JP6416555B2 - 有機トランジスタ - Google Patents
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Description
また、アモルファスシリコンや多結晶シリコンの成膜は、高温度下で実施されるため、基板としては、軽量で、フレキシビリティーではあるが、耐熱性に乏しいプラスチック材料などは使用できないという難点がある。
上記問題を解決するために、アモルファスシリコンや多結晶シリコンに代えて、有機化合物をチャネル半導体層(以下、有機半導体層という)に用いた有機トランジスタ(有機薄膜トランジスタ、有機TFTとも称される)が提案されている(非特許文献1)。
さらには、成膜時に必要となる温度を下げることができ、有機化合物を用いた有機トランジスタでは、基板にプラスチック材料を使用することが可能となり、フレキシブルな表示素子への適用が可能となり、その実用化に期待が集まっている。
さらには、有機トランジスタの実用化に向けては、優れた保存安定性が必要となる。
しかし、ペンタセンを用いてなる有機トランジスタは、大気中では有機トランジスタとしての機能は低く、且つ、保存安定性が低いという難点がある。
また、ペリロ[1,12−bcd]チオフェンは、有機トランジスタの有機半導体層に有用であることが報告されている(非特許文献4)。しかし、ペリロ[1,12−bcd]チオフェンを有機半導体層に使用した有機トランジスタの電荷移動度および電流オン/オフ比は、実用上充分な性能であるとは言いがたいことが判明した。
現在では、実用化に向け、一層改良された有機トランジスタの開発が求められている。
本発明は、上述に鑑み、電荷移動度が高く、大きな電流オン/オフ比を有し、かつ保存安定性に優れた有機トランジスタを提供することである。
すなわち、本発明は、
有機半導体層を有する有機トランジスタにおいて、該有機半導体層に一般式(1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有してなる有機トランジスタである。
本発明の有機トランジスタは、有機半導体層に一般式(1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有してなるものである。
〔式中、X1〜X8はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、直鎖、分岐または環状のアルコキシアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシアルコキシ基、あるいは置換または未置換のアリール基を表し、さらに、X1〜X3の組み合わせおよび/またはX4〜X6の組み合わせより選ばれる隣接する2個の置換基が互いに結合して置換している炭素原子と共に置換または未置換のベンゼン環、あるいは置換または未置換のチオフェン環を形成していてもよく、Zは酸素原子、あるいは硫黄原子を表す〕
また、アリール基の置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、あるいは炭素数4〜20の前記ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基で置換されていてもよいアリール基などが挙げられる。尚、アリール基には、これらの置換基が単置換または多置換されていてもよい。
例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、1−メチルペンチル基、4−メチル−2−ペンチル基、3,3−ジメチルブチル基、2−エチルブチル基、n−ヘプチル基、1−メチルヘキシル基、シクロヘキシルメチル基、n−オクチル基、tert−オクチル基、1−メチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基、2−プロピルペンチル基、n−ノニル基、2,2−ジメチルヘプチル基、2,6−ジメチル−4−ヘプチル基、3,5,5−トリメチルヘキシル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、1−メチルデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、1−ヘキシルヘプチル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−エイコシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、4−tert−ブチルシクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基などの直鎖、分岐または環状のアルキル基;
2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、4−ブロモフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3,4−ジフルオロフェニル基、3,4−ジクロロフェニル基、3,5−ジフルオロフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、3,4,5−トリフルオロフェニル基、2−メチル−4−クロロフェニル基、2−クロロ−4−メチルフェニル基、3−クロロ−4−メチルフェニル基、2−クロロ−4−メトキシフェニル基、3−メトキシ−4−フルオロフェニル基、3−メトキシ−4−クロロフェニル基、3−フルオロ−4−メトキシフェニル基、2,3,4,5,6−ペンタフルオロフェニル基、4−フェニルフェニル基、3−フェニルフェニル基、4−(4’−メチルフェニル)フェニル基、4−(4’−メトキシフェニル)フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−エトキシ−1−ナフチル基、6−n