JP6414908B2 - 新鮮な観賞植物の部位を保存する方法 - Google Patents

新鮮な観賞植物の部位を保存する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP6414908B2
JP6414908B2 JP2016515303A JP2016515303A JP6414908B2 JP 6414908 B2 JP6414908 B2 JP 6414908B2 JP 2016515303 A JP2016515303 A JP 2016515303A JP 2016515303 A JP2016515303 A JP 2016515303A JP 6414908 B2 JP6414908 B2 JP 6414908B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
storage medium
solvent
plant
flowers
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2016515303A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016522206A (ja
Inventor
ゴンザレス, レジェス メネンデス
ゴンザレス, レジェス メネンデス
レックス ラデマケル,
レックス ラデマケル,
ダニエラ オアナ トラムビタス,
ダニエラ オアナ トラムビタス,
Original Assignee
ロングブルーム アイピー ビー.ブイ.
ロングブルーム アイピー ビー.ブイ.
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ロングブルーム アイピー ビー.ブイ., ロングブルーム アイピー ビー.ブイ. filed Critical ロングブルーム アイピー ビー.ブイ.
Publication of JP2016522206A publication Critical patent/JP2016522206A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6414908B2 publication Critical patent/JP6414908B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A01AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
    • A01NPRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
    • A01N3/00Preservation of plants or parts thereof, e.g. inhibiting evaporation, improvement of the appearance of leaves or protection against physical influences such as UV radiation using chemical compositions; Grafting wax

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Agronomy & Crop Science (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Dentistry (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Environmental Sciences (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Description

