以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。なお、以下の実施形態で用いる図面において、同一符号を付した部分は、特に断らない限り、同一若しくは同様の部分を表す。
〔1〕プロテクション技術とSMNとの関係
図1は、プロテクション技術の一例としての1+1プロテクション技術を説明するためのネットワーク構成(「トポロジ」と称してもよい)の一例を示す図である。図1に示すネットワーク100は、例示的に、複数の伝送装置101を備える。
「伝送装置」は、ネットワークエレメント(NE)の一例であり、「通信装置」や「通信ノード」あるいは単に「ノード」と称してもよい。図1の例では、A,B,C,D,E,F,L,M,N,U,V,W,X,Y,Zでそれぞれ表された15台のノード101がネットワーク100に含まれている。各ノード101は、例示的に、メッシュ状に接続されて、互いに通信することが可能である。別言すると、各ノード101は、SMN100を形成する。
ネットワーク100において1+1プロテクションを実現する場合、1つの現用回線に対して1つの予備回線が設定される。図1の例では、ノードD−E−Fを経由する経路に現用回線(a)が設定され、当該経路とは異なる、ノードD−A−B−C−Fを経由する経路に、現用回線(a)に対する予備回線(a)が設定される。また、ノードU−V−Wを経由する経路に現用回線(b)が設定され、当該経路とは異なる、ノードU−L−M−N−Wを経由する経路に、現用回線(b)に対する予備回線(b)が設定される。
「回線」は、WDM(Wavelength Division Multiplexing)やOTN(Optical Transport Network)、SONET(Synchronous Optical NETwork)、SDH(Synchronous Digital Hierarchy)等での、“connection-oriented”な回線を含んでよい。
1+1プロテクションでは、現用回線及び予備回線の通信に関して、同じ波長やタイムスロット(TS)、チャネル(以下、これらをまとめて「通信リソース」あるいは単に「リソース」と称することがある。)が設定されることはない。例えば、現用回線(a)と予備回線(a)とで同じリソースは設定されないし、現用回線(b)と予備回線(b)とで同じリソースは設定されない。
したがって、回線(a)及び回線(b)の現用も予備も、通信経路の途中区間でリソースが重複することはない。しかも、どのように予備回線が使われるかが予め分かっているので、現用回線と同じ設定で予備回線を設定してよい。例えば、予備回線(a)は、現用回線(a)と同じ設定でよく、予備回線(b)は、現用回線(b)と同じ設定でよい。
一方、図1に例示したネットワークトポロジにおいてSMNを運用しようとした場合の回線設定例を図2に示す。図2の例では、4つの現用回線(a)〜(d)に対して、それぞれ予備回線(a)〜(d)が設定される様子を示している。
例えば、ノードD−E−Fを経由する経路に設定される現用回線(a)に対して、ノードD−L−M−N−Fを経由する経路に予備回線(a)が設定される。また、ノードU−V−Wを経由する経路に設定される現用回線(b)に対して、ノードU−L−M−N−Wを経由する経路に予備回線(b)が設定される。
更に、ノードA−Dを経由する経路に設定される現用回線(c)に対して、ノードA−B−C−F−N−M−L−Dを経由する経路に予備回線(c)が設定される。また、ノードB−E−M−V−Yを経由する経路に設定される現用回線(d)に対して、ノードB−C−F−N−W−Z−Yを経由する経路に予備回線(d)が設定される。
図2に示す例において、現用回線(a),(b),(c)及び(d)については、それぞれ、1又は複数のノード101間の区間(以下「スパン」と称することがある。)は重複しない。例えば、現用回線(a)であれば、ノードD−E−Fを経由し、現用回線(b)であれば、ノードU−V−Wを経由し、現用回線(c)であれば、ノードA−Dを経由し、現用回線(d)であれば、ノードB−E−M−V−Yを経由する。
したがって、現用回線(a),(b),(c)及び(d)には、それぞれ、同じリソース(例示的に、同一波長)を割り当ててよい。なお、1つのノード101に複数の現用回線が設定されてもよい。図2の例では、ノードD,E,Vに、2つの現用回線が設定される。
ノードDに着目すると、現用回線(a)と現用回線(c)とが重複して設定される。ノードEに着目すると、現用回線(a)と現用回線(d)とが重複して設定される。ノードVに着目すると、現用回線(b)と現用回線(d)とが重複して設定される。
このように、1つのノード101に複数の現用回線が設定される場合であっても、重複する現用回線毎に物理的な接続を分けておけば、各現用回線に同じリソース(例えば、波長)を用いて信号を伝送することが可能である。
例えばノードDであれば、現用回線(a)と現用回線(c)とで個別の光ファイバやインタフェース(図2中に斜線参照)を用いることで、ノードDは、各現用回線(a)及び(c)にそれぞれ同じ波長の信号を伝送することができる。ノードE及びVについても同様である。
これに対し、予備回線は、ネットワーク100で利用可能なリソースの有効利用を図るために、スパン(ファイバやインタフェース)によっては、他の予備回線との重複が許容される。
例えば図2において、ノードL−M−Nの区間は、3つの現用回線(a),(b)及び(c)に対する予備回線(a),(b)及び(c)でシェアされる区間である。また、ノードB−C−Fの区間は、2つの現用回線(c)及び(d)に対する予備回線(c)及び(d)でシェアされる区間である。更に、ノードD−Lの区間は、2つの現用回線(a)及び(c)に対する予備回線(a)及び(c)でシェアされる区間である。また、ノードF−Nの区間は、3つの現用回線(a),(c)及び(d)に対する予備回線(a),(c)及び(d)でシェアされる区間である。
1+1プロテクション(あるいは、1:1プロテクション)であれば、或るスパンに設定(あるいは予約)された予備回線が、いずれの現用回線が使用する予定である回線であるのかを一意に識別可能である。
しかし、SMNでは、上述したように、或るスパンに、複数の現用回線それぞれに対する予備回線が割り当てられることがある。例えば図2のノードL−M−Nの区間であれば、3つの現用回線(a),(b)及び(c)に対する予備回線(a),(b)及び(c)が割り当てられる。
ただし、リソースの有効利用のため、予備回線(a),(b)及び(c)には、個別のリソースは割り当てられない。ノードL−M−Nの区間には、3つの現用回線(a),(b)及び(c)にシェアされる1つの予備回線のためのリソースが割り当てられる。別言すると、ノードL−M−Nの区間の1つの予備回線を3つの現用回線(a),(b)及び(c)でシェアする。複数の予備回線が経由する他のスパンについても同様である。
このような場合に、複数の現用回線(a),(b)及び(c)の一部又は全部が、異なるリソースを使用することがあり得る。例えば、現用回線(a)はTS#1から始まるSTS3Cを使用し、現用回線(b)はTS#1から始まるSTS12Cを使用し、現用回線(c)はTS#1から始まるSTS48Cを使用する、ということがあり得る。
別言すると、SMNにおいて、予備回線には、シェアされる様々な種別の現用回線をサポートできることが求められる。このため、SMNでは、1+1プロテクションや1:1プロテクションの場合のように、予備回線を予定(予想)することが難しい。
