JP6417510B2 - 弾球遊技機 - Google Patents

Description

本発明は、弾球遊技機に関する。

近年、通常アタッカーと特定領域を備えるＶアタッカーの２種類の大入賞口を設け、大当り遊技の最終ラウンドでＶアタッカーを開放し、Ｖアタッカーに入賞した遊技球が特定領域に進入すると、大当り遊技後に確変状態に移行する弾球遊技機が知られている（例えば、特許文献１）。

このような弾球遊技機に改変を加え、１つのＶアタッカーのみ、又は、２つのＶアタッカーを備える構成とすることも考えられる。このような場合には、大当り遊技における特定ラウンドのみで特定領域への進入を可能にし、他のラウンドでは特定領域への進入を不可能にすることが考えられる。

また、このような弾球遊技機において、Ｖアタッカーに入球した遊技球を例えばクルーンに誘導し、該クルーンにて遊技球の進路を特定領域と他の領域に振り分けることで、遊技者を楽しませることも考えられる。

特開２０１２−２４５１７３号公報

しかしながら、上述したクルーンを備える場合には、ラウンド終了後も遊技球が大入賞口内部に残存する可能性がある。そして、特定ラウンドの開始時にこのような残存球が生じていると、特定ラウンド中に残存球が特定領域に進入したり、残存球が新たに入賞した遊技球の挙動に影響を与えたりする可能性がある。その結果、特定ラウンドで遊技球が特定領域に進入する確率が、設計値と相違してしまう恐れがある。

ここで、各ラウンドのインターバルを十分に確保すれば残存球が生じなくなると考えられるが、これにより大当り遊技が間延びし、遊技の興趣が低下する恐れがある。
本発明は、大当り遊技の間延びを抑えつつ、残存球による悪影響が生じないようにすることを目的とする。

上記課題に鑑みてなされた請求項１に係る発明は、始動口への入球に起因して当否判定を行う当否判定手段と、当否判定で当りと判定されると、通常ラウンドと特定ラウンドとから構成され、それぞれのラウンドで大入賞口を開放する大当り遊技を実行する大当り遊技手段と、大入賞口に入球した後、振分領域に到達した遊技球の進路を特典領域とハズレ領域のうちのいずれかに振り分け、該遊技球を特典領域又はハズレ領域に進入させる振分手段と、大当り遊技中、通常ラウンドでは、大入賞口に入球した遊技球を全て排出領域に進入させ、特定ラウンドでは、該遊技球を全て振分領域に進入させるか、又は、該遊技球を振分領域と排出領域のいずれかに進入させる規制手段と、大入賞口に入球した後、特典領域と、ハズレ領域と、排出領域とのうちのいずれにも進入していない遊技球である残存球を検出する検出手段と、遊技球が特典領域に進入したことに起因して、大当り遊技の終了後に遊技者に特典を付与する付与手段と、を備え、大当り遊技手段は、大当り遊技中、特定ラウンドの次のラウンドとして、特定ラウンドを行うことは無く、予め定められたタイミングでラウンドを開始すると共に、特定ラウンドの開始タイミングが到来した際、検出手段により残存球が検出されている場合には、検出手段により該残存球が検出されなくなった後に特定ラウンドを開始すること、を特徴とする弾球遊技機に関するものである。

このような構成によれば、特定ラウンドの開始時に残存球が存在する場合を除きラウンドの開始が遅延されないため、大当り遊技の間延びを防止できる。
また、通常ラウンドでは遊技球が特典領域に進入することは無く、通常ラウンドのみが連続して行われている状況下では、残存球が特典領域に進入することも無い。一方、特定ラウンドの開始時に残存球が存在すると、該特定ラウンドが遅延し、残存球が無くなった後に該特定ラウンドが開始される。

このため、通常ラウンドで入球した遊技球が残存球となっても、該残存球が後のラウンドで特典領域に進入することや、後の特定ラウンドで大入賞口に入球した他の遊技球の挙動に影響を与えることは無い。したがって、特定ラウンドで大入賞口に入球した遊技球のみを所定の確率で特典領域に進入させることができ、設計時に意図した確率で遊技者に特典を付与することができる。

さらに、特定ラウンドは連続して発生しないため、特定ラウンドの直前のラウンドは必ず通常ラウンドになる。このため、特定ラウンドの開始時に残存球が生じている可能性は低くなり、特定ラウンドが遅延するのを抑制することができる。

したがって、大当り遊技の間延びを抑えつつ、残存球による悪影響が生じないようにすることができる。
また、請求項２に係る発明は、始動口への入球に起因して当否判定を行う当否判定手段と、当否判定で当りと判定されると、通常ラウンドと特定ラウンドとから構成され、それぞれのラウンドで第１大入賞口又は第２大入賞口を開放する大当り遊技を実行する大当り遊技手段と、第１大入賞口又は第２大入賞口に入球した後、振分領域に到達した遊技球の進路を特典領域とハズレ領域のうちのいずれかに振り分け、該遊技球を特典領域又はハズレ領域に進入させる振分手段と、大当り遊技中、通常ラウンドでは、第１大入賞口又は第２大入賞口に入球した遊技球を全て排出領域に進入させ、特定ラウンドでは、該遊技球を全て振分領域に進入させるか、又は、該遊技球を振分領域と排出領域のいずれかに進入させる規制手段と、第１大入賞口又は第２大入賞口に入球した後、特典領域と、ハズレ領域と、排出領域とのうちのいずれにも進入していない遊技球である残存球を検出する検出手段と、遊技球が特典領域に進入したことに起因して、大当り遊技の終了後に遊技者に特典を付与する付与手段と、を備え、大当り遊技手段は、大当り遊技中、特定ラウンドの次のラウンドとして、特定ラウンドを行うことは無く、予め定められたタイミングでラウンドを開始すると共に、特定ラウンドの開始タイミングが到来した際、検出手段により残存球が検出されている場合には、検出手段により該残存球が検出されなくなった後に特定ラウンドを開始すること、を特徴とする弾球遊技機に関するものである。

このような構成によれば、特定ラウンドの開始時に残存球が存在する場合を除きラウンドの開始が遅延されないため、大当り遊技の間延びを防止できる。
また、通常ラウンドでは遊技球が特典領域に進入することは無く、通常ラウンドのみが連続して行われている状況下では、残存球が特典領域に進入することも無い。一方、特定ラウンドの開始時に残存球が存在すると、該特定ラウンドが遅延し、残存球が無くなった後に該特定ラウンドが開始される。

このため、通常ラウンドで入球した遊技球が残存球となっても、該残存球が後のラウンドで特典領域に進入することや、後の特定ラウンドで大入賞口に入球した他の遊技球の挙動に影響を与えることは無い。したがって、特定ラウンドで大入賞口に入球した遊技球のみを所定の確率で特典領域に進入させることができ、設計時に意図した確率で遊技者に特典を付与することができる。

さらに、特定ラウンドは連続して発生しないため、特定ラウンドの直前のラウンドは必ず通常ラウンドになる。このため、特定ラウンドの開始時に残存球が生じている可能性は低くなり、特定ラウンドが遅延するのを抑制することができる。

したがって、大当り遊技の間延びを抑えつつ、残存球による悪影響が生じないようにすることができる。
なお、請求項３に記載されているように、検出手段は、さらに、残存球が、特定ラウンドで大入賞口に入球したか否かと、第１大入賞口と第２大入賞口とのうちのどちらに入球したかを判定し、大当り遊技手段は、特定ラウンドの開始タイミングが到来した際、検出手段により、当該特定ラウンドのよりも先に行われた特定ラウンドで、該特定ラウンドで開放される大入賞口と同じ大入賞口に入球した残存球が検出されている場合には、検出手段により該残存球が検出されなくなった後に当該特定ラウンドを開始しても良い。

２つの大入賞口が設けられている場合、特定ラウンドの開始時に、当該特定ラウンドで開放される大入賞口とは異なる大入賞口で残存球が生じている場合には、当該特定ラウンドで該残存球による悪影響を抑えることが可能となる。また、通常ラウンドで残存球が生じたとしても、該残存球は振分領域には進入しないため、特定ラウンドにて該残存球による悪影響が生じる可能性は低い。

これに対し、請求項３に記載の発明によれば、特定ラウンドの開始時に残存球が生じていても、該残存球が、当該特定ラウンドで開放される大入賞口と異なる大入賞口で生じている場合や、先に行われた通常ラウンドで生じたものである場合には、当該特定ラウンドは遅延されることは無い。このため、必要以上に特定ラウンドの開始が遅延されることは無く、大当り遊技の間延びを防止することができる。

また、請求項４に記載されているように、特典領域は、第１大入賞口に入球した後、振分領域に到達した遊技球と、第２大入賞口に入球した後、振分領域に到達した遊技球の双方が到達可能な領域として構成されていても良い。

こうすることにより、弾球遊技機の構成を簡略化し、コストを低減させることができる。
また、請求項５に記載されているように、振分手段が第１大入賞口に入球した遊技球を特典領域に振り分ける確率と、第２大入賞口に入球した遊技球を特典領域に振り分ける確率とは、異なっていても良い。

こうすることにより、第１大入賞口に入球した場合と、第２大入賞口に入球した場合とでは、特典が付与される確率が相違する。このため、遊技者は、大当り遊技中、特典が付与される確率の異なる２種類の振り分けを楽しむことができる。また、例えば、各大入賞口の開放時間を調整すること等により、特典が付与される確率の異なる２種類の大当り遊技を設けることができる。

また、請求項６に記載されているように、大当り遊技手段は、ラウンドにて、大入賞口を、該大入賞口への入球が容易となる程度の長期間にわたり開放するロングと、該大入賞口への入球が困難又は不可能となる程度の短期間にわたり開放するショートとのうちのいずれか一方の態様で開放しても良い。

こうすることにより、大当り遊技で付与される賞球数を調整することや、特定ラウンドをロングとショートのどちらにするかにより、大当り遊技で特典が付与される確率を調整することができる。このため、遊技者に与えられる利益を、より柔軟に調整することが可能となる。

第１実施形態におけるパチンコ機の正面図である。 第１実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 第１実施形態における大入賞口の構成を示す説明図である。 第１実施形態におけるパチンコ機の裏面図である。 第１実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第１実施形態におけるメインルーチンについてのフローチャートである。 第１実施形態における始動口入賞確認処理についてのフローチャートである。 第１実施形態における当否判定処理についてのフローチャートである。 第１実施形態における当否判定処理についてのフローチャートである。 第１実施形態における当否判定処理についてのフローチャートである。 第１実施形態における当否判定処理についてのフローチャートである。 第１実施形態における大当り遊技処理についてのフローチャートである。 第１実施形態における大当り遊技処理についてのフローチャートである。 第１実施形態における大当り遊技処理についてのフローチャートである。 第１実施形態における大当り遊技処理についてのフローチャートである。 第２実施形態におけるパチンコ機の遊技盤の正面図である。 第２実施形態における第１，第２大入賞口の構成を示す説明図である。 第２実施形態におけるパチンコ機の電気的構成を示すブロック図である。 第２実施形態における大当り遊技処理についてのフローチャートである。 第２実施形態における大当り遊技処理についてのフローチャートである。 第２実施形態における大当り遊技処理についてのフローチャートである。 第２実施形態における大当り遊技処理についてのフローチャートである。 第２実施形態の変形例における第１大入賞口の構成を示す説明図である。 第２実施形態の変形例における第２大入賞口の構成を示す説明図である。