発明の技術分野
本発明は、切花などの新鮮な観賞植物の部位を保存する方法に関する。より詳細には、本発明は、新鮮な観賞植物の部位に含有される水のうちのかなりの部分を不揮発性有機保存剤に置き換えることにより、観賞植物の部位を保存する方法であって、(i)液化又は超臨界溶剤及び保存剤を含有し、少なくとも30バールの圧力を有する保存媒質に新鮮な観賞植物の部位を接触させるステップ、並びに(ii)保存加工済み観賞植物の部位を回収するステップを含む、方法を提供する。
本発明の方法は、特別な注意又は世話を必要とせずに極めて自然で新鮮な外観を数週間又は数ヶ月間保持する、保存加工済み観賞植物の部位をもたらす。
本発明は、上述の保存方法により得ることができる新鮮な外観を有する保存加工済み切花に更に関係する。
発明の背景
世界中の地域に、気持ちを表すために切花のブーケを贈る慣習がある。更に、花束は、家屋、公共の建物などの魅力的装飾として広く用いられている。しかし、残念なことに、切花は、保存寿命が非常に短く、高温、通風、低湿度、振動、及びその他の環境要因による悪影響を受ける。
多くの切花は、輸送時及び販売前の陳列時の損傷のため、売れないまま処分されなければならない。新鮮で生命力のある外観を保ったまま目的地に到着し、陳列及び販売ができる状態になるように、輸送中の切花の有効寿命を延ばすための試みがなされてきた。観賞植物販売業者も、切花を販売前に陳列して顧客の好意的反応を得るために、可能な限り長く切花の有効寿命を延ばそうと試みている。顧客は購入した切花に少なくとも3〜4日の保存寿命を期待する。顧客は、切花を家に持ち帰り、包みを広げ、新鮮な水に入れ、1日目又は2日目に回復不能にしおれさせ及び/又は茶色に変色させてしまった際には、落胆する。
収穫された花の有効寿命を延ばすために用いられる手段に関係なく、それらの花がしおれて、色があせ、しばしば茶色に変色することは避けられない。このようなしおれが生じるまでの期間は大きく変動する。この期間は、花の品種、最初に切断されてからの時間の長さ、切断から使用までに用いられた輸送及び保管の種類、並びに輸送及び陳列時の周囲条件に部分的に依存する。低温は切花の寿命を延ばすことが知られているが、大部分の人々の家は、陳列時に切花の寿命を最長にするほど十分に低い温度に保たれてはいない。また、観賞植物卸売及び販売業者にとって、業務用冷蔵設備は高価である。切花を差し入れた水を頻繁に交換すること、茎に頻繁に新しい切込みを入れること、及び新しい切花を差し入れた水に化学的防腐剤を添加することも、切花の寿命を延ばすために一般に用いられる他の手段である。しかし、これらの切花保存方法はいずれも、手間がかかる若しくは費用が高く、又はその両方であり、いずれの方法でも切花の生命が数日より長く延びることはない。
はるかに長い期間にわたり魅力が維持されるように切花を保存する方法を実現するために、これまで多くの試みがなされてきた。特定の種類の切花を保存するために用いることができる周知の方法は、乾燥処理である。しかし、乾燥処理により得られるドライフラワーは、新鮮な切花とは明らかに外観が異なり、魅力もはるかに小さい。
より高度な他の保存方法も記載されている。例えば、米国特許第4287222号は、
ポリオール又はその混合物を含み、1.10〜1.16の範囲の比重を有する処理液に処理対象の植物材料を浸漬すること、
植物材料への処理剤の吸収のために、2〜7日の時間間隔にわたり、周囲温度下にて5〜40psi(1バール=14.51psi)の範囲の圧力を、浸漬した植物材料に加えること、
加圧浸漬状態から植物材料を回収すること、並びに
回収した植物材料を周囲気圧及び温度にて乾燥させること
を含む、裁断植物材料を処理する方法を記載している。
米国特許第6365548号は、溶剤を用いて切花の組織水を取り除く脱水プロセス、及び脱水後にポリエチレングリコールが上記切花に浸透し、それにより切花内の溶剤をポリエチレングリコールに置き換える浸透プロセスを含む、切花の保存方法であって、脱水プロセスが水の吸着のための適量の分子篩を備えた容器内に切花を固定した状態で行われ、容器がその中に水よりも比重の小さな溶剤を備え、下記ステップ:
(a)溶剤の比重を連続的に測定することにより、脱水の進行に伴う溶剤の脱水能力の変化を監視し、分子篩の交換時点を検出すること、及び
(b)比重測定により判定された溶剤中の溶出水分の総量が分子篩の水分吸着能力を超えたとき、分子篩を実質的に水を含まない新しい分子篩に交換すること
を含む、方法を記載している。
米国特許出願公開第2007/0089363号は、生花を保存する方法であって、花を選択して切断し、茎を水に浸漬し、次いで各花を各々その茎から分離し、水混和性の抽出溶剤(例えばアルコール)を用いる3つの連続的脱水ステップにて花を脱水し、続いて、着色剤と、脱水ステップにて使用したものと同じ特性の溶剤と、着色剤及び溶剤に可溶性のポリマーとのブレンドを含む槽に花を浸漬する浸透ステップ、並びに最後の蒸発ステップを用いる方法を記載している。
国際公開第2009/098653号パンフレットは、植物材料を保存及び/又は染色する方法であって、植物材料から天然のワックス物質の大部分を除去するステップ、並びに植物材料に脱色剤及び/又は保存剤を適用するステップを含む方法を記載している。保存剤は、保湿成分及び溶剤成分を含む。保湿成分は、糖類、ポリオール、ポリオール−エステル、アミン、及び第四級アンモニウム化合物、並びに強い及び/又は弱い無機及び/又は有機酸の塩から選択される。溶剤成分は、水、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、tert−ブタノールを含むアルコール、石油エーテル、及びイソパラフィンから選択される。保存溶液は、取り込み速度を増大させるために、不活性ガスで加圧されるのが好ましい。不活性ガスは窒素及び/又は二酸化炭素のいずれかから選択することができ、好ましい圧力は0.5〜2.0atmの間で変化する。
上述の保存方法は、植物材料中に天然に存在する水を置き換えるための有機保存液成分(例えば、グリセロール又はポリエチレングリコール)の使用に依存する。この置き換えは、植物材料の新鮮な外観を維持することに役立ち、植物材料内の膨圧を維持することにも寄与する。膨圧は、非木質化植物組織(例えば、花弁、葉)の剛性及び機械的安定性に大きく寄与する。
有機保存液成分を用いる上述の保存方法には、非常に長い時間を要すること、非常に手間がかかること、及び/又は水の限られた一部しか保存成分に置き換えられないことという欠点がある。
本発明者らは、切花などの新鮮な観賞植物を保存するための非常に効果的な方法を開発した。本発明の方法は、極めて自然で新鮮な外観を有する保存加工済み観賞植物の部位を得るために用いることができる。これらの保存加工済み観賞植物の部位は、特別な注意又は世話を必要とせずに、数週間又は数ヶ月間にもわたり魅力的な外観を保持する。本発明の保存方法は、従来の保存方法では保存できない非常に脆弱な観賞植物の部位(例えば、ガーベラの花)を保存するために有利に使用することができる。
