JP6429689B2 - センサ制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、種類の異なる複数のセンサを制御するセンサ制御システムに関する。
センサの観測能力向上方法には、大きく分けて、探知能力の向上と追尾能力の向上とがある。探知処理結果である探知データは追尾処理の入力データとなり、追尾処理の結果が航跡となる。航跡の生成維持能力がシステム全体の能力向上で重要なため、センサの観測能力向上では、探知と追尾とを連携させてセンサの観測能力を向上させる必要がある。なお、本明細書では、センサの観測において各時刻でセンサが観測した結果を探知データ、同一目標と判定した探知データを時系列で統合した観測結果を航跡とする。
レーダで目標を探知する場合、電波を送信し、反射を受信するため、目標にビームを指向する必要がある。レーダは、電波の反射を観測するため、目標に多くの電力を放射できると有利である。一方で、レーダでは、距離の4乗に比例して観測可能な距離が向上する性質があり、目標の相対距離が近づけば、少ない放射電力でも観測が可能となる。また、目標のレーダ断面積(Radar Cross Section:以下「RCS」という)の大きさについても、RCSの大きさの4乗に比例して探知距離が向上する性質がある。なお、本明細書では、レーダが一定の確率で探知する距離を「探知距離」とする。
レーダで目標からの反射波を観測できれば、目標との相対距離と目標のRCSの大きさを推定できる。このため、目標を継続して観測する追尾処理において、レーダが観測した目標の情報を使用して探知距離を判断基準に送信電力を最適化することが行われる(例えば、下記特許文献1)。
一方、追尾能力の向上手法としては、複数の搭載センサの探知データおよび航跡を相関統合してシステムの能力を向上させるデータフュージョン技術がある(例えば、下記特許文献2)。この特許文献2では、複数の搭載センサの探知データおよび航跡を組合せて観測能力を向上する手法が開示されている。
特開2002−139560号公報 特開2008−185447号公報
航空機のような移動体では、機材搭載の制約のため、レーダが使用できる電力容量が制約を受ける。レーダには目標を遠方で観測する能力が求められるため、使用可能な電力を有効に利用した観測方法が求められる。また、レーダを使って飛翔体を制御する場合等には、目標の3次元の位置速度を正確に知る必要があり、観測精度も求められる。
このため、レーダでは、指向方向を絞った細い形状のビームを形成して、レーダの観測を実施する。以下、細い形状のビームを「ペンシルビーム」と称する。ペンシルビームで送信する範囲を絞れば、使用可能な電力を集約して送信することができ、また、ビーム内の送信電力を大きくすることができる。レーダの探知距離は、目標に照射した電力の4乗に比例するため、ビーム内の送信電力を増やすことでレーダの探知距離を延伸できる。また、レーダではビームの照射範囲を絞ることで、角度方向の観測精度を向上できる効果もある。
その一方で、レーダは遠距離だけでなく、目標を近距離でも観測することが求められる。航空機等の高機動目標の観測では、相対距離が遠い場合は角速度の変化は小さいが、近い場合は角速度の変化が大きくなる。
ビームの照射範囲を絞ると、1回の観測で観測可能な範囲である「瞬時覆域」は狭くなる。目標を観測するには、目標にビームを指向することが前提条件になるが、航空機を近距離で観測する場合には、目標の角度変化が大きくなるため、ペンシルビームでは、目標が瞬時覆域内となるようにビームを指向することが難しくなる。
特に航空機搭載のレーダにおいて、航空機の目標を観測する場合には、レーダを搭載した航空機自身の旋回等の運動による観測方位の変化にも対応する必要があり、狭い瞬時覆域では目標の観測が困難になる。
瞬時覆域を広げる方法の一つに、太い形状のビームを送信する方法がある。ところが、太い形状のビームでは、使用可能な電力を拡散して送信するため、ビーム内の送信電力が低下して、探知距離が低下する。また、太い形状のビームで観測すると観測精度が低下し、飛翔体の制御等、運用で支障を来すことがある。このため、遠距離と近距離の両方の観測に対処するのが困難であった。
航空機等の移動体に搭載したDBF(Digital Beam Forming)機能付レーダは、ビームの照射範囲を絞った細いビームを瞬時に複数生成することができる。ペンシルビームを同時に複数生成するイメージとなるため、以下、DBF機能で生成するビームを「マルチビーム」と称する。
マルチビームを使用すれば、観測精度をペンシルビームと同程度にすることができる。このため、瞬時覆域拡大と観測精度の両方を同時に達成できる。ただし、使用可能な電力を分散させるため、観測可能な相対距離は、ペンシルビームよりも低下する。
上記のような技術的背景から、レーダにDBF機能を付加することで、瞬時覆域は狭いが観測可能な相対距離が長いという特徴を活かしたペンシルビームでの観測方法と、瞬時覆域は広いが観測可能な相対距離が短いという特徴を活かしたマルチビームでの観測方法とを切り替えて使用することが考えられるようになった。
その一方で、上記特許文献1の手法は、探知距離を基準としたレーダ制御方法のため、瞬時覆域、すなわち目標方向にビームを指向できる可能性までを考慮したレーダ制御までは対応困難である。目標を観測するには、目標へのビームも指向性を担保した制御方法に拡張することが必要になるため、探知距離だけでなく、探知距離と瞬時覆域の両方を基準として、レーダのDBF機能を制御する機能が要請されるという課題がある。
また、レーダのDBF機能は、アンテナ等、レーダ装置の構造に依存し、使用可能なマルチビームのビームの本数等が決まる。このため、レーダ諸元に応じてレーダのDBF機能を制御する機能が要請されるという課題がある。
移動体において、レーダ、他の搭載異種センサおよび、ネットワーク経由の観測情報を組み合わせて使用することで観測能力が向上できることが知られている。また、自動車等、様々な機材にレーダを搭載したシステムが実現されてきており、レーダ制御に使用する観測情報をレーダ自身の観測結果に限定すると、十分に能力を発揮できない。
上記特許文献2では、レーダ、他の搭載異種センサおよび、ネットワーク経由の観測情報と組み合わせて制御するマルチセンサ制御が開示されている。ただし、DBF機能の特徴を活かした制御方法までは実現してない。このため、マルチセンサ制御の一部として、レーダのDBF機能を制御する機能の実現が望まれている。
レーダ自身の観測結果に限定して制御を実施する場合には、観測誤差はレーダ性能のみで規定されるため、適切なビームの照射範囲を推定することが容易である。一方で、レーダと他の搭載異種センサやネットワーク経由の観測情報と組み合わせた場合、観測情報の観測精度を推定する特別な機能が必要になる。上記特許文献2により、レーダ、他の搭載異種センサおよび、ネットワーク経由の観測情報の組み合わせにより観測精度の情報を得ることができる。このため、特許文献2のようなシステムで得た観測情報に応じて、適切なビームの照射範囲を推定した上で、レーダの制御方法を決定する機能の実現が望まれている。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、マルチセンサ制御の一部として、レーダのDBF機能を制御する機能を具現したセンサ制御システムを得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数のセンサを制御するセンサ制御システムであって、前記センサ制御システムには、DBF機能付レーダを制御するDBFレーダ制御部が構成され、前記DBFレーダ制御部は、外部指示機構からの観測対象の情報と、前記DBF機能付レーダからの観測結果であるセンサ指向対象の目標に関する情報とに基づいて、前記DBF機能付レーダの制御方法を決定することを特徴とする。
本発明によれば、マルチセンサ制御の一部として、レーダのDBF機能を制御する機能を具現したセンサ制御システムを提供できる、という効果を奏する。
実施の形態1によるセンサ制御システムの構成を示す図 実施の形態1の構成での基本的な処理の流れの一例を示すフローチャート 実施の形態1のセンサ制御ルールに格納される情報の一例を示す図 図3に格納した情報のうち、探知距離を決める探知確率グラフを示した図 実施の形態1における外部指示機構から入力した情報を表形式で示した図 DBF機能付レーダでのマルチビームでの観測方法の一例を示す概念図 実施の形態2によるセンサ制御システムの構成を示す図 実施の形態3によるセンサ制御システムの構成を示す図 実施の形態4によるセンサ制御システムの構成を示す図 実施の形態5によるセンサ制御システムの構成を示す図 実施の形態6によるセンサ制御システムの構成を示す図 実施の形態7によるセンサ制御システムの構成を示す図 実施の形態8によるセンサ制御システムの構成を示す図 実施の形態9によるセンサ制御システムの構成を示す図 実施の形態9による基本的な処理の流れの一例を示すフローチャート 実施の形態10によるセンサ制御システムの構成を示す図
以下に添付図面を参照し、本発明の実施の形態に係るセンサ制御システムについて、詳細に説明する。なお、以下の各実施の形態において、同一もしくは相当部分には同一符号で示し、重複する説明は省略する。また、以下の説明では、移動体が航空機である場合について説明するが、航空機以外の移動体に適用可能であることは言うまでもない。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1によるセンサ制御システムの構成を示す図である。図1において、センサ制御システム100は、センサ制御決定部201、センサ制御ルール202および制御コマンド発行部203を有するDBFレーダ制御部200を含んで構成される。DBFレーダ制御部200は、DBF機能付レーダ600と外部指示機構900とを接続して構成される。
DBFレーダ制御部200において、センサ制御決定部201は、外部指示機構900からの観測対象の情報と、DBF機能付レーダ600からの観測結果であるセンサ指向対象の目標に関する情報とを得て、また、センサ制御ルール202に記録するセンサ制御ルールを参照して、DBFレーダの制御方法を決定する構成部である。なお、観測対象の情報には、時刻、目標の推定位置および推定速度、推定RCSならびに推定観測誤差が含まれる。また、センサ制御決定部201が決定した制御方法は、制御コマンド発行部203に出力される。
センサ制御ルール202は、観測リソースとして使用するDBF機能付レーダ制御情報と、観測状況に応じたセンサ制御を決定するための判断条件とを格納している。
ここで、DBF機能付レーダ制御情報は、センサ制御方法決定に必要なDBF機能付レーダの性能諸元、制御方式などの諸元情報である。なお、本実施の形態では、レーダとして制御可能なビーム形状に応じたモードとして、電波送受信の瞬時覆域、探知距離、観測精度および送信電力が格納されているものとする。また、判断条件は、レーダの観測実施時に確保すべき探知確率および瞬時覆域としたときの網羅すべき範囲、各条件間での優先度を含む、制御方法を決定するための判断基準の情報である。なお、本実施の形態では、確保すべき探知確率および、確保すべき瞬時覆域を設定する。
制御コマンド発行部203は、DBF機能付レーダ600に対してセンサ制御決定部201の出力に応じたセンサ制御コマンドを出力する構成部である。
