JP6439070B1 - 内燃機関の吸気構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吸気流路80の一部となる吸気路70を有するスロットルボディ7内にスロットル弁75を備え、吸気流路はスロットル弁より下流側で、仕切部81でタンブル流路80Aと主流路80Bに仕切られた内燃機関の吸気構造において、スロットル弁は、スロットル弁軸76により回転自在に軸支されたバタフライ式の弁であり、スロットル弁軸で二等分されて一端側半体77Aと他端側半体77Bを有し、吸気路のスロットル弁の位置での径をスロットルボアD、仕切部の上流側端部81aからスロットル弁軸の中心までの距離をLとした時に、主流路の断面面積Bがタンブル流路の断面面積Aより大きく形成されて、スロットル弁徐開時に、スロットル弁を通過し主流路に流れる吸気が上流側に逆流しタンブル流路に流入するようにL/Dが設定された。
【選択図】図12
Description
しかし、下記特許文献1に示されるものは、スロットル弁の下流に個別にタンブル制御弁を設ける構造であるため、スロットル弁の動きに対応してタンブル制御弁を作動させる連動機構、あるいは、タンブル制御弁を単独で作動させるアクチュエータが必要であり、部品点数が増加し、コストが上昇する。
内燃機関の燃焼室に連なる吸気流路の一部を構成する吸気路を有するスロットルボディと、同スロットルボディ内に設けられたスロットル弁とを備え、
前記吸気流路は、前記スロットル弁より下流側で、仕切部により、通った吸気が前記燃焼室内でタンブル流を発生するように構成されたタンブル流路と同タンブル流路を除く主流路とに仕切られ、燃料噴射弁によって燃料が噴射供給される内燃機関の吸気構造において、
前記主流路の断面面積が、前記タンブル流路の断面面積より大きく形成されて、前記スロットル弁は、前記吸気路の中心軸線に対し垂直に交差して配向されたスロットル弁軸により前記スロットルボディ内に回転自在に軸支されたバタフライ式の弁であり、同スロットル弁の弁体は、前記スロットル弁軸を挟んで二等分されて一端側半体と他端側半体とを有し、前記スロットル弁の徐開位置において、吸気が前記一端側半体と前記吸気路の内面との間に形成される間隙、および前記他端側半体と前記吸気路の内面との間に形成される間隙を通り、前記スロットル弁の下流側に同スロットル弁が徐開位置にあるときの吸気の前記主流路と前記タンブル流路に流れる割合を変更させる吸気割合可変部材を設けないことを特徴とする内燃機関の吸気構造である。
主流路とタンブル流路に流れる割合を変更させる吸気割合可変部材を設けずとも、
スロットル弁のスロットル弁軸を挟んだ一端側半体と他端側半体のそれぞれから吸気流路の下流側に流れた吸気のうち、主流路に流れた吸気を上流側に逆流させ、一旦主流路に流れた吸気をタンブル流路に導くことで、燃焼室内のタンブル流を強化することができるという顕著な効果を奏する。
すなわち、主流路がタンブル流路よりも大きく設定されたので、スロットル弁の徐開位置において、スロットル弁の他端側半体と吸気路の内面との間に形成される間隙を通過し主流路に流れる吸気の勢いが衰えやすくなり、勢いを失った主流路に流れた吸気は、スロットル弁の直下流部に発生する負圧に誘引され、上流側に逆流する。
そして、断面面積の大きい主流路を逆流した吸気は、タンブル流路側の直下流部に発生する負圧に誘引された後、スロットル弁の一端側半体と吸気路の内面との間に形成される間隙を通過した吸気とともにタンブル流路に流れ込み、タンブル流路を流れる吸気が増大する。
したがって、吸気割合可変部材、例えばタンブル制御弁(TCV)等を設けることなく、徐開位置においてスロットル弁軸を挟んだ一端側半体と他端側半体のそれぞれから吸気を流入させ且つ主流路の断面面積をタンブル流路の断面面積より大きく設定することで、一旦主流路に流れた吸気をタンブル流路に導くことができ、燃焼室内のタンブル流を強化することができる。また、装置構成を簡素化でき、タンブル制御弁を設ける場合に比べ、部品点数が低減し、コストを削減することができる。
前記スロットル弁軸に垂直で前記吸気路の中心軸線に沿った断面視で、全閉時の前記スロットル弁の前記一端側半体が下流側の前記吸気路の内面と鋭角をなして接し、同スロットル弁の前記他端側半体が下流側の同吸気路の内面と鈍角をなして接し、前記一端側半体の下流側に前記吸気流路の前記タンブル流路が位置し、前記他端側半体の下流側に前記吸気流路の前記主流路が位置するようにしてもよい。
その構成によれば、
吸気の流れ方向において、一端側半体から仕切部までの距離が、他端側半体から仕切部までの距離より大きい場合でも、スロットル弁徐開時、あるいは内燃機関の低負荷時に、下流側が吸気路の内面と鋭角をなすスロットル弁の一端側半体の周縁では、吸気の収束する流れが生じ、下流側が吸気路の内面と鈍角をなすスロットル弁の他端側半体の周縁では、吸気の発散する流れが生じるため、発散する流れの逆流を、収束する吸気に取り込んでタンブル流路に導くことで、タンブル流路に流れる吸気を増大することができる。
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)とし、前記仕切部に直交し前記吸気流路の中心軸線に沿った断面視で、同吸気流路の中心軸線と前記仕切部の前記タンブル流路側の面との距離を仕切り高さH(単位:mm)とした時に、
H/Dが、
式1:(H/D)max=−0.00002D2+0.0025D+0.31
式2:(H/D)min=0.00005D2−0.0064D+0.26
で算出される上限値(H/D)maxと、下限値(H/D)minとの間の範囲内であるようにするとよい。
その構成によれば、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「H/D:仕切部高さ位置」を、式1、式2で算出される上限値(H/D)maxと、下限値(H/D)minとの間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)、吸気路断面面積をスロットルボア断面面積Sthとし、前記タンブル流路(80A)の断面面積をAとした時に、
A/Sth(スロットルボア断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%))が、
式3:(A/Sth)max=−0.006D2+0.79D+19.82
式4:(A/Sth)min=0.002D2−0.33D+15.59
で算出される上限値(A/Sth)maxと、下限値(A/Sth)minとの間の範囲内であるようにするとよい。
その構成によれば、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「A/Sth:スロットルボア断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」を、式3、式4で算出される上限値(A/Sth)maxと、下限値(A/Sth)minとの間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)、前記タンブル流路の断面面積をAとし、前記主流路(の断面面積をBとした時に、
A/(A+B)(全流路断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%))が、
式5:(A/(A+B))max=−0.0052D2+0.6402D+26.35
式6:(A/(A+B))min=0.0023D2−0.3287D+15.19
で算出される上限値(A/(A+B))maxと、下限値(A/(A+B))minとの間の範囲内であるようにするとよい。
その構成によれば、
スロットルボアD(mm)に対応して、「A/(A+B):全流路断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」を、式5、式6で算出される上限値(A/(A+B))maxと、下限値(A/(A+B))minとの間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部奥行き位置L/Dが、
式7:(L/D)max=0.00008D2−0.0192D+2.58
で算出される上限値(L/D)maxと、最小値0.0との間の範囲内であるようにするとよい。
その構成によれば、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「L/D:仕切部奥行き位置」を、式7で算出される上限値(L/D)maxと、最小値0.0との間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
前記仕切部の上流側端部に、下流側に凹む切欠き凹部(82)が形成されてもよい。
その構成によれば、
吸気流路に流入する吸気が仕切部に当たる面積が徐々に増大するようにして、圧力と速度の変化を緩やかにし、流量損失を少なくすることができる。
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径Dより、同スロットルボディの下流側に接続するインレットパイプの吸気流路の径Dpが大きくしてもよい。
その構成によれば、
径Dと径Dpの差により、吸気流路中に仕切部が加えられることによる流路断面面積の変化を抑制することができる。
前記インレットパイプの上流端から下流側に向けて、径方向外側に漸次拡径するテーパ部が形成されてもよい。
その構成によれば、
上流端から下流側に向けて、径方向外側に漸次拡径するテーパ部により、インレットパイプ内の流路断面面積を大きくすることで、仕切部が加えられることによる流路断面面積の変化を抑制することができる。
前記タンブル流路が、湾曲した前記吸気流路(80)の湾曲内周側に設けられるとともに、前記主流路(80B)が、湾曲した前記吸気流路(80)の湾曲外周側に設けられ、前記スロットルボディの下流側に接続するインレットパイプにおける前記主流路の湾曲径方向の高さHBは、前記インレットパイプにおける前記タンブル流路の湾曲径方向の高さHAより大きく形成され、前記燃料噴射弁が前記主流路側に配置されてもよい。
その構成によれば、
吸気流路のうち、主流路の湾曲径方向の高さHBが、タンブル流路の湾曲径方向の高さHAより大きいため、吸気流路の湾曲外周側に主流路を設けることにより、吸気流路の湾曲外周側をタンブル流路にする場合に比べ、燃料噴射弁と仕切部との距離を大きくとることができ、燃料噴射弁から噴射された燃料に仕切部が干渉し難くすることができる。
前記スロットル弁軸に垂直で前記吸気路の中心軸線に沿った断面視で、全閉時の前記スロットル弁の前記一端側半体が下流側の前記吸気路の内面と鈍角をなして接し、同スロットル弁の前記他端側半体が下流側の同吸気路の内面と鋭角をなして接し、前記一端側半体の下流側に前記吸気流路の前記タンブル流路が位置し、前記他端側半体の下流側に前記吸気流路の前記主流路が位置するようにしてもよい。
その構成によれば、
スロットル弁軸に垂直で吸気路の中心軸線に沿った断面視で、全閉時のスロットル弁の一端側半体が下流側の吸気路の内面と鈍角をなして接するように配置されたので、スロットル弁の下流側において一端側半体が主流路からタンブル流路へ向けて傾斜しており、スロットル弁徐開時等において、主流路の逆流がタンブル流路側に導かれ易くなるとともに、仕切部を一端側半体に近接することができ、吸気流れ方向において、一端側半体から仕切部までの距離が、他端側半体から仕切部までの距離より小さい。そのため、一端側半体を通過した吸気がタンブル流路に流入し易く、タンブル流路に流入する吸気を多くすることができる。
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)とし、前記仕切部に直交し前記吸気流路の中心軸線に沿った断面視で、同吸気流路の中心軸線と前記仕切部の前記タンブル流路側の面との距離を仕切り高さH(単位:mm)とした時に、
H/Dが、
式11:(H/D)max=−0.000004D2+0.0006D+0.34
式12:(H/D)min=−0.0000004D2+0.0006D+0.02
で算出される上限値(H/D)maxと、下限値(H/D)minとの間の範囲内であるようにするとよい。
その構成によれば、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「H/D:仕切部高さ位置」を、式1、式2で算出される上限値(H/D)maxと、下限値(H/D)minとの間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)、吸気路断面面積をスロットルボア断面面積Sthとし、前記タンブル流路の断面面積をAとした時に、
A/Sth(スロットルボア断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%))が、
式13:(A/Sth)max=−0.001D2+0.06D+45.34
式14:(A/Sth)min=0.0005D2−0.08D+11.54
で算出される上限値(A/Sth)maxと、下限値(A/Sth)minとの間の範囲内であるようにするとよい。
その構成によれば、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「A/Sth:スロットルボア断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」を、式3、式4で算出される上限値(A/Sth)maxと、下限値(A/Sth)minとの間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)、前記タンブル流路(80A)の断面面積をAとし、前記主流路(80B)の断面面積をBとした時に、
A/(A+B)(全流路断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%))が、
式15:(A/(A+B))max=0.0024D2−0.3283D+55.48
式16:(A/(A+B))min=0.0008D2−0.1187D+12.4
で算出される上限値(A/(A+B))maxと、下限値(A/(A+B))minとの間の範囲内であるようにするとよい。
その構成によれば、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「A/(A+B):全流路断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」を、式5、式6で算出される上限値(A/(A+B))maxと、下限値(A/(A+B))minとの間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)、前記仕切部の上流側端部の流路幅方向中心から前記スロットル弁軸の中心までの前記吸気流路の中心軸線方向の距離をL(単位:mm)とした時に、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部奥行き位置L/Dが、
式17:(L/D)max=0.0002D2−0.0308D+2.78
で算出される上限値(L/D)maxと、最小値0.0との間の範囲内であるようにするとよい。
その構成によれば、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「L/D:仕切部奥行き位置」を、式7で算出される上限値(L/D)maxと、最小値0.0との間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
内燃機関の燃焼室に連なる吸気流路の一部を構成する吸気路を有するスロットルボディと、同スロットルボディ内に設けられたスロットル弁と、前記吸気流路の一部を構成する吸気ポートと、同吸気ポートの下流端において前記燃焼室に臨む吸気弁口を開閉する吸気弁とを備え、
前記吸気流路は、前記スロットル弁より下流側で、仕切部により、通った吸気が前記燃焼室内でタンブル流を発生するように構成されたタンブル流路と同タンブル流路を除く主流路とに仕切られ、
燃料噴射弁によって燃料が噴射供給される内燃機関の吸気構造において、
前記主流路の断面面積が、前記タンブル流路の断面面積より大きく形成されて、
前記スロットル弁は、前記吸気路の中心軸線に対し垂直に交差して配向されたスロットル弁軸により前記スロットルボディ内に回転自在に軸支されたバタフライ式の弁であり、同スロットル弁の弁体は、前記スロットル弁軸を挟んで二等分されて一端側半体と他端側半体とを有し、
前記スロットル弁の徐開位置において、吸気が前記一端側半体と前記吸気路の内面との間に形成される間隙、および前記他端側半体と前記吸気路の内面との間に形成される間隙を通り、
前記吸気流路のうち、前記スロットルボディ内の前記吸気路と、前記スロットルボディの下流から前記吸気弁に至るまでの間において、流路面積を可変制御する可変部材は前記スロットル弁のみであることを特徴とする内燃機関の吸気構造である。