本発明の保存方法は、
(i)0.5〜97重量%の液化又は超臨界溶剤、1〜50重量%の不揮発性有機保存剤、及び0〜92重量%の共溶媒を含有する保存媒質に、観賞植物の部位を接触させるステップであって、溶剤、保存剤及び任意の共溶媒の組合せが、保存媒質の少なくとも80重量%を占め、上記保存媒質が少なくとも30バールの圧力を有するステップと、
(ii)保存加工済み観賞植物の部位を回収するステップと
を含む。
保存加工済み植物の部位は、上記圧力を周囲気圧にまで低減することにより回収することができる。
本発明の方法は、少なくとも30バールの圧力にて液化又は超臨界溶剤を使用することにより、植物の部位に含有された水を有機保存剤により非常に高い効率で置換でき、植物の部位の外観及び機械的特性に大きな悪影響を及ぼすこともないという利点を提供する。本願発明者らは、理論に束縛されることを望むものではないが、本発明の方法では、保存媒質が植物の部位内に速やかに侵入し、植物の部位に含有される水の少なくとも一部を置き換えると考えられる。植物の部位から抽出された水は、保存媒質と植物の部位との接触中に、例えば保存媒質を水分吸収剤に接触させることにより、保存媒質から除去することができる。圧力を周囲気圧にまで低減させると、水の大部分が保存剤に置き換えられた保存加工済み植物の部位が得られる。
本発明の方法はまた、このプロセスにより80%もの重量喪失が生じても、収縮はほとんど又は一切生じないという利点をも提供する。更に、上記処理は植物の部位を効果的に殺菌し、それにより保存効果全体に寄与する。
無傷の植物組織の断片を脱水するための液化又は超臨界気体の使用が、国際公開第2005/122776号パンフレットにより公知となっている。この国際特許出願は、無傷の植物組織又は動物組織の断片を脱水する方法であって、
少なくとも0.5×Pの圧力及び少なくともT−60℃の温度(Pは気体の臨界圧を表し、Tは気体の臨界温度を表す)を有する加圧気体と無傷組織の断片とを接触させ、断片の含水率を少なくとも50%低減させること、並びに
脱水された断片から加圧気体を分離させることを含み、
加圧気体により無傷の植物組織又は動物組織の断片から除去された物質の少なくとも80重量%は水である方法を記載している。
殺虫剤で木材を処理するための超臨界流体の使用は、米国特許第6638574号に記載されている。超臨界流体は、メタノールなどの共溶媒を含有してもよい。
本発明はまた、新鮮な外観を有する保存加工済み切花であって、45重量%未満の含水率を有し、ジオール、トリオール、ポリオール及びこれらの組合せから選択される保存剤を少なくとも5重量%含有する切花にも関する。
発明の詳細な説明
本発明の第1の態様は、20重量%超の含水率を有する観賞植物の部位を保存する方法であって、
0.5〜97重量%の液化又は超臨界溶剤、1〜50重量%の不揮発性有機保存剤、及び0〜92重量%の共溶媒を含有する保存媒質に、観賞植物の部位を接触させるステップであり、溶剤、保存剤及び任意の共溶媒の組合せが、保存媒質の少なくとも80重量%を占め、該保存媒質が少なくとも30バールの圧力を有する、ステップ;並びに
保存加工済み観賞植物の部位を回収するステップ
を含む、方法に関する。
本明細書で使用するとき、用語「観賞植物の部位」とは、観賞性を備え装飾目的で使用することができる植物の部位を意味する。観賞植物の部位の例としては、切花、小枝、花弁、葉及びこれらの組合せが挙げられる。
本明細書で使用するとき、用語「保存剤」とは、観賞植物の部位に含有されている水の一部を置き換えるために用いられたとき観賞植物の部位の腐敗を抑制又は遅延することができる物質を意味する。
本明細書において保存剤に関して用いられる用語「不揮発性」とは、20℃で0.1mmHg未満、好ましくは20℃で0.01mmHg未満の蒸気圧を有する物質を意味する。
本明細書で使用するとき、用語「液化溶剤」とは、液体状態の保存媒質に含有されているが、周囲条件(1気圧、20℃)下では気体である物質を意味する。
本明細書で使用するとき、用語「超臨界溶剤」とは、超臨界状態で保存媒質に含有されているが、周囲条件(1気圧、20℃)下では気体である物質を意味する。
本発明の保存方法は、異なる種類の観賞植物の部位を保存するために好適に用いることができる。本発明の利点は、切花、花弁、茎、小枝、葉群、葉及びこれらの組合せから選択される植物の部位を保存するのに本発明の方法を用いる場合に、特によく理解される。特に好ましい実施形態によれば、植物の部位は、切花、花弁及びこれらの組合せから選択される。本発明の方法で用いられる植物の部位は切花(茎付き又は茎なし)であることが最も好ましい。
本発明の方法により好適に保存され得る花の典型例としては、ガーベラ(Gerbera)、キク(Chrysanthemum)、アンスリウム(Anthurium)、カラー(Calla)、オランダカイウ(Zantedeschia)、ユリ(Lilium)、コチョウラン(Phalaenopsis)、アルストロメリア(Alstromeria)、グラジオラス(Gladiolus)、ストレリチア(Strelitzia)、ケイトウ(Celosia)及びバラ(Rosa)が挙げられる。
本発明の方法は、フラワーアレンジメントに用いられる葉群の保存にも有利に用いることができる。このような葉群の例としては、ハラン(Aspidistra)、ナギイカダ(Ruscus)、ヘデラ(Hedera)、ゴールテリア(Gaultheria)(サラール(salal))、カネノナルキ(Crassula ovate)が挙げられる。
本発明の方法は、新たに収穫された観賞植物の部位を処理するために好適に用いることができる。しかし、予備乾燥などの何らかの形態の前処理を施した観賞植物の部位を保存するためにこの方法を用いることも等しく実行可能である。
典型的に、本発明の方法により保存される観賞植物の部位は、保存処理開始時点で少なくとも30重量%の含水率を有する。観賞植物の部位の保存処理開始時点での含水率は少なくとも50重量%であることが好ましく、55〜92重量%の範囲であることがより好ましく、70〜91重量%の範囲であることが更により好ましく、75〜90重量%の範囲であることが最も好ましい。
新鮮な植物の部位に含有されている水のうちのかなりの部分を除去するために、本発明の方法を用いるのが有利である。典型的には、新鮮な植物の部位に含有されている水の少なくとも60%、より好ましくは少なくとも65%、更により好ましくは少なくとも70%、最も好ましくは75〜99%が、本発明の方法により除去される。
本発明の方法により得られる保存加工済み観賞植物の部位の含水率は、典型的には45重量%未満、より好ましくは4〜35重量%、最も好ましくは5〜25重量%である。
