JP6414608B2 - 遮熱防湿ユニット、壁パネル、および建物の外壁構造 - Google Patents

遮熱防湿ユニット、壁パネル、および建物の外壁構造 Download PDF

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Description

本発明は、住宅をはじめとする比較的小規模な木造建築物に好適な遮熱防湿ユニット、壁パネル、および建物の外壁構造に関する。
住宅等の建築物では、夏季の暑さや冬季の寒さを防ぐために、壁体の断熱性能と壁体内の結露を防ぐ防露性能とが求められる。壁体内に施工されるグラスウールやロックウール等の繊維系断熱材には、屋内側に向けて配設される面が防湿フィルムで被覆され、屋外側に向けて配設される面が有孔フィルムで被覆されたものがある。壁体内の断熱材は、居室から湿気が流入することによって結露を生じ、その断熱性能が低下してしまう。そのため、断熱材は屋内側に防湿フィルムを備えることによって湿気の流入を低減させ、結露の発生を防ぐように構成されている。また、防湿フィルムが欠損し湿気が流入する場合に備え、断熱材の屋外側の有孔フィルムが湿気を排出するように構成されている。
例えば、特許文献1には、断熱材を充填する袋の一側が防湿フィルムで、他側が透湿防風フィルムで形成されている断熱材について開示されている。また、壁体の空洞部に通気層空間を形成して断熱材を取り付けることが提案されている。この通気層空間には、温度差を利用して下方から上方へと流れる自然換気によって、壁体内の湿気を排出することが意図されている。
特開平11−81506号公報
前記従来の断熱材を用いた壁体構造にあっても、壁体に配設する断熱材の性能を十分に発揮させるためには、壁体内部での冷気流と湿気の滞留を防止することが要求された。また、外壁材からの屋内側への熱放射を防ぐことで、屋内の快適な環境を保つだけでなく、壁体を構成する構造材が長期的に腐蝕劣化等しないようにすることも求められた。壁体における夏季の熱放射を防ぐため、低放射性を有するシート材が壁体内に設けられることがあるが、この種のシート材はその両面に空間が設けられていなければ熱伝導を生じてしまい、屋内側への熱放射を十分に防ぎきれない実情もあった。
本発明は、上記のような問題点にかんがみてなされたものであり、その目的とするところは、通気、防湿および遮熱性を考慮した新規な構成を採用することによって効率よく湿気を壁体外へ排出し得て壁体内の結露を防ぎ、年間を通して快適な居室環境を実現し得る建物の外壁構造と、これに適用可能な遮熱防湿ユニットおよび壁パネルを提供することにある。
前記の目的を達成するための本発明の解決手段は、建物の壁体内に配設される遮熱防湿ユニットを前提とし、低放射性を有するシート状の遮熱反射材と、前記遮熱反射材の屋内側に配設され、透湿性を有するシート材または板状材からなる屋内側通気部材と、前記遮熱反射材の屋外側に配設され、透湿性または防水性を有する、シート材または板状材からなる屋外側通気部材とを備え、前記屋内側通気部材および前記屋外側通気部材は、それぞれ、平板部と該平板部から前記遮熱反射材側へ突出する複数の仕切片とを備え、前記仕切片の先端部は、前記遮熱反射材に対して相互に対向配置されて前記遮熱反射材に接合されており、前記遮熱反射材、前記平板部、および前記仕切片により区画された複数の中空部が設けられたことを特徴としている。
この特定事項により、壁体内に遮熱防湿ユニットを設けることで、壁体に遮熱性能、通気性能、および防露性能を効果的かつ容易に備えさせることが可能となる。ここで、屋内側に配設される前記通気部材は、透湿性を有するシート材または板状材からなることが好ましく、屋内側からの湿気を中空部に取り込み、中空部から排出することが可能とされる。