吸気流路のうち、スロットルボディ内の吸気路と、スロットルボディの下流から吸気弁に至るまでの間において、流路面積を可変制御する可変部材はスロットル弁のみであっても、
スロットル弁のスロットル弁軸を挟んだ一端側半体と他端側半体のそれぞれから吸気流路の下流側に流れた吸気のうち、主流路に流れた吸気を上流側に逆流させ、一旦主流路に流れた吸気をタンブル流路に導くことで、燃焼室内のタンブル流を強化することができるという顕著な効果を奏する。
すなわち、主流路がタンブル流路よりも大きく設定されたので、スロットル弁の徐開位置において、スロットル弁の他端側半体と吸気路の内面との間に形成される間隙を通過し主流路に流れる吸気の勢いが衰えやすくなり、勢いを失った主流路に流れた吸気は、スロットル弁の直下流部に発生する負圧に誘引され、上流側に逆流する。
そして、断面面積の大きい主流路を逆流した吸気は、タンブル流路側の直下流部に発生する負圧に誘引された後、スロットル弁の一端側半体と吸気路の内面との間に形成される間隙を通過した吸気とともにタンブル流路に流れ込み、タンブル流路を流れる吸気が増大する。
したがって、単一のスロットル弁によってでも、徐開位置においてスロットル弁軸を挟んだ一端側半体と他端側半体のそれぞれから吸気を流入させ且つ主流路の断面面積をタンブル流路の断面面積より大きく設定することで、一旦主流路に流れた吸気をタンブル流路に導くことができ、燃焼室内のタンブル流を強化することができる。また、装置構成を簡素化でき、タンブル制御弁を加えて設ける場合に比べ、部品点数が低減し、コストを削減することができる。
前記スロットル弁軸に垂直で前記吸気路の中心軸線に沿った断面視で、全閉時の前記スロットル弁の前記一端側半体が下流側の前記吸気路の内面と鋭角をなして接し、同スロットル弁の前記他端側半体が下流側の同吸気路の内面と鈍角をなして接し、前記一端側半体の下流側に前記吸気流路の前記タンブル流路が位置し、前記他端側半体の下流側に前記吸気流路の前記主流路が位置するようにしてもよい。
その構成によれば、
吸気の流れ方向において、一端側半体から仕切部までの距離が、他端側半体から仕切部までの距離より大きい場合でも、スロットル弁徐開時、あるいは内燃機関の低負荷時に、下流側が吸気路の内面と鋭角をなすスロットル弁の一端側半体の周縁では、吸気の収束する流れが生じ、下流側が吸気路の内面と鈍角をなすスロットル弁の他端側半体の周縁では、吸気の発散する流れが生じるため、発散する流れの逆流を、収束する吸気に取り込んでタンブル流路に導くことで、タンブル流路に流れる吸気を増大することができる。
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)とし、前記仕切部に直交し前記吸気流路の中心軸線に沿った断面視で、同吸気流路の中心軸線と前記仕切部の前記タンブル流路側の面との距離を仕切り高さH(単位:mm)とした時に、
H/Dが、
式1:(H/D)max=−0.00002D2+0.0025D+0.31
式2:(H/D)min=0.00005D2−0.0064D+0.26
で算出される上限値(H/D)maxと、下限値(H/D)minとの間の範囲内であるようにするとよい。
その構成によれば、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「H/D:仕切部高さ位置」を、式1、式2で算出される上限値(H/D)maxと、下限値(H/D)minとの間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)、吸気路断面面積をスロットルボア断面面積Sthとし、前記タンブル流路(80A)の断面面積をAとした時に、
A/Sth(スロットルボア断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%))が、
式3:(A/Sth)max=−0.006D2+0.79D+19.82
式4:(A/Sth)min=0.002D2−0.33D+15.59
で算出される上限値(A/Sth)maxと、下限値(A/Sth)minとの間の範囲内であるようにするとよい。
その構成によれば、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「A/Sth:スロットルボア断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」を、式3、式4で算出される上限値(A/Sth)maxと、下限値(A/Sth)minとの間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)、前記タンブル流路の断面面積をAとし、前記主流路(の断面面積をBとした時に、
A/(A+B)(全流路断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%))が、
式5:(A/(A+B))max=−0.0052D2+0.6402D+26.35
式6:(A/(A+B))min=0.0023D2−0.3287D+15.19
で算出される上限値(A/(A+B))maxと、下限値(A/(A+B))minとの間の範囲内であるようにするとよい。
その構成によれば、
スロットルボアD(mm)に対応して、「A/(A+B):全流路断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」を、式5、式6で算出される上限値(A/(A+B))maxと、下限値(A/(A+B))minとの間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部奥行き位置L/Dが、
式7:(L/D)max=0.00008D2−0.0192D+2.58
で算出される上限値(L/D)maxと、最小値0.0との間の範囲内であるようにするとよい。
その構成によれば、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「L/D:仕切部奥行き位置」を、式7で算出される上限値(L/D)maxと、最小値0.0との間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
前記仕切部の上流側端部に、下流側に凹む切欠き凹部(82)が形成されてもよい。
その構成によれば、
吸気流路に流入する吸気が仕切部に当たる面積が徐々に増大するようにして、圧力と速度の変化を緩やかにし、流量損失を少なくすることができる。
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径Dより、同スロットルボディの下流側に接続するインレットパイプの吸気流路の径Dpが大きくしてもよい。
その構成によれば、
径Dと径Dpの差により、吸気流路中に仕切部が加えられることによる流路断面面積の変化を抑制することができる。
前記インレットパイプの上流端から下流側に向けて、径方向外側に漸次拡径するテーパ部が形成されてもよい。
その構成によれば、
上流端から下流側に向けて、径方向外側に漸次拡径するテーパ部により、インレットパイプ内の流路断面面積を大きくすることで、仕切部が加えられることによる流路断面面積の変化を抑制することができる。
前記タンブル流路が、湾曲した前記吸気流路(80)の湾曲内周側に設けられるとともに、前記主流路(80B)が、湾曲した前記吸気流路(80)の湾曲外周側に設けられ、前記スロットルボディの下流側に接続するインレットパイプにおける前記主流路の湾曲径方向の高さHBは、前記インレットパイプにおける前記タンブル流路の湾曲径方向の高さHAより大きく形成され、前記燃料噴射弁が前記主流路側に配置されてもよい。
その構成によれば、
吸気流路のうち、主流路の湾曲径方向の高さHBが、タンブル流路の湾曲径方向の高さHAより大きいため、吸気流路の湾曲外周側に主流路を設けることにより、吸気流路の湾曲外周側をタンブル流路にする場合に比べ、燃料噴射弁と仕切部との距離を大きくとることができ、燃料噴射弁から噴射された燃料に仕切部が干渉し難くすることができる。
前記スロットル弁軸に垂直で前記吸気路の中心軸線に沿った断面視で、全閉時の前記スロットル弁の前記一端側半体が下流側の前記吸気路の内面と鈍角をなして接し、同スロットル弁の前記他端側半体が下流側の同吸気路の内面と鋭角をなして接し、前記一端側半体の下流側に前記吸気流路の前記タンブル流路が位置し、前記他端側半体の下流側に前記吸気流路の前記主流路が位置するようにしてもよい。
その構成によれば、
スロットル弁軸に垂直で吸気路の中心軸線に沿った断面視で、全閉時のスロットル弁の一端側半体が下流側の吸気路の内面と鈍角をなして接するように配置されたので、スロットル弁の下流側において一端側半体が主流路からタンブル流路へ向けて傾斜しており、スロットル弁徐開時等において、主流路の逆流がタンブル流路側に導かれ易くなるとともに、仕切部を一端側半体に近接することができ、吸気流れ方向において、一端側半体から仕切部までの距離が、他端側半体から仕切部までの距離より小さい。そのため、一端側半体を通過した吸気がタンブル流路に流入し易く、タンブル流路に流入する吸気を多くすることができる。
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)とし、前記仕切部に直交し前記吸気流路の中心軸線に沿った断面視で、同吸気流路の中心軸線と前記仕切部の前記タンブル流路側の面との距離を仕切り高さH(単位:mm)とした時に、
H/Dが、
式11:(H/D)max=−0.000004D2+0.0006D+0.34
式12:(H/D)min=−0.0000004D2+0.0006D+0.02
で算出される上限値(H/D)maxと、下限値(H/D)minとの間の範囲内であるようにするとよい。
その構成によれば、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「H/D:仕切部高さ位置」を、式1、式2で算出される上限値(H/D)maxと、下限値(H/D)minとの間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)、吸気路断面面積をスロットルボア断面面積Sthとし、前記タンブル流路の断面面積をAとした時に、
A/Sth(スロットルボア断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%))が、
式13:(A/Sth)max=−0.001D2+0.06D+45.34
式14:(A/Sth)min=0.0005D2−0.08D+11.54
で算出される上限値(A/Sth)maxと、下限値(A/Sth)minとの間の範囲内であるようにするとよい。
その構成によれば、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「A/Sth:スロットルボア断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」を、式3、式4で算出される上限値(A/Sth)maxと、下限値(A/Sth)minとの間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)、前記タンブル流路(80A)の断面面積をAとし、前記主流路(80B)の断面面積をBとした時に、
A/(A+B)(全流路断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%))が、
式15:(A/(A+B))max=0.0024D2−0.3283D+55.48
式16:(A/(A+B))min=0.0008D2−0.1187D+12.4
で算出される上限値(A/(A+B))maxと、下限値(A/(A+B))minとの間の範囲内であるようにするとよい。
その構成によれば、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「A/(A+B):全流路断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」を、式5、式6で算出される上限値(A/(A+B))maxと、下限値(A/(A+B))minとの間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)、前記仕切部の上流側端部の流路幅方向中心から前記スロットル弁軸の中心までの前記吸気流路の中心軸線方向の距離をL(単位:mm)とした時に、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部奥行き位置L/Dが、
式17:(L/D)max=0.0002D2−0.0308D+2.78
で算出される上限値(L/D)maxと、最小値0.0との間の範囲内であるようにするとよい。
その構成によれば、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「L/D:仕切部奥行き位置」を、式17で算出される上限値(L/D)maxと、最小値0.0との間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
内燃機関の燃焼室に連なる吸気流路の一部を構成する吸気路を有するスロットルボディと、同スロットルボディ内に設けられたスロットル弁とを備え、
前記吸気流路は、前記スロットル弁より下流側で、仕切部により、通った吸気が前記燃焼室内でタンブル流を発生するように構成されたタンブル流路と同タンブル流路を除く主流路とに仕切られ、
燃料噴射弁によって燃料が噴射供給される内燃機関の吸気構造において、
前記スロットル弁は、前記吸気路の中心軸線に対し垂直に交差して配向されたスロットル弁軸により前記スロットルボディ内に回転自在に軸支されたバタフライ式の弁であり、同スロットル弁の弁体は、前記スロットル弁軸を挟んで二等分されて一端側半体と他端側半体とを有し、
前記スロットル弁の徐開位置において、吸気が前記一端側半体と前記吸気路の内面との間に形成される間隙、および前記他端側半体と前記吸気路の内面との間に形成される間隙を通り、
前記スロットル弁の下流側にスロットル弁が徐開位置にあるときの吸気の前記主流路と前記タンブル流路に流れる割合を変更させる吸気割合可変部材を設けず、
前記スロットル弁軸に垂直で前記吸気路の中心軸線に沿った断面視で、全閉時の前記スロットル弁の前記一端側半体が下流側の前記吸気路の内面と鋭角をなして接し、同スロットル弁の前記他端側半体が下流側の同吸気路の内面と鈍角をなして接し、
前記主流路の断面面積が、前記タンブル流路の断面面積より大きく形成されて、
前記一端側半体の下流側に前記吸気流路の前記タンブル流路が位置し、前記他端側半体の下流側に前記吸気流路の前記主流路が位置し、
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径をスロットルボアD、前記仕切部の上流側端部の流路幅方向中心から前記スロットル弁軸の中心までの前記吸気流路の中心軸線方向の距離をL(単位:mm)とした時に、
設定されたスロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部奥行き位置L/Dが、
式7:(L/D)max=0.00008D 2 −0.0192D+2.58
で算出される上限値(L/D)max以下で、最小値0.0より大きい範囲内であることを特徴とする内燃機関の吸気構造である。
請求項1と請求項2の構成による効果を奏するとともに、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「L/D:仕切部奥行き位置」を、式7で算出される上限値(L/D)maxと、最小値0.0との間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
内燃機関の燃焼室に連なる吸気流路の一部を構成する吸気路を有するスロットルボディと、同スロットルボディ内に設けられたスロットル弁とを備え、
前記吸気流路は、前記スロットル弁より下流側で、仕切部により、通った吸気が前記燃焼室内でタンブル流を発生するように構成されたタンブル流路と同タンブル流路を除く主流路とに仕切られ、
燃料噴射弁によって燃料が噴射供給される内燃機関の吸気構造において、
前記スロットル弁は、前記吸気路の中心軸線に対し垂直に交差して配向されたスロットル弁軸により前記スロットルボディ内に回転自在に軸支されたバタフライ式の弁であり、同スロットル弁の弁体は、前記スロットル弁軸を挟んで二等分されて一端側半体と他端側半体とを有し、
前記スロットル弁の徐開位置において、吸気が前記一端側半体と前記吸気路の内面との間に形成される間隙、および前記他端側半体と前記吸気路の内面との間に形成される間隙を通り、
前記スロットル弁の下流側にスロットル弁が徐開位置にあるときの吸気の前記主流路と前記タンブル流路に流れる割合を変更させる吸気割合可変部材を設けず、