したがって、SMNにおいて現用回線に障害が発生した場合、救済すべき現用回線の種別を確定(識別)してから、当該現用回線の予備回線に対して回線種別を設定した上で、予備回線に信号を伝送することになる。例えば図2の現用回線(a)に障害が発生した場合であれば、現用回線(a)の回線種別が確定してから、ノードD−L−M−N−Fの区間の予備回線の設定が行なわれる。
このように障害発生(検出)後に予備回線を設定する、という手順だと、1+1プロテクションや1:1プロテクションでは可能であった、予備回線の回線状態を監視することが難しくなる。例えば、SONETであれば、STS1/3C/12C/48Cレイヤ(以下「STSレイヤ」と総称する。)のアラーム信号が監視できないことになる。なお、「STS」は、Synchronous Transport Signalの略称であり、「C」は、“concatenated”の頭文字を表す。
このため、現用回線の障害検出に応じて予備回線への切り替えが行なわれた時に、初めて、予備回線についてのSTSレイヤの障害が確認される。これは、場合によっては、障害の発生した現用回線を予備回線で救済できない可能性があること意味する。
なお、STSレイヤよりも上位のレイヤ(例えば、SONETならOC(Optical Carrier)レイヤ)や、物理レイヤ(インタフェースや装置制御部(CPU)、ファン、電源等)については、予備回線に回線設定がなされてなくても設定がなされてよい。そのため、STSレイヤの上位レイヤや、物理レイヤの障害は、SMNでも1+1プロテクションの場合と同様に検出可能である。
ただし、1+1プロテクションでの予備回線には、1つの現用回線しか存在しないので、予備回線が経由するノード101は、当該予備回線に対する現用回線の始点及び終点ノードがいずれのノード101であるのかを一意に知ることができる。
例えば、図1の例では、現用回線(a)の始点及び終点ノード101はそれぞれノードD及びFであり、予備回線(a)に障害が生じた場合、その障害情報はノードD及びFへ通知すればよいことをノードA、B又はCで識別可能である。同様に、予備回線(b)に障害が生じた場合、その障害情報は現用回線(b)の始点及び終点ノード101であるノードU及びWに通知すればよいことをノードL,M又はNで識別可能である。
しかし、図2に例示したようなSMNでは、上記のような障害情報の始点及び終点ノード101への通知が難しくなる。例えば、ノードL−M間を接続する光伝送路に障害(例えば、光ファイバの切断)が生じて、ノードL及びMにおいて、OCレイヤの障害が検出されたとする。
この場合、ノードL−M間の予備回線は、3つの現用回線(a)〜(c)にシェアされているため、ノードL及びMは、OCレイヤの障害が検出されたことを、3つの現用回線(a)〜(c)の始点及び終点ノード101に通知することが求められる。例えば、ノードL及びMは、現用回線(a)の始点及び終点ノードD及びFへ、現用回線(b)の始点及び終点ノードU及びWへ、現用回線(c)の始点及び終点ノードA及びDへ、それぞれOCレイヤの障害検出を通知することが求められる。
しかし、ノードL及びMは、障害を検出した経路を経由する予備回線がどの現用回線にシェアされているのかを一意に識別できない限り、OCレイヤの障害検出情報をいずれの現用回線の始点及び終点ノード101にも通知できない。
また、SMNにおいて、既述のように予備回線への切り替えを行なってみて初めて障害が検出される事態を回避するには、回線切替(救済)動作の前、例えば通常運用時において、予備回線の状態を試験できるとよい。回線の試験には、例示的に、ネットワーク管理システム(Network Management System:NMS)や、制御プレーン、GMPLS(Generalized Multi-protocol Label Switching)プロトコル等の、自律分散的にネットワークを運用可能な技術を利用できる。
しかし、NMSを利用する場合、試験対象の回線数があまりに多いと、NMSの処理能力では処理しきれない可能性がある。図2の例では、4回線なので、1時間に1回線を試験するとしても、4時間で全ての回線の試験を終えることができる。しかし、1つのネットワーク100に試験対象の回線が例えば10,000回線以上あったとすると、1時間に1回線の試験では、10,000時間以上、つまり400日以上かかってしまう。
これでは、1年に1回以下しか試験できないため、予備回線へ切り替えてみて初めて障害が検出される、という事態を十分に回避できるとはいえない。試験時間を短縮化するために、複数回線を並行して試験することも考えられる。例えば、10,000回線に対して2回線を並行して試験すれば、試験時間を5,000時間に半減できる。
しかし、複数回線を並行して試験しようとすると、試験の競合が発生するおそれがある。例えば図2において、現用回線(a)及び予備回線(b)それぞれの予備回線を並行して試験しようとすると、ノードL−M−Nの区間で試験の競合が発生する。この場合、どちらかの試験を中断して、後でやり直すことになる。このような競合の可能性は、並行して試験する回線数が増えるほど、増える。
また、競合の可能性は、回線単位だけでなくスパン単位でも生じ得る。例えば、エンドツーエンドの回線の或るスパンは、別の回線との間で試験が競合し、当該別の回線の別のスパンは、更に別の回線との間で試験が競合する、ことがあり得る。別言すると、エンドツーエンドの回線の或るスパンが、異なる箇所で別の回線と共有されていると、回線試験の競合が複雑に生じやすくなる。そのため、競合を回避するための処理(競合処理)も複雑化する。
例えば図2において、回線(d)の予備回線(d)を試験しようとしたとき、ノードB−C−Fのスパンでは、予備回線(c)の試験と競合が生じる可能性があり、ノードF−Nのスパンでは、予備回線(a)及び(c)の試験と競合が生じる可能性がある。同様に、ノードN−Wのスパンでは、予備回線(d)と予備回線(b)との間で試験の競合が生じる可能性がある。
このような競合を制御して、すべての予備回線を確実に、また、効率的に試験する方法を導入しないと、予備回線の健全性を担保することはできない。
また、予備回線の試験中に現用回線に障害が発生し、試験中の予備回線への切り替えが要求されるケースもある。例えば、NMSが、複数の回線を並行して試験している最中に、同時多発的に複数の現用回線に障害が発生し、予備回線への切り替えが必要になるケースがある。
そのため、NMSには、回線試験中に回線切替が要求された時の処理を含めて回線試験の競合の調停が求められるが、NMSによる制御が複雑化し、現実的とはいい難い。
したがって、回線試験は、NMSを利用して集中的に制御するよりも、NEが自律分散的に動作可能であるGMPLSプロトコルを利用して制御する方が容易であると考えられる。以下、GMPLSプロトコルを利用して予備回線を試験することで、予備回線の健全性をNEが自律分散的に確認可能な態様について説明する。
図3及び図4は、それぞれ、一実施形態に係るネットワークの構成例を示す図である。図3及び図4に示すネットワーク1は、例示的に、NEの一例である複数(非限定的な一例として10台)の伝送装置(以下「ノード」と称する。)2を備える。
図3は、ネットワーク1を伝送されるデータ信号(以下「主信号」と称することがある。)の伝送経路に着目した時の、ノード2間の接続例(別言すると、データプレーンの接続関係の一例)を示している。図3では、各ノード2は、メッシュ状に接続されてメッシュネットワーク(データプレーンネットワークと称してもよい。)1を形成する。