−ブチル−2−ナフチル基、6−メトキシ−2−ナフチル基、7−エトキシ−2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、2−テトラセニル基、2−フルオレニル基、9,9−ジメチル−2−フルオレニル基、9,9−ジ−n−プロピル−2−フルオレニル基、2−フリル基、2−チエニル基、5−n−プロピル−2−チエニル基、5−n−ブチル−2−チエニル基、5−n−ヘキシル−2−チエニル基、5−n−オクチル−チエニル基、5−n−デシル−2−チエニル基、5−n−トリデシル−2−チエニル基、5−フェニル−2−チエニル基、5−(2’−チエニル)−2−チエニル基、5−(5’−n−ブチル−2’−チエニル)−2−チエニル基、5−(5’−n−ヘキシル−2’−チエニル)−2−チエニル基、5−(5’−n−デシル−2’−チエニル)−2−チエニル基、3−チエニル基、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基などの置換または未置換のアリール基を挙げることができる。
好ましくは、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、炭素数2〜20の直鎖、分岐または環状のアルコキシアルキル基、炭素数2〜20の直鎖、分岐または環状のアルコキシアルコキシ基、あるいは炭素数4〜20の置換または未置換のアリール基が挙げられる。
形成されるベンゼン環、およびチオフェン環に置換していてもよいアリール基に置換していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基、炭素数1〜20の直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、あるいは炭素数4〜20の前記ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基で置換されていてもよいアリール基などが挙げられる。尚、アリール基には、これらの置換基が単置換または多置換されていてもよい。
一般式(1)において、Zは酸素原子、あるいは硫黄原子を表し、好ましくは、硫黄原子である。
一般式(1)で表される化合物は、ベンゼン環、あるいはチオフェン環の縮環の有無、および縮環の位置形態により、一般式(1−A)〜一般式(1−F)の化合物に分類することができる。
一般式(1)で表される化合物の内、一般式(1−D)〜一般式(1−F)の化合物は、電荷移動度が一層高く、より好ましいものである。
本発明に係る一般式(1)で表される化合物は、それ自体公知の方法を参考にして製造することができる。
すなわち、一般式(1)で表される化合物は、例えば、一般式(2)または一般式(3)で表される化合物と、酸(例えば、ポリリン酸)を作用させて、環化することにより製造することができる〔例えば、J.Heterocyclic Chem.,18、981(1981)、Chem.Rev.,87、1277(1987)に記載の方法を参考にすることができる〕。
〔式中、X1〜X8、およびZは一般式(1)の場合と同じ意味を表す〕
一般式(1)で表される化合物を、有機トランジスタに使用する場合、再結晶法、カラムクロマトグラフィー法、昇華精製法などの精製方法、あるいはこれらの方法を併用して、純度を高めた化合物を使用することは好ましいことである。
本発明の有機トランジスタにおいては、有機半導体層に一般式(1)で表される化合物を少なくとも1種含有することが特徴であり、このことにより、従来にはない、電荷移動度が高く、電流のオン/オフ比が大きく、かつ保存安定性に優れた有機トランジスタを提供することが可能となる。
有機トランジスタは、通常、ソース電極、ドレイン電極およびゲート電極、およびゲート絶縁層、有機半導体層を有して成るものであり、本発明の有機トランジスタにおいては、該有機半導体層に一般式(1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有してなるものである。
図1は本発明の有機トランジスタの一形態を示す模式的断面図である。
この有機トランジスタの形態においては、基板11上にゲート電極21が設けられ、そのゲート電極上にゲート絶縁層31が積層されており、その上に所定の間隔で形成されたソース電極61およびドレイン電極41が形成されており、さらにその上に有機半導体層51が積層されている(ボトムゲート・ボトムコンタクト構造)。
尚、導電性のある基板、例えば、シリコンを基板に用いた場合、その基板はゲート電極を兼ねることもできる。
尚、これらの電極材料は、1種を単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
ソース電極、ドレイン電極は、上に挙げた電極材料の中でも、有機半導体層との接触面において電気抵抗が小さいものが好ましい。
また、導電性ポリマーや導電性微粒子を用いて電極を形成する場合には、導電性ポリマーの溶液あるいは分散液、導電性微粒子の分散液を、インクジェット法によりパターニングしてもよく、塗工膜からリソグラフやレーザーアブレーションなどにより形成してもよい。
さらには、導電性ポリマーや導電性微粒子を含むインク、導電性ペースト(銀ペースト、カーボンペーストなど)などを凸版、凹版、平版、スクリーン印刷などの印刷法でパターニングする方法を用いることもできる。
尚、ソース電極、ドレイン電極は、互いに対向するように配置されるが、その間隔(チャネル長)は、一般に、数百nm〜数mmの範囲に設定することが好ましく、より好ましくは、100nm〜1mmであり、さらに好ましくは、1μm〜500μmである。
ゲート絶縁層に使用する絶縁材料は、1種を単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
また、有機高分子化合物をゲート絶縁層に使用し、ゲート絶縁層を形成した後に有機半導体層を形成する場合は、有機高分子化合物から成るゲート絶縁層上にラビング処理を施してから有機半導体層を形成するようにしてもよい。