前記の遮熱防湿ユニットを用いた壁パネルも本発明の技術的思想の範疇である。すなわち、建物の外壁に組み付けられる壁パネルであって、屋内側に配設される内装下地面材と、屋外側に配設される遮熱防湿ユニットと、これらの内装下地面材と遮熱防湿ユニットとの間に配設される断熱材とを一体に備えて構成される。また、前記壁パネルとして、屋外側に配設される構造用面材と、屋内側に配設される断熱材と、これらの構造用面材と断熱材との間に配設される遮熱防湿ユニットとを一体に備えて構成されてもよい。かかる壁パネルにおいて、前記遮熱防湿ユニットは、低放射性を有するシート状の遮熱反射材と、前記遮熱反射材との間に中空部を形成する通気部材とを含み、前記通気部材は、前記遮熱反射材の屋外側に配設される屋外側通気部材と、前記遮熱反射材の屋内側に配設されて透湿性を有するシート材または板状材からなる屋内側通気部材とを備えて構成される。また、前記断熱材は、屋内側に面する外表面が防湿性フィルムで被覆され、屋外側に面する外表面が防風透湿性有孔フィルムで被覆されて構成される。
これにより、通気部材と低放射性を有する遮熱反射材とが一体となった遮熱防湿ユニットと、壁体に必要な断熱材とをパネル化して備えさせることができる。遮熱防湿ユニットが遮熱性能、通気性能、および防露性能を有することによって、断熱材の断熱性能を十分に発揮させて、快適な室内環境を形成し得る壁パネルとすることができる。
また、前記遮熱防湿ユニットまたは壁パネルを用いた建物の外壁構造も本発明の技術的思想の範疇である。すなわち、建物の外壁構造として、柱材の屋内側に内装下地面材が配設され、前記内装下地面材の屋外側に断熱材が装填され、前記断熱材の屋外側に遮熱防湿ユニットが配設され、前記遮熱防湿ユニットの屋外側に外壁材が備えられ、前記遮熱防湿ユニットは、低放射性を有するシート状の遮熱反射材と、前記遮熱反射材との間に中空部を形成する通気部材とを含み、前記通気部材は、前記遮熱反射材の屋外側に配設される屋外側通気部材と前記遮熱反射材の屋内側に配設されて透湿性を有するシート材または板状材からなる屋内側通気部材とを備えて構成される。また、前記断熱材は、屋内側に面する外表面が防湿性フィルムで被覆され、屋外側に面する外表面が防風透湿性有孔フィルムで被覆されており、前記断熱材と前記内装下地面材との間に防湿気密シートが介装されたことを特徴としている。
このような特定事項により、建物内部の居室では、屋外環境の影響が最小限に抑えられて快適な室内環境が形成され、壁体内では、結露や結露による断熱材の性能低下を防止し得て、長期的に壁体内の腐蝕劣化の発生を抑えることが可能となる。
本発明では、建物の外壁構造として、柱材の屋内側に内装下地面材が配設され、前記内装下地面材の屋外側に断熱材が装填され、前記断熱材の屋外側に遮熱防湿ユニットが配設され、前記遮熱防湿ユニットの屋外側に外壁材が備えられてなる。また、前記遮熱防湿ユニットは、低放射性を有するシート状の遮熱反射材と、前記遮熱反射材との間に中空部を形成する通気部材とを含む構成とされている。このため、前記通気部材を介して効率よく壁体内の湿気を排出することが可能となり、壁体内の結露を防ぐとともに、外部の熱影響を低減して快適な居室環境を実現することが可能となる。
本発明の実施形態に係る遮熱防湿ユニットを示す斜視図である。 図1の遮熱防湿ユニットの構成を示す分解説明図である。 本発明の他の実施形態に係る遮熱防湿ユニットを示す斜視図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る遮熱防湿ユニットを示す端面図である。 本発明の実施形態に係る壁パネルを示す斜視図である。 図5の壁パネルを示す断面図である。 本発明の他の実施形態に係る壁パネルを示す断面図である。 本発明の実施形態に係る建物の外壁構造を示す横断面図である。 図8の外壁構造を示す縦断面図である。 本発明の他の実施形態に係る建物の外壁構造を示す横断面図である。 本発明のさらに他の実施形態に係る建物の外壁構造を示す横断面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る遮熱防湿ユニット、壁パネル、および建物の外壁構造について、図面を参照しつつ説明する。
(遮熱防湿ユニット)
図1〜図4は本発明の実施形態に係る遮熱防湿ユニット1を示す。図1は、実施形態に係る遮熱防湿ユニット1を示す斜視図であり、中空部20を備えた通気部材2と、シート状の遮熱反射材3とを含み、建物の壁体内に配設されるユニット部材とされている。通気部材2は、屋内側通気部材21と屋外側通気部材22とを備えており、これらの通気部材21、22の間に遮熱反射材3が介装されている。