DBF機能付レーダ600は、レーダ観測部610およびレーダ制御部620を含んで構成される。DBF機能付レーダ600は、DBF機能を利用して、複数のビームを形成して、瞬時に広覆域を高い精度で観測する。また、DBF機能付レーダ600は、ビーム指向パターンおよびDBFを含めた電波送受信の瞬時覆域、送信電力等の制御方法をレーダ制御モードとして管理し、外部からレーダ制御部620に対し、レーダ制御モードを指定してセンサ制御コマンドを入力することで、所期の観測を実施する。なお、図1の構成では、レーダ制御モードを指定したセンサ制御コマンドは、DBFレーダ制御部200の制御コマンド発行部203から入力される。
外部指示機構900は、センサ制御システム100に対して、上述した「観測対象の情報」を指定して、観測実施の指示を与える構成部である。外部指示機構900は、同じ移動体に搭載した他のセンサの観測結果、他の場所に設置したセンサの観測結果を無線通信で受信することで、センサ制御システム100に対して、指向制御の基準となる「観測対象の情報」を入力する。
つぎに、実施の形態1におけるセンサ制御システム100の動作について、図1から図6の図面を適宜に参照して説明する。図2は、実施の形態1の構成での基本的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。図3は、実施の形態1のセンサ制御ルール202に格納される情報の一例を示す図である。図4は、図3に格納した情報のうち、探知距離を決める探知確率グラフを示した図である。図5は、実施の形態1における外部指示機構900から入力した情報を表形式で示した図である。図6は、DBF機能付レーダ600でのマルチビームでの観測方法の一例を示す概念図である。
(Step1:初期観測情報の入力)
Step1における「初期観測情報の入力」は、観測対象を指定した観測開始の指示を意味する。図1の構成において、外部指示機構900から、「観測対象の情報」が入力される動作が、このStep1に対応する。動作の具体的な例は図5に示す通りである。図5では、2回の入力があり、1回目では、時刻T0、目標の推定位置として相対距離が65km、推定速度300m/sec、推定レーダ断面積(Radar Cross Section:以下「RCS」と表記)1.0m2、推定観測誤差1kmが入力され、2回目では、時刻T1、目標の推定位置として相対距離30km、速度は300m/sec、推定RCS1.0m2、推定観測誤差1kmが入力される。
(Step2:初期観測方法の決定)
Step2では、センサ制御決定部201が、外部指示機構900から入力された「観測対象の情報」(図5の例では、目標の推定相対距離、推定速度、推定RCS、推定観測誤差)と、センサ制御ルール202に格納されている情報とを用いて、DBF機能付レーダ600の制御方法を決定する。
なお、実施の形態1では、説明を容易にするため、外部指示機構900から情報が入力された時刻で、Step2からStep4までの処理を実施できる例で説明する。すなわち、時刻T0または時刻T1で各々の処理が完了することを前提とする。なお、実システムで処理遅延が発生する場合には、時刻の情報を利用して、目標の速度から指向する方向を算出し、推定誤差の補正を行うが、これらの算出処理および補正処理は、本技術分野におけるセンサ処理としては、一般的な処理内容であり、ここでの説明は割愛する。
実施の形態1のセンサ制御ルール202には、DBF機能付レーダ600で実施可能な制御方法が制御モードとして格納され、制御モードに応じた瞬時覆域および探知性能情報が格納されている。また、センサ制御ルール202には、制御方法を決定するための判断基準も格納されている。なお、制御方法および判断基準の一例は図3に示す通りである。以下、実施の形態1では、図3に示す情報が設定された場合の動作で説明する。
図3では、制御モードとしてペンシルビームで観測する「モード1」と、4本のマルチビームで4倍の瞬時覆域を有する「モード2」とが設定されている。瞬時覆域は、「モード1」がビーム中心から±1deg、「モード2」がビーム中心から±2degとなる。また、探知確率50%とするときの探知距離は、図4に示すように、RCS1.0m2に対して、「モード1」では70km、「モード2」では50kmとなる。観測精度は、「モード1」と「モード2」で同等で0.5kmとする。また、判断基準としては、「瞬時覆域は観測誤差を包含する」、「探知確率は50%以上」、「探知距離優先」という3つの判断基準が設定されている。
図5の例において、1回目の入力では、相対距離が65kmで、推定観測誤差が1kmのため、目標は指定された位置の±0.8degの範囲に存在すると推定できるため、「モード1」と「モード2」の両方で対応可能である。一方、探知確率50%以上という条件は、「モード1」しか判定条件を満たさない。このため、センサ制御決定部201は、「モード1」で目標の推定位置にセンサを指向することを決定し、制御コマンド発行部203にセンサ制御コマンドの発行を指示する。
また、図5の例において、2回目の入力では、相対距離が30kmのため、探知確率50%以上という条件は、「モード1」と「モード2」の両方で対応可能である。一方、相対距離30kmで推定観測誤差1kmのため、目標は指定された位置の±1.9degの範囲に存在すると推定されるため、瞬時覆域は「モード2」しか判定条件を満たさない。このため、センサ制御決定部201は、「モード2」で目標の推定位置にセンサを指向することを決定し、制御コマンド発行部203にセンサ制御コマンドの発行を指示する。
(Step3:初期センサ制御コマンド発行)
Step3では、制御コマンド発行部203が、センサ制御決定部201の指示に従って、DBF機能付レーダ600に対し、センサに対する制御指示としてのセンサ制御コマンドを発行する。1回目の入力では、外部指示機構900が指定した目標の推定位置に「モード1」でセンサを指向する旨のセンサ制御コマンドを発行する。2回目の入力では、外部指示機構900が指定した目標の推定位置に「モード2」でセンサを指向する旨のセンサ制御コマンドを発行する。
(Step4:初期センサ観測実施)
Step4では、DBF機能付レーダ600が、制御コマンド発行部203が発行したセンサ制御コマンドに従って、レーダの観測を実施する。1回目の入力では、「モード1」で、外部指示機構900が指定した目標の推定位置にペンシルビームを指向して観測を実施する。2回目の入力では、「モード2」で、外部指示機構900が指定した目標の推定位置にマルチビームを指向して観測を実施する。なお、DBF機能付レーダ600で、「モード2」のマルチビームによる観測を実施する場合には、送受信ともにマルチビームとする制御方法の他、図6のように送信は覆域全体を含む太いビームで送信し、受信のみマルチビームで受信するようにしてもよい。
ここで、レーダが目標を探知した場合、受信電波を信号処理することで探知結果を新たな目標情報に加工して、センサ制御決定部201へ出力する。実施の形態1に係るDBF機能付レーダ600では、レーダ制御部620がセンサ制御コマンドを受け取り、レーダ観測部610に観測の実施を指示する。レーダ観測部610では、指定された制御方法でレーダによる観測および信号処理を実施する。なお、DBF機能付レーダ600内での制御は、一般的なレーダと同様のため、ここでの更なる動作説明は割愛する。
(Step5:観測方法の決定)
Step5では、Step2、すなわち「初期観測方法の決定」と同様の手順で処理を実行する。より詳細に説明すると、センサ制御決定部201は、外部指示機構900またはDBF機能付レーダ600から入力された目標情報を基準に、センサ制御ルール202に格納されている情報を用いて、DBF機能付レーダ600の制御方法を決定し、制御方法を制御コマンド発行部203に指示する。
(Step6:センサ制御コマンド発行)
Step6も、Step3の「初期センサ制御コマンド発行」と同様の処理が実行される。すなわち、制御コマンド発行部203は、センサ制御決定部201の指示に従い、DBF機能付レーダ600にセンサ制御コマンドを発行する。
(Step7:センサ観測実施)
Step7も、Step4の「初期センサ観測実施」と同様の処理が実行される。すなわち、DBF機能付レーダ600は、レーダ処理による観測を実施する。なお、Step5からStep7までの処理は、繰り返し実行される。
上記Step5からStep7までの処理について、図3から図5に示す設定例で説明する。例えば、1回目の入力の後、時間が経過し、目標が30kmまで近づき、DBF機能付レーダ600で目標を観測していたとする。この場合、相対距離30kmでセンサ制御ルール202の情報から推定観測誤差0.5kmとなり、目標は指定された位置の±0.95degの範囲に存在すると推定できるため、「モード1」と「モード2」の両方で対応可能である。また、図4から理解できるように、探知確率50%以上は「モード1」と「モード2」の両方で対応可能である。このような場合、Step5の「観測方法の決定」工程において、センサ制御決定部201は、センサ制御ルール202で「探知距離優先」としているため、探知距離で有利な「モード1」を選択し、当該制御方法を制御コマンド発行部203に指示する。
さらに時間が経過し、目標が15kmまで近づき、引き続き、DBF機能付レーダ600で目標を観測していたとする。この場合、相対距離15kmで推定観測誤差0.5kmのため、目標は指定された位置の±1.9degの範囲に存在すると推定できる。しかしながら、探知距離は「モード1」と「モード2」の両方で対応可能であるが、瞬時覆域は「モード2」しか判定条件を満たさない。このため、「モード2」を選択し、当該制御方法を制御コマンド発行部203に指示する。
以上説明したように、実施の形態1に係るセンサ制御システムおよびセンサ制御方法によれば、DBF機能を搭載したレーダを使用して、目標の観測条件に応じて、探知距離および瞬時覆域の両方を判断条件としてセンサ制御方法を決定するセンサ制御システムを実現できるという効果がある。また、レーダの観測情報が得られた場合には、探知での観測精度を確保した上で、目標との相対距離と制御で利用する情報の精度に応じて、探知距離および瞬時覆域の両方を判断基準として、送信電力および瞬時覆域のリソース配分を決定できるという効果がある。また、単一のセンサでは、目標を観測できる保証は無いが、実施の形態1に係るセンサ制御システムおよびセンサ制御方法によれば、観測状況に応じて、適切な方法でセンサ制御を実現できるという効果がある。なお、上記において、探知距離は探知確率と言い替えてもよい。また、瞬時覆域は、ビーム指向範囲に目標が存在するか否かを決定するための判断条件である。
なお、上記実施の形態1の説明では、説明を容易にするため、位置誤差の一例である推定観測誤差を基準にビーム指向範囲を決定する例で説明したが、目標の角速度を基準とする制御ルールを設定し、当該制御ルールに対応した制御を実施することでも同様の効果が得られる。
また、実施の形態1では、説明を容易にするため、推定観測誤差を一定の数値とし、瞬時覆域の内か外かを判定基準とする制御ルールで説明したが、推定観測誤差を確率として、瞬時覆域内に目標が存在する確率を判断基準とする制御ルールに対応した制御を実施することでも同様の効果が得られる。
実施の形態2.
