以下、図面を参照して、本発明の情報信号送信装置の具体的な実施形態について説明をする。なお、各図面の寸法は適宜変更して示している。
図1に示すように、本発明の第1の実施形態おける情報信号送信装置1は、箱状の筐体2で囲まれ発電機構部3と、発電機構部3の底面に取り付けられた情報処理部4からなっている。また筐体2の上面に配された円筒状のガイド部2aから発電機構部3の操作体5の一部が突出しており、その端部にはキャップ6が備えられている。
発電機構部3については、本出願人が既に出願した特願2011−150605号(特開2013−21746号)にて開示しているものと殆ど同一であり、図2、図3を用いて説明を行う。
図2は筐体2の内部にある発電機構部3を示している。図2に示すように、発電機構部3は、筐体7に磁路形成部材8が保持されている。磁路形成部材8は、第1の腕部8aと第2の腕部8bおよび連結部8cとが連続して一体に形成されている。磁路形成部材8は軟磁性の金属板でU字形状に形成されて、連結部8cが上向きにほぼ直角に折り曲げられている。第1の腕部8aが第1の対向端面8dを有し、第2の腕部8bが第2の対向端面8eを有している。
図2および図3では、第1の対向端面8dと第2の対向端面8eの対向方向がX方向で示され、X方向と直交し操作体5の稼動する方向をY方向として示されている。また、前記のX方向とY方向に直交する方向がZ方向として示されている。
第1の腕部8aの第1の対向端面8dと、第2の腕部8bの第2の対向端面8eは、磁束の誘導方向(Z方向)に向けて互いに平行に延びている。第1の対向端面8dと第2の対向端面8eは、Y−Z平面に平行で平坦な端面となっている。
磁路形成部材8の第1の腕部8aの外周に第1のボビン9aが設けられ、第1のボビン9aに第1の発電コイル10aが巻かれている。第2の腕部8bの外周に第2のボビン9bが設けられ、第2のボビン9bに第2の発電コイル10bが巻かれている。
筐体7に保持凹部7aが形成されており、磁路形成部材8ならびに第1のボビン9aと第2のボビン9bが、保持凹部7aの内部に嵌合し、位置決めされて固定されている。
第1の発電コイル10aの巻き導線と第2の発電コイル10bの巻き導線は直列に接続されており、導線の両端部が筐体7の下面より突出する一対の接続端子11にそれぞれ接続されている。
筐体7の内部には回動体12が設けられている。回動体12は、磁気的な絶縁材料である合成樹脂材料で形成された回動ホルダ13を有している。回動ホルダ13には、Z1方向とZ2方向に突出する回動軸14が一体に形成されており、この回動軸14のZ2方向の端部は、操作体5に形成されている軸可動穴5aを貫いて、筐体7で回動自在に保持されている。また筐体7に軸受部7bが形成されており、回動軸14のZ1方向の端部が軸受部7bに回動自在に保持されて、回動体12が、Z方向に延びる軸芯Oを中心として回動自在に支持されている。
回動ホルダ13のZ2側の端部に回動アーム15が一体に形成され、その先部に軸方向がZ方向に延びる連結ピン16が一体に形成されている。筐体7には、垂直方向であるY方向に貫通する摺動軸受部7cが形成されており、この摺動軸受部7c内に、操作体5がY1−Y2方向に摺動自在に保持されている。操作体5にX方向に延びる連結長穴17が形成されており、前記連結ピン16が連結長穴17の内部に摺動自在に挿入されている。
前記連結ピン16と前記連結長穴17とで、操作体5の垂直方向(Y方向)の移動力を、回動体12の軸芯Oを中心とした回動力に変換する連結機構が構成されている。
図3(a)、(b)に示すように、筐体7の内部には操作体5の下面に接する復帰ばね18が設けられており、この復帰ばね18によって、操作体5がY1方向(復帰方向)へ常に付勢されている。
回動体12では、回動ホルダ13に磁束発生部19が固定されている。磁束発生部19は、磁路形成部材8の第1の対向端面8dと第2の対向端面8eとが対向する空間の内部に位置している。磁束発生部19は永久磁石20を有している。永久磁石20は、板状の磁石であり、上下に対向する一方の平面が第1の着磁面20aで他方の平面が第2の着磁面20bである。第1の着磁面20aと第2の着磁面20bは互いに逆の極性に着磁されている。図3に示す例では、第1の着磁面20aがS極で、第2の着磁面20bがN極に着磁されている。
第1の着磁面20aに第1の磁化部材21が固定され、第2の着磁面20bに第2の磁化部材22が固定されている。第1の磁化部材21と第2の磁化部材22は、軟磁性の金属板である。第1の磁化部材21はX2側に向く第1の端面21aとX1側に向く第2の端面21bを有している。第2の磁化部材22は、X1側に向く第1の端面22aとX2側に向く第2の端面22bを有している。
各端面21a、21b、22a、22bは、回動軸14の中心である軸芯Oを中心とする円筒面に一致するように、曲面形状に形成されている。第1の磁化部材21の端面21aまたは第2の磁化部材22の端面22bが第1の対向端面8dに対向したときに、端面21aまたは端面22bと第1の対向端面8dとが接触することがなく対向部に微細な隙間が形成される。同様に、第1の磁化部材21の端面21bまたは第2の磁化部材22の端面22aが第2の対向端面8eに対向したときに、端面21bまたは端面22aと第2の対向端面8eとが接触することがなく対向部に微細な隙間が形成される。
