでいることが好ましい。繊維材料としては、例えば、綿、麻、セルロース繊維等の植物繊維;毛、絹等の動物繊維;レーヨン、アクリル等の化学繊維等を挙げることができる。特に限定するものではないが、基材として布状のセルロース繊維、特にセルロース繊維の不織布を使用することが好ましい。このような繊維材料を含む基材は、従来から使用されている活性炭の基材と比較して、安価であり、軽量のために運搬が容易であり、任意の形状及び大きさに加工可能であるために分級による分離が容易であり、且つ吸着成分の担持可能量が多い等の利点を有する。
吸着成分としては、金属水酸化物、金属酸化物、キレート剤、イオン交換樹脂等を挙げることができる。
金属水酸化物及び金属酸化物としては、鉄水酸化物、アルミニウム水酸化物、鉄水酸化物とアルミニウム水酸化物との組み合わせ、鉄酸化物、アルミニウム酸化物、鉄酸化物とアルミニウム酸化物との組み合わせ、鉄水酸化物とアルミニウム水酸化物と鉄酸化物とアルミニウム酸化物との組み合わせ等を挙げることができる(例えば、特許第4681384号を参照されたい)。
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びL−アスパラギン酸−N,N−二酢酸(ASDA)(特開2004−181303号公報を参照されたい)、並びにアミノポリオール基を持つ有機ポリマー(特開2012−016667号公報を参照されたい)等を挙げることができる。
イオン交換樹脂としては、水酸化物型弱塩基性陰イオン交換樹脂(特開2005−351881号公報を参照されたい)等を挙げることができる。
吸着材は泥水中で沈降するものが好ましい。例えば、比重が0.85〜2.85の吸着材が好ましい。或いは、含水して比重が0.85〜2.85となる吸着材が好ましい。一般的な砂の比重が2.85程度であるため、吸着材の比重が前記範囲内であると、吸着材と泥水との攪拌を効率的に行うことができる。
本発明においては、吸着材を繰り返し使用することができる。また、以下で説明する回復工程において、吸着材のヒ素に対する吸着能を回復することもできる。そのため、少量の吸着材を繰り返し使用して大量の汚染泥水を浄化することができる。例えば、吸着材を汚染泥水の重量に対して5重量%以下の量、より具体的には0.2〜5重量%、1〜3重量%等の量で使用することができる。吸着材の使用量を少なくすることにより、材料コスト及び二次廃棄物量を低減することができる。
吸着材と汚染泥水との混合時間は、土壌の性質、ヒ素の濃度、吸着材の使用量等によって適宜変更されるが、例えば5〜60分、10〜50分、20〜40分等とすることができる。
[2.分離工程]
分離工程は、吸着工程において得られた混合物を分級により泥水と吸着材とに分離する工程である。分離工程は、泥水中の固体粒子の大きさと吸着材の大きさとの差を利用するものである。分離工程は分級機を用いて実施することができる。分級機としては、泥水中の固体粒子と吸着材とを分離できるものであれば特に限定されない。例えば、泥水中の固体粒子は通過させるが、吸着材は通過させない分級機、より具体的には、泥水中の固体粒子よりも大きく、且つ吸着材よりも小さい目開きの篩を備える分級機等を挙げることができる。このような分級機を使用することにより、泥水から吸着材を容易に分離することが可能となる。
分離工程において分離された吸着材は吸着工程において再利用することができる。吸着材を再利用することにより、吸着材の使用量が減り、材料コスト及び二次廃棄物量の低減が可能となる。また、ヒ素が除去された泥水を再利用することも可能である。
なお、分離工程において混合物に気泡を導入してもよい。特に、吸着材の基材として繊維材料を含むものを使用する場合、気泡を導入することにより、混合物中において吸着材を浮上させることができる。これにより、泥水と吸着材とをより容易に分離することが可能となる。
[3.ヒ素溶出工程]
