JP6440487B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御装置に関する。
内燃機関の気筒の圧縮行程では、当該気筒の燃焼室に充填された吸気が一部燃焼室外に漏出する「圧縮漏れ」が起こることがある(例えば、下記特許文献を参照)。特に、近時では、燃費性能の一層の向上を目論み、圧縮比をより高める方向に研究開発が進んでおり、また、シリンダボアとピストンとの間の摩擦を低減するべくピストンリングも低張力化する傾向にある。そのため、圧縮漏れが発生する可能性が増していると言える。
特開2014−080917号公報
本発明は、圧縮漏れに代表される、内燃機関の気筒の圧縮行程における異常を的確に検知することを所期の目的としている。
上述の課題を解決するべく、本発明では、内燃機関の気筒の圧縮行程における筒内圧力及び筒内容積のそれぞれの変動の推移からポリトロープ指数を算出し、算出したポリトロープ指数を正常に圧縮行程が営まれる場合に想定されるポリトロープ指数のモデル値と比較し、両者の差に基づいて当該気筒の圧縮行程における異常の有無を判断する内燃機関の制御装置を構成した。このようなものであれば、内燃機関の運用上問題となるような圧縮漏れその他の異常を的確に検知することが可能となる。
加えて、算出したポリトロープ指数がモデル値よりも小さいか大きいかに基づいて、異常の種類を推定することができる。内燃機関の運用上問題となる重度の圧縮漏れが生じていると、算出されるポリトロープ値が正常な場合のポリトロープ指数のモデル値を下回る。逆に、算出されるポリトロープ値がモデル値を上回っているのであれば、当該気筒の圧縮行程における圧縮漏れ以外の何らかの異常が生起していると判断できる。
また、圧縮行程におけるある時点について算出したポリトロープ指数と当該時点に対応するモデル値との差が閾値以上に大きいとき、当該時点よりも過去または未来の時点について算出したポリトロープ指数を同モデル値と比較し、両者の差が閾値未満となるか否かに基づいて異常の種類を推定することもできる。当該時点よりも過去または未来の時点について算出したポリトロープ指数が当該時点に対応するモデル値と合致したならば、それは圧縮行程内の時点を示唆するクランク角センサ信号にまつわる異常であると考えられる。
本発明によれば、圧縮漏れに代表される、内燃機関の気筒の圧縮行程における異常を的確に検知することができる。
本発明の一実施形態における内燃機関及び制御装置の概略構成を示す図。 圧縮行程における筒内圧力の推移を例示する図。 圧縮行程において異常な圧縮漏れが起こっている場合に算出されるポリトロープ指数、及び圧縮行程が正常に営まれている場合のポリトロープ指数のモデル値のそれぞれの推移を例示する図。 圧縮行程においてクランク角センサ信号に関連した異常が生じている場合に算出されるポリトロープ指数、及び圧縮行程が正常に営まれている場合のポリトロープ指数のモデル値のそれぞれの推移を例示する図。 圧縮行程においてクランク角センサ信号に関連した異常が生じている場合に算出されるポリトロープ指数、及び圧縮行程が正常に営まれている場合のポリトロープ指数のモデル値のそれぞれの推移を例示する図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークエンジン(ガソリンエンジン)であり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
外部EGR(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものである。EGR装置2は、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通する外部EGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、具体的にはサージタンク33に接続している。
本実施形態の内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
ECU0の入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、内燃機関の出力軸であるクランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するクランク角センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、内燃機関の温度を示唆する冷却水温を検出する水温センサから出力される水温信号e、外気温を検出する外気温センサから出力される外気温信号f、大気圧を検出する大気圧センサから出力される大気圧信号g、各気筒1の筒内圧力(燃焼室内圧力)を検出する筒内圧センサから出力される筒内圧信号h等が入力される。