図7は、実施の形態2によるセンサ制御システムの構成を示す図である。実施の形態2では、図7に示すように、図1に示した実施の形態1の構成において、データ融合部500を追加すると共に、DBFレーダ制御部200をDBFレーダ制御対応センサ管理部300に変更して、センサ制御システム100を構成している。また、実施の形態2では、図1の構成において、センサ制御システム100に加え、DBF機能付レーダ600、DBF機能付レーダ600とは異なるセンサである搭載センサ700、データ通信部811および、パイロットインタフェース部821を加えて、航空機800Aを構成している。さらに、実施の形態2では、航空機800Aと同様の構成を有する僚機として航空機800Bおよび外部センサ管制機構901を関係するシステムとして加えている。
データ融合部500は、DBF機能付レーダ600、搭載センサ700およびデータ通信部811から入力される観測対象の目標に係る観測情報を相関および統合して目標情報を生成し、生成した目標情報に対して、観測の品質ならびに、観測の品質に応じた制御の可否等の相関および統合結果に関連して移動体内で使用する情報も付与して目標情報として生成して一元管理する構成部である。ここで、「観測の品質」には、精度、観測頻度、最終観測からの経過時間等が含まれる。
DBFレーダ制御部200に機能が付加される形で構成されるDBFレーダ制御対応センサ管理部300は、センサ制御ルールを基準に搭載センサ700の制御方法を決定し、制御対象のセンサの観測制御を行う機能に加え、観測対象の情報と、使用するDBF機能付レーダ600の諸元から観測方法を決定して、DBF機能付レーダ600にセンサ制御コマンドを送信することで、DBFの特徴を活かしたビーム制御管理を実現する構成部である。ここで、「観測対象の情報」には、目標の推定相対距離、推定RCS、推定観測誤差等が含まれる。「使用するDBF機能付レーダの諸元」には、レーダとして制御可能なビーム形状、DBFを含めた電波送受信の瞬時覆域、観測精度、送信電力などが含まれる。「観測方法」には、ビーム指向方法、電波送受信の瞬時覆域などが含まれる。
なお、以後の説明において、機体を区別して説明する場合は、航空機800A、航空機800Bのように、符号を付して説明する。一方、機体を指定する必要がない場合には、A、B等のアルファベットを付与せずに、航空機800として説明する。また、以下では、航空機800Aを基準として説明する。
データ融合部500は、相関統合部510および目標情報管理部520を含んで構成される。相関統合部510は、DBF機能付レーダ600、搭載センサ700およびデータ通信部811から入力される観測情報を、追尾アルゴリズムを利用して相関処理および統合処理を行って目標情報としての航跡を生成する。また、データ融合部500は、入力された探知データ、入力された航跡を使用して、新たな航跡を生成して、目標情報管理部520に出力する。なお、図7では、搭載センサとして、DBF機能付レーダ600および搭載センサ700を例示しているが、これらに限定されるものではない。
目標情報管理部520は、相関統合部510が生成した統合結果である目標情報としての航跡と、当該航跡に対する観測品質を設定して一元管理する。本実施の形態では、複数の搭載センサを制御する情報の他、DBFレーダ制御に必要となる観測情報も生成する。具体的には、目標の位置、速度、観測時刻の他、瞬時覆域の判断基準の比較で使用する目標の観測精度情報、目標のRCSを生成する。なお、センサの観測では、真の位置は不明なため、観測結果から予測した情報となる。観測精度情報としては、角速度に基づく情報等も生成可能であるが、本実施の形態では、実施の形態1と同様に説明を簡単にするため、位置に関する推定誤差を設定する例で説明する。
目標情報管理部520が生成した目標情報は、DBFレーダ制御対応センサ管理部300、パイロットインタフェース部821およびデータ通信部811に出力される。データ融合部500は、DBFレーダ制御に必要となる観測情報を生成する以外に、「レーダ探知データ」および「赤外線(InfraRed:以下「IR」と表記)探知データ」を相関および統合する処理、ならびに、航跡を相関および統合する処理等は、上述した特許文献2で実現されている方法と同様の方法で実現可能である。
DBFレーダ制御対応センサ管理部300は、マルチセンサ制御決定部301、マルチセンサ制御ルール302およびマルチセンサ制御コマンド発行部303を含んで構成される。DBFレーダ制御対応センサ管理部300は、事前に設定したマルチセンサ制御ルール302を基準に、搭載センサの制御方法を決定すると共に、制御対象のセンサへセンサ制御コマンドを出力する構成部である。より具体的に説明すると、DBFレーダ制御対応センサ管理部300は、データ融合部500が出力する目標情報から、判断基準として事前に設定したマルチセンサ制御ルール302を参照してセンサの制御方法を決定すると共に、決定したセンサ制御方法に応じて、搭載された各センサの中から対象のセンサに対してセンサ制御コマンドを出力する。DBFレーダ制御対応センサ管理部300は、上記の機能に加え、DBF機能付レーダ600の制御については、マルチセンサ制御ルール302に、実施の形態1のセンサ制御ルール202と同様のセンサ制御方法および判断基準を追加している。
マルチセンサ制御決定部301には、実施の形態1のセンサ制御決定部201と同様に、探知での観測精度を確保した上で、目標との相対距離と制御で利用する情報の精度に応じて、瞬時覆域および探知距離の双方を判断基準として、最適な送信電力および瞬時覆域のリソース配分を決定するセンサ制御機能が追加されている。なお、上記において、探知距離は探知確率と言い替えてもよい。また、瞬時覆域は、ビーム指向範囲に目標が存在するか否かを決定するための判断条件である。また、マルチセンサ制御コマンド発行部303には、実施の形態1の制御コマンド発行部203と同様に、DBF機能付レーダ600の制御に必要なセンサ制御コマンドを発行する機能が追加されている。なお、DBFレーダ制御対応センサ管理部300が出力する目標情報を使用したDBF機能付レーダ600以外のセンサ制御方法の決定は、上述した特許文献2で実現されている方法と同様の方法で実現可能である。
DBF機能付レーダ600は、実施の形態1と同様のDBF機能を搭載したレーダである。搭載センサ700は、レーダとは異なる種類の搭載センサである。赤外線を観測することで目標の方位を観測情報として出力可能なIRセンサは、搭載センサ700の一例である。搭載センサ700は、DBF機能付レーダ600と同様に、観測部701および制御部702を含んで構成される。搭載センサ700は、目標の観測に赤外線の放射強度を使用して「IR探知データ」を出力するが、動作はDBF機能付レーダ600が、従来の単体のレーダとして動作するときと同様のため、ここでの説明は省略する。
データ通信部811は、編隊内の航空機800Bとの間、および、広域の施設である外部センサ管制機構901と、航空機800Aとの間でデータ交換を行う構成部である。編隊内の航空機間では、データ融合部500に具備される目標情報管理部520が管理する目標情報が交換される。外部センサ管制機構901からは、外部センサの観測情報および管制情報が送信され、航空機800Aからは目標情報が送信される。なお、送信する目標情報は、送信先に応じて必要な情報を選択して送付することも可能である。また、データ通信部811では、従来の装置と同様に、編隊内の航空機800Bおよび外部センサ管制機構901との間で、音声による通信部も有しているが、ここでの説明は省略する。
パイロットインタフェース部821は、センサ制御システム100とパイロットとの間のマンマシンインタフェースを提供する構成要素である。図7では図示を省略するが、航空機800を操縦するパイロットに情報を表示し出力するモニタおよびスピーカーからなる出力装置、ならびに、パイロットが得られた情報等に従って航空機800を操縦する操縦桿、各種操作機器からなる入力装置などが含まれる。
実施の形態2の処理フローは、基本的には図2に示す実施の形態1の処理フローと同様であり、図2のStep5からStep7までの処理を繰り返す方法で制御する。ただし、制御対象のセンサがDBF機能付レーダ600だけでなく、搭載センサ700も含めて、観測および制御が実施されることが異なる。また、制御の判断基準で使用する情報が増加するが、基本的なセンサ制御のフローは同一もしくは同等である。
実施の形態2では、マルチセンサの制御機能に、レーダのDBF機能を利用する機能を追加することで、マルチセンサ制御の効果に加えて、レーダ制御では、探知での観測精度を確保した上で、目標との相対距離と制御で利用する情報の精度に応じて、ビーム指向範囲に目標が存在することおよび探知距離(探知確率)の双方を判断基準として、もしくは、ビーム指向範囲に目標が存在することおよび探知確率の双方を判断基準として、好適な送信電力および瞬時覆域のリソース配分を決定できるセンサ制御システムを実現できるという効果がある。
また、実施の形態2では、レーダと他の搭載異種センサやネットワーク経由の観測情報と組み合わせた観測情報に対する観測精度の情報に基づいて、適切なビームの照射範囲を推定して実施することで、様々な観測精度の情報を活用することが可能となり、レーダ制御に使用する観測情報を拡大できる効果がある。特に、マルチセンサ制御の一部として実現することで、他の搭載センサの観測情報を有効に活用し、かつ、他の搭載センサの制御との連携も考慮したセンサ制御を実現できる効果がある。
また、実施の形態2では、レーダの観測情報だけでなく、他の搭載センサやネットワーク経由の情報も使用してレーダ制御を実施することで、レーダの観測実施前もしくは観測中にレーダが情報を得ることができない状況でも、適切なセンサ制御を実施できる効果がある。
なお、実施の形態2では、説明を容易にするため、搭載センサ700のみを加えた例で説明したが、さらに他の搭載センサを加えても同様の効果が得られる。他の搭載センサの観測能力を加えることで、当該他の搭載センサによる能力向上の相乗効果を得ることも期待できる。
実施の形態3.