本発明の方法により植物の部位内に導入される不揮発性保存剤の量は、典型的には保存加工済み観賞植物の部位の少なくとも3重量%、より好ましくは4〜60重量%、更に好ましくは5〜55重量%、最も好ましくは8〜50重量%である。
本発明の方法により得られる保存加工済み観賞植物の部位に含まれる保存剤の濃度は、典型的には保存加工済み植物の部位に含まれている乾物量の少なくとも4重量%、より好ましく少なくとも6重量%、最も好ましくは少なくとも10重量%である。典型的に、保存剤の量は、保存加工済み植物の部位に含まれている乾物量の80重量%を超えない。
本発明の方法により除去される水の量は同じ方法により導入される保存剤の量を実質的に超えるため、観賞植物の部位の重量は典型的に本発明の方法により少なくとも50%低減される。植物の部位の重量は、本発明の方法により、典型的には少なくとも55%、より好ましくは少なくとも60%、最も好ましくは少なくとも65%低減される。
保存媒質に含まれる液化又は超臨界溶剤は、大気圧下及び温度20℃で気体状態である物質を、典型的には少なくとも0.6重量%、より好ましくは0.8〜40重量%、更により好ましくは0.9〜20重量%、最も好ましくは1〜10重量%含有する。
別の好ましい実施形態によれば、溶剤は、二酸化炭素、窒素及びこれらの組合せから選択される1種又は複数種の気体物質を、少なくとも0.5重量%、より好ましくは0.8〜40重量%、更により好ましくは0.9〜20重量%、最も好ましくは1〜10重量%含有する。最も好ましくは、溶剤は、二酸化炭素を少なくとも0.5重量%、より好ましくは0.8〜40重量%、更により好ましくは0.9〜20重量%、最も好ましくは1〜10重量%含有する。
本明細書において規定される、植物の部位と保存媒質との接触時間は、5〜200分の範囲となるのが典型的である。接触時間は15〜120分の範囲となることがより好ましく、35〜90分の範囲となることが最も好ましい。
本発明の方法で用いられる保存媒質は、40〜300バールの圧力及び5〜70℃の温度を有するのが好ましい。保存媒質の圧力は、50〜200バールの範囲であるのがより好ましく、70〜190バールの範囲であるのが最も好ましい。保存媒質の温度は、35〜60℃の範囲であるのが好ましく、40〜50℃の範囲であるのが最も好ましい。
本発明の特に好ましい実施形態によれば、保存媒質に含有されている溶剤は超臨界状態にある。超臨界状態の溶剤の使用は、保存剤による非常に効率的な脱水及び同時的な含浸を可能にする。
本発明に従って用いられる不揮発性有機保存剤は、保存媒質中に溶解状態及び/又は非溶解状態で存在することができる。典型的には、保存媒質は、1〜50重量%の溶解した不揮発性有機保存剤を含有する。
特に有利な実施形態によれば、本発明の方法で用いられる不揮発性有機保存剤は、保湿剤である。
保存剤は、周囲条件(20℃、1気圧)下で液体であるのが好ましい。保存剤は極性液体であるのがより好ましい。本発明の方法において好適に用いることができる保存剤の例としては、ジオール、トリオール、ポリオール及びこれらの組合せが挙げられる。保存剤は、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール及びポリエチレングリコール(H−(O−CH−CH−OH、n≧2)から選択されることがより好ましい。保存剤は、グリセロール及びポリエチレングリコールから選択されることが更により好ましい。保存剤は、ポリエチレングリコールであることが最も好ましい。
本発明の方法にて用いられるポリエチレングリコールは、好ましくは2〜34個、より好ましくは2〜20個、最も好ましくは2〜11個のエチレンオキシド単位を含む。
保存剤の分子量は、典型的に62〜1500g/モルの範囲にある。分子量は、62〜800g/モルの範囲であるのがより好ましく、62〜500g/モルの範囲であるのが最も更に好ましい。
保存媒質の任意成分である共溶媒は、C1〜8の一価脂肪族アルコールであるのが好ましい。当然ながら、これらの脂肪族アルコールの混合物を用いてもよい。
本発明の特に有利な実施形態によれば、共溶媒は、C1〜8の一価脂肪族アルコール及びこれらの組合せから選択される共溶媒を30〜90重量%、より好ましくは50〜85重量%、最も好ましくは60〜80重量%含有する。このような共溶媒の使用により、保存剤が保存媒質中に極めて高濃度で含まれ得るという利点が得られる。また、共溶媒は保存媒質の水抽出能力を向上させ得る。
本発明の方法にて用いられる共溶媒は、好ましくはC1〜4の一価脂肪族アルコールから選択され、より好ましくはC1〜3の一価脂肪族アルコールから選択され、更により好ましくはメタノール、エタノール及びこれらの組合せから選択される。共溶媒はエタノールであるのが最も好ましい。
植物の部位と保存媒質との接触中に用いられる条件下、すなわち、2つの成分が液体であり、あらゆる比率で混合でき、均一溶液を形成できる条件下で、共溶媒と保存剤が混和性であれば、本発明の保存方法により特に良好な結果を得ることができる。
共溶媒と保存剤は、典型的には100:1〜1:3の重量比、より好ましくは10:1〜1:2の重量比、最も好ましくは4:1〜1:1の重量比で、保存媒質中に含有される。
液化又は超臨界溶剤、保存剤及び共溶媒を含み、観賞植物の部位と保存媒質との接触中に用いられる温度における共溶媒中での保存剤の溶解度が200g/l超であり、より好ましくは400g/l超であり、最も好ましくは500g/l超であり;更に、観賞植物の部位と保存媒質との接触中に用いられる温度及び圧力における二酸化炭素中での保存剤の溶解度が50g/l未満であり、より好ましくは20g/l未満であり、最も好ましくは10g/l未満である保存媒質を用いることが更に好ましい。
本発明の方法の好ましい実施形態によれば、保存媒質は、0.5〜40重量%の液化又は超臨界溶剤、1〜50重量%の保存剤、及び40〜85重量%の共溶媒を含有する。保存媒質は、1〜20重量%の液化又は超臨界溶剤、5〜30重量%の保存剤、及び60〜80重量%の共溶媒を含有することが更により好ましい。溶剤、保存剤及び共溶媒が占める合計量は、保存媒質の少なくとも85重量%であることが典型的であり、少なくとも90重量%であることがより好ましく、少なくとも97重量であること%が最も好ましい。
保存加工済み観賞植物の部位は、本発明のプロセスにおいて、保存媒質との接触が起こる容器を減圧し、そこから保存加工済み観賞植物の部位を取り出すことにより、回収することができる。用いられた保存媒質が共溶媒を含んでいた場合、特に共溶媒がメタノール又はエタノールなどの揮発性物質であれば、植物の部位を空気に晒したまま放置することで、保存加工済み植物の部位から残留共溶媒を除去することができる。残留共溶媒の除去には、真空の適用及び/又は35℃等への昇温が役立つことがある。蒸発した共溶媒は、好適に凝縮され再利用される。
