JP6418055B2 - 画像処理装置、および、コンピュータプログラム - Google Patents

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Description

本明細書は、画像データに対して、アンシャープマスク処理を実行する画像処理に関する。
従来から、印刷される画像の画質を向上するための画像処理として、画像を鮮鋭化するアンシャープマスク処理が行われている。アンシャープマスク処理は、画像の鮮鋭度を高めることで、例えば、写真などを含む画像の画質を向上することができる。例えば、特許文献1では、写真などの自然画であると判断される画像に対するエッジ強調処理として、アンシャープマスク処理を用いることが開示されている。
特開平10−200778号公報
しかしながら、上記技術では、処理対象の画像によっては、アンシャープマスク処理に起因して、処理済の画像の画質が低下する可能性があった。例えば、黒色の文字を含む画像が処理対象である場合には、処理済の画像において、黒色の文字の周囲が過度に明るくなる不具合が発生する可能性があった。
本明細書は、アンシャープマスク処理を実行することによって画像の鮮鋭度を高めつつ、アンシャープマスク処理に起因する画質の低下を抑制できる技術を開示する。
本明細書に開示された技術は、以下の適用例として実現することが可能である。
[適用例1]元画像を表す元画像データを取得する取得部と、
前記元画像に含まれる複数個の画素のそれぞれについて、その画素を含む周辺範囲内に黒色の画素が含まれるか否かを判断する判断部と、
前記元画像内の複数個の画素のうち、前記周辺範囲内に前記黒色の画素が含まれないと判断される画素を含む第1種の画素に対してアンシャープマスク処理を実行し、前記周辺範囲内に前記黒色の画素が含まれると判断される画素を含む第2種の画素に対して前記アンシャープマスク処理を実行しない鮮鋭処理部と、
を備える、画像処理装置。
上記構成によれば、第1種の画素に対してアンシャープマスク処理が実行され、第2種の画素に対してアンシャープマスク処理が実行されないので、アンシャープマスク処理に起因して、画像内の黒色の部分の周囲が、過度に明るくなる不具合を抑制することができる。したがって、アンシャープマスク処理を実行することによって画像の鮮鋭度を高めつつ、アンシャープマスク処理に起因する画質の低下を抑制できる。
[適用例2]元画像を表す元画像データを取得する取得部と、
前記元画像に含まれる複数個の画素のそれぞれについて、その画素を含む周辺範囲内のコントラストが基準値以上であるか否かを判断する判断部と、
前記元画像内の複数個の画素のうち、前記周辺範囲内の画像のコントラストが基準値未満であると判断される画素を含む第1種の画素に対してアンシャープマスク処理を実行し、前記周辺範囲内の画像のコントラストが基準値以上であると判断される画素を含む第2種の画素に対して前記アンシャープマスク処理を実行しない鮮鋭処理部と、
を備える、画像処理装置。
上記構成によれば、第1種の画素に対してアンシャープマスク処理が実行され、第2種の画素に対してアンシャープマスク処理が実行されないので、画像内のコントラストが比較的大きな部分において、アンシャープマスク処理に起因して、色が濃い領域の周囲が過度に明るくなる不具合を抑制することができる。したがって、アンシャープマスク処理を実行することによって画像の鮮鋭度を高めつつ、アンシャープマスク処理に起因する画質の低下を抑制できる。
なお、本明細書に開示された技術は、種々の形態で実現可能であり、例えば、印刷装置、印刷装置の制御装置、画像処理方法、これらの装置および方法の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体、等の形態で実現することができる。
実施例における画像処理装置としての計算機200と複合機100の構成を示すブロック図である。 印刷処理のフローチャートである。 元画像データによって表される元画像OIの一例を示す図である。 マスクデータ生成処理のフローチャートである。 画素値変更処理のフローチャートである。 元画像OI内の文字TXを含むオブジェクトOb2の一部分を示す図である。 第2実施例の画素値変更処理のフローチャートである。 第3実施例の画素値変更処理のフローチャートである。 第4実施例の画素値変更処理のフローチャートである。 第5実施例の画素値変更処理のフローチャートである。
A.第1実施例:
A−1:画像処理装置の構成
次に、実施の形態を実施例に基づき説明する。図1は、実施例における画像処理装置としての計算機200と、複合機100の構成を示すブロック図である。
計算機200は、例えば、パーソナルコンピュータであり、計算機200のコントローラとしてのCPU210と、ハードディスクドライブなどの不揮発性記憶装置220と、RAMなどの揮発性記憶装置230と、マウスやキーボードなどの操作部260と、液晶ディスプレイなどの表示部270と、通信部280と、を備えている。計算機200は、通信部280を介して、複合機100などの外部装置と通信可能に接続される。
揮発性記憶装置230は、CPU210が処理を行う際に生成される種々の中間データを一時的に格納するバッファ領域231を提供する。不揮発性記憶装置220には、コンピュータプログラムCPが格納されている。コンピュータプログラムCPは、本実施例では、複合機100の後述するプリンタ部130を制御するためのプリンタドライバプログラムであり、サーバからダウンロードされる形態で提供される。これに代えて、コンピュータプログラムCPは、DVD−ROMなどに格納される形態で提供されてもよい。CPU210は、コンピュータプログラムCPを実行することにより、後述する印刷処理を実行する。
複合機100は、イメージセンサを用いて原稿を光学的に読み取ることによってスキャンデータを生成するスキャナ部120と、所定の方式(例えば、インクジェット、レーザー)によって用紙などの印刷媒体に画像を印刷するプリンタ部130と、スキャナ部120やプリンタ部130を制御するCPUとメモリとを含む制御部110と、を備えている。
A−2:印刷処理
図2は、印刷処理のフローチャートである。この印刷処理は、例えば、計算機200において、コンピュータプログラムCPが実行されて、プリンタドライバが起動されているときに、ユーザの開始指示に基づいて開始される。