図8は、実施の形態3によるセンサ制御システムの構成を示す図である。実施の形態3では、図8に示すように、図7に示した実施の形態2の構成において、DBFレーダ制御対応センサ管理部300を、捕捉機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部310に変更して、センサ制御システム100を構成している。捕捉機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部310は、DBFレーダ制御対応センサ管理部300において、累積探知確率および探知確率条件を設定した捜索範囲を基準に必要な回数分のレーダ波を指向する時系列の制御機能が追加された構成部である。
捕捉機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部310は、捕捉機能拡張マルチセンサ制御決定部311、捕捉機能拡張マルチセンサ制御ルール312およびマルチセンサ制御コマンド発行部303を備えて構成される。
捕捉機能拡張マルチセンサ制御決定部311は、捕捉機能拡張マルチセンサ制御ルール312および観測情報から、実施の形態2のマルチセンサ制御決定部301と同様の処理でセンサの制御方法を決定する。ただし、捕捉機能拡張マルチセンサ制御ルール312に累積探知確率が設定されている場合、捕捉機能拡張マルチセンサ制御ルール312に探知確率条件を設定した捜索範囲が設定されている場合に、対象の方向に必要な回数分レーダ波を指向するセンサ制御方法を決定し、マルチセンサ制御コマンド発行部303に対して、時系列、すなわち複数回の時刻でセンサ制御コマンドの発行を指示する。
捕捉機能拡張マルチセンサ制御ルール312には、判断基準として実施の形態2のマルチセンサ制御ルール302で設定しているルールに加えて、累積探知確率および探知確率条件を設定した捜索範囲を設定する。
実施の形態3では、累積探知確率に対する設定例として、実施の形態1のルールに対し、判断基準として、「自機が追尾開始前には瞬時覆域内で観測」および「累積探知確率は70%以上」とするルールを加える。また、探知確率条件を設定した捜索範囲は、捜索範囲1として「RCS1.0m2に対して相対距離70km以上で探知確率50%以上、捜索中心(方位0deg、方位0deg)、範囲(AZ方向10deg、EL方向10deg)」が設定され、捜索範囲2として「RCS1.0m2に対して相対距離40km以上で探知確率50%以上、捜索中心(方位0deg、方位0deg)、範囲(AZ方向10deg、EL方向10deg)」を設定する。
以下、実施の形態3における捕捉機能拡張マルチセンサ制御決定部311でのセンサ制御決定方法について説明する。
まず、累積探知確率を基準とした制御方法について説明する。例えば、自機が追尾していない目標の目標情報として、目標との相対距離が120kmで推定誤差1km、RCS1.0m2の目標情報が入力されたとする。この場合、瞬時覆域内の制約からモード1(図3および図4参照)が選択される。累積探知確率は、探知確率をPdとし、観測実施回数をNとした場合に次式で現される。
累積探知確率=1−(1−Pd) ……(1)
上記(1)式において、“Pd”は、レーダ波を1回指向した場合に目標を探知できる確率であり、“N”は、目標にレーダ波を指向して観測を実施できた回数とする。
本実施の形態において、モード1では、相対距離が120kmで探知確率が20%、Pd=0.2であったとする。この場合、N=6、すなわち、6回観測すると累積探知確率が約74%となり、制約条件の70%以上となる。このため、捕捉機能拡張マルチセンサ制御決定部311は、モード1でのペンシルビームを目標方向に6回指向して観測を実施するセンサ制御の実施を決定する。このとき、マルチセンサ制御コマンド発行部303からDBF機能付レーダ600に対して、対応するセンサ制御コマンドが発行される。
つぎに、例えば、自機が追尾していない目標の目標情報として、目標との相対距離が70km、推定誤差2km、RCS1.0m2の目標情報が入力されたとする。この場合、目標は指定された位置の±1.6degの範囲に存在すると推定され、「モード2」でないと、瞬時覆域内で目標を捉えることができないため、モード2が選択される。ここで、本実施の形態における「モード2」では、相対距離が70kmでの探知確率Pdが30%(=0.3)であったとする。この場合、N=4、すなわち、4回の観測では、上記(1)式により、累積探知確率が約76%となり、制約条件の70%以上となる。このため、捕捉機能拡張マルチセンサ制御決定部311は、モード2でのマルチビームを目標方向に4回指向して観測するというセンサ制御の実施を決定する。この決定により、マルチセンサ制御コマンド発行部303からDBF機能付レーダ600に対し、対応するセンサ制御コマンドが発行される。
つぎに、探知確率条件を設定した捜索範囲を基準とした制御方法について説明する。
捜索範囲1が指定された場合、捕捉機能拡張マルチセンサ制御決定部311は、RCS1.0m2に対して相対距離70km以上で探知確率50%以上の条件から、「モード1」を選択する。ここで、「モード1」は、瞬時覆域が1degで、捜索範囲がAZ方向10deg、EL方向10degであるため、合計で100回のビームを指向して観測を実施することが決定される。マルチセンサ制御コマンド発行部303からは、対応するセンサ制御コマンドがDBF機能付レーダ600に対して発行される。
また、捜索範囲2が指定された場合、捕捉機能拡張マルチセンサ制御決定部311は、RCS1.0m2に対して相対距離40km以上で探知確率50%以上の条件から、瞬時覆域が広い「モード2」を選択する。「モード2」は、瞬時覆域が2degで、捜索範囲がAZ方向10deg、EL方向10degであるため、合計で25回のビームを指向して観測を実施することが決定される。マルチセンサ制御コマンド発行部303からは、対応するセンサ制御コマンドがDBF機能付レーダ600に対し発行される。
実施の形態3では、目標の存在する可能性がある範囲を考慮して、DBFレーダに対して適切な瞬時覆域を設定し、累積探知確率達成に必要な指向回数を設定できるという効果がある。
また、実施の形態3では、探知確率条件を設定した捜索範囲に対しても、レーダの探知確率を考慮して適切なDBFレーダの瞬時覆域を設定することで、効率の良い捜索を実施できるという効果がある。特に、マルチビームの捜索を実施した場合には、従来のペンシルビームのみの捜索と比較して短時間で捜索を完了できるという運用上の効果がある。
また、センサシステムでは、パイロットへの情報提供、火器管制といった、運用に必要な情報の生成が求められる。運用に必要な情報は、追尾処理結果である航跡情報となることが多い。追尾処理を実施して航跡を生成するには、センサの探知結果が必要になる。このため、追尾処理では、特に追尾を開始する際に、探知結果を一定以上の確率で入力することが求められる。その一方で、追尾では、毎回探知結果が入力される必要は無い。このため、追尾の開始では、探知確率、すなわちレーダを1回指向した場合に目標を探知できる確率よりも、一定の時間内に探知データが得られるか否かが、重要になる。このため、追尾の開始処理では、累積探知確率を基準としてセンサを制御できると有利である。
実施の形態3では、累積探知確率を基準にDBFレーダを指向制御して目標の探知データを得る制御が可能になる。その結果、実施の形態3では、DBFレーダの特徴を活かして、瞬時覆域内に目標が存在する可能性についても担保してセンサ制御を実施できるという効果がある。
また、実施の形態3では、DBF機能を搭載したレーダを適切に制御することで、センサの運用の1つである追尾の開始処理に応じて、適切な制御方法を実現できるという効果がある。
一般に、機外からの観測情報は搭載センサよりも観測誤差が大きい。比較的遠方を観測する場合には、誤差が角度方向に与える影響が小さいため、瞬時覆域を絞ったペンシルビームによる従来のレーダの観測方式でも問題が発生することは少ない。一方、近距離を観測する場合には、誤差が角度方向に与える影響が大きく、ペンシルビームのみでは瞬時覆域外となる。瞬時覆域外では、ビーム内に目標が存在しないため、累積の効果が得られず、目標方向にレーダを複数回指向しても搭載センサで探知することが困難であった。
これに対し、実施の形態3では、近距離を観測する場合に、レーダのDBF機能を活用し、瞬時覆域を広げて観測することができるので、目標を瞬時覆域内とすることができ、累積探知の効果が得られるシステムを実現できるという効果がある。また、遠距離では瞬時覆域を絞って探知距離を延伸する観測も実施できるので、目標の観測状況に応じて、適切な追尾開始処理におけるセンサ制御を実現できるという効果がある。
特に、近距離では、同じ速度の大きさであっても、目標の角度方向の移動速度である角速度が大きくなる。このため、観測してからレーダ制御を実施するまでの遅延時間に応じて、目標が存在する範囲が遠距離よりも大きくなり、特に、搭載センサよりも遅延時間が大きくなる機外からの観測情報を使用する場合に影響が大きくなる。このため、実施の形態3の手法を採用すれば、DBFを利用したセンサ制御の効果がより顕在化することに期待が持てる。
なお、実施の形態3では、説明を容易にするため、観測誤差を一定として累積探知確率を基準にセンサ制御を簡易に決定する例で説明したが、観測誤差を確率として、瞬時覆域内に目標が存在する確率を判断基準とした制御方法としてもよく、対応する制御ルールを設定し、ルールに対応した制御を実施することで同様の効果が得られる。
また、実施の形態3では、説明を容易にするため、累積探知確率を達成することだけを基準としたが、累積探知確率達成に必要な観測回数として、覆域内の存在確率、累積探知確率、観測回数を組合せたセンサ制御ルールを設定しあるいは、複数の要素に対する評価関数を設定するような判断基準を設定しても同様の効果が得られる。
実施の形態4.
図9は、実施の形態4によるセンサ制御システムの構成を示す図である。実施の形態4では、図9に示すように、図7に示した実施の形態2の構成において、DBFレーダ制御対応センサ管理部300を、追尾機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部320に変更して、センサ制御システム100を構成している。追尾機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部320は、DBFレーダ制御対応センサ管理部300において、追尾の維持に必要な頻度で、目標の探知回数が期待できるように、指向制御する機能が追加された構成部である。なお、ここでいう「頻度」は、「時間間隔および回数」と読み替えることができる。
追尾機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部320は、追尾機能拡張マルチセンサ制御決定部321、追尾機能拡張マルチセンサ制御ルール322およびマルチセンサ制御コマンド発行部303を備えて構成される。
追尾機能拡張マルチセンサ制御決定部321は、追尾機能拡張マルチセンサ制御ルール322および観測情報から、マルチセンサ制御決定部301と同様の処理でセンサの制御方法を決定する。ただし、追尾機能拡張マルチセンサ制御ルール322に追尾の維持に必要な頻度が指定され、目標の追尾維持を目的としたセンサ制御を実施すると判断した場合には、対象の方向に必要な頻度でレーダ波を指向するセンサ制御方法を決定し、マルチセンサ制御コマンド発行部303に対して、時系列、すなわち複数回の時刻でセンサ制御コマンドの発行を指示する。
なお、目標の追尾維持を目的とした制御を実施するか否かの判断は、上述した特許文献2で実現されている方法と同様の方法で実現可能である。
追尾機能拡張マルチセンサ制御ルール322には、判断基準としてマルチセンサ制御ルール302で設定しているルールに加えて、判断基準として追尾の維持に必要なレーダの観測頻度が設定されている。
ここで、追尾の維持に必要なレーダの観測頻度に関する設定例として、実施の形態5では、実施の形態1のルールに対し、判断基準として「1秒間に期待値1回の頻度でレーダ観測」および「追尾維持では瞬時覆域拡大優先」とするルールを加え、DBF機能付レーダ600の制御方法では「100msec周期で観測を実施」を設定する。なお、レーダ観測の期待値は、「探知確率」×「観測回数」で算出する場合を例示する。
以下、実施の形態4における追尾機能拡張マルチセンサ制御決定部321でのセンサ制御決定方法について説明する。
例えば、目標との相対距離が120kmで追尾を実施中とする。相対距離が120kmでは、モード1の探知確率は20%(Pd=0.2)、モード2の探知確率は5%(Pd=0.05)とする。
期待値1回の達成には、モード1では5回の観測、モード2では、モード1の4倍、すなわち20回の観測が必要になる。「100msec周期で観測を実施」するというルールのため、1秒間の観測回数は10が最大値であり、モード2での観測は不可となる。このため、追尾機能拡張マルチセンサ制御決定部321は、1秒間に5回、モード1で目標方向を観測するようにビームを指向して観測を実施することを決定する。このとき、マルチセンサ制御コマンド発行部303からDBF機能付レーダ600に対して、対応するセンサ制御コマンドが発行される。
なお、1秒間で最大10回の観測が可能なため、残りの5回分は、他の目標の観測または電波を送信しない電波封止の制御が実施可能となる。
つぎに、例えば、目標との相対距離が70kmで追尾を実施中とする。なお、相対距離が120kmでは、モード1の探知確率は50%(Pd=0.5)であり、モード2の探知確率は30%(Pd=0.3)であるとする。
上記例の場合、期待値1回の達成には、モード1では2回の観測、モード2では4回の観測が必要になる。よって、モード1またはモード2の何れでも対応可能であるが、「追尾維持では瞬時覆域拡大優先」というルールから、モード2での観測が選択される。このため、追尾機能拡張マルチセンサ制御決定部321は、1秒間に4回、モード2で目標方向を観測するようにビームを指向して観測を実施することを決定する。この決定により、マルチセンサ制御コマンド発行部303からDBF機能付レーダ600に対し、対応するセンサ制御コマンドが発行される。