別の好ましい実施形態によれば、本発明の方法で用いられる保存媒質は染料を含有し、好ましくは反応染料を含有する。本発明者らは、本保存媒質が、保存剤により植物の部位へ効率的に含浸できるだけでなく、植物の部位を染色するためにも使用できることを見出した。したがって、本発明の方法は、植物の部位の保存と染色とを同時に行うために好適に用いることができる。染色は、保存方法により植物の部位の変色が生じる場合に有利であり得る。本発明の方法を用いて植物の部位を染色することにより、上記変色を打ち消すことができる。
本発明の保存方法の効率は、観賞植物の部位との接触中に保存媒質から水を除去することにより、及び/又は上記接触中に保存媒質の少なくとも一部をより含水率の低い保存媒質に置き換えることにより、最大になり得る。上記のことは、例えば、植物の部位との接触中に保存媒質を水分吸収剤又は水分吸着剤に接触させることにより、例えば、保存媒質を水分吸収物質又は水分吸着物質に通して再循環させるなどして、実現できる。保存媒質を乾燥させるために好適に用いることができる物質の例としては、ゼオライト及びイオン性液体が挙げられる。
本発明の方法の有利な実施形態では、新鮮な植物の部位を保存媒質に接触させる前に、本発明の方法により得られる保存加工済み植物の部位の機械的強度を高めるため、植物の部位が1つ又は複数の前処理ステップに供される。特に好ましい実施形態によれば、新鮮な植物の部位の前処理は、これらの植物の部位にバイオポリマー水溶液を導入することを含む。その後、植物の部位は本明細書に記載された保存方法に供され、その方法の実施時に生じる水分除去によりバイオポリマーが木部内でゲル構造を形成し、それにより植物の部位に剛性が与えられる。
(未ゲル化)バイオポリマー水溶液は、切断面(例えば新鮮な切花の茎の切断面)をバイオポリマー水溶液に接触させることにより、植物の部位の木部へと好適に導入できる。あるいは、注入によりバイオポリマー水溶液を植物の部位に導入してもよい。注入は、アルギネート及び/又はペクチンなどのアニオン性多糖類の導入に特に適している。
バイオポリマーは脱水以外の手段によってもゲル化され得る。例えば、Ca2+及びMg2+などの多価金属カチオンの導入により、ペクチン又はアルギネートなどのアニオン性多糖類をゲルに変化させることができる。導入は、植物の部位が保存方法に供される前に行うことが好ましい。
植物の部位の前処理に好適に用いることができるバイオポリマーの例としては、多糖類及びタンパク質が挙げられる。バイオポリマーは多糖類バイオポリマーであることが最も好ましい。利用できる多糖類バイオポリマーの例としては、デンプン(天然デンプン及び加工デンプンを含む)、グリコーゲン、キチン、カルボキシル基を有する多糖類(例えば、アルギネート、ペクチン、ロジンガム、キサンタンガム)、アラビノキシラン及びこれらの組合せが挙げられる。多糖類バイオポリマーは、デンプン、アルギネート、グリコーゲン、キチン、及びこれらの組合せから選択されることが好ましい。多糖類バイオポリマーは、デンプン、アルギネート、キチン、及びこれらの組合せから選択されることが最も好ましい。
バイオポリマー溶液は、典型的には0.1〜5重量%、より好ましくは0.3〜4重量%、最も好ましくは0.5〜3重量%のバイオポリマーを含有する。バイオポリマーは、典型的には少なくとも乾物1kg当たり10mg、より好ましくは少なくとも乾物1kg当たり50mg、最も好ましくは乾物1kg当たり500〜30,000mgの量で植物の部位に導入される。
バイオポリマー水溶液は、植物の部位の一部又は全部をバイオポリマー溶液に浸漬することにより、植物の部位に好適に導入される。切花の場合、バイオポリマー溶液に茎部を浸漬させ、花弁は浸漬させないことが好ましい。このようにすると、バイオポリマー溶液の効率的な取り込みができ、花弁上にバイオポリマー沈着物が形成されることもない。典型的には少なくとも5分間、より好ましくは0.3〜24時間、最も好ましくは1〜5時間にわたり、植物の部位の一部又は全部をバイオポリマー溶液に浸漬させる。バイオポリマー溶液の温度は、植物の部位がバイオポリマー溶液に浸漬されているとき、典型的には2〜30℃の範囲にあり、より好ましくは16〜25℃の範囲にある。
植物の部位の木部内に導入されたアニオン性多糖類をゲル化させるための多価カチオン類の導入は、これらの多価カチオン類の溶液に植物の部位の一部又は全部を浸漬することによって、又はこのようなゲル化溶液を植物の部位に注入することによって、好適に達成することができる。ゲル化溶液は水溶液であるのが好ましい。ゲル化溶液は、Ca2+、Mg2+及びこれらの組合せから選択された、溶解したカチオン類を5〜200mmol/l、より好ましくは10〜80mmol/l含有する水溶液であることが更により好ましい。多価カチオン水溶液は、茎部を水溶液に浸漬させ花弁は浸漬させないようにすることで、切花に導入するのが好ましい。
本発明の別の態様は、新鮮な外観を有する保存加工済み切花であって、45重量%未満の含水率を有し、ジオール、トリオール、ポリオール及びこれらの組合せから選択された保存剤を少なくとも5重量%含有する、保存加工済み切花に関する。
本発明は、既知の保存方法を使用しては保存することができない75重量%超の高含水率を有する花の保存を可能にする。本発明の方法により好適に保存し得る、含水率の非常に高い花の例としては、ガーベラ、コチョウラン、アルストロメリア、ユリ、キク、オランダカイウ(カラー)及びチューリップ(Tulipa)が挙げられる。したがって、本発明の保存加工済み切花は、ガーベラ、コチョウラン、アルストロメリア、ユリ、キク、オランダカイウ及びチューリップから選択された花であることが好ましい。
好ましい実施形態によれば、切花には、バイオポリマー、より詳細には多糖類を含浸させる。好適に用いることができるバイオポリマーの例としては、デンプン(天然デンプン及び加工デンプンを含む)、グリコーゲン、キチン、カルボキシル基を有する多糖類(例えば、アルギネート、ペクチン、ロジンガム、キサンタンガム)、アラビノキシラン及びこれらの組合せが挙げられる。バイオポリマーは、デンプン、アルギネート、キチン、及びこれらの組合せからなる群から選択されることがより好ましい。
特に好ましい実施形態によれば、切花には、(i)アルギネート、ペクチン及びこれらの組合せから選択されたアニオン性多糖類、並びに(ii)デンプン、グリコーゲン、ロジンガム及びキサンタンガム、アラビノキシランから選択された1種又は複数種のバイオポリマーを含浸させる。
本発明の保存加工済み花は、通常、上記において定義された共溶媒をわずかに含有する。通常、共溶媒は、10ppmを超える濃度、より詳細には100ppmを超える濃度で保存加工済み花に含有される。通常、濃度は1重量%を超えない。
特に好ましい実施形態によれば、保存加工済み花は、本明細書にて上述した保存方法により得られる。
本発明を下記の非限定的例により更に説明する。
実施例1A
前処理なしのランの保存
