JP6425306B2 - 可動接点部材及びその製造方法、並びに該可動接点部材を用いたスイッチ装置 - Google Patents

可動接点部材及びその製造方法、並びに該可動接点部材を用いたスイッチ装置 Download PDF

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Description

本発明は、可動接点部材及び該可動接点部材を用いたスイッチ装置に関し、特に、押圧操作されることにより可動接点部材が反転動作して、接点の接離を行う可動接点部材及びその製造方法、並びに該可動接点部材を用いたスイッチ装置に関する。
一般に、デジタルカメラや携帯電話等の電子機器に用いられる可動接点部材として、作動力やクリック感等の操作フィーリングを得るために、押圧操作されることにより可動接点部材が反転動作して、接点の接離を行う可動接点部材が用いられている。この可動接点部材として、金属薄板を加工して、所定の曲率でドーム状に形成したものが良く知られている。
このような可動接点部材を用いたスイッチ装置の従来例として、特許文献1では、図15に示すような押しボタンスイッチ910(スイッチ装置)が提案されている。図15は、従来例の接点板912(可動接点部材)を用いた押しボタンスイッチ910の分解斜視図である。
図15に示す押しボタンスイッチ910は、略箱状で端子923(第1固定接点)及び端子924(第2固定接点)が埋設された絶縁ベース911と、この絶縁ベース911に収納される接点板912と、この接点板912を覆うダストカバー913と、このダストカバー913を介して接点板912を作動させる押しボタン914と、この押しボタン914のボタン部939を貫通させた状態で絶縁ベース911を塞ぐリッド915と、から構成されている。また、接点板912は、ばね材平板に打抜き加工を行い、図15に示すように、全体を矩形状に形成し、小判形に膨出させた接点部としての膨出部951と、膨出させないで残された4つコーナ部952と、から構成されている。そして、このような短手方向(図15に示すX方向)及び長手方向(図15に示すY方向)を有した矩形形状の接点板912を用いると、押しボタンスイッチ910の幅方向(短手方向)のサイズを小さくできて、長手方向の接点板912のサイズから得られる動作ストローク、つまり長手方向のサイズで形成された正方形状の場合と同等の動作ストロークを確保することができるという効果が得られる。
特開2003−187664号公報
しかしながら、一般に、反転動作が行われる可動接点部材の場合には、可動接点部材を押し下げた際に、可動接点部材の外形が外側に向けて広がるため、外周の端部に引張応力が発生するようになる。特に、短手方向にある長辺の端部(従来例では図15に示すSE)は、その引張応力による悪影響が顕著に表れる傾向にあった。このため、作動荷重が高い、動作ストロークが長い等の条件下では、外周の端部に応力が集中してクラック等が発生し、寿命が低下するという課題があった。一方、従来例では、打抜き加工の際に切り落とされる部分(図15に示す繋ぎ部954)をコーナ部952に設けることで、クラックの発生を防止できるとしているが、上記課題を根本的に解決する手段となっていない。
本発明は、上述した課題を解決するもので、長寿命化が図れた可動接点部材及びその製造方法、並びに該可動接点部材を用いたスイッチ装置を提供することを目的とする。
この課題を解決するために、本発明の可動接点部材及びその製造方法、並びに該可動接点部材を用いたスイッチ装置は、ドーム状に膨出し押圧により反転動作可能な膨出部と、該膨出部を支持している複数の脚部と、を備え、短手方向及び長手方向を有した外形形状の可動接点部材であって、前記複数の脚部が、平面視して、前記長手方向において前記膨出部を挟んで対向する側にそれぞれ少なくとも1つずつ設けられ、前記短手方向における両端部には、前記短手方向に沿って縦断面視して、前記膨出する側に曲げられた跳ね上げ部を有し、該跳ね上げ部が前記長手方向に沿って延設されていることを特徴としている。
これによれば、本発明の可動接点部材は、膨出部が押圧操作されて反転する際に、この跳ね上げ部が短手方向における膨出部の広がりを抑えることとなる。このため、短手方向の外周端部における内部応力(長手方向側へ引っ張られる引張応力)の集中を低減することができる。このことにより、短手方向の外周端部におけるクラック等の不具合が低減され、長寿命化を図ることができる。
また、本発明の可動接点部材は、前記膨出部には、前記短手方向を縦断面視して、波状に形成された波部を有し、該波部が前記長手方向に沿って延設されていることを特徴としている。
これによれば、膨出部が押圧操作されて反転する際に、跳ね上げ部に加えてこの波部が短手方向における膨出部の広がりをより抑えることとなる。このため、短手方向の外周端部における内部応力(長手方向側へ引っ張られる引張応力)の集中をより低減することができる。このことにより、短手方向の外周端部におけるクラック等の不具合がより低減され、より長寿命化を図ることができる。
また、本発明の可動接点部材は、前記膨出部には、前記短手方向の外周の一部を形成する切欠部を有していることを特徴としている。
これによれば、より外形の大きい膨出部を設けて短手方向の外周の一部に切欠部を形成する構成としたので、膨出部の反転動作において、より外形の大きい膨出部を設けて短手方向の外周の一部に切欠部を形成する構成としたので、膨出部の反転動作において、より長い動作ストロークとすることができる。一方、短手方向における膨出部に切欠部を設けた場合は、内部応力(引張応力)がこの切欠部によりかかることとなるが、この切欠部の部分に跳ね上げ部を有している本発明では、この切欠部における内部応力(引張応力)の集中を低減することができる。このため、切欠部におけるクラック等の不具合が低減される。これらのことにより、長寿命化を図りつつ、より長い動作ストロークを確保することができる。
また、本発明の可動接点部材は、前記膨出部側から平面視した時の外形形状が、前記短手方向の前記中央部を挟んで線対称に形成されていることを特徴としている。
これによれば、膨出部の反転動作の際に、内部応力(引張応力)がよりかかる短手方向の外周端部に対して、跳ね上げ部による内部応力の低減作用が短手方向の両側に均等に働くこととなる。このことにより、どちらか一方に内部応力(引張応力)が偏ることがなく、より長寿命化を図ることができる。
また、本発明の可動接点部材の製造方法は、ドーム状に膨出し押圧により反転動作可能な膨出部と、該膨出部を支持している複数の脚部と、を備え、外形形状が短手方向及び長手方向を有した可動接点部材の製造方法であって、シート状の金属材から繋ぎ部を残しつつ前記短手方向及び前記長手方向を有した板状のベース部材を形成する外形加工工程と、前記ベース部材に対して、前記長手方向に沿って前記短手方向の両端部を一方側に折り曲げて曲げ加工部材を形成する曲げ加工工程と、前記曲げ加工部材に対して、平面視して前記短手方向及び前記長手方向の中央部分を中心として、前記一方側に向けて前記ドーム状に膨出するように絞って絞り加工部材を形成する絞り加工工程と、前記絞り加工部材に接続された前記繋ぎ部を前記外形形状に倣って切断する切断加工工程と、を有し、前記絞り加工工程において、前記膨出部が形成されるとともに、前記膨出する側に曲げられた跳ね上げ部が前記長手方向に沿って延設されて前記短手方向における両端部に形成されることを特徴としている。
これによれば、膨出部の膨出する側に曲げられた跳ね上げ部が長手方向に沿って延設されて短手方向の両端部に設けられた可動接点部材を容易に作製することができる。このことにより、膨出部が押圧操作されて反転する際に、短手方向の外周端部における内部応力(引張応力)の集中を低減でき、外周端部におけるクラック等の不具合が低減されて、長寿命化を図ることができる可動接点部材を提供することができる。
前記曲げ加工工程は、前記短手方向を縦断面視して凹凸状となるように、前記長手方向に沿って曲げる波曲げ工程を含んでいることを特徴としている。g
これによれば、波状に形成された波部が膨出部に設けられた可動接点部材を容易に作製することができる。このため、膨出部が押圧操作されて反転する際に、跳ね上げ部に加えてこの波部が短手方向における膨出部の広がりをより抑えることとなり、短手方向の外周端部における内部応力(長手方向側へ引っ張られる引張応力)の集中をより低減することができる。このことにより、短手方向の外周端部におけるクラック等の不具合がより低減され、より長寿命化を図ることができる可動接点部材を提供することができる。