これに対し、図4は、ネットワーク1を伝送される制御信号の伝送経路に着目した時の、ノード2間の接続例(別言すると、制御プレーンの接続関係の一例)を示している。制御信号は、データ信号とは異なり、必ずしもネットワーク1における全てのノード2間で送受信しなくてもよい場合がある。その場合には、図4に例示するように、制御信号を送受信する一部のノード2間に限って接続が確立されればよい。図4に例示するネットワーク1は、制御信号ネットワーク1、制御プレーンネットワーク1、あるいは、GMPLSネットワーク1と称してもよい。
図5に、図3及び図4に例示したノード(NE)2の構成例を示す。図5に示すNE2は、例示的に、1又は複数の信号入力部21と、回線交換部22と、1又は複数の信号出力部23と、装置制御部24と、を備える。
信号入力部21は、他のNE2(ネットワーク1とは別のネットワークのNEを含んでよい。以下、同様。)との間の通信インタフェースを提供し、例示的に、他のNE2が送信した信号を受信する。受信信号の非限定的な一例としては、WDM信号や、OTN、SONET、SDH等のフレーム信号が挙げられる。信号入力部21は、受信信号の種類に応じた構成を有する。なお、信号入力部21は、信号受信部21と称してもよい。
信号出力部23は、他のNE2との間の通信インタフェースを提供し、例示的に、他のNE2へ信号を送信する。送信信号の非限定的な一例としては、WDM信号や、OTN、SONET、SDH等のフレーム信号が挙げられる。信号出力部23は、送信信号の種類に応じた構成を有する。信号出力部23の送信信号には、制御信号の一例である後述の試験信号が含まれてよい。そのため、信号出力部23は、試験信号生成部231を備えてよい。なお、信号出力部23は、信号送信部23と称してもよい。
回線交換部22は、装置制御部24からの制御に応じて、信号入力部21のいずれかと、信号出力部23のいずれかと、を選択的に接続することで、信号の伝送経路を切り替える。回線交換部22は、WDM信号であれば光スイッチであってよく、OTNやSONET、SDH等のフレーム信号であればTSI(Time Slot Interchange)スイッチであっ
てよい。回線交換部22は、スイッチファブリック22と称してもよい。
装置制御部24は、NE2全体の動作を制御する。当該制御には、信号入力部21での信号受信処理や、信号出力部23による信号送信処理、回線交換部22によるスイッチ処理の制御が含まれてよい。装置制御部24は、例示的に、CPUやDSP等の演算能力を備えたプロセッサを用いて構成してよく、また、LSIやFPGA等によって構成されてよい。
装置制御部24は、図5中に例示するように、NE2とは異なる通信装置、例えば、ネットワーク1の保守、運用、管理(OAM)を担う保守者(オペレータ又はユーザと称してもよい。)が使用する端末5と通信可能に接続されてよい。保守者は、必要に応じて端末5からNE2に対して所定のコマンド等を個別的に与えることが可能である。
GMPLSプロトコルを処理する機能は、装置制御部24に内蔵されてもよいし、図6に例示するように、装置制御部24とは個別にNE2に備えられたGMPLS制御部25によって提供されてもよい。GMPLS制御部25は、例示的に、制御プレーンにおいて、GMPLSプロトコルをサポートする、NE2とは別の通信装置6と通信可能に接続されてよい。装置制御部24と同様に、GMPLS制御部25は、CPUやDSP等の演算能力を備えたプロセッサを用いて構成してよく、また、LSIやFPGA等によって構成されてよい。
装置制御部24及びGMPLS制御部25は、図7に例示するように、制御部26と総称してよい。制御部26は、機能的にみると、例示的に、関連付け処理部261、記憶部262、障害検出部263、通知部264、及び、試験処理部265を備える。
関連付け処理部261は、後述するように、予備回線の事前シグナリングにおいて予備回線を通じて送信されるパスメッセージに含まれる、始点及び終点ノード2の識別情報と、予備回線について利用予約設定したリソースと、を関連付ける処理を行なう。関連付けられた情報は、記憶部262に記憶される。
記憶部262は、上記の関連付け情報や、後述の試験実施情報、ノード2の動作全体を制御するプラグラム(ソフトウェアと称してもよい。)やデータ等を記憶する。記憶部262には、RAM等のメモリやハードディスク等の記憶装置が含まれてよい。既述の演算能力を備えたプロセッサが、当該プログラムやデータを記憶部262から読み取って動作することにより、制御部26としての機能が具現される。
障害検出部263は、例示的に、利用予約設定された予備回線の障害、例えば、光伝送路である光ファイバの切断等によって信号を正常に受信できない状態を検出する。
通知部264は、障害検出部263にて予備回線の障害が検出されると、記憶部262に記憶された関連付け情報に基づいて予備回線の始点及び終点ノード2を識別し、識別した宛先へ予備回線の障害を通知(以下「障害検出通知」とも称する。)する。
試験処理部265は、後述するように、予備回線の健全性を確認するための試験を実施する。
ネットワーク1を構成するNE2のそれぞれは、GMPLSプロトコルを用いて、回線の設定、解除、切り替え(救済)、試験、回線試験の競合調停等を自律分散的に実施することが可能である。GMPLSプロトコルには、例示的に、LMP(Link Management Protocol)や、OSPF−TE(Open Shortest Path First with Traffic Engineering extensions)やRSVP−TE(Resource Reservation Protocol with Traffic Engineering extensions)と称されるルーティングプロトコルが含まれてよい。
RSVP−TEプロトコルは、パスメッセージ(Path Message)や予約メッセージ(Reserve Message)を利用してシグナリングを行なうプロトコルの一例である。仮に、現用回線(現用パス)と予備回線(予備パス)との2つの回線(パス)を設定するケースであれば、パスメッセージと予約メッセージとのペアによるシグナリングが、設定対象の2つのパスについてそれぞれ実施される。2つのパスに対するシグナリングは、並行して実施してもよいし、逐次的に実施してもよい。
シグナリングの一例を図8に示す。図8の例では、ネットワーク1に、11台のNE#1〜NE#11が存在し、4台のNE#1〜NE#4を経由する経路に、第1の現用回線#Aが設定され、4台のNE#5〜NE#8を経由する経路に、第2の現用回線#Bが設定される。また、3台のNE#9〜NE#11を経由する経路に、現用回線#A及び#Bにシェアされる予備回線#A(#B)が設定される。
この場合、(現用)回線#A、(現用)回線#Aの予備回線#A、(現用)回線#B、(現用)回線#Bの予備回線#Bの4つの回線について、それぞれシグナリングを実施する。したがって、合計4回のシグナリングが実施される。
例えば、現用回線#Aの始点ノード#1は、現用回線#Aの終点ノードNE#4宛にパスメッセージを送信する。当該パスメッセージは、現用回線#Aの中間ノード#2及び#3通じて終点ノード#4へ転送される。パスメッセージを受信した各ノード#2〜#4は、それぞれ、現用回線#Aの信号疎通設定を行なう。