遮熱防湿ユニット1には複数条の中空部20が並列されている。図2に示す形態では、屋内側通気部材21および屋外側通気部材22は共通する断面形状を有し、遮熱反射材3を挟んで対称形に形成されている。
屋内側通気部材21および屋外側通気部材22は、それぞれ、平板部201と、平板部201から遮熱反射材3の方向へ突出する複数の仕切片202とを備えている。どちらの通気部材21、22も、平板部201に直交する方向に複数の仕切片202が延設され、各仕切片202の辺縁部が遮熱反射材3に対して相互に対向配置されている。仕切片202の辺縁部は遮熱反射材3にそれぞれ接合されている。これにより、遮熱反射材3、仕切片202、および平板部201によって、遮熱反射材3の両面が複数条に仕切られて中空部20が形成されている。この場合、中空部20は断面略矩形状に設けられており、通気部材2の長手方向に沿って延びる中空空間を構成している。
遮熱反射材3と、屋内側通気部材21および屋外側通気部材22とは、図1に示すように仕切片202の辺縁部を遮熱反射材3にそれぞれ密接させて一体化されている。仕切片202と遮熱反射材3とは、接着や溶着等により接合されている。
屋内側通気部材21は、透湿性を有するシート材または板状材からなることが好ましい。屋外側通気部材22は、透湿性もしくは防水性を備え、または透湿性と防水性とを兼ね備えている、シート材または板状材からなることが好ましい。透湿性とは主に水蒸気(気体)を透過させる性質をいい、防水性とは主に水(液体)を透過させないことをいう。例えば、屋内側通気部材21および屋外側通気部材22は、ともに合成樹脂系繊維材の不織布により形成される。好ましい不織布としては、硬直性の高いポリエチレン不織布、ポリプロピレン不織布のスパンボンド式不織布等があげられる。
遮熱反射材3は、低放射性を有するシート材からなり、アルミ箔やステンレス箔等の薄膜金属シート、または合成樹脂系シート材に金属層をラミネートした金属蒸着シートなどを適用することができる。低放射性とは、長波長の熱放射に対する放射率が極めて低く抑えられる性質をいう。
屋内側通気部材21および屋外側通気部材22を共通の材質から構成する場合、長手方向に沿って矩形断面の複数の中空部を有する不織布成形体を、長手方向に沿って二等分に切断する(図2参照)。さらに、二等分されたこれらの通気部材21、22の間に遮熱反射材3を挟み込み、互いに接着することにより遮熱防湿ユニット1を形成することができる。
なお、屋内側通気部材21は透湿性を有することが望ましいが、屋外側通気部材22については必ずしも透湿性が要求されない。このため、屋外側通気部材22は、屋内側通気部材21とは異なる材質のシート材または板状材から構成されてもよい。例えば、屋外側通気部材22は、防水性を有するシート材または板状材であって、透湿防水シートや、合成樹脂系板状材から構成されてもよい。
図3に示すように、遮熱防湿ユニット1は、遮熱反射材3の幅方向の長さが通気部材2の幅よりも長く形成されて、耳部31を備えた構成であってもよい。この場合、遮熱反射材3の耳部31を、壁体内の柱材等との接合部として用いることができる。かかる耳部31は、遮熱反射材3により構成されるに限らず、屋内側通気部材21および屋外側通気部材22を構成するシート材または板状材が通気部材2の幅方向に延長されて形成されていてもよい。
また、遮熱防湿ユニット1は、屋内側通気部材21と屋外側通気部材22とで、異なる断面形状を備えて構成されてもよい。すなわち、図4に示すように、遮熱反射材3を挟んで、複数の中空部20が非対称形にずれた配置形態により構成されてもよい。さらに、遮熱防湿ユニット1は、その強度が十分に確保される場合には、仕切片202の辺縁部を遮熱反射材3に一体化させることなく、適宜箇所において、仕切片202の辺縁部と遮熱反射材3とに隙間を設ける構成とされてもよい。
なお、遮熱防湿ユニット1に備えられる中空部20は、例示したような断面矩形状であるに限らず、円形状、楕円形状、三角形状等のどのような断面形状であってもよい。
