JP6426909B2 - 色情報補完装置およびそのプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、カラーフィルタを介して撮像された撮像画像において、欠落している各色の色情報を補完する色情報補完装置およびそのプログラムに関する。
通常、デジタルカメラ等で利用される単板式撮像デバイスは、カラーフィルタを介して受光した光を光電変換して画像信号(撮像画像)を取得する。このとき、一般的には、図14に示すベイヤ(Bayer)配列のようなそれぞれの色(例えば、R,G,B)を画素ごとにフィルタリングするカラーフィルタFが用いられる。
このベイヤ配列のカラーフィルタFを介して画像を撮像した場合、画素ごとに一色の信号しか得られない。すなわち、カラーフィルタFを介して撮像した画像信号は、図14に示すように、G信号については、カラーフィルタFのR,B位置に対応する画素の色情報が欠けた色信号となる。同様に、R信号については、カラーフィルタFのG,B位置に対応する画素の色情報が、B信号については、カラーフィルタFのR,G位置に対応する画素の色情報が、それぞれ欠けた色信号となる。
そのため、このような色信号をカラー画像として表示・処理するためには、欠けている色信号を補完(デモザイキング)する技術が必要となる。
この色信号を補完する技術としては、欠落した画素の色信号(画素値)を、当該画素に近接する欠落していない画素の色信号(画素値)を用いて双線形補完する技術が最も基本的である。
例えば、特許文献1には、補完対象画素の近傍画素の中央値によって、補完対象画素の画素値を求める手法が開示されている。
また、特許文献2には、補完対象画素の画素値を補完する際に、補完対象画素と同色の周辺画素の方向に対する相関度を求め、その相関度に応じた比率で、補完対象画素の画素値を求める手法が開示されている。
特開2006−262167号公報 特開2010−104019号公報
特許文献1に記載された手法のように、双線形補完により補完対象画素の画素値を演算する手法では、画素間の画素値が平滑化されることで、空間周波数成分が適切に再現されず、画像にボケが発生してしまうという問題がある。さらに、特許文献1に記載された手法では、各色の中間値によって補完対象画素の画素値を求めるため、合成された色が実際の被写体に存在しない色となる偽色が発生しやすいという問題もある。
また、特許文献2に記載された手法のように、周辺画素の方向に対する相関度に応じて双線形補完を行う手法では、特定の色の相関しか参照していない。そのため、この手法は、カラー画像の色情報全体の方位相関を正確に推定することができず、高品質な画像を再現することができないという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑み、カラーフィルタを介して撮像された撮像画像の欠落した色情報を補完する際に、画像の色情報の方位相関と周波数特性とを適切に求めることで、空間周波数成分の再現性を高め、知覚的に自然なカラー画像を生成することが可能な色情報補完装置およびそのプログラムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するため、本発明に係る色情報補完装置は、カラーフィルタを用いた単板式撮像デバイスで撮像された撮像画像から、各色の欠落した色情報を補完する色情報補完装置であって、方位別振動成分抽出手段と、方位相関強度算出手段と、方位・帯域別画像補完手段と、方位別エッジ成分抽出手段と、高周波成分加算係数算出手段と、補完画像画素値算出手段と、特定色補完手段と、特定色以外の色情報を対象とした複数の他色補完手段と、を備え、他色補完手段が、差分手段と、差分補完手段と、加算手段と、を備える。
かかる構成において、色情報補完装置は、方位別振動成分抽出手段によって、撮像画像の画素ごとに水平方向および垂直方向の振動成分(空間周波数成分)を抽出することで、撮像画像全体のすべての画素において、方位別の振動成分を抽出する。
そして、色情報補完装置は、方位相関強度算出手段によって、方位別振動成分抽出手段で抽出された振動成分の相関に基づいて、画素ごとの方位相関の強度を算出する。
これによって、色情報補完装置は、特定の色情報だけでなく、撮像画像に含まれている特定色以外の色情報を用いて、撮像画像の画素ごとに、水平方向、垂直方向に対して、どれだけの強度で相関しているのかを特定することができる。例えば、水平方向のみに相関があることが特定された場合、当該画素は、垂直方向の画素とは相関がなく、色情報補完装置は、色情報を補完する場合に水平方向の画素によって当該画素を補完すればよいことになる。
また、色情報補完装置は、方位・帯域別画像補完手段によって、撮像画像の特定色に対する補完対象画素の画素値を、水平方向および垂直方向の各方位について低周波成分および高周波成分の帯域別に補完して、方位・帯域別画像を生成する。これによって、色情報補完装置は、補完対象画素において、水平方向だけに低周波成分の相関がある場合の画素値と、水平方向だけに高周波成分の相関がある場合の画素値と、垂直方向だけに低周波成分の相関がある場合の画素値と、垂直方向だけに高周波成分の相関がある場合の画素値とを、それぞれ個別に求めることができる。
また、色情報補完装置は、方位別エッジ成分抽出手段によって、撮像画像の画素ごとに水平方向、垂直方向および斜め方向の方位別にエッジ成分を抽出する。
そして、色情報補完装置は、高周波成分加算係数算出手段によって、方位別エッジ成分抽出手段で抽出されたエッジ成分の大きさに基づいて、方位・帯域別画像の高周波成分を補正するために、例えば、エッジ成分の大きさが大きいほど係数が大きくなるように予め定めた演算により高周波成分加算係数を算出する。
そして、色情報補完装置は、補完画像画素値算出手段によって、方位・帯域別画像補完手段で補完された方位・帯域別画像の画素値を、方位相関の強度と高周波成分加算係数とに応じて加算して、補完対象画素の画素値を算出する。
この補完対象画素の画素値は、水平方向だけに相関がある場合の画素値と、垂直方向だけに相関がある場合の画素値とを、方位相関の強度に応じて、すなわち、その割合に応じて加算したものであるため、方位相関に対応した振動成分(空間周波数成分)が含まれた値となる。また、補完対象画素の画素値は、エッジ成分が大きい画素については、より加算の割合を多くすることで、エッジ成分の少ない平坦部では、ノイズ増加を抑えることができ、エッジ成分の多い部分では、高い空間周波数を再現することができる。
そして、色情報補完装置は、特定色補完手段によって、撮像画像において、特定色に対する補完対象画素の画素値を、補完画像画素値算出手段で算出された画素値に置き換える。すなわち、色情報補完装置は、撮像画像において、特定色に対する補完対象画素の画素値を、方位相関と帯域特性とに対応した色情報によって補完する。
また、色情報補完装置は、他色補完手段によって、撮像画像から、特定色以外の色を対象として色情報を補完する。
すなわち、色情報補完装置は、他色補完手段の差分手段によって、撮像画像において、対象色の画素ごとに、当該画素の画素値と当該画素に対応する補完画像画素値算出手段で算出された補完対象画素の画素値との差分値を算出する。これによって、差分値は、方位相関と帯域特性とが加味された値となる。
そして、色情報補完装置は、他色補完手段の差分補完手段によって、対象色に対する補完対象画素の周辺画素の差分値から、当該補完対象画素の差分値を補完する。
さらに、色情報補完装置は、他色補完手段の加算手段によって、差分補完手段で差分値が補完された画像の画素ごとに、当該画素に対応する特定色補完手段で補完された補完対象画素の画素値を加算する。これによって、対象色の画素値が算出されることになる。また、このように生成された対象色の画素値は、特定色の方位相関と帯域特性とに対応したものとなる。
本発明は、以下に示す優れた効果を奏するものである。