現用回線#Aの終点ノード#4は、信号疎通設定が完了すると、受信したパスメッセージに対する応答として予約メッセージを始点ノード#1宛に送信する。当該予約メッセージは、中間ノード#3及び#2を通じて始点ノード#1へ転送される。始点ノード#1は、予約メッセージを受信することで、現用回線#Aの信号疎通設定が正常に完了したことを認識する。
現用回線#Bに対するシグナリングも、現用回線#Aのシグナリングと同様にして実施される。例えば、現用回線#Bの始点ノード#5と終点ノード#8との間において、中間ノード#6及び#7を通じて、パスメッセージ及び予約メッセージが送受信される。
現用回線#Aに障害が発生して現用回線#Aを予備回線#Aに切り替える場合や、現用回線#Bに障害が発生して現用回線#Bを予備回線#Bに切り替える場合も、予備回線#A又は#Bに対して現用回線#A又は#Bと同様のシグナリングが実施される。
例えば図8において、現用回線#Aに障害が発生すると、予備回線#Aの始点ノード#1と終点ノード#4との間において、中間ノード#9〜#11を通じて、パスメッセージ及び予約メッセージが送受信される。これにより、予備回線#Aが経由する各ノード#1,#9,#10,#11,#4において、予備回線#Aの信号疎通設定が行なわれる。
同様に、現用回線#Bに障害が発生すると、予備回線#Bの始点ノード#5と終点ノード#8との間において、中間ノード#9〜#11を通じて、パスメッセージ及び予約メッセージが送受信される。これにより、予備回線#Bが経由する各ノード#1,#9,#10,#11,#4において、予備回線#Bの信号疎通設定が行なわれる。
ここで、図8の例では、NE#9〜NE#11が、回線#Aの予備回線#Aと、回線#Bの予備回線#Bと、にシェアされるため、予備回線#A及び#Bに対しては、例えば、事前シグナリング(プレシグナル:pre-signaled)と呼ばれる手法を用いてよい。
事前シグナリングは、予備回線がどのように使われるかが確定していない場合に、必要最小限のリソースを予備回線に割り当てる(予約する)ために用いられる手法である。予備回線の信号疎通設定は、上述したように、実際に障害等の切り替え要因が発生して信号疎通が必要になってから、再度、予備回線に対してシグナリングを実施することで行なわれる。
予備回線の事前シグナリングにおいても、現用回線のシグナリングと同様に、パスメッセージ及び予約メッセージが始点及び終点ノード間で送受信される。例えば、予備回線#Aの始点ノード#1と終点ノード#4との間において、中間ノード#9〜#11を通じて、パスメッセージ及び予約メッセージが送受信される。同様に、予備回線#Bの始点ノード#5と終点ノード#8との間において、中間ノード#9〜#11を通じて、パスメッセージ及び予約メッセージが送受信される。
ただし、予備回線#Aの始点ノード#1が送信したパスメッセージを、予備回線#Aの設定対象である各ノード#9,#10,#11,#4が受信しても、各ノード#9,#10,#11,#4は、予備回線#Aの信号疎通設定は行なわない。代わりに、各ノード#9,#10,#11,#4は、予備回線#Aのための必要最小限のリソースの予約設定を行なう。
同様に、予備回線#Bの始点ノード#5が送信したパスメッセージを、予備回線#Bの設定対象である各ノード#9,#10,#11,#8が受信しても、各ノード#9,#10,#11,#8は、予備回線#Aの信号疎通設定は行なわない。代わりに、各ノード#9,#10,#11,#8は、予備回線#Bのための必要最小限のリソースの予約設定を行なう。
別言すると、予備回線に対するパスメッセージを受信したノードは、予約メッセージの処理は実施するものの、パスメッセージで指定されたリソースの状態を予備回線に利用予約されている状態に設定する処理を行なう(図11参照)。
なお、事前シグナリングのメッセージは、例えば図7に示した制御部26によって生成されてよい。事前シグナリングのメッセージは、図5及び図6に例示した信号入力部21及び信号出力部23を通じて送受信される。信号入力部21は、予備回線のリソースの利用を予約設定するために始点ノード2から当該予備回線を通じて終点ノード宛に送信されるシグナリングメッセージを受信する受信部の一例として機能する。
図6に例示したノード2の構成において、事前シグナリングによって予約設定が行なわれる範囲(対象)の一例を、図9及び図10に示す。図9は、ノード2で処理する主信号がOTNやSONET等の信号フレームである場合の予約設定範囲を網掛けで示している。図9の例では、予備回線#Aと予備回線#Bとで、切り替え要因発生時に疎通させる信号の種別、別言すると、予約設定対象のリソース種別が同じ場合の予約設定範囲を例示している。リソース種別が同じであれば、事前シグナリングによって、信号入力部21、信号出力部23、装置制御部24及びGMPLS制御部25において予約設定が実施される。
これに対して、図10は、予備回線#Aと予備回線#Bとで予約設定対象のリソース種別が異なる可能性がある場合の予約設定範囲を網掛けで示している。例えば、光交換のように、予備回線#Aと予備回線#Bとで、疎通する信号光の特性に相違があることがある。信号光の特性に相違がある場合の一例としては、同じ波長でも異なる変調方式で変調された信号光が疎通する場合が挙げられる。
このように、予備回線#Aと予備回線#Bとで予約設定対象のリソース種別が異なる可能性がある場合、信号入力部21や信号出力部23は、事前シグナリングによる予約設定の対象にならない。
なお、図8及び図11に例示したシグナリング及び事前シグナリングにおいて、始点ノード2は、当該始点ノード2、終点ノード2及び中継経路を識別する情報を設定したパスメッセージを送信する。識別情報は、IETF(Internet Engineering Task Force)の標準規格であるRFC(Requests For Comments)3209やRFC3471、RFC3473で規定されているオブジェクト(フィールド)に設定可能である。
非限定的な一例を示すと、始点ノード2の識別情報は、“LSP TUNNEL IPv4 Sender Template”と称されるオブジェクト(図30参照)の“IPv4 tunnel sender address”に設定されてよい。終点ノード2の識別情報は、“LSP TUNNEL IPv4 Session”と称されるオブジェクト(図31参照)の“IPv4 tunnel end point address”に設定されてよい。中継経路の識別情報は、“Explicit Route”と称されるオブジェクトに設定されてよい。なお、中継経路は、中間ノード(「中継ノード」と称してもよい)2の識別情報を用いて識別されてよい。
識別情報には、インターネットプロトコル(IP)のアドレス情報(IPアドレス)を用いてよい。上記の各オブジェクトは、インターネットプロトコルバージョン4(IPv4)のネットワークに対応するオブジェクトである。インターネットプロトコルバージョン6(IPv6)のネットワークであれば、“IPv6”に対応するオブジェクトを用いてよい。
中間ノード2は、IETF標準の規定通りに動作すると、受信したパスメッセージの“Explicit Route”オブジェクトから、パスメッセージの次転送先ノード(「ネクストホップ」と称してもよい)2を識別する。“Explicit Route”オブジェクトは、終点ノード2までに経由する1又は複数の中継ノード2のアドレスを1つ1つサブオブジェクトとして管理している。
したがって、中間ノード2は、“Explicit Route”オブジェクトの先頭のサブオブジェクトを抽出し、抽出したサブオブジェクトに設定されているアドレスによって識別されるノード2を、受信したパスメッセージのネクストホップと判定、決定する。