S10、S20では、CPU210は、元画像データを取得する。先ず、S10では、印刷すべき画像を表す画像データを取得する。この画像データは、例えば、不揮発性記憶装置220に格納された複数個の画像データの中から、ユーザの指定に基づいて選択された1個の画像データである。S20では、CPU110は、取得された画像データに対してラスタライズ処理を実行して、元画像データを生成する。元画像データは、複数個の画素を含むビットマップデータであり、具体的には、RGB値によって画素ごとの色を表すRGB画像データである。RGB値は、3個の色成分の階調値(以下、成分値とも呼ぶ)、すなわち、R値、G値、B値を含むRGB表色系の色値である。R値、G値、B値は、例えば、256階調の階調値である。
図3は、元画像データによって表される元画像OIの一例を示す図である。図3の元画像OIは、3個のオブジェクトOb1〜Ob3と、背景BGと、を含んでいる。オブジェクトOb1は、人物Pを含む写真を表している。オブジェクトOb2は、文字TXを含む表を表している。オブジェクトOb3は、描画、具体的には、円グラフを表している。
S30、S40では、CPU210は、元画像データに対して、アンシャープマスク処理を実行して、処理済画像TI(図示省略)を表す処理済画像データを生成する。アンシャープマスク処理は、S30のマスクデータ生成処理と、S40の画素値変更処理と、を含む。これらの処理の詳細は、後述する。処理済画像データは、元画像データと同様にRGB画像データである。
S50では、CPU210は、処理済画像データに対して色変換処理を実行する。これによって、処理済画像データの各画素のRGB値は、印刷用の複数個の色材に対応する複数個の成分値を含む色値に変換される。本実施例では、RGB値は、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロ)、K(ブラック)の4個の成分値を含むCMYK値に変換される。色変換処理は、揮発性記不揮発性記憶装置220に予め格納された色変換プロファイル(図示省略)を参照して実行される。色変換プロファイルは、RGB値とCMYK値との対応関係を規定する情報であり、具体的には、ルックアップテーブルである。
S60では、CPU210は、色変換処理後の処理済画像データに対してハーフトーン処理を実行して、ドットの形成状態を画素ごと、かつ、色材ごとに表すドットデータを生成する。ドットデータに含まれる各画素の値は、例えば、「大ドット」、「中ドット」、「小ドット」、「ドット無し」の4つのドットの形成状態のいずれかを示す。これに代えて、ドットデータに含まれる各画素の値は、「ドット有り」、「ドット無し」の2つのドットの形成状態のいずれかを示しても良い。
S70では、CPU210は、ドットデータを用いて印刷ジョブを生成する。例えば、CPU210は、ドットデータを、プリンタ部130を用いて印刷を行う際に用いられる順番に並べ替える処理と、ドットデータにプリンタ制御コードやデータ識別コードを付加する処理と、を実行する。この結果、複合機100によって解釈可能な印刷ジョブが生成される。S80では、CPU110は、生成された印刷ジョブを、複合機100に出力する。複合機100のプリンタ部130は、計算機200から出力された印刷ジョブに基づいて画像を印刷する。
A−3:マスクデータ生成処理
図2のS30のマスクデータ生成処理について説明する。図4は、マスクデータ生成処理のフローチャートである。マスクデータ生成処理は、元画像OI内の複数個の画素のそれぞれについて、その画素の周辺範囲CA1内の複数個の画素の値を用いてマスクデータを生成する処理である。マスクデータは、詳細は後述する図2のS40の画素値変更処理において用いられる。
S210では、CPU210は、元画像OI内の複数個の画素の中から、1個の注目画素TP1を選択する。S220では、CPU210は、注目画素TP1の周辺範囲CA1の平均色値を算出する。周辺範囲CA1は、図4に示すように、注目画素TP1と、注目画素TP1の周囲の複数個の画素と、を含む範囲である。具体的には、例えば、周辺範囲CA1は、注目画素TP1を中心とし、縦M個×横N個の画素を含む矩形の範囲である(M、Nは、2以上の整数)。本実施例では、M=N=9である。これに代えて、M、Nの値は、3、5、7、11などの他の整数であっても良い。CPU210は、周辺範囲CA1内の(M×N)個の画素のR値、G値、B値のそれぞれの平均値Rav、Gav、Bavを含むRGB値(Rav、Gav、Bav)を平均色値として算出する。
S230では、CPU210は、算出された平均色値(Rav、Gav、Bav)を、注目画素のマスクデータとして、バッファ領域231に記録する。
S240では、CPU210は、元画像OI内の全ての画素を注目画素TP1として処理したか否かを判断する。未処理の画素がある場合には(S240:NO)、CPU210は、S210に戻って、未処理の画素を注目画素TP1として選択する。全ての画素が処理された場合には(S240:YES)、CPU210は、マスクデータ生成処理を終了する。この時点で元画像OI内の全ての画素に対応するマスクデータが生成されている。生成された複数個のマスクデータを画素の値とする画像(マスク画像とも呼ぶ)は、上記の処理から解るように、元画像OIを平滑化した画像、すなわち、元画像OI内のオブジェクトの輪郭がぼけた画像である。
A−4:画素値変更処理
図2のS40の画素値変更処理について説明する。図5は、画素値変更処理のフローチャートである。画素値変更処理は、変更対象の画素のRGB値を、対応するマスクデータを用いて変更し、変更対象でない画素のRGB値を変更しない処理である。
S310では、CPU210は、元画像OI内の複数個の画素の中から、1個の注目画素TP2を選択する。S320では、CPU210は、元画像データから、注目画素TP2の周辺範囲CA2内の複数個の画素のRGB値を取得する。周辺範囲CA2は、図5に示すように、注目画素TP2と、注目画素TP2の周囲の複数個の画素と、を含む範囲である。本実施例では、注目画素TP2の周辺範囲CA2は、上述した図4の注目画素TP1の周辺範囲CA1と同じ範囲、すなわち、縦M個×横N個の画素を含む矩形の範囲である。