図3(a)に示すように、第1の磁化部材21の厚さは、磁路形成部材8の厚さと同じがそれよりも大きく、第1の磁化部材21の第1の端面21aが第1の対向端面8dに対向したときに、その対向面積が、第1の対向端面8dの面積よりも狭くならない。これは、第1の磁化部材21の第2の端面21bと第2の対向端面8dとが対向するときも同じである。また、第2の磁化部材22の厚さも第1の磁化部材21の厚さと同じであり、端面22aまたは端面22bが対向端面8d、8eと対向するときの対向面積が、それぞれ対向している対向端面8d、8eの面積よりも狭くなることがない。第1の磁化部材21、第2の磁化部材22および磁路形成部材8の厚さがそれぞれ上記の関係となることで、第1の磁化部材21および第2の磁化部材22から磁路形成部材8への磁束の伝達効率が高くなる。
次に、前記発電入力装置1の動作について説明する。
図3(a)に示すように、操作体5に外力が作用していないときは、復帰ばね18の付勢力で操作体5がY1方向へ戻されており、操作体5の連結長穴17によって連結ピン16が持ち上げられ、回動体12が図3(a)において時計方向へ回動させられた第1の姿勢となっている。回動体12が第1の姿勢のとき、第1の磁化部材21の第1の端面21aが磁路形成部材8の第1の対向端面8dに微小な隙間を介して対向し、第2の磁化部材22の第1の端面22aが第2の対向端面8eに微小な隙間を介して対向している。また、第1の磁化部材21の第2の端面21bが第2の対向端面8eから離れ、第2の磁化部材22の第2の端面22bが第1の対向端面8dから離れている。
図3(a)に示す状態では、永久磁石20の磁力により、第1の端面21aと第1の対向端面8dとが磁気吸引され、第1の端面22aと第2の対向端面8eとが磁気吸引されて、回動体12が第1の姿勢で安定しようとする。
操作体5の上部にキャップ6が固定されている。キャップ6の押圧操作によって、操作体5が図3(a)の状態からY2方向へ向けて押されると、操作体5の連結長穴17によって連結ピン16が下向きに押され、回動体12が反時計方向へ回動させられる。操作体5が下向きの最終端まで押されると、回動体12は図3(b)に示す第2の姿勢となる。第2の姿勢では、第1の磁化部材22の第2の端面22bが、磁路形成部材8の第2の対向端面8eに微小な隙間を介して対向し、第1の端面22aが第1の対向端面8dから離れる。また、第2の磁化部材22の第2の端面22bが第1の対向端面8dに微小な隙間を介して対向し、第1の端面22aは第2の対向端面8eから離れる。
図3(b)に示す状態では、永久磁石20の磁力により、第2の端面21bと第2の対向端面8eとが磁気吸引され、第2の端面22bと第1の対向端面8dとが磁気吸引されて、回動体12が第2の姿勢で安定しようとする。
通常の押釦の押圧操作では、操作体5がY2方向の最終端まで押された直後に、下向きの押圧力が解除される。押圧力が解除されると、操作体5が復帰ばね18の付勢力によってY1方向へ押し戻され、回動体12に時計方向への復帰回動力が与えられる。このとき、回動体12は、図3(b)に示す第2の姿勢での安定状態から時計方向へ回動し、図3(a)に示す第1の姿勢に復帰する。
図3(a)に示す第1の姿勢のとき、永久磁石20から発せられる磁束φ1が、第2の磁化部材22の第1の端面22aから第2の対向端面8eを介して磁路形成部材8の第2の腕部8bに与えられる。磁束φ1は、磁路形成部材8の連結部8cを介して第1の腕部8aに至る経路を辿り、第1の対向端面8dから第1の端面21aを介して第1の磁化部材21に戻る。図3(b)に示す第2の姿勢になると、永久磁石20から発せられる磁束φ2が、第1の腕部8aから連結部8cを介して第2の腕部8bに至る経路を辿る。
図2に示す発電機構部3では、操作体5がY2方向へ押し込まれるときに、回動体12が図3(b)に示す第2の姿勢に向けて磁気吸引力によって急速に回転する。また、操作体5が下向きに押し込まれた後に押し込み力が除去されると、回動体12が図3(a)に示す第1の姿勢に向けて磁気吸引力および復帰ばね18の弾性力によって急速に回転する。
そのため、操作体5がY2方向へ向けて押されるときに、磁路形成部材8内で磁束φ1からφ2に変化するときの、単位時間当たりの磁束の変化量が大きく、発電コイル10a、10bから電磁誘導による大きな誘導起電力を得ることができる。同様に、操作体5がY1方向へ戻るときに、磁路形成部材8内で磁束φ2からφ1に変化するときの、単位時間当たりの磁束の変化量が大きく、発電コイル10a、10bから電磁誘導による大きな誘導起電力を得ることができる。
さらに、磁束はφ1とφ2との間で、逆向きに変化するため、磁束の変化量そのものが大きくなり、誘導起電力を大きくすることが可能である。
このように、図2に示す発電機構部3は、操作体5をY2方向へ押圧操作するときの反力が過大にならず、しかも、操作体5がY2方向へ押されるときとY1方向へ復帰するときの双方において、磁路形成部材8の内部での単位時間あたりの磁束の変化量を大きくでき、発電コイル10a、10bから大きな誘導起電力を得ることができる。
次に、情報処理部4について図4を用いて説明する。情報処理部4はその内部に、発電機構部3に接続されて誘導起電力の電圧値をAD変換して計測する計測部23と、計測部23での計測値に基づいて所定の情報信号を生成する情報信号生成部24と、情報信号生成部24からの信号を外部に情報処理部4の外部に送信する情報信号送信部25と、発電機構部3の誘導起電力から計測部23と、情報信号生成部24および情報信号送信部25が動作するための電力を作り出して供給する整流回路部26からなる。