そして、中間ノード2は、“Explicit Route”オブジェクトを再生成し、決定したネクストホップ2に対応するサブオブジェクトを除いた“Explicit Route”オブジェクトを受信したパスメッセージに組み込んでネクストホップへ転送する。RFC3209等のIETF標準規格では、中継ノード2は、パスメッセージ及び予約メッセージの処理において始点ノード2や終点ノード2を意識しなくてよい。したがって、中継ノード2は、パスの始点及び終点ノードがいずれのノード2であるかを学習しなくてよい。
非SMNでの1+1プロテクション技術では、現用回線及び予備回線のいずれについても予約メッセージの処理後に信号疎通設定が実施される。予備回線の信号疎通設定が完了しているため、予備回線に障害が発生したとしても、予備回線の始点及び終点ノードは、当該障害の発生を検知できる。
例えば図12に示すように、非SMNにおいて、ノード#9−ノード#10間で例えばダウンストリーム方向に信号光を伝送する光伝送路(光ファイバ)の切断が発生したとする。この場合、例えばノード#10において、ダウンストリーム(終点ノード#4)への信号喪失(LOS)が検出される。
LOSを検出したノード#10は、検出したLOSに対応したRFI(Remote Failure Indication)や主信号のAIS(Alarm Indication Signal)等のアラーム信号によって、データプレーンの障害発生を始点ノード#1及び終点ノード#4に通知する。例えば、中間ノード#10は、例えばアップストリーム方向の光伝送路を通じて、始点ノード#1に対してアラーム信号を送信する。また、中間ノード#10は、ダウンストリーム方向の光伝送路を通じて、終点ノード#10にアラーム信号を送信する。これにより、始点ノード#1及び終点ノード#4は、予備回線の障害発生を検知できる。
これに対し、SMNでは、予備回線が経由するノード2において事前シグナリングによってリソースの予約設定は行なわれるものの、信号疎通設定は完了していないため、予備回線の障害発生を始点及び終点ノード2に通知することができない。例えば図13に示すように、ノード#9,#10及び#11において現用回線#Aの予備回線#Aと現用回線#Bの予備回線#Bとがシェアされる場合を想定する。
この場合、図9及び図10にて既述のとおり、予備回線#A及び#Bについての信号疎通設定は未完了である。この状態で例えばノード#9−#10間の光伝送路が切断されて、LOSがノード#10で検出されても、検出したLOSに対応するアラーム信号を始点ノード#1及び終点ノード#4へデータプレーンを使って送信できない。
制御プレーンやGMPLSプロトコルについては、IETF標準規格のRFC3473等において、「通知メッセージ(Notify Message)」と呼ばれる、任意のノードとの間でメッセージを送受信する方法が規定されている。
しかし、IETF標準規格に従ったプロトコル(例えば、RFC3209やRFC3471、RFC3473等)では、中間ノード2は、始点及び終点ノード2に関する情報(例えば、IPアドレス等の識別情報)を管理しなくてよい。
そのため、図12に例示したように中間ノード#10で障害を検出しても、当該中間ノード#10は、通知メッセージの宛先ノード(始点及び終点ノード)2を識別できず、通知メッセージを送信することができない。したがって、SMNでは、中間ノード#10で予備回線の障害が検出されており「予備回線が使えない状態である」という情報を始点ノード(及び終点ノード)に通知する手段がない。
(障害検出通知)
本実施形態では、SMNにおいて中間ノード2が検出した障害情報を始点及び終点ノード2に通知可能にするために、例えば図14のフローチャートに示される処理(関連付け処理)を、予備回線の事前シグナリングの段階で中間ノード2において実施する。関連付け処理は、例えば、図7に例示した関連付け処理部261によって実施される。
また、障害発生時には、例えば図14のフローチャートに示される処理(障害検出通知)を、障害を検出した中間ノード(以下「障害検出ノード」と称することがある。)2において実施する。障害検出通知は、例えば、図7に例示した通知部264によって実施される。
既述のように、GMPLSプロトコルでは、事前シグナリング時に、中間ノード2は、受信したパスメッセージの“Explicit Route”オブジェクトを参照して、当該パスメッセージのネクストホップを決定する。
本実施形態では、このパスメッセージを処理する際に、パスメッセージに含まれている、始点及び終点ノード2の各識別情報と、パスメッセージの受信に応じて予約設定したリソースと、を関連付けて、中間ノード2において記憶しておく。
図25に、関連付けた情報をテーブル形式のデータ(「関連付け管理テーブル」と称してよい。)として記憶、管理する例を示す。図25に示す関連付け管理テーブル201では、例示的に、リソースを予約設定した予備回線のコネクション識別子(ID)単位で、始点ノード2のIPアドレスと、終点ノード2のIPアドレスと、を関連付けて記憶、管理する。なお、コネクションIDは、トンネルIDと等価であってよい。
当該関連付け処理は、例示的に、図14の処理P11、処理P12のYesルート、及び、処理P13によって示される。なお、パスメッセージの受信処理に失敗した場合、中間ノード2は、関連付け処理を実施せずに処理を終えてよい(処理P12のNoルート)。上記の関連付け処理された情報は、「関連付け情報」と称してよい。
事前シグナリングにRSVP−TEを用いる場合、関連付け情報の情報要素である、始点ノード2の識別情報は、受信したパスメッセージの“LSP_TUNNEL_IPv4 Sender Template”に設定されているアドレスであってよい。また、終点ノードの識別情報は、パスメッセージの“LSP_TUNNEL_IPv4 Session”に設定されているアドレスであってよい。
中間ノード2は、図15に例示するように、予約設定したリソースに障害が発生したことを検出すると(処理P21)、該当リソースを識別(抽出)し(処理P22)、識別したリソースをキーにして関連付け情報を参照する。
そして、障害検出ノード2は、関連付け情報から当該リソースに対応する始点及び終点ノード2の識別情報を取得する。障害検出ノード2は、取得した識別情報のそれぞれを宛先情報に含む始点及び終点ノード2宛の通知メッセージをそれぞれ生成し、生成した通知メッセージを始点及び終点ノード2宛にそれぞれ送信する(処理P23のYesルートから処理P24)。
通知メッセージには、図29に例示するように、RFC3209やRFC3474に規定の通知メッセージに付与されるオブジェクトの1つである“ERROR SPEC”オブジェクトに格納される値(例えば、“Error Code”)を拡張したメッセージを用いてよい。
例えば、“Error Code”=1で、障害発生(Admission Control Failure)を表示してよい。あるいは、“ERROR SPEC”オブジェクトに格納される障害情報がユーザ定義の情報であることを示す“Error Code”=33(User Error Spec)に設定し、“ERROR SPEC”オブジェクトに、ユーザ定義の障害の詳細情報を格納するようにしてもよい。
このような通知メッセージにより、障害検出したリソースを利用する予定のパスの始点及び終点ノード2に、障害検出情報が通知される。なお、処理P22においてリソースが抽出できなかった場合(処理P23でNoの場合)、障害検出ノード2は、通知メッセージは送信せずに処理を終えてよい。