以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。

［第１実施形態］
［構成の説明］
（１）全体の構成について
図１に示すように、第１実施形態のパチンコ機５０は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠５１にて各構成を保持する構造を有している。外枠５１の左側上下にはヒンジ５３が設けられており、ヒンジ５３により、板ガラス６１が嵌め込まれた前枠（ガラス枠）５２及び後述の内枠が、外枠５１に対し開閉可能に保持される。また、前枠５２の板ガラス６１の奥には、内枠に保持された遊技盤１（図２）が設けられている。

前枠５２の上部の左右両側にはスピーカ６６が設置されており、これらにより遊技音が出力され、遊技の趣向性を向上させる。また、前枠５２には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ６５のほか、遊技の異常を報知するＬＥＤが設けられている。

前枠５２の下部には、上皿５５と下皿６３とが一体に形成されている。また、下皿６３の右側には発射ハンドル６４が設けられており、該発射ハンドル６４を時計回りに操作することにより発射装置が作動し、上皿５５から供給された遊技球が遊技盤１に向けて発射される。

下皿６３は、上皿５５から溢れた賞球を受けるよう構成されており、球抜きレバーを操作することで、下皿６３に溜まった遊技球を遊技店に備えられたドル箱に移すことができる。また、上皿５５の中央には、遊技ＳＷ６７とジョグダイヤル６８が設けられている。

本パチンコ機５０は、いわゆるＣＲ機であり、プリペイドカードの読み書きを行うプリペイドカードユニット（ＣＲユニット）５６が付属されていると共に、上皿５５の右側には球貸ボタン５７，精算ボタン５８，精算表示装置５９が設けられている。

なお、図１の４９は、前枠５２及び前記内枠を外枠５１にロックするシリンダ錠であり、該シリンダ錠４９に所定の鍵を挿入して鍵を時計回りに操作すると、内枠が開放され、反時計回りに操作すると、前枠５２が開放される。

また、図２に示すように、遊技盤１には、外レール２ａと内レール２ｂとによって囲まれた略円形の遊技領域３が形成されている。遊技領域３には、その中央部にセンターケース５が装着され、センターケース５に向かって右横には、普通図柄作動ゲート２２が設置されている。普通図柄作動ゲート２２を遊技球が通過すると、普通図柄の当否抽選用の複数種類の乱数が抽出され、抽出された乱数に基づく当否判定（普通図柄抽選）が行われる。

センターケース５の直下には、遊技球の入球に起因して第１特別図柄（第１特図或いは特図１とも記載）の変動表示を伴う大当り抽選（当否判定）が行われる第１始動口１１が設置されている。また、センターケース５の右横であって、普通図柄作動ゲート２２の下方には、遊技球の入球に起因して第２特別図柄（第２特図或いは特図２とも記載）の変動表示を伴う大当り抽選が行われる第２始動口１２が設置されている。

第１始動口１１は、左打ち（センターケース５の左側を狙い打つこと）により発射された遊技球が主に流下する領域（左打ち領域）に配置されていると共に、第２始動口１２は、右打ち（センターケース５の右側を狙い打つこと）により発射された遊技球が主に流下する領域（右打ち領域）に配置されている。

このため、左打ちを行うことで第１始動口１１を狙い打つことができると共に、右打ちを行うことで第２始動口１２を狙い打つことができる。
なお、第１始動口１１を右打ち領域に配置しても良いし、第２始動口１２を左打ち領域に配置しても良い。

第１始動口１１は、常時遊技球が入球可能に構成されているが、第２始動口１２は、普通図柄抽選での当選により開放される普通電動役物として構成されており、開放時のみ入球可能となっている。なお、閉鎖時であっても、稀に入球可能な構成としても良い。

第１始動口１１に遊技球が入球すると、第１特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第１保留記憶として記憶されると共に、第２始動口１２に遊技球が入球すると、第２特図に対応する複数種類の乱数が抽出され、第２保留記憶として記憶される。

普通電動役物として構成された第２始動口１２は、普通図柄抽選での当選時に、所定時間の開放が行われる。
また、センターケース５の下方においては、第１始動口１１の右方に、大当り抽選で当ると行われる大当り遊技の際に開放される特別電動役物である大入賞口２０が設けられている。なお、大入賞口２０は右打ち領域に配されているが、これに限定されることは無く、左打ち領域に配されていても良い。

また、大入賞口２０の下方の遊技盤１の内部には、大入賞口２０に入賞した遊技球が入球可能な確変口１３が設けられている（詳細は後述する）。
遊技盤１における向かって左側の領域には、７セグメントの第１特図表示装置９及び第２特図表示装置１０と、４個のＬＥＤからなる第１特図保留数表示装置２３及び第２特図保留数表示装置２４が設けられている。また、遊技盤１における向かって右下の領域には、２個のＬＥＤからなる普通図柄表示装置７と、４個のＬＥＤからなる普図保留数表示装置８が設置されている。

図２に示す遊技盤１のセンターケース５には、中央に演出図柄表示装置６（全体の図示は省略）のＬＣＤパネルが配設され、ＬＣＤパネルの画面上では、演出図柄の変動表示等を行うことで、第１，第２特図に対応する大当り抽選の結果を報知する図柄演出が行われる。

また、センターケース５には、周知のものと同様にワープ入口、ワープ樋、ステージ等が設けられている。
また、第１始動口１１の左方には３つの一般入賞口２７が、第１始動口１１の右方には１つの一般入賞口２７が配置されている。

なお、遊技盤１の遊技領域３には多数の遊技釘が植設されており、盤面最下部にはアウト口が設けられている。
次に、確変口１３が配置された部分の構成について説明する。なお、詳細は後述するが、大当り遊技中に確変口１３に入球すると、大当り遊技後に特典（確変や時短）が付与される。

大入賞口２０の下方の遊技盤１の内部には、２つのハズレ口１４ａ，１４ｂと、１つの確変口１３が設けられたクルーン１４が設けられていると共に、大入賞口２０に入賞した遊技球をクルーン１４に誘導する確変口通路１６ｂが設けられている。また、大入賞口２０の底部には、確変口通路１６ｂの入口（開閉口）を開閉するシャッター１５が設けられている（図３参照）。

また、大入賞口２０の左下の遊技盤１の内部には、排出口１６ｄが設けられていると共に、大入賞口２０に入賞した遊技球を排出口１６ｄに誘導する排出口通路１６ｃが設けられている。

また、大入賞口２０の右側部には、大入賞口２０への入賞口が設けられていると共に、該入賞口を開閉する開閉部材１６ａが設けられている。
そして、シャッター１５により確変口通路１６ｂが閉鎖されている場合には、大入賞口２０に入賞した遊技球は全て排出口通路１６ｃに進入し、排出口１６ｄに誘導される。これに対し、確変口通路１６ｂが開放されている場合には、大入賞口２０に入賞した遊技球は、確変口通路１６ｂ又は排出口通路１６ｃに進入し、排出口１６ｄに誘導されるか、クルーン１４に誘導される。なお、確変口通路１６ｂが開放されている場合には、例えば、排出口通路１６ｃを閉鎖する等して、大入賞口２０に入賞した遊技球が全てクルーン１４に誘導されるようにしても良い。

クルーン１４に誘導された遊技球は、確変口１３とハズレ口１４ａ，１４ｂのうちのいずれかに入球する。なお、クルーン１４に到達した遊技球は、例えば１／３の確率で確変口１３に入球するようにしても良い。

なお、遊技領域３における上述したクルーン１４や確変口通路１６ｂ等が配された部分を透明な部材により構成し、遊技者がこれらを視認可能にしても良い。また、これとは反対に、遊技領域３における当該部分を不透明な部材により構成し、遊技者がこれらを視認不可能にしても良い。

視認可能とすれば、遊技者は実際の遊技球の挙動を見て特典が付与されるか把握できるため、遊技球の動きで遊技者を楽しませることができる。一方、視認不可能にすれば、確変口に入球したか否かを示唆したり報知したりするタイミングを複数設けることができ、また、示唆や報知を行うための演出時間を十分に確保することができ、演出力を高めることができる。

また、ハーフミラーを用いて、普段は視認不可だが、大入賞口に遊技球が入賞すると当該部分を視認可能にしたり、反対に、大入賞口に遊技球が入賞すると当該部分を視認不可能にしたりすることも考えられる。

また、図４に示すように、パチンコ機５０の裏側は、遊技盤１を脱着可能に取付ける内枠７０が外枠５１に収納された構成となっている。内枠７０は、前枠５２と同様、一方の側縁（図４に向かって右側）の上下位置が外枠５１に設けられたヒンジ５３に結合され、開閉可能に設置されている。内枠７０には、遊技球流下通路が形成されており、上方（上流）から球タンク７１，タンクレール７２，払出ユニット７３が設けられ、払出ユニット７３の中には払出装置が設けられている。この構成により、遊技盤１の入賞口に遊技球が入賞すると、球タンク７１に貯留されている所定個数の遊技球（賞球）が払出装置から払い出され、流下通路を通り上皿５５に払い出される。また、第１実施形態では、払出装置は、球貸ボタン５７の操作に応じて遊技球（貸球）を払い出すよう構成されている。

また、パチンコ機５０の裏側には、主制御装置８０，払出制御装置８１，演出図柄制御装置８２，サブ統合制御装置８３，発射制御装置，電源基板８５が設けられている。主制御装置８０，演出図柄制御装置８２，サブ統合制御装置８３は、遊技盤１に設けられ、払出制御装置８１，発射制御装置，電源基板８５は、内枠７０に設けられている。なお、図４では発射制御装置が記載されていないが、発射制御装置は、払出制御装置８１の奥側（遊技盤１側）に配されている。

また、球タンク７１の右側には、外部接続端子板７８が設けられており、外部接続端子板７８により、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータへ送られる。

（２）電気的構成について
次に、パチンコ機５０の電気的構成について説明する。このパチンコ機５０は、図５のブロック図に示すとおり、主制御装置８０を中心にして構成されている。なお、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置８０，払出制御装置８１，演出図柄制御装置８２，サブ統合制御装置８３のいずれもＣＰＵ，ＲＯＭ，ＲＡＭ，入力ポート，出力ポート等を備えている。また、発射制御装置８４，電源基板にはＣＰＵ，ＲＯＭ，ＲＡＭ等は設けられていないが、これに限るわけではなく、発射制御装置８４等にＣＰＵ，ＲＯＭ，ＲＡＭ等を設けてもよい。

主制御装置８０には、第１始動口１１に入球した遊技球を検出する第１始動口ＳＷ１１ａ、第２始動口１２に入球した遊技球を検出する第２始動口ＳＷ１２ａ、普通図柄作動ゲート２２に進入した遊技球を検出する普通図柄作動ＳＷ２２ａ、一般入賞口２７に入球した遊技球を検出する一般入賞口ＳＷ２７ａ等からの検出信号が入力される。

また、このほかにも、主制御装置８０には、大入賞口２０に入賞した遊技球を計数するためのカウントＳＷ２０ａ、確変口１３に入球した遊技球を検出する確変口ＳＷ１３ａ、排出口１６ｄに入球した遊技球を検出する排出口ＳＷ１６ｄ−１、ハズレ口１４ａ，１４ｂに入球した遊技球を検出するハズレ口ＳＷ１４ａ−１等からの検出信号が入力される。

主制御装置８０は、搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、払出制御装置８１及びサブ統合制御装置８３に出力する。

また、主制御装置８０は、図柄表示装置中継端子板９０を介して接続されている第１特図表示装置９，第２特図表示装置１０，第１特図保留数表示装置２３，第２特図保留数表示装置２４，普通図柄表示装置７，普図保留数表示装置８の表示を制御する。

