JP6418972B2 - 風向風速計及び風向風速計測方法 - Google Patents

風向風速計及び風向風速計測方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6418972B2
JP6418972B2 JP2015022356A JP2015022356A JP6418972B2 JP 6418972 B2 JP6418972 B2 JP 6418972B2 JP 2015022356 A JP2015022356 A JP 2015022356A JP 2015022356 A JP2015022356 A JP 2015022356A JP 6418972 B2 JP6418972 B2 JP 6418972B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
wind
pmax
wind speed
anemometer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015022356A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016145734A5 (ja
JP2016145734A (ja
Inventor
阿部 裕幸
裕幸 阿部
哲也 小垣
哲也 小垣
仁 稲吉
仁 稲吉
智恵 小野
智恵 小野
美有紀 山本
美有紀 山本
木村 茂雄
木村  茂雄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST filed Critical National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Priority to JP2015022356A priority Critical patent/JP6418972B2/ja
Publication of JP2016145734A publication Critical patent/JP2016145734A/ja
Publication of JP2016145734A5 publication Critical patent/JP2016145734A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6418972B2 publication Critical patent/JP6418972B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Indicating Or Recording The Presence, Absence, Or Direction Of Movement (AREA)

Description

本発明は、空気流による圧力を検出することにより、風向及び風速を演算により求める風向風速計及び風向風速計測方法に関する。
風速風向計は気象状況や換気状態等を観測する目的に広く用いられており、例えば、風力発電機の建設候補地を決定する際には、様々な地点、高度で風速・風向を測定する必要がある。
一般的な風向風速計として、風杯型風速計、風車型風速計、超音波式風速計などが知られている。最近では、超音波やレーザーを用いたSODAR、LIDARにより、遠距離の計測も行われている.
空気流による圧力を検出することにより、風向風速を演算により求める風向風速計については、特許文献1〜3が知られている。
特開平11−38033号公報 特開2000−258555号公報 特開2011−89842号公報
しかし、風杯型風速計と風車型風速計はある程度の設置スペースを必要とし、SODARやLIDARは高価で、しかも、重量があるため、設置コストが高く、設置箇所や高度を随時変えて計測を行うことは困難である。