なお、図13に例示したノード#9やノード#10のように、1つのリソースを複数の予備回線でシェアしている可能性がある。そのため、障害検出ノード2は、複数の予備回線について予約設定されているリソースのすべてについて上述の識別(抽出)処理を繰り返す。通知メッセージの宛先は、同じリソースを予約設定したすべての回線の始点及び終点ノード2となる。
なお、通知メッセージを受信した始点ノード2(例えば図13のノード#1及び#5)は、図24のフローチャートにより後述する処理(予備回線の再設定処理)を実施してよい。例えば、始点ノード2は、受信した通知メッセージによって示される障害内容によって予備回線の再設定の要否を判断してよい。
例えば、障害内容が光ファイバの切断等の物理的障害であれば、障害復旧までに時間がかかると予想されるので、始点ノード2は、予備回線の再設定を実施した方が良いと判断する。
一方、障害内容が、例えば、ノード2やCPUのリスタート等に伴う一時的な障害であると判断可能な場合、始点ノード2は、予備回線の再設定は不要であると判断してよい。
なお、図24に例示する処理は、図7に例示した制御部26によって実施されてよい。
(予備回線試験)
上述したように、事前シグナリングの段階で検出可能な障害であれば、始点及び終点ノード2への障害検出通知が可能であり、始点及び終点ノード2は、予備回線の障害発生の有無を確認できる。
しかし、回線品質の劣化等、障害発生と判断されるレベルではないが信号品質としては懸念される状態や、シェアされている予備回線において予期しない事象が発生している状態等では、通知メッセージは始点及び終点ノード2に送信されない。そのため、始点及び終点ノード2は、そのような状態(以下「準障害状態」と称してもよい。)を確認することができない。
そこで、本実施形態では、以下に説明するように、例えば定期的に予備回線を試験して、予備回線の健全性を保障できるようにする。予備回線の試験は、例示的に、図16のフローチャートに従って実施される。図16のフローチャートに示される処理(予備回線試験処理)は、例示的に、始点ノード2(図7に例示した試験処理部265)において実施してよい。
図16に例示するように、始点ノード2は、既述のように予備回線に対する事前シグナリングを実施して予備回線の回線設定(リソース予約設定)を行なう(処理P31)。事前シグナリングによる予備回線の回線設定が成功すれば、始点ノード2は、例えば回線設定の実施日を示す情報を、試験合格日を示す情報として記憶(登録)する(処理P32)。
実施日(試験合格日)を示す情報は、例示的に、年、月、日、時刻を表す日時情報であってよい。日時情報は、試験実施情報として、例示的に、図7に示した記憶部262に記憶されてよい。図26に、試験実施情報を例えばテーブル形式のデータ(「試験実施情報管理テーブル」と称してよい。)として記憶する例を示す。図26に示す試験実施情報管理テーブル202では、例示的に、予備回線のコネクションID(又はトンネルID)の別に、試験合格日の年(YYYY)、月(MM)、日(DD)、時(HH)、及び、分(MM)を記憶、管理する。
その後、始点ノード2は、予備回線の健全性を確認したいタイミングや周期(間隔)に応じた時間を計時する試験起動タイマを設定する(処理P33)。試験起動タイマは、例示的に、装置制御部24やGMPLS制御部25の一機能として具現される。始点ノード2は、試験起動タイマを監視し(処理P34、処理P35のNoルート)、試験起動タイマのタイムアウトの検出をトリガに、予備回線の試験処理を起動、開始する(処理P35のYesルートから処理P36)。
予備回線の試験処理は、例示的に、図17に示すフローチャートに従って実施される。例えば、始点ノード2は、IETF標準規格に従って、事前シグナリングによってパスメッセージと予約メッセージとを予備回線を通じて送受信する。事前シグナリングの予約メッセージの受信後、始点ノード2は、試験開始を示す信号(以下「試験開始信号」と称することがある。)及びその応答信号(以下「試験開始応答信号」と称することがある。)を、予備回線を通じて送受信する。
試験開始信号には、例示的に、試験開始を示す情報を含むパスメッセージ(以下「試験用パスメッセージ」と称することがある。)を用いてよい。また、試験開始応答信号には、試験開始応答であることを示す情報を含む予約メッセージ(以下「試験用予約メッセージ」と称することがある。)を用いてよい。
試験用パスメッセージは、始点ノード2において生成され、試験用予約メッセージは、終点ノード2において生成される。試験用パスメッセージ及び試験用予約メッセージは、ノード2の装置制御部24やGMPLS制御部25によって生成されてよい。
なお、試験用パスメッセージには、例示的に、「試験開始指示」、「試験中」、「試験解除指示」のそれぞれを示す情報(フラグ情報と称してもよい)や、「前回の試験実施日」を示す情報を含めてよい。これらの情報は、パスメッセージの属性情報と称してよい。
属性情報は、RFC3209やRFC3474に規定のパスメッセージに付与される(オプション)オブジェクトの1つとして設定してよい。例えば図27に示すように、新たに「試験状態(TEST STATUS)」オブジェクトを規定し、当該オブジェクトにおいて、試験のフラグ情報(Test Indication)や、試験実施日時(年月日分;例えば2013年9月15日17時41分等)を示す情報を設定してよい。“Test Indication”は、例示的に、「0」で「ON」(試験開指示又は試験中)を示し、「1」で「OFF」(試験解除指示又は非試験中)を示す、設定としてよい。
試験用パスメッセージに対する応答である試験用予約メッセージについても、試験用パスメッセージと同様に、例えば図28に示すように、新たに「試験状態(TEST STATUS)」オブジェクトを規定してよい。当該オブジェクトに、試験のフラグ情報(Test Indication)や、試験実施日時を示す情報を設定してよい。
予備回線の始点、終点、及び、中間の各ノード2は、いずれも、属性情報の例えば「試験中」を示す情報、及び、「前回の試験実施日」を示す情報を試験対象の回線単位に記憶しておいてよい。これらの属性情報を基に、後述する予備回線試験の競合調停が可能になる。
始点ノード2は、試験用パスメッセージを予備回線へ送信し(処理P41)、試験用予約メッセージが所定時間内に受信されるか否かを監視する(処理P42及び処理P43)。
所定時間内に試験用予約メッセージを受信すれば(処理P43でYesの場合)、始点ノード2は、試験信号の予備回線への送信を開始して当該試験信号のループバック信号を監視(モニタ)する(処理P44)。ループバック信号は、後述するように試験信号を受信した終点ノード2でのループバック制御によって始点ノード2に折り返される信号の一例である。始点ノード2は、ループバック信号のモニタ結果を基に試験結果の診断処理(図20により後述)を実施する(処理P45)。
始点ノード2は、このように試験信号のループバック信号をモニタすることで、予備回線の状態(回線品質等)を測定することが可能となる。なお、試験信号には、例示的に、擬似ランダムビットシーケンス(pseudo-random bit sequence:PRBS)を用いてよい。試験信号は、例えば図6に示した試験信号生成部231にて生成される。試験信号は、信号出力部23から送信される主信号に重畳されてもよい。