さらに、主制御装置８０は、大入賞口ソレノイド２０ｂを制御することで、開閉部材１６ａによる大入賞口２０の開閉を制御し、普電役物ソレノイド１２ｂを制御することで第２始動口１２の開閉を制御する。

また、主制御装置８０は、シャッターソレノイド１５ａを制御することで、シャッター１５を動作させ、確変口１３に繋がる確変口通路１６ｂの開閉状態を切り替える。
主制御装置８０からの出力信号は試験信号端子にも出力されるほか、図柄変動や大当り等の管理用の信号が外部接続端子板７８に出力されてホールコンピュータ８７に送られる。

主制御装置８０と払出制御装置８１とは双方向通信が可能である。
払出制御装置８１は、主制御装置８０から送られてくるコマンドに応じて払出モータ３０を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出ＳＷ３１の検出信号は払出制御装置８１に入力され、払出制御装置８１で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置８０と払出制御装置８１に払出ＳＷ３１の検出信号が入力され、主制御装置８０と払出制御装置８１の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。

なお、払出制御装置８１は、ガラス枠閉鎖ＳＷ４５，内枠閉鎖ＳＷ４６，球切れＳＷ３３，払出ＳＷ３１，満杯ＳＷ３２からの信号が入力され、満杯ＳＷ３２により下皿６３が満タンであることを示す信号が入力された場合や、球切れＳＷ３３により球タンク７１に遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力された場合には、払出モータ３０を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。また、満杯ＳＷ３２，球切れＳＷ３３も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置８１は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ３０の駆動を再開させる。

また、払出制御装置８１は、ＣＲユニット端子板３４を介してＣＲユニット５６と交信することで払出モータ３０を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出ＳＷ３１に検出され、検出信号は払出制御装置８１に入力される。また、ＣＲユニット端子板３４は、精算表示装置５９とも双方向通信可能に接続されており、精算表示装置５９には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン５７、精算を要求するための精算ボタン５８が設けられている。

また、払出制御装置８１は、外部接続端子板７８を介して賞球に関する情報、枠（内枠７０，前枠５２）の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ８７に送信するほか、発射制御装置８４に対して発射停止信号を送信する。

なお、本実施例では遊技球を払出す構成であるが、入賞等に応じて発生した賞球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置８４は、発射モータ４０を制御して、遊技領域３に遊技球を発射させる。

なお、発射制御装置８４には、払出制御装置８１以外に、発射ハンドル６４からの回動量信号、タッチＳＷ３８からのタッチ信号、発射停止ＳＷ３９から発射停止信号が入力される。

回動量信号は、遊技者が発射ハンドル６４を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル６４を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止ＳＷ３９を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置８４に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル６４を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。

サブ統合制御装置８３は、主制御装置８０から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置８２に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位（音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部）に分配する。なお、サブ統合制御装置８３は、主制御装置８０への送信を行うことはできない。

そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音ＬＳＩを作動させることによってスピーカ６６からの音声出力を制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種ＬＥＤ、ランプ２８を制御する。

また、サブ統合制御装置８３には、遊技ＳＷ６７とジョグダイヤル６８が接続されており、遊技者が遊技ＳＷ６７やジョグダイヤル６８を操作した際には、その信号がサブ統合制御装置８３に入力される。

サブ統合制御装置８３と演出図柄制御装置８２とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置８２は、サブ統合制御装置８３から受信したデータ及びコマンド（共に主制御装置８０から送信されてきたものとサブ統合制御装置８３が生成したものとがある）に基づいて演出図柄表示装置６を制御して、演出図柄の変動表示（図柄演出）等の演出画面を表示させる。

［動作の説明］
（１）概要について
次に、第１実施形態におけるパチンコ機５０の動作について説明する。

パチンコ機５０には、大当り抽選での当選確率を高くする確変機能と、普通図柄抽選の当選確率を上昇させる、普通図柄抽選で当選した際の第２始動口１２の開放時間を長くする、普通図柄抽選がなされた際の普通図柄表示装置７での変動表示時間を短くする等の方法により、第２始動口１２への入球を容易にする開放延長機能（時短機能）が設けられている。

また、パチンコ機５０では、大当り抽選に当選すると、総ラウンド数が１５Ｒの大当り遊技が行われる。各ラウンドでは、ロング又はショートの開放態様で大入賞口２０が開放される。ロングの場合、入賞が容易となる程度の長期間にわたり大入賞口２０が開放される。なお、ロングの場合、大入賞口２０の入賞を容易としながら、複数回にわたり大入賞口２０の開閉を繰り返しても良い。一方、ショートの場合、入賞が極めて困難（或いは、実質的に不可能）となる程度の短期間にわたり大入賞口２０が開放される。なお、ショートの場合も、大入賞口２０の入賞を困難（或いは実質的に不可能）としながら、複数回にわたり大入賞口２０の開閉を繰り返しても良い。また、ショートの場合、大入賞口２０を完全に閉鎖するようにしても良い。

大当り遊技は、特定ラウンドと通常ラウンドの２つの種別のラウンドが設けられており、連続しない２つのラウンド（一例として、１０，１５Ｒ）が特定ラウンドになっていると共に、他のラウンドは通常ラウンドになっている。無論、他の連続しない２つのラウンドを特定ラウンドとしても良いし、１つのラウンド、又は、３以上の連続しないラウンドを特定ラウンドとしても良い。

特定ラウンドでは、シャッター１５が開放された状態（開放状態）が維持され、大入賞口２０に入賞した遊技球がクルーン１４に進入可能となる。なお、これ以外にも、開放状態中に、シャッター１５の開閉を繰り返しながら、大入賞口２０に入賞した遊技球をクルーン１４に進入可能にしても良い。そして、遊技球が確変口１３に入球すると、特典として、大当り遊技後に確変又は時短が付与される。

一方、通常ラウンドでは、シャッター１５が閉鎖された状態（閉鎖状態）が維持され、大入賞口２０に入賞した遊技球がクルーン１４に進入不可能となるため、確変口１３の入球は発生しない。

第１実施形態では、各ラウンドの開放態様が異なる複数の種類の大当り遊技が設けられており、当り図柄によって大当り遊技の種類が決定される。換言すれば、当り図柄によって、ロングとなる特定ラウンド，通常ラウンドの数が変わり、大当り遊技で獲得可能な賞球数や、特典が付与される確率が変わる。

また、大当り遊技の種類として、２つの特定ラウンド（１０，１５Ｒ）が共にロングであるものと、共にショートであるものと、１０Ｒがロングで１５Ｒがショートであるものと、１０Ｒがショートで１５Ｒがロングであるものが設けられていても良い。

なお、この他にも、総ラウンド数の異なる大当り遊技の種類を設け、当り図柄によって大当り遊技の総ラウンド数が変化するようにしても良い。また、当り図柄によって、特定ラウンドとなるラウンドの数や、何ラウンド目が特定ラウンドになるか等を定めても良い。

また、第１実施形態では、第２特図に対応する大当り抽選で当った場合の利益は、第１特図に対応する大当り抽選で当った場合の利益よりも大きくなっている。
具体的には、第２特図で当った場合の大当り遊技では、第１特図で当った場合に比べ、ロングとなる通常ラウンドのラウンド数の平均値が多くなるようにしても良いし、ロングとなる特定ラウンドのラウンド数の平均値が多くなるようにしても良い。これにより、第２特図で当った場合には、第１特図で当った場合よりも、大当り遊技で得られる賞球数の平均値が多くなったり、特典が付与される確率が高くなったりする。

また、第２特図で当った場合の大当り遊技にて確変口１３に入球した場合には、第１特図で当った場合の大当り遊技にて確変口１３に入球した場合よりも、より大きな特典が付与されるようにしても良い。具体的には、例えば、第２特図で当った場合には、第１特図で当った場合に比べ、確変や時短の継続期間を長くしたり、該継続期間が長くなる確率を高くしたりしても良い。また、例えば、第２特図で当った場合には、特典として確変及び時短が付与される確率が高いが、第１特図で当った場合には、特典として確変のみ（又は時短のみ）しか付与されない確率が高いといった具合にしても良い。

無論、同様にして、第１特図に対応する大当り抽選で当った場合の利益を、第２特図に対応する大当り抽選で当った場合の利益よりも大きくしても良いし、これらの利益が同程度となるようにしても良い。

以下では、パチンコ機５０の動作について詳しく説明する。
（２）メインルーチンについて
次に、パチンコ機５０の主制御装置８０におけるメインルーチンについて、図６に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、２ｍｓ周期のタイマ割り込み処理として起動される。

Ｓ１０では、主制御装置８０は、正常なタイマ割り込みによりメインルーチンが起動されたか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には（Ｓ１０：Ｙｅｓ）、Ｓ２０に処理を移行すると共に、否定判定が得られた場合には（Ｓ１０：Ｎｏ）、Ｓ１５に処理を移行する。

Ｓ１５では、主制御装置８０は、ＣＰＵやＩ／Ｏ等の初期設定を行い、Ｓ８０に処理を移行する。
一方、Ｓ１０で肯定判定が得られた場合には、主制御装置８０は、初期値乱数の更新（Ｓ２０），大当り決定用乱数や普図当り決定用乱数の更新（Ｓ２５），大当り図柄決定用乱数の更新（Ｓ３０），当り決定用乱数の更新（Ｓ３５），リーチ判定用乱数の更新（Ｓ４０），変動パターン決定用乱数の更新（Ｓ４５）を行う。

そして、主制御装置８０は、始動口等といった入賞口への遊技球の入賞を検出する入賞確認処理と（Ｓ５０）、始動口への入賞に起因して大当り抽選を行う当否判定処理と（Ｓ５５）、大当り抽選で当選した際に、遊技者に所定の遊技価値を付与する大当り遊技を行うための大当り遊技処理（Ｓ６０）を行う。また、遊技球の普図ゲート２２の通過に起因して普図抽選等を行う普図当否判定処理と（Ｓ６５）、普通電動役物（第２始動口１２）を開放することで普図遊技を行う普図遊技処理と（Ｓ６７）、遊技者の不正行為を検出する不正監視処理と（Ｓ７０）、サブ統合制御装置８３等にデータ及びコマンドを送信し、また、ホールコンピュータ８７等に各種情報を送信する各出力処理と（Ｓ７５）を行う。

また、Ｓ８０では、主制御装置８０は、次のタイマ割込みが発生してメインルーチンが起動されるまで、初期値乱数の更新を繰り返し行う。
（３）始動口入賞確認処理について
次に、第１，第２始動口１１，１２への入賞を検出し、該入賞に応じて保留記憶等を行う始動口入賞確認処理について、図７に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される入賞確認処理からコールされるサブルーチンとして構成されている。

Ｓ１００では、主制御装置８０は、第１始動口ＳＷ１１ａの検出信号に基づき、第１始動口１１への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は（Ｓ１００：Ｙｅｓ）、Ｓ１０５に処理を移行し、否定判定の場合は（Ｓ１００：Ｎｏ）、Ｓ１１５に処理を移行する。

Ｓ１０５では、主制御装置８０は、第１始動口１１に対応する第１特図についての保留記憶の数（第１保留記憶）が、最大値（一例として４）に達しているか否かを判定する。そして、肯定判定の場合は（Ｓ１０５：Ｙｅｓ）、Ｓ１１０に処理を移行し、否定判定の場合は（Ｓ１０５：Ｎｏ）、Ｓ１１５に処理を移行する。

Ｓ１１０では、主制御装置８０は、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、当り図柄を決定する大当り図柄決定用乱数や、図柄演出においてリーチとなるか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出する。そして、抽出した乱数を第１保留記憶として記憶すると共に、何個の第１保留記憶が生じているかを示す第１保留数コマンドを生成してサブ統合制御装置８３に送信し、Ｓ１１５に処理を移行する。