さらに計測部23には、計測部23が起動してからカウントを開始する計時部27を備え、計時部27によるカウントが所定値になった時の発電機構部3の誘導起電力の電圧値を計測して情報信号生成部24に送る。
情報信号生成部24は、予め決められた複数の指令情報(例えば、ドアのロック指令、解除指令等)を有しており、計測部23から送られてきた電圧値に基づきその電圧値に対応する指令情報を選択し、ID情報やパリティ情報を付加した情報信号を生成して情報信号送信部25に送る。
情報信号送信部25では、無線信号生成部28で前記の情報信号より無線信号を生成し、アンテナ部29より外部の操作対象装置に送信する。
本実施例の情報処理部4の動作について、図5、図6を用いて詳細に説明する。なお、図6に示す最低駆動電圧Voは情報処理部4が起動する電圧値であり、電圧Vsは情報信号生成部24で操作体5の操作速度の遅速を判別する際の閾値電圧である。
また、操作者が本情報信号送信装置1のキャップ6を速度Aで操作した場合の発電機構部3による誘導起電力を曲線Pa、キャップ6を速度Aよりも早い速度Bで操作した場合の誘導起電力を曲線Pbとして示す。
まず、操作者がキャップ6を速度Aで押圧し発電機構部3での誘導起電力Paが発生すると、その誘導起電力Paは整流回路部26に流れ込む。整流回路部26は誘導起電力Paが最低駆動電圧Vo(例:1.8V)に達した時点(図6の点X1)で計測部23、情報信号生成部24および情報信号送信部25が動作するための電力供給を開始し、計測部23、情報信号生成部24、情報信号送信部25が起動する(ステップS1)。
次にステップS2にて、計測部23の計時部27の値を初期化(カウント値t0=0)し、ステップS3、S4にてカウントを開始する。そしてカウント値t0が予め定められた時間T0(例:10msec)を経過した時(図6の点X2)、ステップS5で計測部23が発電機構部3の誘導起電力Paの電圧値(電圧値Va)を計測する。
次に、ステップS6にて閾値電圧Vsと計測した電圧値Vaを比較する。この場合、計測した電圧値Vaは閾値電圧Vsよりも低いため、ステップS7に進んでコマンドF1を情報信号送信部25に出力する。
次に、ステップS9で情報信号送信部25では、無線信号生成部28が情報信号生成部24から受け取ったコマンドF1を元に無線信号(RF信号)を生成し、アンテナ部29から発信して情報処理部4は動作を終了する(ステップS10)。
操作者が本情報信号送信装置1のキャップ6を速度Bで押圧した際は、整流回路部26は誘導起電力Pbが最低駆動電圧Voに達した時点(図6の点X3)で、計測部23、情報信号生成部24および情報信号送信部25が動作するための電力供給を開始し、計測部23、情報信号生成部24、情報信号送信部25が起動する(ステップS1)。
次にステップS2にて、計測部23の計時部27の値を初期化(カウント値t0=0)し、ステップS3、S4にてカウントを開始する。そしてカウント値t0が予め定められた時間T0を経過した時(図6の点X4)、ステップS5で計測部23が発電機構部3の誘導起電力Pbの電圧値(電圧値Vb)を計測する。
次に、ステップS6にて閾値電圧Vsと計測した電圧値Vbを比較する。この場合、計測した電圧値Vbは閾値電圧Vsよりも高いため、ステップS8に進んでコマンドF2を情報信号送信部25に出力する。
次に、ステップS9で情報信号送信部25では、情報信号生成部24から受け取ったコマンドF2を元に無線信号を生成しアンテナ部29から発信して、情報処理部4は動作を終了する(ステップS10)。
上記の構成によれば、操作体5の動作によって発生した誘導起電力で情報処理部4を駆動するとともに、操作体5の移動速度に対応した誘導起電力の電圧値を計測して、計測された電圧値に対応する情報信号を生成・送信することにより、外部からの電力無しで操作体5の動作状況に応じた情報信号を送信することが可能となる。
次に、第2の実施例について図7、図8を用いて説明する。なお、第1の実施例と同じ部分には同一符号を付してあり、図7に示すフローチャートのステップS1からステップS5までは、第1の実施例と同一の動作を行っている。
第2の実施例と第1の実施例との違いは情報信号生成部24内での信号処理にあり、図8に示すように、第1の実施例では1つだった閾値電圧Vsを、第1の閾値電圧Vs1と、第1の閾値電圧よりも高い第2の閾値電圧Vs2を設定している点である。
そして、操作者がキャップ6を速度Aで押圧した場合に、ステップS5で計測部23が発電機構部3の誘導起電力Paの電圧値(電圧値Va)を計測する。
次に、情報信号生成部24がステップS20にて第1の閾値電圧Vs1と計測した電圧値Vbを比較する。この場合、計測した電圧値Vaは第1の閾値電圧Vs1よりも低いため、ステップS21に進んでコマンドF1を情報信号送信部25に出力して、情報信号が発信される。
操作者がキャップ6を速度Bで押圧した場合は、ステップS5で計測部23が発電機構部3の誘導起電力Pbの電圧値(電圧Vb)を計測する。
次に、情報信号生成部24がステップS20にて第1の閾値電圧Vs1と計測した電圧値Vbを比較するが、計測した電圧値Vbは第1の閾値電圧Vs1よりも高いため、ステップS23に進む。ステップS23では、第2の閾値電圧Vs2と計測した電圧値Vbとを比較し、電圧値Vbが第2の閾値電圧が高い場合にステップS24に移行し、コマンドF2を情報信号送信部25に出力して、情報信号が発信されることとなる。