一方、所定時間内に試験用予約メッセージが受信されない場合(処理P43でNoの場合)、始点ノード2は、例示的に、試験失敗処理の一例として再試験処理(図23により後述)を実施する(処理P46)。
なお、予備回線の中間ノード2は、IETF標準規格の規定どおりに(試験用)パスメッセージ及び(試験用)予約メッセージを処理してよい。すなわち、中間ノード2は、メッセージに設定された宛先ノード2の識別情報を基にネクストホップ2を決定し、受信したメッセージを決定したネクストホップへ転送する。
終点ノード2では、受信した試験信号のループバック制御を始点ノードの指示に従って実施する。ループバック制御の一例を図18に示す。図18に例示するループバック制御は、図7に例示した制御部26によって実施してよい。
終点ノード2は、試験用パスメッセージを受信すると(処理P51)、受信したパスメッセージに試験開始指示が設定されているか否かを確認する(処理P52)。試験開始指示が設定されていれば(処理P52でYesの場合)、終点ノード2は、試験対象の回線設定(リソース予約設定)がなされている該当の信号送信部23と信号受信部21とがループバック接続されるように、回線交換部22を設定する(処理P53)。
一方、受信したメッセージに試験開始指示が設定されていなければ(処理P52でNoの場合)、終点ノード2は、当該メッセージに試験終了指示が設定されているか否かを確認する(処理P54)。試験終了指示が設定されたメッセージは、パスティアメッセージ(Path Tear Message)と称してよい。
受信したメッセージがパスティアメッセージであれば(処理P54でYesの場合)、終点ノード2は、回線交換部22のループバック設定を解除する(処理P55)。受信したパスメッセージがパスティアメッセージでなければ(処理P54でNoの場合)、終点ノード2は、処理を終えてよい。
なお、試験用予約メッセージを受信した中間ノード2及び始点ノード2は、対象の回線が試験中の予備回線であることを認識し、不要なアラームを発信しないようにコントロールしつつ、回線設定(リソース予約設定)を実施する。
例えば図19中に(3)及び(4)で示すように、試験用予約メッセージを受信した中間ノード2及び始点ノード2は、予備回線試験に関係のないOAM機能を起動しない。なお、図19中の(1)及び(2)は、それぞれ、図17に例示した始点ノード2での処理P41、及び、図18に例示した終点ノード2での処理P53に対応する。
(試験結果診断処理)
始点ノード2は、図17に例示した試験結果診断処理(P45)の一例として、図20のフローチャートに示される処理を実施する。図20に例示する試験結果診断処理は、図7に例示した制御部26によって実施されてよい。
例えば、始点ノード2は、PRBS等の試験信号を試験対象の予備回線へ送信し、当該予備回線の終点ノード2でループバックされて戻ってくる信号の監視を開始する(処理P61)。その際、始点ノード2は、試験期間タイマによる所定の試験期間のカウントをスタートしてよい。試験期間タイマは、装置制御部24やGMPLS制御部25の一機能として具現されてよい。
ループバック信号の監視では、例えば、エラー数やパスエラー、装置故障、光ファイバの切断等の、回線状態を示すパラメータを監視する(処理P62)。始点ノード2は、パラメータに問題が生じない限り(処理P63でNoと判定される場合)、試験期間タイマが満了するまで(処理P64の後、処理P65でYesと判定されるまで)、ループバック信号の監視を継続する。なお、監視中のパラメータに問題が生じた場合(処理P63でYesの場合)、始点ノード2は、図23により後述する試験失敗処理(再試験)を実施する(処理P69)。
パラメータに問題が生じないまま、試験期間タイマが満了し(処理P65でYesの場合)、かつ、例えばモニタしたエラー数が所定の基準値以下であれば、始点ノード2は、予備回線に問題がない(試験合格)と判定する。試験合格と判定すると、始点ノード2は、例えば、記憶部262等に記憶している試験実施情報を、試験合格と判定した時点の日時情報に更新する(処理P66)。試験期間タイマが満了していなければ(処理P65でNoの場合)、始点ノード2は、処理P62以降の処理に戻る。
その後、始点ノード2は、予備回線の試験終了処理を実施し(処理P67)、次の試験の起動タイミングを規定する試験起動タイマを設定する(処理P68)。試験終了処理(P67)において、始点ノード2は、試験解除フラグ情報を設定したパスティアメッセージを生成し、当該パスティアメッセージを、試験が終了した予備回線へ送信(シグナリング)する(図21の(1)参照)。
パスティアメッセージを受信した、予備回線の中間ノード2及び終点ノード2は、それぞれ、試験のための設定を解除し、以前の事前シグナリングされた状態へ戻す処理を実施する(図21の(2)及び(3)参照)。
(予備回線試験の競合調停)
予備回線の試験中に、競合が生じるケースがある。非限定的な一例として、以下の3つのケースが考えられる。
(1)同じスパンで複数の予備回線が試験対象になった場合
(2)或る予備回線の試験中に、当該予備回線を利用する予定の現用回線に障害が生じて当該現用回線を救済するためのシグナリング処理が実行される場合
(3)試験対象の予備回線が、他の現用回線を救済するための予備回線として既に使われていた場合
上記の(1)及び(2)のケースについての競合調停の一例を図22に示す。図22に例示する競合調停は、予備回線の始点、中間、及び、終点の各ノード2において自律的に実施される。当該競合調停は、例示的に、図7に示した制御部26の試験処理部265によって実施されてよい。
始点、中間、及び終点のいずれのノード2も、一度、試験が始まると、予備回線試験中の状態に遷移する。予備回線試験中への状態遷移は、例示的に、試験用パスメッセージ及び試験用予約メッセージを処理したことをもって生じる。
ノード2は、予備回線試験中の状態において(処理P71)、他の予備回線に対するパスメッセージを受信するか否かを監視する(処理P72のNoルート)。パスメッセージを受信すると(処理P72でYesの場合)、ノード2は、受信したパスメッセージが、障害の生じた現用回線を試験中の予備回線によって救済するためのシグナリングであるか否かを確認する(処理P73)。
受信したパスメッセージが現用回線救済のためのシグナリングであれば(処理P73でYesの場合)、ノード2は、試験中の予備回線を障害の生じた現用回線のために明け渡す(処理P76)。
例えば、ノード2は、図21に例示したように、試験中の予備回線に対してパスティアメッセージ及びパスエラーメッセージを送信し、予備回線試験中状態を解除して、以前の事前シグナリングされた状態へ戻す処理を実施する。パスティアメッセージ及びパスエラーメッセージを受信したノード2においても、同様にして、予備回線試験中状態が解除される。ノード2は、予備回線試験中状態を解除すると、障害の生じた現用回線を救済するための予備回線の設定を行なう。
一方、処理P73において、受信したパスメッセージが現用回線救済のためのシグナリングでなければ(処理P73でNoの場合)、ノード2は、受信したパスメッセージが試験用パスメッセージであり、当該メッセージによる試験対象の予備回線が試験中の予備回線よりも長い時間、試験されていない回線であるか否かを確認する(処理P74)。新たな試験対象の予備回線が試験中の予備回線よりも長い時間、試験されていない回線であるか否かは、例えば既述の試験実施情報に基づいて確認可能である。