なお、主制御装置８０は、第１保留記憶に係る大当り決定用乱数等に基づき先読みを行い、先読み結果をサブ統合制御装置８３に送信しても良い。
Ｓ１１５では、主制御装置８０は、第２始動口ＳＷ１２ａの検出信号に基づき、第２始動口１２への遊技球の入賞が発生したかを判定する。そして、肯定判定の場合は（Ｓ１１５：Ｙｅｓ）、Ｓ１２０に処理を移行し、否定判定の場合は（Ｓ１１５：Ｎｏ）、本処理を終了する。

Ｓ１２０では、主制御装置８０は、第２始動口１２に対応する第２特図についての保留記憶の数（第２保留記憶）が、最大値（一例として４）に達しているか否かを判定する。そして、肯定判定の場合は（Ｓ１２０：Ｙｅｓ）、本処理を終了し、否定判定の場合は（Ｓ１２０：Ｎｏ）、Ｓ１２５に処理を移行する。

Ｓ１２５では、主制御装置８０は、大当り抽選に用いられる大当り決定用乱数や、当り図柄を決定する大当り図柄決定用乱数や、図柄演出においてリーチとなるか否かを決定するためのリーチ判定用乱数や、特別図柄の変動時間等を決定するための変動パターン決定用乱数等を抽出する。そして、抽出した乱数を第２保留記憶として記憶すると共に、何個の第２保留記憶が生じているかを示す第２保留数コマンドを生成してサブ統合制御装置８３に送信し、本処理を終了する。

なお、主制御装置８０は、第２保留記憶に係る大当り決定用乱数等に基づき先読みを行い、先読み結果をサブ統合制御装置８３に送信しても良い。
（４）当否判定処理について
次に、保留記憶に係る大当り決定用乱数により大当りに当選したか否かを判定する当否判定（大当り抽選）を行う当否判定処理について、図８〜１１のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される。

まず、図８に関して、Ｓ２００では、主制御装置８０は、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ２００：Ｙｅｓ）、本処理を終了し、否定判定の場合には（Ｓ２００：Ｎｏ）、Ｓ２０５に処理を移行する。

Ｓ２０５では、主制御装置８０は、第１特図或いは第２特図の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ２０５：Ｙｅｓ）、図１０のＳ２８０に処理を移行し、否定判定の場合には（Ｓ２０５：Ｎｏ）、Ｓ２１０に処理を移行する。

Ｓ２１０では、主制御装置８０は、第１特図或いは第２特図の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ２１０：Ｙｅｓ）、図１１のＳ２９０に処理を移行し、否定判定の場合には（Ｓ２１０：Ｎｏ）、図９のＳ２１５に処理を移行する。

続いて図９に関して、Ｓ２１５では、主制御装置８０は、第１保留記憶及び第２保留記憶の有無を判定し、いずれかの保留記憶が存在する場合には（Ｓ２１５：Ｙｅｓ）、Ｓ２２０に処理を移行すると共に、そうでない場合には（Ｓ２１５：Ｎｏ）、本処理を終了する。

Ｓ２２０では、主制御装置８０は、現時点で存在する第１，第２保留記憶のうち、最先の保留記憶を選択すると共に、選択した保留記憶の種類に対応する保留記憶の数をデクリメントし、Ｓ２２５に処理を移行する。なお、第１，第２保留記憶が存在する場合には、第２保留記憶のうち、最先に生じたものから順に選択する構成（第２保留記憶を優先消化する構成）としても良いし、第１保留記憶のうち、最先に生じたものから順に選択する構成（第１保留記憶を優先消化する構成）としても良い。

Ｓ２２５では、主制御装置８０は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされているか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ２２５：Ｙｅｓ）、Ｓ２３０に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ２２５：Ｎｏ）、Ｓ２３５に処理を移行する。

Ｓ２３０では、主制御装置８０は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変状態に対応する当否判定用テーブル（確変テーブル）に基づき、大当り抽選で当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、Ｓ２４０に処理を移行する。

一方、Ｓ２３５では、主制御装置８０は、選択された保留記憶に係る大当り判定用乱数と、確変状態で無い場合に対応する当否判定用テーブル（通常テーブル）に基づき、大当り抽選で当るか否かを判定し、該保留記憶を消化する。そして、Ｓ２４０に処理を移行する。

Ｓ２４０では、主制御装置８０は、大当り抽選で当ったか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ２４０：Ｙｅｓ）、Ｓ２４５に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ２４０：Ｎｏ）、Ｓ２６０に処理を移行する。

Ｓ２４５では、主制御装置８０は、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき当り図柄を決定する。なお、大当り図柄決定用乱数に基づく決定の結果、第１特図，第２特図に対応する各当り図柄は、予め定められた振分率に従いランダムに選択される。そして、Ｓ２５０に処理を移行する。

Ｓ２５０では、主制御装置８０は、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定する。続くＳ２５５では、主制御装置８０は、当り図柄の種類等に基づき、大当り遊技の内容や特典の内容等を決定し、Ｓ２７０に処理を移行する。なお、大当り遊技の内容とは、例えば、何ラウンドを特定ラウンドとするかや、各ラウンドでの大入賞口２０の開放態様等である。

一方、大当り抽選で外れた際に移行するＳ２６０では、主制御装置８０は、消化した保留記憶に係るリーチ判定用乱数や変動パターン決定用乱数等に基づき特別図柄の変動時間等を決定し、Ｓ２６５に処理を移行する。

Ｓ２６５では、主制御装置８０は、確変状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数（確変回数）や、時短状態中に実行可能な大当り抽選の残り回数（時短回数）を示すカウンタの更新等を行い、Ｓ２７０に処理を移行する。

Ｓ２７０では、主制御装置８０は、サブ統合制御装置８３に対し、大当り抽選後の第１保留記憶の数を示す第１保留数コマンドと、大当り抽選後の第２保留記憶の数を示す第２保留数コマンドとを送信する。また、消化した保留記憶に対応する特図の変動表示を開始すると共に、サブ統合制御装置８３に対し特別図柄の変動時間等を示す変動開始コマンドを送信することで図柄演出を開始させる。さらに、サブ統合制御装置８３に対し、停止表示させる演出図柄（大当りの場合には、当り図柄に対応する演出図柄となる）を指示する図柄指定コマンドを送信し、本処理を終了する。

続いて図１０に関して、第１特図或いは第２特図の変動表示中に移行するＳ２８０では、主制御装置８０は、特図の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ２８０：Ｙｅｓ）、Ｓ２８５に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ２８０：Ｎｏ）、本処理を終了する。

Ｓ２８５では、主制御装置８０は、特図の変動表示を終了し、特図の確定図柄を表示させると共に、サブ統合制御装置８３に対し演出図柄の確定表示を行わせる図柄確定コマンドを送信し、本処理を終了する。

続いて図１１に関して、特図の確定表示中に移行するＳ２９０では、主制御装置８０は、特図の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ２９０：Ｙｅｓ）、Ｓ２９５に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ２９０：Ｎｏ）、本処理を終了する。

Ｓ２９５では、主制御装置８０は、特図の確定表示を終了し、Ｓ３００に処理を移行する。
Ｓ３００では、主制御装置８０は、確定表示されていた特図が大当り時のものであるかを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ３００：Ｙｅｓ）、Ｓ３０５に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ３００：Ｎｏ）、Ｓ３３５に処理を移行する。

Ｓ３０５では、主制御装置８０は、確変状態であることを示す確変フラグを参照すると共に、確変フラグがセットされている場合には確変フラグをクリアし（Ｓ３１０）、その後、Ｓ３１５に処理を移行する。

Ｓ３１５では、主制御装置８０は、時短状態であることを示す時短フラグを参照すると共に、時短フラグがセットされている場合には時短フラグをクリアし（Ｓ３２０）、その後、Ｓ３２５に処理を移行する。

そして、主制御装置８０は、条件装置作動開始処理（Ｓ３２５），役物連続作動装置作動開始処理（Ｓ３２７）を実行すると共に、大当り抽選での当選を通知するコマンドや、特典内容等を通知するコマンドをサブ統合制御装置８３に送信し（Ｓ３３０）、本処理を終了する。

一方、Ｓ３００にて否定判定が得られた場合に移行するＳ３３５では、主制御装置８０は、確変フラグを参照し、該フラグがセットされている場合には（Ｓ３３５：Ｙｅｓ）、確変回数を参照する（Ｓ３４０）。そして、確変回数が０である場合には（Ｓ３４０：Ｙｅｓ）、確変フラグをクリアし（Ｓ３４５）、Ｓ３５０に処理を移行する。

Ｓ３５０では、主制御装置８０は、時短フラグを参照し、該フラグがセットされている場合には（Ｓ３５０：Ｙｅｓ）、時短回数を参照する（Ｓ３５５）。そして、時短回数が０である場合には（Ｓ３５５：Ｙｅｓ）、時短フラグをクリアし（Ｓ３６０）、Ｓ３６５に処理を移行する。

Ｓ３６５では、主制御装置８０は、サブ統合制御装置８３に対し、現在の遊技状態を通知する状態指定コマンドを送信する状態指定コマンド送信処理を実行し、本処理を終了する。

（５）大当り遊技処理について
次に、大当り遊技を行う大当り遊技処理について、図１２〜１５のフローチャートを用いて説明する。なお、本処理は、メインルーチンから実行される。

Ｓ５００では、主制御装置８０は、役物連続作動装置の作動中、すなわち、大当り遊技の実行中であるか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ５００：Ｙｅｓ）、Ｓ５０５に処理を移行し、否定判定の場合には（Ｓ５００：Ｎｏ）、本処理を終了する。

Ｓ５０５では、主制御装置８０は、ラウンドの実行中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ５０５：Ｙｅｓ）、図１３のＳ５３５に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ５０５：Ｎｏ）、Ｓ５１０に処理を移行する。

Ｓ５１０では、主制御装置８０は、大当り遊技における各ラウンドのインターバル中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ５１０：Ｙｅｓ）、図１４のＳ５７２に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ５１０：Ｎｏ）、Ｓ５１５に処理を移行する。

Ｓ５１５では、主制御装置８０は、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ５１５：Ｙｅｓ）、図１５のＳ６３０に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ５１５：Ｎｏ）、Ｓ５２０に処理を移行する。

Ｓ５２０では、主制御装置８０は、大当り抽選で当った後、大当り遊技が開始されるまでに行われる大当り開始演出の演出時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ５２０：Ｙｅｓ）、Ｓ５２５に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ５２０：Ｎｏ）、本処理を終了する。

Ｓ５２５では、主制御装置８０は、先に決定した大当り遊技の内容に従った開放態様で大入賞口２０を開放する（大当り遊技の第１ラウンドを開始する）大入賞口開放処理を実行すると共に、ラウンド数を示す開放カウンタをインクリメントし（Ｓ５３０）、本処理を終了する。

続いて図１３に関して、ラウンドの実行中に移行するＳ５３５では、主制御装置８０は、現在のラウンドの開放態様に従い大入賞口２０の開閉制御を行う。また、現在のラウンドの種別に応じた態様でシャッター１５を制御し、現在のラウンドが特定ラウンドである場合にはシャッター１５を開放状態に、通常ラウンドである場合にはシャッター１５を閉鎖状態にし、Ｓ５４０に処理を移行する。

Ｓ５４０では、主制御装置８０は、確変口ＳＷ１３ａからの信号により、確変口１３への入球が生じたか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ５４０：Ｙｅｓ）、Ｓ５４５に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ５４０：Ｎｏ）、Ｓ５４７に処理を移行する。