(壁パネル)
図5〜図7は本発明の実施形態に係る壁パネル4を示す。遮熱防湿ユニット1は、建物の外壁に組み付けられる壁パネル4を構成する部材として用いることが可能である。
図5および図6に示すように、壁パネル4は、屋内側に配設される内装下地面材41と、上述の構成を有する遮熱防湿ユニット1と、これらの内装下地面材41と遮熱防湿ユニット1との間に配設される断熱材42とを一体に備えてなる。
断熱材42は、屋内側に面する外表面が防湿性フィルムで被覆され、屋外側に面する外表面および木口が防風透湿性の有孔フィルムで被覆されている。
図6に示すように、壁パネル4には、かかるフィルムで被覆された断熱材42の屋内側であって、内装下地面材41との間に、防湿気密シート43が介装されることが好ましい。防湿気密シート43は、例えばポリエチレンフィルムやアルミ蒸着フィルムなどから構成され、内外の防湿性および気密性を確保する。
壁パネル4を構成するこれらの部材は、あらかじめ接合および接着により一体化されて建物の施工現場に搬入される。あらかじめパネル化されていることにより、施工精度を向上させることができるとともに、施工工程を減らし施工期間の短縮化を図ることができる。防湿気密シート43は、一般には破れやすく傷を生じやすいものであるが、あらかじめ壁パネル4に組み込まれていることで、施工現場での損傷を防ぎ、十分な防湿気密性能を発揮させることが可能になる。
図7に示すように、壁パネル4は、屋外側に配設される構造用面材44と、屋内側に配設される断熱材42と、これらの構造用面材44と断熱材42との間に配設される遮熱防湿ユニット1とを一体に備えて構成されてもよい。この場合、構造用面材44を備えて構成されることにより、壁パネル4としての構造耐力を向上させることができる。
(建物の外壁構造)
図8〜図11は、上述の遮熱防湿ユニット1または壁パネル4を用いて構成される建物の外壁構造を示す断面図である。これらの遮熱防湿ユニット1および壁パネル4は、木造住宅などの比較的小規模な建物の外壁構造に適用することが可能である。
図8および図9に示すように、実施形態に係る外壁構造では、所定の間隔で複数の柱材5が立設され、柱材5の屋内側には石膏ボード等の内装下地面材41が設けられている。ここで、柱材5には、管柱、通し柱等の建物の軸組を構成する柱のほか、柱と柱の間に配設される間柱、たて桟材その他の垂直部材全般が含まれる。
内装下地面材41の屋外側には、防湿気密シート43が張設され、断熱材42が備えられている。防湿気密シート43は、屋内の水蒸気が断熱材42内部に流入するのを防止する。断熱材42は、屋内側に面する外表面が防湿性フィルムで被覆され、屋外側に面する外表面および木口が防風透湿性の有孔フィルムで被覆されている。
断熱材42の屋外側には、遮熱防湿ユニット1が配設されている。図8に示すように、遮熱防湿ユニット1は、複数条の中空部20が高さ方向に沿って配設されるように柱材5間に断熱材42とともに装填され、柱材5の奥行き寸法に全体が納められている。遮熱防湿ユニット1の屋外側通気部材22の外面は、柱材5の屋外側の面と面一に揃えられている。この場合、上述した図6の形態に係る壁パネル4は、柱材5の屋内側から柱材5の間に納めて取り付けることで、かかる外壁構造に適用することができる。
遮熱防湿ユニット1の屋外側には外壁材が備えられる。外壁材として、例示の形態では構造用面材44が柱材5の屋外側に立て込まれ、かい木などの下地材61を介して外装仕上材6が配設されている。構造用面材44の屋外側の面には、透湿防水シート45が隙間なく張られている。断熱材42および遮熱防湿ユニット1は、柱材5の間に納められているので、構造用面材44を柱材5に密接させて接合することができる。
構造用面材44は、柱材5と柱材5との間に一枚板で張られることにより耐力壁とすることができる。
外装仕上材6と構造用面材44との間には、通気層7が設けられる。上述した図7の形態に係る壁パネル4は、柱材5の屋外側から柱材5間に納めて取り付けることにより、かかる外壁構造を実現することも可能とされる。この場合、図7の形態に係る壁パネル4は、建物の土台から胴差までの範囲や、胴差から桁まで範囲に適用され、構造強度の高い耐力壁を備えた外壁構造を形成することができる。