また、空気流による圧力を検出することにより、風向風速を演算により求める風向風速計においては、圧力値が最大値となる方位を正確に特定する必要がある。
このため、特許文献1、2に記載された風向風速計においては、計測値の精度を高めるために、水平な円周に沿って多数の圧力センサを設置する必要があり、コストを要し、可搬性にも乏しい。
特許文献3に記載された風向風速計においては、1つの圧力センサを回転させることで、風向風速を演算により求めているが、微少角度毎に圧力を検出しないかぎり、正確な最大圧力を求めることができず、計測に時間を要する。
そこで、本発明は、最小限の圧力センサを用いるとともに、10°〜30°など、周方向の計測角度間隔を大きくとっても、正確な風向、風速の計測を可能にし、低コストでしかも可搬性に富む軽量コンパクトな風向風速計及び風向風速計測方法を提供することを目的としている。
上記の課題を解決するため、本発明の風向風速計は、空気流による圧力を検出することにより、風向及び風速を演算により求める風向風速計であって、圧力検出孔を介して空気流を導入する圧力計測管と、該圧力検出孔の圧力を検出する圧力センサとからなる圧力計と、
前記圧力計を周回駆動する駆動装置とからなり、前記圧力計測管の圧力検出孔が全方位を周回するよう前記駆動装置を駆動し、所定の方位角度毎に、前記圧力センサの計測値を記録する圧力計測結果記録手段と、前記圧力計測結果記録手段に記録された圧力センサの計測値のうち、方位、計測値が(α、P1)、(α+αr、P2)の2点と、下記の数式(1)、(2)に基づいて、前記圧力検出孔における最大圧力Pmax(U)と、この最大圧力Pmax(U)を示す際の方位αmaxを算出する算出手段と、前記算出手段により算出された最大圧力Pmax(U)及び方位、並びに、前記圧力検出孔周辺の大気圧、大気温及び湿度に基づいて、風向及び風速を演算する演算手段とを備えた。
P1=Pmax(U)・F(α)・・・・・・・(1)
P2=Pmax(U)・F(α+αr) ・・・・(2)
ただし、F(α)は、予め定められた風速に対し、前記圧力計測管の前記圧力検出孔が風に正対向する位置(α=0°)を含む、複数の周回角度(α)で取得した前記圧力センサの各計測値を、前記圧力検出孔が風に正対向する位置で得られる最大計測値で除算した規格値により予め特定した、周回角度(α)を変数とした規格値の関数である。
また、本発明の風向風速計測方法は、空気流による圧力を検出することにより、風向及び風速を演算により求める風向風速計測方法であって、圧力検出孔を介して空気流を導入する圧力計測管と、該圧力検出孔の圧力を検出する圧力センサとからなる圧力計を、風向風速を行う地点、高度に設置する工程と、前記圧力計測管の圧力検出孔を、全方位にわたり周回させ、所定の方位角度毎に、前記圧力センサの計測値を記録する工程と、前記圧力計測結果記録手段に記録された圧力センサの計測値のうち、方位、計測値が(α、P1)、(α+αr、P2)の2点と、下記の数式(1)、(2)に基づいて、前記圧力検出孔における最大圧力Pmax(U)と、この最大圧力Pmax(U)を示す際の方位αmaxを算出する工程と、前記算出手段により算出された最大圧力Pmax(U)及び方位に基づいて、風速及び風向を演算する演算する工程とからなる。
P1=Pmax(U)・F(α)・・・・・・・(1)
P2=Pmax(U)・F(α+αr) ・・・・(2)
ただし、F(α)は、予め定められた風速に対し、前記圧力計測管の前記圧力検出孔が風に正対向する位置(α=0°)を含む、複数の周回角度(α)で取得した前記圧力センサの各計測値を、前記圧力検出孔が風に正対向する位置で得られる最大計測値で除算した規格値により予め特定した、周回角度(α)を変数とした規格値の関数である。
本発明によれば、最小限の圧力センサを用いて、任意の2点で方位と圧力検出孔の圧力を計測するだけで、高精度の風向、風速を計測できるので、低コストでしかも可搬性に富む、風向風速計を実現することができる。