Ｓ５４５では、主制御装置８０は、確変口入球フラグをセットし、Ｓ５４７に処理を移行する。この時、主制御装置８０は、サブ統合制御装置８３に対し、確変口１３への入球が生じた旨を示すコマンドを送信する。

Ｓ５４７では、主制御装置８０は、カウントＳＷ２０ａからの信号に基づき、現在のラウンド中に大入賞口２０に入賞した遊技球の数（入賞数）をカウントする。また、確変口ＳＷ１３ａ，ハズレ口ＳＷ１４ａ−１，排出口ＳＷ１６ｄ−１からの信号に基づき、現在のラウンド中に確変口１３，ハズレ口１４ａ，１４ｂ，排出口１６ｄに入球した遊技球の数（換言すれば、大入賞口２０に入賞した後、大入賞口２０から外部に排出された遊技球の数、以後、排出数と記載）をカウントし、Ｓ５５０に処理を移行する。

Ｓ５５０では、主制御装置８０は、大入賞口２０に入賞した遊技球の数が１０個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ５５０：Ｙｅｓ）、Ｓ５６０に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ５５０：Ｎｏ）、Ｓ５５５に処理を移行する。

Ｓ５５５では、主制御装置８０は、大入賞口２０の開放時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ５５５：Ｙｅｓ）、Ｓ５６０に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ５５５：Ｎｏ）、本処理を終了する。

Ｓ５６０では、主制御装置８０は、大入賞口２０を閉鎖させる大入賞口閉鎖処理を実行し、Ｓ５６５に処理を移行する。
Ｓ５６５では、主制御装置８０は、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、本処理を終了する。

続いて図１４に関して、各ラウンドのインターバル中に移行するＳ５７２では、主制御装置８０は、各ラウンドの入賞数と排出数とに基づき、残存球（大入賞口２０に入賞した後、大入賞口２０内部（例えば、クルーン１４や、クルーン１４への通路や、大入賞口２０の底部等）に留まったままになっている遊技球）をカウントする。また、確変口１３，ハズレ口１４ａ，１４ｂ，排出口１６ｄへの入球が生じた場合には、残存球が排出されたとみなして残存球の数を更新し、Ｓ５７５に処理を移行する。

Ｓ５７５では、主制御装置８０は、確変口ＳＷ１３ａからの信号により、確変口１３への入球が生じたか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ５７５：Ｙｅｓ）、Ｓ５８０に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ５７５：Ｎｏ）、Ｓ５８５に処理を移行する。

Ｓ５８０では、主制御装置８０は、確変口入球フラグをセットし、Ｓ５８５に処理を移行する。この時、主制御装置８０は、サブ統合制御装置８３に対し、確変口１３への入球が生じた旨を示すコマンドを送信する。

Ｓ５８５では、主制御装置８０は、開放カウンタの値に基づき最終ラウンド（１５Ｒ）が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ５８５：Ｙｅｓ）、Ｓ５９０に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ５８５：Ｎｏ）、Ｓ６０５に処理を移行する。

Ｓ５９０では、主制御装置８０は、残存球が存在するか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には（Ｓ５９０：Ｙｅｓ）、本処理を終了すると共に、否定判定が得られた場合には（Ｓ５９０：Ｎｏ）、Ｓ５９５に処理を移行する。

Ｓ５９５では、主制御装置８０は、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行すると共に、開放カウンタをクリアし（Ｓ６００）、本処理を終了する。
一方、Ｓ６０５では、主制御装置８０は、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ６０５：Ｙｅｓ）、Ｓ６１０に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ６０５：Ｎｏ）、本処理を終了する。

Ｓ６１０では、主制御装置８０は、次のラウンドが特定ラウンドであるか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ６１０：Ｙｅｓ）、Ｓ６１５に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ６１０：Ｎｏ）、Ｓ６２０に処理を移行する。

Ｓ６１５では、主制御装置８０は、残存球が存在するか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ６１５：Ｙｅｓ）、本処理を終了し、否定判定の場合には（Ｓ６１５：Ｎｏ）、Ｓ６２０に処理を移行する。

Ｓ６２０では、主制御装置８０は、大入賞口２０を開放させる（新たなラウンドを開始させる）大入賞口開放処理を実行すると共に、ラウンド数を示す開放カウンタをインクリメントし（Ｓ６２５）、本処理を終了する。

続いて図１５に関して、大当り遊技の終了演出中に移行するＳ６３０では、主制御装置８０は、該終了演出の時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ６３０：Ｙｅｓ）、Ｓ６３５に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ６３０：Ｎｏ）、本処理を終了する。

続くＳ６３５，Ｓ６４０では、主制御装置８０は、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、Ｓ６４５に処理を移行する。
Ｓ６４５では、主制御装置８０は、特定ラウンドで確変口１３への入球が生じたことを示す確変口入球フラグがセットされているか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ６４５：Ｙｅｓ）、Ｓ６５０に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ６４５：Ｎｏ）、Ｓ６６５に処理を移行する。

Ｓ６５０では、主制御装置８０は、当りとなった特図の種類や、当り図柄等に基づき、確変回数や時短回数を設定すると共に、確変フラグや時短フラグをセットする（Ｓ６５５）。そして、確変口入球フラグをクリアし（Ｓ６６０）、Ｓ６７５に処理を移行する。

また、Ｓ６６５では、主制御装置８０は、確変回数や時短回数を０回に設定すると共に、確変フラグや時短フラグをクリアし（Ｓ６７０）、Ｓ６７５に処理を移行する。
Ｓ６７５，Ｓ６８０では、主制御装置８０は、サブ統合制御装置８３に対し、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドと、大当り遊技終了後の遊技状態を通知する状態指定コマンドとを送信し、本処理を終了する。

［第２実施形態］
［構成の説明］
（１）全体の構成について
第２実施形態のパチンコ機５０は、第１実施形態と同様の構成を有しているが、第１大入賞口２０と第２大入賞口２１の２つの大入賞口が設けられている点で相違している（図１６，１７参照）。

第１大入賞口２０の下方の遊技盤１の内部には、２つの第１ハズレ口１４ａ，１４ｂと、１つの第１当り口１４ｃが設けられた第１クルーン１４が設けられている。なお、第１クルーン１４に誘導された遊技球は、例えば１／３の確率で第１当り口１４ｃに入球するようにしても良い。また、第１大入賞口２０の底部には、第１クルーン１４への入口（第１開閉口）を開閉する第１シャッター１５と、第１大入賞口２０に入賞した遊技球を外部に排出する第１排出口２５が設けられている。

また、第２大入賞口２１の下方の遊技盤１の内部には、１つの第２ハズレ口１８ａと、１つの第２当り口１８ｂが設けられた第２クルーン１８が設けられている。なお、第２クルーン１８に誘導された遊技球は、例えば１／２の確率で第２当り口１８ｂに入球するようにしても良い。また、第２大入賞口２１の底部には、第２クルーン１８への入口（第２開閉口）を開閉する第２シャッター１７と、第２大入賞口２１に入賞した遊技球を外部に排出する第２排出口２６が設けられている。

第１実施形態と同様、第１大入賞口２０においては、第１シャッター１５により第１開閉口が閉鎖されている場合には、第１大入賞口２０に入賞した遊技球は全て第１排出口２５に進入する。これに対し、第１開閉口が開放されている場合には、第１大入賞口２０に入賞した遊技球は、第１開閉口又は第１排出口２５に進入する。

また、第２大入賞口２１においても、同様にして、第２シャッター１７により第２開閉口が閉鎖されている場合には、第２大入賞口２１に入賞した遊技球は全て第２排出口２６に進入する。これに対し、第２開閉口が開放されている場合には、第２大入賞口２１に入賞した遊技球は、第２開閉口又は第２排出口２６に進入する。

なお、第１開閉口が開放されている場合には、例えば、第１排出口２５を閉鎖する等して、第１大入賞口２０に入賞した遊技球が全て第１開閉口に進入するようにしても良い。また、第２開閉口が開放されている場合には、例えば、第２排出口２６を閉鎖する等して、第２大入賞口２１に入賞した遊技球が全て第２開閉口に進入するようにしても良い。

そして、第１，第２大入賞口２０，２１の下方の遊技盤１の内部には、共通確変口２９が設けられており、第１，第２クルーン１４，１８に設けられた第１，第２当り口１４ｃ，１８ｂに入球した遊技球は、共通確変口２９に誘導される。遊技球が共通確変口２９に入球すると、第１実施形態と同様にして特典が付与される。一方、第１，第２ハズレ口１４ａ，１４ｂ，１８ａに入球した遊技球は、共通確変口２９に誘導されることは無い。

なお、第２実施形態では、第１クルーン１４に比べ、第２クルーン１８に到達した遊技球の方が高い確率で共通確変口２９に入球するが、これに限らず、第１クルーン１４に到達した遊技球の方が、より高い確率で共通確変口２９に入球するようにしても良い。また、第１クルーン１４に到達した遊技球と、第２クルーン１８に到達した遊技球は、同じ確率で共通確変口２９に入球するようにしても良い。また、一方のクルーンに到達した遊技球は、１００％の確率（若しくはこれに近い確率）で共通確変口２９に入球するようにしても良い。

また、遊技領域３における上述した第１，第２クルーン１４，１８や共通確変口２９等が配された部分を透明な部材により構成し、遊技者がこれらを視認可能にしても良い。また、これとは反対に、遊技領域３における当該部分を不透明な部材により構成し、遊技者がこれらを視認不可能にしても良い。

また、ハーフミラーを用いて、普段は視認不可だが、大入賞口に遊技球が入賞すると当該部分を視認可能にしたり、反対に、大入賞口に遊技球が入賞すると当該部分を視認不可能にしたりすることも考えられる。

（２）電気的構成について
次に、第２実施形態のパチンコ機５０の電気的構成について説明する（図１８参照）。第２実施形態のパチンコ機５０は、第１実施形態と同様の構成を有するが、以下の点で相違している。

第２実施形態では、カウントＳＷ２０ａに替えて、第１大入賞口２０に入賞した遊技球を計数するための第１カウントＳＷ２０ａと、第２大入賞口２１に入賞した遊技球を計数するための第２カウントＳＷ２１ａが設けられている。また、確変口ＳＷ１３ａに替えて、共通確変口２９に入球した遊技球を検出する共通確変口ＳＷ２９ａが設けられている。

また、ハズレ口ＳＷ１４ａ−１に替えて、第１クルーン１４の第１ハズレ口１４ａ，１４ｂに入球した遊技球を検出する第１ハズレ口ＳＷ１４ａ−１と、第２クルーン１８の第２ハズレ口１８ａに入球した遊技球を検出する第２ハズレ口ＳＷ１８ａ−１とが設けられている。また、排出口ＳＷ１６ｄ−１に替えて、第１大入賞口２０の第１排出口２５に入球した遊技球を検出する第１排出口ＳＷ２５ａと、第２大入賞口２１の第２排出口２６に入球した遊技球を検出する第２排出口ＳＷ２６ａが設けられている。

そして、主制御装置８０には、これらのＳＷからの検出信号が入力される。
また、大入賞口ソレノイド２０ｂに替えて、第１大入賞口２０を開閉する第１大入賞口ソレノイド２０ｂと、第２大入賞口２１を開閉する第２大入賞口ソレノイド２１ｂが設けられている。主制御装置８０は、これらのソレノイドを制御することで、第１，第２大入賞口２０，２１を開閉する。