ヒ素溶出工程は、必要に応じて、吸着工程の前に、又は吸着工程と同時に、汚染泥水の固形分に含まれるヒ素を水に溶出させる工程である。固形分に含まれるヒ素を積極的に溶出させた後に、吸着材でヒ素を吸着することにより、泥水のヒ素含有量を更に低減することができる。
ヒ素溶出工程は、汚染泥水を酸又はアルカリで処理することにより実施することができる。具体的には、汚染泥水に酸又はアルカリを加え、攪拌すればよい。攪拌時間は、例えば5〜30分等とすることができる。
酸としては、硫酸、リン酸、シュウ酸等を挙げることができる。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を挙げることができる。
[4.回復工程]
回復工程は、必要に応じて、分離工程において分離された吸着材のヒ素に対する吸着能を回復する工程である。回復工程は、例えば、吸着材をアルカリで処理することにより実施することができる。
通常、分離工程において分離された吸着材はそのまま吸着工程において再利用されるが、再利用を繰り返すことにより、吸着材にヒ素が限界まで吸着する。その結果、吸着材がヒ素を吸着することができなくなる。この場合に、新たな吸着材を使用すると、吸着材の使用量が増加し、材料コスト及び二次廃棄物量が増加してしまう。ここで、必要に応じて、使用済吸着材のヒ素に対する吸着能を回復することにより、新たな吸着材の使用を回避することができる。
なお、本発明のヒ素溶出工程及び回復工程において「必要に応じて」とは、本発明を実施する者が適宜決定することを意味する。即ち、ヒ素溶出工程及び回復工程の実施の有無や実施するタイミングは本発明を実施する者が費用対効果等から適宜決定することができる。そのため、回復工程を行う前に、必ずしも吸着材にヒ素が限界まで吸着している必要はない。
例えば、汚染泥水のヒ素濃度を調査し、ヒ素を十分に吸着することができると想定される吸着材の再利用回数を事前に設定し、当該回数の再利用を行った後に回復工程を実施してもよい。或いは、吸着材によるヒ素の吸着を行い、泥水のヒ素濃度を測定し、ヒ素濃度が十分に低下していないと判断された場合に回復工程を実施してもよい。
回復工程は、例えば、吸着材をアルカリで処理することにより実施することができる。アルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、コンクリートのアルカリ廃液等を挙げることができる。
アルカリは、例えば0.1〜10mol/Lの濃度で使用される。このような濃度で回復工程を実施することにより、吸着材の劣化を防止することができる。
吸着材をアルカリで処理する方法としては、特別な方法を用いる必要はなく、吸着材とアルカリとを接触させればよい。例えば、吸着材をアルカリに浸漬する方法等が挙げられる。浸漬時間は、吸着材の量、アルカリの濃度、及びアルカリ溶液の量を勘案して設定すればよく、例えば、15〜30分、60〜120分等とすることができる。
なお、吸着材を2グループ用意し、一方のグループの吸着材に対して回復工程を実施している間に、他方のグループの吸着材を吸着工程に使用してもよい。これにより、回復工程の際に汚染泥水の浄化が中断されることを防止することができる。
以上の通り、本発明に係る浄化方法は吸着工程及び分離工程を含み、好ましくはヒ素溶出工程及び/又は回復工程を更に含む。なお、本発明に係る浄化方法に含まれる工程は上記のものに限定されるわけではなく、必要に応じて更なる工程を含んでいてもよい。例えば、分離工程において吸着材が分離された泥水を固液分離する固液分離工程を含んでいてもよい。本発明においては、汚染泥水に吸着材が直接投入されていることから、固液分離工程により分離された固形分にヒ素含有水が残存するという問題を解決することができる。これにより、分離された固形分及び水が共に再利用可能になると共に、これらの処分費用を低減することができる。
<ヒ素を含む泥水の浄化装置>