実施の形態4では、追尾の維持を考慮して、探知確率および瞬時覆域の両方を基準に、一定の探知データの入力を担保しながら追尾処理を実行可能とするセンサ制御を実現できるという効果がある。
実施の形態4の追尾処理は、同一目標と判断した探知データを時系列で繋ぐことで航跡情報を生成する処理である。探知データの入力がサンプリングの頻度となるため、運動の変化が激しい目標に対しては、サンプリングが多い方が有利である。一方で、追尾処理では探知データで得た位置情報を微分して速度情報を生成する。探知データの入力間隔が短い場合には、位置誤差により、算出する速度情報の誤差が拡大するという課題がある。また、レーダで目標を観測する場合には電波を放射することになるため、電波の発射を監視している相手に発見される確率が増加するという課題もある。このため、レーダを用いた追尾処理では、目標の運動への対処も含めて、所期の観測品質を維持可能な範囲で、適切な頻度で観測することが運用上重要になる。
ここで、事前に必要な観測頻度は、追尾処理のアルゴリズム等から設定可能である。ただし、レーダは電波センサであり、目標方向にビームを指向しても観測結果が得られる保証は無い。このため、観測性能と観測頻度とを組合せてレーダ制御を実施することが運用上、重要である。実施の形態4は、観測性能と観測頻度とを組合せてレーダ制御を実施するという運用に適したレーダ制御を実現することができる。
また、実施の形態4では、観測の時間間隔を保証して追尾を実施できるため、速度や加速度といった、微分で得る情報を安定させた観測を実施できるセンサ制御方式を実現できるという効果がある。
追尾処理では入力された探知データを同一目標と見做すか否かの判断では、追尾処理で算出した速度および加速度を使用する。実施の形態4のセンサ制御により、速度および加速度の観測を安定化することができるので、正しい探知データを同一目標とできる確率の向上が期待でき、追尾維持能力の向上、安定した追尾品質の実現といった運用上の効果が期待できる。
また、追尾処理は遠距離から近距離まで継続して実施することが重要である。遠距離では探距離性能が厳しく、近距離では目標を瞬時覆域内で観測する性能が厳しくなる。実施の形態4では、DBF機能を利用して距離に応じて適切なレーダ制御を実現できるため、追尾維持の頻度制御と組合せることで、より適切なレーダ制御を実現することに期待が持てる。
特に目標の機動により、瞬時覆域内で観測する性能が厳しくなる状況では、DBF機能を利用して瞬時覆域を広げるセンサ制御を併用できる効果が高く、実施の形態4によるセンサ制御が、瞬時覆域を拡大する効果の発揮に期待が持てる。
また、実施の形態4では、一定の探知データの入力を担保できるため、最適なレーダ放射頻度を選択できるという効果がある。また、実施の形態4のセンサ制御では、上記した特許文献2と同様に他の搭載センサと連携した電波放射頻度抑制機能を追加可能である。また、実施の形態4における追尾制御を、他の搭載センサにおける電波放射頻度抑制機能と連携して動作させることは容易に実現可能であり、電波放射低減の効果的な実現に期待が持てる。
また、実施の形態4のセンサ制御では、上記特許文献2と同様に、データ融合部500が生成する観測状況に応じた他の搭載センサおよび外部からの観測情報とも連携したセンサ制御が可能である。このため、実施の形態4における追尾制御と連携して動作させることは容易に実現可能であり、マルチセンサでの追尾処理の効果的な実現に期待が持てる。
また、実施の形態4のセンサ制御において、データ融合部500が生成する観測状況を利用することで、追尾の品質が落ちてきた場合、または、目標が近距離となった場合において、目標の機動等に応じて、DBFレーダ機能を利用して瞬時覆域を拡大することができ、目標をビーム内とできる確率を向上させた観測制御も可能となり、マルチセンサでの追尾処理の効果的な実現に期待が持てる。
なお、実施の形態4では、説明を容易にするため、頻度の制御を単純な期待値を基準として実施する例で説明したが、例えば累積探知確率を基準に制御を実施しても同様の効果を発揮する。また、制御の判断基準として、データ融合部500が生成する目標の品質情報を利用して、目標が瞬時覆域内に存在する確率も組み合わせて、追尾に必要な観測頻度を得るセンサ制御ルールを設定した場合でも同様の効果を発揮し、かつ、瞬時覆域の影響を受ける状況では、より効果を発揮することが期待できる。その他、データ融合部500が生成する目標情報を利用して、運動に応じた制御、例えば高機動時での速度の変化に応じた制御、観測頻度を増やしてサンプリングを増やす制御および、瞬時覆域を広げる制御を組合せたセンサ制御ルールを設定することも可能であり、このような制御によって、より柔軟なセンサ制御を実現する効果の発揮に期待が持てる。
実施の形態5.
図10は、実施の形態5によるセンサ制御システムの構成を示す図である。実施の形態5では、図10に示すように、図7に示した実施の形態2の構成において、データ融合部500を対誤警報機能拡張データ融合部501に変更し、DBFレーダ制御対応センサ管理部300を、対誤警報機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部330に変更して、センサ制御システム100を構成している。対誤警報機能拡張データ融合部501は、データ融合部500において、搭載センサ700の観測結果から誤警報の判定が必要な状況を判断する機能が追加された構成部である。対誤警報機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部330は、DBFレーダ制御対応センサ管理部300において、誤警報の排除およびメモリトラックの中止判断を含む目標の存在有無の判断に必要な回数の指向制御を行う機能が追加された構成部である。なお、「誤警報」とは、目標が存在しない位置に対して、目標探知の情報が出力される場合を指して言う。
対誤警報機能拡張データ融合部501は、対誤警報機能拡張相関統合部511および対誤警報機能拡張目標情報管理部521を備えて構成される。
対誤警報機能拡張相関統合部511は、相関統合部510と同様にDBF機能付レーダ600、搭載センサ700の探知データおよび航跡と、データ通信部811経由で入力される航空機800B、外部センサ管制機構901の探知データおよび航跡とを統合して、目標情報を生成する。
対誤警報機能拡張相関統合部511は、さらに、誤警報と推定する観測があった領域、誤航跡の可能性がある航跡および、メモリトラックとなって追尾の継続が困難となっている航跡を判定し、誤警報確認対象として出力する機能が追加されている。
なお、メモリトラックとは、追尾中の航跡において、探知情報の入力が無い場合に、過去の観測情報から、同一もしくは同等の速度で飛行していることを仮定して、位置および速度の情報を外挿する等して航跡情報を生成し、出力している状態である。メモリトラック中の航跡に新たに探知データが入力されれば航跡の情報を更新して追尾処理を継続するが、一定期間探知データが入力されない場合は、ロストしたと判断して、航跡を削除する。
対誤警報機能拡張目標情報管理部521は、目標情報管理部520の機能に、対誤警報機能拡張相関統合部511が出力する誤警報確認対象も目標情報の一部として一元管理し、対誤警報機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部330へ出力する機能が付加された構成部である。
対誤警報機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部330は、対誤警報機能拡張マルチセンサ制御決定部331、対誤警報機能拡張マルチセンサ制御ルール332およびマルチセンサ制御コマンド発行部303を備えて構成される。
対誤警報機能拡張マルチセンサ制御決定部331は、対誤警報機能拡張マルチセンサ制御ルール332および観測情報から、マルチセンサ制御決定部301と同様の処理でセンサの制御方法を決定する。ただし、対誤警報機能拡張目標情報管理部521から、誤警報確認対象の情報が入力された場合には、対誤警報機能拡張マルチセンサ制御ルール332を参照して、誤警報の確認を目的に、対象の方向に適切な瞬時覆域で必要な回数のレーダ波を指向するセンサ制御方法を決定し、マルチセンサ制御コマンド発行部303に対して、時系列、すなわち複数回の時刻でセンサ制御コマンドの発行を指示する。
対誤警報機能拡張マルチセンサ制御ルール332には、判断基準として実施の形態2のマルチセンサ制御ルール302で設定しているルールに加えて、誤警報確認対象の情報に応じたセンサ制御方法の選択基準を設定する。
実施の形態5は、誤警報対処方法の事例として、次の2パターンで説明する。
まず、パターン1では、対誤警報機能拡張相関統合部511に搭載センサ700から探知情報が入力され、対誤警報機能拡張相関統合部511が、光波センサの観測に対する誤警報確認対象の情報を出力し、対誤警報機能拡張目標情報管理部521経由で、対誤警報機能拡張マルチセンサ制御決定部331へ出力する事例で示す。
搭載センサ700のような光波センサは、一般にレーダのようなアクティブセンサと比較して誤警報が多い。観測原理が異なる異種センサでは、誤警報が同じ位置に出現する可能性が低いため、レーダを指向して誤警報であるか、真の目標であるかの判定を行うことを狙う。
パターン2では、対誤警報機能拡張相関統合部511が、長時間探知データが入力されていない航跡を誤警報確認対象と判断し、観測の状況から品質レベルを加えて誤警報確認対象の情報として出力し、対誤警報機能拡張目標情報管理部521経由で、対誤警報機能拡張マルチセンサ制御決定部331へ出力する事例で示す。また、以下の説明では、相対距離が50kmで、品質のレベルとして品質レベル2が設定されたとして説明する。
また、実施の形態5では、対誤警報機能拡張マルチセンサ制御ルール332として、搭載センサ700に対する誤警報確認対象の情報では「モード1で5回観測する制御を実施」、追尾維持の確認では「品質レベル1の場合は推定誤差0.5kmで累積探知確率95%まで観測」、「品質レベル2の場合は推定誤差1.5kmで累積探知確率95%まで観測」が設定されたとする。また、「瞬時覆域内で目標を観測できるモードを優先」というルールが設定されたとする。なお、実施の形態1と同様に、相対距離50kmでのモード2の探知確率は50%(Pd=0.5)とする。
一般に、搭載センサ700のような光波センサは、レーダよりも角度の観測精度が良い。このため、実施の形態5では、モード1で確認するセンサ制御ルールとしている。また、光波センサは、距離情報を得るのが困難なセンサのため、例えば探知確率が50%となるときのレーダ探知距離で、累積探知確率95%以上となるまで観測を実施することで、目標の存在有無を確認するセンサ制御の設定で説明することにする。
さらに、実施の形態5では、目標が存在しないことを確認するセンサ制御のため、累積探知確率を95%以上とするルールとした。なお、累積探知確率を95%以上で観測した場合、目標が存在していて、一度も探知できない確率は5%未満となる。
以下、実施の形態5の対誤警報機能拡張マルチセンサ制御決定部331におけるセンサ制御決定方法について説明する。
パターン1では、光波センサの観測に対する誤警報確認対象の情報が入力されたときに、対誤警報機能拡張マルチセンサ制御ルール332を参照し、光波センサの観測方向に対してモード1で5回観測を実施することを決定する。このとき、マルチセンサ制御コマンド発行部303からDBF機能付レーダ600に対して、対応するセンサ制御コマンドが発行される。
パターン2では、相対距離50km、品質レベル2、推定誤差が1.5kmのため、誤警報を確認する範囲は、基準位置の±1.7degの範囲となり、モード2が選択される。相対距離50kmでのモード2の探知確率は50%であり、累積探知確率を95%以上とするには、5回の観測を実施する必要がある。このため、目標が存在すると予測する方向に、モード2で5回の観測を実施することを決定する。このとき、マルチセンサ制御コマンド発行部303からDBF機能付レーダ600に対して、対応するセンサ制御コマンドが発行される。
実施の形態5では、誤警報、メモリトラックに失敗したと考える領域および、目標に対して目標が存在しない確率に応じた判断基準に基づいて、必要な回数のレーダ観測を実施するセンサ制御システムを実現できるという効果がある。
また、実施の形態5では、観測状況品質、確認対象のセンサの性能等に基づいて、適切な瞬時覆域および探知能力を選択してレーダの観測を実施するセンサ制御システムを実現できるという効果がある。
実施の形態5により、レーダのDBF機能を拡張して、誤警報か否かの判断を適切に実施することができるようになる。誤警報の判断を適切に実施できれば、ユーザに提示する誤警報および誤目標を低減することが可能となり、ユーザの判断時間または反応時間の短縮、ワークロード低減に繋がり、運用上の効果が期待できる。
また、実施の形態5により、誤警報を低減する構成部を設けることで、光波センサのように、誤警報が多いセンサを加えたマルチセンサシステムの構築や信頼性向上が容易になるという効果もある。
なお、実施の形態5では、説明を容易にするため、誤警報確認のセンサ制御を単純に選択する方法で説明したが、累積探知の回数等を基準にする方法でも同様の効果が得られる。例えば上述したパターン2では、モード1でも累積探知を実施可能である。モード1の相対距離50kmでの探知確率を70%(Pd=0.7)とすると、累積探知確率95%に必要な観測回数は3回である。また、品質レベル2に対応した基準位置の±1.7degの範囲の確認では、覆域の網羅のため、モード1では4回ビームを指向する必要がある。このため、モード1で累積探知確率達成に必要な回数は、3×4=12回となり、モード2で5回の観測を実施した方が有利となる。このような判断基準に基づいて、センサ制御を実施できるのが、実施の形態5によるセンサ制御システムの効果である。
実施の形態6.