また、シャッターソレノイド１５ａに替えて、第１シャッター１５を動作させる第１シャッターソレノイド１５ａと、第２シャッター１７を動作させる第２シャッターソレノイド１７ａが設けられている。主制御装置８０は、これらのソレノイドを制御することで、第１，第２クルーン１４，１８への通路の入口（第１，第２開閉口）を開閉する。

［動作の説明］
（１）概要について
第２実施形態のパチンコ機５０は、第１実施形態と同様に動作し、大当り抽選で当選すると総ラウンド数が１５Ｒの大当り遊技が行われる。しかし、第２実施形態のパチンコ機５０は、２つの大入賞口を備えており、大当り遊技の一部の態様が第１実施形態と相違している。以下では、この相違点について説明する。

具体的には、大当り遊技では、第１実施形態と同様にロング又はショートの開放態様で、第１，第２大入賞口２０，２１のうちの一方が開放される。なお、各ラウンドで、第１，第２大入賞口２０，２１の双方を開放する構成としても良い。

また、第１実施形態と同様にして、遊技球がクルーンに進入可能となる特定ラウンドと、該進入が不可能となる通常ラウンドの２つの種別のラウンドが設けられている。クルーンに進入した遊技球が当り口に入球し、共通確変口２９に入球すると、大当り遊技後に特典（確変又は時短）が付与される。以後、第１大入賞口２０が開放される特定ラウンドを第１Ｖラウンド、第２大入賞口２１が開放される特定ラウンドを第２Ｖラウンドとする。

また、第１実施形態と同様、連続しない２つのラウンド（一例として１０，１５Ｒ）が特定ラウンドに、他のラウンドが通常ラウンドとなっている。無論、他の連続しない２つのラウンドを特定ラウンドとしても良いし、１つのラウンド、又は、３以上の連続しないラウンドを特定ラウンドとしても良い。

また、第１実施形態と同様、各ラウンドの開放態様（ロング，ショート）が異なる複数の種類の大当り遊技が設けられている。無論、この他にも、総ラウンド数や、特定ラウンドの総数や、特定ラウンドとなるラウンド等が異なる大当り遊技の種類を設けても良い。

また、第２実施形態では、各ラウンドで開放される大入賞口や、大入賞口が開放される際の開放態様が異なる複数の種類の大当り遊技が設けられている。換言すれば、各種類の大当り遊技は、ロングとなる特定ラウンド，通常ラウンドの数や、特定ラウンドで開放される大入賞口の種類が異なっており、大当り遊技の種類に応じて、獲得可能な賞球数や、特典が付与される確率が変わる。そして、当り図柄によって大当り遊技の種類が決定される。

なお、大当り遊技の種類として、２つの特定ラウンド（１０，１５Ｒ）が共にロングであるものと、これらが共にショートであるものと、１０Ｒがロングで１５Ｒがショートであるものと、１０Ｒがショートで１５Ｒがロングであるものが設けられていても良い。

また、特定ラウンドで開放される大入賞口と、該特定ラウンドの直前のラウンドで開放される大入賞口が同一である大当り遊技が設けられていても良いし、同一ではない大当り遊技が設けられていても良い。

（２）大当り遊技処理について
次に、第２実施形態のパチンコ機５０の動作について詳しく説明する。第２実施形態のパチンコ機５０では、第１実施形態と同様の処理が行われるが、大当り遊技処理が第１実施形態と相違している。以下では、図１９〜２２により、第２実施形態の大当り遊技処理について説明する。

Ｓ７００では、主制御装置８０は、大当り遊技の実行中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ７００：Ｙｅｓ）、Ｓ７０５に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ７００：Ｎｏ）、本処理を終了する。

Ｓ７０５では、主制御装置８０は、第２大入賞口２１が開放されるラウンドの実行中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ７０５：Ｙｅｓ）、図２０のＳ７４５に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ７０５：Ｎｏ）、Ｓ７１０に処理を移行する。

Ｓ７１０では、主制御装置８０は、第１大入賞口２０が開放されるラウンドの実行中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ７１０：Ｙｅｓ）、図２０のＳ７８５に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ７１０：Ｎｏ）、Ｓ７１５に処理を移行する。

Ｓ７１５では、主制御装置８０は、各ラウンドのインターバル中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ７１５：Ｙｅｓ）、図２１のＳ８２２に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ７１５：Ｎｏ）、Ｓ７２０に処理を移行する。

Ｓ７２０では、主制御装置８０は、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ７２０：Ｙｅｓ）、図２２のＳ９００に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ７２０：Ｎｏ）、Ｓ７２５に処理を移行する。

Ｓ７２５では、主制御装置８０は、大当り開始演出の演出時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ７２５：Ｙｅｓ）、Ｓ７３０に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ７２５：Ｎｏ）、本処理を終了する。

Ｓ７３０では、主制御装置８０は、先に決定した大当り遊技の内容に従った開放態様で、第１，第２大入賞口２０，２１のうちの一方を開放する（大当り遊技の第１ラウンドを開始する）大入賞口開放処理を実行すると共に、ラウンド数を示す開放カウンタをインクリメントし（Ｓ７４０）、本処理を終了する。

続いて図２０に関して、第２大入賞口２１が開放されるラウンドの実行中に移行するＳ７４５では、主制御装置８０は、現在のラウンドの開放態様に従い第２大入賞口２１の開閉制御を行う。また、現在のラウンドの種別に応じた態様で第２シャッター１７を制御することで、現在のラウンドが特定ラウンド（第２Ｖラウンド）である場合には第２シャッター１７を開放状態に、通常ラウンドである場合には第２シャッター１７を閉鎖状態にし、Ｓ７５０に処理を移行する。

Ｓ７５０では、主制御装置８０は、共通確変口ＳＷ２９ａからの信号により、共通確変口２９への入球が生じたか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ７５０：Ｙｅｓ）、Ｓ７５５に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ７５０：Ｎｏ）、Ｓ７６０に処理を移行する。

Ｓ７５５では、主制御装置８０は、第２確変口入球フラグをセットし、Ｓ７６０に処理を移行する。この時、主制御装置８０は、サブ統合制御装置８３に対し、共通確変口２９への入球が生じた旨を示すコマンドを送信する。

Ｓ７６０では、主制御装置８０は、第２カウントＳＷ２１ａからの信号に基づき、現在のラウンド中に第２大入賞口２１に入賞した遊技球の数（入賞数）をカウントする。また、共通確変口ＳＷ２９ａ，第２ハズレ口ＳＷ１８ａ−１，第２排出口ＳＷ２６ａからの信号に基づき、現在のラウンド中に共通確変口２９，第２ハズレ口１８ａ，第２排出口２６に入球した遊技球の数である第２排出数（第２大入賞口２１に入賞した後、第２大入賞口２１から外部に排出された遊技球の数）をカウントし、Ｓ７６５に処理を移行する。

Ｓ７６５では、主制御装置８０は、第２大入賞口２１に入賞した遊技球の数が１０個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ７６５：Ｙｅｓ）、Ｓ７７０に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ７６５：Ｎｏ）、Ｓ７７５に処理を移行する。

Ｓ７７０では、主制御装置８０は、第２大入賞口２１の開放時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ７７０：Ｙｅｓ）、Ｓ７７５に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ７７０：Ｎｏ）、本処理を終了する。

Ｓ７７５では、主制御装置８０は、第２大入賞口２１を閉鎖させる第２大入賞口閉鎖処理を実行し、Ｓ７８０に処理を移行する。
Ｓ７８０では、主制御装置８０は、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、本処理を終了する。

一方、第１大入賞口２０が開放されるラウンドの実行中に移行するＳ７８５では、主制御装置８０は、現在のラウンドの開放態様に従い第１大入賞口２０の開閉制御を行う。また、現在のラウンドの種別に応じた態様で第１シャッター１５を制御することで、現在のラウンドが特定ラウンド（第１Ｖラウンド）である場合には第１シャッター１５を開放状態に、通常ラウンドである場合には第１シャッター１５を閉鎖状態にし、Ｓ７９０に処理を移行する。

Ｓ７９０では、主制御装置８０は、共通確変口２９への入球が生じたか否かを判定し、肯定判定の場合には、第１確変口入球フラグをセットし（Ｓ７９５）、Ｓ８００に処理を移行する。

Ｓ８００では、主制御装置８０は、第１カウントＳＷ２０ａからの信号に基づき、現在のラウンド中に第１大入賞口２０に入賞した遊技球の数（入賞数）をカウントする。また、共通確変口ＳＷ２９ａ，第１ハズレ口ＳＷ１４ａ−１，第１排出口ＳＷ２５ａからの信号に基づき、現在のラウンド中に共通確変口２９，第１ハズレ口１４ａ，１４ｂ，第１排出口２５に入球した遊技球の数である第１排出数（第１大入賞口２０に入賞した後、第１大入賞口２０から外部に排出された遊技球の数）をカウントし、Ｓ８０５に処理を移行する。

Ｓ８０５では、主制御装置８０は、第１大入賞口２０に入賞した遊技球の数が１０個となったか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ８０５：Ｙｅｓ）、Ｓ８１５に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ８０５：Ｎｏ）、Ｓ８１０に処理を移行する。

Ｓ８１０では、主制御装置８０は、第１大入賞口２０の開放時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ８１０：Ｙｅｓ）、Ｓ８１５に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ８１０：Ｎｏ）、本処理を終了する。

Ｓ８１５では、主制御装置８０は、第１大入賞口２０を閉鎖させる第１大入賞口閉鎖処理を実行し、Ｓ８２０に処理を移行する。
Ｓ８２０では、主制御装置８０は、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、本処理を終了する。

続いて図２１に関して、各ラウンドのインターバル中に移行するＳ８２２では、主制御装置８０は、各ラウンドの入賞数と第１，第２排出数とに基づき、残存球をカウントする。なお、残存球とは、第１大入賞口２０に入賞した後、第１大入賞口２０内部（例えば、第１クルーン１４や、第１クルーン１４への通路や、第１大入賞口２０の底部等）に留まったままになっている遊技球や、第２大入賞口２１に入賞した後、第２大入賞口２１内部（例えば、第２クルーン１８や、第２クルーン１８への通路や、第２大入賞口２１の底部等）に留まったままになっている遊技球を意味する。また、共通確変口２９や、第１，第２ハズレ口１４ａ，１４ｂ，１８ａや、第１，第２排出口２５，２６への入球が生じた場合には、残存球が排出されたとみなし、残存球の数を更新し、Ｓ８２５に処理を移行する。

Ｓ８２５では、主制御装置８０は、共通確変口ＳＷ２９ａからの信号により、共通確変口２９への入球が生じたか否かを判定する。そして、肯定判定の場合には（Ｓ８２５：Ｙｅｓ）、Ｓ８３０に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ８２５：Ｎｏ）、Ｓ８３５に処理を移行する。

Ｓ８３０では、主制御装置８０は、終了した各ラウンドの入賞数と第１，第２排出数に基づき、残存球が生じているラウンドを特定する。そして、該ラウンドが第１Ｖラウンドである場合には第１確変口入球フラグを、第２Ｖラウンドである場合には第２確変口入球フラグをセットし、Ｓ８３５に処理を移行する。この時、主制御装置８０は、サブ統合制御装置８３に対し、共通確変口２９への入球が生じた旨を示すコマンドを送信する。

Ｓ８３５では、主制御装置８０は、開放カウンタの値に基づき最終ラウンド（１５Ｒ）が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ８３５：Ｙｅｓ）、Ｓ８４０に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ８３５：Ｎｏ）、Ｓ８５５に処理を移行する。

Ｓ８４０では、主制御装置８０は、残存球が存在するか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には（Ｓ８４０：Ｙｅｓ）、本処理を終了すると共に、否定判定が得られた場合には（Ｓ８４０：Ｎｏ）、Ｓ８４５に処理を移行する。