オートクレーブに、PEG400とエタノール(重量比1:3)を含む500gの保存剤混合物を充填した。その後、0.1%の黄色反応染料(2−[2−[(4−メトキシフェニル)アミノ]ビニル]−1,3−トリメチル−3H−インドリウムクロリド(CAS番号:25717−55−9))を保存剤混合物中に溶解させた。
2本の新鮮なラン(コチョウラン)の切花を保存剤混合物に浸漬させ、二酸化炭素を添加し、150バールの圧力及び40℃の温度を有する保存媒質を調製した。保存媒質は、約4重量%の超臨界二酸化炭素を含んでいた。保存媒質を150バール及び40℃にて1時間保持し、その後、30分かけてオートクレーブを徐々に減圧した。減圧後、花をオートクレーブから取り出し、周囲条件にて数時間放置した。
このようにして得られた保存加工済み花は、劣化又はカビの発生が観察されることなく、室内条件下にて2ヶ月間維持された。
表1は、保存処理前後におけるランの花の組成を示している。
Figure 0006414908
実施例1B
デンプンでの前処理を伴うランの保存
ランの花を保存剤混合物に浸漬させる前に前処理に供したことを除いて、実施例1Aを繰り返した。前処理は、2.65%の白色又は黄色ジャガイモデンプンを含有する水溶液に新鮮なランの切花の茎を入れ、デンプン溶液に浸して一晩放置することからなった。
このようにして得られた保存加工済みランの外観は、実施例1Aのランのものと同様であった。また、これらの保存加工済み花は、劣化又はカビの発生が観察されることなく、室内条件下にて2ヶ月間維持された。実施例1Aの保存加工済み花と比較して、これらの花は機械的により丈夫であることが判明した。
表2は、保存処理前後におけるランの花の組成を示している。
Figure 0006414908
実施例2A
前処理なしのバラの保存
オートクレーブに、PEG400とエタノール(重量比1:3)を含む500gの保存剤混合物を充填した。その後、0.1%の黄色反応染料(2−[2−[(4−メトキシフェニル)アミノ]ビニル]−1,3−トリメチル−3H−インドリウムクロリド(CAS番号:25717−55−9))を保存剤混合物中に溶解させた。
2本の新鮮なバラ(アバランチェ)の切花を保存剤混合物に浸漬させ、二酸化炭素を添加し、180バールの圧力及び40℃の温度を有する保存媒質を調製した。保存媒質は、約5重量%の超臨界二酸化炭素を含んでいた。保存媒質を180バール及び40℃にて1時間保持し、その後、30分かけてオートクレーブを徐々に減圧した。減圧後、花をオートクレーブから取り出し、周囲条件にて数時間放置した。
このようにして得られた保存加工済み花は、4ヶ月超の期間にわたり魅力的な外観を保持することが判明した。
表3は、保存処理前後におけるバラの花の組成を示している。
Figure 0006414908
実施例2B
デンプン及びアルギネートでの前処理を伴うバラの保存
バラの花を保存剤混合物に浸漬させる前に前処理に供したことを除いて、実施例2Aを繰り返した。前処理は、
2.65%の白色又は黄色ジャガイモデンプンを含有する水溶液に新鮮なバラの切花の茎を入れ、デンプン溶液に浸して一晩放置すること、
アルギネート水溶液(1.5重量%)を花托に直接注入すること、
注入から数分後に、茎のほぼ全体をCaCl水溶液(0.71重量%)に2時間にわたり浸漬すること
からなった。
このようにして得られた保存加工済み花は、4ヶ月超の期間にわたり魅力的な外観を保持することが判明した。また、これらの保存加工済み花は、実施例2Aの花よりも機械的に丈夫であった。
表4は、保存処理前後におけるバラの花の組成を示している。
Figure 0006414908
実施例3A
前処理なしのガーベラの花の保存
オートクレーブに、PEG400とエタノール(重量比1:3)を含む500gの保存剤混合物を充填した。その後、0.1%の黄色反応染料(2−[2−[(4−メトキシフェニル)アミノ]ビニル]−1,3−トリメチル−3H−インドリウムクロリド(CAS番号:25717−55−9))を保存剤混合物中に溶解させた。
2本の新鮮なガーベラの切花を保存剤混合物に浸漬させ、二酸化炭素を添加し、180バールの圧力及び40℃の温度を有する保存媒質を調製した。保存媒質は、約5重量%の超臨界二酸化炭素を含んでいた。保存媒質を180バール及び40℃にて1時間保持し、その後、30分かけてオートクレーブを徐々に減圧した。減圧後、花をオートクレーブから取り出し、周囲条件にて数時間放置した。
このようにして得られた保存加工済みガーベラの花は、時間の経過とともに花弁が内側にやや湾曲したが、魅力的な外観を有していた。
表5は、保存処理前後におけるガーベラの花の組成を示している。
Figure 0006414908
実施例3B
デンプンでの前処理を伴うガーベラの花の保存
ガーベラの花を保存剤混合物に浸漬させる前に前処理に供したことを除いて、実施例3Aを繰り返した。前処理は、2.65%の白色又は黄色ジャガイモデンプンを含有する水溶液に新鮮なガーベラの切花の茎を入れ、デンプン溶液に浸して一晩放置することからなった。
このようにして得られた保存加工済みガーベラの花は、魅力的な外観を有していたが、機械的に非常に丈夫ではなく、花弁が極めて容易に抜け落ちた。
表6は、保存処理前後におけるガーベラの花の組成を示している。
Figure 0006414908
実施例3C
デンプン及びアルギネートでの前処理を伴うガーベラの花の保存
ガーベラの花を保存剤混合物に浸漬させる前に前処理に供したことを除いて、実施例2Aを繰り返した。前処理は、
2.65%の白色又は黄色ジャガイモデンプンを含有する水溶液に新鮮な切花の茎を入れ、デンプン溶液に浸して一晩放置すること、
アルギネート水溶液(1.5重量%)を花托に直接注入すること、
注入から数分後に、茎のほぼ全体をCaCl水溶液(0.71重量%)に2時間にわたり浸漬すること
からなった。
このようにして得られた保存加工済みガーベラの花は、新鮮なガーベラの花の外観と非常によく似た外観を有していた。また、これらのガーベラの花は、実施例3A及び3Bのガーベラの花よりも機械的に丈夫であった。
保存加工済みガーベラの花のブーケを花瓶に入れた(花瓶には水を入れなかった)。4ヶ月後、周囲条件下で、ブーケは依然として新鮮で魅力的な外観を有していた。
表7は、保存処理前後におけるガーベラの花の組成を示している。
Figure 0006414908
実施例4
前処理したバラの保存
エタノール中にて前処理し総乾燥質量73.3gとなった5本の赤バラ(ナオミ)に、超臨界CO、エタノール、PEG400(重量比95:3:2)及び少量の赤色反応染料を充填したオートクレーブ(6,000ml)を使用して、PEG400を含浸させた。保存媒質は180バールの圧力及び40℃の温度を有し、含浸処理の持続時間は40分だった。
オートクレーブから取り出した直後、含浸処理されたバラは154.8gの重量を有していた。30分後、バラの重量は、エタノールの蒸発により128.4gに減少した。バラの花弁は、少なくとも3ヶ月間にわたり「新鮮な」外観を維持した。