クランク角センサは、クランクシャフトの軸端部に固定されクランクシャフトと一体となって回転するロータの回転角度をセンシングするものである。そのロータには、クランクシャフトの回転方向に沿った所定角度毎に、歯または突起が形成されている。典型的には、クランクシャフトが10°回転する都度、歯または突起が配置される。クランク角センサは、ロータの外周に臨み、個々の歯または突起が当該センサの近傍を通過することを検知して、その都度クランク角信号bとしてパルス信号を発信する。尤も、クランク角センサは、クランクシャフトが一回転する間に三十六回のパルスを出力するわけではない。クランクシャフトのロータの歯または突起は、その一部が欠損している。欠歯部分はそれぞれ、クランクシャフトの特定の回転位相角に対応する。そして、欠歯部分に起因して、クランク角信号bのパルス列もまた一部が欠損する。このパルスの欠損を基にして、クランクシャフトの絶対的な角度(姿勢)、換言すれば各気筒1のピストンの現在位置を知ることが可能である。
ECU0の出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、要求EGR率(または、EGR量)等といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、lを出力インタフェースを介して印加する。
また、ECU0は、内燃機関の始動(冷間始動であることもあれば、アイドリングストップからの復帰であることもある)時において、電動機(スタータモータまたはISG(Integrated Starter Generator)。図示せず)に制御信号oを入力し、当該電動機により内燃機関のクランクシャフトを回転駆動するクランキングを行う。クランキングは、内燃機関が初爆から連爆へと至り、エンジン回転数即ちクランクシャフトの回転速度が冷却水温等に応じて定まる判定値を超えたときに(完爆したものと見なして)終了する。
しかして、本実施形態のECU0は、内燃機関の各気筒1について、その圧縮行程時に異常が発生していないかどうかの診断を実施する。
圧縮行程時の異常の有無を精確に判断するべく、ECU0は、対象の気筒1の圧縮行程における筒内圧力(燃焼室内圧力)及び筒内容積(燃焼室内容積)のそれぞれの変動の推移から、気筒1の燃焼室に充填された吸気の状態変化に係るポリトロープ指数を算出する。筒内圧力は気筒1の燃焼室に充填された吸気の圧力、筒内容積は気筒1の燃焼室に充填された吸気の体積である。そして、算出したポリトロープ指数を、正常に圧縮行程が営まれた場合に想定されるポリトロープ指数のモデル値と比較する。
気筒1の燃焼室内で吸気(または、混合気)を圧縮することによる当該吸気の圧力、密度及び温度の変化をポリトロープ過程と見なす。そして、気筒1の圧縮行程内の時点iにおける筒内圧力をPi、同時点iにおける筒内容積をViとおくと、時点(i−1)から時点iにかけての吸気の状態変化に係るポリトロープ指数niは、
i=−log(Pi/Pi-1)/log(Vi/Vi-1
と求められる。添字iはポリトロープ指数niの演算機会を表すものであるが、添字iを現在のクランク角度(CA)即ちクランクシャフトの回転角度(姿勢)に置き換え、添字(i−1)を現在のクランク角度から所定角度遡った(過去の)クランク角度に置き換えてもよい。
筒内圧力Piは、筒内圧センサからもたらされる筒内圧信号hを参照して知得できる。筒内容積Viは、対象の気筒1の現在のピストンの位置から幾何学的に判明する。現在のピストンの位置は、現在のクランク角度によって決まる。現在のクランク角度は、クランク角センサからもたらされるクランク角信号bを参照して知得できる。ECU0のメモリには予め、クランク角度と各気筒1の筒内容積Viとの関係を規定したマップデータまたは関数式が格納されている。ECUは、現在のクランク角度をキーとして当該マップを検索し、または現在のクランク角度を当該関数式に代入することで、対象の気筒1の筒内容積Viを求める。
圧縮行程における典型的な異常は、気筒1の燃焼室に充填された吸気が一部燃焼室外に漏出する圧縮漏れである。図2に、ある運転領域[エンジン回転数,アクセル開度(または、サージタンク33内吸気圧、燃焼室に充填される吸気量若しくは燃料噴射量)]の下での圧縮行程中の筒内圧力Piの推移を示す。横軸はクランク角度、より具体的には圧縮上死点から遡った角度であり、その右端がBTDC0°CA即ち圧縮上死点である。図2において、破線は、内燃機関の運用上問題となるような圧縮漏れを起こしていない正常な場合の筒内圧力Piの推移を表している。他方、実線は、内燃機関の運用上問題となるような圧縮漏れを起こしている異常な場合の筒内圧力Piの推移を表している。
図3に、ある運転領域の下での圧縮行程中のポリトロープ指数niの推移を示す。図3において、破線は正常な場合のポリトロープ指数niの推移を表しており、実線は異常な圧縮漏れを起こしている場合のポリトロープ指数niの推移を表している。圧縮行程中に異常な圧縮漏れを起こした場合に算出されるポリトロープ指数niは、圧縮上死点近傍を除き、正常な場合のポリトロープ指数niを下回り、これを上回ることはない。