図9は、図8の外壁構造を縦断面により示している。柱材5間には断熱材42および遮熱防湿ユニット1が納められている。図示するように、屋内側で発生した水蒸気は、防湿気密シート43により壁体内に流入することが防がれる。また、断熱材42は、屋内側が防湿性フィルムで被覆された構成であるので、断熱材42の内部への湿気の流入が防がれ、熱損失を大幅に低減させて断熱効果を高めることができる。
なんらかの要因で屋内側から断熱材42に湿気が流入したとしても、断熱材42の屋外側を被覆する有孔フィルムによって湿気は断熱材42の屋外側へ排出される。そのため、微量なりとも流入した湿気は、断熱材42から排出され、通気部材2の屋内側通気部材21に流入し、断熱材42に滞留することが防がれる。屋内側通気部材21には、高さ方向に沿って複数条の中空部20が備えられているので、湿気は下方から上方へ、中空部20を流通する。中空部20および通気層7の最下端は、建物基礎に設けられた通気口に接続され、これらの最上端は屋根に設けられた通気口に接続されており、温度差による自然気流によって湿気は上昇し排出される。
一方、屋外からの風雨は、屋外側に設けられた外装仕上材6および透湿防水シート45に遮られる。日射等により外装仕上材6を介して伝導・放射された熱や、屋内側へ微量に流入した湿気は、構造用面材44との間の通気層7を流通して上方へ排出される。また、通気層7は床下に発生した湿気も上昇させて排出する。
夏季に特に高温となる日射熱は、通気層7から構造用面材44に伝導され放射される可能性がある。その場合、熱は、屋外側通気部材22の中空部20から上方へと排出される。屋外側通気部材22と屋内側通気部材21との間には遮熱反射材3が配設されているので、熱は遮熱反射材3によって屋外側通気部材22や、そのさらに屋外側へと反射され、遮熱反射材3の屋内側への伝導・放射は防がれる。
図10および図11は、実施形態に係る他の外壁構造を示す横断面図である。図10に示す形態では、遮熱防湿ユニット1の屋外側通気部材22が柱材5の屋外側に位置するように配設されている。これにより、図8の形態に比べて断熱材42の厚みを確保することができ、断熱性能を高めることができるとともに、壁体の厚みを抑えて構成することが可能となる。遮熱防湿ユニット1は、図3に示したように遮熱反射材3に耳部31を備えた構成のものを採用することにより、耳部31を柱材5との接合部とすることができる。
図11に示す形態では、遮熱防湿ユニット1の全体が柱材5の屋外側に配設されている。柱材5の屋外側には下地材61が添え付けられて、下地材61の間に遮熱防湿ユニット1が納められている。これにより、図8の形態に比べて、断熱材42の厚みを増大させたり屋内側に通気層7を設けたりすることができ、中空部20の作用と相まって湿気の排出性能を向上させることができる。
図10および図11の外壁構造は、構造用面材44を備えない形態であるので、耐力壁とすることが要求されない箇所において好適に実施することができる。また、柱5の屋外側には遮熱防湿ユニット1の遮熱反射材3が配設されることになるので、柱5の屋外側に別途の透湿防水シートを張設する必要性がなく簡便な構造を実現することができる。
以上のように構成される外壁構造およびこれに適用可能な壁パネル4は、遮熱防湿ユニット1における遮熱反射材3が、屋外側と屋内側の両方に中空部20を備えた構成であり、通気部材2における空気の流通性を確保している。そのため、遮熱防湿ユニット1において、遮熱反射材3の遮熱反射性能を十分に発揮させることが可能であり、屋外側通気部材22には屋外側への熱放射性を付与し、屋内側通気部材21には湿気の通気排出性を付与するものとなる。したがって、建物内部の居室では、屋外環境の影響が最小限に抑えられて快適な室内環境が維持される。また、壁体内では、断熱材42の熱損失や結露を防止し得て、長期的に壁体内の腐蝕劣化を防ぐことが可能となる。
なお、本発明に係る遮熱防湿ユニット1、壁パネル4および建物の外壁構造は、前記実施形態以外にも他の様々な形で実施することができる。例えば、遮熱防湿ユニット1における中空部20は屋内側通気部材21と屋外側通気部材22とに一列に並列されるに限らず、複数列に配設されてもよい。また、外壁構造として、遮熱防湿ユニット1が複数ユニット重ねて柱材5間に納められてもよい。前述の実施形態は本発明の例示であってこれに限定されるものではない。
本発明は、住宅をはじめとする比較的小規模な木造建築に好適に利用可能である。
1 遮熱防湿ユニット
2 通気部材
20 中空部
21 屋内側通気部材
22 屋外側通気部材
3 遮熱反射材
4 壁パネル
41 内装下地面材
42 断熱材
43 防湿気密シート
44 構造用面材
5 柱材
6 外装仕上材
7 通気層

Claims (8)

  1. 建物の壁体内に配設される遮熱防湿ユニットであって、
    低放射性を有するシート状の遮熱反射材と、
    前記遮熱反射材の屋内側に配設され、透湿性を有するシート材または板状材からなる屋内側通気部材と、
    前記遮熱反射材の屋外側に配設され、透湿性または防水性を有する、シート材または板状材からなる屋外側通気部材とを備え
    前記屋内側通気部材および前記屋外側通気部材は、それぞれ、平板部と該平板部から前記遮熱反射材側へ突出する複数の仕切片とを備え、前記仕切片の先端部は、前記遮熱反射材に対して相互に対向配置されて前記遮熱反射材に接合されており、
    前記遮熱反射材、前記平板部、および前記仕切片により区画された複数の中空部が設けられていることを特徴とする遮熱防湿ユニット。
  2. 請求項1に記載の遮熱防湿ユニットにおいて、
    前記遮熱反射材は、幅方向の長さが、前記屋内側通気部材および前記屋外側通気部材の幅よりも長く、幅方向の両端部に耳部を備えていることを特徴とする遮熱防湿ユニット。
  3. 請求項1または2に記載の遮熱防湿ユニットを備えて、建物の外壁に組み付けられる壁パネルであって、
    屋内側に配設される内装下地面材と、屋外側に配設される前記遮熱防湿ユニットと、これらの内装下地面材と遮熱防湿ユニットとの間に配設される断熱材とを一体に備え、
    前記断熱材は、屋内側に面する外表面が防湿性フィルムで被覆され、屋外側に面する外表面が防風透湿性有孔フィルムで被覆されていることを特徴とする壁パネル
  4. 請求項3に記載の壁パネルにおいて、
    前記断熱材と前記内装下地面材との間に防湿気密シートが介装されていることを特徴とする壁パネル
  5. 請求項1または2に記載の遮熱防湿ユニットを備えて、建物の外壁に組み付けられる壁パネルであって、
    屋外側に配設される構造用面材と、屋内側に配設される断熱材と、これらの構造用面材と断熱材との間に配設される遮熱防湿ユニットとを一体に備え、
    前記断熱材は、屋内側に面する外表面が防湿性フィルムで被覆され、屋外側に面する外表面が防風透湿性有孔フィルムで被覆されていることを特徴とする壁パネル
  6. 請求項1または2に記載の遮熱防湿ユニットを備える建物の外壁構造であって、
    柱材の屋内側に内装下地面材が配設され、前記内装下地面材の屋外側に断熱材が装填され、前記断熱材の屋外側に前記遮熱防湿ユニットが配設され、前記遮熱防湿ユニットの屋外側に外壁材が備えられ、
    前記断熱材は、屋内側に面する外表面が防湿性フィルムで被覆され、屋外側に面する外表面が防風透湿性有孔フィルムで被覆されており、
    前記断熱材と前記内装下地面材との間に防湿気密シートが介装されていることを特徴とする建物の外壁構造
  7. 請求項6に記載の建物の外壁構造において、
    前記遮熱防湿ユニットは隣り合う柱材間に前記断熱材とともに装填されたことを特徴とする建物の外壁構造
  8. 請求項7に記載の建物の外壁構造において、
    前記遮熱防湿ユニットは、少なくとも前記屋内側通気部材を前記柱材に密接させて、前記柱材間に納められていることを特徴とする建物の外壁構造。
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