ゲート絶縁層の膜厚は、特に限定するものではないが、一般に、数nm〜数十μmの範囲に設定することが好ましく、より好ましくは、5nm〜10μmであり、さらに好ましくは、10nm〜5μmである。
係る高分子化合物としては、例えば、ポリアクリル酸誘導体、ポリメタクリル酸誘導体、ポリ(シクロヘキシルメタクリレート)誘導体、ポリエチレン誘導体、ポリプロピレン誘導体、ポリイソプレン誘導体、ポリブタジエン誘導体、ポリイソブチレン誘導体、ポリメチルペンテン誘導体、
ポリ(ビニルシクロヘキサン)誘導体、ポリスチレン誘導体、ポリ(4−メチルスチレン)誘導体、ポリ(α−メチルスチレン)誘導体、ポリ(α−ビニルナフタレン)誘導体、ポリ(ビニルトルエン)誘導体、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)誘導体、ポリ(4−ビニルビフェニル)誘導体、ポリ(2−メチル−1,3−ブタジエン)誘導体、ポリ(スチレン・アクリロニトリル)共重合体、ポリ(スチレン・ブタジエン)共重合体、ポリ塩化ビニル誘導体、ポリエチレンテレフタレート誘導体、ポリブチレンテレフタレート誘導体、ナイロン誘導体、ポリエステル誘導体、ポリイミド誘導体、ポリフェノール誘導体、セルロース誘導体、ビニロン誘導体などを挙げることができる。
これらの高分子化合物は、1種を単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
尚、一般式(1)で表される少なくとも1種の化合物と、高分子化合物を併用して、有機半導体層を形成する場合、一般式(1)で表される少なくとも1種の化合物の含有量は、高分子化合物に対して、5質量%以上が好ましく、20質量%以上になるように調製することがより好ましい。
形成方法としては、例えば、真空蒸着法、分子線エピタキシャル成長法、イオンクラスタービーム法、低エネルギーイオンビーム法、イオンプレーティング法、CVD法、スパッタリング法、プラズマ重合法、熱転写法、レーザー転写法などのドライプロセス、スプレーコート法、スピンコート法、ブレードコート法、ディップコート法、キャスト法、ロールコート法、バーコート法、ダイコート法、LB法(ラングミューア・ブロジェット法)、各種印刷法、インクジェット法などのウェットプロセスを挙げることができる。
係る溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなどのアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル系溶媒、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、アニソールなどのエーテル系溶媒、ヘキサン、オクタン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンなどの炭化水素系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、テトラクロロエチレン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、グルタロジニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル系溶媒、ジメチルスルフォキサイド、スルフォラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどの非プロトン性極性溶媒などの有機溶媒を挙げることができる。これらの溶媒は、1種を単独で使用してもよく、あるいは複数併用してもよい。
係る溶媒中の一般式(1)で表される少なくとも1種の化合物の濃度に関しては、特に制限するものではないが、一般には、0.01〜20質量%、より好ましくは、0.05〜15質量%程度に調製することが好ましい。
例えば、有機半導体層の形成後に、熱処理を施して、形成時に生じた膜厚の歪を緩和したり、あるいは生成したピンホールなどの改善することが可能な場合がある。
ゲート電極としての抵抗率0.02Ω・cmのシリコン基板に、厚さ200nmの熱酸化膜(SiO2)を形成した。ここで、シリコン基板自体がゲート電極となり、シリコン基板表面に形成されたSiO2層がゲート絶縁層となる。この上に、真空下(5×10−4Pa)で、例示化合物番号10の化合物を、蒸着速度0.03nm/secの速度で、30nmの厚さに蒸着し、有機半導体層を形成した。さらに、この上に、マスクを用いて、金を蒸着してソース電極およびドレイン電極を形成した。尚、ソース電極およびドレイン電極の厚みは40nmであり、チャネル幅は5mm、チャネル長は20μmであった。
以上のように作製した有機トランジスタは、p型のトランジスタ素子としての特性を示した。有機トランジスタの電流−電圧(I−V)特性の飽和領域から電荷移動度を求めた。
さらに、ドレインバイアス−50Vとし、ゲートバイアス−50Vおよび0Vにした時のドレイン電流値を測定し、電流のオン/オフ比を求めた。
さらに、作製した有機トランジスタ素子を大気中で、25℃で、1ヶ月保存した後、再度、電荷移動度と電流のオン/オフ比を測定した。測定結果を第1表に示した。