例えば、風力発電機の建設にあたっては、風車設置箇所の風況計測やアセスメントとして、さらに、建設後においては、風車周りの流れ場をモニターする必要がある。
本発明による風向風速計の軽量性、コンパクト性を活かして、無人飛行機の一つであるマルチローター(「マルチコプター」、「ドローン」と称されることもある。)に搭載することで、任意の空間領域(地点及び高度)で風向、風速を観測することができる
図1は、本発明の基本原理を説明するための圧力計の概要図である。 図2は、圧力計の詳細図である。 図3は、圧力検出孔を3箇所に設けた、圧力センサの変形例を示す図である。 図4は、主流速度が5m/sのときの回転角に対する圧力分布を示す図である。 図5は、主流速度を5m/s、10m/s、15m/s、25m/sとしたときの、圧力検出孔が正対向する位置を中心に±60°の範囲で計測したそれぞれの圧力分布を示す図である。 図6は、図5の結果をそれぞれの最大圧力計測値で除して規格化することにより得られた結果を示す図である。 図7は、実施例の全体構成を示す図である。 図8は、圧力計測管をL字型にした変形例を示す図である。 図9は、L字型にした圧力計測管の2本を直線上に対向させた変形例を示す図である。
本発明の基本原理を実験例を用いて説明する。
図1に示すように、圧力計1は、円筒状の圧力計測管1a、圧力センサ1bにより構成され、主流Uに対して垂直に配置されている。圧力計測管1aの上端は閉じられ、側面に設けられた、圧力検出孔1cを開口部として圧力計測管1a周りの圧力を、圧力計測管1aの開放端にパイプなどで接続された圧力センサ1bにより計測する。
圧力計測管1aは、計測地点の支持装置2に垂直に取り付けられ、ステッピングモータやサーボモータ等、回転角度を制御可能なモーターを駆動装置として軸周りに回転させる。
ただし、マルチローターに設置する場合などは、マルチローター自身の姿勢制御や振動により支持装置の姿勢が変化することを抑制する観点から、支持装置2をマルチローターに設置したジンバル上に固定し、圧力計測管1aを水平面に対し垂直にすることが好ましい。
本実験では、圧力計測管1aの外径6mm、内径3mm、圧力検出孔1cの直径0.5mmに配管された圧力センサを用いた。
図2に、圧力計1の詳細図を示す。
外径6mm、内径3mmの円筒状の圧力計測管1aは、高さが200mmで、両端は閉塞されている。上端から50mmのところに、直径0.5mmの圧力検出孔1cが形成されている。
圧力計測管1aの下端付近には、圧力取り出し部が設けられており、圧力計測管1a内部の圧力は、チューブ等により、差圧センサ型の圧力センサ1bに導入され、大気圧との差圧が電圧値として計測される。
なお、圧力計測管1aの内部に圧力検出孔1cの直径と同等の内径を有するパイプを設け、このパイプの端部を圧力計測管1aの側壁に開口させて、このパイプの他端をチューブ等を圧力センサ1bに接続するようにしてもよい。
図3に示すように、例えば、圧力計測管1aに3点の圧力検出孔1c1、1c2、1c3を設ける場合には、圧力計測管1aの内部に、3本のパイプ1d1、1d2、1d3を設け、一端を圧力計測管1aの側壁に開口させ、他端のそれぞれを差圧センサ型圧力センサ1b1、1b2、1b3に接続する。
このとき、圧力検出孔1c1、1c2、1c3は、同一回転面内に位置しないように圧力計測管1aの高さ方向の位置が互いに異なるように配置し、同一方位時におけるそれぞれの圧力計測値に基づいて平均値を算出する。
また複数で計測する利点を生かす意味で3点の圧力検出孔を有する場合は、回転面内のそれぞれの回転角位置は0°、120°、240°に配置すれば、最速で、圧力計測管1aを120°回転させるだけで、全方位の圧力計測値を得ることができる。
ここで圧力計測管1aの外径寸法は、円筒体周りの流れが比較的安定した状態を維持する観点で設計する必要がある。その際、流れ場の状態を表す無次元数の一つであるレイノルズ数Re=U・D/νが重要となる。(U;主流速度、D;円筒体の外径、ν:動粘性係数)。