Claims (13)

  1. 方法の開始時点で20重量%超の含水率を有する観賞植物の部位を保存する方法であって、
    0.5〜97重量%の、大気圧下及び20℃では気体状態の物質である液化又は超臨界溶剤、1〜50重量%のポリエチレングリコール、及び0〜92重量%の共溶媒を含有する保存媒質に、前記観賞植物の部位を、5〜200分の範囲の接触時間で接触させるステップであり、液化又は超臨界溶剤、ポリエチレングリコール及び任意の共溶媒の組合せが前記保存媒質の少なくとも80重量%を占め、前記保存媒質が少なくとも30バールの圧力に保持されている、ステップと、
    保存加工済み観賞植物の部位を回収するステップと
    を含む、方法。
  2. 前記観賞植物の部位が、切花、花弁、小枝、葉群、葉及びこれらの組合せから選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記保存媒質が、超臨界溶剤を含有する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記保存媒質が、二酸化炭素、窒素及びこれらの組合せから選択される1種又は複数種の物質を液化又は超臨界状態で含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記保存媒質が、超臨界状態の二酸化炭素を含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記保存媒質が、C1〜8の一価脂肪族アルコール及びこれらの組合せから選択される共溶媒を30〜90重量%含有する、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記共溶媒と前記ポリエチレングリコールとが100:1〜1:3の重量比で前記保存媒質に含有される、請求項に記載の方法。
  8. 前記保存媒質が、0.8〜40重量%の前記液化又は超臨界溶剤、1〜50重量%の前記ポリエチレングリコール及び40〜85重量%の前記共溶媒を含有する、請求項又はに記載の方法。
  9. 前記観賞植物の部位との接触中に前記保存媒質から水が除去される、又は前記接触中に前記保存媒質の少なくとも一部がより低い含水率を有する保存媒質に置き換えられる、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記保存媒質が、40〜300バールの圧力及び5〜60℃の温度に保持されている、請求項1〜のいずれか一項に記載の方法。
  11. 新鮮な前記植物の部位と前記保存媒質との接触の前に、バイオポリマー水溶液が当該植物の部位の木部に導入される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 5重量%未満の含水率を有し、ポリエチレングリコールを少なくとも5重量%含有し、デンプン、アルギネート、キチン、及びこれらの組合せからなる群から選択されたバイオポリマーが含浸されている、保存加工済み切花。
  13. 花が、ガーベラ、コチョウラン、アルストロメリア、ユリ、キク、オランダカイウ、及びチューリップから選択される、請求項12に記載の保存加工済み切花。
JP2016515303A 2013-05-23 2014-05-22 新鮮な観賞植物の部位を保存する方法 Expired - Fee Related JP6414908B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
EP13168900 2013-05-23
EP13168900.2 2013-05-23
EP13168906 2013-05-23
EP13168906.9 2013-05-23
PCT/NL2014/050325 WO2014189376A1 (en) 2013-05-23 2014-05-22 A method of preserving fresh ornamental plant parts