本発明によれば、画像の局所的性質(方向性およびエッジ成分)に基づいて、方位および帯域に応じて補完した補完画像の画素ごとに重み付け加算することで、補完対象画素の画素値を求めるため、画像の平坦部における視覚的に目立つ歪の発生を抑えつつ、一方で、画像のエッジ部では、高い空間周波数を再現し、偽色の発生を抑えることができる。
そのため、本発明によれば、カラーフィルタを介して撮像した、色情報が欠落した撮像画像から、色情報を精度よく補完して、視覚的に自然なカラー画像を生成することができる。
本発明の実施形態に係る色情報補完装置の構成を示すブロック構成図である。 図1の方位別振動成分抽出手段の構成を示すブロック構成図である。 (a)は、図2の方位別振動成分抽出手段において、水平振動成分を抽出する線形フィルタ、(b)は、垂直振動成分を抽出する線形フィルタの各例を示す図である。 図1の方位相関強度算出手段における演算内容を模式的に説明するための説明図である。 図1の方位・帯域別画像補完手段の構成を示すブロック構成図である。 図5の方位・帯域別画像補完手段において、撮像画像を補完する線形フィルタであって、(a)は水平低域フィルタ、(b)は水平高域フィルタ、(c)は垂直低域フィルタ、(d)は垂直高域フィルタの各例を示す図である。 図1の方位別エッジ成分抽出手段の構成を示すブロック構成図である。 図7の方位別エッジ成分抽出手段において、エッジ成分を検出する線形フィルタであって、(a)はE方向エッジ検出フィルタ、(b)はNE方向検出フィルタ、(c)はN方向検出フィルタ、(d)はNW方向検出フィルタ、(e)はW方向検出フィルタ、(f)はSW方向検出フィルタ、(g)はS方向検出フィルタ、(h)はSE方向検出フィルタの各例を示す図である。 図1の高周波成分加算係数算出手段の構成を示すブロック構成図である。 図1の補完画像画素値算出手段の構成を示すブロック構成図である。 図1のR画像生成手段において、B,Gの画素位置の画素を補完する例を説明するための説明図であって、(a)は、B画素位置の画素を補完する例、(b)は、G画素位置の画素を補完する例を説明するための説明図である。 本発明の実施形態に係る色情報補完装置の動作を示すフローチャートである。 本発明の実施形態に係る色情報補完装置の特徴を説明するための説明図であって、(a)はベイヤ配列画像の一部(5画素分)を抜き出した図、(b)は色信号の相関を説明するための図である。 ベイヤ配列のカラーフィルタで撮像した撮像画像における各色の欠落状態を説明するための説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
[色情報補完装置の構成]
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る色情報補完装置1の構成について説明する。
図1に示した色情報補完装置1は、カラーフィルタを用いた単板式撮像デバイスで撮像された撮像画像から、各色の欠落した色情報を補完するものである。ここでは、カラーフィルタの色配列をベイヤ(Bayer)配列とし、各色をR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色とする。すなわち、色情報補完装置1は、図14に示したカラーフィルタFを介して撮像された画像(ベイヤ配列画像)を入力し、G信号(G画像)、R信号(R画像)およびB信号(B画像)のそれぞれにおいて欠落している色情報を補完することで、RGB画像を生成する。
この色情報補完装置1は、方位別振動成分抽出手段10と、方位相関強度算出手段20と、方位・帯域別画像補完手段30と、方位別エッジ成分抽出手段40と、高周波成分加算係数算出手段50と、補完画像画素値算出手段60と、G画像生成手段70と、R画素抽出手段80と、B画素抽出手段80Bと、R画像生成手段90と、B画像生成手段90Bと、RGB画像生成手段100と、を備える。
方位別振動成分抽出手段10は、入力された撮像画像であるベイヤ配列画像の画素ごとに、水平方向および垂直方向の方位別に振動成分を抽出するものである。なお、振動成分とは、明るさ(輝度)の変動であって、画像の空間周波数成分(交流〔AC〕成分)である。
ここで、図2を参照(適宜図1参照)して、方位別振動成分抽出手段10の詳細な構成について説明する。図2に示すように、方位別振動成分抽出手段10は、水平振動成分抽出手段11(11,11)と、垂直振動成分抽出手段12(12,12)と、を備える。
水平振動成分抽出手段11は、ベイヤ配列画像の画素ごとに、水平方向の振動成分を抽出するものである。この水平振動成分抽出手段11は、ベイヤ配列画像に、局所的な水平振動成分をとらえる線形フィルタを適用し、2次元の畳み込み処理を行うことで、水平振動成分を抽出する。ここで、局所的な線形フィルタとは、入力される撮像画像の色の配置構成で、少なくともすべての色(ベイヤ配列画像の場合、RGB)からなる最小構成を含んだ局所領域を覆うフィルタである。
具体的には、水平振動成分抽出手段11は、図3(a)に例示する線形フィルタ(水平振動成分抽出フィルタ)を用いて水平振動成分を抽出する。図3(a)の(a−1),(a−2)に示すように、ここでは、水平方向に空間周波数スケール(フィルタタップ数および対応する空間周波数)の異なる2つのフィルタを用いる。このように、少なくとも2行のフィルタを用いることで、水平振動成分抽出手段11は、ベイヤ配列画像において、RGBすべての色の配置位置を含んだ局所領域の輝度成分から水平振動成分を抽出することができる。なお、水平振動成分抽出手段11が、図3(a)の(a−1)のフィルタFH1を用い、水平振動成分抽出手段11が、図3(a)の(a−2)のフィルタFH2を用いることとする。
そして、水平振動成分抽出手段11は、水平振動成分を抽出した画像信号(水平振動成分画像H)を、方位相関強度算出手段20に出力する。
また、水平振動成分抽出手段11は、水平振動成分を抽出した画像信号(水平振動成分画像H)を、方位相関強度算出手段20に出力する。
垂直振動成分抽出手段12は、ベイヤ配列画像の画素ごとに、垂直方向の振動成分を抽出するものである。この垂直振動成分抽出手段12は、水平振動成分抽出手段11とは抽出する振動成分の方向が異なるだけで、ベイヤ配列画像に、局所的な垂直振動成分をとらえる線形フィルタを適用し、2次元の畳み込み処理を行うことで、垂直振動成分を抽出する。
具体的には、垂直振動成分抽出手段12は、図3(b)に例示する線形フィルタ(垂直振動成分抽出フィルタ)を用いて垂直振動成分を抽出する。図3(b)の(b−1),(b−2)に示すように、ここでは、垂直方向に空間周波数スケール(フィルタ係数の数)の異なる2つのフィルタを用いる。このように、少なくとも2列のフィルタを用いることで、垂直振動成分抽出手段12は、ベイヤ配列画像において、RGBすべての色の配置位置を含んだ局所領域の輝度成分から垂直振動成分を抽出することができる。なお、垂直振動成分抽出手段12が、図3(b)の(b−1)のフィルタFV1を用い、垂直振動成分抽出手段12が、図3(b)の(b−2)のフィルタFV2を用いることとする。
そして、垂直振動成分抽出手段12は、垂直振動成分を抽出した画像信号(垂直振動成分画像V)を、方位相関強度算出手段20に出力する。
また、垂直振動成分抽出手段12は、垂直振動成分を抽出した画像信号(垂直振動成分画像V)を、方位相関強度算出手段20に出力する。
なお、ここでは、方位別振動成分抽出手段10を、水平振動成分抽出手段11と垂直振動成分抽出手段12とを2つずつで構成した例を示しているが、それぞれ少なくとも1つ以上あればよい。また、水平振動成分抽出手段11と垂直振動成分抽出手段12とは、同数とする。
また、方位別振動成分抽出手段10は、水平振動成分抽出手段11と垂直振動成分抽出手段12とをそれぞれ複数備える場合、それぞれの方向において、空間周波数スケールが異なるフィルタを使用することとする。これによって、方位別振動成分抽出手段10は、複数の異なる解像度で水平および垂直の振動成分を得ることができ、後記する方位相関強度算出手段20で振動成分の方位相関を求める際の誤差を低減させることができる。
図1に戻って、色情報補完装置1の構成について説明を続ける。
方位相関強度算出手段20は、方位別振動成分抽出手段10で抽出された水平振動成分と垂直振動成分との相関に基づいて、ベイヤ配列画像の画素ごとの局所的な方位相関の強度を算出するものである。
すなわち、方位相関強度算出手段20は、方位相関の強度として、水平振動成分が垂直振動成分より大きければ、垂直方向に相関の度合いが高く、垂直振動成分が水平振動成分より大きければ、水平方向に相関の度合いが高いことを示すパラメータ(方位不均一性パラメータ)を算出する。
具体的には、方位相関強度算出手段20は、水平振動成分抽出手段11(図2参照)で抽出された水平振動成分画像H(ここでは、H,H)と、垂直振動成分抽出手段12(図2参照)で抽出された垂直振動成分画像V(ここでは、V,V)とから、以下の式(1)の演算を行うことで、画素ごとに方位不均一性パラメータλを算出する。
ここで、(i,j)は画像のi行j列の画素位置を示す。また、|H(i,j)|は水平振動成分画像Hの画素位置(i,j)の画素値の絶対値、|V(i,j)|は垂直振動成分画像Vの画素位置(i,j)の画素値の絶対値をそれぞれ示す。
また、pは方位相関の強度(方位不均一性)を強調するための“0”以上の任意の実数である。このpは“1”または“2”程度の値を用いることが望ましいが、これらに限定されるものではない。また、Nは空間周波数スケールの数であって、本実施形態ではN=2である。この空間周波数スケールの数は、水平振動成分抽出手段11の数(垂直振動成分抽出手段12の数も同数)に応じて予め定めたものである。
なお、この式(1)において、“0”による割り算の影響を避けるため、右辺の分母、または、分母および分子に、小さな定数を加算してもよい。あるいは、分母が“0”になる場合は、割り算を行わず、その演算結果を“0.5”としてもよい。
また、ノイズを軽減するために、方位相関強度算出手段20は、前記式(1)で得られた方位不均一性パラメータλ(i,j)の値を画素値とする画像を空間的に平滑化してもよい。
前記式(1)によって、方位不均一性パラメータλは、水平方向の振動成分のみが抽出された場合はλ=0、垂直方向の振動成分のみが抽出された場合はλ=1、水平方向および垂直方向の振動成分が同等の場合はλ=0.5の値となる。また、方位不均一性パラメータλは、水平方向の方が垂直方向の振動成分よりも小さければ0.5<λ≦1、逆に大きければ0≦λ<0.5の範囲の実数値となる。
この方位相関強度算出手段20は、算出した画素ごとの方位不均一性パラメータλを、補完画像画素値算出手段60に出力する。なお、ここでは、方位相関強度算出手段20は、方位相関として水平方向を基準とした方位不均一性パラメータλとともに、方位相関として垂直方向を基準とした方位不均一性パラメータ(1−λ)を、補完画像画素値算出手段60に出力することとする。
ここで、図4を参照(適宜図1〜図3参照)して、方位相関強度算出手段20が行う前記式(1)の演算内容を模式的に説明する。なお、図4で、各画像の右側のレベル表示は、各画像の画素値の値を示す。
方位相関強度算出手段20には、水平振動成分として、水平振動成分抽出手段11でフィルタFH1によって抽出された水平振動成分画像Hと、水平振動成分抽出手段11でフィルタFH2によって抽出された水平振動成分画像Hとが入力される。
また、方位相関強度算出手段20には、垂直振動成分として、垂直振動成分抽出手段12でフィルタFV1によって抽出された垂直振動成分画像Vと、垂直振動成分抽出手段12でフィルタFV2によって抽出された垂直振動成分画像Vとが入力される。
なお、図4で、水平振動成分画像|H|,|H|、垂直振動成分画像|V|,|V|は、それぞれ、水平振動成分画像H,H、垂直振動成分画像V,Vの画素ごとに絶対値をとった画像である。
そして、方位相関強度算出手段20は、水平振動成分画像Hと、垂直振動成分画像Vとに対して、画素ごとに{|V|/(|H|+|V|)}、あるいは、{V /(H +V )}の演算を行うことで、方位相関の強度(方位不均一性パラメータλ)の空間分布を示す強度分布画像Λを生成する。
また、方位相関強度算出手段20は、水平振動成分画像Hと、垂直振動成分画像Vとに対して、画素ごとに{|V|/(|H|+|V|)}、あるいは、{V /(H +V )}の演算を行うことで、方位相関の強度(方位不均一性パラメータλ)の空間分布を示す強度分布画像Λを生成する。
そして、方位相関強度算出手段20は、強度分布画像Λと強度分布画像Λとを、画素ごとに平均化して、平均化した方位不均一性パラメータλの空間分布を示す強度分布画像Λを生成する。
このように、方位相関強度算出手段20は、空間周波数スケールごとに、方位不均一性パラメータ(λ,λ)を算出し、平均化することで、複数の解像度の異なる画像から方位相関を求めることができる。これによって、方位相関強度算出手段20は、単一の空間周波数スケールのみの場合よりも誤差を軽減し、精度の高い方位相関を得ることができる。
図1に戻って、色情報補完装置1の構成について説明を続ける。
方位・帯域別画像補完手段30は、入力された撮像画像であるベイヤ配列画像における特定色の画素の画素値を、水平方向および垂直方向の各方位について低周波成分および高周波成分の帯域別に補完して、方位・帯域別画像を生成するものである。なお、ここで、特定色は、当該特定色に対する水平方向の補完対象画素の画素位置と、垂直方向の補完対象画素の画素位置とが一致する色とする。すなわち、ベイヤ配列画像の場合、特定色は、水平方向および垂直方向のそれぞれに1画素おきに配置されたG(緑)とする。
ここで、図5を参照(適宜図1参照)して、方位・帯域別画像補完手段30の詳細な構成について説明する。図5に示すように、方位・帯域別画像補完手段30は、水平低周波成分補完手段31と、水平高周波成分補完手段32と、垂直低周波成分補完手段33と、垂直高周波成分補完手段34と、を備える。
水平低周波成分補完手段31は、ベイヤ配列画像のR,Bの画素位置において、水平方向に隣接するGの画素値を平均化して、当該R,Bの画素位置におけるGの画素値を補完するものである。
より具体的には、水平低周波成分補完手段31は、図6(a)に示すような、「1/2、0、1/2」を係数とする水平低域フィルタFHLを用いて、水平方向にベイヤ配列画像をフィルタリングすることで、R,Bの画素位置においてGの画素値を補完する。
この水平低周波成分補完手段31は、水平方向にGを補完した水平低周波成分補完画像GHLを、補完画像画素値算出手段60に出力する。
水平高周波成分補完手段32は、ベイヤ配列画像のR,Bの画素位置において、当該画素の画素値と水平方向に2画素離れた位置の画素の画素値とから高周波成分を算出し、当該R,Bの画素位置におけるGの画素値を補完するものである。
より具体的には、水平高周波成分補完手段32は、図6(b)に示すような、「−1/4、0、2/4、0、−1/4」を係数とする水平高域フィルタFHHを用いて、水平方向にベイヤ配列画像をフィルタリングすることで、R,Bの画素位置においてGの画素値を補完する。
この水平高周波成分補完手段32は、水平方向にGを補完した水平高周波成分補完画像GHHを、補完画像画素値算出手段60に出力する。
垂直低周波成分補完手段33は、ベイヤ配列画像のR,Bの画素位置において、垂直方向に隣接するGの画素値を平均化して、当該R,Bの画素位置におけるGの画素値を補完するものである。
より具体的には、垂直低周波成分補完手段33は、図6(c)に示すような、「1/2、0、1/2」を係数とする垂直低域フィルタFVLを用いて、垂直方向にベイヤ配列画像をフィルタリングすることで、R,Bの画素位置においてGの画素値を補完する。
この垂直低周波成分補完手段33は、垂直方向にGを補完した垂直低周波成分補完画像GVLを、補完画像画素値算出手段60に出力する。
垂直高周波成分補完手段34は、ベイヤ配列画像のR,Bの画素位置において、当該画素の画素値と垂直方向に2画素離れた位置の画素の画素値とから高周波成分を算出し、当該R,Bの画素位置におけるGの画素値を補完するものである。
より具体的には、垂直高周波成分補完手段34は、図6(d)に示すような、「−1/4、0、2/4、0、−1/4」を係数とする垂直高域フィルタFVHを用いて、垂直方向にベイヤ配列画像をフィルタリングすることで、R,Bの画素位置においてGの画素値を補完する。
この垂直高周波成分補完手段34は、垂直方向にGを補完した垂直高周波成分補完画像GVHを、補完画像画素値算出手段60に出力する。
なお、方位・帯域別画像補完手段30が用いるフィルタは、図6(a)〜(d)に示した係数やフィルタ長に限定されるものではない。すなわち、低域フィルタ(水平低域フィルタFHL、垂直低域フィルタFVL)は、隣接画素の画素値を平滑化する平滑化フィルタであればよく、高域フィルタ(水平高域フィルタFHH、垂直高域フィルタFVH)は、画素値の変化を検出するハイパスフィルタであればよい。
図1に戻って、色情報補完装置1の構成について説明を続ける。
方位別エッジ成分抽出手段40は、入力されたベイヤ配列画像から、水平方向、垂直方向および斜め方向の方位別のエッジ成分を画素ごとに抽出するものである。この方位別エッジ成分抽出手段40は、8方向(E方向〔右方向〕、NE方向〔右上方向〕、N方向〔上方向〕、NW方向〔左上方向〕、W方向〔左方向〕、SW方向〔左下方向〕、S方向〔下方向〕、SW方向〔右下方向〕)に隣接する画素との間に存在するエッジの成分を抽出することとする。
ここで、図7を参照(適宜図1参照)して、方位別エッジ成分抽出手段40の詳細な構成について説明する。図7に示すように、方位別エッジ成分抽出手段40は、方位別に、E方向エッジ成分抽出手段41と、NE方向エッジ成分抽出手段42と、N方向エッジ成分抽出手段43と、NW方向エッジ成分抽出手段44と、W方向エッジ成分抽出手段45と、SW方向エッジ成分抽出手段46と、S方向エッジ成分抽出手段47と、SE方向エッジ成分抽出手段48と、を備える。
E方向エッジ成分抽出手段41は、ベイヤ配列画像のR,Bの画素位置において、当該画素の周辺8画素の画素値から、E方向(右方向)のエッジ成分を抽出するものである。
より具体的には、E方向エッジ成分抽出手段41は、図8(a)に示すような係数のE方向エッジ検出フィルタFを用いて、ベイヤ配列画像をフィルタリングし、絶対値化することで、E方向エッジ成分Mを抽出する。
このE方向エッジ成分抽出手段41は、抽出したE方向エッジ成分Mを、高周波成分加算係数算出手段50に出力する。
また、NE方向エッジ成分抽出手段42、N方向エッジ成分抽出手段43、NW方向エッジ成分抽出手段44、W方向エッジ成分抽出手段45、SW方向エッジ成分抽出手段46、S方向エッジ成分抽出手段47、および、SE方向エッジ成分抽出手段48は、E方向エッジ成分抽出手段41と同様に、ベイヤ配列画像のR,Bの画素位置において、当該画素の周辺8画素の画素値から、それぞれの方向(N方向、NW方向、W方向、SW方向、S方向、および、SE方向)に隣接する画素との間に存在するエッジの成分を抽出する。
より具体的には、NE方向エッジ成分抽出手段42は図8(b)に示すようなNE方向エッジ検出フィルタFNEを用いて、ベイヤ配列画像をフィルタリングし、絶対値化することで、NE方向エッジ成分MNEを抽出する。
また、N方向エッジ成分抽出手段43は図8(c)に示すようなN方向エッジ検出フィルタFを用いて、ベイヤ配列画像をフィルタリングし、絶対値化することで、N方向エッジ成分Mを抽出する。
また、NW方向エッジ成分抽出手段44は図8(d)に示すようなNW方向エッジ検出フィルタFNWを用いて、ベイヤ配列画像をフィルタリングし、絶対値化することで、NW方向エッジ成分MNWを抽出する。
また、W方向エッジ成分抽出手段45は図8(e)に示すようなW方向エッジ検出フィルタFを用いて、ベイヤ配列画像をフィルタリングし、絶対値化することで、W方向エッジ成分Mを抽出する。
また、SW方向エッジ成分抽出手段46は図8(f)に示すようなSW方向エッジ検出フィルタFSWを用いて、ベイヤ配列画像をフィルタリングし、絶対値化することで、SW方向エッジ成分MSWを抽出する。
また、S方向エッジ成分抽出手段47は図8(g)に示すようなS方向エッジ検出フィルタFを用いて、ベイヤ配列画像をフィルタリングし、絶対値化することで、S方向エッジ成分Mを抽出する。
また、SE方向エッジ成分抽出手段48は図8(h)に示すようなSE方向エッジ検出フィルタFSEを用いて、ベイヤ配列画像をフィルタリングし、絶対値化することで、SE方向エッジ成分MSEを抽出する。
そして、NE方向エッジ成分抽出手段42、N方向エッジ成分抽出手段43、NW方向エッジ成分抽出手段44、W方向エッジ成分抽出手段45、SW方向エッジ成分抽出手段46、S方向エッジ成分抽出手段47、および、SE方向エッジ成分抽出手段48は、それぞれ抽出した各方向のエッジ成分(MNE、M、MNW、M、MSW、M、MSE)を、高周波成分加算係数算出手段50に出力する。
このように、方位別エッジ成分抽出手段40は、図8(a)〜(h)に示した方位別のフィルタを用いることで、ベイヤ配列画像からエッジ成分を抽出することができる。
図1に戻って、色情報補完装置1の構成について説明を続ける。
高周波成分加算係数算出手段50は、方位別エッジ成分抽出手段40で抽出された方位別(8方向)のエッジ成分から、ベイヤ配列画像のR,Bの画素位置におけるGの画素値を補完する際の高周波成分を補正する係数(高周波成分加算係数w)を算出するものである。
ここで、図9を参照(適宜図1参照)して、高周波成分加算係数算出手段50の詳細な構成について説明する。図9に示すように、高周波成分加算係数算出手段50は、最大値検出手段51と、係数変換手段52と、を備える。
最大値検出手段51は、方位別エッジ成分抽出手段40で抽出されたエッジ成分の最大値を検出するものである。
すなわち、最大値検出手段51は、以下の式(2)に示すように、方位別エッジ成分抽出手段40で抽出された各方向のエッジ成分(M、MNE、M、MNW、M、MSW、M、MSE)について、ベイヤ配列画像の画素位置(i,j)ごとに、エッジ成分の最大値MMAX(i,j)を求める。なお、(i,j)は画像のi行j列の画素位置を示す。
この最大値検出手段51は、検出したエッジ成分の最大値を、画素ごとに係数変換手段52に出力する。
係数変換手段52は、最大値検出手段51で検出されたエッジ成分の最大値を、高周波成分加算係数に変換するものである。この高周波成分加算係数は、後記する補完画像画素値算出手段60において、ベイヤ配列画像のR,Bの画素位置におけるGの画素値を補完する際に高周波成分を補正するための係数である。
この係数変換手段52は、エッジ成分の最大値MMAXを、0以上1以下の範囲の実数値の高周波成分加算係数に変換する。ここでは、係数変換手段52は、予め定めた2つの閾値thr1,thr2を用いて、以下の式(3)に示す変換式によって、ベイヤ配列画像の画素位置(i,j)ごとに、エッジ成分の最大値MMAX(i,j)を高周波成分加算係数w(i,j)に変換する。
なお、この閾値thr1,thr2は、予め固定的に設定しておく必要はなく、外部から適宜調整可能にすることとしてもよい。また、閾値thr1を“0”に固定し、閾値thr2のみを、0<thr2≦エッジ成分の取り得る最大値の範囲で調整することとしてもよい。
この係数変換手段52は、変換した高周波成分加算係数を、画素ごとに補完画像画素値算出手段60に出力する。
図1に戻って、色情報補完装置1の構成について説明を続ける。
補完画像画素値算出手段60は、特定色(G)に対する補完対象画素ごとに、方位・帯域別画像補完手段30で方位(水平方向/垂直方向)および帯域(低周波成分/高周波成分)別に補完された画像の画素値を、方位相関の強度と高周波成分加算係数とに応じて加算して、方位および帯域に対応した補完画像の画素値を算出するものである。
すなわち、補完画像画素値算出手段60は、方位・帯域別画像補完手段30で補完された水平低周波成分補完画像GHL、水平高周波成分補完画像GHH、垂直低周波成分補完画像GVLおよび垂直高周波成分補完画像GVHを、方位相関強度算出手段20で算出された方位不均一性パラメータλと、高周波成分加算係数算出手段50で算出された高周波成分加算係数wとに応じて、Gに対する補完対象画素ごとの画素値を算出する。