ここで、もし操作者が速度Aと速度Bの中間の速度Cで操作体5を押圧した場合、その誘導起電力は曲線Pcを描く。この時、計測部23は点X5よりT0時間経過後の点X6での誘導起電力Pcの電圧値(点X6)を測定することとなるが、その時の電圧値は電圧値Vcとなる。この電圧値Vcは、第1の閾値電圧Vs1と第2の閾値電圧Vs2との間となることから、情報信号生成部24では、ステップS20からステップS23を経てステップS25に移行することとなり、情報処理部4は情報信号を発信せずに動作を終了する。
この様に、計測した電圧値が第1の閾値電圧Vs1と第2の閾値電圧Vs2の間だった場合には情報信号を発信しないこととなり、操作者は操作体の操作速度を明確に変える必要ができ、誤動作が防止できる。
次に、第3の実施例について図9、図10を用いて説明する。なお、第1の実施例と同じ部分には同一符号を付してあり、図9に示すフローチャートのステップS1からステップS5までは、第1の実施例と同一の動作を行っている。
第3の実施例では、第2の実施例で設けた第1の閾値電圧Vs1と第2の閾値電圧Vs2に加えて、最低駆動電圧Voより高く第1の閾値電圧Vs1よりも小さい第3の閾値電圧Vs3と、第2の閾値電圧Vs2よりも高く、第1の閾値電圧Vs1と第3の閾値電圧Vs3との電圧差と同じ電圧分だけ第2の閾値電圧よりも高い第4の閾値電圧Vs4が設定されている。
そして、操作者がキャップ6を速度Aで押圧した場合に、ステップS5で計測部23が発電機構部3の誘導起電力Paの電圧値(電圧値Va)を計測する。
次に、情報信号生成部24がステップS30にて第1の閾値電圧Vs1と計測した電圧値Vbを比較する。計測した電圧値Vaは第1の閾値電圧Vs1よりも低いため、ステップS31に進み、電圧値Vaと第3の閾値電圧Vs3と比較する。電圧値Vaは第3の閾値電圧Vs3よりも高いため、ステップS32、ステップS33と進んで、コマンドF1を情報信号送信部25に出力して、情報信号が発信される。
もし電圧値Vaが第3の閾値電圧よりも低い場合は、ステップS37に移行し、情報処理部4は情報信号を発信せずに動作を終了する。
操作者がキャップ6を速度Bで押圧した場合は、ステップS5で計測部23が発電機構部3の誘導起電力Pbの電圧値(電圧値Vb)を計測する。
次に、情報信号生成部24がステップS30にて第1の閾値電圧Vs1と計測した電圧値Vbを比較するが、計測した電圧値Vbは第1の閾値電圧Vs1よりも高いため、ステップS34に進む。ステップS34では、第2の閾値電圧Vs2と計測した電圧値Vbとを比較し、電圧値Vbが第2の閾値電圧が高い場合にステップS35に進み、電圧値Vaと第4の閾値電圧Vs3と比較する。電圧値Vbは第4の閾値電圧Vs4よりも低いため、ステップS36、ステップS33と進んで、コマンドF2を情報信号送信部25に出力して、情報信号が発信される。
もし電圧値Vbが第4の閾値電圧よりも高い場合は、ステップS37に移行し、情報処理部4は情報信号を発信せずに動作を終了する。
本実施例においては、計測した電圧値が第1の閾値電圧Vs1と第3の閾値電圧Vs3の間(レンジRa)にある場合にコマンドF1を含む情報信号を送信し、計測した電圧値が第2の閾値電圧Vs2と第4の閾値電圧Vs4との間(レンジRb)にある場合はコマンドF1を含む情報信号を送信することとなり、操作者に対し操作体5の正確な操作を促すことにより、誤動作が防止できる。
次に、第4の実施例について図11、図12を用いて説明する。なお、第1の実施例と同じ部分には同一符号を付してある。
第4の実施例において、情報処理部30の計測部31は、第1記憶部32と第2記憶部33を有しており、計時部34でカウントした2つのタイミング(時間T1、時間T2)での誘導起電力の電圧値VinをAD変換してそれぞれ記憶する。
情報信号生成部35は、予め決められた複数の指令情報(例えば、ドアのロック指令、解除指令等)と、閾値としての一つの閾値電圧差ΔVsが設定されている。そして、第1記憶部32の電圧値Vin1と第2記憶部33の電圧値Vin2の差分電圧ΔVinを計算し、閾値電圧差ΔVsと差分電圧ΔVinとの比較結果に基づいて指令情報を選択し、ID情報やパリティ情報を付加した情報信号を生成して情報信号送信部25の無線信号生成部28に送り、アンテナ部29より無線信号として外部に発信する。
本実施例の情報信号生成部35の動作について、図12、図13を用いて具体的に説明する。
まず、操作者がキャップ6を速度Aで押圧し発電機構部3での誘導起電力Paが発生すると、その誘導起電力Paは整流回路部26に流れ込む。整流回路部26は誘導起電力Paが最低駆動電圧Voに達した時点(図13の点X10)で計測部31、情報信号生成部35および情報信号送信部25が動作するための電力供給を開始し、計測部31、情報信号生成部35、情報信号送信部25が起動する(ステップS40)。
次にステップS41にて、計測部31の計時部34の値を初期化(カウント値t1、t2=0)し、ステップS42、S43にてカウント値t1のカウントを開始する。そしてカウント値t1が予め定められた時間T1になった時(図13の点X11)、ステップS44に移行して計測部31が発電機構部3の誘導起電力Paの電圧値(電圧値Va1)を計測し、その値を第1記憶部32に格納する。
次に、ステップS45、S46にてカウント値t2のカウントを開始する。そしてカウント値t2が予め定められた時間T2になった時(図13の点X12)、ステップS47に移行して計測部31が発電機構部3の誘導起電力Paの電圧値(電圧値Va2)を計測し、その値を第2記憶部33に格納する。
次に、ステップS48にて電圧値Va1と電圧値Va2との差分電圧ΔVinAを算出してステップS49に移行する。電圧値Va2は電圧値Va1より大きいため、差分電圧ΔVinAは0以上となり、ステップS50に移行する。そして、差分電圧ΔVinAと閾値電圧差ΔVsと比較する。差分電圧ΔVinAは閾値電圧差ΔVsよりも小さいため、ステップS51に移行して情報信号生成部35がコマンドF1を情報信号送信部25に出力し、ステップS53で情報信号送信部25がコマンドF1を元に無線信号(RF信号)を生成し、アンテナ部29から情報信号を発信して情報処理部30は動作を終了する(ステップS54)。
操作者が本情報信号送信装置1のキャップ6を速度Bで押圧した場合は、整流回路部26は誘導起電力Vinが最低駆動電圧Voに達した時点(図13の点X20)で、計測部31、情報信号生成部35および情報信号送信部25が動作するための電力供給を開始し、計測部31、情報信号生成部35、情報信号送信部25が起動する(ステップS40)。
次にステップS41にて、計測部31の計時部34の値を初期化(カウント値t1、t2=0)し、ステップS42、S43にてカウント値t1のカウントを開始する。そしてカウント値t1が予め定められた時間T1になった時(図13の点X21)、ステップS44に移行して計測部31が発電機構部3の誘導起電力Pbの電圧値(電圧値Vb1)を計測し、その値を第1記憶部32に格納する。
次に、ステップS45、S46にてカウント値t2のカウントを開始する。そしてカウント値t2が予め定められた時間T2になった時(図13の点X22)、ステップS47に移行して計測部31が発電機構部3の誘導起電力Pbの電圧値(電圧値Vb2)を計測し、その値を第2記憶部33に格納する。
次に、ステップS48にて電圧値Vb1と電圧V値b2との差分電圧ΔVinBを算出してステップS49に移行する。電圧値Vb2は電圧値Vb1より大きいため、差分電圧ΔVinBは0以上となり、ステップS50に移行する。そして、差分電圧ΔVinBと閾値電圧差ΔVsと比較する。差分電圧ΔVinBは閾値電圧差ΔVsよりも大きいため、ステップS52に移行して情報信号生成部35がコマンドF2を情報信号送信部25に出力し、ステップS53で情報信号送信部25がコマンドF2を元に無線信号(RF信号)を生成し、アンテナ部29から情報信号を発信して情報処理部30は動作を終了する(ステップS54)。
なお、もし差分電圧ΔVinAや差分電圧ΔVinBがマイナス値になった場合は、誤操作や操作者が意図的に操作を中断した可能性が高いため、ステップS49よりステップS54に移行して情報処理部30は何ら信号を発信せずに動作を終了する。
上記の構成によれば、操作者が操作体5を正確に動作させ続けた場合にのみ情報信号を発信するため、誤操作が減り、また操作者が操作の途中で中断させることも可能となる。
なお、いままで説明してきた実施例では、操作者が操作体5の操作速度を正確に行う必要があり、ある程度の慣れが必要となる可能性がある。このため、操作者が操作体5を一定の操作力で操作した場合でも、操作体5の動作速度を変えることができる機構(押圧機構)を付加した情報信号処理装置の実施例を図14乃至図24を用いて説明する。なお、以下の実施例における発電機構部3および情報処理部4は第1の実施例と同一の構造であり、同一番号を付して詳細な説明は省略する。
まず、第5の実施例を図14および図15で説明する。本実施例では、発電機構部3の上面に基板2bが配置され、その中心からは操作体5とガイド部2aが突出しており、その操作体5を中心にして対称な位置に、円柱状の第1押圧機構部40と第2押圧機構部50が配置されている。
第1押圧機構部40は、円筒状で一端が基板2bの取付溝2cに固定された本体基部41と、本体基部41の内部で上下に稼働可能に保持され、その上部が本体基部41の他端側から突出している円柱状の第1操作部42と、本体基部41の内部に配置された弾性部材としての第1反発バネ43からなっており、第1反発バネ43が基板2bと操作部42の底部に挟まれて第1操作部42を上方に付勢している。なお、第1反発バネ43はコイルバネであり、その反発力は操作者が押圧力Cで第1操作部42を押し下げた際の第1操作部42の速度が第1の実施例の速度Aと同等となるように設定されている。操作体5に対向する本体基部41の側面には、本体基部41の中間付近から基板2bにかけて直線状に延びる押圧溝部41aが形成されている。また第1操作部42は、その底部より操作体5方向に延出する四角柱状の押圧腕部42aが形成されており、その先端42a1は操作体5の上面5bの上方に位置している。
第2押圧機構部50も第1押圧機構部40と同様に、円筒状で一端が基板2bの取付溝2cに固定された本体基部51と、本体基部51の内部で上下に稼働可能に保持され、その上部が本体基部51の他端側から突出している円柱状の第2操作部52と、本体基部51の内部に配置された弾性部材としての第2反発バネ53からなっており、第2反発バネ53が基板2bと円柱部52の底部に挟まれて第2操作部52を上方に付勢している。なお、この第2反発バネ53もコイルバネであり、その反発力は第1反発バネよりも弱く設定されてり、その速度が第1の実施例の速度Bと同等となるように設定されている。操作体5に対向する本体基部51の側面には、本体基部51の中間付近から基板2bにかけて直線状に延びる押圧溝部51aが形成されている。また第2操作部52は、その底部より操作体5方向に延出する四角柱状の押圧腕部52aが形成されており、その先端52a1は操作体5の上面5bの上方に位置している。
本構成において、まず操作者が第1反発バネ43の反発力を受けながら第1押圧機構部40の第1操作部42を押圧力Cで押し下げると、第1操作部42の押圧腕部42aが押圧溝部51aに沿って降下して操作体5の上面5bに当接し、操作体5も押し下げることとなる。その際の操作体5の押し下げられる速さは速度Aとなり、その際の発電機構部3での誘導起電力は図6の曲線Paの様に発生する。
次に、第1の実施例の時と同様に、発電機構部3で発生した誘導起電力が情報処理部4に送られて、情報処理部4が起動してから時間T0が経過した時の電圧値(電圧値Va)を検出し、コマンドF1を含む情報信号が発信される。
操作者が第2押圧機構部50の第2操作部52を押圧力Cで押し下げようとする。その際、操作者は第2反発バネ53の反発力を受けながら第2操作部52を押し下げることとなる。その際の操作体5の押し下げられる速さは速度Bとなり、その際の発電機構部3での誘導起電力は図6の曲線Pbの様に発生する。
次に、第1の実施例と同様に、発電機構部3で発生した誘導起電力が情報処理部4に送られて、情報処理部4が起動してから時間T0が経過した時の電圧値(電圧値Vb)を検出し、コマンドF2を含む情報信号が発信される。
上記の構成によれば、反発力の異なる第1押圧機構部40と第2押圧機構部50を設けることにより、操作者は第1押圧機構部40と第2押圧機構部50を明確に区別することができ、意図した情報信号を発信することができる。
なお、第1押圧機構部40と第2押圧機構部50で使用している弾性部材としての第1反発バネ43と第2反発バネ53を、図16に示すようにスポンジ状の合成樹脂からなる第1弾性樹脂61と、第1弾性樹脂よりも反発力の弱い第2弾性樹脂62に置き換えても良い。
次に、第6の実施例を図17乃至図25で説明する。本実施例でも、基板2b上には、操作体5を中心にして対称な位置に、円柱状の第1押圧機構部70と第2押圧機構部80が配置されている。
第1押圧機構部70は、円筒状で一端が基板2bの半円弧状の取付溝2d、2dに嵌め込まれて固定された本体基部71と、本体基部71の内部で上下に稼働可能に保持され、その一端が本体基部71の他端側から突出している円筒状の第1操作部72と、本体基部71の内部に配置された下部弾性部材としての基部バネ73と、第1操作部72の内部に配置された上部弾性部材としての第1反発バネ74と、本体基部71内部で基部バネ73と第1反発バネ74に挟まれて保持された稼動部材75と、稼動部材75に回転可能に取り付けられたピン部材76からなっている。
以下で、各部材についてさらに詳述する。
本体基部71は、その下端が2つの半円弧部71a、71aに分割されており、この半円弧部71a、71aを基板2bに形成されている2つの半円弧状の取付溝2d、2dに嵌め込まれて固定される。また、操作体5に対向する本体基部71の側面には、本体基部71の中間付近から基板2bにかけて直線状に延びる押圧溝部71bが形成されている。
また、押圧溝部71bとは反対側の本体基部71の側面には、本体基部71の中間付近から基板2bにかけて直線状に延びるピン駆動溝部71cが形成されている。このピン駆動溝部71cは、本体基部71の下端側から中間付近に一直線に延びるピン降下部71dと、第1操作部72が押し下げられた際にピン部材76の降下を一時的に止める為のピン係止部としての下辺71eと、第1操作部72の押圧を開放した際にピン部材76を初期状態の位置に保持する上部傾斜辺71fと側辺71gからなっている。
また本体基部71の内周面の上部には、第1操作部72が本体基部71から内で抜けたりしないように様にするための係止凸部71hと、第1操作部72が本体基部71内で回転したりしないようにするための縦溝71kが形成されている。
第1操作部72は、円柱状でその外周面は本体基部71の内周面に沿って上限に摺動できる大きさに設定されている。また第1操作部72には、その底部より上方に延びる様に凹部72aが形成されており、凹部72a内には第1反発バネ74が配置される。
また第1操作部72の底部には、三角形状のピン駆動部72bが本体基部71のピン駆動溝部71cに対応する位置に形成されており、そのピン駆動斜辺72b1が第1操作部72を押圧した際にピン部材76と摺動する。
第1操作部72の底部の外周面には、本体基部71の係止凸部71hに対応する位置に係止突起72cが形成されている。
稼動部材75は、円柱状でその外周面が本体基部71の内周面に沿って上下方向に摺動できる大きさに設定されている。また稼動部材75の底部側には、基部バネ73を収納するための凹部75aが形成されている。稼動部材75は、その底部より操作体5方向に延びる四角柱状の押圧腕部75bが形成されている。稼動部材75の上面には、稼動部材75の外周面の直径よりも小さい円柱状のピン嵌合部75cが形成されている。たま、このピン嵌合部75cの上方には、第1反発バネ74の下端に当接する円盤部75dが形成されている。この円盤部75dは、その直径が稼動部材75の外周面と同径となっているが、その一部には扇状の切欠き部75eが形成されており、第1操作部72を押し下げた際には、ピン駆動部72bが切欠き部75e内を降下してピン部材76に当接できるようになっている。
ピン部材76は、円柱状のピン部76aと、稼動部材75のピン嵌合部75cに回動可能に取り付けるためのC字状の取付部76bからなる。