また、本発明の可動接点部材は、前記外形加工工程において、前記脚部と接続して前記繋ぎ部を設けたことを特徴としている。
これによれば、絞り加工工程後の切断加工工程で生じる繋ぎ部を切断した切断面が、短手方向における両端部に形成された跳ね上げ部ではなく、脚部に設けられることとなる。このため、跳ね上げ部による短手方向における膨出部の広がりを抑える作用を切断面により減ずることがなく、短手方向の外周端部における内部応力(長手方向側へ引っ張られる引張応力)の集中を確実に低減することができる。このことにより、短手方向の外周端部におけるクラック等の不具合が確実に低減されて、長寿命化を確実に図ることができる可動接点部材を提供することができる。
また、本発明の可動接点部材は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の可動接点部材と、該可動接点部材の前記膨出部の頂部と接離可能な第1固定接点部材と、前記可動接点部材の前記脚部と接触している第2固定接点部材と、前記第1固定接点部材と電気的に接続した第1端子部と、前記第2固定接点部材と電気的に接続した第2端子部と、を備えていることを特徴としている。
これによれば、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の可動接点部材を備えているので、膨出部が押圧操作されて反転する際に、短手方向の外周端部における内部応力(引張応力)の集中を低減でき、外周端部におけるクラック等の不具合が低減されて、長寿命化を図ることができるスイッチ装置を提供することができる。
本発明の可動接点部材は、膨出部が押圧操作されて反転する際に、この跳ね上げ部が短手方向における膨出部の広がりを抑えることとなる。このため、短手方向の外周端部における内部応力(長手方向側へ引っ張られる引張応力)の集中を低減することができる。このことにより、短手方向の外周端部におけるクラック等の不具合が低減され、長寿命化を図ることができる。
また、本発明の可動接点部材の製造方法は、膨出部の膨出する側に曲げられた跳ね上げ部が長手方向に沿って延設されて短手方向の両端部に設けられた可動接点部材を容易に作製することができる。このことにより、膨出部が押圧操作されて反転する際に、短手方向の外周端部における内部応力(引張応力)の集中を低減でき、外周端部におけるクラック等の不具合が低減されて、長寿命化を図ることができる可動接点部材を提供することができる。
また、本発明の該可動接点部材を用いたスイッチ装置は、可動接点部材の膨出部が押圧操作されて反転する際に、可動接点部材の短手方向の外周端部における内部応力(引張応力)の集中を低減でき、外周端部におけるクラック等の不具合が低減されて、長寿命化を図ることができるスイッチ装置を提供することができる。
本発明の第1実施形態の可動接点部材の斜視図である。 本発明の第1実施形態の可動接点部材の上面図である。 本発明の第1実施形態の可動接点部材を説明する図であって、図3(a)は、図1にY2側から見た正面図であり、図3(b)は、図2に示すIII−III線における断面図である。 本発明の第1実施形態の可動接点部材を説明する図であって、図3(b)に示すP部分の拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係わる可動接点部材の製造方法を説明する工程図であって、図5(a)は、外形加工工程後の状態を示した上面図であり、図5(b)は、曲げ加工工程後の状態を示した上面図であり、図5(c)は、絞り加工工程後の状態を示した上面図であり、図5(d)は、切断加工工程後の状態を示した上面図である。 本発明の第1実施形態に係わる可動接点部材の製造方法を説明する図であって、図6(a)は、曲げ加工工程におけるポンチ及びダイを示した図であり、図6(b)は、絞り加工工程におけるポンチ及びダイを示した図である。 本発明の第2実施形態のプッシュスイッチの斜視図である。 本発明の第2実施形態のプッシュスイッチの分解斜視図である。 本発明の第3実施形態のシートスイッチの斜視図である。 本発明の第3実施形態に係わるシートスイッチを説明する図であって、図10(a)は、図9に示すZ1側から見たシートスイッチの上面図であり、図10(b)は、図9に示すX1側から見たシートスイッチの側面図である。 本発明の第3実施形態に係わるシートスイッチを説明する図であって、図11(a)は、図10(a)に示すXI−XI線における断面図であり、図11(b)は、図10(a)に示すXII−XII線における断面図である。 本発明の第3実施形態に係わるシートスイッチを説明する図であって、図10(a)に示すP部分のシート部材の背面図である。 本発明の第3実施形態に係わるシートスイッチを説明する図であって、図13(a)は、図10(a)に示すP部分のシート基板の上面図であり、図13(b)は、図10(a)に示すQ部分のシート基板の底面図である。 本発明の第1実施形態に係わる可動接点部材の変形例を説明する図であって、図14(a)は、変形例2の可動接点部材の上面図であり、図14(b)は、変形例3の可動接点部材の上面図である。 従来例の接点板(可動接点部材)を用いた押しボタンスイッチの分解斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1実施形態]
先ず、本発明の第1実施形態の可動接点部材10について説明する。図1は、本発明の第1実施形態の可動接点部材10の斜視図である。図2は、本発明の第1実施形態の可動接点部材10の上面図である。なお、図1及び図2では、後述する跳ね上げ部11t及び波部11wは図示していない。図3(a)は、図1に示すY2側から見た可動接点部材10の正面図であり、図3(b)は、図2に示すIII−III線における断面図である。図4は、図3(b)に示すP部分の拡大断面図である。
本発明の第1実施形態の可動接点部材10は、導電性の金属板を機械加工して作製されており、図1に示すような外観を呈し、図2に示すように、平面視して、外形形状が短手方向SD(図2に示すYX方向)及び長手方向LD(図2に示すY方向)を有した略長方形状或いは小判状に形成されている。また、可動接点部材10は、図1に示すように、中央部が上方(図1に示すZ1方向)へドーム状に膨出した膨出部11と、長手方向LDで膨出部11を挟んで対向する両端側に設けられ膨出部11を支持している2つの脚部51と、から構成されている。そして、可動接点部材10は、操作者の押圧操作により膨出部11に押圧を受けると、膨出部11が反転動作し、押圧が解除されると、押圧操作前の状態に戻るようになっている。
また、可動接点部材10は、図2に示すように、平面視して、短手方向SDの中央部(図2に示すIV−IV線)を挟んで線対称に形成されているとともに、長手方向LDの中央部(図2に示すIII−III線)を挟んで、膨出部11及び2つの脚部51のそれぞれが線対称に形成されている。また、可動接点部材10の内側面(凹面)には、反転した際に接する接点部材(一般的には固定接点部材)との電気的な接触安定性を得るために、銀めっきが施されている。なお、操作者による押圧操作は、図示しない操作部材等(操作者の指も含む)によって行われる。
可動接点部材10は、図3に示すように、短手方向SDの両端部に設けられた跳ね上げ部11tが両端部の長手方向LDに沿って延設されている。この跳ね上げ部11tは、短手方向SDに沿って縦断面視すると、図3(b)及び図4に示すように、膨出した膨出部11の仮想稜線KLに対して、膨出部11の膨出する側に曲げられている。なお、跳ね上げ部11tは、膨出部11の一部に設けられているとともに、2つの脚部51に延設されて脚部51の外周端部L1まで設けられている。
これにより、膨出部11が押圧操作されて反転する際に、この跳ね上げ部11tが短手方向SDにおける膨出部11の広がりを抑えることとなる。このため、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(長手方向LD側へ引っ張られる引張応力)の集中を低減することができる。このことにより、短手方向SDの外周端部S1におけるクラック等の不具合が低減され、長寿命化を図ることができる。