算出されたポリトロープ指数niが正常な場合のポリトロープ指数niを上回ることがあるとすれば、それは圧縮漏れ以外の異常である蓋然性が高い。図4及び図5はそれぞれ、クランク角センサの故障やクランク角センサ信号bの送受信の不良等により、ECU0が現在のクランク角度、換言すれば各気筒1のピストンの位置を誤認している場合に算出されるポリトロープ指数niの推移を示している。図4及び図5の破線は、図3と同様、正常な場合のポリトロープ指数niの推移である。図4の実線は、ECU0が現在のクランク角度を真のクランクシャフトの回転角度よりも所定角度(例えば、1°CA)進んだ角度と認識している場合におけるポリトロープ指数niの推移である。並びに、図5の実線は、ECU0が現在のクランク角度を真のクランクシャフトの回転角度よりも所定角度遅れた角度と認識している場合におけるポリトロープ指数niの推移である。
ECU0によるクランク角度の誤認は、ポリトロープ指数niの算出に用いる筒内容積Vi及びVi-1に影響を及ぼす。ECU0が現在のクランク角度を真のクランクシャフトの回転角度よりも進んだ角度であると誤認していると、演算機会iにおける筒内容積Vi及びVi-1の値がそれぞれ実際の(時点i及び時点(i−1)の)筒内容積よりも小さくなってしまい、図4に示しているようにポリトロープ指数niに誤差が混入する。この場合に算出される、実線で表したポリトロープ指数niは、圧縮行程が正常に営まれる場合に想定される、破線で表したポリトロープ指数niと乖離する。のみならず、圧縮行程中の時期に応じて、算出されるポリトロープ指数niが正常な場合のポリトロープ指数niを上回ったり下回ったりする。図4に示す例によると、BTDC100°CA辺りからBTDC60°CA辺りまでの期間において、算出されるポリトロープ指数niが正常な場合のポリトロープ指数niを下回る。一方、その後の圧縮上死点に近づく時期では、算出されるポリトロープ指数niが正常な場合のポリトロープ指数niを上回る傾向にある。
翻って、ECU0が現在のクランク角度を真のクランクシャフトの回転角度よりも遅れた角度であると誤認していると、演算機会iにおける筒内容積Vi及びVi-1がそれぞれ実際の筒内容積よりも大きくなってしまい、図5に示しているようにポリトロープ指数niに誤差が混入する。この場合に算出される、実線で表したポリトロープ指数niは、圧縮行程が正常に営まれる場合に想定される、破線で表したポリトロープ指数niと乖離する。のみならず、圧縮行程中の時期に応じて、算出されるポリトロープ指数niが正常な場合のポリトロープ指数niを上回ったり下回ったりする。図5に示す例によると、BTDC100°CA辺りからBTDC60°CA辺りまでの期間において、算出されるポリトロープ指数niが正常な場合のポリトロープ指数niを上回る。一方、その後の圧縮上死点に近づく時期では、算出されるポリトロープ指数niが正常な場合のポリトロープ指数niを下回る傾向にある。
上に述べたもの以外の異常として、気筒1の燃焼室内に異物が存在して筒内容積Vi及びVi-1が不当に縮小するというようなことも起こり得る。その場合に算出されるポリトロープ指数niは、圧縮上死点近傍を除き、正常な場合のポリトロープ指数niを上回る。
内燃機関の気筒1の温度、当該気筒1に充填される吸気の温度及び圧力がそれぞれ所定の範囲内にある状況下での正常なポリトロープ指数niは、実機試験等により実験的に求めることが可能である。ECU0のメモリには予め、内燃機関の冷却水温(潤滑油温でもよい)、サージタンク33内吸気温及び吸気圧がそれぞれ所定の範囲内であるときの、正常な圧縮行程におけるポリトロープ指数niのモデル値Niを格納しておく。このモデル値Niは、圧縮行程内の時点i毎に異なる、時点i毎に推移する時系列である。
その上で、ECU0は、内燃機関の運転中、冷却水温(または、潤滑油温)、サージタンク33内吸気温及び吸気圧が所定の範囲内にあるときに、気筒1の圧縮行程においてポリトロープ指数niを算出する。そして、算出した各時点i毎のポリトロープ指数niを、メモリに記憶保持している各時点i毎のモデル値Niと各々比較する。算出したポリトロープ指数niとそれに対応した時点iでのモデル値Niとの差分の絶対値|Ni−ni|または両者の比Ni/niが、圧縮行程の全体に亘って(但し、圧縮上死点近傍の時点は除外してもよい)閾値未満に収まっているならば、当該気筒1の圧縮行程は正常に営まれたと判断する。
翻って、圧縮行程内の何れかの時点iにおいて、算出したポリトロープ指数niとモデル値Niとの差分の絶対値|Ni−ni|または両者の比Ni/niが閾値以上に拡大したならば、当該気筒1の圧縮行程に何らかの異常が発生したと判断する。
さらに、ECU0は、その異常の種類を、算出したポリトロープ指数niとモデル値Niとの大小関係に基づいて切り分けて特定することができる。即ち、図3に示したように、圧縮行程内の全ての時点i(圧縮上死点近傍の時点を除く)について、算出したポリトロープ指数niがモデル値Ni以下となっている場合、それは圧縮漏れであると考えられる。逆に、圧縮行程内の全ての時点i(圧縮上死点近傍の時点を除く)について、算出したポリトロープ指数niがモデル値Ni以上となっている場合には、気筒1の燃焼室内に異物が存在していると考えられる。
あるいは、図4または図5に示したように、圧縮行程の中で、算出したポリトロープ指数niがモデル値Niを上回る時期と下回る時期とが混在している場合には、クランク角センサ信号bに関連した異常が生じており、ECU0が認識している現在のクランク角度と実際のクランク角度との間に誤差が発生しているものと考えられる。
気筒1の圧縮行程において異常が生じていることを検知したECU0は、その旨を示す情報(ダイアグノーシスコード)をメモリに記憶保持する。このとき、検知した異常がどの種類に該当するのかを識別できるような情報を書き込むことにより、事後の検査や修理の作業における異常の原因の究明の助けとすることが好ましい。
加えて、圧縮行程に異常が生じている旨を、運転者の視覚または聴覚に訴えかける態様にて出力してもよい。例えば、車両のコックピット内に設置された警告灯(エンジンチェックランプ)を点灯させたり、ディスプレイに表示したり、ブザーまたはスピーカから警告音を音声出力したりする。
本実施形態では、内燃機関の気筒1の圧縮行程における筒内圧力Pi及び筒内容積Viのそれぞれの変動の推移からポリトロープ指数niを算出し、算出したポリトロープ指数niを正常に圧縮行程が営まれる場合に想定されるポリトロープ指数のモデル値Niと比較し、両者の差を表す|Ni−ni|またはNi/niに基づいて当該気筒1の圧縮行程における異常の有無を判断する内燃機関の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、圧縮漏れに代表される、内燃機関の気筒1の圧縮行程における異常を的確に検知することが可能となる。圧縮行程の異常を見逃したり、圧縮行程に異常が生じていないにもかかわらず異常が生じていると誤検知する懸念は十分に小さい。
しかも、本実施形態によれば、算出したポリトロープ指数niがモデル値Niよりも小さいか大きいかに基づいて、異常の種類を推定することができる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、ECU0が認識している現在のクランク角度と実際のクランク角度との間に誤差α、換言すれば時間差αが存在していると仮定すると、時点iにおける真のポリトロープ値ni’は、
i’=−log(Pi-α/Pi-1-α)/log(Vi-α/Vi-1-α)
である。このことに基づき、気筒1の圧縮行程に何らかの異常が存在していると判断したECU0が、時点iよりも過去または未来の時点(i−α)についてポリトロープ指数ni-αを再計算し、その再計算したポリトロープ指数ni-αを時点iに対応するモデル値Miと比較する処理を実行するようにしてもよい。ここで、αは、正値をとることもあれば負値をとることもある。αを変えて再計算したポリトロープ指数ni-αと時点iにおけるモデル値Miとの差を表す|Ni−ni-α|またはNi/ni-αが、圧縮行程の全体に亘って(但し、圧縮上死点近傍の時点は除外してもよい)閾値未満に収まるならば、異常の種類がECU0による現在のクランク角度の誤認であることが明らかとなる。
翻って、圧縮行程内の何れかの時点iにおいて、|Ni−ni-α|またはNi/ni-αが閾値以上に拡大したならば、ECU0による現在のクランク角度の誤認以外の異常が当該気筒1の圧縮行程に発生したと判断することができる。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御に適用できる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
b…クランク角信号
h…筒内圧信号

Claims (2)

  1. 内燃機関の気筒の圧縮行程における筒内圧力及び筒内容積のそれぞれの変動の推移からポリトロープ指数を算出し、算出したポリトロープ指数を正常に圧縮行程が営まれる場合に想定されるポリトロープ指数のモデル値と比較し、両者の差に基づいて当該気筒の圧縮行程における異常の有無を判断するものであり、
    圧縮行程におけるある時点について算出したポリトロープ指数と当該時点に対応するモデル値との差が閾値以上に大きいとき、当該時点よりも過去または未来の時点について算出したポリトロープ指数を同モデル値と比較し、両者の差が閾値未満となるか否かに基づいて異常の種類を推定する内燃機関の制御装置。
  2. 算出したポリトロープ指数がモデル値よりも小さいか大きいかに基づいて異常の種類を推定する請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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