圧力計測管1a周りの流れ場に対しては、ストローハル数が一定となるレイノルズ数の範囲が5.0×102〜3.0×105程度であり、臨界レイノルズ数が4.0×105程度であることから、設計レイノルズ数は、1.0×103〜1.0×105程度になるように寸法を決めるべきである。
例えば風速10m/sの場合、空気の動粘性係数を1.5×10-52/s、円管外径6mmとすると、レイノルズ数は4.0×103となり、風速50m/sであってもレイノルズ数は2.0×104であり、妥当といえる。
ただし、レイノルズ数の考慮だけではなく、表面の粗さ、固有振動数、剛性に加え、回転させるモーターの重さによる負荷を考慮した軽量性などの観点から材料の選択も重要である。
図4は、一例として主流風速5m/sにおいて、小孔1cが主流を正対向から受けるときの回転角0°として、回転角に対する圧力分布を示す。
図の縦軸は、圧力センサ1bの出力(電圧値)表示であるが、これは小孔1cにおける圧力pと流れ場の静圧psとの差圧;P=p−psを表している。
図5は、小孔1cが主流を正対向から受けるときの回転角0°として、これを中心に回転角=±60°の範囲において、主流の速度U=5m/s、10m/s、15m/s、25m/sに対する圧力センサ1bの計測結果を示す。
圧力分布の最大値Pmaxは、主流方向に向かう回転角が0°のときに現れ、その値は主流速度Uが大きくなるにつれ増大することが分かる。
図6は、差圧Pの最大値が現れる0°を中心に回転角±60°の範囲において、各主流速度に対する差圧Pの圧力分布を、それぞれの風速における最大値Pmaxで除算することにより規格化している。この図から分かるように、規格化された圧力分布は、風速によらず主流方向に向かう回転角に対し、ほぼ同一の曲線上にあり、P/Pmaxが、回転角αの関数;F(α)となることが分かる。
この関数F(α)は、予め風洞実験により、次のように特定する。
上述のとおり、5m/s、10m/s、15m/s、25m/s・・・といった風速毎に、圧力センサ1bを配置した、円筒体の圧力計測管1aを、最大値が現れる回転角0°を中心に、少なくとも±60°の範囲で、例えば10°毎に、各回転角毎に圧力センサ1bにより圧力値を採取する。
例えば、最大値が現れる回転角0°±60°の範囲で、例えば10°毎にデータを採取した場合、風速毎に、13点の圧力値データP(−60°、−50°・・・0°・・・50°、60°)が得られる。
本実験では、このデータを用いて、F(α)のモデル関数を4次関数とした多項式近似を行い、最小二乗法を用いることで各係数を求め、高精度なF(α)を求めることができたが、低コスト化、軽量化、解析負荷の低減を優先する際には、2次関数など、より低次のモデル関数を用いてもよい。
なお、圧力計測管1aを回転させる際の周速度は、主流速度に比べて十分低くなければならない。また、圧力値データPを収集する周波数は、解析に十分なデータ数を確保する必要があり、回転角10°毎に取得する場合、回転速度が1回転/秒のときは、サンプリング周波数を36Hzに設定する。
前述のように風向に対して±60°の範囲における圧力計測管1a周りの圧力分布は、主流速度をU、回転角0°のときの圧力センサ出力をPmax(U)とすると、
P=Pmax(U)・F(α)
となる。
したがって、ある風速U、ある風向αに対して、任意の2点においては下記のように表せる。
1=Pmax(U)・F(α) ・・・・・・・・・(1)
2=Pmax(U)・F(α+αr)・・・・・・・(2)
ここでαrは、2点間の相対的位置を表し、既知であるとする。
式(1)と式(2)より、
P1・F(α+αr)−P2・F(α)=0・・・・(3)
となり、この方程式を解くことでαmaxが求まる。
αmaxが求まれば、−αmaxが風向となる。
また、このαmaxを、式(1)あるいは式(2)に代入することで、Pmaxを求めることができる。