また、本発明の第1実施形態では、図2に示すように、円形形状に膨出させた膨出部11には、その円形形状の一部が欠けた切欠部11kを有しており、この切欠部11kが短手方向SDにおける両側に形成された外周の一部を形成している。これにより、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(引張応力)がこの切欠部11kによりかかることとなるが、跳ね上げ部11tを有している本発明では、この切欠部11kにおける内部応力(引張応力)の集中を確実に低減することができる。このため、切欠部11kにおけるクラック等の不具合が低減される。一方、一部を切欠部11kとしてより外径の大きい円形形状の膨出部11となるように構成としたので、膨出部11の反転動作において、より長い動作ストロークにすることができる。これらのことにより、長寿命化を図りつつ、より長い動作ストロークを確保することができる。
また、両端部に設けられた跳ね上げ部11tが膨出部11の膨出する側に向けて曲げられているので、この跳ね上げ部11tを含んだ膨出部11が押されて反転するので、より大きい押圧荷重となる。このため、操作者に対してより良いクリック感(操作感触)が得られることとなる。
また、この跳ね上げ部11tが短手方向SDの中央部を挟んで線対称に形成されているので、膨出部11の反転動作の際に内部応力(引張応力)がよりかかる短手方向SDの外周端部S1に対して、跳ね上げ部11tによる内部応力の低減作用が短手方向SDの両側に均等に働くこととなる。このことにより、どちらか一方に内部応力(引張応力)が偏ることがなく、より長寿命化を図ることができる。
また、本発明の第1実施形態の可動接点部材10では、膨出部11において、図3(b)に示すように、短手方向SDを縦断面視して、波状に形成された波部11wが設けられている。この波状に形成されたと云うのを言い換えると、膨出した膨出部11の仮想稜線KLに対して、膨出する膨出側に突出した凸部と膨出側とは反対側に突出した凹部とが一対で組み合わされた形状とも云える。そして、この波部11wは、長手方向LDに沿って延設されているとともに、2つの脚部51に延設されて脚部51の外周端部L1まで設けられている。なお、本発明の第1実施形態では、波部11wを2つ設けており、2つの波部11wは、短手方向SDの中央部を挟んで線対称に形成されている。
これにより、膨出部11が押圧操作されて反転する際に、跳ね上げ部11tに加えてこの波部11wが短手方向SDにおける膨出部11の広がりをより抑えることとなる。このため、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(長手方向LD側へ引っ張られる引張応力)の集中をより低減することができる。このことにより、短手方向SDの外周端部S1におけるクラック等の不具合がより低減され、より長寿命化を図ることができる。
また、波部11wが膨出部11に形成されており、この波部11wを含んだ膨出部11が押されて反転することで、より大きい押圧荷重となる。このため、操作者に対してより良いクリック感(操作感触)が得られることとなる。
また、本発明の第1実施形態に係わる可動接点部材10の脚部51には、製造時において、個々の可動接点部材10となるように切断加工されたときにできる切断面51pが、短手方向SDにおける両端部に形成された跳ね上げ部11tではなく、脚部51に設けられることとなる。このため、跳ね上げ部11tによる短手方向SDにおける膨出部11の広がりを抑える作用をこの切断面51pにより減ずることがなく、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(長手方向LD側へ引っ張られる引張応力)の集中を確実に低減することができる。このことにより、短手方向SDの外周端部S1におけるクラック等の不具合が確実に低減されて、長寿命化を確実に図ることができる。しかも、脚部51の短手方向SDの中央部分と接続して繋ぎ部91を設けたので、波部11wの近傍(波部11wに挟まれた位置)に設けられることとなる。このため、内部応力(引張応力)が長手方向LDの外周端部L1にかかった場合に、内部応力(引張応力)により弱い切断面51pに対して、この波部11wが内部応力(引張応力)の集中の低減に寄与することとなる。
次に、本発明の第1実施形態に係わる可動接点部材10の製造方法について説明する。図5は、本発明の第1実施形態に係わる可動接点部材10の製造方法を説明する工程図であって、図5(a)は、外形加工工程P1後の状態を示した上面図であり、図5(b)は、曲げ加工工程P2後の状態を示した上面図であり、図5(c)は、絞り加工工程P3後の状態を示した上面図であり、図5(d)は、切断加工工程P4後の状態を示した上面図である。なお、図5では、説明を分かり易くするため、可動接点部材10を3つ作製した状態を示しているが、この3つに限るものではない。また、図5(b)ないし図5(d)では、説明を分かり易くするため、折り曲げられた部分を仮想線で模式的に示している。図6は、本発明の第1実施形態に係わる可動接点部材10の製造方法を説明する図であって、図6(a)は、曲げ加工工程P2におけるポンチ2P及びダイス2Dを示した図であり、図6(b)は、絞り加工工程P3におけるポンチ3P及びダイス3Dを示した図である。なお、図6は、縦断面形状を示しているが、説明を分かり易くするため、断面のハッチングは省略している。
本発明の第1実施形態に係わる可動接点部材10の製造方法は、図5に示すように、短手方向SD及び長手方向LDを有したベース部材B1を形成する外形加工工程P1と、ベース部材B1の短手方向SDの両端部を一方側に折り曲げて曲げ加工部材C1を形成する曲げ加工工程P2と、曲げ加工部材C1を一方側に向けてドーム状に膨出するように絞って絞り加工部材D1を形成する絞り加工工程P3と、絞り加工部材D1に接続された繋ぎ部91を外形形状に倣って切断する切断加工工程P4と、を有している。また、本発明の第1実施形態では、可動接点部材10の製造方法は、曲げ加工工程P2において、短手方向SDを縦断面視して凹凸状となるように、長手方向LDに沿って曲げる波曲げ工程P22を含んでいる。
先ず、ベース部材B1を形成する外形加工工程P1を行う。外形加工工程P1では、シート状の金属材である母材A1を準備し、金型(ポンチ及びダイス)を用いて、母材A1に抜き加工を行う。これにより、母材A1には、図5(a)に示すように、短手方向SD及び長手方向LDを有した板状のベース部材B1が繋ぎ部91を残したままで形成される。また、この繋ぎ部91は、最終的に可動接点部材10の脚部51となる部分であって、脚部51の短手方向SDの中央部分と接続している。
次に、曲げ加工部材C1を形成する曲げ加工工程P2を行う。曲げ加工工程P2では、図6(a)に示すポンチ2P及びダイス2D(金型)を用いて、ベース部材B1に曲げ加工を行う。これにより、ベース部材B1は、図5(b)に示すように、短手方向SDの両端部を一方側(図5(b)では、紙面の手前側)に長手方向LDに沿って折り曲げた形状の曲げ加工部材C1に形成される。
また、ポンチ2P及びダイス2Dには、図6(a)に示すように、曲げ加工部材C1の両端部以外の内側部分に対応した箇所にも、短手方向SD(図6に示すX方向)を縦断面視すると、凹凸形状(波形形状)が施されている。このため、曲げ加工部材C1には、図6(b)に示すように、短手方向SDを縦断面視して、凹凸形状(波形形状)が形成され、図5(b)に示すように、この凹凸形状(波形形状)が長手方向LDに沿って形成される。これにより、凹凸形状(波形形状)となるように長手方向LDに沿ってベース部材B1を曲げる波曲げ工程P22が、曲げ加工工程P2で、ベース部材B1の両端部を一方側に折り曲げる工程と同時に行われる。なお、本発明の第1実施形態では、ベース部材B1の両端部を一方側に折り曲げる工程と同時に曲げ加工工程P2を好適に行ったが、別々に行っても良い。
次に、絞り加工部材D1を形成する絞り加工工程P3を行う。絞り加工工程P3では、図6(b)に示すポンチ3P及びダイス3D(金型)を用いて、曲げ加工部材C1に絞り加工を行う。これにより、曲げ加工部材C1は、図5(c)に示すように、平面視して短手方向SD及び長手方向LDの中央部分を中心として一方側に向けて絞られて、ドーム状に膨出した形状の絞り加工部材D1に形成される。
そして、この絞り加工工程P3において、可動接点部材10の膨出部11が形成されるとともに、膨出部11の膨出する側に曲げられた跳ね上げ部11tが長手方向LDに沿って延設されて短手方向SDにおける両端部にそれぞれ形成される。同時に、短手方向SDを縦断面視して波状に形成された波部11wが長手方向LDに沿って2ヶ所形成される。