実施例1において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号10の化合物を使用する代わりに、例示化合物番号16の化合物(実施例2)、例示化合物番号23の化合物(実施例3)、例示化合物番号36の化合物(実施例4)、例示化合物番号45の化合物(実施例5)、例示化合物番号52の化合物(実施例6)、例示化合物番号57の化合物(実施例7)、例示化合物番号59の化合物(実施例8)、例示化合物番号62の化合物(実施例9)、例示化合物番号71の化合物(実施例10)、例示化合物番号82の化合物(実施例11)、例示化合物番号85の化合物(実施例12)、例示化合物番号96の化合物(実施例13)、例示化合物番号98の化合物(実施例14)、例示化合物番号106の化合物(実施例15)、例示化合物番号118の化合物(実施例16)、例示化合物番号129の化合物(実施例17)、例示化合物番号137の化合物(実施例18)、例示化合物番号153の化合物(実施例19)を使用した以外は、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。さらに、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタの特性を調べ、結果を第1表に示した。
実施例1において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号10の化合物を使用する代わりに、ペンタセンを使用した以外は、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。さらに、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタの特性を調べ、結果を第1表に示した。
尚、1ヶ月放置後には、有機トランジスタとしての特性を示さなかった。
実施例1において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号10の化合物を使用する代わりに、α−ヘキサチエニレンを使用した以外は、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。
さらに、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタの特性を調べ、結果を第1表に示した。
実施例1において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号10の化合物を使用する代わりに、ペリロ[1,12−bcd]チオフェン(非特許文献4に記載の化合物)を使用した以外は、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。
さらに、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタの特性を調べ、結果を第1表に示した。
ゲート電極としての抵抗率0.02Ω・cmのシリコン基板に、厚さ200nmの熱酸化膜(SiO2)を形成した。ここで、シリコン基板自体がゲート電極となり、シリコン基板表面に形成されたSiO2層がゲート絶縁層となる。シリコン基板を80℃に加熱しておき、その上に、例示化合物番号12の化合物のクロロベンゼン溶液(濃度:0.3質量%)を塗布したところ、クロロベンゼンが蒸発し、50nmの厚さの例示化合物番号12の化合物からなる有機半導体層が形成された。さらに、この上に、マスクを用いて、金を蒸着してソース電極およびドレイン電極を形成した。尚、ソース電極およびドレイン電極の厚みは40nmであり、チャネル幅は5mm、チャネル長は20μmであった。
さらに、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタの特性を調べたところ、移動度は、3.5×10−2(cm2/Vsec)であり、電流のオン/オフ比は3.6×106であった。
実施例20において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号12の化合物を使用する代わりに、例示化合物番号24の化合物を使用した以外は、実施例20に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。
さらに、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタの特性を調べたところ、移動度は、5.2×10−2(cm2/Vsec)であり、電流のオン/オフ比は4.2×106であった。
実施例20において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号12の化合物を使用する代わりに、例示化合物番号65の化合物を使用した以外は、実施例20に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。
さらに、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタの特性を調べたところ、移動度は、1.7×10−1(cm2/Vsec)であり、電流のオン/オフ比は8.2×106であった。
実施例20において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号12の化合物を使用する代わりに、例示化合物番号67の化合物を使用した以外は、実施例20に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。
さらに、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタの特性を調べたところ、移動度は、1.2×10−1(cm2/Vsec)であり、電流のオン/オフ比は7.7×106であった。
実施例20において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号12の化合物を使用する代わりに、例示化合物番号78の化合物を使用した以外は、実施例20に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。
さらに、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタの特性を調べたところ、移動度は、1.6×10−1(cm2/Vsec)であり、電流のオン/オフ比は7.7×106であった。
実施例20において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号12の化合物を使用する代わりに、例示化合物番号111化合物を使用した以外は、実施例20に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。
さらに、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタの特性を調べたところ、移動度は、6.2×10−2(cm2/Vsec)であり、電流のオン/オフ比は6.3×106であった。
実施例20において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号12の化合物を使用する代わりに、例示化合物番号123の化合物を使用した以外は、実施例20に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。
さらに、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタの特性を調べたところ、移動度は、1.0×10−1(cm2/Vsec)であり、電流のオン/オフ比は6.8×106であった。
実施例20において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号12の化合物を使用する代わりに、例示化合物番号126の化合物を使用した以外は、実施例20に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。
さらに、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタの特性を調べたところ、移動度は、2.1×10−1(cm2/Vsec)であり、電流のオン/オフ比は6.7×106であった。
実施例20において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号12の化合物を使用する代わりに、例示化合物番号143の化合物を使用した以外は、実施例20に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。
さらに、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタの特性を調べたところ、移動度は、3.2×10−1(cm2/Vsec)であり、電流のオン/オフ比は5.8×106であった。
実施例20において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号12の化合物を使用する代わりに、例示化合物番号148の化合物を使用した以外は、実施例20に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。
さらに、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタの特性を調べたところ、移動度は、8.5×10−2(cm2/Vsec)であり、電流のオン/オフ比は8.2×106であった。
実施例20において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号12の化合物を使用する代わりに、例示化合物番号158の化合物を使用した以外は、実施例20に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。
さらに、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタの特性を調べたところ、移動度は、1.7×10−1(cm2/Vsec)であり、電流のオン/オフ比は8.2×106であった。
実施例20において、有機半導体層の形成に際して、例示化合物番号12の化合物を使用する代わりに、例示化合物番号163の化合物を使用した以外は、実施例20に記載の方法により、有機トランジスタを作製した。
さらに、実施例1に記載の方法により、有機トランジスタの特性を調べたところ、移動度は、7.5×10−2(cm2/Vsec)であり、電流のオン/オフ比は5.3×106であった。
21:ゲート電極
31:ゲート絶縁層
41:ドレイン電極
51:有機半導体層
61:ソース電極
12:基板
22:ゲート電極
32:ゲート絶縁層
42:ドレイン電極
52:有機半導体層
62:ソース電極
13:基板
23:ゲート電極
33:ゲート絶縁層
43:ドレイン電極
53:有機半導体層
63:ソース電極
14:基板
24:ゲート電極
34:ゲート絶縁層
44:ドレイン電極
54:有機半導体層
64:ソース電極
Claims (1)
- 有機半導体層を有する有機トランジスタにおいて、該有機半導体層に一般式(1)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有してなる有機トランジスタ。
〔式中、X1〜X8はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、直鎖、分岐または環状のアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシ基、直鎖、分岐または環状のアルコキシアルキル基、直鎖、分岐または環状のアルコキシアルコキシ基、あるいは置換または未置換のアリール基を表し、さらに、X1〜X3の組み合わせおよび/またはX4〜X6の組み合わせより選ばれる隣接する2個の置換基が互いに結合して置換している炭素原子と共に置換または未置換のベンゼン環、あるいは置換または未置換のチオフェン環を形成していてもよく、Zは酸素原子、あるいは硫黄原子を表す〕
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