Ｓ８４５では、主制御装置８０は、第１実施形態と同様にして大当り終了演出処理を実行すると共に、開放カウンタをクリアし（Ｓ８５０）、本処理を終了する。
一方、Ｓ８５５では、主制御装置８０は、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ８５５：Ｙｅｓ）、Ｓ８６０に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ８５５：Ｎｏ）、本処理を終了する。

Ｓ８６０では、主制御装置８０は、次のラウンドが特定ラウンドであるか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ８６０：Ｙｅｓ）、Ｓ８７０に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ８６０：Ｎｏ）、Ｓ８７５に処理を移行する。

Ｓ８７０では、主制御装置８０は、残存球が存在するか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には（Ｓ８７０：Ｙｅｓ）、本処理を終了し、否定判定が得られた場合には（Ｓ８７０：Ｎｏ）、Ｓ８７５に処理を移行する。

Ｓ８７５では、主制御装置８０は、新たなラウンドで第１大入賞口２０を開放するか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ８７５：Ｙｅｓ）、Ｓ８８０に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ８７５：Ｎｏ）、Ｓ８９０に処理を移行する。

Ｓ８８０では、主制御装置８０は、第１大入賞口２０を開放させる第１大入賞口開放処理を実行すると共に、ラウンド数を示す開放カウンタをインクリメントし（Ｓ８８５）、本処理を終了する。

一方、Ｓ８９０では、主制御装置８０は、第２大入賞口２１を開放させる第２大入賞口開放処理を実行すると共に、ラウンド数を示す開放カウンタをインクリメントし（Ｓ８９５）、本処理を終了する。

続いて図２２に関して、Ｓ９００〜Ｓ９１０は、それぞれ、第１実施形態のＳ６３０〜Ｓ６４０と同様であるため、説明を省略する。
Ｓ９１５では、主制御装置８０は、第１確変口入球フラグがセットされているか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ９１５：Ｙｅｓ）、Ｓ９２０に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ９１５：Ｎｏ）、Ｓ９３５に処理を移行する。

Ｓ９２０では、主制御装置８０は、当りとなった特図の種類や、第１Ｖラウンドで共通確変口２９への入球が生じたことや、当り図柄等に基づき、確変回数や時短回数を設定すると共に、確変フラグや時短フラグをセットする（Ｓ９２５）。そして、第１確変口入球フラグをクリアし（Ｓ９３０）、Ｓ９６５に処理を移行する。

一方、Ｓ９３５では、主制御装置８０は、第２確変口入球フラグがセットされているか否かを判定し、肯定判定の場合には（Ｓ９３５：Ｙｅｓ）、Ｓ９４０に処理を移行すると共に、否定判定の場合には（Ｓ９３５：Ｎｏ）、Ｓ９５５に処理を移行する。

Ｓ９４０では、主制御装置８０は、当りとなった特図の種類や、第２Ｖラウンドで共通確変口２９への入球が生じたことや、当り図柄等に基づき、確変回数や時短回数を設定すると共に、確変フラグや時短フラグをセットする（Ｓ９４５）。そして、第２確変口入球フラグをクリアし（Ｓ９５０）、Ｓ９６５に処理を移行する。

また、Ｓ９５５では、主制御装置８０は、確変回数や時短回数を０回に設定すると共に、確変フラグや時短フラグをクリアし（Ｓ９６０）、Ｓ９６５に処理を移行する。
Ｓ９６５，Ｓ９７０では、主制御装置８０は、サブ統合制御装置８３に対し、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドと、大当り遊技終了後の遊技状態を通知する状態指定コマンドとを送信し、本処理を終了する。

［変形例１］
次に、第２実施形態のパチンコ機５０の変形例１について説明する。変形例１では、１０Ｒがロングの第１Ｖラウンドに、１５Ｒがロングの第２Ｖラウンドになる大当り遊技と、１０Ｒがロングの第１Ｖラウンドに、１５Ｒがショートの第２Ｖラウンドになる大当り遊技とが設けられている。無論、当り図柄に応じてこれらの種類の大当り遊技が行われる。

こうすることにより、１０Ｒがロングの第１Ｖラウンドとなった場合、１０Ｒは、ロングの第２Ｖラウンドよりも特典の獲得が困難だが、仮に１５Ｒがショートの第２Ｖラウンドになってしまうと、１０Ｒで共通確変口２９に入球させないと特典の獲得は困難又は不可能になる。このため、遊技者は、特典の獲得を願いながら１０Ｒを消化するようになり、遊技者にスリルや緊張感等を与えることができる。

また、１０Ｒで特典を獲得できなかったとしても、１５Ｒがロングの第２Ｖラウンドであれば、１５Ｒにて第１Ｖラウンドよりも容易に特典を獲得できる。このため、第１Ｖラウンドで特典の獲得に失敗し、落胆している遊技者に対し、第２Ｖラウンドで救いの手を差し伸べ、遊技者を喜ばせることができる。

したがって、大当り遊技の興趣を高めることができる。
なお、このような場合、第１Ｖラウンドで特典が付与されたか否かに応じて、第２Ｖラウンドの開放態様を定めても良い。

具体的には、例えば、第１Ｖラウンドで特典を獲得できなかった場合に第２Ｖラウンドをロングにし、そうでない場合にはショートにしても良い。これにより、第１Ｖラウンドで特典を獲得できなかった遊技者を救済することができ、また、第１Ｖラウンドで特典を獲得した場合には、賞球数を抑え、遊技者に付与する利益を調整することができる。

また、例えば、第１Ｖラウンドで特典を獲得できた場合に第２Ｖラウンドをロングにし、そうでない場合にはショートにしても良い。こうすることにより、第１Ｖラウンドで特典を獲得した褒賞として、遊技者に賞球を与えることができる。

また、第１，第２Ｖラウンドのどちらで共通確変口２９への入球が生じたかにより、特典の内容を変化させても良い。なお、双方のラウンドで共通確変口２９への入球が生じた場合には、いずれか一方のラウンドのみで共通確変口２９への入球が生じたとみなしても良い。

こうすることにより、第１，第２Ｖラウンドのどちらで特典を獲得するか選択することもでき、遊技者は、戦略を持って遊技に臨むことができる。
具体的には、第１Ｖラウンドで共通確変口２９への入球が生じた場合には、第２Ｖラウンドで該入球が生じた場合に比べ、確変や時短の継続期間を長くしても良い。また、第１Ｖラウンドで該入球が生じた場合には、確変と時短の双方が付与されるが、第２Ｖラウンドで該入球が生じた場合には、確変と時短のうちの一方しか付与されない構成としても良い。

こうすることにより、第２Ｖラウンドよりも共通確変口２９への入球が困難な第１Ｖラウンドで該入球が生じた場合には、遊技者により有利な特典を与え、遊技者に報いることができる。

反対に、第２Ｖラウンドで共通確変口２９への入球が生じた場合には、第１Ｖラウンドで該入球が生じた場合に比べ、確変や時短の継続期間を長くしても良い。また、第２Ｖラウンドで該入球が生じた場合には、確変と時短の双方が付与されるが、第１Ｖラウンドで該入球が生じた場合には、確変と時短のうちの一方しか付与されない構成としても良い。

こうすることにより、１５Ｒがロングの第２Ｖラウンドであった場合には、遊技者に対し非常に大きな喜びを与えることができる。
［変形例２］
また、第２実施形態の変形例２では、１０Ｒがロングの第２Ｖラウンドに、１５Ｒがロングの第１Ｖラウンドになる大当り遊技と、１０Ｒがショートの第２Ｖラウンドに、１５Ｒがロングの第１Ｖラウンドになる大当り遊技とが設けられている。無論、当り図柄に応じてこれらの種類の大当り遊技が行われる。

こうすることにより、１０Ｒがショートの第２Ｖラウンドの場合には遊技者は落胆することになるが、１５Ｒがロングの第１Ｖラウンドになる可能性もある。ロングの第１Ｖラウンドは、ロングの第２Ｖラウンドよりも特典を獲得できる確率は低くなっているが、特典を獲得できる可能性は十分に残ることになる。このため、遊技者の落胆を抑えると共に、遊技者は、特典の獲得をあきらめることなく大当り遊技を行うようになり、大当り遊技の興趣を高めることができる。

また、変形例１と同様にして、第１，第２Ｖラウンドのどちらで共通確変口２９への入球が生じたかにより、特典の内容を変化させても良い。なお、双方のラウンドで共通確変口２９への入球が生じた場合には、いずれか一方のラウンドのみで共通確変口２９への入球が生じたとみなしても良い。こうすることにより、第１，第２Ｖラウンドのどちらで特典を獲得するか選択することもでき、遊技者は、戦略を持って遊技に臨むことができる。

［変形例３］
また、第２実施形態の変形例３では、第１，第２大入賞口２０，２１の各々に繋がっている共通確変口２９に替えて、第１大入賞口２０に繋がっている第１確変口１３と、第２大入賞口２１に繋がっている第２確変口１９とが設けられている（図２３，２４）。

具体的には、第１確変口１３は、第１大入賞口２０に繋がっている第１クルーン１４の第１当り口１４ｃに繋がっており、第１当り口１４ｃに入球した遊技球は、必ず第１確変口１３に進入する。また、第２確変口１９は、第２大入賞口２１に繋がっている第２クルーン１８の第２当り口１８ｂに繋がっており、第２当り口１８ｂに入球した遊技球は、必ず第２確変口１９に進入する。

そして、大当り遊技中、第１確変口１３に入球すると第１確変口入球フラグがセットされると共に、第２確変口１９に入球すると第２確変口入球フラグがセットされ、第２実施形態と同様にして特典が付与される。

なお、変形例３では、各大入賞口に個別に確変口が設けられている。このため、特定ラウンドの開始時に残存球が生じている場合であっても、該残存球が、当該特定ラウンドで開放される大入賞口とは異なる大入賞口にて生じている場合や、先行して行われた通常ラウンドで生じたものである場合には、特定ラウンドの開始を遅延させなくても良い。

具体的には、大当り遊技処理のＳ８２２では、主制御装置８０は、各ラウンドの入賞数と第１，第２排出数とに基づき、各大入賞口で生じている残存球をカウントすると共に、残存球が生じたラウンドを特定する。

そして、Ｓ８７０にて、新たに開始される特定ラウンドで開放される大入賞口にて、先に行われた特定ラウンドで生じた残存球が生じているか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には、本処理を終了し、否定判定が得られた場合には、Ｓ８７５に移行しても良い。こうすることにより、必要以上に特定ラウンドの開始が遅延されるのを防止することができる。

なお、Ｓ８７０において、残存球が発生したラウンドに関わらず、新たに開始される特定ラウンドで開放される大入賞口に残存球が生じているか否かを判定し、肯定判定が得られた場合には、本処理を終了し、否定判定が得られた場合には、Ｓ８７５に移行しても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。

［変形例４］
また、第２実施形態の変形例４では、各ラウンドで第１，第２大入賞口２０，２１が交互に開放される大当り遊技が設けられている。つまり、該大当り遊技では、先頭ラウンド，第２ラウンド，第３ラウンド…の各ラウンドでは、第１大入賞口２０，第２大入賞口２１，第１大入賞口２０…の順で大入賞口が開放されるか、反対に、第２大入賞口２１，第１大入賞口２０，第２大入賞口２１…の順で大入賞口が開放される。

なお、該大当り遊技では、１０Ｒの特定ラウンドが第１Ｖラウンドになり、１５Ｒの特定ラウンドが第２Ｖラウンドになる場合と、１０Ｒの特定ラウンドが第２Ｖラウンドに、１５Ｒの特定ラウンドが第１Ｖラウンドになる場合が生じる。