上記の浄化方法を実施するための本発明に係る浄化装置について、図面を参照して以下説明する。但し、以下の実施形態は例示に過ぎず、本発明に係る浄化装置の実施形態がこれらに限定されるわけではない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、更なる構成からなる装置が本発明に包含される。なお、以下の各実施形態の説明において重複する部分は適宜省略する。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態は、図2に示すように、混合槽101、及び分級機102を備える浄化装置に関する。
混合槽101は、汚染泥水と、汚染泥水中の固体粒子よりも大きい吸着材とを混合して、ヒ素を吸着材に吸着させるものである。混合槽101は、汚染泥水と吸着材とを混合する撹拌機103を有しており、混合して得られた混合物を分級機102に送出する混合物送出ライン104を備える。
分級機102は、混合槽101において得られた混合物を分級により泥水と吸着材とに分離するものである。分級機102の下部には、浄化された泥水を収容する浄化泥水収容容器105が配置されている。浄化装置は、浄化泥水収容容器105に収容された浄化泥水を固液分離する固液分離装置(図示せず)を備えていてもよい。また、浄化装置は、分級機102に気泡を導入する気泡導入装置(図示せず)を備えていてもよい。
分級機としては、泥水中の固体粒子と吸着材とを分離できるものであれば特に限定されない。例えば、泥水中の固体粒子は通過させるが、吸着材は通過させない分級機、より具体的には、泥水中の固体粒子よりも大きく、且つ吸着材よりも小さい目開きの篩を備える分級機等を挙げることができる。
以上のように構成された第1の実施形態の浄化装置において、汚染泥水と吸着材とが混合槽101において混合され、混合物中においてヒ素が吸着材に吸着される。混合物は混合物送出ライン104を介して分級機102に送出され、分級により泥水と吸着材とに分離される。吸着材が分離された浄化泥水は、浄化泥水収容容器105に収容される。
第1の実施形態の浄化装置によれば、簡易な操作で汚染泥水を浄化することができる。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態は、図3に示すように、混合槽201、分級機202、及び第1の返送ライン206を備える浄化装置に関する。
第2の実施形態は、第1の実施形態と比較して、第1の返送ライン206を備える点で相違する。
第1の返送ライン206は、分級機202によって分離された吸着材を混合槽201に返送するものである。
以上のように構成された第2の実施形態の浄化装置において、分級機202によって分離された吸着材は、第1の返送ライン206を介して混合槽201に返送される。
第2の実施形態の浄化装置によれば、簡易な操作で汚染泥水を浄化することができる。また、第2の実施形態の浄化装置によれば、吸着材を再利用することにより、材料コスト及び二次廃棄物量を低減することができる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態は、図4に示すように、混合槽301、分級機302、第1の返送ライン306、回復装置307、及び第2の返送ライン309を備える浄化装置に関する。
第3の実施形態は、第2の実施形態と比較して、回復装置307、及び第2の返送ライン309を備える点で相違する。
回復装置307は、必要に応じて、分級機302によって分離された吸着材のヒ素に対する吸着能を回復するものである。回復装置307は、吸着能が回復した吸着材を濾過器308に送出する回復吸着材送出ライン310を備える。
濾過器308は、回復装置307において吸着能が回復した吸着材を濾取するものである。濾過器308の下部には、吸着材から除去されたヒ素を含む溶液を収容するヒ素含有溶液収容容器311が配置されている。ヒ素含有溶液は回復装置307において複数回使用することが可能であるため、浄化装置はヒ素含有溶液収容容器311から回復装置307へ溶液を返送するライン(図示せず)を備えていてもよい。
第2の返送ライン309は、濾過器308によって濾取された吸着能が回復した吸着材を混合槽301に返送するものである。
回復装置としては、吸着材の吸着能を回復させるためのアルカリを収容した容器等を挙げることができる。
以上のように構成された第3の実施形態の浄化装置において、分級機302によって分離された吸着材は、必要に応じて、回復装置307に送出され、吸着能が回復される。吸着能が回復した吸着材は第2の返送ライン309を介して混合槽301に返送される。
第3の実施形態の浄化装置によれば、簡易な操作で汚染泥水を浄化することができる。また、第3の実施形態の浄化装置によれば、ヒ素に対する吸着能を必要に応じて回復させながら吸着材を再利用することにより、材料コスト及び二次廃棄物量を更に低減することができる。
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されるものではない。
<吸着材>
吸着材1:鉄酸化物及びアルミニウム酸化物を活性炭に担持させた吸着材(MP−C:株式会社アステック製)。
吸着材2:鉄酸化物及びアルミニウム酸化物をセルロース繊維(不織布:幅5mm×長さ20mm)に担持させた吸着材。
吸着材3:キレート剤をセルロース繊維(微細な針状)に担持させた吸着材。
<分析方法>
迅速分析:メルコクアント社製ヒ素超高感度分析セット
公定法分析:環境庁告示55号に準拠(JISK0102.61.2)
<参考例1:ヒ素含有水における振とう時間の検討>
ヒ酸水素ニナトリウム・七水和物を蒸留水に溶解し、ヒ素濃度が0.2mg−As(V)/Lの模擬汚染水を作成した。模擬汚染水(200mL)に吸着材1又は2(0.5g)を添加し、振とう時間とヒ素濃度との関係を試験した。振とう後の液体を0.45μmのメンブレンフィルターで濾過し、濾液のヒ素濃度を分析した。結果を表1及び図5に示す。
Figure 0006444701
N.D.:定量下限値0.005mg/L未満
吸着材2は、吸着材1と比較して、迅速にヒ素を吸着することが可能であった。これは、吸着材2と模擬汚染水との接触性が良好であること、及び吸着材における吸着成分の担持量が多いことが原因であると推定される。
また、吸着材2は短時間(60分)の振とうに十分に耐える強度を有していた。更に、吸着材2は長時間(1440分)の振とうによって繊維がわずかにほぐれたが、濾過によって容易に分離することが可能であった。
<参考例2:ヒ素含有水における吸着材の再利用の検討>
参考例1で作成した模擬汚染水(200mL)に吸着材2(0.5g)を添加し、30分間振とうした。振とう後の液体を0.45μmのメンブレンフィルターで濾過し、濾液のヒ素濃度を分析した。濾取した吸着材を新たな模擬汚染水に添加し、同様の操作を、濾液のヒ素濃度が迅速分析によって2mg/Lになるまで繰り返した。結果を表2及び図6に示す。
Figure 0006444701
N.D.:定量下限値0.005mg/L未満
公定法分析の結果から、吸着材の単位重量当たりのヒ素吸着量を算出した(図6)。25回の繰り返し使用の後であっても、75μmの目開きの篩で吸着材2を回収することが可能であった。
<参考例3:ヒ素含有水におけるヒ素吸着量の確認>
カラムに吸着材2又は3を充填した。ヒ素を含む模擬汚染水をカラムに下向流方向で連続通水した。カラムの出口においてヒ素濃度の経時変化を測定し、ヒ素吸着量を確認した。結果を表3に示す。
Figure 0006444701
吸着材2及び3は模擬汚染水中においてヒ素吸着能を有することが確認された。特に、吸着材3は模擬汚染水中において非常に優れたヒ素吸着能を有することが確認された。
<実施例1:ヒ素含有泥水の浄化試験>
自然由来重金属実汚染土に水道水を添加し、攪拌して懸濁液を作成した。懸濁液を2mmの目開きの篩に通して粗粒分を回収した後、更に75μmの目開きの篩に通した。得られた泥水を原泥水として使用した。