新たな試験対象の予備回線が試験中の予備回線よりも長い時間、試験されていない回線であれば(処理P74でYesの場合)、ノード2は、試験中の予備回線を新たな試験対象の予備回線の試験に明け渡す(処理P76)。すなわち、ノード2は、試験中の予備回線に対してパスティアメッセージ及びパスエラーメッセージを送信し、予備回線試験中状態を解除して、以前の事前シグナリングされた状態へ戻す処理を実施する。パスティアメッセージ及びパスエラーメッセージを受信したノード2においても、同様にして、予備回線試験中状態が解除される。ノード2は、予備回線試験中状態を解除すると、新たな試験対象の予備回線についての試験設定を実施する。
このように、試験中の予備回線で現用回線を救済すべき場合や、試験中の予備回線よりも未試験期間の長い他の予備回線が試験される場合、ノード2は、試験中の予備回線を現用回線の救済あるいは他の予備回線の試験に明け渡す。
これらのケースに該当しない場合(処理P73及びP74でいずれもNoの場合)、ノード2は、試験中の予備回線の試験を継続する(処理P75)。
なお、予備回線試験中状態を解除したノード2は、図23又は図24により後述する予備回線の試験失敗処理を実施してよい(処理P77)。
また、上述した例では、複数の予備回線の試験が競合した場合、処理P74に例示したように、競合調停のパラメータ(ポリシーあるいは優先度と称してもよい。)の一例として未試験期間を用いているが、競合調停に用いるパラメータは、これに限られない。
例えば複数の予備回線をグループ化してグループに対してランク(優先順位)を設定しておき、グループのランクを比較することで、競合調停を行なうようにしてもよい。
なお、既述の3つのケースのうちの3番目のケース(試験対象の予備回線が、他の現用回線を救済するための予備回線として既に使われていた場合)では、救済動作の方が試験よりも優先される。そのため、ノード2は、予備回線のパスメッセージを処理しないでよい。
当該ケースにおける競合発生ノード2は、例えばIETF標準規格のGMPLSプロトコルで規定されている動作に従い、受信した試験用パスメッセージに対してパスエラーメッセージを返信する。パスエラーメッセージを受信した中継ノード2及び始点ノード2は、予備回線の試験のために変更した設定を、事前シグナリングされたときの状態に戻す。
(試験失敗処理)
始点ノード2は、試験に失敗した予備回線の再試験を実施してよい。再試験は、試験失敗から或る時間だけ待機してから実施してよい。再試験までの待機時間は、所定の時間でもよいし、失敗回数に基づいて適応的に決定(調整)してもよい。例えば、イーサネット(登録商標)で利用されている“Truncated Binary Exponential Backoff”と呼ばれるアルゴリズムを利用し、試験の失敗回数を考慮して待機時間を決定するようにしてよい。
図23に、このような待機時間の決定処理を含む試験失敗処理の一例を示す。図23に例示する処理は、例えば始点ノード2の制御部26(図7参照)によって実施されてよい。
図23に例示するように、始点ノード2は、予備回線試験中状態を既述のように解除すると(処理P81)、試験失敗回数をカウントするカウンタ(図示省略)のカウント値を1つインクリメントする(処理P82)。なお、カウント値の初期値は、例えば0である。
そして、始点ノード2は、例えば上述したアルゴリズムに従い、試験失敗回数のカウント値に基づいて再試験までの待機時間を決定し、待機時間が経過するまで待機する(処理P83、処理P84のNoルート)。待機時間が経過すると(処理P84でYesの場合)、始点ノード2は、図17に例示した処理に従って、試験に失敗した予備回線の再試験を実施し(処理P85)、カウンタのカウント値を初期化する(処理P86)。
(予備回線の再設定処理)
上述した予備回線の試験において、予備回線が使用不能な状態にあると判定される場合、始点ノード2は、代替の予備回線を設定してよい。予備回線が使用不能な状態とは、例示的に、予備回線の試験において、予備回線の健全性に問題がある(予備回線の障害発生を含む。)と判定される状態や、予備回線が他の回線の救済のために使用できなくなった状態等を含んでよい。
例えば、始点ノード2は、図24のフローチャートに例示する、予備回線の再設定処理を実施してよい。図24に例示する処理は、例示的に、始点ノード2の制御部26(図7参照)によって実施されてよい。
図24に例示するように、始点ノード2は、予備回線の試験の結果、当該予備回線が使用不能な状態にあると判定すると(処理P91)、代替の予備回線の経路計算を行なう(処理P92)。
そして、始点ノード2は、経路計算により新たに求めた予備回線に対して、図11に例示したごとく、事前シグナリングを実施する(処理P93)。事前シグナリングが成功すれば(処理P94でYesの場合)、始点ノード2は、使用不能な状態にあると判定した予備回線に対して例えばパスティアメッセージを送信して予備回線の設定を解除する(処理P95)。なお、代替の予備回線に対する事前シグナリングに失敗した場合(処理P94でNoの場合)、始点ノード2は、事前シグナリングが成功する予備回線が見つかるまで(処理P94でYesと判定されるまで)、代替の予備回線の経路計算を繰り返し実施してよい。
以上のように、上述した実施形態によれば、SMNにおいて、事前シグナリング状態であり、かつ、複数の現用回線でシェアされている予備回線に生じた障害を、関係する始点及び終点ノード2へ通知することができる。
別言すると、1+1や1:1プロテクションのようには始点及び終点ノード2が必ずしも一意に定まらないSMNにおいて、予備回線の中間ノード2で検出した障害を、当該予備回線をシェアする各現用回線の始点及び終点ノード2へ通知することができる
したがって、始点及び終点ノード2は、当該通知に応じて、障害の生じた予備回線の代替となる新たな予備回線を設定することが可能となる。よって、現用回線に障害が生じて予備回線に切り替えてみて初めて当該予備回線に障害が生じていることを始点及び終点ノード2が認識できるような事態を防止できる。別言すれば、始点及び終点ノード2は、障害が生じていて使えない予備回線に現用回線を切り替えるような無駄な動作をしなくてよい。
また、始点ノード2は、事前シグナリングされ待機している(別言すると、回線設定されていない)予備回線の健全性を試験(確認)することができるので、健全性を保証可能な予備回線に限って、障害の生じた現用回線の救済に用いることができる。試験の結果、健全性の確認がとれない予備回線が存在する場合には、始点ノード2は、代替の予備回線の設定を実施することが可能である。したがって、SMNの信頼性向上を図ることができる。
また、或る予備回線の試験中に、他の予備回線の試験との競合が生じても、競合の調停が実施されるので、試験されない予備回線が生じることを抑制して、各予備回線の試験を確実に実施することができる。
更に、予備回線の試験中に、当該予備回線を利用予定の現用回線に障害が生じると、当該現用回線の救済処理が優先されるように、予備回線の試験が調停されるので、障害の生じた現用回線の救済処理が予備回線の試験に妨げられるようなことがない。したがって、障害の生じた現用回線を確実に救済することができ、SMNの信頼性向上を図ることができる。
また、上述した実施形態では、始点及び終点ノード2に対する障害通知処理や予備回線の試験処理(既述の競合調停を含んでよい。)を、GMPLSプロトコルを利用して実施する。そのため、これらの処理に関わる負荷を、関連する各ノード2に分散することができる。したがって、これらの処理をNMS等によって集中的に制御しようとした場合の、処理の負荷増大や複雑化を回避できる。