こうすることにより、特定ラウンドで開放される大入賞口と特定ラウンドの直前のラウンドで開放される大入賞口が異なるものとなるため、特定ラウンドの開始時に残存球が生じていたとしても、特定ラウンドの開始が遅延されることは無い。

ここで、第２実施形態では共通確変口２９が設けられており、特定ラウンドの開始タイミングに、直前のラウンドで大入賞口に入球した遊技球が共通確変口２９の付近に存在することも懸念される。しかし、特定ラウンドの直前のラウンドは通常ラウンドであり、クルーンへの通路がシャッターにより閉鎖されているため、直前のラウンドで遊技球がクルーンに進入することは無く、このような遊技球が生じることは無い。

［効果］
第１，第２実施形態のパチンコ機５０によれば、特定ラウンドの開始時に残存球が存在する場合を除きラウンドの開始が遅延されないため、大当り遊技の間延びを防止できる。

また、通常ラウンドでは遊技球がクルーンに進入しないため、確変口への入球が生じることは無く、通常ラウンドのみが連続して行われている状況下では、残存球が確変口に入球するといった事態は生じない。一方、特定ラウンドの開始時に残存球が存在すると、該特定ラウンドが遅延し、残存球が無くなった後に該特定ラウンドが開始される。

このため、通常ラウンドで入球した遊技球が残存球となっても、該残存球が後のラウンドで確変口に入球することや、後の特定ラウンドで大入賞口に入球した他の遊技球の挙動に影響を与えることは無い。したがって、特定ラウンドで大入賞口に入球した遊技球のみを所定の確率で特典領域に進入させることができ、設計時に意図した確率で遊技者に特典を付与することができる。

さらに、特定ラウンドは連続して発生しないため、特定ラウンドの直前のラウンドは必ず通常ラウンドになる。このため、特定ラウンドの開始時に残存球が生じている可能性は低くなり、特定ラウンドが遅延するのを抑制することができる。

したがって、大当り遊技の間延びを抑えつつ、残存球による悪影響が生じないようにすることができる。
［他の実施形態］
（１）第１，第２実施形態のパチンコ機５０では、大入賞口に入球した遊技球をクルーンに誘導し、該遊技球をクルーンに留まらせた後に該遊技球の進路を振り分け、該遊技球を確変口と他の領域のいずれかに入球させている。しかしながら、クルーン以外の振分装置により遊技球の進路を振り分けても良い。なお、振分装置は、遊技球が当該装置に到達した後、該遊技球を当該装置に留まらせ、ある程度の時間をかけて該遊技球の振り分け先が明確にするのが好適である。これにより、遊技者を楽しませることができる。無論、振分装置は、遊技球が当該装置に到達すると、直ちに該遊技球の進路を振り分けても良い。

（２）また、第２実施形態のパチンコ機５０において、第１，第２大入賞口２０，２１の一方にのみクルーン等の振分装置を設け、他方の大入賞口は、シャッターにより確変口を開閉し、シャッターが開放されている際は直ちに確変口に入球するよう構成しても良い。

また、第１，第２実施形態のパチンコ機５０において、大入賞口の開放態様を常にロングとし、シャッターの開閉制御により、通常ラウンドでは、確変口への入球を極めて困難又は不可能とすると共に、特定ラウンドでは、確変口への入球を容易にしても良い。

また、第１，第２実施形態のパチンコ機５０では、大当り遊技の連続しない２つのラウンド（１０，１５Ｒ）が特定ラウンドとなっているが、連続する２以上のラウンドを特定ラウンドとしても良い。

このような構成を有する場合であっても、同様の効果を得ることができる。
（３）また、第１，第２実施形態のパチンコ機５０では、大入賞口への入賞数と、確変口，排出口，ハズレ口に入球した遊技球数とに基づき、残存球の有無を検出している。しかしながら、これに限定されることは無く、例えば、大入賞口の底部や、クルーンや、大入賞口とクルーンを繋ぐ経路や、クルーンと確変口を繋ぐ経路等に遊技球を検出するセンサを設け、該センサにより残存球を検出しても良い。このような場合であっても、同様の効果を得ることができる。

［特許請求の範囲との対応］
上記実施形態の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。

当否判定処理のＳ２３０，Ｓ２３５が当否判定手段の一例に相当する。
また、第１実施形態の確変口１３が特典領域の一例に、クルーン１４が振分領域，振分手段の一例に、ハズレ口１４ａ，１４ｂがハズレ領域の一例に、シャッター１５が規制手段の一例に、排出口１６ｄが排出領域の一例に相当する。

また、第１実施形態の大当り遊技処理のＳ５２５，Ｓ５３５，Ｓ５６０，Ｓ６０５〜Ｓ６２０が大当り遊技手段の一例に、Ｓ５７２が検出手段の一例に、Ｓ６５０，Ｓ６６０が付与手段の一例に相当する。

また、第２実施形態の第１，第２クルーン１４，１８が振分領域，振分手段の一例に、第１，第２確変口１３，１９，共通確変口２９が特典領域の一例に、第１，第２ハズレ口１４ａ，１４ｂ，１８ａがハズレ領域の一例に、第１，第２排出口２５，２６が排出領域の一例に、第１，第２シャッター１５，１７が規制手段の一例に相当する。

また、第２実施形態の大当り遊技処理のＳ７３０，Ｓ７４５，Ｓ７７５，Ｓ７８５，Ｓ８１５，Ｓ８５５〜Ｓ８８０，Ｓ８９０が大当り遊技手段の一例に、Ｓ８２２が検出手段の一例に、Ｓ９２０，Ｓ９２５，Ｓ９４０，Ｓ９４５が付与手段の一例に相当する。

１…遊技盤、３…遊技領域、５…センターケース、６…演出図柄表示装置、７…普通図柄表示装置、８…普図保留数表示装置、９…第１特図表示装置、１０…第２特図表示装置、１１…第１始動口、１２…第２始動口、１３…確変口，第１確変口、１４…クルーン，第１クルーン、１４ａ…ハズレ口，第１ハズレ口、１４ｂ…ハズレ口，第１ハズレ口、１４ｃ…当り口、１５…シャッター，第１シャッター、１６ｄ…排出口、１７…第２シャッター、１８…第２クルーン、１８ａ…第２ハズレ口、１８ｂ…第２当り口、１９…第２確変口、２０…大入賞口、２１…第２大入賞口、２２…普通図柄作動ゲート、２５…第１排出口、２６…第２排出口、２９…共通確変口、５０…パチンコ機、８０…主制御装置、８３…サブ統合制御装置。

Claims (6)

1. 始動口への入球に起因して当否判定を行う当否判定手段と、
   前記当否判定で当りと判定されると、通常ラウンドと特定ラウンドとから構成され、それぞれの前記ラウンドで大入賞口を開放する大当り遊技を実行する大当り遊技手段と、
   前記大入賞口に入球した後、振分領域に到達した遊技球の進路を特典領域とハズレ領域のうちのいずれかに振り分け、該遊技球を前記特典領域又は前記ハズレ領域に進入させる振分手段と、
   前記大当り遊技中、前記通常ラウンドでは、前記大入賞口に入球した遊技球を全て排出領域に進入させ、前記特定ラウンドでは、該遊技球を全て前記振分領域に進入させるか、又は、該遊技球を前記振分領域と前記排出領域のいずれかに進入させる規制手段と、
   前記大入賞口に入球した後、前記特典領域と、前記ハズレ領域と、前記排出領域とのうちのいずれにも進入していない遊技球である残存球を検出する検出手段と、
   遊技球が前記特典領域に進入したことに起因して、前記大当り遊技の終了後に遊技者に特典を付与する付与手段と、を備え、
   前記大当り遊技手段は、
   前記大当り遊技中、前記特定ラウンドの次の前記ラウンドとして、前記特定ラウンドを行うことは無く、
   予め定められたタイミングで前記ラウンドを開始すると共に、前記特定ラウンドの開始タイミングが到来した際、前記検出手段により前記残存球が検出されている場合には、前記検出手段により該残存球が検出されなくなった後に前記特定ラウンドを開始すること、
   を特徴とする弾球遊技機。
2. 始動口への入球に起因して当否判定を行う当否判定手段と、
   前記当否判定で当りと判定されると、通常ラウンドと特定ラウンドとから構成され、それぞれの前記ラウンドで第１大入賞口又は第２大入賞口を開放する大当り遊技を実行する大当り遊技手段と、
   前記第１大入賞口又は前記第２大入賞口に入球した後、振分領域に到達した遊技球の進路を特典領域とハズレ領域のうちのいずれかに振り分け、該遊技球を前記特典領域又は前記ハズレ領域に進入させる振分手段と、
   前記大当り遊技中、前記通常ラウンドでは、前記第１大入賞口又は前記第２大入賞口に入球した遊技球を全て排出領域に進入させ、前記特定ラウンドでは、該遊技球を全て前記振分領域に進入させるか、又は、該遊技球を前記振分領域と前記排出領域のいずれかに進入させる規制手段と、
   前記第１大入賞口又は前記第２大入賞口に入球した後、前記特典領域と、前記ハズレ領域と、前記排出領域とのうちのいずれにも進入していない遊技球である残存球を検出する検出手段と、
   遊技球が前記特典領域に進入したことに起因して、前記大当り遊技の終了後に遊技者に特典を付与する付与手段と、を備え、
   前記大当り遊技手段は、
   前記大当り遊技中、前記特定ラウンドの次の前記ラウンドとして、前記特定ラウンドを行うことは無く、
   予め定められたタイミングで前記ラウンドを開始すると共に、前記特定ラウンドの開始タイミングが到来した際、前記検出手段により前記残存球が検出されている場合には、前記検出手段により該残存球が検出されなくなった後に前記特定ラウンドを開始すること、
   を特徴とする弾球遊技機。
3. 請求項２に記載の弾球遊技機において、
   前記検出手段は、さらに、前記残存球が、前記特定ラウンドで前記大入賞口に入球したか否かと、前記第１大入賞口と前記第２大入賞口とのうちのどちらに入球したかを判定し、
   前記大当り遊技手段は、前記特定ラウンドの開始タイミングが到来した際、前記検出手段により、当該特定ラウンドのよりも先に行われた前記特定ラウンドで、該特定ラウンドで開放される前記大入賞口と同じ前記大入賞口に入球した前記残存球が検出されている場合には、前記検出手段により該残存球が検出されなくなった後に当該特定ラウンドを開始すること、
   を特徴とする弾球遊技機。
4. 請求項２に記載の弾球遊技機において、
   前記特典領域は、前記第１大入賞口に入球した後、前記振分領域に到達した遊技球と、前記第２大入賞口に入球した後、前記振分領域に到達した遊技球の双方が到達可能な領域として構成されていること、
   を特徴とする弾球遊技機。
5. 請求項２から請求項４のうちのいずれか１項に記載の弾球遊技機において、
   前記振分手段が前記第１大入賞口に入球した遊技球を前記特典領域に振り分ける確率と、前記第２大入賞口に入球した遊技球を前記特典領域に振り分ける確率とは、異なっていること、
   を特徴とする弾球遊技機。
6. 請求項１から請求項５のうちのいずれか１項に記載の弾球遊技機において、
   前記大当り遊技手段は、前記ラウンドにて、前記大入賞口を、該大入賞口への入球が容易となる程度の長期間にわたり開放するロングと、該大入賞口への入球が困難又は不可能となる程度の短期間にわたり開放するショートとのうちのいずれか一方の態様で開放すること、
   を特徴とする弾球遊技機。

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