最後に、繋ぎ部91の部分を切断する切断加工工程P4を行う。切断加工工程P4では、金型(ポンチ及びダイス)を用いて、絞り加工部材D1に切断加工を行う。これにより、絞り加工部材D1は、図5(d)に示すように、絞り加工部材D1に接続された繋ぎ部91の部分を、最終的な可動接点部材10の外形形状に倣って切断されて、個々に分離された可動接点部材10に形成される。
以上のような製造方法により、ドーム状に膨出し押圧により反転動作可能な膨出部11と、膨出部11を支持している複数の脚部51と、を備え、外形形状が短手方向SD及び長手方向LDを有した可動接点部材10が容易に作製される。
以上のように構成された本発明の第1実施形態の可動接点部材10及びその製造方法における、効果について、以下に纏めて説明する。
本発明の第1実施形態の可動接点部材10は、短手方向SDにおける両端部には、短手方向SDに沿って縦断面視して、膨出部11が膨出する側に曲げられた跳ね上げ部11tを有し、この跳ね上げ部11tが長手方向LDに沿って延設されているので、膨出部11が押圧操作されて反転する際に、この跳ね上げ部11tが短手方向SDにおける膨出部11の広がりを抑えることとなる。このため、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(長手方向LD側へ引っ張られる引張応力)の集中を低減することができる。このことにより、短手方向SDの外周端部S1におけるクラック等の不具合が低減され、長寿命化を図ることができる。
また、膨出部11には、短手方向SDに沿って縦断面視して、波状に形成された波部11wを有し、この波部11wが長手方向LDに沿って延設されているので、膨出部11が押圧操作されて反転する際に、跳ね上げ部11tに加えてこの波部11wが短手方向SDにおける膨出部11の広がりをより抑えることとなる。このため、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(長手方向LD側へ引っ張られる引張応力)の集中をより低減することができる。このことにより、短手方向SDの外周端部S1におけるクラック等の不具合がより低減され、より長寿命化を図ることができる。
また、より外形の大きい膨出部11を設けて短手方向SDにおける両側に形成された外周の一部に切欠部11kを形成する構成としたので、膨出部11の反転動作において、より長い動作ストロークとすることができる。一方、短手方向SDにおける膨出部11に切欠部11kを設けた場合は、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(引張応力)がこの切欠部11kによりかかることとなるが、この切欠部11kの部分に跳ね上げ部11tを有している本発明の第1実施形態では、この切欠部11kにおける内部応力(引張応力)の集中を確実に低減することができる。このため、切欠部11kにおけるクラック等の不具合が低減される。これらのことにより、長寿命化を図りつつ、より長い動作ストロークを確保することができる。
また、跳ね上げ部11tが短手方向SDの中央部を挟んで対称に形成されているので、膨出部11の反転動作の際に内部応力(引張応力)がよりかかる短手方向SDの外周端部S1に対して、跳ね上げ部11tによる内部応力の低減作用が短手方向SDの両側に均等に働くこととなる。このことにより、どちらか一方に内部応力(引張応力)が偏ることがなく、より長寿命化を図ることができる。
本発明の第1実施形態の可動接点部材10の製造方法は、短手方向SD及び長手方向LDを有した板状のベース部材B1を形成する外形加工工程P1と、ベース部材B1の短手方向SDの両端部を長手方向LDに沿って一方側に折り曲げて曲げ加工部材C1を形成する曲げ加工工程P2と、曲げ加工部材C1を一方側に向けてドーム状に膨出するように絞って絞り加工部材D1を形成する絞り加工工程P3と、絞り加工部材D1に接続された繋ぎ部91を切断する切断加工工程P4と、を有して構成した。このため、膨出部11の膨出する側に曲げられた跳ね上げ部11tが長手方向LDに沿って延設されて短手方向SDの両端部に設けられた可動接点部材10を容易に作製することができる。このことにより、膨出部11が押圧操作されて反転する際に、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(引張応力)の集中を低減でき、外周端部S1におけるクラック等の不具合が低減されて、長寿命化を図ることができる可動接点部材10を提供することができる。
また、曲げ加工工程P2が短手方向SDを縦断面視して凹凸形状となるように長手方向LDに沿って曲げる波曲げ工程P22を含んでいるので、波状に形成された波部11wが膨出部11に設けられた可動接点部材10を容易に作製することができる。このため、膨出部11が押圧操作されて反転する際に、跳ね上げ部11tに加えてこの波部11wが短手方向SDにおける膨出部11の広がりをより抑えることとなり、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(長手方向LD側へ引っ張られる引張応力)の集中をより低減することができる。このことにより、短手方向SDの外周端部S1におけるクラック等の不具合がより低減され、より長寿命化を図ることができる可動接点部材10を提供することができる。
また、外形加工工程P1において、脚部51と接続して繋ぎ部91を設けたので、絞り加工工程P3後の切断加工工程P4で生じる繋ぎ部91を切断した切断面51pが、短手方向SDにおける両端部に形成された跳ね上げ部11tではなく、脚部51に設けられることとなる。このため、跳ね上げ部11tによる短手方向SDにおける膨出部11の広がりを抑える作用を切断面51pにより減ずることがなく、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(長手方向LD側へ引っ張られる引張応力)の集中を確実に低減することができる。このことにより、短手方向SDの外周端部S1におけるクラック等の不具合が確実に低減されて、より長寿命化を確実に図ることができる可動接点部材10を提供することができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第1実施形態の可動接点部材10を用いたスイッチ装置である、プッシュスイッチ200について説明する。図7は、本発明の第2実施形態のプッシュスイッチ200の斜視図である。図8は、本発明の第2実施形態のプッシュスイッチ200の分解斜視図である。なお、図8では、跳ね上げ部11t及び波部11wは図示していない(跳ね上げ部11t及び波部11wについては、図3及び図4を参照)。なお、第1実施形態と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本発明の第2実施形態のプッシュスイッチ200は、図7に示すような直方体形状の外観を呈し、図8に示すように、押圧操作により反転動作可能な可動接点部材10と、可動接点部材10を収容し一方が開口した収容部2sを有するケース2と、収容部2sに臨んで露出して配設されている第1固定接点部材13及び第2固定接点部材23と、第1固定接点部材13と電気的に接続した第1端子部14と、第2固定接点部材23と電気的に接続した第2端子部24と、収容部2sを覆うように配置されたシート部材25と、可動接点部材10とシート部材25との間に配設された押し子部材8と、を備えて構成されている。そして、プッシュスイッチ200が組み立てられた際には、可動接点部材10がケース2の収容部2sに収容され、押し子部材8が可動接点部材10に載置され、シート部材25がケース2の収容部2sを覆うとともにケース2に溶着される。
次に、上述した各構成について詳細に説明する。先ず、プッシュスイッチ200の可動接点部材10は、第1実施形態で詳細に説明した可動接点部材10を用いており、図8に示すように、中央部が上方(図8に示すZ1方向)へドーム状に膨出した膨出部11と、膨出部11を挟んで対向する両端側に設けられ膨出部11を支持している2つの脚部51と、から構成されている。
可動接点部材10には、短手方向SDの両端部に、長手方向LDに沿って延設された跳ね上げ部11tがそれぞれ設けられている。この跳ね上げ部11tは、短手方向SDに沿って縦断面視すると、膨出した膨出部11の仮想稜線KL(図3(b)を参照)に対して、膨出部11の膨出する側に曲げられている。そして、可動接点部材10は、操作者の押圧操作により膨出部11に押圧を受けると、膨出部11が反転動作し、押圧が解除されると、押圧操作前の状態に戻るようになっている。
これにより、膨出部11が押圧操作されて反転する際に、この跳ね上げ部11tが短手方向SDにおける膨出部11の広がりを抑えることとなる。このため、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(長手方向LD側へ引っ張られる引張応力)の集中を低減することができる。このことにより、短手方向SDの外周端部S1におけるクラック等の不具合が低減され、長寿命化を図ることができる。
また、可動接点部材10には、膨出部11において、図3(b)に示すように、短手方向SDを縦断面視すると、波状に形成された波部11wが設けられている。そして、この波部11wは、長手方向LDに沿って延設されているとともに、2つの脚部51に延設されて脚部51の外周端部L1まで設けられている。
これにより、膨出部11が押圧操作されて反転する際に、跳ね上げ部11tに加えてこの波部11wが短手方向SDにおける膨出部11の広がりをより抑えることとなる。このため、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(長手方向LD側へ引っ張られる引張応力)の集中をより低減することができる。このことにより、短手方向SDの外周端部S1におけるクラック等の不具合がより低減され、より長寿命化を図ることができる。なお、本発明の第2実施形態のプッシュスイッチ200では、第1実施形態で詳細に説明した可動接点部材10を用いているので、更なる可動接点部材10の詳細な説明は省略する。
次に、プッシュスイッチ200のケース2は、絶縁材料である合成樹脂を用いて射出成形されて作製されており、図8に示すように、上方側(図8に示すZ1側)から平面視して、外形が矩形状に形成され、一方が開口した収容部2sを有する箱形形状に形成されている。そして、ケース2の内部底面2bとケース2の外周に立設した側壁2wとで収容部2sの空間が形成されており、可動接点部材10を収容可能にしている。なお、合成樹脂として、光が透過しにくい黒色などの暗色系の材料を用いている。
また、ケース2には、図8に示すように、収容部2sに臨んで露出した第1固定接点部材13及び第2固定接点部材23と、ケース2の外側に露出して配設された第1端子部14及び第2端子部24と、が固定されている。また、収容部2sの開口側でケース2の上面側に位置している側壁2wの天面2uは、段差無く平らな形状をしており、シート部材25が載置されると、ケース2の上面(具体的には天面2u)とシート部材25(後述する鍔部25v)の下面とが、密着するようになる。また、ケース2の四隅には、天面2uに対して下方に凹んだ段差部2rが形成されており、この段差部2rに粘着剤(図示していない)が配置される。
次に、プッシュスイッチ200の第1固定接点部材13及び第2固定接点部材23は、導電性の金属材料から作製されており、図8に示すように、第1固定接点部材13が収容部2sの内部底面2bの中央部に設けられているとともに、第2固定接点部材23が内部底面2bの長手方向LDの外縁部に2つ設けられている。
また、第1固定接点部材13には、図8に示すように、上方に突出した凸部13tが3つ設けられており、可動接点部材10がケース2の収容部2s内に配置されると、この凸部13tは、可動接点部材10の膨出部11の頂部と対向して、頂部と接離可能になっている。同様にして、2つの第2固定接点部材23にも、上方に突出した凸部23tがそれぞれ2つづつ(合わせて4つ)設けられており、可動接点部材10がケース2の収容部2s内に配置されると、この凸部23tは、可動接点部材10の脚部51と接触するようになっている。
そして、可動接点部材10の膨出部11が反転動作を繰り返すことにより、第1固定接点部材13(凸部13t)と可動接点部材10の膨出部11の頂部とが接離を繰り返すこととなる。一方、第2固定接点部材23と可動接点部材10の脚部51とは、膨出部11の反転動作が繰り返されても、接触状態を常時保つようになっている。なお、第1固定接点部材13は、第2固定接点部材23が設けられた内部底面2bより1段低い内部底面2bに設けられているので、可動接点部材10と接離する第1固定接点部材13の接触面は、可動接点部材10と常接している第2固定接点部材23の接触面より、低い位置、つまり下方に位置している。これにより、可動接点部材10における、より長い反転距離、つまりより長い動作ストロークを確保することができる。
次に、プッシュスイッチ200の第1端子部14及び第2端子部24は、互いが電気的に絶縁されており、一部がケース2に埋設されて、端部がケース2の外側に露出して、配設されている。また、第1端子部14は、ケース2(内部底面2b)内で第1固定接点部材13と接続されているとともに、第2端子部24は、ケース2(内部底面2b)内で第2固定接点部材23と接続されている。そして、この第1端子部14及び第2端子部24により、プッシュスイッチ200と外部機器との電気的接続が可能になる。
また、本発明の第2実施形態では、この第1端子部14と第1固定接点部材13とが一体に形成されているとともに、この第2端子部24と第2固定接点部材23とが一体に形成されている。そして、第1端子部14及び第1固定接点部材13並びに第2端子部24及び第2固定接点部材23は、金属板を用いており、切断加工や曲げ加工等を施して作製された後、ケース2の射出成形の際にインサート成形されている。
次に、プッシュスイッチ200のシート部材25は、透光性を有する合成樹脂製のフィルムからなり、図8に示すように、上方側(図8に示すZ1方向側)から平面視して、外形が長方形状に形成されている。また、シート部材25は、図8に示すように、中央部が上方へ突出したドーム状のドーム部25dと、ドーム部25dの周囲に形成されドーム部25dに連続した鍔部25vと、から構成されている。また、シート部材25は、平面視して、収容部2sの開口を覆うことが可能な大きさであるとともに、ケース2の外形形状にほぼ一致するように形成されて、ケース2の外形形状の内側に収まる形状に形成されている。
そして、プッシュスイッチ200が組み立てられた際には、シート部材25は、収容部2sを覆うようにケース2の上面側に配置(載置)されて、シート部材25の鍔部25vとケース2の天面2uとが密着する。そして、シート部材25側からレーザ光を天面2uに照射することにより、ケース2の天面2uとシート部材25の鍔部25vとが溶着されて、シート部材25がケース2に固定される。その際には、シート部材25の裏面側には、ケース2の四隅の段差部2rに粘着剤(図示していない)が位置することとなり、粘着剤は、レーザ溶着の工程における、シート部材25の仮止めの役割を担っている。なお、本発明の第2実施形態では、レーザ光を照射してケース2とシート部材25とを溶着させているので、ケース2に用いる合成樹脂は、光が透過しにくい黒色などの暗色系の材料を用い、シート部材25に用いる合成樹脂は、レーザ光を透過する透光性の材料を用いている。
最後に、プッシュスイッチ200の押し子部材8は、光が透過しにくい黒色などの暗色系の合成樹脂の材料からなり、図8に示すように、半球状に形成されている。そして、押し子部材8は、シート部材25のドーム部25dの内側に配設され、シート部材25と押し子部材8の半球面の一部とが溶着されて、押し子部材8がシート部材25に固定される。なお、この溶着は、ケース2とシート部材25との溶着と同様に、シート部材25側からのレーザ光を照射することにより行われる。また、レーザ光による溶着以外の方法では、例えば、超音波溶着の方法で溶着しても良い。
また、プッシュスイッチ200が組み立てられた際には、押し子部材8は、可動接点部材10の膨出部11の頂部と対向する位置に配設され、操作者による押圧操作を受けて、可動接点部材10の頂部を押圧するように構成されている。この押し子部材8を有しているので、可動接点部材10の反転動作を安定して確実に行うことができる。
以上のように構成された本発明の第2実施形態のプッシュスイッチ200は、第1実施形態の可動接点部材10を用いているので、長寿命化を図ることができるスイッチ装置となっている。何故なら、可動接点部材10の膨出部11が押圧操作されて反転する際に、可動接点部材10の跳ね上げ部11tが短手方向SDにおける膨出部11の広がりを抑えることとなり、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(長手方向LD側へ引っ張られる引張応力)の集中を低減している。このため、可動接点部材10の外周端部S1におけるクラック等の不具合が低減されるからである。そして、この可動接点部材10の長寿命化が図られているので、その結果として、プッシュスイッチ200の長寿命化を図ることができる。
また、プッシュスイッチ200は、第1実施形態の可動接点部材10を用いているので、長寿命化をより図ることができるスイッチ装置となっている。何故なら、膨出部11が押圧操作されて反転する際に、跳ね上げ部11tに加えてこの波部11wが短手方向SDにおける膨出部11の広がりをより抑えることとなり、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(長手方向LD側へ引っ張られる引張応力)の集中をより低減している。このため、可動接点部材10の外周端部S1におけるクラック等の不具合がより低減されるからである。そして、この可動接点部材10の長寿命化がより図られているので、その結果として、プッシュスイッチ200の長寿命化をより図ることができる。
また、プッシュスイッチ200は、第1実施形態の可動接点部材10を用いているので、長寿命化を図りつつ、全体の幅(短手方向SD)小さくして小型化した上で、より長い動作ストロークを確保することができるスイッチ装置となっている。何故なら、可動接点部材10として、より外形の大きい膨出部11にし短手方向SDにおける両側に形成された外周の一部に切欠部11kを形成する構成としたので、膨出部11の反転動作において、より長い動作ストロークにすることができる。一方、短手方向SDにおける膨出部11に切欠部11kを設けた場合は、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(引張応力)がこの切欠部11kによりかかることとなるが、この切欠部11kの部分に跳ね上げ部11tを有している本発明の第2実施形態では、この切欠部11kにおける内部応力(引張応力)の集中を確実に低減することができるからである。
以下に、プッシュスイッチ200の動作について、図面を用いないで簡単に説明する。先ず、操作前の状態においては、プッシュスイッチ200は、可動接点部材10の頂部と第1固定接点部材13(凸部13t)とは離間しているとともに、可動接点部材10の脚部51と第2固定接点部材23(凸部23t)は接触している。これにより、第1固定接点部材13と第2固定接点部材23とは電気的に接続されていない状態である。
次に、操作者による押圧操作が行われると、シート部材25及び押し子部材8を介して、可動接点部材10が下方に押圧され、頂部の近傍を押圧された可動接点部材10は、下方へ撓んだ後に膨出部11が反転動作する。そして、膨出部11の頂部の裏面側が第1固定接点部材13に接触するようになる。これにより、可動接点部材10と第1固定接点部材13とが接触することで、可動接点部材10を介して、第1固定接点部材13と第2固定接点部材23とが電気的に接続される。
次に、操作者による押圧操作が解除されると、可動接点部材10への押圧が解除され、可動接点部材10の反発力により、可動接点部材10は元のドーム形状に戻る。そして、プッシュスイッチ200は操作前の状態に戻り、第1固定接点部材13と第2固定接点部材23とは電気的に接続されていない状態となる。以上のように、可動接点部材10を押圧操作し、第1固定接点部材13と第2固定接点部材23との電気的な接続状態を切り替える(ON/OFF)ことで、プッシュスイッチ200は、スイッチとして機能する。
以上のように構成された本発明の第2実施形態に係わる可動接点部材10を用いたプッシュスイッチ200における、効果について、以下に纏めて説明する。
本発明の第2実施形態に係わるプッシュスイッチ200は、第1実施形態の可動接点部材10を用いているので、可動接点部材10の膨出部11が押圧操作されて反転する際に、跳ね上げ部11tにより、可動接点部材10の短手方向SDの外周端部S1における内部応力(長手方向LD側へ引っ張られる引張応力)の集中を低減している。このため、可動接点部材10の外周端部S1におけるクラック等の不具合が低減されて、長寿命化を図ることができるスイッチ装置を提供することができる。
また、第1実施形態の可動接点部材10を用いているので、膨出部11が押圧操作されて反転する際に、跳ね上げ部11tに加えて、波部11wが短手方向SDにおける膨出部11の広がりをより抑えることとなり、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(長手方向LD側へ引っ張られる引張応力)の集中をより低減している。このため、可動接点部材10の外周端部S1におけるクラック等の不具合がより低減されて、長寿命化をより図ることができるスイッチ装置を提供することができる。
また、第1実施形態の可動接点部材10を用いているので、より外形の大きい膨出部11と短手方向SDの外周の一部に形成された切欠部11kとの構成で、全体の幅(短手方向SD)小さくして小型化した上でより長い動作ストロークを確保し、跳ね上げ部11tで切欠部11kにおける内部応力(引張応力)の集中を確実に低減している。このため、より長い動作ストロークを確保しつつ、短手方向SDの外周端部S1におけるクラック等の不具合が低減されて、長寿命化を図りることができるスイッチ装置を提供することができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第1実施形態の可動接点部材10を用いたスイッチ装置である、シートスイッチ300について説明する。図9は、本発明の第3実施形態のシートスイッチ300の斜視図である。図10は、本発明の第3実施形態に係わるシートスイッチ300を説明する図であって、図10(a)は、図9に示すZ1側から見たシートスイッチ300の上面図であり、図10(b)は、図9に示すX1側から見たシートスイッチ300の側面図である。図11(a)は、図10(a)に示すXI−XI線における断面図であり、図11(b)は、図10(a)に示すXII−XII線における断面図である。図12は、図10(a)に示すP部分のZ2側から見たシート部材35の背面図である。なお、図12では、可動接点部材10が保持された状態を示している。図13(a)は、図10(a)に示すP部分のZ1側から見たシート基板9の上面図であり、図13(b)は、図10(a)に示すQ部分のZ2側から見たシート基板9の底面図である。なお、第1実施形態と同一構成については、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
本発明の第3実施形態のシートスイッチ300は、図9及び図10に示すような矩形でシート状の外観を呈し、図11に示すように、押圧操作により反転動作可能な可動接点部材10と、可動接点部材10が保持されたシート部材35と、シート部材35と対向して配設されたシート基板9と、シート基板9の一面9aに設けられた第1固定接点部材33及び第2固定接点部材43と、第1固定接点部材33と電気的に接続した第1端子部34(図13(b)を参照)と、第2固定接点部材43と電気的に接続した第2端子部44(図13(b)を参照)と、を備えて構成されている。そして、シートスイッチ300が組み立てられた際には、複数の可動接点部材10がシート部材35に保持され、可動接点部材10と第1固定接点部材33及び第2固定接点部材43とが対向するように、シート部材35がシート基板9に装着される。なお、本発明の第3実施形態では、第1固定接点部材33及び第2固定接点部材43、並びに可動接点部材10は、それぞれ20個備えている。
次に、上述した各構成について詳細に説明する。先ず、シートスイッチ300の可動接点部材10は、第1実施形態で詳細に説明した可動接点部材10を用いており、図1に示すように、中央部が上方(図1に示すZ1方向)へドーム状に膨出した膨出部11と、膨出部11を挟んで対向する両端側に設けられ膨出部11を支持している2つの脚部51と、から構成されている。
可動接点部材10には、図3に示すように、短手方向SDの両端部に、長手方向LDに沿って延設された跳ね上げ部11tがそれぞれ設けられている。この跳ね上げ部11tは、短手方向SDに沿って縦断面視すると、膨出した膨出部11の仮想稜線KL(図3(b)を参照)に対して、膨出部11の膨出する側に曲げられている。そして、可動接点部材10は、操作者の押圧操作により膨出部11に押圧を受けると、膨出部11が反転動作し、押圧が解除されると、押圧操作前の状態に戻るようになっている。
これにより、膨出部11が押圧操作されて反転する際に、この跳ね上げ部11tが短手方向SDにおける膨出部11の広がりを抑えることとなる。このため、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(長手方向LD側へ引っ張られる引張応力)の集中を低減することができる。このことにより、短手方向SDの外周端部S1におけるクラック等の不具合が低減され、長寿命化を図ることができる。
また、可動接点部材10には、膨出部11において、図3(b)に示すように、短手方向SDを縦断面視すると、波状に形成された波部11wが設けられている。そして、この波部11wは、長手方向LDに沿って延設されているとともに、2つの脚部51に延設されて脚部51の外周端部L1まで設けられている。
これにより、膨出部11が押圧操作されて反転する際に、跳ね上げ部11tに加えてこの波部11wが短手方向SDにおける膨出部11の広がりをより抑えることとなる。このため、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(長手方向LD側へ引っ張られる引張応力)の集中をより低減することができる。このことにより、短手方向SDの外周端部S1におけるクラック等の不具合がより低減され、より長寿命化を図ることができる。なお、本発明の第3実施形態のシートスイッチ300では、第1実施形態で詳細に説明した可動接点部材10を用いているので、更なる可動接点部材10の詳細な説明は省略する。
次に、シートスイッチ300のシート部材35は、合成樹脂のシート材を積層して作製されており、図12に示すように、可動接点部材10の脚部51まで収容できるような円形形状の貫通孔を複数有したスペーサ5Sと、可動接点部材10を保持する円形形状の保持シート5Hと、スペーサ5S及び保持シート5Hを覆うカバーシート5Cと、を備えて構成されている。そして、シート部材35は、可動接点部材10の内側面(凹面)がシート基板9の一面9aと対向するように、シート基板9に装着される。
シート部材35のスペーサ5Sは、ポリカーボネート樹脂(PC、Polycarbonate)等を用いて射出成形してシート状に作製されており、図12に示すように、前述した円形形状の貫通孔と貫通孔同士を繋いだ貫通穴とを有している。この貫通穴は、可動接点部材10の反転によって押し出された気体(空気)の逃げ穴になっている。また、スペーサ5Sには、図示していない粘着層が設けられており、この粘着層によって、スペーサ5Sがシート基板9に貼り付けられる。
シート部材35の保持シート5Hは、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET、Polyethylene terephthalate)等の片面に粘着層(図示していない)が設けられたフィルム材を用いており、円形形状で可動接点部材10より大きい外形で作製されている。そして、複数の可動接点部材10に対応した複数の保持シート5Hは、図11に示すように、可動接点部材10の上方(図11に示すZ1方向)にそれぞれ配設され、この粘着層によって可動接点部材10を保持している。
シート部材35のカバーシート5Cは、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)等のフィルム材を用いており、図11に示すように、円形形状で可動接点部材10より大きい外形のドーム形状となるような絞り加工が施されて作製されている。また、カバーシート5Cの片面には、図示していない粘着層が設けられている。そして、カバーシート5Cは、図11に示すように、スペーサ5S及び保持シート5Hの上方(図11に示すZ1方向)に配設され、この粘着層によってスペーサ5S及び保持シート5Hに貼り付けられている。これにより、シート部材35とシート基板9とで可動接点部材10を挟持することとなる。
次に、シートスイッチ300のシート基板9は、両面に配線パターンが施された、所謂両面のプリント配線板(PWB、printed wiring board)を用いており、図13(a)に示すように、その一面9a側には、第1固定接点部材33及び第2固定接点部材43が設けられているとともに、図13(b)に示すように、その他面9z側には、第1端子部34及び第2端子部44が設けられている。なお、シート基板9として、両面のフレキシブルプリント基板(FPC、Flexible printed circuits)を用いても良い。
次に、シートスイッチ300の第1固定接点部材33及び第2固定接点部材43は、シート基板9の一部を用いて形成されており、図13(a)に示すように、第1固定接点部材33である楕円形のパターンと第2固定接点部材43である馬蹄形のパターンとの組合せで、複数の可動接点部材10に対応してそれぞれ設けられている。そして、シート部材35がシート基板9に装着された際には、第1固定接点部材33が可動接点部材10の膨出部11の頂部と接離可能に配設されるとともに、第2固定接点部材43が可動接点部材10の脚部51と接触して配設される。これにより、可動接点部材10の膨出部11が反転動作を繰り返すことにより、第1固定接点部材33と可動接点部材10の膨出部11の頂部とが接離を繰り返すこととなる。一方、第2固定接点部材43と可動接点部材10の脚部51とは、膨出部11の反転動作が繰り返されても、接触状態を常時保つようになっている。
最後に、シートスイッチ300の第1端子部34及び第2端子部44は、シート基板9の一部を用いて互いが電気的に絶縁されて形成されており、図13(b)に示すように、シート基板9の他面9z側に設けられている。また、詳細な図示はしていないが、シート基板9に設けられたスルーホール9hにより、第1端子部34が第1固定接点部材33と接続されているとともに、第2端子部44が第2固定接点部材43と接続されている。そして、この第1端子部34及び第2端子部44により、シートスイッチ300と外部機器との電気的接続が可能になる。
以上のように構成された本発明の第3実施形態のシートスイッチ300は、第1実施形態の可動接点部材10を用いているので、長寿命化を図ることができるスイッチ装置となっている。何故なら、可動接点部材10の膨出部11が押圧操作されて反転する際に、可動接点部材10の跳ね上げ部11tが短手方向SDにおける膨出部11の広がりを抑えることとなり、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(長手方向LD側へ引っ張られる引張応力)の集中を低減している。このため、可動接点部材10の外周端部S1におけるクラック等の不具合が低減されるからである。そして、この可動接点部材10の長寿命化が図られているので、その結果として、シートスイッチ300の長寿命化を図ることができる。
また、シートスイッチ300は、第1実施形態の可動接点部材10を用いているので、長寿命化をより図ることができるスイッチ装置となっている。何故なら、膨出部11が押圧操作されて反転する際に、跳ね上げ部11tに加えて、波部11w(図3を参照)が短手方向SDにおける膨出部11の広がりをより抑えることとなり、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(長手方向LD側へ引っ張られる引張応力)の集中をより低減している。このため、可動接点部材10の外周端部S1におけるクラック等の不具合がより低減されるからである。そして、この可動接点部材10の長寿命化がより図られているので、その結果として、シートスイッチ300の長寿命化をより図ることができる。
以下に、シートスイッチ300の動作について、図面を用いないで簡単に説明する。先ず、操作前の状態においては、シートスイッチ300は、可動接点部材10の頂部と第1固定接点部材33とは離間しているとともに、可動接点部材10の脚部51と第2固定接点部材43は接触している。これにより、第1固定接点部材33と第2固定接点部材43とは電気的に接続されていない状態である。
次に、操作者による押圧操作が行われると、シート部材35を介して、可動接点部材10が下方に押圧され、頂部の近傍を押圧された可動接点部材10は、下方へ撓んだ後に膨出部11が反転動作する。そして、膨出部11の頂部の裏面側が第1固定接点部材33に接触するようになる。これにより、可動接点部材10と第1固定接点部材33とが接触することで、可動接点部材10を介して、第1固定接点部材33と第2固定接点部材43とが電気的に接続される。
次に、操作者による押圧操作が解除されると、可動接点部材10への押圧が解除され、可動接点部材10の反発力により、可動接点部材10は元のドーム形状に戻る。そして、シートスイッチ300は操作前の状態に戻り、第1固定接点部材33と第2固定接点部材43とは電気的に接続されていない状態となる。以上のように、可動接点部材10を押圧操作し、第1固定接点部材33と第2固定接点部材43との電気的な接続状態を切り替える(ON/OFF)ことで、シートスイッチ300は、スイッチとして機能する。
以上のように構成された本発明の第3実施形態に係わる可動接点部材10を用いたシートスイッチ300における、効果について、以下に纏めて説明する。
本発明の第3実施形態に係わるシートスイッチ300は、第1実施形態の可動接点部材10を用いているので、可動接点部材10の膨出部11が押圧操作されて反転する際に、可動接点部材10の短手方向SDの外周端部S1における内部応力(長手方向LD側へ引っ張られる引張応力)の集中を低減でき、外周端部S1におけるクラック等の不具合が低減されて、長寿命化を図ることができるスイッチ装置を提供することができる。
また、第1実施形態の可動接点部材10を用いているので、可動接点部材10の膨出部11が押圧操作されて反転する際に、跳ね上げ部11tに加えてこの波部11wが短手方向SDにおける膨出部11の広がりをより抑えることとなり、短手方向SDの外周端部S1における内部応力(長手方向LD側へ引っ張られる引張応力)の集中をより低減している。このため、可動接点部材10の外周端部S1におけるクラック等の不具合がより低減されて、長寿命化をより図ることができるスイッチ装置を提供することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
図14は、本発明の第1実施形態に係わる可動接点部材10の変形例を説明する図であって、図14(a)は、変形例2の可動接点部材C10の上面図であり、図14(b)は、変形例3の可動接点部材D10の上面図である。
<変形例1>
上記第1実施形態では、跳ね上げ部11tと波部11wを好適に組み合わせて構成したが、跳ね上げ部11tのみの構成であっても、充分な効果を奏する。
<変形例2>
上記第1実施形態では、膨出部11を挟んで対向する側に2つの脚部51を設ける構成にしたが、これに限るものではなく、例えば、図14(a)に示すように、膨出部11を挟んで対向する側にそれぞれ2つの脚部C51、合わせて4つの脚部C51を設ける構成であっても良し、それ以上の個数を設ける構成であっても良い。
<変形例3>
上記第1実施形態では、膨出部11に切欠部11kを設けるように好適に構成にしたが、例えば、図14(b)に示すように、短手方向SD側の膨出部D11の外側に側部D71を設けて、切欠部11kを設けない構成であっても良い。その際には、側部D71に跳ね上げ部11tが設けられる。
<変形例4><変形例5>
上記第2実施形態では、可動接点部材10の反転動作を安定して確実に行うために、押し子部材8を好適に用いた構成としたが、必ずしも用いない構成でも良い(変形例4)。また、シート部材25の上方に、操作者が操作する操作部材を設ける構成でも良い(変形例5)。
<変形例6>
上記第3実施形態では、第1固定接点部材33及び第2固定接点部材43、並びに可動接点部材10がそれぞれ20個備えた構成としたが、この個数に限るものではなく、少なくても多くても良い。
<変形例7>
上記第3実施形態では、楕円形のパターンの第1固定接点部材33と馬蹄形のパターンの第2固定接点部材43との組合せで固定接点を構成したが、これに限るものではなく、例えば、リング形のパターンと円形のパターンとの組合せで固定接点を構成しても良い。
<変形例8>
本発明の第1実施形態に係わる可動接点部材10を用いたスイッチ装置として、上記第2実施形態ではプッシュスイッチ200及び上記第3実施形態ではシートスイッチ300を例にして詳細に説明したが、これに限るものではない。例えば、スイッチ装置として、スライドスイッチやシーソースイッチ等でも良い。
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。
10、C10、D10 可動接点部材
11、D11 膨出部
11t 跳ね上げ部
11k 切欠部
11w 波部
51、C51 脚部
91 繋ぎ部
13、33 第1固定接点部材
23、43 第2固定接点部材
14、34 第1端子部
24、44 第2端子部
200 プッシュスイッチ
300 シートスイッチ
B1 ベース部材
C1 曲げ加工部材
D1 絞り加工部材
P1 外形加工工程
P2 曲げ加工工程
P22 波曲げ工程
P3 絞り加工工程
P4 切断加工工程
LD 長手方向
SD 短手方向

Claims (8)

  1. ドーム状に膨出し押圧により反転動作可能な膨出部と、該膨出部を支持している複数の脚部と、を備え、短手方向及び長手方向を有した外形形状の可動接点部材であって、
    複数の該脚部は、平面視して、前記長手方向において前記膨出部を挟んで対向する側にそれぞれ少なくとも1つずつ設けられ、
    前記短手方向における両端部には、前記短手方向に沿って縦断面視して、前記膨出する側に曲げられた跳ね上げ部を有し、
    該跳ね上げ部が前記長手方向に沿って延設されていることを特徴とする可動接点部材。
  2. 前記膨出部には、前記短手方向を縦断面視して、波状に形成された波部を有し、
    該波部が前記長手方向に沿って延設されていることを特徴とする請求項1に記載の可動接点部材。
  3. 前記膨出部には、前記短手方向の外周の一部を形成する切欠部を有していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可動接点部材。
  4. 前記膨出部側から平面視した時の外形形状が、前記短手方向の中央部を挟んで線対称に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の可動接点部材。
  5. ドーム状に膨出し押圧により反転動作可能な膨出部と、該膨出部を支持している複数の脚部と、を備えて、外形形状が短手方向及び長手方向を有した可動接点部材の製造方法であって、
    シート状の金属材から繋ぎ部を残しつつ前記短手方向及び前記長手方向を有した板状のベース部材を形成する外形加工工程と、
    前記ベース部材に対して、前記長手方向に沿って前記短手方向の両端部を一方側に折り曲げて曲げ加工部材を形成する曲げ加工工程と、
    前記曲げ加工部材に対して、平面視して前記短手方向及び前記長手方向の中央部分を中心として、前記一方側に向けて前記ドーム状に膨出するように絞って絞り加工部材を形成する絞り加工工程と、
    前記絞り加工部材に接続された前記繋ぎ部を前記外形形状に倣って切断する切断加工工程と、を有し、
    前記絞り加工工程において、前記膨出部が形成されるとともに、前記膨出する側に曲げられた跳ね上げ部が前記長手方向に沿って延設されて前記短手方向における両端部に形成されることを特徴とする可動接点部材の製造方法。
  6. 前記曲げ加工工程は、前記短手方向を縦断面視して凹凸状となるように、前記長手方向に沿って曲げる波曲げ工程を含んでいることを特徴とする請求項5に記載の可動接点部材の製造方法。
  7. 前記外形加工工程において、前記脚部と接続して前記繋ぎ部を設けたことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の可動接点部材の製造方法。
  8. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の可動接点部材と、
    該可動接点部材の前記膨出部の頂部と接離可能な第1固定接点部材と、
    前記可動接点部材の前記脚部と接触している第2固定接点部材と、
    前記第1固定接点部材と電気的に接続した第1端子部と、
    前記第2固定接点部材と電気的に接続した第2端子部と、を備えていることを特徴とするスイッチ装置。
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