S330では、CPU210は、周辺範囲CA2内に、黒色画素が含まれるか否かを判断する。黒色画素は、黒色範囲内のRGB値を有する画素である。黒色範囲は、黒色を示すRGB値の所定範囲であり、少なくとも最低明度の色(R、G、B)=(0、0、0)を含む範囲である。本実施例の黒色範囲は、R値、G値、B値のそれぞれが基準値以下である範囲、具体的には、0≦R≦10、かつ、0≦G≦10、かつ、0≦B≦10を満たす範囲である。
周辺範囲CA2内に1個も黒色画素がない場合には(S330:NO)、S340にて、CPU210は、注目画素TP2に対応するマスクデータを用いて、注目画素TP2のRGB値を変更する。すなわち、この場合には、注目画素TP2に対してアンシャープマスク処理が実行される。元画像OI内の複数個の画素のうち、アンシャープマスク処理が実行される画素を第1種の画素とも呼ぶ。注目画素TP2の変更前のRGB値を(Rin、Gin、Bin)とし、注目画素TP2に対応するマスクデータを(Rav、Gav、Bav)とすると、変更後のRGB値(Rout、Gout、Bout)は、以下の式(1)〜(3)で表される。
Rout=Rin+(Rin−Rav)×K ...(1)
Gout=Gin+(Gin−Gav)×K ...(2)
Bout=Bin+(Bin−Bav)×K ...(3)
ここで、Kはシャープネスを強調するレベルを示す所定の係数であり、本実施例では、K=1である。
周辺範囲CA2内に1個以上の黒色画素がある場合には(S330:YES)、S340を実行せずに、S350に処理を進める。すなわち、この場合には、注目画素TP2に対してアンシャープマスク処理が実行されず、注目画素TP2のRGB値は、変更されることなく、元の値に維持される。元画像OI内の複数個の画素のうち、アンシャープマスク処理が実行されない画素を第2種の画素とも呼ぶ。
S350では、CPU210は、元画像OI内の全ての画素を注目画素TP2として処理したか否かを判断する。未処理の画素がある場合には(S350:NO)、CPU210は、S310に戻って、未処理の画素を注目画素TP2として選択する。全ての画素が処理された場合には(S350:YES)、CPU210は、画素値変更処理を終了する。この時点で処理済画像TIを表す処理済画像データが生成されている。
以上説明した第1実施例によれば、元画像OIに含まれる複数個の画素のそれぞれについて、その画素を含む周辺範囲CA2内に黒色画素が含まれるか否かが判断され(S330)、周辺範囲CA2内に黒色画素が含まれないと判断される第1種の画素に対してアンシャープマスク処理が実行され(S330:NO、S340)、周辺範囲CA2内に黒色画素が含まれると判断される画素を含む第2種の画素に対してアンシャープマスク処理が実行されない(S330:YES)。この結果、アンシャープマスク処理を実行することによって画像の鮮鋭度を高めつつ、アンシャープマスク処理に起因する画質の低下を抑制できる。
より詳しく説明する。図6は、元画像OI内の文字TXを含むオブジェクトOb2の一部分を示す図である。アンシャープマスク処理を実行すると、特に写真などの画像の鮮鋭度が高くなり、画質が向上する。一方で、仮に、全ての画素に対してアンシャープマスク処理を実行すると、処理済画像TIにおいて、比較的薄い地色の領域内に配置された濃い色の文字の周囲、特に、黒色の文字の周囲が過度に明るくなる不具合が発生しやすい。例えば、図6の黒色の文字TXの近傍領域SAと、近傍領域SAの外側領域OAとは、元画像OIにおいては、同じ色であるとする。仮に、全ての画素に対してアンシャープマスク処理を実行すると、処理済画像において、近傍領域SAが、過度に明るくされることで白っぽい色に変更され、外側領域OAとは異なる色になる不具合が発生する。
この理由を説明する。近傍領域SA内の画素の周辺範囲CA1には、文字を構成する黒色画素が含まれるが、外側領域OA内の画素の周辺範囲CA1には、黒色画素が含まれない。このために、近傍領域SA内の画素のマスクデータ(すなわち、その画素の周辺範囲CA1の平均色値(Rav、Gav、Bav))の各成分値は、外側領域OA内の画素のマスクデータの各成分値より暗い色を示す値(すなわち、小さな値)となる。この結果、アンシャープマスク処理を行う際に、近傍領域SA内の画素では、上述した式(1)〜(3)の右辺の第2項の(Rin−Rav)、(Gin−Gav)、(Bin−Bav)の値が、外側領域OA内の画素よりも大きな値となる。したがって、仮に、近傍領域SA内の画素に対してアンシャープマスク処理が実行されると、処理後のRGB値(Rout、Gout、Bout)の各成分値が過度に大きな値に変更されて、近傍領域SA内の画素の色は、過度に明るく白っぽい色となる。
上記第1実施例では、近傍領域SA内の画素に対しては、アンシャープマスク処理が実行されないので、上記の不具合の発生を抑制することができる。この結果、画像の鮮鋭度を高めつつ、アンシャープマスク処理に起因する画質の低下、具体的には、黒色の文字の周囲が過度に明るくなる不具合を抑制できる。
また、仮に、元画像データに対して、文字認識処理を実行して、元画像OI内の文字を特定し、文字および文字の近傍領域内の画素に対してはアンシャープマスク処理を実行せず、その他の画素に対してはアンシャープ処理を実行する場合には、処理時間やメモリなどの必要なリソースが過大になる可能性がある。これに対して本実施例では、文字認識処理などの複雑な画像解析処理が必要ないので、処理時間やメモリなどの必要なリソースの増大を抑制できる。
さらに、上記第1実施例では、一の画素に対応するマスクデータの生成に用いられる複数個の画素が位置する範囲、すなわち、図4の周辺範囲CA1と、当該一の画素についてS330の判断に用いられる範囲、すなわち、図5の周辺範囲CA2と、は同一の範囲である。この結果、アンシャープマスク処理を実行するか否かを適切に判断することができる。すなわち、黒色の文字の周囲が過度に明るくなる原因となるマスクデータの各成分値の低下が発生する場合にアンシャープマスク処理を実行せず、マスクデータの各成分値の低下が発生しない場合にアンシャープマスク処理を実行するように、画素ごとに適切に判断することができる。この結果、画像の鮮鋭度を高めることによる画質の向上と、黒色の文字の周囲が過度に明るくなる不具合の抑制と、を適切に両立することができる。
さらに、上記第1実施例では、図4に示すように、元画像OI内の全ての画素、すなわち、第1種の画素と第2種の画素とを含む複数個の画素についてマスクデータを生成し、図5に示すように、第1種の画素の値を、対応するマスクデータを用いて変更し、第2種の画素の値を変更しない。この結果、マスクデータの生成処理時間やメモリなどの必要なリソースの増大を抑制できる。これに代えて、CPU210は、元画像OI内の第1種の画素(本実施例では、周辺範囲CA2内に黒色画素が含まれないと判断される画素)について、マスクデータを生成し、元画像OI内の第2種の画素(本実施例では、周辺範囲CA2内に黒色画素が含まれると判断される画素)について、マスクデータを生成しなくても良い。
なお、上記第1実施例では、図5の画素値変更処理において、CPU210は、元画像OI内の複数個の画素のそれぞれについて、S320、S330にて、アンシャープマスク処理の実行対象とされる第1種の画素であるか、アンシャープマスク処理の実行対象とされない第2種の画素であるかを判断している。これに代えて、CPU210は、図4のマスクデータ生成処理において、元画像OI内の複数個の画素のそれぞれについて、第1種の画素であるか、第2種の画素であるかを判断しても良い。例えば、図4のS220の直前に、CPU210は、図5のS320、S330を実行し、注目画素が第1種の画素である場合には、S220、S230を実行し、注目画素が第2種の画素である場合には、S220、S230を実行することなく、注目画素の値をそのまま注目画素に対応するマスクデータとして記録しても良い。そして、図5の画素値変更処理では、元画像OI内の全ての画素、すなわち、第1種の画素と第2種の画素とを含む複数個の画素についてマスクデータを用いて、上記式(1)〜(3)に従って、処理済画像の画素の値を算出すれば良い。こうすれば、第2種の画素については、注目画素の値(Rin、Gin、Bin)と、マスクデータの値と同じであるので、上記式(1)〜(3)の右辺の第2項が0となり、注目画素の値は、同じ値に維持される。この結果、第1種の画素の値のみが変更され、第2種の画素の値が変更されないので、上記実施例と同じ結果を得ることができる。後述する第2〜第5実施例についても同様である。
B.第2実施例:
図7は、第2実施例の画素値変更処理のフローチャートである。図7では、図5と同一のステップには、同一の符号が付され、図5と異なるステップには、符号の末尾に「b」が付されている。図7のフローチャートでは、S335bが追加されている。第2実施例の画素値変更処理を除いた処理および構成は、第1実施例と同じである。
具体的には、S330にて、周辺範囲CA2内に1個も黒色画素がない場合には(S330:NO)、S335bにて、CPU210は、注目画素TP2を含む周辺範囲CA2(図5)内に、特定色画素が含まれるか否かを判断する。特定色画素は、黒色とは異なる特定色、例えば、赤、緑、青の原色の画素である。本実施例の特定色画素は、原色範囲内のRGB値を有する画素である。原色範囲は、例えば、赤、緑、青を示す所定の範囲であり、RGB値の1個の成分値が基準値以上であり、かつ、他の2個の成分値のそれぞれが基準値以下である範囲である。本実施例では、例えば、赤を示す範囲は、(R、G、B)=(255、0、0)を少なくとも含む範囲であり、具体的には、245≦R≦255、かつ、0≦G≦10、かつ、0≦B≦10を満たす範囲である。同様に、緑を示す範囲は、245≦G≦255、かつ、0≦R≦10、かつ、0≦B≦10を満たす範囲であり、青を示す範囲は、245≦B≦255、かつ、0≦R≦10、かつ、0≦G≦10を満たす範囲である。
CPU210は、周辺範囲CA2内に1個も特定色画素がない場合には(S335b:NO)、S340に処理を進め、周辺範囲CA2内に1個以上の特定色画素がある場合には(S335b:YES)、S340を実行せずに、S350に処理を進める。
以上説明した第2実施例によれば、アンシャープマスク処理が実行される第1種の画素は、その画素の周辺範囲CA2内に黒色画素が含まれず(S330:NO)、かつ、周辺範囲CA2内に特定色画素が含まれない(S335b:NO)と判断される画素を含んでいる。そして、アンシャープマスク処理が実行されない第2種の画素は、その画素の周辺範囲CA2内に黒色画素が含まれる(S330:YES)と判断される画素と、周辺範囲CA2内に特定色画素が含まれる(S335b:YES)と判断される画素と、を含んでいる。
仮に、全ての画素に対してアンシャープマスク処理を実行すると、処理済画像TIにおいて、黒色の文字の周囲に限らず、特定色の文字の周囲も過度に明るくなる不具合が発生し得る。例えば、図6の文字TXが赤や緑の原色である場合であっても、文字TXが黒色である場合と同様の理由によって、例えば、文字が比較的薄い地色の領域内に配置された場合には、処理済画像において、近傍領域SAが、過度に明るくされることで白っぽい色に変更され得る。上記第2実施例では、例えば、文字TXが赤や緑の原色である場合であっても、近傍領域SA内の画素に対しては、アンシャープマスク処理が実行されないので、上記の不具合の発生を抑制することができる。この結果、画像の鮮鋭度を高めつつ、アンシャープマスク処理に起因する画質の低下、具体的には、特定色の文字の周囲が過度に明るくなる不具合を抑制できる。
なお、上述したように、第2実施例において、元画像データは、第1実施例と同様に、RGB画像データであり、特定色の画素は、RGB表色系の複数個の成分値のうちの一部の値が最小値であり、かつ、複数個の成分値のうちの他の一部の値が最大値であるRGB値(例えば、(255、0、0))を有する画素を含んでいる。このような表色系の原色を有する文字の周囲は、上記の不具合が発生する可能性が比較的高いからである。これは、原色は、1個の色成分が最大値(例えば、255)の近傍の値であるために、周囲の画素のマスクデータにおいて、その色成分の値を増大させ、その他の2個の色成分が最小値(例えば、0)の近傍の値であるために、周囲の画素のマスクデータにおいて、その2個の色成分の値を低下させ、それにより、最大値近傍の色成分とその他の最小値近傍の色成分の差を増大させやすいからである。
C.第3実施例:
図8は、第3実施例の画素値変更処理のフローチャートである。図8では、図5と同一のステップには、同一の符号が付され、図5と異なるステップには、符号の末尾に「c」が付されている。図8のフローチャートでは、図5のS320、S330に代えて、S320c、S330cが実行される。第3実施例の画素値変更処理を除いた処理および構成は、第1実施例と同じである。
S320cでは、CPU210は、元画像データから、注目画素TP2の周辺範囲CA2内の複数個の画素の輝度値Yを取得する。例えば、CPU210は、周辺範囲CA2内の複数個の画素のそれぞれのRGB値(R、G、B)を用いて、以下の式(4)を用いて、複数個の画素のそれぞれの輝度値Yを算出する。
Y=0.299R+0.587G+0.114B ...(4)
S330cでは、CPU210は、輝度値の差分ΔYが、閾値THy以上であるか否かを判断する。輝度値の差分ΔYは、周辺範囲CA2内の複数個の画素の輝度値Yのうちの最大輝度値Ymaxと、最小輝度値Yminと、の差分である(ΔY=Ymax−Ymin)。輝度値の差分ΔYは、周辺範囲CA2内の画像のコントラストの高さを示す値であるから、S330cの判断は、周辺範囲内の画像のコントラストが基準値以上であるか否かの判断と言うことができる。なお、閾値THyは、例えば、輝度値Yが0〜255の256階調の値を取り得る場合に、50に設定される。
CPU210は、差分ΔYが閾値Thy未満である場合には(S330c:NO)、すなわち、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準値未満である場合には、S340に処理を進める。CPU210は、差分ΔYが閾値Thy以上である場合には(S330c:YES)、すなわち、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準値以上である場合には、S340を実行せずに、S350に処理を進める。
以上説明した第3実施例によれば、元画像OIに含まれる複数個の画素のそれぞれについて、その画素を含む周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準値以上であるか否かが判断され(S330c)、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準値未満であると判断される画素に対してアンシャープマスク処理が実行され(S330c:NO、S340)、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準値以上であると判断される画素に対してアンシャープマスク処理が実行されない(S330:YES)。すなわち、第1実施例とは異なり、本実施例の第1種の画素は、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準値未満である画素であり、本実施例の第2種の画素は、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準値以上である画素である。この結果、アンシャープマスク処理を実行することによって画像の鮮鋭度を高めつつ、アンシャープマスク処理に起因する画質の低下を抑制できる。
より具体的に説明する。上述したように、仮に全ての全ての画素に対してアンシャープマスク処理を実行する場合に発生する文字TXの近傍領域SAが白っぽい色に変更される不具合は、上述したように、比較的薄い色の領域内に、黒や特定色の比較的濃い色の文字TXが配置されている場合に発生し得る。このように、上記不具合が発生する場合には、元画像において文字TXと近傍領域SAとのコントラストが比較的高い場合が多い。本実施例では、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準値以上であると判断される第2種の画素に対してはアンシャープマスク処理を実行しないので、近傍領域SA内の画素に対してはアンシャープマスク処理が実行されない。したがって、上記の文字の近傍領域SAが白っぽい色に変更される不具合の発生を抑制することができる。さらに、黒色や特定色を有する画素であっても、写真などの自然画内の画素、例えば、人物Pの髪の毛を示す画素の周辺範囲CA2内の画像のコントラストは、比較的低い場合が多い。このような場合には、黒色や特定色を有する画素やその周囲の画素であっても、アンシャープマスク処理を実行することによって、自然画内の輪郭などの高周波成分が強調されて、画質が向上する場合も比較的多い。本実施例では、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準値未満であると判断される第1種の画素に対してはアンシャープマスク処理が実行されるので、適切に画像の鮮鋭度を高めて画質を向上することができる。
さらに、上記第3実施例では、一の画素に対応するマスクデータの生成に用いられる複数個の画素が位置する範囲、すなわち、図4の周辺範囲CA1と、当該一の画素について図8のS330cの判断に用いられる周辺範囲CA2と、は同一の範囲である。この結果、アンシャープマスク処理を実行するか否かを適切に判断することができる。すなわち、文字の周囲が過度に明るくなる原因となるマスクデータの各成分値の低下が発生する場合にアンシャープマスク処理を実行せず、マスクデータの各成分値の低下が発生しない場合にアンシャープマスク処理を実行するように、画素ごとに適切に判断することができる。
D.第4実施例:
図9は、第4実施例の画素値変更処理のフローチャートである。図9では、図5と同一のステップには、同一の符号が付され、図5と異なるステップには、符号の末尾に「d」が付されている。図9のフローチャートでは、S332d、S334dが追加されている。第4実施例の画素値変更処理を除いた処理および構成は、第1実施例と同じである。
具体的には、S330にて、周辺範囲CA2内に1個も黒色画素がない場合には(S330:NO)、S332dにて、CPU210は、図8のS320cと同様に、元画像データから、注目画素TP2の周辺範囲CA2内の複数個の画素の輝度値Yを取得する。
S334dでは、CPU210は、図8のS330cと同様に、輝度値の差分ΔYが、閾値THy以上であるか否かを判断する。輝度値の差分ΔYは、上述したように、周辺範囲CA2内の複数個の画素の輝度値Yのうちの最大輝度値Ymaxと、最小輝度値Yminと、の差分である(ΔY=Ymax−Ymin)。
CPU210は、差分ΔYが閾値Thy未満である場合には(S334d:NO)、すなわち、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準値未満である場合には、S340に処理を進める。CPU210は、差分ΔYが閾値Thy以上である場合には(S334d:YES)、すなわち、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準値以上である場合には、S340を実行せずに、S350に処理を進める。
以上説明した第4実施例によれば、アンシャープマスク処理が実行される第1種の画素は、その画素の周辺範囲CA2内に黒色画素が含まれず(S330:NO)、かつ、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準値未満である(S334d:NO)と判断される画素を含んでいる。そして、アンシャープマスク処理が実行されない第2種の画素は、その画素の周辺範囲CA2内に黒色画素が含まれる(S330:YES)と判断される画素と、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準値以上である(S334d:YES)と判断される画素と、を含んでいる。
仮に、全ての画素に対してアンシャープマスク処理を実行すると、処理済画像TIにおいて、黒色の文字の周囲に限らず、上述したように、他の色の文字の周囲も過度に明るくなる不具合が発生し得る。このような不具合が生じる場合は、上述したように、元画像において文字TXと近傍領域SAとのコントラストが比較的高い場合が多い。本実施例では、文字TXが黒とは異なる色である場合であっても、当該文字TXと近傍領域SAとのコントラストが基準値以上である場合には、近傍領域SA内の画素に対してアンシャープマスク処理が実行されない。この結果、黒の文字の近傍領域だけでなく、他の色の文字の近傍領域においても上記不具合の発生を抑制することができる。
E.第5実施例:
図10は、第5実施例の画素値変更処理のフローチャートである。図9では、図5と同一のステップには、同一の符号が付され、図5と異なるステップには、符号の末尾に「e」が付されている。図10のフローチャートでは、S332e、S334eが追加されている。第5実施例の画素値変更処理を除いた処理および構成は、第1実施例と同じである。
具体的には、S330にて、周辺範囲CA2内に1個以上の黒色画素がある場合には(S330:YES)、S332eにて、CPU210は、図8のS320cと同様に、元画像データから、注目画素TP2の周辺範囲CA2内の複数個の画素の輝度値Yを取得する。
S334eでは、CPU210は、図8のS330cと同様に、輝度値の差分ΔYが、閾値THy以上であるか否かを判断する。輝度値の差分ΔYは、上述したように、周辺範囲CA2内の複数個の画素の輝度値Yのうちの最大輝度値Ymaxと、最小輝度値Yminと、の差分である(ΔY=Ymax−Ymin)。
CPU210は、差分ΔYが閾値Thy未満である場合には(S334e:NO)、すなわち、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準値未満である場合には、S340に処理を進める。CPU210は、差分ΔYが閾値Thy以上である場合には(S334d:YES)、すなわち、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準値以上である場合には、S340を実行せずに、S350に処理を進める。
以上説明した第5実施例によれば、アンシャープマスク処理が実行される第1種の画素は、その画素の周辺範囲CA2内に黒色画素が含まれない(S330:NO)と判断される画素と、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準値未満である(S334e:NO)と判断される画素と、を含んでいる。そして、アンシャープマスク処理が実行されない第2種の画素は、その画素の周辺範囲CA2内に黒色画素が含まれ(S330:YES)、かつ、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準値以上である(S334e:YES)と判断される画素を含む。
上述したように、黒色の文字TXは、読みやすさのために比較的薄い色の領域内に配置されることが多いので、黒色の文字TXと近傍領域SAとのコントラストは比較的高い場合が多い。そして、このような場合に、文字TXの近傍領域SAが白っぽい色に変更される不具合が起こりやすい。また、上述したように、黒色を有する画素であっても、写真などの自然画内の画素の周辺範囲内の画像のコントラストは、比較的低い場合が多い。そして、このような自然画内の画素は、黒色を有する画素であっても、アンシャープマスク処理を実行した場合に、周囲が過度に明るくなる不具合が発生しにくく、むしろ画質が向上するメリットが大きい。本実施例では、文字TXの近傍領域SAに対してアンシャープマスク処理が実行されることを抑制しつつ、周囲が過度に明るくなる不具合が発生しにくい画素については、アンシャープマスク処理の対象とされる。この結果、周囲が過度に明るくなる不具合の発生を抑制しつつ、画像の鮮鋭度を適切に向上させることができる。
C.変形例:
(1)上記第1実施例の黒色範囲は、R値、G値、B値のそれぞれが基準値以下である範囲、具体的には、0≦R≦10、かつ、0≦G≦10、かつ、0≦B≦10を満たす範囲である。これに代えて、黒色範囲は、輝度値Yが、所定の基準値(例えば、輝度値Yが0〜255の256階調の値を取り得る場合に、10以下である範囲であっても良い。第2、第4、第5実施例についても同様である。
(2)上記第2実施例の特定色画素は、赤、緑、青の原色の画素であるが、これに代えて、他の特定色の画素であっても良い。例えば、特定色画素は、シアン、マゼンタ、イエロの原色を有する画素を含んでも良い。具体的には、特定色画素は、0≦R≦10、かつ、245≦G≦255、かつ、245≦B≦255を満たす範囲のRGB値を有する画素や、245≦R≦255、かつ、0≦G≦10、かつ、245≦B≦255を満たす範囲のRGB値を有する画素や、245≦R≦255、かつ、245≦G≦255、かつ、0≦B≦245を満たす範囲のRGB値を有する画素を含んでも良い。また、元画像データは、他の表色系、例えば、CMY表色系の色値であっても良い。いずれの表色系が用いられる場合であっても、特定色の画素は、当該表色系の複数個の成分値のうちの一部の値が最小値であり、かつ、複数個の成分値のうちの他の一部の値が最大値である当該表色系の色値を有する画素を含むことが好ましい。
(3)上記第3〜第5実施例では、注目画素TP2を含む周辺範囲CA2内の最大輝度値Ymaxと最小輝度値Yminとの差分ΔYが閾値THy以上である場合に、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準以上であると判断される。これに代えて、注目画素TP2との輝度値Yの差が所定の閾値以上である画素が、周辺範囲CA2内に1個以上含まれる場合に、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準以上であると判断されても良い。
(4)上記第1実施例では、一の画素に対応するマスクデータの生成に用いられる複数個の画素が位置する範囲、すなわち、図4の周辺範囲CA1と、当該一の画素についてS330の判断に用いられる範囲、すなわち、図5の周辺範囲CA2と、は同一の範囲である。これに代えて、図4の周辺範囲CA1と、図4の周辺範囲CA2とは、異なるサイズの範囲であっても良い。例えば、周辺範囲CA1は、縦9画素×横9画素の範囲であり、周辺範囲CA2は、縦11画素×横11画素の範囲であっても良い。
(5)上記第1〜第5実施例のうちの2個以上の実施例が適宜に組み合わせられても良い。第2実施例の画素値変更処理と第4実施例の画素値変更処理とが組み合わせられても良い。この場合には、例えば、アンシャープマスク処理が実行される第1種の画素は、その画素の周辺範囲CA2内に黒色画素が含まれず、かつ、周辺範囲CA2内に特定色画素が含まれず、かつ、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準値未満であると判断される画素であっても良い。そして、アンシャープマスク処理が実行されない第2種の画素は、その画素の周辺範囲CA2内に黒色画素が含まれると判断される画素と、周辺範囲CA2内に特定色画素が含まれると判断される画素と、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが基準値以上であると判断される画素と、であってもよい。また、第4実施例の画素値変更処理と第5実施例の画素値変更処理とが組み合わせられても良い。この場合には、例えば、アンシャープマスク処理が実行される第1種の画素は、その画素の周辺範囲CA2内に黒色画素が含まれず、かつ、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが第1の基準値未満である(例えば、上述の差分ΔYが60未満である画素)と判断される画素と、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが第2の基準値未満である(例えば、上述の差分ΔYが30未満である画素)と判断される画素と、であっても良い。そして、アンシャープマスク処理が実行されない第2種の画素は、その画素の周辺範囲CA2内に黒色画素が含まれ、かつ、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが第2の基準値以上である画素と、周辺範囲CA2内の画像のコントラストが第1の基準値以上であると判断される画素と、であっても良い。
(6)上記各実施例では、図2のS40にて生成された処理済画像データの出力は、該処理済画像データを用いて複合機100を制御して(すなわち、印刷ジョブを生成して該印刷ジョブを複合機100に送信して)、処理済画像TIを複合機100に印刷させる形態で実現される。これに代えて、S40にて生成された処理済画像データの出力は、該処理済画像データを不揮発性記憶装置220に出力して、該処理済画像データを不揮発性記憶装置220に保存することであっても良いし、該処理済画像データを他の装置、例えば、保存サーバや他の端末装置に送信することであっても良い。
(7)アンシャープマスク処理で調整される色成分は、RGBの3個の色成分に代えて、他の種々の色成分を採用可能である。例えば、輝度成分を採用してもよい。CPU210は、例えば、元画像データとして、YCbCr色空間の色値を表すデータを生成し、そして、Y成分の色値(すなわち、輝度値)をアンシャープマスク処理で調整してもよい。
(8)図2の印刷処理を実行する画像処理装置としての計算機200は、パーソナルコンピュータとは異なる種類の装置、例えば、複合機100、デジタルカメラ、スキャナ、スマートフォンであってもよい。複合機100が図2の印刷処理を実行する場合には、処理済画像データを用いる印刷は、例えば、複合機100のプリンタ部130を用いて実行される。また、図2の印刷処理を実行する画像処理装置は、例えば、ユーザの端末や複合機100から元画像データを取得して画像処理を実行するサーバであっても良い。このようなサーバは、ネットワークを介して互いに通信可能な複数個の計算機が、画像処理装置としての機能を一部ずつ分担して、全体として、一の画像処理の機能を実現してもよい。この場合には、ネットワークを介して互いに通信可能な複数個の計算機の全体が、画像処理装置に対応する。
(9)上記各実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部あるいは全部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。例えば、図1の計算機200のCPU210が実行している処理の一部は、専用のハードウェア回路によって実現されてもよい。
以上、実施例、変形例に基づき本発明について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれる。
100...複合機、110...制御部、110...CPU、120...スキャナ部、130...プリンタ部、200...計算機、210...CPU、220...不揮発性記憶装置、230...揮発性記憶装置、231...バッファ領域、260...操作部、270...表示部、280...通信部

Claims (10)

  1. 元画像を表す元画像データを取得する取得部と、
    前記元画像に含まれる複数個の画素のそれぞれについて、その画素を含む周辺範囲内に黒色の画素が含まれるか否かを判断する判断部と、
    前記元画像内の複数個の画素のうち、前記周辺範囲内に前記黒色の画素が含まれないと判断される画素を含む第1種の画素に対してアンシャープマスク処理を実行し、前記周辺範囲内に前記黒色の画素が含まれると判断される画素を含む第2種の画素に対して前記アンシャープマスク処理を実行しない鮮鋭処理部と、
    を備える、画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置であって、
    前記元画像データは、複数個の色成分の階調値を含む特定の表色系の色値で画素ごとの色を表す画像データであり、
    前記判断部は、さらに、前記周辺範囲内に黒色とは異なる特定色の画素が含まれるか否かを判断し、
    前記特定色の画素は、前記複数個の色成分の階調値のうちの一部の値が最小値であり、かつ、前記複数個の色成分の階調値のうちの他の一部の値が最大値である前記特定の表色系の色値を有する画素を含み、
    前記アンシャープマスク処理が実行される前記第1種の画素は、前記周辺範囲内に前記黒色の画素が含まれず、かつ、前記周辺範囲内に前記特定色の画素が含まれないと判断される画素を含み、
    前記アンシャープマスク処理が実行されない前記第2種の画素は、前記周辺範囲内に前記黒色の画素が含まれると判断される画素と、前記周辺範囲内に前記特定色の画素が含まれると判断される画素と、を含む、画像処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の画像処理装置であって、
    前記判断部は、さらに、前記周辺範囲内の画像のコントラストが基準値以上であるか否かを判断し、
    前記アンシャープマスク処理が実行される前記第1種の画素は、前記周辺範囲内に前記黒色の画素が含まれず、かつ、前記周辺範囲内の画像のコントラストが前記基準値未満であると判断される画素を含み、
    前記アンシャープマスク処理が実行されない前記第2種の画素は、前記周辺範囲内に前記黒色の画素が含まれると判断される画素と、前記周辺範囲内の画像のコントラストが前記基準値以上であると判断される画素と、を含む、画像処理装置。
  4. 請求項1または請求項2に記載の画像処理装置であって、
    前記判断部は、さらに、前記周辺範囲内の画像のコントラストが基準値以上であるか否かを判断し、
    前記アンシャープマスク処理が実行される前記第1種の画素は、前記周辺範囲内に前記黒色の画素が含まれないと判断される画素と、前記周辺範囲内の画像のコントラストが前記基準値未満であると判断される画素と、を含み、
    前記アンシャープマスク処理が実行されない前記第2種の画素は、前記周辺範囲内に前記黒色の画素が含まれ、かつ、前記周辺範囲内の画像のコントラストが前記基準値以上であると判断される画素を含む、画像処理装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記第1種の画素に対して実行されるアンシャープマスク処理は、少なくとも前記第1種の画素のそれぞれについて前記元画像内の複数個の画素を用いてマスクデータを生成する処理と、前記第1種の画素のそれぞれの値を、対応する前記マスクデータを用いて変更する処理と、を含み、
    一の画素に対応する前記マスクデータの生成に用いられる複数個の画素が位置する範囲と、前記一の画素について前記判断部による判断に用いられる前記周辺範囲と、は同一の範囲である、画像処理装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の画像処理装置であって、
    前記鮮鋭処理部は、前記元画像内の前記第1種の画素と前記第2種の画素とを含む複数個の画素について前記元画像内の複数個の画素を用いてマスクデータを生成し、前記第1種の画素の値を対応する前記マスクデータを用いて変更し、前記第2種の画素の値を変更しない、画像処理装置。
  7. 元画像を表す元画像データを取得する取得部と、
    前記元画像に含まれる複数個の画素のそれぞれについて、その画素を含む周辺範囲内のコントラストが基準値以上であるか否かを判断する判断部と、
    前記元画像内の複数個の画素のうち、前記周辺範囲内の画像のコントラストが基準値未満であると判断される画素を含む第1種の画素に対してアンシャープマスク処理を実行し、前記周辺範囲内の画像のコントラストが基準値以上であると判断される画素を含む第2種の画素に対して前記アンシャープマスク処理を実行しない鮮鋭処理部と、
    を備える、画像処理装置。
  8. 請求項7に記載の画像処理装置であって、
    前記第1種の画素に対して実行されるアンシャープマスク処理は、少なくとも前記第1種の画素のそれぞれについて前記元画像内の複数個の画素を用いてマスクデータを生成する処理と、前記第1種の画素のそれぞれの値を、対応する前記マスクデータを用いて変更する処理と、を含み、
    一の画素に対応する前記マスクデータの生成に用いられる複数個の画素が位置する範囲と、前記一の画像について前記判断部による判断に用いられる前記周辺範囲と、は同一の範囲である、画像処理装置。
  9. 元画像を表す元画像データを取得する取得機能と、
    前記元画像に含まれる複数個の画素のそれぞれについて、その画素を含む周辺範囲内に黒色の画素が含まれるか否かを判断する判断機能と、
    前記元画像内の複数個の画素のうち、前記周辺範囲内に前記黒色の画素が含まれないと判断される画素を含む第1種の画素に対してアンシャープマスク処理を実行し、前記周辺範囲内に前記黒色の画素が含まれると判断される画素を含む第2種の画素に対して前記アンシャープマスク処理を実行しない鮮鋭処理機能と、
    をコンピュータに実現させる、コンピュータプログラム。
  10. 元画像を表す元画像データを取得する取得機能と、
    前記元画像に含まれる複数個の画素のそれぞれについて、その画素を含む周辺範囲内のコントラストが基準値以上であるか否かを判断する判断機能と、
    前記元画像内の複数個の画素のうち、前記周辺範囲内の画像のコントラストが基準値未満であると判断される画素を含む第1種の画素に対してアンシャープマスク処理を実行し、前記周辺範囲内の画像のコントラストが基準値以上であると判断される画素を含む第2種の画素に対して前記アンシャープマスク処理を実行しない鮮鋭処理機能と、
    をコンピュータに実現させる、コンピュータプログラム。
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