原泥水(444g)に吸着材2又は3(22.2g:原泥水の5重量%に相当)を添加し、15分間攪拌した。75μmの目開きの篩を用いて、泥水と吸着材とを分離し、泥水を10〜30分間静置した。泥水を3000rpmで20分間遠心分離し、0.45μmのメンブレンフィルターで濾過した。濾液のヒ素濃度を分析した。
原泥水の性状、及び吸着材2又は3での処理結果を表4に示す。
Figure 0006444701
<実施例2:ヒ素含有泥水におけるヒ素吸着試験>
実施例1で回収した吸着材2又は3を水道水で洗浄し、脱水した。吸着材に1mol/LのNaOH溶液を100mL添加し、15分間攪拌した。前記工程(NaOHの添加・攪拌)を3回繰り返し、得られた溶液を十分に混合した。溶液のヒ素濃度を分析した。結果を表5に示す。
Figure 0006444701
実施例1及び2の結果から、吸着材2及び3は泥水中においてもヒ素吸着能を有し、汚染泥水を浄化できること、並びに分級により泥水から容易に分離できることが確認された。特に、吸着材2は泥水中において非常に優れたヒ素吸着能を有することが確認された。泥水を対象とする場合では、ヒ素含有水を対象とする場合(参考例3)と異なり、吸着材2が吸着材3よりも優れたヒ素吸着能を有していた。
また、実施例2の結果から、吸着材に吸着されたヒ素を除去できることが確認された。これにより、吸着材のヒ素に対する吸着能が回復し、吸着材の再利用が可能となる。
<実施例3:吸着材に付着した土の除去試験>
土(100g)及び蒸留水(32.20g)を混合して、泥水(比重1.4)を作成した。以下の条件1〜4において、吸着材2に付着した土の量を測定した。結果を表6に示す。
条件1:吸着材2を泥水と混合した後、吸着材2を回収し、乾燥させた。
条件2:吸着材2を泥水と混合した後、吸着材2を回収し、少量の水で洗浄し、乾燥させた。
条件3:吸着材2を泥水と混合した後、吸着材2を回収し、0.85mmの篩で処理し、乾燥させた。
条件4:吸着材2を泥水と混合した後、吸着材2を回収し、0.85mmの篩で処理し、少量の水で洗浄し、乾燥させた。
Figure 0006444701
条件2及び4の結果から、少量の水で洗浄することによって吸着材2に付着した土を容易に除去できることが確認された。また、土を除去した後の吸着材の強度が維持されていることも確認された。
101、201、301・・混合槽
102、202、302・・分級機
103、203、303・・撹拌機
104、204、304・・混合物送出ライン
105、205、305・・浄化泥水収容容器
206、306・・第1の返送ライン
307・・回復装置
308・・濾過器
309・・第2の返送ライン
310・・回復吸着材送出ライン
311・・ヒ素含有溶液収容容器

Claims (4)

  1. ヒ素を含む泥水と、泥水中の固体粒子よりも大きい吸着材とを混合して、ヒ素を吸着材に吸着させる吸着工程;及び
    吸着工程において得られた混合物を分級により泥水と吸着材とに分離する分離工程;
    を含む、ヒ素を含む泥水の浄化方法であって、
    吸着材が基材と基材に担持された吸着成分とを含み、
    基材がセルロース繊維を含む不織布であり、
    吸着成分が鉄水酸化物、アルミニウム水酸化物、鉄酸化物、及びアルミニウム酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む、
    浄化方法。
  2. 基材の大きさが100μm〜100mmである、請求項1に記載の浄化方法。
  3. 吸着材の量が泥水の重量に対して5重量%以下の量である、請求項1又は2に記載の浄化方法。
  4. 必要に応じて、分離工程において分離された吸着材のヒ素に対する吸着能を回復する回復工程を更に含み、
    分離工程において分離された吸着材、又は回復工程においてヒ素に対する吸着能が回復した吸着材を吸着工程において再利用する、請求項1〜のいずれかに記載の浄化方法。
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