前記スロットル弁軸に垂直で前記吸気路の中心軸線に沿った断面視で、全閉時の前記スロットル弁の前記一端側半体が下流側の前記吸気路の内面と鈍角をなして接し、同スロットル弁の前記他端側半体が下流側の同吸気路の内面と鋭角をなして接し、
前記主流路の断面面積が、前記タンブル流路の断面面積より大きく形成されて、
前記一端側半体の下流側に前記吸気流路の前記タンブル流路が位置し、前記他端側半体の下流側に前記吸気流路の前記主流路が位置し、
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径をスロットルボアD、前記仕切部の上流側端部の流路幅方向中心から前記スロットル弁軸の中心までの前記吸気流路の中心軸線方向の距離をL(単位:mm)とした時に、
設定されたスロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部奥行き位置L/Dが、
式17:(L/D)max=0.0002D 2 −0.0308D+2.78
で算出される上限値(L/D)max以下で、最小値0.0より大きい範囲内であることを特徴とする内燃機関の吸気構造である。
請求項1と請求項11の構成による効果を奏するとともに、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「L/D:仕切部奥行き位置」を、式17で算出される上限値(L/D)maxと、最小値0.0との間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
内燃機関の燃焼室に連なる吸気流路の一部を構成する吸気路を有するスロットルボディと、同スロットルボディ内に設けられたスロットル弁と、前記吸気流路の一部を構成する吸気ポートと、同吸気ポートの下流端において前記燃焼室に臨む吸気弁口を開閉する吸気弁とを備え、
前記吸気流路は、前記スロットル弁より下流側で、仕切部により、通った吸気が前記燃焼室内でタンブル流を発生するように構成されたタンブル流路と同タンブル流路を除く主流路とに仕切られ、
燃料噴射弁によって燃料が噴射供給される内燃機関の吸気構造において、
前記スロットル弁は、前記吸気路の中心軸線に対し垂直に交差して配向されたスロットル弁軸により前記スロットルボディ内に回転自在に軸支されたバタフライ式の弁であり、同スロットル弁の弁体は、前記スロットル弁軸を挟んで二等分されて一端側半体と他端側半体とを有し、
前記スロットル弁の徐開位置において、吸気が前記一端側半体と前記吸気路の内面との間に形成される間隙、および前記他端側半体と前記吸気路の内面との間に形成される間隙を通り、
前記吸気流路のうち、前記スロットルボディ内の前記吸気路と、前記スロットルボディの下流から前記吸気弁に至るまでの間において、流路面積を可変制御する可変部材は前記スロットル弁のみであり、
前記スロットル弁軸に垂直で前記吸気路の中心軸線に沿った断面視で、全閉時の前記スロットル弁の前記一端側半体が下流側の前記吸気路の内面と鋭角をなして接し、同スロットル弁の前記他端側半体が下流側の同吸気路の内面と鈍角をなして接し、
前記主流路の断面面積が、前記タンブル流路の断面面積より大きく形成されて、
前記一端側半体(77A)の下流側に前記吸気流路(80)の前記タンブル流路(80A)が位置し、前記他端側半体の下流側に前記吸気流路の前記主流路が位置し、
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径をスロットルボアD、前記仕切部の上流側端部の流路幅方向中心から前記スロットル弁軸の中心までの前記吸気流路の中心軸線方向の距離をL(単位:mm)とした時に、
設定されたスロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部奥行き位置L/Dが、
式7:(L/D)max=0.00008D2−0.0192D+2.58
で算出される上限値(L/D)max以下で、最小値0.0より大きい範囲内であることを特徴とする内燃機関の吸気構造である。
請求項16と請求項17の構成による効果を奏すると共に、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「L/D:仕切部奥行き位置」を、式7で算出される上限値(L/D)maxと、最小値0.0との間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
内燃機関の燃焼室に連なる吸気流路の一部を構成する吸気路を有するスロットルボディと、同スロットルボディ内に設けられたスロットル弁と、前記吸気流路の一部を構成する吸気ポートと、同吸気ポートの下流端において前記燃焼室に臨む吸気弁口を開閉する吸気弁とを備え、
前記吸気流路は、前記スロットル弁より下流側で、仕切部により、通った吸気が前記燃焼室内でタンブル流を発生するように構成されたタンブル流路と同タンブル流路を除く主流路とに仕切られ、
燃料噴射弁によって燃料が噴射供給される内燃機関の吸気構造において、
前記スロットル弁は、前記吸気路の中心軸線に対し垂直に交差して配向されたスロットル弁軸により前記スロットルボディ内に回転自在に軸支されたバタフライ式の弁であり、同スロットル弁の弁体は、前記スロットル弁軸を挟んで二等分されて一端側半体と他端側半体とを有し、
前記スロットル弁の徐開位置において、吸気が前記一端側半体と前記吸気路の内面との間に形成される間隙、および前記他端側半体と前記吸気路の内面との間に形成される間隙を通り、
前記吸気流路のうち、前記スロットルボディ内の前記吸気路と、前記スロットルボディの下流から前記吸気弁に至るまでの間において、流路面積を可変制御する可変部材は前記スロットル弁のみであり、
前記スロットル弁軸に垂直で前記吸気路の中心軸線に沿った断面視で、全閉時の前記スロットル弁の前記一端側半体が下流側の前記吸気路の内面と鈍角をなして接し、同スロットル弁の前記他端側半体が下流側の同吸気路の内面と鋭角をなして接し、
前記主流路の断面面積が、前記タンブル流路の断面面積より大きく形成されて、
前記一端側半体の下流側に前記吸気流路の前記タンブル流路が位置し、前記他端側半体の下流側に前記吸気流路の前記主流路が位置し、
前記スロットルボディの前記吸気路の前記スロットル弁の位置での径をスロットルボアD、前記仕切部の上流側端部の流路幅方向中心から前記スロットル弁軸の中心までの前記吸気流路の中心軸線方向の距離をL(単位:mm)とした時に、
設定されたスロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部奥行き位置L/Dが、
式17:(L/D)max=0.0002D2−0.0308D+2.78
で算出される上限値(L/D)max以下で、最小値0.0より大きい範囲内であることを特徴とする内燃機関の吸気構造である。
請求項16と請求項26の構成による効果を奏すると共に、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「L/D:仕切部奥行き位置」を、式17で算出される上限値(L/D)maxと、最小値0.0との間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル流Tが強化される。
主流路とタンブル流路に流れる割合を変更させる吸気割合可変部材を設けずとも、
スロットル弁のスロットル弁軸を挟んだ一端側半体と他端側半体のそれぞれから吸気流路の下流側に流れた吸気のうち、主流路に流れた吸気を上流側に逆流させ、一旦主流路に流れた吸気をタンブル流路に導くことで、燃焼室内のタンブル流を強化することができるという顕著な効果を奏する。
すなわち、主流路がタンブル流路よりも大きく設定されたので、スロットル弁の徐開位置において、スロットル弁の他端側半体と吸気路の内面との間に形成される間隙を通過し主流路に流れる吸気の勢いが衰えやすくなり、勢いを失った主流路に流れた吸気は、スロットル弁の直下流部に発生する負圧に誘引され、上流側に逆流する。
そして、断面面積の大きい主流路を逆流した吸気は、タンブル流路側の直下流部に発生する負圧に誘引された後、スロットル弁の一端側半体と吸気路の内面との間に形成される間隙を通過した吸気とともにタンブル流路に流れ込み、タンブル流路を流れる吸気が増大する。
したがって、吸気割合可変部材、例えばタンブル制御弁(TCV)等を設けることなく、徐開位置においてスロットル弁軸を挟んだ一端側半体と他端側半体のそれぞれから吸気を流入させ且つ主流路の断面面積をタンブル流路の断面面積より大きく設定することで、一旦主流路に流れた吸気をタンブル流路に導くことができ、燃焼室内のタンブル流を強化することができる。また、装置構成を簡素化でき、タンブル制御弁を設ける場合に比べ、部品点数が低減し、コストを削減することができる。
または、吸気流路のうち、スロットルボディ内の吸気路と、スロットルボディの下流から吸気弁に至るまでの間において、流路面積を可変制御する可変部材はスロットル弁のみであっても、
スロットル弁のスロットル弁軸を挟んだ一端側半体と他端側半体のそれぞれから吸気流路の下流側に流れた吸気のうち、主流路に流れた吸気を上流側に逆流させ、一旦主流路に流れた吸気をタンブル流路に導くことで、燃焼室内のタンブル流を強化することができるという顕著な効果を奏する。
すなわち、主流路がタンブル流路よりも大きく設定されたので、スロットル弁の徐開位置において、スロットル弁の他端側半体と吸気路の内面との間に形成される間隙を通過し主流路に流れる吸気の勢いが衰えやすくなり、勢いを失った主流路に流れた吸気は、スロットル弁の直下流部に発生する負圧に誘引され、上流側に逆流する。
そして、断面面積の大きい主流路を逆流した吸気は、タンブル流路側の直下流部に発生する負圧に誘引された後、スロットル弁の一端側半体と吸気路の内面との間に形成される間隙を通過した吸気とともにタンブル流路に流れ込み、タンブル流路を流れる吸気が増大する。
したがって、単一のスロットル弁によってでも、徐開位置においてスロットル弁軸を挟んだ一端側半体と他端側半体のそれぞれから吸気を流入させ且つ主流路の断面面積をタンブル流路の断面面積より大きく設定することで、一旦主流路に流れた吸気をタンブル流路に導くことができ、燃焼室内のタンブル流を強化することができる。また、装置構成を簡素化でき、タンブル制御弁を加えて設ける場合に比べ、部品点数が低減し、コストを削減することができる。
なお、本明細書の説明および特許請求の範囲における前後左右上下等の向きは、本実施形態に係る内燃機関の吸気構造を備えたパワーユニットを、車両に搭載した状態での車両の向きに従うものとする。本実施形態において車両は小型車両であり、具体的には自動二輪車である。
ただし、スロットルボディ7の吸気路70、および吸気流路80に関しては、それらを吸気流れ方向に沿って分割する仕切部81の上方を「上」側、下方を「下」側として記載する。
(図3、図4参照)。
また、図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
以上のことは、図24から図39に示す実施形態2において同様である
また、図2に、図1の自動二輪車1の車体カバー10を外した後部右側面を示す。
なお、図1と図2は、後述の実施形態2においても同様に参照される。
すなわち車体前部1Aのヘッドパイプ20からダウンチューブ21が下方へ延出し、ダウンチューブ21は下端で水平に屈曲してフロア部1Cの下方を後方へ延び、図2に示されるようにその後端において車幅方向に配設された連結フレーム23を介して、左右一対のメインパイプ22が連結され、メインパイプ22は連結フレーム23から傾斜部22aをなして斜め後方に立ち上がって、途中、傾斜をゆるめるように屈曲して後方に延びている。
一方、車体前部1Aにおいては、ヘッドパイプ20に軸支されて上方にハンドル14が設けられ、下方にフロントフォーク15が延びてその下端に前輪16が軸支されている。
実施例1Aのパワーユニット3は、その前部が単気筒4ストロークサイクルの空冷式内燃機関(以下、単に「内燃機関」という。)30であり、クランクケース部50aを構成するパワーユニットケース50の前部に、クランク軸51を車幅方向に配して回転自在に軸支し、シリンダ軸Cを略水平に近い状態にまで大きく前傾した姿勢にあって、パワーユニットケース50の下端から前方に突出したハンガアーム52の端部が、メインパイプ22のブラケット24に取付けられたリンク部材25を介して上下揺動自在に連結される。
すなわち、パワーユニット3はいわゆるスイングユニットであり、パワーユニット3の後部の動力伝動ケース部55と、メインパイプ22の後部との間には図示しないリヤクッションが介装されている。
一方、シリンダヘッド32の下部から下方に延出した排気管38は、後方へ屈曲し右側に偏って後方に延びて後輪17の右側のマフラ39に接続される。
パワーユニット3における内燃機関30は、シリンダブロック31、シリンダヘッド32、シリンダヘッドカバー33の左半面の断面が示され、パワーユニットケース50は、左ケース半体50Lが、図示しない右ケース半体との合わせ面50bを図示手前に向けて示される。
減速ギヤ機構57は、動力伝達ケース部55の後部の右側開放面55Rの内部に収納され、図示しない減速機ケースにより覆われる。減速ギヤ機構57の出力軸は、後輪17の後車軸56である。
而して、内燃機関30のクランクケース部50aのクランク軸51の回転動力は、動力伝達ケース部55内のベルト式無段変速機と減速ギヤ機構57を介して、後輪17に伝達される。
シリンダブロック31のシリンダボア31a内に摺動自在に嵌合されるピストン34の頂面34aと、頂面34aが対向するシリンダヘッド32の燃焼室天井面32aとの間には燃焼室36が構成される。
シリンダヘッドカバー33内の動弁機構9に動力伝達を行うため、図示しない無端状のカムチェーンが、クランクケース部50a、シリンダブロック31、シリンダヘッド32のクランク軸51方向の一方側に設けられた図示しないカムチェーン室を通って、カム軸91とクランク軸51との間に架設され、カム軸91はクランク軸51に同期して1/2の回転速度で回転する。
なお、シリンダヘッド32において前記カムチェーン室と反対側(クランク軸51方向の他方側)から燃焼室36内に向かって図示しない点火プラグが嵌挿されている。
吸気ポート42の上流端は、シリンダヘッド32の上方に向けて開口し、インレットパイプ6と接続して、連続した吸気流路80が構成され、インレットパイプ6の上流側に、スロットルボディ7が接続される。
排気ポート43の下流端は、シリンダヘッド32の下方に向けて開口し、排気管38(図2参照)に連結される。
また、シリンダヘッド32における排気ポート43の湾曲外壁部43aに一体に嵌着された排気弁ガイド45に摺動可能に支持された排気弁47が、排気ポート43の燃焼室36に臨む排気弁口41を開閉する。
すなわち、内燃機関30の吸気ポート42の上流端には、インシュレ−タ61を介してインレットパイプ6が接続して、連続した断面略円形の吸気流路80が構成され、インレットパイプ6の上流側に、スロットルボディ7が接続される。
スロットルボディ7は、内燃機関30の燃焼室36に連なる吸気流路80の一部を構成する断面略円形の吸気路70を有し、その上流側は、コネクティングチューブ85を介して、エアクリーナ装置86(図2参照)に接続している。
図4中V−V矢視による、スロットルボディ7の上流側正面図である図5に示されるように、スロットル弁75はバタフライ式のもので、スロットル弁軸76と、スロットル弁軸76に固定され共に一体的に回転する円盤状の弁体77とを有し、弁体77は、スロットル弁軸76を挟んで二等分されて、一方側の半円盤状の一端側半体77Aと、他方側の半円盤状の他端側半体77Bとからなる。
実施例1Aでは、スロットルボディ7の吸気路70は略水平に配向しており、下端側弁体が一端側半体77Aであり、上端側弁体が他端側半体77Bである。
本発明において「タンブル流路」とは、スロットル弁75低開度時、つまり、内燃機関30低負荷時に燃焼室36にタンブル過流Tを発生させるための吸気の流路である。
また、本明細書において、吸気流路80や吸気路70、スロットル弁75についての「上、下」とは、シリンダ軸線C方向においてシリンダヘッド32ないしシリンダヘッドカバー33方向を「上」、クランク軸51方向を「下」といい、空間上の絶対的な「上、下」の意味ではない。
図5に示されるように、図示上側の主流路80Bと図示下側のタンブル流路80Aとは、インレットパイプ6から吸気ポート42へ縦通し仕切部81により、スロットル弁75の下流側の吸気流路80を図示上下に区画することで、各々断面略半円状に画成される。
なお、仕切部81の吸気流路80幅方向の面とスロットル弁軸76とは平行である。
なお、インレットパイプ6には、主流路80Bに上方外部から貫通して、吸気弁口40に向けて燃料を噴射供給するように配置された燃料噴射弁87が取り付けられる。
本実施形態では、インレットパイプ6に燃料噴射弁87を配置しているが、シリンダヘッド32、あるいは、シリンダブロック31に燃料噴射弁87を配置し、燃焼室36に燃料を噴射する直噴構造でもよい。
そのため、タンブル流路80Aを流れる吸気を、図4中小矢印が示すように、吸気弁46の傘部46aの上方を通過させたうえで、シリンダボア31a内に流入させことができるため、燃焼室36内においてタンブル渦流Tが発生しやすくすることができる。そのように、タンブル流路80Aは、通過した吸気がタンブル渦流Tを発生させるように構成されている。
上流側端部81aは、図6に実線で示されるように、吸気の流れ方向Fに垂直に直線状に形成されてもよいが、2点鎖線で示されるように、流路幅方向中心83に向けて下流側に凹む切欠き凹部82を有するように形成されてもよい。その場合は、吸気流路80に流入する吸気が仕切部81に当たる面積が徐々に増大するので、吸気の圧力と速度の変化が緩やかになり、流量損失を少なくすることができる。
切欠き凹部82は、実施例1Aのように仕切部81の上流側端部81aがインレットパイプ6内に位置するものに限らず、他の実施例で示されるように吸気ポート42内に位置するものにおいても採用でき同様の効果が得られる。
いずれの場合も、後述の「仕切部奥行き位置L/D」の「L」は、仕切部81の上流側端部81aの流路幅方向中心83からスロットル弁軸76の中心までの吸気流路80の中心軸線X′方向の距離としている。
なお、特許請求の範囲で記載した本発明において、また実施形態で、記載する「徐開」とは、スロットル弁全閉時から内燃機関低負荷時における所定開度までのことであり、低負荷における内燃機関の特性により任意に設定することができる。本実施形態では、スロットル弁全閉時からスロットル開度30%までの領域を想定しているが、その開度に限定されることはない。例えば、運転手の運転特性や道路状況に合わせて、使用頻度の高いスロットル開度に適宜設定してもよい。
全閉位置のスロットル弁75の一端側半体77Aは、吸気流れ方向Fの下流側における吸気路70の内面70aとの当接角αが鋭角であり、スロットル弁75の他端側半体77Bは、吸気流れ方向Fの下流側における吸気路70の内面70aとの当接角βが鈍角である。
鋭角側間隙71Aと鈍角側間隙71Bの直下流部72(図示、黒色部)には強い負圧が生じるとともに、スロットル弁軸76を含むスロットル弁75の下流側範囲に広い負圧域73(図示、点ハッチング部)が発生する。
スロットル弁75徐開時、あるいは内燃機関30の低負荷時に、スロットル弁75を通過し断面面積の大きい流路80Bに流れる吸気の勢いが衰えやすくなり、勢いを失った断面面積の大きい流路80Bに流れた吸気は、スロットル弁75の一端側半体77Aと他端側半体77Bの各端部の直下流部72(図示、黒色部)に発生する負圧に誘引され、上流側に逆流する。
そして、逆流した吸気は、断面面積の小さい流路80A側の一端側半体77Aの直下流部72に発生する負圧に誘引された後、スロットル弁75を通過した吸気とともに断面面積の小さい流路80Aに流れ込み、流路80Aを流れる吸気が増大する。
すなわち、主流路80Bの断面面積をタンブル流路80Aの断面面積より大きく設定すれば、タンブル制御弁(TCV)を設けることなく、燃焼室36内のタンブル渦流Tを強化することができるものとなる。また、内燃機関30の吸気構造の装置構成を簡素化でき、タンブル制御弁(TCV)を設ける場合に比べ、部品点数が低減し、コストを削減できるものとなる。
図9は、図8中IX−IX矢視に相当する、吸気路70を上方から見たときの、吸気の流れを模式的に示すものである。
図10は、図8中X−X矢視に相当する、吸気路70を下方から見たときの、吸気の流れを模式的に示すものである。
図中、実線の矢印は、スロットル弁75の上流側において吸気路70の中心軸線Xより図8図示下方、すなわち一端側半体77A側を流れて来た吸気の流れを示し、破線の矢印は、スロットル弁75の上流側において吸気路70の中心軸線Xより図8図示上方、すなわち他端側半体77B側を流れて来た吸気の流れを示す。
また、図9に示される通り、スロットル弁75の他端側半体77Bの鈍角側間隙71Bを通過する吸気は、発散する流れfbを生じることが分かった。
その傾向は、スロットル弁75の下流側に仕切部81を挿入しても変わらないことが分かった。
図11に示されるように、吸気路70と吸気流路80とは、その中心軸線Xと中心軸線X′とを一致させて連続しており、本実施形態では吸気路70の中心軸線Xより図示下側の鋭角側間隙71A側、すなわちスロットル弁75の一端側半体77A側に位置させた仕切部81によって、吸気流路80を図示下側のタンブル流路80Aと図示上側の主流路80Bとに仕切り、スロットル弁75徐開時の吸気流の分布を確認した。
なお、仕切部81をあまり上方に配置して上記比A:Bを大きくし過ぎるか、あまり下方に配置して上記比A:Bを小さくし過ぎると、タンブル流路流量比率(fA/fT)が低下することも判明した。
また、スロットル弁75の前後の吸気流路80や吸気路70に特に障壁やガイドを設ける必要がないため、内燃機関30の高負荷時にはスロットル弁75の開度に応じて吸気を支障なく主流路80Bとタンブル流路80Aとに導くことが可能である。
そのように、吸気流路80の湾曲外周側に主流路80Bを設けることにより、吸気流路80の湾曲外周側をタンブル流路80Aにする場合に比べ、燃料噴射弁87と仕切部81との距離を大きくとることができ、燃料噴射弁87からの燃料に仕切部81が干渉し難くなっている。
また、インレットパイプ6の上流端6aから下流側に向けて、径方向外側に漸次拡径するテーパ部6bが形成されている。
径Dと径Dpの差により、吸気流路80中に仕切部が加えられることによる流路断面面積の変化を抑制することができる。
また、上流端から下流側に向けて、径方向外側に漸次拡径するテーパ部6bにより、インレットパイプ6内の流路断面面積を大きくすることで、仕切部81が加えられることによる流路断面面積の変化を抑制することができる。
本実施形態では、テーパ角度θtは、3.5度が良好で、5度以下としているが、仕切部81の構造に合わせて適宜変更可能である。
Hは、「仕切り高さ」であり、仕切部81の上流側端部81a近傍における吸気流路80の中心軸線X′から仕切部81のタンブル流路80A側の面までの距離である。
Lは、「仕切部奥行き」であり、スロットル弁軸76中心から仕切部81の上流側端部81aの流路幅方向中心83(図6参照)までの、吸気流路80の中心軸線X′方向の距離である。なお、当該部の中心軸線X′が湾曲している場合は、湾曲に沿った距離を採る。
Vは、スロットル弁75の開度(スロットル開度)を示し、全閉状態(0%)から全開状態(100%)までの、開いた割合(%)を示す。
すなわち、自動二輪車1の市街地走行の燃費測定モードでは、通常、内燃機関の低負荷時、スロットル弁の徐開時に相当するスロットル開度0〜約30%が用いられることから、その中間領域のスロットル開度15%を代表開度として、スロットル開度15%時の燃焼室36内のタンブル渦流Tが強化される条件を求めた。
本発明者らは、タンブル流路流量比率(fA/fT)が63%以上で、タンブル比TRが1.2以上となり、急速燃焼し、燃費効果を図ることができることを踏まえ、タンブル流路流量比率(fA/fT)=63%以上を目標値として、スロットルボアDが24φ(直径24mm)、48φ(直径48mm)、80φ(直径80mm)についてCFD(computational fluid dynamics: 数値流体力学)解析を行い、以下に述べるように、好ましいL/D、H/D、A/Sth、A/(A+B)の範囲を見出した。
「L」、「D」、「fA」、「fT」は、図12に示し、上述したものである。
図示されるように、スロットルボアD80φの線が、「L/D:仕切部奥行き位置」の1.57を上限値として、最小値0.0との間の範囲全域において、「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超えることを示しており、その範囲において好ましくタンブル渦流Tが強化される。
スロットルボアD48φの線は、最小値0.0〜「L/D」の上限値1.85の範囲において、
スロットルボアD24φの線は、最小値0.0〜「L/D」の上限値2.17の範囲において、全域で「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超え、その範囲において、タンブル渦流Tがより好ましく強化される。
図14に示すように、横軸にスロットルボアD(単位:mm)を取り、縦軸に「L/D:仕切部奥行き位置」を取って、上記のスロットルボアD24φ、48φ、80φ毎の、(L/D)の上限値(L/D)maxをプロットした。
その上で、上限値(L/D)maxの3点から、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、(L/D)の上限値(L/D)maxを算出する「式7」を、下記のように割り出した。
(L/D)max=0.00008D2−0.0192D+2.58 ………(式7)
したがって、一般的に、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超え、タンブル渦流Tがより好ましく強化されるために採るべき「L/D:仕切部奥行き位置」の範囲を「タンブル渦流強化成立範囲」とすると、
タンブル渦流強化成立範囲を示す上限値(L/D)maxが、式7から得られる。
(L/D)の下限値は、流体力学的には最小値0.0となる。
すなわち、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「L/D:仕切部奥行き位置」を、式7で算出される上限値(H/D)maxと、最小値0.0との間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル渦流Tが強化される。
また、スロットルボアD(mm)は、製造上の下限値Dminがあり、その場合、上記タンブル渦流強化成立範囲は、Dmin以上において求められる。
仮に、スロットルボアDに関わらず、Lmin=6mmとした場合、構造的制約による「L/D」の下限値(L/D)minは、(Lmin/D)=6/Dとなり、スロットルボアD80φで0.08、スロットルボアD48φで0.13、スロットルボアD24φで0.25、となる。
しかし、構造的制約による「L/D」の下限値は、流体力学的な下限値ではなく、構造上の条件によって変化する設計上の値である。つまり、「L/D」の下限値は、スロットルボディ7の弁体77が回動する際に、弁体77が仕切部81に干渉しない範囲の内「L/D」が最小となる値のことである。
そして、断面面積の大きい主流路80Bを逆流した吸気は、タンブル流路80A側の直下流部72に発生する負圧に誘引された後、スロットル弁75を通過した吸気とともにタンブル流路80Aに流れ込み、タンブル流路80Aを流れる吸気が増大する。
したがって、タンブル制御弁(TCV)を設けることなく単一のスロットル弁75によって、主流路80Bの断面面積Bをタンブル流路80Aの断面面積Aより大きく設定することで、一旦主流路80Bに流れた吸気をタンブル流路80Aに導くことができ、燃焼室36内のタンブル渦流Tを強化することができる。また、装置構成を簡素化でき、タンブル制御弁を設ける場合に比べ、部品点数が低減し、コストを削減することができる。
「H」、「D」、「fA」、「fT」は、図12に示し、上述したものである。
図示されるように、スロットルボアD80φの線が、(H/D)の0.047を下限値とし、0.405を上限値として、その間の範囲全域において、「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超えることを示しており、その範囲において好ましくタンブル渦流Tが強化される。
スロットルボアD48φの線は、(H/D)の下限値0.060〜上限値0.395の範囲において、
スロットルボアD24φの線は、(H/D)の下限値0.133〜上限値0.365の範囲において、全域で「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超え、その範囲において、タンブル渦流Tがより好ましく強化される。
図16に示すように、横軸にスロットルボアD(単位:mm)を取り、縦軸に「H/D:仕切部高さ位置」を取って、上記のスロットルボアD24φ、48φ、80φ毎の、(H/D)の上限値(H/D)maxと下限値(H/D)minをプロットした。
その上で、上限値(H/D)maxの3点から、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部高さ位置:H/Dの上限値(H/D)maxを算出する「式1」を、下記のように割り出した。
(H/D)max=−0.00002D2+0.0025D+0.31 ………(式1)
同様にして、下限値(H/D)minの3点から、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部高さ位置:H/Dの下限値(H/D)minを算出する「式2」を、下記のように割り出した。
(H/D)min=0.00005D2−0.0064D+0.26 ………(式2)
したがって、一般的に、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超え、タンブル渦流Tがより好ましく強化されるために採るべき「H/D:仕切部高さ位置」の範囲を「タンブル渦流強化成立範囲」とすると、タンブル渦流強化成立範囲を示す上限値(H/D)maxと下限値(H/D)minが、式1、式2から得られる。
すなわち、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「H/D:仕切部高さ位置」を、式1、式2で算出される上限値(H/D)maxと、下限値(H/D)minとの間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル渦流Tが強化される。
なお、スロットルボアD(mm)は、製造上の下限値Dminがあり、その場合、上記タンブル渦流強化成立範囲は、Dmin以上において求められる。
また、スロットルボアが楕円形状あるいは長円形状の場合は、スロットル弁軸76の中心を通り、スロットル弁軸76に垂直で吸気路70の上下の内面70aに直交する、上下の内面70a間の距離をスロットルボアD(単位:mm)とする。
「A」、「Sth」、「fA」、「fT」は、図12に示し、上述したものである。
図示されるように、スロットルボアD80φの線が、「A/Sth」の3.7%を下限値として、46.5%を上限値として、その間の範囲全域において、「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超えることを示しており、その範囲において好ましくタンブル渦流Tが強化される。
スロットルボアD48φの線は、(A/Sth)の下限値5.0%〜上限値44.6%の範囲において、
スロットルボアD24φの線は、(A/Sth)の下限値9.0%〜上限値35.5%の範囲において、全域で「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超え、その範囲におい、タンブル渦流Tがより好ましく強化される。
図18に示すように、横軸にスロットルボアD(単位:mm)を取り、縦軸に「A/Sth:スロットルボア断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」を取って、上記のスロットルボアD24φ、48φ、80φ毎の、(A/Sth)の上限値(A/Sth)maxと下限値(A/Sth)minをプロットした。
その上で、上限値(A/Sth)maxの3点から、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、(A/Sth)の上限値(A/Sth)maxを算出する「式3」を、下記のように割り出した。
(A/Sth)max=−0.006D2+0.79D+19.82 ………(式3)
同様にして、下限値(A/Sth)minの3点から、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、(A/Sth)の下限値(A/Sth)minを算出する「式4」を、下記のように割り出した。
(A/Sth)min=0.002D2−0.33D+15.59 ………(式4)
したがって、一般的に、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超え、タンブル渦流Tがより好ましく強化されるために採るべき「A/Sth:スロットルボア断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」の範囲を「タンブル渦流強化成立範囲」とすると、タンブル渦流強化成立範囲を示す上限値(A/Sth)maxと下限値(A/Sth)minが、式3、式4から得られる。
すなわち、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「A/Sth:スロットルボア断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」を、式3、式4で算出される上限値(A/Sth)maxと、下限値(A/Sth)minとの間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル渦流Tが強化される。
なお、スロットルボアD(mm)は、製造上の下限値Dminがあり、その場合、上記タンブル渦流強化成立範囲は、Dmin以上において求められる。
「A」、「B」、「fA」、「fT」は、図12に示し、上述したものである。
図示されるように、スロットルボアD80φの線が、「A/(A+B)」の3.3%を下限値として、44.0%を上限値として、その間の範囲全域において、「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超えることを示しており、その範囲において好ましくタンブル渦流Tが強化される。
スロットルボアD48φの線は、「A/(A+B)」の下限値4.6%〜上限値45.0%の範囲において、
スロットルボアD24φの線は、「A/(A+B)」の下限値8.6%〜上限値38.7%の範囲において、全域で「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超え、その範囲において、タンブル渦流Tがより好ましく強化される。
図20に示すように、横軸にスロットルボアD(単位:mm)を取り、縦軸に「A/(A+B):全流路断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」を取って、上記のスロットルボアD24φ、48φ、80φ毎の、(A/(A+B))の上限値(A/(A+B))maxと下限値(A/(A+B))minをプロットした。
その上で、上限値(A/(A+B))maxの3点から、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、(A/(A+B))の上限値(A/(A+B))maxを算出する「式5」を、下記のように割り出した。
(A/(A+B))max=−0.0052D2+0.6402D+26.35 …(式5)
同様にして、下限値(A/(A+B))minの3点から、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、(A/(A+B))の下限値(A/(A+B))minを算出する「式6」を、下記のように割り出した。
(A/(A+B))min=0.0023D2−0.3287D+15.19 ……(式6)
したがって、一般的に、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超え、タンブル渦流Tがより好ましく強化されるために採るべき「A/(A+B):全流路断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」の範囲を「タンブル渦流強化成立範囲」とすると、タンブル渦流強化成立範囲を示す上限値(A/(A+B))maxと下限値(A/(A+B))minが、式5、式6から得られる。
すなわち、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「A/(A+B):全流路断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」を、式5、式6で算出される上限値(A/(A+B))maxと、下限値(A/(A+B))minとの間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル渦流Tが強化される。
なお、スロットルボアD(mm)は、製造上の下限値Dminがあり、その場合、上記タンブル渦流強化成立範囲は、Dmin以上において求められる。
例えば、図21に示されるようなシリンダ軸線Cの立ち上がった内燃機関、所謂縦型の内燃機関130を備えた車載用のパワーユニット103においても本発明に係る内燃機関の吸気構造は同様な効果を奏して適用される。
それを、実施例1Bとして以下説明する。
本実施例1Bにおいては、内燃機関130はSOHC型式の2バルブシステムを採用している。
パワーユニットケース150の後部には、クランク軸51と平行なメイン軸158a、カウンタ軸158bを有するギヤ変速装置158が備えられ、カウンタ軸158bが出力軸となっている。
インレットパイプ6、吸気ポート42内の吸気流路80には、実施例1Aと同様に仕切部81が設けられ、スロットル弁75の下端側弁体が、一端側半体77Aであり、一端側半体77Aの下流側にタンブル流路80Aが位置している。すなわちタンブル流路80Aは、吸気流路80の下側に配置されている。
したがって、本実施例1Bにおいても図21に図示のように、実施例1Aと同様の本発明の内燃機関の吸気構造が備えられ、同様の作用効果を奏することができる。
それを、実施例1Cとして以下説明する。
本実施例1Cにおいて内燃機関230は、WOHC型式である。
パワーユニットケース250の後部には、クランク軸51と平行なメイン軸258a、カウンタ軸258bを有するギヤ変速装置258が備えられ、カウンタ軸258bが出力軸となっている。
突出した吸気ポート42内の吸気流路80は吸気流れ方向Fに沿って仕切部81で仕切られ、主流路80Bは下側に、タンブル流路80Aは上側に配置されている。
本実施例1Cでは、スロットル弁75の上端側弁体が一端側半体77Aであり、一端側半体77Aの下流側にタンブル流路80Aが位置している。
したがって、実施例1Cにおいても図22に図示のように、実施例1Aと同様の本発明の実施形態1の内燃機関の吸気構造が備えられ、同様の作用効果を奏することができる。
それを、実施例1Dとして以下説明する。
本実施例1Dにおいて内燃機関330は、WOHC型式である。
パワーユニットケース350の後部には、クランク軸51と平行なメイン軸358a、カウンタ軸358bを有するギヤ変速装置358が備えられ、カウンタ軸358bが出力軸となっている。
突出した吸気ポート42内の吸気流路80は吸気流れ方向Fに沿って仕切部81で仕切られ、タンブル流路80Aが下側に、主流路80Bが上側に配置されている。
本実施例1Dでは、スロットル弁75の下端側弁体が一端側半体77Aであり、一端側半体77Aの下流側にタンブル流路80Aが位置している。
したがって、実施例1Dにおいても図23に図示のように、実施例1Aと同様の本発明の実施形態1の内燃機関の吸気構造が備えられ、同様の作用効果を奏することができる。
また、インレットパイプ6を設けることなく吸気ポート42内にのみ仕切部81が設けられるものにも本発明は構成され得、燃料噴射弁87はそれによって適宜位置に設けられる。
図1は、本発明の実施形態2の内燃機関の吸気構造を備えた実施例2Aのパワーユニット3を搭載した自動二輪車1の右側面も、実施形態1と同様に示すものである。
また、図2は、図1の自動二輪車1の車体カバー10を外した後部右側面を示すものであり、本実施形態2に於いても参照される。
したがって、実施形態1に於けるものと同様な部分には、実施形態1と同じ符号を付し、説明を省略し、あるいは簡略とし、異なる部分には、対応する実施形態1における部分と符号の下二桁を同じくする500番台の符号を付して説明する。
図24は、図2のパワーユニット3を取出して、図2に示すと略同じ配向により示す、パワーユニット3の側面断面図である。
図24においては、図示されるように、スロットル弁575、スロットル弁軸576、弁体577が、図3に示される実施形態1におけるスロットル弁75、スロットル弁軸76、弁体77と異なるだけで、他の部分の構造配置は同様である。
したがって、実施形態1と異なるスロットル弁575、スロットル弁軸576、弁体577に関しては後述し、図24を参照した上記の他の部分の説明は省略する。
吸気ポート42の上流端は、シリンダヘッド32の上方に向けて開口し、インレットパイプ6と接続して、連続した吸気流路80が構成され、インレットパイプ6の上流側に、スロットルボディ7が接続される。
排気ポート43の下流端は、シリンダヘッド32の下方に向けて開口し、排気管38(図2参照)に連結される。
また、シリンダヘッド32における排気ポート43の湾曲外壁部43aに一体に嵌着された排気弁ガイド45に摺動可能に支持された排気弁47が、排気ポート43の燃焼室36に臨む排気弁口41を開閉する。
すなわち、内燃機関30の吸気ポート42の上流端には、インシュレ−タ61を介してインレットパイプ6が接続して、連続した断面略円形の吸気流路80が構成され、インレットパイプ6の上流側に、スロットルボディ7が接続される。
スロットルボディ7は、内燃機関30の燃焼室36に連なる吸気流路80の一部を構成する断面略円形の吸気路70を有し、その上流側は、コネクティングチューブ85を介して、エアクリーナ装置86(図2参照)に接続している。
実施形態2のスロットルボディ7の上流側正面は、後述のように弁体577の回転方向が異なること以外、実施形態1の図5に示されると同様であり、スロットル弁575はバタフライ式のもので、スロットル弁軸576と、スロットル弁軸576に固定され共に一体的に回転する円盤状の弁体577とを有し、弁体577は、スロットル弁軸576を挟んで二等分されて、一方側の半円盤状の一端側半体577Aと、他方側の半円盤状の他端側半体577Bとからなる(図5中において、カギカッコ内に符号を示す)。
本実施例2Aでは、スロットルボディ7の吸気路70は略水平に配向しており、下端側弁体が一端側半体577Aであり、上端側弁体が他端側半体577Bである
本発明において「タンブル流路」とは、スロットル弁575低開度時、つまり、内燃機関30低負荷時に燃焼室36にタンブル過流Tを発生させるための吸気の流路である。
また、本明細書において、吸気流路80や吸気路70、スロットル弁575についての「上、下」とは、シリンダ軸線C方向においてシリンダヘッド32ないしシリンダヘッドカバー33方向を「上」、クランク軸51方向を「下」といい、空間上の絶対的な「上、下」の意味ではない。
図示上側の主流路80Bと図示下側のタンブル流路80Aとは、インレットパイプ6から吸気ポート42へ縦通し仕切部81により、図5に示されると同様に、スロットル弁575の下流側の吸気流路80を図示上下に区画することで、各々断面略半円状に画成される。
なお、仕切部81の吸気流路80幅方向の面とスロットル弁軸576とは平行である。
なお、インレットパイプ6には、主流路80Bに上方外部から貫通して、吸気弁口40に向けて燃料を噴射供給するように配置された燃料噴射弁87が取り付けられる。
本実施例2Aでは、インレットパイプ6に燃料噴射弁87を配置しているが、シリンダヘッド32、あるいは、シリンダブロック31に燃料噴射弁87を配置し、燃焼室36に燃料を噴射する直噴構造でもよい。
そのため、タンブル流路80Aを流れる吸気を、図25中小矢印が示すように、吸気弁46の傘部46aの上方を通過させたうえで、シリンダボア31a内に流入させことができるため、燃焼室36内においてタンブル渦流Tが発生しやすくすることができる。そのように、タンブル流路80Aは、通過した吸気がタンブル渦流Tを発生させるように構成されている。
なお、特許請求の範囲で記載した本発明において、また実施形態で、記載する「徐開」とは、スロットル弁全閉時から内燃機関低負荷時における所定開度までのことであり、低負荷における内燃機関の特性により任意に設定することができる。本実施形態2では、スロットル弁全閉時からスロットル開度30%までの領域を想定しているが、その開度に限定されることはない。例えば、運転手の運転特性や道路状況に合わせて、使用頻度の高いスロットル開度に適宜設定してもよい。
全閉位置のスロットル弁575の一端側半体577Aは、吸気流れ方向Fの下流側における吸気路70の内面70aとの当接角α′が鈍角であり、スロットル弁575の他端側半体577Bは、吸気流れ方向Fの下流側における吸気路70の内面70aとの当接角β′が鋭角である。言い換えれば、スロットル弁575は傾斜しており、スロットル弁575の一端側半体577Aは、吸気路70の下流側に位置し、スロットル弁575の他端側半体577Bは、吸気路70の上流側に位置する。
鈍角側間隙571Aと鋭角側間隙571Bの直下流部72(図示、黒色部)には強い負圧が生じるとともに、スロットル弁軸576を含むスロットル弁575の下流側範囲に広い負圧域73(図示、点ハッチング部)が発生する。
すなわち、図27に示されるように、スロットル弁575の下流側の吸気流路80を、吸気流れ方向Fに沿ってスロットル弁軸576と平行な面を有する仕切部81により、断面面積が大、小となる二つの流路80B、80Aに仕切り、断面面積が大きい側の流路80Bを他端側半体577Bの下流側に、断面面積の小さい側の流路80Aを一端側半体577Aの下流側に配置すると、
スロットル弁575徐開時、あるいは内燃機関30の低負荷時に、スロットル弁575を通過し断面面積の大きい流路80Bに流れる吸気の勢いが衰えやすくなり、勢いを失った断面面積の大きい流路80Bに流れた吸気は、スロットル弁575の一端側半体577Aと他端側半体577Bの各端部の直下流部72(図示、黒色部)に発生する負圧に誘引され、上流側に逆流する。
そして、逆流した吸気は、断面面積の小さい流路80A側の一端側半体577Aの直下流部72に発生する負圧に誘引された後、スロットル弁575を通過した吸気とともに断面面積の小さい流路80Aに流れ込み、流路80Aを流れる吸気が増大する。
すなわち、主流路80Bの断面面積をタンブル流路80Aの断面面積より大きく設定すれば、タンブル制御弁(TCV)を設けることなく、燃焼室36内のタンブル渦流Tを強化することができるものとなる。
そのように、全閉時のスロットル弁575の一端側半体577Aが下流側の吸気路70の内面70aと鈍角α′をなして接するように配置されたので、スロットル弁575の下流側において一端側半体577Aが、主流路80Bからタンブル流路80Aへ向けて傾斜しており、スロットル弁575徐開時等において、主流路80Bの逆流がタンブル流路80A側に導かれ易くなるとともに、仕切部81を一端側半体577Aに近接することができ、吸気流れ方向Fにおいて、一端側半体577Aから仕切部81までの距離が、他端側半体577Bから仕切部81までの距離より小さい。そのため、一端側半体577Aを通過した吸気がタンブル流路80Aに流入し易く、タンブル流路80Aに流入する吸気を多くすることができる。
本実施形態では、吸気流路80は、スロットルボディ7の吸気路70と、スロットルボディ7の吸気路70より下流側の吸気流路80を備え、スロットルボディ7の吸気路70より下流側の吸気流路80は、インレットパイプ6とシリンダヘッド32の吸気ポート42が相当する。
なお、仕切部81をあまり上方に配置して上記比A:Bを大きくし過ぎるか、あまり下方に配置して上記比A:Bを小さくし過ぎると、タンブル流路流量比率(fA/fT)が低下することも判明した。
また、スロットル弁575の前後の吸気流路80や吸気路70に特に障壁やガイドを設ける必要がないため、内燃機関30の高負荷時にはスロットル弁575の開度に応じて吸気を支障なく主流路80Aとタンブル流路80Bとに導くことが可能である。
そのように、吸気流路80の湾曲外周側に主流路80Bを設けることにより、吸気流路80の湾曲外周側をタンブル流路80Aにする場合に比べ、燃料噴射弁87と仕切部81との距離を大きくとることができ、燃料噴射弁87からの燃料に仕切部81が干渉し難くなっている。
また、インレットパイプ6の上流端6aから下流側に向けて、径方向外側に漸次拡径するテーパ部6bが形成されている。
径Dと径Dpの差により、吸気流路中に仕切部が加えられることによる流路断面面積の変化を抑制することができる。
また、上流端から下流側に向けて、径方向外側に漸次拡径するテーパ部6bにより、インレットパイプ6内の流路断面面積を大きくすることで、仕切部81が加えられることによる流路断面面積の変化を抑制することができる。
本実施形態では、テーパ角度θtは、3.5度が良好で、5度以下としているが、仕切部81の構造に合わせて適宜変更可能である。
Hは、「仕切り高さ」であり、仕切部81の上流側端部81a近傍における吸気流路80の中心軸線X′から仕切部81のタンブル流路80A側の面までの距離である。
Lは、「仕切部奥行き」であり、スロットル弁軸576中心から仕切部81の上流側端部81aの流路幅方向中心83(図6参照)までの、吸気流路80の中心軸線X′方向の距離である。なお、当該部の中心軸線X′が湾曲している場合は、湾曲に沿った距離を採る。
Vは、スロットル弁75の開度(スロットル開度)を示し、全閉状態(0%)から全開状態(100%)までの、開いた割合(%)を示す。
すなわち、自動二輪車1の市街地走行の燃費測定モードでは、通常、内燃機関の低負荷時、スロットル弁の徐開時に相当するスロットル開度0〜約30%が用いられることから、その中間領域のスロットル開度15%を代表開度として、スロットル開度15%時の燃焼室36内のタンブル渦流Tが強化される条件を求めた。
本発明者らは、タンブル流路流量比率(fA/fT)が63%以上で、タンブル比TRが1.2以上となり、急速燃焼し、燃費効果を図ることができることを踏まえ、タンブル流路流量比率(fA/fT)=63%以上を目標値として、多用されるスロットルボアDが24φ(直径24mm)、48φ(直径48mm)、80φ(直径80mm)についてCFD(computational fluid dynamics: 数値流体力学)解析を行い、以下に述べるように、好ましいL/D、H/D、A/Sth、A/(A+B)の範囲を見出した。
「L」、「D」、「fA」、「fT」は、図28に示し、上述したものである。
図示されるように、スロットルボアD80φの線が、「L/D:仕切部奥行き位置」の1.69を上限値として、最小値0.0との間の範囲全域において、「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超えることを示しており、その範囲において好ましくタンブル渦流Tが強化される。
スロットルボアD48φの線は、最小値0.0〜「L/D」の上限値1.80の範囲において、
スロットルボアD24φの線は、最小値0.0〜「L/D」の上限値2.17の範囲において、全域で「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超え、その範囲において、タンブル渦流Tがより好ましく強化される。
図30に示すように、横軸にスロットルボアD(単位:mm)を取り、縦軸に「L/D:仕切部奥行き位置」を取って、上記のスロットルボアD24φ、48φ、80φ毎の、(L/D)の上限値(L/D)maxをプロットした。
その上で、上限値(L/D)maxの3点から、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、(L/D)の上限値(L/D)maxを算出する「式17」を、下記のように割り出した。
(L/D)max=0.0002D2−0.0308D+2.78 …………(式17)
したがって、一般的に、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超え、タンブル渦流Tがより好ましく強化されるために採るべき「L/D:仕切部奥行き位置」の範囲を「タンブル渦流強化成立範囲」とすると、
タンブル渦流強化成立範囲を示す上限値(L/D)maxが、式17から得られる。
(L/D)の下限値は、流体力学的には最小値0.0となる。
すなわち、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「L/D:仕切部奥行き位置」を、式17で算出される上限値(H/D)maxと、最小値0.0との間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル渦流Tが強化される。
また、スロットルボアD(mm)は、製造上の下限値Dminがあり、その場合、上記タンブル渦流強化成立範囲は、Dmin以上において求められる。
仮に、スロットルボアDに関わらず、Lmin=6mmとした場合、構造的制約による「L/D」の下限値(L/D)minは、(Lmin/D)=6/Dとなり、スロットルボアD80φで0.08、スロットルボアD48φで0.13、スロットルボアD24φで0.25、となる。
しかし、構造的制約による「L/D」の下限値は、流体力学的な下限値ではなく、構造上の条件によって変化する設計上の値である。つまり、「L/D」の下限値は、スロットル弁75の弁体77が回動する際に、弁体77が仕切部81に干渉しない範囲の内「L/D」が最小となる値のことである。
そして、断面面積の大きい主流路80Bを逆流した吸気は、タンブル流路80A側の直下流部72に発生する負圧に誘引された後、スロットル弁575を通過した吸気とともにタンブル流路80Aに流れ込み、タンブル流路80Aを流れる吸気が増大する。
したがって、タンブル制御弁(TCV)を設けることなく単一のスロットル弁575によって、主流路80Bの断面面積Bをタンブル流路80Aの断面面積Aより大きく設定することで、一旦主流路80Bに流れた吸気をタンブル流路80Aに導くことができ、燃焼室36内のタンブル渦流Tを強化することができる。また、装置構成を簡素化でき、タンブル制御弁を設ける場合に比べ、部品点数が低減し、コストを削減することができる。
「H」、「D」、「fA」、「fT」は、図28に示し、上述したものである。
図示されるように、スロットルボアD80φの線が、(H/D)の0.068を下限値とし、0.365を上限値として、その間の範囲全域において、「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超えることを示しており、その範囲において好ましくタンブル渦流Tが強化される。
スロットルボアD48φの線は、(H/D)の下限値0.050〜上限値0.361の範囲において、
スロットルボアD24φの線は、(H/D)の下限値0.036〜上限値0.353の範囲において、全域で「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超え、その範囲において、タンブル渦流Tがより好ましく強化される。
図32に示すように、横軸にスロットルボアD(単位:mm)を取り、縦軸に「H/D:仕切部高さ位置」を取って、上記のスロットルボアD24φ、48φ、80φ毎の、(H/D)の上限値(H/D)maxと下限値(H/D)minをプロットした。
その上で、上限値(H/D)maxの3点から、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部高さ位置:H/Dの上限値(H/D)maxを算出する「式11」を、下記のように割り出した。
(H/D)max=−0.000004D2+0.0006D+0.34 ……(式11)
同様にして、下限値(H/D)minの3点から、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部高さ位置:H/Dの下限値(H/D)minを算出する「式12」を、下記のように割り出した。
(H/D)min=−0.0000004D2+0.0006D+0.02 …(式12)
したがって、一般的に、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超え、タンブル渦流Tがより好ましく強化されるために採るべき「H/D:仕切部高さ位置」の範囲を「タンブル渦流強化成立範囲」とすると、タンブル渦流強化成立範囲を示す上限値(H/D)maxと下限値(H/D)minが、式11、式12から得られる。
すなわち、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「H/D:仕切部高さ位置」を、式11、式12で算出される上限値(H/D)maxと、下限値(H/D)minとの間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル渦流Tが強化される。
なお、スロットルボアD(mm)は、製造上の下限値Dminがあり、その場合、上記タンブル渦流強化成立範囲は、Dmin以上において求められる。
また、スロットルボアが楕円形状あるいは長円形状の場合は、スロットル弁軸576の中心を通り、スロットル弁軸576に垂直で吸気路70の上下の内面70aに直交する、上下の内面70a間の距離をスロットルボアD(単位:mm)とする。
「A」、「Sth」、「fA」、「fT」は、図28に示し、上述したものである。
図示されるように、スロットルボアD80φの線が、「A/Sth」の8.5%を下限値として、43.7%を上限値として、その間の範囲全域において、「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超えることを示しており、その範囲において好ましくタンブル渦流Tが強化される。
スロットルボアD48φの線は、(A/Sth)の下限値9.0%〜上限値45.9%の範囲において、
スロットルボアD24φの線は、(A/Sth)の下限値10.0%〜上限値46.2%の範囲において、全域で「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超え、その範囲におい、タンブル渦流Tがより好ましく強化される。
図34に示すように、横軸にスロットルボアD(単位:mm)を取り、縦軸に「A/Sth:スロットルボア断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」を取って、上記のスロットルボアD24φ、48φ、80φ毎の、(A/Sth)の上限値(A/Sth)maxと下限値(A/Sth)minをプロットした。
その上で、上限値(A/Sth)maxの3点から、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、(A/Sth)の上限値(A/Sth)maxを算出する「式13」を、下記のように割り出した。
(A/Sth)max=−0.001D2+0.06D+45.34 ………(式13)
同様にして、下限値(A/Sth)minの3点から、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、(A/Sth)の下限値(A/Sth)minを算出する「式14」を、下記のように割り出した。
(A/Sth)min=0.0005D2−0.08D+11.54 ………(式14)
したがって、一般的に、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超え、タンブル渦流Tがより好ましく強化されるために採るべき「A/Sth:スロットルボア断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」の範囲を「タンブル渦流強化成立範囲」とすると、タンブル渦流強化成立範囲を示す上限値(A/Sth)maxと下限値(A/Sth)minが、式13、式14から得られる。
すなわち、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「A/Sth:スロットルボア断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」を、式13、式14で算出される上限値(A/Sth)maxと、下限値(A/Sth)minとの間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル渦流Tが強化される。
なお、スロットルボアD(mm)は、製造上の下限値Dminがあり、その場合、上記タンブル渦流強化成立範囲は、Dmin以上において求められる。
「A」、「B」、「fA」、「fT」は、図28に示し、上述したものである。
図示されるように、スロットルボアD80φの線が、「A/(A+B)」の7.9%を下限値として、44.7%を上限値として、その間の範囲全域において、「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超えることを示しており、その範囲において好ましくタンブル渦流Tが強化される。
スロットルボアD48φの線は、「A/(A+B)」の下限値8.5%〜上限値45.3%の範囲において、
スロットルボアD24φの線は、「A/(A+B)」の下限値10%〜上限値49%の範囲において、全域で「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超え、その範囲において、タンブル渦流Tがより好ましく強化される。
図36に示すように、横軸にスロットルボアD(単位:mm)を取り、縦軸に「A/(A+B):全流路断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」を取って、上記のスロットルボアD24φ、48φ、80φ毎の、(A/(A+B))の上限値(A/(A+B))maxと下限値(A/(A+B))minをプロットした。
その上で、上限値(A/(A+B))maxの3点から、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、(A/(A+B))の上限値(A/(A+B))maxを算出する「式15」を、下記のように割り出した。
(A/(A+B))max=0.0024D2−0.3283D+55.48 …(式15)
同様にして、下限値(A/(A+B))minの3点から、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、(A/(A+B))の下限値(A/(A+B))minを算出する「式16」を、下記のように割り出した。
(A/(A+B))min=0.0008D2−0.1187D+12.4 ……(式16)
したがって、一般的に、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「タンブル流路流量比率(fA/fT)」が目標値63%を超え、タンブル渦流Tがより好ましく強化されるために採るべき「A/(A+B):全流路断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」の範囲を「タンブル渦流強化成立範囲」とすると、タンブル渦流強化成立範囲を示す上限値(A/(A+B))maxと下限値(A/(A+B))minが、式15、式16から得られる。
すなわち、スロットルボアD(単位:mm)に対応して、「A/(A+B):全流路断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%)」を、式15、式16で算出される上限値(A/(A+B))maxと、下限値(A/(A+B))minとの間の範囲内に設定することにより、タンブル流路流量比率(fA/fT)が増大し、好ましくタンブル渦流Tが強化される。
なお、スロットルボアD(mm)は、製造上の下限値Dminがあり、その場合、上記タンブル渦流強化成立範囲は、Dmin以上において求められる。
例えば、図37に示されるようなシリンダ軸線Cの立ち上がった内燃機関、所謂縦型の内燃機関630を備えた車載用のパワーユニット603においても本発明に係る内燃機関の吸気構造は同様な効果を奏して適用される。
それを、実施例2Bとして以下説明する。
本実施形態2においては、内燃機関630はSOHC型式の2バルブシステムを採用している。
パワーユニットケース650の後部には、クランク軸51と平行なメイン軸658a、カウンタ軸658bを有するギヤ変速装置658が備えられ、カウンタ軸658bが出力軸となっている。
インレットパイプ6、吸気ポート42内の吸気流路80には、実施例2Aと同様に仕切部81が設けられ、スロットル弁575の下端側弁体が、一端側半体577Aであり、一端側半体577Aの下流側にタンブル流路80Aが位置している。すなわちタンブル流路80Aは、吸気流路80の下側に配置されている。
したがって、実施例2Bにおいても図37に図示のように、実施例2Aと同様の本発明の内燃機関の吸気構造が備えられ、同様の作用効果を奏することができる。
それを、実施例2Cとして以下説明する。
実施例2Cにおいて内燃機関730は、WOHC型式である。
パワーユニットケース750の後部には、クランク軸51と平行なメイン軸758a、カウンタ軸758bを有するギヤ変速装置758が備えられ、カウンタ軸758bが出力軸となっている。
突出した吸気ポート42内の吸気流路80は吸気流れ方向Fに沿って仕切部81で仕切られ、主流路80Bは下側に、タンブル流路80Aは上側に配置されている。
実施例2Cでは、スロットル弁575の上端側弁体が一端側半体577Aであり、一端側半体577Aの下流側にタンブル流路80Aが位置している。
したがって、実施例2Cにおいても図38に図示のように、実施例2Aと同様の本発明の内燃機関の吸気構造が備えられ、同様の作用効果を奏することができる。
それを、実施例2Dとして以下説明する。
実施例2Dにおいて内燃機関830は、WOHC型式である。
パワーユニットケース850の後部には、クランク軸51と平行なメイン軸858a、カウンタ軸858bを有するギヤ変速装置858が備えられ、カウンタ軸858bが出力軸となっている。
突出した吸気ポート42内の吸気流路80は吸気流れ方向Fに沿って仕切部81で仕切られ、タンブル流路80Aが下側に、主流路80Bが上側に配置されている。
実施例2Dでは、スロットル弁575の下端側弁体が一端側半体577Aであり、一端側半体577Aの下流側にタンブル流路80Aが位置している。
したがって、実施例2Dにおいても図39に図示のように、実施例2Aと同様の本発明の内燃機関の吸気構造が備えられ、同様の作用効果を奏することができる。
また、インレットパイプ6を設けることなく吸気ポート42内にのみ仕切部81が設けられるものにも本発明は構成され得、燃料噴射弁87はそれによって適宜位置に設けられる。
なお、説明の便宜上、図示の実施例の左右配置のものについて説明したが、左右配置の異なるものであっても、発明の要旨の範囲であれば本発明に含まれる。