第1押圧機構部70の組み立てに際しては、まず凹部72aに第1反発バネ74が組み込まれた第1操作部72、本体基部71の下側から入れる。このとき、第1操作部72の係止突起72cは本体基部71内面に形成されている縦溝71kに嵌り込むことになり、第1操作部72は本体基部71内部での回転が抑止される。また、第1操作部72の係止突起72cと本体基部71の係止凸部71hが係合することにより、第1操作部72が本体基部71の上側から抜け出ることはなくなる。
次に、稼動部材75のピン嵌合部75cにピン部材76の取付部76bを押し込んで取り付ける。このとき、ピン部材76は稼動部材75のピン嵌合部75cの外周面に沿って回動可能な状態になっている。
次に、稼動部材75の押圧腕部75bとピン部材76のピン部76aと、本体基部71の押圧溝部71bとピン駆動溝部71cをそれぞれ位置合わせして、稼動部材75を本体基部71の内部に組み込む。そして、基部バネ73の一端を稼動部材75の凹部75aに入れて、本体基部71を基板2bの取付溝2d、2dに押し込んで固定する。この時、押圧腕部75bの先端は操作体5の上面5b上に位置することとなる。
また稼動部材75は基部バネ73により上方に押し上げられるが、押圧腕部75bが本体基部71の押圧溝部71bの上端71b1で上方への押し上げが止められるため、基部バネ73には上方への反発力R1が蓄積された状態となる。
そして、ピン部材76のピン部76aもピン降下部71d内を上昇し、上部傾斜辺71fに接触する。そして、ピン部76aは、上部傾斜辺71fに接触しながら上昇し、側辺71gに接触して止まる。これで、ピン部材76のピン部76aは、下辺71eの上方で保持される。
この時、第1操作部72の係止突起72cが本体基部71の係止凸部71hに係止された状態での第1反発バネ74の反発力R2は、基部バネ73に蓄積されている反発力R1よりも小さくなるように設定されている。このため、稼動部材75は上方に押し上げられるが、押圧腕部75bが押圧溝部71bの上端71b1に接触した位置で止まる。また第1操作部71は、第1反発バネ74の反発力により上方に押し上げられ、係止突起72cが本体基部71の係止凸部71hに接触した位置で係止されることとなる(図18の状態)。
第2押圧機構部80の基本構造は、操作体5を軸中心にして第1押圧機構部70とは対称な構造となっており、円筒状で一端が基板2bの半円弧状の取付溝2d、2dに嵌め込まれて固定された本体基部81と、本体基部81の内部で上下に稼働可能に保持され、その一端が本体基部81の他端側から突出している円筒状の第2操作部82と、本体基部81の内部に配置された基部バネ83と、第2操作部82の内部に配置された第2反発バネ84と、本体基部81内部で基部バネ83と第2反発バネ84に挟まれて保持された稼動部材85と、稼動部材85に回転可能に取り付けられたピン部材86からなっている。
本体基部81は、その下端が2つの半円弧部81a、81aに分割されており、この半円弧部81a、81aを基板2bに形成されている2つの半円弧状の取付溝2d、2dに嵌め込まれて固定される。また、操作体5に対向する本体基部81の側面には、本体基部81の中間付近から基板2bにかけて直線状に延びる押圧溝部81bが形成されている。
また、押圧溝部81bとは反対側の本体基部81の側面には、本体基部81の中間付近から基板2bにかけて直線状に延びるピン駆動溝部81cが形成されている。このピン駆動溝部81cは、本体基部81の下端側から中間付近に一直線に延びるピン降下部81dと、第1操作部82が押し下げられた際にピン部材86の降下を一時的に止める為のピン係止部としての下辺81eと、第2操作部82の押圧を開放した際にピン部材86を初期状態の位置に保持する上部傾斜辺81fと側辺81gからなっている。
また本体基部81の内周面の上部には、第2操作部82が本体基部81から内で抜けたりしないように様にするための係止凸部81hと、第2操作部82が本体基部81内で回転したりしないようにするための縦溝81kが形成されている。
第2操作部82は、円柱状でその外周面は本体基部81の内周面に沿って上限に摺動できる大きさに設定されている。また第2操作部82には、その底部より上方に延びる様に凹部82aが形成されており、凹部82a内には第2反発バネ84が配置される。なお、この第2反発バネ84は第1反発バネ74よりも強い反発係数を有している。
また第2操作部82の底部には、三角形状のピン駆動部82bが本体基部81のピン駆動溝部81cに対応する位置に形成されており、そのピン駆動斜辺82bが第2操作部82を押圧した際にピン部材86と摺動する。
第2操作部82の底部の外周面には、本体基部81の係止凸部81hに対応する位置に係止突起82cが形成されている。
稼動部材85は、円柱状でその外周面が本体基部81の内周面に沿って上下方向に摺動できる大きさに設定されている。また稼動部材85の底部側には、基部バネ83を収納するための凹部85aが形成されている。なお、この基部バネ83は第1押圧機構部70の基部バネ73と同一の反発係数を有している。
また稼動部材85は、その底部より操作体5方向に延びる四角柱状の押圧腕部85bが形成されている。稼動部材85の上面には、稼動部材85の外周面の直径よりも小さい円柱状のピン嵌合部85cが形成されている。たま、このピン嵌合部85cの上方には、第2反発バネ84の下端に当接する円盤部85dが形成されている。この円盤部85dは、その直径が稼動部材85の外周面と同径となっているが、その一部には扇状の切欠き部85eが形成されており、第2操作部82を押し下げた際には、ピン駆動部82bが切欠き部85eを降下してピン部材86に当接できるようになっている。