ここで、方位・帯域別画像補完手段30で補完された各補完画像GHL,GHH,GVLおよびGVHの画素i行j列の位置における画素値をGHL(i,j),GHH(i,j),GVL(i,j),GVH(i,j)としたとき、補完画像画素値算出手段60は、以下の式(4)により、方位相関の強度と高周波成分加算係数とに対応した画素値G(i,j)を算出する。
この式(4)は、図10に示す補完画像画素値算出手段60の詳細な構成により演算することができる。すなわち、λ(i,j)と画素値GHL(i,j)とを乗算する乗算手段61と、λ(i,j)と画素値GHH(i,j)とを乗算する乗算手段62と、乗算手段62の乗算結果と高周波成分加算係数w(i,j)とを乗算する乗算手段63と、(1−λ(i,j))と画素値GVL(i,j)とを乗算する乗算手段64と、(1−λ(i,j))と画素値GVH(i,j)とを乗算する乗算手段65と、乗算手段65の乗算結果と高周波成分加算係数w(i,j)とを乗算する乗算手段66と、乗算手段61,63,64,66のそれぞれの乗算結果を加算する加算手段67と、を用いて演算することができる。
この補完画像画素値算出手段60は、Gに対する補完対象画素の画素位置と対応付けて、Gの画素値を、G画像生成手段70と、R画像生成手段90と、B画像生成手段90Bとに出力する。
G画像生成手段(特定色補完手段)70は、入力された撮像画像であるベイヤ配列画像において、特定色(G)に対する補完対象画素の画素値を、補完画像画素値算出手段60で算出された画素値に置き換えて特定色(G)の色情報を補完するものである。
すなわち、G画像生成手段70は、ベイヤ配列画像のGの画素位置における画素値については、ベイヤ配列画像の画素値をそのまま用いる。また、G画像生成手段70は、ベイヤ配列画像のR,Bの画素位置における画素値については、補完画像画素値算出手段60で算出されたGの画素値を用いる。
これによって、G画像生成手段70は、ベイヤ配列画像において、Gの画素位置以外の画素を、振動成分に応じた方向と、帯域別のエッジ成分とを考慮したGの画素値で補完することができる。
このG画像生成手段70は、生成したG画像をRGB画像生成手段100に出力する。
R画素抽出手段80は、入力された撮像画像であるベイヤ配列画像において、特定色(G)以外の画素を抽出するものである。ここでは、R画素抽出手段80は、ベイヤ配列画像におけるRの画素位置に対応する画素の画素値を抽出し、R画像生成手段90に出力する。
R画像生成手段(他色補完手段)90は、レイヤ配列画像の特定色(G)以外の色を対象として色情報を補完するものである。なお、R画像生成手段90は、Rを対象色として、ベイヤ配列画像のG,Bの画素位置である補完対象画素の色情報を補完する。ここでは、R画像生成手段90は、差分手段91と、差分補完手段92と、加算手段93と、を備える。
差分手段91は、R画素抽出手段80で抽出された対象色(R)の画素ごとに、当該画素の画素値と当該画素に対応する特定色(G)の画素の画素値との差分値を算出するものである。
すなわち、差分手段91は、R画素抽出手段80で抽出されたベイヤ配列画像のR画素位置の画素値から、当該画素位置と同じ、補完画像画素値算出手段60で算出(補完)されたGの画素値を減算することで、RとGとの画素値の差分値(R−G)を算出する。
この差分手段91は、算出したRとGとの差分値を差分補完手段92に出力する。
差分補完手段92は、対象色(R)に対する補完対象画素において、すでに差分値が算出されている周辺画素の差分値から、当該補完対象画素の差分値を補完するものである。すなわち、差分補完手段92は、ベイヤ配列画像におけるRの画素以外のG,Bの画素位置について(R−G)の差分値を推定(算出)する。
この差分補完手段92は、ベイヤ配列画像におけるR画素位置における(R−G)差分値と、G,B画素位置において補完した(R−G)差分値とを、加算手段93に出力する。
なお、補完対象画素の差分値を、すでに算出されている周辺画素の差分値から補完する手法は、一般的な補完手法を用いればよい。
例えば、差分補完手段92は、図11(a)に示すように、ベイヤ配列画像のB画素位置を、画素i行j列の位置としたとき、以下の式(5)に示すように、すでに求められているB画素位置の左上、左下、右上、右下の4つの(R−G)差分値Δの平均値を求めて、B画素位置(i,j)における差分値Δ(i,j)を補完する。
また、差分補完手段92は、図11(b)に示すように、ベイヤ配列画像のG画素位置を、画素i行j列の位置としたとき、以下の式(6)に示すように、すでに求められているG画素位置に対する上下左右の4つの(R−G)差分値Δの平均値を求めて、G画素位置(i,j)における差分値Δ(i,j)を補完する。
加算手段93は、差分補完手段92で差分値が補完された画像の画素ごとに、当該画素に対応するG画像生成手段70で生成された特定色(G)の画像の画素の画素値を加算して、対象色(R)の画像を生成するものである。
すなわち、加算手段93は、以下の式(7)に示すように、差分補完手段92で生成されたベイヤ配列画像の画素i行j列の位置の差分値Δ(i,j)に、G画像生成手段70で生成された同じ画素位置の画素値G(i,j)を加算することで、画素値R(i,j)を演算し、R画像を生成する。
この加算手段93は、前記式(7)により、ベイヤ配列画像の画素ごとに演算してR画素値を補完したR画像を、RGB画像生成手段100に出力する。
このように、R画像生成手段90は、差分手段91によって、R画素位置の画素値から、当該画素位置に対応する振動成分に応じた方向と、帯域別のエッジ成分とを考慮したG画素値を減算するため、その差分値も、振動成分の方位相関と、エッジ成分とに応じた値となる。そのため、差分補完手段92によって、R画素位置以外の画素位置で、周辺の(R−G)差分値から補完により推定された当該画素位置の(R−G)差分値も、振動成分の方位相関と、エッジ成分とに応じた値となる。
そして、R画像生成手段90は、方位相関とエッジ成分とが考慮された(R−G)差分値に、同じく方位相関とエッジ成分とが考慮されたG画素値を加算手段93で加算することで、振動成分の方位相関と、エッジ成分とに応じたR画素値で構成されるR画像を生成することになる。
B画素抽出手段80BおよびB画像生成手段(他色補完手段)90Bは、R画素抽出手段80およびR画像生成手段90に対して、処理対象となる対象色を、RからBに換えただけで、構成および処理内容は同一であるため、説明を省略する。
RGB画像生成手段100は、G画像生成手段70で生成されたG画像と、R画像生成手段90で生成されたR画像と、B画像生成手段90Bで生成されたB画像とを合成してRGB画像を生成するものである。
すなわち、RGB画像生成手段100は、R,G,Bの各画像の同一画素位置に対応する各画素値を、当該画素位置におけるカラー画素値としてカラー画像を生成する。なお、RGB(カラー)画像のデータフォーマットは、一般的な画像フォーマットであればよいため、ここでは、説明を省略する。
以上説明したように色情報補完装置1を構成することで、色情報補完装置1は、方位別振動成分抽出手段10によって、撮像画像(ベイヤ配列画像)として得られたすべての色を対象とした振動成分を抽出することができる。そのため、色情報補完装置1は、方位相関強度算出手段20によって、すべての色成分を有効に活用して、単一の色成分から方位相関を求める場合に比べて、画像全体の方位相関を精度よく求めることができる。
また、色情報補完装置1は、方位相関強度算出手段20によって、水平方向および垂直方向において、空間周波数スケールの異なる複数の振動成分を求めることができる。そのため、色情報補完装置1は、方位相関強度算出手段20で撮像画像の異なる複数の解像度で方位相関を求めることができ、ノイズに強く、また、誤差の少ない精度のよい方位相関を求めることができる。
また、色情報補完装置1は、方位別エッジ成分抽出手段40によって、エッジ成分を抽出することで画像の平坦部とエッジ部とを検出することができる。そのため、色情報補完装置1は、補完画像画素値算出手段60によって、画像の平坦部では不要な高周波成分を加算せず、画像のエッジ部では高周波成分を加算することができ、画像の平坦部でのノイズ増加を抑えつつ、エッジ部での高い空間周波数を再現することができる。
このように、色情報補完装置1は、精度の高い方位相関とエッジ成分とによって、色情報を補完するため、偽色の発生を抑えるとともに、空間周波数成分を精度よく再現することができ、知覚的に自然なカラー画像を生成することができる。
なお、色情報補完装置1は、図示を省略したコンピュータを、前記した構成の各手段として機能させるためのプログラム(色情報補完プログラム)で動作させることができる。
[色情報補完装置の動作]
次に、図12を参照(構成については、適宜図1,図2,図5,図7,図9参照)して、本発明の実施形態に係る色情報補完装置1の動作について説明する。
(方位相関〔方位不均一性〕の推定動作)
まず、色情報補完装置1は、撮像画像(ベイヤ配列画像)を対象として、方位別振動成分抽出手段10によって、空間周波数スケールの異なるフィルタで、画素ごとに、水平方向および垂直方向のそれぞれについて複数の振動成分を抽出する(ステップS1)。
すなわち、色情報補完装置1は、水平振動成分抽出手段11(11,11)によって、空間周波数スケールの異なるフィルタで、水平振動成分を抽出した画像信号(水平振動成分画像H,H)を生成する。
また、色情報補完装置1は、垂直振動成分抽出手段12(12,12)によって、空間周波数スケールの異なるフィルタで、垂直振動成分を抽出した画像信号(垂直振動成分画像V,V)を生成する。
そして、色情報補完装置1は、方位相関強度算出手段20によって、ステップS1で生成された、水平方向および垂直方向の画素ごとの複数の振動成分から、前記式(1)により、方位不均一性パラメータλを算出する(ステップS2)。
これによって、色情報補完装置1は、撮像画像全体の色情報から、画素ごとに、方位相関の強度を推定することができる。
(高周波成分の重み算出動作)
次に、色情報補完装置1は、方位別エッジ成分抽出手段40によって、撮像画像(ベイヤ配列画像)の方位別のエッジ成分を画素ごと抽出する(ステップS3)。
すなわち、色情報補完装置1は、方位別エッジ成分抽出手段40のE方向エッジ成分抽出手段41、NE方向エッジ成分抽出手段42、N方向エッジ成分抽出手段43、NW方向エッジ成分抽出手段44、W方向エッジ成分抽出手段45、SW方向エッジ成分抽出手段46、S方向エッジ成分抽出手段47、および、SE方向エッジ成分抽出手段48によって、画素ごとに8方向のエッジ成分を抽出する。
そして、色情報補完装置1は、高周波成分加算係数算出手段50によって、ステップS3で抽出された画素ごとのエッジ成分の大きさ(最大値)に基づいて、当該画素における高周波成分の重みを示す高周波成分加算係数wを算出する(ステップS4)。
すなわち、色情報補完装置1は、高周波成分加算係数算出手段50の最大値検出手段51によって、8方向のエッジ成分の最大値を検出し、係数変換手段52によって、その最大値に応じた0以上1以下の範囲の高周波成分加算係数wを算出する。
(特定色〔G〕画素補完動作)
次に、色情報補完装置1は、方位・帯域別画像補完手段30によって、撮像画像(ベイヤ配列画像)における特定色(G)の画素の画素値を、方位(水平方向/垂直方向)および帯域(低周波成分/高周波成分)別に補完する(ステップS5)。
すなわち、色情報補完装置1は、水平低周波成分補完手段31によって、特定色であるGに対して補完対象となるR,Bの画素位置におけるGの画素値を、水平方向の他のGの画素値から平滑化して補完することで、水平低周波成分補完画像GHLを生成する。
また、色情報補完装置1は、水平高周波成分補完手段32によって、R,Bの画素位置において、当該画素の画素値と水平方向に2画素離れた位置の画素の画素値とから高周波成分を算出し、当該R,Bの画素位置におけるGの画素値を補完することで、水平高周波成分補完画像GHHを生成する。
また、色情報補完装置1は、垂直低周波成分補完手段33によって、特定色であるGに対して補完対象となるR,Bの画素位置におけるGの画素値を、垂直方向の他のGの画素値から平滑化して補完することで、垂直低周波成分補完画像GVLを生成する。
また、色情報補完装置1は、垂直高周波成分補完手段34によって、R,Bの画素位置において、当該画素の画素値と垂直方向に2画素離れた位置の画素の画素値とから高周波成分を算出し、当該R,Bの画素位置におけるGの画素値を補完することで、垂直高周波成分補完画像GVHを生成する。
これによって、色情報補完装置1は、Gに対する補完対象画素ごとに、G画素の最も水平方向に相関が強い場合の画素値と、最も水平方向に相関が強い場合の高周波成分の補正値(画素値)と、最も垂直方向に相関が強い場合の画素値と、最も垂直方向に相関が強い場合の高周波成分の補正値(画素値)とを求めることができる。
そして、色情報補完装置1は、補完画像画素値算出手段60によって、ステップS5で生成された各補完画像GHL,GHH,GVLおよびGVHにおいて、補完対象画素ごとに、前記式(4)により、ステップS2で算出された方位相関の強度(方位不均一性パラメータλ)と、ステップS4で算出された高周波成分加算係数wとに応じて画素値を加算して、補完画像の画素値を算出する(ステップS6)。
そして、色情報補完装置1は、G画像生成手段70によって、撮像画像(ベイヤ配列画像)において、Gに対する補完対象画素の画素値を、ステップS6で算出された補完画像の画素値に置き換えることでG画像を生成する(ステップS7)。
これによって、色情報補完装置1は、ベイヤ配列のG画素位置における画素については、ベイヤ配列画像として撮像されたG画素の画素値を用い、Gに対する補完対象画素については、方位相関の強度と高周波成分加算係数とによって求められたGの画素値を用いることで、空間周波数成分を精度よく再現したG画像を生成することができる。
(対象色〔R,B〕画素補完動作)
次に、色情報補完装置1は、以下の動作によって、撮像画像から、R,Bを対象色として、R画像およびB画像を生成する。なお、R画素とB画素の補完動作は、対象色が異なるだけで、同一処理であるため、以降の説明では、R画素の補完動作を主に説明し、B画素に対応する内容については適宜括弧内に対応する色や手段を併記することとする。
まず、色情報補完装置1は、R画素抽出手段80(B画素抽出手段80B)によって、撮像画像(ベイヤ配列画像)において、R(B)の画素位置に対応する画素の画素値を抽出する(ステップS8)。
そして、色情報補完装置1は、R画像生成手段90(B画像生成手段90B)の差分手段91によって、ステップS8で抽出されたR(B)の画素ごとに、当該画素の画素値と、ステップS6で算出された当該画素に対応するGの画素の画素値との差分値を算出する(ステップS9)。
そして、色情報補完装置1は、R画像生成手段90(B画像生成手段90B)の差分補完手段92によって、R(B)に対する補完対象画素において、すでに差分値が算出されている同色の周辺画素の差分値から、前記式(5)および式(6)の例で示したように、当該補完対象画素の差分値を補完する(ステップS10)。
さらに、色情報補完装置1は、R画像生成手段90(B画像生成手段90B)の加算手段93によって、ステップS10で差分値が補完された画像の画素ごとに、当該画素に対応するステップS7で生成されたG画像の画素の画素値を加算して、R(B)画像を生成する(ステップS11)。
これによって、色情報補完装置1は、方位相関の強度と高周波成分加算係数とに応じたG画素の画素値を利用して、R(B)画像を生成することで、空間周波数成分を精度よく再現したR(B)画像を生成することができる。
(RBG画像生成動作)
そして、色情報補完装置1は、RGB画像生成手段100によって、ステップS7で生成されたG画像と、ステップS11で生成されたR画像およびB画像とを合成してRGB画像を生成する(ステップS12)。
以上の動作によって、色情報補完装置1は、撮像画像の各画素位置において、欠落している色情報を精度よく補完することができる。
このように、色情報補完装置1は、撮像画像の局所的性質(方向性およびエッジ成分)に基づいて補完した各補完画像を、その局所的性質の重みで重み付け加算することで、最終的な補完値を決定しているため、画像の平坦部における視覚的に目立つ歪みの発生を抑えつつ、画像のエッジ部において、高い空間周波数を再現し、偽色の少ない自然なカラー画像を生成することができる。
以上、本発明の実施形態に係る色情報補完装置1の構成および動作について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
例えば、ここでは、RGBの3原色の色配列を有するカラーフィルタで撮像された撮像画像を例に説明したが、カラーフィルタはこの3原色に限定されるものではなく、他の3色であっても構わない。
また、ここでは、水平振動成分抽出手段11を複数(11,11)備え、パラレルに動作させることとしたが、1つの水平振動成分抽出手段11によって、ベイヤ配列画像単位で、順次シリアルに異なる空間周波数スケールを使用して振動成分を抽出することとしてもよい。また、垂直振動成分抽出手段12についても同様である。
なお、高速処理を実現するには、水平振動成分抽出手段11と垂直振動成分抽出手段12とをそれぞれ複数備えて、パラレル動作させることが好ましい。
また、高速処理を実現するには、E方向エッジ成分抽出手段41、NE方向エッジ成分抽出手段42、N方向エッジ成分抽出手段43、NW方向エッジ成分抽出手段44、W方向エッジ成分抽出手段45、SW方向エッジ成分抽出手段46、S方向エッジ成分抽出手段47、および、SE方向エッジ成分抽出手段48を、それぞれ複数備えて、パラレル動作させることが好ましい。
[補足説明]
以上説明したように、色情報補完装置1は、方位別および帯域別の4種類の補完画像(GHL,GHH,GVLおよびGVH)を、方位相関の強度(方位不均一性パラメータλ)と、エッジ成分の大きさ(高周波成分加算係数w)とに応じて重み付け加算することで、G画像の補完を行うことを特徴としている。ここで、方位・帯域別画像補完手段30の水平高周波成分補完手段32および垂直高周波成分補完手段34は、Gの補完画像を生成するために、他の色(例えば、R)の画素値を用いて補完している。
そこで、最後に、図13を参照(適宜図1参照)して、Gの画素値を他の色(R,B)で補完する技術的意味を説明するとともに、併せて、方位不均一性パラメータλおよび高周波成分加算係数wの技術的意味について説明する。
ここで、図13(a)に示すように、ベイヤ配列画像のR画素位置を画素i行j列の位置とし、当該画素位置を補完対象とする水平5画素分に着目する。なお、L(i,j)は、i行j列の信号レベルを意味する。
G信号のみの補完処理において、ベイヤ配列のGのサンプリング周波数より高い周波数成分の復元はできない。そのため、画素位置(i,j)のG信号の補完値(以下、G値)には、G信号のサンプリング周波数より高い高周波成分の補正値αが必要となる。
ここで、G値は、以下の式(8)で表すことができる。
ここで、画素位置(i,j)におけるG値の真値(ベイヤ配列画像では未知)をLG(i,j)とすると、補正値αは理想的には以下の式(9)で表される。
しかし、G値の真値LG(i,j)は未知であるため、使用することができない。
そこで、図13(b)に示すように、色信号間(ここでは、G信号とR信号との間)に相関があることを仮定し、以下の式(10)に示すように、ベイヤ配列画像のR信号を用いて、補正値αを近似する。
ここで、βは、G信号高周波成分とR信号高周波成分との変化パラメータ(ゲインパラメータ)で、文献「J.F. Hamilton Jr., J.E. Adams, Adaptive color plan interpolation in single sensor color electronic camera. U.S. Patent, 1997, 5629734. 」、文献「H. Malvar,L.He,R.Cutler,High-qualitylinearinterpolationfor demosaicing of Bayer-patterned color images, Proceedings of ICASSP III (2004)485-488.」にもあるように、一般的にβ=1/2が用いられる。
しかし、式(10)に示した補正値αを用いた場合、2つの問題がある。
1つ目の問題は、画像の平坦部では、高周波成分が小さいため、補正値αは、画像のノイズ成分が支配的になり、画質が劣化する場合がある。
通常、撮像画像の信号レベルL(i,j)は、以下の式(11)に示すように、ノイズを含まない信号レベルL′(i,j)とノイズレベルN(i,j)の和として表される。
この式(11)を、βを1/2としたときの前記式(10)に代入すると、以下の式(12)となる。
この式(12)の第一項は、ノイズを含まない信号から算出した高周波成分であり、第二項は、ノイズ成分である。
このように、ノイズ成分が含まれた平坦な画像の場合、補正値αは、第二項のノイズ成分が支配的となり、前記式(8)のように、G値を復元するために加算すると画質を劣化させることになる。
また、2つ目の問題として、補完対象画素である画素位置(i,j)の1画素隣の画素と2画素隣の画素との間に、急峻なエッジ部分が存在した場合、前記式(10)の近似式が成り立たないため、画質が劣化する場合がある。
例えば、(j+1)列と(j+2)列の間に垂直方向の急峻なエッジ部分が存在した場合、L(i,j−1)とL(i,j+1)とは同等な信号レベルとなるが、L(i,j−2)およびL(i,j)とL(i,j+2)とは信号レベルが大きく異なるため、前記式(9)を前記式(10)で近似できないことになる。
このように、R(Bも同様)画素位置におけるGの補完値を求める場合、1画素隣の画素と2画素隣の画素との間に存在するエッジ成分が大きいと、前記式(8)における補正値αを加算することで、逆に画像を劣化させることがある。
一方、補完対象画素(i,j)と1画素隣の画素との間に、急峻なエッジ部分が存在した場合、前記式(10)の近似式が成り立つ。そこで、補完対象画素と1画素隣の画素との間に存在するエッジ成分に応じて、前記式(8)における補正値αを加算することとする。
ただし、このように垂直方向のエッジが存在する場合、水平方向の画素の画素値でGの補完値を求めるのではなく、補完対象画素である画素位置(i,j)に対して、垂直方向の画素位置(i−2,j),(i+2,j)の画素値から補完値を求めればよい。
そこで、色情報補完装置1は、方位相関強度算出手段20において、方位相関を示す方位不均一性パラメータλを求め、補完画像画素値算出手段60において、λの値に応じて、水平成分で補完した画像と、垂直方向で補完した画像とを重み付け加算することとしている。
しかし、方位相関強度算出手段20は、水平方向および垂直方向の相関のみを求めていることから、エッジ成分が斜め方向に存在する場合が考慮されないことになる。
そこで、色情報補完装置1は、さらに、高周波成分加算係数算出手段50によって、方位別(8方向)のエッジ成分の大きさに応じた高周波成分加算係数wを求め、補完画像画素値算出手段60において、補完画像のうちで、高域フィルタで補完した補完画像(GHHおよびGVH)に対してのみ高周波成分加算係数wを乗算することとしている。
これによって、色情報補完装置1は、低域フィルタで補完した補完画像(GHLおよびGVL)に対して、画像の斜め方向のエッジ部や平坦部においては、画像の劣化を抑えつつ、高周波成分を補正することができる。
1 色情報補完装置
10 方位別振動成分抽出手段
11 水平振動成分抽出手段
12 垂直振動成分抽出手段
20 方位相関強度算出手段
30 方位・帯域別画像補完手段
31 水平低周波成分補完手段
32 水平高周波成分補完手段
33 垂直低周波成分補完手段
34 垂直高周波成分補完手段
40 方位別エッジ成分抽出手段
50 高周波成分加算係数算出手段
60 補完画像画素値算出手段
70 G画像生成手段(特定色補完手段)
80 R画素抽出手段
80B B画素抽出手段
90 R画像生成手段(他色補完手段)
90B B画像生成手段(他色補完手段)
91 差分手段
92 差分補完手段
93 加算手段
100 RGB画像生成手段

Claims (7)

  1. カラーフィルタを用いた単板式撮像デバイスで撮像された撮像画像から、各色の欠落した色情報を補完する色情報補完装置であって、
    前記撮像画像の画素ごとに水平方向および垂直方向の方位別に振動成分を抽出する方位別振動成分抽出手段と、
    この方位別振動成分抽出手段で抽出された方位別の振動成分の相関に基づいて、画素ごとの方位相関の強度を算出する方位相関強度算出手段と、
    前記撮像画像の特定色に対する補完対象画素の画素値を水平方向および垂直方向の各方位について低周波成分および高周波成分の帯域別に補完して、方位・帯域別画像を生成する方位・帯域別画像補完手段と、
    前記撮像画像の画素ごとに水平方向、垂直方向および斜め方向の方位別にエッジ成分を抽出する方位別エッジ成分抽出手段と、
    この方位別エッジ成分抽出手段で抽出されたエッジ成分の大きさに基づいて、前記方位・帯域別画像の高周波成分を補正するための高周波成分加算係数を算出する高周波成分加算係数算出手段と、
    前記方位・帯域別画像補完手段で補完された前記方位・帯域別画像の画素値を、前記方位相関の強度と前記高周波成分加算係数とに応じて加算して、前記補完対象画素の画素値を算出する補完画像画素値算出手段と、
    前記撮像画像において、前記特定色に対する補完対象画素の画素値を、前記補完画像画素値算出手段で算出された画素値に置き換えて前記特定色の色情報を補完する特定色補完手段と、
    前記撮像画像から、前記特定色以外の色を対象として色情報を補完する対象色ごとの他色補完手段と、を備え、
    前記方位別振動成分抽出手段は、
    前記撮像画像に対して、線形フィルタを用いて水平方向に畳み込み処理することで、水平方向の振動成分を抽出する水平振動成分抽出手段と、
    前記撮像画像に対して、線形フィルタを用いて垂直方向に畳み込み処理することで、垂直方向の振動成分を抽出する垂直振動成分抽出手段と、を備え、
    前記他色補完手段は、
    前記撮像画像において、前記対象色の画素ごとに、当該画素の画素値と当該画素に対応する前記補完画像画素値算出手段で算出された補完対象画素の画素値との差分値を算出する差分手段と、
    前記対象色に対する補完対象画素の周辺画素の前記差分値から、当該補完対象画素の差分値を補完する差分補完手段と、
    この差分補完手段で差分値が補完された画像の画素ごとに、当該画素に対応する前記特定色補完手段で補完された補完対象画素の画素値を加算して、前記対象色の画像を生成する加算手段と、
    を備えることを特徴とする色情報補完装置。
  2. 前記水平方向に畳み込み処理するための空間周波数スケールが異なる線形フィルタごとに、前記水平振動成分抽出手段を複数備え、
    前記垂直方向に畳み込み処理するための空間周波数スケールが異なる線形フィルタごとに、前記垂直振動成分抽出手段を前記水平振動成分抽出手段と同数備えることを特徴とする請求項に記載の色情報補完装置。
  3. 前記方位・帯域別画像補完手段は、
    前記補完対象画素の水平方向に隣接する画素値を平均化して水平低周波成分補完画像を生成する水平低周波成分補完手段と、
    前記補完対象画素の画素値と当該画素の水平方向に2画素離れた位置の画素の画素値とから高周波成分を算出して水平高周波成分補完画像を生成する水平高周波成分補完手段と、
    前記補完対象画素の垂直方向に隣接する画素値を平均化して垂直低周波成分補完画像を生成する垂直低周波成分補完手段と、
    前記補完対象画素の画素値と当該画素の垂直方向に2画素離れた位置の画素の画素値とから高周波成分を算出して垂直高周波成分補完画像を生成する垂直高周波成分補完手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の色情報補完装置。
  4. カラーフィルタを用いた単板式撮像デバイスで撮像された撮像画像から、各色の欠落した色情報を補完する色情報補完装置であって、
    前記撮像画像の画素ごとに水平方向および垂直方向の方位別に振動成分を抽出する方位別振動成分抽出手段と、
    この方位別振動成分抽出手段で抽出された方位別の振動成分の相関に基づいて、画素ごとの方位相関の強度を算出する方位相関強度算出手段と、
    前記撮像画像の特定色に対する補完対象画素の画素値を水平方向および垂直方向の各方位について低周波成分および高周波成分の帯域別に補完して、方位・帯域別画像を生成する方位・帯域別画像補完手段と、
    前記撮像画像の画素ごとに水平方向、垂直方向および斜め方向の方位別にエッジ成分を抽出する方位別エッジ成分抽出手段と、
    この方位別エッジ成分抽出手段で抽出されたエッジ成分の大きさに基づいて、前記方位・帯域別画像の高周波成分を補正するための高周波成分加算係数を算出する高周波成分加算係数算出手段と、
    前記方位・帯域別画像補完手段で補完された前記方位・帯域別画像の画素値を、前記方位相関の強度と前記高周波成分加算係数とに応じて加算して、前記補完対象画素の画素値を算出する補完画像画素値算出手段と、
    前記撮像画像において、前記特定色に対する補完対象画素の画素値を、前記補完画像画素値算出手段で算出された画素値に置き換えて前記特定色の色情報を補完する特定色補完手段と、
    前記撮像画像から、前記特定色以外の色を対象として色情報を補完する対象色ごとの他色補完手段と、を備え、
    前記方位・帯域別画像補完手段は、
    前記補完対象画素の水平方向に隣接する画素値を平均化して水平低周波成分補完画像を生成する水平低周波成分補完手段と、
    前記補完対象画素の画素値と当該画素の水平方向に2画素離れた位置の画素の画素値とから高周波成分を算出して水平高周波成分補完画像を生成する水平高周波成分補完手段と、
    前記補完対象画素の垂直方向に隣接する画素値を平均化して垂直低周波成分補完画像を生成する垂直低周波成分補完手段と、
    前記補完対象画素の画素値と当該画素の垂直方向に2画素離れた位置の画素の画素値とから高周波成分を算出して垂直高周波成分補完画像を生成する垂直高周波成分補完手段と、を備え、
    前記他色補完手段は、
    前記撮像画像において、前記対象色の画素ごとに、当該画素の画素値と当該画素に対応する前記補完画像画素値算出手段で算出された補完対象画素の画素値との差分値を算出する差分手段と、
    前記対象色に対する補完対象画素の周辺画素の前記差分値から、当該補完対象画素の差分値を補完する差分補完手段と、
    この差分補完手段で差分値が補完された画像の画素ごとに、当該画素に対応する前記特定色補完手段で補完された補完対象画素の画素値を加算して、前記対象色の画像を生成する加算手段と、
    を備えることを特徴とする色情報補完装置。
  5. 前記方位別エッジ成分抽出手段は、前記撮像画像の画素ごとに、右方向、右上方向、上方向、左上方向、左方向、左下方向、下方向および右下方向の8方向の方位別に前記エッジ成分を抽出することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか一項に記載の色情報補完装置。
  6. 前記撮像画像は、3原色のベイヤ配列のカラーフィルタを用いて撮像された画像であって、前記特定色は緑色、前記対象色は赤色および青色であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の色情報補完装置。
  7. コンピュータを、請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の色情報補完装置として機能させるための色情報補完プログラム。
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