そこで、実際に風向風速を計測する場合は、例えば、真北をα=0として、圧力センサ1bの出力を記録し、例えば、F(α)を求めるときと同じように、圧力計測管1aを同速度で回転させ、Δθ=10°毎全方位にわたって、圧力センサ1bの圧力計測値をサンプリングし、計測結果記録メモリに記録する。
これらの圧力計測値のうち、最大値を特定し、このときの方位αに対し、そのn個前、あるいはn個後の圧力計測値、すなわち、αr=±n・Δθ=±n10における圧力計測値を参照圧力計測値Prefとすることで、風洞実験で特定したF(α)に両データを代入し、最大圧力値を示す風向αを算出することが可能となる。
ただし、図6から分かるように、最大値付近(−10°〜10°)は、角度毎の変化量が少なく、誤差が大きくなる可能性があるので、少なくとも1点は、この範囲からはずれた角度となるよう、αr=±20°とするなど、αとαrを選定することが好ましい。
なお、ΔθをF(α)を求めるときと同様10°としたが、10°〜30°など、計測精度を勘案して種々選択することができる。
ここで、Pmax(U)とUの関係については、ρを空気密度、速度係数をCとしたとき、次の関係にある。
U=C・(2Pmax/ρ)1/2・・・・・・・・(4)
なお、Cは速度係数であり、前述の風洞実験の際に、関数F(α)と同時に、予め求めておくことができる。
また、ρを空気密度で、Tを気温、Psを流れ場の静圧(大気圧)としたとき、次の関係にある。
ρ=[1.293/(1+0.00367T)]・Ps/1013
密度ρは、計測点における気圧、気温、湿度により決定されるため、圧力計測時にはこれらのデータを同時に取得する必要がある。
本実験では、圧力計測管1aの周辺に、大気圧センサ(絶対圧力センサ)、気温センサ、湿度センサを組み込んだが、圧力計測地点が固定されている場合には、その周辺の気象観測情報を用いてもよい。
このように、関数F(α)と速度係数Cは、事前に行う風洞実験により、予め求めておけばよく、計測時の取得データとしては、(1)少なくとも2点における圧力計測管の圧力と回転角、(2)気圧、気温、湿度、そして、(3)方位、位置座標となる。
なお、圧力センサ1bに応答遅れがある場合でも、風向、風速を計測する際、圧力計測管1aを風洞実験によりF(α)を求めるときと同速度で回転させているため、この応答遅れは相殺される。
もちろん、いずれの場合も例えば10°毎など、圧力計測管1aを間欠的に回転させ、応答遅れ分だけ、圧力計測値のサンプリングを遅らせてもよい。
上記の基本原理を利用した風向風速計の具体的な実施例を説明する。
図7は、本実施例の全体構成を示している。
圧力計1は、円筒体の圧力計測管1a、圧力センサ1bにより構成され、この実施例では圧力計測管1aは円筒体で、上面は閉塞され、下面は開放されており、側面に圧力検出孔1cが形成されている。本実施例では、図2に示されるものを用いており、円筒体の内径を6mm、圧力検出孔1cの直径を0.5mmに設定している。また、圧力計測管1aの下方には、圧力計測管1aの外方の大気圧と、圧力検出孔1cを通過した空気流による圧力計測管1aの内部圧力との差圧を電圧値で出力する圧力センサ1bが取り付けられている。
なお、乱れ度を計測するなど、高い応答性を要求される場合には、この小孔1cに圧力センサ1bを直付けし、比較的低い応答性で十分な場合は、図2のように、圧力計測管1aの開放端からチューブなどを介して圧力センサ1bに導く。
なお、圧力計測管1aとしては、円筒型のほか、図8に示すように、先端が水平方向に開口するL字型パイプ、さらに、図9に示すように、このL字型パイプを2本組み合わせて、水平部をT字状に配置したもの、一定角度毎に配置したもの等を採用することができる。
圧力計1は、支持装置2上面の回転盤2aに取り付けられており、圧力検出孔1cを360°にわたり周回させるもので、本実施例では、基準位置にある圧力検出孔1cが真北(α=0)を向くよう、地上に設置されている。なお、支持装置2を支持する支持台2bは、上下方向に伸縮調整可能な脚により、風向・風速の観測地点の地上からの高さを調整できるようにしてもよい。なお、2bは支持装置2の支持台で、高さ調整装置を備えるようにしてもよい。
回転盤2aを周回させる駆動装置として、ステッピングモータやサーボモータを用い、後述する演算制御装置3からの指令により、基準位置(真北;θ=0°)から、圧力計1を一定速度で周回させ、基準位置からの一定の回転角度毎に周回角度、すなわち方位θを演算制御装置3に出力する。
本実施例の場合、1本の円筒体型圧力計測管1aを用いているため、回転盤2aを例えば、10°ずつ、360°周回させる。
なお、2本の圧力計測管を直線上に配列し、180°異なる位置で同時に圧力を検出する場合は、回転盤2aを180°、120°毎に3本の圧力計測管を配列する場合は120°回転させ、それぞれ10°毎に圧力センサ1bの圧力計測値をサンプリングするようにすればよい。
演算制御装置3は、風向風速の計測開始指令を受けると、圧力検出孔1cが前述の基準位置となるよう初期調整を行い図4に示すように、真北(θ°=0)における圧力センサ1bの計測を行い、方位(θ=0°;真北N)とともに、圧力センサ1bの計測値P(0)を計測結果記録メモリ3aに記録する。
次に、支持装置2の回転盤2aを周回させる駆動モーターに指令を出力し、一定回転速度で圧力計測管1aを回転させ、その回転角を参照しながら、設定角度毎のタイミングで圧力センサ1bの計測値P(Δθ)、P(2Δθ)、P(3Δθ)・・・取得し、計測結果記録メモリ3aに、方位角毎に記録する。
例えば、圧力計測管1aを1回転/秒で回転駆動し、10°毎に圧力センサ1bの計測値を記録する場合には、36Hzのサンプリング周波数が必要となる。
なお、圧力計測管1aを周回に伴う周速は、外径6mmの円柱を1回転/秒の場合、風速に対し、きわめて低い速度で、周速の影響を無視することができる。
この計測を、θが360°となるまで繰り返すことで、計測結果記録メモリ3aには、α=0°から350°までの圧力センサ3aの計測値が記録される。
なお、このような計測結果記録を、何回か連続して繰り返し、後述する風向・風速を演算する際、これらの平均値を用いるようにしてもよい。
前述のように、圧力計1に関しては、予め風洞実験により、既定の風速(5m/s、10m/s、15m/s、25m/s・・・)に対し、圧力検出孔1cを360°周回させ、10°毎に得られた圧力センサの検出値;P(0)、P(10°)、P(20°)・・・P(350°)を、正対向する際に得られる最大値(Pmax)であるP(0)で除算することにより、規格化(1、P(10)/P(0)、P(20)/P(0)・・・P(350)/P(10)に基づいて、風向(α)に対する規格値の関数、F(α)が定められている。
変換された風速値から最大値(P’max、α’max)を特定し、この最大値の前後の参照風速値(Pref、α’max±αr)を特定する。
両データを式(2)、(3)に代入することで、最大圧力計測値Pmaxを示す風向αmaxが算出され、このαmaxにより、最大圧力計測値Pmaxを算出することができる。
こうして、最大圧力計測値Pmaxが特定されれば、前述の式(4)により、風速を換算することが可能となる。算出された風速データは、出力装置4を介して、ディスプレイに表示されるとともに、計測日時とともに記録され、風向風速計測結果としてプリンタなどに出力できるようにする。
この実施例では、支持装置2を支持台2bで支持する場合を示したが、支持装置2をマルチコプターに搭載し、マルチローターからの高さ情報、位置情報と連動させて、圧力計測値をメモリに記録し、マルチローターからメモリを回収し、記録したデータに基づいて、風向風速を算出するようにしてもよい。この際、支持装置は、マルチローターに設置されたジンバル上に固定することにより、マルチローター自身の姿勢制御や振動の影響を抑制する。
以上説明したように、本発明によれば、低コストでしかも可搬性に富む、風向風速計を実現することができ、風車設置箇所の風況計測のみならず、交通機関の安全運行を確保するための風況計測など、様々な分野で広く採用されることが期待される。
1:圧力計
1a:圧力計測管
1b:圧力センサ
1c:圧力検出孔(小孔)
2:支持装置
2a;回転盤
2b:支持台
3:演算制御装置
3a:計測結果記録メモリ
4:出力装置

Claims (9)

  1. 空気流による圧力を検出することにより、風向及び風速を演算により求める風向風速計であって、
    圧力検出孔を介して風による空気流を導入する圧力計測管と、該導入された空気流の圧力を検出する圧力センサとからなる圧力計と、
    前記圧力計を周回駆動する駆動装置と、
    前記駆動装置により前記圧力検出孔が全方位を周回するよう駆動して、方位角の所定角度αr毎に、前記圧力センサの計測値を記録する圧力計測結果記録手段と、
    前記圧力計測結果記録手段に記録された圧力センサの計測値のうち2点の方位角θ1、θ2のそれぞれに対応する計測値P1、P2と、下記の数式(1)、(2)に基づいて、前記風による最大圧力Pmax(U)およびPmax(U)を示す方位角αmaxを算出する算出手段と、
    前記算出手段により算出された最大圧力Pmax(U)及び方位角αmaxに基づいて、前記風の風速及び風向を求める演算手段と、を備える、前記風向風速計;
    P1=Pmax(U)・F(θ1) ・・・・・・・(1)
    P2=Pmax(U)・F(θ2) ・・・・・・・(2)
    ただし、F(θ)は、予め定められた風速に対し、前記圧力検出孔が風に正対向する位置を含む複数の周回角度θで取得した前記圧力センサの各計測値を、前記圧力検出孔が風に正対向する位置で得られる最大計測値で除算した規格化関数であり、θの関数である。
  2. 前記計測値P1およびP2は、前記圧力計測結果記録手段に記録された圧力センサの計測値のうちの最大値を示す方位角の−αrおよび+αrの方位角の記録された計測値である、請求項1記載の風向風速計。
  3. 前記所定角度αrは10度〜30度の範囲から選択される、請求項1または2記載の風向風速計。
  4. 前記算出手段は、計測値P1およびP2に加えさらに他の方位角における前記計測値に基づいて前記風による最大圧力Pmax(U)およびPmax(U)を示す方位角αmaxを算出する、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の風向風速計。
  5. 前記圧力計および前記駆動装置を支持する支持装置をさらに備え、該支持装置の高さが調整可能である、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の風向風速計。
  6. 前記圧力計および前記駆動装置はマルチローターに載置され、
    前記マルチローターは前記圧力計および前記駆動装置を支持するジンバルを有し、
    前記マルチローターの位置情報および高度情報を前記圧力計測結果記録手段にさらに記録する、請求項1〜5のうちいずれか一項に記載の風向風速計。
  7. 大気圧センサ、温度センサまたは湿度センサをさらに備える請求項1〜6のいずれか一項に記載の風向風速計。
  8. 空気流による圧力を検出することにより、風向及び風速を演算により求める風向風速計測方法であって、
    圧力検出孔を全方位にわたり周回させ、方位角の所定角度αr毎に、該圧力検出孔を介して風による空気流を導入し、該導入された空気流の圧力を圧力センサによって検出し、その計測値を記録する工程と、
    前記圧力計測結果記録手段に記録された圧力センサの計測値のうち2点の方位角θ1、θ2のそれぞれに対応する計測値P1、P2と、下記の数式(1)、(2)に基づいて、前記風による最大圧力Pmax(U)およびPmax(U)を示す方位角αmaxを算出する工程と、
    前記算出手段により算出された最大圧力Pmax(U)および方位角αmaxに基づいて、前記風の風速および風向を求める工程と、を含み、
    前記記録する工程の前に、予め定められた風速に対し、前記圧力検出孔が風に正対向する位置を含む複数の周回角度θで前記圧力センサの計測値を取得し、該圧力検出孔が風に正対向する位置で得られる最大計測値で除算した規格化関数F(θ)を求める工程をさらに含む、前記風向風速計測方法;
    P1=Pmax(U)・F(θ1) ・・・・・・・(1)
    P2=Pmax(U)・F(θ2) ・・・・・・・(2)
    ただし、F(θ)はθの関数である。
  9. 前記計測値P1およびP2は、前記圧力計測結果記録手段に記録された圧力センサの計測値のうちの最大値を示す方位角の−αrおよび+αrの方位角の記録された計測値である、請求項8記載の風向風速計測方法。
JP2015022356A 2015-02-06 2015-02-06 風向風速計及び風向風速計測方法 Active JP6418972B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015022356A JP6418972B2 (ja) 2015-02-06 2015-02-06 風向風速計及び風向風速計測方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015022356A JP6418972B2 (ja) 2015-02-06 2015-02-06 風向風速計及び風向風速計測方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016145734A JP2016145734A (ja) 2016-08-12
JP2016145734A5 JP2016145734A5 (ja) 2018-06-28
JP6418972B2 true JP6418972B2 (ja) 2018-11-07

Family

ID=56685681

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015022356A Active JP6418972B2 (ja) 2015-02-06 2015-02-06 風向風速計及び風向風速計測方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6418972B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6829108B2 (ja) * 2017-02-24 2021-02-10 セイコーインスツル株式会社 高度計、及び高度検出方法
KR101948043B1 (ko) * 2017-05-16 2019-02-14 동의대학교 산학협력단 풍향감지 우산 및 그 작동방법
CN109444460B (zh) * 2018-10-17 2021-01-01 合肥凌山新能源科技有限公司 一种用于风力发电的风向测量装置及其测量方法
JP7180450B2 (ja) * 2019-02-28 2022-11-30 富士通株式会社 飛翔機及び飛翔機の制御方法
CN110031648B (zh) * 2019-04-10 2023-12-29 绍兴文理学院元培学院 一种散粒体多孔介质的孔隙风速测量装置
CN113238074B (zh) * 2021-05-18 2023-01-06 贵州电网有限责任公司 一种基于六分法皮托管风速风向测量方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3544144A1 (de) * 1985-12-13 1987-06-25 Eduard Prof Dr Ing Igenbergs Verfahren und vorrichtung zur ermittlung eines anstroemwinkels an fahrzeugen
JP5713231B2 (ja) * 2010-10-14 2015-05-07 独立行政法人国立高等専門学校機構 飛行体
JP5656316B1 (ja) * 2014-04-17 2015-01-21 善郎 水野 マーカ装置を含むシステム及びこれを利用した方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016145734A (ja) 2016-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6418972B2 (ja) 風向風速計及び風向風速計測方法
ES2296143T3 (es) Procedimiento y aparato para determinar la velocidad y la direccion del viento experimentadas por una banda eolica.
Wan et al. Measurement of the velocity field in a simulated tornado-like vortex using a three-dimensional velocity probe
CN203053472U (zh) 测量旋流场的压力和速度的工具
CN101349240B (zh) 用于风力涡轮机偏航控制的方法
CN107085126A (zh) 一种基于动态半径测量的激光多普勒测速校准装置
US11592838B2 (en) Velocity sensing for aircraft
JP2016145734A5 (ja)
CN106643576A (zh) 一种不同心度测量方法及不同心度测量装置
RU2464579C2 (ru) Устройство и способ измерения скорости и направления течения газообразной текучей среды
US7949481B2 (en) Self-orienting embedded in-situ flux system
JP7112194B2 (ja) ドローンを用いた計測システムおよび計測方法
CN102305872B (zh) 超导转子旋转轴偏移角速度的测量装置
CN106885922B (zh) 一种用于风力发电机组的风向标校准装置和方法
CN103234498A (zh) 一种精密离心机相交度的测量方法及其装置
US10371713B2 (en) Measurement of the flow velocity and the flow direction of gases and liquids
CN106379564B (zh) 航天器地面仿真用三轴微干扰力矩运动模拟装置
Town et al. Total pressure correction of a sub-miniature five-hole probe in areas of pressure gradients
KR100910391B1 (ko) 바람 감지 센서
Hickman et al. Development of Low Cost, Rapid Sampling Atmospheric Data Collection System: Part 1--Fully Additive-Manufactured Multi-Hole Prob
KR101746437B1 (ko) 바이모프를 이용한 2차원 풍향계
Br et al. Fast Traveling Pneumatic Probes for Turbomachinery Applications
UA69551A (en) Method for calibrating anemometer and a device for the realization of the method
CN116106575A (zh) 风速测试装置及风速测试方法
KR101676002B1 (ko) 전온도 센서 교정 장치 및 이를 이용한 전온도 센서 교정 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171225

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180313

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180911

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180914

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180912

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181009

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181009

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6418972

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250