ピン部材86は、円柱状のピン部86aと、稼動部材85のピン嵌合部85cに回動可能に取り付けるためのC字状の取付部86bからなる。
第2押圧機構部80の組み立ては、第1押圧機構部70と同様の手順で行われて図18の状態となる。この状態において、第2押圧機構部80の第2反発バネ84に蓄積されている反発力R3は、第1押圧機構部70の第1反発バネ74に蓄積されている反発力R2よりも小さくなっている。
上記の状態(図18参照)で、まず操作者が第1押圧機構部70の第1操作部72を、第1反発バネ74の反発力に抗して押し下げる。この時、稼動部材75とピン部材76も押し下げられるが、ピン部76aがピン駆動溝部71cの下辺71eに当接することにより、稼動部材75とピン部材76の降下が止まり、稼動部材75の降下も止まる。この時、稼動部材75の押圧腕部75bは未だ操作体5に接触していない。そして、第1反発バネ74には反発力が蓄積されてき、第1反発バネ74に蓄積される反発力R4は、基部バネ73の反発力R1を超えることとなる。
そして、さらに第1操作部72を押し下げ続けると、第1操作部72のピン駆動部72bのピン駆動斜辺72b1がピン部材76のピン部76aに当接し、ピン部76aを下辺71eからピン降下部71dに押し出す。この時、第1反発バネ74に蓄積された反発力R4は基部バネ73の反発力R1を上回っているため、ピン部材76はピン降下部71d内で「反発力R4−反発力R1」の力で急激に押し下げられる。これにより、ピン部材76が取り付けられている稼動部材75も押し下げられることとなり、稼動部材75の押圧腕部75bが操作体5を押し下げる。そして、操作体5の下部に配置されている復帰バネ18が圧縮され切った位置で、稼動部材75の降下は止まる。なお、この時の操作体5の降下速度は、第1の実施例における速度Aと同等となるように、反発力R1と反発力R4は調整されており、発電機構部3で発生する誘導起電力は図6の線Paと同じ曲線を描く。
その後、第1の実施例の場合と同様に情報処理部4が動作して、コマンドF1に基づく情報信号が発信される。
情報信号発信後、操作者が第1操作部72から手を放すと、基部バネ73と発電機構部3の復帰バネ18の反発力により、稼動部材75が上方に押し上げられる。そして、稼動部材75の押圧腕部75bが本体基部71の押圧溝部71bの上端71b1に当接し、ピン部材76も上部傾斜辺71fと側辺71gに当接した位置(下辺71eの上方)の位置で保持される。また第1操作部72も、第1反発バネ74の反発力で押し上げられ、係止突起72cが本体基部71の係止凸部71hと当接保持されて、初期状態に戻る。
次に、操作者が第2操作部82を操作した場合について説明する。
上記の状態(初期状態)で、操作者が第2押圧機構部80の第2操作部82を、第2反発バネ84の反発力に抗して押し下げる。この時、稼動部材85とピン部材86も押し下げられるが、ピン部86aがピン駆動溝部81cの下辺81eに当接することにより、稼動部材85とピン部材86の降下が止まり、稼動部材85の降下も止まる。この時、稼動部材85の押圧腕部85bは未だ操作体5に接触していない。そして、第2反発バネ84には反発力が蓄積されてき、第2反発バネ84に蓄積される反発力R5は、基部バネ83の反発力R1を超えることとなる。
そして、さらに第2操作部82を押し下げ続けると、第2操作部82のピン駆動部82bのピン駆動斜辺82b1がピン部材86のピン部86aに当接し、ピン部86aを下辺81eからピン降下部81dに押し出す。この時、第2反発バネ84に蓄積された反発力R5は基部バネ83の反発力R1を上回っているため、ピン部材86はピン降下部81d内で「反発力R5−反発力R1」の力で急激に押し下げられる。これにより、ピン部材86が取り付けられている稼動部材85も押し下げられることとなり、稼動部材85の押圧腕部85bが操作体5を押し下げる。そして、操作体5の下部に配置されている復帰バネ18が圧縮され切った位置で、稼動部材85の降下は止まる。なお、この時の操作体5の降下速度は、第1の実施例における速度Bと同等となるように、反発力R1と反発力R5は調整されており、発電機構部3で発生する誘導起電力は図6の線Pbと同じ曲線を描く。
その後、第1の実施例の場合と同様に情報処理部4が動作して、コマンドF2に基づく情報信号が発信される。
情報信号発信後、操作者が第2操作部82から手を放すと、基部バネ83と発電機構部3の復帰バネ18の反発力により、稼動部材85が上方に押し上げられる。そして、稼動部材85の押圧腕部85bが本体基部81の押圧溝部81bの上端81b1に当接し、ピン部材86も上部傾斜辺81fと側辺81gに当接した位置(下辺81eの上方)の位置で保持される。また第2操作部82も、第2反発バネ84の反発力で押し上げられ、係止突起82cが本体基部81の係止凸部81hと当接保持されて、初期状態に戻る。
上記の構成によれば、操作体5の動作速度は第1押圧機構部の第1反発バネ74と第2押圧機構部80の第2反発バネ84の反発力により決定されるため、操作者が第1操作部72または第2操作部82を操作した際には、発生する誘導起電力は常にそれぞれ固有の曲線を描くこととなり、操作者の操作状況に影響されず、情報処理部4が誤判断することがなくなる。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲での適宜変更が可能である。
上記では、3つ以上の押圧機構部を操作体の周囲に設けても良く、さらに押圧機構部を四角柱状等としても良い。