図11は、実施の形態6によるセンサ制御システムの構成を示す図である。実施の形態6では、図11に示すように、図10に示した実施の形態5の構成において、対誤警報機能拡張データ融合部501を、ミサイルシーカ連携機能拡張データ融合部502に変更して、センサ制御システム100を構成している。ミサイルシーカ連携機能拡張データ融合部502は、シーカ捕捉方位を誤警報の判定が必要な状況に追加し、誤警報確認のために実施したレーダの観測情報を使用して早期に誤警報か否かを判定し、誤警報と判断した場合に自動でミサイルシーカの追尾をキャンセルする機能が追加された構成部である。また、実施の形態6では、航空機800A内に飛翔体管制通信部831が追加され、航空機800Aの外部に分離飛翔体832を関係するシステムとして加えている。
ミサイルシーカ連携機能拡張データ融合部502は、ミサイルシーカ連携機能拡張相関統合部512、ミサイルシーカ連携機能拡張目標情報管理部522およびミサイル制御部530を備えて構成される。
ミサイルシーカ連携機能拡張相関統合部512は、図10に示した実施の形態5の対誤警報機能拡張相関統合部511に、飛翔体管制通信部831からミサイルシーカの観測方位が入力されたときに、シーカ捕捉方位を誤警報の判定が必要な情報として追加する機能と、誤警報確認のために実施した制御に応じて観測制御を実施するDBF機能付レーダ600からの入力レーダをモニタして、ミサイルシーカの観測情報が誤警報か否か早期に判定する機能と、を追加して実現する。なお、ミサイルシーカの観測情報が誤警報と判定した場合には、誤警報であることをミサイルシーカ連携機能拡張目標情報管理部522へ出力する。
ミサイルシーカ連携機能拡張目標情報管理部522は、図10に示した実施の形態5の対誤警報機能拡張目標情報管理部521の機能に加えて、ミサイルシーカ連携機能拡張相関統合部512からミサイルシーカの観測情報が誤警報との出力を受けた場合に、シーカの捕捉をキャンセルする指示の発行をミサイル制御部530に出力する。なお、ミサイルシーカの観測方位に応じた誤警報の判定が必要な情報については、他の誤警報の判定が必要な情報と同様に、対誤警報機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部330へ出力する。
対誤警報機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部330では、実施の形態5のパターン1と同様の方法でセンサ制御を実施する。ただし、実施の形態6では、近距離用の赤外線ミサイルシーカで瞬時覆域が大きいモードを優先し、相対距離が近い条件で、累積探知に必要な回数でレーダ観測を行うルールとしている。
ミサイル制御部530は、ミサイルシーカ連携機能拡張目標情報管理部522からの指示に応じて、飛翔体管制通信部831にシーカの捕捉をキャンセルする指示を出力する。
飛翔体管制通信部831は、ミサイルシーカ連携機能拡張データ融合部502の出力する目標情報に従って、分離飛翔体832に対する射程内または射程外のミッション情報を算出する構成部である。飛翔体管制通信部831は、ミサイルシーカ連携機能拡張データ融合部502の出力する目標情報に従って対象の目標を特定し、パイロットの発射操作に応じて、分離飛翔体832に制御信号を送信する。
以下、実施の形態6では、分離飛翔体832の発射前に次の処理を実施する。まず、ミサイルシーカ連携機能拡張データ融合部502の出力する目標情報に応じて、目標の存在方位を分離飛翔体832に送信する。つぎに、分離飛翔体832のミサイルシーカによる目標捕捉の情報を受信した場合は、受信した情報をミサイルシーカ連携機能拡張データ融合部502へ出力する。また、ミサイル制御部530からシーカの捕捉キャンセルの指示を受け取った場合、分離飛翔体832にシーカ捕捉情報のキャンセルを指示する。
分離飛翔体832は、発射前には、飛翔体管制通信部831から入力された目標の方位情報等を参考に、ミサイルシーカで目標を捜索し、ミサイルシーカが目標を捕捉した場合は、ミサイルシーカの捕捉情報として、飛翔体管制通信部831に出力する。
また、飛翔体管制通信部831からシーカ捕捉情報のキャンセル指示があった場合、現在捕捉中の情報をキャンセルし、再度、ミサイルシーカで目標捜索処理を開始する。
なお、分離飛翔体832は、飛翔体管制通信部831からの発射の制御信号があれば、航空機800から分離されて飛翔を開始し、ミサイルシーカで捕捉している方向に向かって自律誘導で飛翔する。
なお、実施の形態6では、ミサイルシーカ連携機能拡張データ融合部502にミサイルシーカのキャンセル機能を追加したが、センサ制御のフローは実施の形態5と同様であるため、ここでの説明は省略する。
実施の形態6では、レーダのDBF機能を拡張した誤警報か否かの判断制御を、ミサイルシーカで目標を捕捉し、捕捉した目標が誤警報であった場合に応用することができる。この応用により、捕捉中の処理を早期にキャンセルすることができ、また、再度の目標捜索処理を開始できるので、ミサイルを無駄なく運用できるという効果がある。
なお、目標が近距離の状況でレーダを運用する場合には、パイロットのワークロードが高い。また、分離飛翔体832の指向方向の制御では、ヘルメットマウンテッドディスプレイ(Helmet Mounted Display:HMD)のようにパイロットの視軸方向へ指向させる方法もあるが、パイロットのワークロードが高いため、方位指示が正しく行えないことも多い。このような運用状況で、センサシステムにより、誤警報を捕捉した場合に自動的にキャンセルすることで、パイロットのワークロード低減が期待できる。また、ミサイル発射準備に向けた操作等、次の操作へ早く移行することで交戦能力が向上することも期待できる。
実施の形態7.
図12は、実施の形態7によるセンサ制御システムの構成を示す図である。実施の形態7では、図12に示すように、図7に示した実施の形態2の構成において、DBFレーダ制御対応センサ管理部300を、運動判定機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部340に変更して、センサ制御システム100を構成している。運動判定機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部340は、DBFレーダ制御対応センサ管理部300において、自己の運動を判断する運動判断機能と、運動判断に応じてセンサ制御方法を決定する運動対応センサ制御機能とが追加された構成部である。また、実施の形態7では、航空機800A内に測位慣性航法部841が追加されている。
運動判定機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部340は、運動判定機能拡張マルチセンサ制御決定部341、運動判定機能拡張マルチセンサ制御ルール342、運動判定部344およびマルチセンサ制御コマンド発行部303を備えて構成される。
運動判定機能拡張マルチセンサ制御決定部341は、運動判定機能拡張マルチセンサ制御ルール342および観測情報から、図7に示した実施の形態2のマルチセンサ制御決定部301と同様の処理でセンサの制御方法を決定する。ただし、運動判定機能拡張マルチセンサ制御決定部341は、運動判定部344から運動対処指示を受けた際には、運動判定機能拡張マルチセンサ制御ルール342を参照して、センサ制御方法を決定する。
運動判定機能拡張マルチセンサ制御ルール342には、判断基準として、図7に示した実施の形態2のマルチセンサ制御ルール302で設定しているルールに加え、運動判定部344から対処指示があった場合の対処方法を設定する。
実施の形態7では、対処指示があった場合に、センサ制御で基準となる自機の観測が不安定になることを考慮して、観測情報の誤差を20%増加させた条件で、センサ制御を決定するルールを加える。
測位慣性航法部841は、航空機の運動を観測し、自機の位置、速度、姿勢角等の情報を運動判定部344に出力する。
運動判定部344は、測位慣性航法部841から入力される自機の位置、速度、姿勢角等の情報から、センサ制御で対処する自機の運動の有無を判断し、必要があれば運動対処指示を運動判定機能拡張マルチセンサ制御決定部341に出力する。
また、運動判定部344は、一定のG以上の旋回を確認した際に、センサ制御で必要な誤差範囲が拡大すると判断し、運動判定機能拡張マルチセンサ制御決定部341に対処を指示する。
運動判定部344から対処指示が出力されると、運動判定機能拡張マルチセンサ制御決定部341は、観測情報の誤差を20%増加させた条件で、センサ制御を決定する。なお、基本的なセンサ制御のフローは実施の形態2と同様のため、ここでの説明は省略する。
実施の形態7により、移動体自身の運動も考慮して、探知での観測精度を確保した上で、目標との相対距離と制御で利用する情報の精度に応じて、瞬時覆域および探知距離の双方を判断基準として、最適な送信電力と瞬時覆域のリソース配分を決定できるという効果がある。なお、上記において、探知距離は探知確率と言い替えてもよい。また、瞬時覆域は、ビーム指向範囲に目標が存在するか否かを決定するための判断条件である。また、移動体では、移動体自身の運動の影響で、センサの観測方法を変更する必要がある場合が存在する。移動体自身の運動も考慮して制御を実施できることで多くの状況に対応できるという効果がある。
なお、実施の形態7では、航空機への適用例で説明したが、他の移動体へ搭載した場合でも、同様の効果が得られる。例えば、自動車に搭載した場合、高速で通常走行時は前方方向に絞ったビーム制御とし、低速走行中、停止中または右左折時等においては、広範囲のビーム制御とする。このような制御によれば、通常走行時の速度の速い状況では前方を遠距離から警戒し、低速、停止中または右左折時等においては、近距離を広覆域で警戒するようなセンサ制御が可能になるという効果がある。また、右左折時等は、右折または左折の方向を基準に、進行する方向を中心とした覆域の観測制御を実施できるという効果も得られる。さらに、自分の運動を基準にレーダを制御する状況では、本実施の形態の効果がより発揮されることが期待できる。
実施の形態8.
図13は、実施の形態8によるセンサ制御システムの構成を示す図である。実施の形態8では、図13に示すように、図7に示した実施の形態2の構成において、DBFレーダ制御対応センサ管理部300を、周囲条件判定機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部350に変更して、センサ制御システム100を構成している。周囲条件判定機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部350は、周囲条件の判断機能と、周囲条件の判断に応じてセンサ制御方法を決定する周囲条件対応センサ制御機能と、が追加された構成部である。また、実施の形態8では、航空機800A内に測位慣性航法部841が追加されている。
周囲条件判定機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部350は、周囲条件判定機能拡張マルチセンサ制御決定部351、周囲条件判定機能拡張マルチセンサ制御ルール352、周囲条件判定部354、周囲条件記録部355およびマルチセンサ制御コマンド発行部303を備えて構成される。
周囲条件判定機能拡張マルチセンサ制御決定部351は、周囲条件判定機能拡張マルチセンサ制御ルール352および観測情報から、図7に示した実施の形態2のマルチセンサ制御決定部301と同様の処理でセンサの制御方法を決定する。ただし、周囲条件判定機能拡張マルチセンサ制御決定部351は、周囲条件判定部354から周囲条件対処指示を受けた際には、周囲条件判定機能拡張マルチセンサ制御ルール352を参照して、センサ制御方法を決定する。
周囲条件判定機能拡張マルチセンサ制御ルール352には、判断基準として、図7に示したマルチセンサ制御ルール302で設定しているルールに加え、周囲条件判定部354から対処指示があった場合の対処方法を設定する。
実施の形態8では、対処指示が、電波封止領域内であった場合に、レーダを含む全電波センサを送信停止としたセンサ制御とし、電波封止領域外の場合に、実施の形態1から7までに示したような、レーダを使用したセンサ制御を可とするルールを加える。
測位慣性航法部841は、航空機の運動を観測し、自機の位置、速度、姿勢角等の情報を運動判定部344に出力する。
周囲条件判定部354は、測位慣性航法部841から入力される自機の位置、速度、姿勢角等の情報と、周囲条件記録部355の内容とを参照して、自機の周囲条件を判定し、必要に応じて周辺条件対処指示を周囲条件判定機能拡張マルチセンサ制御決定部351に出力する。
実施の形態8では、自機が電波封止領域内に存在する場合は「電波封止領域内」、電波封止領域外に存在する場合は「電波封止領域外」の対処指示を出力する。
周囲条件記録部355には、周辺条件として、座標に応じたセンサ制御に必要な対処指示の情報が格納されている。実施の形態8では、位置座標に応じて、「電波封止領域内」または「電波封止領域外」という対処指示を出力するが、当該対処指示は周囲条件記録部355に記録される。
実施の形態8により、移動体の存在位置等の周辺条件に応じて、探知での観測精度を確保した上で、目標との相対距離と制御で利用する情報の精度に応じて、瞬時覆域および探知距離の双方を判断基準として、最適な送信電力と瞬時覆域のリソース配分を決定できるという効果がある。なお、上記において、探知距離は探知確率と言い替えてもよい。また、瞬時覆域は、ビーム指向範囲に目標が存在するか否かを決定するための判断条件である。
パイロット1名が搭乗するような航空機では、パイロットのワークロードが高い。このため、移動体の位置を基準に、周辺条件に応じたセンサの運用を自動的に制御することができれば、ワークロード低減等の効果が期待できる。
なお、実施の形態8では、航空機への適用例で説明したが、他の移動体へ搭載した場合でも、同様の効果が得られる。例えば、自動車に搭載した場合、通常走行時は前方方向に絞ったビーム制御を実施し、交差点進入直前には広覆域で周囲への警戒能力を向上させるといった応用が可能になる効果がある。また、ビル等、電波を反射する物体を周辺条件として考慮して、指向方向、瞬時覆域、送信電力を制御するといったレーダ制御も可能となる。このような制御によれば、レーダの誤警報低減、危険が高い箇所への集中捜索を行って早期に検出するという効果が期待できる。なお、誤警報を低下させることは、ユーザの認識能力向上、ワークロード低減および安全性向上に貢献することが期待できる。
実施の形態9.
図14は、実施の形態9によるセンサ制御システムの構成を示す図である。実施の形態9では、図14に示すように、図7に示した実施の形態2の構成において、DBF機能付レーダ600に搭載し、センサ制御システムに搭載したDBFレーダ制御対応センサ管理部300と連携して動作する第2のDBFレーダ制御部としてのセンサ搭載DBFレーダ制御部400を追加してセンサ制御システム100を構成している。図15は、実施の形態9による基本的な処理の流れの一例を示すフローチャートである。
センサ搭載DBFレーダ制御部400は、レーダ制御決定部401およびとレーダ制御ルール402を備えて構成される。
レーダ制御決定部401は、マルチセンサ制御コマンド発行部303が発行するセンサ制御コマンドをDBF機能付レーダ600に出力する。また、レーダ制御決定部401は、DBF機能付レーダ600の観測結果をモニタし、レーダ制御ルール402を参照して、センサ制御コマンドを生成して、DBF機能付レーダ600に出力する。
レーダ制御ルール402には、図15の制御に必要な情報として、早いレスポンスが必要なレーダ制御に関するルールであるレーダ制御ルールが格納される。具体的には、目標の角速度が1deg/secを超えた場合には、モード2で早いレスポンスの制御を実施するといったルールが格納される。
図15において、レーダ制御決定部401には、DBF機能付レーダ600が観測したレーダ観測情報が入力される(ステップS101)。レーダ制御決定部401は、DBF機能付レーダ600の観測結果をモニタし、レーダ制御ルール402を参照して、早いレスポンスが必要か否かを判断する(ステップS102)。早いレスポンスが不要な場合には、受信したマルチセンサ制御コマンド発行部303が発行するセンサ制御コマンドをDBF機能付レーダ600に出力する(ステップS103)。
一方、早いレスポンスが必要な場合には、レーダ制御ルール402に従って、センサ制御方法を決定する。具体的には、DBF機能付レーダ600の観測結果から目標の各速度が1.2deg/secとなったことを確認した場合、モード2のマルチビーム制御への移行を指示するセンサ制御方法を選択する。また、モード2のマルチビーム制御への移行を指示するセンサ制御コマンドを生成し、DBF機能付レーダ600に出力する(ステップS104)。
実施の形態9では、早いレスポンスが必要であるか否かの判断および当該判断に基づく制御は、センサ搭載DBFレーダ制御部400で実施し、システム全体を俯瞰した判断および当該判断に基づく制御は、DBFレーダ制御対応センサ管理部300で実施するようにしているので、マルチセンサ全体を俯瞰した総合的な判断に基づくセンサ制御と、目標の機動変化等、反応時間の制約が厳しい事項に対するセンサ制御とを両立させ、最適な制御方法を決定できるセンサ制御システムを提供できるという効果がある。
実施の形態10.
図16は、実施の形態10によるセンサ制御システムの構成を示す図である。実施の形態10では、図16に示すように、図14に示した実施の形態9の構成において、RCS変動判定部413を追加して構成している。また、データ融合部500を、RCS対応機能拡張データ融合部503に変更し、センサ搭載DBFレーダ制御部400をRCS対応機能拡張センサ搭載DBFレーダ制御部410に変更して構成している。
RCS変動判定部413は、レーダの観測結果から、位置、速度およびRCSの変化を観測し、目標の運動開始を判定する機能を有する。RCS対応機能拡張データ融合部503は、データ融合部500において、RCS変動に応じた目標の運動開始判定情報に応じて、追尾処理の制御等を変更する機能が付加されている。RCS対応機能拡張センサ搭載DBFレーダ制御部410は、センサ搭載DBFレーダ制御部400において、RCS変動に応じた目標の運動開始判定情報に応じて、DBF機能付レーダ600の制御方法を変更する機能が付加されている。
一般に戦闘機のRCSは機体正面の象限では小さく、水平方向では側方から後方にかけて大きく、また、垂直方向では上方および下方が大きくなるといった傾向がある。航空機は、推力および揚力を使用して飛行するため、旋回等によって機動を変更する場合には、機体を機軸に沿って回転させるロール方向の運動を開始する必要がある。このため、機首方向のRCSの小さい方向を向けて接近してきた目標が、旋回等の機動を開始する場合には、RCSが増加する傾向がある。
RCS変動判定部413は、レーダの観測結果から、目標のRCSの変化を観測し、RCSの変動状況から、目標の運動開始と運動の種類を推定し、「RCS変動に応じた目標の運動開始判定情報」としてRCS対応機能拡張データ融合部503およびRCS対応機能拡張レーダ制御決定部411の双方に出力する。なお、RCS変動判定部413では、事前に入手した目標のRCS情報を格納して、目標の運動を判定するような実現方法も考えられる。
RCS対応機能拡張データ融合部503は、RCS対応機能拡張相関統合部513および、RCS対応機能拡張目標情報管理部523を備えて構成される。
RCS対応機能拡張相関統合部513は、相関統合部510と同様に搭載センサであるDBF機能付レーダ600および搭載センサ700、データ通信部811経由で入力される航空機800Bならびに、外部センサ管制機構901におけるそれぞれの探知データおよび航跡を統合して、目標情報を生成する。
また、RCS対応機能拡張相関統合部513には、RCS変動判定部413から入力される「RCS変動に応じた目標の運動開始判定情報」を使用して、内部に実装している追尾処理で、既存の航跡と探知目標との対応を決定する相関処理で基準とする航跡の変化の範囲を補正する機能と、生成する航跡の速度情報等を補正する機能とが付加されている。RCS対応機能拡張相関統合部513は、「RCS変動に応じた目標の運動開始判定情報」を航跡に付随する情報として、RCS対応機能拡張目標情報管理部523に出力する。
RCS対応機能拡張目標情報管理部523は、目標情報管理部520の機能に加え、目標情報をRCS対応機能拡張レーダ制御決定部411にも出力する機能と、入力された「RCS変動に応じた目標の運動開始判定情報」を利用して、脅威度等の情報を補正する機能とが付加されている。
RCS対応機能拡張センサ搭載DBFレーダ制御部410は、RCS対応機能拡張レーダ制御決定部411およびRCS対応機能拡張レーダ制御ルール412を備えて構成される。
RCS対応機能拡張レーダ制御決定部411は、レーダ制御決定部401の機能に、RCS変動判定部413から入力される「RCS変動に応じた目標の運動開始判定情報」と、RCS対応機能拡張目標情報管理部523から入力される目標情報を使用して、RCS対応機能拡張レーダ制御ルール412を参照して、DBF機能付レーダ600を制御する機能とが付加されている。
RCS対応機能拡張レーダ制御決定部411は、レーダ制御決定部401と同様に、マルチセンサ制御コマンド発行部303からのセンサ制御コマンドを参照しつつ、「RCS変動に応じた目標の運動開始判定情報」をモニタして、目標の運動を確認した場合には、図15の処理フローで早いレスポンスが必要と判断して、DBF機能付レーダ600の制御方法を変更する。図16の構成では、RCS対応機能拡張レーダ制御ルール412を参照してRCS対応機能拡張目標情報管理部523から入力される目標情報をも使用して、センサの制御方法を決定する。
RCS対応機能拡張レーダ制御ルール412は、判断基準としてレーダ制御ルール402で設定しているルールに加えて、RCS変動判定部413からの入力情報に応じた対処方法が設定されている。また、実施の形態10では、旋回開始の情報が入力された場合に、旋回の予測方向を基準に、瞬時覆域および探知確率から、観測回数で有利なレーダ制御方式を実施するルールが設定されているとする。
つぎに、上述した設定例における実施の形態10の動作を説明する。
まず、近距離で、目標が自機に向かって機首を向けて進行している状況から、右旋回、すなわち自機から見ると左方向に移動する機動をとる状況が発生したとする。このとき、目標が機体をロールさせ、旋回方向に向けてスロットルを引くことで、目標機の下方から左側面が自機に向くことになり、RCSが増加した状況となる。
DBF機能付レーダ600の観測結果から、RCSの変動を観測していたRCS変動判定部413は、RCS増加および目標の微小な位置変化から、右旋回の開始と判断する。また、RCS変動判定部413は、右旋回開始という情報と、RCSの大きさとを含む「RCS変動に応じた目標の運動開始判定情報」をRCS対応機能拡張データ融合部503およびRCS対応機能拡張レーダ制御決定部411に出力する。
RCS対応機能拡張レーダ制御決定部411では、RCS変動判定部413から上述の「RCS変動に応じた目標の運動開始判定情報」を受け、RCS対応機能拡張レーダ制御ルール412を参照して、レーダの制御ルールを決定する。
なお、実施の形態10の例では、RCS対応機能拡張目標情報管理部523から入力される目標情報を使用して目標との相対距離を判断し、RCS対応機能拡張レーダ制御決定部411から入力されたRCSの大きさを使用して、DBF機能付レーダ600の各モードでの探知確率を判断し、DBF機能付レーダ600の各モードでの瞬時覆域を考慮して、目標の探知で必要な観測回数が最も有利な制御方法を選択する。なお、この選択方法は、実施の形態3から実施の形態6に示した方法と同様の考え方で実施可能である。
RCS対応機能拡張相関統合部513は、右旋回の入力値が入力される前提で、探知データと既存航跡との間の相関処理を実施し、航跡を生成する際に、右旋回に対応したゲインへの反応を高くするような処理を実施する。
実施の形態10により、目標の機動変化を早期に確認した搭載レーダの制御が可能になる効果がある。追尾処理は入力される探知データが変化することで、目標の旋回等の機動を判断するため、機動変化に対して一定の遅れがある。RCSの変化を検知することにより、追尾処理よりも相手の機動を先読みすることが可能となり、ビーム指向方向を含め、ビーム制御を的確に行うことができ、高機動の目標に対する対処能力を向上できるという効果がある。
ここで、追尾処理において、目標の変化に対応する方法としては、探知データの変化に対する反応係数であるゲインを上げる方法がある。ゲインを上げた場合、誤警報が入力された場合に、誤警報に対して過剰に反応するアルゴリズムになってしまうという課題がある。
このような課題に対し、実施の形態10では、RCSの変化によって、機動変化を事前に察知した上で、ゲインを調整することができる。このため、適切なタイミングで追尾のゲインをコントロールすることが可能になり、高機動目標への対処で有利な追尾処理を実現できるという効果も得られる。
なお、以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
100 センサ制御システム、200 DBFレーダ制御部、201 センサ制御決定部、202 センサ制御ルール、203 制御コマンド発行部、300 DBFレーダ制御対応センサ管理部、301 マルチセンサ制御決定部、302 マルチセンサ制御ルール、303 マルチセンサ制御コマンド発行部、310 捕捉機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部、311 捕捉機能拡張マルチセンサ制御決定部、312 捕捉機能拡張マルチセンサ制御ルール、320 追尾機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部、321 追尾機能拡張マルチセンサ制御決定部、322 追尾機能拡張マルチセンサ制御ルール、330 対誤警報機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部、331 対誤警報機能拡張マルチセンサ制御決定部、332 対誤警報機能拡張マルチセンサ制御ルール、340 運動判定機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部、341 運動判定機能拡張マルチセンサ制御決定部、342 運動判定機能拡張マルチセンサ制御ルール、344 運動判定部、350 周囲条件判定機能拡張DBFレーダ制御対応センサ管理部、351 周囲条件判定機能拡張マルチセンサ制御決定部、352 周囲条件判定機能拡張マルチセンサ制御ルール、354 周囲条件判定部、355 周囲条件記録部、400 センサ搭載DBFレーダ制御部、401 レーダ制御決定部、402 レーダ制御ルール、410 RCS対応機能拡張センサ搭載DBFレーダ制御部、411 RCS対応機能拡張レーダ制御決定部、412 RCS対応機能拡張レーダ制御ルール、413 RCS変動判定部、500 データ融合部、501 対誤警報機能拡張データ融合部、502 ミサイルシーカ連携機能拡張データ融合部、503 RCS対応機能拡張データ融合部、510 相関統合部、511 対誤警報機能拡張相関統合部、512 ミサイルシーカ連携機能拡張相関統合部、513 RCS対応機能拡張相関統合部、523 RCS対応機能拡張目標情報管理部、520 目標情報管理部、521 対誤警報機能拡張目標情報管理部、522 ミサイルシーカ連携機能拡張目標情報管理部、530 ミサイル制御部、600 DBF機能付レーダ、610 レーダ観測部、620 レーダ制御部、700 搭載センサ、800 航空機、811 データ通信部、821 パイロットインタフェース部、831 飛翔体管制通信部、832 分離飛翔体、841 測位慣性航法部、900 外部指示機構、901 外部センサ管制機構。

Claims (10)

  1. 複数のセンサを制御するセンサ制御システムであって、
    外部指示機構からの観測対象の情報と、前記センサ制御システムの外部にあるDBF機能付レーダからの観測結果であるセンサ指向対象の目標に関する情報とに基づいて、前記DBF機能付レーダを制御するDBFレーダ制御部と、
    記DBF機能付レーダの観測結果をモニタし、前記DBFレーダ制御部と連携して動作する第2のDBFレーダ制御部と、
    載センサおよびデータ通信部から入力される観測対象の目標に係る観測情報を相関統合して目標情報を生成し一元管理するデータ融合部と、を備え、
    前記第2のDBFレーダ制御部には、早いレスポンスが必要な制御に関するルールであるレーダ制御ルールが格納され、
    いレスポンスが必要か否かの判断および当該判断に基づく制御は前記第2のDBFレーダ制御部実施、システム全体を俯瞰した判断および当該判断に基づく制御は前記DBFレーダ制御部で実施する
    ことを特徴とするセンサ制御システム。
  2. 前記センサ制御システムには、レーダの観測結果から、位置、速度およびRCSの変化を観測して目標の運動開始を判定する機能と、RCS変動に応じた目標の運動開始判定情報に応じて、前記DBF機能付レーダの制御方法を変更する機能と、が付加されていることを特徴とする請求項1に記載のセンサ制御システム。
  3. 前記DBFレーダ制御部は、センサ制御ルールを基準に搭載センサの制御方法を決定し、制御対象のセンサの観測制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のセンサ制御システム。
  4. 前記DBFレーダ制御部には、前記観測対象の情報と、前記DBF機能付レーダの諸元情報とに基づいて、前記観測対象に対するビーム指向パターンおよび瞬時覆域を含む観測方法を決定し、前記DBF機能付レーダにセンサ制御コマンドを送信することで、前記DBF機能付レーダを制御する機能が付加され、
    前記DBFレーダ制御部は、前記データ融合部が出力する目標情報から、判断基準として事前に設定したマルチセンサ制御ルールを参照してセンサの制御方法を決定すると共に、決定したセンサ制御方法に応じて、搭載された各センサの中から対象のセンサに対してセンサ制御コマンドを出力する
    ことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載のセンサ制御システム。
  5. 前記DBFレーダ制御部には、累積探知確率および探知確率条件を設定した捜索範囲を基準に、必要な回数分のレーダ波を指向する時系列の制御機能が付加されていることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のセンサ制御システム。
  6. 前記DBFレーダ制御部には、追尾の維持に必要な頻度で、目標の探知回数が期待できるように指向制御する機能が付加されていることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のセンサ制御システム。
  7. 前記DBFレーダ制御部には、自己の運動を判断する運動判断機能と、運動判断に応じてセンサ制御方法を決定する運動対応センサ制御機能とが付加されていることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のセンサ制御システム。
  8. 前記DBFレーダ制御部には、周囲条件の判断機能と、周囲条件判断に応じてセンサ制御方法を決定する周囲条件対応センサ制御機能とが付加されていることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載のセンサ制御システム。
  9. 前記データ融合部には、誤警報の排除およびメモリトラックの中止判断を含む目標の存在有無の判断に必要な回数の指向制御による観測を前記DBF機能付レーダに行わせる機能が付加されている
    ことを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載のセンサ制御システム。
  10. シーカ捕捉方位を誤警報の判定が必要な情報に追加し、
    前記データ融合部には、誤警報確認のために実施したレーダの観測情報を使用して誤警報か否かを判定し、誤警報と判断した場合にミサイルシーカの追尾をキャンセルする機能が付加されていることを特徴とする請求項9に記載のセンサ制御システム。
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