Claims (34)
- 内燃機関(30)の燃焼室(36)に連なる吸気流路(80)の一部を構成する吸気路(70)を有するスロットルボディ(7)と、同スロットルボディ(7)内に設けられたスロットル弁(75,575)とを備え、
前記吸気流路(80)は、前記スロットル弁(75,575)より下流側で、仕切部(81)により、通った吸気が前記燃焼室(36)内でタンブル流を発生するように構成されたタンブル流路(80A)と同タンブル流路(80A)を除く主流路(80B)とに仕切られ、
燃料噴射弁(87)によって燃料が噴射供給される内燃機関の吸気構造において、
前記主流路(80B)の断面面積が、前記タンブル流路(80A)の断面面積より大きく形成されて、
前記スロットル弁(75,575)は、前記吸気路(70)の中心軸線(X)に対し垂直に交差して配向されたスロットル弁軸(76,576)により前記スロットルボディ(7)内に回転自在に軸支されたバタフライ式の弁であり、同スロットル弁(75,575)の弁体(77,577)は、前記スロットル弁軸(76,576)を挟んで二等分されて一端側半体(77A,577A)と他端側半体(77B,577B)とを有し、
前記スロットル弁(75,575)の徐開位置において、吸気が前記一端側半体(77A,577A)と前記吸気路(70)の内面(70a)との間に形成される間隙、および前記他端側半体(77B,577B)と前記吸気路(70)の内面(70a)との間に形成される間隙を通り、
前記スロットル弁(75,575)の下流側に同スロットル弁(75,575)が徐開位置にあるときの吸気の前記主流路(80B)と前記タンブル流路(80A)に流れる割合を変更させる吸気割合可変部材を設けないことを特徴とする内燃機関の吸気構造。 - 前記スロットル弁軸(76)に垂直で前記吸気路(70)の中心軸線(X)に沿った断面視で、全閉時の前記スロットル弁(75)の前記一端側半体(77A)が下流側の前記吸気路(70)の内面(70a)と鋭角(α)をなして接し、同スロットル弁(75)の前記他端側半体(77B)が下流側の同吸気路(70)の内面(70a)と鈍角(β)をなして接し、
前記一端側半体(77A)の下流側に前記吸気流路(80)の前記タンブル流路(80A)が位置し、前記他端側半体(77B)の下流側に前記吸気流路(80)の前記主流路(80B)が位置することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(75)の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)とし、前記仕切部(81)に直交し前記吸気流路(80)の中心軸線(X′)に沿った断面視で、同吸気流路(80)の中心軸線(X′)と前記仕切部(81)の前記タンブル流路(80A)側の面との距離を仕切り高さH(単位:mm)とした時に、
H/Dが、
式1:(H/D)max=−0.00002D2+0.0025D+0.31
式2:(H/D)min=0.00005D2−0.0064D+0.26
で算出される上限値(H/D)maxと、下限値(H/D)minとの間の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(75)の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)、吸気路断面面積をスロットルボア断面面積Sthとし、前記タンブル流路(80A)の断面面積をAとした時に、
A/Sth(スロットルボア断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%))が、
式3:(A/Sth)max=−0.006D2+0.79D+19.82
式4:(A/Sth)min=0.002D2−0.33D+15.59
で算出される上限値(A/Sth)maxと、下限値(A/Sth)minとの間の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(75)の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)、前記タンブル流路(80A)の断面面積をAとし、前記主流路(80B)の断面面積をBとした時に、
A/(A+B)(全流路断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%))が、
式5:(A/(A+B))max=−0.0052D2+0.6402D+26.35
式6:(A/(A+B))min=0.0023D2−0.3287D+15.19
で算出される上限値(A/(A+B))maxと、下限値(A/(A+B))minとの間の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(75)の位置での径をスロットルボアD、前記仕切部(81)の上流側端部(81a)の流路幅方向中心(83)から前記スロットル弁軸(76)の中心までの前記吸気流路(80)の中心軸線(X′)方向の距離をL(単位:mm)とした時に、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部奥行き位置L/Dが、
式7:(L/D)max=0.00008D2−0.0192D+2.58
で算出される上限値(L/D)maxと、最小値0.0との間の範囲内であることを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記仕切部(81)の上流側端部(81a)に、下流側に凹む切欠き凹部(82)が形成されたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の内燃機関の吸気構造。
- 前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(75)の位置での径Dより、同スロットルボディ(7)の下流側に接続するインレットパイプ(6)の吸気流路(80)の径Dpが大きいことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の内燃機関の吸気構造。
- 前記インレットパイプ(6)の上流端(6a)から下流側に向けて、径方向外側に漸次拡径するテーパ部(6b)が形成されたことを特徴とする請求項8に記載の内燃機関の吸気構造。
- 前記タンブル流路(80A)が、湾曲した前記吸気流路(80)の湾曲内周側に設けられるとともに、前記主流路(80B)が、湾曲した前記吸気流路(80)の湾曲外周側に設けられ、前記スロットルボディ(7)の下流側に接続するインレットパイプ(6)における前記主流路(80B)の湾曲径方向の高さHBは、前記インレットパイプ(6)における前記タンブル流路(80A)の湾曲径方向の高さHAより大きく形成され、前記燃料噴射弁(87)が前記主流路(80B)側に配置されたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の内燃機関の吸気構造。
- 前記スロットル弁軸(576)に垂直で前記吸気路(70)の中心軸線(X)に沿った断面視で、全閉時の前記スロットル弁(575)の前記一端側半体(577A)が下流側の前記吸気路(70)の内面(70a)と鈍角(α′)をなして接し、同スロットル弁(575)の前記他端側半体(577B)が下流側の同吸気路(70)の内面(70a)と鋭角(β′)をなして接し、
前記一端側半体(577A)の下流側に前記吸気流路(80)の前記タンブル流路(80A)が位置し、前記他端側半体(577B)の下流側に前記吸気流路(80)の前記主流路(80B)が位置することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(575)の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)とし、前記仕切部(81)に直交し前記吸気流路(80)の中心軸線(X′)に沿った断面視で、同吸気流路(80)の中心軸線(X′)と前記仕切部(81)の前記タンブル流路(80A)側の面との距離を仕切り高さH(単位:mm)とした時に、
H/Dが、
式11:(H/D)max=−0.000004D2+0.0006D+0.34
式12:(H/D)min=−0.0000004D2+0.0006D+0.02
で算出される上限値(H/D)maxと、下限値(H/D)minとの間の範囲内であることを特徴とする請求項11に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(575)の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)、吸気路断面面積をスロットルボア断面面積Sthとし、前記タンブル流路(80A)の断面面積をAとした時に、
A/Sth(スロットルボア断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%))が、
式13:(A/Sth)max=−0.001D2+0.06D+45.34
式14:(A/Sth)min=0.0005D2−0.08D+11.54
で算出される上限値(A/Sth)maxと、下限値(A/Sth)minとの間の範囲内であることを特徴とする請求項11に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(575)の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)、前記タンブル流路(80A)の断面面積をAとし、前記主流路(80B)の断面面積をBとした時に、
A/(A+B)(全流路断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%))が、
式15:(A/(A+B))max=0.0024D2−0.3283D+55.48
式16:(A/(A+B))min=0.0008D2−0.1187D+12.4
で算出される上限値(A/(A+B))maxと、下限値(A/(A+B))minとの間の範囲内であることを特徴とする請求項11に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(575)の位置での径をスロットルボアD、前記仕切部(81)の上流側端部(81a)の流路幅方向中心(83)から前記スロットル弁軸(576)の中心までの前記吸気流路(80)の中心軸線(X′)方向の距離をL(単位:mm)とした時に、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部奥行き位置L/Dが、
式17:(L/D)max=0.0002D2−0.0308D+2.78
で算出される上限値(L/D)maxと、最小値0.0との間の範囲内であることを特徴とする請求項11に記載の内燃機関の吸気構造。 - 内燃機関(30)の燃焼室(36)に連なる吸気流路(80)の一部を構成する吸気路(70)を有するスロットルボディ(7)と、同スロットルボディ(7)内に設けられたスロットル弁(75,575)と、前記吸気流路(80)の一部を構成する吸気ポート(42)と、同吸気ポート(42)の下流端において前記燃焼室(36)に臨む吸気弁口(40)を開閉する吸気弁(46)とを備え、
前記吸気流路(80)は、前記スロットル弁(75,575)より下流側で、仕切部(81)により、通った吸気が前記燃焼室(36)内でタンブル流を発生するように構成されたタンブル流路(80A)と同タンブル流路(80A)を除く主流路(80B)とに仕切られ、
燃料噴射弁(87)によって燃料が噴射供給される内燃機関の吸気構造において、
前記主流路(80B)の断面面積が、前記タンブル流路(80A)の断面面積より大きく形成されて、
前記スロットル弁(75,575)は、前記吸気路(70)の中心軸線(X)に対し垂直に交差して配向されたスロットル弁軸(76,576)により前記スロットルボディ(7)内に回転自在に軸支されたバタフライ式の弁であり、同スロットル弁(75,575)の弁体(77,577)は、前記スロットル弁軸(76,576)を挟んで二等分されて一端側半体(77A,577A)と他端側半体(77B,577B)とを有し、
前記スロットル弁(75,575)の徐開位置において、吸気が前記一端側半体(77A,577A)と前記吸気路(70)の内面(70a)との間に形成される間隙、および前記他端側半体(77B,577B)と前記吸気路(70)の内面(70a)との間に形成される間隙を通り、
前記吸気流路(80)のうち、前記スロットルボディ(7)内の前記吸気路(70)と、前記スロットルボディ(7)の下流から前記吸気弁(46)に至るまでの間において、流路面積を可変制御する可変部材は前記スロットル弁(75,575)のみであることを特徴とする内燃機関の吸気構造。 - 前記スロットル弁軸(76)に垂直で前記吸気路(70)の中心軸線(X)に沿った断面視で、全閉時の前記スロットル弁(75)の前記一端側半体(77A)が下流側の前記吸気路(70)の内面(70a)と鋭角(α)をなして接し、同スロットル弁(75)の前記他端側半体(77B)が下流側の同吸気路(70)の内面(70a)と鈍角(β)をなして接し、
前記一端側半体(77A)の下流側に前記吸気流路(80)の前記タンブル流路(80A)が位置し、前記他端側半体(77B)の下流側に前記吸気流路(80)の前記主流路(80B)が位置することを特徴とする請求項16に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(75)の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)とし、前記仕切部(81)に直交し前記吸気流路(80)の中心軸線(X′)に沿った断面視で、同吸気流路(80)の中心軸線(X′)と前記仕切部(81)の前記タンブル流路(80A)側の面との距離を仕切り高さH(単位:mm)とした時に、
H/Dが、
式1:(H/D)max=−0.00002D2+0.0025D+0.31
式2:(H/D)min=0.00005D2−0.0064D+0.26
で算出される上限値(H/D)maxと、下限値(H/D)minとの間の範囲内であることを特徴とする請求項17に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(75)の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)、吸気路断面面積をスロットルボア断面面積Sthとし、前記タンブル流路(80A)の断面面積をAとした時に、
A/Sth(スロットルボア断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%))が、
式3:(A/Sth)max=−0.006D2+0.79D+19.82
式4:(A/Sth)min=0.002D2−0.33D+15.59
で算出される上限値(A/Sth)maxと、下限値(A/Sth)minとの間の範囲内であることを特徴とする請求項17に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(75)の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)、前記タンブル流路(80A)の断面面積をAとし、前記主流路(80B)の断面面積をBとした時に、
A/(A+B)(全流路断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%))が、
式5:(A/(A+B))max=−0.0052D2+0.6402D+26.35
式6:(A/(A+B))min=0.0023D2−0.3287D+15.19
で算出される上限値(A/(A+B))maxと、下限値(A/(A+B))minとの間の範囲内であることを特徴とする請求項17に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(75)の位置での径をスロットルボアD、前記仕切部(81)の上流側端部(81a)の流路幅方向中心(83)から前記スロットル弁軸(76)の中心までの前記吸気流路(80)の中心軸線(X′)方向の距離をL(単位:mm)とした時に、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部奥行き位置L/Dが、
式7:(L/D)max=0.00008D2−0.0192D+2.58
で算出される上限値(L/D)maxと、最小値0.0との間の範囲内であることを特徴とする請求項17に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記仕切部(81)の上流側端部(81a)に、下流側に凹む切欠き凹部(82)が形成されたことを特徴とする請求項16ないし請求項21のいずれか一項に記載の内燃機関の吸気構造。
- 前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(75)の位置での径Dより、同スロットルボディ(7)の下流側に接続するインレットパイプ(6)の吸気流路(80)の径Dpが大きいことを特徴とする請求項16ないし請求項21のいずれか一項に記載の内燃機関の吸気構造。
- 前記インレットパイプ(6)の上流端(6a)から下流側に向けて、径方向外側に漸次拡径するテーパ部(6b)が形成されたことを特徴とする請求項23に記載の内燃機関の吸気構造。
- 前記タンブル流路(80A)が、湾曲した前記吸気流路(80)の湾曲内周側に設けられるとともに、前記主流路(80B)が、湾曲した前記吸気流路(80)の湾曲外周側に設けられ、前記スロットルボディ(7)の下流側に接続するインレットパイプ(6)における前記主流路(80B)の湾曲径方向の高さHBは、前記インレットパイプ(6)における前記タンブル流路(80A)の湾曲径方向の高さHAより大きく形成され、前記燃料噴射弁(87)が前記主流路(80B)側に配置されたことを特徴とする請求項16ないし請求項21のいずれか一項に記載の内燃機関の吸気構造。
- 前記スロットル弁軸(576)に垂直で前記吸気路(70)の中心軸線(X)に沿った断面視で、全閉時の前記スロットル弁(575)の前記一端側半体(577A)が下流側の前記吸気路(70)の内面(70a)と鈍角(α′)をなして接し、同スロットル弁(575)の前記他端側半体(577B)が下流側の同吸気路(70)の内面(70a)と鋭角(β′)をなして接し、
前記一端側半体(577A)の下流側に前記吸気流路(80)の前記タンブル流路(80A)が位置し、前記他端側半体(577B)の下流側に前記吸気流路(80)の前記主流路(80B)が位置することを特徴とする請求項16に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(575)の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)とし、前記仕切部(81)に直交し前記吸気流路(80)の中心軸線(X′)に沿った断面視で、同吸気流路(80)の中心軸線(X′)と前記仕切部(81)の前記タンブル流路(80A)側の面との距離を仕切り高さH(単位:mm)とした時に、
H/Dが、
式11:(H/D)max=−0.000004D2+0.0006D+0.34
式12:(H/D)min=−0.0000004D2+0.0006D+0.02
で算出される上限値(H/D)maxと、下限値(H/D)minとの間の範囲内であることを特徴とする請求項26に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(575)の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)、吸気路断面面積をスロットルボア断面面積Sthとし、前記タンブル流路(80A)の断面面積をAとした時に、
A/Sth(スロットルボア断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%))が、
式13:(A/Sth)max=−0.001D2+0.06D+45.34
式14:(A/Sth)min=0.0005D2−0.08D+11.54
で算出される上限値(A/Sth)maxと、下限値(A/Sth)minとの間の範囲内であることを特徴とする請求項26に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(575)の位置での径をスロットルボアD(単位:mm)、前記タンブル流路(80A)の断面面積をAとし、前記主流路(80B)の断面面積をBとした時に、
A/(A+B)(全流路断面面積に対するタンブル流路断面面積の比率(%))が、
式15:(A/(A+B))max=0.0024D2−0.3283D+55.48
式16:(A/(A+B))min=0.0008D2−0.1187D+12.4
で算出される上限値(A/(A+B))maxと、下限値(A/(A+B))minとの間の範囲内であることを特徴とする請求項26に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(575)の位置での径をスロットルボアD、前記仕切部(81)の上流側端部(81a)の流路幅方向中心(83)から前記スロットル弁軸(576)の中心までの前記吸気流路(80)の中心軸線(X′)方向の距離をL(単位:mm)とした時に、
スロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部奥行き位置L/Dが、
式17:(L/D)max=0.0002D2−0.0308D+2.78
で算出される上限値(L/D)maxと、最小値0.0との間の範囲内であることを特徴とする請求項26に記載の内燃機関の吸気構造。 - 内燃機関(30)の燃焼室(36)に連なる吸気流路(80)の一部を構成する吸気路(70)を有するスロットルボディ(7)と、同スロットルボディ(7)内に設けられたスロットル弁(75)とを備え、
前記吸気流路(80)は、前記スロットル弁(75)より下流側で、仕切部(81)により、通った吸気が前記燃焼室(36)内でタンブル流を発生するように構成されたタンブル流路(80A)と同タンブル流路(80A)を除く主流路(80B)とに仕切られ、
燃料噴射弁(87)によって燃料が噴射供給される内燃機関の吸気構造において、
前記スロットル弁(75)は、前記吸気路(70)の中心軸線(X)に対し垂直に交差して配向されたスロットル弁軸(76)により前記スロットルボディ(7)内に回転自在に軸支されたバタフライ式の弁であり、同スロットル弁(75)の弁体(77)は、前記スロットル弁軸(76)を挟んで二等分されて一端側半体(77A)と他端側半体(77B)とを有し、
前記スロットル弁(75)の徐開位置において、吸気が前記一端側半体(77A)と前記吸気路(70)の内面(70a)との間に形成される間隙、および前記他端側半体(77B)と前記吸気路(70)の内面(70a)との間に形成される間隙を通り、
前記スロットル弁(75)の下流側にスロットル弁(75)が徐開位置にあるときの吸気の前記主流路(80B)と前記タンブル流路(80A)に流れる割合を変更させる吸気割合可変部材を設けず、
前記スロットル弁軸(76)に垂直で前記吸気路(70)の中心軸線(X)に沿った断面視で、全閉時の前記スロットル弁(75)の前記一端側半体(77A)が下流側の前記吸気路(70)の内面(70a)と鋭角(α)をなして接し、同スロットル弁(75)の前記他端側半体(77B)が下流側の同吸気路(70)の内面(70a)と鈍角(β)をなして接し、
前記主流路(80B)の断面面積が、前記タンブル流路(80A)の断面面積より大きく形成されて、
前記一端側半体(77A)の下流側に前記吸気流路(80)の前記タンブル流路(80A)が位置し、前記他端側半体(77B)の下流側に前記吸気流路(80)の前記主流路(80B)が位置し、
前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(75)の位置での径をスロットルボアD、前記仕切部(81)の上流側端部(81a)の流路幅方向中心(83)から前記スロットル弁軸(76)の中心までの前記吸気流路(80)の中心軸線(X′)方向の距離をL(単位:mm)とした時に、
設定されたスロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部奥行き位置L/Dが、
式7:(L/D)max=0.00008D2−0.0192D+2.58
で算出される上限値(L/D)max以下で、最小値0.0より大きい範囲内であることを特徴とする内燃機関の吸気構造。 - 内燃機関(30)の燃焼室(36)に連なる吸気流路(80)の一部を構成する吸気路(70)を有するスロットルボディ(7)と、同スロットルボディ(7)内に設けられたスロットル弁(575)とを備え、
前記吸気流路(80)は、前記スロットル弁(575)より下流側で、仕切部(81)により、通った吸気が前記燃焼室(36)内でタンブル流を発生するように構成されたタンブル流路(80A)と同タンブル流路(80A)を除く主流路(80B)とに仕切られ、
燃料噴射弁(87)によって燃料が噴射供給される内燃機関の吸気構造において、
前記スロットル弁(575)は、前記吸気路(70)の中心軸線(X)に対し垂直に交差して配向されたスロットル弁軸(576)により前記スロットルボディ(7)内に回転自在に軸支されたバタフライ式の弁であり、同スロットル弁(575)の弁体(577)は、前記スロットル弁軸(576)を挟んで二等分されて一端側半体(577A)と他端側半体(577B)とを有し、
前記スロットル弁(575)の位置において、吸気が前記一端側半体(577A)と前記吸気路(70)の内面(70a)との間に形成される間隙、および前記他端側半体(577B)と前記吸気路(70)の内面(70a)との間に形成される間隙を通り、
前記スロットル弁(575)の下流側にスロットル弁(575)が徐開位置にあるときの吸気の前記主流路(80B)と前記タンブル流路(80A)に流れる割合を変更させる吸気割合可変部材を設けず、
前記スロットル弁軸(576)に垂直で前記吸気路(70)の中心軸線(X)に沿った断面視で、全閉時の前記スロットル弁(575)の前記一端側半体(577A)が下流側の前記吸気路(70)の内面(70a)と鈍角(α′)をなして接し、同スロットル弁(575)の前記他端側半体(577B)が下流側の同吸気路(70)の内面(70a)と鋭角(β′)をなして接し、
前記主流路(80B)の断面面積が、前記タンブル流路(80A)の断面面積より大きく形成されて、
前記一端側半体(577A)の下流側に前記吸気流路(80)の前記タンブル流路(80A)が位置し、前記他端側半体(577B)の下流側に前記吸気流路(80)の前記主流路(80B)が位置し、
前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(575)の位置での径をスロットルボアD、前記仕切部(81)の上流側端部(81a)の流路幅方向中心(83)から前記スロットル弁軸(576)の中心までの前記吸気流路(80)の中心軸線(X′)方向の距離をL(単位:mm)とした時に、
設定されたスロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部奥行き位置L/Dが、
式17:(L/D)max=0.0002D2−0.0308D+2.78
で算出される上限値(L/D)max以下で、最小値0.0より大きい範囲内であることを特徴とする内燃機関の吸気構造。 - 内燃機関(30)の燃焼室(36)に連なる吸気流路(80)の一部を構成する吸気路(70)を有するスロットルボディ(7)と、同スロットルボディ(7)内に設けられたスロットル弁(75)と、前記吸気流路(80)の一部を構成する吸気ポート(42)と、同吸気ポート(42)の下流端において前記燃焼室(36)に臨む吸気弁口(40)を開閉する吸気弁(46)とを備え、
前記吸気流路(80)は、前記スロットル弁(75)より下流側で、仕切部(81)により、通った吸気が前記燃焼室(36)内でタンブル流を発生するように構成されたタンブル流路(80A)と同タンブル流路(80A)を除く主流路(80B)とに仕切られ、
燃料噴射弁(87)によって燃料が噴射供給される内燃機関の吸気構造において、
前記スロットル弁(75)は、前記吸気路(70)の中心軸線(X)に対し垂直に交差して配向されたスロットル弁軸(76)により前記スロットルボディ(7)内に回転自在に軸支されたバタフライ式の弁であり、同スロットル弁(75)の弁体(77)は、前記スロットル弁軸(76)を挟んで二等分されて一端側半体(77A)と他端側半体(77B)とを有し、
前記スロットル弁(75)の徐開位置において、吸気が前記一端側半体(77A)と前記吸気路(70)の内面(70a)との間に形成される間隙、および前記他端側半体(77B)と前記吸気路(70)の内面(70a)との間に形成される間隙を通り、
前記吸気流路(80)のうち、前記スロットルボディ(7)内の前記吸気路(70)と、前記スロットルボディ(7)の下流から前記吸気弁(46)に至るまでの間において、流路面積を可変制御する可変部材は前記スロットル弁(75)のみであり、
前記スロットル弁軸(76)に垂直で前記吸気路(70)の中心軸線(X)に沿った断面視で、全閉時の前記スロットル弁(75)の前記一端側半体(77A)が下流側の前記吸気路(70)の内面(70a)と鋭角(α)をなして接し、同スロットル弁(75)の前記他端側半体(77B)が下流側の同吸気路(70)の内面(70a)と鈍角(β)をなして接し、
前記主流路(80B)の断面面積が、前記タンブル流路(80A)の断面面積より大きく形成されて、
前記一端側半体(77A)の下流側に前記吸気流路(80)の前記タンブル流路(80A)が位置し、前記他端側半体(77B)の下流側に前記吸気流路(80)の前記主流路(80B)が位置し、
前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(75,)の位置での径をスロットルボアD、前記仕切部(81)の上流側端部(81a)の流路幅方向中心(83)から前記スロットル弁軸(76)の中心までの前記吸気流路(80)の中心軸線(X′)方向の距離をL(単位:mm)とした時に、
設定されたスロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部奥行き位置L/Dが、
式7:(L/D)max=0.00008D2−0.0192D+2.58
で算出される上限値(L/D)max以下で、最小値0.0より大きい範囲内であることを特徴とする内燃機関の吸気構造。 - 内燃機関(30)の燃焼室(36)に連なる吸気流路(80)の一部を構成する吸気路(70)を有するスロットルボディ(7)と、同スロットルボディ(7)内に設けられたスロットル弁(575)と、前記吸気流路(80)の一部を構成する吸気ポート(42)と、同吸気ポート(42)の下流端において前記燃焼室(36)に臨む吸気弁口(40)を開閉する吸気弁(46)とを備え、
前記吸気流路(80)は、前記スロットル弁(575)より下流側で、仕切部(81)により、通った吸気が前記燃焼室(36)内でタンブル流を発生するように構成されたタンブル流路(80A)と同タンブル流路(80A)を除く主流路(80B)とに仕切られ、
燃料噴射弁(87)によって燃料が噴射供給される内燃機関の吸気構造において、
前記スロットル弁(575)は、前記吸気路(70)の中心軸線(X)に対し垂直に交差して配向されたスロットル弁軸(576)により前記スロットルボディ(7)内に回転自在に軸支されたバタフライ式の弁であり、同スロットル弁(575)の弁体(577)は、前記スロットル弁軸(576)を挟んで二等分されて一端側半体(577A)と他端側半体(577B)とを有し、
前記スロットル弁(75)の徐開位置において、吸気が前記一端側半体(77A)と前記吸気路(70)の内面(70a)との間に形成される間隙、および前記他端側半体(77B)と前記吸気路(70)の内面(70a)との間に形成される間隙を通り、
前記吸気流路(80)のうち、前記スロットルボディ(7)内の前記吸気路(70)と、前記スロットルボディ(7)の下流から前記吸気弁(46)に至るまでの間において、流路面積を可変制御する可変部材は前記スロットル弁(575)のみであり、
前記スロットル弁軸(576)に垂直で前記吸気路(70)の中心軸線(X)に沿った断面視で、全閉時の前記スロットル弁(575)の前記一端側半体(577A)が下流側の前記吸気路(70)の内面(70a)と鈍角(α′)をなして接し、同スロットル弁(575)の前記他端側半体(577B)が下流側の同吸気路(70)の内面(70a)と鋭角(β′)をなして接し、
前記主流路(80B)の断面面積が、前記タンブル流路(80A)の断面面積より大きく形成されて、
前記一端側半体(577A)の下流側に前記吸気流路(80)の前記タンブル流路(80A)が位置し、前記他端側半体(577B)の下流側に前記吸気流路(80)の前記主流路(80B)が位置し、
前記スロットルボディ(7)の前記吸気路(70)の前記スロットル弁(575)の位置での径をスロットルボアD、前記仕切部(81)の上流側端部(81a)の流路幅方向中心(83)から前記スロットル弁軸(576)の中心までの前記吸気流路(80)の中心軸線(X′)方向の距離をL(単位:mm)とした時に、
設定されたスロットルボアD(単位:mm)に対応して、仕切部奥行き位置L/Dが、
式17:(L/D)max=0.0002D2−0.0308D+2.78
で算出される上限値(L/D)max以下で、最小値0.0より大きい範囲内であることを特徴とする内燃機関の吸気構造。
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