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016522206A JP2016522206A (ja) 2016-07-28
JP6414908B2 true JP6414908B2 (ja) 2018-10-31

Family

ID=50928202

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016515303A Expired - Fee Related JP6414908B2 (ja) 2013-05-23 2014-05-22 新鮮な観賞植物の部位を保存する方法

Country Status (3)

Country Link
EP (1) EP2999332B1 (ja)
JP (1) JP6414908B2 (ja)
WO (2) WO2014189377A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
MX2019013439A (es) 2017-05-11 2020-08-03 Univ Cornell Proceso para mejorar la vida util de vegetales recien cortados y productos alimenticios producidos por el mismo.
CN109122672A (zh) * 2018-07-18 2019-01-04 安徽德昌苗木有限公司 一种油茶良种穗条保温保鲜的储藏方法

Family Cites Families (24)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2971292A (en) 1953-12-15 1961-02-14 Preservation of flowers
US4287222A (en) 1979-10-26 1981-09-01 Robinson Ruth A Method for preserving plant material
US4664956A (en) * 1985-09-18 1987-05-12 Dokkestul Jeffrey L Method for foliage and other plant material preservation and topical color application to same
JPS62265202A (ja) 1986-05-12 1987-11-18 Tokiwa Denki:Kk ドライフラワ−の製造方法
US4906276A (en) 1986-11-03 1990-03-06 American Colloid Company Plant transplant and plant preservation medium
FR2651642B1 (fr) * 1989-09-11 1994-08-05 Nord Sarl Cie Fleurs coupees de longue duree et procede de traitement pour l'obtention de telles fleurs.
US5464456A (en) 1993-06-30 1995-11-07 Kertz; M. Glen Electronic stimulation of plants
US5580975A (en) * 1993-07-23 1996-12-03 Od Kikaku Co., Limited Agent for keeping cut flowers fresh
GB2287637B (en) 1994-03-17 1997-08-20 Margaret Louise Carstairs Methods of preserving plant material
JPH1081601A (ja) * 1996-09-06 1998-03-31 Mercian Corp 切花の鮮度保持剤
JP2000119102A (ja) 1998-03-17 2000-04-25 Kazumi Sogabe 植物の保存のための加工方法およびその加工物
US6365548B1 (en) * 1998-12-28 2002-04-02 Nikken Rentacom Co., Ltd. Treatment method for preserving cut flowers
AUPQ160799A0 (en) 1999-07-14 1999-08-05 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Wood preservation
ITSA990018A1 (it) 1999-10-25 2001-04-25 Univ Degli Studi Salerno Soluzione di resine naturali per il prolungamento della shelf-life difiori recisi.
CA2823474A1 (en) * 2002-08-14 2004-02-14 Gw Pharma Limited Botanical drug substances comprising various proportions of thc and cbd
JP2004203815A (ja) * 2002-12-26 2004-07-22 Yoshihisa Sakamoto 切り花の保存溶液及び保存花の製作方法
JP2004203814A (ja) * 2002-12-26 2004-07-22 Yoshihisa Sakamoto 切り花の保存方法、並びに保存液及び保存花の製作装置
CO5400138A1 (es) 2003-04-02 2004-05-31 C I Guirnaldas S A Proceso para la preservacion de flores naturales
JP4478421B2 (ja) * 2003-09-11 2010-06-09 パレス化学株式会社 生花保存用液状組成物
ES2333605T3 (es) 2004-06-16 2010-02-24 FEYECON DEVELOPMENT & IMPLEMENTATION B.V. Metodo de deshidratacion.
JP2007046015A (ja) * 2005-08-12 2007-02-22 Tohoku Univ カロテノイド色素の製造方法
JP2007320945A (ja) * 2006-06-05 2007-12-13 Ryohei Toyoda 生花の加工方法、および生花加工用処理液
JP2008308481A (ja) * 2007-05-15 2008-12-25 Tact Co Ltd 切花の保存方法
BRPI0908020A8 (pt) 2008-02-05 2016-03-08 Montegi Trade And Investments Pty Limited Conservação de material vegetal

Also Published As

Publication number Publication date
WO2014189376A1 (en) 2014-11-27
EP2999332B1 (en) 2020-08-05
EP2999332A1 (en) 2016-03-30
WO2014189377A1 (en) 2014-11-27
JP2016522206A (ja) 2016-07-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN102224840B (zh) α-氨基异丁酸或β-氨基异丁酸在制备水果保鲜剂中的应用及水果保鲜剂和使用方法
CN102823644B (zh) 甜瓜保鲜方法
JPH04505766A (ja) 長寿命切り花およびその製造方法
JPS6141481B2 (ja)
US8819990B2 (en) Preservation of plant material
CN104351326A (zh) 一种延长梨保鲜期的处理方法
JP6414908B2 (ja) 新鮮な観賞植物の部位を保存する方法
CN105010520B (zh) 一种火龙果果实采后贮藏保鲜方法
CN108576199A (zh) 一种葡萄柚采摘保鲜复合处理方法
Sharavani et al. Dry Flowers–A Boon to Floriculture Industry
KR20190119875A (ko) 드라이 플라워의 처리 방법
Karmakar et al. Processing of Nephrolepis exaltata with glycerine to enhance shelf life by drying
RU2525722C1 (ru) Способ хранения сельскохозяйственной продукции
NO150341B (no) Fremgangsmaate for konservering av levende vekster samt konserveringsvaeske for fremgangsmaatens utfoerelse
Malakar et al. Standardization of dehydration techniques of some Ornamental Foliages
JPH05245809A (ja) 出土文化遺物及びその保存方法
CN106819089A (zh) 一种利用火龙果果皮花色苷进行荔枝保鲜的方法
KR102630123B1 (ko) 원통형 대나무 곰팡이 발생 방지를 위한 전처리 방법
RU2698058C1 (ru) Метод консервации и/или окрашивания растительного материала, включая срезанные цветы
CN115005268B (zh) 一种复合抑菌草莓保鲜液及其制备方法
US5834074A (en) Preservation of dried flowers
JP3534051B2 (ja) 植物葉の鮮度保持処理方法
Abdossi et al. Efficiency of essential oils and nano-malate in reduction of ethylene production and extension of vase life of cut Eustoma grandiflorum Mariachii. cv. Blue flowers
KR20220000837A (ko) 플로로탄닌을 유효성분으로 포함하는 수확된 식물의 신선도 유지 및 복원용 조성물
Malik et al. Chapter-9 Dry Flower and Floral Craft: A Lucrative Business

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170508

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20170823

A975 Report on accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971005

Effective date: 20171207

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171219

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180312

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180516

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180529

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180904

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180927

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6414908

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees