JP6414973B2 - 紙送りローラの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば画像形成装置等においてピンチローラ等として好適に使用される紙送りローラの製造方法に関するものである。
静電式複写機等の画像形成装置などにおいてゴム等からなる対ローラとの間に紙を挟んで搬送するために用いるピンチローラは例えば樹脂等の、ゴムよりも摩擦係数の小さい材料によって形成するのが一般的である。
特に挟んだ紙を幅方向の一方側に寄せるべくピンチローラを対ローラに対して平行に配置せず少し角度をつけて配置する場合、上記紙を一方向に寄せきった後はピンチローラが紙上で空転しなければならないため、とりわけその摩擦係数が小さいことが求められる。
しかし樹脂等からなるピンチローラはゴムよりも硬いため、例えば紙送りの合間に柔らかいゴム製の対ローラと直接に接触した際に、当該対ローラを傷つけてしまうおそれがある。
特許文献1には、ウレタン系熱可塑性エラストマに樹脂ビーズを配合した樹脂組成物を射出成形することにより、ピンチローラ等の紙送りローラをシャフトと一体に形成することが記載されている。
かかる構成によれば、樹脂よりも軟らかくかつゴムよりも摩擦係数の小さいウレタン系熱可塑性エラストマにさらに摩擦係数を低減するために機能する樹脂ビーズを配合することで、上記ウレタン系熱可塑性エラストマによる紙送りローラの軟らかさを適度に維持しながら、当該紙送りローラの摩擦係数をある程度までは小さくできる。
特開2013−35613号公報
しかし上記の効果には限界がある。すなわち特許文献1の構成ではその実施例、比較例の結果からも明らかなように樹脂ビーズの配合割合の増加による摩擦係数の低下の度合いが不十分である。
特に前述した片寄せのためのピンチローラ等として使用するべく紙送りローラの摩擦係数を0.5未満とするためには、特許文献1の実施例の範囲(段落[0030]に規定の範囲)を超えて多量の樹脂ビーズを配合しなければならず、それによって紙送りローラが樹脂製のものと同等程度まで硬くなってしまって、前述した樹脂製のものと同様にゴム製の対ローラと直接に接触した際に当該対ローラを傷つけやすくなるとった問題を生じる。
樹脂組成物を射出成形して紙送りローラを形成していることが、上記の問題を生じる原因であると発明者は考えている。
すなわち射出成形では紙送りローラの、紙と接触する外周面の表面形状が金型の型面によって規定される平滑で摩擦係数の高い面とされるとともに、樹脂ビーズの多くは上記外周面の面内に埋没して摩擦係数の低下に寄与しにくい状態となるため、先述したように樹脂ビーズの配合割合の増加による摩擦係数の低下の度合いが不十分になる傾向がある。
しかも特許文献1では上記のように射出成形法を採用しているため、高価な射出成型用の金型を必要とすることと、成型工程がバッチ式で生産性が低いこととが相まって紙送りローラの製造コストが高くつくといった問題もある。
本発明の目的は、熱可塑性エラストマに樹脂ビーズ等の球状フィラーを配合してなり、なおかつ現状よりも柔軟でしかも摩擦係数が小さい紙送りローラを、コスト安価に製造できる紙送りローラの製造方法を提供することにある。
発明は、熱可塑性エラストマ、および球状フィラーを含む樹脂組成物を熱可塑性エラストマの融点T(℃)に対してT−5℃未満に温度を維持した、紙送りローラの断面形状に対応したダイを通して押出成形する工程を経て、摩擦係数が0.5未満で、かつタイプAデュロメータ硬さが90以下である紙送りローラを製造する紙送りローラの製造方法である。
本発明によれば、熱可塑性エラストマに樹脂ビーズ等の球状フィラーを配合してなり、なおかつ現状よりも柔軟でしかも摩擦係数が小さい紙送りローラを、コスト安価に製造できる紙送りローラの製造方法を提供できる。
本発明の製造方法によって製造される紙送りローラの摩擦係数を測定する方法を説明する図である。 本発明の実施例、比較例、ならびに特許文献1の実施例、比較例における摩擦係数とタイプAデュロメータ硬さとの関係を示すグラフである。
《紙送りローラの製造方法
本発明の製造方法によれば、紙送りローラは、上記のように熱可塑性エラストマと球状フィラーを含む樹脂組成物を、当該紙送りローラの断面形状に対応したダイを通して大気中などに押出成形して形成される。
そのため、例えば押出成形の条件等を適宜設定することにより、その外周面を、射出成形によって形成される平滑な外周面より摩擦係数の小さい面とすることができる。
しかも上記外周面の近傍に存在する球状フィラーの多くは、押出成形時の樹脂圧や熱可塑性エラストマとの親和性等に応じて上記平滑面から突出した状態となって摩擦係数のさらなる低下に寄与する。
したがって本発明によれば、球状フィラーの配合割合の増加による摩擦係数の低下の度合いを高めて紙送りローラの摩擦係数をより効率よく低減でき、例えば球状フィラーの配合割合を現状と同等程度またはそれ以下として紙送りローラに良好な柔軟性を付与しながら、なおかつその摩擦係数を現状よりも小さくすることが可能となる。
すなわち摩擦係数を0.5未満、好ましくは0.46以下とすることにより、紙送りローラを例えばピンチローラとして使用して紙を一方向に寄せきった後は、紙上で良好に空転して紙にしわなどが生じるのをより一層良好に防止できる。
またタイプAデュロメータ硬さを90以下とすることにより、ピンチローラとしての紙送りローラをゴム製の対ローラと直接に接触させた際に当該対ローラが傷つくのをより一層良好に防止できる。
その上本発明によれば高価な金型を必要とせず、しかも連続的に成形が可能な押出成形によって、上記紙送りローラをよりコスト安価に製造することもできる。
なお紙送りローラは、例えばピンチローラとして紙を一方向に寄せるために良好に機能させることを考慮するとある程度の摩擦力を有しているのが好ましいため、その摩擦係数は上記の範囲でも0.2以上であるのが好ましい。
また、例えば熱可塑性エラストマに可塑剤等を配合すれば紙送りローラを熱可塑性エラストマ自体より軟らかくすることも可能であるが、当該紙送りローラの耐摩耗性や強度等を考慮するとそのタイプAデュロメータ硬さは、上記の範囲でも熱可塑性エラストマ自体のタイプAデュロメータ硬さ以上に設定するのが好ましい。
なお紙送りローラの摩擦係数およびタイプAデュロメータ硬さを、本発明ではそれぞれ下記の方法によって測定した値でもって表すこととする。
〈摩擦係数〉
図1に示すように、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製の板1を水平に設置し、当該板1と摩擦係数を測定する紙送りローラ2との間に、一端をロードセル3に接続した60mm×210mmサイズの紙4〔富士ゼロックス(株)製のP紙(普通紙)〕の他端を挟んだ状態で、図中に実線の矢印で示すように紙送りローラ2のシャフト5に0.98N(=100gf)の鉛直荷重Wを加える。
この状態で、温度23±2℃、相対湿度55±10%の環境下、紙送りローラ2を一点鎖線の矢印Rで示す方向に周速30mm/秒で回転させてロードセル3に加わる搬送力F(gf)を測定する。
そして測定した搬送力Fと鉛直荷重W(=100gf)とから式(1):
摩擦係数=F(gf)/W(gf) (1)
によって摩擦係数を求める。
〈タイプAデュロメータ硬さ〉
紙送りローラのもとになる樹脂組成物を厚み2mmのシート状に成形し、それを3枚重ねて試験片とする。
そしてこの試験片を用いて、温度23±2℃の環境下、日本工業規格JIS K6253−3:2012「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−硬さの求め方−第3部:デュロメータ硬さ」所載の測定方法に則って15秒後の数値を読み取ってタイプAデュロメータ硬さとする。
〈熱可塑性エラストマ〉
熱可塑性エラストマとしては、前述したように樹脂よりも軟らかくかつゴムよりも摩擦係数の小さい種々の熱可塑性エラストマがいずれも使用可能である。かかる熱可塑性エラストマとしては、例えばポリエステル系熱可塑性エラストマ、ウレタン系熱可塑性エラストマ、スチレン系熱可塑性エラストマ、オレフィン系熱可塑性エラストマ等が挙げられる。
なおピンチローラと組み合わせる対ローラとしては、例えばエチレンプロピレンジエンゴム(EPDM)製のローラが使用される場合が多く、当該EPDM製のローラにはパラフィンオイル等の可塑剤が配合されるのが一般的である。
ところが上記可塑剤が対ローラからピンチローラに移行すると、当該ピンチローラが柔らかくなりすぎて摩耗しやすくなるおそれがある。
そのため、特にEPDM製の対ローラと組み合わせるピンチローラとして使用する紙送りローラは、上記の中でも可塑剤が移行しにくいポリエスエル系熱可塑性エラストマやウレタン系熱可塑性エラストマによって形成するのが好ましい。
また上記紙送りローラの摩擦係数をより一層低減することを考慮すると、当該紙送りローラは、上記2種の中でもポリエステル系熱可塑性エラストマによって形成するのがさらに好ましい。
ポリエステル系熱可塑性エラストマの具体例としては、例えば東レ・デュポン(株)製のハイトレル(登録商標)シリーズのポリエステル系熱可塑性エラストマのうち、押出成形が可能なグレードの1種または2種以上が挙げられる。
〈球状フィラー〉
本発明で使用する球状フィラーは真球状のものには限定されず、いわゆるビーズ状、粒状のものなども含みうる。
上記球状フィラーとしては、押出成形時の熱によって溶融したり変形したりしない上、紙送りローラの摩擦係数を低減できる有機または無機の種々の球状のフィラーがいずれも使用可能である。かかる球状フィラーとしては、例えば架橋アクリル樹脂やシリコーンレジン等の硬質の樹脂からなる樹脂ビーズ、ガラスビーズ、球状シリカ、球状アルミナ等の1種または2種以上が挙げられる。
また球状フィラーとしては、例えば熱可塑性エラストマとの親和性、相溶性等を改善するために、その表面をカップリング剤等で処理したものを用いてもよい。
特に硬さや強度だけでなく、上記熱可塑性エラストマとの親和性や相溶性、あるいは取り扱いの容易さや入手のしやすさ等を考慮すると、球状フィラーとしては架橋アクリル樹脂ビーズ、またはガラスビーズが好ましい。
前述したように紙送りローラの外周面に突出させてその摩擦係数を低減する効果をより一層向上することを考慮すると、球状フィラーの平均粒径は1μm以上、中でも5μm以上、特に15μm以上であるのが好ましい。
ただし粒径が大きすぎる球状フィラーは使用時に紙送りローラの外周面から脱落したりしやすいため、当該球状フィラーの平均粒径は上記の範囲でも120μm以下、特に100μm以下であるのが好ましい。
架橋アクリル樹脂ビーズの具体例としては、例えば三菱レイヨン(株)製のメタブレン(登録商標)F−410〔平均粒径:100μm〕、アイカ工業(株)製のガンツパール(登録商標)GBX−10S〔平均粒径:8〜12μm〕等の少なくとも1種が挙げられる。
またガラスビーズとしては、例えばソーダ石灰ガラス、低アルカリガラス等の各種ガラスからなるビーズが使用できる。ガラスビーズの具体例としては、例えばポッターズ・バロティーニ(株)製の汎用ガラスビーズGB301S〔ソーダ石灰ガラス、平均粒径:50μm〕、EGB731〔低アルカリガラス、平均粒径:20μm〕、EGB731C〔低アルカリガラス、平均粒径:20μm、アクリルシラン処理〕等の1種または2種以上が挙げられる。
球状フィラーの配合割合は、当該球状フィラーの種類や平均粒径、組み合わせる熱可塑性エラストマの種類やグレード、硬さ、そして目標とする紙送りローラの硬さや摩擦係数等に応じて適宜設定できる。
例えば球状フィラーを配合しない状態でのタイプAデュロメータ硬さが80であるポリエステル系熱可塑性エラストマに配合して、紙送りローラのタイプAデュロメータ硬さを90以下、摩擦係数を0.5未満とするためには、架橋アクリル樹脂ビーズの配合割合は、上記ポリエステル系熱可塑性エラストマ100質量部あたり10質量部以上、特に15質量部以上であるのが好ましく、30質量部以下であるのが好ましい。
また同条件でのガラスビーズの配合割合は、ポリエステル系熱可塑性エラストマ100質量部あたり15質量部以上、特に20質量部以上であるのが好ましく、100質量部以下、特に80質量部以下であるのが好ましい。
〈その他の成分〉
樹脂組成物には、さらに必要に応じて各種の添加剤を任意の割合で配合してもよい。
上記添加剤としては、例えば有機または無機の充填剤、顔料等の着色剤、可塑剤等の加工助剤、導電性付与剤、各種安定剤等が挙げられる。
製造方法
発明の製造方法によれば、上記各成分を含む樹脂組成物を熱可塑性エラストマの融点T(℃)に対してT−5℃未満に温度を設定した、紙送りローラの断面形状に対応したダイを通して押出成形する工程を経て、紙送りローラが製造される。
ダイの温度が上記の範囲に限定されるのは下記の理由による。
すなわち、上記範囲より高温に設定したダイを通して樹脂組成物を押出成形すると、当該樹脂組成物は良好に溶融した状態を維持しながらダイからスムースに押し出されることになる。
そのため押出成形された紙送りローラは外周面が平滑になるとともに、球状フィラーの多くが上記外周面に埋没した状態となる結果、その摩擦係数が前述した0.5未満の範囲を満足できなくなる。
これに対し、ダイの温度を上記の範囲に設定して樹脂組成物を温度低下させながら押出成形すると、当該樹脂組成物は先の場合のようにはスムースに押し出されなくなり、押出成形された紙送りローラは外周面が適度に荒れてその平滑性が適度に低下するとともに、当該外周面から多くの球状フィラーが突出した状態となり、結果として製造される紙送りローラの摩擦係数が0.5未満となる。
なお上記のメカニズムによって紙送りローラの摩擦係数をできるだけ小さくすることを考慮すると、ダイの温度は、上記の範囲でもできるだけ低めに設定するのが好ましく、特に熱可塑性エラストマの融点T(℃)に対してT−10℃以下、中でもT−15℃以下、特にT−20℃以下に設定するのが好ましい。
ただしダイの温度が低すぎと、外周面が荒れすぎて紙送りローラの外観が悪くなったり、スムースに押出成形できなくなったりするおそれがある。そのためダイの温度は、上記の範囲でも熱可塑性エラストマの融点T(℃)に対してT−50℃以上に設定するのが好ましい。
本発明では、ダイの温度を上記の範囲に設定すること以外は通常と同様にして紙送りローラを製造できる。
すなわち熱可塑性エラストマに球状フィラーその他を所定の割合でドライブレンドし、混練してペレット化したものを、さらに押出機のシリンダ内で混練しながら上記の温度に設定したダイを通して押出成形し、冷却したのち所定の長さにカットすることで紙送りローラが製造される。
なおダイの温度に合わせて樹脂組成物をスムースに温度低下させるため、上記押出成形機の、ダイが接続されるヘッドや当該ヘッドをシリンダに接続するアダプタの温度などを、ダイの温度に合わせて適宜調整してもよい。
〈実施例1〉
ポリエステル系熱可塑性エラストマ〔東レ・デュポン(株)製のハイトレル3078、融点T:170℃〕100質量部に、架橋アクリル樹脂ビーズ〔前出の三菱レイヨン(株)製のメタブレンF−410、平均粒径:100μm〕15質量部、および顔料としての酸化チタン〔堺化学工業(株)製のSA−1、アナタース型〕1質量部をドライブレンドし、下記表1に示す温度条件で、2軸押出機を用いてφ2mm程度のひも状に押出成形したのち長さ2〜4mmにカットして樹脂組成物のペレットを作製した。
Figure 0006414973
次いで作製したペレットを単軸の押出機に供給して、下記表2に示す温度条件で、ヘッドに接続したダイを通して内径:5mm、外径7mmの筒状に押出成形したのち長さ10mmにカットしてピンチローラとしての紙送りローラを製造した。ダイの温度は、熱可塑性エラストマの融点T(℃)に対してT−25℃であった。
Figure 0006414973
〈実施例2〉
架橋アクリル樹脂ビーズの配合割合を、ポリエステル系熱可塑性エラストマ100質量部あたり30質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてペレットを作製し、紙送りローラを製造した。
〈比較例1〉
架橋アクリル樹脂ビーズを配合しなかったこと以外は実施例1と同様にしてペレットを作製し、紙送りローラを製造した。
〈比較例2〉
架橋アクリル樹脂ビーズの配合割合を、ポリエステル系熱可塑性エラストマ100質量部あたり5質量部としたこと以外は実施例1と同様にしてペレットを作製し、紙送りローラを製造した。
〈実施例3〉
架橋アクリル樹脂ビーズに代えて、ポリエステル系熱可塑性エラストマ100質量部あたり20質量部のガラスビーズ〔前出のポッターズ・バロティーニ(株)製の汎用ガラスビーズGB301S、ソーダ石灰ガラス、平均粒径:50μm〕を配合したこと以外は実施例1と同様にしてペレットを作製し、紙送りローラを製造した。
〈実施例4〉
架橋アクリル樹脂ビーズに代えて、ポリエステル系熱可塑性エラストマ100質量部あたり50質量部のガラスビーズ〔前出のポッターズ・バロティーニ(株)製の汎用ガラスビーズEGB731C、低アルカリガラス、平均粒径:20μm、アクリルシラン処理〕を配合したこと以外は実施例1と同様にしてペレットを作製し、紙送りローラを製造した。
〈実施例5〉
前記汎用ガラスビーズEGB731Cの配合割合を、ポリエステル系熱可塑性エラストマ100質量部あたり80質量部としたこと以外は実施例4と同様にしてペレットを作製し、紙送りローラを製造した。
上記各実施例、比較例で製造した紙送りローラの摩擦係数を、先に説明した方法によって測定した。
また各実施例、比較例で作製したペレットを先の表2に示した温度条件で厚み2mm、幅約40mmのシート状に押出成形したのち、当該シートを3枚重ねてタイプAデュロメータ硬さ測定用の試験片とした。そして作製した試験片のタイプAデュロメータ硬さを、先に説明した方法によって測定した。
さらに上記シートを打ち抜いて日本工業規格JIS K6251:2010「加硫ゴム及び熱可塑性ゴム−引張特性の求め方」に規定されたダンベル状3号形の試験片を作製し、このダンベル状3号形の試験片を用いて、温度23±2℃の環境下、上記規格に所載の試験方法に則って引張試験をした際の引張強さTS(MPa)、および切断時伸びE(%)を求めた。
以上の結果を表3、表4に示す。
Figure 0006414973
Figure 0006414973
また上記表3、表4の各実施例における摩擦係数とタイプA硬さとの関係を、特許文献1の実施例、比較例の結果と併せて図2に示す。
図2および表3、表4より、特許文献1で採用した射出成形では、摩擦係数が0.5未満で、かつタイプAデュロメータ硬さが90以下である紙送りローラを形成できないのに対し、本発明によれば熱可塑性エラストマに球状フィラーを配合して押出成形することによって、上記の条件を満足しうる紙送りローラを形成できることが判った。
〈実施例6〜8、比較例3、4〉
下記表5に示す温度条件で押出成形したこと以外は実施例4と同様にして紙送りローラを製造した。
そして上記各実施例、比較例で製造した紙送りローラの摩擦係数を、先に説明した方法によって測定した。結果を実施例4の結果と併せて表5に示す。
Figure 0006414973
表5より、押出成形時のダイの温度を熱可塑性エラストマの融点T(℃)に対してT−5℃未満に設定することにより、摩擦係数が0.5μm以下とされた紙送りローラを製造できることが判った。
1 板
2 紙送りローラ
3 ロードセル
4 紙
5 シャフト
F 搬送力
W 鉛直荷重

Claims (3)

  1. 可塑性エラストマ、および球状フィラーを含む樹脂組成物を、前記熱可塑性エラストマの融点T(℃)に対してT−5℃未満に温度を設定した、紙送りローラの断面形状に対応したダイを通して押出成形する工程を経て、摩擦係数が0.5未満で、かつタイプAデュロメータ硬さが90以下である紙送りローラを製造する紙送りローラの製造方法。
  2. 前記熱可塑性エラストマはポリエステル系熱可塑性エラストマである請求項1に記載の紙送りローラの製造方法
  3. 前記球状フィラーは架橋アクリル樹脂ビーズ、およびガラスビーズからなる群より選ばれた少なくとも1種である請求項1または2に記載の紙送りローラの製造方法
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